JP2014017813A - 音像定位装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】音像の定位感の強調度を容易に調整することができる音像定位装置及び音像定位方法を提供する。
【解決手段】実施形態の音像定位装置は、音像方向及び定位感の強調度に対応付けられた複数の音響伝達特性を記憶する記憶部と、前記音像方向を指定するための方向指定情報及び前記強調度を指定するための強調度指定情報を用いて、前記方向指定情報が指定する音像方向及び前記強調度指定情報が指定する強調度に最も適合する音響伝達特性を適合音響伝達特性として選択する選択部と、第1音響信号に対して前記適合音響伝達特性を畳み込み演算することで第2音響信号を得る第1演算部とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、音像定位装置及び音像定位方法に関する。
スピーカやヘッドホンなどの音響再生装置を用いて、聴取者の前後左右の任意の位置に仮想的な音源である音像を定位させる立体音響技術が知られている。
従来の立体音響技術では、音像定位装置が、音像を定位させたい位置から聴取者の耳までの頭部伝達関数を、オーディオ信号に畳み込んで聴取者に呈示することにより、所望の位置に音像を定位させることが可能となる。
このような音響再生装置に用いられる音像定位装置では、聴取者に呈示される定位感の強調度を聴取者の嗜好に合わせて調整する機能等の実現が期待されている。
しかしながら、ヒトが感じる定位感の強調度を調整するためには、頭部伝達関数を用いて、音源が実在するときの耳元音圧を正確に再現するだけでは不十分である。このような頭部伝達関数に基づいた音像の定位処理では、定位感の強調度に影響を与える要因が明らかでなく、音像の定位感の強調度を調整することが難しい。
特開平10−174200号公報
音像の定位感の強調度を容易に調整することができる音像定位装置及び音像定位方法を提供する。
実施形態の音像定位装置は、音像方向及び定位感の強調度に対応付けられた複数の音響伝達特性を記憶する記憶部と、前記音像方向を指定するための方向指定情報及び前記強調度を指定するための強調度指定情報を用いて、前記方向指定情報が指定する音像方向及び前記強調度指定情報が指定する強調度に最も適合する音響伝達特性を適合音響伝達特性として選択する選択部と、第1音響信号に対して前記適合音響伝達特性を畳み込み演算することで第2音響信号を得る第1演算部とを備える。
実施形態の音像定位方法は、音像方向及び定位感の強調度に対応付けられた複数の音響伝達特性を記憶する記憶部を備える音像定位装置における音像定位方法であって、選択部が、前記音像方向を指定するための方向指定情報及び前記強調度を指定するための強調度指定情報を用いて、前記方向指定情報が指定する音像方向及び前記強調度指定情報が指定する強調度に最も適合する音響伝達特性を適合音響伝達特性として選択するステップと、第1演算部が、第1音響信号に対して前記適合音響伝達特性を畳み込み演算することで第2音響信号を得るステップとを有する。
第一の実施形態に係る音像定位装置を示す図。 第一の実施形態に係る音響伝達特性の一例を示す図。 第一の実施形態に係る音響伝達特性の一例を示す図。 第一の実施形態に係る音響伝達特性の一例を示す図。 第一の実施形態に係る音響伝達特性の一例を示す図。 第一の実施形態に係る音響伝達特性の一例を示す図。 第一の実施形態に係る音響伝達特性の円板の直径の違いによる比較図。 第一の実施形態に係る円板の中心点付近の音圧レベルの一例を示す図。 第一の実施形態に係る音像定位方法のフローチャート。 第一の実施形態に係る音響伝達特性の測定装置を示す図。 第一の実施形態に係る両耳間強度差及び両耳間時間差の説明図。 第一の実施形態の変形例に係る音響伝達特性の一例を示す図。 第一の実施形態の変形例に係る音響伝達特性の一例を示す図。 第一の実施形態の変形例に係る音響伝達特性の一例を示す図。 第二の実施形態に係る音像定位装置を示す図。 第三の実施形態に係る音像定位装置を示す図。 第四の実施形態に係る両耳間強度差及び両耳間時間差の説明図。 第四の実施形態に係る球体の音響伝達特性のゲインの一例を示す図。
以下、発明を実施するための実施形態について説明する。
(第一の実施形態)
図1は、第一の実施形態に係る音像定位装置を示す図である。なお、以下の説明では、聴取者が向く方向を「前方」、聴取者が向く方向とは逆の方向を「後方」と定義する。また、聴取者が向く方向に向かって左手の方向を「左方」、右手の方向を「右方」と定義する。たとえば、聴取者がヘッドホンなどで楽曲などの聴取を楽しむ場合を想定している。聴取者が所望する方向に音像を定位させるとともに、その音像の定位感の程度も聴取者が調整できるようにしている。
図1の音像定位装置は、聴取者が音像を定位させる方向(音像方向)及び音像の定位感の強調の程度(強調度)を指定するための入力部50と、音像方向及び強調度に対応付けられた複数の音響伝達特性を記憶する記憶部10とを備える。入力部50から得る音像方向及び強調度を指定する情報に基づいて、選択部20は、複数の音響伝達特性の中で指定された音像方向かつ強調度に最も適合するものを選択する。選択された音響伝達特性を指定音響伝達特性と呼ぶと、第1演算部30がこの指定選択音響伝達特性をオーディオ信号(第1音響信号)に対して畳み込み演算することで、前後方向の定位情報及び強調度が付与されたオーディオ信号(第2音響信号)を得ることができる。
また、第2演算部40が、この第2音響信号に対して両耳間の強度差及び時間差を付与することで、左右方向の定位情報が付与されたオーディオ信号(第3音響信号及び第4音響信号)を得ることができる。第3音響信号及び第4音響信号を聴取者に対して出力する出力部60を備える。
なお、記憶部10としては、例えばメモリやHDD等の記憶装置100を用いることができる。また、選択部20、第1演算部30、第2演算部40としては、例えばCPU等の演算処理装置200を用いることができる。また、入力部50は、例えばリモコン等である。出力部60は、例えばヘッドホンやイヤホン等である。
