JP2014025084A - 金属ナノ粒子複合体、金属コロイド溶液及びそれらの製造方法 - Google Patents

金属ナノ粒子複合体、金属コロイド溶液及びそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 液相還元法を用いて得られる金属ナノ粒子の粒径分布が狭く、保存安定性に優れると共に、低温焼成で実用的な導電性を発現することができる金属ナノ粒子複合体及びこれを分散してなる金属コロイド液、及びそれらの製造方法を提供すること。
【解決手段】 含窒素化合物(A)と金属ナノ粒子(B)とを含有する複合体であって、含窒素化合物(A)が、酸化された窒素原子を含むことを特徴とする金属ナノ粒子複合体、これを媒体に分散させてなる金属コロイド溶液、及びその製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子回路基板の製造に用いられる導電性インクの主成分として好適な金属ナノ粒子複合体、それが媒体中で分散してなる金属コロイド溶液及びその製造方法に関する。
プリント配線板や半導体デバイスの製造は、専らフォトリソグラフプロセスを経て製造されているが、近年開発が進んでいるナノメートルオーダーの金属材料を、何らかの媒体に分散させてインキ配合物とし、これを各種の印刷方法でパターニングして、デバイスとして組上げる塗布型電子デバイスの製造技術に注目が集まっている。
このような技術をプリンテッドエレクトロニクス(以下、PEと略記する)と呼ぶが、この手法は電子回路パターンや半導体素子を、roll−to−rollで大量生産できる可能性があること、オンデマンド性、工程の単純化と省資源化による経済性が期待されており、表示デバイス、発光デバイス、ICタグ(RFID)等の安価な製造方法に発展するとして期待されている。
PEには、導電材料インク、半導体材料インク、絶縁材料インクが基盤的材料として必要であり、とりわけ貴金属(金、銀、白金類)および銅の金属コロイド(金属ナノ粒子)を成分とした導電性インクは重要で、経済性と取扱の容易さから銀コロイドおよびそのインキが先行して開発されている。
銀コロイドを構成する銀ナノ粒子(または、単にナノ銀と称される)は、バルク銀に比べて比表面積が格段に高いので、相互に融着して表面エネルギーを低下させようとする傾向が強い。その結果、バルク銀の融点よりはるかに低い温度で粒子相互が融着する。これを量子サイズ効果(久保効果)と呼ぶことがあるが、ここに銀ナノ粒子を導電材料とするメリットがある。
一般的にナノ材料は特殊なプロセスを経て製造されることから高価になりがちで、これが普及を妨げる一因となっている。銀コロイドについても低コストに製造するためには、真空プロセスのような特殊な装置を必要としない液相還元法が有利である。液相還元法は、銀化合物を溶媒中で還元剤と反応させて還元し銀コロイドを得る方法であるが、その際、生成する銀ナノ粒子を一定以下の粒径にとどめ、かつ安定な金属コロイド状態を形成させるため、「コロイド保護剤」と呼ばれる化合物の存在下で還元を行なう技術が開示されている。コロイド保護剤は専ら、第三級アミノ基、第四級アンモニウム基、塩基性窒素原子を有する複素環、ヒドロキシ基、カルボキシル基など、金属粒子に配位することができる官能基を持つように設計された高分子化合物である(例えば、特許文献1参照)。
前述の如く、良好な低温融着現象が期待される銀ナノ粒子の直径は50ナノメートル以下であるが、更に小さくすると比表面積に応じてコロイド保護剤である高分子化合物の必要量が増加するので、銀ナノ粒子上への残留量も多くなり、逆に低温焼成性(銀コロイドから得られる薄膜を100〜150℃で焼成して得られる比抵抗が、10−6Ωcmオーダーを示す性能)が発現しにくくなってしまうという問題があった。このような、導電材料の設計という観点からは、コロイド保護剤には、粒子を小さく製造する能力、更にこれを保護安定化させる能力、焼結時には速やかに粒子表面から離脱して粒子相互の融着障害にならないという複数の性質を同時に具備させる必要がある。ソルスパース(ゼネカ社商標)やフローレン(共栄社化学社商標)などの市販の高分子顔料分散剤や、顔料親和性基(アミン)を主鎖/側鎖に持ち、かつ複数の溶媒和部分を有する市販の高分子化合物などを用いる技術だけではこれらを同時に実現することは困難であった(例えば、特許文献2〜4参照)。
このような問題に対し、ポリアルキレンイミン−ポリアルキレングリコール−疎水性セグメントからなる三元系高分子や、ポリアルキレンイミン−ポリアルキレングリコールからなる二元系高分子が、銀ナノ粒子の製造に有効であることが既に開示されている(例えば、特許文献5〜7参照)。しかしながら、これらの化合物を用いても、粒径及びその分布の制御と、コロイド溶液としての安定性、及び低温焼成時における実用的な導電性の発現のバランスに優れたものは得られていない。
