JP2014022963A - A/d変換器を備えた半導体集積回路及びa/d変換方法 - Google Patents

A/d変換器を備えた半導体集積回路及びa/d変換方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回路規模が小さく、かつ変換精度の良いA/D変換器及びA/D変換方法を提供すること
【解決手段】疑似乱数生成器40は、アナログ信号と無相関な乱数値を生成する。コンパレータ20は、第1動作モードの場合に第1入力端子と第2入力端子に同一レベルの参照電位を入力して比較処理を行うとともに、第2動作モードの場合にアナログ信号の量子化を行う。オフセット算出回路30は、第1動作モードの場合に、コンパレータ20の比較結果に基づいてコンパレータ20のDCオフセットを調整するオフセット調整値を算出する。加算器50は、オフセット調整値と乱数値とを用いた演算を行う。コンパレータ20は、第2モードの場合に加算器50が算出した演算値を閾値としてアナログ信号の量子化を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D(Analog/Digital)変換器を備えた半導体集積回路及びA/D変換方法に関し、例えばA/D変換の精度改善機構を内部に有するA/D変換器を備えた半導体集積回路及びA/D変換方法に関する。
アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D(Analog/Digital)変換器が様々な機器(携帯電話、スマートフォン、オーディオ機器等)に使用されている。A/D変換器内において、変換性能の劣化を引き起こす要因を以下((1)〜(6))に列挙する。
(1) ナイキストA/D変換器における量子化ノイズの信号依存性による歪み
一般的なナイキストA/D変換器では、微小信号を入力した場合、出力信号に歪みが生じる。入力信号がLSBに対して十分に大きい場合においては、A/D変換の量子化の過程において発生する雑音(量子化ノイズ)は出力信号に対して相関がほとんどない雑音とみなすことができる。しかし、入力信号がLSBに対して十分に大きくない場合においては、A/D変換の量子化の過程において発生する雑音(量子化ノイズ)は出力信号に対して大きな相関を持つ。例えば入力信号がLSB以下の場合、量子化ノイズは入力信号そのものと扱われてしまう。
(2) デルタシグマA/D変換器におけるアイドルトーン
デルタシグマA/D変換器においても、微小信号を入力した場合に(1)とは異なるメカニズムで出力信号に歪みが生じる。デルタシグマA/D変換器は、内部に積分器、量子化器、D/A変換器からなるループを持つ。デルタシグマA/D変換器に微小信号が入力された場合、回路オフセットに依存した発振現象(リミットサイクル発振)が生じる。この結果、アイドルトーンと呼称されるスプリアス信号が発生してしまう。
(3) 内部積分器の有限ゲインによるデッドゾーン
デルタシグマA/D変換器、インクリメンタルA/D変換器、二重積分型A/D変換器等の内部に積分器を持つA/D変換器は、積分器の信号リーク量が入力信号レベルを上回った場合にA/D変換が出来なくなる。これにより、微小信号入力時に出力信号が変化しない動作領域(デッドゾーン)が生じる。
(4) マルチステージA/D変換器のミッシングコード
2ステップA/D変換器やパイプラインA/D変換器等は、複数ステージから構成される。これらのA/D変換器では、ステージ間でのゲインエラーやステージ内部でのD/A変換器の誤差により、ステージ間のブレークポイントにおいてミッシングコード、DNL(Differential Nonlinearity)劣化等の歪み特性劣化が生じる。
(5)同一ステージ内量子化器のオフセットによるINL(Integral non linearity)劣化
フラッシュA/D変換器やパイプラインA/D変換器のステージ内にマルチビット量子化器を用いた場合について検討する。この場合、各量子化器(コンパレータ)のオフセットエラーは、INL劣化を引き起こす。なお冗長ビットを持つパイプラインA/D変換器では、オフセットが一定値に収まっていれば性能劣化にはつながらない。
(6)デルタシグマA/D変換器の量子化器オフセットによるダイナミックレンジ低下
上述のようにデルタシグマA/D変換器は、内部に積分器、量子化器、D/A変換器からなるループを持つ。デルタシグマA/D変換器内の量子化器にDCオフセットがある場合、ループフィルタのフィードバックにより、このDCオフセットに応じて動作状態が定まる。例えば、量子化器のDCオフセットが100mVである場合、デルタシグマA/D変換器は、量子化器の入力から100mVを減算した値を中心に量子化動作を行う。このように量子化DCオフセットは、量子化器前段の積分器の出力ダイナミックレンジをDCオフセット分だけ劣化させ、A/D変換の歪み劣化や動作不安定化を引き起こす。
上述の(1)〜(4)に対する対策として、ディザ(dither)信号(入力信号と無相関なランダム信号)をA/D変換器の内部において加算する手法が挙げられる。以下、デルタシグマA/D変換器を例として説明する。共振周波数と無相関なディザ信号を加算することにより、帰還ループにおける発振を防ぎ、アイドルトーンの発生を抑止することができる。
ディザ信号の加算個所として、「ループフィルタ内のアナログ部」、「帰還パス上のデジタル部」が提案されている。しかし、ループフィルタ内のアナログ部においてディザ信号を加算する場合、ループフィルタ内の回路の動作領域を制限してしまう。一方、帰還パス上のデジタル部においてディザ信号を加算する場合、当該デジタル部のビット幅及び帰還D/Aコンバータのビット数を増加させなければならない。
特許文献1には、ディザ信号の加算個所を内部A/D変換器の参照電圧部とするデルタシグマA/D変換器が開示されている。特許文献1に記載のデルタシグマA/D変換器では、ディザ信号の加算個所がループフィルタ外であるため、上述の問題(ループフィルタ内の回路の動作領域の制限、デジタル部のビット幅及び帰還D/Aコンバータのビット数を増加)を解消することが出来る。
