JP2014024483A - 船舶推進装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】航走性能に影響を与えずに、部品を収容するロアケース内の空間を広げること。
【解決手段】船舶推進装置は、原動機と、ドライブシャフトと、ピニオン34と、後ギヤ36と、プロペラシャフト8と、前軸受B4と、筒状の前ハウジング42と、筒状の後ハウジング66とを含む。前ハウジング42は、前軸受B4をP軸線Apまわりに取り囲んでおり、前軸受B4を介して後ギヤ36をP軸線Apまわりに回転可能に支持している。後ハウジング66は、前ハウジング42の後方に配置されている。前ハウジング42は、プロペラシャフト8をP軸線Apまわりに取り囲んでおり、プロペラシャフト8を後ギヤ36よりも後方でP軸線Apまわりに回転可能に支持している。
【選択図】図6

Description

本発明は、船舶推進装置に関する。
特許文献1の船外機は、ドライブシャフトに連結されたピニオンに噛み合うベベルギヤと、ベベルギヤの回転をプロペラシャフトに伝達する遊星歯車機構と、遊星歯車機構を収容するハウジングと、ハウジングを収容するロアケースとを含む。ハウジングは、前後方向に延びる筒状であり、遊星歯車機構は、ハウジングの前端部内に収容されている。ベベルギヤは、ハウジングの前端部内に配置された軸受を介してハウジングに支持されている。ベベルギヤを支持する軸受は、遊星歯車機構の前方に配置されており、軸受の外径は、遊星歯車機構の外径よりも大きい。
特開2010−139060号公報
特許文献1では、遊星歯車機構は、ハウジング内に前方から組み込まれる。ベベルギヤを支持する軸受は、遊星歯車機構がハウジング内に組み込まれた後に、ハウジング内に前方から組み込まれる。軸受の外輪がハウジングの前端部内に嵌合されるので、遊星歯車機構を収容する部分の内径は、軸受を収容する部分の内径よりも小さくなければならない。そのため、遊星歯車機構等の部品を収容する空間の大きさが軸受によって制限されてしまう。
ハウジングの内径および外径を大きくすれば、遊星歯車機構等の部品を収容する空間を広げることができる。しかしながら、ハウジングは、ロアケース内に収容されているので、ハウジングの内径および外径を大きくすると、ロアケースも大きくする必要がある。ロアケースは、水中に配置されるので、ロアケースが大型化すると、水からの抵抗が大きくなり、航走性能が低下してしまう。
そこで、本発明の目的は、航走性能に影響を与えずに、部品を収容する内部空間を広げることができる船舶推進装置を提供することである。
本発明の一実施形態は、原動機と、ドライブシャフトと、ピニオンと、ベベルギヤと、プロペラシャフトと、前軸受と、筒状の前ハウジングと、筒状の後ハウジングとを含む、船舶推進装置を提供する。前記ドライブシャフトは、上下方向に延びるD軸線まわりに回転可能であり、前記原動機からの回転は、前記ドライブシャフトに伝達される。前記ピニオンは、前記ドライブシャフトと共に前記D軸線まわりに回転する。前記ベベルギヤは、前記D軸線よりも後方に配置されており、前記ピニオンに噛み合っており、前後方向に延びるP軸線まわりに回転可能である。前記プロペラシャフトの少なくとも一部は、前記ベベルギヤよりも後方に配置されている。前記プロペラシャフトは、前記P軸線まわりに回転可能であり、前記ベベルギヤからの回転は、前記プロペラシャフトに伝達される。前記前軸受は、前記ベベルギヤを前記P軸線まわりに取り囲んでおり、前記ベベルギヤを前記P軸線まわりに回転可能に支持している。前記前ハウジングは、前記前軸受を前記P軸線まわりに取り囲んでおり、前記前軸受を介して前記ベベルギヤを前記P軸線まわりに回転可能に支持している。前記後ハウジングは、前記前ハウジングの後方に配置されており、前記プロペラシャフトを前記P軸線まわりに取り囲んでおり、前記プロペラシャフトを前記ベベルギヤよりも後方で前記P軸線まわりに回転可能に支持している。
この構成によれば、原動機の回転が、ドライブシャフト、ピニオン、ベベルギヤ、およびプロペラシャフトを介して、プロペラシャフトに取り付けられたプロペラに伝達される。ベベルギヤは、前軸受によってP軸線まわりに回転可能に支持されている。前ハウジングは、前軸受を介してベベルギヤをP軸線まわりに回転可能に支持している。その一方で、後ハウジングは、ベベルギヤよりも後方でプロペラシャフトをP軸線まわりに回転可能に支持している。このように、ベベルギヤを支持するハウジング(前ハウジング)と、プロペラシャフトを支持するハウジング(後ハウジング)とが、別々に設けられているので、遊星歯車機構などの伝達機構を収容する空間の大きさが、前軸受によって制約されない。したがって、水中に配置されるロアケースの大きさを変えずに、伝達機構などの部品を収容する収容空間を広げることができる。
前記前ハウジングは、前記前軸受を前記P軸線まわりに取り囲む筒状のギヤ支持部を含んでいてもよい。この構成によれば、ベベルギヤが、前軸受を介してギヤ支持部に支持される。
前記前ハウジングの後端の内径は、前記ギヤ支持部の内径よりも大きくてもよい。この構成によれば、前ハウジングの後端によって取り囲まれた空間が広がるので、より大きな収容空間を確保できる。
前記前ハウジングは、前後方向に関して前記ギヤ支持部と前記後ハウジングとの間に位置する筒状の介在部をさらに含んでいてもよい。前記介在部の内径は、前記ギヤ支持部の内径よりも大きくてもよい。この場合、介在部によって取り囲まれた空間が広がるので、より大きな収容空間を確保できる。
前記前ハウジングは、前記ギヤ支持部と前記介在部との間で前記ギヤ支持部よりも径方向内方に突出しており、前記前軸受の後端面に対向する係止部をさらに含んでいてもよい。この構成によれば、前軸受が係止部によって後方から支持されるので、前軸受の安定性を高めることができる。
前記後ハウジングの前端の内径は、前記ギヤ支持部の内径よりも小さくてもよい。
前記船舶推進装置は、前記前軸受よりも後方に配置されており、前記プロペラシャフトを前記P軸線まわりに回転可能に支持する後軸受と、前後方向に関して前記ベベルギヤと前記後軸受との間に配置されており、前記ベベルギヤから前記プロペラシャフトに伝達される回転を減速する遊星歯車機構とをさらに含んでいてもよい。前記後ハウジングは、前記後軸受を介して前記プロペラシャフトを支持していてもよい。
この構成によれば、プロペラシャフトを支持する後軸受が、ベベルギヤを支持する前軸受よりも後方に配置されている。前軸受と後軸受との間には、前軸受による制約を受けない空間が確保されている。遊星歯車機構は、この制約を受けない空間に配置されている。したがって、遊星歯車機構の大きさが、前軸受によって制約されない。そのため、遊星歯車機構に関する設計の自由度を高めることができる。例えば、前記遊星歯車機構の最大径を、前記前ハウジングに設けられた前記ギヤ支持部の内径よりも大きくできる。
前記前ハウジングの後端は、前記後ハウジングの前端に後方から支持されていてもよい。この構成によれば、前ハウジングが後ハウジングによって後方から支持されるので、前ハウジングの安定性を高めることができる。
前記船舶推進装置は、前記前ハウジングの後端よりも小さい内径を有しており、前記前ハウジングの後端と前記後ハウジングの前端との間に介在する筒状のスペーサをさらに含んでいてもよい。前記前ハウジングの後端は、前記スペーサを介して前記後ハウジングの前端に後方から支持されていてもよい。さらに、前記後ハウジングと前記スペーサとの接触面積は、前記前ハウジングと前記スペーサとの接触面積より広くてもよい。
