JP2014020704A - 管部材の接合体、及び冷凍サイクル装置の熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期にわたって耐食性能に優れた、管部材の接合体、及び接合体を備えた冷凍サイクル装置を提供すること。
【解決手段】外周面に内嵌管犠牲防食層53を有する内嵌管部材50と、内嵌管部材50に外嵌めされ、外周面に外嵌管犠牲防食層63を有する外嵌管部材60とを備え、内嵌管部材50と外嵌管部材60とは、ロウ付け接合されるとともに、内嵌管犠牲防食層53及び外嵌管犠牲防食層63は防食作用を有し、前記ロウ付け時に形成されたロウ材フィレット70、内嵌管犠牲防食層53、外嵌管犠牲防食層63の順で、腐食電位が低くなるので、最も腐食電位の低い外嵌管犠牲防食層63が優先的に腐食して内嵌管犠牲防食層53の腐食が抑制され、ロウ付け接合部の流体漏洩を防止して、長期にわたって耐食性能を保つことができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、管部材の接合体およびこれを備えた冷凍サイクル装置の熱交換器に関するものである。
従来、冷凍サイクル装置として、特に空気調和機では、フィンチューブ型の室外熱交換器及び室内熱交換器の夫々の内部に配設される冷媒管、並びに、これら室内外の熱交換器の間を接続する冷媒管として、銅又は銅合金で形成された管部材を使用することが主流である。
しかしながら、軽量化や低コスト化といった要望から、近年ではアルミニウム又はアルミニウム合金で形成した管部材が使用され、銅または銅合金より耐食性が劣るアルミニウムまたはアルミニウム合金の耐食性を向上させるため、管の外表面にアルミニウムより電位が卑な犠牲防食層を設けることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、アルミニウム合金で形成した管部材のロウ付け接合部の防食性を向上させるための方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
これは、パラレルフロー型熱交換器のロウ付け接合部の防食性を向上させる方法として、Si粉末とZnを含有したフッ化物系フラックスとバインダとを塗布した伝熱管をヘッダーに組み付けて、炉中ロウ付けし、ロウ付けによってヘッダーと伝熱管との間に、伝熱管表面の電位が相対的に20mV以上卑となる接合部フィレットを形成することで、フィレットが防食されるというものである。
特開2010−85066号公報 特開2009−139052号公報
しかしながら、前記従来の構成では、犠牲防食層が外周面に形成された管部材を、他の管部材に内嵌接合した場合、その接合箇所の経年腐食によって、接合箇所に隙間が形成され、流体が漏洩してしまうという課題を有していた。
図7は、従来の犠牲防食層を設けたアルミニウムまたはアルミニウム合金製の管を用いた伝熱管(外嵌管部材)及びベンド管(内嵌管部材)のロウ付け接合箇所において、(a)初期状態、(b)経年腐食により隙間が形成された漏洩状態、を説明するための模式断面図である。
図7(a)に示す接合体100は、アルミニウム合金製の第1管部材110の開口端部111に、同様に第1管部材110と同一素材のアルミニウム合金製の第2管部材120の開口端部121を外嵌させ、両者をロウ材130によってロウ付けした構成になっている。
また、各管部材110、120の外表面上には、これらよりも電気的に卑な金属から成る犠牲防食層112、122が形成されている。従って、上記ロウ材130は、第1管部
材110に対してはその犠牲防食層112の外表面に接続した状態になっている。
このような接合体100の場合、犠牲防食層112は、これに接触する第1管部材110及び第2管部材120よりも電気的に卑であり、かつ、一般にはロウ材130に対しても電気的に卑である。
この構成においては、接合体100表面に、腐食因子(例えば水と塩分)が接触し、犠牲防食層112及び122と、ロウ材130が電気的に繋がり腐食電池が形成されると、ロウ材130より卑な犠牲防食層112及び122が優先的に腐食する。
