JP2014020435A - 制振具、及び制振具の製造方法 - Google Patents

制振具、及び制振具の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】振動の発生が予想される軸体(又は筒状軸体)に、簡単に、取り付けることが出来、かつ、軸体に発生した雑振動を効果的に低減でき、更には雑振動低減効果が長期間に亘って発揮される制振技術を提供することである。。
【解決手段】筒状体に構成されてなる制振具であって、前記筒状体は、該筒状体の外殻が繊維強化プラスチックで構成され、該筒状体の内層が制振材で構成されてなる。
【選択図】図1

Description

本発明は制振技術に関する。例えば、ビビリ振動等の雑振動を低減できる制振技術に関する。特に、軸体への装着および/または脱着が簡単で、かつ、軸体に発生した雑振動を低減でき、更には雑振動低減効果を長期間に亘って発揮できる制振技術に関する。
例えば、切削加工機などの金属加工機には振動が発生する。振動の発生によって加工精度が低下する。従って、このような問題を改善する為、制振材の使用が好ましい。例えば、加工機などの軸に制振材が設けられたならば、この制振材が振動エネルギーを吸収する。従って、発生した振動は素早く減衰する。すなわち、振動が抑制される。そして、振動に起因する加工精度の低下が防止されると考えられる。
特開平3−221302号公報 特開2012−57752号公報
前記提案のものでは満足できなかった。
特に、軸体(例えば、円柱軸とか角柱軸)、又は筒状軸体(例えば、円筒軸とか角筒軸)に、簡単に、制振材を取り付けることが出来、かつ、軸体に発生した雑振動を低減でき、更には雑振動低減効果を長期間に亘って発揮できる優秀な制振技術は、未だ、無かった。
従って、本発明が解決しようとする課題は、制振具を振動の発生が予想される軸体(又は筒状軸体)に、簡単に、取り付けることが出来、かつ、軸体に発生した雑振動を効果的に低減でき、更には雑振動低減効果が長期間に亘って発揮される制振技術を提供することである。
前記課題は、
制振具であって、
前記制振具は筒状体に構成されてなり、
前記筒状体は、該筒状体の外殻が繊維強化プラスチックで構成され、該筒状体の内層が制振材で構成されてなる
ことを特徴とする制振具によって解決される。
好ましくは、前記制振具であって、前記筒状体にはスリットが設けられてなり、該筒状体に外力が作用した場合、該スリットの存在によって、該筒状体の外径および/または内径が変化し得るように構成されてなることを特徴とする制振具によって解決される。
好ましくは、前記制振具であって、前記スリットは筒状体の筒方向に沿って設けられてなり、該筒状体の筒方向に対して交差する面での断面が略C形状であることを特徴とする制振具によって解決される。
好ましくは、前記制振具であって、前記スリットは筒状体の筒方向に交差する方向に沿って設けられてなり、該筒状体を捩じることによって該筒状体の内径および/または外径が変化し得るよう構成されてなることを特徴とする制振具によって解決される。
好ましくは、前記制振具であって、振動の発生が予想される軸体の外表面に装着される制振具であり、前記制振具の筒状体に外力が作用していない状態にあっては、該筒状体の内径が前記軸体の外径より小さいことを特徴とする制振具によって解決される。
好ましくは、前記制振具であって、振動の発生が予想される筒状軸体の筒状内部に装着される制振具であり、前記制振具の筒状体に外力が作用していない状態にあっては、該筒状体の外径が前記筒状軸体の内径より大きいことを特徴とする制振具によって解決される。
好ましくは、前記制振具であって、前記筒状体の外殻が炭素繊維強化プラスチックで構成されてなることを特徴とする制振具によって解決される。
好ましくは、前記制振具であって、前記筒状体の内層を構成する制振材が、ジカルボン酸成分構成単位とジオール成分構成単位とからなるポリエステル樹脂(X)に二酸化チタン(Y)及びマイカ鱗片(Z)を分散させた組成物を有し、(1)ポリエステル樹脂(X)の全ジカルボン酸成分構成単位数(A0)と全ジオール成分構成単位数(B0)の合計量に対する主鎖中の炭素原子数が奇数であるジカルボン酸成分構成単位数(A1)と主鎖中の炭素原子数が奇数であるジオール成分構成単位数(B1)の合計量の比率[(A1+B1)/(A0+B0)]が0.5〜1.0の範囲内であり、かつ、(2)ポリエステル樹脂(X)、二酸化チタン(Y)及びマイカ鱗片(Z)の質量比率(X:Y:Z)が、15〜40:5〜30:30〜80の範囲内であることを特徴とする制振具によって解決される。
好ましくは、前記制振具であって、前記筒状体の内層を構成する制振材が、ジカルボン酸成分構成単位とジオール成分構成単位とからなるポリエステル樹脂(X)に二酸化チタン(Y)及びマイカ鱗片(Z)を分散させた組成物を有し、前記樹脂組成物中におけるポリエステル樹脂(X)、二酸化チタン(Y)及びマイカ鱗片(Z)の含有量が、各々、35〜60質量%、5〜15質量%及び30〜55質量%であり、前記樹脂組成物中におけるマイカ鱗片(Z)の平均粒子径が5〜80μmであり、JISK7127に準拠して測定した前記組成物の破壊点伸び率が30〜70%であり、厚さが20〜200μmであることを特徴とする制振具によって解決される。
