JP2014018933A - 研磨ヘッド及び研磨処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板の被処理面の研磨ムラ、研磨不足あるいは過研磨を防止する。
【解決手段】研磨処理装置は、研磨面を有する研磨パッド12が表面部に接着された研磨テーブルと、基板Wを保持してその被処理面を研磨面に押圧するための研磨ヘッド13とを備え、少なくとも一方を水平に回転させる。研磨ヘッド13は、隔壁140,132,134で区切られた複数の圧力室を有しており、これらの圧力室が、それぞれ封入される圧力流体の量に応じた押圧力を基板Wの背面側から付与する。さらに、隔壁140自身も、圧力流体により押圧力を付与する。これにより、隔壁140が設けられた部位の背面側も含めて、基板Wの被処理面が、ほぼ均等に研磨面に押圧される。また、基板Wの背面側に接する押圧面をこの基板Wの被処理面よりも小さいサイズにすることで被処理面にかかる応力は、ヘルツ応力の拡散伝播により中央部からチャンファー部の始端に至るまでほぼ均一となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、半導体ウエハ又はガラス基板などの基板を研磨して平坦化するための研磨ヘッド及び研磨処理装置に関するものである。
近年、半導体デバイスの製造工程においては、基板の大型化に伴い、基板表面の平坦化技術がますます重要になっている。この平坦化技術のうち、最も重要な技術は、化学的機械的研磨(CMP(Chemical Mechanical Polishing))である。この化学的機械的研磨は、研磨処理装置(ポリッシング装置とも呼ばれる)を用いて、シリカ(SiO)等の砥粒を含んだ研磨液を研磨パッド等の研磨面上に供給しつつ、基板を研磨面に摺接させて研磨処理を行うものである。
このような研磨処理装置では、基板の研磨処理の対象となる面(以下、「被処理面」という)と研磨パッドとの間の相対的な押圧力が被処理面の全面に亘って均一でないと、研磨ムラ、研磨不足あるいは過研磨が生じてしまう。また、上記研磨パッドは弾性を有するため、基板の外周端近傍に与えられる押圧力が不均一となり、外周端近傍のみが過研磨される場合がある。
なお、基板の保持面をゴム等の弾性材からなる弾性膜(メンブレンとも呼ばれる)で形成し、弾性膜の裏面に空気圧等の流体圧を加え、基板に与える押圧力を全面に亘って均一化しようとすることも行われている。
基板に与える押圧力を均一にするという観点からは、特許文献1に開示された基板保持装置がある。この基板保持装置では、基板を押圧するエッジバックの内部を第1圧力室と第2圧力室とに分けて形成し、それぞれを独立に制御することで、基板の外周縁部における研磨レートの制御、即ち外周縁部における研磨プロファイルの制御を可能にしている。
また、特許文献2に開示された研磨処理装置では、隣接する二つの圧力室に跨るように、弾性膜より剛性の高い材料からなるダイヤフラムを設けることで、隣り合う二つの領域間の全ての境界において、研磨圧力、ひいては研磨除去速度が一方の室側(圧力が高い室側)から他方の室側(圧力が低い室側)に向かってなだらかに下がるため、隣り合う二つの領域間の境界の全てにおいて研磨圧力(研磨速度)の勾配をなだらかにしている。
特開2003−175455号公報 特開2009−131920号公報
特許文献1に開示されている基板保持装置では、エッジバックの内部を第1圧力室と第2圧力室とに分けて形成され、それぞれが独立して制御される。しかし、隣接する第1圧力室と第2圧力室を分けている隔壁の下底面からは、基板を鉛直下方に押圧するための押圧力がかからないという課題が残る。
また、特許文献2に開示された研磨処理装置では、ダイヤフラムを設けることで研磨圧力の勾配をなだらかにできるが、隣接する二つの圧力室に挟まれた隔壁(本文献では境界20)の下底面からは、圧力室と同等の押圧力で基板を鉛直下方に押圧することができないという問題がある。
本発明は、基板の各部分に与える押圧力に応じて研磨ムラ、研磨不足、及び、過研磨が生じてしまうことを防止し、また、基板の被処理面の全面に亘って所望の押圧力を与えることができる研磨処理装置及びその構成装置を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決する本発明の研磨ヘッドは、水平に回転する研磨面を有する研磨処理装置に設けられる研磨ヘッドであって、研磨処理の対象となる基板を、その被処理面が前記研磨面に摺接するように保持する保持機構と、この保持機構に保持された基板を前記被処理面の背面側から前記研磨面の方向に押圧する押圧機構とを備えている。
前記押圧機構は、それぞれ個別に圧力流体が封入されることにより前記基板の背面側に前記圧力流体の量に応じた押圧力を付与する複数の圧力室を含み、さらに、これらの圧力室を区切る隔壁の一部又は全部が、それ自体でも前記圧力流体によって生じる押圧力を前記基板の背面側に付与する形状に成形されている。
この研磨ヘッドによれば、複数の圧力室に封入される圧力流体の量に応じた押圧力が各圧力室から基板の背面側に付与されるので、研磨ムラ等がある場合には、圧力流体の量を調整することで、押圧力を均一にすることができる。また、隔壁の一部又は全部も、それ自体で押圧力を付与する形状に成形されているので、隔壁の存在に関わらず、押圧力を、被処理面全体にわたって連続的に付与することができる。
