JP2019032239A - 指先接触状態測定装置 - Google Patents

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Atsutoshi Ikeda
篤俊 池田
司 小笠原
Tsukasa Ogasawara
司 小笠原
淳 高松
Jun Takamatsu
淳 高松
明 丁
Akira Cho
明 丁
川副 智行
Tomoyuki Kawazoe
智行 川副
直輝 齋藤
Naoki Saito
直輝 齋藤
和美 纐纈
Kazumi Koketsu
和美 纐纈
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Abstract

【課題】誤差なく指先に生じる力を推定することができる指先接触状態測定装置を提供する。【解決手段】指先側部の変形量を求める変形量測定器と、指先の動きを検出する動き検出器を有する指先センサ10と、前記変形量測定器から得られた変形量に基づいて前記指先に作用する力を、推定モデルを用いて推定する制御部12を有し、前記制御部は、少なくとも前記指先が移動している場合に用いる第1推定モデルと、前記指先が移動していない場合に用いる第2推定モデルを有し、前記推定を行う際に前記動き検出器の出力に基づいて前記第1推定モデルと前記第2推定モデルを切換える。【選択図】図1

Description

本発明は、指先に加えられた力の大きさを指先の変形量から推定する指先接触状態測定装置に関する発明であり、特に指が動いている場合と静止している場合で、指先の変形量を力に変換するモデルを複数個用意し、指先の動きに従ってモデルを切り替える指先接触状態測定装置に係るものである。
近年人間の指先の感覚に関する研究が進められている。この技術が展開される1つの技術分野はロボットに指先の感覚を付与するというものである。人間は物を把持する際に、その物を触った感触によって、力の入れ方を変える。これはその物を壊さないように、また滑らないように持ち上げるためである。
このような動作をロボットにさせようとする場合、その物を触った時に受ける感覚を数値化する必要がある。指先の接触状態の測定はこのような分野で適用される。
また、人間が物に触れたときに、物の表面状態の違いを識別する指先の感覚に関する研究の応用が検討されている。人間が指先で感じる「固い」、「柔らかい」、「すべすべ」、「ざらざら」といった感覚を数値化することで、物の表面状態の感覚的な検討を客観的に行うことができるからである。
特許文献1には、指先の変形量から指先にかかる力を求める指先接触状態測定装置が開示されている。特許文献1では、指先の変形量から指先にかかる力を推定する推定モデルとして、伝達関数を用いた例が示されている。
特開2015−114169号公報
特許文献1は、指先の変形量から指先にかかる力を求めることができ、有用な発明である。つまり、指先のように弾性体の変形を伴う力のかかり方を調べる場合、指先の変形量と働く力の関係は線形モデルでは近似しきれない。したがって、伝達関数によるモデルを用いるのは有効な方法であるといえる。
しかし、指を左右に動かさずに物に押し当てる場合と、指を物に押し当てた状態で左右に動かす場合では、指の変形のモデルに大きな違いがあることがわかった。より具体的には、まず指を物に押し当てて左右に動かす場合を伝達関数による推定モデルで近似したとする。そして、同じモデルで指を左右に動かさずに物に押し当てる場合に指に発生する力を推定すると、実測値との間に大きな隔たりが生じることがわかった。
本発明は上記課題を解決するために想到されたものであり、指先の動作の状態に応じて複数のモデルを用意しておき、指先の動作に基づいてモデルを切換ながら指先に作用する力を推定するものである。特に指が静止している場合には、線形モデルを使い、指が移動している場合は、伝達関数によるモデルを使用する指先接触状態測定装置に係るものである。
より具体的に本発明に係る指先接触状態測定装置は、
指先側部の変形量を求める変形量測定器と、
指先の動きを検出する動き検出器
を有する指先センサと、
前記変形量測定器から得られた変形量に基づいて前記指先に作用する力を、推定モデルを用いて推定する制御部を有し、
前記制御部は、少なくとも
前記指先が移動している場合に用いる第1推定モデルと、
前記指先が移動していない場合に用いる第2推定モデルを有し、