好ましくは、前記制振具であって、前記筒状体の内層を構成する制振材が、ジカルボン酸構成単位とジオール構成単位を主として構成されるポリエステル樹脂と充填材を含有する組成物を有し、(1)ポリエステル樹脂の全ジカルボン酸構成単位中50モル%以上が芳香族ジカルボン酸に由来するジカルボン酸構成単位で、芳香族ジカルボン酸に由来するジカルボン酸構成単位(A)中70モル%以上がイソフタル酸に由来するジカルボン酸構成単位であり、(2)ポリエステル樹脂の全ジオール構成単位中エチレングリコールに由来するジオール構成単位(B)が60モル%以上であり、(3)ポリエステル樹脂中に炭素原子数が5以上の脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジオールおよび/または脂肪族ヒドロキシカルボン酸からなる構成単位(C)を含有し、これらの構成単位の合計が5〜25モル%であり、(4)ポリエステル樹脂中の構成単位(A),(B),(C)の合計がポリエステル樹脂の全構成単位中の75モル%以上であり、(5)テトラクロロエタン/フェノール=1/1(質量比)混合溶媒中25℃で測定したポリエステル樹脂の固有粘度が0.2〜2.0dL/gであり、(6)示差走査熱量計で測定したポリエステル樹脂の降温時結晶化発熱ピークの熱量が5J/g以下であり、(7)充填材として鱗片状あるいは平板状の充填材(D)と粒子状金属酸化物の充填材(E)とを含み、樹脂組成物における充填材(D)の含有量が18〜70質量%、充填材(E)の含有量が2〜20質量%、充填材(D)と(E)の合計量が20〜80質量%であり、(8)樹脂組成物の損失弾性率の最大値が5×108[N/m2]以上であることを特徴とする制振具によって解決される。
好ましくは、前記制振具であって、前記筒状体の内層を構成する制振材が、樹脂成分(A)と無機充填材成分(B)とを合計で80質量%以上含有し、樹脂成分(A)に対する無機充填材成分(B)の質量割合が1.0〜5.0であり、樹脂成分(A)中の樹脂(α)の割合が50質量%以上であり、樹脂(α)がメタキシレンとホルムアルデヒドとを酸触媒下で反応させることで得られる樹脂であることを特徴とする制振具によって解決される。
前記の課題は、
振動が発生する軸体を具備する装置の該軸体の外表面に前記制振具を装着する方法であって、
前記制振具の筒状体を、該筒状体の内径が前記軸体の外径より大きくなるよう拡げる拡開工程と、
前記内径が拡げられた筒状体内に前記軸体が挿入される挿入工程と、
前記挿入された筒状体の内径を拡げている拡開力が解除されることによって、該筒状体の筒内面が、該筒状体自身の復元力によって、前記軸体外面に弾接する拡開力解除工程
とを具備することを特徴とする制振具装着方法によって解決される。
前記の課題は、
振動が発生する筒状軸体を具備する装置の該筒状軸体の筒状内部に前記制振具を装着する方法であって、
前記制振具の筒状体を、該筒状体の外径が前記筒状軸体の筒状内部の内径より小さくなるよう圧縮する圧縮工程と、
前記圧縮された筒状体が前記筒状軸体の筒状内部に挿入される挿入工程と、
前記挿入された筒状体の外径を小さくしている圧縮力が解除されることによって、該筒状体の外面が、該筒状体自身の復元力で、前記筒状軸体の筒状内面に弾接する圧縮力解除工程
とを具備することを特徴とする制振具装着方法によって解決される。
前記の課題は、
前記制振具の製造方法であって、
制振材表面が繊維強化プラスチックで覆われた所定形状の筒状体を成形する成形工程と、
前記成形工程で得られた筒状体を所定長さで切断する切断工程
とを具備することを特徴とする制振具の製造方法によって解決される。
制振具を、振動発生予想軸体(又は筒状軸体)に、簡単に、取り付けることが出来る。尚、これに準じて、取り外しも容易である。
軸体(又は筒状軸体)に発生した雑振動が効果的に低減する。
取り付けられた制振具は、自然には取り外れ難いから、かつ、振動エネルギーを吸収したことによる制振材の変形が起き難いことから、雑振動低減効果が長期間に亘って発揮される。
第1実施形態の制振具の正面図および断面図 制振具が装着された状態の断面図 制振具が装着された状態の断面図 制振具が装着された場合の振動減衰特性を示すグラフ 制振具が装着されていない場合の振動減衰特性を示すグラフ 第2実施形態の制振具の側面図 第3実施形態の制振具の側面図
