JP2014024769A - ジベンゾ[a,i]フルオレン化合物、それを有する有機発光素子、該有機発光素子を有する表示装置、画像情報処理装置、照明装置および画像形成装置 - Google Patents

ジベンゾ[a,i]フルオレン化合物、それを有する有機発光素子、該有機発光素子を有する表示装置、画像情報処理装置、照明装置および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】有機発光素子に用いることができる新規化合物を提供する。また、該新規化合物を用いた有機発光素子、ならびに該有機発光素子を用いた表示装置、画像情報処理装置、照明装置、および画像形成装置を提供する。
【解決手段】下記一般式[1]に示される化合物。
Figure 2014024769

(式[1]において、Ar、Ar、およびArは、炭素数が6以上14以下のアリーレン基であり、各々同じであっても異なっていても良い。前記アリーレン基は置換基を有していてもよく、前記置換基は、メチル基、tert−ブチル基、フェニル基、フェナンスリル基、ナフチル基、フルオレニル基、およびアントリル基から選ばれる。RおよびRは、それぞれ独立して、メチル基およびエチル基から選ばれる。aは0もしくは1、bは0もしくは1である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、ジベンゾ[a,i]フルオレン化合物、それを有する有機発光素子、該有機発光素子を有する表示装置、画像情報処理装置、照明装置および画像形成装置に関する。
有機発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子、あるいは有機EL素子とも呼ばれる)は、一対の電極と、それらの間に配置されている有機化合物層と、を有する素子である。これら一対の電極から電子および正孔が注入されることにより、有機化合物中の発光性有機化合物の励起子が生成され、該励起子が基底状態に戻る際に光を放出する。
このような有機発光素子の発光効率を向上させる手法として、燐光発光を用いた有機発光素子の開発が行われており、特許文献1には、有機発光素子の発光層に用いる化合物として、下記のジベンゾフルオレン骨格を有する化合物が記載されている。
Figure 2014024769
米国特許第6849348号明細書
しかしながら、特許文献1に記載の化合物は、分子量が少なくとも920と大きい。そのため、合成時に昇華精製を高温下で行わねばならない。また、有機発光素子の発光層を形成する際に、真空蒸着法を用いる場合、高温にする必要がある。
そこで、本発明は、下記一般式[1]に示されることを特徴とする化合物を提供する。
Figure 2014024769
(一般式[1]において、Ar、Ar、およびArは、炭素数が6以上14以下のアリーレン基であり、各々同じであっても異なっていても良い。前記アリーレン基は置換基を有していてもよく、前記置換基は、メチル基、tert−ブチル基、フェニル基、フェナンスリル基、ナフチル基、フルオレニル基、およびアントリル基から選ばれる。RおよびRは、それぞれ独立して、メチル基およびエチル基から選ばれる。aは0もしくは1、bは0もしくは1である。)
本発明によれば、有機発光素子に用いることができ、低温蒸着可能なジベンゾ[a,i]フルオレン化合物を提供することができる。また、低電圧駆動下で高発光効率し、耐久性の高い有機発光素子、およびこれを用いた表示装置、画像情報処理装置、照明装置、画像形成装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る白色有機発光素子を表す断面模式図である。 本発明の実施形態に係る表示装置を表す断面模式図である。
本発明に係るジベンゾ[a,i]フルオレン化合物を下記一般式[1]に示す。
Figure 2014024769
(一般式[1]において、Ar、Ar、およびArは、炭素数が6以上14以下のアリーレン基であり、各々同じであっても異なっていても良い。前記アリーレン基は置換基を有していてもよく、前記置換基は、メチル基、tert−ブチル基、フェニル基、フェナンスリル基、ナフチル基、フルオレニル基、およびアントリル基から選ばれる。RおよびRは、それぞれ独立して、メチル基およびエチル基から選ばれる。aは0もしくは1、bは0もしくは1である。)
一般式[1]に示されるジベンゾ[a,i]フルオレン化合物は、炭化水素のみで構成されている。
一般式[1]に示されるジベンゾ[a,i]フルオレン化合物は、炭化水素のみで構成されているので、ヘテロ原子を有する化合物と比べて、有機発光素子の発光層に用いられる場合、発光層に隣接する層とのHOMO準位および/またはLUMO準位における障壁を極端に大きくしなくてすむ。障壁を極端に大きくしなくて済むため、一般式[1]に示されるジベンゾ[a,i]フルオレン化合物と発光層に隣接する層(ホール輸送層や電子輸送層など)が有する化合物との間でエキサイプレックスを形成しにくい。
一般式[1]に示されるジベンゾ[a,i]フルオレン化合物は、ジベンゾ[a,i]フルオレン骨格の13位にR、Rの如き置換基を有する以外は、3位のみに以下の部分構造(一般式[2])を有している。
Figure 2014024769
(一般式[2]において、Ar、Ar、およびArは、炭素数が6以上14以下のアリーレン基であり、各々同じであっても異なっていても良い。前記アリーレン基は置換基を有していてもよく、前記置換基は、メチル基、tert−ブチル基、フェニル基、フェナンスリル基、ナフチル基、フルオレニル基、およびアントリル基から選ばれる。RおよびRは、それぞれ独立して、メチル基およびエチル基から選ばれる。aは0もしくは1、bは0もしくは1である。)
なお、一般式[2]に示される部分構造は、一般式[1]に示される構造の一部であり、一般式[1]中に示されている構造と同じである。
一般式[1]に示されるジベンゾ[a,i]フルオレン化合物は、一般式[2]に示される部分構造を有するため、HOMO準位の軌道分布がジベンゾ[a,i]フルオレン骨格に隔たり、LUMO準位の軌道分布が部分構造(一般式[2])に隔たる。これにより、一般式[1]に示されるジベンゾ[a,i]フルオレン化合物はCT(Charge Transfer)性の化合物となり、一般式[1]に示されるジベンゾ[a,i]フルオレン化合物を発光層のホスト材料として用いる場合、ホール注入障壁を大きくしなくてすむ。
