JP2014023920A - カーリングブラシ用検出装置、カーリングブラシ及びカーリング用測定システム - Google Patents

カーリングブラシ用検出装置、カーリングブラシ及びカーリング用測定システム Download PDF

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勝美 宮越
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Abstract

【課題】いかなるスウィーピング動作においても、スウィーピング動作の際にカーリングブラシにかかる力を正しく測定することができるカーリングブラシ用検出装置、カーリングブラシ及びカーリング用測定システムを提供する。
【解決手段】カーリングブラシ10のブラシシャフト部2にかかる応力に応じた電気的信号を検出する応力検出手段4と、ブラシシャフト部2の傾きに応じた電気的信号を検出する傾き検出手段5とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、カーリング競技の技術指導や技術研究に用いるカーリングブラシ用検出装置、この検出装置を備えたカーリングブラシ及びこのカーリングブラシを備えたカーリング用測定システムに関する。
カーリングは主に冬季に行われるスポーツの一種で、円盤状のストーンを氷上で滑走させ、その進路をブラシ(カーリングブラシ)で掃く動作(スウィーピング)により、ストーンの速度や方向を制御し、所定の円(ハウス)に入れて得点を競う競技である。このスウィーピングは競技における重要な技術であり、その技術の向上を図るために、スウィーピングのフォームやストロークの速さ、距離及び氷に加わる力などの関係を研究することが望まれている。
非特許文献1には、棒状のブラシシャフト部の先端に氷面と接触するブラシヘッド部を備えたカーリングブラシにおいて、ブラシヘッド部内に歪ゲージや加速度センサを取り付ける技術が開示されている。このカーリングブラシは、歪ゲージや加速度センサによりブラシ部にかかる圧力や加速度を検出し、スウィーピングにおいて氷面に作用する荷重やストロークを測定し、スウィーピング動作についての研究に役立てようとするものである。
Design and use of an instrumented curling brush,BUCKINGHAM M−P, MARMO B A, BLACKFORD J R (Univ. Edinburgh, Edinburgh, Proc Inst Mech Eng Pt L J Mater Des Appl, Vol.220 No.4 Page.199−205(2006.10))
しかし、非特許文献1の技術を適用したカーリングブラシによると、ブラシヘッド部と氷面との角度が変化した際に、氷面に作用する力を正確に測定することができないという問題がある。すなわち、ブラシヘッド部がブラシシャフト部に固定されている場合は、スウィーピングをする者のブラシシャフトの持ち方によってブラシヘッド部と氷面との角度が大きく変わる。ブラシヘッド部が、ブラシシャフト部に対する角度が可動するよう備えられている場合であっても、スウィーピング際の前後移動に伴う摩擦力によってブラシヘッド部が揺動するので、ブラシヘッド部と氷面との角度が細かく変化する。ブラシヘッド部と氷面との角度が変化すると、歪ゲージが測定する値と、ブラシヘッド部にかかる水平方向の力及び垂直方向の力との関係が変化するので、歪みゲージによってスウィーピングブラシにかかる力、すなわちスウィーピングで氷面に作用する力を正しく検出することができない。
従って本発明の目的は、いかなるスウィーピング動作においても、スウィーピングの際にカーリングブラシにかかる力を正しく測定することができるカーリングブラシ用検出装置、カーリングブラシ及びカーリング用測定システムを提供することにある。
