JP2014024742A - 磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法及び磁気ディスク用ガラス基板の製造方法 - Google Patents

磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法及び磁気ディスク用ガラス基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ガラスブランクの平面度を向上しつつ、磁気ディスク用ガラス基板の作製効率を高める。
【解決手段】磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法は、溶融ガラス流を切断し、該切断によって得られるガラスゴブを落下させる切断工程と、落下中の前記ガラスゴブを一対のプレス面で挟んでプレス成形をすることによりガラスブランクを成形するプレス工程と、を含む。前記プレス工程では、落下中の前記ガラスゴブに対するプレス成形を開始する前記プレス面におけるプレス開始位置を、前記落下方向において一定にするために、前記落下方向における前記プレス面の位置の調整が行われる、あるいは前記プレス成形の開始のタイミングの調整が行われる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、一対の主表面を有する磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法及び磁気ディスク用ガラス基板の製造方法に関する。
今日、パーソナルコンピュータ、ノート型パーソナルコンピュータ、あるいはDVD(Digital Versatile Disc)記録装置等には、データ記録のためにハードディスク装置が内蔵されている。特に、ノート型パーソナルコンピュータ等の可搬性を前提とした機器に用いられるハードディスク装置では、ガラス基板に磁性層が設けられた磁気ディスクが用いられ、磁気ディスクの面上を僅かに浮上させた磁気ヘッド(DFH(Dynamic Flying Height)ヘッド)で磁性層に磁気記録情報が記録され、あるいは読み取られる。この磁気ディスクの基板には、金属基板等に比べて塑性変形をしにくい性質を持つことから、ガラス基板が好適に用いられている。
また、ハードディスク装置における記憶容量の増大の要請を受けて、磁気記録の高密度化が図られている。例えば、磁性層における磁化方向を基板の面に対して垂直方向にする垂直磁気記録方式を用いて、磁気記録情報エリアの微細化が行われている。これにより、1枚のディスク基板における記憶容量を増大させることができる。しかも、記憶容量の一層の増大化のために、磁気ヘッドの磁気記録面からの浮上距離を極めて短くして磁気記録情報エリアを微細化することも行われている。このような磁気ディスクの基板においては、磁性層の磁化方向が基板面に対して略垂直方向に向くように、磁性層が平らに形成される。このために、ガラス基板の表面凹凸は可能な限り小さく作製されている。
ところで、磁気ディスクに用いるガラス基板の製造方法として、例えば、以下の方法が知られている(特許文献1)。具体的には、溶融ガラス流を所定のタイミングで、切断刃で切断することによって、溶融ガラス流から溶融ガラスの塊を切り出してこの塊(ガラスゴブ)を下方に落下させる。この落下中の溶融ガラスの塊を、互いに対向する面が凹凸の無い平面であるプレス面となっている一対の型を有するプレスユニットによって、プレス面のみに接触するようにプレス面間で挟み込んでプレスする。これにより、ガラスブランクがつくられる。このガラス基板の製造方法では、落下中のガラスゴブは比較的一定の温度のプレス面でプレスされるので、得られるガラスブランクの主表面の平面度は比較的高い。
特開2011−207738号公報
上述したガラス基板の製造方法では、溶融ガラス流を断続的に切断して得られるガラスゴブを順次自由落下させ、自由落下中のガラスゴブを一対のプレス面で挟み込み、プレス面でプレス成形を行う。このとき、溶融ガラス流の切断によってガラスゴブが落下を開始するタイミングは、溶融ガラス流を切断する切断刃の形状、切断刃の摩耗状態、切断刃の温度、あるいは溶融ガラス流の温度あるいは粘度の微小変動等によって変動し易い。すなわち、ガラスゴブが落下を開始するタイミングは変動し易い。また、切断刃の形状によっては、落下方向と直交する水平方向に速度成分を持ってガラスゴブは落下中水平方向に横移動する場合もある。この場合の上記速度成分についても、切断刃の形状、切断刃の摩耗状態、切断刃の温度、あるいは溶融ガラス流の温度あるいは粘度の微小変動等によって変動し易い。すなわち、ガラスゴブの落下軌道は変動し易い。
このようなガラスゴブが落下を開始するタイミングや落下軌道に変動がある場合、落下中のガラスゴブに対してプレスすることにより得られるガラスブランクの表面凹凸、例えばガラスブランクの平面度にバラツキが生じ易い。
具体的には、プレス成形面によるプレス成形時、ガラスゴブと最初に接触するプレス面の部分がガラスゴブからプレス面への熱伝導の起点となる。この熱伝導によって形成されるプレス面における温度分布は、次に行うプレス成形時まで残留する。このため、上記ガラスゴブと最初に接触するプレス面の部分がガラスゴブのプレス成形のたびに異なると、上記プレス面の温度分布の影響を受けて、作製されるガラスブランクの平面度は大きくなり、また1つのガラスブランク内で平面度がばらつき易い(1個体内で平面度がばらつき易い)。
また、上記ガラスゴブと最初に接触するプレス面の部分がガラスゴブのプレス成形のたびに異なると、上記温度分布もプレス成形のたびに変動する。この温度分布の変動は、順次作製されるガラスブランク間の平面度のばらつき(個体間の平面度のばらつき)にも影響を与え易い。
さらに、上記ガラスゴブと最初に接触するプレス面の部分がガラスゴブのプレス成形のたびに異なり、特にプレス面の外周の一部の領域に偏っている場合には、プレス圧力がプレス面における塊との接触領域に集中しやすくなる。この結果、プレス面に微小な傾きが生じるため、ガラスブランクの板厚の面内のばらつき(ガラスブランクの板厚の最大値と最小値の差)が大きくなるという問題もある。