立体的な音響を再現するためには、前後方向に関する音像定位と左右方向に関する音像定位を実現する必要がある。この前後方向の音像定位と左右の音像定位とは独立に制御できることが知られている。
前後方向の音像定位については、ヒトの耳介の音響伝達特性が大きく関わっていると考えられる。すなわち、耳介は前方から来る音を集音して増幅する一方、後方から来る音を遮蔽して減衰させる。ヒトが音を聴く際には、このように耳介の存在に起因して、前後から到来する音に音響伝達特性の違いが生じることから、この前後の音響伝達特性の違いを聴覚が判別することにより前後方向の音像定位が達成されると考えられる。
本実施形態では、耳介の音響伝達特性を模擬するための音響伝達特性として、音像方向及び強調度に対応付けられた複数の音響伝達特性を用いる。ここで、音像方向とは、聴取者が自身を中心として、例えば聴取者の前方を0°としたときに音像を定位させる方向、すなわち仮想的な音が聴こえてくる方向を表す。また、強調度とは、例えば音像方向が様々に変化する場合に、聴こえてくる音の音圧レベル(強度)の変化量を表す。
この強調度のレベルは、後述するように音響伝達特性が有する最も低周波数側に位置するディップの周波数と対応付けることができる。すなわち、ディップの周波数が異なる複数の音響伝達特性を用いることで、強調度のレベルを例えば聴取者の嗜好に合わせて調整することが可能となる。なお、ディップとは、周辺の周波数と比較してゲインが落ち込む領域である。すなわち、ここでのディップの周波数としては、音響伝達特性の中で最も低周波数側に位置し、負の方向に凸なピークの周波数である。
このような音響伝達特性としては、例えば遮蔽板から得られる音響伝達特性を用いることで作成できる。すなわち、第1音響信号に対して、複数の音響伝達特性の中から選択した音響伝達特性を畳み込むことで、視聴者が望むような前後方向の定位情報が付与された第2音響信号を生成することができる。
以下、本実施形態の音像定装置に用いられる遮蔽板の音響伝達特性について詳細に説明する。
遮蔽板は、ヒトの耳介を模擬した薄い板である。遮蔽板としては、容易に変形しないことと、音を透過しないことが好ましい。したがって、木材、金属、プラスチック等の材料で作られた適切な厚みをもった板を用いることができる。遮蔽板の形状は、より単純な形状であるほど好ましく、例えば円形板等を用いることができる。また、遮蔽板の大きさは、標準的なヒトの耳介の大きさを基準として、任意に決定することができる。この際、大きさの定義としては、例えば遮蔽板の表面における代表長さ(円形板の場合には、例えば直径)や前後方向の投影面積(断面積)等を用いることができる。後述するように強調度のレベルに対応するディップの周波数は、遮蔽板の大きさに依存する。
以下、遮蔽板の音響伝達特性の測定方法について説明する。
図10は、遮蔽板の音響伝達特性を測定するための測定装置を示す図である。図10の測定装置は、円形の遮蔽板530の表面の中心付近を受音点とするマイク510と、遮蔽板530の中心から所定の距離だけ離して設けられるスピーカ520を備える。なお、遮蔽板530の表面の法線に対するスピーカ520の設置方向θは、遮蔽板530の表面側(マイク510側)の方向(法線方向)を前方0°として、遮蔽板530の真横方向を90°、遮蔽板530の裏面側(マイク510の反対側)の方向を後方180°とする。
遮蔽板530を設置した状態でのスピーカ520からマイク510までの音響伝達関数には、前記の耳介の音響伝達特性を模擬する情報、すなわち聴取者が前後方向に音像を認識するための情報(前後方向の定位情報)の他に、音像位置から聴取者の位置まで音が伝わる際の振幅の減衰と時間遅れの情報、すなわち聴取者が左右方向に音像を認識するための情報(左右方向の定位情報)が含まれている。ところが、この左右方向の定位情報については、後述の左右方向の音像定位の際に用いる信号にも含まれることとなるために、前後方向の音像定位の際には上記音響伝達関数から左右方向の定位情報は除去して、二重に適用されることを防ぐ必要がある。
そのため、遮蔽板530の音響伝達特性は、「遮蔽板530を設置しない状態でのスピーカ520からマイク510までの音響伝達関数」に対する「遮蔽板530を設置した状態でのスピーカ520からマイク510までの音響伝達関数」の比として算出する。すなわち、遮蔽板530の音響伝達特性は次式により算出することができる。
Figure 2014017813
したがって、遮蔽板530の音響伝達特性は、スピーカ520の設置方向θから到来する音について、その音響伝達関数が遮蔽板530の有無によってどのように変化するのかを表し、これによって耳介の音響伝達特性を模擬することができる。
したがって、図10の測定装置を用いることで、スピーカ520からマイク510までの音響伝達関数Ho及びHaは、例えば、遮蔽板530を設置しない場合及び設置した場合のそれぞれで、設置方向θに置かれたスピーカ520からホワイトノイズを放射し、スピーカ520に対する入力電圧信号とマイク510が出力する音圧信号の間の伝達関数を演算処理装置等による周波数解析で求めることができる。そして、演算処理装置が(式1)に従い遮蔽板530の音響伝達特性を算出する。このようにして、複数のスピーカ520の設置方向θごと、及び異なるサイズの遮蔽板530ごとに遮蔽板の音響伝達特性を測定する。この測定の際のスピーカ520の設置方向θが、音像方向に対応する。
図2乃至図6は、遮蔽板の音響伝達特性の一例を示す図である。図2は直径4cmの円形遮蔽板、図3は直径7cmの円形遮蔽板、図4は直径10cmの円形遮蔽板、図5は直径12cmの円形遮蔽板、図6は直径15cmの円形遮蔽板を用いて、遮蔽板の音響伝達特性を測定した結果である。なお、いずれも0°から180°まで30°間隔で測定した。この測定の際、スピーカ520の設置位置はマイク510の位置を中心とする半径1.2mの半円周上とした。また、マイク510に余計な反射波が混入することを防ぐため、無響室において測定を行った。