本発明のカーリングブラシ用検出装置は、カーリングブラシのブラシシャフト部にかかる応力に応じた電気的信号を検出する応力検出手段と、ブラシシャフト部の傾きに応じた電気的信号を検出する傾き検出手段とを備えている。
応力検出手段により応力に応じた電気信号を検出し、傾き検出手段により傾きに応じた電気的信号を検出するので、これらの電気信号を分析することで、応力を傾きの値に応じて分析し、ブラシヘッド部にかかる水平荷重及び垂直荷重の値を導出することができる。そのため、いかなるスウィーピング動作においても、スウィーピングの際にカーリングブラシにかかる力(スウィーピング力)を正しく測定でき、カーリングブラシを介して氷面にかかる力を分析し、スウィーピングのフォーム及びストローク等の解析に役立てることができるカーリングブラシ用検出装置を提供することができる。
応力検出手段は、ブラシシャフト部に設けられ、このブラシシャフト部の歪を検出する歪ゲージであることが好ましい。歪ゲージを用いることで、ブラシシャフト部の歪みを検出し、ブラシシャフト部にかかる応力に応じた電気信号を得ることができる。歪ゲージは、ブラシシャフト部に対してカーリングブラシの形態に関わらず容易に取り付けることができる。
応力検出手段は、ブラシシャフト部にかかる軸方向の応力を検出する軸方向荷重検出手段と、ブラシシャフト部にかかる軸方向と直角な方向の応力を検出する軸直角方向荷重検出手段とを備えている。軸方向及び軸に直角な方向の応力を検出することで、ブラシシャフト部にかかる応力を分析することができ、スウィーピング力を詳細に分析することができる。
応力検出手段は、ブラシシャフト部に設けられ、ブラシシャフト部にかかる軸方向の応力に応じた電気信号を検出する軸方向荷重検出手段と、ブラシシャフト部にかかる軸方向と直角な方向の応力に応じた電気信号を検出する軸直角方向荷重検出手段とを備えているロードセルであることが好ましい。これにより、軸方向荷重検出手段及び軸直角方向荷重検出手段は、ブラシシャフト部の円柱形表面の代わりにロードセルに配置することで、スウィーピングの際にカーリングブラシにかかる力をより高精度で検出することが可能となる。
軸方向荷重検出手段及び軸直角方向荷重検出手段は、それぞれブラシシャフト部の歪を検出する4つの歪ゲージから構成され、ロードセルは、ブラシシャフト部の軸と平行であり、軸方向荷重検出手段を配置するため4つの平行平面と、ブラシシャフト部の軸と平行であると共に4つの平行平面に垂直であり、軸直角方向荷重検出手段を配置するための2つの平行平面とを備えていることが好ましい。これにより、荷重検出誤差を減少させることができ、スウィーピングの際にカーリングブラシにかかる力をより高精度で検出することができる。
傾き検出手段はジャイロセンサであることが好ましい。角速度信号を検出し、ブラシシャフト部の傾きを検出することができる。カーリングブラシの形態に関わらずブラシシャフト部に対して容易に取り付けることができる。
本発明のカーリングブラシは、上述したカーリングブラシ用検出装置を備えている。カーリングブラシに加えられる力を検出できるカーリングブラシ用検出装置を備えていることで、スウィーピングの際の氷面にかかる荷重を検出することができるカーリングブラシが提供される。
本発明のスウィーピング力測定システムは、上述のカーリングブラシと、応力検出手段及び傾き検出手段の検出する電気的信号を解析する解析装置とを備えている。上述の電気的信号を解析することで、上述のカーリングブラシにかかるスウィーピングの操作の際のスウィーピング力を測定及び分析することができ、スウィーピングのフォームやストロークの速さ、距離及び氷に加わる力などの関係を解明し、これらの研究や教育に用いることができるスウィーピング力測定システムとなる。