前記押圧機構は、例えば、その内底面の所定部位に、変位時の補強リブを兼ねた1又は複数の第1隔壁が突設され、その外底面が前記基板の被処理面と接する押圧面となる弾性筒状体と、前記第1隔壁の先端部の一部と接合することにより当該第1隔壁と共に前記弾性筒状体の内部空間に前記複数の圧力室を形成する第2隔壁を備えた蓋体と、前記複数の圧力室の各々に前記圧力流体を供給する流体供給機構とを含む。
前記押圧面は前記被処理面よりも小さいサイズであり、前記圧力流体が前記第1隔壁の先端部の残部を通じて前記基板の背面側に押圧力を付与するように構成される。
これにより、基板の外周端近傍に与えられる押圧力の不均一さが是正され、被処理面の「ダレ」、つまり、過研磨(ROA:Roll Off Amount)が生じてしまうことを防止することができる。
ある実施の態様では、前記複数の圧力室の少なくとも一つに、軟性材で構成され、前記圧力流体の封入により膨張して前記押圧面に押圧力を付与するエアバッグが装着される。これにより、圧力室の気密性が十分でなくとも圧力流体による押圧力の調整が容易になるので、設計・製造が容易になる。また、各構成部品の取り付けも容易になる。
ある実施の態様では、前記第2隔壁は、前記第1隔壁の先端部に離脱可能に接合されており、前記圧力流体が前記エアバッグに封入されると、該エアバッグの一部が前記第1隔壁の先端部と前記第2隔壁との接合部位に侵入して接合を解除し、これにより、前記第1隔壁の先端部から前記基板の背面側に押圧力を付与するように構成されている。
また、ある実施の態様では、前記保持機構は、前記弾性筒状体の外周側に配備され、前記基板の外端面と接触する把持面と前記研磨面と接触する位置決め面とを有するリテーナリングと、このリテーナリングを前記押圧面に対して垂直方向に昇降させる昇降機構とを備えており、前記昇降機構は、研磨処理時には前記リテーナリングをその位置決め面が前記基板の被処理面と同一面になるまで下降させ、研磨処理後は前記押圧面より上方まで上昇させる。前記昇降機構は、例えば、前記リテーナリングを、前記複数の圧力室とは独立に供給する圧力流体の量に応じて昇降させるように構成される。
本発明の研磨処理装置は、円形又は略円形の研磨面を有する研磨テーブルと、研磨処理対象となる基板を保持して該基板の円形の被処理面を前記研磨面に摺接させる研磨ヘッドと、前記研磨ヘッド及び前記研磨テーブルの少なくとも一方を水平に回転させる駆動機構とを有し、前記研磨テーブルは、前記研磨面の半径が前記基板の被処理面の直径よりも大きく構成される。また、前記研磨テーブルは、前記基板を、その被処理面が前記研磨面に摺接するように保持する保持機構と、それぞれ個別に圧力流体が封入されることにより前記基板の背面側に前記圧力流体の量に応じた押圧力を付与する複数の圧力室を含み、さらに、これらの圧力室を区切る隔壁の一部又は全部が、それ自体でも前記圧力流体によって生じる押圧力を前記基板の背面側に付与する形状に成形されている押圧機構とを備えて構成される。
ある実施の態様では、前記研磨処理装置の前記押圧機構は、その外底面が前記基板の被処理面と接する押圧面となる弾性筒状体を含み、当該押圧面は前記被処理面の外周端から内周側に所定サイズだけ小さいサイズで形成されている。
本発明の研磨ヘッドによれば、研磨処理装置において、基板の被処理面の全面に亘って所望の押圧力を不連続部の無い状態で与えることができる。そのため、押圧力の不均一によって、研磨ムラ、研磨不足、過研磨が生じてしまうことが防止されるという格別の効果を奏することができる。
第1実施形態の研磨処理装置の概略構成図。 第1実施形態の研磨ヘッドの概略縦断面図。 (a)従来の弾性膜を使用した際の基板に与えられる押圧力の分布を説明するための縦断面図。(b)は押圧力の分布グラフ。 (a)は第1実施形態の弾性膜を使用した際の基板に与えられる押圧力の分布を説明するための縦断面図。(b)は押圧力の分布グラフ。 (a)(b)第1実施形態の弾性膜に設けられたロールオフ発生を防止するための押圧面の構成を説明するための図。 (a)(b)は押圧面の最適サイズを特定するための実験装置を説明するための図。 (a)(b)はリテーナリングの構成及びその機能を説明するための縦断面図。 研磨処理装置において実行される研磨処理方法の全体手順説明図。 第2実施形態の研磨ヘッドの概略縦断面図。 (a)は第2実施形態の弾性膜を使用した際の基板に与えられる押圧力の分布を説明するための縦断面図。(b)は押圧力の分布グラフ。 (a)は第2実施形態の弾性膜の別例でありこれを使用した際の基板に与えられる押圧力の分布を説明するための縦断面図。(b)は押圧力の分布グラフ。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態例を説明する。
本実施形態の研磨処理装置は、半導体ウエハやガラス基板のような基板を処理対象基板とする。本明細書では、この基板の一方の表面を円形又は略円形の被処理面とする。
研磨処理装置は、研磨部材となる研磨パッドが接着され、この研磨パッドを水平に回転させるための研磨テーブルと、基板の被処理面を研磨パッドに対向させて摺接させるための研磨ヘッドとを有している。