ここで、図7(b)に示すように、犠牲防食層112の腐食が進行すると、初期状態では第1管部材110及び第2管部材120の間に挟まれて存在していた部分112aが、腐食により消滅して隙間114が形成されてしまう可能性がある。この場合、隙間114を介して流体が外部へ漏洩してしまう。
本発明は、このような前記従来の課題を解決するもので、経年腐食においても管部材の接続箇所から流体が漏洩することを防止し、長期にわたって耐食性能を保つことが可能な管部材の接合体、および冷凍サイクル装置の熱交換器を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の管部材の接合体は、外周面に内嵌管犠牲防食層を有する内嵌管部材と、前記内嵌管部材に外嵌めされ、外周面に外嵌管犠牲防食層を有する外嵌管部材とを備え、前記内嵌管部材と前記外嵌管部材とは、ロウ付け接合されるとともに、前記内嵌犠牲防食層及び前記外嵌犠牲防食層は防食作用を有し、前記ロウ付け時に形成されたロウ材フィレット、前記内嵌犠牲防食層、前記外嵌犠牲防食層の順で、腐食電位が低くなることを特徴とする。
これにより、接合体表面に塩分等が付着し、結露などにより接合体全体に水分が付着して腐食電池が形成された場合でも、外嵌管犠牲防食層は内嵌管犠牲防食層と比較して腐食電位が卑であるため、外嵌管犠牲防食層が優先的に腐食することになる。よって、内嵌管犠牲防食層の腐食が抑制され、ロウ付け接合部の犠牲防食層消失による管内からの流体漏洩を防止し、長期にわたって耐食性能を保つことができる。
本発明は、長期に耐食性能に優れた管部材の接合体、及び接合体を備えた冷凍サイクル装置の熱交換器を提供することができる。
本発明の実施の形態1における空気調和機の構成図 同空気調和機の室外熱交換器の構成図 同空気調和機の管部材の接合体の構成を示す模式断面図 同空気調和機の接合体の構成部材における腐食電位の貴卑関係図 本発明の実施の形態1における室外熱交換器の上方模式断面図 (a)同接合体の表面に腐食成分と結露水が付着した際の態様図(b)同犠牲防食層の犠牲腐食の進行状態を示す態様図 (a)従来の管部材における管接合箇所の初期状態を示す模式的断面図(b)同管部材において経年腐食による隙間が形成された漏洩状態を示す模式的断面図
第1の発明は、外周面に内嵌管犠牲防食層を有する内嵌管部材と、前記内嵌管部材に外
嵌めされ、外周面に外嵌管犠牲防食層を有する外嵌管部材とを備え、前記内嵌管部材と前記外嵌管部材とは、ロウ付け接合されるとともに、前記内嵌犠牲防食層及び前記外嵌犠牲防食層は防食作用を有し、前記ロウ付け時に形成されたロウ材フィレット、前記内嵌犠牲防食層、前記外嵌犠牲防食層の順で、腐食電位が低くなることを特徴とする管部材の接合体である。
これにより、接合体表面に塩分等が付着し、結露などにより接合体全体に水分が付着して腐食電池が形成された場合でも、外嵌管犠牲防食層は内嵌管犠牲防食層と比較して腐食電位が卑であるため、外嵌管犠牲防食層が優先的に腐食することとなる。
よって、内嵌管犠牲防食層の腐食が抑制され、ロウ付け接合部の犠牲防食層消失による管内からの流体漏洩を防止し、長期にわたって耐食性能を確保することができる。
なお、ロウ付け部から離れた内嵌管部材自体の腐食に関しては、犠牲防食層が優先して腐食することによりこれを抑制できることは言うまでもない。
第2の発明は、特に第1の発明において、前記内嵌管犠牲防食層と前記ロウ材フィレットとの間の腐食電位差は、前記内嵌管犠牲防食層部材と前記外嵌管犠牲防食層との間の腐食電位差よりも小さいことを特徴とする管部材の接合体である。
これにより、ロウ材フィレット近傍の内嵌管犠牲防食層の腐食がさらに抑制され、ロウ材フィレット近傍の外嵌管部材の犠牲防食層が優先的に腐食することで、ロウ付け接合部の犠牲防食層消失による管内からの流体漏洩をより長期にわたり防止することができる。
なお、ロウ材フィレット近傍の外嵌管部材の犠牲防食層の腐食が進行して、管母材の合金層に腐食が到達した場合でも、管母材の下にはロウ材フィレットが位置しており、管内に対しての見かけの肉厚が十分に確保されているため、接合部周辺の外嵌管部材からの流体漏洩リスクが高まることはない。
