JP2014024366A - 車両用空調装置 - Google Patents

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雅充 奥村
Yoshiaki Suzuki
義昭 鈴木
Shinichiro Hirai
伸一郎 平井
Manabu Maeda
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Abstract

【課題】車両用空調装置において臭い成分が飛散しきるまでに要する時間の長期化を抑えるようにした車両用空調装置を提供する。
【解決手段】電子制御装置30は、圧縮機9を制御して、蒸発器7を表面温度を徐々に上昇させる。これにより、蒸発器7に対する空気流れ上流側空気の露点温度に対して蒸発器7の表面温度を跨がせることになる。このため、蒸発器7の表面のうち熱容量の大きい点および小さい点の温度分布を拡大させる。このことにより、蒸発器7の表面において結露水(凝縮水)を分布をつけて乾燥させている。このため、圧縮機9を停止するまでの制御時間を短くすることができる。すなわち、臭い成分が飛散しきるまでに要する時間の長期化を抑えることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両用空調装置に関するものである。
従来の車両用空調装置において、冷却用熱交換器に付着した結露水が蒸発する時に発生する臭いを防止する観点から、圧縮機を常に稼動させて冷却用熱交換器で常に結露させている。
また、特許文献1では、圧縮機を断続的にON、OFFすることで冷却用熱交換器に付着した結露水が乾く速度を遅くして、冷却用熱交換器の表面に付着した臭いの成分が短時間に飛散することを抑制するものが提案されている。
特開2002−248933号公報
上記特許文献1では、圧縮機の断続的なON、OFFによって冷却用熱交換器に付着する結露水の増減を繰り返しながら最終的に乾かすことを行うため、臭い成分が冷却用熱交換器(冷却器)から飛散しきるまでに長い時間が掛かり、実際の車両の運転上実用的ではない。
本発明は上記点に鑑みて、臭い成分が飛散しきるまでに要する時間の長期化を抑えるようにした実用的な車両用空調装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車室内に向かって吹き出される空気を冷却する冷却器(7)と、
前記冷却器の表面に付着している結露水の蒸発状態に分布を付けて前記結露水を乾かすために、前記冷却器の表面温度を徐々に上昇させるように前記冷却器を制御する徐変制御手段(30)と、を備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、冷却器の表面に付着した結露水の蒸発状態に分布を持たせて乾かすことで、結露水から臭気が発生するタイミングを分散化することができる。これにより、臭い成分が飛散しきるまでに要する時間の長期化を抑えるようにした実用的な車両用空調装置を提供することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態における車両用空調装置の全体構成図を示す図である。 図1の電子制御装置の空調制御処理を示すフローチャートである。 図2中のステップS7の処理の詳細を示すフローチャートである。 図2中のステップS8の処理の詳細を示すフローチャートである。 図2の空調制御処理を説明するための図である。 図2の空調制御処理を説明するための図である。 本発明の第12実施形態における電子制御装置の空調制御処理を示すフローチャートである。 本発明の第13実施形態における電子制御装置の空調制御処理を示すフローチャートである。 本発明の第15実施形態における電子制御装置の空調制御処理を示すフローチャートである。 本発明の第16実施形態における電子制御装置の空調制御処理を示すフローチャートである。 本発明の第17実施形態における電子制御装置の空調制御処理を示すフローチャートである。 本発明の第18実施形態における電子制御装置の空調制御処理を示すフローチャートである。 本発明の第19実施形態における電子制御装置の空調制御処理を示すフローチャートである。 本発明の第20実施形態における電子制御装置の制御処理を説明するためのグラフである。 本発明の第21実施形態における電子制御装置の制御処理を示すフローチャートである。 第21実施形態における電子制御装置の制御処理を示すフローチャートである。 第21実施形態における電子制御装置の制御処理を示すフローチャートである。 第21実施形態における電子制御装置の制御処理を説明するためのグラフである。 本発明の第23実施形態における蒸発器の構成を示す図である。 本発明の第24実施形態におけるスライドドアを示す図である。 本発明の第25実施形態における膨張弁の作動を示す図である。 上記第25実施形態における蒸発器の温度変化を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1に本実施形態の車両用空調装置を示す。図1は本実施形態の車両用空調装置の全体構成図である。
車両用空調装置は、室内空調ユニット1は、車室内最前部の計器盤(インストルメントパネル)内側部等に配設される。この室内空調ユニット1は空調ケーシング2を有し、この空調ケーシング2内に車室内へ向かって空気が送風される空気通路を構成する。
空調ケーシング2の空気通路の最上流部に内外気切替箱3を配置し、内気導入口3aおよび外気導入口3bを内外気切替ドア4により切替開閉するようになっている。この内外気切替ドア4はサーボモータ5によって駆動される。
内外気切替箱3の下流側には車室内に向かって空気を送風する電動式の送風機6を配置している。この送風機6は、遠心式の送風ファン6aをモータ6bにより駆動するようになっている。送風機6の下流側には送風空気を冷却する冷却器をなす蒸発器7を配置している。
蒸発器7は、冷凍サイクル装置8を構成する要素の一つであり、低温低圧の冷媒が送風空気から吸熱して蒸発することにより送風空気を冷却する冷却器である。
なお、冷凍サイクル装置8は周知のものであり、圧縮機9の吐出側から、凝縮器10、受液器11および膨張弁12を介して蒸発器7に冷媒が循環するように構成されている。凝縮器10には、電動式の冷却ファン10aによって室外空気(冷却空気)が送風される。この冷却ファン10aはモータ10bによって駆動される。
冷凍サイクル装置8において、圧縮機9としては、例えば、冷媒吐出容量を変更可能である可変容量型コンプレッサが用いられる。圧縮機9は、電磁クラッチ9aを介して車両エンジン(図示せず)により駆動される。従って、電磁クラッチ9aの通電の断続により圧縮機9の作動を断続制御できる。
一方、室内空調ユニット1において、蒸発器7の下流側には空調ケーシング2内を流れる空気を加熱するヒータユニット13を配置している。このヒータユニット13は車両エンジンの温水(すなわち、エンジン冷却水)を熱源として、蒸発器7通過後の空気(冷風)を加熱する加熱用熱交換器である。ヒータユニット13の上側にはバイパス通路14が形成され、このバイパス通路14には、ヒータユニット13を迂回したバイパス空気が流れる。
蒸発器7とヒータユニット13との間に温度調整手段をなすエアミックスドア15を回転自在に配置してある。このエアミックスドア15はサーボモータ16により駆動されて、その回転位置(開度)が連続的に調整可能になっている。
エアミックスドア15の開度によりヒータユニット13を通る空気量(温風量)と、バイパス通路14を通過してヒータユニット13をバイパスする空気量(冷風量)との割合を調節し、これにより、車室内に吹き出す空気の温度を調整するようになっている。
空調ケーシング2の空気通路の最下流部には、車両の前面窓ガラスWに向けて空調風を吹き出すためのデフロスタ吹出口17、乗員顔部(乗員上半身)に向けて空調風を吹き出すためのフェイス吹出口18、および乗員足元部(乗員下半身)に向けて空調風を吹き出すためのフット吹出口19の計3種類の吹出口が設けられている。空調ケーシング2内においてバイパス通路14を通過する冷風とヒータユニット13を通過する温風とが混合されて吹出口17、18、19から車室内に吹き出される。
これら吹出口17、18、19の上流部にはデフロスタドア20、フェイスドア21およびフットドア22が回転自在に配置されている。これらのドア20、21、22は、図示しないリンク機構を介して共通のサーボモータ23によって開閉操作される。
電子制御装置30は、CPU、メモリ、周辺回路を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。電子制御装置30は、そのROMに記憶されるコンピュータプログラムに基づいて空調制御処理を実行する。電子制御装置30は、空調制御処理の実行に伴って、外気センサ31、内気センサ32、日射センサ33、蒸発器温度センサ34a、蒸発器前温度センサ34b、蒸発器前湿度センサ34c、水温センサ36からそれぞれ出力される検出信号、および空調操作パネル36からの空調操作信号に基づいて電磁クラッチ9a、およびモータ5、6b、10、16、23を制御する。
外気センサ31は、外気温(車室外温度)Tamを検出する。内気センサ32は、内気温(車室内温度)Trを検出する。日射センサ33は、車室内に入射する日射量Tsを検出する。蒸発器温度センサ34aは、蒸発器7のうち空気流れ下流側に配置されて、蒸発器7の表面温度(以下、蒸発器温度Teという)を検出する。
蒸発器前温度センサ34b、および蒸発器前湿度センサ34cは、内気導入口3aおよび外気導入口3bと、蒸発器7との間に配置されている。具体的には、蒸発器前温度センサ34b、および蒸発器前湿度センサ34cは、送風ファン6aと蒸発器7との間に配置されている。蒸発器前温度センサ34bは、蒸発器7に対して空気流れ上流側の空気温度を検出する。蒸発器前湿度センサ34cは、蒸発器7に対して空気流れ上流側の相対湿度を検出する。水温センサ36は、走行用エンジン4の冷却水の温度Twを検出する。
空調操作パネル36には、車室内の設定温度Tsetを設定する温度設定スイッチ37、吹出モードドア20、21、22により切り替わる吹出モードをマニュアル設定する吹出モードスイッチ38、内外気切替ドア4による内外気吸込モードをマニュアル設定する内外気切替スイッチ39、圧縮機9の作動指令信号(電磁クラッチ40aのON信号)を出すエアコンスイッチ40、送風機6の風量をマニュアル設定する送風機作動スイッチ41、空調自動制御状態の指令信号を出すオートスイッチ42等が設けられる。
次に、本実施形態の電子制御装置30の作動について説明する。図2は電子制御装置30の空調制御処理を示すフローチャートである。電子制御装置30は、図2のフローチャートにしたがって、空調制御処理に実行する。空調制御処理の実行はイグニッションスイッチIGがオン(ON)されたときに開始される。
先ず、ステップS1において、タイマを初期化して、タイマによる計時を開始させる。このタイマは、次のステップS2の処理を開始してから経過した時間を計るためのタイマである。次のステップS2では、空調制御パネル36の操作スイッチ37、38、39、40、41、42の空調操作信号を読み込む。次のステップS3で車両環境状態の信号、すなわち、センサ31、32、33、34a、34b、34c、35からそれぞれ出力される検出信号を読み込む。
続いて、ステップS4にて、車室内へ吹き出される空調風の目標吹出温度TAOを算出する。この目標吹出温度TAOは車室内を温度設定スイッチ37の設定温度Tsetに維持するために必要な吹出温度であり、下記数式1に基づいて算出される。
TAO=Kset×Tset−Kr×Tr
−Kam×Tam−Ks×Ts+C・・・・・(数1)
但し、Tr:内気センサ33により検出される内気温
Tam:外気センサ34により検出される外気温
Ts:日射センサ35により検出される日射量
Kset、Kr、Kam、Ks:制御ゲイン
C:補正用の定数
次に、ステップS5にて送風機6により送風される空気の目標風量、具体的には送風機駆動用のモータ6bに対する印加電圧であるブロワ電圧Veを目標吹出温度TAOに基づいて決定する。このブロワ電圧Veの決定方法は周知であり、目標吹出温度TAOの高温側(最大暖房側)および低温側(最大冷房側)でブロワ電圧(目標風量)Veを大きくし、目標吹出温度TAOの中間温度域でブロワ電圧(目標風量)Veを小さくする。このように決定されるブロワ電圧Veをモータ6bに印加することにより、送風機6の風量を目標風量に近づけるように送風機6を制御することになる。
次に、ステップS6にて内外気モードを決定する。例えば、目標吹出温度TAOが低温側から高温側へ上昇するにつれて、内気モード→内外気混入モード→外気モードと切替決定する。このように決定される内外気モードを実施するために、サーボモータ5を制御して内外気切替ドア4を駆動する。