特開2004−346429号公報 特開平11−080647号公報 特開2006−328472号公報 特開2002−245854号公報 特開2008−037884号公報 国際公開WO2008/143061 特開2005−89784号公報
本発明の課題は、上記のような問題に鑑みなされたものであり、液相還元法を用いて得られる金属ナノ粒子の粒径分布が狭く、保存安定性に優れると共に、低温焼成で実用的な導電性を発現することができる金属ナノ粒子複合体及びこれを分散してなる金属コロイド液、及びそれらの製造方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、金属ナノ粒子の保護剤として使用する化合物として、酸化された窒素原子を有する化合物を用いることによって、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、含窒素化合物(A)と金属ナノ粒子(B)とを含有する複合体であって、含窒素化合物(A)が、酸化された窒素原子を含むことを特徴とする金属ナノ粒子複合体、これが媒体中で分散されてなる金属コロイド溶液、及びこれらの製造方法を提供するものである。
本発明で得られる金属コロイド溶液は、これをガラス板に塗布して得られる薄膜を120℃程度に加熱するだけで、良好な導電性、具体的には体積抵抗率として10−6Ωcmレベルの金属箔を形成する。このような低温導電性能は、金属ナノ粒子の保護剤として使用する化合物中の当該粒子に配位する官能基が特定の構造を有することで、低温であっても粒子表面から速やかに離脱することによるものである。また、本発明の金属ナノ粒子複合体に含まれる金属ナノ粒子の平均粒子径はおよそ30nm程度であって、かつ粒径分布も狭く、これを用いたインク等の製品性状を一定に保つことが可能であり、且つその保存安定性もよい。これらのことから、PEにおける導電性材料として好適用いることが可能である。
〔含窒素化合物(A)〕
本発明で金属ナノ粒子(B)の保護剤としての機能を有する含窒素化合物(A)は、窒窒素原子が酸化されていることが必要である。酸化された窒素原子は、金属イオンの液相還元法により還元され析出する金属ナノ粒子(B)の表面に配位し、これを安定化させることによって金属の成長を阻止すると共に、これを薄膜化した際には、低温で速やかに金属表面から離脱することができる。このため本発明の目的である安定性と低温焼成での導電性発現に大きな役割を果たすことになる。
前記含窒素化合物(A)における酸化された窒素原子の形態としては、例えば、N−オキシド、N−ヒドロキシド、ニトロン、ニトロソ、ニトロ化合物の何れかであることが好ましく、これらが同一の化合物に対して複数含まれているものであってもよい。
前記含窒素化合物(A)中における酸化された窒素原子の含有率としては、特に限定されるものではないが、後述する酸化処理の方法で容易に当該化合物(A)が得られること、得られる金属ナノ粒子複合体を分散させてなるコロイド溶液の保存安定性と、低温焼成での高導電性発現との両立が図れる点から、含窒素化合物(A)に含まれる全窒素原子数の0.5〜10%に対応する化学量論量で酸化されていることが好ましく、特に0.5〜5.0%の化学量論量で酸化されていることが好ましい。
また、前記含窒素化合物(A)の分子量としては、金属ナノ粒子(B)の保護機能と低温焼成時における高導電性発現のバランスの観点から、その重量平均分子量として500〜100,000の範囲であることが好ましく、特に1,000〜50,000の範囲であることが好ましい。
前記含窒素化合物(A)の合成方法としては、特に限定されるものではないが、酸化された窒素原子を容易に含有させることができる点から、窒素原子が1級〜3級のアミン官能基として含まれている前駆体化合物(a)を酸化剤(C)を用いて酸化処理する方法が好ましい。
前記前駆体化合物(a)としては、特に限定されるものではないが、窒素原子を比較的多く有することにより、金属ナノ粒子(B)への保護機能が高く、この結果金属ナノ粒子複合体中における含窒素化合物(A)の存在比率を下げることが可能であり、ひいては導電性への影響を下げることができる観点から、ポリアルキレンイミン構造を有する化合物であることが好ましく、特にポリエチレンイミン構造を有する化合物であることが好ましい。