左右方向の音像定位の原理については、両耳間強度差及び両耳間時間差を用いることにより、前後及び上下方向の音像定位とは独立に制御することができる。両耳間強度差とは、聴取者の左右それぞれの耳に呈示されるオーディオ信号間(第3音響信号及び第4音響信号間)の音量レベルの差である。また両耳間時間差とは、聴取者の左右それぞれの耳に呈示されるオーディオ信号の間の時間差である。
図11は、両耳間強度差及び両耳間時間差の説明図である。両耳間強度差及び両耳間時間差は、聴取者Obの左耳EL及び右耳ERについて、左耳ELから音像位置Sまでの距離dLと、右耳ERから音像位置Sまでの距離dRとに基づいて得られる。ここで距離dL及びdRとしては、聴取者Obの耳介や頭部の存在は無視することで、左右の耳EL及びERから音像位置Sまでの直線距離を用いる。したがって、距離dL及びdRは次式により得られる。
Figure 2014017813
両耳間強度差は、音像位置Sから左右の耳ELとERとに伝わる音の振幅の差に対応させる。ここで、音の振幅は伝わる距離に反比例する。両耳間時間差は、音像位置Sから左右の耳ELとERとへ音が伝わるのにかかる時間の差とする。ここで、音が伝わるのにかかる時間は伝わる距離を音速で除算して得られる。
以上の両耳間強度差及び両耳間時間差を用いて、聴取者の左右それぞれの耳に呈示されるオーディオ信号(第3音響信号及び第4音響信号)と、元となるオーディオ信号(第2音響信号)との間の関係は、次式により表現される。
Figure 2014017813
したがって、左右方向の定位情報が付与された第3音響信号及び第4音響信号は、前後方向の定位情報が付与された第2音響信号に対して、さらに増幅処理と時間シフト処理を施すことで生成することができる。
以下、図1の音像定位装置について詳細に説明する。
記憶部10は、図2乃至図6に示す音響伝達特性を記憶する。具体的には、記憶部10は、5種類の音響伝達特性群を記憶している。この音響伝達特性群には、音響伝達特性群ごとに異なるサイズ(以下、直径)の円形遮蔽板(以下、円板)から得られる、複数の音像方向に対応付けられた音響伝達特性が含まれている。本実施形態では、記憶部10は、図2乃至図6に示すように直径4cm、7cm、10cm、12cm、15cmの5種類の円板から得られる5種類の音響伝達特性群を記憶し、それぞれの群には0°、30°、60°、90°、120°150°、180°の音像方向に対応する7種類の音響伝達特性が含まれている。なお、記憶部10は、音響伝達特性を逆フーリエ変換したデータを記憶してもよい。
ここで、円板の直径と音像定位の強調度との関係について説明する。
図7は、同一のスピーカ設置方向(150°)に対応する音響伝達特性の円板の直径による違いを比較する図である。図7を見ると、直径が大きくなるに従い、最低周波領域側のディップ(図中○印)が低周波数側にシフトしていることがわかる。したがって、音響伝達特性におけるディップの位置(周波数)が、円板の直径の違いを特徴付けていることが考えられる。
また、図8は、円板の中心点付近の音圧レベルの例を示す図である。ここでは、円板を設置しない状態においてマイク位置の音圧レベルが73dBとなるように、スピーカ音量を調節した。
図8に示すように、円板の効果により、スピーカ設置方向θが前方(0°〜90°)のときは音圧レベルが増加し、後方(90°〜180°)のときは減少する。また、円板の直径が大きいほどその効果は大きくなり、音圧レベルの変化量が大きくなる。特に後方(90°〜180°)において顕著な効果を示すことがわかる。
この音圧レベルの変化量が音像の定位感の強調度に影響を与えるものと考えられる。したがって、定位感の強調度を調整するためには、同一の音像方向に対応する音圧レベルを変化させればよい。すなわち、同一の音像方向に対応する直径の異なる円板から得られる音響伝達特性を適宜選択することで、定位感の強調度を調整することが可能となる。
なお、本実施形態では、記憶部10が直径4cm、7cm、10cm、12cm、15cmの5種類の円板から得られる5種類の音響伝達特性群を記憶する例を説明しているが、少なくとも2種類の円板から得られる2種類の音響伝達特性群を記憶するものであればよい。また、円板の直径(ディップの周波数)としては、ディップの周波数がヒトの可聴周波数領域(例えば20Hz〜20kHz)の範囲内に含まれるように適宜選択することができる。
さらに好ましくは、円板の直径(ディップの周波数)としては、聴取者の耳のサイズd(例えば、直径4cmの円板とする)を基準として、耳のサイズdに対する倍率n1及びn2(ただし、n1<n2)を指定することで、d×n1を周波数に換算した値を上限の閾値、d×n2を周波数に換算した値を下限の閾値とする範囲を設定し、この範囲内にディップの周波数が含まれるように適宜選択することができる。なお、倍率としては、定位感の強調度がヒトの聴覚に対して効果的に作用する範囲としてアンケート等により事前に調べることができる。例えば、耳のサイズの1/2倍(直径2cm)から4倍(16cm)のサイズの遮蔽板を用いたときの周波数領域は、およそ2kHz〜17kHzである。これにより、耳のサイズdを周波数に換算した値にディップの周波数が一致する場合の音の定位感の強調度(通常の聞こえ方)を基準として、聴取者ごとにその基準に対して相対的に定位感の強調度の強弱を調整することができる。
選択部20は、例えば、方向指定情報、強調度指定情報が入力されたタイミングで、これら方向指定情報、強調度指定情報に基づいて、それぞれの指定情報(方向指定情報、強調度指定情報)に最も適合する音響伝達特性(適合音響伝達特性)を記憶部10から選択する。
ここで、方向指定情報とは、聴取者に呈示すべき音像の方向(音像方向)を指定するための情報である。具体的には、音像方向を示す角度を含む。この方向指定情報は、例えば、映画やゲームのようなコンテンツにおいては、コンテンツ製作者が、聴取者に呈示したい音像方向の情報を方向指定情報としてコンテンツ記録媒体にあらかじめ記録しておくことにより、この記録媒体から得られる。または、例えば、聴取者が自由に音像方向を指定できるようなサービスにおいては、聴取者が入力装置300を用いて指定することで、入力部50から得ることができる。