特許文献2には、上述のアイドルトーン対策として内部の量子化器(コンパレータ)の閾値をランダムに変更できるデルタシグマA/D変換器を開示している。なお特許文献2では、具体的な回路構成は開示していない。
一方、(5)及び(6)に対する対策として、A/D変換器内部の量子化器(コンパレータ)のキャリブレーションが挙げられる。また、非特許文献1及び非特許文献2にも上述のDCオフセットに対する対策手法が開示されている。
特開2002−118465号公報 特開2002−314425号公報
P.Nuzzo et.al, "A 10.6mW/0.8pJ Power-Scalable 1GS/s 4b ADC in 0.18 um CMOS with 5.8GHz ERBW", DAC 2006, pp 873-878, July 24-28, 2006, San Francisco, California, USA, M.Miyahara et.al, "A Low-Noise Self-Calibrating Dynamic Comparator for High-Speed ADCs", A-SSCC, 9-2, pp 269-272, Japan, Fukuoka, Nov, 2008
上述した手法は、ディザ加算により解決される問題((1)〜(4))と、オフセットキャリブレーションにより解決される問題((5)及び(6))と、を別々に取り扱っている。そのため、両問題(すなわち上述の(1)〜(6)の全ての問題)に対する解決を行う場合、ディザ加算に関連する回路、及びオフセットキャリブレーションに関連する回路をA/D変換器内にそれぞれ設ける必要がある。すなわち上述の手法では、回路規模が小さく、かつ変換精度の良いA/D変換器及びA/D変換方法を提供することが出来ないという問題があった。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態によれば、半導体装置はA/D変換器を含み、A/D変換器は、第1動作モードにおいて内部のコンパレータの出力値を用いて当該コンパレータのDCオフセットを算出し、第2動作モードでは算出したDCオフセットとディザ信号に相当する乱数値を用いた算出値を算出し、当該算出値を前記コンパレータによる量子化処理の閾値として用いる。
前記一実施の形態によれば、回路面積を削減し、A/D変換精度の良好なA/D変換器を備える半導体装置を提供することができる。
実施の形態1にかかるA/D(Analog/Digital)変換器の構成例を示すブロック図である。 実施の形態1にかかるループフィルタ10の構成を示すブロック図である。 実施の形態1にかかるコンパレータ20の構成を示すブロック図である。 実施の形態1にかかるコンパレータ20の構成を示すブロック図である。 実施の形態1にかかるコンパレータ20の構成を示すブロック図である。 実施の形態1にかかるコンパレータ20の詳細構成を示すブロック図である。 実施の形態1にかかるコンパレータ20の詳細構成を示すブロック図である。 実施の形態1にかかるA/D変換器1の動作を示すフローチャートである。 実施の形態1にかかるA/D変換器1の動作シーケンスを示す図である。 実施の形態1にかかるコンパレータ20の閾値変化を示す図である。 実施の形態1にかかるコンパレータ20の構成を示すブロック図である。 実施の形態1にかかる極性スイッチ回路24の構成を示すブロック図である。 実施の形態2にかかるコンパレータ20の構成を示すブロック図である。 実施の形態2にかかるA/D変換器1の動作シーケンスを示す図である。 実施の形態2にかかるコンパレータ20の閾値変化を示す図である。 実施の形態3にかかるパイプライン型A/D変換器の構成を示すブロック図である。 実施の形態3にかかる1.5ビットA/D変換器110の構成例を示すブロック図である。 実施の形態3にかかるパイプライン型A/D変換器における各パイプラインステージの入力信号電圧と、残差電圧との関係を示す図である。 実施の形態1〜3にかかるA/D変換器1を適応した無線通信システムを示すブロック図である。
<実施の形態1>
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の処理部や部材には原則として同一符号を付し、その繰り返しの説明は適宜省略する。
図1は、本実施の形態にかかるA/D(Analog/Digital)変換器の構成例を示すブロック図である。本実施の形態にかかるA/D変換器は、デルタシグマ型であるものとして説明する。A/D変換器1は、任意の半導体集積回路内等に備えられる。
なお図1において、A/D変換器1は説明の便宜のためシングルエンド構成で図示されているが、図2等に示すように差動信号を扱う構成である。A/D変換器1は、ループフィルタ10と、コンパレータ20と、オフセット算出回路30と、疑似乱数生成器40と、加算器50と、を備える。さらに、A/D変換器1は、スイッチSW0、SW1、SW2、SW3を備える。
A/D変換器1は、大別すると2つの動作モード(DCオフセットキャリブレーションモード、A/D変換モード)で動作する。DCオフセットキャリブレーションモード(第1動作モード)の場合、スイッチSW2のみがON状態となり、他のスイッチSW0、SW1、SW3はOFF状態となる。一方、A/D変換モード(第2動作モード)の場合、スイッチSW0、SW1、SW3はON状態となり、スイッチSW2はOFF状態となる。
ループフィルタ10には、A/D変換モードの際に、アナログ入力信号(IN)が入力される。さらに、ループフィルタ10には、コンパレータ20からデジタル出力信号(OUT)が入力される。
ループフィルタ10は、例えば、D/A(Digital/Analog)変換器、積分器等を有する。一般的にループフィルタ10は、複数の積分器を持つ、すなわちn(nは2以上)次構成である。ループフィルタ10の処理を概略すると以下のようになる。ループフィルタ10は、コンパレータ20から出力されたデジタル出力信号(OUT)をD/A変換し、アナログ信号を生成する。そしてループフィルタ10は、D/A変換により生成したアナログ信号と、アナログ入力信号(IN)と、の差分を算出する。そしてループフィルタ10は、この演算結果である差分値を積分し、積分値をコンパレータ20に供給する。
