JP2014019967A - 低融点熱可塑性樹脂繊維の製造方法 - Google Patents

低融点熱可塑性樹脂繊維の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の目的は、不織布や繊維構造体に加工した際に、結束状やネップ状の欠点の少ない、熱接着性繊維を得るための製造方法を提供することである。
【解決手段】繊維表面が融点200℃以下の熱可塑性樹脂から構成される繊維を溶融紡糸する際に、該熱可塑性樹脂を口金からの吐出する工程から引き取り工程の間で、スルホン酸金属塩を繊維重量当たり0.005%以上付与することを特徴とする、熱可塑性樹脂繊維の製造方法することで紡糸時に繊維表面に特定の剤を付与することで、製品欠点に繋がる繊維同士の膠着を防ぎながら、安定的に製造することが可能な熱接着性繊維を製造することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、結晶化速度の遅い熱可塑性エラストマーやイソフタル酸共重合ポリエステル、脂肪族ポリエステル、あるいは、結晶化発熱が大きく、冷却固化が困難なポリオレフィン繊維などの溶融紡糸を行う際、その融着を防ぎ、カード不織布、エアレイド不織布、湿式不織布とする際の、結束状やネップ状の欠点となることを防止することも目的とする製造方法に関する。
繊維を構成する樹脂成分の全て、又は、一部に、熱接着性成分として、低融点熱可塑性ポリマー成分を使用した低融点熱可塑性樹脂繊維は、カード法やエアレイド法、湿式抄紙法等により繊維ウェブを形成した後、熱風ドライヤーや熱ロールにより低融点熱可塑性樹脂成分を融解させて繊維間結合を形成することができるため、有機溶剤を溶媒とする接着剤を用いずに済み、環境への有害物排出が少ないだけでなく、生産速度向上およびそれに伴うコストダウンのメリットが大きく、硬綿、ベッドマット等の繊維構造体や不織布用途をメインとして広く用いられてきた。
このような低融点熱可塑性樹脂繊維は、繊維表面に存在する熱接着性成分の冷却固化が遅いため、ポリマーの紡糸口金からの吐出後に単糸同士が融着し、得られた繊維を用いて、カード不織布、エアレイド不織布、湿式不織布等に加工する際に、結束状やネップ状の欠点となる問題がある。また、スルホン酸金属塩とヒドロキシ化合物とを含有させたポリエステル系エラストマーを用いることによって、熱接着性繊維において、繊維間の膠着の発生を防止することで得られる、品位に優れたポリエステル系弾性繊維を得る方法を提案している(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、この方法では、膠着発生防止剤が樹脂内に含有させられているため、樹脂の溶融時に膠着発生防止剤の熱劣化による発泡や紡糸断糸の増加や繊維同士の接着障害による不織布強力の低下などの問題を招来する。また、膠着発生防止剤を練り込んだ、特別なポリマーやマスターチップを別途作製する必要が生じるため、製造コストが高コストとなる問題があった。
特開平10−025621号公報
本発明は、上記背景の下になされたもので、不織布や繊維構造体に加工した際に、結束状やネップ状の欠点の少ない、熱接着性繊維を得るための製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、紡糸時に繊維表面に特定の剤を付与することで、製品欠点に繋がる繊維同士の膠着を防ぎながら、安定的に製造することが可能な熱接着性繊維を製造することができる。
即ち本発明は、
融点200℃以下の熱可塑性樹脂を該熱可塑性樹脂が繊維表面を構成するように溶融紡糸する際に、該熱可塑性樹脂を紡糸口金より吐出する工程から、
紡糸した熱可塑性樹脂を引き取る工程までの間で、
下記一般式(1)で表されるスルホン酸金属塩を熱可塑性樹脂繊維重量当たり0.005重量%以上付与することを特徴とする熱可塑性樹脂繊維の製造方法であり、当該発明により上記課題を解決することができる。
R−SOM ・・・・・・・・・(1)
[上記式中、Rは平均炭素数が5〜25個のアルキル基、アリール基又はアルキルアリール基を表し、Mはアルカリ金属原子を表す。]
本発明の製造方法によれば、不織布や繊維構造体に加工した際に、結束状やネップ状の欠点の少ない、熱接着性繊維を安定的に製造することができる。
以下、本発明の熱可塑性樹脂繊維の製造方法を詳細に説明する。本発明における熱可塑性樹脂繊維は、上記のように熱接着性繊維として用いることを想定しているので、その繊維表面は熱接着性を有するような比較的低融点の熱可塑性樹脂から構成されることが好ましい。その低融点熱可塑性樹脂繊維は、繊維表面の全て、又は、一部が低融点熱可塑性樹脂成分からなる繊維である。繊維表面の一部、又は、全てが低融点熱可塑性樹脂成分からなる繊維であれば、融点が200℃以下の熱可塑性樹脂単独で構成される単一繊維であっても、複数の融点が200℃以下の熱可塑性樹脂成分から構成される複合繊維であってもよい。複合繊維においては、融点200℃以下の熱可塑性樹脂により熱可塑性樹脂繊維表面の40%以上が被覆される複合繊維であることが好ましい。
低融点熱可塑性樹脂成分を主として構成するポリマーは、融点が200℃以下、好ましくは180℃以下が望ましい。融点については、後述するように20℃/分の昇温速度によりDSCにて測定した値を用いることが好ましい。なお、ここで「主として構成する」とは、単一成分から構成される繊維(複合繊維ではない)場合には、熱可塑性樹脂全体の重量を基準として、複合繊維の場合には、熱接着性成分全体の重量を基準として、その60%重量以上、好ましくは65重量%以上、より好ましくは70%重量以上を構成することをいう。