第1の本発明は制振具である。この制振具は筒状に構成されている。すなわち、筒状制振具である。前記筒状体の表面層(例えば、外殻)は繊維強化プラスチックで構成されている。特に好ましくは炭素繊維強化プラスチックで構成されている。前記筒状体の内層は制振材で構成されている。制振材には各種のものが用いられる。好ましい例が後述される。前記筒状体には、好ましくは、スリットが設けられている。スリットの寸法は適宜なもので良い。スリットの寸法の下限値としては、例えば1mm程度でも良い。要するに、外力が作用した場合、筒状体の大きさ(外径や内径)に変化が起きる程度のものであれば良い。スリットの寸法の上限値としては、筒状体が配設された場合に、その状態が維持できるものであれば良い。この点からすると、筒状体が円筒体の場合において、スリットの存在によって、円筒体が半円筒体になってしまうような場合は、基本的には、除外されても良い。前記スリットの存在によって、筒状体に外力が作用した場合、該筒状体の外径および/または内径が変化し得るようになる。例えば、筒状体に圧縮力を作用させると、筒状体は小さくなる。逆に、筒状体を引っ張る(拡開力を作用させる)と、筒状体は大きくなる。これらの外力が解除されると、筒状体は、自身の復元力で、元の大きさに戻る。このようにしたことによって、制振具の装着が容易になる。装着後には、制振具は、例えば軸体に圧着(弾接)している。従って、制振具が、自然に、取り外れると言った事故は起き難い。制振具の取外しは、装着容易性に準じて、容易である。
前記スリットは、前記筒状体の筒方向に沿って設けられている。すなわち、筒状体の筒方向に対して交差する面での筒状体の断面形状は、略C形状である。例えば、一直線状または螺旋状スリットが筒状体の周側面(周壁面)に設けられている。孔によってスリットが構成されても良い。例えば、形成された孔によって、恰も、網状の筒状体とすることでも良い。網状筒状体の場合、この筒状体が捩じられると、筒状体の内径や外径が変化する。そして、上記のような作用が奏される。
前記制振具は、振動の発生が予想される軸体の外表面に装着される制振具である。この場合、前記制振具の筒状体に外力が作用していない状態にあっては、該筒状体の内径が前記軸体の外径より小さい。すなわち、前記筒状体の内径が装着(制振)しようとする軸体の外径より小さなように作られる。このように構成させておくことによって、上記作用が効果的に奏される。
前記制振具は、振動の発生が予想される筒状軸体の筒状内部に装着される制振具である。この場合、前記制振具の筒状体に外力が作用していない状態にあっては、該筒状体の外径が前記筒状軸体の内径より大きい。すなわち、前記筒状体の外径が装着(制振)しようとする筒状軸体の筒状部の内径より大きなように作られる。このように構成させておくことによって、上記作用が効果的に奏される。
前記筒状体の内層を構成する制振材は、好ましくは、例えばジカルボン酸成分構成単位とジオール成分構成単位とからなるポリエステル樹脂(X)に二酸化チタン(Y)及びマイカ鱗片(Z)を分散させた組成物を有するものである。ポリエステル樹脂(X)の全ジカルボン酸成分構成単位数(A0)と全ジオール成分構成単位数(B0)の合計量に対する主鎖中の炭素原子数が奇数であるジカルボン酸成分構成単位数(A1)と主鎖中の炭素原子数が奇数であるジオール成分構成単位数(B1)の合計量の比率[(A1+B1)/(A0+B0)]が0.5〜1.0である。ポリエステル樹脂(X)、二酸化チタン(Y)及びマイカ鱗片(Z)の質量比率(X:Y:Z)が、15〜40:5〜30:30〜80である。この種の制振材は、例えば次のようにして得られた。充填塔式精留塔、攪拌翼、分縮器、全縮器、コールドトラップ、温度計、加熱装置及び窒素ガス導入管を備えた内容積30Lのポリエステル製造装置に、イソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル・ケミカル株式会社製)9950g(60.3モル)、アゼライン酸(コグニス社製、商品名:EMEROX1144、本商品はアゼライン酸を93.3モル%含み、ジカルボン酸の合計量は99.97%である。)5376g(29.7モル)、2−メチル−1,3−プロパンジオール(大連化学工業株式会社製)14600g(162モル)を加え、常圧、窒素雰囲気下で225℃まで昇温して3.0時間エステル化反応を行った。溜去される縮合水の量をモニターしながらイソフタル酸及びアゼライン酸の反応転化率が85モル%以上となった後、チタン(IV)テトラブトキシド・モノマー(和光純薬株式会社製)14.3g(総仕込み原料質量から縮合水質量を除いた初期縮合反応生成物の全質量に対するチタンの濃度が70.5ppm)を加え、昇温と減圧を徐々に行い、2−メチル−1,3−プロパンジオールを系外に抜き出しつつ、最終的に240〜250℃、0.4kPa以下で重縮合反応を行った。徐々に反応混合物の粘度と攪拌トルク値が上昇し、適度な粘度に到達した時点あるいは2−メチル−1,3−プロパンジオールの留出が停止した時点で反応を終了した。得られたポリエステル樹脂の性状は[η]=0.71(dL/g)、ΔHc=0(J/g)、H−NMR〔400MHz,CDC13,内部標準TMS):δ(ppm)=7.5〜8.9(Ph−H,4H);3.5〜4.6(−CH−CH(CH)−CH−,6H);1.0〜2.6(−CHCH(CH)CH−,−CHCH(CH)CH−,−CO(CHCO−,13H〕であった。このポリエステル樹脂〔(A1+B1)/(A0+B0)=1.0;(A1/A0)=1.0;(B1/B0)=1.0〕15質量%、二酸化チタン粉末(石原産業株式会社製、商品名:タイペークCR−80)15質量%及びマイカ鱗片(株式会社ヤマグチマイカ製、商品名:CS−060DC)70質量%を二軸混練機を用いて200℃で混練した(wo2008/018444参照)。
