JP2014021227A - プロジェクター、及び、プロジェクターにおける発光制御方法 - Google Patents
プロジェクター、及び、プロジェクターにおける発光制御方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】プロジェクター1は、複数のレーザー光源42,43と、複数のレーザー光源42,43が発する光を変調して投射する投射部20と、投射部20から投射される変調光28の投射状態を光学的に変化させる投射光学系23と、投射光学系23の状態を変化させる投射光学系駆動部34と、投射光学系23の状態と、変調光28のホワイトバランスを整えるための各々のレーザー光源42,43の発光量の調整値と、を関連付けて記憶する記憶部15と、投射光学系23の状態に対応した調整値に基づいて各々のレーザー光源42,43の発光量を調整するPWM信号生成部50と、を備える。
【選択図】図1
Description
また、従来、LEDやレーザー等、PWM(パルス幅変調)制御により輝度を調整することができる光源を用いたプロジェクターが知られている(例えば、特許文献2参照)。
本発明は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、プロジェクターが投射する光のホワイトバランスを適切に保つことが可能なプロジェクター、及び、プロジェクターにおける発光制御方法を提供することを目的とする。
本発明によれば、光学系の状態変化によりホワイトバランスが変化しても、記憶している調整値に基づいて光源の発光量を調整することにより、変調光のホワイトバランスを適切に、かつ速やかに調整することができる。
本発明によれば、光学系の状態変化に伴ってホワイトバランスが変化しても速やかに調整することができる。また、ホワイトバランスの調整値が少なくても様々な状態で調整を行うことができ、多数の調整値を必要としないので調整値の取得に要する時間を短縮できる。
本発明によれば、光学系の状態と、その状態でのホワイトバランスの調整値とを関連づけて記憶させておくことにより、実際に調整値を検出する回数を抑えることができる。
本発明によれば、色変換及び/又は分光により1つの光源から複数の色光を生成する構成において、光学系の状態の変化に伴ってホワイトバランスが変化しても、ホワイトバランスを適切に、かつ速やかに調整できる。
本発明によれば、光学部品の位置が変更することにより、例えば各光源からの光路長の差に起因してホワイトバランスが変化しても、ホワイトバランスを適切に、かつ速やかに調整できる。
本発明によれば、実際の検出値に基づいてホワイトバランスを適切に調整することができ、かつ、代表的な検出値から得られる調整値を演算して、別の調整値を取得できるので、実際に検出する回数を抑えることができる。
本発明によれば、プロジェクターの外部で測定した測定値を用いることにより、より正確にホワイトバランスを調整できる。また、光学系の状態変化に対応して多数回の検出を行うことなく、ホワイトバランスを調整できるので、調整に要する手間と時間の増加を避けることができる。
本発明によれば、光学系の状態変化によりホワイトバランスが変化しても、記憶している調整値に基づいて光源の発光量を調整することにより、変調光のホワイトバランスを適切に、かつ速やかに調整することができる。
図1は、実施形態に係るプロジェクター1の機能的構成を示すブロック図である。スクリーンSC(投射面)に画像を投射する表示装置としてのプロジェクター1は、PC等のコンピューターや各種画像プレーヤー等の外部の画像供給装置(図示略)に、I/F(インターフェイス)11を介して接続され、インターフェイス11に入力されるデジタル画像データに基づく画像をスクリーンSCに投射する。
投射部20は、光源部21、光変調装置(変調手段)22、及び投射光学系(投射手段)23を備えている。光源部21は、LEDやレーザー光源等のパルス信号により輝度をPWM制御可能な光源を備えている。本実施形態では、青色レーザー光を発する2つの青色半導体レーザー素子を用いたレーザー光源42、43を備えた構成を例示する。なお、レーザー光源42、43は複数の半導体素子を備え、複数のレーザー光を発するものであってもよい。