次に、ステップS7にて、蒸発器7に発生する結露水の量(以下、結露水量という)を算出する。次に、ステップS8において、この算出される結露水量に基づいて圧縮機9を制御する。なお、結露水量の算出(ステップS7)および圧縮機9の制御(ステップS8)の詳細については後述する。
次に、ステップS9にて、エアミックスドア15の目標開度SWを目標吹出温度TAO、蒸発器温度Te、及び温水温度Twに基づいて次の数式2により算出する。
SW=〔(TAO−Te)/(Tw−Te)〕×100(%)・・・・・(数2)
ここで、エアミックスドア15の目標開度SWは、エアミックスドア15の最大冷房位置を0%とし、エアミックスドア15の最大暖房位置を100%とする百分率で表される。
このように決定される目標開度SWにエアミックスドア15の実際の開度を近づけるようにサーボモータ16を制御する。
次に、ステップS10において、吹出モードを目標吹出温度TAOに応じて決定する。吹出モードは、目標吹出温度TAOが低温側から高温側へ上昇するにつれてフェイスモード→バイレベルモード→フットモードと切替設定される。このように決定される吹出モードを実施させるようにドア20、21、22をサーボモータ23によって開閉操作する。
次のステップS11で、上記タイマにより測定される時間(以下、タイマの測定時間という)が一定時間τに到達したか否かを判定する。一定時間τは、ステップS2、S3、S4、S5、S6、S7、S8、S9、S10の処理を実施する制御周期を示す時間である。そして、タイマの測定時間が一定時間τよりも短いときには、上記ステップS11でNOと判定して、ステップS11の判定を実施する。このため、タイマの測定時間が一定時間τに到達するまで、ステップS10の判定を繰り返すことになる。その後、タイマの測定時間が一定時間τに到達すると、ステップS11でYESと判定してステップSS1に戻り、タイマを初期化して、タイマによる計時を開始させる。
これに伴い、上述と同様に、空調操作信号の読み込み(ステップS2)、検出信号の読み込み(ステップS3)、目標吹出温度TAOの算出(ステップS4)、目標風量の算出(ステップS5)、内外気モードの制御(ステップS6)、結露水量算出(ステップS7)、圧縮機9の制御(ステップS8)、エアミックスドア15の制御(ステップS9)、吹き出しモード制御(ステップS10)、および時間判定(ステップS11)を実施する。このことにより、ステップS2、S3、S4、S5、S6、S7、S8、S9、S10、S11を一定時間τ(すなわち、制御周期)毎に、繰り返すことになる。
次に、圧縮機9の制御(ステップS8)に先だって、結露水量の算出(ステップS7)について説明する。
(結露水量の算出)
電子制御装置30は、図3のフローチャートにしたがって、結露水量算出処理を一定時間(制御周期τ)毎に繰り返し実行する。以下、“R”は、結露水量算出処理の実行回数を示す。
まず、R回目のステップS20において、蒸発器前温度センサ34bによって、蒸発器7に対して空気流れ上流側の空気温度Tin(R)(図中入口空気温度)を検出する。蒸発器前湿度センサ34cによって、蒸発器7に対して空気流れ上流側の相対湿度Rin(R)(入口空気湿度)を検出する。蒸発器温度センサ34aによって空気温度Te(R)を検出する。
次に、R回目のステップS21において、現在の送風機6から蒸発器7を通過した風量Va(R)を算出する。風量Va(R)は、送風機6のモータ6bに与えられるブロワ電圧Veに基づいて求められる。
次に、R回目のステップS22において、R回目の制御周期τにおける蒸発器7による除湿量dW(R)を次の数式3によって演算する。除湿量dW(R)は、
R回目の制御周期中に蒸発器7に発生した結露水量である。
dW(R)=Ga(R)×(Xin(R)−Xout(R))・・・・・(数3)
ここで、空気重量Ga(R)は、R回目の制御周期中にて送風機6から送風されて蒸発器7を通過した空気重量である。空気重量Ga(R)は、(空気密度σ×風量Va(R)×Δt)とから求められる。Δtは、制御周期τに相当する時間である。Xin(R)は、蒸発器7に対して空気流れ上流側の絶対湿度であって、空気温度Tin(R)と相対湿度Rin(R)とから求められる。Xout(R)は、蒸発器7に対して空気流れ下流側の絶対湿度である。Xout(R)は、蒸発器7に対して空気流れ下流側の相対湿度を湿度100%RHと仮定して、この仮定される相対湿度(=100%RH)と空気温度Te(R)とから求められる。
次に、R回目のステップS23において、蒸発器7に保水されている結露水の量(すなわち、合計結露水量W(R))を求める。合計結露水量W(R)は、
(R−1)回目に求められた合計結露水量W(R−1)に除湿量dW(R)を加算した量である。
このようなステップS20、S21、S22、S23の各処理を繰り返すことにより、蒸発器7に保水される合計結露水量W(n)が制御周期毎に繰り返し求められることになる。
(圧縮機制御処理)
電子制御装置30は、図4のフローチャートにしたがって圧縮機制御処理を一定時間(制御周期τ)毎に繰り返し実行する。
まず、ステップS30において、上記ステップS20で蒸発器前温度センサ34bによって検出される空気温度Tinと上記ステップS4で算出される目標吹出温度TAOとを用いて、圧縮機9の停止制御(OFF制御)が可能か否かを判定する。
このとき、空気温度Tinが目標吹出温度TAOよりも高いときには(Tin(1)>TAO)、圧縮機9の停止制御を実施不可能であるとして、NOと判定する。すなわち、車室内の乗員の快適性を保ちつつ、蒸発器7にて結露水を分布を持たせて蒸発させる制御(以下、分布蒸発制御という)を実施することが不可能であると判定されることになる。これに伴い、次のステップS31において、圧縮機9の従来制御を実施する。このため、空気温度Tin(1)が目標吹出温度TAOよりも高い状態が継続されると、圧縮機9の従来制御(ステップS31)を繰り返し実施することになる。
一方、空気温度Tin(1)が目標吹出温度TAO以下であるときには(Tin(1)≦TAO)、圧縮機9の停止制御を実施可能であるとして、YESと判定する。この場合、車室内の乗員の快適性を保ちつつ、分布蒸発制御(ステップS32〜ステップS35)を実施が可能であると判定されることになる。これに伴い、分布蒸発制御(ステップS32〜ステップS35)を実施することになる。
このようにステップS30において、分布蒸発制御を実施する際に、車室内の乗員の快適性を保つことができるか否かを判定することなる。
ここで、空気温度Tinおよび目標吹出温度TAOは、制御周期毎に繰り返し算出される。このため、圧縮機9の停止制御を可能か否かについてステップS30で制御周期毎に繰り返し判定することになる。そこで、以下、ステップS30におけるNO判定毎に繰り返し実施する従来制御(ステップS31)と、ステップS30におけるYES判定毎に繰り返し実施する分布蒸発制御(ステップS32〜ステップS35)とについて別々に説明する
(従来制御)
まず、蒸発器目標吹出温度TEOを上記ステップS4で求められた目標吹出温度TAOに基づいて算出する。蒸発器目標吹出温度TEOは、蒸発器7から吹き出される空気の目標温度である。
ここで、目標吹出温度TAOが中間温度範囲であるとき蒸発器目標吹出温度TEOが最高値となり、目標吹出温度TAOが中間温度範囲よりも低いときには、蒸発器目標吹出温度TEOが最低値となり、目標吹出温度TAOが中間温度範囲よりも高いときには、蒸発器目標吹出温度TEOが最低値となる。このような蒸発器目標吹出温度TEOに蒸発器温度Teを近づけるように、圧縮機(可変容量型コンプレッサ)9の冷媒吐出容量を制御する。
(分布蒸発制御)
分布蒸発制御は、蒸発器7の吸込み空気の冷却が不要としてステップS30でYESと判定した場合に、においの発生を抑制しながら蒸発器温度Teを徐々に上昇させる制御(除変制御)である。
まず、ステップS32において、蒸発器7の吸込み露点温度Tdewから所定値α(余裕代)を引いた値(=Tdew−α)を蒸発器目標吹出温度TEOとする。これに伴い、蒸発器目標吹出温度TEOに蒸発器温度Teを近づけるように、圧縮機(可変容量型コンプレッサ)9の冷媒吐出容量を制御する。
ここで、蒸発器7の吸込み露点温度Tdewは、蒸発器7に吸い込まれる空気の露点温度である。吸込み露点温度は、蒸発器前温度センサ34bの検出温度と蒸発器前湿度センサ34cの検出湿度とに基づいて算出される。
次に、ステップS33において、蒸発器目標吹出温度TEOが蒸発器温度Teに一致するか否かを判定する。蒸発器目標吹出温度TEOと蒸発器温度Teとが不一致であるときにはステップS33でNOと判定して、再度、ステップS33の判定を実行する。このため、蒸発器目標吹出温度TEOと蒸発器温度Teとが不一致である限り、ステップS33の判定を繰り返すことになる。
その後、蒸発器目標吹出温度TEOと蒸発器温度Teとが一致すると、ステップS33でYESと判定する。すなわち、蒸発器温度Teが蒸発器目標吹出温度TEOに追従した判定することになる。
これに伴い、次のステップS34、S35に進んで、結露水量が零になるまで蒸発器温度Teを徐々に上昇させる。結露水量は、上記ステップS23で算出される合計結露水量W(n)のことである。
具体的には、蒸発器目標吹出温度TEOを所定値Δt上昇させて(ステップS34)、この上昇毎に蒸発器目標吹出温度TEOに蒸発器温度Teを近づけるように圧縮機9を制御する。これに伴い、制御周期毎に算出される合計結露水量W(n)(つまり、結露水量)が零であるか否かを判定する(ステップS35)。
このとき、合計結露水量W(n)が零よりも大きいときNOと判定して、蒸発器目標吹出温度TEOを所定値Δt上昇させて(ステップS34)、この上昇毎に蒸発器目標吹出温度TEOに蒸発器温度Teを近づけるように圧縮機9を制御する。このため、結露水量が零に一致しない限り、蒸発器目標吹出温度TEOを所定値Δtずつ上昇させる(ステップS34)。蒸発器目標吹出温度TEOを上昇させる除変速度a(℃/sec)としては、蒸発器7から発生する臭いを乗員が極力感じない程度に設定されている。
その後、結露水量が零に一致しない限り、蒸発器温度Teが徐々に上昇することになる。その後、合計結露水量W(n)が零になると(合計結露水量W(n)=0)、ステップS35でYESと判定して、電磁クラッチ9aにより車両エンジンと圧縮機9との間を開放する(ステップS36)。このため、圧縮機9が停止することになる。
次に、本実施形態の詳細な作用を示すために、図2のフローチャートを連続的なプロセスに変換した図5を示した。図5(a)、(b)の横軸は時間、図5(a)の縦軸は温度である。図5(a)中の太い実線は、蒸発器目標吹出温度TEOを示し、鎖線は蒸発器温度Teである。図5(b)の縦軸は合計結露水量W(n)を示している。
図5(a)中のA、B、C、D、E、F、Gは各プロセスを示し、P1はプロセスA、Bの間のプロセス、P2はプロセスB、Cの間のプロセス、P3はプロセスC、Dの間のプロセス、P4はプロセスD、Eの間のプロセス、P5はプロセスE、Fの間のプロセス、P6はプロセスF、Gの間のプロセスである。
図5(a)のP1およびP2のプロセスでは、蒸発器温度Teを蒸発器7の空気上流側の温度よりも下げることで除湿をする一般的な従来制御(ステップS31)が実施されている。この時、Cのプロセスでは、圧縮機9の稼動が必要か否かの判定を制御周期毎に行っている(ステップS30)。
ここで、目標吹出温度TAOよりも蒸発器前温度センサ34bにより検出される空気温度Tinが低くければ(Tin<TAO)、乗員の快適性・防曇の観点に支障をきたさないと判定される。この場合、圧縮機9の稼動は不必要と考えられ、次のステップS32〜S36の制御が開始される。
P3のプロセスで、蒸発器7の吸込み露点温度Tdewを超えない温度に蒸発器目標吹出温度TEO(=Tdew−α)を設定する(ステップS32)。次のDのプロセスで、蒸発器温度Teが蒸発器目標吹出温度TEOに追従したことを確認すると(ステップS33:YES)、P4のプロセスで、蒸発器目標吹出温度TEOを除々に上昇させる(ステップS34)。つまり、蒸発器目標吹出温度TEOが蒸発器7の吸込み露点温度Tdewを滑らかに跨がせることになる。これに伴い、蒸発器温度Teが蒸発器7の吸込み露点温度Tdewを滑らかに跨がせる。これにより、蒸発器7において、除々に結露水を乾くことになる。
このとき、蒸発器目標吹出温度TEOの上昇速度(℃/sec)は、蒸発器7の表面の温度分布が狭まらないようにする速度に設定する。事前に検討した結果によれば、臭いを感じない上昇速度(℃/sec)は、代表的には0.01℃/secである。
