(実施形態1)
以下、本発明の液体充填システムの一実施形態である燃料充填システムを、図1〜図5を参照して説明する。
この燃料充填システムは、車両に搭載された燃料タンクに液化石油ガス(LPG)燃料を充填するシステムであり、利用者が自動充填操作を行うと燃料の充填を開始し、燃料タンクが備える互いに連通された複数の部分タンクのうち少なくとも1つの部分タンク内の燃料の液位(即ち、液面高さ)が、予め定められた基準液面高さとしての供給速度減速液位Lsに到達すると、当該燃料タンクへの燃料の供給速度を徐々に遅くして、燃料タンクの最大充填液位Lmに到達する前に供給速度を0にする、即ち、燃料の供給を停止する。また、燃料の供給停止時において、複数の部分タンクの燃料の充填量に偏りが生じている場合があり、この偏りが時間経過に伴い平均化されて、複数の部分タンクのうち全ての部分タンク内の燃料の液位が供給速度減速液位Lsを下回ると、再度燃料の供給を開始する。また、燃料の供給が完全に停止された後は、利用者が手動充填操作により燃料を供給して最大充填液位Lmまで充填を行う。最大充填液位Lmと供給速度減速液位Lsは、燃料の種類、燃料タンクの構成、システムの構成等に応じて適宜設定され、本実施形態において、最大充填液位Lmのときに、燃料タンクの充填量が、燃料タンク容積の85%になるように設定されている。また、供給速度減速液位Lsのときに、燃料タンクの充填量が、最大充填液位Lmのときの充填量(即ち、最大充填量)の70%になるように設定されている。
燃料充填システム1は、図1、図2に示すように、車両に搭載されたタンクユニット5と、タンクユニット5とは別体の液体供給装置としての燃料供給装置50及び液体供給制御装置としての燃料供給制御装置60と、を有している。
燃料供給装置50及び燃料供給制御装置60は、共に充填ホース71が設けられた筐体70に収容されている。充填ホース71は、その内側に燃料供給管72が収容されており、その先端に充填ノズル73が設けられている。
タンクユニット5は、タンク体としての燃料タンク10と、燃料タンク10に配設された液面高さ検出ユニット20と、を備えている。
燃料タンク10は、例えば、ステンレス等の金属材料など、それに収容される燃料Fについて耐腐食性を有する材料で構成された複数(本実施形態においては3つ)の部分タンク10A、10B、10Cを備えている。
部分タンク10Aは、略箱形に形成されており、その側壁部10aには燃料Fを内部に充填するための充填口11が設けられている。この充填口11には、クイックカップリング12が設けられており、上記筐体70からのびる充填ホース71の先端に設けられた充填ノズル73を容易に取り付けたり取り外したりすることができる。
また、部分タンク10Aには、燃料充填管13が設けられている。燃料充填管13は、その一端が充填口11内に配置され、その他端が部分タンク10A内に配置されている。また、燃料充填管13の他端には、上述した従来の燃料充填システムと同様の図示しない過充填防止装置が設けられており、この装置によって最大充填液位Lmを超える燃料Fの充填を防止している。燃料充填管13の一端は、充填口11に充填ノズル73が取り付けられると、燃料供給管72と接続されて互いに連通される。
部分タンク10Bは、上記部分タンク10Aと同様に略箱形に形成されており、連通管16aによって、その上端部が部分タンク10Aの上端部と連通して接続され、連通管16bによって、その下端部が部分タンク10Aの下端部と連通して接続されている。
部分タンク10Cは、上記部分タンク10Aと同様に略箱形に形成されており、連通管17aによって、その上端部が部分タンク10Bの上端部と連通して接続され、連通管17bによって、その下端部が部分タンク10Bの下端部と連通して接続されている。
また、各部分タンク10A、10B、10Cの上壁部10bには、燃料タンク10の内側と外側とを連通する開口部10cが設けられている。これら部分タンク10A、10B、10Cの開口部10cのそれぞれには、後述する液位スイッチ30A、30B、30Cが当該開口部10cを塞ぐようにして取り付けられる。
複数の部分タンク10A、10B、10Cは略箱形に形成されているので、各部分タンク10A、10B、10C内の液量は液位に比例する。勿論、各部分タンク10A、10B、10Cの形状は任意であり、その場合でも部分タンク10A、10B、10C内の液量と液位とは関係を有している。
複数の部分タンク10A、10B、10Cは、それぞれが同じ高さに配置されている。そのため、各部分タンク10A、10B、10Cにおいて、同一の最大充填液位Lm及び供給速度減速液位Lsが設定されている。勿論、複数の部分タンク10A、10B、10Cは、互いに異なる形状に形成されていてもよく、また、異なる高さに配置されていてもよく、また、各部分タンク10A、10B、10Cにおいて、それぞれ異なる最大充填液位Lm及び供給速度減速液位Lsが設定されていてもよい。また、複数の部分タンク10A、10B、10Cは、部分タンク毎に独立して燃料の供給が可能であれば、互いに連通されていなくてもよい。
液面高さ検出ユニット20は、図2に示すように、燃料タンク10に配索された複数の燃料タンク側光ケーブル21、22、23、24と、燃料タンク10の充填口11に設けられた光コネクタソケット25と、部分タンク10A、10B、10Bにそれぞれ1つずつ設けられた複数の光制御手段としての液位スイッチ30A、10B、10Cと、を有している。
複数の燃料タンク側光ケーブル21、22、23、24は、光ファイバとその周囲を覆う保護被膜(シース)とを備え、一端に入光された光を他端へ導いて出光する周知の光ケーブルである。これら燃料タンク側光ケーブル21、22、23、24は、燃料タンク10の外面に配索されている。
燃料タンク側光ケーブル21の一端21aは、光コネクタソケット25内に配置されており、他端21bは、後述する液位スイッチ30Aの一方の光ケーブル取付部38に接続されている。この燃料タンク側光ケーブル21は、光コネクタソケット25側の一端21aに入光された光を、他端21bに接続された液位スイッチ30Aの一方の光ケーブル取付部38まで導くように設けられている。
燃料タンク側光ケーブル22の一端22aは、後述する液位スイッチ30Aの他方の光ケーブル取付部39に接続されており、他端22bは、後述する液位スイッチ30Bの一方の光ケーブル取付部38に接続されている。この燃料タンク側光ケーブル22は、液位スイッチ30Aの他方の光ケーブル取付部39から一端22aに入光された光を、他端22bに接続された液位スイッチ30Bの一方の光ケーブル取付部38まで導くように設けられている。
燃料タンク側光ケーブル23の一端23aは、後述する液位スイッチ30Bの他方の光ケーブル取付部39に接続されており、他端23bは、後述する液位スイッチ30Cの一方の光ケーブル取付部38に接続されている。この燃料タンク側光ケーブル23は、液位スイッチ30Bの他方の光ケーブル取付部39から一端23aに入光された光を、他端23bに接続された液位スイッチ30Cの一方の光ケーブル取付部38まで導くように設けられている。
燃料タンク側光ケーブル24の一端24aは、後述する液位スイッチ30Cの他方の光ケーブル取付部39に接続されており、他端24bは、光コネクタソケット25内に配置されている。この燃料タンク側光ケーブル24は、液位スイッチ30Cの他方の光ケーブル取付部39から一端24aに入光された光を、光コネクタソケット25側の他端24bまで導くように設けられている。
液位スイッチ30Aは、図3(a)、(b)に示すように、ケース31と、一対の光ケーブル取付部38、39と、第1導光部材41と、第2導光部材42と、上支持部材43と、下支持部材44と、規制壁部としての光規制マグネット45と、フロート部としてのマグネットフロート47と、を有している。なお、液位スイッチ30B、30Cについても、液位スイッチ30Aと同一の構成であるので、それらの説明は省略する。