第3の発明は、特に第1または2の発明における管部材の接合体を、冷媒が流通する冷媒管同士の接合箇所に備えることを特徴とする冷凍サイクル装置の熱交換器である。
空気調和機に代表される冷凍サイクル装置の熱交換器が備える冷媒管は、内部を冷媒が流通するので外表面に水分が凝結しやすく、この水分による接合箇所の防食が重要である。これに対し、上述したような管部材の接合体を採用することにより、犠牲防食層が腐食した場合であっても、接合箇所に管部材の内外を連通する隙間が生じることを防止することができる。従って、冷媒管の耐食性の向上を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態に係る冷凍サイクル装置の一種である空気調和機について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1にかかる空気調和機の構成を示す模式図、図2は、図1の室外熱交換器2の構成図である。
図1に示すように空気調和機1は、冷房運転時に外部へ排熱する第1熱交換器2(以下、「室外熱交換器2」という)と、外気から吸熱する第2熱交換器3(以下、「室内熱交換器3」という)と、これらの熱交換器を含んで構成される冷凍サイクル4とを備えている。
また、これら室外熱交換器2及び室内熱交換器3の近傍には、それぞれモータ5、6によって駆動するファン7、8が設けられており、ファン7、8の回転駆動により発生する気流が、室外熱交換器2、室内熱交換器3を経て流れるようになっている。
なお、以下の説明では便宜上、「上流」及び「下流」という表現を用いるが、これらは、空気調和機1を冷房運転したときに冷凍サイクル4での冷媒の流れにおける「上流」及び「下流」を意味するものとする。そして、図1に示す冷凍サイクル4に沿って付された矢印は、冷房運転時に冷媒が「上流」から「下流」へ流れる向きを示している。また、暖房運転をしたときの冷媒の流れは、冷房運転のときの冷媒の流れと逆向きになり、破線で示す通りである。
図1に示すように、室内熱交換器3内には冷凍サイクル4の一部を構成する冷媒管4aが備えられており、その下流端からは冷媒管4bが延設されて室内機液側接続部10(冷房運転時における下流側の接続部)に接続されている。この室内機液側接続部10からは別の冷媒管4cが延設され、その下流端は三方弁11を介して冷媒管4dの上流端に接続され、更にその下流端は四方弁12の第1ポートに接続されている。
四方弁12において、冷房運転時に第1ポートと連通する第2ポートからは冷媒管4eが延設され、その下流端は圧縮機13に接続されている。この圧縮機13は、冷房運転時においては室内熱交換器3から室外熱交換器2へ向かう低温低圧の冷媒を圧縮して高温高圧化し、暖房運転時において室外熱交換器2から室内熱交換器3へ向かう低温低圧の冷媒を圧縮して高温高圧化するものである。
なお、圧縮機13の手前(上流側)には通常アキュムレータ(図示せず)が接続され、冷媒の気液分離を行って、液冷媒が圧縮機13に戻らないようにしている。
また、圧縮機13からは別の冷媒管4fが延設され、その下流端は、四方弁12の第3ポートに接続されている。四方弁12において、冷房運転時に第3のポートと連通する残りの第4ポートからは冷媒管4gが延設されており、その下流端は室外熱交換器2内に備えられた冷媒管4hの上流端に接続されている。この室外熱交換器2内の冷媒管4hの下流端からは別の冷媒管4iが延設され、その下流端は、膨張弁14に接続されている。この膨張弁14は、冷房運転時においては室外熱交換器2から室内熱交換器3へ向かう冷媒を降圧し、暖房運転時においては室内熱交換器3から室外熱交換器2へ向かう冷媒を降圧するものである。
膨張弁14からは別の冷媒管4jが延設されており、その下流端は二方弁15の一方のポートに接続されている。この二方弁15の他方のポートからは冷媒管4kが延設され、その下流端は室内機接続部16(冷房運転時における上流側の接続部)に接続されている。そして、この室内機接続部16からは別の冷媒管4mが延設され、その下流端は、上述した室内熱交換器3内の冷媒管4aの上流端に接続されている。