本発明によれば、応力検出手段により応力を検出し、傾き検出手段により傾きを検出するので、応力を傾きの値に応じて分析し、ブラシヘッド部にかかる水平荷重及び垂直荷重の値を導出することができる。そのため、いかなるスウィーピング動作においても、カーリングブラシを介して氷面にかかる力を正しく検出することができるカーリングブラシ用検出装置及びカーリングブラシを提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係るカーリングブラシ全体の構成を概略的に示す斜視図である。 図1のカーリングブラシの断面図であり、(a)はA−A線断面図、(b)はB−B線断面図である。 図1のカーリングブラシの回路図であり、(a)は軸方向荷重検出手段の電気的接続を示す回路図であり、(b)は軸直角方向荷重検出手段の電気的接続を示す回路図である。 図1のカーリングブラシを用いたスウィーピング力測定システムの構成を示す概略図である。 図1のカーリングブラシにかかる力の概略を示す側面図である。 本発明の実施例1における電圧検出試験の結果を示すグラフである。 本発明の実施例1における傾き値の検出試験の結果を示すグラフである。 本発明の実施例1におけるスウィーピング力測定の精度検定の結果を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態に係るカーリングブラシ全体の構成を概略的に示す斜視図である。 図9のカーリングブラシの断面図であり、(a)はA−A線断面図、(b)はB−B線断面図である。 図9のカーリングブラシの回路図であり、(a)は軸方向荷重検出手段の電気的接続を示す回路図であり、(b)は軸直角方向荷重検出手段の電気的接続を示す回路図である。 図9のカーリングブラシを用いたスウィーピング力測定システムの構成を示す概略図である。 本発明の実施例2における電圧検出試験の結果を示すグラフである。
図1は本発明の第1の実施形態におけるカーリングブラシ10全体の構成を概略的に示す斜視図である。本実施形態において、カーリングブラシ用検出装置1は、カーリングブラシ10と共に用いられる。カーリングブラシ10は、ブラシシャフト部2及びブラシヘッド部3を備える。カーリングブラシ用検出装置1は、ブラシシャフト部2に備えられた応力検出手段4及び傾き検出手段5を含む。
ブラシシャフト部2は、競技者が氷上で所持し先端のブラシヘッド部3で氷面をスウィーピングすることができる長さに構成されている。その長さは例えば120〜130cmである。ブラシシャフト部2の構成材料としては、樹脂、木材、又は軽量で強度の高いグラスファイバー等を使用できる。ブラシヘッド部3はブラシシャフト部2の一端に設けられ、氷面を掃くための樹脂や合成ゴム等を構成材料とするパッドや、馬毛や豚毛等の刷毛が設けられている。ブラシヘッド部の形状としては、デッキブラシ型やハンマー型等の様々なものが適用できる。このブラシヘッド部の形状やパッド厚さは、選手や氷の条件によって適宜選択できる。
ブラシシャフト部2とブラシヘッド部3は、相互の角度が変化しない固定式、及び相互の角度が変化可能で押し付け荷重に応じてブラシヘッド部3が氷面に略水平になりやすい可動式のいずれをも用いることができる。本実施形態ではブラシヘッド部3内にその長尺方向に伸長する接続軸(図示せず)が設けられており、この接続軸とブラシシャフト部2がネジ留めされることで角度が変化可能な可動式となっている。
応力検出手段4は、ブラシシャフト部2にかかる応力に応じた電気信号を出力可能な手段である。こうした手段にはブラシシャフト部2の伸縮や変形を検出するセンサがある。設置位置はこれらのセンサの機能に応じてブラシシャフト部2の表面や内部などが選択できる。本実施形態では、応力検出手段4はブラシシャフト部2のシャフト外周表面に設けられた歪ゲージを用いている。ブラシシャフト部2は、応力検出手段4として、図2(a)に示すように軸方向荷重検出手段41、42、43及び44と、図2(b)に示すように軸直角方向荷重検出手段45、46、47及び48とを備えている。