このような平面度や板厚のばらつきは、磁気ディスク用ガラス基板を作製するための主表面の研削及び研磨によって解消することはできるが、上記研削及び研磨における加工量(取り代)を大きくすることになる。このため、研削及び研磨の時間が長くなり、効率よく磁気ディスク用ガラス基板を作製することはできない。
そこで、本発明は、従来に比べて、ガラスブランクの品質(平面度、及び平面度や板厚のばらつき)を向上しつつ、磁気ディスク用ガラス基板の作製効率を高めることができる磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法及び磁気ディスク用ガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、磁気ディスク用ガラス基板に用いられる一対の主表面を有する磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法である。当該製造方法は、
溶融ガラス流を切断し、該切断によって得られるガラスゴブを落下させる切断工程と、
落下中の前記ガラスゴブを一対のプレス面で挟んでプレス成形をすることによりガラスブランクを成形するプレス工程と、を含む。
このとき、前記プレス工程では、落下中の前記ガラスゴブに対するプレス成形を開始する前記プレス面におけるプレス開始位置を、前記落下方向において一定にするために、前記落下方向における前記プレス面の位置の調整が行われる、あるいは前記プレス成形の開始のタイミングの調整が行われる。
その際、前記プレス工程は、ガラスゴブが落下するたびに断続的に行われ、前記調整は前記プレス工程が行われるたびに、定められた領域を前記ガラスゴブが通るタイミングに応じて行われることが好ましい。
前記タイミングの情報は、例えば、前記ガラスゴブが前記領域を通ることを検出する検出手段の検出情報である。
さらに、前記調整では、前記プレス面におけるプレス開始位置を水平方向において一定にするために、前記水平方向における前記プレス面の位置が調整されることが好ましい。
その際、前記プレス工程は、ガラスゴブが落下するたびに断続的に行われ、前記調整は前記プレス工程が行われるたびに行われ、前記調整は、予め定められた領域内を前記ガラスゴブが通るときの前記ガラスゴブの位置を特定することにより行われることが好ましい。
前記ガラスゴブの位置の情報は、例えば、前記領域内における前記ガラスゴブの位置を特定する検出手段の検出情報である。
また、前記調整は、以下の3つの形態(A)〜(B)が挙げられる。
(A)1つの形態では、前記領域は、格子状にレーザ光を照射した領域であり、前記検出手段は、前記領域を前記ガラスゴブが通るとき、前記レーザ光の遮断の有無によりレーザ光の受光あるいは非受光を検出する受光センサを含む。
(B)他の形態では、前記検出手段は、前記領域内を前記ガラスゴブが通る像を撮像する撮像装置を含む。
(C)さらに他の形態では、前記検出手段は、前記ガラスゴブが前記プレス面のどの位置を通るかを検出するために前記プレス面に埋め込まれた複数の温度センサを含み、前記温度センサは、前記プレス面によるプレス成形時の温度情報を検出する。
さらに、本発明の他の一態様は、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法である。当該製造方法は、前記磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法で作製された前記ガラスブランクを機械加工する工程を含み、
前記機械加工をする工程は、前記ガラスブランクの主表面の研削工程と、研削後の前記ガラスブランクの主表面を、遊離砥粒を用いて研磨する研磨工程を含む。
上述の磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法及び磁気ディスク用ガラス基板の製造方法によれば、ガラスブランクの品質(平面度、及び平面度や板厚のばらつき)を向上しつつ、磁気ディスク用ガラス基板の作製効率を高めることができる。
(a)は、磁気ディスク用ガラス基板を用いて作製される磁気ディスクの一例を示す概略構成図であり、(b)は、磁気ディスクの断面図であり、(c)は、磁気ヘッドが磁気ディスクの表面を浮上する状態を示す図である。 磁気ディスク用ガラス基板の製造方法の一実施形態のフローを示す図である。 実施形態のプレス成形において用いられる装置の平面図である。 実施形態のプレス成形工程を示す図である。 実施形態におけるプレス面の調整システムを説明する図である。 (a),(b)は、図5に示す調整システムとは異なる形態の調整システムを説明する図である。
以下、本発明の磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法及び磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について詳細に説明する。
(磁気ディスクおよび磁気ディスク用ガラス基板)
まず、図1を参照して、磁気ディスク用ガラス基板を用いて作製される磁気ディスクについて説明する。図1(a)は、磁気ディスク用ガラス基板を用いて作製される磁気ディスクの一例を示す概略構成図である。図1(b)は、磁気ディスクの概略断面図である。図1(c)は、磁気ヘッドが磁気ディスクの表面を浮上する状態を示す図である。
図1(a)に示されるように、磁気ディスク1はリング状であり、回転軸を中心として回転する。図1(b)に示されるように、磁気ディスク1は、ガラス基板2と、少なくとも磁性層3A,3Bと、を備える。
なお、磁性層3A,3B以外には、例えば、図示されない付着層、軟磁性層、非磁性下地層、垂直磁気記録層、保護層および潤滑層等が成膜される。付着層には、例えばCr合金等が用いられる。付着層は、ガラス基板2との接着層として機能する。軟磁性層には、例えばCoTaZr合金等が用いられる。非磁性下地層には、例えばグラニュラー非磁性層等が用いられる。垂直磁気記録層には、例えばグラニュラー磁性層等が用いられる。保護層には、水素カーボンからなる材料が用いられる。潤滑層には、例えばフッ素系樹脂等が用いられる。