また、含窒素化合物(A)は、金属コロイド溶液としたときの保存安定性を発現させる観点から、媒体への親和性部分を有することが好ましい。即ち、この媒体への親和性を有する部分が溶媒中へ展開して、溶媒親和かつファンデルワールス斥力による凝集防止を行うものであり、これは、コロイド化学の基本的な考え方のひとつである(講談社サイエンティフィク、北原、古澤共著「最新コロイド化学」参照)。このような媒体への親和性を有する部分としては、ポリアルキレンオキシド基が好ましく、特に水媒体を用いる場合には、ポリエチレンオキシド基であることが好ましい。
即ち、本発明で用いる含窒素化合物(A)の前駆体化合物(a)としては、ポリアルキレンイミン部分と、ポリアルキレンオキシド部分とを有する共重合体であることが最も好ましいものである。
このような化合物については、すでに前記特許文献5〜7において、特に銀ナノ粒子への保護機能に優れることが記載されている。即ち、重合度3〜3,000の分岐状ポリエチレンイミン鎖に、重合度3〜3,000のポリオキシエチレン鎖からなる親水性セグメントを結合させた化合物、および、重合度3〜3,000の分岐状ポリエチレンイミン鎖に、重合度3〜3,000のポリオキシエチレン鎖からなる親水性セグメントを結合させたものに更に重合度3〜3,000の疎水性ポリマーを結合させた三元構造を有する化合物が、銀コロイドの保護剤として有効であることは知られている。また、例えば、特開2006−241372号公報等により、その製法も提供されている。
しかしながら、これらの文献で提供されている化合物をもってしても、導電材料として良好な銀コロイド溶液が提供できるかという観点から見ると、甚だ不完全であった。例えば、特許文献5には、銀ナノ粒子を含む複合体を媒体に分散させた分散液をガラス板に塗布して、200℃、30分の焼結を行った時に、8.7×10−4Ω・cmレベルの導電性膜が得られたと記されている。また、特許文献6では、180℃、30分の焼成で、4.7〜7.6×10−6Ω・cmの導電性膜を得ているものであり、導電性の発現にはいずれも高い焼成温度を必要としている。このため、基材には耐熱性のある素材を選択せざるを得ず、安価なポリエステル等の汎用基材が選択できないという問題点があった。即ち、本発明は、これらの文献で提供された保護機能を有する化合物では達成できなかったごく低温の処理によっても高導電性を発現するものが得られ、配線材料としての適性が高い材料を提供するものである。
〔金属ナノ粒子(B)〕
本発明における金属ナノ粒子(B)は、金属イオンの液相還元法で得られるものであれば良く、その金属種としては特に限定されないが、導電材料としての汎用性、導電性及びコスト等の観点から、金、銀、白金、銅であることが好ましく、特に銀であることが好ましい。液相還元法を用いることによって金属ナノ粒子(B)を析出させる観点から、媒体、特には水媒体への溶解性に優れる金属塩を原料として用いることが好ましい。又は錯化剤の併用で水媒体へ溶解する金属化合物であってもよい。このような観点から、金属の硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩等を原料として用いることができ、また酸化銀等の不溶性のものはアミン類と併用して溶解させて用いてもよい。また、金属ナノ粒子(B)の平均粒子径としては、本発明のコロイド溶液をキャストして得られる膜のTEM(透過型電子顕微鏡)にて観測できる100個の粒子の平均値として5〜50nmの範囲であることが好ましく、特に安定性と導電性発現が良好であることから20〜50nmの範囲であることが好ましい。
〔酸化剤(C)〕
本発明においては、前述のように、窒素原子を構造中に含む、特にはアミン官能基として含む前駆体化合物(a)を酸化して含窒素化合物(A)を得ることができるが、この時の酸化は、前記前駆体化合物(a)の溶液と酸化剤(C)とを混合することのよる方法が、最も簡便で好ましい方法である。
この時使用できる酸化剤(C)としては、ペルオキシド構造(−O−O−、−N−O−)を有する化合物、たとえば過酸化水素、金属過酸化物、無機過酸およびその塩、有機ペルオキシ化合物並びに有機過酸およびその塩などの過酸化物を好適に用いることができる。更に前駆体化合物(a)の溶液を、空気または酸素と常圧で長時間、若しくは加圧下で保存することによっても同様に酸化反応が進行するので、このようにして作製してもよい。
過酸化水素は、通常30〜50%の過酸化水素水として工業的に供給されるものを使うことができる。金属過酸化物の例としては、過酸化ナトリウム、過酸化カリウム、過酸化リチウム、過酸化マグネシウム、過酸化亜鉛などが入手しやすく、同様に用いることが出来る。無機過酸およびその塩としては、過硫酸、過炭酸、過リン酸、次過塩素素酸、オキソン(デュポン社登録商標、過硫酸水素カリウムを主体とする酸化剤)、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過炭酸ナトリウム等を使用することができる。有機ペルオキシ化合物並びに有機過酸およびその塩としては、過酢酸、過安息香酸、m−クロロ安息香酸、ベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシド、1,2−ジメチルジオキシラン、デービス試薬(2−(フェニルスルフォニル)−3−アリールオキサジリジン)などが挙げられ、これらも使用することができる。これらの酸化剤のうち、とりわけ好適に用いることができるのは、入手と取り扱いが容易で、安価な30%過酸化水素水、過硫酸アンモニウム、オキソン、過酢酸である。