基板は、研磨ヘッドにより研磨パッドに押圧される。そして、研磨パッドに研磨液(スラリー)を供給しながら研磨テーブルと研磨ヘッドの少なくとも一方を回転させることにより、被処理面の研磨処理を行う。
以下、この研磨処理装置の実施の形態例を説明する。
[第1実施形態]
図1は、研磨処理装置1の概略構成図である。図1に示す研磨処理装置1は、研磨テーブル11の表面部に研磨パッド12が接着されており、基板Wを保持してその被処理面を研磨パッド12に押圧する研磨ヘッド13の他、研磨液を研磨パッド12に向けて供給するためのノズルN、研磨テーブル11及び研磨ヘッド13をそれぞれ水平に回転させるためのモータ(図示省略)と、ノズルNと接続されている研磨液供給機構(図示省略)と、モータを含む各駆動部を制御するためのコンピュータとを含む制御部20とを備えている。
研磨パッド12は円盤状のものであり、その半径は、基板Wの被処理面の直径よりも大きいものである。これにより、研磨処理の際に、基板Wの被処理面が研磨パッド12の中心部付近を通過しなくとも済むようになる。これは、研磨パッド12の中心部付近とその周縁部付近とでは、移動速度が異なり、相対的な移動速度が速い周縁部付近に基板Wの被処理面を摺接させた方が研磨効率を高める上では良いためである。
研磨パッド12は、それ自体で弾性を持つものであり、不織布からなるものや、発泡ウレタン製のものなど、市場で入手できる素材を用いることができる。
研磨ヘッド13は、基板Wを、その被処理面が研磨パッド12に摺接するように保持する保持機構と、保持された基板Wをその被処理面の背面から研磨パッド12の方向に押圧する押圧機構とを備えている。これらの機構については後述する。
制御部20は、ノズルNの位置決め、ノズルNからの研磨液の供給開始又は停止制御、ノズルNから噴出供給される研磨液の単位時間当たりの供給量制御、モータの始動開始や始動停止制御等を主として行う。制御部20により制御されたモータの回転力は、図示しない駆動部を介して研磨テーブル11に伝達される。これにより研磨テーブル11が水平に回転し、あるいは回転を停止する。
研磨ヘッド13にも、図示しない駆動部(例えば自在継手)を介してモータの回転力が伝達される。これにより研磨ヘッド13が水平に回転し、あるいは回転を停止する。
研磨テーブル11の回転方向と研磨ヘッド13の回転方向は同じである。これは、逆方向とすると不均一研磨となるおそれがあるためである。同じ方向でありながら、回転速度の調整により、研磨精度を高めることができる。
なお、単一のモータの回転力を、それぞれ異なるギア比のギアを介して研磨テーブル11及び研磨ヘッド13に伝達するようにしても良く、それぞれ個別のモータを通じて回転力を伝達するようにしても良い。両者は任意に設計することができる。この制御部20による制御手順については、後述する。
研磨液は、制御部20の制御により研磨テーブル12の回転速度が所定値に達した状態で、ノズルNから所定時間、研磨パッド11に向けて供給される。
<研磨ヘッド>
次に、研磨ヘッド13の構成について、詳しく説明する。図2は、研磨ヘッド13の概略縦断面図である。研磨ヘッド13は、大別して、保持機構と押圧機構とを有する。
保持機構は、研磨テーブル11及び研磨ヘッド13の回転力により付勢された基板Wが外周方向へ向けて飛び出してしまうことを防止するためのもので、基板Wの被処理面を研磨パッド12に対向(当接)させ、摺接した状態で、この基板Wの中心軸と自身の回転軸とが一致するように保持する。
具体的には、基板Wの外端部と接触する把持面と、研磨面と接触する位置決め面とを有するリテーナリング137と、このリテーナリング137を、押圧面に対して垂直方向に昇降させる昇降機構として機能するリテーナリング用エアバッグ138、制御部20の制御により、リテーナリングホルダ139及びリテーナリング用エアバッグ138への圧力流体(例えば圧縮空気)の量を増減させる流体供給機構(図示省略)を含んで構成される。
リテーナリング用エアバッグ138は、研磨処理時には圧力流体の量を増やしてリテーナリング137をその位置決め面が基板Wの被処理面と同一面になるまで下降させ、研磨処理後は、圧力流体を回収して押圧面より上方まで上昇させる。
押圧機構は、弾性筒状体と蓋体とを筐体とし、この筐体内に複数の圧力室を形成して構成される。蓋体に相当するのは、図示しない駆動部と連結されるトップリング131である。筒状体に相当するのは、トップリング131に連接された隔壁支持リング132と、この隔壁支持リング132にボルト133で係止された後述するシールリング141を介して支持されたリング状の上部隔壁134と、隔壁支持リング132に連接された外径リング135と、この外径リング135の外周側表面の一部を覆うように、筒状(鍋型)に設けられた弾性膜(「メンブレン」とも呼ばれる。)136である。
弾性膜136は、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、ポリウレタンゴム、シリコンゴム等の強度及び耐久性に優れたゴム材によって形成される。弾性膜136は、外径リング135の外周面に嵌装できる内径サイズで形成される。
なお、基板Wの被処理面の背面側と接触する弾性膜136の外側底面(「押圧面」)は、基板Wの外周端よりも小さいサイズで形成される。詳細は後述する。