ケース31は、有底円筒形状のケース本体32と、ケース本体32に取り付けられるケース蓋36と、を有している。ケース本体32及びケース蓋36は、例えば、ステンレス等の金属材料など、燃料タンク10に供給される燃料Fについて耐腐食性を有する材料で構成されている。
ケース本体32は、円筒形状の周壁部32aと、周壁部32aの下端部を塞ぐように設けられた底壁部32bと、周壁部32aの上端部の周縁に設けられたフランジ部32cと、周壁部32aの内側空間を軸方向S(図3の上下方向)に仕切る仕切壁部32dと、を有しており、これらが一体に形成されている。
ケース本体32内には、互いに断絶された上部空間33と下部空間34とが設けられている。また、周壁部32aにおける下部空間34を囲む部分及び底壁部32bには、下部空間34とケース本体32の外部とを連通する複数の連通孔35が設けられている。
ケース本体32の周壁部32aの外径は、部分タンク10Aの開口部10cの径より小さく形成され、フランジ部32cの外径は、当該開口部10cの径より大きく形成されている。これにより、ケース31が、部分タンク10Aの開口部10cにケース31の底壁部32b側から挿入されて、周壁部32a及び底壁部32bが燃料タンク10内に位置づけられるとともに、フランジ部32cによって開口部10cを塞ぐようにして部分タンク10Aに取り付けられる。
ケース蓋36は、ケース本体32の周壁部32aの内径と略同一径の円板状に形成されており、周壁部32aの上端部を塞ぐようにしてケース本体32に取り付けられる。ケース蓋36がケース本体32に取り付けられると、ケース本体32内の上部空間33が密閉される。
一対の光ケーブル取付部38、39は、燃料タンク10に配索された燃料タンク側光ケーブル21、22が取り付けられる光コネクタである。これら一対の光ケーブル取付部38、39は、ケース蓋36を貫通して配設されている。
一方の光ケーブル取付部38は、燃料タンク側光ケーブル21からの光を後述する第1導光部材41に導くように、当該燃料タンク側光ケーブル21の他端21bと後述する第1導光部材41との間を接続している。
他方の光ケーブル取付部39は、後述する第2導光部材42からの光を燃料タンク側光ケーブル22に導くように、当該他方の燃料タンク側光ケーブル22の一端22aと後述する第2導光部材42との間を接続している。
第1導光部材41は、例えば、石英ガラスやアクリル樹脂などの透光性の材料を用いて略L字形の角柱形状に形成されており、L字形状の長辺側先端部は先細のテーパ状に形成されて平面視円形の第1端面41a(図3において上方を向く面)が設けられ、L字形状の短辺側先端部には平面視正方形の第2端面41b(図3において左方を向く面)が設けられ、L字形状の角部には第1端面41aに入光された光を第2端面41bに向けて反射する反射面41cが設けられている。
第2導光部材42は、第1導光部材41と同一の材料を用いて略L字形の角柱形状に形成されており、L字形状の短辺側先端部には平面視正方形の第1端面42a(図3において右方を向く面)が設けられ、L字形状の長辺側先端部は先細のテーパ状に形成されて平面視円形の第2端面42b(図3において上方を向く面)が設けられ、L字形状の角部には第1端面42aに入光された光を第2端面42bに向けて反射する反射面42cが設けられている。
第1導光部材41及び第2導光部材42は、ケース31の上部空間33内に配設された上支持部材43と下支持部材44とに上下に狭持されて固定されている。第1導光部材41の第1端面41aは、一方の光ケーブル取付部38に接続されており、第2導光部材42の第2端面42bは、他方の光ケーブル取付部39に接続されている。また、第1導光部材41の第2端面41bと第2導光部材42の第1端面42aとは、間隔をあけて対向配置されている。
光規制マグネット45は、例えば、フェライト磁石などが用いられ、立方体形状に形成されている。光規制マグネット45は、1つの面の大きさが、第1導光部材41の第2端面41bより若干大きくなるように形成されている。光規制マグネット45は、上支持部材43、下支持部材44、第1導光部材41の第2端面41b、及び、第2導光部材42の第1端面42aによって形成されたマグネット移動空間46に、N極とS極とが軸方向Sに並ぶように収容されている。このマグネット移動空間46は、光規制マグネット45が軸方向Sの移動のみ可能となるように、光規制マグネット45を軸方向Sに2つ積み重ねた形状と略同一の四角柱状空間に形成されている。
光規制マグネット45は、図3(a)に示す下支持部材44寄りの位置(即ち、許容位置P1)にあるとき、第1導光部材41の第2端面41bから第2導光部材42の第1端面42aに向けてのマグネット移動空間46内の光の進行を許容し、図3(b)に示す上支持部材43寄りの位置(第1導光部材41の第2端面41bと第2導光部材42の第1端面42aとの間の位置、即ち、規制位置P2)にあるとき、第1導光部材41の第2端面41bから第2導光部材42の第1端面42aに向けてのマグネット移動空間46内の光の進行を規制(遮断)する。
マグネットフロート47は、例えば、円柱形状に形成された発泡ニトリルゴムなどの発泡樹脂材料の内部にその軸方向にN極とS極とが並ぶように磁石を埋め込んで構成されている。勿論、マグネットフロート47は、このような構成以外にも、例えば、ポリエチレンなどの樹脂材料にフェライトなどの磁性材料を混合した成形材料からなり、燃料Fに浮かべられるように内部に気泡を含めて円柱形状に形成されたのち、磁化処理によってその軸方向にN極とS極とが並ぶように磁極が設けられた構成などであってもよい。マグネットフロート47は、下部空間34内で軸方向Sに移動可能なように、その径がケース本体32の下部空間34の径より若干小さくなるように形成されている。マグネットフロート47は、ケース本体32と同軸で且つ光規制マグネット45における下部空間34に向く磁極と同一の磁極が上部空間33を向くようにして下部空間34に収容されている。
マグネットフロート47は、ケース31の下部空間34内に燃料Fがないときには底壁部32b上に位置している。このとき、光規制マグネット45は許容位置P1にある。そして、マグネットフロート47は、燃料Fが連通孔35から下部空間34内に流れ込むと燃料Fに浮かび、燃料タンク10内の燃料Fの液位に応じて移動され、燃料タンク10内の燃料Fの液位が所定の供給速度減速液位Lsに達すると、その上面が仕切壁部32dに突き当たる位置まで移動される。このとき、光規制マグネット45は、マグネットフロート47との間の磁力によって規制位置P2に移動される。
つまり、液位スイッチ30Aは、燃料タンク10の液位が供給速度減速液位Lsに満たない場合は、光規制マグネット45が許容位置P1を含む規制位置P2より下方の位置範囲内に位置づけられて、第1導光部材41の第2端面41bから出光された光が、マグネット移動空間46を通じて第2導光部材42の第1端面42aに入光可能となる。
また、液位スイッチ30Aは、燃料タンク10の液位が供給速度減速液位Lsに達した場合は、光規制マグネット45が規制位置P2に位置づけられて、第1導光部材41の第2端面41bから出光された光が、光規制マグネット45に遮られて、第2導光部材42の第1端面42aへの入光が規制される。