〔酸化剤(C)との反応〕
上記に挙げた酸化剤(C)は、1モルあたりの窒素原子に対して酸素原子1個を与えることが出来る。第3級および第2級アミンとは1対1での反応を想定すればよい。第1級アミンとの反応には複雑さが想定されるが、酸化剤1分子との反応にとどまらず、さらに次の酸化剤と反応してC−ニトロソ、さらに酸化されればニトロ型となり、化学量論的には3モルの酸化剤(C)を消費しうる
Figure 2014025084
このようなことを念頭に置いて酸化剤(C)量を検討し、前駆体化合物(a)中の全ての窒素原子数の0.5〜10%、好ましくは1〜5%を酸化できるように酸化剤(C)を用いることが好ましいことが判明している。
〔含窒素化合物(A)の構造〕
本発明で使用する前駆体化合物(a)は、前述のように、ポリアルキレンイミン構造を有する化合物であることが好ましく、高い水溶性を有することから、重合度3〜3,000の分岐状ポリエチレンイミン構造を有することが好ましい。更に、コロイド溶液の分散安定性を確保する観点から、これに重合度3〜3,000のポリオキシエチレン鎖が共重合している化合物、更にこれに重合度3〜3,000の疎水性ポリマーを結合させた三元構造の化合物であってもよい。
分岐状ポリエチレンイミン構造中には、第三級、第二級および第一級のアミンが均等かつランダムに含まれており、これらに属する窒素原子の求核性の差、高分子鎖中にあることによる大きな立体障害を考慮すると、これら級数の異なるアミンの酸化反応に対する選択性を明確にすることはできない。従って、これらが並存する環境下において、十分な酸化剤を反応させた場合、第三級アミンはアミンオキシド(C−N(O−)(−C)−C)へ、第二級アミンはヒドロキシルアミン(C−N(OH)−C)、およびその酸化体であるニトロン(C=C−N(O−)−C)へ、第一級アミンはヒドロキシルアミン(C−NH(OH))、ニトロソ(C−NO)、ニトロ(C−NO)の構造へとそれぞれランダムに酸化されると推定される。また、ヒドロキシルアミン構造とアミンオキシド構造が併発する場合、前者は後者を還元して第三級アミンを再生し、ヒドロキシルアミンはニトロン化合物に変換されうるので、これらの構造も含みうると推定される(下記反応式参照)。
Figure 2014025084
一方、このような含窒素化合物としては、ジエチルヒドロキシルアミンの代替を目的とした銀塩写真用現像液または現像液の保存剤があり、酸化された高分子の構造として、ポリ(N−ヒドロキシルアルケンイミン)(化3)を含むものと開示されている(例えば、特開平6−273905号公報参照)。
Figure 2014025084
ヒドロキシルアミン類は還元剤として働くので、塩化2,3,5−トリフェニルテトラゾリウム(TTC)のような還元性指示薬を呈色させることができる。本発明においても、酸化処理して得られた含窒素化合物(A)にTCCを混ぜたところ、トリフェニルホルマザン由来の強い赤色呈色を見出した。また、0.5%程度の微量の酸化剤で処理した含窒素化合物であっても呈色が確認でき、ヒドロキシルアミン構造の存在を確認した。
第三級アミンに対する酸化剤として過酸化水素を用いる場合、反応速度を向上させるため、遷移金属、金属ポルフィリン錯体、フラビンなどの触媒を加えて活性化を行うことが好ましい。一方、第二級アミンの反応は急激に起こることが知られおり、本発明の含窒素化合物のような各級のアミンが混在する場合には、第二級アミンの酸化が優先すると考えられる。特に、酸化剤(C)として、全窒素原子数の0.5〜10%に対応する量論量で用いた場合、H−NMRの分析結果から推定して、主としてヒドロキシルアミンポリマーが生成し、N−オキシドは副生程度であると推察できる。
〔金属ナノ粒子複合体の製造方法〕