光変調装置22は、後述する画像処理系からの信号を受けて、光源部21が発した光を変調する。光変調装置22により変調された変調光(画像光)23a,23b,23cは、投射光学系23に導かれる。光変調装置22の具体的な構成としては、例えば、RGBの各色に対応した3枚の透過型または反射型の液晶ライトバルブを用いた方式が挙げられる。本実施形態では、RGBの3色の色光に対応した3枚の透過型の液晶パネル、すなわち青色光(B)を変調する液晶パネル22a、赤色光(R)を変調する液晶パネル22b、及び、緑色光(G)を変調する液晶パネル22cを備えた構成とする。光変調装置22が備える液晶パネル22a、22b、22cは、後述する液晶パネルドライバー33によって駆動され、各液晶パネルにマトリクス状に配置された各画素における光の透過率を変化させることにより、画像を形成する。
光変調装置22により変調されたRGBの各色光は不図示のクロスダイクロイックプリズムにより合成されて、投射光学系23に導かれる。
投射光学系23は、光変調装置22で変調された変調光23a,23b,23cをスクリーンSC上に投射して結像させるためのレンズ群である投射レンズ24を備えて構成される。また、投射光学系23には、絞りを調整する絞り機構25、レンズシフトを調整するレンズシフト機構26、ズームを調整するズーム機構27が設けられている。絞り機構25、レンズシフト機構26、及び、ズーム機構27には、制御部10の制御に従って各機構25,26,27を駆動する投射光学系駆動部(光学系調整手段)34が接続されている。
レーザー光源42は、レーザー光源ドライバー40によって駆動されて青色レーザー光42aを発し、この青色レーザー光42aは拡散板44を経て拡散される。拡散されたレーザー光は青色光20aとして光変調装置22の液晶パネル22aに入射し、液晶パネル22aによって変調される。一方、レーザー光源43はレーザー光源ドライバー41によって駆動され、レーザー光源42と同様に青色レーザー光を発する。レーザー光源43が発した青色レーザー光は、蛍光体ホイール45の蛍光体に当たって黄色光45aに変換され、分光部46に入射する。分光部46は、黄色光45aを波長成分により分離し、分離された赤色光20b及び緑色光20cは、それぞれ液晶パネル22b及び液晶パネル22cに入射する。つまり、蛍光体ホイール45及び分光部46は、光源部21において、レーザー光源43が発する光から複数の色光を生成する色光変調手段としての機能を備える。
レーザー光源ドライバー40、41は、パルス信号S2、S3のパルスがオンに立ち上がるとレーザー光源42、43を点灯させ、パルスがオフに下がるとレーザー光源42、43を消灯させる。
ここで、インターフェイス11は、例えば、デジタル映像信号が入力されるDVI(Digital Visual Interface)インターフェイス、USBインターフェイス及びLANインターフェイスや、NTSC、PAL及びSECAM等のコンポジット映像信号が入力されるS映像端子、コンポジット映像信号が入力されるRCA端子、コンポーネント映像信号が入力されるD端子、HDMI(登録商標)規格に準拠したHDMIコネクター等、VESA(Video Electronics Standards Association)が策定したDisplayPort(商標)規格に準拠したコネクター等を有する。また、映像入力部12は、インターフェイス11にアナログ映像信号が入力された場合に、このアナログ映像信号をデジタル画像データに変換するA/D変換回路を有する構成としてもよい。なお、インターフェイス11に、無線通信インターフェイスを設けても良い。
制御部10は、記憶部15に記憶された制御プログラムを読み出して実行することにより、プロジェクター1の各部を制御する。制御部10は、入力処理部16から入力される操作情報に基づいて、ユーザーが行った操作の内容を検出し、この操作に応じて画像処理部31、液晶パネルドライバー33、投射光学系駆動部34及びPWM信号生成部50を制御して、スクリーンSCに画像を投射させる。
投射制御部17は、入力処理部16が検出した操作に従って、プロジェクター1の各部を初期化するとともに、PWM信号生成部50を制御してレーザー光源42、43を点灯させ、画像処理部31及び液晶パネルドライバー33を制御して、液晶パネル22a、22b、22cに画像を描画させて、画像を投射させる。また、投射制御部17は、投射光学系駆動部34を制御して、絞り機構25、レンズシフト機構26、及び、ズーム機構27を駆動する。
発光制御部(制御手段)18は、投射を開始する際及び投射中に、制御信号S1を生成して、PWM信号生成部50に出力する。この制御信号S1は、レーザー光源ドライバー40、41に入力されるパルス信号S2、S3のパルス幅と、パルス周期またはパルスがオフになる期間とを指定する。発光制御部18は、パルス幅、及び、パルス周期またはパルスがオフになる期間を変更することにより、レーザー光源42、43の発光量を調整する。