本発明の一実施形態に係る船舶推進装置の側面図である。 船外機の下部(ロアユニット)を示す断面図である。 図2に示す矢印IIIの方向からロアユニットを見た図である。 図5に示すIV−IV線に沿う遊星歯車機構の断面図である。 前後進切替機構および遊星歯車機構を示す断面図である。 前ハウジング、スペーサ、および後ハウジングを示す断面図である。 ロアケースに取り付けられた状態のリングナットを後方から見た図である。 ロアケースおよび後ハウジングに取り付けられた状態の固定部材、外周締結部材、および内周締結部材を示す断面図である。 ロアケースおよび後ハウジングに取り付けられた状態の固定部材、外周締結部材、および内周締結部材を後方から見た図である。
以下では、本発明の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る船舶推進装置1の側面図である。
船舶推進装置1は、船体H1の後部に取り付け可能なブラケット2と、上下方向に延びるステアリング軸線Asまわりに回動可能にブラケット2に支持された船外機3とを含む。
船外機3は、プロペラ9をP軸線Apまわりに回転させる動力を発生するエンジン4と、エンジン4に連結されたドライブシャフト5と、ドライブシャフト5に連結された前後進切替機構6と、前後進切替機構6に連結された遊星歯車機構7と、遊星歯車機構7に連結されたプロペラシャフト8とを含む。さらに、船外機3は、エンジン4を収容するエンジンカバー10と、ドライブシャフト5等を収容するケーシング11とを含む。ケーシング11は、エンジンカバー10の下方に配置されたアッパーケース12と、アッパーケース12の下方に配置されたロアケース13とを含む。
エンジン4は、上下方向に延びるクランク軸線Acまわりに回転可能なクランクシャフト14を含む内燃機関である。エンジン4は、原動機の一例である。原動機は、エンジン4に限らず、電動モータであってもよいし、エンジン4および電動モータであってもよい。ドライブシャフト5、前後進切替機構6、遊星歯車機構7、およびプロペラシャフト8は、エンジン4の回転(クランクシャフト14の回転)をプロペラ9の複数の羽根33に伝達する伝達経路上に配置されている。プロペラ9は、プロペラシャフト8に取り外し可能に取り付けられている。エンジン4の回転は、ドライブシャフト5、前後進切替機構6、遊星歯車機構7、およびプロペラシャフト8をこの順番で介してプロペラ9に伝達される。これにより、船体H1を推進させる推力が発生する。
ドライブシャフト5は、エンジン4から下方に延びている。ドライブシャフト5は、アッパーケース12およびロアケース13内で上下方向に延びている。ドライブシャフト5は、ケーシング11に対してD軸線Ad(ドライブシャフト5の中心軸線)まわりに回転可能である。船外機3の外の水をエンジン4に送るウォーターポンプWPのインペラは、ドライブシャフト5と共にD軸線Adまわりに回転する。ドライブシャフト5の上端部は、エンジン4に連結されており、ドライブシャフト5の下端部は、前後進切替機構6に連結されている。遊星歯車機構7は、前後進切替機構6の後方に配置されている。
プロペラシャフト8は、前後進切替機構6から後方に延びている。遊星歯車機構7は、プロペラシャフト8の前端部を取り囲んでいる。プロペラシャフト8は、ロアケース13内で前後方向に延びている。プロペラシャフト8は、ケーシング11に対してP軸線Ap(プロペラシャフト8の中心軸線)まわりに回転可能である。ロアケース13は、P軸線Apに沿って前後方向に延びる円筒状のトーピード部15(torpedo portion)を含む。プロペラシャフト8、前後進切替機構6、および遊星歯車機構7は、トーピード部15内に配置されている。プロペラシャフト8の後端部は、後向きに開口したトーピード部15の後端部(図9参照)から後方に突出している。プロペラ9は、トーピード部15の後方に配置されている。プロペラ9は、プロペラシャフト8の後端部に連結されている。プロペラ9は、プロペラシャフト8と共にP軸線Apまわりに回転する。
ドライブシャフト5は、エンジン4によって一定の回転方向に駆動される。ドライブシャフト5の回転は、前後進切替機構6および遊星歯車機構7を介して、プロペラシャフト8に伝達される。前後進切替機構6は、前進状態、後進状態、および中立状態のいずれかに切り替えられる。前進状態は、プロペラシャフト8が正転方向(例えば、後方から見て右回り)に回転するように、前後進切替機構6がドライブシャフト5の回転を下流側に伝達する状態であり、後進状態は、プロペラシャフト8が逆転方向(正転方向とは反対の方向)に回転するように、前後進切替機構6がドライブシャフト5の回転を下流側に伝達する状態である。中立状態は、前後進切替機構6がドライブシャフト5からプロペラシャフト8への回転の伝達を遮断する状態である。
エンジン4の回転は、ドライブシャフト5を介して前後進切替機構6に伝達される。前後進切替機構6が前進状態である場合、正転方向の回転が、前後進切替機構6から遊星歯車機構7に伝達される。遊星歯車機構7は、前後進切替機構6から伝達された回転を減速した状態でプロペラシャフト8に伝達する。これにより、プロペラシャフト8およびプロペラ9が、正転方向に一体回転し、船体H1を前進させる推力が発生する。前後進切替機構6が後進状態である場合は、逆転方向の回転が、前後進切替機構6から遊星歯車機構7に伝達される。遊星歯車機構7は、前後進切替機構6から伝達された回転を減速した状態でプロペラシャフト8に伝達する。これにより、プロペラシャフト8およびプロペラ9が、逆転方向に一体回転し、船体H1を後進させる推力が発生する。
船外機3は、エンジン4で生成された排気をプロペラ9から水中に排出する排気通路16を含む。排気通路16は、エンジン4に接続されている。排気通路16は、エンジン4からプロペラシャフト8まで下方に延びており、さらに、プロペラシャフト8に沿って前後方向に延びている。排気通路16は、プロペラ9で後向きに開口する排気口17を含む。プロペラ9が水中に配置されている状態では、排気口17も水中に配置されている。したがって、この状態では、排気口17が水で塞がれている。エンジン4で生成された排気は、排気通路16の上流端から排気通路16に流入する。そして、排気通路16内の排気圧が高まると、排気口17内の水が、排気によってプロペラ9の外に押し出され、排気通路16内の排気が、プロペラ9から水中に排出される。
図2は、船外機3の下部(ロアユニット)を示す断面図である。図3は、図2に示す矢印IIIの方向からロアユニットを見た図である。
図2に示すように、排気通路16は、アッパーケース12から流入した排気を下方に導く下方案内部18と、下方案内部18から流入した排気を後方に導く後方案内部19とを含む。下方案内部18は、ロアケース13内に設けられており、後方案内部19は、ロアケース13およびプロペラ9内に設けられている。下方案内部18の下端部は、後方案内部19の上端部に連なっている。下方案内部18の下端部の前端18cは、下方案内部18の上端部の前端18aよりも後方に配置されており、下方案内部18の下端部の後端18dは、下方案内部18の上端部の後端18bよりも前方に配置されている。下方案内部18の下端部(下流端)の開口面積は、下方案内部18の上端部(上流端)の開口面積よりも狭い。
図2に示すように、船外機3は、ロアケース13の上端部で排気通路16(下方案内部18)からの排気の漏れを防止するシール構造20を含む。シール構造20は、下方案内部18の上端部内に配置された2つのシール21と、2つのシール21をそれぞれ支持する2つの支持ブラケット22とを含む。ロアケース13は、2つの支持ブラケット22それぞれを支持する2つの支持部23を含む。
図2に示すように、2つのシール21は、前後方向に間隔を空けて配置されている。シール21は、対応する支持ブラケット22によって支持されている。ロアケース13に設けられた2つの支持部23は、前後方向に間隔を空けて配置されている。支持ブラケット22は、支持部23に支持されている。したがって、各シール21は、支持ブラケット22を介して支持部23に支持されている。シール21は、ゴムや樹脂などの弾性材料で形成されている。シール21は、オイルパンなどのロアケース13の上方に配置された部材に押し付けられている。