弾性膜136の内底面の所定部位には、回転時においても当該弾性膜136の形状を維持するための補強リブを兼ねたリング状の下部隔壁140が突設されている。この下部隔壁140の先端部の一部、例えばその外周側半分は、上部隔壁134の所定部位と接合するように形成される。これにより、トップリング131と隔壁支持リング132、上部隔壁134、下部隔壁140、下部隔壁140の内周側の弾性膜136とにより囲まれた空間(「第1圧力室」)と、隔壁支持リング132と上部隔壁134、外径リング135、下部隔壁140、下部隔壁140の外周側にある弾性膜136とにより囲まれた空間(「第2圧力室」)が形成される。
これらの2つの圧力室に圧力流体(例えば圧縮空気)を供給することにより、基板Wの中心部近傍に与える押圧力と、外周端近傍に与える押圧力とを、それぞれ個別に調整することが可能になる。
なお、第1圧力室内で隔壁支持リング132と上部隔壁134とが連接している面には、シールリング141でシールが施されており、さらに上部隔壁134と下部隔壁140もシール接合され、第1圧力室と第2圧力室それぞれの機密性を高めている。
研磨ヘッド13には、図示しない流体供給機構に連接される流体経路142a、142b、142cが設けられている。
流体経路142aは、第1圧力室へ向けて圧力流体を供給し、あるいは、供給した圧力流体を第1圧力室から回収するためのものである。
流体経路142bは、第2圧力室へ向けて圧力流体を供給し、あるいは、供給した圧力流体を第2圧力室から回収するためのものである。
流体経路142cは、リテーナリング用エアバッグ138へ向けて圧力流体を供給し、あるいは、供給した圧力流体をリテーナリング用エアバッグ138から回収するためのものである。
なお、各流体経路142a〜142cは、上述した流体供給機構と接続されており、制御部20の制御により、それぞれ独立して圧力流体が供給され、あるいは、供給された圧力流体が回収される。
上述したリテーナリング137は、基板Wの外周を取り囲むように、弾性膜136の外周側に位置し、基板Wの外周端を面接触で保持する。リテーナリング137は、基板Wの保持のほか、研磨処理の際にリテーナリング用エアバッグ138に圧力流体が供給されることで研磨パッド12を押圧し、基板Wの被処理面との接触を解除するように動作する。
次に、基板Wに付与される押圧力について説明する。
基板Wを研磨処理する際には、制御部20が、第1圧力室と第2圧力室のそれぞれに所定量の圧力流体が供給されるように制御する。
ここで、本実施形態の研磨ヘッド13によらない一般的な隔壁で区切られた各圧力室から与えられる押圧力の様子を模式的に図3(a)に示す。
図3を参照すると、隔壁で区切られた第1圧力室及び第2圧力室の各々に圧力流体が供給されることで、押圧力P1、P2(P1>P2の場合)が、押圧面から基板Wの背面(研磨パッド12に対向する面の背面側)に与えられる。P1は第1圧力室の押圧力、P2は第2圧力室の押圧力である。
この場合の押圧力の分布の様子を図3(b)に示す。図3(b)のグラフは、縦軸を押圧力(P)とし、横軸は被処理面を表している。原点を基板Wの中心として図正面右側に向かうほど外周端に近づくものとする。図3(b)に示すように、隔壁が設けられた部位の背面側の押圧面からは、左右に隣り合う押圧力P1、P2と比べて凹状に低くなり、この位置に対応する被処理面では研磨不足が発生し、研磨ムラが生じてしまう。
第1圧力室の押圧力P1と第2圧力室の押圧力P2とが押圧面内を伝播する際に、これらの押圧力P1、P2よりもかなり低い押圧力部が生じ、研磨ムラが発生する。
図4(a)は、本実施形態の研磨ヘッド13において、第1及び第2圧力室に与えられる押圧力の様子を模式的に示している。第1圧力室と第2圧力室とにそれぞれ圧力流体が供給されることで、押圧力P1、P2(P1>P2の場合)が押圧面から研磨パッド12に摺接された基板Wの背面側に付与されるのは、図3(a)の場合と同じである。
しかし、本実施形態の研磨ヘッド13を用いた場合、下部隔壁140の先端部は、第1圧力室の内壁の一部を形成する部位と、上部隔壁134に当接する部位とに分かれる。前者部位には、第1圧力室の押圧力P1が作用し、後者部位には、上部隔壁134を介して第1圧力室の押圧力P1が作用する。したがって、押圧力P1aの受圧面圧が下部隔壁140の上底面へと伝達される。つまり、下部隔壁140の先端部を通じて、鉛直下方に押圧力P1が作用する。そのため、下部隔壁140が突設された部位の背面側の押圧面からも、押圧力P1が研磨パッド12に摺接された基板Wの背面側に付与される。さらに、第2圧力室では上部隔壁134の上部より下部隔壁140に押圧力P2が作用する。
このことを、図3(b)と同様の縦軸、横軸を備えたグラフで示したのが、図4(b)のグラフである。図4(b)に示すように、本実施形態の研磨ヘッド13を用いた場合、下部隔壁140が突設された部位の背面側の押圧面からも、押圧力P1が研磨パッド12に摺接された基板Wの背面側に付与されるので、下部隔壁140の存在による影響が図3(a)の構造のものよりも著しく緩和されることがわかる。
なお、ここでは、2つの圧力室を形成した場合を例に挙げて説明したが、例えば、下部隔壁140の突設部位を変化させることや、下部隔壁140をさらに多く設けて、圧力室の数を増やし、基板Wの研磨特性に合わせて押圧力の与え方を最適化することもできる。
<ロールオフの防止>