本発明で使用する低融点熱可塑性樹脂成分としては、例えば、ポリエチレン(高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含む)、ポリプロピレン、エチレンプロピレン共重合体、ポリスチレンなどのポリオレフィンである場合が好ましい。また当該熱可塑性樹脂は、第三成分としてジカルボン酸あるいはジオールを共重合した融点200℃以下のポリエチレンテレフタレートもしくはそれを含みさらに別の成分が共重合された共重合体若しくは他の化合物が混合された熱可塑性樹脂混合体、第三成分としてジカルボン酸あるいはジオールを共重合した融点200℃以下のポリトリメチレンテレフタレートもしくはそれを含みさらに別の成分が共重合された共重合体若しくは他の化合物が混合された熱可塑性樹脂混合体、第三成分としてジカルボン酸あるいはジオールを共重合した融点200℃以下のポリブチレンテレフタレートもしくはそれを含みさらに別の成分が共重合された共重合体若しくは他の化合物が混合された熱可塑性樹脂混合体、ポリヘキサメチレンテレフタレートもしくはそれを含みさらに別の成分が共重合された共重合体、または別の成分が共重合もしくは混合されたポリ乳酸系ポリマーなどが挙げられる。
中でも上記の共重合ポリアルキレンテレフタレートは、共重合ポリアルキレンテレフタレートを構成するジカルボン酸に対して5モル%以上イソフタル酸を共重合された共重合ポリアルキレンテレフタレートであることが好ましい。また熱可塑性樹脂が共重合ポリアルキレンテレフタレートとポリアルキレングリコールを含む樹脂であって、共重合ポリアルキレンテレフタレートが共重合ポリアルキレンテレフタレートを構成するジカルボン酸に対してイソフタル酸を5モル%以上共重合された共重合ポリアルキレンテレフタレートであることであることも好ましい。これらの熱可塑性樹脂を構成する共重合ポリアルキレンテレフタレートにおいては、イソフタル酸の共重合率は、共重合ポリエチレンテレフタレートその他の共重合ポリアルキレンテレフタレートの場合には、共重合ポリアルキレンテレフタレートを構成するジカルボン酸成分を基準として5〜30モル%であることが好ましく、より好ましくは5〜25モル%共重合したものが耐熱性の点でより好ましい。また、特に上記の共重合ポリブチレンテレフタレートの場合には、イソフタル酸を、共重合ポリブチレンテレフタレートを構成するジカルボン酸成分を基準として5〜40モル%、より好ましくは5〜35モル%共重合したものが耐熱性の点でより好ましい。また、ポリアルキレングリコールを含む場合には、そのポリアルキレングリコールはポリエチレングリコールまたはポリ(テトラメチレンオキシ)グリコールが好ましく、その重量平均分子量は1000〜8000が好ましく、1500〜5000が好ましい。なお、上記の共重合ポリエチレンテレフタレートおよび共重合ポリブチレンテレフタレートには、耐熱性やその他の物性を阻害しない範囲で、5−スルホイソフタル酸ナトリウムやアジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ポリカプロラクトン、ジエチレングリコールやトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコールなどが共重合されていてもよい。
また、低融点熱可塑性樹脂成分は、ポリエステル系エラストマーを用いることができる。例えば、ポリエステル系エラストマーは、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等の高融点芳香族ポリエステルをハードセグメントとし、ポリ(エチレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール等のポリ(アルキレンオキシド)グリコールその他の脂肪族ポリエーテル、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンセバケート、ポリカプロラクトン等の脂肪族ポリエステル、ポリドデシレンイソフタレート、ポリオクチレンイソフタレート等の低融点又は非晶性芳香族ポリエステルなどをソフトセグメントするブロック共重合体であり、特にポリ(アルキレンオキシド)グリコールをソフトセグメントとするポリエーテルエステルブロック共重合体が好適に用いられる。
以上に説明した熱可塑性樹脂、特に上記のような共重合ポリエチレンテレフタレート、共重合ポリブチレンテレフタレートを、低融点熱可塑性樹脂成分を主として構成するポリマーとして用いた場合、繊維間の摩擦が高くなりやすく、空気開繊性が低下することがあるため、ポリオレフィン系ポリマーを0.5〜15.0重量%混合分散させることが好ましい。これにより、不織布中の毛玉状欠点を格段に減少させることができる。上記ポリオレフィン系ポリマーとしては、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、プロピレンと他のα−オレフィンからなる結晶性プロピレン共重合体、これらにスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等を共重合したものなどが例示できるが、特にマレイン酸共重合ポリオレフィンがポリエステルとの相溶性が良好であり、毛玉状欠点を減少させる効果が大きいため、より好ましい。また、ポリオレフィン系ポリマーの混合率が0.5重量%未満であると欠点減少効果が低下し、15.0重量%を超えると、紡糸時の糸切れが発生し易くなる傾向にある。ポリオレフィン系ポリマーの混合率は、より好ましくは1.0〜10.0重量%の範囲である。