磁気ディスク1について、より具体的な例を用いて説明する。本実施形態では、インライン型スパッタリング装置を用いて、ガラス基板2の両主表面に、CrTiの付着層、CoTaZr/Ru/CoTaZrの軟磁性層、CoCrSiOの非磁性グラニュラー下地層、CoCrPt−SiO・TiOのグラニュラー磁性層、水素化カーボン保護膜を順次成膜される。さらに、成膜された最上層にディップ法によりパーフルオロポリエーテル潤滑層が成膜される。
磁気ディスク1は、例えば7200rpmの回転速度で回転軸を中心として回転する。図1(c)に示されるように、ハードディスク装置の磁気ヘッド4A,4Bのそれぞれは、磁気ディスク1の高速回転に伴って、磁気ディスク1の表面から距離Hだけ浮上する。磁気ヘッド4A,4Bが浮上する距離Hは、例えば、5nmである。この状態で、磁気ヘッド4A,4Bは、磁性層に情報を記録し、あるいは読み出しを行う。この磁気ヘッド4A,4Bの浮上によって、磁気ディスク1に対して摺動することなく、しかも近距離で磁性層に対して記録あるいは読み出しを行うことにより、磁気記録情報エリアの微細化と磁気記録の高密度化を実現する。
このような磁気ディスク1に用いられるガラス基板2の主表面の表面凹凸は、平面度が例えば4μm以下であり、主表面の粗さが例えば0.2nm以下である。平面度が4μm以下は、最終製品としての磁気ディスク用基板に求められる目標平面度である。
平面度は、例えば、Nidek社製フラットネステスターFT−900を用いて測定することができる。
主表面の粗さ(Ra)は、例えば、エスアイアイナノテクノロジーズ社製走査型プローブ顕微鏡(原子間力顕微鏡)で計測し、JIS R1683:2007で規定される方法で算出できる。
ここで、表面凹凸は、表面凹凸の波長によって、うねり(波長0.6μm〜130mm程度)、ウェービネス(波長0.2μm〜2mm程度)、マイクロウェービネス(波長0.1μm〜1mm)、粗さ(波長10nm以下)に分けられる。
この中で、うねりは上記平面度を指標として表すことができ、粗さは上記算術平均粗さRaを指標として表すことができる。
このようなガラス基板は、円板状のガラスブランクの主表面を研削、研磨することにより作製され得る。このようなガラスブランクは、後述する磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法によって達成され得る。
本実施形態における磁気ディスク用ガラス基板の材料として、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ボロシリケートガラスなどを用いることができる。特に、化学強化を施すことができ、また主表面の平面度及び基板の強度において優れた磁気ディスク用ガラス基板を作製することができるという点で、アルミノシリケートガラスを好適に用いることができる。
本実施形態の磁気ディスク用ガラス基板の組成を限定するものではないが、アルミノシリケートガラスとして、酸化物基準に換算した際に、モル%表示で、SiOを50〜75%、Alを1〜15%、LiO、NaO及びKOから選択される少なくとも1種の成分を合計で12〜35%、MgO、CaO、SrO、BaO及びZnOから選択される少なくとも1種の成分を合計で0〜20%、及び、ZrO、TiO、La、Y、Ta、Nb及びHfOから選択される少なくとも1種の成分を合計で0〜10%、有する組成からなるアルミノシリケートガラスを用いることが好ましい。
(磁気ディスク用ガラスブランク、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法)
次に、図2を参照して、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法のフローを説明する。図2は、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法の一実施形態のフローを示す図である。
図2に示すように、先ず、一対の主表面を有する板状のガラスブランクをプレス成形により作製する(ステップS10)。次に、作製されたガラスブランクをスクライブして、円環状のガラス基板を作製する(ステップS20)。次に、スクライブされたガラス基板に対して形状加工(チャンファリング加工)を行う(ステップS30)。次に、ガラス基板に対して固定砥粒による研削を施す(ステップS40)。次に、ガラス基板の端面研磨を行う(ステップS50)。次に、ガラス基板の主表面に第1研磨を施す(ステップS60)。次に、第1研磨後のガラス基板に対して化学強化を施す(ステップS70)。次に、化学強化されたガラス基板に対して第2研磨を施す(ステップS80)。以上の工程を経て、磁気ディスク用ガラス基板が得られる。一対の主表面を有する磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法は、ステップS10のプレス成形によるガラスブランクの作製において行われる。
以下、各工程について、詳細に説明する。
(a)プレス成形工程(ステップS10)
先ず、図3を参照して、プレス成形工程について説明する。プレス成形工程は、切断工程とプレス工程とを含む。図3は、プレス成形工程において用いられる装置の平面図である。図4(a)〜(d)は、実施形態のプレス成形工程を具体的に示す図である。
図3に示されるように、装置101は、4組のプレスユニット120,130,140,150と、切断ユニット160と、を備える。切断ユニット160は、溶融ガラス流出口(供給部)111から流出する(供給される)溶融ガラスの経路上に設けられる。切断工程では、切断ユニット160によって溶融ガラス流が切断されることにより、溶融ガラスの塊であるガラスゴブが下方に落下する。