次に、ロールオフ(Roll Off)について説明する。一般に、研磨対象となる基板(W)は、外周近傍でチャンファー加工(角を削り取る加工)がされている。そのため、外周近傍の基板表面は完全な平らではない。ロールオフは、その基板外周近傍における基板表面のダレを意味する。このロールオフが小さいほど基板は完全平坦に近く、反対に、ロールオフが大きいほど基板の平坦面積は少なく、過研磨が生じているといえる。本実施形態では、このロールオフを防止するための構造も工夫している。
以下、図5を参照して、ロールオフの防止のための構造について説明する。
図5(a)は、基板Wの被処理面及び背面よりも大きいサイズの弾性膜136を通じて押圧力を与えた場合に、研磨パッド12に摺接された被処理面に加わる応力の分布を矢印で示している。基板Wの外周端には、通常、チャンファーと呼ばれる緩衝部が形成される。チャンファー部は、外方からの衝撃を受けたときに欠損して衝撃を吸収することで、基板W全体が破損してしまうことを防止するという効用がある。
しかし、一方で、チャンファー部の始端が角部となり、そこから外周端に向かって研磨パッドとの非接触部となっているため、押圧力P2を基板Wに向けてほぼ均一に付与しているにもかかわらず、チャンファー部に近づくほど被処理面に加わる応力がヘルツ応力理論により高くなり、チャンファー部の始端でそれが最大となる。この応力の変化により過研磨が生じ、ロールオフが発生してしまう。
そこで、本実施形態では、図5(b)に示すように、弾性膜136の押圧面を、基板Wのチャンファー部よりも内周側にその外周端が位置するようなサイズで形成した。弾性膜136は例えば2[mm]程度の厚みをもつ円柱形状のものであるが、その押圧面のサイズは、基板Wの被処理面の直径よりも、基板Wの外周端からチャンファー部を経て内周側に所定サイズだけ小さいサイズで形成される。この所定サイズをオーバーハング(OH:Over Hung)という。
図5(b)には、この押圧面から押圧力P2を基板Wに向けて与えた場合の研磨パッド12に摺接された被処理面にかかる押圧力の分布が示されている。基板Wに向けて与えられる押圧力P2は、弾性膜136の押圧面を介することで、基板Wの外周端からOHだけ内周側に至る部位までは加わらない。しかし、押圧面の外周端の鉛直下方よりも外周側において、被処理面の外周端が研磨パッド12と摺接している。そのため、押圧力P2は、基板W内で拡散して伝播し、被処理面にかかる応力は、中央部からチャンファー部の始端に至るまでほぼ均一となる(ヘルツ応力の拡散伝播)。これにより、ロールオフを防止することができる。
OHは、本実施形態では約1[mm]であるが、基板Wのサイズや研磨パッドの弾性率に応じて、最適なOHが決定される。この最適なOHは、例えば図6(a)、(b)に示すROA(Roll Off Amount)実験装置で求めることができる。図6(a)は、ROA実験装置の略縦断面図であり、図6(b)は、ROA実験装置の略上面図である。
ROA実験装置を用いて最適なOHを決定するときは、まず、研磨パッド12に摺接された基板Wに弾性体を備えた円筒状の錘を載置する。その際に、それぞれの中心軸をずらして図6(b)に示すように載置し、研磨する。例えば、基板Wの中心をOとし、OA、OB、OC、ODなどの各ライン上それぞれのOHに基づいて、その研磨後の「Optical Flat 干渉縞」及び「あらさ計真直度」などを計測する。計測結果の中から被処理面の真直度が直線に近いOHを当該基板Wの最適なOHとして選定する。
基板Wを研磨処理する際には、リテーナリング用エアバッグ138に圧力流体を供給し、リテーナリング137が研磨パッド12を押圧するように制御される。研磨パッド12は、上述したとおり、弾性があるため、基板Wへ向けて押圧力を与えると、研磨パッド12が基板Wの側端部周辺を覆ってしまう場合があり、これによっても被処理面の側端部周辺を過研磨する要因となる。すなわち、ロールオフが発生する。
そこで、本実施形態では、図7(a)に示すように、基板Wの被処理面とリテーナリング137の下底面とが半接触状態となるように、押圧力P3をリテーナリング137に与えて研磨パッド12を押圧することとした。これにより、基板Wの外周端近傍の過研磨を防止することができる。
また、リテーナリング用エアバッグ138に供給されている圧力流体を回収して、図7(b)に示すように、リテーナリング137を所定箇所まで上昇させることもできる。例えば、基板Wの研磨処理が終了した後、リテーナリング137を上昇させた状態で、当該リテーナリング137と研磨パッド12との隙間に向けて水平方向にジェットウォータを噴出供給する。これにより、押圧力によって弾性膜136の押圧面に密着している状態の基板Wを容易に剥離させることができる。
<研磨処理のための制御手順>
次に、本実施形態の研磨処理装置1による研磨処理手順について説明する。図8は、研磨処理方法を実行する際の制御部20による主要な制御手順の説明図である。
制御部20は、研磨処理装置1のオペレータによる開始指示の入力受付を契機に制御を開始する(ステップS100)。所定の初期処理後、図示しない基板搬送手段により基板Wを搬入させて、研磨ヘッド13の保持機構に基板Wを保持させる(ステップS101)。