或いは、ジカルボン酸成分構成単位とジオール成分構成単位とからなるポリエステル樹脂(X)に二酸化チタン(Y)及びマイカ鱗片(Z)を分散させた組成物を有するものである。前記樹脂組成物中におけるポリエステル樹脂(X)、二酸化チタン(Y)及びマイカ鱗片(Z)の含有量が、各々、35〜60質量%、5〜15質量%及び30〜55質量%である。前記樹脂組成物中におけるマイカ鱗片(Z)の平均粒子径が5〜80μmである。JISK7127に準拠して測定した前記組成物の破壊点伸び率が30〜70%である。厚さが20〜200μmである。この種の制振材は、例えば次のようにして得られた。充填塔式精留塔、攪拌翼、分縮器、全縮器、コールドトラップ、温度計、加熱装置及び窒素ガス導入管を備えた内容積30Lのポリエステル製造装置に、イソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル・ケミカル株式会社製)10834g(65.3モル)、アゼライン酸(コグニス社製、商品名:EMEROX1144、本商品はアゼライン酸を93.3モル%含み、ジカルボン酸の合計量は99.97モル%である。)5854g(32.3モル)、2−メチル−1,3−プロパンジオール(大連化学工業株式会社製)11683g(129.6モル)を加え、常圧、窒素雰囲気下で230℃まで昇温して3.5時間エステル化反応を行った。溜去される縮合水の量をモニターしながらイソフタル酸及びアゼライン酸の反応転化率が85モル%以上となった後、チタン(IV)テトラブトキシド・モノマー(和光純薬株式会社製)14.9g(総仕込み原料質量から縮合水質量を除いた初期縮合反応生成物の全質量に対するチタンの濃度が67.4ppm)を加え、昇温と減圧を徐々に行い、2−メチル−1,3−プロパンジオールを系外に抜き出しつつ、最終的に240〜250℃、0.4kPa以下で重縮合反応を行った。徐々に反応混合物の粘度と攪拌トルク値が上昇し、適度な粘度に到達した時点あるいは2−メチル−1,3−プロパンジオールの留出が停止した時点で反応を終了した。このポリエステル樹脂45wt%、二酸化チタン粉末(石原産業株式会社製、商品名:タイペークCR−80)5質量%及びマイカ鱗片(株式会社ヤマグチマイカ製、商品名:SYA−21R、平均粒子径:27μm)50wt%とした混合物を、二軸混練機を用いて200℃で混練し、Tダイにより押し出した。混練後の樹脂組成物中におけるマイカ鱗片の平均粒子径は22μmであった(wo2011/004797参照)。
若しくは、ジカルボン酸構成単位とジオール構成単位を主として構成されるポリエステル樹脂と充填材を含有する組成物を有するものである。ポリエステル樹脂の全ジカルボン酸構成単位中50モル%以上が芳香族ジカルボン酸に由来するジカルボン酸構成単位で、芳香族ジカルボン酸に由来するジカルボン酸構成単位(A)中70モル%以上がイソフタル酸に由来するジカルボン酸構成単位である。ポリエステル樹脂の全ジオール構成単位中エチレングリコールに由来するジオール構成単位(B)が60モル%以上である。ポリエステル樹脂中に炭素原子数が5以上の脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジオールおよび/または脂肪族ヒドロキシカルボン酸からなる構成単位(C)を含有する。これらの構成単位の合計が5〜25モル%である。ポリエステル樹脂中の構成単位(A),(B),(C)の合計がポリエステル樹脂の全構成単位中の75モル%以上である。テトラクロロエタン/フェノール=1/1(質量比)混合溶媒中25℃で測定したポリエステル樹脂の固有粘度が0.2〜2.0dL/gである。示差走査熱量計で測定したポリエステル樹脂の降温時結晶化発熱ピークの熱量が5J/g以下である。充填材として鱗片状あるいは平板状の充填材(D)と粒子状金属酸化物の充填材(E)とを含み、樹脂組成物における充填材(D)の含有量が18〜70質量%、充填材(E)の含有量が2〜20質量%、充填材(D)と(E)の合計量が20〜80質量%である。樹脂組成物の損失弾性率の最大値が5×10[N/m]以上である。この種の制振材は、例えば次のようにして得られた。加熱装置、撹拌翼、分縮器、トラップ、温度計および窒素ガス導入管を備えた500mLガラス製フラスコに、後述のポリエステル樹脂の原料を相当量加え、ジカルボン酸構成単位およびジオールン酸構成単位の組成が所定割合となるようにした。この時、投入するジカルボン酸の全量を0.8モルとし、ジオール/ジカルボン酸の投入比率を1.5とした。