また、強調度指定情報は、音像の定位感の強調度を指定するための情報である。この強調度は、例えば低から高へ5段階のレベル(1、2、3、4、5)に分けることができる。強調度指定情報は、聴取者が入力部50を用いて、嗜好に合わせた強調度のレベルを入力することで得られる。
強調度のレベルは、円板の直径(ディップの周波数)と対応付けることができる。すなわち、本実施形態においては、直径4cmの円板から得られる音響伝達特性の群がレベル1に、直径7cmの円板から得られる音響伝達特性の群がレベル2に、直径10cmの円板から得られる音響伝達特性がレベル3に、直径12cmの円板から得られる音響伝達特性がレベル4に、直径15cmの円板から得られる音響伝達特性がレベル5に、それぞれ対応する。
選択部20は、強調度指定情報を入力部50から得て、この強調度指定情報により指定されている強調度のレベルに対応する音響伝達特性群を記憶部10から選択する。また、選択部20は、方向指定情報を入力部50から得て、選択した音響伝達特性群から、この方向指定情報により指定されている音像方向に最も適合する適合音響伝達特性を選択する。選択部20は、選択した適合音響伝達特性を第1演算部30に供給する。ここで、最も適合する適合音響伝達特性とは、次のように定義することができる。
すなわち、記憶部10が方向指定情報により指定されている音像方向に対応する音響伝達特性を記憶している場合には、この音響伝達特性を適合音響伝達特性とする。
また、記憶部10が方向指定情報により指定されている音像方向に対応する音響伝達特性を記憶していない場合には、方向指定情報により指定されている音像方向と、記憶部10が記憶する音響伝達特性に対応する音像方向との差が最も小さい音響伝達特性を適合音響伝達特性とする。このとき、上記の差が最も小さい音響伝達特性が複数ある場合には、例えば最も後方(180°)に近い音響伝達特性を適合音響伝達特性とする。また、記憶部10が記憶する中で、方向指定情報により指定されている音像方向に最も近い2つの音像方向に対応する音響伝達特性を用いて、例えば補間処理を行って作成することができる音響伝達特性を適合音響特性とすることもできる。
第1演算部30は、選択部20が選択した適合音響伝達特性を得て、外部から入力されたオーディオ信号(第1音響信号)に対して、適合音響伝達特性を畳み込み演算することで、前後方向の定位情報が付与されたオーディオ信号(第2音響信号)を得る。これには、第1演算部30は、例えば次式のように、音響伝達特性の逆フーリエ変換が各タップのフィルタ係数として設定されているFIR(有限長インパルス応答)フィルタに対して、オーディオ信号を入力することで畳み込み演算することができる。
Figure 2014017813
第2演算部40は、距離指定情報に基づいて、第1演算部30により得られるオーディオ信号(第2音響信号)に対して両耳間の強度差及び時間差を付与し、左耳用のオーディオ信号(第3音響信号)と右耳用のオーディオ信号(第4音響信号)を得る。
ここで、距離指定情報とは、聴取者に呈示すべき音像の距離(音像距離)を指定するための情報である。具体的には、距離指定情報には、音像位置と左耳間の距離dL及び音像位置と右耳間の距離dR、増幅率A、時間シフト量τが含まれている。
なお、dL及びdRとしては、聴取者の両耳間の距離に基づいて予め算出されるものであってもよいし、平均的な聴取者の両耳間の距離に基づいて予め算出されるものであってもよい。また、増幅率A及び時間シフト量τとしては、予め任意に定められるものであってもよいし、聴取者が入力部50を用いて、嗜好に合わせて調整するものであってもよい。
第2演算部40は、オーディオ信号(第2音響信号)を第1演算部30から、距離指定情報を入力部50から得て、(式3)に従い、左耳用のオーディオ信号(第3音響信号)aLと右耳用のオーディオ信号(第4音響信号)aRを算出する。
出力部60は、第2演算部40が算出する第3音響信号及び第4音響信号を聴取者に対して出力する。出力部60は、第3音響信号及び第4音響信号を聴取者の左右それぞれの耳に直接呈示する場合には、例えばヘッドホンやイヤホンを用いることができる。
また、出力部60としてスピーカを用いることもできる。このとき、聴取者の左右の耳とスピーカとの距離が離れているため、第3音響信号及び第4音響信号を聴取者の左右それぞれの耳に直接呈示できない。この場合には、複数のスピーカを用いて、該複数のスピーカから放射された音が聴取者の左右それぞれの耳へと伝わって重ね合わされた結果が、第3音響信号及び第4音響信号に一致するように、第3音響信号及び第4音響信号に変換処理を施してから該複数のスピーカへ出力する。この際の変換処理方法としては、公知の技術を用いることができる。
図9は、音像定位方法を説明するフローチャートである。
選択部20は、方向指定情報及び強調度指定情報を入力部50から得る(S101)。方向指定情報及び強調度指定情報を用いて、記憶部10が記憶する複数の音響伝達特性のいずれかを選択する(S102)。
第1演算部30は、選択部20が選択した音響伝達特性を用いて、外部から入力されたオーディオ信号(第1音響信号)に対してこの音響伝達特性を畳み込み演算することで、前後方向の定位情報が付与されたオーディオ信号(第2音響信号)を得る(S103)。
第2演算部40は、距離指定情報を入力部50から得る(S104)。距離指定情報を用いて、S103において得られたオーディオ信号(第2音響信号)に対して耳間の強度差及び時間差を与えることで、左右方向の定位情報が付与されたオーディオ信号(第3及び第4音響信号)を得る(S105)。第2演算部40は、S105において得られたオーディオ信号(第3及び第4音響信号)を出力部60に対して出力する(S106)。
出力部60は、オーディオ信号(第3及び第4音響信号)に従って音を発生させ、この音を聴取者に対して呈示する(S107)。
本実施形態の音像定位装置または音像定位方法によれば、音像の定位感の強調度を容易に調整することが可能となる。
(第一の実施形態の変形例)
遮蔽板の音響伝達特性は、第一の実施形態に示したように測定で取得する代わりに、数値計算によって取得してもよい。数値計算を用いれば、遮蔽板の実物や測定装置を用意する必要はなく、測定の手間が省けて利点となる。