図3に示すように、シール21は、下方案内部18の上端部に沿って左右方向に延びている。支持ブラケット22は、対応するシール21に沿って左右方向に延びている。2つの支持ブラケット22は、前後方向に対向している。図2に示すように、支持ブラケット22は、L字状の縦断面(左右方向に直交する断面)を有している。前方の支持ブラケット22は、前向きに開いた仰向けの姿勢で配置されており、後方の支持ブラケット22は、後向きに開いた仰向けの姿勢で配置されている。各支持ブラケット22は、水平な姿勢で左右方向に延びる板状の水平部24と、鉛直な姿勢で左右方向に延びる板状の鉛直部25とを含む。鉛直部25は、水平部24の前端部または後端部から上方に延びている。シール21は、水平部24上に配置されている。シール21は、水平部24よりも前後方向に長く、鉛直部25よりも上下方向に長い。シール21は、水平部24よりも後方または前方に突出しており、鉛直部25よりも上方に突出している。
図2に示すように、各支持部23は、下向きに凹んだ2つの凹部26を含む。図3に示すように、共通の支持部23に設けられた2つの凹部26は、間隔を空けて左右方向に対向している。一方の凹部26は、ロアケース13の右側部に設けられており、他方の凹部26は、ロアケース13の左側部に設けられている。凹部26は、上向きに開いていると共に、内向きに開いている。支持ブラケット22の両端部は、それぞれ、2つの凹部26内に配置されており、凹部26の底面によって支持されている。したがって、支持ブラケット22の両端部は、一対の凹部26にそれぞれ支持されており、支持ブラケット22の中間部は、空中に配置されている。支持ブラケット22の中間部とシール21の中間部とは、排気通路16(下方案内部18)内に配置されている。
図2に示すように、プロペラ9は、推力を発生する筒状のプロペラ部材27と、プロペラ部材27に取り外し可能に取り付けられた筒状のダンパユニット28とを含む。船外機3は、プロペラシャフト8に対する前方へのプロペラ9の移動を規制する筒状の前スペーサ29と、プロペラ9をプロペラシャフト8の後端部に固定するナットN1とを含む。
図2に示すように、プロペラ部材27は、ダンパユニット28をP軸線Apまわりに取り囲む内筒30と、径方向(P軸線Apに直交する方向)に間隔を空けて内筒30を同軸的に取り囲む外筒31とを含む。さらに、プロペラ部材27は、周方向(P軸線Apまわりの方向)に離れた複数の位置で内筒30と外筒31とを連結する複数のリブ32と、外筒31から外方に延びる複数の羽根33とを含む。ダンパユニット28は、内筒30内に配置されている。ダンパユニット28は、入力部材としてのプロペラシャフト8と、出力部材としての内筒30との間で、P軸線Apまわりのトルクを伝達すると共に、プロペラシャフト8と内筒30との間でP軸線Apまわりの振動を吸収する。
図2に示すように、プロペラ部材27の内筒30の前端部は、前スペーサ29を介してプロペラシャフト8に支持されている。前進方向への推力は、前スペーサ29を介して内筒30からプロペラシャフト8に伝達される。内筒30は、外筒31内に収容されている。内筒30の前端は、外筒31の前端よりも後方に配置されており、内筒30の後端は、外筒31の後端よりも前方に配置にされている。複数のリブ32は、周方向に間隔を空けて内筒30と外筒31との間に配置されている。各リブ32は、内筒30の外周面から外筒31の内周面まで径方向に延びる板状である。複数の羽根33は、外筒31の周囲に配置されている。複数の羽根33は、周方向に間隔を空けて配置されている。内筒30、外筒31、リブ32、および羽根33は、P軸線Apまわりに一体回転する。複数の羽根33は、P軸線Apまわりに回転することにより推力を発生する。
図2に示すように、内筒30の外周面と外筒31の内周面とは、間隔を空けて径方向に対向している。複数のリブ32は、内筒30と外筒31との間で周方向に間隔を空けて配置されている。内筒30の外周面と、外筒31の内周面と、複数のリブ32とは、後方案内部19の一部を形成している。さらに、外筒31の後端部は、後向きに開口した排気口17を形成している。エンジン4で生成された排気は、排気通路16の下方案内部18を経由して、プロペラ部材27の前方からプロペラ部材27の内部に導かれる。そして、プロペラ部材27内に導かれた排気は、内筒30と外筒31との間の筒状の空間を後方に流れ、外筒31の後端部(排気口17)から後方に排出される。これにより、エンジン4で生成された排気が、プロペラ9から水中に排出される。
図4は、図5に示すIV−IV線に沿う遊星歯車機構7の断面図である。図5は、前後進切替機構6および遊星歯車機構7を示す断面図である。
図5に示すように、前後進切替機構6は、ドライブシャフト5と共にD軸線Adまわりに回転するピニオン34と、ピニオン34に噛み合う筒状の前ギヤ35および後ギヤ36と、前ギヤ35および後ギヤ36の一方に選択的に噛み合わされる筒状のドッグクラッチ37とを含む。さらに、前後進切替機構6は、ドッグクラッチ37の回転を遊星歯車機構7に伝達する伝達軸38を含む。船外機3は、エンジンカバー10内に配置されたシフトアクチュエータ39(図1参照)と、シフトアクチュエータ39の動力をドッグクラッチ37に伝達するシフトロッド40とを含む。前後進切替機構6は、シフトアクチュエータ39によって、前進状態、後進状態、および中立状態のうちのいずれかに選択的に切り替えられる。
図5に示すように、ピニオン34、前ギヤ35、および後ギヤ36は、ベベルギヤである。ピニオン34は、ドライブシャフト5の下端部に連結されている。ピニオン34は、歯部が下に向けられた下向きの姿勢で保持されている。前ギヤ35および後ギヤ36は、ロアケース13に連結されている。前ギヤ35は、歯部が後ろに向けられた後向きの姿勢で保持されており、後ギヤ36は、歯部が前に向けられた前向きの姿勢で保持されている。前ギヤ35は、D軸線Adよりも前方に配置されており、後ギヤ36は、D軸線Adよりも後方に配置されている。したがって、前ギヤ35および後ギヤ36は、間隔を空けて前後方向に対向している。ドッグクラッチ37は、前ギヤ35および後ギヤ36の間に配置されている。ドッグクラッチ37は、ピニオン34の下方に位置している。前ギヤ35、後ギヤ36、ドッグクラッチ37、および伝達軸38は、P軸線Ap上に配置されている。伝達軸38は、前ギヤ35、後ギヤ36、およびドッグクラッチ37内に挿入されている。
図5に示すように、前ギヤ35は、前ギヤ35をP軸線Apまわりに取り囲む軸受B1と、軸受B1よりも後方で前ギヤ35をP軸線Apまわりに取り囲む軸受B2とによって、P軸線Apまわりに回転可能に支持されている。前ギヤ35の前端部は、軸受B1内に挿入されている。船外機3は、軸受B1および軸受B2を支持する筒状の前アダプタ41を含む。前アダプタ41は、P軸線Apに沿って前後方向に延びている。軸受B1は、前アダプタ41内に挿入されている。軸受B2は、前アダプタ41の後端部と前ギヤ35の歯部との間に配置されている。前アダプタ41は、トーピード部15内に挿入されており、ロアケース13によって保持されている。したがって、前ギヤ35は、軸受B1、軸受B2、および前アダプタ41を介して、ロアケース13に保持されている。前ギヤ35は、ロアケース13に対してP軸線Apまわりに回転可能である。
図5に示すように、後ギヤ36は、前ギヤ35をP軸線Apまわりに取り囲む軸受B4によって、P軸線Apまわりに回転可能に支持されている。後ギヤ36の後端部は、軸受B4内に挿入されている。船外機3は、軸受B4を支持する筒状の前ハウジング42を含む。前ハウジング42は、P軸線Apに沿って前後方向に延びている。前ハウジング42は、トーピード部15内に配置されている。軸受B4は、前ハウジング42内に挿入されている。前ハウジング42は、トーピード部15内に挿入されており、ロアケース13によって保持されている。したがって、後ギヤ36は、軸受B4および前ハウジング42を介して、ロアケース13に保持されている。後ギヤ36は、ロアケース13に対してP軸線Apまわりに回転可能である。