前記推定を行う際に
前記動き検出器の出力に基づいて前記第1推定モデルと前記第2推定モデルを切換える事を特徴とする。
本発明に係る指先接触状態測定装置は、少なくとも指先が移動している場合に用いる推定モデル(第1推定モデル)と、移動していない場合に用いる推定モデル(第2推定モデル)をそれぞれ別々に有し、指先の移動状態に応じて推定モデルを切換えながら指先にかかる力を推定するので、誤差なく指先に生じる力を推定することができる。
本発明に係る指先接触状態測定装置の構成を示す図である。 指先センサの詳細な構成を示す図である。 制御部のソフトウエアの構成を説明する図である。 制御部のメインフローを示す図である。 校正処理の部分の詳細なフローを示す図である。 校正時に取得したデータを示す図である。 指先センサからの出力を示す図である。 線形モデルを数式で説明する図である。 伝達関数を数式で説明する図である。 推定処理の部分の詳細なフローを示す図である。 推定処理を数式で説明する図である。 伝達関数を予め逆z変換した場合の推定処理を数式を用いて説明する図である。 逆z変換した伝達関数を用いた推定処理のフローを示す図である。 推定処理の際のデータを説明する図である。
以下に本発明に係る指先接触状態測定装置について図を参照しながら説明を行う。なお、以下の説明は本発明の一実施形態についての例示であって、本発明は以下の説明に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、以下の実施の形態は変更することができる。
図1に本発明に係る指先接触状態測定装置の構成を示す。本発明に係る指先接触状態測定装置1は、指先センサ10と制御部12および校正プレート14で構成される。また、入出力装置16が含まれていてもよい。制御部12はMPU(Micro Processor Unit)とメモリで構成できる。
図2(a)に指先センサ10の構成例を示す。指先センサ10は、指の動きと指先の変形量を測定して出力する。ここで示す指先センサ10の構成は、門型の基体10Bと、歪センサ20L、歪センサ20R(以後まとめて呼ぶ場合は「歪センサ20」と呼ぶ。)および加速度センサ24を含む。
門型の基体10Bは、天板10pと天板10pに固定され対向する側壁10sLおよび側壁10sR(以後それぞれの側壁をまとめて呼ぶ場合は「側壁10s」と呼ぶ。)で形成される。側壁10sLおよび側壁10sRにはそれぞれ歪センサ20Lと歪センサ20Rが張り付けられており、側壁10sの変形量は歪センサ20によって測定されることとなる。
側壁10sの間隔10sWは、被験者の指の幅より狭く形成されている。被験者の指より側壁10sの間隔10sWが広いと、被験者の指先の変形量を測定できないからである。また、門型の基体10Bには加速度センサ24が取付られる。例えば天板10p上に配置させるのが好適である。
図2(b)は、指先センサ10を被験者の指9に装着した状態を指先から見た図である。指腹部分9aが物に触れると指9自体が変形する。指腹部分9aの左側の歪量ulおよび右側の歪量urを側壁10sLおよび側壁10sR上の歪センサ20Lと歪センサ20Rで検出する。そして、指腹部分9aに垂直方向に働く押圧力fzおよび水平方向に働くせん断力fx(以下まとめて「指先作用力ff」とも呼ぶ。)を、歪量ulおよび歪量ur(以下まとめて「指先歪量uf」とも呼ぶ。)から推定するのが、本発明に係る指先接触状態測定装置1の目的である。
なお、以下の説明では、歪センサ20Rと歪センサ20Lは、装着した状態の出力をゼロとして、共に指の外側に変形する場合と指の内側に変形する場合で同符号の出力があるものとする。
ここで、歪センサ20は、変形量測定器であり、加速度センサ24は動き検出器である。変形量測定器は、上述したように指腹部分9aの左右の側部の歪量ul、歪量ur(若しくは変形量に相当する電圧)を出力する。また動き検出器は、指先センサ10の動く方向、加速度、速度(若しくはこれらに相当する電圧)を出力する。なお、歪センサ20は対向する側壁10sに張り付けられるが、それぞれの側壁10sに複数個の歪ゲージを取り付けブリッジ回路を組む等して、歪センサ20としての感度を高めてもよい。
動き検出器は、指の動く速度a(若しくは速度に相当する電圧)を出力する。ただし、加速度センサ24は、直接的には加速度を測定する。したがって、加速度センサ24若しくはこの信号を受ける制御部12が加速度から速度aに変換する。