上記の繊維形成性成分を構成するポリマー、または、熱接着性成分を主として構成する熱可塑性樹脂には、必要に応じて、各種の添加剤、例えば、艶消し剤、熱安定剤、消泡剤、整色剤、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、着色顔料などが含有されていてもよい。
次に本発明の熱可塑性樹脂繊維の製造方法について説明する。本発明において、まず、前記低融点熱可塑性樹脂が常法の紡糸口金から吐出され溶融紡糸される。この際、溶融押出し温度(紡糸温度)は、該熱可塑性樹脂の融点+30℃〜 融点+80℃の範囲が適当である。また、熱可塑性樹脂が共重合ポリエステルの場合には、溶融時の固有粘度の低下を小さくするために、そのポリエステルのガラス転移温度以上、融点以下の温度で1時間〜50時間の乾燥を行った後に溶融紡糸されることが好ましい。
紡糸口金から溶融吐出した熱可塑性樹脂は、引き取りローラーによって引き取られる。引き取りローラーの速度としては、100〜2000m/分が好ましく、より好ましくは500〜1500m/分である。紡糸口金から溶融吐出された熱可塑性樹脂を効果的に冷却し、糸条とするために紡糸口金下10〜100mmの位置で冷却風をあてて冷却することが好ましい。好ましくは25〜70mmの位置で冷却風をあて冷却することである。冷却風の温度は10〜40℃、好ましくは15〜30℃が適切である。紡糸口金から引き取りローラーによって引き取られる間に、糸条に、上記一般式(1)で表されるスルホン酸金属塩を付与する必要がある。繊維表面に付与する該スルホン酸金属塩の量は、繊維重量に対して、0.005重量%以上であることが必要である。0.005重量%未満であると、該スルホン酸金属塩が繊維表面を十分に被覆することができないため、十分な膠着防止性能を得ることができない。さらに好ましくは、0.01重量%〜1.0重量%、特に好ましくは0.1重量%〜0.8重量%である。
スルホン酸金属塩を繊維表面に付与する方法については、特に限定されないが、スルホン酸金属塩を、水中に分散させた紡糸油剤とし、バスディップ方式、スプレー方式またはオイリングローラー方式のいずれかの方式で紡糸油剤として糸条表面に付与する方法が好ましく例示される。さらに、この時に、繊維間の膠着防止効果を高めるため、スルホン酸金属塩の付与前に糸条を冷却することが望ましい。その方法として、0℃〜35℃に冷却された紡糸油剤を糸条に付与する方法が好ましく例示される。
本発明で使用される下記一般式(1)で表されるスルホン酸金属塩は、分子中に少なくとも1個のスルホン酸金属塩基からなる親水性基と適度な炭化水素基その他の撥水性を示す疎水基とを有する化合物であり、熱可塑性樹脂繊維表面に付与することで、膠着防止効果を発揮するものである。式中、Mはアルカリ金属を表し、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどであり、特にナトリウムが好ましい。また、炭化水素基である官能基Rは平均炭素数が5〜25個、好ましくは8〜20個のアルキル基、アリール基又はアルキルアリール基を表し、ここでアルキル基は直鎖又は分岐を有することもある飽和又は不飽和炭化水素基である。Rの炭素数が5個未満の場合には膠着防止効果が小さくなり、一方25個を越える場合には熱可塑性樹脂中への相溶性が悪くなることがある。
R−SOM ・・・・・・・・・(1)
[上記式中、Rは平均炭素数が5〜25個のアルキル基、アリール基又はアルキルアリール基を表し、Mはアルカリ金属原子を表す。]
このようなスルホン酸金属塩の具体例としては、アルキルスルホン酸アルカリ金属塩としては、ペンチルスルホン酸リチウム、ペンチルスルホン酸ナトリウム、ペンチルスルホン酸カリウム、ヘキシルスルホン酸リチウム、へキシルスルホン酸ナトリウム、へキシルスルホン酸カリウム、ヘプチルスルホン酸リチウム、ヘプチルスルホン酸ナトリウム、ヘプチルスルホン酸カリウム、オクチルスルホン酸リチウム、オクチルスルホン酸ナトリウム、オクチルスルホン酸カリウム、ノニルスルホン酸リチウム、ノニルスルホン酸ナトリウム、ノニルスルホン酸カリウム、デシルスルホン酸リチウム、デシルスルホン酸ナトリウム、デシルスルホン酸カリウム、ウンデシルスルホン酸リチウム、ウンデシルスルホン酸ナトリウム、ウンデシルスルホン酸カリウム、ドデシルスルホン酸リチウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸カリウム、テトラデシルスルホン酸リチウム、テトラデシルスルホン酸ナトリウム、テトラデシルスルホン酸カリウム、ヘキサデシルスルホン酸リチウム、ヘキサデシルスルホン酸ナトリウム、ヘキサデシルスルホン酸カリウム、オクタデシルスルホン酸リチウム、オクタデシルスルホン酸ナトリウム、オクタデシルスルホン酸カリウム、エイコシルスルホン酸リチウム、エイコシルスルホン酸ナトリウム、エイコシルスルホン酸カリウム、またはこれらの混合物を挙げることができる。