このようにして、冷媒管4a〜4k、4mによって周回経路が構成されており、この周回経路によって、室内熱交換器3、四方弁12、圧縮機13、室外熱交換器3、膨張弁14などが接続されている。また、上述した構成のうち、冷媒の流れに沿って三方弁11から二方弁15に至るまでの構成物(即ち、四方弁12、圧縮機13、室外熱交換器2、膨張弁14を含む)によって、本実施の形態に係る空気調和機1の室外機1Aが構成されている。
また、冷媒の流れに沿って室内機液側接続部16から室内機液側接続部10へ至るまで
の構成物(即ち、室内熱交換器3を含む)によって、空気調和機1の室内機1Bが構成されている。
なお、上述した各構成自体は何れも公知のものを採用することができる。また、このような空気調和機1による冷房運転及び暖房運転時の動作については公知であるため、ここではその説明を省略する。
図2は、図1の室外熱交換器2の具体的な構成を示す模式的斜視図である。また図2中には、室外熱交換器2の通風面の拡大断面図を破線枠内に併記する。
図2に示すように、本実施の形態に係る室外熱交換器2は、通風面を前後に向けるように縦置きした板状を成しており、その内部に冷媒管4hが蛇行配置されている。より詳しく説明すると、冷媒管4hの上流側端部は、四方弁12(図1参照)から延びる冷媒管4gの下流側端部に接続されており、その接続直後の位置(接続箇所の下流側近傍位置)にて4つの管部材4h−1〜4h−4に分岐している。
各管部材4h−1〜4h−4は、室外熱交換器2の一方の側部から略水平に延設された後、他方の側部にて上下方向に折り返され、前記一方の側部へ向かって略水平に延設される。そして更に、この一方の側部にて上下方向に折り返されて、前記他方の側部へ向かって略水平に延設される。
このように、一方の側部と他方の側部とで夫々折り返されながら略水平に延設されることにより、各管部材4h−1〜4h−4は蛇行流路を形成している。また、各管部材4h−1〜4h−4の下流側端部は合流し、1つの下流側開口端部となって次の冷媒管4iの上流端に接続されるようになっている。
また、各管部材4h−1〜4h−4において、上下方向に折り返された部分(ベンド管)と略水平に延設された部分(伝熱管)とは別々の管部材20、21により形成され、管部材21の通風部にフィンプレート22を拡管密着させて、室外熱交換器2を構成する。
管部材20は略U字形状を成す曲管を成している一方、管部材21は長寸の直管を成している。
フィンプレート22には、長寸の管部材21を直行貫通させるための円形開口部をフィンプレート22の長手方向に複数開口されており、さらに円形開口部には、フィンプレート22積層時に一定の隙間を確保するためのカラー23が設けられており、またフィンプレート22表面には、空気通過時の熱伝達率を高める目的で表面積を高めるための凹凸形状が設けられている。
さらに、暖房運転時に管部材21及びフィンプレート22の表面に結露する水分の排水を促すため親水性表面処理が施されている。
フィンプレート22を、管部材21の通風部位に連通積層したのち、管部材21を管内から均等に拡管し、フィンプレート22の円形開口部のカラー23に対し密接固定することで、管部材21とフィンプレート22が、相互に伝熱する体をなす。
フィンプレート22を固定したのち、直管状の管部材21の端部開口に対し、曲管状の管部材20の端部開口が内嵌した状態で、両者をロウ付けにより接合することで、管部材21内を流通する冷媒と、フィンプレート22を通過する空気との間で熱交換する機能を得ることができる。
なお、冷房暖房運転を兼用する室外熱交換器2においては、フィンプレート22の親水性表面処理は、暖房時の熱交換性能確保の上で必須である。
ここで、フィンプレート22を管部材21に組み込んだ後、さらに管部材20を、管部材21に組み付けて、全体にロウ材を吹きつけ、炉中において各部材の嵌合隙間をロウ付けする。炉中ロウ付けの工法は、フィンプレート22の親水性表面処理にダメージを与えることから、用いることができない。そのため、管部材20と管部材21のロウ付け接合は、接合部個々にロウ付けする必要がある。
なお、説明の便宜上、上記のように管部材21の端部開口に内嵌する管部材20を「内嵌管部材」と称し、これに対して外嵌する前記管部材21を「外嵌管部材」と称することとする。