また、液位スイッチ30Aは、光規制マグネット45が上部空間33内(詳しくは、マグネット移動空間46内)に配置されており、マグネットフロート47が、上部空間33と断絶された下部空間34内に配置されており、そして、光規制マグネット45とマグネットフロート47とは、仕切壁部32dを挟んで互いに反発する力が働くように同極となる磁極同士(本実施形態においては、S極同士)が対向されている。換言すると、少なくともマグネットフロート47(フロート部)及び光規制マグネット45(光規制壁部)のうち一方が磁力発生手段を有し、他方が磁性体を有し、光規制マグネット45が、部分タンク10A内と隔離された空間内に配置されているとともにマグネットフロート47との間に生じる磁力によって移動されるように構成されている。そのため、上部空間33を燃料Fから隔離することができ、例えば、燃料Fによって第1導光部材41の第2端面41bや第2導光部材の第1端面41aが汚れてしまったり、燃料Fによって光規制マグネットが上支持部材43、下支持部材44等に固着してしまったり、することを抑制することができる。
液位スイッチ30Aにおいて、一方の光ケーブル取付部38、第1導光部材41、マグネット移動空間46、第2導光部材42、及び、他方の光ケーブル取付部39は、一本の光経路部48を構成している。この光経路部48は、一端としての一方の光ケーブル取付部38に入光された光を、他端としての他方の光ケーブル取付部39に導くように構成されている。
液面高さ検出ユニット20において、燃料タンク側光ケーブル21、22、23、24によって、液位スイッチ30A、30B、30Cの備える複数の光経路部48が互いに直列に接続されて、これらにより光経路部接続体49が構成されている。この光経路部接続体49は、その一端としての燃料タンク側光ケーブル21の一端21a(以下、「光経路部接続体49の一端49a」ともいう)に入光された光を、その他端としての燃料タンク側光ケーブル24の他端24b(以下、「光経路部接続体49の他端49b」ともいう)に導くように構成されている。
換言すると、複数の液位スイッチ30A、30B、30Cの光経路部48のうち1つの液位スイッチ30Aの光経路部48の一端としての一方の光ケーブル取付部38が、燃料タンク側光ケーブル21を介して外部にある1つの発光部68に接続されている。また、複数の液位スイッチ30A、30B、30Cの光経路部48のうち他の1つの液位スイッチ30Cの光経路部48の他端としての他方の光ケーブル取付部39が、燃料タンク側光ケーブル24を介して外部にある1つの受光部69に接続されている。また、複数の液位スイッチ30A、30B、30Cのそれぞれの光経路部48が一列に連なるように、他の1つの液位スイッチ30Cの光経路部48以外の光経路部48(即ち、液位スイッチ30A、30Bの光経路部48)の他方の光ケーブル取付部39が、1つの液位スイッチ30Aの光経路部48以外の光経路部48(即ち、液位スイッチ30B、30C)の一方の光ケーブル取付部38に接続されている。つまり、発光部68と受光部69との間に複数の液位スイッチ30A、30B、30Cのそれぞれの光経路部48が互いに直列に接続されている。
燃料供給装置50は、例えば、液体を吸い上げるポンプなどで構成され、地中に設けられた図示しない燃料貯蔵タンクから燃料Fを吸い上げるとともに燃料タンク10に供給する装置である。燃料供給装置50は、充填ホース71の燃料供給管72に接続されており、燃料貯蔵タンクから吸い上げた燃料Fを指定された供給速度で燃料供給管72に流し込む。燃料供給装置50は、後述する燃料供給制御装置60に電気的に接続されており、燃料供給制御装置60からの制御信号によって燃料Fの供給速度が制御される。
燃料供給制御装置60は、充填ホース71内に配索された一対の制御装置側光ケーブル61、62と、充填ホース71の充填ノズル73に設けられた光コネクタプラグ63と、発光ユニット64と、受光ユニット65と、供給速度制御部66と、を有している。
一対の制御装置側光ケーブル61、62は、光ファイバとその周囲を覆う保護被膜(シース)とを備え、一端に入光された光を他端へ導いて出光する周知の光ケーブルである。一対の制御装置側光ケーブル61、62は、充填ホース71内に配索されている。
一方の制御装置側光ケーブル61の一端61aは、後述する発光ユニット64に接続されており、他端61bは、充填ホース71の充填ノズル73に設けられた光コネクタプラグ63に接続されている。この一方の制御装置側光ケーブル61は、発光ユニット64から一端61aに入光された光を、光コネクタプラグ63側の他端61bまで導くように設けられている。
他方の制御装置側光ケーブル62の一端62aは、光コネクタプラグ63に接続されており、他端62bは、後述する受光ユニット65に接続されている。この他方の制御装置側光ケーブル62は、光コネクタプラグ63側の一端62aに入光された光を、他端62bに接続された受光ユニット65まで導くように設けられている。
光コネクタプラグ63は、充填ホース71の充填ノズル73が燃料タンク10の充填口11に取り付けられると、当該充填口11に設けられた光コネクタソケット25と嵌合される。そして、光コネクタプラグ63と光コネクタソケット25とが嵌合されると、一方の制御装置側光ケーブル61の他端61bと燃料タンク側光ケーブル21の一端21a(即ち、光経路部接続体49の一端49a)とが光伝達可能に接続され、かつ、他方の制御装置側光ケーブル62の一端62aと燃料タンク側光ケーブル24の他端24b(即ち、光経路部接続体49の他端49b)とが光伝達可能に接続される。
発光ユニット64は、例えば、レーザーダイオードなどの発光素子及びこの発光素子を駆動する駆動回路などで構成されている。本実施形態において、この駆動回路は、一定周期で光量が変化するパルス状の光(以下、パルス光(即ち、周期変化光)という)を出力するように発光素子の点灯、消灯を周期的に繰り返すパルス駆動回路で構成されている。勿論、駆動回路は、これに限定されるものではなく、例えば、周期的な変化のない一定光量の光を所定期間にわたって連続して出力するように発光素子を駆動する回路などで構成されていてもよい。
発光ユニット64は、後述するMPU67の出力ポートPO1に接続されており、MPU67からの制御信号に基づいて駆動回路を動作させて発光素子から光を出力する。発光ユニット64は、出力した光が一方の制御装置側光ケーブル61の一端61aに入光されるように、当該一端61aに接続して設けられている。
受光ユニット65は、図4(a)に示すように、フォトトランジスタなどの受光素子65a及びこの受光素子65aが出力する信号をMPU67に入力可能な信号に変換する変換回路65bなどで構成されている。本実施形態において、この変換回路65bは、受光した光の変化を示す信号を出力する微分回路65b1と、微分回路65b1の出力波形を整形する整形回路65b2と、を含み、受光素子65aが光を受光していない状態から光を受光している状態に変化したときに1つの小さい幅のパルスが出力される状態信号を出力するように構成されている。図4(b)に、受光ユニット65における、(i)周期Tのパルス光を受光しているときの受光素子65aの出力波形、(ii)微分回路65b1の出力波形、及び、(iii)整形回路65b2の出力波形(即ち、状態信号)、の一例を示す。勿論、変換回路は、これに限定されるものではなく、例えば、受光した光の光量が、所定の判定値以上のときに受光素子が光を受光していることを示す電圧レベル(例えば、0V)となり、当該判定値未満のときに受光素子が光を受光していないことを示す電圧レベル(例えば、5V)となる状態信号を出力する回路などで構成されていてもよい。
受光ユニット65は、後述するMPU67の入力ポートPIに接続されており、受光した光の状態を示す状態信号をMPU67に入力する。受光ユニット65は、他方の制御装置側光ケーブル62の他端62bから出光された光を受光するように、当該他端62bに接続して設けられている。