遮蔽板の音響伝達特性を数値計算で取得するために、例えば、音像定位装置の演算処理装置200または音像定位装置外の計算機上の仮想空間において、遮蔽板の形状を表現する数値モデルを作成する。このとき、マイクの代わりに遮蔽板モデルの中心付近に観測点を置き、スピーカの代わりに仮想的な音源を置いて、境界要素法(BEM)・有限要素法(FEM)・有限差分時間領域(FDTD)法等の公知の数値解法を使用して音響伝達特性を算出することができる。
また、遮蔽板の形状が幾何学的に単純である場合には、波動理論に基づく音響伝達特性の理論式が数学的に導出されており、これを使用して音響伝達特性を算出することもできる。例えば、遮蔽板が円形の場合、音響伝達特性Hは次式のようにVに比例した周波数特性として表される。
Figure 2014017813
なお、扁球座標系(ξ, η, φ)は、直交直線座標系(x, y, z)と次式のように対応する座標系である。
Figure 2014017813
ここで、aは円板の半径である(円板の半径が変わると扁球座標系(ξ, η, φ)そのものが変わる)。円板は回転対称な形状なので、円板中心が観測点の場合は音源位置のφ座標には影響しない。つまり、音源位置の(ξ, η)座標のみが必要となる。
また、円板音響伝達特性における扁球座標波動関数としては、文献(J. J. Bowman 他,Electromagnetic and Acoustic Scattering by Simple Shapes.North-Holland Pub.Co.,1970,PP.504)に示された関数を用いることができる。
入力部50から得られた音像方向と、適宜設定した音源距離(例えば1m)を用いて、音源位置(ζ0, η0)を定めることができる。また、前述のように円板の直径2aと音像定位の強調度とを関係づけることができる。したがって、音源位置(ζ0, η0)や円板半径aを定めて(式5)及び(式6)に従って算出された音響伝達特性を、音像方向及び定位感の強調度に対応づけることができる。
図12乃至14は、本変形例に係る音響伝達特性の一例を示す図である。図12乃至図14において、横軸は音響伝達特性の周波数[Hz]、縦軸は音響伝達特性のゲイン[dB]を表している。図12は、円板の直径2a=20cmについて、音源位方向を0°から180°まで30°おきに変化させて、(式5)及び(式6)に従って算出された音響伝達特性を示している。図13は、円板の直径2a=10cmについて、音源位方向を0°から180°まで30°おきに変化させて、(式5)及び(式6)に従って算出された音響伝達特性を示している。図14は、円板の直径2a=5cmの3パターンのそれぞれについて音源位方向を0°から180°まで30°おきに変化させて、(式5)及び(式6)に従って算出された音響伝達特性を示している。
図12乃至図14を参照すると、同一の音像方向について円板の直径が大きくなるにつれてディップの周波数が低周波数側に近づいている。すなわち、実測した円板の音響伝達特性と同様の傾向を示していることがわかる。例えば、音源位方向を0°の音響伝達特性のディップに注目すると、図12(円板の直径2a=20cm)ではディップが3000Hz程度に位置しているのに対し、図13(円板の直径2a=10cm)では6000Hz程度、図14(円板の直径2a=5cm)では、10000Hz程度に位置することがわかる。
(第二の実施形態)
図15は、第二の実施形態に係る音像定位装置を示す図である。図15の音像定位装置は、補正部70をさらに備える点で、図1の音像定位装置とは異なる。
遮蔽板の音響伝達特性を用いる場合には、遮蔽板の中心点付近の音圧レベルが最小となるスピーカ設置方向θは、後方180°とは限らない。円板の場合には、図8に示すようにθ=130°〜150°付近のときに音圧レベルが最小となる。
一方で、ヒトの聴覚特性においては、前後方向の定位情報が付与されたオーディオ信号の音圧レベルは、音像方向が後方180°のときに最小となるのが望ましい。この差異が生じる最大の原因は、ヒトの耳介が頭部に付随しているのに対し、耳介を模擬する遮蔽板は空間内に孤立しているためであると考えられる。すなわち、遮蔽板の音響伝達特性の測定の際、スピーカ設置方向θが後方180°のとき、スピーカ520、遮蔽板530、マイク510が一直線に並ぶため、遮蔽板530の周囲を回り込んだ音波どうしがマイク510の位置でちょうど重なり合い、遮蔽板の中心点付近の音圧レベルが最小とはならない。一方、ヒトの真後ろから音が到来する場合、耳介の周囲を回り込んだ音どうしは頭部に遮られるので重なり合わず、耳に届く音の音圧レベルが最小となる。
補正部70は、上記の差異を補正するために、例えば、方向指定情報、強調度指定情報が入力されたタイミングで、前後方向の定位情報が付与されたオーディオ信号である第2音響信号の音圧レベルが、音像方向180°のときに最小となるように方向指定情報に含まれる音像方向φを補正して、補正された新たな音像方向θを得る。この新たな音像方向θは記憶部10に格納される。具体的には補正部70は、方向指定情報に含まれる音像方向φを用いて、次式に従い、補正された新たな音像方向θを算出する。なお、θ0としては、遮蔽板の中心点付近の音圧レベルが最小となるスピーカ設置方向を事前に調べておくことで、この際のスピーカ設置方向を予め記憶部10に格納しておくことができる。本実施形態では、例えばθ0=140°とする。
Figure 2014017813
選択部20は、補正部70が補正した新たな音像方向θに基づいて、記憶部10から新たな音像方向θに最も適合する音響伝達特性を適合音響伝達特性として選択する。
本実施形態の音像定位装置によれば、音像方向が後方180°のときに前後方向の定位情報が付与されたオーディオ信号である第2音響信号の音圧レベルが最小となるので、ヒトの聴覚特性に適合した前後方向の音像定位処理が可能となる。
(第三の実施形態)
図16は、第三の実施形態に係る音像定位装置を示す図である。図16の音像定位装置は、図15の音像定位装置の選択部20の代わりに選択部80を備えている。
