JP2014024423A - 車両の電動パワーステアリング装置 - Google Patents

車両の電動パワーステアリング装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 トルクセンサの異常が検出されている場合であっても、良好な操舵アシストを行う。
【解決手段】 第1計算部81は、タイヤと路面との擦れにより発生する反力に見合うアシストトルクであって、車速Vを操舵速度ωで除算した値(V/ω)の大きさが大きくなるほど小さくなる第1目標アシストトルクTa11を計算する。第2計算部82は、車両の横加速度により発生する反力に見合うアシストトルクであって、横加速度LAに比例した第2目標アシストトルクTa12を計算する。第3計算部83は、ステアリング機構10に存在する摩擦要素により発生する反力に見合うアシストトルクであって、操舵速度の方向に働く一定の大きさの第3目標アシストトルクTa13を計算する。合算部85は、これらを加算した値を目標アシストトルクTa1(=Ta11+Ta12+Ta13)に設定する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、運転者の操舵操作に基づいてモータを駆動して操舵アシストトルクを発生する車両の電動パワーステアリング装置に関する。
従来から、電動パワーステアリング装置は、ドライバーが操舵ハンドルに入力した操舵トルクをトルクセンサにより検出し、検出した操舵トルクに基づいて目標アシストトルクを計算する。そして、目標アシストトルクが得られるようにモータに流す電流を制御することにより、ドライバーの操舵操作をアシストする。こうしたモータの通電制御をアシスト制御と呼ぶ。
トルクセンサが故障した場合には、目標アシストトルクの計算ができなくなり、アシスト制御を行うことができない。これに対してトルクセンサの故障時においても操舵アシストを行う電動パワーステアリング装置が特許文献1において提案されている。特許文献1に提案された電動パワーステアリング装置は、トルクセンサの故障が検出された場合、横加速度を計測し、この横加速度に基づいてモータの通電を制御する。この電動パワーステアリング装置においては、横加速度とモータ駆動電流との関係を設定したマップを備え、このマップを参照して横加速度に応じて設定される駆動電流をモータに通電する。この場合、駆動電流は、横加速度に比例して増加するように設定される。
特開2006−248250号公報
しかしながら、特許文献1に提案された電動パワーステアリング装置では、低車速時において測定される横加速度が小さくなるため、適切なアシスト力を設定することが難しい。つまり、低車速時においては、横加速度に比例して設定したアシスト力では不十分となってしまう。このため、据え切り操作が困難となる。
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、トルクセンサの異常が検出されている場合であっても、良好な操舵アシストを行うことを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、操舵ハンドル(11)からステアリングシャフト(12)に入力された操舵トルクを検出するトルクセンサ(21)と、ステアリング機構(10)に設けられて操舵アシストトルクを発生するモータ(20)と、前記トルクセンサの異常を検出する異常検出手段(72)と、前記トルクセンサの異常が検出されていない場合に、前記トルクセンサにより検出された操舵トルクに基づいて目標操舵アシスト制御量を設定する正常時制御量設定手段(71)と、前記トルクセンサの異常が検出されている場合に、前記操舵トルクとは異なる情報に基づいて目標操舵アシスト制御量を設定する異常時制御量設定手段(80)と、前記正常時制御量設定手段あるいは前記異常時制御量設定手段により設定された前記目標操舵アシスト制御量に基づいて前記モータを駆動制御するモータ制御手段(40,60)とを備えた車両の電動パワーステアリング装置において、