図2は、ループフィルタ10の詳細構成の一例を示す図である。当該ループフィルタ10は、差動構成の2次のループフィルタ、すなわち2つの積分器を持つ構成である。当該ループフィルタ10は、DACによりコンパレータ20の出力デジタル値をアナログ値に変換して積分する構成である。なお、ループフィルタ10の構成は図2に示す構成に限られず、一般的なデルタシグマ型A/D変換器に用いられる任意の構成を持つことができる。
再び図1を参照する。コンパレータ20は、DCオフセットキャリブレーションモードの場合、自身のDCオフセットに相当する値を出力する。またコンパレータ20は、A/D変換モードの場合、ループフィルタ10の出力信号を用いた量子化処理を行い、デジタル出力信号(OUT)を生成する。この量子化処理の際に、コンパレータ20は、後述する加算器50の出力値(閾値制御信号)を量子化の閾値として使用する。
DCオフセットキャリブレーションモードの場合、コンパレータ20の各入力端子は、それぞれ同一の参照電圧源(例えばVDD/2(VDDは電源電圧))と接続される。すなわち、DCオフセットキャリブレーションモードの場合、コンパレータ20には0レベルの入力信号が入力される。
一方、AD変換モードの場合、コンパレータ20の各入力端子はループフィルタ10の出力端子とそれぞれ接続される。この場合、コンパレータ20はループフィルタ10の出力信号を量子化し、デジタル信号(OUT)を出力する。
図3は、コンパレータ20の内部構成を示すブロック図である。図示するように、コンパレータ20は、プリアンプ21と、ラッチ22と、閾値制御部23と、を備える。このようにコンパレータ20は、内部構成として一般的なプリアンプ21及びラッチ22に加え、量子化の閾値レベルを設定する閾値制御部23(23−1、23−2)を備える構成である。閾値制御部23には、加算器50から閾値制御信号が入力される。
閾値制御部23(23−1、23−2)は、例えば図4(A)に示すように可変コンデンサにより構成しても良い。なお実際には、設定する閾値の値域に応じて複数の可変コンデンサが設けられる。また、閾値制御部23(23−1、23−2)は、例えば図4(B)に示すように可変電流源により構成しても良い。さらにまた、閾値制御部23(23−1、23−2)は、トランジスタにより構成しても良い。同様に図5に示すように、閾値調整部23は、アナログスイッチと容量素子から構成しても良い。当該構成では、各アナログスイッチのON/OFFを制御することにより量子化閾値レベルを変動させる。すなわち、閾値制御部23(23−1、23−2)は、コンパレータ20の量子化閾値レベルを外部信号である閾値制御信号に応じて変更できる構成であればよい。
図6は、コンパレータ20の詳細構成例を示すブロック図である。図示するように、コンパレータ20には、クロック信号CLK及びCLKB(クロック信号CLKの反転信号)が入力される。
プリアンプ21は、入力信号(VIN_T,VIN_B)をクロック信号CLKBに同期して取り込み、電圧電流変換を行う。ラッチ22は、プリアンプ21の出力をクロック信号CLKに同期して取り込み、出力する。ラッチ22は、例えば図示するように一般的なダイナミックラッチから構成すればよい。図示するようにダイナミックラッチ(ラッチ22)の各入力端子に対応する閾値制御部23(23−1、23−2)が設けられている。当該閾値制御部23には、後述の加算器50の加算結果に対応した閾値制御信号が入力される。この閾値制御信号に応じて、閾値制御部23−1の容量値と、閾値制御部23−2の容量値と、のバランスを調整する。なお、コンパレータ20は、図7に示すように1ステージ構成としても良い。当該構成では、入力差動対がプリアンプ21に該当する。当該構成であってもプリアンプ21及びラッチ22の機能を構成し、かつ閾値制御部23による閾値調整が可能である。
再び図1を参照する。オフセット算出回路30は、内部にレジスタ(図示せず)を有する。レジスタには、DCオフセットを調整するためのDCオフセット調整値が保持される。オフセット算出回路30は、DCオフセットキャリブレーションモードの際に、一定時間毎にコンパレータ20の出力値の出力回数をカウントする。コンパレータ20は、出力値として0または1を出力する。例えば出力値として1の出力される頻度が0の出力される頻度よりも多い場合、コンパレータ20が正のDCオフセットを持つことを意味する。この場合、レジスタの保持するDCオフセット調整値を1だけ減らす。一方、コンパレータ20が負のDCオフセットを持つ場合にはレジスタの保持するDCオフセット調整値を1だけ増やす。オフセット算出回路30は、このDCオフセット調整値の調整を所定回数繰り返し行う。これによりオフセット算出回路30内のレジスタには、コンパレータ20に対応するDCオフセット調整値が格納される。
オフセット算出回路30は、A/D変換モードの場合、このレジスタ内に格納されたDCオフセット調整値を読み出して加算器50に供給する。
疑似乱数生成器40は、いわゆるディザ(dither)信号に相当する疑似乱数値を生成するデジタル回路である。疑似乱数生成器40は、一般的なA/D変換器においてディザ信号の生成に用いられる一般的なデジタル回路であればよい。疑似乱数生成器40は、A/D変換モードの場合に(スイッチSW3がONの場合に)生成した疑似乱数値を加算器50に供給する。
加算器50は、DCオフセットキャリブレーションモードの場合(スイッチSW3がOFFの場合)、オフセット算出回路30内のレジスタに格納されたDCオフセット調整値をそのまま閾値調整信号としてコンパレータ20に供給する。一方、A/D変換モードの場合(スイッチSW3がONの場合)、オフセット算出回路30内のレジスタに格納されたDCオフセット調整値と疑似乱数生成器40の出力した乱数値を加算または減算し、算出値を閾値調整信号としてコンパレータ20に供給する。詳細には、加算器50は、オフセット算出回路30内のレジスタに格納されたDCオフセット調整値に対して、所定のタイミングに応じて乱数値の加算と減算を切り替える。好適には、ランダムなタイミングで乱数値の加算と減算を切り替える。なお、ランダムに加算と減算を切り替える必要はなく、数クロック毎(1クロック毎でもよい)に加算と減算を切り替えても良い。