本発明の金属ナノ粒子複合体の製造方法には特段の制限はなく、液相還元法を用いればよい。すなわち、前述の含窒素化合物(A)の存在下、前述のような金属塩を含む水溶液に還元剤を添加して、室温乃至は加熱により還元剤の能力を発揮させ、金属イオンを還元させればよい。このような還元能力を有する還元剤には、無機還元剤としては、ヒドラジン及びヒドロキシルアミンが挙げられる。また有機還元剤としてはN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン等のヒドロキシルアミン系化合物類、N,N−ジアルキルヒドラジン等のヒドラジン系化合物類、N,N−ジメチルアミノエタノール、ハイドロキノン、アミノフェノール等のフェノール類およびアミン類、2−ヒドロキシアセトン、2−ヒドロキシヘキサン−1,3−ジオン、リンゴ酸等のヒドロキシケトン類やヒドロキシカルボン酸類、及びアスコルビン酸や2,3−ジヒドロキシマレイン酸等のエンジオール類が挙げられる。中でもN,N−ジメチルアミノエタノールは還元する力が程よく、入手も容易であり、水および有機溶剤に対する溶解性、経済性、安全性の点から好ましい。
〔金属コロイド溶液の製造方法〕
前記で得られた反応溶液には、原料として用いた金属化合物由来の不要成分(たとえば硝酸銀を原料として用いた場合には、硝酸イオン化合物)、還元剤残渣、余剰の含窒素化合物(A)などが溶液の状態で含まれており、導電材料としてはこのまま使用することが出来ない。そこで精製することが必要になるが、それには微粒子の分離精製に関する種々の方法を用いることができる。具体的には、透析、精密濾過、限外濾過、沈殿、遠心分離法が挙げられ、特に限外濾過、遠心分離は有効である。
限外濾過法の具体的手段としては、特に限定するものはなく、平膜型または中空糸型モジュールを用いたクロスフロー方式が工業的方法として一般的である。本発明の場合も同様の形式を用いることが出来、粗製の反応液を限外濾過ユニット中に送液循環させ、除去すべき物質を濾液として除去すればよい。濾液の量に相当する量の精製水を絶えず加えながら限外濾過を継続すると、不要物が十分低減された金属コロイド溶液が出来あがり、精製水の添加を止めれば濃度の調整も行うことができる。水溶性の不要物の除去が終了したら、エタノールなどの水溶性有機溶媒を加えながら更に限外濾過を続けると、最終的には非水系金属コロイド溶液が調製できる。
限外濾過の膜材質にはポリアクリロニトリル、ポリエーテルサルホン、酢酸セルロースなどが一般的に用いられ、これらを使うことが出来る。有機溶媒への交換を行う場合には、ポリエーテルサルホンが耐久性の観点から良好な選択となる。分画分子量は各種のものが知られているので、得られる金属ナノ粒子のサイズに合わせて選定すればよい。通常、3000〜80万程度のものを用いることが出来、15万のものは金属ナノ粒子の漏れが少なく、かつ濾過抵抗も低いので好適に用いられる。
遠心分離法も微粒子精製の一般的な方法である。得られた粗製反応液をそのまま遠心分離機にかけ、金属ナノ粒子複合体を沈降物として分離してもよいし、貧溶媒となるものを加えて略略沈降させた後、更に遠心分離機により金属ナノ粒子複合体を沈降させてもよい。除去すべき物質は上澄み液に含まれるので、これを除くことで精製できる。沈降金属ナノ粒子複合体に水を加えて分散させ、再び遠心分離することにより精製度を高めていくことが一般的である。この操作を複数回繰り返すことにより水溶性の不要物が除去できたら、沈降物に水や有機溶媒を加えることで、所望の濃度の水系または非水系金属コロイド溶液が調製できる。
〔金属コロイド溶液〕
金属ナノ粒子複合体は、その精製方法において述べたように、水または有機溶媒に分散することによって金属コロイド溶液となる。この溶液は、目的に応じた濃度や溶媒系の変更が可能である。有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコール類等を挙げることができ、単独でも、2種以上を混合して用いても、又水と混合して用いても良い。溶液中の金属ナノ粒子複合体(不揮発分)の濃度は、当該の用途によって適宜選択できるものであるが、一般的には10〜85質量%であることが好ましく、特に室温での乾燥が容易である点と、得られる金属皮膜の導電性が良好になる観点から、20〜70質量%の範囲に調整することが好ましく行われる。また、該不揮発分中における金属ナノ粒子の含有率としては、導電性発現が容易であることから90質量%以上、好ましくは95質量%以上になるよう調整することが好ましい。
上記で得られた本発明の金属コロイド溶液は、そのまま各種塗布方法を適用して金属薄膜を得ることができる。また、様々な印刷法(インクジェット、反転印刷等)に応じた添加剤、界面活性剤等を混合することができ、各種機材の上に印刷して配線を作製することも容易である。
以下、本発明を実施例により説明する。特に断わりのない限り「%」は質量基準である。
H−NMRによる含窒素化合物(A)の構造確認〕
化合物の溶液約3mLを濃縮し、十分減圧乾燥した後、残渣を0.03%テトラメチルシラン含有重クロロホルム約0.8mLに溶かし、これを外径5mmのガラス製NMR測定用サンプル管に入れ、JEOL JNM−LA300型核磁気共鳴吸収スペクトル測定装置によりH−NMRスペクトルを取得した。化学シフト値δは、テトラメチルシランを基準物質として表わした。