投入した原料を常圧窒素雰囲気下で220℃まで昇温して2.5時間以上エステル化反応を行い、溜去される縮合水の量をモニターしながらジカルボン酸の反応転化率が90モル%以上となった後、チタン(IV)テトラブトキシドを50ppm(総仕込み原料質量から縮合水質量を除いた初期縮合反応生成物の全質量に対するチタンの濃度)加え、昇温と減圧を徐々に行い、ジオール成分を系外に抜き出しつつ、最終的に240〜250℃、1.5kPa以下で重縮合反応を行った。徐々に反応混合物の粘度と攪拌トルク値が上昇し、適度な粘度に到達した時点あるいはジオールの留出が停止した時点で反応を終了した。このようにして得られた樹脂に、二酸化チタン〔石原産業(株)製、商品名:タイペークCR−80〕、マイカ鱗片〔株式会社ヤマグチマイカ製、商品名:CS−060DC〕、カーボン粉末〔ケッチェンブラックインターナショナル(株)製、商品名:ケッチェンブラックEC〕を所定の割合となるよう混練した。混練は2軸混練機を用いて220℃で行われた(wo2009/063837参照)。
又は、樹脂成分(A)と無機充填材成分(B)とを合計で80質量%以上含有するものである。樹脂成分(A)に対する無機充填材成分(B)の質量割合が1.0〜5.0である。樹脂成分(A)中の樹脂(α)の割合が50質量%以上である。樹脂(α)がメタキシレンとホルムアルデヒドとを酸触媒下で反応させることで得られる樹脂である。この種の制振材は、例えば次のようにして得られた。温度計、還流冷却器及び撹拌器を備えた内容積2Lのセパラブルフラスコに50%ホルマリン(三菱ガス化学(株)製)600g、98%工業用硫酸(三菱マテリアル(株)製)200g及びメタキシレン(三菱ガス化学(株)製)424gを仕込み、95℃〜100℃で4時間反応させた。反応終了後、メタキシレン400gを添加し静置して樹脂相と硫酸水相とを分離した。この後、樹脂相を3回水洗し、20〜30mmHg/140〜150℃の条件でメタキシレンを留出させ、樹脂(a)(Mn=765、Mw=1205)570gを得た。このようにして得られた樹脂40質量%に対して、鱗片状の無機充填材としてマイカ鱗片(株式会社ヤマグチマイカ製、商品名:CS−060DC)60質量%を60ccニーダーに一括して仕込み、20℃で15分間混練した(特開2011−157438参照)。
その他にも、酢酸ビニル−エチルアクリレート共重合物(特公昭45−35662参照)、酢酸ビニル−エチレン共重合物にスチロールとアクリロニトリルとの混合物をグラフトさせた共重合体(特公昭46−17064参照)、カルボン酸変性ポリオレフィン系樹脂を主体とした樹脂組成物(特開昭59−80454参照)、ポリエステル系樹脂あるいはポリエステル系樹脂とポリオレフィン系樹脂の樹脂組成物(特開昭61−89842参照)、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂の単独あるいは混合物より選択された樹脂組成物(特開昭61−92851参照)等を用いることも出来る。
上記の制振具が用いられた場合、例えば工作機械で切削加工を行う際に発生するビビリ振動が抑制された。3次元測定器やハイトゲージ等で用いられるプローブに発生する雑振動が抑制された。レコードプレーヤーのアームに伝播する雑振動が抑制された。すなわち、軸体に発生する雑振動が効果的に制振・減振できた。つまり、軸体に発生した振動は、外殻に位置する制振性を多少は有する炭素繊維強化プラスチック(CFRP)で減振される。更に、内部の制振材によって、一層、制振・減振される。この際、CFRPで形成された高剛性の外殻は、制振材の形状変化(振動エネルギーの吸収による制振材の形状変化)を防止する。この為、制振具と軸体との密着性が長期間に亘って保たれる。そして、制振性能が長期間に亘って奏される。しかも、スリットが設けられていることから、軸への装着が容易である。更には、制振具と軸体との一体性(密着性)を高めることが出来る。
第2の本発明は制振具装着方法である。特に、振動が発生する軸体を具備する装置の該軸体の外表面に前記制振具を装着する方法である。本方法は拡開工程を具備する。本拡開工程は、前記制振具の筒状体を、該筒状体の内径が前記軸体の外径より大きくなるよう拡げる工程である。本方法は挿入工程を具備する。本挿入工程は、前記内径が拡げられた筒状体内に前記軸体が挿入される工程である。前記拡開工程と前記挿入工程とが、ほぼ、同時と言う場合もある。本方法は拡開力解除工程を具備する。本拡開力解除工程は、前記挿入された筒状体の内径を拡げている拡開力を解除する工程である。この解除によって、該筒状体の筒内面が、該筒状体自身の復元力によって、前記軸体外面に弾接(密着)する。
第3の本発明は制振具装着方法である。特に、振動が発生する筒状軸体を具備する装置の該筒状軸体の筒状内部に前記制振具を装着する方法である。本方法は圧縮工程を具備する。本圧縮工程は、前記制振具の筒状体を、該筒状体の外径が前記筒状軸体の筒状内部の内径より小さくなるよう圧縮する工程である。本方法は挿入工程を具備する。本挿入工程は、前記圧縮された筒状体を前記筒状軸体の筒状内部に挿入する工程である。前記圧縮工程と前記挿入工程とが、ほぼ、同時と言う場合も有る。本工程は圧縮力解除工程を具備する。本圧縮力解除工程は、前記挿入された筒状体の外径を小さくしている圧縮力を解除する工程である。この解除によって、筒状体の外面が、該筒状体自身の復元力で、前記筒状軸体の筒状内面に弾接(密着)する。