以下の説明では、ディザ信号(乱数値)を加算する期間を第1期間、ディザ信号(乱数値)を減算する期間を第2期間とする。第1期間と第2期間は交互に切り替わる。第1期間と第2期間はランダムで切り替わるものの長時間で平均した場合、第1期間の合計時間と第2期間の合計時間は略等しくなる。なお、ここで減算とはDCオフセット調整値とは別の極性をもつ(DCオフセット調整値がプラスの値である場合にはマイナスの)乱数値を加算することと同義である。加算器50の動作具体例は、後述する図9に示す。
続いて、図8のフローチャートを参照して、本実施の形態にかかるA/D変換器1の動作について説明する。はじめにA/D変換器1は、DCオフセットキャリブレーションモードで動作する。すなわち、A/D変換器1は、内部のスイッチSW2をONにし、他のスイッチSW0、SW1、及びSW3をOFFにして動作する。
コンパレータ20の各入力端子は、参照電圧(例えばGND)と接続される。コンパレータ20は、比較結果である出力値(0または1)を出力する。オフセット算出回路30は、コンパレータ20の出力総数と、1が出力された回数と、をカウントする(S11)。そして、オフセット算出回路30は、一定時間内に1が出力された回数が当該一定時間内の出力総数の半数よりも多いか否かを判定する(S12)。
1が出力された回数が過半数を超える場合(S12:Yes)、オフセット算出回路30は、内部のレジスタが保持するDCオフセット調整値($vthcal)をデクリメントする(S13)。一方、1が出力された回数が過半数を超えない場合(S12:No)、オフセット算出回路30は、内部のレジスタが保持するDCオフセット調整値($vthcal)をインクリメントする(S14)。
A/D変換器1は、S11〜S14の処理が一定回数行われたか否かを判定する(S15)。一定回数に満たない場合(S15:No)、A/D変換器1は、S11〜S14の処理を再度行う。一方、S11〜S14の処理が一定回数終了した場合(S15:Yes)、A/D変換器1は、DCオフセットキャリブレーションモードでの動作を終了する。DCオフセットキャリブレーションモードが終了した場合、オフセット算出回路30内のレジスタに格納されたDCオフセット調整値は、コンパレータ20の量子化の際の閾値の中心値(閾値センター値)となる。
A/D変換器1は、DCオフセットキャリブレーションモードが終了した後に、A/D変換モードでの動作を開始する。すなわち、A/D変換器1は、内部のスイッチSW2をオフ状態にし、他のスイッチSW0、SW1、及びSW3をONにして動作する。
スイッチSW0、SW1、及びSW3をONにした場合、加算器50は、オフセット算出回路30内のレジスタに格納されたDCオフセット調整値と疑似乱数生成器40の出力した乱数値を加算または減算する。そして、加算器50は、この加減算による算出値に相当する閾値調整信号をコンパレータ20内の閾値制御部23に供給する。コンパレータ20は、この閾値調整信号に応じて量子化に用いる閾値を調整し、デジタル信号(OUT)を生成する(S21)。
続いて図9を参照して、A/D変換器1の動作シーケンスを説明する。A/D変換器1は、はじめにDCオフセットキャリブレーションモードで動作する。詳細には、オフセット算出回路30は、コンパレータ20の出力をカウントし、内部のレジスタに格納するDCオフセット調整値を調整する。このDCオフセット調整値は、A/D変換モードの際に閾値制御信号に反映される。A/D変換器1は、一定回数(一定時間)だけDCオフセット調整値の調整処理を継続して行う。これにより、DCオフセット調整値がコンパレータ20のDCオフセットに相当する値となる。図9の例ではDCオフセット調整値は27となる。
一定回数の調整が終了した場合、A/D変換器1はDCオフセットキャリブレーションモードの動作を終了し、A/D変換モードの動作を開始する。疑似乱数生成器40は、ディザ信号に相当する乱数値を生成する。加算器50は、オフセット算出回路30がレジスタに保持するDCオフセット調整値(コンパレータ20のDCオフセット相当)に対して生成した乱数値を加算、または減算する。ここで加算器50は、一定のタイミングに応じて乱数の加算と減算を切り替える。コンパレータ20は、加算器50の出力信号である閾値調整信号の値を量子化閾値レベルとして用い、デジタル信号(OUT)を生成する。
続いて、本実施の形態にかかるA/D変換器1の効果について説明する。上述のようにA/D変換器1は、2つの動作モードで動作する。ここでコンパレータ20は、DCオフセットキャリブレーションモードではDCオフセットの算出を行うとともに、A/D変換モードではDCオフセット及びディザ信号を考慮した閾値を用いた量子化処理を行う。すなわち、コンパレータ20内のアナログ部(プリアンプ21、ラッチ22)と閾値調整部23は、DCオフセットの算出及び量子化処理の双方の処理に共用することができる。ここでA/D変換器1が予めDCオフセットキャンセルの仕組みを有していた場合、新たに必要となる回路ブロックは、デジタル回路からなる疑似乱数生成器40のみとなる。よって、A/D変換器1の面積の増大を最小限に抑えることができる。特に微細プロセスにおける面積及び電力のオーバーヘッドを小さくすることができる。
更に詳細に説明する。本実施の形態にかかるA/D変換器1は、閾値調整部23をDCオフセットの算出及び量子化処理の際に共用することができる。例えば閾値調整部23を複数の容量素子を用いて構成した場合について考える。閾値調整部23内の各容量素子は、DCオフセットの調整のための充放電に用いることも、ディザ振幅の調整のための充放電に用いることもできる。このように各容量素子を複数用途に共用できることにより電圧を供給する(ONにする)容量素子の数を減らすことができ、消費電力を削減することができる。これに伴い、動作スピードも向上させることができる。