具体的には、切断ユニット160は、プレスユニット120,130,140,150のキャッチ位置と溶融ガラス流出口111との間の溶融ガラスの経路上に設けられる。切断ユニット160は、溶融ガラス流出口111から流出される溶融ガラス流を適量に切り出してガラスゴブGを形成する。切断ユニット160は、鉛直方向(溶融ガラス流の流下方向)に互いにずらして配置され、且つ、水平方向で互いに対向配置された一対の切断刃161,162(上側切断刃及び下側切断刃)を有する。各切断刃161,162は、協働して溶融ガラス流を切断する。具体的には、各切断刃161,162は、一定のタイミングで溶融ガラス流の経路上で刃先が交差するよう駆動され、各切断刃161,162が交差した位置で溶融ガラス流が切り出されてガラスゴブGが得られる。
プレス工程では、プレスユニット120,130,140,150は、落下中のガラスゴブを落下中のガラスゴブの両側から、互いに対向配置された一対の型のプレス面でガラスゴブを空中のキャッチ位置で挟み込みプレス成形することにより、ガラスブランクが成形される。
図3に示される例では、4組のプレスユニット120,130,140,150は、溶融ガラス流出口111を中心として周上に90度おきに配置されている。
プレスユニット120,130,140及び150の各々は、後述する移動機構127によって駆動されて、溶融ガラス流出口111に対して進退可能となっている。すなわち、溶融ガラス流出口111の下方に位置するキャッチ位置(図3においてプレスユニット140が実線で描画されている位置)と、溶融ガラス流出口111から離れた退避位置(図3において、プレスユニット120,130及び150が実線で描画されている位置、及びプレスユニット140が破線で描画されている位置)との間で移動可能となっている。
以下、プレスユニット120,130,140及び150を代表して、プレスユニット120を用いて説明する。
図3に示すプレスユニット120は、第1の型121と、第2の型122と、第1駆動部125と、第2駆動部126と、を有する。
第1の型121と第2の型122の各々は、ガラスゴブG(図4(b),(c)参照)をプレス成形するための面を有するプレート状の部材である。この2つの面の法線方向が略水平方向となり、この2つの面が互いに平行に対向するよう配置されている。
第1駆動部125は、第1の型121を第2の型122に対して進退させる。一方、第2駆動部126は、第2の型122を第1の型121に対して進退させる。第1駆動部125及び第2駆動部126は、第1の型121の面と第2の型122の面とを急速に近接させる機構を有する。第1駆動部125及び第2駆動部126は、例えば、エアシリンダやソレノイドとコイルばねを組み合わせた機構である。
なお、プレスユニット130,140及び150の構造は、プレスユニット120と同様であるため、説明は省略する。
プレスユニットの各々は、キャッチ位置に移動した後、第1駆動部と第2駆動部の駆動により、落下するガラスゴブGを第1の型と第2の型の問で挟み込んで所定の厚さに成形すると共に冷却し、円形状のガラスブランクGを作製する。作製したガラスブランクGは、コンベア171,172,173,174に落下して、コンベア171,172,173,174により、後工程に搬送される。プレス成形工程の詳細な説明は後述する。
(b)スクライブ工程(ステップS20)
次に、スクライブ工程について説明する。プレス成形工程の後、スクライブ工程では、成形されたガラスブランクGに対してスクライブが行われる。
ここでスクライブとは、成形されたガラスブランクGを所定のサイズのリング形状とするために、ガラスブランクGの表面に超鋼合金製あるいはダイヤモンド粒子を含んだスクライバにより2つの同心円(内側同心円および外側同心円)状の切断線(線状のキズ)を設けることをいう。2つの同心円の形状にスクライブされたガラスブランクGは、部分的に加熱され、ガラスブランクGの熱膨張の差異により、外側同心円の外側部分および内側同心円の内側部分が除去される。これにより、円環状のガラス基板が得られる。
なお、ガラスブランクGに対してコアドリル等を用いて円孔を形成することにより円環状のガラス基板を得ることもできる。
(c)形状加工工程(ステップS30)
次に、形状加工工程について説明する。形状加工工程では、スクライブ工程後のガラス基板の端部に対するチャンファリング加工(外周端部および内周端部の面取り加工)を含む。チャンファリング加工は、スクライブ工程後のガラス基板の外周端部および内周端部において、ダイヤモンド砥石により面取りを施す形状加工である。面取り角度は、主表面に対して例えば40〜50度である。
(d)固定砥粒による研削工程(ステップS40)
固定砥粒による研削工程では、遊星歯車機構を備えた両面研削装置を用いて、形状加工工程後のガラス基板の主表面に対して研削加工(機械加工)を行う。研削による取り代は、例えば数μm〜100μm程度である。固定砥粒の粒子サイズは、例えば10μm程度である。両面研削装置は、上下一対の定盤(上定盤および下定盤)を有しており、上定盤および下定盤の間にガラス基板が狭持される。そして、上定盤または下定盤のいずれか一方、または、双方を移動操作させることで、ガラス基板と各定盤とを相対的に移動させることにより、このガラス基板の両主表面を研削することができる。
(e)端面研磨工程(ステップS50)
次に、端面研磨工程について説明する。固定砥粒による研削工程後、端面研磨工程では、ガラス基板の端面研磨が行われる。
端面研磨では、ガラス基板の内周端面及び外周端面に対して、ブラシ研磨により鏡面仕上げを行う。このとき、酸化セリウム等の微粒子を遊離砥粒として含むスラリーが用いられる。端面研磨を行うことにより、ガラス基板の端面での塵等が付着した汚染、ダメージあるいはキズ等の損傷の除去を行うことにより、サーマルアスペリティの発生の防止や、ナトリウムやカリウム等のコロージョンの原因となるイオン析出の発生を防止することができる。
(f)第1研磨(主表面研磨)工程(ステップS60)
次に、端面研磨工程後のガラス基板の主表面に第1研磨が施される。第1研磨による取り代は、例えば数μm〜50μm程度である。第1研磨は、例えば固定砥粒による研削を行った場合に主表面に残留したキズや歪みの除去、あるいは微小な表面凹凸(マイクロウェービネス、粗さ)の調整を目的とする。第1研磨による取り代は、例えば数μm〜50μm程度である。