第4の本発明は制振具の製造方法である。本方法は成形工程を具備する。本成形工程は、制振材表面が繊維強化プラスチックで覆われた所定形状の筒状体を成形する工程である。本方法は切断工程を具備する。本切断工程は、前記成形工程で得られた筒状体を所定長さで切断する工程である。
以下、本発明が具体的に説明される。但し、以下の説明は、本発明の一実施形態に過ぎず、これに限定されるものでは無い。すなわち、本発明の特長が大きく損なわれない変形・応用例も本発明に含まれる。
図1(a)(b)は本発明になる制振具の一実施形態を示す正面図および断面図、図2は図1の制振具が軸の外周側面に装着された状態を示す断面図、図3は図1の制振具が軸の内周側面に装着された状態を示す断面図、図4は図1の制振具が装着された状態(図2)において衝撃が軸一端に加わった場合の振動減衰特性のグラフ、図5は制振具が装着されていない状態において衝撃が軸一端に加わった場合の振動減衰特性のグラフである。
各図中、Xは制振具である。この制振具Xは、図1からも判る通り、筒体である。筒体の断面形状は装着される軸の断面形状によって決まる。すなわち、軸の断面が円形であれば、制振具Xは円筒体である。軸の断面が正方形であれば、制振具Xは正方形筒体である。しかし、殆どの場合、軸は断面が円形であろうから、本実施形態でも、制振具Xは円筒体の場合で説明される。
円筒体1は、大別して、外層(外殻)2と、内層3とからなる。外層(外殻)2は高剛性の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)で構成されている。内層3は制振樹脂組成物(三菱瓦斯化学株式会社製のネオフェード(登録商標))で構成されている。円筒体1の円筒側面の外周面側と内周面側とは、図1からも判る通り、炭素繊維強化プラスチックで覆われている。制振樹脂組成物はCFRPで挟まれている。恰も、サンドイッチ構造である。円筒体1の左右の端面(図1(a)の左右の端面)は炭素繊維強化プラスチックで覆われていない。すなわち、円筒体1の左右の端面(図1(a)の左右の端面)からは制振樹脂組成物が露出している。勿論、左右の端面も炭素繊維強化プラスチックで覆われていても良い。
4はスリットである。このスリット4は、円筒体1の側面において、中心軸に沿って、一直線状に、形成されたものである。スリット4は、円筒体1の一端側から他端側まで連続して形成されている。円筒体1は、スリット4によって、断面が略C形状である。
円筒体1のスリット4の寸法が大きくなるように拡げると、円筒体1は、その内径および外径が大きくなる。逆に、円筒体1のスリット4の寸法が小さくなるように圧縮すると、円筒体1は、その内径および外径が小さくなる。勿論、拡張力あるいは圧縮力が解除されると、円筒体1は元の大きさになる(復元する)。すなわち、力を印加(解除)した場合、スリット4の存在によって、円筒体1の外径および内径が変化し得るようになっている。
上記制振具X(円筒体1)は次のようにして得られる。先ず、断面が図1(b)の形の長い円筒体を成形する。この成形段階で、ネオフェード(登録商標:三菱瓦斯化学株式会社製の制振樹脂組成物)と、炭素繊維強化プラスチックとが用いられる。この成形段階において、スリットが形成される。この後、筒体が、所定の長さに切断される。これによって、図1(a)(b)の制振具X(円筒体1)が得られた。
上記制振具X(円筒体1)を軸10の外周側面に装着するには次のように行われる。先ず、円筒体1のスリット4の寸法が大きくなるように拡げられる。これによって、円筒体1の内径は軸10の外径より大きなものになる。元々、外力が作用しない状態における円筒体1の内径は、軸10の外径より、多少、小さく構成されている。しかしながら、スリット4の寸法が大きくなるように円筒体1が拡げられると、円筒体1の内径は軸10の外径より大きくなる。従って、円筒体1(制振具X)を軸10に取り付ける(挿入する)ことが簡単である。挿入後、前記開拡力が解除される。この結果、円筒体1は復元する。すなわち、円筒体1の内径は小さくなる。前述の通り、円筒体1の内径は軸10の外径より小さいことから、制振具X(円筒体1)は軸10に強固に嵌着(弾接:密着)することになる。すなわち、制振具X(円筒体1)が軸10から自然に取り外れることは無い。
上記制振具X(円筒体1)を軸11の穴12内に装着するには次のように行われる。先ず、円筒体1のスリット4の寸法が小さくなるように圧縮される。これによって、円筒体1の外径は軸11の穴径より小さくなる。元々、外力が作用しない状態における円筒体1の外径は、穴12の内径より、多少、大きく構成されている。しかしながら、円筒体1が圧縮されると、円筒体1の外径は軸11の穴径より小さくなる。従って、円筒体1(制振具X)を軸11(穴12内)に取り付ける(挿入する)ことは簡単である。挿入後、前記圧縮力が解除される。この結果、円筒体1は復元する。すなわち、円筒体1の外径は大きくなる。前述の通り、円筒体1の外径は穴12の内径より大きいことから、制振具X(円筒体1)は軸11の穴12に強固に装着(弾接:密着)することになる。すなわち、制振具X(円筒体1)が軸11の穴12から自然に取り外れることは無い。
上記制振具Xの効果が調べられた。すなわち、制振具Xが装着された場合(図2参照)において、衝撃が軸一端に加わった場合の振動減衰特性が調べられた。この時の振動減衰特性が図4に示される。これに対して、制振具Xが装着されていない場合において、衝撃が軸一端に加わった場合の振動減衰特性が調べられた。この時の振動減衰特性が図5に示される。これより、上記制振具Xは大きな制振効果を奏していることが判る。
上記実施形態の制振具Xは、ネオフェード(登録商標:三菱瓦斯化学株式会社製の制振樹脂組成物)の表面に炭素繊維強化プラスチックが一体的に設けられているものであった。比較例として、ネオフェード(登録商標:三菱瓦斯化学株式会社製の制振樹脂組成物)の表面が炭素繊維強化プラスチックで覆われていない制振具Wが試作された。この制振具Wが軸に装着され、軸が回転せしめられた。軸の回転初期にあっては、制振効果は発揮されていた。しかしながら、時間の経過につれて(制振樹脂組成物が振動エネルギーを吸収するにつれて)、制振具Wには形状変化が起きた。すなわち、制振具Wと軸との一体性が弱くなった。この結果、制振効果が次第に劣って来た。これに対して、上記実施形態の制振具Xは、比較例の制振具Wよりも、遙かに、長期間に亘って、制振効果が大きく奏された。すなわち、制振樹脂組成物が炭素繊維強化プラスチックで覆われていたことから、制振具Xに形状変化が起き難く、大きな制振効果が長期間に亘って奏された。
図6は本発明の第2実施形態の制振具の側面である。
本実施形態の制振具Yと前記実施形態の制振具Xとは、スリット4の形状が異なるのみである。すなわち、前記実施形態にあっては、スリット4が一直線状であったが、本実施形態ではスリット4が螺旋状である。その他の構成は前記実施形態の制振具と同様である。従って、詳細は省略される。
図7は本発明の第3実施形態の制振具の側面図である。
第1実施形態や第2実施形態の制振具X,Yは、スリット4が円筒体1の一端から他端まで繋がったものであった。
これに対して、本実施形態にあっては、一つ一つのスリットは長さが短いものである。スリットは孔である。多数の孔5が円筒体1の側面に構成されたものである。多数の孔5が構成された為、本実施形態の制振具Zは、恰も、網で、円筒体に形成された如きである。このように構成されていても、制振具Zに捩じり力を作用させると、外径(内径)が変化する。その他の構成は、基本的には、前記実施形態の制振具と同様である。従って、詳細は省略される。
X,Y,Z 制振具
1 円筒体
2 外層(外殻)
3 内層
4 スリット
5 孔(スリット)
10 軸
11 軸
12 穴

Claims (13)

  1. 制振具であって、
    前記制振具は筒状体に構成されてなり、
    前記筒状体は、該筒状体の外殻が繊維強化プラスチックで構成され、該筒状体の内層が制振材で構成されてなる
    ことを特徴とする制振具。
  2. 筒状体にはスリットが設けられてなり、
    該筒状体に外力が作用した場合、該スリットの存在によって、該筒状体の外径および/または内径が変化し得るように構成されてなる
    ことを特徴とする請求項1の制振具。
  3. スリットは筒状体の筒方向に沿って設けられてなり、該筒状体の筒方向に対して交差する面での断面が略C形状である
    ことを特徴とする請求項2の制振具。
  4. 振動の発生が予想される軸体の外表面に装着される制振具であり、
    前記制振具の筒状体に外力が作用していない状態にあっては、該筒状体の内径が前記軸体の外径より小さい
    ことを特徴とする請求項3の制振具。
  5. 振動の発生が予想される筒状軸体の筒状内部に装着される制振具であり、
    前記制振具の筒状体に外力が作用していない状態にあっては、該筒状体の外径が前記筒状軸体の内径より大きい
    ことを特徴とする請求項3の制振具。
  6. スリットは筒状体の筒方向に交差する方向に沿って設けられてなり、該筒状体を捩じることによって該筒状体の内径および/または外径が変化し得るよう構成されてなる
    ことを特徴とする請求項2の制振具。
  7. 振動の発生が予想される軸体の外表面に装着される制振具であり、
    前記制振具の筒状体に外力が作用していない状態にあっては、該筒状体の内径が前記軸体の外径より小さい
    ことを特徴とする請求項6の制振具。
  8. 振動の発生が予想される筒状軸体の筒状内部に装着される制振具であり、
    前記制振具の筒状体に外力が作用していない状態にあっては、該筒状体の外径が前記筒状軸体の内径より大きい
    ことを特徴とする請求項6の制振具。
  9. 筒状体の外殻が炭素繊維強化プラスチックで構成されてなる