前記異常時制御量設定手段(80)は、車速(V)を取得する車速取得手段(22)と、操舵速度(ω)を取得する操舵速度取得手段(23,84)と、タイヤと路面との擦れにより発生する操舵反力に見合うアシスト制御量であって、前記車速を前記操舵速度で除算した値(V/ω)が小さいほど大きくなる第1アシスト制御量(Tr11)を計算する第1アシスト制御量計算部(81)とを備え、前記第1アシスト制御量を含んだ目標操舵アシスト制御量を設定することにある
本発明においては、トルクセンサの異常が検出されている場合には、異常時制御量設定手段が操舵トルクとは異なる情報に基づいて目標操舵アシスト制御量を設定し、モータ制御手段が、この目標操舵アシスト制御量に基づいてモータを駆動制御する。異常時制御量設定手段は、車速取得手段と操舵速度取得手段と第1アシスト制御量計算部とを備える。
車速取得手段は、車速を取得する。操舵速度取得手段は、操舵速度を取得する。例えば、操舵角速度センサの検出値を取得しても良いし、操舵角センサの検出値(操舵角)の単位時間当たりの変化量から操舵速度を計算により取得しても良い。また、操舵角あるいは操舵角速度に対応する物理量を検出するセンサの検出値を取得するようにしてもよい。例えば、モータの回転角を検出する回転角センサを備えている場合には、回転角センサにより検出される回転角の単位時間当たりの変化量から操舵速度を計算することにより取得しても良い。
第1アシスト制御量計算部は、タイヤと路面との擦れにより発生する操舵反力に見合うアシスト制御量であって、車速を操舵速度で除算した値が小さいほど大きくなる第1アシスト制御量を計算する。操舵操作によりタイヤが接地面に対して転舵されると、そのときにタイヤと路面との擦れにより、操舵操作に抗する反力(転舵軸に作用する反力)が発生する。このタイヤと路面との擦れにより発生する操舵反力は、車速を操舵速度で除算した値と相関関係を有し、車速を操舵速度で除算した値が小さいほど大きくなる。そこで、第1アシスト制御量計算部は、車速を操舵速度で除算した値が小さいほど大きくなる第1アシスト制御量を計算する。例えば、第1アシスト制御量計算部は、車速を操舵速度で除算した値を計算し、この値に対応する第1アシスト制御量を取得する。また、直接的に車速を操舵速度で除算した値を計算しなくてもよく、車速を操舵速度で除算した値が小さいほど大きくなる第1アシスト制御量を計算できるものであればよい。
異常時制御量設定手段は、この第1アシスト制御量を含んだ目標操舵アシスト制御量を設定する。従って、低車速時においても適切な目標操舵アシスト制御量を設定することができ、ドライバーの操舵負担を軽減することができる。このため、据え切り操作が可能となる。
本発明の他の特徴は、前記異常時制御量設定手段(80)は、車両の横加速度(LA)を取得する横加速度取得手段(24)と、前記横加速度に基づいて、前記横加速度により発生する操舵反力に見合う第2アシスト制御量(Tr12)を計算する第2アシスト制御量計算部(82)と、前記操舵速度(ω)に基づいて、前記ステアリング機構に存在する摩擦要素により発生する操舵反力に見合う第3アシスト制御量(Tr13)を計算する第3アシスト制御量計算部(83)とを備え、前記第1アシスト制御量と前記第2アシスト制御量と前記第3アシスト制御量とを含んだ目標操舵アシスト制御量を設定することにある。
本発明においては、異常時制御量設定手段は、第1アシスト制御量に加えて、第2アシスト制御量と第3アシスト制御量とを含んだ目標操舵アシスト制御量を設定する。そのために、異常時制御量設定手段は、横加速度取得手段と第2アシスト制御量計算部と第3アシスト制御量計算部とを備えている。横加速度取得手段は、車両の横加速度を取得する。例えば、横加速度センサにより検出される検出値を取得しても良いし、操舵角と車速等から横加速度を計算により取得するようにしてもよい。車両が横加速度運動をすると、操舵操作に抗する反力(転舵軸に発生する反力)が発生する。この操舵反力は、横加速度が大きくなるほど大きくなるように発生する。そこで、第2アシスト制御量計算部は、横加速度に基づいて、横加速度により発生する操舵反力に見合う第2アシスト制御量を計算する。