第1研磨工程では、例えば、遊星歯車機構を備えた両面研磨装置を用いて、研磨液を与えながら研磨する。第1研磨工程では、固定砥粒による研削と異なり、固定砥粒の代わりにスラリーに混濁した遊離砥粒を用いる。第1研磨に用いる遊離砥粒として、例えば、スラリーに混濁させた酸化セリウム砥粒、あるいはジルコニア砥粒など(粒子サイズ:直径1〜2μm程度)が用いられる。両面研磨装置は、上下一対の定盤(上定盤および下定盤)を有しており、上定盤および下定盤の間にガラス基板が狭持される。なお、下定盤の上面及び上定盤の底面には、全体として円環形状の平板の研磨パッド(例えば、樹脂ポリッシャ)が取り付けられている。そして、上定盤または下定盤のいずれか一方、または、双方を移動操作させることで、ガラス基板と各定盤とを相対的に移動させることにより、このガラス基板の両主表面を研磨することができる。
(g)化学強化工程(ステップS70)
次に、第1研磨工程後のガラス基板は化学強化される。
化学強化液として、例えば硝酸カリウム(60重量%)と硫酸ナトリウム(40重量%)の混合液等を用いることができる。化学強化工程では、化学強化液を例えば300℃〜400℃に加熱し、洗浄したガラス基板を例えば200℃〜300℃に予熱した後、ガラス基板を化学強化液中に、例えば3時間〜4時間浸漬する。この浸漬は、ガラス基板の両主表面全体が化学強化されるように、複数のガラス基板が端面で保持されつつ、ホルダに収納された状態で行われることが好ましい。
ガラス基板を化学強化液に浸漬することによって、ガラス基板の表層のリチウムイオン及びナトリウムイオンが、化学強化液中のイオン半径が相対的に大きいナトリウムイオン及びカリウムイオンにそれぞれ置換されることで表層部分に圧縮応力層が形成され、ガラス基板が強化される。
なお、化学強化処理されたガラス基板は洗浄される。例えば、硫酸で洗浄された後に、純水等で洗浄される。
(h)第2研磨(最終研磨)工程(ステップS80)
次に、化学強化工程後のガラス基板に第2研磨が施される。第2研磨工程は、主表面の鏡面研磨を目的とする。第2研磨による取り代は、例えば1μm程度である。第2研磨工程では、例えば、第1研磨工程で用いた両面研磨装置を用いる。このとき、第1研磨工程と異なる点は、遊離砥粒の種類及び粒子サイズが異なることと、樹脂ポリッシャの硬度が異なることである。
第2研磨工程に用いる遊離砥粒として、例えば、スラリーに混濁させたコロイダルシリカ等の微粒子(粒子サイズ:直径10〜50nm程度)が用いられる。研磨されたガラス基板を中性洗剤、純水、IPA等を用いて洗浄することで、磁気ディスク用ガラス基板が得られる。
第2研磨工程を実施することは必ずしも必須ではないが、ガラス基板の主表面の表面凹凸のレベルをさらに良好なものとすることができる点で実施することが好ましい。第2研磨工程を実施することで、主表面の粗さ(Ra)を0.1nm以下かつ上記主表面のマイクロウェービネス(MW−Rq)を0.1nm以下とすることができる。
以上が、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法の各工程についての説明である。
(プレス成形)
図5は、落下中のガラスゴブGを用いたプレス成形を説明する図である。
ガラスゴブGは、図4(b),(c)に示されるように、切断刃161,162で溶融ガラス流Lを切断することによって得られるが、上述したように、ガラスゴブGが落下を開始するタイミングや落下軌道が変動する。この変動は、ガラスブランクGの平面度を悪化させ(大きくし)、1つのガラスブランクGの中で平面度のばらつきを大きくし、さらに、複数のガラスブランクG間で平面度のばらつきを大きくする。これに加えて、ガラスゴブGと最初に接触するプレス面の部分がガラスゴブGのプレス成形のたびに異なり、特にプレス面の外周の一部の領域に偏っている場合には、プレス圧力がプレス面におけるガラスゴブGとの接触領域に集中しやすくなる。この結果、プレス面に微小な傾きが生じるため、ガラスゴブGの板厚の面内のばらつき(ガラスブランクGの板厚の最大値と最小値の差)が大きくなるという問題もある。
このため、本実施形態では、ガラスゴブGの落下の開始のタイミングや落下軌道が変動しても、ガラスブランクGの平面度を小さくし、平面度や板厚のばらつき(1つのガラスブランクG内での平面度や板厚のばらつき及び複数のガラスブランク間における平面度や板厚のばらつき)を小さくするように、調整システム200が用いられている。
調整システム200は、図示されない複数のレーザ光源と、受光センサ202a,202bと、位置特定ユニット204と、制御ユニット206と、駆動ユニット208を有する。
複数のレーザ光源は、切断ユニット160とプレスユニット120との間の高さ方向(溶融ガラス流の流れる方向)のある位置における水平面に沿って格子状にレーザ光La,Lbを照射する。また、ガラスゴブGの想定される落下軌道を挟んで、レーザ光源と対向する位置には受光センサ202a,202bが設けられている。受光センサ202a,202bは、格子状に照射したレーザ光La,Lbの照射領域をガラスゴブGが通るとき、レーザ光La,Lbの遮断の有無によりレーザ光の非受光あるいは受光を検出する。受光センサ202a,202bは、レーザ光La,Lbを受光して得られる受光信号を位置特定ユニット204に送る。
位置特定ユニット204は、受光センサ202a,202bから送られた受光信号を用いて、ガラスゴブGが格子状のレーザ光La,Lbの領域を通ることによって特定のレーザ光の受光が遮断されることを利用して、ガラスゴブGがこの領域を通過した通過タイミング情報と、ガラスゴブGの通過位置の情報を作成し、制御ユニット206に出力する。
制御ユニット206は、位置特定ユニット204から送られる通過タイミング情報を用いて、プレス面121,122を落下方向(図5中のZ方向)にどの程度移動すべきか落下方向移動量を算出し、算出した落下方向移動量を駆動ユニット208に送る。さらに、制御ユニット206は、位置特定ユニット204から送られる通過位置情報を用いて、プレス面121,122の水平方向(図5中のX方向、Y方向)に移動すべき水平方向移動量を算出し、算出した水平方向移動量を駆動ユニット208に送る。