    ことを特徴とする請求項1〜請求項8いずれかの制振具。
  10. 筒状体の内層を構成する制振材が、
    ジカルボン酸成分構成単位とジオール成分構成単位とからなるポリエステル樹脂(X)に二酸化チタン(Y)及びマイカ鱗片(Z)を分散させた組成物を有し、ポリエステル樹脂(X)の全ジカルボン酸成分構成単位数(A0)と全ジオール成分構成単位数(B0)の合計量に対する主鎖中の炭素原子数が奇数であるジカルボン酸成分構成単位数(A1)と主鎖中の炭素原子数が奇数であるジオール成分構成単位数(B1)の合計量の比率[(A1+B1)/(A0+B0)]が0.5〜1.0であり、かつ、ポリエステル樹脂(X)、二酸化チタン(Y)及びマイカ鱗片(Z)の質量比率(X:Y:Z)が、15〜40:5〜30:30〜80である、
    ジカルボン酸成分構成単位とジオール成分構成単位とからなるポリエステル樹脂(X)に二酸化チタン(Y)及びマイカ鱗片(Z)を分散させた組成物を有し、前記樹脂組成物中におけるポリエステル樹脂(X)、二酸化チタン(Y)及びマイカ鱗片(Z)の含有量が、各々、35〜60質量%、5〜15質量%及び30〜55質量%であり、前記樹脂組成物中におけるマイカ鱗片(Z)の平均粒子径が5〜80μm、JISK7127に準拠して測定した前記組成物の破壊点伸び率が30〜70%、厚さが20〜200μmである、
    ジカルボン酸構成単位とジオール構成単位を主として構成されるポリエステル樹脂と充填材を含有する組成物を有し、ポリエステル樹脂の全ジカルボン酸構成単位中50モル%以上が芳香族ジカルボン酸に由来するジカルボン酸構成単位で、芳香族ジカルボン酸に由来するジカルボン酸構成単位(A)中70モル%以上がイソフタル酸に由来するジカルボン酸構成単位であり、ポリエステル樹脂の全ジオール構成単位中エチレングリコールに由来するジオール構成単位(B)が60モル%以上であり、ポリエステル樹脂中に炭素原子数が5以上の脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジオールおよび/または脂肪族ヒドロキシカルボン酸からなる構成単位(C)を含有し、これらの構成単位の合計が5〜25モル%であり、ポリエステル樹脂中の構成単位(A),(B),(C)の合計がポリエステル樹脂の全構成単位中の75モル%以上であり、テトラクロロエタン/フェノール=1/1(質量比)混合溶媒中25℃で測定したポリエステル樹脂の固有粘度が0.2〜2.0dL/gであり、示差走査熱量計で測定したポリエステル樹脂の降温時結晶化発熱ピークの熱量が5J/g以下であり、充填材として鱗片状あるいは平板状の充填材(D)と粒子状金属酸化物の充填材(E)とを含み、樹脂組成物における充填材(D)の含有量が18〜70質量%、充填材(E)の含有量が2〜20質量%、充填材(D)と(E)の合計量が20〜80質量%であり、樹脂組成物の損失弾性率の最大値が5×10[N/m]以上である、
    樹脂成分(A)と無機充填材成分(B)とを合計で80質量%以上含有し、樹脂成分(A)に対する無機充填材成分(B)の質量割合が1.0〜5.0であり、樹脂成分(A)中の樹脂(α)の割合が50質量%以上であり、樹脂(α)がメタキシレンとホルムアルデヒドとを酸触媒下で反応させることで得られる樹脂である
    群の中から選ばれる一つ又は二つ以上のものである
    請求項1〜請求項9いずれかの制振具。
  11. 振動が発生する軸体を具備する装置の該軸体の外表面に制振具を装着する方法であって、
    前記請求項1〜請求項10いずれかの制振具の筒状体を、該筒状体の内径が前記軸体の外径より大きくなるよう拡げる拡開工程と、
    前記内径が拡げられた筒状体内に前記軸体が挿入される挿入工程と、
    前記筒状体の内径を拡げている拡開力が解除されることによって、該筒状体の筒内面が、該筒状体自身の復元力によって、前記軸体外面に弾接する拡開力解除工程
    とを具備することを特徴とする制振具装着方法。
  12. 振動が発生する筒状軸体を具備する装置の該筒状軸体の筒状内部に制振具を装着する方法であって、
    前記請求項1〜請求項10いずれかの制振具の筒状体を、該筒状体の外径が前記筒状軸体の筒状内部の内径より小さくなるよう圧縮する圧縮工程と、
    前記圧縮された筒状体が前記筒状軸体の筒状内部に挿入される挿入工程と、
    前記挿入された筒状体の外径を小さくしている圧縮力が解除されることによって、該筒状体の外面が、該筒状体自身の復元力で、前記筒状軸体の筒状内面に弾接する圧縮力解除工程
    とを具備することを特徴とする制振具装着方法。
  13. 請求項1〜請求項10いずれかの制振具の製造方法であって、
    制振材表面が繊維強化プラスチックで覆われた所定形状の筒状体を成形する成形工程と、
    前記成形工程で得られた筒状体を所定長さで切断する切断工程
    とを具備することを特徴とする制振具の製造方法。

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