また、操舵操作が行われると、ステアリング機構に存在する摩擦要素により、操舵操作に抗する反力(転舵軸に発生する反力)が発生する。この操舵反力は、ほぼ一定の大きさで発生する。そこで、第3アシスト制御量計算部は、ステアリング機構に存在する摩擦要素により発生する操舵反力に見合う第3アシスト制御量を計算する。
異常時制御量設定手段は、操舵反力の発生要因ごとに計算した3つのアシスト制御量(第1アシスト制御量、第2アシスト制御量、第3アシスト制御量)を含んだ目標操舵アシスト制御量を設定する。従って、本発明によれば、トルクセンサが故障した場合であっても、一層適切な目標操舵アシスト制御量を設定することができ、ドライバーの操舵負担を軽減することができる。このため、据え切り操作が可能となる。尚、本明細書において、制御量や物理量の大きさを論じる場合は、左右の操舵方向を特定しない絶対値について述べている。
上記説明においては、発明の理解を助けるために、実施形態に対応する発明の構成に対して、実施形態で用いた符号を括弧書きで添えているが、発明の各構成要件は、前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る車両の電動パワーステアリング装置の概略構成図である。 アシストECUの機能ブロック図である。 正常時アシストマップを表すグラフである。 異常時制御量計算部の機能ブロック図である。 第1マップを表すグラフである。 第2マップを表すグラフである。 第3マップを表すグラフである。 車速と操舵速度との関係を表す説明図である。 車速と操舵速度との関係を表す説明図である。
以下、本発明の実施形態に係る車両の電動パワーステアリング装置について図面を用いて説明する。図1は、同実施形態に係る車両の電動パワーステアリング装置1の概略構成を表している。
この電動パワーステアリング装置1は、操舵ハンドル11の操舵操作により転舵輪を転舵するステアリング機構10と、ステアリング機構10に組み付けられ操舵アシストトルクを発生するモータ20と、操舵ハンドル11の操作状態に応じてモータ20の作動を制御する電子制御ユニット100とを主要部として備えている。以下、電子制御ユニット100をアシストECU100と呼ぶ。
ステアリング機構10は、操舵ハンドル11の回動操作に連動したステアリングシャフト12の軸線周りの回転をラックアンドピニオン機構13によりラックバー14の左右方向のストローク運動に変換して、このラックバー14のストローク運動により左前輪Wflと右前輪Wfrとを転舵するようになっている。ステアリングシャフト12は、操舵ハンドル11を上端に連結したメインシャフト12aと、ラックアンドピニオン機構13と連結されるピニオンシャフト12cと、メインシャフト12aとピニオンシャフト12cとをユニバーサルジョイント12d,12eを介して連結するインターミディエイトシャフト12bとから構成される。
ラックバー14は、ギヤ部14aがラックハウジング15内に収納され、その左右両端がラックハウジング15から露出してタイロッド16と連結される。左右のタイロッド16の他端は、左右前輪Wfl,Wfrに設けられたナックル(図示略)に接続される。以下、左前輪Wflと右前輪Wfrとを単に転舵輪Wと呼ぶ。
ステアリングシャフト12(メインシャフト12a)には減速機25を介してモータ20が組み付けられている。モータ20は、例えば、三相ブラシレスモータが使用される。モータ20は、ロータの回転により減速機25を介してステアリングシャフト12をその中心軸周りに回転駆動して、操舵ハンドル11の回動操作に対してアシストトルクを付与する。
モータ20には、モータ回転角センサ23が設けられる。このモータ回転角センサ23は、ステータに対するロータの相対角度であるモータ回転角θmを表す検出信号を出力する。モータ回転角センサ23は、例えば、レゾルバにより構成される。モータ回転角θmは、モータ20の位相を制御するために必要な電気角の検出に利用される。