駆動ユニット208は、制御ユニット206から送られる落下方向移動量及び水平方向移動量に応じて、プレス面121,122をX方向、Y方向及びZ方向に移動するように、移動機構127を駆動させる。
移動機構127は、駆動ユニット208の指示に応じて図5中のX方向、Y方向、及びZ方向に自在に動くように構成されている。移動機構127は、例えばリニアガイド等を用いて構成される。
第1駆動部125及び第2駆動部126は、予め定められた時間間隔でプレス面121,122同士を接近させてプレス成形を行うように設定されているので、ガラスゴブGが落下を開始してプレス面121,122を通るタイミングが変動しても、さらに、プレス面121,122をガラスゴブGが通るとき、プレス面121,122における一定の位置でガラスゴブGと接触開始をするように、プレス面121,122をX方向、Y方向及びZ方向に移動することができる。
以上を纏めると、プレス面121,122によるプレス成形は、ガラスゴブGが落下するたびに断続的に行われ、プレス成形を行うたびにプレス面121,122のZ方向の位置の調整が行われる。この調整は、定められた領域であるレーザビームLa,Lbの照射領域をガラスゴブGが通る通過タイミング情報に応じて行われる。このとき、プレス面121,122の位置の調整では、さらに、プレス面121,122における水平方向(X方向及びY方向)のプレス開始位置を一定にするために、水平方向におけるプレス面121,122の位置が調整される。この水平方向におけるプレス面121,122の調整は、ガラスゴブGが落下するたびに、レーザビームLa,Lbの照射領域をガラスゴブGが通るときのガラスゴブGの位置を特定することにより行われる。ガラスゴブGの上記位置の情報は、レーザビームLa,Lbの照射領域をガラスゴブGが通るときのガラスゴブGの位置を特定する受光センサ202a,202bの検出情報である。プレス面121,122におけるプレス開始位置は、プレス面121,122の中心位置であることが、プレス開始位置からガラスゴブGの熱をプレス面121,122に等方的に伝導させる点で好ましい。
本実施形態では、プレス面121,122のZ方向の位置の調整の他に、プレス面121,122のX方向及びY方向の位置の調整を行っているが、プレス面121,122のZ方向の位置の調整を少なくとも行えばよい。特に、ガラスゴブGが落下を開始するタイミングの変動は制御しにくいので、プレス面121,122のZ方向の位置の調整は、X方向及びY方向の位置の調整に比べて重要である。
なお、本実施形態では、ガラスゴブGの落下軌道及び落下を開始するタイミングが、その直前のプレス成形や直後のプレス成形との間で大きく変わる場合に、ガラスブランクGの平面度の向上や板厚のばらつきの低減の点で大きな効果を発揮するが、ガラスゴブGの落下軌道及び落下を開始するタイミングが経時的に徐々に変化する場合においても、好適に用いることができ、ガラスブランクGの平面度を向上させることができるとともに、ガラスブランクGの板厚のばらつきを低減させることができる。
以上のように、本実施形態のプレス成形では、落下中のガラスゴブGに対するプレス成形を開始するプレス面121,122における落下方向(Z方向)のプレス開始位置を一定にするために、落下方向においてプレス面121,122の位置の調整が行われる。このため、ガラスゴブGが落下を開始するタイミングが変動しても、プレス面121,122において、ガラスゴブGがプレス面121,122と接触を開始するZ方向のプレス開始位置を一定にすることができる。したがって、従来に比べてガラスブランクGの平面度を向上させる(平面度を小さくし、平面度のばらつきを小さくする)ことができるとともに、ガラスブランクGの板厚のばらつきを低減させることができる。
プレス成形は、ガラスゴブGが落下するたびに断続的に行われるが、ガラスゴブGが落下を開始するタイミングが切断刃161,162による切断のたびに変動する場合、プレス面121,122の位置の調整はプレス成形が行われるたびに行われることが、ガラスブランクGの平面度や板厚のばらつき(複数のガラスブランクG間における平面度や板厚のばらつき)を抑制する点で好ましい。この場合、ガラスゴブGが定められた領域を通過する通過タイミングに応じて行われる。
ガラスゴブGの上記通過タイミングの情報は、ガラスゴブGが上記領域を通過することを検出する受光センサ202a,202b等を含む検出手段による検出情報であることが、正確に調整を行い、ガラスブランクGの平面度を向上させる点で好ましい。
また、落下方向におけるプレス面121,122の位置の調整に加えて、さらに、プレス面121及び122における水平方向(X方向及びY方向)のプレス開始位置を一定にするために、水平方向におけるプレス面の位置が調整されることが、ガラスブランクGの平面度をより向上させたり、板厚のばらつきを低減させたりする点で好ましい。
プレス成形は、ガラスゴブGが落下するたびに断続的に行われるが、ガラスゴブGの落下のタイミングが切断刃161,162による切断のたびに変動する場合、水平方向におけるプレス面の位置は、プレス成形が行われるたびに調整されることが、ガラスブランクGの平面度や板厚のばらつき(複数のガラスブランクG間における平面度や板厚のばらつき)を抑制する点で好ましい。この場合、ガラスゴブGが定められた領域を通過するときのガラスゴブGの位置を特定することにより行われる。
さらに、上記ガラスゴブGの通過位置の情報は、定められた領域内におけるガラスゴブのGの通過位置を特定する受光センサ202a,202b等の検出手段による検出情報であることが、正確に上記調整を行い、ガラスブランクGの平面度を向上させたり、板厚のばらつきを低減させたりする点で好ましい。
(変形例1)
本実施形態では、プレス面121,122のZ方向の位置の調整により、ガラスゴブGの落下のタイミングの変動に起因するガラスブランクGの平面度の悪化を抑制する。しかし、本変形例1は、プレス面121,122のZ方向の位置の調整の代わりに、プレス面121,122のプレス成形の開始のタイミングの調整を、定められた領域(レーザビームLa,Lbの照射領域)をガラスゴブGが通過する通過タイミングに応じて行う。