〔動的光散乱法による粒子径測定〕
金属コロイド溶液の一部を精製水で希釈し、FPAR−1000型濃厚系粒径アナライザー(大塚電子株式会社製)により、粒子径分布、平均粒子径を測定した。
〔熱重量分析による不揮発物中の金属含量測定〕
金属コロイド溶液約1mLをガラスサンプル瓶にとり、沸騰水浴上で窒素気流下加熱濃縮し、残渣を更に50℃、8時間以上真空乾燥して不揮発物を得た。この不揮発物2〜10mgを熱重量分析用アルミパンに精密にはかり、EXSTAR TG/DTA6300型示差熱重量分析装置(セイコーインスツル株式会社製)に載せ、空気気流下、室温から500℃まで毎分10℃の割合で昇温して、加熱に伴う重量減少率を測定した。不揮発物中の金属含量は以下の式で計算した。
金属含量(%)=100−重量減少率(%)
〔金属コロイド溶液から得られる金属薄膜の抵抗率測定〕
金属コロイド溶液を、2.5×5cmの清浄なガラス板の上部に約0.5mL滴下し、バーコーター8番を用いて塗膜とした。作製した塗膜を風乾後、120、150、180および250℃の熱風乾燥機中で30分間加熱して焼成塗膜とした。得られた焼成塗膜の厚みを、オプテリクスC130型リアルカラーコンフォーカル顕微鏡(レーザーテック社製)を用いて計測し、続いて表面抵抗率(Ω/□)をロレスタ−EP MCP−T360型低抵抗率計(三菱化学株式会社製)を用いて、JIS K7194「導電性プラスチックの4探針法による抵抗率試験」に準拠して測定した。塗膜厚みは、上記条件によればほぼ0.3μmの一定値を示し、この厚みと表面抵抗率(Ω/□)から体積抵抗率(Ωcm)を次式により算出した。
体積抵抗率(Ωcm)=表面抵抗率(Ω/□)×厚み(cm)
合成例1(トシル化ポリエチレングリコールモノメチルエーテルの合成)
クロロホルム150mlにポリエチレングリコールモノメチルエーテル(PEGM、数平均分子量(Mn)2000)25.0g〔12.9mmol〕とピリジン24g(300mmol)とを混合した溶液に、トシルクロライド7.36g(38.6mmol)を加え、室温で一夜攪拌した。反応混合物からピリジンを減圧留去し、残渣にクロロホルム150mLを加えて希釈し、5%HCl水溶液250mL(340mmol)で洗浄後、飽和食塩水と水で洗浄した。得られたクロロホルム溶液を硫酸ナトリウムで乾燥した後、エバポレータで溶媒を留去し、さらに減圧乾燥して23.6gの白色固体を得た(収率は85%)。
H−NMR(CDCl3):δ(ppm)=7.8(d,2H,J=7.8Hz,トシル基)、7.3(d,2H,J=7.8,トシル基)、4.2(t,2H,J=4.2Hz,スルホン酸エステル隣接位)、3.6−3.5(m,PEGMメチレン)、3.4(s,3H,PEGM鎖末端メトキシ基)2.4(s,3H,トシル基メチル)
合成例2(前駆体化合物a−1:ポリエチレンイミン−b−ポリエチレングリコール化合物の合成)
上記合成例1で得られたトシル化ポリエチレングリコール23.2g(1.1mmol)と、分岐状ポリエチレンイミン(日本触媒株式会社製、エポミン SP200)15.0g(1.5mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド180mlに溶かし、炭酸カリウム0.12gを加え、窒素雰囲気下で100℃、6時間攪拌した。反応終了後、固形物を除去した後、70℃で減圧濃縮し、残渣に酢酸エチル150mlとヘキサン450mlの混合物を加えて沈殿物を得た。該沈殿物をクロロホルム100mlに溶解し、再度酢酸エチル150mlヘキサン450mlの混合溶媒を加えて再沈させた。これを濾過分離し、減圧下で乾燥すると淡黄色の固形物がえられた36.1g(収率97%)。
H−NMR(CDCl3):δ(ppm)=3.6(m,PEGMメチレン)、3.3(s,3H,PEGM鎖末端メトキシ基)、2.7〜2.3(m,分岐PEIエチレン)
合成例3(前駆体化合物a−2:ポリエチレンイミン−b−ポリエチレングリコール−b−ビスフェノールA型エポキシ樹脂)
EPICLON AM−040−P(DIC株式会社製)37.4g(20mmol)、4−フェニルフェノール2.72g(16mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド100mLに溶解後、65%酢酸エチルトリフェニルホスホニウムのエタノール溶液0.52mLを加え、窒素雰囲気下、120℃で6時間反応させた。放冷後、多量の水中に滴下し、得られた沈殿物を多量の水で洗浄した。残渣を減圧乾燥し、変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂を得た。得られた生成物の収率は100%であった。