プロジェクター1は、2つのレーザー光源42,43によって、赤(R)、緑(G)、青(B)の3色の色光を発する構成となっている。このため、レーザー光源42が発する青色レーザー光42aは、青色光20aとなるが、レーザー光源43が発する青色レーザー光43aは、黄色光45aに変換された後、赤色光20bと緑色光20cに分光される。例えば、レーザー光源42とレーザー光源43とが同出力であり、かつ、拡散板44及び蛍光体ホイール45が全反射(反射率100%)であり、さらに、分光部46が光量を1/2にするものである場合に、赤色光20bと緑色光20cが同じ光量であるとすれば、レーザー光源42、43を同じ輝度で発光させた場合に、赤色光20bと緑色光20cの光量は、いずれも青色光20aの光量の半分である。言い換えれば、青色光20a、赤色光20b、緑色光20cの各色光の光量を同一にするならば、レーザー光源42の輝度を、レーザー光源43の輝度の半分にする必要がある。従って、プロジェクター1では、青色光20a、赤色光20b、及び緑色光20cの各色光の光量を好適なバランスにするために、レーザー光源42とレーザー光源43を、異なる輝度で発光させる。本実施形態では、青色光20aの光量を赤色光20b、緑色光20cよりも低光量とするよう、レーザー光源42の輝度とレーザー光源43の輝度の比(割合)が設定されている。なお、詳細については後述するが、レーザー光源42、43の輝度や各色光の光量に関する設定値は、記憶部15に記憶されている。
また、青色光20a、赤色光20b及び緑色光20cの光量の比は、レーザー光源42,43の出力、蛍光体ホイール45によって青色レーザー光43aを黄色光45aに変換する変換効率、拡散板44における拡散の状態、分光部46の分光特性、液晶パネル22a,22b,22cの状態等の各種条件によって影響を受けることがある。
このような影響を踏まえて、プロジェクター1は、正確な白色が再現できるように、ホワイトバランスが調整されている。
このように、レーザー光源42、43の経時変化の影響により、青色光20a、赤色光20b及び緑色光20cの光量の比が乱れた場合、或いは、投射光学系23の状態変化の影響により、変調光28のR:G:Bの光量の比が乱れた場合には、スクリーンSCに投射される投射画像のホワイトバランスがずれてしまう。2つのレーザー光源42,43を備えたプロジェクター1では、上述した様々な要因によりホワイトバランスが複雑に変化する。
図2は、製品の製造時に、レンズシフト機構26により、投射レンズ24の位置を変更させた際のホワイトバランスの調整値を記憶部15に記憶させる手順を示すフローチャートである。この図2を参照して、プロジェクター1の製造工程においてレンズシフトの位置に関連付けてホワイトバランスの調整値を記憶部15に記憶する手順について説明する。
まず、作業者の操作に基づいて、制御部10は、投射光学系駆動部34を制御して、レンズシフト機構26を駆動させ、レンズシフトを特定の位置、例えば中央、に合わせる(ステップS1)。続いて、作業者の操作に基づいて、制御部10は、発光制御部18の機能により、青色光20a、赤色光20b、緑色光20cが各々最大出力値で出力されるようにレーザー光源42,43を制御する。これにより、スクリーンSCには、ホワイトバランス調整前の白画面が投射される(ステップs2)。なお、青色光20a、赤色光20b、緑色光20cを各々最大値で出力した調整前の白画面では、ホワイトバランスが適正に調整されていないため、正確な白色が再現されていない。
次に、制御部10は、調整値取得部38の機能により、外部センサーで測定する投射画像のRGB比が100:100:100となったときの、プロジェクター1内部のカラーセンサー14の検出値を取得する(ステップS4)。これにより、カラーセンサー14では、レンズシフトの位置が特定の位置となった場合に、プロジェクター1のホワイトバランスが適正となる変調光28のR:G:Bの光量比が検出される。
続いて、調整値取得部38は、レンズシフトの位置と、カラーセンサー14の検出値とを関連付けて、ホワイトバランスの調整値として記憶部15に記憶する(ステップS5)。
作業者は、予め設定した全てのポイントについて、ホワイトバランスの調整値が記憶部15に記憶されたかを判断し(ステップS6)、他に調整値が記録されるべきレンズシフトの位置が残っている場合には(ステップS6:No)、当該位置についてステップS1〜S5を繰り返す。予め設定した全てのポイントについてホワイトバランスの調整値が記録されたと判断した場合には(ステップS6:Yes)、作業者は、レンズシフトに関するホワイトバランスの調整値を記憶部15に記憶させる作業を終了する。