その後、P6のプロセスでは、ステップS23で算出した合計結露水量W(n)(すなわち、蒸発器7に付着した結露水)がなくなった場合(ステップS35:YES)、臭いの発生は無いと判定する。これに伴い、圧縮機9を停止して(ステップS36)、本制御を終了する。なお、P6のプロセスでは、蒸発器温度Teが湿球温度を超えた場合に、ステップS35でYESと判定して、臭いの発生は無いと判定してもよい。
次に、本実施形態の効果について図6を用いて説明する。
図6(a)、(b)、(c)の縦軸は温度、横軸は時間を示す。図6(d)、(e)、(f)の縦軸は、蒸発器7の表面に生じている結露水の量(すなわち、合計結露水量W(n))、横軸は時間を示す。
図6(a)中のグラフa1、a2は、圧縮機9を急停止した際の蒸発器7の表面温度の代表的な挙動を示している。グラフa1が、蒸発器7の表面のうち温度変化が速い箇所の表面温度、グラフa2が、蒸発器7の表面のうち温度変化が遅い箇所の表面温度である。図6(d)中のグラフd1、d2は、圧縮機9を急停止した際の合計結露水量W(n)の挙動を示している。グラフd1はグラフa1に対応し、グラフd2はグラフa2に対応している。
一般に蒸発器7の表面には熱容量のバラツキが存在し、その結果、過渡的な温度特性において表面温度変化が速い点および遅い点が存在する。
熱容量の大きい箇所では、いわゆる「熱しづらく、冷めにくい」状態のため過渡的に温度が高い状態となり、一方、熱伝導の低い箇所では、いわゆる「熱しやすく、冷めやすい」状態のため過渡的に温度が低い状態となる。これに対応した蒸発器7の結露水量の挙動がそれぞれグラフd1、d2であり、グラフd2ほうがグラフd1に比べ乾くまでの時間が早いことを示している。
しかしながら、一般的に、圧縮機7を停止した場合において、蒸発器7の表面のうち最も乾きの早い部位が乾燥してから、蒸発器7の表面のうち最も乾きの遅い部位が乾燥するまでの時間間隔が短い。このため、短い期間に臭気が蒸発器7から発生するため、乗員にとって臭いを許容できない。
上記特許文献1においては、上記時間間隔を長期化して臭いの発生する期間を分散化させるために圧縮機9を断続的にON−OFFすることを試みており、このときの蒸発器7の表面温度および結露水の挙動をそれぞれ図6(b)、(e)に示す。
蒸発器7の表面のうち熱容量が大きい点での表面温度の挙動をグラフb1に示し、蒸発器7の表面のうち熱容量が小さい点の温度をグラフb2に示している。 上記特許文献1では、圧縮機9のOFF時は蒸発器7の表面温度が湿球温度に到達した後に圧縮機9をONして蒸発器7の表面温度が露点温度以下となるように制御される。
ここで、圧縮機9を停止している時は蒸発器7の表面の温度分布が熱容量の違いにより広がるが、圧縮機9を稼動すると、温度分布が狭まることが確認できる。 この結果、熱容量の大きい点は、結露水の乾燥が早く終了し、熱容量の小さい点は、結露水量が乾く時間が遅くなる。このため、圧縮機9を稼動した場合には、圧縮機9を急停止した場合に比べて上記時間間隔は長くなる。一方、所望の時間間隔を得るために圧縮機9を複数回断続的にON−OFFを繰り返さなければならないため、蒸発器7の表面の乾燥をすべて終えるまでに多くの時間を必要とする。
一方、本実施形態における蒸発器7の表面温度および結露水の挙動をそれぞれ図6(c)、図6(f)に示す。このように本実施形態では、蒸発器目標吹出温度TEOを除々に上昇させさせることによって、蒸発器7の表面のうち熱容量の大きい点および小さい点の温度分布を拡大させる。このことにより、蒸発器7の表面において結露水(凝縮水)を分布をつけて乾燥させている。このため、圧縮機9を停止するまでの制御時間を短くすることができる。したがって、臭い成分が飛散しきるまでに要する時間の長期化を抑えつつ、省動力化を図った実用的な車両用空調装置を提供することができる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、蒸発器7の表面に付着した結露水の水量(合計結露水量W(n))が零になると、圧縮機9を停止した例について説明したが、これに代えて、蒸発器7の表面に付着した結露水の水量(すなわち、合計結露水量W(n))が零になってから所定時間経過後に圧縮機9を停止してもよい。
(第3実施形態)
上記第1実施形態では、結露水量を算出する際に、蒸発器前温度センサ34bの検出温度と蒸発器前湿度センサ34cの検出温度とに基づいて蒸発器7に対する空気流れ上流側の絶対湿度Xinを算出する例について説明したが、これに代えて、次のようにしてもよい。
本実施形態では、内外気切替ドア4により内気導入口3aを閉じて外気導入口3bを開けた外気モードを実施する際に、上記第1実施形態の結露水量算出処理(図3)と圧縮機制御処理(図4)とを実施する。
ここで、蒸発器前温度センサ34bの検出温度に代わる外気センサ31の検出温度Tamを蒸発器7に対して空気流れ上流側の空気温度とする。そして、車室外の空気の相対湿度(すなわち、蒸発器7に対する空気流れ上流側の相対湿度)を100%RHであると仮定して、蒸発器7に対する空気流れ上流側の絶対湿度Xinを算出する。
ここで、車室外の空気の相対湿度を100%RHとして仮定した理由としては、最も厳しい最悪条件を設定して結露水の量を推定するためである。
(第4実施形態)
上記第1実施形態では、結露水の量を算出するために、空調ケーシング2のうち送風ファン6aと蒸発器7との間に蒸発器前湿度センサ34cを配置した例について説明したが、これに代えて、車室内のうち空調ケーシング2の外側に蒸発器前湿度センサ34cを配置してもよい。
この場合、内外気切替ドア4により外気導入口3bを閉じて内気導入口3aを開けた状態で、車室内に車室内空気が内気導入口3aを通して再循環する場合に、蒸発器前湿度センサ34cの検出湿度を相対湿度Rin(n)とし、この相対湿度Rin(n)によって絶対湿度Xin(n)を算出する。絶対湿度Xin(n)は、蒸発器7に対する空気流れ上流側の絶対湿度である。
(第5実施形態)
上記第1実施形態では、結露水の量を算出するために、蒸発器7に対する空気上流側空気の湿度を蒸発器前湿度センサ34cにより検出することにより取得した例について説明したが、これに代えて、外気温に対する平均湿度を蒸発器7に対する空気上流側空気の湿度としてもよい。
この場合、予め外気温に対する平均湿度を外気温毎にメモリに記憶しておき、外気温毎の平均湿度のうち外気センサ31により検出される外気温Tamに対応する平均湿度を相対湿度Rin(n)とし、この相対湿度Rin(n)によって絶対湿度Xin(n)を算出する。この絶対湿度Xin(n)を用いて結露水の量を算出する。
例えば、外気温25℃の時は年間を通して平均湿度は約30%である。このため、外気温25℃の時は、この外気温25℃に対応する平均湿度は30%をメモリから読み出して、この読み出した湿度値30%を結露水量推定計算に用いる。これにより結露水量の推定量が実際の結露水量より過剰になることを防ぐことができ、乾燥までにかかる時間を短縮することができ、より省動力化に貢献することができる。
(第6実施形態)
上記第1実施形態では、ステップS30において、蒸発器前温度センサ34bによって検出される空気温度Tinが目標吹出温度TAOよりも低いか否かを判定することにより、圧縮機9の停止制御を実施可能か否かを判定する例について説明したが、これに代えて、ステップS30において、次の(1)、(2)の判定によって、圧縮機9の停止制御を実施可能か否かを判定してもよい。
(1)窓ガラスの表面付近の温度Traが窓ガラス表面の露点温度Tdよりも低いか否かを判定する。
(2)空気温度Tinが目標吹出温度TAOよりも低いか否かを判定する。
具体的には、窓ガラスの表面付近の温度Traが窓ガラス表面の露点温度Tdよりも低く、かつ空気温度Tinが目標吹出温度TAOよりも低いと判定したときに、圧縮機9の停止制御が実施可能であるとして、ステップS30でYESと判定する。
また、空気温度Tinが目標吹出温度TAOよりも高いとき、および窓ガラスの表面付近の温度Traが窓ガラス表面の露点温度Tdよりも高いときのうち、いずれか一方の場合に、圧縮機9の停止制御の実施が不可能であるとして、ステップS30でNOと判定する。
ここで、窓ガラスの表面付近の温度Traは、蒸発器前温度センサ34bの検出温度Tinに基づいて推定される。例えば、蒸発器前温度センサ34bの検出温度Tinに対して係数β1を掛けた値(Tin×β1)を窓ガラスの表面付近の温度Traとする。
窓ガラス表面の露点温度Tdは、蒸発器7の吸込み露点温度Tdewに基づいて推定される。例えば、吸込み露点温度Tdewに対して係数β2を掛けた値(Tdew×β2)を窓ガラス表面の露点温度Tdとする。
以上により、分布蒸発制御(ステップS32〜ステップS35)を実施する際に、窓ガラス表面に曇りが発生することを抑えることができる。
上記第6実施形態では、窓ガラスの表面付近の温度Traが窓ガラス表面の露点温度Tdよりも低いか否かを判定する第1の判定手段と、空気温度Tinが目標吹出温度TAOよりも低いか否かを判定する第2の判定手段とを用いて、ステップS30において、窓ガラスの表面付近の温度Traが窓ガラス表面の露点温度Tdよりも低いか否かを判定することにより、圧縮機9の停止制御を実施可能か否かを判定してもよい。
すなわち、窓ガラスの表面付近の温度Traが窓ガラス表面の露点温度Tdよりも低いときには、分布蒸発制御を実施する際に、車室内の乗員の快適性を保つことができると判定して、圧縮機9の停止制御を実施可能であると判定することになる。一方、窓ガラスの表面付近の温度Traが窓ガラス表面の露点温度Tdよりも高いときには、分布蒸発制御を実施する際に、車室内の乗員の快適性を保つことができないと判定して、圧縮機9の停止制御を実施不可能であると判定することになる。
(第7実施形態)
本実施形態では、内外気切替ドア4により外気導入口3bを閉じて内気導入口3aを開けた状態で、車室内に車室内空気が内気導入口3aを通して再循環する場合には、分布蒸発制御(ステップS32〜ステップS35)の実施を禁止するようにしてもよい。
これにより、分布蒸発制御の実施により圧縮機9が停止して車室内の湿度が上昇する恐れが無くなる。
(第8実施形態)
本実施形態では、電子制御装置30は、イグニッションスイッチIGがオフする毎に合計結露水量W(n)をメモリに記憶し、次にイグニッションスイッチIGがオンするときに、前回メモリに記憶した合計結露水量W(n)をメモリから読み出し、この読み出した合計結露水量W(n)を初期値として結露水量を算出する。
このようにすることで、例えば前回乗車時の結露水量が0で終了した場合であれば、イグニッションスイッチIGのオン後、即時圧縮機9を停止できるため、より省動力化へ貢献することができる。
(第9実施形態)
本実施形態では、電子制御装置30は、イグニッションスイッチIGがオンしてから圧縮機9を稼動させて所定時間経過した後に、ステップS32におけるコンプOFF制御実施可否を判定してもよい。
この場合、イグニッションスイッチIGがオンした際の結露水量の初期値を0として、その後上記所定時間経過すると、蒸発器7に付着した保水が飽和して結露水量が予め定められた最大量となっていると推定する。その後、この推定された結露水量としての最大量を初期値として結露水量算出処理(ステップS20〜S23)を実行する。
これにより、イグニッションスイッチIGのオン以前の停車時に、蒸発器7の表面から自然蒸発によって発生して空調ケーシング2に、こもっている臭気成分を、蒸発器7に凝縮される凝縮水中に再度吸収させることができ、臭気成分を直接車室内へ放出されることを防ぐことができる。また前回乗車時の結露水量が不明確な場合これを正確に算出することができ、臭いを発生させず圧縮機9を停止するタイミングをより正確に算出することができる。
(第10実施形態)
本実施形態では、上記第1実施形態における分布蒸発制御(ステップS32〜ステップS35)を実施する際に、できるだけ車室内の乗員者に臭いを気づかせないようにするために、デフモードおよびフェイスモードではなく、フットモードを実施してもよい。
これにより、分布蒸発制御(ステップS32〜ステップS35)を実施する際に、デフロスタ吹出口17およびフェイス吹出口18をそれぞれ閉じてフット吹出口19を開放させることにより、臭いを含む空調風を吹き出す吹出し口を乗員の顔から遠ざけることができる。
(第11実施形態)
上記第1実施形態では、分布蒸発制御(ステップS32〜ステップS35)を実施して蒸発器7の表面の結露水を乾かす際に、蒸発器7から蒸発した水蒸気により吹出口から車室内に吹き出される空気の湿度は高くなる。
そこで、本実施形態では、分布蒸発制御(ステップS32〜ステップS35)を実施する際に、窓ガラスの曇りを防ぐために、デフロスタ吹出口17をデフロスタドア20により閉鎖して、防曇を防ぐためにデフロスタ吹出口17から風が漏れないようにする。
(第12実施形態)