なお、ディザ信号の加算を行う時間(第1期間の合計時間)とディザ信号の減算を行う時間(第2期間の合計時間)を略等しくすることにより、ディザ信号の振幅のタイミングを適切に調整することができる。
<実施の形態2>
本実施の形態にかかるA/D変換器1は、コンパレータ20内に2つの極性スイッチ回路を備えることにより、閾値調整部23の回路規模を実施の形態1の構成よりも削減できることを特徴とする。以下、本実施の形態にかかるA/D変換器について、実施の形態1と異なる点を説明する。
はじめに、実施の形態1にかかるA/D変換器1では問題が生じるケースについて図10を参照して説明する。図10は、コンパレータ20内の閾値レベルの時間変化を示す図である。以下の説明において、ディザ信号の振幅(すなわち疑似乱数生成器40が生成する乱数の正の値と負の値)を+/−x(x≧0)[mv]、DCオフセット調整前のコンパレータ20のDCオフセットをy[mv]とする。例えば図9の例ではy="−27"である。また、閾値制御部23による調整可能な閾値レンジをz(z≧0)[mv]とする。
DCオフセットキャリブレーションモードにおいて、閾値制御部23は、−y[mv]の調整回路を必要とする。そして、A/D変換モードが開始すると、閾値制御部23は、x−y[mv]、−x−y[mv]の調整を行う必要がある。例えば図9の例では、最大で69[mv]幅の調整を行う必要がある。ここで、x−y[mv]が+z[mv]より大きいまたは−x−y[mv]−z[mv]よりも小さい場合、加算するディザ信号(疑似乱数生成器40が生成する乱数値)をz−|y|[mv]まで下げる必要がある。換言すると、コンパレータ20の閾値が+/−z[mv]までに制限されてしまう。この場合、所望のアイドルトーンの低減効果を得られないという問題が生じる。または、所望のアイドルトーンの低減効果を得るためには、閾値制御部23の回路規模を大きくしなければならないという問題が生じる。
上述の問題を解決する実施の形態2のA/D変換器1について説明する。A/D変換器1内のコンパレータ20以外の構成は、図1と同様である。しかしながら、本実施の形態にかかる加算器50は、常に逆極性の値の加算を行う点が実施の形態1と異なる。例えば、図9の例ではDCオフセット調整値"27"に対して乱数値"42"を加算または減算しているが、本実施の形態にかかる加算器50は、DCオフセット調整値と乱数値(ディザ信号)を常に異なる極性で加算する。例えばDCオフセット調整値がマイナスの値である場合、加算器50は、正の乱数値(+42)を常に加算し、負の乱数値(−42)は加算しない。
図11は、上述の問題を解決する本実施の形態のコンパレータ20の構成を示すブロック図である。本実施の形態にかかるコンパレータ20は、図1の構成に加えて、第1極性スイッチ回路24、及び第2極性スイッチ回路25を有する。第1極性スイッチ回路24は、A/D変換モードの場合に、ディザ切替タイミング(第1期間と第2期間の切替タイミング)に応じてコンパレータ20内のプリアンプ21の正極性(+)の入力端子への入力信号と、負極性(−)の入力端子への入力信号と、を入れ替えるアナログ回路である。第1期間においてコンパレータ20(第1極性スイッチ回路24、第2極性スイッチ回路25を含む)に入力換算した見かけ上の閾値調整幅は、第2期間においてコンパレータ20(第1極性スイッチ回路24、第2極性スイッチ回路25を含む)に入力換算した見かけ上の閾値調整幅よりも大きい。例えば図9では、第1期間におけるコンパレータ20に入力換算した見かけ上の閾値調整幅は69(|27+42|)であり、第2期間におけるコンパレータ20に入力換算した見かけ上の閾値調整幅は15(|27−42|)である。
第1極性スイッチ回路24の構成例を図12に示す。第1極性スイッチ回路24は、4つのスイッチS240〜SW243を有する。第1期間(φ1とする)である場合、第1極性スイッチ回路24は、プリアンプ21の各端子への入力信号を入れ替えて供給する。すなわち、第1期間(φ1)である場合、スイッチSW241及びSW242がON状態となり、スイッチSW240及びSW243がOFF状態となる。一方、第2期間(ディザ信号を減算する期間)に切り替わった場合、第1極性スイッチ回路24は、プリアンプ21の各端子への入力信号をそのまま供給する。すなわち第2期間となった場合、スイッチSW241及びSW242がOFF状態となり、スイッチSW240及びSW243がON状態となる。
再び、図11を参照する。第2極性スイッチ回路25は、ラッチ22から差動出力された信号をディザ切替タイミング(第1期間と第2期間の切替タイミング)に応じて極性反転して出力するロジック反転回路である。第2極性スイッチ回路25は、第1期間(φ1)である場合には出力信号の極性を入れ替える。一方、第2極性スイッチ回路25は、第2期間である場合には出力信号をそのまま出力する。
上述の構成により実施の形態1と同様の動作を行える理由について図6を参照しつつ説明する。以下の説明では、プリアンプ21、ラッチ22、及び閾値制御部23の合計の入力換算オフセットをVo(上述のy[mv]と同義)と記載する。
コンパレータ20は、2つの入力信号Vin_T、Vin_Bの比較を行い、比較結果(+1,−1)を出力する。第2期間では、第1極性スイッチ回路24及び第2極性スイッチ回路25は、入力信号の入れ替え(極性反転)を行わない。そのため、第2期間のコンパレータ20のファンクション(動作)は以下の[数1]のように示される。
[数1]
if (Vin_T - Vin_B - Vos > 0) then OUT = +1
else if (Vin_T - Vin_B - Vos < 0) then OUT = -1
当該[数1]は、入力信号Vin_Tと、Vin_B及びオフセットVosと、の差分が0より大きければ+1を出力し、0より小さければ−1を出力することを示している。すなわち、右辺がコンパレータ20からの出力値を示している。