燃料供給制御装置60において、一方の制御装置側光ケーブル61及び発光ユニット64が、液面高さ検出ユニット20の一方の燃料タンク側光ケーブル21の一端21a(即ち、光経路部接続体49の一端49a)に光を入光する発光部68を構成しており、他方の制御装置側光ケーブル62及び受光ユニット65が、液面高さ検出ユニット20の燃料タンク側光ケーブル24の他端24b(即ち、光経路部接続体49の他端49b)から出光される光を受光する受光部69を構成している。
供給速度制御部66は、マイクロコンピュータ(MPU)67を有している。
MPU67は、周知の組込用マイクロコンピュータで構成されている。MPU67は、予め定められたプログラムに従って各種の処理や制御などを行う中央演算処理装置(CPU)、CPUのための処理プログラムや各種情報等を格納した読み出し専用のメモリであるROM、各種のデータを格納するとともにCPUの処理作業に必要なエリアを有する読み出し書き込み自在のメモリであるRAM等を有して構成されている。
MPU67の出力ポートPO1には、発光ユニット64が接続されており、MPU67のCPUは、出力ポートPO1を通じて、当該発光ユニット64からパルス光を出力又は出力停止するための制御信号を発光ユニット64に出力する。また、MPU67の出力ポートPO2には、燃料供給装置50が接続されている。
MPU67の入力ポートPIには、受光ユニット65が接続されており、MPU67のCPUは、入力ポートPIに入力される受光ユニット65からの状態信号に基づいて、受光ユニット65における受光状態(受光有無)を検出する。そして、MPU67のCPUは、出力ポートPO2を通じて、この受光状態に応じた供給速度で燃料Fを供給させるための制御信号を燃料供給装置50に出力する。
次に、上述したMPU67のCPUが実行する本発明に係る処理(供給速度制御処理)の一例を、図5に示すフローチャートを参照して説明する。
MPU67のCPUは、所定のタイミング(例えば、1秒毎)で、図5のフローチャートに示すステップS110に処理を進める。
ステップS110では、CPUは、一定周期(例えば、1ms(即ち、周波数1kHz))のパルス光を出力するための制御信号を、出力ポートPO1と通じて発光ユニット64に出力する。発光ユニット64は、この制御信号を受信すると一定周期のパルス光を出力する。
ステップS120では、受光ユニット65の受光状態を検出する。具体的には、CPUは、所定の観測時間(例えば、0.5秒)にわたって入力ポートPIに入力された状態信号に含まれるパルスの間隔時間を計時して、当該パルスの周期を算出する。そして、ステップS130に進む。
ステップS130では、受光ユニット65における受光の有無を判定する。具体的にはCPUは、ステップS120で算出した状態信号に含まれるパルスの間隔時間が発光ユニット64から発光されているパルス光のものと同一であるとき、受光有りと判定してステップS140に進み(S130でY)、それ以外のとき、受光無しと判定してステップS150に進む(S130でN)。
ステップS140では、燃料Fの供給速度を最大供給速度(例えば、1[L/s])とする。具体的には、CPUは、燃料Fの供給速度を最大供給速度とするための制御信号を、出力ポートPO2を通じて燃料供給装置50に出力する。燃料供給装置50は、この制御信号に示される供給速度、即ち、最大供給速度で燃料Fを供給する。そして、ステップS160に進む。
ステップS150では、燃料Fの供給速度を徐々に低下させて燃料Fの供給を停止し、または、既に供給速度が0で燃料Fの供給が停止されているときは、供給停止状態を維持する。具体的には、CPUは、燃料Fの供給速度を徐々に低下させて(例えば、1秒ごとに0.1[L/s]減速)最終的に速度0とするための制御信号を、出力ポートPO2を通じて燃料供給装置50に出力する。燃料供給装置50は、この制御信号に示される供給速度、即ち、最大供給速度から速度を徐々に低下させて速度0とする速度で燃料Fを供給する。または、燃料供給装置50は、既に燃料供給速度が0のとき、その状態を維持する。そして、ステップS160に進む。
ステップS160では、CPUは、パルス光の出力を停止するための制御信号を、出力ポートPO1と通じて発光ユニット64に出力する。発光ユニット64は、この制御信号を受信するとパルス光の出力を停止する。そして、本フローチャートの処理を終了する。
次に、上述した燃料充填システム1の本発明に係る動作(作用)について説明する。
車両の燃料タンク10に燃料Fを給油するために、燃料タンク10の充填口11に充填ホース71の充填ノズル73が取り付けられると、光コネクタソケット25と光コネクタプラグ63とが嵌合されて、燃料タンク側光ケーブル21、24と、一対の制御装置側光ケーブル61、62とが、光伝達可能に接続される。そして、所定のタイミング(例えば、1秒毎)で、発光ユニット64からパルス光が出力される(S110)。
このとき、燃料タンク10が備える複数の部分タンク10A、10B、10Cのうち全ての部分タンク10A、10B、10Cの液位が供給速度減速液位Lsに満たない場合、液位スイッチ30A、30B、30Cの光規制マグネット45が許容位置P1に位置づけられているので、発光ユニット64から出力された光が、一方の制御装置側光ケーブル61を通じて、光経路部接続体49の一端49aから入光されて、液位スイッチ30Aの光経路部48、液位スイッチ30Bの光経路部48、及び、液位スイッチ30Cの光経路部48、を順次経由して、光経路部接続体49の他端49bから出光されて、他方の制御装置側光ケーブル62を通じて受光ユニット65まで導光される。つまり、発光部68の発光ユニット64から出光されたパルス光が、光経路部接続体49に導かれて、受光部69の受光ユニット65に受光される。
これにより、受光ユニット65は、受光した光、即ち、発光ユニット64から出力されたパルス光の周期と同一周期のパルスを含む状態信号を出力し、MPU67は、この状態信号のパルス周期と発光ユニット64のパルス光の周期とが同一であるものとして、受光ユニット65での受光有りと判定して、最大供給速度で燃料Fの供給を行う(S120、S130でY、S140)。そのあと、発光ユニット64からパルス光の出力を停止する(S160)。
また、部分タンク10A、10B、10Cのうち少なくとも1つの部分タンクの液位が供給速度減速液位Lsに達している場合、その部分タンクに配設された液位スイッチの光規制マグネット45が規制位置P2に位置づけられているので、発光ユニット64から出力された光が、一方の制御装置側光ケーブル61を通じて、光経路部接続体49の一端49aに入光されるものの、光経路部接続体49の途中にあるマグネット移動空間46内で光規制マグネット45に進行を遮断される。つまり、発光部68の発光ユニット64から出光されたパルス光が、光経路部接続体49の途中で遮断されて、受光部69の受光ユニット65で受光されない。
これにより、受光ユニット65は、パルスを含まない状態信号を出力し、MPU67は、この状態信号のパルス周期(即ち、無限大の周期)と発光ユニット64のパルス光の周期とが同一でないものとして、受光ユニット65での受光無しと判定して、供給速度を、最大供給速度から徐々に低下させて速度0として、燃料Fの供給を停止する(S120、S130でN、S150)。そのあと、発光ユニット64からパルス光の出力を停止する(S160)。