ここで、図1に示すように、ブラシシャフト部2上に、ブラシシャフト部2の中心軸である軸zと、軸z及び氷面に対して直角をなす軸y、軸y及び軸zと直交する軸xを定義する。図に示した例では、x軸はブラシヘッド部3の長手方向に略平行、y軸はブラシヘッド部3の幅方向に略平行の軸を選択されている。軸方向荷重検出手段41、42、43及び44は、ブラシシャフト部2の外周表面において、軸xの両側に2つずつ貼付されている。軸直角方向荷重検出手段45、46、47及び48は、ブラシシャフト部2の外周表面において軸yの両側に2つずつ貼付されている。
ブラシシャフト部2の外周表面の一方の側に並設された軸方向荷重検出手段41及び44は、図3(a)に示すように、ホイートストンブリッジ回路の一辺に互いに直列に接続されており、ブラシシャフト部2の外周表面の他方の側に並設された軸方向荷重検出手段42及び43は、ホイートストンブリッジ回路の対向する辺に互いに直列に接続されており、ホイートストンブリッジ回路の残りの2辺には固定抵抗40a及び40bがそれぞれ接続されている。
ブラシシャフト部2の外周表面の一方の側に並設された軸直角方向荷重検出手段46及び47は、図3(b)に示すように、ホイートストンブリッジ回路の互いに対向する辺に接続されており、ブラシシャフト部2の外周表面の他方の側に並設された軸直角方向荷重検出手段45及び48は、ホイートストンブリッジ回路の残りの互いに対向する辺にそれぞれ接続されている。
傾き検出手段5は、設置されたブラシシャフト部2の傾きに応じた電気信号を出力するものである。本実施形態では2つのジャイロセンサを、軸と垂直な平面内において互いに直角となるように(軸x、軸z方向に)設置している。各ジャイロセンサはセンサに入力される角速度を検出できるものであれば、機械式又は光学式等を任意に使用できる。
図4に示すように、本実施形態のカーリングブラシ用検出装置1及びこの検出装置を装着したカーリングブラシ10は、例えば、これらに解析装置6を備えたスウィーピング力測定システム100によって運用される。スウィーピング力測定システム100は、前述したホイートストンブリッジ回路及び入力電圧Eを供給する電源回路を有する動ひずみ計7と、A/D変換機8とをさらに備える。カーリングブラシ用検出装置1の応力検出手段4は、動ひずみ計7に接続され、歪による出力電圧変化分(歪量)を表す電気的信号が動ひずみ計7から出力されるようになっている。動ひずみ計7はA/D変換機8に接続され、動ひずみ計7から出力されるアナログの歪量信号はデジタルの歪量信号に変換されるようになっている。傾き検出手段5は、A/D変換機8に接続され、傾きを表すアナログの傾き信号はデジタルの傾き信号に変換されるようになっている。A/D変換機8から出力されるデジタルの歪量信号及び傾き信号はパーソナルコンピュータ(PC)などの解析装置6に入力される。
次に、このカーリングブラシ用検出装置1、カーリングブラシ10及びスウィーピング力測定システム100の作用について説明する。競技者がカーリングブラシ10で氷面を掃くスウィーピングを行うと、応力検出手段4からは、ブラシシャフト部2にかかる応力に応じて電気信号が出力される。傾き検出手段5からは、ブラシシャフト部2の傾きに応じて電気信号が出力される。
応力検出手段4からの信号について、より具体的には、ブラシシャフト部2に軸方向の荷重が加わると、ブラシシャフト部2の表面に引張又は圧縮する方向に歪が生じ、歪ゲージである軸方向荷重検出手段41、42、43及び44は引張により電気抵抗が増大又は圧縮により電気抵抗が減少し、図3(a)に示すホイートストンブリッジ回路の出力72には、ブラシシャフト部2に加わった軸方向の荷重に応じた電気信号が発生する。より詳しく説明すると、軸方向荷重検出手段41、44、42及び43の抵抗値をR41、R44、R42及びR43とし、固定抵抗40a及び40bの抵抗値をR40a及びR40bとし、ホイートストンブリッジ回路の入力71の電圧をEとすると、このホイートストンブリッジ回路の出力72に現れる出力電圧eは、
e=E{R40aR40b−(R41+R44)(R42+R43)}
/{(R40a+R41+R44)(R40b+R42+R43)}