第1期間では、第1極性スイッチ回路24及び第2極性スイッチ回路25は、入力信号の入れ替え(極性反転)を行う。第1極性スイッチ回路24は入力信号Vin_TとVin_Bの入力先の端子を入れ替え、第2極性スイッチ回路25は出力値の極性を入れ替える(+1を−1にし、−1を+1にする)。そのため、第1期間のコンパレータ20のファンクション(動作)は以下の[数2]のように示される。
[数2]
if (- (Vin_T - Vin_B) - Vos > 0) then OUT = -1
else if (- (Vin_T - Vin_B) - Vos < 0) then OUT = +1
この[数2]を変形させると以下の[数3]となり、第1期間のコンパレータ20の動作は、第2期間のコンパレータ20の動作から入力換算オフセットVoを反転させたものと等しいことが分かる。
[数3]
if (Vin_T - Vin_B - (-Vos) > 0) then OUT = +1
else if (Vin_T - Vin_B - (-Vos) < 0) then OUT = -1
図13は、本実施の形態にかかるA/D変換器1の動作を示すフローチャートである。図13のフローチャートは、図8と比べてA/D変換モードの際の動作(S22)のみが異なる。本実施の形態ではA/D変換モードにおいて、加算器50はコンパレータ20のDCオフセット調整値と異なる極性の乱数値(ディザ信号に相当する値)を加算し、算出値を閾値調整信号としてコンパレータ20に供給する(S22)。コンパレータ20は、ディザ切替タイミングに応じて極性反転及び非反転を実行するとともに、閾値調整信号を基に量子化処理を行う(S22)。
図14は、A/D変換器1の動作シーケンスである。本実施の形態にかかるA/D変換器1は、DCオフセットキャリブレーションモードにおいて、コンパレータ20のDCオフセット調整値"27"を算出する(図14)。A/D変換モードでは、加算器50は、DCオフセット調整値"27"からディザ信号に相当する乱数値"−42"(DCオフセット調整値と異なる極性を持つ乱数値)を常に加算する。また、第1極性スイッチ回路24及び第2極性スイッチ回路25は、量子化の前後において上述の極性反転及び非反転処理を行う。第1極性スイッチ回路24及び第2極性スイッチ回路25は、上述の極性反転及び非反転を所定のタイミング(例えば数クロック)で切り替える(すなわち第1期間と第2期間を所定のタイミングで切り替える)ことにより、実施の形態1と同様のディザ振幅(ディザ信号の加算と減算による振幅)を実現することができる。
図15は、本実施の形態にかかるコンパレータ20内の閾値レベルの時間変化を示す図である。図15は、閾値調整部23に与えられる閾値調整信号の値変化を示している。DCオフセット調整前のコンパレータ20のDCオフセットをy[mv]とする。
DCオフセットがy[mv]であるため、閾値制御部23はDCオフセットキャリブレーションモードにおいて−y[mV]の閾値調整を行う。A/D変換モードではDCオフセット調整値(y)とは逆の極性でディザ信号に相当する乱数値を加算する。図15の例では、DCオフセットの値がマイナスの値(y<0)であるため、DCオフセット調整値(−y)は正の値となる。そのため、乱数値−xとDCオフセット調整値(−y)の加算値が閾値調整信号となる。例えば図9の例では、調整前の閾値(DCオフセットの値)が"−27"であり、DCオフセット調整値が"+27"となり、乱数値が"−42"であるため、"15"幅の閾値がA/D変換時に閾値制御部23に設定される(図中のx−|y|[mV])。
前述の[数1]〜[数3]を参照して説明したように、第1極性スイッチ回路24及び第2極性スイッチ回路25が極性反転を行った場合、コンパレータ20の動作は極性非反転時のコンパレータ20の動作からオフセット(y)を反転させたものと等しくなる。これにより、実動作上の閾値の変化は図10と同一とすることができる。
続いて、本実施の形態にかかるA/D変換器1の効果について説明する。上述したように、加算器50は、DCオフセット調整値と逆の極性を持つ乱数値を加算した演算結果を閾値制御信号として用いる。常にDCオフセット調整値と逆の極性を持つ乱数値を加算して算出した算出値を閾値制御信号として用いるため、閾値制御部23の調整レンジを実施の形態1に比べて小さくすることができる。
具体例を交えて説明する。図10を参照して説明したように、実施の形態1にかかる閾値制御部23は、DCオフセットキャリブレーションモードではy[mv]の調整を行う必要があり、A/D変換モードでは最大で+x+|y|[mv]の調整を行う必要がある。
一方、実施の形態2にかかる閾値制御部23は、DCオフセットキャリブレーションモードではy[mv]幅の調整を行う必要がある。そして、実施の形態2にかかる閾値制御部23は、A/D変換モードでは+x−|y|[mv]幅の調整を行う必要がある。すなわち、実施の形態2にかかる閾値制御部23は、max(+x−|y|,y)[mv]の調整レンジを持てばよい。
調整レンジが小さいため、実施の形態2にかかる閾値制御部23は、実施の形態1にかかる閾値制御部23よりも回路規模を縮小することができる。また、極性スイッチ回路24は、図12に示すように非常に小さい構成でよく、極性スイッチ回路25も単純なロジック反転回路である。そのため、本実施の形態にかかるA/D変換器1は、実施の形態1と比べて全体的な回路規模を削減することが出来る。
なお、上述の説明では、コンパレータ出力が差動出力である場合について説明したが、必ずしもこれに限られず、コンパレータ出力がシングルエンド出力である場合にも上述の技術を応用することができる。
<実施の形態3>
実施の形態3は、上述のA/D変換器1の構成をパイプライン型A/D変換器内に応用したことを特徴とする。以下、当該パイプライン型A/D変換器について説明する。
パイプライン型A/D変換器は、各桁の判定に用いる低分解能のA/D変換処理を複数のステージで並列して動作させるA/D変換器である。図16は、パイプライン型A/D変換器の各ステージの構成例を示すブロック図である。当該演算ステージ100には、1.5ビットA/D変換器110と、1.5ビットD/A変換器120と、加算器130と、増幅回路140と、が含まれる。なお、第1のステージの前段にアナログ信号Vinをサンプリングし、その電圧を保持するサンプルホールド回路が配置される。