また、例えば、燃料供給装置50からの燃料Fの供給速度が、連通管16bを通じて部分タンク10Aから部分タンク10Bに流れ込む燃料Fの流動速度より速い場合は、部分タンク10Aの液位が、部分タンク10Bの液位よりも先に供給速度減速液位Lsに到達する。このとき、上述したように、一旦燃料Fの供給速度が徐々に減速されて供給停止に向かう。しかしながら、時間経過に伴って、連通管16b、17bを通じて各部分タンク10A、10B、10C間で燃料Fが移動してそれらの液位が平均化されると、部分タンク10Aの液位が供給速度減速液位Lsより低下することがあり、このような場合は、次回の供給速度制御処理において、発光部68の発光ユニット64から出光されたパルス光が、光経路部接続体49に導かれ、受光部69の受光ユニット65に再度受光される。
これにより、受光ユニット65は、受光した光、即ち、発光ユニット64から出力されたパルス光の周期と同一周期のパルスを含む状態信号を出力し、MPU67は、この状態信号のパルス周期と発光ユニット64のパルス光の周期とが同一であるものとして、受光ユニット65での受光有りと判定して、最大供給速度で燃料Fの供給を再度行う(S120、S130でY、S140)。つまり、燃料Fの供給が再開される。そのあと、発光ユニット64からパルス光の出力を停止する(S160)。
また、光経路部接続体49において、燃料タンク側光ケーブル21、22、23、34の断線や、液位スイッチ30A、30B、30Cの破損などが生じると、発光部68の発光ユニット64から出光されたパルス光が、光経路部接続体49の途中で遮断されて、受光部69の受光ユニット65で受光されなくなる。
この場合も、上記と同様に、受光ユニット65は、パルスを含まない状態信号を出力し、MPU67は、この状態信号のパルス周期(即ち、無限大の周期)と発光ユニット64のパルス光の周期とが同一でないものとして、受光ユニット65での受光無しと判定して、供給速度を、最大供給速度から徐々に低下させて速度0として、燃料Fの供給を停止する(S120、S130でN、S150)。そのあと、発光ユニット64からパルス光の出力を停止する(S160)。
また、操作ミスなどにより、充填ノズル73が充填口11から外れてしまった場合、光コネクタソケット25と光コネクタプラグ63との嵌合が解除される。これにより、他方の制御装置側光ケーブル62には、白熱電球光や太陽光などの周期的な変化のない光や蛍光灯光などの発光ユニット64から出力されたパルス光と異なる周期で変化する光が入光される。つまり、発光ユニット64から出力されたパルス光が受光ユニット65に受光されず、上記周期的な変化のない光や上記パルス光と異なる周期で変化する光が受光される。
この場合も、上記と同様に、受光ユニット65は、パルスを含まない状態信号や発光ユニットから出力されたパルス光と異なる周期のパルスを含む状態信号を出力し、MPU67は、この状態信号のパルス周期と発光ユニット64のパルス光の周期とが同一でないものとして、受光ユニット65での受光無しと判定して、供給速度を、最大供給速度から徐々に低下させて速度0として、燃料Fの供給を停止する(S120、S130でN、S150)。そのあと、発光ユニット64からパルス光の出力を停止する(S160)。
上述したように、本実施形態の液面高さ検出ユニット20は、複数の部分タンク10A、10B、10Cを備えた燃料タンク10に収容された燃料Fの液面高さの検出に用いられる液面高さ検出ユニット20において、複数の部分タンク10A、10B、10C毎に配設される複数の液位スイッチ30A、30B、30Cが設けられ、複数の液位スイッチ30A、30B、30Cのそれぞれには、一端としての一方の光ケーブル取付部38に入光された光を他端としての他方の光ケーブル取付部39に導く光経路部48、部分タンク内の燃料Fに浮かべられるマグネットフロート47、及び、マグネットフロート47の移動によって、光経路部48内の光の進行を許容する許容位置P1及び当該光の進行を規制する規制位置P2に移動される、マグネットフロート47と非接続の光規制マグネット45、が設けられ、複数の液位スイッチ30A、30B、30Cの光経路部48のうち液位スイッチ30Aの光経路部48の一方の光ケーブル取付部38が、外部にある1つの発光部68に接続され、液位スイッチ30Cの光経路部48の他方の光ケーブル取付部39が、外部にある1つの受光部69に接続され、複数の液位スイッチ30A、30B、30Cのそれぞれの光経路部48が一列に連なるように、液位スイッチ30Cの光経路部48以外の光経路部48の他方の光ケーブル取付部39が、液位スイッチ30Aの光経路部48以外の光経路部48の一方の光ケーブル取付部38に接続されている。
また、本実施形態のタンクユニット5は、複数の部分タンク10A、10B、10Cを備えた燃料タンク10と、燃料タンク10に設けられた上述の液面高さ検出ユニット20と、を有している。
また、本実施形態の燃料充填システム1は、タンクユニット5と、タンクユニット5の燃料タンク10に液体を供給する燃料供給装置50と、タンクユニット5の液面高さ検出ユニット20に光を入光する発光部68、液面高さ検出ユニット20から出光される光を受光する受光部69、及び、受光部69による光の受光有無に基づいて燃料供給装置50による燃料Fの供給速度を制御する供給速度制御部66、を備えた燃料供給制御装置60と、を有している。
以上より、本実施形態によれば、複数の部分タンク10A、10B、10C毎に配設される複数の液位スイッチ30A、30B、30Cのそれぞれには、一端としての一方の光ケーブル取付部38に入光された光を他端としての他方の光ケーブル取付部39に導く光経路部48、部分タンク内の燃料Fに浮かべられるマグネットフロート47、及び、マグネットフロート47の移動によって、光経路部48内の光の進行を許容する許容位置P1及び当該光の進行を規制する規制位置P2に移動される、マグネットフロート47と接続されていない光規制マグネット45、が設けられており、そして、これら複数の液位スイッチ30A、30B、30Cの光経路部48のうち液位スイッチ30Aの光経路部48の一方の光ケーブル取付部38が、外部にある1つの発光部68に接続され、液位スイッチ30Cの光経路部48の他方の光ケーブル取付部39が、外部にある1つの受光部69に接続され、複数の液位スイッチ30A、30B、30Cのそれぞれの光経路部48が一列に連なるように、液位スイッチ30Cの光経路部48以外の光経路部48の他方の光ケーブル取付部39が、液位スイッチ30Aの光経路部48以外の光経路部48の一方の光ケーブル取付部38に接続されるので、外部にある発光部68と受光部69との間に複数の光経路部48が互いに直列に接続されることになる。
そのため、複数の液位スイッチ30A、30B、30Cのうち全ての液位スイッチ30A、30B、30Cにおける光規制マグネット45がそれらの許容位置P1に移動されたとき、発光部68から液位スイッチ30Aの光経路部48の一方の光ケーブル取付部38に入光された光が、液位スイッチ30Cの光経路部48の他方の光ケーブル取付部39から受光部69に出光され、または、複数の液位スイッチ30A、30B、30Cのうち少なくとも1つの液位スイッチにおける光規制マグネット45がその規制位置P2に移動されたとき、発光部68から液位スイッチ30Aの光経路部48の一方の光ケーブル取付部38に入光された光が、液位スイッチ30Cの光経路部48の他方の光ケーブル取付部39から受光部69に出光されなくなる。
これにより、複数の液位スイッチ30A、30B、30Cについて、例えば、部分タンク10A、10B、10C内の燃料Fの液面高さが当該部分タンクについて定められた所定の供給速度減速液位Ls未満のときに光規制マグネット45がその許容位置P1に移動され、供給速度減速液位Ls以上のときに光規制マグネット45がその規制位置P2に移動されるように、各液位スイッチ30A、30B、30Cを各部分タンク10A、10B、10Cに配設することで、液位スイッチ30Aの光経路部48の一方の光ケーブル取付部38に光を入光したときの液位スイッチ30Cの光経路部48の他方の光ケーブル取付部39からの光の出光状態、即ち、1つの液面高さ情報に基づいて、複数の部分タンク10A、10B、10Cのうち少なくとも1つの部分タンクにおいてその液面高さが供給速度減速液位Ls以上であるか否かを検出することができる。したがって、液面高さ検出ユニット20と、燃料供給制御装置60と、を一対一の簡易な接続形態で接続して、複数の部分タンク10A、10B、10Cを備える燃料タンク10に収容された燃料Fの液面高さの検出に用いることができる。