本実施の形態に係る室外熱交換器2では、上述した「内嵌管部材」と「外嵌管部材」として、アルミニウム製またはアルミニウムの機械的特性を改善するために微量の金属元素を1種類以上配合したアルミニウム合金製の管部材で熱交換器を構成する。そして、アルミニウム製またはアルミニウム合金製の管部材同士の接合箇所に対し、本願発明に係る接合体の構成を採用している。
また、このような接合箇所以外にも、図2の円形実線で囲んだ箇所P、即ち、1本の管部材に対してもう1本の管部材を延長接合した箇所であって、特に、室外熱交換器2の側部から外方に突出して位置する接合箇所には、本発明に係る接合体に採用することができる。
以下、本発明にかかる接合体及び接合方法について詳述する。
図3は、本実施の形態における管部材の接合体40の構成を示す模式的断面図、図4は、本実施の形態における接合体の構成部材における腐食電位の貴卑関係図、図5は、本実施の形態における室外熱交換器の上方模式断面図、図6は、本発明の実施の形態における犠牲腐食層の態様図である。
この接合体40は、管部材20として採用可能な、母材としてアルミニウム製またはアルミニウム合金製の内嵌管部材50の開口端部51に対し、管部材21として採用可能な、同じくアルミニウム製またはアルミニウム合金製の外嵌管部材60の開口端部61を、外嵌接合して構成されている。内嵌管部材50は、母材であるアルミニムの腐食(特に孔食)を防ぐ目的で、管の外周面52に対して、内嵌管犠牲防食層53が被覆して設けられている。
一方、外嵌管部材60は、他の部分より拡径された開口端部61を有し、開口端部61は、内嵌管犠牲防食層53で被覆された状態の内嵌管部材50の外径寸法と略同一の内径寸法D1を有している。また、開口端部61における開口端61a付近は更に拡径されている。具体的には、断面視で略円弧状を成すように、開口端61aへ向かうに従って内径寸法がより大きくなるように拡径し、開口端61aの内径は寸法D2(>D1)となっている。この外嵌管部材60においても、母材であるアルミニウムの腐食(特に孔食)を防ぐ目的で、管の外周面62に外嵌管犠牲防食層63が被覆して設けられている。
図3に示す接合体40では、上述した内嵌管部材50の開口端部51に対し、外嵌管部材60の開口端部61が外嵌されており、両方の内嵌管部材開口端部51と外嵌管部材60との間は、ロウ材フィレット70によって接続されている。
以下、前記内嵌管犠牲防食層53、外嵌管犠牲防食層63、及びロウ材フィレット70において詳しく説明する。
内嵌管犠牲防食層53及び、外嵌管犠牲防食層63は、管表面に水が存在する状態で、海塩粒子由来の塩分などの腐食因子が付着した場合に、母材であるアルミニウムが局部的に溶解する代わりに、管母材であるアルミニウムより腐食しやすい役割を果たす防食層である。
具体的には、管母材であるアルミニウムより、電位が卑(腐食し易い)の金属成分を所定量配合させることで、犠牲防食効果を得る。配合させる成分としては、亜鉛を用いることが公知である。亜鉛は、鋼板の防食メッキとしても使用されており、犠牲防食金属として汎用性が高い。
本発明にかかる管の接合体においては、内嵌管犠牲防食層53、外嵌管犠牲防食層63、及びロウ材フィレット70の各電位の順位を、図4に示すように、ロウ材フィレット70、内嵌管犠牲防食層53、外嵌管犠牲防食層63の順番で電位が低くなる構成としている。
また、本実施の形態では、前記ロウ材フィレット70と内嵌管犠牲防食層53との間の電位差(電位差Aと呼ぶ)と、内嵌管犠牲防食層53と外嵌管犠牲防食層63の電位差(電位差Bと呼ぶ)において、電位差Aより、電位差Bの方が差分の絶対値が大きい構成としている。
なお、内嵌管犠牲防食層53と、外嵌管犠牲防食層63の電位の大小関係を制御する方法としては、亜鉛の添加量で制御することが可能である。
なお、アルミニウムロウ材として用いる4000番系のアルミニウム合金の亜鉛成分量は、極微量であり、またロウ付け時には、内嵌管犠牲防食層53の表面と、液相化したアルミニウムロウ材が接触することにより、内嵌管犠牲防食層53中の亜鉛が一部熱拡散するが、亜鉛成分量の観点から、内嵌管犠牲防食層53の電位よりも、ロウ材フィレット70の電位が常に高くなることは言うまでもない。