ステアリングシャフト12(メインシャフト12a)には、操舵ハンドル11と減速機25との間にトルクセンサ21が設けられている。トルクセンサ21は、ステアリングシャフト12(メインシャフト12a)に介装されているトーションバー12tに働いた捩り力を、操舵ハンドル11に付与された操舵トルクTrとして検出する。従って、トルクセンサ21は、トーションバー12tの捩れ度合に応じた操舵トルクTrを検出するものであって、例えば、トーションバー12tの捩れ角度に比例した磁束をホールICに伝えることにより操舵トルクTrを検出するホールIC式トルクセンサや、トーションバー12tの両端にレゾルバを設け、この2つのレゾルバにより検出される回転角度の差に基づいて操舵トルクTrを検出するツインレゾルバ式トルクセンサなど種々のものを使用することができる。
尚、操舵トルクTrは、トルクの働く方向を符号により特定し、ステアリングシャフト12に右回転方向に働くトルク(トーションバー12tの上部が下部に対して相対的に右回転位置となる捩り状態でのトルク)を正の値で、左回転方向に働くトルク(トーションバー12tの上部が下部に対して相対的に左回転位置となる捩り状態でのトルク)を負の値で表すことにする。また、操舵トルクTrの大きさについて論じる場合には、その絶対値を用いる。
トーションバー12tの出力側は、減速機25を介してモータ20と連結されているため、トーションバー12tの出力側の回転角速度は、モータ20の回転角速度と対応している。この場合、モータ回転角θmの単位時間当たりの変化量を算出し、算出したモータ回転角速度を減速ギヤ比を使ってトーションバー12tの回転角速度、つまり、操舵速度に換算することができる。従って、モータ回転角センサ23は、モータ20の電気角の検出だけでなく、操舵速度の検出に利用される。尚、本実施形態においては、モータ回転角センサ23を利用して操舵速度を検出するが、例えば、操舵ハンドル11の操舵角を検出する操舵角センサを備えている車両であれば、操舵角センサの検出値(操舵角)の単位時間当たりの変化量を算出して操舵速度を検出するようにしてもよい。
次に、アシストECU100について説明する。アシストECU100は、上述したトルクセンサ21,モータ回転角センサ23に加えて、車速センサ22と横加速度センサ24とを接続している。車速センサ22は、車速Vを表す検出信号をアシストECU100に出力する。横加速度センサ24は、車両の横加速度LAを表す検出信号をアシストECU100に出力する。横加速度LAは、右方向の横加速度を正の値で、左方向の横加速度を負の値で表すことにする。
アシストECU100は、図2に示すように、モータ20の目標制御量を演算し、演算された目標制御量に応じたスイッチ駆動信号を出力する電子制御回路50と、電子制御回路50から出力されたスイッチ駆動信号にしたがってモータ20に通電するモータ駆動回路40とを含んで構成される。
電子制御回路50は、CPU,ROM,RAM等からなるマイクロコンピュータと、各種の入出力インタフェースと、モータ駆動回路40にスイッチ駆動信号を供給するスイッチ駆動回路等を備えている。
電子制御回路50は、その機能に着目すると、モータ20の制御量である目標アシストトルクを計算するモータ制御量計算部70と、目標アシストトルクがモータ20に流れるようにスイッチ駆動信号をモータ駆動回路40に出力するモータ制御部60とを備えている。各機能部における処理は、マイコンにより、それぞれ所定の短い周期で繰り返し実行される。
モータ制御量計算部70は、正常時制御量計算部71と、異常時制御量計算部80と、異常検出部72と、制御切替部73とを備えている。正常時制御量計算部71は、異常検出部72から出力される異常判定フラグFfailを入力し、異常判定フラグFfailが「0」である場合に、目標アシストトルクTa0を計算し、異常判定フラグFfailが「1」である場合には、その計算処理を停止する演算ブロックである。異常時制御量計算部80は、異常検出部72から出力される異常判定フラグFfailを入力し、異常判定フラグFfailが「1」である場合に、目標アシストトルクTa1を計算し、異常判定フラグFfailが「0」である場合には、その計算処理を停止する演算ブロックである。