一般式[2]に示されるアリール基は、Ar、Ar、ArおよびH(水素)で構成されている。Ar、Ar、およびArは、いずれも炭素数が6以上14以下のアリーレン基であり、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。また、炭素数が6以上14以下のアリーレン基は、置換基を有していてもよい。
炭素数が6以上14以下のアリーレン基の例としては、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレン基、アントリレン基、フェナントレリレン基、ビフェニレン基、ターフェニレン基、および置換基を有するこれらの基などが挙げられる。アリーレン基が有する置換基は、メチル基、tert−ブチル基、フェニル基、フェナンスリル基、ナフチル基、フルオレニル基、およびアントリル基から選ばれる。なお、Ar、ArおよびArは、これらのうちの2つ以上が同一のアリーレン骨格と異なる置換基を有するアリーレン基であっても良い。また、上記例の中でも、炭素数が6以上14以下のアリーレン基は、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニン基、アントリレン基、フェナントリレン基、および置換基を有するこれらの基から選ばれることが好ましい。
これらのアリーレン基を有する一般式[1]に示されるジベンゾ[a,i]フルオレン化合物は、発光層に用いられる場合、赤燐光発光ゲスト材料にとって好ましい、適切なT1エネルギーと狭いバンドギャップを有するホスト材料となる。
また、一般式[1]に示されるジベンゾ[a,i]フルオレン化合物は、ジベンゾ[a,i]フルオレン骨格の13位にメチル基もしくはエチル基を有する。一般式[1]に示されるジベンゾ[a,i]フルオレン化合物がジベンゾ[a,i]フルオレン骨格の13位に有する2つの置換基は、同じであっても異なっていてもよいが、合成の簡便さからは同じであることが好ましい。
メチル基もしくはエチル基が、ジベンゾ[a,i]フルオレン骨格の13位に置換していることで、ジベンゾ[a,i]フルオレン骨格の反応性が抑えられる。また、メチル基もしくはエチル基が、ジベンゾ[a,i]フルオレン骨格に直交するため、分子間のπ共役面同士のスタッキングが抑制される。更に、メチル基およびエチル基自体の分子量が小さいため、一般式[1]に示されるジベンゾ[a,i]フルオレン化合物の分子量も小さくなる。
これにより、一般式[1]に示されるジベンゾ[a,i]フルオレン化合物を合成する際、昇華精製時の温度が高温にならずにすむ。また、有機発光素子を製造する際に、一般式[1]に示されるジベンゾ[a,i]フルオレン化合物を用いて蒸着によって有機化合物層を形成する場合には、蒸着時の温度が高温にならずにすむ。
一般式[1]に示されるジベンゾ[a,i]フルオレン化合物がジベンゾ[a,i]フルオレン骨格の13位に有する置換基の炭素数が、エチル基を構成する炭素数よりも多いと、昇華精製時や蒸着時の温度が高温になるだけでなく、熱エネルギーが与えられる場合に置換基とジベンゾ[a,i]フルオレン骨格との共有結合が切れやすくなる。
なお、一般式[1]に示されるジベンゾ[a,i]フルオレン化合物の分子量は、1000以下であり、好ましくは850以下であり、より好ましくは600以上800以下である。
更に、一般式[1]に示されるジベンゾ[a,i]フルオレン化合物は、上述の範囲の低分子量であるが、それに加えて、ジベンゾ[a,i]フルオレン骨格を複数有する二量体、三量体あるいはそれ以上の重合体とは異なり、一般式[1]に示されるように、分子中にジベンゾ[a,i]フルオレン骨格を1つのみ有している。
一般式[1]に示されるジベンゾ[a,i]フルオレン化合物は、上述の構成を有しているため、高効率発光、高耐久性、低電圧駆動ができる有機発光素子を構成する材料として好ましい。
また、一般式[1]に示されるジベンゾ[a,i]フルオレン化合物は、一般式[1]のaが1かつbが0であることが好ましく、更に、一般式[1]のArとArが、各々独立して、無置換のナフチレン基、9位が2つのメチル基で置換されたフルオレニン基、無置換のフェナントリレン基から選ばれることが好ましい。また、一般式[1]に示されるジベンゾ[a,i]フルオレン化合物は、一般式[1]のRおよびRが、いずれもメチル基であることにより、有機化合物層を形成した際にキャリア移動度が高くなるため好ましい。上述の構成とすることにより、バンドギャップが3.0eV以下と狭く、T1エネルギーが570nmよりも低いエネルギーであり、分子量が600以上800以下である化合物とすることができる。
一般式[1]に示されるジベンゾ[a,i]フルオレン化合物は、一般式[1]のaが1かつbが0であり、ArおよびArが、各々独立して、以下の式[i]、[ii]および[iii]から選ばれることがより好ましい。
Figure 2014024769
次に、一般式[1]に示されるジベンゾ[a,i]フルオレン化合物の具体例を下記に示す。
Figure 2014024769
Figure 2014024769
Figure 2014024769
例示化合物のうち、BT−20乃至BT−29に示す化合物は、一般式[1]のRおよびRのうち少なくとも一つがエチル基である化合物である。エチル基によって化合物の有機溶媒に対する溶解性が向上するので、例示化合物BT−20乃至BT−29に示される化合物は、ハンドリングが容易であり、塗布プロセスを用いて有機化合物層を形成する際などに好適に用いられる。また、RおよびRの少なくとも一つがエチル基である場合、エチル基である部分がメチル基である場合と比べて、有機化合物層のキャリア移動度が低くなる。したがって、有機化合物層のキャリア移動度を低くしたい場合に発光層のホスト材料として好適に用いることができる。