また、複数の液位スイッチ30A、30B、30Cの光経路部48のうちの1つに断線故障が生じると、発光部68から液位スイッチ30Aの光経路部48の一方の光ケーブル取付部38に入光された光が、液位スイッチ30Cの光経路部48の他方の光ケーブル取付部39から受光部69に出光されなくなるので、例えば、受光部69において光が受光されているときに燃料Fを供給するように燃料供給装置50を制御するシステムなどにおいて、いずれかの光経路部48が断線故障した場合に、受光部69において光が受光されなくなり、燃料Fの供給を停止できる。これにより、液体燃料の供給において、断線故障が発生した場合に当該液体燃料の供給を停止できるので、液体燃料の供給過剰などによる不測の危険を回避できる。
また、電力によらずに各部分タンク10A、10B、10C内の燃料Fの液位に応じて各光経路部48による光の導光状態を変化させるように動作して、この光の導光状態の変化、即ち、受光部69における受光状態に基づいた液位検出に用いることができる。また、電力によらずに動作するので防爆対策が不要となり、簡易な構成にできる。
(実施形態2)
以下、本発明の液体充填システムの他の実施形態である燃料充填システムを、図1、図6を参照して説明する。なお、図1の符号について、括弧内に符号が併記されているものは、当該括弧内の符号が実施形態2の燃料充填システムについての符号を示し、それ以外のものについては、実施形態1と実施形態2とで共通の符号である。
この燃料充填システムは、車両に搭載された燃料タンクに液化石油ガス(LPG)燃料を充填するシステムであり、利用者が自動充填操作を行うと燃料の充填を開始し、燃料タンクが備える互いに連通された複数の部分タンクのうち全ての部分タンク内の燃料の液位(即ち、液面高さ)が、予め定められた基準液面高さとしての供給速度減速液位Lsに到達すると、当該燃料タンクへの燃料の供給速度を徐々に遅くして、燃料タンクの最大充填液位Lmに到達する前に供給速度を0にする、即ち、燃料の供給を停止する。また、燃料の供給が完全に停止された後は、利用者が手動充填操作により燃料を供給して最大充填液位Lmまで充填を行う。最大充填液位Lmと供給速度減速液位Lsは、燃料の種類、燃料タンクの構成、システムの構成等に応じて適宜設定され、本実施形態において、最大充填液位Lmのときに、燃料タンクの充填量が、燃料タンク容積の85%になるように設定されている。また、供給速度減速液位Lsのときに、燃料タンクの充填量が、最大充填液位Lmのときの充填量(即ち、最大充填量)の70%になるように設定されている。
燃料充填システム1Sは、車両に搭載されたタンクユニット5Sと、タンクユニット5Sとは別体の液体供給装置としての燃料供給装置50及び液体供給制御装置としての燃料供給制御装置60と、を有している。なお、本実施形態の燃料充填システム1Sは、上述した実施形態1の燃料充填システム1において、タンクユニット5に代えてタンクユニット5Sが設けられていること以外は、燃料充填システム1と同一構成であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明を省略する。
タンクユニット5Sは、タンク体としての燃料タンク10と、燃料タンク10に配設された液面高さ検出ユニット20Sと、を備えている。
液面高さ検出ユニット20Sは、燃料タンク10に配索された複数の燃料タンク側光ケーブル81〜88と、光分配器91、光集約器92と、燃料タンク10の充填口11に設けられた光コネクタソケット25と、部分タンク10A、10B、10Bにそれぞれ1つずつ設けられた複数の光制御手段としての液位スイッチ30A、30B、30Cと、を有している。
複数の燃料タンク側光ケーブル81〜88は、光ファイバとその周囲を覆う保護被膜(シース)とを備え、一端に入光された光を他端へ導いて出光する周知の光ケーブルである。これら燃料タンク側光ケーブル81〜88は、燃料タンク10の外面に配索されている。
燃料タンク側光ケーブル81の一端81aは、光コネクタソケット25内に配置されており、他端81bは、後述する光分配器91に接続されている。この燃料タンク側光ケーブル81は、光コネクタソケット25側の一端81aに入光された光を、他端81bに接続された光分配器91まで導くように設けられている。
燃料タンク側光ケーブル82の一端82aは、後述する光集約器92に接続されており、他端82bは、光コネクタソケット25内に配置されている。この燃料タンク側光ケーブル82は、光集約器92から一端82aに入光された光を、光コネクタソケット25側の他端82bまで導くように設けられている。
燃料タンク側光ケーブル83の一端83aは、後述する光分配器91に接続されており、他端83bは、後述する液位スイッチ30Aの一方の光ケーブル取付部38に接続されている。この燃料タンク側光ケーブル83は、光分配器91から一端83aに入光された光を、他端83bに接続された液位スイッチ30Aの一方の光ケーブル取付部38まで導くように設けられている。
燃料タンク側光ケーブル84の一端84aは、後述する光分配器91に接続されており、他端84bは、後述する液位スイッチ30Bの一方の光ケーブル取付部38に接続されている。この燃料タンク側光ケーブル84は、光分配器91から一端84aに入光された光を、他端84bに接続された液位スイッチ30Bの一方の光ケーブル取付部38まで導くように設けられている。
燃料タンク側光ケーブル85の一端85aは、後述する光分配器91に接続されており、他端85bは、後述する液位スイッチ30Cの一方の光ケーブル取付部38に接続されている。この燃料タンク側光ケーブル85は、光分配器91から一端85aに入光された光を、他端85bに接続された液位スイッチ30Cの一方の光ケーブル取付部38まで導くように設けられている。
燃料タンク側光ケーブル86の一端86aは、後述する液位スイッチ30Aの他方の光ケーブル取付部39に接続されており、他端86bは、後述する光集約器92に接続されている。この燃料タンク側光ケーブル86は、液位スイッチ30Aの他方の光ケーブル取付部39から一端86aに入光された光を、他端86bに接続された光集約器92まで導くように設けられている。
燃料タンク側光ケーブル87の一端87aは、後述する液位スイッチ30Bの他方の光ケーブル取付部39に接続されており、他端87bは、後述する光集約器92に接続されている。この燃料タンク側光ケーブル87は、液位スイッチ30Bの他方の光ケーブル取付部39から一端87aに入光された光を、他端87bに接続された光集約器92まで導くように設けられている。
燃料タンク側光ケーブル88の一端88aは、後述する液位スイッチ30Cの他方の光ケーブル取付部39に接続されており、他端88bは、後述する光集約器92に接続されている。この燃料タンク側光ケーブル88は、液位スイッチ30Cの他方の光ケーブル取付部39から一端88aに入光された光を、他端88bに接続された光集約器92まで導くように設けられている。
光分配器91は、1つの入力端と複数(本実施形態においては3つ)の出力端とを有しており、入力端に入力された光を分配して各出力端から出力するように構成されている。光分配器91の入力端には、燃料タンク側光ケーブル81の他端81bが接続されており、複数の出力端には、燃料タンク側光ケーブル83、84、85の各一端83a、84a、85aが接続されている。