その混合物としては平均炭素数が10個〜20個,好ましくは12個〜18個,より好ましくは14個〜16個のアルキルスルホン酸アルカリ金属塩を挙げることができる。このような平均炭素数はその混合物中の元素分析により、混合物中に含まれる炭素原子含有量と硫黄原子含有量から算出することができる。
アリールスルホン酸アルカリ金属塩としては、ベンゼンスルホン酸リチウム、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸カリウム、ナフチルスルホン酸リチウム、ナフチルスルホン酸ナトリウム、ナフチルスルホン酸カリウム、アントラニルスルホン酸リチウム、アントラニルスルホン酸ナトリウム、アントラニルスルホン酸カリウム、フェナントニルスルホン酸リチウム、フェナントニルスルホン酸ナトリウム、フェナントニルスルホン酸カリウムを挙げることができる。
アルキルアリールスルホン酸アルカリ金属塩としては、アルキル鎖が1本の化合物として、メチルベンゼンスルホン酸リチウム、メチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、メチルベンゼンスルホン酸カリウム、エチルベンゼンスルホン酸リチウム、エチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、エチルベンゼンスルホン酸カリウム、プロピルベンゼンスルホン酸リチウム、プロピルベンゼンスルホン酸ナトリウム、プロピルベンゼンスルホン酸カリウム、ブチルベンゼンスルホン酸リチウム、ブチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ブチルベンゼンスルホン酸カリウム、ペンチルベンゼンスルホン酸リチウム、ペンチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ペンチルベンゼンスルホン酸カリウム、ヘキシルベンゼンスルホン酸リチウム、へキシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、へキシルベンゼンスルホン酸カリウム、ヘプチルベンゼンスルホン酸リチウム、ヘプチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ヘプチルベンゼンスルホン酸カリウム、オクチルベンゼンスルホン酸リチウム、オクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクチルベンゼンスルホン酸カリウム、ノニルベンゼンスルホン酸リチウム、ノニルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ノニルベンゼンスルホン酸カリウム、デシルベンゼンスルホン酸リチウム、デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、デシルベンゼンスルホン酸カリウム、ウンデシルベンゼンスルホン酸リチウム、ウンデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ウンデシルベンゼンスルホン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸カリウム、テトラデシルベンゼンスルホン酸リチウム、テトラデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、テトラデシルベンゼンスルホン酸カリウム、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸リチウム、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸カリウム、オクタデシルベンゼンスルホン酸リチウム、オクタデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシルベンゼンスルホン酸カリウム、メチルナフタレンスルホン酸リチウム、メチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、メチルナフタレンスルホン酸カリウム、エチルナフタレンスルホン酸リチウム、エチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、エチルナフタレンスルホン酸カリウム、プロピルナフタレンスルホン酸リチウム、プロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、プロピルナフタレンスルホン酸カリウム、ブチルナフタレンスルホン酸リチウム、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ブチルナフタレンスルホン酸カリウム、ペンチルナフタレンスルホン酸リチウム、ペンチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ペンチルナフタレンスルホン酸カリウム、ヘキシルナフタレンスルホン酸リチウム、へキシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、へキシルナフタレンスルホン酸カリウム、ヘプチルナフタレンスルホン酸リチウム、ヘプチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ヘプチルナフタレンスルホン酸カリウム、オクチルナフタレンスルホン酸リチウム、オクチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、オクチルナフタレンスルホン酸カリウム、ノニルナフタレンスルホン酸リチウム、ノニルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ノニルナフタレンスルホン酸カリウム、デシルナフタレンスルホン酸リチウム、デシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、デシルナフタレンスルホン酸カリウム、ウンデシルナフタレンスルホン酸リチウム、ウンデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ウンデシルナフタレンスルホン酸カリウム、ドデシルナフタレンスルホン酸リチウム、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ドデシルナフタレンスルホン酸カリウム、テトラデシルナフタレンスルホン酸リチウム、テトラデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、テトラデシルナフタレンスルホン酸カリウム、またはこれらの混合物を挙げることができる。その混合物としては平均炭素数が10個〜20個,好ましくは12個〜18個,より好ましくは14個〜16個のアルキルアリールスルホン酸アルカリ金属塩を挙げることができる。このような平均炭素数はその混合物中の元素分析により、混合物中に含まれる炭素原子含有量と硫黄原子含有量から算出することができる。
アルキルアリールスルホン酸アルカリ金属塩の中でアルキル鎖が2本以上の化合物として、ジメチルベンゼンスルホン酸リチウム、ジメチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジメチルベンゼンスルホン酸カリウム、ジエチルベンゼンスルホン酸リチウム、ジエチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジエチルベンゼンスルホン酸カリウム、ジプロピルベンゼンスルホン酸リチウム、ジプロピルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジプロピルベンゼンスルホン酸カリウム、ジブチルベンゼンスルホン酸リチウム、ジブチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジブチルベンゼンスルホン酸カリウム、ジペンチルベンゼンスルホン酸リチウム、ジペンチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジペンチルベンゼンスルホン酸カリウム、ジヘキシルベンゼンスルホン酸リチウム、ジへキシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジへキシルベンゼンスルホン酸カリウム、ジヘプチルベンゼンスルホン酸リチウム、ジヘプチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジヘプチルベンゼンスルホン酸カリウム、ジオクチルベンゼンスルホン酸リチウム、ジオクチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジオクチルベンゼンスルホン酸カリウム、ジノニルベンゼンスルホン酸リチウム、ジノニルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジノニルベンゼンスルホン酸カリウム、トリメチルベンゼンスルホン酸リチウム、トリメチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリメチルベンゼンスルホン酸カリウム、トリエチルベンゼンスルホン酸リチウム、トリエチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリエチルベンゼンスルホン酸カリウム、トリプロピルベンゼンスルホン酸リチウム、トリプロピルベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリプロピルベンゼンスルホン酸カリウム、トリブチルベンゼンスルホン酸リチウム、トリブチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリブチルベンゼンスルホン酸カリウム、トリペンチルベンゼンスルホン酸リチウム、トリペンチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリペンチルベンゼンスルホン酸カリウム、トリヘキシルベンゼンスルホン酸リチウム、トリヘキシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、トリヘキシルベンゼンスルホン酸カリウム、ジメチルナフタレンスルホン酸リチウム、ジメチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジメチルナフタレンスルホン酸カリウム、ジエチルナフタレンスルホン酸リチウム、ジエチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジエチルナフタレンスルホン酸カリウム、ジプロピルナフタレンスルホン酸リチウム、ジプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジプロピルナフタレンスルホン酸カリウム、ジブチルナフタレンスルホン酸リチウム、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジブチルナフタレンスルホン酸カリウム、ジペンチルナフタレンスルホン酸リチウム、ジペンチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジペンチルナフタレンスルホン酸カリウム、ジヘキシルナフタレンスルホン酸リチウム、ジへキシルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジへキシルナフタレンスルホン酸カリウム、ジヘプチルナフタレンスルホン酸リチウム、ジヘプチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジヘプチルナフタレンスルホン酸カリウム、またはこれらの混合物を挙げることができる。これらの中でも単一種の化合物としてはデシルスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸ナトリウム(ドデシルスルホン酸ナトリウム)、テトラデシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ジブチルナフタレンスルホン酸カリウム等が好ましく挙げられる。
一方、それらの混合物としては平均炭素数が10個〜20個,好ましくは12個〜18個,より好ましくは14個〜16個のアリールキルスルホン酸アルカリ金属塩またはアルキルアリールスルホン酸アルカリ金属塩を挙げることができる。このような平均炭素数はその混合物中の元素分析により、混合物中に含まれる炭素原子含有量と硫黄原子含有量から算出することができる。これらのスルホン酸金属塩を熱可塑性樹脂繊維の表面に、上記の量付与することによって、熱可塑性樹脂繊維同士の膠着を防ぎ且つ得られた繊維の水中での分散性が良好であり、そのような熱可塑性樹脂繊維が安定的な生産が可能となった。
上記のようにして得られた、未延伸糸条を延伸する方法としては、ポリエステル繊維またはポリオレフィン繊維で一般的に行われている方法を採用することができる。具体的には、紡糸する熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上の温度等、延伸に適切な温度に加熱された水又は油中で1.01〜4.00倍に、好ましくは1.05〜3.0倍に延伸する方法を採用することができる。また、延伸された繊維は通常、ポリエチレンテレフタレート繊維またはオレフィン繊維で一般的に行われている方法により、捲縮を付与し、さらにこれをカットして短繊維とすることができる。また延伸後にポリエステル・ポリエーテル共重合体を付与することも好ましい。そのポリエステル・ポリエーテル共重合体はポリエステル部分とポリエーテル部分の重量比率が30/70〜70/30の化合物が好ましく、その付与量は好ましくは0.01重量%〜1.0重量%、より好ましくは0.1重量%〜0.8重量%である。
また、湿式抄造法でウェブを形成する場合も、上記と同様の理由により繊維長は2〜30mmが好ましく、より好ましくは3〜20mmであり、さらに好ましくは4〜15mmである。そのような繊維への捲縮の付与は不織布の目的に応じて、付与しても付与しなくてもよい。湿式不織布に嵩高性を与えたい場合は捲縮を付与してもよいが、湿式抄造時の水中分散性の点からは捲縮を付与しない方が好ましい。
さらに、カード法でウェブを形成する場合、繊維長を30〜200mmとすることが好ましい。繊維長を30mm以上とすることにより、繊維間の絡合不良によるウェブ切れが発生し難くなる。また、繊維長を200mm以下とすることにより、カード上での開繊性がよくなり、ウェブの地合い斑がより生じ難くなる。繊維長は35〜150mmがより好ましく、さらには40〜100mmの範囲がより好適である。カードを通過させるためには短繊維に捲縮の付与されていることが好ましいが、その際、捲縮数は5〜30山/25mm、捲縮率は3〜30%であることが好ましい。捲縮数を30山/25mm以下、捲縮率を30%以下とすることにより、カード上での開繊性が良好となり、ウェブの地合い斑がより生じ難くなる。また、捲縮数を5山/25mm以上、捲縮率を3%以上とすることにより、繊維間の絡合不良によるウェブ切れが発生し難くなる。捲縮の形態は、平面ジグザグ型あるいはオメガ型、スパイラル状などの3次元捲縮といった従来知られている捲縮形態をとることができる。
以下に本発明の構成及び効果を具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明は、これら実施例になんら限定を受けるものではない。なお、実施例中の各値は、以下の方法に従って求めた。
(1)固有粘度([η])
ポリマーを一定量計量し、35℃のo−クロロフェノールに0.012g/mlの濃度に溶解してから、常法に従って求めた。
(2)融点(Tm)、ガラス転移点(Tg)
TAインスツルメント・ジャパン(株)社製のサーマル・アナリスト2200を使用し、昇温速度20℃/分で測定した。
(3)繊度
JIS L 1015:2005 8.5.1 A法に記載の方法により測定した。
(4)強度・伸度
JIS L 1015:2005 8.7.1法に記載の方法により測定した。