本発明に係る有機発光素子は、有機化合物層に、例示したこれらの化合物を1種類有していてもよく、2種類以上有していてもよい。有機化合物層に例示したこれらの化合物を2種類(化合物Aと化合物Bとする)有する場合、例えば、化合物AのArと化合物BのAr、化合物AのArと化合物BのAr、および化合物AのArと化合物BのArは各々同じアリーレン骨格を有しており、化合物AのAr、ArおよびArがいずれも置換基を有さず、化合物BのAr、ArおよびArのいずれかもしくは2つ以上が置換基を有する場合などが挙げられる。
(合成方法)
次に、一般式[1]に示されるジベンゾ[a,i]フルオレン化合物の合成方法について説明する。
一般式[1]に示されるジベンゾ[a,i]フルオレン化合物は、例えば、以下の工程を経て合成される。
(I)ジベンゾ[a,i]フルオレンのハロゲン体若しくはボロン酸誘導体の合成
(II)ボロン酸誘導体若しくはハロゲン体とのカップリングによるジベンゾフルオレン化合物の合成
ジベンゾ[a,i]フルオレンの臭素体は、例えば、Scheme1の方法により合成される。
Figure 2014024769
さらに、化合物[1−5]を用いてScheme2の方法により化合物[1−6]を合成することができる。
Figure 2014024769
さらに、化合物[1−5]を用いてScheme3の方法により化合物[1−7]を合成することができる。
Figure 2014024769
上記、Scheme1により合成される化合物[1−5]を使用し、以下に示すScheme4の方法により本発明に係るジベンゾ[a,i]フルオレン化合物の1種を合成することができる。
Figure 2014024769
ここで、Scheme4において、化合物[1−5]にカップリングさせる化合物であるボロン酸誘導体としては、[PB−1]以外に、例えば、下記の表1に示されるものが挙げられる。
Figure 2014024769
また、Scheme4の[PB−1]を以下の一般式[3]に示される化合物とすることで、一般式[1]に示されるジベンゾ[a,i]フルオレン化合物が合成される。
Figure 2014024769

(一般式[3]における、Ar、Ar、Ar、aおよびbは一般式[1]におけるAr、Ar、Ar、aおよびbと同じである。すなわち、Ar、Ar、およびArは、炭素数が6以上14以下のアリーレン基であり、各々同じであっても異なっていても良い。前記アリーレン基は置換基を有していてもよく、前記置換基は、メチル基、tert−ブチル基、フェニル基、フェナンスリル基、ナフチル基、フルオレニル基、およびアントリル基から選ばれる。aは0もしくは1、bは0もしくは1である。)
また、化合物[1−5]の代わりに化合物[1−6]を用いて、Scheme5の方法でも本発明に係る一般式[1]に示すジベンゾ[a,i]フルオレン化合物の1種を合成することができる。
Figure 2014024769
Scheme5において、化合物[1−6]の代わりに化合物[1−7]を用いることもできる。
また、Scheme5において、化合物[1−6]もしくは化合物[1−7]にカップリングさせる化合物(ハロゲン体もしくはトリフラート体)としては、[Halo−1]以外に、例えば、下記の表2に示されるものが挙げられる。
Figure 2014024769
Scheme5における[Halo−1]を下記の一般式[4]、一般式[5]に示される化合物とすることで、一般式[1]に示されるジベンゾ[a,i]フルオレン化合物を合成することができる。
Figure 2014024769
(一般式[4]および一般式[5]における、Ar、Ar、Ar、aおよびbは一般式[1]におけるAr、Ar、Ar、aおよびbと同じである。すなわち、Ar、Ar、およびArは、炭素数が6以上14以下のアリーレン基であり、各々同じであっても異なっていても良い。前記アリーレン基は置換基を有していてもよく、前記置換基は、メチル基、tert−ブチル基、フェニル基、フェナンスリル基、ナフチル基、フルオレニル基、およびアントリル基から選ばれる。aは0もしくは1、bは0もしくは1である。)
(有機発光素子)
次に、本実施形態に係る有機発光素子について説明する。
本実施形態に係る有機発光素子は、対向する一対の電極(陽極および陰極)と、一対の電極間に配置される有機化合物層とを有する有機発光素子であり、前記有機化合物層が一般式[1]に示されるジベンゾ[a,i]フルオレン化合物を有する。
有機化合物層は、単層でも複数の層でも良い。有機化合物層が単層である場合は、基板、陽極、発光層および陰極が、この順に存在する構成、もしくは基板、陰極、発光層、陽極の順に存在する構成などの有機発光素子とすることができる。
有機化合物層が複数の層である場合、有機化合物層は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔ブロック層、電子輸送層、電子注入層、エキシトンブロック層などの層で構成することができる。
具体的には、陽極、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、陰極がこの順に存在する構成、陽極、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層および陰極がこの順に存在する構成、陽極、ホール輸送層、発光層、ホール・エキシトンブロッキング層、電子輸送層、陰極がこの順に存在する構成などが挙げられる。なお、これらの層の順序は、あくまでごく基本的な例であり、本発明の有機発光素子の構成はこれらに限定されるものではない。例えば、電極と有機化合物層界面に絶縁性層を設ける、接着層あるいは干渉層を設ける、電子輸送層もしくはホール輸送層がイオン化ポテンシャルの異なる二層から構成されるなど多様な構成をとることができる。
有機発光素子の光取り出し構成は、基板を介してから光を取り出すいわゆるトップエミッション方式でも、基板を介さず逆側から光を取り出すいわゆるボトムエミッション方式でも良く、他にも基板の表面と裏面の両方から光を取り出す構成でもよい。
発光層は、一種類の化合物で構成されていても良く、複数種類の化合物で構成されていても良い。発光層が、複数種類の化合物で構成されている場合、発光層を構成する全ての化合物の中で重量比が最大の化合物を主成分と呼ぶことができ、主成分以外の成分を副成分と呼ぶことができる。主成分は、ホスト材料と呼んでもよい。副成分としては、ゲスト(ドーパント)材料、発光アシスト材料、電荷注入材料などと呼ばれるものがある。ここで、ホスト材料とは、発光層内でゲスト材料の周囲にマトリックスとして存在する化合物であって、ゲスト材料へキャリアを輸送したり、ゲスト材料へ励起エネルギーの供与する役目を担う化合物であり、ゲスト材料とは、発光層内で素子としての主たる発光を担う化合物である。
ホスト材料に対するゲスト材料の濃度は、発光層を構成する全ての材料の合計の重量に対して、0.01wt%以上50wt%以下であり、好ましくは0.1wt%以上20wt%以下である。さらに好ましくは、濃度消光を防ぐために、0.1wt%以上10wt%以下である。
一般式[1]に示されるジベンゾ[a,i]フルオレン化合物は、有機発光素子の、発光層、ホール注入層、ホール輸送層、ホール・エキシトンブロッキング層、電子輸送層、あるいは電子注入層の何れの層に用いてもよいが、発光層に用いることが好ましい。
また、一般式[1]に示されるジベンゾ[a,i]フルオレン化合物は、発光層のホスト材料として用いることが好ましく、さらに好ましくは、燐光発光材料をゲスト材料として用いる発光層のホスト材料として用いることが好ましい。このような場合、ゲスト材料としては、イリジウム錯体、白金錯体、レニウム錯体、銅錯体、ユーロピウム錯体、ルテニウム錯体等の金属錯体から選ばれることが好ましく、これらの中でも、燐光発光の強度が強いイリジウム錯体が特に好ましい。なお、ここで、金属錯体と記載している場合には、置換体と無置換体のいずれも含むものであり、例えば、イリジウム錯体と記載する場合には、イリジウム錯体、配位子に置換基を有するイリジウム錯体、異種配位子を有するイリジウム錯体、異種配位子の少なくとも一つが置換基を有するイリジウム錯体のいずれも含むものである。これらの中でも、590nm以上640nm以下の範囲に発光ピーク波長を有する赤色燐光発光材料であることが好ましい。
以下に、本実施形態に係る有機発光素子の燐光発光材料として用いることができるイリジウム錯体の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2014024769
また、上記の金属錯体以外のゲスト材料の例としては、縮環化合物(例えばフルオレン誘導体、ナフタレン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、テトラセン誘導体、アントラセン誘導体、ルブレン等)、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、スチルベン誘導体、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム等の有機アルミニウム錯体、有機ベリリウム錯体、及びポリ(フェニレンビニレン)誘導体、ポリ(フルオレン)誘導体、ポリ(フェニレン)誘導体等の高分子誘導体が挙げられる。
本実施形態に係る有機発光素子が有する発光層は、ゲスト材料およびホスト材料が発光層全体に均一に存在していても、あるいはゲスト材料およびホスト材料がそれぞれ独立に濃度勾配を有して発光層内に存在していてもよい。
ホール注入層は、陽極からホールを注入される層であり、ホール輸送層はホールを発光層へと輸送するための層である。これら層が有する化合物としては、トリアリールアミン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、スチルベン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体などの低分子量の化合物や、ポリ(ビニルカルバゾール)やポリ(チオフェン)などの導電性高分子などが挙げられる。なお、発光層が本発明に係る化合物を有する場合には、発光層に隣接するホール注入層もしくはホール輸送層が、5.7乃至5.3のHOMOの値を有する化合物が好ましい。これは、発光層に隣接するホール注入層もしくはホール輸送層がこのような範囲のHOMO準位を有することで、発光層と発光層に隣接するエネルギー障壁を小さくすることができるからである。
電子注入層は、陰極から電子を注入される層であり、電子輸送層は注入された電子を発光層へ輸送するための層である。これらの層が有する化合物としては、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、ピラジン誘導体、トリアゾール誘導体、トリアジン誘導体、キノリン誘導体、キノキサリン誘導体、フェナントロリン誘導体、有機アルミニウム錯体等が挙げられる。
陽極は、仕事関数が大きな材料であることが好ましい。例えば、金、白金、銀、銅、ニッケル、パラジウム、コバルト、セレン、バナジウム、タングステン等の金属単体あるいはこれらを組み合わせた合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)、酸化亜鉛インジウムなどの金属酸化物や、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性ポリマーなどが挙げられる。陽極は、一種類の材料からなっていても良く、二種類以上の材料を混合したものからなっていても良い。また、陽極は一層で構成されていてもよく、複数の層で構成されていてもよい。
陰極は、仕事関数の小さな材料であることが好ましい。例えば、リチウム等のアルカリ金属、カルシウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、チタニウム、マンガン、銀、鉛、クロム等の金属単体、これら金属単体を組み合わせた合金などが挙げられる。合金の例としては、マグネシウム−銀、アルミニウム−リチウム、アルミニウム−マグネシウムなどが挙げられる。また、酸化錫インジウム(ITO)等の金属酸化物を、陰極を構成する材料として使用しても良い。陰極は、一種類の材料からなっていても良く、二種類以上の材料を混合した材料からなっていても良い。また、陰極は一層で構成されていてもよく、複数の層で構成されていてもよい。
本実施形態に係る有機発光素子は、赤燐光を発するものであることが好ましいが、本発明に係る有機発光素子は他の色(緑、青など)を発するものでもよく、白を発するものでもよい。
本実施形態に係る有機発光素子が白色発光素子である場合、発光層は以下に示すような例の構成とすることができるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