上記第1実施形態では、ステップS34にて発器吹出温度Teを徐々に上昇させる処理を実施する際に、車両走行中の外気環境の変化等により、蒸発器7の吸込み露点温度Tdewが所定温度β以上下がったら、蒸発器7に付着した結露水が短期間に乾き高濃度の臭いが発生する恐れがある。
そこで、本実施形態では、蒸発器7の吸込み露点温度Tdewが所定温度β下がったら、再びステップS32に戻り、蒸発器目標吹出温度TEOを再設定する。
図7に本実施形態の圧縮機制御処理のフローチャートを示す。図7は、図4のステップS34、S36の間にステップS37、S38を追加したものである。
本実施形態では、蒸発器温度Teを徐々に上昇させる処理(ステップS34)を実施した後、ステップS37に進んで、蒸発器7の吸込み露点温度Tdew(n)を検出する。括弧内の符号「n」は、ステップS37の実行回数(すなわち、制御周期の回数)である。吸込み露点温度Tdew(n)は、上述の如く、蒸発器前温度センサ34bの検出温度と蒸発器前湿度センサ34cの検出湿度とに基づいて算出される。
次に、ステップS38において、前回のステップS37で検出した吸込み露点温度Tdew(n−1)と、今回のステップS37で検出した吸込み露点温度Tdew(n)との差分ΔTd(=Tdew(n−1)−Tdew(n))を求め、この差分ΔTdが所定温度βよりも小さいか否かを判定する。
差分ΔTdが所定温度βよりも小さいときには、ステップS38でYESと判定して、ステップS35に移行する。
一方、差分ΔTdが所定温度βよりも大きいときには、ステップS38でNOと判定する。すなわち、蒸発器7の吸込み露点温度Tdewが所定温度β以上下がったとして、ステップS32に戻り、蒸発器目標吹出温度TEOを再設定する。つまり、吸込み露点温度Tdew(n)から所定値αを引いた値(=Tdew(n)−α)を蒸発器目標吹出温度TEOとする。それ以降、ステップS33、S34、S37、S38の処理を実行する。そして、差分ΔTdが所定温度βよりも小さくなると、ステップS38でYESと判定して、ステップS35に移行する。
以上説明した本実施形態によれば、車両走行中の外気環境の変化等により、蒸発器7の吸込み露点温度Tdewが下がっても、蒸発器目標吹出温度TEOを再設定して、蒸発器温度Teを徐々に上昇させる処理(ステップS34)を実施する。このため、蒸発器7に付着した結露水が短期間に乾き高濃度の臭いが発生することを抑制することができる。
(第13実施形態)
本実施形態では、蒸発器温度Teの徐変処理(ステップS34)を実施する際に、蒸発器温度Teが吸込み露点温度Tdewを含む温度帯域(以下、露点付近温度帯域という)が入っているときの除変速度aは、には、蒸発器温度Teが露点付近温度帯域を越えた温度になったときの除変速度bよりも遅くする。
図8に本実施形態の圧縮機制御処理のフローチャートを示す。図8は、図4のステップS33、S35の間にステップS39、S34a、S34bを追加したものである。
本実施形態では、ステップS33において、蒸発器目標吹出温度TEOが蒸発器温度Teに一致するとしてYESと判定すると、次のステップS39において、蒸発器温度Teが露点付近温度帯域に入っているか否かを判定する。
具体的には、蒸発器温度Teと吸込み露点温度Tdewとの差分の絶対値|(Te−Tdew)|が所定値γよりも大きいか否かを判定する。
ここで、差分の絶対値|(Te−Tdew)|が所定値γよりも小さいときには、蒸発器温度Teが露点付近温度帯域に入っているとして、ステップS39においてYESと判定する。これに伴い、ステップS34aに進んで、除変速度a(℃/sec)にて蒸発器温度Teを徐々に上昇させる。
差分の絶対値|(Te−Tdew)|が所定値γよりも大きいときには、蒸発器温度Teが露点付近温度帯域から外れているとして、ステップS39においてNOと判定する。これに伴い、ステップS34bに進んで、除変速度b(℃/sec)にて蒸発器温度Teを徐々に上昇させる。
除変速度a(℃/sec)は、除変速度b(℃/sec)よりも小さい(a<b)。このため、蒸発器温度Teが露点付近温度帯域に入っているときには、蒸発器温度Teが露点付近温度帯域から外れているときに比べて、蒸発器温度Teが緩やかに上昇することになる。このため、蒸発器7の表面の結露水の分布の拡大に繋がり、臭いの抑制につながる。
(第14実施形態)
本実施形態では、蒸発器温度Teの徐変処理(ステップS34)により、蒸発器温度Teが徐々に上昇中に、外乱を防ぐ目的から内外気切替ドア4により、内気導入口3aを開けて外気導入口3bを閉じて、車室内に車室内空気を内気導入口3aを通して再循環させるようにする。
(第15実施形態)
上記第1実施形態では、蒸発器温度Teの徐変処理(ステップS34)により、蒸発器温度Teが徐々に上昇中に、車速が上昇すると、蒸発器7の表面に付着した結露水が短期間に乾く可能性がある。
そこで、本実施形態では、車速が上昇すると、除変速度を遅くして結露水の蒸発に分布を持たせることを維持する。
図9に本実施形態の圧縮機制御処理のフローチャートを示す。図9は、図4のステップS33、S35の間にステップS40、S41、S34a、S34bを追加したものである。
本実施形態では、ステップS33において、蒸発器目標吹出温度TEOが蒸発器温度Teに一致するとしてYESと判定すると、次のステップS40において、自動車の速度を検出するための車速センサの検出値SPD(n)を取得する検出する。括弧内の符号「n」は、ステップS40の実行回数(すなわち、制御周期の回数)である。
次のステップS41において、自動車の速度が所定速度値δ以上上昇したか否かを判定する。具体的には、前回の検出値SPD(n−1)と今回の検出値SPD(n)との差分(SPD(n−1)−SPD(n))が所定値δよりも小さいか否かを判定する。
ここで、差分(SPD(n−1)−SPD(n))が所定値δよりも小さいときには、自動車の速度が所定速度値δ以上上昇していないとしてステップS41でYESと判定する。これに伴い、ステップS34bに進んで、除変速度b(℃/sec)にて蒸発器温度Teを徐々に上昇させる。
一方、差分(SPD(n−1)−SPD(n))が所定値δよりも大きいときには、自動車の速度が所定速度値δ以上上昇したとしてステップS41でNOと判定する。これに伴い、ステップS34aに進んで、除変速度a(℃/sec)にて蒸発器温度Teを徐々に上昇させる。
このようにステップS34a、或いはステップS34bにおいて蒸発器温度Teを徐々に上昇させた後に、ステップS35に進む。以降、上記第1実施形態と同様である。
以上説明した本実施形態によれば、除変速度a(℃/sec)は、除変速度b(℃/sec)よりも小さい(a<b)。そして、自動車の速度が所定速度値δ以上上昇しときには、蒸発器温度Teを徐々に上昇させる除変速度を速度bから速度aに低下させる。このため、蒸発器7の表面の結露水の分布の拡大に繋がり、臭いの抑制につながる。
(第16実施形態)
本実施形態では、蒸発器温度Teの徐変処理(ステップS34)により、蒸発器温度Teが徐々に上昇中に、車室内の乗員が送風機6のブロアレベルをLow→Hiに切替えた場合、蒸発器7に付着した結露水が短期間に乾く可能性がある。
そこで、本実施形態では、送風機6の風量が増加すると、除変速度を遅くして結露水の蒸発に分布を持たせることを維持する。
図10に本実施形態の圧縮機制御処理のフローチャートを示す。図10は、図4のステップS33、S35の間にステップS42、S34a、S34bを追加したものである。
本実施形態では、ステップS33において、蒸発器目標吹出温度TEOが蒸発器温度Teに一致するとしてYESと判定すると、次のステップS42において、送風機駆動用のモータ6bに与えるブロワ電圧Ve(n)に基づいて、送風機6の風量(すなわち、ブロアレベル)が所定量dw以上増加したか否かを判定する。
ブロワ電圧Ve(n)は、図2のステップS5にて送風機駆動用のモータ6bに与えられる印加電圧である。括弧内の符号「n」は、ステップS5の実行回数(すなわち、制御周期の回数)である。
そして、今回のステップS5にて送風機駆動用のモータ6bに印加されるブロワ電圧Ve(n)から、前回のステップS5にて送風機駆動用のモータ6bに印加されるブロワ電圧Ve(n−1)を引いた差分(Ve(n)−Ve(n−1))が所定量dw以上であるか否かを判定する。
差分(Ve(n)−Ve(n−1))が所定量dwよりも大きいときには、ブロアレベルをLow→Hiに切り替わったとしてステップS42において、YESと判定する。これに伴い、ステップS34aに進んで、除変速度a(℃/sec)にて蒸発器温度Teを徐々に上昇させる。
差分(Ve(n)−Ve(n−1))が所定量dwよりも小さいときには、ステップS42において、NOと判定する。これに伴い、ステップS34bに進んで、除変速度b(℃/sec)にて蒸発器温度Teを徐々に上昇させる。
このようにステップS34a、或いはステップS34bにおいて蒸発器温度Teを徐々に上昇させた後に、ステップS35に進む。以降、上記第1実施形態と同様である。
以上説明した本実施形態によれば、除変速度a(℃/sec)は、除変速度b(℃/sec)よりも小さい(a<b)。送風機6のブロアレベルをLow→Hiに切替えた場合、蒸発器温度Teを徐々に上昇させる除変速度を速度bから速度aに低下させる。このため、蒸発器7の表面の結露水の分布の拡大に繋がり、臭いの抑制につながる。
(第17実施形態)
本実施形態では、蒸発器温度Teが湿球温度に達したときに、蒸発器7の表面に所定の結露水量が残っている場合には、蒸発器7の表面の結露水に分布を持たせて乾かすことが困難で徐々に臭いを発生することが難しいと判定し、蒸発器目標吹出温度TEO(=露点温度−α)を再設定して(ステップS32)、再び除変制御(ステップS34)を実施する。
図11に本実施形態の圧縮機制御処理のフローチャートを示す。図11は、図4のステップS34、S36の間にステップS43、S44を追加したものである。
本実施形態では、除変制御(ステップS34)を実施した後、ステップS43に進んで、蒸発器前温度センサ34bの検出温度と蒸発器前湿度センサ34cの検出相対湿度とに基づいて、蒸発器7に対する空気上流側空気の湿球温度Twet(n)を推定する。括弧内の符号「n」は、ステップS43の実行回数(すなわち、制御周期の回数)である。
次に、ステップS44において、蒸発器温度Teが湿球温度Twet(n)よりも小さいか否かを判定する。
ここで、蒸発器温度Teが湿球温度Twet(n)未満であるときには(Te<Twet(n))、ステップS44においてYESと判定する。これに伴い、ステップS35に進む。このため、蒸発器温度Teが湿球温度Twet(n)未満である限り、除変制御(ステップS34)、湿球温度Twet(n)の推定(ステップS43)、ステップS44のYES判定、およびステップS35のNO判定を、合計結露水量W(n)が零になるまで繰り返す。
一方、蒸発器温度Teが湿球温度Twet(n)に一致すると(Te=Twet(n))、ステップS44においてNOと判定する。この場合、ステップS32に戻り、蒸発器目標吹出温度TEOを再設定する。
具体的には、蒸発器前温度センサ34bの検出温度と蒸発器前湿度センサ34cの検出湿度とを取得してこの取得した検出温度と検出湿度とに基づいて蒸発器7の吸込み露点温度Tdew(n+1)を求める。この求められた吸込み露点温度Tdew(n+1)から所定値α(余裕代)を引いた値(=Tdew−α)を蒸発器目標吹出温度TEO(n+1)とする。蒸発器目標吹出温度TEO(n+1)に蒸発器温度Teが一致するまでステップS33の判定を繰り返す。その後、蒸発器目標吹出温度TEO(n+1)に蒸発器温度Teが一致すると、ステップS33でYESと判定して、再び除変制御(ステップS34)を実施する。
以上説明した本実施形態によれば、蒸発器温度Teが湿球温度に達したときに、蒸発器7の表面に所定の結露水量が残っている場合には、蒸発器目標吹出温度TEOを再設定して、再び、除変制御(ステップS34)を実施する。このため、蒸発器7の表面の結露水に分布を持たせて乾かすことが可能になる。
(第18実施形態)
上記第1実施形態では、内気モードを設定した場合において車室内の乗員人数が多い場合には、乗員が起因する空調負荷が過負荷となり、除変制御(ステップS34)を実施すると快適性に支障をきたす恐れがある。
そこで、本実施形態では、内気モードを設定した場合において、車室内の乗員人数が多くて除変制御(ステップS34)を実施すると車室内の快適性に支障をきたす恐れがある場合には、除変制御(ステップS34)を中止する例について説明する。
図12に本実施形態の圧縮機制御処理のフローチャートを示す。図12は、図4のフローチャートにステップS46、S47、S48を追加したものである。
本実施形態では、除変制御(ステップS34)を実施した後、次のステップS45において、内気モードが内外気モードとして設定されているか否かと判定する。