制御部20は、流体経路142a、142b、142cから所定量の圧力流体が供給されるように流体供給機構に指示を出し、基板Wや研磨パッド12に向けて押圧力を与える(ステップS102)。
制御部20は、また、図示しないセンサ部を通じて基板Wに適切な押圧力が与えられているか、リテーナリング137に適切な押圧力が与えられているかを確認する。押圧力が適切であることを確認した場合は(ステップS103:Yes)、研磨テーブル11、並びに、研磨ヘッド13の回転を開始するように、図示しないモータへ指示を出す(ステップS104)。これにより、研磨テーブル12と研磨ヘッド13が、水平に回転を開始する。
研磨テーブル11と研磨ヘッド13の回転開始を指示した後、制御部20は、ノズルNの位置決めを指示するとともに、研磨液供給機構に対して研磨液の供給を開始させるように指示を出す(ステップS105)。これにより、研磨液がノズルNから研磨パッド12の研磨面に向けて供給される。
研磨液の供給開始指示後、規定の研磨時間が経過したことを図示しないタイマによって検知すると(ステップS106:Yes)、制御部20は、研磨液供給機構に対して研磨液の供給停止を指示する(ステップS107)。
その後、制御部20は、研磨テーブル11と研磨ヘッド13の回転を止めるように、モータへ停止指示を出す(ステップS108)とともに、供給した圧力流体を回収するように圧力流体供給機構に指示を出す(ステップS109)。そして、図示しない基板搬送手段により基板Wを搬出させる。これにより、研磨処理を完了させる。
このように、本実施形態に係る研磨処理装置1では、上部隔壁134と下部隔壁140との組み合わせにより、第1圧力室の押圧力P1が、下部隔壁140が突設されている弾性膜136の部位の背面側にも作用する。そのため、押圧面全体で当該基板Wを鉛直下方に向けて押圧することができる。これにより、被処理面の部位によっては研磨不足や過研磨が生じてしまうことが防止することができる。さらに、上部隔壁134と下部隔壁140との接合の仕方を変化させることにより、被処理面の全面に亘って所望の押圧力を与えることができる。
また、弾性膜136の押圧面は、基板Wの外周端より内周側にその周縁が接触した状態で当該基板Wを押圧するように形成されている。これにより、基板Wの外周端近傍における被処理面の「ダレ」、つまり、過研磨が生じてしまうことを防止することができる。
また、リテーナリング用エアバッグ138への圧力流体の供給、又は、回収によりリテーナリング137を可動させることができる。
これにより、基板Wの被処理面とリテーナリング137の下底面とが半接触状態になるように研磨パッド12を押圧することが可能となり、基板Wの外周端近傍の過研磨を防止することができる。
さらに、リテーナリング137の下底面と研磨パッド12の表面との間に隙間を開け、当該隙間に向けて水平方向からジェットウォータを噴出供給することにより、押圧力によって弾性膜136の押圧面に密着している状態の基板Wを容易に剥離させることができる。
[第2実施形態]
次に、第1圧力室の空間内と第2圧力室の空間内のそれぞれにエアバッグを備え、各エアバッグに圧力流体を供給して基板Wへ押圧力を与える場合の実施形態例を説明する。
図9は、第2実施形態の研磨ヘッド15の構成例を示す略縦断面図である。
第1実施形態で説明したものと重複する部分については、同じ符号を用い、重複説明を省略する。なお、第1実施形態の研磨ヘッド13との主たる構成上の差異は、各圧力室空間内にエアバッグが備えられている他、上部隔壁と下部隔壁それぞれの形状と、その配置の違いである。
第2実施形態の研磨ヘッド15は、トップリング131に連接されている隔壁支持リング151を備えている。
研磨ヘッド15は、また、隔壁支持リング151に連接され、鉛直下方に向けて突出したリング状の上部隔壁152が形成されている隔壁上蓋153を備えている。また、上部隔壁152と対向して鉛直上方に向けて突出したリング状の下部隔壁154が形成され、隔壁支持リング151の外周側表面の一部を覆う弾性膜155を備えている。
研磨ヘッド15には、さらに、隔壁上蓋153と弾性膜155とにより囲まれた空間(第1圧力室)の内壁を覆うように形成された第1圧力室エアバッグ156と、隔壁上蓋153、隔壁支持リング151及び弾性膜155により囲まれた空間(第2圧力室)の内壁を覆うように形成された第2圧力室エアバッグ157とを備えている。
隔壁上蓋153に形成された上部隔壁152と、弾性膜155に形成された下部隔壁154とがそれぞれ対向する面は、図9に示すように断面半円の形状であり、その頂点で相互に離隔可能に接触している。
図10(a)は、本実施形態例の構成での各圧力室から与えられる押圧力の様子を模式的に示している。
第1圧力室エアバッグ156と第2圧力室エアバッグ157とにそれぞれ圧力流体が供給されることで、押圧力P1、P2が押圧面から研磨パッド12に摺接された基板Wの背面側へ付与される。さらに、第1圧力室エアバッグ156と第2圧力室エアバッグ157に供給された圧力流体が、上部隔壁152と下部隔壁154とが対向する面の外周側からそれぞれ侵入し、これにより、上部隔壁152と下部隔壁154とが離脱し、下部離隔154を通じて、押圧力Pbが、下部隔壁154が形成された部位の背面側の押圧面から研磨パッド12に摺接された基板Wの背面側へ付与される。