すなわち、本変形例1では、制御ユニット206は、位置特定ユニット204から送られる通過タイミングの情報を用いて、プレス面121,122のプレス成形の開始のタイミングを遅らせたり、早めたりするプレス成形の開始のタイミング情報を算出し、算出したタイミング情報を駆動ユニット208に送る。駆動ユニット208は、移動機構127を介して、第1駆動部125及び第2駆動部126に、タイミング情報に基くプレス成形の開始のタイミングの信号を送る。上述した実施形態では、第1駆動部125及び第2駆動部126は、予め定められた間隔でプレス面121,122同士を接近させてプレス成形を行うように設定されている。しかし、本変形例1では、この設定が取り除かれて、駆動ユニット208から送られてくるタイミングの信号に基いてプレス成形の開始のタイミングが調整される。
このように、本変形例1では、ガラスゴブGが落下し、プレス面121,122を通るタイミングが変動しても、プレス面121,122におけるZ方向の同じ位置でガラスゴブGと接触を開始することができる。また、本変形例1では、プレス面121,122のX方向及びY方向の位置の調整を、プレス成形の開始のタイミングの調整とともに同時に行うこともできる。したがって、ガラスゴブGの落下軌道が変動しても、プレス面121,122におけるX方向及びY方向の同じ位置でガラスゴブGと接触を開始するように、プレス面121,122をX方向及びY方向に移動することができる。
(変形例2)
図6(a)は、本変形例2の調整システム200を説明する図である。調整システム200は、撮像装置210a,210bと、位置検出ユニット204と、制御ユニット206と、駆動ユニット208を有する。本変形例2は、本実施形態の受光センサ202a,202bに代えて、定められた領域をガラスゴブGが通るときのガラスゴブGの位置を特定する検出手段として、撮像装置210a,201bを用いる。制御ユニット206及び駆動ユニット208の構成及び作用は、本実施形態における制御ユニット206及び駆動ユニット208と同様なので、その説明は省略する。
撮像装置210a,210bは、切断ユニット160とプレスユニット120との間のある高さ方向の位置を通過する水平面の領域を撮像するカメラである。撮像装置210a,210bは、ガラスゴブGが、定められた水平面の領域を通過する像を撮像するように常時、水平面を2方向から撮像する。撮像装置210a,210bの撮像した像は位置特定ユニット204に送られる。位置特定ユニット204は、撮像した像からガラスゴブGの通過を監視する。撮像装置210a,210bは、ガラスゴブGの通過する像を確認した場合、この像から、ガラスゴブGの水平面上の通過位置を特定する。像は、異なる2方向から撮像された撮像装置210a,210bの画像データであるので、この画像データを用いて、ガラスゴブGの水平面上の領域における通過位置を特定することができる。位置特定ユニット204は、ガラスゴブGの通過位置の情報を制御ユニット206に送る。
このように、本変形例2では、撮像装置210a,210bを用いて、定められた領域内におけるガラスゴブGの通過位置を特定することにより、あるいは、ガラスゴブGの通過のタイミングを知ることにより、プレス面121,122の位置の調整(本実施形態における調整)、あるいはプレス成形開始のタイミングの調整(変形例1における調整)を行い、ガラスブランクGの平面度を向上させることができるとともに、板厚のばらつきを低減させることができる。本変形例2においても、プレス面121,122のZ方向の位置の調整あるいはプレス成形の開始のタイミングの調整が少なくとも行われる。プレス面121,122の水平方向の位置の調整は、プレス面121,122のZ方向の位置の調整あるいはプレス成形の開始のタイミングの調整に付随的に行われるとよい。
(変形例3)
図6(b)は、本変形例3の調整システム200を説明する図である。調整システム200は、温度センサ212a〜212eと、位置検出ユニット204と、制御ユニット206と、駆動ユニット208を有する。本変形例3は、本実施形態の受光センサ202a,202bに代えて、ガラスゴブGの通る位置を特定する検出手段として、温度センサ212a〜212eを用いる。制御ユニット206及び駆動ユニット206の構成及び作用は、本実施形態における制御ユニット206及び駆動ユニット206と同様なので、その説明は省略する。
温度センサ212a〜212eは、プレス面121,122の双方の内部に埋め込まれている。温度センサ212a〜212eとして例えば熱電対が用いられる。温度センサ212a〜212eは、プレス面121,122によるプレス成形時の温度情報を検出する。これにより、位置特定ユニット204は、温度センサ212a〜212eの温度情報に基いてガラスゴブGのプレス成形時の位置を特定することができる。本変形例3では、プレス面121,122に、5つの温度センサ212a〜212eが設けられているが、温度センサの数は5つに限定されない。少なくとも3つ以上の温度センサが設けられることにより、ガラスゴブGの通過位置を特定することができる。
本変形例3では、前回のプレス成形時のプレス面121,122における温度情報に基いて、プレス面121,122のどの位置でプレス成形をしたかを特定することにより、ガラスゴブGの前回のプレス成形時の位置を特定する。したがって、実施形態及び変形例2の調整は、今からプレス面121,122を通るであろうガラスゴブGの予測位置に応じて、プレス面121,122の位置を調整し、あるいは、プレス成形の開始のタイミングを調整するフィードフォワード制御であるが、本変形例3の調整は、前回プレス成形したときの温度情報に基いて、今回落下するであろうガラスゴブGの予測位置に応じてプレス面121,122の位置を調整し、あるいは、プレス成形の開始のタイミングを調整するフィードバック制御である。本変形例3は、ガラスゴブGの落下軌道及び落下の開始のタイミングが、前回のプレス成形に用いたガラスゴブGとの間で大きく変わらず、プレス成形を開始するときのプレス面121,122におけるガラスゴブGの位置及びガラスゴブGの落下の開始のタイミングが経時的に徐々に変化する場合に好適に用いることができる。本変形例3においても、プレス面121,122のZ方向の位置の調整あるいはプレス成形の開始のタイミングの調整が少なくとも行われる。プレス面121,122の水平方向の位置の調整は、プレス面121,122のZ方向の位置の調整あるいはプレス成形の開始のタイミングの調整に付随的に行われるとよい。