まず、作業者の操作に基づいて、制御部10は、投射光学系駆動部34を制御して、ズーム機構27を駆動させ、投射レンズ24のズームの状態を特定の状態、例えば中央、に合わせる(ステップS11)。続いて、作業者の操作に基づいて、制御部10は、発光制御部18の機能により、青色光20a、赤色光20b、緑色光20cが各々最大出力値で出力されるようにレーザー光源42,43を制御する。これにより、スクリーンSCには、ホワイトバランス調整前の白画面が投射される(ステップS12)。なお、青色光20a、赤色光20b、緑色光20cを各々最大出力値で出力した調整前の白画面では、ホワイトバランスが適正に調整されていないため、正確な白色が再現されていない。
次に、制御部10は、調整値取得部38の機能により、外部センサーで測定する投射画像のRGB比が100:100:100となったときに、プロジェクター1の内部のカラーセンサー14で検出される検出値を取得する(ステップS14)。これにより、カラーセンサー14では、投射レンズ24のズームの状態が特定の状態となった場合に、プロジェクター1のホワイトバランスが適正となる変調光28のR:G:Bの光量比が検出される。
続いて、調整値取得部38は、ズームの状態と、カラーセンサー14の検出値とを関連付けて、ホワイトバランスの調整値として記憶部15に記憶する(ステップS15)。
作業者は、予め設定した全てのポイントについて、ホワイトバランスの調整値が記憶部15に記憶されたかを判断し(ステップS16)、他に調整値が記録されるべきズームの状態が残っている場合には(ステップS16:No)、当該状態についてステップS11〜S15を繰り返す。予め設定した全てのポイントについてホワイトバランスの調整値が記録されたと判断した場合には(ステップS16:Yes)、作業者は、ズームの状態に関するホワイトバランスの調整値を記憶部15に記憶させる作業を終了する。
まず、作業者の操作に基づいて、制御部10は、投射光学系駆動部34を制御して、絞り機構25を駆動させ、投射レンズ24の絞りの状態を特定の状態、例えば中央、に合わせる(ステップS21)。続いて、作業者の操作に基づいて、制御部10は、発光制御部18の機能により、青色光20a、赤色光20b、緑色光20cが各々最大出力値で出力されるようにレーザー光源42,43を制御する。これにより、スクリーンSCには、ホワイトバランス調整前の白画面が投射される(ステップS22)。なお、青色光20a、赤色光20b、緑色光20cを各々最大出力値で出力した調整前の白画面では、ホワイトバランスが適正に調整されていないため、正確な白色が再現されていない。
次に、制御部10は、調整値取得部38の機能により、外部センサーで測定する投射画像のRGB比が100:100:100となったときに、プロジェクター1の内部のカラーセンサー14で検出される検出値を取得する(ステップS24)。これにより、カラーセンサー14では、投射レンズ24の絞りの状態が特定の状態となった場合に、プロジェクター1のホワイトバランスが適正となる変調光28のR:G:Bの光量比が検出される。
続いて、調整値取得部38は、絞りの状態と、カラーセンサー14の検出値とを関連付けて、ホワイトバランスの調整値として記憶部15に記憶する(ステップS25)。
作業者は、予め設定した全てのポイントについて、ホワイトバランスの調整値が記憶部15に記憶されたかを判断し(ステップS26)、他に調整値が記録されるべき絞りの状態が残っている場合には(ステップS26:No)、当該状態についてステップS21〜S25を繰り返す。予め設定した全てのポイントについてホワイトバランスの調整値が記録されたと判断した場合には(ステップS26:Yes)、作業者は、絞りの状態に関するホワイトバランスの調整値を記憶部15に記憶させる作業を終了する。
次に、投射光学系23の特定の状態に基づいてホワイトバランスを調整する際のプロジェクター1の動作について図5のフローチャートを用いて説明する。
投射光学系23の状態が、記憶部15にホワイトバランスの調整値が予め記憶されている特定の状態ではないと判定した場合(ステップS32:No)、制御部10は、調整値取得部38の機能により、記憶部15に記憶されている特定の状態と、特定の状態に関連付けられて記憶されている調整値と、からホワイトバランスを検出された状態に対して適切に調整するための推定値を算出する(ステップS34)。
図6〜図8は、制御部10が検出する投射光学系23の状態を模式的に示す図であり、図6はレンズシフトの状態、図7はズームの状態、図8は絞りの状態を示す図である。