押圧力Pbは、押圧力P1と押圧力P2(P1>P2の場合)とが合成されるため、この場合には下部隔壁154を挟んで第1圧力室側から第2圧力室側の方向に向けて減少していくような押圧力となる。このことを、図3(b)と同様の縦軸、横軸を備えたグラフに示したものが、図10(b)に示すグラフである。
図10(b)に示すように、隔壁が形成された部位の背面側の押圧面からも押圧力が研磨パッド12に摺接された基板Wの背面側へ付与される。
このように、研磨ヘッド15を備えた研磨処理装置では、第1圧力室エアバッグ156と第2圧力室エアバッグ157にそれぞれ供給された圧力流体が、上部隔壁152と下部隔壁154とを離脱させるように、それぞれの外周側から侵入する。これにより、下部隔壁154が形成された部位の背面側の押圧面からも、研磨パッド12に摺接された基板Wの背面側へ押圧力が付与されるため、被処理面の部位によって研磨不足や過研磨が生じてしまうことを防止することができる。
さらに、上部隔壁152と下部隔壁154それぞれが対向する面の形状や構造を変化させることで、下部隔壁154が形成された部位の押圧面から研磨パッド12に摺接された基板Wの背面側へ付与される押圧力を調整することもできる。
また、各エアバッグに圧力流体を供給するため、気密性高く各圧力室を形成する必要が減り、コスト的優位性が高まると共に、各構成部品の取り付けも容易になる。
<変形例>
本実施形態は以上の通りであるが、本発明は上述した実施の形態例に限ることなく、種々の形態での実施が可能である。
例えば、第1圧力室の空間内と第2圧力室の空間内それぞれにエアバッグを備えて、当該エアバッグに圧力流体を供給して基板Wへ向けて押圧力を与える場合の別例として、図11(a)に示すように、上部隔壁の外周側面と下部隔壁の内周側面とがそれぞれ摺動可能に接触させて構成することもできる。
図11(a)本変形例の構成での各圧力室から与えられる押圧力の様子を模式的に示している。第1圧力室のエアバッグと第2圧力室のエアバッグとにそれぞれ圧力流体が供給されることで押圧力P1、P2が押圧面から研磨パッド12に摺接された基板Wの背面側へ付与される。さらに、第2圧力室のエアバッグに供給された圧力流体により下部隔壁の上底面部にも押圧力P2が作用するため、下部隔壁が形成された部位の背面側の押圧面からも押圧力P2が研磨パッド12に摺接された基板Wの背面側へ付与される。
このことを、図3(b)と同様の縦軸、横軸を備えたグラフに示したものが、図11(b)に示すグラフである。図11(b)に示すように、隔壁が形成された部位の背面側の押圧面からも押圧力P2が研磨パッド12に摺接された基板Wの背面側へ付与される。
なお、上部隔壁の内周側面と下部隔壁の外周側面とがそれぞれ摺動可能に接触させることで、押圧力P1を隔壁が形成された部位の背面側の押圧面から研磨パッド12に摺接された基板Wの背面側へ付与されるようにすることもできる。
1・・・研磨処理装置、11・・・研磨テーブル、12・・・研磨パッド、13,15・・・研磨ヘッド、131・・・トップリング、132,151・・・隔壁支持リング、133・・・ボルト、134,152・・・上部隔壁、135・・・外径リング、136,155・・・弾性膜、137・・・リテーナリング、138・・・リテーナリング用エアバッグ、139・・・リテーナリングホルダ、140,154・・・下部隔壁、141・・・シールリング、142a,142b,142c・・・流体経路、153・・・隔壁上蓋、156・・・第1圧力室エアバッグ、157・・・第2圧力室エアバッグ、W・・・基板、N・・・ノズル。
上記課題を解決する本発明の研磨ヘッドは、水平に回転する研磨面を有する研磨処理装置に設けられる研磨ヘッドであって、研磨処理の対象となる基板を、その被処理面が前記研磨面に摺接するように保持する保持機構と、この保持機構に保持された基板を前記被処理面の背面側から前記研磨面の方向に押圧する押圧機構とを備えている。
前記押圧機構は、その内底面の所定部位に、変位時の補強リブを兼ねた1又は複数の第1隔壁が突設され、その外底面が前記基板の被処理面と接する押圧面となる弾性筒状体と、前記第1隔壁の先端部の一部と接合することにより当該第1隔壁と共に前記弾性筒状体の内部空間に、それぞれ個別に圧力流体が封入されることにより前記基板の背面側に前記圧力流体の量に応じた押圧力を付与する複数の圧力室を形成する第2隔壁を備えた蓋体と、これらの圧力室を区切る前記第1隔壁と前記第2隔壁の一部又は全部が、それ自体でも前記圧力流体によって生じる押圧力を前記基板の背面側に付与する形状に成形されており、前記複数の圧力室の各々に前記圧力流体を供給する流体供給機構とを含み、前記押圧面は前記被処理面よりも小さいサイズであり、前記圧力流体が前記第1隔壁の先端部の内、前記圧力室の内壁の一部を形成する部位を通じて前記基板の背面側に押圧力を付与するように構成されている。
この研磨ヘッドによれば、複数の圧力室に封入される圧力流体の量に応じた押圧力が各圧力室から基板の背面側に付与されるので、研磨ムラ等がある場合には、圧力流体の量を調整することで、押圧力を均一にすることができる。また、前記第1隔壁と前記第2隔壁の一部又は全部も、それ自体で押圧力を付与する形状に成形されているので、隔壁の存在に関わらず、押圧力を、被処理面全体にわたって連続的に付与することができる。