選択部80は、記憶部10に格納された新たな音像方向θ及び方向指定情報に含まれる元の音像方向φを参照する。選択部80は、記憶部10に格納された音響伝達特性を参照して、新たな音像方向θに最も適合する音響伝達特性の複素周波数特性の絶対値と、元の音像方向φに最も適合する音響伝達特性の複素周波数特性の位相角とを抽出し、抽出した絶対値及び位相角を併せて新たな音響伝達特性を得る。選択部80は、得た新たな音響伝達特性を適合音響伝達特性として第1演算部30に供給する。
第1演算部30は、選択部20が得た適合音響伝達特性を第1音響信号に対して畳み込み演算することで第2音響信号を得る。
これは、前述の通り、音像方向の補正は音像方向が後方180°のときに第2音響信号の音圧レベルを最小とすることが目的なので、音響伝達特性の複素周波数特性の絶対値のみを補正すればよく、必ずしも位相角を補正する必要はないからである。また、ヒトの聴覚は低音域の位相特性によって敏感に音像方向を判断するので、位相特性は本来の音像方向に基づいたほうが、自然な音像方向の定位が実現できる。したがって、本変形例によれば、より自然な音像方向の定位が実現できる。
(第四の実施形態)
左右方向の音像定位のために使用する両耳間強度差及び両耳間時間差は、(式3)で表される、聴取者の耳介や頭部の存在を無視した音源から両耳までの直線距離に基づく方法以外にも、考えることができる。例えば、頭部の形状を球形と近似することで、第2演算部40は、球体の音響伝達特性に基づいて両耳間強度差及び両耳間位相差を算出することができる。なお、両耳間時間差と両耳間位相差は周波数を介して相互に変換可能な情報である。球体の音響伝達特性Hは次式のようにVに比例した周波数特性として表される。
Figure 2014017813
以下、図17を参照して、球体の音響伝達特性に基づいて両耳間強度差及び両耳間位相差を算出する方法を述べる。聴取者の右耳は、聴取者前方から測って右90°の方向に付いていると仮定し、左耳は、聴取者前方から測って左90°の方向に付いていると仮定する。例えば、聴取者前方から測って左30°の方向を音像方向とする。このとき、右耳から見れば、音像方向は左120°である。第2演算部40は、θ0を左120°とし、r0を適宜設定した音源距離(例えば1m)として上式に従って計算し、右耳からみた球体の音響伝達特性HRを算出する。一方、左耳から見れば、音像方向は右60°である。第2演算部40は、θ0を右60°とし、r0を適宜設定した音源距離(例えば1m)として上式に従って計算し、左耳からみた球体音響伝達特性HLを算出する。最後に、算出された左右の耳からみた球体の音響伝達特性の強度差及び位相差を計算し、これを両耳間強度差及び両耳間位相差とする。具体的には、両耳間強度差はHLとHRの比の絶対値|HR/HL|であり、両耳間位相差はHLとHRの比の位相角arg(HR/HL)である。
この方法によれば、聴取者の耳介や頭部の存在を無視した(式3)で表される方法と比較して、球形に近似した聴取者の頭部の存在を考慮しているために両耳間強度差及び両耳間位相差がより大きくなり、より際立った左右方向の定位感を実現することができる。
さらに、両耳間強度差及び両耳間位相差の大きさを調節するために、球体の音響伝達特性の理論式における球体半径aを任意の大きさに変更してもよい。球体半径aが大きければ大きいほど、両耳間強度差及び両耳間位相差が大きくなり、左右方向の定位感が強調される。
図18は、球体の直径2a=50cm、20cm、8cmの3パターンのそれぞれについて音源位置を0°から180°まで30°おきに変化させて、(式9)及び(式10)に従って算出された球体の音響伝達特性(オーバーオール)のゲインの一例を示す図である。図18は、各球体(直径2a=50cm、20cm、8cm)の音響伝達特性の全ての周波数帯域に渡るエネルギーの合計により得られる音響伝達特性のゲインとして得られる。
図18に示すように、球体の効果により、音源方向θが前方(0°〜90°)のときはゲインが増加し、後方(90°〜180°)のときは減少する。また、球体の直径が大きいほどその効果は大きくなり、ゲインの変化量が大きくなる。特に後方(90°〜180°)において顕著な効果を示すことがわかる。
このゲインの変化量が音像の定位感の強調度に影響を与えるものと考えられる。したがって、定位感の強調度を調整するためには、同一の音像方向に対応するゲインを変化させればよい。すなわち、同一の音像方向に対応する直径の異なる球体から得られる音響伝達特性を適宜選択することで、定位感の強調度を調整することが可能となる。
例えば、球体直径2aを50cm、20cm、8cmの3種類とし、それぞれを強調度大、中、小に対応付けることができる。この強調度は、入力部50から強調度指定情報として入力されて取得してもよい。また、ここで述べた左右方向の定位感の強調度と、遮蔽板の大きさによって調節される前後方向の定位感の強調度とは、共通のパラメータとして取得してもよいし、各々を別々のパラメータとして取得してもよい。
なお、図18に示すように、球体の音響伝達特性のゲインは音源方向θがθ=140°〜160°付近のときに最小となる。一方で、ヒトの聴覚特性においては、左右方向の定位情報が付与された左右各耳へのオーディオ信号の音圧レベルは、音像方向が各耳の反対側180°のときに最小となるのが望ましい。この差異が生じる最大の原因は、ヒトの頭部に耳介が付随しているのに対し、頭部を近似する球体は空間内に孤立しているためであると考えられる。すなわち、球体の音響伝達特性において音源方向θが耳の反対側180°のとき、音源・球体・耳位置が一直線に並ぶため、球体の周囲を回り込んだ音波どうしが耳位置でちょうど重なり合い、ゲインが最小とはならない。一方、ヒトの耳の反対側から音が到来する場合、頭部の周囲を回り込んだ音どうしは耳介などに遮られるので重なり合わず、耳に届く音の音圧レベルが最小となる。
上記の差異を補正するために、左右方向の定位情報が付与されたオーディオ信号である第3音響信号及び第4音響信号の音圧レベルが、各耳の反対側180°のときに最小となるように音像方向を補正して、補正された新たな音像方向を用いて球体の音響伝達特性を計算してもよい。