図6(A)に例示したように、レンズシフトの位置は、XY直交座表系で示される。図6(A)に示す図表のX軸は水平方向すなわちプロジェクター1の接地面に水平な方向におけるレンズシフト位置を示し、Y軸は垂直方向におけるレンズシフト位置を示す。また、原点(0,0)はレンズシフトの調整範囲の下限を示し左上に相当する位置に設定され、X軸方向における調整範囲の最大値を100、Y軸方向における調整範囲の最大値を100として表す。
本実施形態では、図6(A)の例で中央に相当する位置A(50,50)、真中上に相当する位置B(50,0)、真中下に相当する位置C(50,100)、真中左に相当する位置D(0,50)、および、真中右に相当する位置E(100,50)の各位置を、特定のレンズシフト位置とする。記憶部14には、これら位置A〜Eの各々の位置に対応づけて、ホワイトバランスの調整値が記憶されている。調整値取得部38は、制御部10により検出されたレンズシフトの位置が、これらの特定の位置A〜Eのいずれにも該当しないと判定された場合には、検出されたレンズシフトの位置に対応するホワイトバランスを調整するための推定値を、記憶部15に記憶された特定の位置A〜Eと、これらの特定の位置に対応する調整値とに基づいて直線補完、2次関数補完、またはスプライン補完等の補完方法を用いて算出する。
例えば、制御部10により検出されたレンズシフトの位置が図6(A)の位置F(75,50)のとき、調整値取得部38は、中央A(50,50)及び真中右E(100,50)の各位置の調整値に基づいて位置Fに対してホワイトバランスを調整するための推定値を算出する。中央A(50,50)に関連付けて記憶部15に記憶された調整値(R:G:B)が(98:97:100)であり、真中右E(100,50)に関連付けて記憶部15に記憶された調整値(R:G:B)が(85:92:90)である場合、位置F(75,50)に対してホワイトバランスを調整するための推定値(R:G:B)は、直線補完により以下のように算出される。
R=(98+85)÷2=91.5
G=(97+92)÷2=94.5
B=(100+90)÷2=95
例えば、制御部10により検出されたレンズシフトの位置が、図6(B)に示したXY座標系の(75,25)のとき、調整値取得部38は、中央に相当する位置(50,50)の調整値と、中央と真中上との中間に相当する位置(50,25)での変化量と、中央と真中右との中間に相当する位置(75,50)での変化量と、に基づいてホワイトバランスを調整するための推定値を算出する。中央A(50,50)に関連付けて記憶部15に記憶された調整値(R:G:B)が(98:97:100)であり、真中上に関連付けて記憶部15に記憶された変化量が95%であり、真中右に関連付けて記憶部15に記憶された変化量が110%である場合、レンズシフト位置(75,25)に対してホワイトバランスを調整するための推定値(R:G:B)は、直線補完により以下のように算出される。
R=((100%+95%)÷2)×((100%+110%)÷2)×98=100.3275
G=((100%+95%)÷2)×((100%+110%)÷2)×97=99.30375
B=((100%+95%)÷2)×((100%+110%)÷2)×100=102.375
なお、本実施形態では、各色光の変化量を同じ変化量としたが、これに限らず、赤色光R、緑色光G、青色光B毎に異なる変化量を特定のレンズシフト位置に対応付けて記憶部15に記憶しておく構成であっても良い。この構成によれば、より適切にホワイトバランスを調整するための推定値を算出することができる。
本実施形態では、例えば、ズーム位置がテレ端(位置0)、中央(位置50)、及び、ワイド端(位置100)にある状態を、それぞれ特定の状態とし、これらの特定の状態にホワイトバランスの調整値が関連付けられて、記憶部15に記憶されている構成とすることができる。そして、調整値取得部38は、制御部10により検出されたズームの状態が、これらの特定の状態ではないと判定された場合には、検出されたズームの状態に対応するホワイトバランスを調整するための推定値を、記憶部15に記憶された特定の状態と、この特定の状態での調整値とに基づいて直線補完、2次関数補完、またはスプライン補完等の補完方法を用いて算出する。例えば、制御部10により検出されたズームの状態が図7(A)の状態G(位置25)のとき、調整値取得部38は、中央及びテレ端の各状態の調整値に基づいて状態Gに対してホワイトバランスを調整するための推定値を算出する。ズーム中央に関連付けて記憶部15に記憶された調整値(R:G:B)が(98:97:100)であり、ズームテレに関連付けて記憶部15に記憶された調整値(R:G:B)が(85:92:90)である場合、ズームの状態が状態G(25)に対してホワイトバランスを調整するための推定値(R:G:B)は、直線補完により以下のように算出される。