なお、動き検出器は、歪センサ20で兼用してもよい。指先が単に押さえつけられただけの場合は、指腹部分9aは左右に広がるだけである。一方、指先が動いている場合は、動いている方向のリーディング側は、接触面に巻き込まれ、トレーリング側は、その分膨れる。すなわち、指先が動いていない場合は、左右の歪センサ20の出力は同符号であるが、指先が動いている場合は、左右の歪センサ20の出力は異符号となる。したがって、左右の歪センサ20の符号から止まっているか、動いているかを判断することができる。
また、指腹部分9aが物に触れた状態で指先が動くと、スティックスリップや物の表面の粗さによる細かい振動が歪センサ20に発生する。したがって、その振動を見ることで、おおよその速度を求めることもできる。
したがって、動き検出器を歪センサ20で兼用する場合は、加速度センサ24は無くてもよい。すなわち、変形量測定器と動き検出器を歪センサ20だけで構成することもできる。なお、以下の説明では加速度センサ24があるものとして説明を行う。
図1を再度参照する。図2で説明したように、指先センサ10は、歪量ul、歪量urおよび速度aを出力する。これらの値は信号Sfgとして制御部12に送られる。
次に校正プレート14について説明する。校正プレート14は、センサが平面的に配置された平面部を有する圧力測定器である。平面部に対して垂直方向に加えられた押圧力fczと、水平方向に加えられたせん断力fcxおよびその位置の値を計測して出力する。これらの値は信号Splとして制御部12に送信される。
入出力装置16は、キーボードといった入力手段と、ディスプレイ装置といった表示手段を備えたものである。装置の使用者から制御部12へ指示を信号Copで送信する。また、制御部12からの信号Sasが表示手段上に示される。
図3には、制御部12が実行する処理のソフトウエアの構成例を示す。入出力部30は指先センサ10および校正プレート14からの入力を受信する。また、現在の指先接触状態測定装置1の状態や、指先センサ10および校正プレート14から取り込んだ信号Sfgおよび信号Spl、またこれらの信号(データ)から算出した値等を入出力装置16に信号Sasとして出力する。また入出力装置16からの指示信号Copも受信する。
データ取込部32は、入出力部30を介して指先センサ10や校正プレート14からのデータ(信号Sfg、信号Spl)を取り込む。取り込んだデータは取り込んだ時刻とともに、メモリに記憶させる。
校正部34は被験者の指の推定モデルを作成する部分である。推定モデルとは、指先歪量uf(歪量ul、歪量ur)から指先作用力ff(押圧力fz、せん断力fx)を推定する際に用いる力学的な指のモデルである。指先歪量ufから指先作用力ffの推定を、指先歪量ufから指先作用力ffへの写像であると考えれば推定モデルとは指先歪量ufを変数とする関数といってもよい。
具体的には、校正部34は、校正時の指先歪量ucf(歪量ucl、歪量ucr)と校正時の指先作用力fcf(押圧力fcz、せん断力fcx)から指先の推定モデルに相当する関数を求める。なお、校正時指先歪量ucf(歪量ucl、歪量ucr)とは、校正時の指先歪量uf(歪量ul、歪量ur)をいい、校正時の指先作用力fcf(押圧力fcz、せん断力fcx)とは、校正プレート14からの出力をいう。
本発明に係る指先接触状態測定装置1は、校正部34にて少なくとも2つ以上の推定モデルを作成する。ここでは第1推定モデルG(s)と第2推定モデルAの2つの推定モデルを使用する場合を例示する。第1推定モデルG(s)とは、指が動いている場合のモデルであり、第2推定モデルAとは、指が停止している場合のモデルである。校正部34の詳細については後述する。
推定部36は、校正部34で作成した第1推定モデルG(s)および第2推定モデルAを用いて、指先センサ10から得られる指先歪量ufを指先作用力ffに変換する。ここで、推定部36は、加速度センサ24からの信号(速度a)も参照する。そして、加速度センサ24からの信号(速度a)に基づいて第1推定モデルG(s)と第2推定モデルAを切換えて推定を行う。この推定とは、指先にかかる押圧力fzとせん断力fxを推定することである。算出部38では、押圧力fzとせん断力fxから摩擦係数μを算出する。
次に指先接触状態測定装置1の動作について説明する。指先接触状態測定装置1の使用には、被験者と、被験者が触る被験物が登場する。測定を管理する管理者がいてもよい。