H−NMR測定を行いエポキシ基の積分比を考察した結果、ビスフェノールA型エポキシ樹脂1分子にエポキシ環は0.95個残っており、生成物がビスフェノールA骨格を有する単官能性のエポキシ樹脂であることを確認した。
合成例2で得られたポリエチレンイミン−b−ポリエチレングリコール化合物20g(0.8mmol)のメタノール(150mL)溶液に、上記変性エポキシ樹脂4.9g(2.4mmol)のアセトン(50mL)溶液を窒素雰囲気下で滴下後、50℃で2時間攪拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を留去し、さらに減圧乾燥することにより、ポリエチレンイミン−b−ポリエチレングリコール−b−ビスフェノールA型エポキシ樹脂を得た。収率は100%であった。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)=7.55〜6.75(m),4.40〜3.90(m),3.33(m),2.89(m),2.73(m),1.62(s)
実施例1(前駆体化合物a−1を過硫酸アンモニウムで酸化した含窒素化合物による銀コロイド溶液の合成)
合成例2で得られた前駆体化合物a−1(3.24g)を水10mLに溶かし、過硫酸アンモニウム(108mg、0.48mmol、N原子の2%相当)を加え、室温で1時間攪拌し、その後一夜放置した。
精製水10mLに得られた高分子の溶液を1滴採取し、これに塩化2,3,5−トリフェニルテトラゾリウム約1mgを加えて振り混ぜて溶かすと、直ちに還元発色(赤色)を呈した。これにより、高分子構造にN−OHが含まれることを確認した。
得られた、高分子溶液約3mLを濃縮し、減圧乾燥した後、残渣を重クロロホルムに溶かしてH−NMRを測定したところ、酸化前には見られなかったブロードシグナルが8.0、3.3、2.9ppmに観測された。8.0ppmのシグナルはN−ヒドロキシ基、後二者はそれぞれ酸化された窒素に隣接するメチレンプロトンのシグナルと帰属した。
H−NMR(CDCl):δ(ppm)=8.0(br,N−OH),3.6(m,PEGMメチレン)、3.3(br,NH−OH隣接メチレンまたはN=O隣接メチレン),3.3(s,3H,PEGM鎖末端メトキシ基)、2.9(br,N−OH隣接メチレン),2.7〜2.3(m,分岐PEIエチレン)
得られた高分子溶液を精製水400mLで希釈し、N,N−ジメチルアミノエタノール(113g,1.27mol)を加え、保護剤−還元剤溶液を調製した。別に硝酸銀(72.0g,0.424mol)を精製水120mLに溶かして、硝酸銀水溶液とした。
保護剤−還元剤溶液に、室温で硝酸銀水溶液を30分かけて滴下し、その後、50℃で3時間攪拌した。冷却後アセトン(2.3L)を加えて攪拌し、生成した沈降物を遠心分離した。沈降物に水140mLを加えて再び分散し、残留アセトンを留去するとともに不揮発物が約30%になるまでを減圧濃縮し、銀コロイド溶液を得た(水分散体として146g、不揮発物として43.8g、純銀含量96.5%、収率92%)。この銀コロイド溶液の評価結果は表1に示した。
実施例2、3(前駆体化合物a−1を過硫酸アンモニウムで酸化した含窒素化合物による銀コロイド溶液の合成)
合成例2で得られた前駆体化合物a−1(3.24g)を水10mLに溶かし、過硫酸アンモニウム(216mg、0.95mmol、N原子の2%相当(実施例2)、または540mg、2.37mmol、N原子の2%相当(実施例3))を加え、室温で1時間攪拌し、その後一夜放置した。他は実施例1と同様に行って、約30%の銀コロイド溶液を得た(実施例2:水分散体として140g、不揮発物として42.1g、純銀含量97.0%、収率89%;実施例3:水分散体として142g、不揮発物として42.5g、純銀含量96.8%、収率90%)。
実施例4(前駆体化合物a−1を30%過酸化水素水で酸化した含窒素化合物による銀コロイド溶液の合成)
合成例2で得られた前駆体化合物a−1(3.24g)を水10mLに溶かし、30%過酸化水素水(108mg、0.95mmol、N原子の2%相当)を加え、室温で1時間攪拌し、その後一夜放置した。他は実施例1と同様に行って、約30%の銀コロイド溶液を得た(水分散体として140g、不揮発物として42.1g、純銀含量97.0%、収率89%)
実施例5(前駆体化合物a−2をオキソン(デュポン登録商標)で酸化した含窒素化合物による銀コロイド溶液の合成)