1.5ビットA/D変換器110は、アナログ信号Vinを1.5ビットのビットデータに変換し、変換したビットデータをコード変換回路(図示せず)に出力する。1.5ビットD/A変換器120は、1.5ビットA/D変換器110によりデジタル変換されたデータをアナログ信号に変換する。加算器130は、入力アナログ信号から、1.5ビットD/A変換器120から出力されたアナログ信号を減算し、減算結果(残差信号)を出力する。増幅回路140は、加算器130から出力される残差信号を増幅率2で電圧増幅し、増幅結果を次ステージに供給する。
図17は、1.5ビットA/D変換器110の構成例を示すブロック図である。1.5ビットA/D変換器110は、A/D変換器111と、A/D変換器112と、デコーダ113と、を備える。A/D変換器111及び112は、実施の形態1または2におけるA/D変換器1と略対応する構成である。なお、図中において"コンパレータ20−1"のように、"−"を用いた符号を付した回路は、原則として図1の対応する回路と同等の構成とする。
A/D変換器111は、図3と同様にDCオフセット及びディザ信号を扱う構成である。なお、図示するように、1.5ビットA/D変換器110は、2つのA/D変換器(111、112)を持つ、すなわち冗長性を持つ構成である。1.5ビットA/D変換器110が冗長性を有するため、コンパレータ20−1及び20−2のDCオフセットは本来変換精度劣化に影響を与えない。そのため閾値調整信号による調整は、主にステージ間ゲインエラー等による歪み特性劣化をディザ信号により補償することを目的とする。しかしながら、コンパレータ20−1及び20−2がDCオフセットを有する場合、補正可能なディザ信号の値が制限されてしまう。そのため、上述のDCオフセット調整値の算出を行う。
図18は、各パイプラインステージの入力信号電圧と、残差電圧との関係を示す図である。DCオフセットを有する場合、ディザ信号による補正可能な閾値レベルが制限されてしまう。そこでDCオフセットをキャンセルするようにDCオフセット調整値を算出することにより、精度の良いディザ加算を行うことができる。
(実施の形態1〜3にかかるA/D変換器1の適用システム例)
次に、実施の形態1〜3にかかるA/D変換器1の適応例について説明する。図19は、実施の形態1〜3にかかるA/D変換器1を適応した無線通信システムを示すブロック図である。当該無線通信システムは、いわゆる携帯電話等の通信装置の総称である。当該無線通信システムは、フロントエンドモジュール300と、送信用電力増幅器310と、アンテナ320と、半導体装置400と、デジタルベースバンドプロセッサ500と、電力管理IC600とを備える。
半導体装置400は、LNA401と、受信側ミキサ402と、分周器403と、受信側ローカル周波数生成部404と、受信側PGA405と、受信側フィルタ406と、A/D変換器1と、デジタルフィルタ407と、インターフェイス部408と、送信側論理回路409と、D/A変換器410と、送信側フィルタ411と、送信側ローカル周波数生成部412と、送信側分周器413と、送信側ミキサ414と、送信側PGA415と、バラン416とを備える。なお、ここではデュプレクサーを図示しない。A/D変換器1は、実施の形態1〜3に示したA/D変換器1のいずれかである。
はじめに、無線アナログ信号受信時の動作について説明する。半導体装置400は、アンテナ320及びフロントエンドモジュール300を介して無線アナログ信号を受信する。LNA401は、当該無線アナログ信号を増幅する。受信側ミキサ402は、LNA401の出力信号をベースバンド信号の周波数帯域に変換する。この際に受信側ミキサ402は、受信側ローカル周波数生成部404が生成したローカル周波数信号を分周器403で分周した信号を変換に用いる。受信側PGA405はミキサ402の出力信号のゲイン調節を行い、受信側フィルタ406はゲイン調節後のアナログ信号に対して所定のフィルタリング処理を行う。
A/D変換器1は、受信側フィルタ406の出力したアナログ信号をデジタル信号に変換する。ここでA/D変換器1は、実施の形態1〜3に示した構成であるため、小さな面積で高精度な変換処理を実現することができる。
デジタルフィルタ407は、A/D変換器1が出力したデジタル信号に所定のフィルタリング処理を行う。インターフェイス部408は、フィルタ済みのデジタル信号をデジタルベースバンドプロセッサ500に供給する。デジタルベースバンドプロセッサ500は、供給されたデジタル信号を用いて任意の処理を行う。
続いて無線アナログ信号送信時の動作について説明する。デジタルベースバンドプロセッサ500は、送信に用いるデジタル信号をインターフェイス部408を介して送信側論理回路409に供給する。送信側論理回路409は、入力デジタル信号を用いた所定の論理演算を行い、演算結果のデジタル信号をD/A変換器410に供給する。D/A変換器410は、入力されたデジタル信号をアナログ信号に変換する。送信側フィルタ411は、変換されたアナログ信号に対して所定のフィルタリング処理を行う。送信側ミキサ414は、当該アナログ信号を基に無線通信用の周波数帯域に変換したアナログ信号を生成する。この際に送信側ミキサ414は、送信側ローカル周波数生成部412が生成したローカル周波数信号を分周器413で分周した信号を変換に用いる。送信側PGA415は、当該アナログ信号のゲイン調整を行う。そしてゲイン調整済みのアナログ信号は、バラン416、送信用電力増幅器310、フロントエンドモジュール300、及びアンテナ320を介して無線アナログ信号として対向装置に送信される。
電力管理IC600は、デジタルベースバンドプロセッサ500及び半導体装置400に供給する電力の制御を行う。
なお当該無線通信システムは、実施の形態1〜3のいずれかにかかるA/D変換器1を適応できるシステムの一例にすぎず、他の装置、システムに応用できることは勿論である。例えば実施の形態1〜3のいずれかにかかるA/D変換器1は、各種のオーディオ装置内で用いられても良い。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