前軸受としての軸受B4は、玉軸受やころ軸受などの転がり軸受である。軸受B4は、ラジアル軸受であってもよいし、アンギュラ軸受であってもよい。図5は、軸受B4がラジアル玉軸受である場合を示している。図5に示すように、軸受B4は、後ギヤ36の歯部よりも後方に配置されている。軸受B4の外径は、後ギヤ36の外径よりも大きい。軸受B4は、外輪および内輪と、外輪および内輪の間に配置された複数の転動体とを含む。軸受B4の外輪は、トーピード部15の内周部に設けられた環状の段差部43の後方に配置されている。段差部43は、後ギヤ36の周囲に配置されており、後方に向けられた環状の段差面を含む。軸受B4の外輪の前端部は、後ギヤ36の周囲に配置されたリングワッシャ44を介して、前方から段差部43に支持されている。したがって、軸受B4は、ロアケース13に対する前方への移動が規制されている。
図5に示すように、前ハウジング42は、軸受B4の外輪から後方に延びている。前ハウジング42は、軸受B4を支持している。したがって、前ハウジング42は、軸受B4を介して後ギヤ36を支持している。遊星歯車機構7は、軸受B4の後方に配置されている。前ハウジング42は、P軸線Apまわりに遊星歯車機構7を取り囲んでおり、遊星歯車機構7を収容している。遊星歯車機構7は、プロペラシャフト8の前端部を取り囲んでいる。したがって、プロペラシャフト8の前端部は、前ハウジング42内に配置されている。
図5に示すように、前ハウジング42は、P軸線Apに沿って前後方向に延びる筒状のギヤ支持部45と、ギヤ支持部45の後方に配置された環状の係止部46と、係止部46から後方に延びる筒状の介在部47とを含む。
図5に示すように、ギヤ支持部45は、軸受B4をP軸線Apまわりに取り囲んでいる。係止部46は、軸受B4の後方に配置されている。係止部46は、ギヤ支持部45の内周面よりも径方向内方に突出している。係止部46は、軸受B4の後端面に対向している。ギヤ支持部45および係止部46は、軸受B4の外輪を保持する段差を形成している。軸受B4の外輪は、ギヤ支持部45内に嵌合されていると共に、係止部46の前端面によって後方から支持されている。介在部47は、軸受B4よりも後方に配置されている。介在部47は、遊星歯車機構7をP軸線Apまわりに取り囲んでいる。係止部46は、前後方向に関してギヤ支持部45と介在部47との間に配置されている。
図5に示すように、ギヤ支持部45、係止部46、および介在部47の外径は等しい。その一方で、ギヤ支持部45の内径は、係止部46の内径よりも大きく、介在部47の内径は、ギヤ支持部45の内径よりも大きい。したがって、前ハウジング42の後端の内径は、ギヤ支持部45の内径よりも大きい。前ハウジング42は、直径が前端から後端まで一定の外周面と、直径が段階的に変化する階段状の内周面とを含む。介在部47は、ギヤ支持部45、係止部46、および介在部47のうちで最も径方向に薄く、係止部46は、ギヤ支持部45、係止部46、および介在部47のうちで最も径方向に厚い。さらに、介在部47は、ギヤ支持部45、係止部46、および介在部47のうちで最も前後方向に長く、係止部46は、ギヤ支持部45、係止部46、および介在部47のうちで最も前後方向に短い。
図5に示すように、前後進切替機構6の伝達軸38は、P軸線Apに沿って前後方向に延びる筒状の小径部48と、小径部48よりも後方でP軸線Apに沿って前後方向に延びる筒状の大径部49と、大径部49の後端部から径方向外方に延びる環状のフランジ部50とを含む。小径部48、大径部49、およびフランジ部50は、同軸である。大径部49の外径は、小径部48の外径よりも大きく、フランジ部50の外径は、大径部49の外径よりも大きい。フランジ部50は、全周に亘って連続した板状である。大径部49およびフランジ部50は、フランジ部50の後端面中央部から前方に凹む円柱状の凹部51を形成している。プロペラシャフト8の前端部は、凹部51に配置されている。プロペラシャフト8の前端部は、凹部51の底面とプロペラシャフト8の前端面との間に配置された軸受B6およびワッシャ52を介して、伝達軸38に前方から支持されている。伝達軸38とプロペラシャフト8とは、P軸線Apまわりに相対回転可能である。
図5に示すように、伝達軸38は、前ギヤ35、後ギヤ36、およびドッグクラッチ37内に挿入されている。後ギヤ36は、小径部48と大径部49との結合部分を取り囲んでいる。小径部48は、後ギヤ36から前方に突出している。前ギヤ35およびドッグクラッチ37は、小径部48を取り囲んでいる。前ギヤ35は、前ギヤ35内に配置された軸受B3を介して、伝達軸38を回転可能に支持している。同様に、後ギヤ36は、後ギヤ36内に配置された軸受B5を介して、伝達軸38を回転可能に支持している。伝達軸38は、前ギヤ35および後ギヤ36に対してP軸線Apまわりに回転可能である。その一方で、ドッグクラッチ37の内周部は、伝達軸38の外周部にスプライン結合されている。したがって、ドッグクラッチ37は、伝達軸38に対して前後方向に移動可能であり、伝達軸38と共にP軸線Apまわりに回転する。
図5に示すように、ドッグクラッチ37は、ドッグクラッチ37の前端部が前ギヤ35に噛み合う前進位置と、ドッグクラッチ37の後端部が後ギヤ36に噛み合う後進位置との間で、伝達軸38に対して軸方向(P軸線に沿う方向)に移動可能である。前進位置と後進位置との間の位置(図5に示す位置)は、ドッグクラッチ37が前ギヤ35および後ギヤ36の両方から離れている中立位置である。ドッグクラッチ37は、伝達軸38の前端部から前方に突出するスライド軸53と、伝達軸38の外周面から径方向に突出する連結ピン54とを介して、シフトロッド40に連結されている。シフトアクチュエータ39(図1参照)の動力は、シフトロッド40、スライド軸53、および連結ピン54を介して、ドッグクラッチ37に伝達される。シフトアクチュエータ39は、ドッグクラッチ37を前進位置、後進位置、および中立位置のいずれかのシフト位置に移動させる。
ドライブシャフト5は、エンジン4によって一定の回転方向に駆動される。ピニオン34は、ドライブシャフト5と共にD軸線Adまわりに回転する。前ギヤ35および後ギヤ36は、ピニオン34の回転に伴って互いに反対の方向に回転する。ドッグクラッチ37が前進位置に配置されており、前ギヤ35が回転している状態では、前ギヤ35の回転が、ドッグクラッチ37を介して伝達軸38に伝達される。そして、伝達軸38に伝達された回転は、遊星歯車機構7を介してプロペラシャフト8に伝達される。これにより、プロペラ9が正転方向に回転する。一方、ドッグクラッチ37が後進位置に配置されており、後ギヤ36が回転している状態では、後ギヤ36の回転が、ドッグクラッチ37を介して伝達軸38に伝達される。これにより、プロペラ9が逆転方向に回転する。また、ドッグクラッチ37が中立位置に配置されている状態では、ドライブシャフト5の回転が伝達軸38に伝達されず、ドライブシャフト5が空転する。
図5に示すように、遊星歯車機構7は、前後進切替機構6の伝達軸38とプロペラシャフト8とを連結している。遊星歯車機構7は、P軸線Ap上に配置されている。遊星歯車機構7は、後軸受としての軸受B10の前方に配置されている。遊星歯車機構7は、前後方向に関して、後ギヤ36と軸受B10との間に配置されている。軸受B10は、玉軸受やころ軸受などの転がり軸受である。軸受B10は、ラジアル軸受であってもよいし、スラスト軸受であってもよいし、アンギュラ軸受であってもよい。図5は、軸受B10がスラストころ軸受である場合を示している。