(1)単層:青、緑および赤色の発光材料を含む素子
(2)単層:水色および黄色の発光材料を含む素子
(3)2層:青色発光層と緑および赤色の発光材料を含む発光層、または
赤色発光層と青および緑色の発光材料を含む発光層との積層素子
(4)2層:水色発光層と黄色発光層との積層素子
(5)3層:青色発光層と緑色発光層と赤色発光層の積層素子
なお、本実施形態に係る白色には、純白色(色温度が4200K)、昼白色(色温度が5000K)などが含まれる。また、本実施形態に係る白色の色温度は、3000K以上9500K以下である。また、本実施形態に係る白色有機発光素子の発光色は、C.I.E.色度座標において、xが0.25以上0.50以下、yが0.30以上0.42以下の範囲にある。
図1は、本実施形態に係る白色有機発光素子の一例であり、発光層同士が積層している構成の有機発光素子の断面模式図である。本図では、3つの発光層がそれぞれ異なる色を発する有機発光素子が図示されている。
ガラス等の基板に、陽極1、正孔注入層2、正孔輸送層3、青色発光層4、緑色発光層5、赤色発光層6、電子輸送層7、電子注入層8、陰極9がこの順で配置されている。
本実施形態に係る白色発光する有機発光素子は、発光層が陽極側から順に青色発光層、緑色発光層、赤色発光層の順で配置されているが、本発明に係る有機発光素子は発光層の積層順を問わない。
本実施形態に係る白色発光する有機発光素子は複数の発光層を積層して配置される構成に限られず、横並びに配置される構成でもよい。複数の発光層を横並びに配置する場合いずれの発光層が共通した正孔輸送層および/又は電子輸送層と接して配置されてもよい。
(有機発光素子の用途)
本実施形態に係る有機発光素子は、表示装置の表示部や画像情報処理装置、照明装置の光源、電子写真方式の画像形成装置の露光光源、液晶表示装置のバックライト、カラーフィルターを用いた白色光源の発光部などとして用いることができる。
本実施形態に係る表示装置は、複数の画素を表示部に有し、複数の画素のうちの少なくとも一つが、本実施形態に係る有機発光素子と、この有機発光素子とに接続されている能動素子と、を有する。
能動素子は、表示部の発光輝度を制御するものであり、例としてはTFT素子やMIM素子などのトランジスタなどが挙げられる。能動素子がトランジスタである場合は、有機発光素子の陽極又は陰極と、トランジスタのドレイン電極又はソース電極とが接続されている。
このような表示装置の例としては、PC等の画像表示装置などが挙げられる。
図2は、本実施形態に係る表示装置の断面模式図である。本図の表示装置は、二つの有機発光素子と、二つのTFT素子(薄膜トランジスタ素子)とを有し、一方の有機発光素子が一方のTFT素子と接続しており、他方の有機発光素子が他方のTFT素子と接続している。
図2のうち、30は表示装置、31は基板、32は防湿層、33はゲート電極、34はゲート絶縁層、35は半導体層、36はドレイン電極、37はソース電極、38はスイッチング素子であるTFT素子、39は絶縁層、40は有機発光素子を示す。また、310はコンタクトホール、311は陽極、312は有機化合物層、313は陰極、314は第一の保護層、315は第二の保護層である。
表示装置30は、基板31と、基板31の表面に存在する防湿層32と、防湿層32に接触して存在するTFT素子38と、TFT素子38と接続する有機発光素子40と、TFT素子38および有機発光素子40を保護する機能を有する第一の保護層314および第二の保護層315を有している。
基板31は、表示装置30を支持する部材である。
防湿層32は、TFT素子38および有機発光素子40を保護する。防湿層32は、例えば、酸化ケイ素、酸化ケイ素と窒化ケイ素との複合体などが挙げられる。なお、基板31を構成する材料と防湿層32を構成する材料が同じである場合など、基板31が防湿層32としての機能を兼ねる場合には、防湿層32は存在しなくても良い。
TFT素子38は、ゲート電極33と、ゲート絶縁層34と、半導体層35と、ドレイン電極36と、ソース電極37とを有する。
ゲート電極33は、防湿層32の表面に存在する。ゲート電極を構成する材料としては、例えば、Crなどの金属などが挙げられる。ゲート電極33は、スパッタリング法などの方法により形成することができる。
ゲート絶縁層34は、ゲート電極33を覆うように存在する。ゲート絶縁層34を構成する材料としては、酸化シリコンなどが挙げられる。ゲート絶縁層34は、プラズマCVD法又は触媒化学気相成長法(cat−CVD法)等により形成することができる。
半導体層35は、ゲート絶縁膜34の表面に存在する。半導体層35は、無機半導体材料、有機半導体材料、無機半導体材料と有機半導体材料とのハイブリッド材料のいずれの材料で構成されていても良い。半導体層35が、無機半導体材料であるシリコンで構成される場合には、プラズマCVD法等により(場合によっては例えば290℃以上の温度でアニールして)シリコンを製膜し、回路形状に従ってパターニングすることで得ることもできる。
ドレイン電極36とソース電極37は、半導体層35に接触して存在する。ドレイン電極36およびソース電極37を構成する材料としては、例えば、Cr、白金、金等である。有機発光素子40は、陽極311と、有機化合物層312と、陰極313とを有する。
絶縁層39は、TFT素子38と有機発光素子40との間に存在する。絶縁層39を構成する材料としては酸化シリコンなどが挙げられる。コンタクトホール(スルーホール)310は絶縁層39に設けられ、コンタクトホール310が存在することにより、有機発光素子40の陽極311とソース電極37とが接続されている。
第一の保護層314および第二の保護層315は、有機発光素子40の劣化を防ぐために存在していても良い。第一の保護層314および第二の保護層315の材料は無機材料、有機材料からそれぞれ独立に選ぶことができる。無機材料は例えば酸化シリコン、酸化アルミニウムである。有機材料は例えば高分子材料である。第一の保護層314および第二の保護層315は同じであっても異なってもよい。