なお、変形例1,2においても、ガラスゴブGの落下軌道及び落下の開始のタイミングが、プレス成形するたびに変動する場合の他に、ガラスゴブGの落下軌道及び落下の開始のタイミングが経時的に徐々に変化する場合においても、好適に用いることができる。
以上、本発明の磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法及び磁気ディスク用ガラス基板の製造方法について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
1 磁気ディスク
2 ガラス基板
3A,3B 磁性層
4A,4B 磁気ヘッド
5 外周エッジ部
101 装置
111 溶融ガラス流出口
120、130、140,150 プレスユニット
121,221 第1の型
121a プレス面
121b,122b スペーサ
122,222 第2の型
122a プレス面
125第1駆動部
126 第2駆動部
127 移動機構
171,172,173,174 コンベア
200 調整システム
202a,202b 受光センサ
210a,210b 撮像装置
212a,212b,212c,212d,212e 温度センサ
204 位置特定ユニット
206 制御ユニット
208 駆動ユニット



Claims (10)

  1. 磁気ディスク用ガラス基板に用いられる一対の主表面を有する磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法であって、
    溶融ガラス流を切断し、該切断によって得られるガラスゴブを落下させる切断工程と、
    落下中の前記ガラスゴブを一対のプレス面で挟んでプレス成形をすることによりガラスブランクを成形するプレス工程と、を含み、
    前記プレス工程では、落下中の前記ガラスゴブに対するプレス成形を開始する前記プレス面におけるプレス開始位置を、前記落下方向において一定にするために、前記落下方向における前記プレス面の位置の調整が行われる、あるいは前記プレス成形の開始のタイミングの調整が行われる、ことを特徴とする磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法。
  2. 前記プレス工程は、ガラスゴブが落下するたびに断続的に行われ、
    前記調整は前記プレス工程が行われるたびに、定められた領域を前記ガラスゴブが通るタイミングに応じて行われる、請求項1に記載の磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法。
  3. 前記タイミングの情報は、前記ガラスゴブが前記領域を通ることを検出する検出手段の検出情報である、請求項2に記載の磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法。
  4. 前記調整では、さらに、前記プレス面におけるプレス開始位置を水平方向において一定にするために、前記水平方向における前記プレス面の位置が調整される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法。
  5. 前記プレス工程は、ガラスゴブが落下するたびに断続的に行われ、
    前記調整は前記プレス工程が行われるたびに行われ、前記調整は、予め定められた領域内を前記ガラスゴブが通るときの前記ガラスゴブの位置を特定することにより行われる、請求項4に記載の磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法。
  6. 前記ガラスゴブの位置の情報は、前記領域内における前記ガラスゴブの位置を特定する検出手段の検出情報である、請求項5に記載の磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法。
  7. 前記領域は、格子状にレーザ光を照射した領域であり、
    前記検出手段は、前記領域を前記ガラスゴブが通るとき、前記レーザ光の遮断の有無によりレーザ光の受光あるいは非受光を検出する受光センサを含む、請求項3または6に記載の磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法。
  8. 前記検出手段は、前記領域内を前記ガラスゴブが通る像を撮像する撮像装置を含む、請求項3または6に記載の磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法。
  9. 前記検出手段は、前記ガラスゴブが前記プレス面のどの位置を通るかを検出するために前記プレス面に埋め込まれた複数の温度センサを含み、前記温度センサは、前記プレス面によるプレス成形時の温度情報を検出する、請求項3または6に記載の磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の磁気ディスク用ガラスブランクの製造方法で作製された前記ガラスブランクを機械加工する工程を含み、
    前記機械加工をする工程は、前記ガラスブランクの主表面の研削工程と、研削後の前記ガラスブランクの主表面を、遊離砥粒を用いて研磨する研磨工程を含む、磁気ディスク用ガラス基板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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