上述の説明では、デルタシグマ型A/D変換器及びパイプライン型A/D変換器について言及したが、上述の技術はコンパレータを内蔵し、ディザ加算を行う任意のA/D変換器に適用することが可能である。
1 A/D変換器
10 ループフィルタ
20 コンパレータ
21 プリアンプ
22 ラッチ
23 閾値制御部
24 極性スイッチ回路
25 極性スイッチ回路
30 カウンタ
40 疑似乱数生成器
50 加算器
100 演算ステージ
110 1.5ビットA/D変換器
111,112 A/D変換器
113 デコーダ
120 1.5ビットD/A変換器
130 加算器
140 増幅回路
SW0〜SW3 スイッチ
SW240〜SW243 スイッチ
300 フロントエンドモジュール
310 送信用電力増幅器
320 アンテナ
400 半導体装置
401 LNA
402 受信側ミキサ
403 分周器
404 受信側ローカル周波数生成部
405 受信側PGA
406 受信側フィルタ
407 デジタルフィルタ
408 インターフェイス部
409 送信側論理回路
410 D/A変換器
411 送信側フィルタ
412 送信側ローカル周波数生成部
413 送信側分周器
414 送信側ミキサ
415 送信側PGA
416 バラン
500 デジタルベースバンドプロセッサ
600 電力管理IC

Claims (8)

  1. アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器を備える半導体装置であって、
    前記A/D変換器は、
    前記アナログ信号と無相関な乱数値を生成する疑似乱数生成器と、
    第1動作モードの場合に第1入力端子と第2入力端子に同一レベルの参照電位を入力して比較処理を行うとともに、第2動作モードの場合にアナログ信号の量子化を行うコンパレータと、
    前記第1動作モードの場合に、前記コンパレータの比較結果に基づいて前記コンパレータのDCオフセットを調整するオフセット調整値を算出するオフセット算出回路と、
    前記オフセット調整値と前記乱数値とを用いた演算を行う加算器と、を備え、
    前記コンパレータは、前記第2モードの場合に、前記加算器が算出した算出値を閾値として前記アナログ信号の量子化を行う、半導体装置。
  2. 前記加算器は、前記オフセット調整値と、前記オフセット調整値と逆の極性を持つ前記乱数値と、を加算して加算結果を前記算出値とし、
    前記コンパレータは、
    第1期間の場合に前記コンパレータの2つの入力端子への入力信号を入れ替え、第2期間の場合には該入れ替えを行わない第1極性スイッチ回路と、
    前記第1期間の場合に前記コンパレータからの出力信号の極性を反転し、前記第2期間の場合には前記コンパレータからの出力信号の極性の反転を行わない第2極性スイッチ回路と、を備える請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記コンパレータは、
    前記第1入力端子への入力信号と前記第2入力端子の入力信号とを電流値に変換して出力するプリアンプと、
    前記プリアンプの出力をクロック信号に同期して保持するラッチ回路と、
    前記プリアンプと前記ラッチ回路との間に設けられ、前記プリアンプの出力信号に対応する第1閾値調整部及び第2閾値調整部と、を備え、
    前記加算器は、前記第1及び第2閾値調整部に、前記算出値に応じた容量または電流量を設定する閾値調整信号を供給する、請求項1に記載の半導体装置。
  4. 前記加算器は、前記オフセット調整値と、前記オフセット調整値と逆の極性を持つ前記乱数値と、を加算して加算結果を前記算出値とし、
    前記コンパレータは、
    第1期間の場合に前記プリアンプの前記第1入力端子への入力信号と、前記第2入力端子への入力信号とを入れ替え、第2期間の場合には該入れ替えを行わない第1極性スイッチ回路と、
    前記第1期間の場合に前記ラッチ回路からの出力信号の極性を反転し、前記第2期間の場合には前記ラッチ回路からの出力信号の極性の反転を行わない第2極性スイッチ回路と、を備える請求項3に記載の半導体装置。
  5. 前記半導体装置は、
    前記A/D変換器を並列配置したステージを複数持つパイプライン型A/D変換器を有する、請求項1に記載の半導体装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の半導体装置と、
    無線アナログ信号を送受信するアンテナと、
    前記半導体装置内の前記A/D変換器により前記無線アナログ信号をデジタル化したデジタル信号を用いて演算を行うベースバンドプロセッサと、
    を備える無線通信システム。
  7. アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換方法であって、
    前記アナログ信号と無相関な乱数値を生成し、
    第1動作モードの場合にコンパレータの第1入力端子と第2入力端子に同一レベルの参照電位を入力して比較処理を行い、当該比較結果に基づいて前記コンパレータのDCオフセットを調整するオフセット調整量を算出し、
    前記オフセット調整値と前記乱数値とを加算または減算した算出値を算出し、
    第2の動作モードの場合に前記算出値を前記コンパレータの閾値として前記アナログ信号の量子化を行う、A/D変換方法。
  8. 前記オフセット調整値と、前記オフセット調整値と逆の極性を持つ前記乱数値と、を加算して加算結果を前記算出値とし、
    第1期間の場合に前記コンパレータの2つの入力端子への入力信号を入れ替え、第2期間の場合には該入れ替えを行わず、
    前記第1期間の場合に前記コンパレータからの出力信号の極性を反転し、前記第2期間の場合には前記コンパレータからの出力信号の極性の反転を行わない、請求項7に記載のA/D変換方法。
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