なお、本実施形態に係る表示装置が有する本実施形態に係る有機発光素子は、赤色発光素子、緑色発光素子、青色発光素子、白色発光素子のうちのいずれかである。これらの中でも、赤色発光素子であることが好ましく、赤燐光発光材料をゲスト材料として有する赤色発光素子であることがより好ましい。また、本実施形態に係る表示装置が有する本実施形態に係る有機発光素子が白色発光素子である場合、白色を構成する赤色成分が、ゲスト材料である赤燐光発光材料に起因するものであることが好ましい。
本実施形態に係る画像情報処理装置は、入力された画像を表示する表示部として先述した表示装置と、この表示装置にエリアCCD、リニアCCD、メモリーカード等からの画像情報を入力するための入力部とを有する画像情報処理装置である。このような画像情報処理装置としては、デジタルカメラやデジタルビデオカメラなどが挙げられる。これらの場合、撮像するための撮像光学系を有する撮像部を入力部と呼ぶことができる。なお、画像情報処理装置が有する表示部は、タッチパネル機能を有していてもよい。画像情報処理装置がタッチパネル機能を有する場合、タッチパネル機能の駆動方式は特に限定されない。また、画像情報処理装置は、表示部を有するマルチファンクションプリンタであっても良い。
本実施形態に係る照明装置は、有機発光素子と、有機発光素子に駆動電圧を供給するためのADコンバーター回路と、を有する。照明装置は、室内を照明するものであっても屋外を照明するものであっても良い。照明装置は、白色、昼白色、その他青から赤のいずれの色を発光するものであってよい。照明装置は、カラーフィルターを有してもよい。ここで、ADコンバーター回路とは、交流電圧を直流電圧に変換する回路である。
本実施形態に係る画像形成装置は、感光体と感光体の表面を帯電させる帯電部と、感光体を露光する露光部と、感光体の表面に形成された静電潜像を現像する現像器と、を有する画像形成装置であって、露光部が、本実施形態に係る有機発光素子を有する。露光部は、複数の本実施形態に係る有機発光素子が列状に並べられているものであり、各々の有機発光素子は、制御手段により独立に制御されるものである。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明していくが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>例示化合物BT−09の合成
Figure 2014024769
(1)脱水THF5mlに浸したマグネシウム、2.67g(110mmol)を室温で30分撹拌させ懸濁させた。脱水THF60mlに溶解させた化合物1−1、25g(121mmol)を、懸濁液に滴下し、50℃で30分撹拌し、室温に戻して1時間撹拌した。脱水THF10mlに溶解させた蟻酸エチル、2.85g(38.4mmol)を反応溶液に滴下し、室温で24時間撹拌した。反応終了後、水を投入し、水層に10%HClを加え酸性にして、有機層をトルエンで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。次に、残渣をカラムクロマトグラフィー(クロマト用ゲル:BW300(富士シリシア製),展開溶媒:酢酸エチル/ヘプタン=1/2)で精製後、化合物1−2を21.25g(収率97%)得た。
(2)化合物1−2、21g(73.9mmol)を結晶性リン酸65gとあわせて乳鉢ですり潰してペースト状にした。ペーストを反応器に移し、脱気しながら、160℃で1時間攪拌した。反応終了後、水とトルエンを投入し、有機層をトルエンで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。次に、残渣をカラムクロマトグラフィー(クロマト用ゲル:BW300(富士シリシア製),展開溶媒:トルエン)で精製後、化合物1−3のクルードを19.5g(収率99%)得た。
(3)脱水THF300mlに溶解させた化合物1−3のクルード、19.5g(73.2mmol)にtert−ブトキシカリウム、24.9g(221.6mmol)を加え、氷温で1時間撹拌した。ヨードメタン、26.2g(184.9mmol)を反応溶液に滴下し、室温で24時間撹拌した。反応終了後、水を投入し、有機層をトルエンで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。次に、残渣をカラムクロマトグラフィー(クロマト用ゲル:BW300(富士シリシア製),展開溶媒:トルエン/ヘプタン=1/2)で精製後、化合物1−4を1.25g(収率6%)得た。
(4)化合物1−4、1.25g(4.25mmol)を脱水ジクロロメタン100mlに溶解させ、塩化亜鉛、0.58g(4.25mmol)とベンジルトリメチルアンモニウムトリブロミド、1.65g(4.25mmol)を加え、室温で24時間撹拌した。反応終了後、水を投入し、有機層をクロロホルムで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。次に、残渣をカラムクロマトグラフィー(クロマト用ゲル:BW300(富士シリシア製),展開溶媒:トルエン/ヘプタン=1/2)で精製後、化合物1−5のクルードを1.59g(収率100%)得た。
(5)化合物1−5のクルード、1.59g(4.25mmol)に、ビス(ピナコラト)ジボロン、1.62g(6.37 mmol)とビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)、0.15g(0.26mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシビフェニル、0.21g(0.51mmol)、酢酸カリウム、1.25g(12.7mmol)、脱水1,4−ジオキサン、150mlを加え、110℃で2時間撹拌した。反応終了後、水を投入し、有機層をトルエンで抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。次に、残渣をカラムクロマトグラフィー(クロマト用ゲル:BW300(富士シリシア製),展開溶媒:トルエン)で精製後、化合物1−6を0.63g(収率35%)得た。
(6)以下の化合物を、トルエン12ml、エタノール6ml及び2規定の炭酸ナトリウム水溶液6mlの混合溶液に溶解させた。
化合物[1−6]:0.30g(0.71mmol)