図4に示すように、遊星歯車機構7は、サンギヤ55と、リングギヤ56と、複数のプラネタリギヤ57と、キャリア58とを含む。サンギヤ55は、ロアケース13に対して周方向に固定されており、プラネタリギヤ57、リングギヤ56、およびキャリア58は、ロアケース13に対してP軸線Apまわりに回転可能である。
図4に示すように、サンギヤ55は、プロペラシャフト8をP軸線Apまわりに取り囲んでいる。複数のプラネタリギヤ57は、サンギヤ55の周囲に配置されている。プラネタリギヤ57は、サンギヤ55の外周部に設けられた歯部に噛み合っている。プラネタリギヤ57は、P軸線Apと平行な自身の中心軸線まわりに回転可能であると共に、サンギヤ55の外周に沿ってP軸線Apまわりに回転可能である。リングギヤ56は、複数のプラネタリギヤ57をP軸線Apまわりに取り囲んでいる。リングギヤ56の内周部に設けられた歯部は、各プラネタリギヤ57に噛み合っている。リングギヤ56は、P軸線Apまわりに回転可能である。複数のプラネタリギヤ57は、サンギヤ55とリングギヤ56との間でP軸線Apまわりの回転を伝達する。
図5に示すように、リングギヤ56は、前ハウジング42内に収容されている。リングギヤ56は、P軸線Apに沿って前後方向に延びている。リングギヤ56の前端部は、前ハウジング42の係止部46の後方に配置されており、リングギヤ56の後端部は、前ハウジング42の後端部よりも前方に配置されている。リングギヤ56は、遊星歯車機構7の外周部を構成している。リングギヤ56の外径は、遊星歯車機構7の最大径に相当する。リングギヤ56の外径、すなわち、遊星歯車機構7の最大径は、介在部47の内径よりも小さく、係止部46の内径よりも大きい。また、リングギヤ56の内径は、係止部46の内径よりも小さい。
図5に示すように、リングギヤ56は、伝達軸38のフランジ部50をP軸線Apまわりに取り囲んでいる。フランジ部50は、リングギヤ56の前端部内に配置されたクリップC1よって、リングギヤ56に対する前方への移動が規制されている。伝達軸38は、フランジ部50の外周部に設けられた複数の歯を含む。複数の歯は、周方向に間隔を空けて配置されており、径方向外方に突出している。フランジ部50の外周部に設けられた複数の歯は、リングギヤ56の内周部に設けられた複数の歯に噛み合っている。したがって、リングギヤ56および伝達軸38は、P軸線Apまわりに一体回転する。そのため、伝達軸38の回転は、リングギヤ56に伝達される。
図5に示すように、キャリア58は、リングギヤ56によってP軸線Apまわりに取り囲まれている。キャリア58は、前ハウジング42内に収容されている。キャリア58の一部は、前ハウジング42から後方に突出している。キャリア58は、複数のプラネタリギヤ57を保持する筒状の保持部59と、プロペラシャフト8に結合された筒状の結合部60とを含む。保持部59は、結合部60よりも後方に配置されている。保持部59および結合部60は、プロペラシャフト8をP軸線Apまわりに取り囲んでいる。
図5に示すように、キャリア58の保持部59は、前後方向に間隔を空けて平行に配置された2つの円板部61を含む。図4に示すように、保持部59は、周方向に離れた複数の位置で2つの円板部61を連結する複数の柱部62をさらに含む。2つの円板部61は、プロペラシャフト8をP軸線Apまわりに取り囲んでいる。前方の円板部61は、伝達軸38のフランジ部50の後方に配置されており、後方の円板部61は、リングギヤ56よりも後方に配置されている。図4に示すように、プラネタリギヤ57と柱部62とは、周方向に交互に配置されている。プラネタリギヤ57は、2つの円板部61によって両端部が支持された中心軸63を介して保持部59に保持されている。
図5に示すように、キャリア58の保持部59は、前方の円板部61と伝達軸38のフランジ部50との間に配置された軸受B8を介して伝達軸38に支持されている。キャリア58の結合部60は、前方の円板部61の内周部から前方に延びている。結合部60は、伝達軸38に設けられた凹部51内に配置されている。結合部60は、凹部51内に挿入された筒状のブッシュB7(滑り軸受)を介して凹部51の内周面に支持されている。前述のように、凹部51の底部は、軸受B6を保持している。したがって、キャリア58は、ブッシュB7および軸受B6を介して伝達軸38に支持されている。キャリア58は、伝達軸38に対してP軸線Apまわりに回転可能である。その一方で、結合部60の内周部は、プロペラシャフト8の外周部にスプライン結合されている。したがって、キャリア58およびプロペラシャフト8は、P軸線Apまわりに一体回転する。
図5に示すように、サンギヤ55は、P軸線Apに沿って前後方向に延びる筒状の歯部64と、歯部64の後端部から径方向外方に延びる環状の固定部65とを含む。複数のプラネタリギヤ57は、歯部64の周囲に配置されている。各プラネタリギヤ57は、歯部64の外周部に噛み合っている。歯部64の内周部は、軸受B9を介してプロペラシャフト8を支持している。プロペラシャフト8は、サンギヤ55に対してP軸線Apまわりに回転可能である。歯部64は、キャリア58の保持部59内に配置されている。歯部64の後端部は、キャリア58および前ハウジング42よりも後方に配置されている。したがって、固定部65は、キャリア58および前ハウジング42よりも後方に配置されている。
図5に示すように、船外機3は、サンギヤ55を周方向に固定する筒状の後ハウジング66を含む。後ハウジング66は、前ハウジング42よりも後方に配置されている。前ハウジング42の介在部47は、前後方向に関して、前ハウジング42のギヤ支持部45と後ハウジング66との間に位置している。後ハウジング66は、P軸線Apに沿って前後方向に延びており、プロペラシャフト8をP軸線Apまわりに取り囲んでいる。サンギヤ55の固定部65は、後ハウジング66の前端部内に挿入されている。後ハウジング66は、後ハウジング66の内周部に設けられた嵌合部67を含む。固定部65は、嵌合部67内に嵌合されている。固定部65は、後ハウジング66の前端部内に配置されたクリップC2よって、後ハウジング66に対する前方への移動が規制されている。
図5に示すように、サンギヤ55は、固定部65の外周部に設けられた複数の歯を含む。後ハウジング66は、嵌合部67の内周部に設けられた複数の溝を含む。複数の歯は、周方向に間隔を空けて配置されており、径方向外方に突出している。複数の溝は、周方向に間隔を空けて配置されており、径方向内方に凹んでいる。複数の歯は、それぞれ、複数の溝内に配置されており、これによって、固定部65および嵌合部67が互いに噛み合っている。サンギヤ55は、固定部65および嵌合部67の噛み合いによって、後ハウジング66に対して周方向に固定されている。
このように、後ハウジング66は、サンギヤ55が後ハウジング66に対して回転できない状態でサンギヤ55を支持している。言い換えると、サンギヤ55は、後ハウジング66に対して周方向に固定されている。後ハウジング66は、ロアケース13に対して周方向に固定されている。したがって、プラネタリギヤ57、リングギヤ56、およびキャリア58が、ロアケース13に対してP軸線Apまわりに回転可能であるのに対して、サンギヤ55は、ロアケース13に対してP軸線Apまわりに固定されている。
前述のように、ドライブシャフト5の回転は、伝達軸38を介してリングギヤ56に伝達される。サンギヤ55がロアケース13に対してP軸線Apまわりに固定されているので、図4を見ると分かるように、リングギヤ56が回転すると、各プラネタリギヤ57は、自身の中心軸線まわりに回転しながら、サンギヤ55の外周部に沿ってP軸線Apまわりに回転する。これにより、キャリア58が、P軸線Apまわりに回転する。図5に示すように、キャリア58は、プロペラシャフト8にスプライン結合されている。したがって、リングギヤ56が回転すると、プロペラシャフト8は、リングギヤ56の回転速度よりも低速で回転する。このようにして、ドライブシャフト5の回転が、前後進切替機構6および遊星歯車機構7を介してプロペラシャフト8に伝達される。