光集約器92は、複数(本実施形態においては3つ)の入力端と1つの出力端とを有しており、各入力端に入力された光を1つにまとめて出力端から出力するように構成されている。光集約器92の複数の入力端には、燃料タンク側光ケーブル86、87、88の各他端86b、87b、88bが接続されており、出力端には、燃料タンク側光ケーブル82の一端82aが接続されている。
液面高さ検出ユニット20Sにおいて、燃料タンク側光ケーブル81〜88と光分配器91、光集約器92とによって、液位スイッチ30A、30B、30Cの備える複数の光経路部48が互いに並列に接続されて、これらにより光経路部接続体99が構成されている。この光経路部接続体99は、その一端としての燃料タンク側光ケーブル81の一端81a(以下、「光経路部接続体99の一端99a」ともいう)に入光された光を、その他端としての燃料タンク側光ケーブル82の他端82b(以下、「光経路部接続体99の他端99b」ともいう)に導くように構成されている。
換言すると、複数の液位スイッチ30A、30B、30Cのそれぞれの光経路部48の一端としての一方の光ケーブル取付部38が、燃料タンク側光ケーブル81、83、84、85及び光分配器91を介して、外部にある1つの発光部68に接続されている。また、複数の液位スイッチ30A、30B、30Cのそれぞれの光経路部48の他端としての他方の光ケーブル取付部39が、燃料タンク側光ケーブル82、86、87、88及び光集約器92を介して、外部にある1つの受光部69に接続されている。つまり、発光部68と受光部69との間に複数の液位スイッチ30A、30B、30Cのそれぞれの光経路部48が互いに並列に接続されている。
燃料供給制御装置60の供給速度制御部66が有するMPU67のCPUが実行する本発明に係る処理は、上述した実施形態1の供給速度制御処理(図5)と同一であるので、その説明を省略する。
次に、上述した燃料充填システム1Sの本発明に係る動作(作用)について説明する。
車両の燃料タンク10に燃料Fを給油するために、燃料タンク10の充填口11に充填ホース71の充填ノズル73が取り付けられると、光コネクタソケット25と光コネクタプラグ63とが嵌合されて、燃料タンク側光ケーブル81、82と、一対の制御装置側光ケーブル61、62とが、光伝達可能に接続される。そして、所定のタイミング(例えば、1秒毎)で、発光ユニット64からパルス光が出力される(S110)。
このとき、燃料タンク10が備える複数の部分タンク10A、10B、10Cのうち少なくとも1つの部分タンクの液位が供給速度減速液位Lsに満たない場合、液位スイッチ30A、30B、30Cのいずれかの光規制マグネット45が許容位置P1に位置づけられているので、発光ユニット64から出力された光が、一方の制御装置側光ケーブル61を通じて、光経路部接続体99の一端99aから入光されて、液位スイッチ30A、30B、30Cのいずれかの光経路部48を経由して、光経路部接続体99の他端99bから出光されて、他方の制御装置側光ケーブル62を通じて受光ユニット65まで導光される。つまり、発光部68の発光ユニット64から出光されたパルス光が、光経路部接続体99に導かれて、受光部69の受光ユニット65に受光される。
これにより、受光ユニット65は、受光した光、即ち、発光ユニット64から出力されたパルス光の周期と同一周期のパルスを含む状態信号を出力し、MPU67は、この状態信号のパルス周期と発光ユニット64のパルス光の周期とが同一であるものとして、受光ユニット65での受光有りと判定して、最大供給速度で燃料Fの供給を行う(S120、S130でY、S140)。そのあと、発光ユニット64からパルス光の出力を停止する(S160)。
また、部分タンク10A、10B、10Cのうち全ての部分タンク10A、10B、10Cの液位が供給速度減速液位Lsに達している場合、それらの部分タンク10A、10B、10Cに配設された液位スイッチ30A、30B、30Cの光規制マグネット45が全て規制位置P2に位置づけられているので、発光ユニット64から出力された光が、一方の制御装置側光ケーブル61を通じて、光経路部接続体99の一端99aに入光されるものの、光経路部接続体99の途中にあるマグネット移動空間46内で光規制マグネット45に進行を遮断される。つまり、発光部68の発光ユニット64から出光されたパルス光が、光経路部接続体99の途中で遮断されて、受光部69の受光ユニット65で受光されない。
これにより、受光ユニット65は、パルスを含まない状態信号を出力し、MPU67は、この状態信号のパルス周期(即ち、無限大の周期)と発光ユニット64のパルス光の周期とが同一でないものとして、受光ユニット65での受光無しと判定して、供給速度を、最大供給速度から徐々に低下させて速度0として、燃料Fの供給を停止する(S120、S130でN、S150)。そのあと、発光ユニット64からパルス光の出力を停止する(S160)。
また、光経路部接続体99において、燃料タンク側光ケーブル83〜88の断線や、液位スイッチ30A、30B、30Cの破損などが生じると、発光部68の発光ユニット64から出光されたパルス光が、並列に接続された3つのルート、詳しくは、(1)燃料タンク側光ケーブル83、液位スイッチ30Aの光経路部48、及び、燃料タンク側光ケーブル86、(2)燃料タンク側光ケーブル84、液位スイッチ30Bの光経路部48、及び、燃料タンク側光ケーブル87、(3)燃料タンク側光ケーブル85、液位スイッチ30Cの光経路部48、及び、燃料タンク側光ケーブル88、のうちいずれかのルートの途中で遮断されて、当該ルートを構成する液位スイッチが配設された部分タンクにおいて、供給速度減速液位Lsに達したときと同様の動作となる。しかし、このルート以外の他のルートにおいてパルス光が導かれていれば、パルス光が、当該他の光ルートを通じて受光部69の受光ユニット65に受光される。
これにより、受光ユニット65は、受光した光、即ち、発光ユニット64から出力されたパルス光の周期と同一周期のパルスを含む状態信号を出力し、MPU67は、この状態信号のパルス周期と発光ユニット64のパルス光の周期とが同一であるものとして、受光ユニット65での受光有りと判定して、最大供給速度で燃料Fの供給を行う(S120、S130でY、S140)。そのあと、発光ユニット64からパルス光の出力を停止する(S160)。つまり、光経路部接続体99の互いに並列に接続された光ルートにおいて断線故障が生じた場合でも、燃料Fの供給を継続することができる。
また、操作ミスなどにより、充填ノズル73が充填口11から外れてしまった場合、光コネクタソケット25と光コネクタプラグ63との嵌合が解除される。これにより、他方の制御装置側光ケーブル62には、白熱電球光や太陽光などの周期的な変化のない光や蛍光灯光などの発光ユニット64から出力されたパルス光と異なる周期で変化する光が入光される。つまり、発光ユニット64から出力されたパルス光が受光ユニット65に受光されず、上記周期的な変化のない光や上記パルス光と異なる周期で変化する光が受光される。
この場合も、上記と同様に、受光ユニット65は、パルスを含まない状態信号や発光ユニットから出力されたパルス光と異なる周期のパルスを含む状態信号を出力し、MPU67は、この状態信号のパルス周期と発光ユニット64のパルス光の周期とが同一でないものとして、受光ユニット65での受光無しと判定して、供給速度を、最大供給速度から徐々に低下させて速度0として、燃料Fの供給を停止する(S120、S130でN、S150)。そのあと、発光ユニット64からパルス光の出力を停止する(S160)。