異常検出部72は、トルクセンサ21の異常の有無を判定し、異常無しと判定している場合には、異常判定フラグFfailを「0」に設定し、異常有りと判定している場合には、異常判定フラグFfailを「1」に設定し、設定した異常判定フラグFfailを正常時制御量計算部71と異常時制御量計算部80と制御切替部73とに出力する。
制御切替部73は、正常時制御量計算部71により計算された目標アシストトルクTa0と異常時制御量計算部80により計算された目標アシストトルクTa1とを入力して、異常判定フラグFfailが「0」の場合には、目標アシストトルクTa0を選択し、異常判定フラグFfailが「1」の場合には、目標アシストトルクTa1を選択する。そして、選択した目標アシストトルクTa0(またはTa1)を目標アシストトルクTa*に設定して、目標アシストトルクTa*をモータ制御部60に出力する。
モータ制御量計算部70の各機能部の詳細については後述する。
モータ制御部60は、電流フィードバック制御部61とPWM信号発生部62とを備えている。電流フィードバック制御部61は、制御切替部73から出力された目標アシストトルクTa*を入力し、目標アシストトルクTa*をモータ20のトルク定数で除算することにより、目標アシストトルクTa*を発生させるために必要な目標電流i*を計算する。そして、モータ駆動回路40に設けられた電流センサ41により検出されるモータ電流im(実電流imと呼ぶ)を読み込み、目標電流i*と実電流imとの偏差を計算し、この偏差を使った比例積分制御により実電流imが目標電流i*に追従するように目標電圧v*を計算する。そして、目標電圧v*に対応したPWM制御信号(スイッチ駆動信号)をモータ駆動回路(インバータ)40のスイッチング素子に出力する。これにより、モータ20が駆動され、目標アシストトルクTa*に追従したアシストトルクがステアリング機構10に付与される。
尚、電流フィードバック制御部61は、モータ20に設けたモータ回転角センサ23により検出されるモータ回転角θmを入力し、このモータ回転角θmを電気角に変換して、電気角に基づいて目標電流の位相角を制御する。この場合、モータ回転角センサ23が検出するモータ回転角θmが電気角を表すものであれば、その検出値を用いればよい。
例えば、電流フィードバック制御部61は、モータ回転角センサ23により検出された電気角に基づいて、三相ブラシレスモータ20の永久磁石の磁界が貫く方向となるd軸と、d軸に直交する方向(d軸からπ/2だけ電気角を進めた方向)となるq軸とを定めたd−q座標を用いた電流ベクトル制御によりモータ20を駆動制御する。
次に、モータ制御量計算部70の各機能部について詳細説明する。正常時制御量計算部71は、車速センサ22により検出される車速Vと、トルクセンサ21により検出される操舵トルクTrとを入力して、図3に示す正常時アシストマップを参照して目標アシストトルクTa0を計算する。正常時アシストマップは、正常時制御量計算部71に記憶されており、代表的な複数の車速Vごとに、操舵トルクTrと目標アシストトルクTa0との関係を設定した関係付けデータであり、操舵トルクTrの大きさ(絶対値)が大きくなるほど大きくなり、かつ、車速Vが大きくなるほど小さくなる目標アシストトルクTa0を設定する特性を有する。
尚、目標アシストトルクTa0の計算にあたっては、各種の補償トルクを目標アシストトルクTa0に付加するようにしてもよい。また、車速Vに応じて目標アシストトルクTa0を可変しない構成であってもよい。
正常時制御量計算部71は、異常検出部72から出力される異常判定フラグFfailが「0」である場合に、こうした計算処理を所定の短い周期で繰り返し実行し、計算結果である目標アシストトルクTa0を制御切替部73に出力する。