図4に全体のフローを示す。図4を参照し、指先接触状態測定装置1がスタートすると(ステップS100)、指先センサ10の装着を被験者に指示する(ステップS102)。被験者は、指先センサ10を所定の指に装着する。装着する指は、1本でもよいし、片手の全ての指であってもよい。指先センサ10ごとにデータを得ればよいからである。
次に指先センサ10の校正を行う(ステップS104)。被験者の指先の大きさや弾性力は被験者毎に異なり、指先センサ10の歪の程度が被験者毎に異なるからである。
校正は、校正プレート14に指をゆっくり押し当て、その後左右に動かすことで行われる。校正プレート14は、本指先接触状態測定装置1に備え付けられるものである。校正プレート14は、指先センサ10を装着した指が押し当てられた際の押圧力fczと左右に動かされたときのせん断力fcxを測定する。
すなわち、校正プレート14に対するこの動きによって、指先センサ10の左右の側壁10sの歪量uclと歪量ucr、加速度センサ24から指先の速度a、そして校正プレート14から押圧力fczおよびせん断力fcxを得る。校正プレート14の出力(押圧力fczとせん断力fcx)と指先センサ10の歪量(ucl、ucr)を対応づけることで、指先センサ10の校正が行われる。言い換えると、被験者の指に相当する推定モデルが構築される。校正工程(ステップS104)の詳細は後述する。
なお、指先の速度aは、速度がゼロかそうでないかの2値の出力であってもよい。本発明に係る指先接触状態測定装置1は、指先が動いている場合と止まっている場合で推定の方法を切り換えるものだからである。
校正が終了したら測定開始の待機状態になる(ステップS106のN分岐)。測定を開始するか否かは被験者若しくは管理者からの指示による。測定が開始されたら(ステップS106のY分岐)、測定終了を判定する(ステップS108)。測定終了についても、被験者若しくは管理者からの指示であってよい。
測定を続行する場合(ステップS108のN分岐)は、指先センサ10からの信号(歪量ul、歪量ur、速度a)を取込(ステップS110)、時刻と共に記録する(ステップS112)。その後再びフローはステップS108に移り、測定終了を判断する。信号の取込(ステップS110)および記録(ステップS112)は、短い時間間隔Δt毎に繰り返され、指先センサ10からの信号は、離散的なデータとして取り込まれ、記録される。
測定を終了した場合(ステップS108のY分岐)には、処理のフローをステップS114に進め、推定の工程を行う。推定工程(ステップS114)は、指先センサ10からのデータ(歪量ul、歪量ur、速度a)と、校正処理(ステップS104)で求めた第1推定モデルG(s)および第2推定モデルAに基づいて、押圧力fzとせん断力fxおよび摩擦係数μを推定し、算出する。詳細は後述する。
推定が終了したら結果を表示する(ステップS116)。表示工程(ステップS116)では、被験物の種類や測定日時、触った時の感覚を表す言葉等の入力を行ってもよい。そして、その後終了する(ステップS118)。
図5に図4の校正工程(ステップS104)の詳細を示す。校正工程(ステップS104)に処理が移ったら、測定の開始を待つ(ステップS200のN分岐)。測定を開始すると(ステップS200のY分岐)は、指先センサ10の歪センサ20L、20Rと加速度センサ24および校正プレート14からの校正信号を微小時間ごとに取得し(ステップS202)、記録する(ステップS204)。
具体的には加速度センサ24からの速度a、歪センサ20L、20Rからの歪量ucl、歪量ucr、校正プレート14の出力(押圧力fcz、せん断力fcx)を取得し、時刻tと共に記憶する(ステップS204)。これらは一連のデータとして記憶される。
次に校正工程の終了を判断し(ステップS206)、終了でなければ(ステップS206のN分岐)校正信号の取込(ステップS202)に戻る。データの取込が終了したら(ステップS206のY分岐)、記録したデータのうち、速度がゼロの部分で校正を行う(ステップS208)。この工程によって、第2推定モデルAのパラメータが得られる。次に速度がゼロでない部分で行う校正(ステップS210)を行う。この工程では第1推定モデルG(s)のパラメータが得られる。その後、全体フローにもどる(ステップS212)。