このとき、内外気切替ドア4により少なくとも外気導入口3bが開口されているときには、内気モード以外の内外気混入モード、或いは外気モードが内外気モードとして設定されていると判定する。このため、ステップS45において、NOと判定して、ステップS35移行する。したがって、内気モード以外のモードが内外気モードとして設定されている限り、合計結露水量W(n))が零になるまで、除変制御(ステップS34)、ステップS45のNO判定、およびステップS35のNO判定を繰り返す。
また、上記ステップS45において、内気導入口3aが開口されて外気導入口3bが閉鎖されているときには、内気モードが内外気モードとして設定されているとしてYESと判定する。これに伴い、蒸発器7の吸込み露点温度Tdew(n)を検出する。括弧内の符号「n」は、ステップS37の実行回数(すなわち、制御周期の回数)である。吸込み露点温度Tdew(n)は、上述の如く、蒸発器前温度センサ34bの検出温度と蒸発器前湿度センサ34cの検出湿度とに基づいて算出される。
次に、ステップS47において、吸込み露点温度Tdew(n)の除変速度が所定速度εよりも大きいか否かを判定する。
具体的には、今回の吸込み露点温度Tdew(n)から前回の吸込み露点温度Tdew(n−1)を引いた差分ΔTdew(=Tdew(n)−Tdew(n−1))を制御周期Tで除算して除変速度S(=ΔTdew/T)を求める。そして、この求められた除変速度Sが所定速度εよりも大きいか否かを判定する。
このとき、除変速度Sが所定速度εよりも小さいときには、ステップS47においてNOと判定する。このことにより、乗員が起因する空調負荷が小さく、内気モードを設定したときに除変制御(ステップS34)を実施しても快適性に支障をきたす恐れはないと判定する。これに伴い、ステップS35に移行する。このため、乗員人数が変わらない限り、合計結露水量W(n))が零になるまで、除変制御(ステップS34)、ステップS45のYES判定、吸い込み露点温度検出(ステップS46)、ステップS47のNO判定、およびステップS35のNO判定を繰り返す。
また、ステップS47において除変速度Sが所定速度εよりも大きいときには、YESと判定する。このことにより、内気モードを設定したときに車室内の乗員人数が多くて乗員が起因する空調負荷が過大であり、除変制御(ステップS34)を実施すると車室内の快適性に支障をきたす恐れがあると判定する。これに伴い、ステップS47に進んで、除変制御(ステップS34)を中止して、今回の吸込み露点温度Tdew(n)から所定温度βを引いた温度(=Tdew(n)−β)に蒸発器目標吹出温度TEOを設定する。そして、このような蒸発器目標吹出温度TEO(=Tdew(n)−β)に蒸発器温度Teを近づけるように圧縮機9を制御する。このため、蒸発器温度Teが露点温度Tdew(n)未満の温度に維持されることになる。その後、圧縮機制御処理の実行を終了する。
以上説明した本実施形態によれば、内気モードを設定したときに除変速度S(=ΔTdew/T)が所定速度εよりも大きいときに(ステップS47:YES)、車室内の乗員人数が多くて乗員が起因する空調負荷が過大であり、除変制御(ステップS34)を実施すると車室内の快適性に支障をきたす恐れがあると判定する。この場合、除変制御(ステップS34)を中止して、吸込み露点温度Tdew(n)に蒸発器温度Teを近づけるように圧縮機9を制御する。
(第19実施形態)
上記第1実施形態では、内気モードを設定した場合において車室内の乗員人数が多い場合には、乗員の呼気が原因で湿度が上昇して露点温度の上昇速度が速くなり、除変制御(ステップS34)を実施しても、露点温度を蒸発器温度Teが滑らかに跨ぐように蒸発器温度Teを制御することができなくなる恐れがある。
そこで、本実施形態では、除変制御(ステップS34)を実施する際に、内気モードを設定した場合には、内気モード以外のモードを設定した場合に比べて、除変速度aを速くする例について説明する。
図13に本実施形態の圧縮機制御処理のフローチャートを示す。図13は、図4のステップS33、S36の間にステップS46、S47、S48を追加したものである。
本実施形態では、ステップS33において、蒸発器目標吹出温度TEOが蒸発器温度Teに一致するとしてYESと判定すると、次のステップS46において、内気モードが内外気モードとして設定されているか否かを判定する。
ここで、内気モードが内外気モードとして設定されている場合には、ステップS46においてYESと判定して、除変速度c(℃/sec)にて蒸発器温度Teを徐々に上昇させる(ステップS34b)。
一方、内気モード以外の内外気混入モード、或いは外気モードが内外気モードとして設定されている場合には、ステップS46においてNOと判定して、除変速度a(℃/sec)にて蒸発器温度Teを徐々に上昇させる(ステップS34a)。
除変速度aは、除変速度cに比べて高い値に設定されている。除変速度cとしては、所定人数分の乗員(例えば、二人の乗員)の呼気に起因する露点温度の上昇速度を加味した速度に設定されている。
このようにステップS34a、S34bのうち一方のステップにおける除変制御を実施すると、ステップ35に移行する。このため、ステップS34a、S34bのうち一方のステップにおける除変制御を合計結露水量W(n)(つまり、結露水量)が零になるまで繰り返す。その後、合計結露水量W(n)が零になると、ステップS36でYESと判定して、ステップS36に移行する。
以上説明した本実施形態によれば、内気モードが設定されている場合には、内外気混入モード、或いは外気モードが設定されている場合に比べて、除変制御の除変速度が速くなるように設定されている。よって、乗員の呼気が原因で露点温度の上昇速度が速くなっても、除変制御(ステップS34)を実施して、露点温度を蒸発器温度Teが滑らかに跨ぐように蒸発器温度Teを制御することができる。したがって、上記第1実施形態と同様に、蒸発器7の表面において結露水(凝縮水)を分布をつけて乾燥させることができる。
(第20実施形態)
本実施形態では、上記第1の実施形態の除変速度(℃/sec)を合計結露水量W(n)によって変化させる例について説明する。
具体的には、本実施形態では、図4のステップS34において蒸発器目標吹出温度TEOを上昇させる除変速度(℃/sec)を合計結露水量W(n)によって変化させることにより、蒸発器温度Teを上昇させる除変速度(℃/sec)を合計結露水量W(n)によって変化させる。
ここで、図14に示すように、合計結露水量W(n)が大きくなるほど、除変速度(℃/sec)を大きくなり、合計結露水量W(n)が小さくなるほど、除変速度(℃/sec)を小さくなる。このため、蒸発器7の表面において結露水の蒸発状態の分布を拡大することができる。
上記第21実施形態において、蒸発器7の吸込み露点温度Tdewよりも蒸発器温度Teが高いときに、合計結露水量W(n)が大きくなるほど、蒸発器温度Teを上昇させる除変速度(℃/sec)を大きくしてもよい。
上記第21実施形態では、上記第1の実施形態の除変速度(℃/sec)を合計結露水量W(n)によって変化させる例について説明したが、これに代えて、上記第2〜20の実施形態の除変速度(℃/sec)を合計結露水量W(n)によって変化させるようにしてもよい。
(第21実施形態)
上記第1実施形態では、蒸発器前温度センサ34bの検出温度と蒸発器前湿度センサ34cの検出湿度とに基づいて吸込み露点温度を求める例について説明したが、これに代えて、本実施形形態では、蒸発器前温度センサ34bの検出温度と蒸発器前湿度センサ34cの検出湿度とを用いることなく、吸込み露点温度を求める例について説明する。
以下、本実施形態の圧縮機制御処理について説明する。
図15、図16、図17は、圧縮機制御処理を示すフローチャートである。電子制御装置30は、図15、図16、図17のフローチャートにしたがって圧縮機制御処理を一定時間(制御周期τ)毎に繰り返し実行する。本実施形態の圧縮機制御処理は、内外気切替ドア4により内気導入口3aを閉じて外気導入口3bを開けた外気モードを実施する際に、実行される。
まず、ステップS30において、外気センサ31により検出される外気温Tamと目標吹出温度TAOとを用いて、圧縮機9の停止制御(OFF制御)を可能か否かを判定する。目標吹出温度TAOの算出については、上記第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
ここで、外気温Tamが目標吹出温度TAOよりも高いときには(外気温Tam>TAO)、車室内の乗員の快適性を保ちつつ、圧縮機9の停止制御を実施不可能であるとして、NOと判定する。すなわち、蒸発器7にて結露水を分布を持たせて蒸発させる分布蒸発制御の実施が不可能であると判定されることになる。これに伴い、次のステップS31において、圧縮機9の従来制御を実施する。圧縮機9の従来制御は、上記第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
一方、外気温Tamが目標吹出温度TAO以下であるときには(外気温Tam≦TAO)、車室内の乗員の快適性を保ちつつ、圧縮機9の停止制御を実施可能であるとして、YESと判定する。この場合、上記分布蒸発制御の実施が可能であると判定されることになる。これに伴い、以下のように、結露水量の算出および分布蒸発制御を実施することになる。
まず、ステップS50において、カウンタ値nを零とする(n=0)。カウンタ値nは、圧縮機9の稼働時間を測定するためのカウンタ値である。
次のステップS51において、圧縮機9の稼働を開始する(図中コンプONと記す)。この場合、蒸発器目標吹出温度TEOを既定値(例えば1℃)として、蒸発器温度Teを蒸発器目標吹出温度TEOに近づけるように圧縮機9を制御する。
次に、ステップS52において、現在、送風機6から発生する風量Vxa(0)をメモリに記録する。括弧内の数字は、カウンタの値を示している。次に、ステップS53において、蒸発器7の表面温度である蒸発器温度(図中エバ温度と記す)Te(0)をメモリに記録する。
次に、ステップS54において、カウンタ値nが既定値Pよりも大きいか否かを判定する。このことにより、圧縮機9の稼働時間が所定時間(例えば30秒間)に到達したか否かを判定することになる。このとき、カウンタ値nが既定値Pよりも小さいときには、圧縮機9の稼働時間が所定時間に到達していないとして、NOと判定する。これに伴い、ステップS55において、カウンタ値nを1つインクリメントする(n=n+1)。
そして、カウンタ値nが既定値Pよりも大きくなるまで、風量Vxa(n)の記録(ステップS52)、蒸発器温度Te(n)の記録(ステップS53)、ステップS54のNO判定、およびカウンタ値nのインクリメント(ステップS55)のそれぞれを繰り返す。
その後、カウンタ値nが既定値Pよりも大きくなると、圧縮機9の稼働時間が所定時間に到達したとして、ステップS54でYESと判定する。これに伴い、ステップS56において、圧縮機9を停止させる(図中コンプOFFと記す)。
次に、ステップ58において、現在のカウンタ値nをカウンタ値の初期値mとする(m=n)。
次に、ステップS58において、現在、送風機6から発生する風量Vxa(n)をメモリに記録する。次に、ステップS59において、蒸発器7の表面温度である蒸発器温度(図中エバ温度と記す)Te(n)をメモリに記録する。
次に、ステップS60において、過去の規定時間(例えば、10秒間)における蒸発器温度Teの移動平均値Te-ave(n)を次の数式1により求める。
Figure 2014024366
例えば、過去の規定時間において、Te(n−9)、Te(n−8)、Te(n−7)、Te(n−6)、Te(n−5)、Te(n−4)、Te(n−3)、Te(n−2)、Te(n−1)、Te(n)といった10個の蒸発器温度Teが記録されているときには、(1/10)×{Te(n−7)+Te(n−6)+Te(n−5)+Te(n−4)+Te(n−3)+Te(n−2)+Te(n−1)+Te(n)}を移動平均値Te-ave(n)とする。
次に、ステップS61において、過去の規定時間(例えば、10秒間)における蒸発器温度Teの変動(すなわち、標準偏差)Te-rmsを次の数式2により求める。
Figure 2014024366
次に、ステップS62において、蒸発器温度Teの変動Te-rmsが1℃よりも大きいか否かを判定する。このとき、蒸発器温度Teの変動Te-rmsが1℃よりも大きいときには、蒸発器温度Teが平衡状態に到達していないとして、NOと判定する。
次に、ステップS63において、カウンタ値nから初期値mを引いた差分(n−m)が既定値Rよりも大きいか否かを判定する。本実施形態の既定値Rとしては、例えば規定時間(30秒)に相当する時間である。
このとき、差分(n−m)が既定値Rよりも小さいときには、ステップS63においてNOと判定して、ステップS64において、カウンタ値nを1つインクリメントする(n=n+1)。