となる。従って、(R41+R44)(R42+R43)=R40aR40bと異なる場合は歪が発生していることとなり、出力電圧eの変化は軸方向荷重による歪量を表すこととなる。
ブラシシャフト部2に軸方向に直角の荷重が加わった場合、例えばブラシシャフト部2が軸直角方向荷重検出手段45及び48の設けられた方向に向かって湾曲した場合は、歪ゲージである軸直角方向荷重検出手段45及び48は圧縮して電気抵抗が減少し、軸直角方向荷重検出手段46及び47は引張により電気抵抗が増大し、図3(b)に示すホイートストンブリッジ回路の出力72には、ブラシシャフト部2に加わった軸直角方向の荷重に応じた電気信号が発生する。ブラシシャフト部2が軸直角方向荷重検出手段46及び47の設けられた方向に向かって湾曲した場合も同様である。より詳しく説明すると、軸方向荷重検出手段46、47、45及び48の抵抗値をR46、R47、R45及びR48とし、ホイートストンブリッジ回路の入力71の電圧をEとすると、このホイートストンブリッジ回路の出力72に現れる出力電圧eは、
e=E(R45R48−R46R47)/{(R45+R46)(R47+R48)}
となる。従って、R45R48=R46R47と異なる場合は歪が発生していることとなり、出力電圧eの変化は軸直角方向荷重による歪量を表すこととなる。
傾き検出手段5としての2つのジャイロセンサは、ブラシシャフト部2の軸x回り及び軸z回りを回転する傾き(シャフトピッチ角β´及びロール角γ)を、それぞれ角速度信号として出力する。氷面に対するブラシシャフト部2の傾き、すなわち図5に示すブラシシャフト部2と氷表面に平行な軸iのなすピッチ角βは、シャフトピッチ角β´及びロール角γの値より、β=β´/cosγの関係から導き出すことができる。
スウィーピング力測定システム100では、荷重検出信号は動ひずみ計7及びA/D変換機8を介して、傾きに応じた信号はA/D変換機8を介して解析装置6にそれぞれ入力される。解析装置6では、これらの電気信号からスウィーピング力を解析する。
具体的には、例えば、軸方向荷重検出手段41、42、43及び44によって検出された軸方向にブラシシャフト部2にかかる応力(荷重)をFa、軸直角方向荷重検出手段45、46、47及び48によって検出された軸直角方向にブラシシャフト部2にかかる応力(荷重)をFb´とする。図1及び図5に示すように、傾き検出手段5によって検出された氷の表面に平行な軸iに対するブラシシャフト部2のx軸方向の傾き角であるピッチ角をβ、氷の表面に対するブラシシャフト部2のz軸方向の中心軸周りのロール角をγとする。
図5に示す軸直角方向の荷重Fbは、Fb=Fb´/cosγで表される。これらの値から、カーリングブラシ10が氷面に及ぼす垂直方向の力FNは、FN=Fasinβ+Fbcosβ、水平方向の力FHは、FH=Facosβ+Fbsinβで表すことができる。カーリングブラシ用検出装置1から得られた信号を解析装置6により解析することで、カーリングブラシ10が氷面に及ぼす垂直方向及び水平方向の力を解析し、スウィーピング力を分析することができる。
本実施形態の変更態様として、市販されている他の形態のカーリングブラシに対して、ブラシシャフト部に歪ゲージ及びジャイロセンサを設けることができる。従来のブラシヘッド部に歪ゲージ及び加速度計を設ける技術を用いる場合は、ブラシヘッド部をそのために加工しなくてはならず、既存のカーリングブラシに適用することは加工や、カーリングブラシに合わせた調整の手間を要した。これに対して歪ゲージ及びジャイロセンサはブラシシャフト部に設け、さらに既存のブラシシャフト部の外部に追加することで容易に適用できるため、ブラシヘッド部の形状やブラシシャフト部に対する取り付け方に関わらず設けることができる。そのため、市販されている多様な形態のカーリングブラシに対して、いずれの形態のカーリング用ブラシに対しても比較的容易に適用することのできるカーリングブラシ用測定装置及びそれを備えるカーリングブラシを提供することができる。
(ひずみ応力に対する電圧検出試験)