R=(98+85)÷2=91.5
G=(97+92)÷2=94.5
B=(100+90)÷2=95
例えば、制御部10により検出されたズームの状態がテレ端に合わせた状態の時、ホワイトバランスを調整するための推定値は、ズームの状態が中央に合わせた状態での調整値に対して90%となる。ズームを中央に合わせた状態に関連付けて記憶部15に記憶された調整値(R:G:B)が(98:97:100)であり、テレ端での中央に対する変化量が90%である場合、推定値は、以下のように算出される。
R=98×90%=88.2
G=97×90%=87.3
B=100×90%=90
なお、本実施形態では、各色光の変化量を同じ変化量としたが、これに限らず、赤色光R、緑色光G、青色光B毎に異なる変化量を特定のズームの状態に対応付けて記憶部15に記憶しておく構成であっても良い。この構成によれば、より適切にホワイトバランスを調整するための推定値を算出することができる。
本実施形態では、例えば、絞りが全閉(位置0)、中央(位置50)、及び、全開(位置100)にある状態を、それぞれ特定の状態とし、これらの特定の状態にホワイトバランスの調整値が関連付けられて、記憶部15に記憶されている構成とすることができる。そして、調整値取得部38は、制御部10により検出されたレンズ絞りの状態が、これらの特定の状態ではないと判定された場合には、検出されたレンズ絞りの状態に対応するホワイトバランスを調整するための推定値を、記憶部15に記憶された特定の状態と、この特定の状態での調整値とに基づいて直線補完、2次関数補完、またはスプライン補完等の補完方法を用いて算出する。例えば、制御部10により検出されたレンズ絞りの状態が図7(B)の状態H(位置25)のとき、調整値取得部38は、レンズ絞り中央及びレンズ絞り全閉の各状態の調整値に基づいて状態Hに対してホワイトバランスを調整するための推定値を算出する。中央に関連付けて記憶部15に記憶された調整値(R:G:B)が(98:97:100)であり、全閉に関連付けて記憶部15に記憶された調整値(R:G:B)が(85:92:90)である場合、レンズ絞りの状態が状態H(25)に対してホワイトバランスを調整するための推定値(R:G:B)は、直線補完により以下のように算出される。
R=(98+85)÷2=91.5
G=(97+92)÷2=94.5
B=(100+90)÷2=95
例えば、制御部10により検出されたレンズ絞りの状態が全閉の時、ホワイトバランスを調整するための推定値は、レンズ絞りの状態が中央に合わせた状態での調整値に対して110%となる。レンズ絞りを中央に合わせた状態に関連付けて記憶部15に記憶された調整値(R:G:B)が(98:97:100)であり、全閉での中央に対する変化量が110%である場合、推定値は、以下のように算出される。
R=98×110%=107.8
G=97×110%=106.7
B=100×110%=110
なお、本実施形態では、各色光の変化量を同じ変化量としたが、これに限らず、赤色光R、緑色光G、青色光B毎に異なる変化量を特定のレンズ絞りの状態に対応付けて記憶部15に記憶しておく構成であっても良い。この構成によれば、より適切にホワイトバランスを調整するための推定値を算出することができる。
図1に示したプロジェクター1の各機能部は、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される機能的構成を含み、その具体的な実装形態は特に制限されない。その他、プロジェクター1の各部の具体的な細部構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
また、本実施形態のプロジェクター1は、青色光(B)を変調する液晶パネル22a、赤色光(R)を変調する液晶パネル22b、及び、緑色光(G)を変調する液晶パネル22cを備えた液晶プロジェクターである構成としたが、これに限らず、デジタルミラーデバイス(DMD)を用いたプロジェクターであってもよい。
また、本実施形態では、変調光28のホワイトバランスを正確な白、つまり、R:G:Bが100:100:100となるように調整する構成としたが、これに限らず、投射画面を青みがかった画面や赤みがかった画面に設定すべく、変調光の色光のバランスは、任意の色に設定可能である構成としても良い。