(5)スルホン酸金属塩付着量
未延伸糸に付着した、一般式1で表される、スルホン酸金属塩の、未延伸繊維重量に対する付着量は、以下の方法で求めた。
付着量=スルホン酸金属塩濃度(%)×未延伸糸水分率(%)/100
(6)膠着性
紡糸原糸を手で触れたときの硬さ及び単糸の分繊状態で判定した、原糸が柔らかく、さらさらと単糸に分繊する状態を○印、原糸がやや硬く、部分的に単糸が分繊されていない場合を△印、原糸が針金状で、単糸同士がしっかりと密着して分繊しない倍糸×印で示す。
(7)水中分散性
未延伸糸の膠着の製品への影響を確認するため、得られた繊維の水中分散性を評価した。評価方法は、500ccのメスシリンダーに100ccの水を入れ、この中に下記実施例・比較例において示した所定の繊維長に切断した繊維を0.5g入れ、メスシリンダーの上に蓋をして、メスシリンダーを上下に5回強く振動させた後、結束繊維の有無を目視判定した。結束繊維が4個以下しか認められない場合を○印、5〜20個認められる場合を△印、21個以上認められる場合を×印で示す。
(8)熱可塑性樹脂ならびにスルホン酸金属塩およびポリエステル・ポリエーテル共重合体の分析
繊維に付与するスルホン酸金属塩およびポリエステル・ポリエーテル共重合体については、HPLC等のクロマトグラフィーにより分離精製した後に、各成分をH−NMR分析、IR分析、質量分析、元素分析等を総合して評価を行った。また、実施例において使用したポリマーの組成及び融点は以下の通りである。熱可塑性樹脂の組成はH−NMRスペクトルの帰属等から算出し、熱可塑性樹脂の融点は上記の通り昇温速度20℃/分の条件下の測定により評価を行った。
A)ポリマーA
[ハードセグメントの構成]
ジカルボン酸成分 テレフタル酸:イソフタル酸=85:15モル%
グリコール成分 エチレングリコール100モル%
ハードセグメントの含有量:40重量%
[ソフトセグメントの構成]
重量平均分子量2000のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール
ソフトセグメントの含有量:60重量%
ポリマーAの融点:172℃
B)ポリマーB
ジカルボン酸成分 テレフタル酸:イソフタル酸=90:10モル%
グリコール成分 ヘキサメチレングリコール100%
ポリマーBの融点:135℃
C)ポリマーC
ポリエチレン
MFR:20g/10min
(試験温度:190℃ 試験荷重2.16kgf)
ポリマーCの融点:130℃
(9)熱可塑性樹脂繊維断面
単糸における、繊維軸と直角方向の断面を光学顕微鏡で観察することにより複合繊維の形態を評価した。
[実施例1]
低融点熱可塑性樹脂成分としてポリマーAを用いて、エクストルーダーで溶融し、240℃の溶融ポリマーとして、円形の吐出孔を720孔有する紡糸口金を用いて、溶融吐出させた。この際、口金温度は255℃、吐出量は400/分であった。さらに、吐出ポリマーを口金下40mmの位置で27℃の冷却風で空冷し1300m/分で引き取り、未延伸糸を得た。このとき紡糸口金から吐出されてから未延伸糸を引き取るまでの間の未延伸糸に対して、オイリングローラーによって、平均炭素数が15のアルキルスルホン酸ナトリウム塩の水分散体を紡糸油剤として付与した。このときの未延伸糸への該アルキルスルホン酸ナトリウム塩の付着量は、未延伸糸重量に対して、0.2重量%であった。この未延伸糸を、70℃の温水中で1.67倍に延伸し、引き続いて80℃の温水中で1.15倍に延伸した後、ポリエステル・ポリエーテル共重合体(ポリエステル部分/ポリエーテル部分の重量比率=40/60)を0.3重量%付与し、常温にて乾燥して、5mmの繊維長にカットし、繊維を得た。結果を表1に表した。
[実施例2]
低融点熱可塑性樹脂成分(熱接着性成分)として、ポリマーBとマレイン酸が0.5重量%共重合された低密度ポリエチレン(MFR8g/10分、Tm98℃)を各々95:5の比率でチップブレンドしたものを用い、繊維形成性成分として、80℃で1時間、170℃で4時間真空乾燥した固有粘度[η]が0.61dL/g、Tmが256℃のポリエチレンテレフタレート(PET)を用い、これらを各々別のエクストルーダーで溶融し、各々250℃と280℃の溶融ポリマーとして、前者を鞘成分、後者を芯成分とし、複合比率 鞘:芯=50:50(重量比)として、円形の吐出孔を750孔有する同心芯鞘型複合紡糸口金を用いて、複合化して溶融吐出させた。この際、口金温度は285℃、吐出量は480g/分であった。さらに、吐出ポリマーを口金下35mmの位置で27℃の冷却風で空冷し、1150m/分で引き取り、未延伸糸を得た。このとき、紡糸口金から吐出されてから未延伸糸を引き取るまでの間の未延伸糸に対して、オイリングローラーによって、平均炭素数が15のアルキルスルホン酸ナトリウム塩の水分散体を紡糸油剤として付与した。このときの未延伸糸への該アルキルスルホン酸ナトリウム塩の付着量は、未延伸糸重量に対して、0.2重量%であった。この未延伸糸を、70℃の温水中で2.45倍で延伸し、引き続いて90℃の温水中で1.15倍に延伸した後、ポリエステル・ポリエーテル共重合体(ポリエステル部分/ポリエーテル部分の重量比率=40/60)を0.3重量%付与した後、100℃で60分間乾燥した後、5mmの繊維長にカットし、複合短繊維を得た。結果を表1に表した。
[実施例3]