例として、第3音響信号が聴取者の左耳へ、第4音響信号が聴取者の右耳へ呈示されるものとする。この場合は、音像方向が右方のときに左耳へ呈示される第3音響信号の音圧レベルが最小となるように、かつ、音像方向が左方のときに右耳へ呈示される第4音響信号の音圧レベルが最小となるように、音像方向を補正する。この場合、音像方向が左方のときには第3音響信号の音圧レベルが最大になり、音像方向が右方のときには第4音響信号の音圧レベルが最大になり、両者が同時に成立することは自明である。なぜなら、右耳からみた球体音響伝達特性HRと左耳からみた球体音響伝達特性HLは音像方向について左右対称の特性であり、かつ、第3音響信号と第4音響信号の間には両耳間強度差|HR/HL|が付与されているからである。
具体的には、左右各耳からみた音像方向φを用いて、次式に従い、補正された新たな音像方向θを算出する。なお、θminとしては、球体の音響伝達特性のゲインが最小となる音源方向を事前に調べておくことで、この際の音源方向を予め記憶部10に格納しておくことができる。本実施形態では、例えばθmin=150°とする。
Figure 2014017813
以上のように球体の音響伝達特性の算出に用いる音像方向を補正すれば、音像方向が各耳の反対側180°のときに左右方向の定位情報が付与されたオーディオ信号である第3音響信号及び第4音響信号の音圧レベルが最小となるので、ヒトの聴覚特性に適合した左右方向の音像定位処理が可能となる。
(第四の実施形態の変形例)
第2演算部40は、頭部伝達関数を用いて両耳間強度差及び両耳間時間差を算出してもよい。頭部伝達関数として、聴取者自身の頭部の形状に基づく頭部伝達関数を用いることや、代表的なヒトの頭部形状を模して作成された疑似頭に基づく頭部伝達関数を用いることや、聴取者とは異なる他人の頭部の形状に基づく頭部伝達関数を用いることができる。頭部伝達関数には、ヒトが音像方向を判断するための周波数特性上の手がかりが多く含まれているので、よりリアリティの高い仮想音像を定位させることができる。また、本実施形態における遮蔽板の音響伝達特性を用いた前後方向の音像定位の効果を追加することにより、頭部伝達関数を用いた一般的な音像定位装置と比較して、前後方向の定位感の強調度を調整する機能を追加することができる。
頭部伝達関数は、ひとつの音像方向に対して、左耳用と右耳用の一対の音響伝達特性で表される。この一対の音響伝達特性の強度差及び位相差を両耳間強度差及び両耳間位相差として使用することにより、左右方向の音像定位が可能である。すなわち、左耳用の頭部伝達関数をHL、右耳用の頭部伝達関数をHRとすると、両耳間強度差はHLとHRの比の絶対値|HR/HL|とし、両耳間位相差はHLとHRの比の位相角arg(HR/HL)とする。
(その他の変形例)
音響伝達特性としては、一部の周波数帯域の情報を利用してもよい。例えば、遮蔽板の大きさよりも十分に波長の長い音は、遮蔽板の有無によってほとんど影響を受けないため、低い周波数の音響伝達特性の値は1(0dB)に近くなる。そのため、音響伝達特性は低周波数成分(例えば、500Hz以下)の情報を含まなくてもよい。また、例えば、ヒトの可聴周波数の上限付近(およそ20kHz)の周波数成分は、オーディオ信号に含まれていないことも多いうえ、音響伝達特性の測定に使用するスピーカやマイクの性能によっては十分な精度で音響伝達特性を測定できない。そのため、音響伝達特性は高周波数成分(例えば、17kHz以上)の情報を含まなくてもよい。
第一の実施形態または第二の実施形態の変形例に係る音像定位装置に用いられる記憶部10は、音響伝達特性の一部の周波数領域(500Hzから17kHz)のみを記憶する。
第1演算部30は、オーディオ信号に対して、記憶部10が記憶する音響伝達特性の一部の周波数領域(500Hzから17kHz)のみを畳み込み演算する。
これにより、記憶部10に記憶する音響伝達特性の周波数特性の情報量を削減し、記憶のためのハードウェア資源を節約することができる。また、音像定位処理を行う必要の無い周波数帯域のオーディオ信号を処理せずにそのまま出力するので、オーディオ信号の不要な劣化を防ぐことができる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態の音像定位装置によれば、音像の定位感の強調度を容易に調整することが可能となる。
これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、様々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同時に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10・・・記憶部
20、80・・・選択部
30・・・第1演算部
40・・・第2演算部
50・・・入力部
60・・・出力部
70・・・補正部
100・・・記憶装置
200・・・演算処理装置
510・・・マイク
520・・・スピーカ
530・・・遮蔽板

Claims (17)

  1. 音像方向及び定位感の強調度に対応付けられた音響伝達特性を複数記憶する記憶部と、
    前記音像方向を指定するための方向指定情報及び前記強調度を指定するための強調度指定情報を用いて、前記方向指定情報が指定する音像方向及び前記強調度指定情報が指定する強調度に最も適合する音響伝達特性を適合音響伝達特性として選択する選択部と、
    第1音響信号に対して前記適合音響伝達特性を畳み込み演算することで第2音響信号を得る第1演算部と、
    を備える音像定位装置。
  2. 前記記憶部は、第1音像方向に対応付けられ、第1周波数にディップを有する第1音響伝達特性及び第2音像方向に対応付けられ、第2周波数にディップを有する第2音響伝達特性を含む第1音響伝達特性群と、前記第1音像方向に対応付けられ、前記第1周波数より低い第3周波数にディップを有する第3音響伝達特性及び前記第2音像方向に対応付けられ、前記第2周波数より低い第4周波数にディップを有する第4音響伝達特性を含む第2音響伝達特性群とを記憶し、