図1に示すカーリングブラシ10のように構成したカーリングブラシ(試作ブラシ)を備えるように、図4に示すスウィーピング力測定システム100を構成した。この試作ブラシのブラシシャフト部2に対して、軸方向の荷重Fa及び軸に直角な方向の荷重Fbを加え、応力検出手段4からの出力と比較した。その結果を図6に示す。図中に示すEaは軸方向荷重検出手段41、42、43及び44を図3(a)のごとくブリッジ接続した場合にその出力72に現れる出力電圧、Ebは軸直角方向荷重検出手段45、46、47及び48を図3(b)のごとくブリッジ接続した場合にその出力72に現れる出力電圧を示している。FaとEa、FbとEbには良好な比例関係があり、応力検出手段4及びホイートストンブリッジ回路の出力からブラシシャフト部2に加えられる荷重を測定できることを示す。
(傾き値の検出試験)
上述の試作ブラシでスウィーピング操作を行い、傾き検出手段5から、ピッチ角β及びロール角γを検出した。同時にこのスウィーピング操作に対してモーション・キャプチャーシステムViconでピッチ角β及びロール角γを解析し、傾き検出手段の結果と比較した。結果を表1、図7(a)及び図7(b)に示す。両者のβ及びγの値はよく一致しており、傾き検出手段5による検出が有効であることを示す。

(スウィーピング力測定の精度検定)
上述の試作ブラシを備えるスウィーピング力測定システム100を用いて、フォースプレートに対してスウィーピング操作を行い、フォースプレートが検出する床への反発力と、スウィーピング力測定システム100の測定する垂直方向の力FN及び水平方向の力FHを比較した。表2に解析結果の表、図8(a)及び図8(b)に本実施例の試作ブラシとフォースプレートによる約15秒間のスウィーピング力の波形を示す。特に垂直方向の力FNにおいてはフォースプレートの結果に良好に一致し、水平方向の力FHについても揺動の影響か振幅がやや増加しているが、15%以下の誤差となっている。以上の結果から、本実施例のスウィーピング力測定システム100は高い精度でのスウィーピング力の測定が可能であることが示された。
図9は本発明の第2の実施形態におけるカーリングブラシ10A全体の構成を概略的に示す斜視図である。本実施形態において、カーリングブラシ10Aは、図9に示すように、カーリングブラシ用検出装置1Aと、ブラシシャフト部2と、ブラシヘッド部3とを備えている。カーリングブラシ用検出装置1Aは、ブラシシャフト部2の下部に組み込まれている。このカーリングブラシ10Aは、カーリングブラシ用検出装置1A以外に上述した第1の実施形態におけるカーリングブラシ10と同様な構成を有している。
カーリングブラシ用検出装置1Aは、応力検出手段4及び傾き検出手段5を有するロードセルである。ロードセル本体は、矩形断面を有する柱状体から構成されている。この柱状体の長手方向の外表面は、ブラシシャフト部2の軸方向と平行となるように構成されている。また、ロードセル本体は、応力検出手段4の軸方向荷重検出手段と軸直角方向荷重検出手段により検出しようとする荷重の方向にのみ変形しやすいように、軸方向荷重検出手段と軸直角方向荷重検出手段とが配置される部分の断面が所定厚さを有する薄壁状(板状)に形成されている。即ち、ロードセル本体の上端側において中央部に切り抜き部が設けられ、左右に薄壁が形成され、かつ切り抜き部の側面は、長手方向の外表面と平行となるように形成されている。また、ロードセル本体の下端側において中央部に切り抜き部が設けられ、上下に薄壁が形成されている。
応力検出手段4は、ブラシシャフト部2にかかる応力に応じた電気信号を出力可能な手段である。例えば、ブラシシャフト部2の伸縮や変形を検出する歪ゲージを用いている。本実施形態では、図10(a)に示すように、軸方向荷重検出手段51、52、53及び54は、ロードセル本体の上端側の両側壁の外表面及び内表面の中央(軸x上)に1つずつ貼付されている。また、図10(b)に示すように、軸直角方向荷重検出手段55、56、57及び58は、ロードセル本体の下端側の上下両壁の外表面の中央に軸yに沿って2つずつ貼付されている。