熱可塑性樹脂成分(熱接着性成分)として、ポリマーC、繊維形成性成分として、MFRが39g/10min、Tmが160℃のポリプロピレン(PP)を用い、これらを各々別のエクストルーダーで溶融し、各々250℃と280℃の溶融ポリマーとして、前者を鞘成分、後者を芯成分とし、複合比率を鞘:芯=50:50(重量比)として、円形の吐出孔を750孔有する同心芯鞘型複合紡糸口金を用いて、複合化して溶融吐出させた。この際、口金温度は285℃、吐出量は480g/分であった。さらに、吐出ポリマーを口金下35mmの位置で27℃の冷却風で空冷し、1150m/分で引き取り、未延伸糸を得た。このとき、紡糸口金から吐出されてから未延伸糸を引き取るまでの間の未延伸糸に対して、オイリングローラーによって、平均炭素数が15のアルキルスルホン酸ナトリウム塩の水分散体を紡糸油剤として付与した。このときの未延伸糸への該塩の付着量は、未延伸糸重量に対して、0.2重量%であった。この未延伸糸を、70℃の温水中で2.45倍で延伸し、引き続いて90℃の温水中で1.15倍に延伸した後、ポリエステル・ポリエーテル共重合体(ポリエステル部分/ポリエーテル部分の重量比率=40/60)を0.3重量%付与した後、100℃で60分間乾燥した後、5mmの繊維長にカットし、複合短繊維を得た。結果を表1に表した。
[比較例1]
実施例1において、紡糸直後の原糸に対して、平均炭素数が15のアルキルスルホン酸ナトリウム塩の水分散体を紡糸油剤として付与するかわりに、引き取り時の原糸に対して、ラウリルホスフェートカリウム塩を0.2重量%付与する以外は、実施例1と同等にして、短繊維を得た。結果を表1に表した。
[比較例2]
実施例1において、紡糸直後の原糸に対して、平均炭素数が15のアルキルスルホン酸ナトリウム塩の水分散体を紡糸油剤として付与するかわりに、引き取り時の原糸に対して、ラウリルホスフェートカリウム塩を0.2重量%付与する以外は、実施例2と同等にして、短繊維を得た。結果を表1に表した。
[比較例3]
実施例1において、紡糸直後の原糸に対して、平均炭素数が15のアルキルスルホン酸ナトリウム塩の水分散体を紡糸油剤として付与するかわりに、引き取り時の原糸に対して、ラウリルホスフェートカリウム塩を0.2重量%付与する以外は、実施例3と同等にして、短繊維を得た。結果を表1に表した。
Figure 2014019967
本発明の製造方法によれば、低融点熱可塑性樹脂を繊維表面の一部、又は、全部に低融点熱可塑性樹脂を使用した熱接着性繊維において、繊維間の膠着を防止することで、不織布に加工した際に結束状、ネップ状の欠点を発生させることのない繊維を安定的に製造することができる。
本発明の製造方法により得られる繊維は、カード不織布、エアレイド不織布、湿式不織布等に加工することで、各種の生活資材、産業資材用途に好適に用いることができる。

Claims (7)

  1. 融点200℃以下の熱可塑性樹脂を該熱可塑性樹脂が繊維表面を構成するように溶融防止する際に、該熱可塑性樹脂を紡糸口金より吐出する工程から、紡糸した熱可塑性樹脂を引き取る工程までの間で、下記一般式(1)で表されるスルホン酸金属塩を熱可塑性樹脂繊維重量当たり0.005重量%以上付与することを特徴とする熱可塑性樹脂繊維の製造方法。
    R−SOM ・・・・・・・・・(1)
    [上記式中、Rは平均炭素数が5〜25個のアルキル基、アリール基又はアルキルアリール基を表し、Mはアルカリ金属原子を表す。]
  2. 熱可塑性樹脂繊維が融点200℃以下の熱可塑性樹脂単独で構成されることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂繊維の製造方法。
  3. 熱可塑性樹脂繊維が、融点200℃以下の熱可塑性樹脂により熱可塑性樹脂繊維表面の40%以上が被覆される複合繊維であることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂繊維の製造方法。
  4. 熱可塑性樹脂が共重合ポリアルキレンテレフタレートであって、共重合ポリアルキレンテレフタレートが共重合ポリアルキレンテレフタレートを構成するジカルボン酸に対して10モル%以上イソフタル酸を共重合された共重合ポリアルキレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂繊維の製造方法。
  5. 熱可塑性樹脂が共重合ポリアルキレンテレフタレートとポリアルキレングリコールを含む樹脂であって、共重合ポリアルキレンテレフタレートが共重合ポリアルキレンテレフタレートを構成するジカルボン酸に対してイソフタル酸を10モル%以上共重合された共重合ポリアルキレンテレフタレートであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂繊維の製造方法。
  6. 熱可塑性樹脂がポリオレフィンであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性樹脂繊維の製造方法。
  7. スルホン酸金属塩を含む水溶液を、該熱可塑性樹脂を紡糸口金から吐出する工程から紡糸した熱可塑性樹脂繊維を引き取る工程の間で、バスディップ方式、スプレー方式またはオイリングローラーの方式のいずれかの方式で紡糸油剤として付与することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の熱可塑性樹脂繊維の製造方法。
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