異常検出部72は、トルクセンサ21の異常の有無を判定する。例えば、トルクセンサ21が異常検出機能を備えている場合には、トルクセンサ21の出力する異常検出信号を入力して、異常の有無を判定すればよい。また、トルクセンサ21の出力する検出信号に基づいて、検出信号の示す値(電圧値等)が正常範囲から外れている場合に、トルクセンサ21に異常が発生していると判定するようにしてもよい。また、例えば、レゾルバのように出力電圧が正弦波状に周期的に変化する回転角センサを使用したトルクセンサ21の場合には、その出力電圧が一定値に固定されている場合に、断線や短絡といった異常が発生していると判定するようにしてもよい。
異常検出部72は、上記のようにトルクセンサ21の異常の有無を判定し、異常判定結果にしたがって、異常判定フラグFfailを「1」(異常あり)または「0」(異常なし)に設定する。
次に、異常時制御量計算部80について説明する。上述した正常時制御量計算部71は、操舵トルクTrに基づいて目標アシストトルクTa0を計算するが、トルクセンサ21が故障した場合には、目標アシストトルクTa0を計算することができない。そこで、異常時制御量計算部80は、トルクセンサ21の異常が検出された場合に、正常時制御量計算部71に代わって、目標アシストトルクTa1を計算する。
異常時制御量計算部80は、操舵操作時に転舵軸(ラックバー14やタイロッド16)に作用する反力を推定し、この反力に釣り合う操舵アシストトルクを付与するように目標アシストトルクを計算する。操舵操作に抗する反力は、発生要因により3つに分類され、タイヤと路面との擦れにより発生する反力(第1反力と呼ぶ)と、車両の横加速度により発生する反力(第2反力と呼ぶ)と、ステアリング機構に存在する摩擦要素により発生する反力(第3反力と呼ぶ)とからなる。そこで、異常時制御量計算部80は、発生要因ごとに反力(第1反力〜第3反力)を推定し、その推定した各反力に見合う操舵アシストトルクを合算した目標アシストトルクTa1を計算する。
異常時制御量計算部80は、図4に示すように、第1計算部81と、第2計算部82と、第3計算部83と、操舵速度計算部84と、合算部85とを備えている。第1計算部81は、タイヤと路面との擦れにより発生する第1反力に見合う操舵アシストトルクを計算するブロックである。第1計算部81は、車速Vと操舵速度ωとを入力し、図5に示す第1マップを参照して、第1目標アシストトルクTa11を計算する。この第1マップは、車速Vを操舵速度ωで除算した値(V/ω)の大きさが大きくなるほど小さくなる第1目標アシストトルクTa11を設定する特性を有する。この場合、第1計算部81は、操舵速度計算部84の出力する操舵速度ωを入力する。操舵速度計算部84は、モータ回転角θmを入力し、モータ回転角θmの単位時間当たりの変化量に基づいて操舵速度ωを計算し、その計算結果を出力する。操舵速度ωは、右操舵方向の速度を正の値で、左操舵方向の速度を負の値で表すことにする。また、操舵速度ωの大きさについて論じる場合には、その絶対値を用いる。
本願発明者らは、車速Vを操舵速度ωで除算した値(V/ω)が第1反力と相関関係を有し、値(V/ω)が大きいほど第1反力が小さくなり、逆に、値(V/ω)が小さいほど第1反力が大きくなることを見出した。従って、値(V/ω)を第1反力の指標として使用することができる。そこで、第1計算部81は、値(V/ω)に対する第1反力の特性に基づいて設定された第1マップを記憶しており、この第1マップを参照して第1反力に釣り合う第1目標アシストトルクTa11を計算する。
例えば、図8にてイメージを示すように、車速V、操舵速度ωが異なる状況においても、値(V1/ω1)、値(V2/ω2)、値(V3/ω3)が同一であれば、ほぼ同じ大きさの第1反力が発生する。つまり、車速ベクトルの始点と、車速ベクトルの終点(=操舵速度ベクトルの始点)と、操舵速度ベクトルの終点とを結んで形成される三角形が、互いに相似の関係となれば、第1反力の大きさはほぼ同一になる。一方、図9に示すように、値(V4/ω4)、値(V5/ω5)が異なる場合には、上記三角形が相似の関係ではないため、第1反力の大きさは相違する。