化合物[X−01]:0.30g(0.65mmol)
次に、反応溶液を窒素雰囲気下、室温で攪拌しながら、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)0.037g(0.032mmol)を添加した。次に、反応溶液を85℃に昇温した後、7時間攪拌した。反応終了後、析出した固体をろ取し、トルエンで洗浄した。キシレンで再結晶し、得られた結晶を120℃で真空乾燥後、10−4Pa、370℃の条件下で昇華精製を行い、高純度の化合物[BT−09]を0.17g(収率39%)得た。昇華精製前後のHPLC純度は99%以上であった。MALDI−TOF MS(マトリックス支援イオン化−飛行時間型質量分析)よりこの化合物のM+である678を確認した。また、1H−NMR測定(400MHz,CDCl3)により、この化合物の構造を確認した。 σ(ppm):8.48−8.46(d,1H),8.39−8.37(d,1H),8.28(s,1H),8.08−7.95(m,6H),7.90−7.76(m,6H),7.73−7.72(d,2H),7.69−7.61(m,3H),7.53−7.46(m,2H),7.39−7.32(m,2H),2.05(s,6H),1.67(s,6H),1.58(s,6H)
さらに例示化合物BT−09について、以下の方法でイオン化ポテンシャルの測定を行った。塗布薄膜を用いて、光電子分光装置AC−2(理研計器株式会社製)によりイオン化ポテンシャルを測定した。測定の結果、例示化合物BT−09のイオン化ポテンシャルは5.69eVであった。
<実施例2>例示化合物BT−04の合成
Figure 2014024769
実施例1の(6)において、化合物[X−01]の代わりに、上に示す化合物[X−02]、0.22g(0.65mmol)を用いて、実施例1と同様にして化合物[BT−04]を0.15g(収率42%)得た。昇華精製前後のHPLC純度は99%以上であった。MALDI−TOF MS(マトリックス支援イオン化−飛行時間型質量分析)よりこの化合物のM+である546を確認した。
<実施例3>例示化合物BT−06の合成
Figure 2014024769
実施例1の(6)において、化合物[X−01]の代わりに、上に示す化合物[X−03]、0.25g(0.65mmol)を用いて、実施例1と同様にして化合物[BT−06]を0.15g(収率40%)得た。昇華精製前後のHPLC純度は99%以上であった。MALDI−TOF MS(マトリックス支援イオン化−飛行時間型質量分析)よりこの化合物のM+である596を確認した。
<実施例4>例示化合物BT−07の合成
Figure 2014024769
実施例1の(6)において、化合物[X−01]の代わりに、上に示す化合物[X−04]、0.26g(0.65mmol)を用いて、実施例1と同様にして化合物[BT−07]を0.17g(収率44%)得た。昇華精製前後のHPLC純度は99%以上であった。MALDI−TOF MS(マトリックス支援イオン化−飛行時間型質量分析)よりこの化合物のM+である612を確認した。
<実施例5>例示化合物BT−03の合成
Figure 2014024769
実施例1の(6)において、化合物[X−01]の代わりに、上に示す化合物[X−05]、0.34g(0.65mmol)を用いて、実施例1と同様にして化合物[BT−11]を0.17g(収率35%)得た。昇華精製前後のHPLC純度は99%以上であった。MALDI−TOF MS(マトリックス支援イオン化−飛行時間型質量分析)よりこの化合物のM+である738を確認した。
<実施例6>例示化合物BT−11の合成
Figure 2014024769
実施例1の(6)において、化合物[X−01]の代わりに、上に示す化合物[X−06]、0.34g(0.65mmol)を用いて、実施例1と同様にして化合物[BT−11]を0.17g(収率35%)得た。昇華精製前後のHPLC純度は99%以上であった。MALDI−TOF MS(マトリックス支援イオン化−飛行時間型質量分析)よりこの化合物のM+である738を確認した。
<実施例7>例示化合物BT−02の合成
Figure 2014024769
実施例1の(6)において、化合物[X−01]の代わりに、上に示す化合物[X−07]、0.30g(0.65mmol)を用いて、実施例1と同様にして化合物[BT−11]を0.14g(収率33%)得た。昇華精製前後のHPLC純度は99%以上であった。MALDI−TOF MS(マトリックス支援イオン化−飛行時間型質量分析)よりこの化合物のM+である674を確認した。
<実施例8>
本実施例では、基板上に順次陽極/ホール輸送層/電子ブロッキング層/発光層/ホールブロッキング層/電子輸送層/陰極が設けられた構成の有機発光素子を以下に示す方法で作製した。
ガラス基板上に、陽極としてITOをスパッタ法にて膜厚100nmで製膜したものを透明導電性支持基板(ITO基板)として使用した。このITO基板上に、以下に示す有機化合物層及び電極層を、10−5Paの真空チャンバー内で抵抗加熱による真空蒸着によって連続的に製膜した。このとき対向する電極面積は3mmになるように作製した。
ホール輸送層(40nm) HTL−1
電子ブロッキング層(10nm) EBL−1
発光層(30nm) ホスト材料:例示化合物BT−09(96Wt%)、ゲスト材料:Ir−9(4wt%)
ホールブロッキング層(10nm) HBL−1
電子輸送層(50nm) ETL−1
金属電極層1(0.5nm) LiF
金属電極層2(100nm) Al
Figure 2014024769
次に、有機発光素子が水分の吸着によって素子劣化が起こらないように、乾燥空気雰囲気中で保護用ガラス板をかぶせアクリル樹脂系接着材で封止した。以上のようにして有機発光素子を得た。
得られた有機発光素子について、ITO電極を正極、Al電極を負極にして、電流電圧特性をヒューレッドパッカード社製・微小電流計4140Bで測定し、発光輝度及び色度は、トプコン社製BM7で測定した。5.6Vの印加電圧をかけたところ、発光効率が9.8cd/A、外部量子効率が12.9%の輝度2000cd/mの赤色発光が観測された。また、この有機発光素子において、CIE色度座標は、(x,y)=(0.68,0.32)であった。さらに、この有機発光素子において、100mA/cmの定電流密度で耐久駆動させると、初期輝度からの輝度減少率は300時間後で19%であった。