図6に校正工程(ステップS104)でのデータの流れを詳説する。また、図7に指先センサ10の出力例を示す。本発明に係る指先接触状態測定装置1では、指先センサ10の歪量(ur、ul)から指先に作用する指先作用力(fz、fx)を求めるのが目的である。指先の速度がゼロの場合は歪量と指先作用力の関係を、線形モデル(第2推定モデルA)で近似し、速度がゼロでない場合は伝達関数(第1推定モデルG(s))によるモデルで近似する。校正工程(ステップS104)は、被験者特有の線形モデルおよび伝達関数モデルを構築する工程である。
校正時に制御部12が得るデータは図6に示すように、時刻t、加速度センサ24の出力(速度ac)、指先センサ10の歪量(ucr、ucl)、指先作用力(fcz、fcx)の5つである。指先作用力は校正プレート14から得られるデータである。歪量は、測定時は符号ulとurで示すが、校正工程の場合に限り、ucl、ucrで表している。
図7を参照する。図7では縦軸が指先センサ10の出力を示し、横軸が時刻を表す。校正の具体的な操作としては、指先センサ10を装着した指先をゆっくりと校正プレート14に接近させる。図7中丸1で示した部分である。この間は指先センサ10の出力はない。また、この操作では、加速度センサ24の出力(速度ac)はほぼゼロとなる。そして、時刻tの時に校正プレート14に指先が当接し、時刻tk+mまで指先が校正プレート14を押圧する(図7の丸2で示した部分)。この間は指先センサ10による歪量および校正プレート14による作用力が増加する。
この間も微小時間ごとに歪量と作用力が記録される。そして時刻tk+mの時に、押圧は停止するとする。この区間のデータ群Kは、指の速度はゼロであるとみなせる。したがって、時刻tから時刻tk+mまでの間のm+1個のデータ(図6参照)を用いて、第2推定モデルA(線形モデル)を構築する。
図8には、第2推定モデルAを、式を用いて説明する。左辺f(t)は校正時の指先作用力ff(押圧力fcz、せん断力fcx)を示すベクトルである。右辺は第2推定モデルA(行列A)と校正時の指先歪量ucf(歪量ucl、歪量ucr)である。第2推定モデルAは定数項(C01、C02)付の1次式として表される。この式の左辺f(t)と右辺のu(t)に区間Kのデータを次々に代入することで行列Aの係数を決めることができる。行列Aの係数(C22〜C01)は6つあるので、区間Kに6つ以上のデータがあれば、係数(C22〜C01)を求めることができ、行列Aを決定することができる。
再び図7を参照する。校正プレート14に指を一定の強さで載せたら、指を左右に移動させる(t)。次に指が止まった時(tq+n)までのn+1個のデータを一連のデータ群Qとする。この間の速度はゼロではない(図6参照)。なお、図7では左右に指を滑らせるので、正弦波様の信号(歪量ucl、歪量ucr)が指先センサ10から出力されている。
図9を参照する。データ群Qに対する処理の概念を図9に示す。指の速度がゼロでない場合は、指のモデル(第1推定モデル)として伝達関数G(s)を用いる。指腹は弾性体であるので、バネやダンパの組み合わせでモデルを構成できると考えられる。しかし、動きによる微積分要素を考慮する必要があるため、実空間で直接モデルを求めるのは、容易ではない。そこで、微分要素や積分要素を線形として扱えるs空間でモデリングしようとするものである。
具体的な手順としてまず、校正時の指先歪量ucf(歪量ucl、歪量ucr)と校正時の指先作用力fcf(押圧力fcz、せん断力fcx)をラプラス変換する。なお、歪量および指先作用力は時間の関数として表わされる。具体的には、これらのデータは、時刻tから時刻tq+nまでに取得されたn+1個のデータである。
また、これらのデータは離散的なデータであるため、離散的ラプラス変換にあたるz変換を行う。z変換を行うことで、時間軸データであるこれらのデータはs空間(複素空間)に写像される。z変換された歪量のデータをUcr(s)、Ucl(s)とし、指先作用力のデータをFcz(s)、Fcx(s)とする。
z変換したこれらのデータによって伝達関数G(s)を求める。伝達関数G(s)の形は特に限定はないが、図9に示すような形をしたものが好適である。行列G(s)は、2×2の行列であり、各要素は分母がsの5次関数であり、分子がsの4次関数である。一般的に、質量・バネ・ダンパを持つような機械系は分母が2次で分子が1次の伝達関数として表される。したがって、分母が5次で分子が4次は、独立した質量・バネ・ダンパを持つような機械系モデルが3つ直列にならんだモデルであるともみなせる。