本発明の研磨処理装置は、円形又は略円形の研磨面を有する研磨テーブルと、研磨処理対象となる基板を保持して該基板の円形の被処理面を前記研磨面に摺接させる研磨ヘッドと、前記研磨ヘッド及び前記研磨テーブルの少なくとも一方を水平に回転させる駆動機構とを有し、前記研磨テーブルは、前記研磨面の半径が前記基板の被処理面の直径よりも大きく構成される。また、前記研磨ヘッドは、前記基板を、その被処理面が前記研磨面に摺接するように保持する保持機構と、この保持機構に保持された基板を前記被処理面の背面側から前記研磨面の方向に押圧する押圧機構とを備えており、前記押圧機構は、その内底面の所定部位に、変位時の補強リブを兼ねた1又は複数の第1隔壁が突設され、その外底面が前記基板の被処理面と接する押圧面となる弾性筒状体と、前記第1隔壁の先端部の一部と接合することにより当該第1隔壁と共に前記弾性筒状体の内部空間に、それぞれ個別に圧力流体が封入されることにより前記基板の背面側に前記圧力流体の量に応じた押圧力を付与する複数の圧力室を形成する第2隔壁を備えた蓋体と、前記複数の圧力室の各々に前記圧力流体を供給する流体供給機構とを含み、前記押圧面は前記被処理面よりも小さいサイズであり、前記圧力流体が前記第1隔壁の先端部の内、前記圧力室の内壁の一部を形成する部位を通じて前記基板の背面側に押圧力を付与するように構成される。

Claims (8)

  1. 水平に回転する研磨面を有する研磨処理装置に設けられる研磨ヘッドであって、
    研磨処理の対象となる基板を、その被処理面が前記研磨面に摺接するように保持する保持機構と、
    この保持機構に保持された基板を前記被処理面の背面側から前記研磨面の方向に押圧する押圧機構とを備えており、
    前記押圧機構は、それぞれ個別に圧力流体が封入されることにより前記基板の背面側に前記圧力流体の量に応じた押圧力を付与する複数の圧力室を含み、さらに、これらの圧力室を区切る隔壁の一部又は全部が、それ自体でも前記圧力流体によって生じる押圧力を前記基板の背面側に付与する形状に成形されている、
    研磨ヘッド。
  2. 前記押圧機構は、その内底面の所定部位に、変位時の補強リブを兼ねた1又は複数の第1隔壁が突設され、その外底面が前記基板の被処理面と接する押圧面となる弾性筒状体と、
    前記第1隔壁の先端部の一部と接合することにより当該第1隔壁と共に前記弾性筒状体の内部空間に前記複数の圧力室を形成する第2隔壁を備えた蓋体と、
    前記複数の圧力室の各々に前記圧力流体を供給する流体供給機構とを含み、
    前記押圧面は前記被処理面よりも小さいサイズであり、
    前記圧力流体が前記第1隔壁の先端部の残部を通じて前記基板の背面側に押圧力を付与するように構成されている、
    請求項1記載の研磨ヘッド。
  3. 前記複数の圧力室の少なくとも一つに、軟性材で構成され、前記圧力流体の封入により膨張して前記押圧面に押圧力を付与するエアバッグが装着されている、
    請求項2記載の研磨ヘッド。
  4. 前記第2隔壁は、前記第1隔壁の先端部に離脱可能に接合されており、
    前記圧力流体が前記エアバッグに封入されると、該エアバッグの一部が前記第1隔壁の先端部と前記第2隔壁との接合部位に侵入して接合を解除し、これにより、前記第1隔壁の先端部から前記基板の背面側に押圧力を付与するように構成されている、
    請求項3記載の研磨ヘッド。
  5. 前記保持機構は、前記弾性筒状体の外周側に配備され、前記基板の外端面と接触する把持面と前記研磨面と接触する位置決め面とを有するリテーナリングと、
    このリテーナリングを前記押圧面に対して垂直方向に昇降させる昇降機構とを備えており、
    前記昇降機構は、研磨処理時には前記リテーナリングをその位置決め面が前記基板の被処理面と同一面になるまで下降させ、研磨処理後は前記押圧面より上方まで上昇させる、
    請求項4記載の研磨ヘッド。
  6. 前記昇降機構は、前記リテーナリングを、前記複数の圧力室とは独立に供給する圧力流体の量に応じて昇降させる、
    請求項5記載の研磨ヘッド。
  7. 円形又は略円形の研磨面を有する研磨テーブルと、研磨処理対象となる基板を保持して該基板の円形の被処理面を前記研磨面に摺接させる研磨ヘッドと、前記研磨ヘッド及び前記研磨テーブルの少なくとも一方を水平に回転させる駆動機構とを有し、
    前記研磨テーブルは、
    前記研磨面の半径が前記基板の被処理面の直径よりも大きく構成されており、
    前記研磨テーブルは、
    前記基板を、その被処理面が前記研磨面に摺接するように保持する保持機構と、
    それぞれ個別に圧力流体が封入されることにより前記基板の背面側に前記圧力流体の量に応じた押圧力を付与する複数の圧力室を含み、さらに、これらの圧力室を区切る隔壁の一部又は全部が、それ自体でも前記圧力流体によって生じる押圧力を前記基板の背面側に付与する形状に成形されている押圧機構とを備えて構成されている、
    研磨処理装置。
  8. 前記押圧機構は、その外底面が前記基板の被処理面と接する押圧面となる弾性筒状体を含み、当該押圧面は前記被処理面の外周端から内周側に所定サイズだけ小さいサイズで形成されている、
    請求項7記載の研磨処理装置。
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