    前記選択部は、前記強調度指定情報を用いて前記第1音響伝達特性群または前記第2音響伝達特性群のいずれかを選択し、前記方向指定情報を用いて当該選択された第1音響伝達特性群または第2音響伝達特性群から前記方向指定情報が指定する音像方向に対応付けられた音響伝達特性を前記適合音響伝達特性として選択する、請求項1に記載の音像定位装置。
  3. 前記音像方向は、聴取者を中心とし、前記聴取者が向く方向である前方を0°、後方を180°として表される角度を含み、
    前記音像方向が180°のときに前記第2音響信号の音圧レベルが最小となるように前記音像方向を補正して、新たな音像方向を得る補正部をさらに備え、
    前記選択部は、前記新たな音像方向に最も適合する前記音響伝達特性を前記適合音響伝達特性として選択する、請求項1または2に記載の音像定位装置。
  4. 前記音響伝達特性は、複素周波数特性の絶対値及び位相角を含むものであって、
    前記選択部は、前記補正部が補正した前記新たな音像方向に最も適合する前記音響伝達特性の複素周波数特性の絶対値と、前記補正部が補正する以前の前記音像方向に最も適合する前記音響伝達特性の複素周波数特性の位相角とを複素周波数特性とする音響伝達特性を前記適合音響伝達特性として得る、請求項3に記載の音像定位装置。
  5. 音像距離を指定するための距離指定情報を用いて、位相差情報及び強度差情報を演算し、前記位相差情報及び前記強度差情報を用いて、前記第2音響信号に対して位相差及び強度差が付与された第3音響信号及び第4音響信号を得る第2演算部をさらに備える、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の音像定位装置。
  6. 聴取者が前記強調指定情報を入力する入力部と、
    前記第3音響信号及び前記第4音響信号を出力する出力部と、
    をさらに備え、
    前記選択部は、前記強調指定情報を前記入力部から得る、請求項5に記載の音像定位装置。
  7. 前記音像方向は、扁球座標系における音像位置に対応付けられるものであって、
    前記記憶部は、次式Hに従う周波数特性を前記音響伝達特性として記憶する、請求項1に記載の音像定位装置。
    Figure 2014017813
  8. 前記音像方向は、球座標系における音像位置に対応付けられるものであって、
    前記第2演算部は、次式Hに従う周波数特性を用いて、前記位相差情報及び前記強度差情報を演算する、請求項5に記載の音像定位装置。
    Figure 2014017813
  9. 前記記憶部は、頭部伝達関数をさらに記憶し、
    前記第2演算部は、前記頭部伝達関数を用いて、前記位相差情報及び前記強度差情報を演算する、請求項5に記載の音像定位装置。
  10. 前記第1演算部は、前記第1音響信号に対して前記適合音響伝達特性の一部の周波数帯域のみを畳み込み演算する、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の音像定位装置。
  11. 音像方向及び定位感の強調度に対応付けられた複数の音響伝達特性を記憶する記憶部を備える音像定位装置における音像定位方法であって、
    選択部が、前記音像方向を指定するための方向指定情報及び前記強調度を指定するための強調度指定情報を用いて、前記方向指定情報が指定する音像方向及び前記強調度指定情報が指定する強調度に最も適合する音響伝達特性を適合音響伝達特性として選択する第1ステップと、
    第1演算部が、第1音響信号に対して前記適合音響伝達特性を畳み込み演算することで第2音響信号を得る第2ステップと、
    を有する音像定位方法。
  12. 前記音像方向は、聴取者を中心とし、前記聴取者が向く方向である前方を0°、後方を180°として表される角度を含み、
    補正部が、前記音像方向が180°のときに前記第2音響信号の音圧レベルが最小となるように前記音像方向を補正して、新たな音像方向を得る第3ステップをさらに有し、
    前記第1ステップは、前記新たな音像方向に最も適合する前記音響伝達特性を前記適合音響伝達特性として選択する、請求項11に記載の音像定位方法。
  13. 前記音響伝達特性は、複素周波数特性の絶対値及び位相角を含むものであって、
    第3演算部が、前記第3ステップにおいて補正された前記新たな音像方向に最も適合する前記音響伝達特性の複素周波数特性の絶対値と、前記第3ステップにおいて補正される以前の前記音像方向に最も適合する前記音響伝達特性の複素周波数特性の位相角とを複素周波数特性とする音響伝達特性を得る第4ステップをさらに有し、前記第3演算部が得た前記音響伝達特性を前記適合音響伝達特性として選択する、請求項12に記載の音像定位方法。
  14. 第2演算部が、音像距離を指定するための距離指定情報を用いて、位相差情報及び強度差情報を演算し、前記位相差情報及び前記強度差情報を用いて、前記第2音響信号に対して位相差及び強度差が付与された第3音響信号及び第4音響信号を得る第4ステップを有する請求項11乃至13のいずれか1項に記載の音像定位方法。
  15. 前記音像方向は、扁球座標系における音像位置に対応付けられるものであって、
    前記記憶部に、次式Hに従う周波数特性を前記音響伝達特性として記憶する第5ステップを有する、請求項11に記載の音像定位方法。
    Figure 2014017813
  16. 前記音像方向は、球座標系における音像位置に対応付けられるものであって、
    前記第4ステップは、次式Hに従う周波数特性を用いて、前記位相差情報及び前記強度差情報を演算する、請求項14に記載の音像定位方法。
    Figure 2014017813
  17. 前記記憶部に、頭部伝達関数をさらに記憶する第6ステップをさらに有し、
    前記第4ステップは、前記頭部伝達関数を用いて、前記位相差情報及び前記強度差情報を演算する、請求項14に記載の音像定位方法。
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