ロードセル本体の両側壁の外表面に配置された軸方向荷重検出手段51及び53は、図11(a)に示すように、ホイートストンブリッジ回路の互いに対向する辺に接続されており、ロードセル本体の両側壁の内表面に配置された軸方向荷重検出手段52及び54は、ホイートストンブリッジ回路の残りの互いに対向する辺にそれぞれ接続されている。
ロードセル本体の上下両壁の外表面に配置された軸直角方向荷重検出手段56及び58は、図11(b)に示すように、ホイートストンブリッジ回路の互いに対向する辺に接続されており、一方、軸直角方向荷重検出手段55及び57は、ホイートストンブリッジ回路の残りの互いに対向する辺にそれぞれ接続されている。
傾き検出手段5は、ブラシシャフト部2の傾きに応じた電気信号を出力するものである。本実施形態では2つのジャイロセンサを、軸と垂直な平面内において互いに直角となるように(軸x、軸z方向に)設置している。各ジャイロセンサはセンサに入力される角速度を検出できるものであれば、機械式又は光学式等を任意に使用できる。
図12に示すように、本実施形態のカーリングブラシ用検出装置1Aを備えたカーリングブラシ10Aは、例えば、これらに解析装置6を備えたスウィーピング力測定システム100Aによって運用される。スウィーピング力測定システム100Aは、前述したホイートストンブリッジ回路及び入力電圧Eを供給する電源回路を有する動ひずみ計7と、A/D変換機8とをさらに備える。カーリングブラシ用検出装置1Aの応力検出手段4は、動ひずみ計7に接続され、歪による出力電圧変化分(歪量)を表す電気的信号が動ひずみ計7から出力されるようになっている。動ひずみ計7はA/D変換機8に接続され、動ひずみ計7から出力されるアナログの歪量信号はデジタルの歪量信号に変換されるようになっている。傾き検出手段5は、A/D変換機8に接続され、傾きを表すアナログの傾き信号はデジタルの傾き信号に変換されるようになっている。A/D変換機8から出力されるデジタルの歪量信号及び傾き信号はパーソナルコンピュータ(PC)などの解析装置6に入力される。
(ひずみ応力に対する電圧検出試験)
図9に示すカーリングブラシ10Aのように構成したカーリングブラシ(試作ブラシ)を備えるように、図12に示すスウィーピング力測定システム100Aを構成した。この試作ブラシのブラシシャフト部2に対して、軸に直角な方向の荷重Fbを加え、応力検出手段4からの出力と比較した。その結果を図13に示す。図中に示すEaは軸方向荷重検出手段51、52、53及び54を図11(a)のごとくブリッジ接続した場合にその出力72に現れる出力電圧、Ebは軸直角方向荷重検出手段55、56、57及び58を図11(b)のごとくブリッジ接続した場合にその出力72に現れる出力電圧を示している。
以上説明したように本実施形態において、カーリングブラシ用検出装置1Aは、応力検出手段4及び傾き検出手段5を有するロードセルから構成され、応力検出手段4において、軸方向荷重検出手段51、52、53及び54は、カーリングブラシ用検出装置1Aの両側壁の外表面及び内表面の中央(軸x上)に1つずつ貼付されていることにより、歪ゲージは貼付位置の基準を軸直角荷重によって歪が発生しない中立面(x−z面)に合わせることによって、軸方向に荷重検出誤差を減少させることができると共に、ホイートストンブリッジ回路によって軸方向の圧縮荷重を検出することができる。また、軸直角方向荷重検出手段55、56、57及び58は、カーリングブラシ用検出装置1Aの上下両壁の外表面の中央に軸yに沿って2つずつ貼付されていることにより、軸方向の荷重による歪ゲージの抵抗値の変化が相殺されることによって、軸に直角方向の加重についてのみ検出することが可能である。従って、本実施形態に係るカーリングブラシ10Aでは、軸直角方向加重による軸方向電圧の誤差が非常に小さく、高い精度でのスウィーピング力の測定ができる。