次に、蒸発器温度Teの変動Te-rmsが1℃よりも大きく、かつ差分(n−m)が既定値Rよりも小さい状態が維持される間には、風量Vxa(n)の記録(ステップS58)、蒸発器温度Te(n)の記録(ステップS59)、移動平均値Te-rmsの算出(ステップS60)、蒸発器温度Teの変動Te-rmsの算出(ステップS61)、ステップS62のYES判定、ステップS63のNO判定、およびカウンタ値nのインクリメント(ステップS64)のそれぞれを繰り返す。
その後、蒸発器温度Teの変動Te-rmsが1℃よりも小さくなると、蒸発器温度Teの上昇が停止して平衡状態に至ったとして、ステップS62においてNOと判定する。
次に、図16のステップS65において、蒸発器温度Teの上昇が平衡状態に至った場合において、蒸発器7に吸い込まれる空気の絶対湿度の推定値(以下、推定吸込絶対湿度Xin’という)を求める。
推定吸込絶対湿度Xin’は、蒸発器温度Teの上昇が平衡状態に至った場合における移動平均値Te-ave(n)を湿球温度とし、外気温Tamを乾球温度とした場合において求められる絶対温度である。
次のステップS65Aにおいて、蒸発器7に吸い込まれる空気の露点温度の推定値(以下、推定露点温度Tdewという)を求める。推定露点温度Tdewは、蒸発器7に吸い込まれる空気の絶対湿度を推定吸込絶対湿度Xin’とした場合に求められる露点温度である。
次に、ステップS66において、上記ステップS51で圧縮機9の稼働を開始してから蒸発器7に発生した結露水の合計量(以下、合計結露水量Wb(n)という)を次の数式3により算出する。
Figure 2014024366
ここで、dWb(i)は、所定期間dtの結露水量であって、次の数式4により求められる。括弧内の“i”は、0≦i≦nであって、カウンタ値を示している。
Figure 2014024366
ここで、Gaは、空気密度σ×Vxa(i)×dtから求められる空気重量である。Vxa(i)は、ステップS52、S58において記録されているカウンタ値毎の風量である。
Xout(i)は、蒸発器7から吹き出される空気の絶対湿度である。Xout(i)は、蒸発器7から吹き出される空気温度を蒸発器温度Te(i)とし、蒸発器7から吹き出される空気の相対湿度を100%とした場合に求められるカウンタ値毎の絶対湿度である。
次に、ステップS67において、圧縮機9の稼働を開始する(図中コンプONと記す)。この場合、蒸発器目標吹出温度TEOを既定値(例えば1℃)として、蒸発器温度Teを蒸発器目標吹出温度TEOに近づけるように圧縮機9を制御する。その後、ステップS68において、カウンタ値nをカウンタ値の初期値n’とする(n’=n)。次に、ステップS69において、現在、送風機6から発生する風量Vxa(n)をメモリに記録する。これに伴い、ステップS70において、蒸発器7の表面温度である蒸発器温度(図中エバ温度と記す)Te(n)をメモリに記録する。これに伴い、次のステップS71において、カウンタ値nを1つインクリメントする(n=n+1)。
次に、ステップS72において、この記録される風量Vxa(n)を用いて次に数式5に基づいて所定期間dtの結露水量dWc(n)を求める。
Figure 2014024366
ここで、Gaは、{空気密度σ×Vxa(n)×dt}から求められる空気重量である。Xin’は、上述の推定吸込絶対湿度である。Xout(n)は、蒸発器7から吹き出される空気温度を上記ステップS70にて記録される蒸発器温度Te(n)とし、蒸発器7から吹き出される空気の相対湿度を100%とした場合に求められるカウンタ値毎の絶対湿度である。
次に、ステップS73において、蒸発器7に発生した結露水の合計量(以下、合計結露水量Wc(n)という)を次の数式6により算出する。
Figure 2014024366
ここで、上記ステップS66で求められる合計結露水量Wb(n)をWc(n−1)とする。このため、合計結露水量Wb(n)に上記ステップS71で求められる結露水量dW(n)を加算して合計結露水量Wc(n)(=Wb(n)+dWc(n))を求めることになる。
次に、ステップS74において、カウンタ値nから初期値n’を引いた差分(n−n’)が既定値Sよりも大きいか否かを判定する。本実施形態の既定値Sとしては、例えば10秒に相当する値が用いられている。つまり、上記ステップS67において圧縮機9の稼働が開始されてから経過した時間が規定時間(例えば、10秒)以上であるか否かを判定する。
このとき、差分(n−n’)が既定値Sよりも小さいときには、上記ステップS67にて圧縮機9の稼働が開始されてから経過した時間が規定時間未満であるとして、ステップS73においてNOと判定する。
このため、差分(n−n’)が既定値Sよりも小さい値を維持する限り、風量Vxa(n)の記録(ステップS69)、蒸発器温度Te(n)の記録(ステップS70)、カウンタ値nのインクリメント(ステップS71)、結露水量dW(n)の算出(ステップS72)、合計結露水量Wc(n)の算出(ステップS73)、およびステップS74のNO判定のそれぞれを繰り返す。
その後、差分(n−n’)が既定値Sよりも小さいときには、上記ステップS67にて圧縮機9の稼働が開始されてから経過した時間が規定時間未満であるとして、ステップS74においてYESと判定する。
次に、図17のステップS32に進んで、分布蒸発制御(ステップS32〜S36)を実施する。以下、分布蒸発制御の概略について説明する。
まず、ステップS32において、上記ステップS65Aで求められる推定露点温度Tdewから所定値α(余裕代)を引いた値(=Tdew−α)を蒸発器目標吹出温度TEOとし、蒸発器目標吹出温度TEOに蒸発器温度Teを近づけるように圧縮機9を制御する。
その後、蒸発器目標吹出温度TEOに蒸発器温度Teが一致するまでステップS33のNO判定を繰り返すことになる。そして、蒸発器目標吹出温度TEOと蒸発器温度Teとが一致すると、ステップS33でYESと判定する。
これに伴い、次のステップS34に進んで、蒸発器目標吹出温度TEOを所定値Δt上昇させて、この上昇させた蒸発器目標吹出温度TEOに蒸発器温度Teを近づけるように圧縮機9を制御する。
その後、上記ステップS69、S70、S71と同様に、現在、送風機6から発生する風量Vxa(n)をメモリに記録し(ステップS80)、蒸発器7の表面温度である蒸発器温度Te(n)をメモリに記録し(ステップS81)、風量Vxa(n)に基づいて所定期間dtの結露水量dW(n)を求める(ステップS82)。
次に、ステップS83において、蒸発器7に発生した結露水の合計量(以下、合計結露水量W(n)という)を次の数式7により算出する。
Figure 2014024366
ここで、上記ステップS73で求められる合計結露水量Wc(n)をW(n−1)とする。このため、合計結露水量Wb(n)に上記ステップS82で求められる結露水量dW(n)を加算して合計結露水量W(n)(=Wb(n)+dW(n))を求めることになる。次のステップS35において、合計結露水量W(n)が零であるか否かを判定する。合計結露水量W(n)>0であるときには、NOと判定して、ステップS34に進んで、蒸発器目標吹出温度TEOを所定値Δt上昇させて、この上昇させた蒸発器目標吹出温度TEOに蒸発器温度Teを近づけるように圧縮機9を制御する。
このため、合計結露水量W(n)>0である限り、風量Vxa(n)の記録(ステップS80)、蒸発器温度Te(n)の記録(ステップS81)、結露水量dW(n)の算出(ステップS82)、合計結露水量W(n)の算出(ステップS83)、ステップS35のNO判定、およびTeの徐変(ステップS34)のそれぞれを繰り返す。
このような制御により、蒸発器温度Teが徐々に上昇して蒸発器7に生じる露水量が減少する。これに伴い、ステップS83で求められる合計結露水量W(n)が小さくなる。その後、合計結露水量W(n)が零になると、ステップS35でYESと判定して、ステップS36において、圧縮機9を停止させる。
次に、本実施形態の作動の各プロセスについて図18(a)、(b)を参照して説明する。図18(a)、(b)の横軸は時間、図18(a)の縦軸は温度である。図18(a)中の太い実線は、蒸発器目標吹出温度TEOを示し、鎖線は蒸発器温度Teである。図18(b)の縦軸は合計結露水量W(n)を示している。
図18(a)中のA、B、B’、B”C、D、E、F、Gは各プロセスを示している。P1はプロセスA、Bの間のプロセス、P2はプロセスB、B’の間のプロセス、P2’はプロセスB’、Cの間のプロセス、P2はプロセスC、Dの間のプロセス、P4はプロセスD、Eの間のプロセス、P5はプロセスE、Fの間のプロセス、P6はプロセスF、Gの間のプロセスである。
図18(a)のP1およびP2のプロセスにて、所定期間の間に亘って圧縮機9を稼動させる。このとき、風量Vxa(n)および蒸発器温度Te(n)をそれぞれ記録する(ステップS52、S53)。
次のP2’のプロセスにて、蒸発器目標吹出温度TEOを上昇させる。このような蒸発器目標吹出温度TEOに蒸発器温度Teを近づけるように圧縮機9を制御する。このため、プロセスB’で圧縮機9を停止することになる(ステップS56)。これにより、蒸発器温度Teが上昇し平衡状態となる。この平衡状態になった温度が湿球温度twetであると推定する(図18(a)中B’’参照)。
このとき、湿球温度twetと外気センサ31により検出される外気温Tamとから、推定吸込絶対湿度Xin’、および推定露点温度Tdewを算出して(ステップS65、S65A)、この算出される推定吸込絶対湿度Xin’、および吸込み露点温度Tdewを用いて、合計結露水量Wb(n)を算出する(ステップS66)。その後、プロセスCにおいて、規定期間の間において圧縮機9を稼働させて、合計結露水量Wc(n)算出する(ステップS67〜S74)。
この推定した結露水量を除々に蒸発させるために、図18中プロセスCにおいて、再び、蒸発器温度Teを吸込み露点温度Tdewを超えない温度(Tdew−α)に設定したのち、上記第1実施形態と同様に、プロセスD、E、F、Gを実施する。
すなわち、上記結露水量を除々に蒸発させるために、再び、P3のプロセスで、蒸発器7の吸込み露点温度Tdewを超えない温度に蒸発器目標吹出温度TEO(=Tdew−α)を設定する(ステップS32)。次のDのプロセスで、蒸発器温度Teが蒸発器目標吹出温度TEOに追従したことを確認すると(ステップS33:YES)、P4のプロセスで、蒸発器目標吹出温度TEOを除々に上昇させる(ステップS34)。つまり、蒸発器目標吹出温度TEOが蒸発器7の吸込み露点温度Tdewを滑らかに跨がせることになる。
以上説明した本実施形態によれば、蒸発器前温度センサ34bの検出温度と蒸発器前湿度センサ34cの検出湿度とを用いることなく、上記第1実施形態と同様に、合計結露水量W(n)を算出することができる。このことにより、蒸発器7の表面において結露水(凝縮水)を分布をつけて乾燥させることができる。したがって、臭い成分が飛散しきるまでに要する時間の長期化を抑えつつ、省動力化を図った実用的な車両用空調装置を提供することができる。
(第22実施形態)
本実施形態では、上記第1〜22の実施形態にて内気モードを設定して除変制御を実施して結露水が乾き終わったら、車室内に少なからず発生した臭気を換気する目的で外気モードに切り替えて車室内に外気を取り入れる。
(第23実施形態)
本実施形態の蒸発器7は、フィンピッチが相違する複数のフィンを用いて蒸発器7の表面の温度分布の発生を促進する。
図19に蒸発器7の構造を示す。本実施形態の蒸発器7は、冷媒が流れるチューブの外表面に接合されるコルゲートフィン7a、7b、7c、7d、7eを備える。コルゲートフィン7a、7b、7c、7d、7eは、それぞれ、蛇行状に形成されてチューブの熱交換を促進する。本実施形態のコルゲートフィン7a、7b、7c、7d、7eのフィンピッチが互いに相違する。したがって、蒸発器7を通過する風速分布を拡大することができる。このため、蒸発器7の表面の温度分布の発生を促進することができる。このことにより、蒸発器7の表面において結露水の乾燥の分布を拡大することができる。したがって、除変制御(ステップS34)の効果をより発揮することができる。
上記実施形態では、フィンピッチが相違する複数のフィンを用いて蒸発器7の表面の温度分布の発生を促進する例について説明したが、これに代えて、次の(a)、(b)ようにしてもよい。
(a)コルゲートフィン7a、7b、7c、7d、7eの厚み寸法を互いに異なるように設定する。
(b)コルゲートフィン7a、7b、7c、7d、7eの熱容量を互いに異なるように設定することにより、コルゲートフィン7a、7b、7c、7d、7eの材質を互いに異なるように設定する。
(第24実施形態)