第1計算部81は、計算した第1目標アシストトルクTa11を合算部85に出力する。
第2計算部82は、車両の横加速度により発生する第2反力に見合う操舵アシストトルクを計算するブロックである。第2計算部82は、横加速度LAを入力し、図6に示す第2マップを参照して、第2目標アシストトルクTa12を計算する。第2反力は、横加速度に比例して大きくなる。従って、第2マップは、横加速度LAに比例した第2目標アシストトルクTa12を設定する特性を有する。第2マップは、第2計算部82に記憶されている。第2計算部82は、横加速度LAに応じた第2目標アシストトルクTa12を計算すると、その計算した第2目標アシストトルクTa12を合算部85に出力する。
第3計算部83は、ステアリング機構10に存在する摩擦要素により発生する第3反力に見合う操舵アシストトルクを計算するブロックである。第3計算部83は、操舵速度計算部84の出力する操舵速度ωを入力し、図7に示す第3マップを参照して、第3目標アシストトルクTa13を計算する。第3反力は、ほぼ一定の大きさで発生する。従って、第3マップは、操舵速度ωがゼロ近傍範囲に入る場合には、操舵速度ωに比例した第3目標アシストトルクTa13を設定する特性を有し、操舵速度がゼロ近傍範囲を外れる場合には、操舵速度の方向に働く一定の大きさの第3目標アシストトルクTa13を設定する特性を有する。第3マップは、第3計算部83に記憶されている。第3計算部83は、操舵速度ωに応じた第3目標アシストトルクTa13を計算すると、その計算した第3目標アシストトルクTa13を合算部85に出力する。
合算部85は、第1計算部81で計算された第1目標アシストトルクTa11と、第2計算部82で計算された第2目標アシストトルクTa12と、第3計算部83で計算された第3目標アシストトルクTa13とを入力し、それらを加算した値を目標アシストトルクTa1に設定する(Ta1=Ta11+Ta12+Ta13)。
これにより、トルクセンサ21が故障した場合には、目標アシストトルクTa1にしたがってモータ20が駆動制御される。
以上説明した本実施形態の電動パワーステアリング装置1によれば、トルクセンサ21の異常が検出されている場合には、正常時制御量計算部71に代わって異常時制御量計算部80が目標アシストトルクTa1を計算する。この目標アシストトルクTa1は、発生要因別に推定した操舵反力に釣り合うアシストトルクを合算した値であって、タイヤと路面との擦れにより発生する第1反力に見合う第1目標アシストトルクTa11と、横加速度により発生する第2反力に見合う第2目標アシストトルクTa12と、ステアリング機構10に存在する摩擦要素により発生する第3反力に見合う第3目標アシストトルクTa13とを加算して算出される。従って、トルクセンサ21の異常が検出されている場合であっても、適切な目標アシストトルクTa1を設定することができ、ドライバーの操舵負担を軽減することができる。例えば、低車速時においては、横加速度LAが小さな値となって、第2目標アシストトルクTa12が小さくなるが、これを補うように、大きな第1目標アシストトルクTa11が設定される。このため、据え切り操作が可能となる。
また、上述したように、操舵反力を発生要因別に推定し、各操舵反力に見合うアシストトルクを合算して目標アシストトルクTa1を設定しているため、車両諸元(例えば、車両ジオメトリ、タイヤの仕様等)が変更された場合であっても、車両諸元の変更にあわせて各操舵反力特性に応じたマップ(第1マップ〜第3マップ)を設定することにより、所望の操舵アシスト性能を維持することができる。従って、車両諸元の変更に柔軟に対応することができる。
以上、本実施形態にかかる車両の電動パワーステアリング装置について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、本実施形態においては、第1計算部81において、車速Vを操舵速度ωで除算した値(V/ω)を計算し、この値に対応する第1目標アシストトルクTa11を算出したが、直接的に車速Vを操舵速度ωで除算した値を計算しなくてもよく、車速Vを操舵速度ωで除算した値が小さいほど大きくなる第1目標アシストトルクTa11を計算できるものであればよい。例えば、操舵速度ωを車速Vで除算した値(ω/V)を計算し、この値が小さいほど小さくなる第1目標アシストトルクTa11を計算するようにしてもよい。