伝達関数G(s)は2×2の行列であるが、各要素は定数項も合わせて11個の未知数を有する。例えば、左上の要素を見ると、分子にはb14〜b10の5つがあり、分母にはa15〜a10の6つの未知数がある。したがって、44個以上のデータ群があれば、行列G(s)を決定することができる。したがって、n+1は44個以上あればよい。
以上のようにして求められた伝達関数G(s)が、指が移動している最中の推定モデルである。なお、指を移動させる校正は複数回行い、左右の方向に複数個のデータ群を取得し、平均をとるなどしてもよい。
図10には推定工程(ステップS114)の詳細を説明する。推定工程(ステップS114)では、校正工程(ステップS104)で求めた第2推定モデルAと第1推定モデルG(s)を用いて、被験物を指先センサ10を装着した指で触れ、指先センサ10からの歪量から、指先に作用した力を推定する。
図10を参照して、推定工程(ステップS114)にフローが移ると、取得したデータをブロックに分ける。このブロックは速度がゼロのデータと速度がゼロでないデータのブロックに分ける(ステップS300)。
次に分けたブロックを時系列の若いほうから順次選択する(ステップS302)。次に終了判定を行う(ステップS304)。全てのブロックのデータに対して推定が終了したら終了(ステップS304のY分岐)である。メインのフローに戻る(ステップS314)。終了でない場合(ステップS304のN分岐)は、選択したブロックの速度を調べる(ステップS306)。
ブロック中の速度データaがゼロである場合(ステップS306のY分岐)は、第2推定モデル(線形モデル(行列A))を用いて指先センサ10からのデータを押圧力fzとせん断力fxに変換する(ステップS310)。
一方、ブロック中の速度データがゼロでない場合(ステップS306のN分岐)は、第1推定モデル(伝達関数モデル行列G(s))を用いて指先センサ10からのデータを押圧力fzとせん断力fxに変換する(ステップS308)。指が動いている場合なので、押圧力fzとせん断力fxとの関係で摩擦係数μも求める(ステップS312)。
ステップS312若しくはステップS310が終了したら、ブロック選択(ステップS302)に戻り、未処理のブロックの有無を判断し(ステップS304)、処理を続ける。
なお、ここで、取得されたデータをブロックに分けたのは、第1推定モデルG(s)を使用する場合には、歪量ul、urをz変換する必要があるからである。
図11に図10のステップS308で行う推定の概念を示す。取得された歪量ul、urは、z変換して複素平面状に写像されUl(s)とUr(s)になる。このz変換の際には、一定個数のデータが必要となる。s空間に写像された歪量は校正工程ステップS104で求めた伝達関数G(s)によって、作用力Fz(s)、Fx(s)に変換される。
そして、今度は、Fz(s)、Fx(s)を逆z変換することで時間軸での指先作用力(押圧力fz、せん断力fx)に戻すことができる。
上記の説明では、推定工程(ステップS114)で、取得した指先歪量uf(歪量ul、歪量ur)をz変換、伝達関数G(s)による変換、逆z変換という工程を経て指先作用力ff(押圧力fz、せん断力fx)を求めた。しかし、予め伝達関数G(s)を逆z変換しておくこともできる。これは、校正工程(ステップS104)で行っておくことができる。伝達関数G(s)を逆z変換したものをZ−1{G(s)}とする。
図12に伝達関数を逆z変換した関数Z−1{G(s)}を用いた場合の歪量と作用力の関係を示す。逆z変換した関数Z−1{G(s)}は実空間の関数となるので、指先歪量uf(歪量ul、歪量ur)から直接指先作用力(押圧力fz、せん断力fx)を求めることができる。
図13に逆z変換した関数Z−1{G(s)}を用いた場合の推定工程(ステップS114)の詳細を示す。推定工程(ステップS114)に処理が移ったら、得られたデータから1つずつデータを選択する(ステップS400)。終了判定(ステップS402)を行い、選択したデータの速度を調べる(ステップS404)。終了の場合(ステップS402のY分岐)は全体フロー(図4)にもどる(ステップS412)。速度がゼロの場合(ステップS404のY分岐)は、第2推定モデル(行列A)を用いる(ステップS408)。