本実施形態では、蒸発器7を通過する風速分布を生じさせるために、蒸発器7に対して空気上流側にスライドドアを設ける例について説明する。
図20に本実施形態のスライドドア70a、70bの構造を示す。スライドドア70aは、蒸発器7の空気流入口の上半分側を遮蔽可能に構成されている。スライドドア70bは、蒸発器7の空気流入口の下半分側を遮蔽可能に構成されている。スライドドア70a、70bは、サーボモータ(図示省略)により移動可能に構成されている。サーボモータは、電子制御装置30によって制御されるようになっている。
本実施形形態では、蒸発器温度Teを徐々に上昇させる徐変制御(ステップS34)を実施する際には、スライドドア70aによって、蒸発器7の空気流入口の上半分側を遮蔽し、かつスライドドア70bによって、蒸発器7の空気流入口の下半分側を開放する。このため、蒸発器7の上半分側と下半分側とで風速分布を生じさせることができる。これ加えて、蒸発器7を通過する空気の流れに変化を設けることができおる。したがって、除変制御(ステップS34)の効果をより発揮することができる。
上記実施形態では、蒸発器7を通過する風速分布を生じさせるために風速分布発生手段としてスライドドア70a、70bを設けた例について説明したが、これに代えて、蒸発器7の空気上流側にリブ、ガイドなどを設けてもよい。
(第25実施形態)
本実施形態では、蒸発器7の表面に付着した結露水の蒸発に対して分布を持たせるために蒸発器7の表面に温度分布が形成されて、除変制御の効果をより発揮させる。
図21は、膨張弁12のオン(ON)、オフ(OFF)を示すタイミングチャートである。図22(a)、(b)、(c)、(d)は、膨張弁12のオン、オフに伴う蒸発器7の表面温度の変化を示す図である。図21中の(a)は、図22(a)に対応し、図21中の(b)は図22(b)に対応し、図21中の(c)は図22(c)に対応し、図21中の(d)は図22(d)に対応している。
まず、電子制御装置30は、膨張弁12を制御して、オン→オフ→オン→オフの順に膨張弁12の作動状態を変化させる。
まず、膨張弁12がオンしているときには、膨張弁12からの低温冷媒が蒸発器7に流れる。このため、低温冷媒によって、蒸発器7の全面が冷却される。
次に、膨張弁12がオフすると、膨張弁12から低温冷媒が蒸発器7に流れることが停止される。このため、蒸発器7のうち冷媒入口側に、温暖化した部分(以下、温暖化部分71aという)が形成される。
次に、膨張弁12がオンしているときには、膨張弁12から低温冷媒が蒸発器7に流れて、温暖化部分71aが冷媒出口側に移動する。
次に、膨張弁12がオフすると、膨張弁12から低温冷媒が蒸発器7に流れることが停止される。このため、温暖化部分71aが冷媒出口側に移動し、蒸発器7のうち冷媒入口側に、温暖化部分71bが形成される。
このように、膨張弁12がオン、オフを繰り返すことにより、蒸発器7の温度分布が形成される。したがって、除変制御(ステップS34)の効果をより発揮することができる。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、冷凍サイクル装置8を構成する蒸発器7を冷却器として用いた例について説明したが、これに代えて、ペルチェ素子を冷却器として用いてもよい。
上記各実施形態では、蒸発器7の表面うち空気流れ下流側の温度Teを蒸発器温度センサ34aによって検出した例について説明したが、これに代えて、蒸発器温度センサ34aを蒸発器7に対して空気流れ下流側に配置して蒸発器7から吹き出される空気温度Teを蒸発器温度センサ34aによって検出するようにしてもよい。
上記各実施形態では、蒸発器前温度センサ34a、および蒸発器前湿度センサ34bを、送風ファン6aと蒸発器7との間に配置した例について説明したが、これに代えて、内気導入口3aおよび外気導入口3bと送風ファン6aとの間に、蒸発器前温度センサ34a、および蒸発器前湿度センサ34bを配置してもよい。
1 室内空調ユニット
2 空調ケーシング
3 内外気切替箱
4 内外気切替ドア
5 サーボモータ
6 送風機6
6a 送風ファン
6b モータ
7 蒸発器
8 冷凍サイクル装置
9 圧縮機
10 凝縮器
11 受液器
30 電子制御装置
31 外気センサ
33 日射センサ
34a 蒸発器温度センサ
34b 蒸発器前温度センサ
34c 蒸発器前湿度センサ
36 水温センサ
9a 電磁クラッチ

Claims (38)

  1. 車室内に向かって吹き出される空気を冷却する冷却器(7)と、
    前記冷却器の表面に付着している結露水の蒸発状態に分布を付けて前記結露水を乾かすために、前記冷却器の表面温度を徐々に上昇させるように前記冷却器を制御する徐変制御手段(30)と、
    を備えることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記徐変制御手段は、前記冷却器の表面温度を徐々に上昇させるように前記冷却器を制御することにより、前記冷却器に対して空気流れ上流側空気の露点温度に対して前記冷却器の表面温度を跨がせるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記冷却器は、冷媒を圧縮する圧縮機(9)とともに、前記冷媒を循環させる冷凍サイクル装置を構成することを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記徐変制御手段は、前記冷却器の表面に付着している結露水の蒸発状態に分布を付けて前記結露水を乾かすために、前記冷却器の表面温度を徐々に上昇させるように前記圧縮機を制御することを特徴とする請求項3に記載の車両用空調装置。
  5. 前記冷却器に付着している結露水の水量を算出する結露水量算出手段(S23)と、
    前記結露水量算出手段により算出される結露水の水量が零であるか否かを判定する結露水量判定手段(S35)と、
    前記結露水量算出手段により算出される結露水の水量が零であると前記結露水量判定手段が判定した場合に、前記圧縮機を停止する停止手段(S36)と、
    を備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  6. 前記停止手段は、前記結露水量算出手段により算出される結露水の水量が零であると前記結露水量判定手段が判定してから所定期間経過したときに前記圧縮機を停止することを特徴とする請求項5に記載の車両用空調装置。
  7. 車室外の空気温度を検出する外気温検出手段(31)と、
    前記冷却器の表面温度、或いは前記冷却器から吹き出される空気温度を検出できる第1の冷却器温度検出手段(34a)と、
    前記車室内空気を前記空調ケーシングに導入する内気導入口(3a)と、車室外空気を前記空調ケーシングに導入する外気導入口(3b)と、前記内気導入口および前記外気導入口のうち一方を開閉するドア(4)とを備える内外気切替器(3)と、を備え、
    前記ドアによって前記内気導入口を閉じて、かつ前記外気導入口を開けた状態で、前記徐変制御手段が前記冷却器を制御するものであり、
    前記結露水量算出手段は、
    前記冷却器に対して空気流れ上流側の車室外空気の相対湿度を100%と仮定し、この仮定される相対湿度と前記外気温検出手段の検出温度とに基づいて前記冷却器に対して空気流れ上流側空気の絶対湿度(Xin)を算出する第1の手段と、
    前記冷却器に対して空気流れ下流側空気の相対湿度を100%と仮定し、この仮定される相対湿度と前記第1の冷却器温度検出手段の検出温度とに基づいて前記冷却器に対して空気流れ下流側空気の絶対湿度(Xout)を算出する第2の手段と、
    前記上流側空気の絶対湿度と前記空気流れ下流側空気の絶対湿度との間の差分に基づいて結露水の水量を算出する第3の手段と、を備えることを特徴とする請求項5または6に記載の車両用空調装置。
  8. 前記冷却器の表面温度、或いは前記冷却器から吹き出される空気温度を検出できる第1の冷却器温度検出手段(34a)と、
    前記冷却器に対して空気流れ上流側空気の温度を検出する第2の冷却器温度検出手段(34b)と、
    前記冷却器に対して空気流れ上流側空気の湿度を検出する湿度検出手段(34c)と、を備え、
    前記結露水量算出手段は、
    前記第2の冷却器温度検出手段の検出温度と前記湿度検出手段の検出湿度とに基づいて、前記冷却器に対して空気流れ上流側空気の絶対湿度(Xin)を算出する第1の手段と、
    前記冷却器を通過した空気の相対湿度を100%と仮定し、この仮定される相対湿度と前記第1の冷却器温度検出手段の検出温度とに基づいて前記冷却器に対して空気流れ下流側空気の絶対湿度(Xout)を算出する第2の手段と、
    前記上流側空気の絶対湿度(Xin)と前記空気流れ下流側空気の絶対湿度との間の差分に基づいて前記結露水の水量を算出する第3の手段(S22、S23)と、を備えることを特徴とする請求項5または6に記載の車両用空調装置。
  9. 前記車室内空気を前記空調ケーシングに導入する内気導入口(3a)と、車室外空気を前記空調ケーシングに導入する外気導入口(3b)と、前記内気導入口および前記外気導入口のうち一方を開閉するドア(4)とを備える内外気切替器(3)を備え、
    前記ドアによって前記内気導入口を閉じて、かつ前記外気導入口を開けた状態で、前記徐変制御手段が前記冷却器を制御するものであり、
    車室外の空気温度を検出する外気温検出手段(31)と、
    前記冷却器の表面温度、或いは前記冷却器から吹き出される空気温度を検出できる第1の冷却器温度検出手段(34a)と、
    前記外気温検出手段の検出温度毎に前記外気温検出手段の検出温度に対応する前記車室外空気の平均相対湿度を記憶する記憶手段と、を備え
    前記結露水量算出手段は、
    前記記憶手段に記憶される前記検出温度毎の平均相対湿度に基づいて、前記外気温検出手段の検出温度に対応する車室外空気の平均相対湿度を算出し、この算出される相対湿度と前記外気温検出手段の検出温度とに基づいて前記冷却器に対して空気流れ上流側空気の絶対湿度(Xin)を算出する第1の手段と、
    前記冷却器を通過した空気の相対湿度を100%と仮定し、この仮定される相対湿度と前記第1の冷却器温度検出手段の検出温度とに基づいて前記冷却器に対して空気流れ下流側空気の絶対湿度(Xout)を算出する第2の手段と、
    前記上流側空気の絶対湿度と前記空気流れ下流側空気の絶対湿度との間の差分に基づいて前記結露水の水量を算出する第3の手段と、を備えることを特徴とする請求項5または6に記載の車両用空調装置。
  10. 前記徐変制御手段を実施した際に前記車室内の乗員の快適性を保つことができるか否かを判定する快適性判定手段(S30)を備え、
    前記徐変制御手段を実施した際に前記車室内の乗員の快適性を保つことができると前記快適性判定手段が判定したときに、前記徐変制御手段の実施が開始されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  11. 前記冷却器を収納して、かつ前記車室内へ向かって空気が送風される空気通路を構成する空調ケーシング(2)と、
    前記車室内の空気温度を予め定められた設定温度に維持するために、前記空調ケーシングから吹き出すことが必要である目標吹出温度(TAO)を算出する算出手段(S4)と、
    前記徐変制御手段を実施した際に前記車室内の乗員の快適性を損なうと前記快適性判定手段が判定したときに、前記空調ケーシングから吹き出される空気温度を前記目標吹出温度(TAO)に近づけるように前記冷却器を制御する空調制御手段(S31)と、
    を備えることを特徴とする請求項10に記載の車両用空調装置。
  12. 前記第2の冷却器温度検出手段の検出温度が前記目標吹出温度よりも低いときには、前記徐変制御手段を実施した際に前記車室内の乗員の快適性を保つことができると前記快適性判定手段が判定することを請求項11に記載の車両用空調装置。
  13. 車両の窓ガラス付近の温度が前記窓ガラス付近の露点温度よりも低いときには、前記徐変制御手段を実施した際に前記車室内の乗員の快適性を保つことができると前記快適性判定手段が判定することを特徴とする請求項11に記載の車両用空調装置。
  14. 前記車室内空気を前記空調ケーシングに導入する内気導入口(3a)と、車室外空気を前記空調ケーシングに導入する外気導入口(3b)と、前記内気導入口および前記外気導入口のうち一方を開閉するドア(4)とを備える内外気切替器(3)を備えることを特徴とする請求項13に記載の車両用空調装置。
  15. 前記ドアによって前記内気導入口を開けて、かつ前記外気導入口を閉鎖するときに、前記徐変制御手段を実施した際に前記車室内の乗員の快適性を損なうと前記快適性判定手段が判定して、前記徐変制御手段の実施が禁止されるようになっていることを特徴とする請求項14に記載の車両用空調装置。