また、本実施形態では、投射光学系23の状態を変更する例として、レンズシフトの位置、ズームの状態、及び、レンズ絞りの状態を変更する場合について説明したが、光路上の光学部品、例えばシネマフィルターやアナモフィックレンズ、の状態を変更する場合や、照明絞りの状態を変更する等、ホワイトバランスに影響を与える設定の変更が行われた際に、ホワイトバランスを適切に調整する構成としても良い。
また、投射環境に応じて最適な色になるように変調光28のバランスを調整してもよい。この場合、プロジェクター1は環境光を測定する照度センサーまたはカメラを備え、測定した環境光に応じて適切な色になるように変調光28のバランスを調整すればよい。
Claims (8)
- 複数の光源と、
前記複数の光源が発する光を変調する変調手段と、を備え、
前記変調手段で変調された変調光を投射する投射部と、
前記投射部から投射される変調光の投射状態を光学的に変化させる光学系と、
前記光学系の状態を変化させる光学系調整手段と、
前記光学系の状態と、前記変調光のホワイトバランスを整えるための各々の前記光源の発光量の調整値とを関連付けて記憶する記憶手段と、
前記光学系の状態に対応した前記調整値に基づいて各々の前記光源の発光量を調整する発光量調整手段と
を備えることを特徴とするプロジェクター。 - 請求項1記載のプロジェクターであって、
前記記憶手段は、前記光学系の特定の状態と、前記調整値とを関連付けて記憶し、
前記光学系調整手段により前記光学系が前記特定の状態とされた場合に、前記記憶手段に記憶された前記調整値に基づいて前記発光量調整手段により前記光源の発光量を調整し、前記光学系調整手段により前記光学系が前記特定の状態以外の状態とされた場合には、前記記憶手段に記憶された調整値から算出される推定値に基づいて前記発光量調整手段により前記光源の発光量を調整する制御手段をさらに備えることを特徴とするプロジェクター。 - 請求項2に記載のプロジェクターであって、
前記光学系が特定の状態となった場合において前記変調光のホワイトバランスを整える調整値を取得し、前記光学系の状態と前記調整値とを関連付けて前記記憶手段に記憶する調整値取得手段をさらに備えることを特徴とするプロジェクター。 - 請求項2または3に記載のプロジェクターであって、
いずれかの前記光源の光から色変換及び/又は分光により複数の色光を生成する色光変換手段と、
前記色光変換手段により生成された複数の色光を変調する変調手段と、をさらに備え、
前記制御手段は、前記光学系の状態に基づいて、前記記憶手段に記憶された前記調整値または前記記憶手段に記憶された前記調整値から算出される推定値から、各々の前記色光の光量の調整量を求め、さらに各々の前記光源の調整量を求めて前記発光量調整手段により前記光源の発光量を調整することを特徴とするプロジェクター。 - 請求項3または4に記載のプロジェクターであって、
前記光学系は光学部品を移動させる機構を備え、
前記光学系調整手段は前記機構により前記光学部品の位置を変更させるものであり、
前記調整値取得手段は、前記光学系の光学部品の位置が特定の位置となった場合において複数の前記光源が発する光を合成した合成光のホワイトバランスを整える調整値を取得することを特徴とするプロジェクター。 - 請求項3から5のいずれかに記載のプロジェクターであって、さらに、
前記変調光のホワイトバランスを検出する検出手段と、
前記光学系が特定の状態となった場合の前記変調光のホワイトバランスを前記検出手段により検出し、その検出値を保持する検出値保持手段と、を備え、
前記調整値取得手段は、前記検出値保持手段により保持された検出値から前記調整値を取得することを特徴とするプロジェクター。 - 請求項6記載のプロジェクターであって、
前記調整値取得手段は、前記変調光を前記プロジェクターの外部で測定した測定値と、前記検出手段により検出された検出値とに基づいて、前記調整値を取得することを特徴とするプロジェクター。 - 複数の光源と、
前記複数の光源が発する光を変調して投射する投射部と、
前記投射部から投射される変調光の投射状態を光学的に変化させる光学系と、
前記光学系の状態を変化させる光学系調整手段と、
前記光学系の状態と、前記変調光のホワイトバランスを整えるための各々の前記光源の発光量の調整値とを関連付けて記憶する記憶手段と、を備えたプロジェクターにおける発光制御方法であって、
前記光学系の状態に対応した前記調整値に基づいて各々の前記光源の発光量を調整する
ことを特徴とするプロジェクターにおける発光制御方法。
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