図6は、前ハウジング42、スペーサ77、および後ハウジング66を示す断面図である。図7は、ロアケース13に取り付けられた状態のリングナットN2を後方から見た図である。
図6に示すように、後ハウジング66は、ロアケース13のトーピード部15内に配置されている。後ハウジング66は、P軸線Apに沿って前後方向に延びている。後ハウジング66は、前端の開口面積が後端の開口面積よりも大きい漏斗状である。後ハウジング66の後端部は、二重管を構成している。具体的には、後ハウジング66は、P軸線Apに沿って前後方向に延びる内筒部68と、径方向に間隔を空けて内筒部68の後端部をP軸線Apまわりに取り囲む外筒部69と、周方向に離れた複数の位置で内筒部68と外筒部69とを連結する複数のリブ部70とを含む。
図6に示すように、内筒部68は、外筒部69よりも前後方向に長い。外筒部69は、内筒部68の後端部をP軸線Apまわりに取り囲んでいる。内筒部68の前端部は、外筒部69の前端部よりも前方に配置されており、内筒部68の後端部は、外筒部69の後端部よりも後方に配置されている。図7に示すように、各リブ部70は、内筒部68の外周面から外筒部69の内周面まで径方向に延びている。複数のリブ部70は、内筒部68と外筒部69との間で周方向に間隔を空けて配置されている。
図6に示すように、内筒部68は、排気通路16の一部である下方案内部18の下方に配置されている。内筒部68、外筒部69、およびリブ部70は、排気通路16の一部である後方案内部19を形成している。下方案内部18によって内筒部68の周囲に導かれた排気は、内筒部68の外周面に沿って後方に流れ、内筒部68の外周面と外筒部69の内周面との間を通過する。そして、内筒部68と外筒部69との間を通過した排気は、プロペラ9の内部を通ってプロペラ9から後方に排出される。
図6に示すように、後ハウジング66の内筒部68は、前端の開口面積が後端の開口面積よりも大きい漏斗状である。内筒部68の前端の外径および内径は、内筒部68の後端の外径および内径よりも大きい。内筒部68の前端の内径、すなわち、後ハウジング66の前端の内径は、前ハウジング42のギヤ支持部45の内径よりも小さい。内筒部68の前端部は、下方案内部18の下端部よりも前方に配置されており、内筒部68の後端部は、下方案内部18の下端部よりも後方に配置されている。内筒部68の前端部とトーピード部15の内周面との間の隙間は、OリングR1によって密閉されている。外筒部69の前端は、下方案内部18の下端部の下方に配置されており、外筒部69の後端は、下方案内部18の下端部よりも後方に配置されている。同様に、リブ部70の前端は、下方案内部18の下端部の下方に配置されており、リブ部70の後端は、下方案内部18の下端部よりも後方に配置されている。
図6に示すように、プロペラシャフト8は、後ハウジング66の内筒部68を前後方向に貫通している。プロペラシャフト8は、P軸線Apに沿って前後方向に延びるシャフト部71と、シャフト部71から径方向外方に延びる環状のフランジ部72とを含む。シャフト部71は、伝達軸38に設けられた凹部51からロアケース13の後方まで前後方向に延びている。潤滑用のオイルは、シャフト部71の前端面からシャフト部71の内部を後方に延びる集合流路73と、集合流路73からシャフト部71の外周面まで延びる複数の分岐流路74とを通って、前後進切替機構6とシャフト部71の周囲との間を流れる。フランジ部72は、内筒部68の前端部内に配置されている。フランジ部72は、サンギヤ55の歯部64の後方に配置されており、サンギヤ55の固定部65によって取り囲まれている。
図6に示すように、船外機3は、後ハウジング66の内筒部68の前端部内に配置された軸受B10と、内筒部68の後端部内に配置された軸受B11と、軸受B11の後方でプロペラシャフト8と内筒部68との間を密閉するシールリング75とを含む。軸受B10、軸受B11、およびシールリング75は、シャフト部71をP軸線Apまわりに取り囲んでいる。軸受B10および軸受B11は、前後方向に間隔を空けて配置されている。軸受B10は、プロペラシャフト8のフランジ部72の後方に配置されている。内筒部68は、軸受B10の後方に配置された環状の階段部76を含む。軸受B10は、フランジ部72と階段部76との間に配置されている。後ハウジング66は、軸受B10を介してフランジ部72を後方から支持している。さらに、後ハウジング66は、軸受B11を介してシャフト部71を径方向に支持している。
図6に示すように、船外機3は、トーピード部15の後端部に取り付けられたリングナットN2と、前ハウジング42の後端と後ハウジング66の前端との間に介在する環状のスペーサ77とを含む。
図6に示すように、リングナットN2は、トーピード部15内に配置されている。リングナットN2は、後ハウジング66の内筒部68の後端部をP軸線Apまわりに取り囲んでいる。図7に示すように、リングナットN2は、トーピード部15の内周部に設けられた雌ネジ部に取り付けられる雄ネジ部が設けられた外周部と、径方向内方の突出する複数の凸部が設けられた凹凸状の内周部とを含む。リングナットN2をロアケース13に対して回転させる工具は、リングナットN2の内周部に取り付けられる。図6に示すように、リングナットN2は、後ハウジング66の外筒部69の後方に配置されている。後ハウジング66の後端部は、リングナットN2によって前方に押されている。
図6に示すように、スペーサ77は、前ハウジング42の介在部47の後端と、後ハウジング66の内筒部68の前端との間に配置されている。前ハウジング42の後端は、スペーサ77を介して後ハウジング66の前端に後方から支持されている。後ハウジング66は、リングナットN2によって前方に押されている。スペーサ77は、後ハウジング66の前端によって前方に押されており、前ハウジング42の後端は、スペーサ77によって前方に押されている。前ハウジング42は、後ギヤ36を支持する軸受B4によって前方から支持されており、軸受B4は、トーピード部15の内周部に設けられた段差部43によって前方から支持されている。したがって、軸受B4、前ハウジング42、スペーサ77、および後ハウジング66は、リングナットN2とロアケース13とによって前後方向に挟まれており、前後方向に固定されている。
図6に示すように、スペーサ77は、遊星歯車機構7の周囲に配置されている。遊星歯車機構7の一部(リングギヤ56)は、前後方向に関して、軸受B4とスペーサ77との間に配置されている。スペーサ77の外径は、前ハウジング42の後端の外径と等しく、後ハウジング66の前端の外径とも等しい。一方、スペーサ77の内径は、前ハウジング42の後端(介在部47の後端)の内径よりも小さい。スペーサ77は、後ハウジング66の前端部内に嵌合されている。スペーサ77は、前ハウジング42と後ハウジング66とによって前後方向に挟まれている。後ハウジング66とスペーサ77との接触面積は、前ハウジング42とスペーサ77との接触面積よりも広い。したがって、後ハウジング66とスペーサ77との接触部で生じる応力は、前ハウジング42とスペーサ77との接触部で生じる応力よりも小さい。
スペーサ77および前ハウジング42は、ステンレス鋼や炭素鋼などの鉄を主成分とする鉄系の材料で形成されており、後ハウジング66は、アルミニウム合金などのアルミニウムを主成分とするアルミニウム系の材料で形成されている。したがって、後ハウジング66の強度は、スペーサ77および前ハウジング42の強度よりも低い。前述のように、後ハウジング66とスペーサ77との接触面積は、前ハウジング42とスペーサ77との接触面積よりも広いので、後ハウジング66とスペーサ77との接触部で生じる応力は、前ハウジング42とスペーサ77との接触部で生じる応力よりも小さい。そのため、後ハウジング66で生じる応力が分散されており、相対的に強度の低い後ハウジング66の変形が防止されている。