  16. 前記イグニッションスイッチ(IG)がオンされる毎に前記結露水量算出手段が前記結露水の水量を算出し、
    前記イグニッションスイッチ(IG)のオフに伴って前記結露水量算出手段によって算出される結露水の水量をメモリに記憶する記憶制御手段を備え、
    前記イグニッションスイッチ(IG)がオンされるとき、前記結露水量算出手段は、前記メモリに記憶される結露水の水量を初期値として前記結露水の水量を算出することを特徴とする請求項5ないし15のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  17. 前記冷却器に対して空気上流側空気の露点温度よりも前記冷却器の表面温度が低くなるように所定期間に亘って前記冷却器を制御する初期制御手段(30)を備え、
    前記結露水量算出手段は、前記初期制御手段による前記冷却器の制御が終了したときに、前記冷却器の表面に付着している結露水の水量が予め定められている最大量であると仮定し、この仮定される水量を初期値として前記結露水の水量を算出することを特徴とする請求項5または6に記載の車両用空調装置。
  18. 前記冷却器に対して空気流れ上流側空気の露点温度よりも低い温度に前記第1の冷却器温度検出手段の検出温度を一致させるように前記冷却器を制御する第1の制御手段(S32)と、
    前記第1の制御手段の実施が開始された後、前記露点温度よりも低い温度に前記第1の冷却器温度検出手段の検出温度に一致したか否かを判定する温度判定手段(S33)と、
    前記露点温度よりも所定温度低い温度に前記第1の冷却器温度検出手段の検出温度に一致したと前記温度判定手段が判定したときに、前記徐変制御手段の実施が開始されることを特徴とする請求項5ないし17のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  19. 前記冷却器に流れ込む空気の湿球温度を取得する取得手段(S43)と、
    前記冷却器の表面温度が前記湿球温度に到達したか否かを判定する温度到達判定手段(S44)と、を備え、
    前記冷却器の表面温度が前記湿球温度に到達したと前記温度到達判定手段が判定し、かつ前記結露水量算出手段により算出される結露水の水量が所定量以上であると前記結露水量判定手段が判定した場合に、前記露点温度算出手段により再度露点温度を算出し、この算出される露点温度よりも所定温度低い温度に前記第1の冷却器温度検出手段の検出温度が一致したと前記温度判定手段が判定したときに、前記徐変制御手段の実施開始されることを特徴とする請求項18に記載の車両用空調装置。
  20. 前記露点温度が所定温度下がったか否かを判定する露点温度判定手段(S38)を備え、
    前記徐変制御手段が前記冷却器の表面温度を徐々に上昇させるように前記冷却器を制御している場合に、前記露点温度が所定温度下がったと前記露点温度判定手段が判定したとき、前記露点温度よりも所定温度低い温度に前記第1の冷却器温度検出手段の検出温度を一致させるように前記第1の制御手段が前記冷却器を再度制御し、前記露点温度よりも所定温度低い温度に前記第1の冷却器温度検出手段の検出温度に一致したと前記温度判定手段が判定したときに、再度、前記徐変制御手段の実施が開始されるようになっていることを特徴とする請求項19に記載の車両用空調装置。
  21. 前記空調ケーシングは、車室内の乗員下半身にむけて空気を吹き出すフット開口部(19)と、
    前記フット開口部を開閉するフットドア(22)とを備え、
    前記徐変制御手段は、前記フット開口部を前記フットドアにより開口しているときに、前記冷却器の表面温度を徐々に上昇させるように前記冷却器を制御することを特徴とする請求項1ないし20のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  22. 前記空調ケーシングは、車両の窓ガラスの内面にむけて空気を吹き出すデフロスタ開口部(17)と、
    前記デフロスタ開口部を開閉するデフロスタドア(20)とを備え、
    前記徐変制御手段は、前記デフロスタ開口部を前記デフロスタドアが閉鎖したときに、前記冷却器の表面温度を徐々に上昇させるように前記冷却器を制御することを特徴とする請求項1ないし21のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  23. 前記徐変制御手段が前記冷却器の表面温度を徐々に上昇させるように前記冷却器を制御する際に、前記冷却器の表面温度が前記露点付近の所定温度帯を通過する場合には、前記冷却器の表面温度が前記所定温度帯よりも高い温度帯を通過する場合に比べて、前記徐変制御手段によって前記冷却器の表面温度を上昇させる速度を遅くするようになっていることを特徴とする請求項1ないし22のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  24. 前記ドアによって前記内気導入口を開けて、かつ前記外気導入口を閉鎖するときに、前記徐変制御手段が前記冷却器の表面温度を徐々に上昇させるように前記冷却器を制御することを特徴とする請求項14に記載の車両用空調装置。
  25. 前記ドアによって前記内気導入口を開けて、かつ前記外気導入口を閉鎖するときに、前記徐変制御手段が前記冷却器の表面温度を徐々に上昇させるように前記冷却器を制御した後に、前記ドアによって前記外気導入口を開けるようになっていることを特徴とする請求項24に記載の車両用空調装置。
  26. 前記冷却器に対する空気流れ上流側空気の露点温度の上昇速度が所定速度よりも速いか否かを判定する速度判定手段(S41)と、
    前記ドアによって前記内気導入口を開けて、かつ前記外気導入口を閉鎖するときに、前記徐変制御手段が前記冷却器の表面温度を徐々に上昇させるように前記冷却器を制御しているときに、前記露点温度の上昇速度が所定速度よりも速いと前記速度判定手段が判定したときには、前記徐変制御手段の実施を停止し、かつ前記冷却器の表面温度を前記露点温度よりも低い温度に近づけるように前記冷却器を制御する温度制御手段(S48)と、を備えることを特徴とする請求項1ないし25のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  27. 前記車室内空気を前記空調ケーシングに導入する内気導入口(3a)と、車室外空気を前記空調ケーシングに導入する外気導入口(3b)と、前記内気導入口および前記外気導入口のうち一方を開閉するドア(4)とを備える内外気切替器(3)を備え、
    前記ドアによって前記内気導入口を開けて、かつ前記外気導入口を閉鎖する場合には、前記ドアによって前記外気導入口を開ける場合に比べて、前記徐変制御手段(34a)によって前記冷却器の表面温度を上昇させる速度を速くすることを特徴とする請求項5または6に記載の車両用空調装置。
  28. 車速が所定速度上昇したか否かを判定する速度判定手段(S41)を備え、
    前記車速が所定速度上昇したと前記速度判定手段が判定したときには、前記車速が所定速度上昇したと前記速度判定手段が判定する前に比べて、前記徐変制御手段(34b)によって前記冷却器の表面温度を上昇させる速度を遅くするようになっていることを特徴とする請求項1ないし26のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  29. 前記冷却器を通過して前記車室内に向かって吹き出される空気流を発生させる送風機(6)と、
    前記送風機により送風される風量が所定量増加したか否かを判定する風量判定手段(S42)とを備え、
    前記風量が所定量増加したと前記風量判定手段が判定したときには、前記風量が所定量増加したと前記風量判定手段が判定する前に比べて、前記徐変制御手段によって前記冷却器の表面温度を上昇させる速度を遅くするようになっていることを特徴とする請求項1ないし26のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  30. 前記結露水量算出手段により算出される結露水の水量が多いほど前記徐変制御手段によって前記冷却器の表面温度を徐々に上昇させる速度を速くするようになっていることを特徴とする請求項5に記載の車両用空調装置。
  31. 前記冷却器の表面温度が前記冷却器に対して空気流れ上流側空気の露点温度よりも高いときに、前記結露水量算出手段により算出される結露水の水量が多いほど前記徐変制御手段によって前記冷却器の表面温度を上昇させる速度を速くするようになっていることを特徴とする請求項30に記載の車両用空調装置。
  32. 前記車室内空気を前記空調ケーシングに導入する内気導入口(3a)と、車室外空気を前記空調ケーシングに導入する外気導入口(3b)と、前記内気導入口および前記外気導入口のうち一方を開閉するドア(4)とを備える内外気切替器(3)を備え、
    前記ドアによって前記内気導入口を閉じて、かつ前記外気導入口を開けた状態で、前記徐変制御手段が前記冷却器を制御するものであり、
    前記冷却器の表面温度、或いは前記冷却器から吹き出される空気温度を検出できる第1の冷却器温度検出手段(34a)と、
    車室外の空気温度を検出する外気温検出手段(31)と、
    前記ドアによって前記内気導入口を閉じて、かつ前記外気導入口を開けた状態で、前記外気導入口から導入される外気を前記冷却器によって所定期間に亘って冷却させた後、前記冷却器による前記空気の冷却を停止させるように前記冷却器を制御する冷却停止制御手段(S50〜S56)と、
    前記冷却停止制御手段が前記冷却器による前記空気の冷却を停止させた後に前記第1の冷却器温度検出手段の検出温度が飽和したときに、この飽和した温度を湿球温度として取得し、この取得される湿球温度と前記外気温検出手段の検出温度とに基づいて前記冷却器に対して空気流れ上流側の絶対湿度を求める絶対湿度算出手段(S65)とを備え、
    前記結露水量算出手段は、
    前記徐変制御手段が前記冷却器を制御しているときの前記冷却器に対して空気流れ上流側の絶対湿度(Xin)を前記第1の湿度算出手段の算出値とする第1の手段と、
    前記冷却器の空気下流側の相対湿度を100%と仮定し、この仮定される相対湿度と前記徐変制御手段が前記冷却器を制御しているときに前記第1の冷却器温度検出手段によって検出される温度とに基づいて前記冷却器に対して空気流れ下流側の絶対湿度(Xout)を求める第2の手段と、
    前記上流側空気の絶対湿度と前記空気流れ下流側空気の絶対湿度との間の差分に基づいて前記結露水の水量を算出する第3の手段と、を備えることを特徴とする請求項5または6に記載の車両用空調装置。
  33. 前記冷却停止制御手段によって前記外気を冷却させてから前記徐変制御手段が制御を開始するまでに前記冷却器に付着する結露水の水量を算出する初期値水量算出手段(S66、S72、S73)を備え、
    前記結露水量算出手段は、前記初期値水量算出手段の算出値を初期値として、前記結露水の水量を算出することを特徴とする請求項32に記載の車両用空調装置。
  34. 前記冷却器の表面に温度分布を形成するように前記冷却器が構成されていることを特徴とする請求項1ないし33のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  35. 前記冷却器を通過する空気の流速に分布を形成するように前記冷却器が構成されていることを特徴とする請求項1ないし33のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  36. 前記冷却器は、前記冷媒が流れるチューブと、前記チューブ内の冷媒と前記空気との間の熱交換を促すために波状に形成される複数のコルゲートフィン(7a、7b、7c、7d、7e)とを備え、
    前記複数のコルゲートフィンは、それぞれ、相違するフィンピッチにて波状に形成されていることを特徴とする請求項34または35に記載の車両用空調装置。
  37. 前記冷却器に対して空気流れ上流側に配置され、前記冷却器を通過する空気の流速に分布を形成するように前記冷却器に流れる空気流れを案内するガイド部材(70a、70b)を備えることを特徴とする請求項1ないし33のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  38. 前記冷凍サイクル装置を構成する減圧弁により前記冷却器に流れる冷媒流量を制御して前記冷却器の表面に温度分布を形成する減圧弁制御手段(30)を備えることを特徴とする請求項3ないし33のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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