以上述べた実施形態は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
本発明はカーリングにおける力学を解析することで、教育、競技技術の研究、競技用機器の開発などに応用でき、スポーツ産業に広く役立つものである。
1、1A カーリングブラシ用検出装置
2 ブラシシャフト部
3 ブラシヘッド部
4 応力検出手段
5 傾き検出手段
6 解析装置
7 動ひずみ計
8 A/D変換機
10、10A カーリングブラシ
41、42、43、44、51、52、53、54 軸方向荷重検出手段
45、46、47、48、55、56、57、58 軸直角方向荷重検出手段
71 入力側
72 出力側
100、100A スウィーピング力測定システム
β ピッチ角
γ ロール角
Fa 軸方向の荷重
Fb 軸に直角な方向の荷重
FH 水平方向の力
FN 垂直方向の力
i 氷面に平行な軸
x、y、z 軸

Claims (8)

  1. カーリングブラシのブラシシャフト部にかかる応力に応じた電気的信号を検出する応力検出手段と、前記ブラシシャフト部の傾きに応じた電気的信号を検出する傾き検出手段とを備えていることを特徴とするカーリングブラシ用検出装置。
  2. 前記応力検出手段は、前記ブラシシャフト部に設けられブラシシャフト部の歪を検出する歪ゲージを備えていることを特徴とする請求項1に記載のカーリングブラシ用検出装置。
  3. 前記応力検出手段は、前記ブラシシャフト部にかかる軸方向の応力に応じた電気信号を検出する軸方向荷重検出手段と、前記ブラシシャフト部にかかる軸方向と直角な方向の応力に応じた電気信号を検出する軸直角方向荷重検出手段とを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のカーリングブラシ用検出装置。
  4. 前記応力検出手段は、前記ブラシシャフト部に設けられ、前記ブラシシャフト部にかかる軸方向の応力に応じた電気信号を検出する軸方向荷重検出手段と、前記ブラシシャフト部にかかる軸方向と直角な方向の応力に応じた電気信号を検出する軸直角方向荷重検出手段とを備えているロードセルであることを特徴とする請求項1に記載のカーリングブラシ用検出装置。
  5. 前記軸方向荷重検出手段及び前記軸直角方向荷重検出手段は、それぞれ前記ブラシシャフト部の歪を検出する4つの歪ゲージから構成され、
    前記ロードセルは、前記ブラシシャフト部の軸と平行であり、前記軸方向荷重検出手段を配置するため4つの平行平面と、前記ブラシシャフト部の軸と平行であると共に前記4つの平行平面に垂直であり、前記軸直角方向荷重検出手段を配置するための2つの平行平面とを備えていることを特徴とする請求項4に記載のカーリングブラシ用検出装置。
  6. 前記傾き検出手段は、ジャイロセンサを備えていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のカーリングブラシ用検出装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載のカーリングブラシ用検出装置を備えていることを特徴とするカーリングブラシ。
  8. 請求項7のカーリングブラシと、前記応力検出手段及び前記傾き検出手段の検出する電気的信号を解析する解析装置とを備えていることを特徴とするスウィーピング力測定システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101812486B1 (ko) 2016-10-26 2017-12-27 서울올림픽기념국민체육진흥공단 컬링용 브룸 패드의 성능 평가 장치
KR101937228B1 (ko) 2017-12-22 2019-01-11 서울올림픽기념국민체육진흥공단 컬링 브러쉬 스위핑 힘 및 각도 측정 장치

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