<実施例9>
実施例8において、発光層のホスト材料を例示化合物BT−09に代えて例示化合物BT−04を使用した他は、実施例8と同様の方法で有機発光素子を作製した。また得られた有機発光素子について実施例8と同様に評価を行った。結果を表3に示す。
<実施例10>
実施例8において、発光層のホスト材料を例示化合物BT−09に代えて例示化合物BT−06を使用した他は、実施例8と同様の方法で有機発光素子を作製した。また得られた有機発光素子について実施例8と同様に評価を行った。結果を表3に示す。
<実施例11>
実施例8において、発光層のホスト材料を例示化合物BT−09に代えて例示化合物BT−07を使用した他は、実施例8と同様の方法で有機発光素子を作製した。また得られた有機発光素子について実施例8と同様に評価を行った。結果を表3に示す。
<実施例12>
実施例8において、発光層のホスト材料を例示化合物BT−09に代えて例示化合物BT−03を使用した他は、実施例8と同様の方法で有機発光素子を作製した。また得られた有機発光素子について実施例8と同様に評価を行った。結果を表3に示す。
<実施例13>
実施例8において、発光層のホスト材料を例示化合物BT−09に代えて例示化合物BT−11を使用した他は、実施例8と同様の方法で有機発光素子を作製した。また得られた有機発光素子について実施例8と同様に評価を行った。結果を表3に示す。
<実施例14>
実施例8において、発光層のホスト材料を例示化合物BT−09に代えて例示化合物BT−02を使用した他は、実施例8と同様の方法で有機発光素子を作製した。また得られた有機発光素子について実施例8と同様に評価を行った。結果を表3に示す。
Figure 2014024769
以上のように、一般式[1]のジベンゾ[a,i]フルオレン化合物を有機発光素子が有する発光層のホスト材料として用いることで、発光効率が良く、長寿命な有機発光素子を得ることができる。
1 陽極
2 正孔注入層
3 正孔輸送層
4 青色発光層
5 緑色発光層
6 赤色発光層
7 電子輸送層
8 電子注入層
9 陰極
30 表示装置
31 基板
32 防湿層
33 ゲート電極
34 ゲート絶縁層
35 半導体層
36 ドレイン電極
37 ソース電極
38 TFT素子
39 絶縁層
40 有機発光素子
311 陽極
312 有機化合物層
313 陰極
314 第一の保護層
315 第二の保護層

Claims (14)

  1. 下記一般式[1]に示すことを特徴とするジベンゾ[a,i]フルオレン化合物。
    Figure 2014024769

    (一般式[1]において、Ar、Ar、およびArは、炭素数が6以上14以下のアリーレン基であり、各々同じであっても異なっていても良い。前記アリーレン基は置換基を有していてもよく、前記置換基は、メチル基、tert−ブチル基、フェニル基、フェナンスリル基、ナフチル基、フルオレニル基、およびアントリル基から選ばれる。RおよびRは、それぞれ独立して、メチル基およびエチル基から選ばれる。aは0もしくは1、bは0もしくは1である。)
  2. 前記Ar、前記Ar、および前記Arが、各々独立して、置換基を有していてもよい、フェニレン基、ナフチレン基、フルオレニン基、アントリレン基、フェナントリレン基から選ばれることを特徴とする請求項1に記載のジベンゾ[a,i]フルオレン化合物。
  3. 前記aが1かつ前記bが0であり、前記Arおよび前記Arが、各々独立して、無置換のナフチレン基、9位が2つのメチル基で置換されたフルオレニン基、および無置換のフェナントリレン基から選ばれ、RおよびRがいずれもメチル基であることを特徴とする請求項1に記載のジベンゾ[a,i]フルオレン化合物。
  4. 前記Arおよび前記Arが、各々独立して、以下の式[i]、[ii]および[iii]から選ばれることを特徴とする請求項3に記載のジベンゾ[a,i]フルオレン化合物。
    Figure 2014024769
  5. 一対の電極と、前記一対の電極間に存在する有機化合物層とを有する有機発光素子において、前記有機化合物層が、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のジベンゾ[a,i]フルオレン化合物を有することを特徴とする有機発光素子。
  6. 前記有機化合物層が、ホスト材料とゲスト材料とを有する発光層であり、前記ホスト材料が前記請求項1乃至4のいずれか一項に記載のジベンゾ[a,i]フルオレン化合物であることを特徴とする請求項5に記載の有機発光素子。
  7. 前記ゲスト材料が、燐光発光材料であることを特徴とする請求項6に記載の有機発光素子。
  8. 前記燐光発光材料が、イリジウム錯体であることを特徴とする請求項7に記載の有機発光素子。
  9. 赤色発光することを特徴とする請求項5乃至8のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  10. 白色発光することを特徴とする請求項5乃至8のいずれか一項に記載の有機発光素子。
  11. 複数の画素を有し、前記複数の画素のうちの少なくとも一つが、請求項5乃至10のいずれか一項に記載の有機発光素子と前記有機発光素子とに接続されている能動素子とを有することを特徴とする表示装置。
  12. 画像情報を入力するための入力部と、画像を表示するための表示部と、を有し、
    前記表示部が請求項11に記載の表示装置であることを特徴とする画像情報処理装置。
  13. 請求項5乃至10のいずれか一項に記載の有機発光素子と、前記有機発光素子に駆動電圧を供給するためのADコンバーター回路と、を有することを特徴とする照明装置。
  14. 感光体と前記感光体の表面を帯電させる帯電部と、前記感光体を露光する露光部と、前記感光体の表面に形成された静電潜像を現像する現像器と、を有する画像形成装置であって、
    前記露光部が、請求項5乃至10のいずれか一項に記載の有機発光素子を有することを特徴とする画像形成装置。
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