速度がゼロでない場合(ステップS404のN分岐)は、伝達関数G(s)を逆z変換した関数Z−1{G(s)}を用いる(ステップS406)。伝達関数G(s)を逆z変換した関数Z−1{G(s)}は、1つずつデータを処理することができる。その後摩擦係数μを求め(ステップS410)、処理を継続する。なお、ステップS402以後はステップS306(図10)以後と同じである。
図14に図13の場合の推定工程(ステップS114)のデータの流れを示す。指先センサ10を装着した状態で被験物の表面に触ることで、時刻tからtまでのp+1個のデータが得られているものとする。
時刻tのデータから順に速度a、歪量ur、歪量ulを選択し、読み込む(図13のステップS400)。図14では、k番目のデータについて変換する様子を示している。k番目の速度akがゼロか否かを調べ(図13のステップS404)、ゼロの場合は行列Aで指先作用力ff(押圧力fz、せん断力fx)を求め(ステップS408)、速度akがゼロでない場合は伝達関数G(s)を逆z変換した関数Z−1{G(s)}を用いて指先作用力ff(押圧力fz、せん断力fx)を求める(ステップS406)。
以上のように制御部12が動作することで、指先センサの出力を押圧力およびせん断力に変換することができ、これらの値から摩擦係数も求めることができる。なお、ここでは、指の速度がゼロでない場合として1種類の伝達関数を用いたが、指の速度や、押しつけ圧の違いによって他の伝達関数を用い、2個以上の推定モデルを利用してもよい。
なお、上記の説明では校正工程や推定工程において、指先センサ10からの指先歪量ufをそのまま離散データとして用いた。しかし、得られた指先歪量ufをフーリエ変換等で、一度関数に近似し、その関数から得られる値を用いてもよい。すなわち、第1推定モデルG(s)における伝達関数の求め方および第2推定モデルAにおける線形関数の求め方は、上記の説明に限定されるものではない。
本発明に係る指先接触状態測定装置は、人が被験物を触った時に指先に作用する力を数値的に測定することができるので、感覚の数値化や感性の数値化といった局面で好適に利用することができる。
1 指先接触状態測定装置
9 被験者の指
9a 指腹部分
10 指先センサ
12 制御部
14 校正プレート
16 入出力装置
Cop、Sas 信号
10B 門型の基体
10sW 間隔
10p 天板
10sL 側壁
10sR 側壁
20 歪センサ
20L 歪センサ
20R 歪センサ
24 加速度センサ
30 入出力部
32 データ取込部
34 校正部
36 推定部
38 算出部
uf 指先歪量
ul 左側の歪量
ur 右側の歪量
ff 指先作用力
fz 押圧力
fx せん断力
μ 摩擦係数
a 指の動く速度
Sfg 信号
fcz 押圧力
fcx せん断力
Spl 信号
G(s) 第1推定モデル
A 第2推定モデル

Claims (4)

  1. 指先側部の変形量を求める変形量測定器と、
    指先の動きを検出する動き検出器
    を有する指先センサと、
    前記変形量測定器から得られた変形量に基づいて前記指先に作用する力を、推定モデルを用いて推定する制御部を有し、
    前記制御部は、少なくとも
    前記指先が移動している場合に用いる第1推定モデルと、
    前記指先が移動していない場合に用いる第2推定モデルを有し、
    前記推定を行う際に
    前記動き検出器の出力に基づいて前記第1推定モデルと前記第2推定モデルを切換える事を特徴とする指先接触状態測定装置。
  2. 前記第1推定モデルは、前記変形量と前記指先に作用する力を伝達関数を用いて近似し、
    前記第2推定モデルは、前記変形量と前記指先に作用する力を線形に近似することを特徴とする請求項1に記載する指先接触状態測定装置。
  3. 前記変形量測定器は歪センサであり、
    前記動き検出器は加速度センサであることを特徴とする請求項1または2のいずれかの請求項に記載された指先接触状態測定装置。
  4. 前記変形量測定器は歪センサであり、
    前記動き検出器は前記歪センサで兼用されていることを特徴とする請求項1または2のいずれかの請求項に記載された指先接触状態測定装置。
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