図6に示すように、スペーサ77は、前ハウジング42に噛み合っている。具体的には、前ハウジング42の介在部47は、介在部47の後端部に設けられた複数の爪を含む。スペーサ77は、スペーサ77の前端部に設けられた複数の溝を含む。複数の爪は、周方向に間隔を空けて配置されており、後方に突出している。複数の溝は、周方向に間隔を空けて配置されており、後方に凹んでいる。複数の爪は、それぞれ、複数の溝内に配置されており、これによって、介在部47およびスペーサ77が互いに噛み合っている。そのため、周方向への介在部47およびスペーサ77の相対回転が規制されている。
トーピード部15の前端部内は、前後進切替機構6等を潤滑するオイルによって満たされている。したがって、前後進切替機構6は、オイルで満たされた空間に配置されている。図6に示すように、前後進切替機構6を収容する空間は、ピニオン34の後方からトーピード部15の内周部に沿って後方に延びるオイル溝78と、介在部47の上端部を径方向に貫通するオイル孔79とによって、前ハウジング42の内部空間に接続されている。オイル孔79は、オイル溝78の下方に配置されており、オイル溝78に対向している。前述のように、前ハウジング42は、介在部47およびスペーサ77の噛み合いによって、ロアケース13に対する周方向への回転が規制されている。したがって、オイル溝78とオイル孔79との位置関係が変化して、オイルの流れが変化することを防止できる。
図8は、ロアケース13および後ハウジング66に取り付けられた状態の固定部材80、外周締結部材X1、および内周締結部材X2、X3を示す断面図である。図9は、ロアケース13および後ハウジング66に取り付けられた状態の固定部材80、外周締結部材X1、および内周締結部材X2、X3を後方から見た図である。
図8に示すように、船外機3は、プロペラシャフト8をP軸線Apまわりに取り囲む環状の固定部材80と、固定部材80の外周部をロアケース13に固定する複数の外周締結部材X1と、固定部材80の内周部を後ハウジング66に固定する複数の内周締結部材X2、X3とを含む。外周締結部材X1は、六角柱状の頭部と、頭部と一体の軸部とを含む六角ボルトであってもよい。また、外周締結部材は、両端部に雄ねじが設けられたスタッドボルトと、スタッドボルトに取り付けられる1つ以上の調整ナットとを含んでいてもよい。内周締結部材X2、X3についても同様である。図8および図9では、外周締結部材が、六角ボルトX1であり、内周締結部材が、スタッドボルトX2と、2つの調整ナットX3とを含む場合を示している。
図8に示すように、固定部材80は、トーピード部15の後端部に取り付けられている。固定部材80は、後ハウジング66の内筒部68をP軸線Apまわりに取り囲んでいる。固定部材80の内周面は、排気を後方に案内する後方案内部19の一部を形成している。固定部材80は、ロアケース13とプロペラ9との間に配置されている。固定部材80は、後ハウジング66の外筒部69およびリブ部70よりも後方に配置されている。リングナットN2は、外筒部69と固定部材80との間に配置されている。固定部材80は、ロアケース13および後ハウジング66のそれぞれに後方からボルト留めされている。したがって、固定部材80は、ロアケース13および後ハウジング66のそれぞれに対して周方向に固定されている。
図9に示すように、固定部材80は、内筒部68の後端部をP軸線Apまわりに取り囲む環状部81と、環状部81から径方向外方に突出する1つ以上のケース固定部82と、環状部81から径方向内方に突出する1つ以上のハウジング固定部83とを含む。図8に示すように、固定部材80は、環状部81と同軸であり、環状部81から後方に延びる筒状部84をさらに含む。
図8に示すように、環状部81は、リングナットN2の後方に配置されている。筒状部84は、環状部81の後端面から後方に延びている。筒状部84の内径は、環状部81の内径よりも大きい。プロペラ9の外筒31の前端部は、筒状部84内にすきま嵌めされている。外筒31の前端部は、環状部81の後方に配置されている。環状部81は、前後方向に関して、リングナットN2と外筒31との間に配置されている。図9に示すように、環状部81は、トーピード部15の後端部内に配置されている。したがって、環状部81の外径は、トーピード部15の後端部の内径よりも小さい。
図9に示すように、2つのケース固定部82は、環状部81の外周部から径方向外方に延びている。2つのケース固定部82は、周方向に等間隔で配置されている。2つのケース固定部82は、トーピード部15の後端部に設けられた複数の切欠き85内にそれぞれ配置されている。ケース固定部82の外端部は、トーピード部15の後端部よりも外方に配置されている。一方、4つのハウジング固定部83は、環状部81の内周部から径方向内方に延びている。4つのハウジング固定部83は、周方向に等間隔で配置されている。ハウジング固定部83の内端部は、内筒部68の後端部よりも外方に配置されている。
図8に示すように、複数の六角ボルトX1は、それぞれ、2つのケース固定部82に取り付けられている。六角ボルトX1の軸部は、ケース固定部82を軸方向に貫通する貫通孔に挿入されている。軸部の前端部は、ロアケース13の後端面から前方に延びる雌ねじ孔に取り付けられている。六角ボルトX1の頭部は、ケース固定部82の後方に配置されている。ケース固定部82は、六角ボルトX1の頭部とロアケース13とによって軸方向に締めつけられている。これにより、2つのケース固定部82が、ロアケース13にボルト留めされている。そのため、2つのケース固定部82は、ロアケース13に対して周方向および軸方向に固定されている。
図9に示すように、4本のスタッドボルトX2は、それぞれ、4つのハウジング固定部83に取り付けられている。図8に示すように、スタッドボルトX2は、ハウジング固定部83を軸方向に貫通する貫通孔に挿入されている。スタッドボルトX2の前端部は、後ハウジング66のリブ部70の後端面から前方に延びる雌ねじ孔に取り付けられている。共通のスタッドボルトX2に取り付けられた2つの調整ナットX3は、共通のリブ部70の後方に配置されている。2つの調整ナットX3は、それぞれ、ハウジング固定部83の前方および後方に配置されている。2つの調整ナットX3は、スタッドボルトX2の後端部に取り付けられており、ハウジング固定部83は、2つの調整ナットX3によって軸方向に締めつけられている。これにより、4つのハウジング固定部83が、後ハウジング66にボルト留めされている。そのため、4つのハウジング固定部83は、後ハウジング66に対して周方向および軸方向に固定されている。
一対の調整ナットX3は、対応するスタッドボルトX2に対して軸方向に移動可能である。スタッドボルトX2に対するハウジング固定部83の位置は、スタッドボルトX2に対する調整ナットX3の位置によって調整される。ハウジング固定部83は、後ハウジング66にボルト止めされている。図6に示すように、後ハウジング66は、複数の部材(リングワッシャ44、軸受B4、前ハウジング42、およびスペーサ77)を介してロアケース13の段差部43に支持されており、段差部43によって軸方向に位置決めされている。複数の部材が、後ハウジング66と段差部43との間に介在しているので、ロアケース13に対する後ハウジング66の位置は、これらの部材の寸法誤差の累積値に従って変化する。したがって、スタッドボルトX2に対するハウジング固定部83の位置を2つの調整ナットX3によって調整することにより、複数の部材の寸法誤差を吸収できる。これにより、ハウジング固定部83を確実に軸方向に締めつけることができ、ハウジング固定部83のガタつきを防止できる。