合成例3で製造した前駆体化合物a−2(1.99g)を水10mLに溶かし、オキソン(142mg,0.23mmol)を加えて、室温で一夜放置した。これを精製水250mLで希釈し、N,N−ジメチルアミノエタノール(69.5g,0.78mol)を加え、保護剤−還元剤溶液を調製した。別に硝酸銀(44.2g,0.26mol)を精製水75mLに溶かして、硝酸銀水溶液とした。
保護剤−還元剤溶液に、室温で硝酸銀水溶液を30分かけて滴下し、その後、50℃で3時間攪拌した。冷却後アセトン(1.4L)を加えて攪拌し、生成した沈降物を遠心分離し、沈降物に水50mLを加えて再び分散し、不揮発物30%になるまで減圧濃縮することにより銀コロイド溶液を得た(水分散体として86.2g、不揮発物として25.8g、純銀含量96.7%、収率89%)。
実施例6(前駆体化合物a−2を過酢酸で酸化した含窒素化合物による銀コロイド溶液の合成)
合成例3で製造した前駆体化合物a−2(1.99g)を水10mLに溶かし、32%過酢酸溶液(55mg,0.23mmol相当、Aldrich社製)を加えて、室温で一日放置した。他は実施例5と同様にして銀コロイド溶液(約30%)を得た(水分散体として84.3g、不揮発物として25.2g、純銀含量97.0%、収率87%)。
比較例1
合成例2で得られた前駆体化合物a−1(3.24g)を水410mLに溶かし、N,N−ジメチルアミノエタノール(113g,1.27mol)を加えて保護剤−還元剤溶液を調製した。その他は、実施例1と同様に行って、銀コロイド溶液(約30%)を得た(水分散体として139g、不揮発物として41.0g、純銀含量96.1%、収率86%)。
比較例2
合成例3で得られた前駆体化合物a−2(1.99g)を水260mLに溶かし、N,N−ジメチルアミノエタノール(69.5g,0.78mol)を加え、保護剤−還元剤溶液を調製した。その他は、実施例5と同様に行って、銀コロイド溶液(約30%)を得た(水分散体として83.9g、不揮発物として24.6g、純銀含量95.9%、収率84%)。
Figure 2014025084
−:オーバースケール
Figure 2014025084
本発明の金属ナノ粒子複合体は、従来技術で得られる金属ナノ粒子、及びこれと保護剤とからなる複合体よりも粒径分布が狭くそろっており、コロイド溶液としたときの保存安定性もよい。また、低温焼成での融着特性に優れるので、PEに用いられる導電インク材料として、インクジェット法、マイクロコンタクト法、反転凸版グラビア法などの印刷方法に対応することができる。従って、プリント配線板の回路形成のほか、液晶ディスプレードライバー回路、タッチパネル回路、ICカードアンテナ等の配線製造に好適に使用することができる。

Claims (12)

  1. 含窒素化合物(A)と金属ナノ粒子(B)とを含有する複合体であって、含窒素化合物(A)が、酸化された窒素原子を含むことを特徴とする金属ナノ粒子複合体。
  2. 前記含窒素化合物(A)中の酸化された窒素原子が、N−オキシド、N−ヒドロキシド、ニトロン、ニトロソ及びニトロ化合物からなる群から選ばれる1種以上の形態である請求項1記載の金属ナノ粒子複合体。
  3. 前記含窒素化合物(A)の重量平均分子量が1,000〜50,000の範囲である請求項1又は2記載の金属ナノ粒子複合体。
  4. 前記含窒素化合物(A)中の酸化された窒素原子の含有率が、含窒素化合物(A)に含まれる全窒素原子数の0.5〜10%に対応する化学量論量である請求項1〜3の何れか1項記載の金属ナノ粒子複合体。
  5. 前記含窒素化合物(A)が、窒素原子が酸化されていない前駆体化合物(a)の溶液と、酸化剤(C)とを混合することによって得られるものである請求項1〜4の何れか1項記載の金属ナノ粒子複合体。
  6. 前記前駆体化合物(a)がポリアルキレンイミン構造を有する化合物である請求項5記載の金属ナノ粒子複合体。
  7. 前記酸化剤(C)がペルオキシド(−O−O−、−N−O−)構造を有する化合物、空気、または酸素である請求項5又は6記載の金属ナノ粒子複合体。
  8. 前記金属ナノ粒子(B)が銀ナノ粒子である請求項1〜7の何れか1項記載の金属ナノ粒子複合体。
  9. 前記金属ナノ粒子(B)の平均粒子径が5〜50nmの範囲である請求項1〜8の何れか1項記載の金属ナノ粒子複合体。
  10. 請求項1〜9の何れか1項記載の金属ナノ粒子複合体が媒体中で分散してなることを特徴とする金属コロイド溶液。
  11. 酸化された窒素原子を含む含窒素化合物(A)の存在下、媒体中で金属イオンを還元して金属ナノ粒子(B)とすることを特徴とする金属コロイド溶液の製造方法。
  12. 前記金属ナノ粒子(B)が銀ナノ粒子である請求項11記載の金属コロイド溶液の製造方法。
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