上述したように、本実施形態の液面高さ検出ユニット20Sは、複数の部分タンク10A、10B、10Cを備えた燃料タンク10に収容された燃料Fの液面高さの検出に用いられる液面高さ検出ユニット20Sにおいて、複数の部分タンク10A、10B、10C毎に配設される複数の液位スイッチ30A、30B、30Cが設けられ、複数の液位スイッチ30A、30B、30Cのそれぞれには、一端としての一方の光ケーブル取付部38に入光された光を他端としての他方の光ケーブル取付部39に導く光経路部48、部分タンク内の燃料Fに浮かべられるマグネットフロート47、及び、マグネットフロート47の移動によって、光経路部48内の光の進行を許容する許容位置P1及び当該光の進行を規制する規制位置P2に移動される、マグネットフロート47と非接続の光規制マグネット45、が設けられ、複数の液位スイッチ30A、30B、30Cのそれぞれの光経路部48の一方の光ケーブル取付部38が、外部にある1つの発光部68に接続され、複数の液位スイッチ30A、30B、30Cのそれぞれの光経路部48の他方の光ケーブル取付部39が、外部にある1つの受光部69に接続されている。
また、本実施形態のタンクユニット5Sは、複数の部分タンク10A、10B、10Cを備えた燃料タンク10と、燃料タンク10に設けられた上述の液面高さ検出ユニット20Sと、を有している。
また、本実施形態の燃料充填システム1Sは、タンクユニット5Sと、タンクユニット5Sの燃料タンク10に液体を供給する燃料供給装置50と、タンクユニット5Sの液面高さ検出ユニット20Sに光を入光する発光部68、液面高さ検出ユニット20Sから出光される光を受光する受光部69、及び、受光部69による光の受光有無に基づいて燃料供給装置50による燃料Fの供給速度を制御する供給速度制御部66、を備えた燃料供給制御装置60と、を有している。
以上より、本実施形態によれば、複数の部分タンク10A、10B、10C毎に配設される複数の液位スイッチ30A、30B、30Cのそれぞれには、一端としての一方の光ケーブル取付部38に入光された光を他端としての他方の光ケーブル取付部39に導く光経路部48、部分タンク内の燃料Fに浮かべられるマグネットフロート47、及び、マグネットフロート47の移動によって、光経路部48内の光の進行を許容する許容位置P1及び当該光の進行を規制する規制位置P2に移動される、マグネットフロート47と接続されていない光規制マグネット45、が設けられており、そして、複数の液位スイッチ30A、30B、30Cのそれぞれの光経路部48の一方の光ケーブル取付部38が、外部にある1つの発光部68に接続され、複数の液位スイッチ30A、30B、30Cのそれぞれの光経路部48の他方の光ケーブル取付部39が、外部にある1つの受光部69に接続されるので、外部にある発光部68と受光部69との間に複数の光経路部48が互いに並列に接続されることになる。
そのため、複数の液位スイッチ30A、30B、30Cのうち少なくとも1つの液位スイッチにおける光規制マグネット45がその許容位置P1に移動されたとき、発光部68から各光経路部48の一方の光ケーブル取付部38に入光された光が、いずれかの光経路部48を通じてその他方の光ケーブル取付部39から受光部69に出光され、または、複数の液位スイッチ30A、30B、30Cのうち全ての液位スイッチ30A、30B、30Cにおける光規制マグネット45がそれらの規制位置P2に移動されたとき、発光部68から各光経路部48の一方の光ケーブル取付部38に入光された光が、いずれの光経路部48も通り抜けず、他方の光ケーブル取付部39から受光部69に出光されなくなる。
これにより、複数の液位スイッチ30A、30B、30Cについて、例えば、部分タンク10A、10B、10C内の燃料Fの液面高さが当該部分タンクについて定められた所定の供給速度減速液位Ls未満のときに光規制マグネット45がその許容位置P1に移動され、供給速度減速液位Ls以上のときに光規制マグネット45がその規制位置P2に移動されるように、各液位スイッチ30A、30B、30Cを各部分タンク10A、10B、10Cに配設することで、各光経路部48の一方の光ケーブル取付部38に光を入光したときの各光経路部48の他方の光ケーブル取付部39からの光の出光状態、即ち、1つの液面高さ情報に基づいて、複数の部分タンク10A、10B、10Cのうち全ての部分タンク10A、10B、10Cにおいてその液面高さが供給速度減速液位Ls以上であるか否かを検出することができる。したがって、液面高さ検出ユニット20Sと、燃料供給制御装置60と、を一対一の簡易な接続形態で接続して、複数の部分タンク10A、10B、10Cを備える燃料タンク10に収容された燃料Fの液面高さの検出に用いることができる。
また、複数の液位スイッチ30A、30B、30Cのそれぞれに設けられた光経路部48のうちの1つに断線故障が生じても、各光経路部48の一方の光ケーブル取付部38に入光された光が、いずれかの光経路部48を通じて導かれて他方の光ケーブル取付部39から出光されることが可能であるので、例えば、受光部69において光が受光されているときに燃料Fを供給するように燃料供給装置50を制御するシステムなどにおいて、いずれかの光経路部48が断線故障した場合でも、他の光経路部48を通じてその他方の光ケーブル取付部39に光が導かれていれば受光部69において光が受光されて、燃料Fの供給を継続することができる。これにより、液体燃料の供給において、断線故障が発生した場合でも当該液体燃料の供給を継続でき、燃料不足などによる不測の危険を回避できる。
また、電力によらずに各部分タンク10A、10B、10C内の燃料Fの液位に応じて各光経路部48による光の導光状態を変化させるように動作して、この光の導光状態の変化、即ち、受光部69における受光状態に基づいた液位検出に用いることができる。また、電力によらずに動作するので防爆対策が不要となり、簡易な構成にできる。
上述した実施形態では、燃料タンク10が3つの部分タンク10A、10B、10Cを備えているものであったが、これに限定されるものではなく、燃料タンク10は複数の部分タンクを備えているものであればよい。この場合、液面高さ検出ユニットは、部分タンクの数に応じた数の液位スイッチが設けられて、それぞれの液位スイッチが、発光部と受光部との間に互いに直列又は並列に接続される。
また、上述した各実施形態では、発光ユニット64が、パルス光を発光するものであったが、これに限定されるものではなく、発光ユニット64が、周期的な状態変化のない一定光量の光を発光するものであってもよい。この場合、受光ユニット65の変換回路を、例えば、受光した光の光量が、所定の判定値以上のときに受光有りを示す電圧レベル(例えば、0V)となり、当該判定値未満のときに受光無しを示す電圧レベル(例えば、5V)となる状態信号を出力する回路などで構成して、MPU67は、入力ポートPIに入力された信号の電圧レベルによって、受光状態(受光有無)を判定する。
上述した各実施形態は、車両に搭載された燃料タンクに燃料を充填する車両用の燃料充填システムを説明するものであったが、これに限定されるものではない。例えば、工場や家庭などに設置された燃料タンクに燃料を充填する燃料充填システムなどであってもよく、本発明の目的に反しない限り、本発明を適用するシステムは任意である。また、充填対象となる燃料は液化石油ガス(LPG)に限らず、例えば、ジメチルエーテル(DME)、液体水素、液化メタンなどの液化ガス、常温常圧で液状となる燃料(灯油、ガソリン等)、などであってもよく、また、燃料以外にも水やアンモニアなどの液体などであってもよく、本発明の目的に反しない限り、その種類は任意である。
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。