このように、後ハウジング66は、固定部材80によってロアケース13に固定されており、ロアケース13に対して周方向に固定されている。遊星歯車機構7のサンギヤ55は、サンギヤ55が後ハウジング66に対して周方向に回転できないように、後ハウジング66に支持されている。ドライブシャフト5の回転は、第1減速機構としての前後進切替機構6によって減速され、前後進切替機構6の回転は、第2減速機構としての遊星歯車機構7によってさらに減速される。したがって、ドライブシャフト5の回転が前後進切替機構6および遊星歯車機構7を介してプロペラシャフト8に伝達されるときには、大きなトルクが、サンギヤ55に加わる。そのため、後ハウジング66をロアケース13に対して強固に固定することにより、サンギヤ55の回転を確実に防止できる。これにより、ドライブシャフト5の回転を確実にプロペラシャフト8に伝達できる。
以上のように本実施形態では、エンジン4の回転が、ドライブシャフト5、前後進切替機構6、遊星歯車機構7、およびプロペラシャフト8を介して、プロペラシャフト8に取り付けられたプロペラ9に伝達される。ベベルギヤによって構成された後ギヤ36は、軸受B4によって、P軸線Apまわりに回転可能に支持されている。前ハウジング42は、軸受B4を介して、後ギヤ36をP軸線Apまわりに回転可能に支持している。その一方で、後ハウジング66は、後ギヤ36よりも後方でプロペラシャフト8をP軸線Apまわりに回転可能に支持している。このように、後ギヤ36を支持するハウジング(前ハウジング42)と、プロペラシャフト8を支持するハウジング(後ハウジング66)とが、別々に設けられているので、遊星歯車機構7などの伝達機構を収容する部分の内径が、軸受B4によって制約されない。したがって、水中に配置されるロアケース13の大きさを変えずに、伝達機構などの部品を収容する収容空間を広げることができる。
また本実施形態では、遊星歯車機構7の固定要素であるサンギヤ55が、前ハウジング42に支持されており、前ハウジング42に対するサンギヤ55の回転が防止されている。したがって、エンジン4の回転がプロペラ9に伝達されるときには、大きなトルクが、サンギヤ55から前ハウジング42に加わる。固定部材80は、前ハウジング42にボルト留めされていると共に、ロアケース13にボルト留めされている。したがって、固定部材80は、前ハウジング42に対してP軸線Apまわりに強固に固定されていると共に、ロアケース13に対してP軸線Apまわりに強固に固定されている。これにより、前ハウジング42がロアケース13に対してP軸線Apまわりに強固に固定されており、前ハウジング42のガタが発生し難い。したがって、遊星歯車機構7の固定要素であるサンギヤ55を確実に固定できる。
本発明の実施形態の説明は以上であるが、本発明は、前述の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、前述の実施形態では、前後進切替機構からプロペラシャフトに回転を伝達する伝達機構の一例である遊星歯車機構が、前ハウジング内に収容されている場合について説明した。しかし、伝達機構は、遊星歯車機構に限らず、クラッチであってもよいし、ダンパであってもよい。
また、前述の実施形態では、前ハウジングの後端が、スペーサを介して後ハウジングの前端に支持されている場合について説明した。しかし、前ハウジングの後端は、後ハウジングの前端に直接支持されていてもよい。すなわち、スペーサが設けられていなくてもよい。
また、前述の実施形態では、前ハウジングが、ギヤ支持部と、係止部と、介在部とを備えている場合について説明した。しかし、前ハウジングの構造は、これに限られない。同様に、後ハウジングの構造は、前述の実施形態の構造に限られない。例えば、介在部は、前ハウジングの一部ではなく、後ハウジングの一部であってもよい。すなわち、介在部は、前ハウジングと一体ではなく、後ハウジングと一体であってもよい。また、介在部が設けられておらず、前ハウジングの後端と、後ハウジングの前端とが、間隔を空けて前後方向に対向していてもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 :船舶推進装置
4 :エンジン
5 :ドライブシャフト
7 :遊星歯車機構
8 :プロペラシャフト
34 :ピニオン
36 :後ギヤ
42 :前ハウジング
45 :ギヤ支持部
46 :係止部
47 :介在部
66 :後ハウジング
77 :スペーサ
Ad :D軸線
Ap :P軸線
B4 :軸受
B10 :軸受

Claims (11)

  1. 原動機と、
    上下方向に延びるD軸線まわりに回転可能であり、前記原動機からの回転が伝達されるドライブシャフトと、
    前記ドライブシャフトと共に前記D軸線まわりに回転するピニオンと、
    前記D軸線よりも後方に配置されており、前記ピニオンに噛み合っており、前後方向に延びるP軸線まわりに回転可能なベベルギヤと、
    少なくとも一部が前記ベベルギヤよりも後方に配置されており、前記P軸線まわりに回転可能であり、前記ベベルギヤからの回転が伝達されるプロペラシャフトと、
    前記ベベルギヤを前記P軸線まわりに取り囲んでおり、前記ベベルギヤを前記P軸線まわりに回転可能に支持する前軸受と、
    前記前軸受を前記P軸線まわりに取り囲んでおり、前記前軸受を介して前記ベベルギヤを前記P軸線まわりに回転可能に支持する筒状の前ハウジングと、
    前記前ハウジングの後方に配置されており、前記プロペラシャフトを前記P軸線まわりに取り囲んでおり、前記プロペラシャフトを前記ベベルギヤよりも後方で前記P軸線まわりに回転可能に支持する筒状の後ハウジングとを含む、船舶推進装置。
  2. 前記前ハウジングは、前記前軸受を前記P軸線まわりに取り囲む筒状のギヤ支持部を含む、請求項1に記載の船舶推進装置。
  3. 前記前ハウジングの後端の内径は、前記ギヤ支持部の内径よりも大きい、請求項2に記載の船舶推進装置。
  4. 前記前ハウジングは、前後方向に関して前記ギヤ支持部と前記後ハウジングとの間に位置する筒状の介在部をさらに含む、請求項2また3に記載の船舶推進装置。
  5. 前記介在部の内径は、前記ギヤ支持部の内径よりも大きい、請求項4に記載の船舶推進装置。
  6. 前記前ハウジングは、前記ギヤ支持部と前記介在部との間で前記ギヤ支持部よりも径方向内方に突出しており、前記前軸受の後端面に対向する係止部をさらに含む、請求項4または5に記載の船舶推進装置。
  7. 前記後ハウジングの前端の内径は、前記ギヤ支持部の内径よりも小さい、請求項2〜6のいずれか一項に記載の船舶推進装置。
  8. 前記前軸受よりも後方に配置されており、前記プロペラシャフトを前記P軸線まわりに回転可能に支持する後軸受と、
    前後方向に関して前記ベベルギヤと前記後軸受との間に配置されており、前記ベベルギヤから前記プロペラシャフトに伝達される回転を減速する遊星歯車機構とをさらに含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の船舶推進装置。
  9. 前記遊星歯車機構の最大径は、前記ギヤ支持部の内径よりも大きい、請求項8に記載の船舶推進装置。
  10. 前記前ハウジングの後端は、前記後ハウジングの前端に後方から支持されている、請求項1〜9のいずれか一項に記載の船舶推進装置。
  11. 前記前ハウジングの後端よりも小さい内径を有しており、前記前ハウジングの後端と前記後ハウジングの前端との間に介在する筒状のスペーサをさらに含み、
    前記前ハウジングの後端は、前記スペーサを介して前記後ハウジングの前端に後方から支持されている、請求項10に記載の船舶推進装置。
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