上記のように構成された接合体において、以下に動作、作用を説明する。
図5は、室外熱交換器2を収納する室外機筐体80の上部断面模式図である。接合体40の部位は、四方弁12、圧縮機13、膨張弁14と同じ、機械室81内に位置しており、ファン7の運転による送風空気が直接当たらない。ただし、機械室81の壁面には、部品合わせ部など僅かな隙間は存在するため、自然対流の影響を受けて、外気の浮遊塩分が少量侵入し、接合体40の表面にも付着する。
また、接合体40は機械室81内に位置するため、雨水などが直接付着することはなく、さらに、冷房運転時は、管部材20、21は外気より高温となっており、管表面は乾燥状態を保つ。しかしながら暖房運転時には、管部材20、21は外気より低温となることから、空気中の水分が管部材20、21表面に結露し、接合体40表面にも結露による水膜が形成される。
この結露による水膜により、金属表面に、塩分などの導電成分と、導電の媒体となる水分が両方存在することになる。この導電成分と媒体が金属表面で腐食電池を形成し、金属表面がイオン化して溶解し、腐食現象が進行する。
ここで、図6(a)は、同接合体の表面に腐食成分と結露水が付着した際の態様図、図6(b)は、同犠牲防食層の犠牲腐食の進行状態を示す態様図である。
このように、暖房運転時においては、図6(a)に示すように、接合体40が結露による水膜に覆われ、内嵌管犠牲防食層53、ロウ材フィレット70、外嵌管犠牲防食層63が水膜で繋がった状態となり、付着した塩分と合わさって腐食が進行する。
このような場合、接合体40の構成部位において、図4に示すように、ロウ材フィレット70、内嵌管犠牲防食層53、外嵌管犠牲防食層63は、この順でそれぞれの表面の腐食電位が低くなることを特徴とする。このため、図6(b)に示すように腐食電位が最も低い外嵌管犠牲防食層63が優先的に腐食することになる。
また、優先的に腐食する外嵌管犠牲防食層63が存在する限り、内嵌管犠牲防食層53の腐食進行は抑制される。また、ロウ材フィレット70の腐食電位は、内嵌管犠牲防食層53、外嵌管犠牲防食層63と比較して高くなるように構成されていることから、ロウ材フィレット70の腐食の進行も抑制される。
さらに、前記ロウ材フィレット70と内嵌管犠牲防食層53との間の電位差Aよりも、内嵌管犠牲防食層53と外嵌管犠牲防食層63の電位差Bの方が大きくなるように構成されていることから、外嵌管犠牲防食層63が優先的に腐食し、内嵌管犠牲防食層53の腐食をさらに抑制することができる。
このように、外嵌管犠牲防食層63が優先的に腐食されることで、管の接合部分で内外が連通し、そこから流体が漏洩することを防止することができる。
よって、以上の構成によれば、接合体40における長期的な耐食性能を高めることができる。
本発明は、管部材の接合体、及び接合体を備える熱交換器に適用することができる。
4 冷凍サイクル
40 接合体
50 内嵌管部材
60 外嵌管部材
53 内嵌管犠牲防食層
63 外嵌管犠牲防食層
70 ロウ材フィレット

Claims (3)

  1. 外周面に内嵌管犠牲防食層を有する内嵌管部材と、前記内嵌管部材に外嵌めされ、外周面に外嵌管犠牲防食層を有する外嵌管部材とを備え、前記内嵌管部材と前記外嵌管部材とは、ロウ付け接合されるとともに、前記内嵌犠牲防食層及び前記外嵌犠牲防食層は防食作用を有し、前記ロウ付け時に形成されたロウ材フィレット、前記内嵌犠牲防食層、前記外嵌犠牲防食層の順で、腐食電位が低くなることを特徴とする管部材の接合体。
  2. 前記内嵌管犠牲防食層と前記ロウ材フィレットとの間の腐食電位差は、前記内嵌管犠牲防食層部材と前記外嵌管犠牲防食層との間の腐食電位差よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の管部材の接合体。
  3. 請求項1または2に記載の管部材の接合体を、冷媒が流通する冷媒管同士の接合箇所に備えることを特徴とする、冷凍サイクル装置の熱交換器。
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