また、本実施形態においては、目標アシストトルクを計算するにあたってマップを参照する構成を採用しているが、マップに代えて、関数を用いてもよい。例えば、値(V/ω)から第1目標アシストトルクTa11を導く関数、横加速度LAから第2目標アシストトルクTa12を導く関数、操舵速度ωから第3目標アシストトルクTa13を導く関数、操舵トルクTrから目標アシストトルクTa0を導く関数を予め設定してアシストECU100に記憶しておき、この記憶した関数を使って目標アシストトルクを計算するようにしてもよい。
また、本実施形態においては、モータ20の発生するトルクをステアリングシャフト12に付与するコラムアシスト式の電動パワーステアリング装置について説明したが、モータの発生するトルクをラックバー14に付与するラックアシスト式の電動パワーステアリング装置であってもよい。
1…電動パワーステアリング装置、10…ステアリング機構、11…操舵ハンドル、12…ステアリングシャフト、20…モータ、21…トルクセンサ、22…車速センサ、23…モータ回転角センサ、24…横加速度センサ、25…減速機、40…モータ駆動回路、50…電子制御回路、60…モータ制御部、70…モータ制御量計算部、71…正常時制御量計算部、72…異常検出部、73…制御切替部、80…異常時制御量計算部、81…第1計算部、82…第2計算部、83…第3計算部、84…操舵速度計算部、85…合算部、100…アシストECU、V…車速、LA…横加速度、θm…モータ回転角、ω…操舵速度、Wfl…左前輪、Wfr…右前輪。

Claims (2)

  1. 操舵ハンドルからステアリングシャフトに入力された操舵トルクを検出するトルクセンサと、
    ステアリング機構に設けられて操舵アシストトルクを発生するモータと、
    前記トルクセンサの異常を検出する異常検出手段と、
    前記トルクセンサの異常が検出されていない場合に、前記トルクセンサにより検出された操舵トルクに基づいて目標操舵アシスト制御量を設定する正常時制御量設定手段と、
    前記トルクセンサの異常が検出されている場合に、前記操舵トルクとは異なる情報に基づいて目標操舵アシスト制御量を設定する異常時制御量設定手段と、
    前記正常時制御量設定手段あるいは前記異常時制御量設定手段により設定された前記目標操舵アシスト制御量に基づいて前記モータを駆動制御するモータ制御手段と
    を備えた車両の電動パワーステアリング装置において、
    前記異常時制御量設定手段は、
    車速を取得する車速取得手段と、
    操舵速度を取得する操舵速度取得手段と、
    タイヤと路面との擦れにより発生する操舵反力に見合うアシスト制御量であって、前記車速を前記操舵速度で除算した値が小さいほど大きくなる第1アシスト制御量を計算する第1アシスト制御量計算部と
    を備え、前記第1アシスト制御量を含んだ目標操舵アシスト制御量を設定することを特徴とする車両の電動パワーステアリング装置。
  2. 前記異常時制御量設定手段は、
    車両の横加速度を取得する横加速度取得手段と、
    前記横加速度に基づいて、前記横加速度により発生する操舵反力に見合う第2アシスト制御量を計算する第2アシスト制御量計算部と、
    前記操舵速度に基づいて、前記ステアリング機構に存在する摩擦要素により発生する操舵反力に見合う第3アシスト制御量を計算する第3アシスト制御量計算部と
    を備え、前記第1アシスト制御量と前記第2アシスト制御量と前記第3アシスト制御量とを含んだ目標操舵アシスト制御量を設定することを特徴とする請求項1記載の車両の電動パワーステアリング装置。
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