JP6701824B2 - 測定装置、フィルタ生成装置、測定方法、及びフィルタ生成方法 - Google Patents
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Description
本発明は、測定装置、フィルタ生成装置、測定方法、及びフィルタ生成方法に関する。
音像定位技術として、ヘッドホンを用いて受聴者の頭部の外側に音像を定位させる頭外定位技術がある。頭外定位技術では、ヘッドホンから耳までの特性をキャンセルし、ステレオスピーカから耳までの4本の特性を与えることにより、音像を頭外に定位させている。
頭外定位再生においては、2チャンネル(以下、chと記載)のスピーカから発した測定信号(インパルス音等)を聴取者本人の耳に設置したマイクロフォン(以下、マイクとする)で録音する。そして、インパルス応答から頭部伝達関数を算出して、フィルタを作成する。作成したフィルタを2chのオーディオ信号に畳み込むことにより、頭外定位再生を実現することができる。
特許文献1には、個人化された室内インパルス応答のセットを取得する方法が開示されている。特許文献1では、聴取者の各耳の近くにマイクを設置している。そして、スピーカを駆動した時のインパルス音を、左右のマイクが録音する。
従来、スピーカなどの音源が設置された専用の測定室、及び専用の機材を用いて測定が行われていた。しかしながら、昨今のメモリ容量の増大や演算速度の高速化に伴い、受聴者がパーソナルコンピュータ(PC)等を用いて、インパルス応答測定を行うことが可能となっている。受聴者がPC等を用いてインパルス応答測定を行う場合、以下に示す問題点がある。
インパルス応答測定では、S/N比を向上させるために、同じ条件でのインパルス応答測定を複数回行い、測定された信号を同期加算している(特許文献2)。同期加算を行う場合、各測定において、スピーカから測定信号を出力するタイミングと、マイクが測定信号を収音するタイミングと、を同期させる必要がある。
一般的なPC用音響デバイスは、入力と出力のクロックが同期している。このため、一旦測定を開始すると、停止するまでデバイスの持つ遅延量は変化しない。つまり、ある信号音(インパルス音)を含む測定信号を出力すると、ある遅延量をもって信号音がマイクで収音される。周期的に信号音を出すようにリピート再生させると、決められた周期で信号音が出力されるのが通常である。
ところが、安価な音響デバイスを使用すると、周期的に信号音を出力しても、各信号音の遅延量が異なる場合がある。このため、一定の周期で信号音が再生されない、ということが起こる。例えば、マルチタスクの制御が音響デバイス優先となっておらず、他のタスクを実行してから音が出力される理由が考えられる。よって、測定に不可欠な同期加算ができず、正確な伝達特性が測定できないという問題点がある。
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、適切に伝達特性を測定することができる測定装置、フィルタ生成装置、測定方法、及びフィルタ生成方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様にかかる測定装置は、時間間隔を空けて連続する複数の信号音を含む測定信号を出力するスピーカと、前記スピーカから出力された前記測定信号を収音して、収音信号を取得するマイクと、前記収音信号に基づいて、伝達特性を測定する測定部と、を備え、前記測定部は、収音信号に含まれる正負のピークを検出するピーク検出部と、ピーク検出部で検出された前記正負のピークでの振幅に基づいて、正又は負の符号を決定する符号決定部と、決定された符号の前記ピークから構成されるピーク配列を複数のピーク群に分割する分割部と、前記複数のピーク群毎の最大振幅を検出する最大振幅検出部と、前記最大振幅に基づいた切り出しタイミングで、前記収音信号を切り出して、複数の切り出し信号を生成する切り出し部と、前記複数の切り出し信号を加算する信号加算部を備えたものである。
本発明の一態様にかかる測定方法は、スピーカから出力された測定信号をマイクで収音することで伝達特性を測定する測定方法であって、前記スピーカから時間間隔を空けて連続する複数の信号音を含む測定信号を出力するステップと、前記スピーカから出力された前記測定信号をマイクで収音して、収音信号を取得するステップと、前記収音信号に含まれる正負のピークを検出するピーク検出ステップと、ピーク検出部で検出された前記正負のピークでの振幅に基づいて、正又は負の符号を決定する符号決定ステップと、決定された符号の前記ピークから構成されるピーク配列を複数のピーク群に分割する分割ステップと、前記複数のピーク群毎の最大振幅を検出する最大振幅検出ステップと、前記最大振幅に基づいた切り出しタイミングで、前記収音信号を切り出して、複数の切り出し信号を生成する切り出しステップと、前記複数の切り出し信号を加算する信号加算ステップと、を含むものである。
本発明によれば、適切に伝達特性を測定することができる測定装置、フィルタ生成装置、測定方法、及びフィルタ生成方法を提供することができる。
本実施の形態では、測定装置によって、スピーカからマイクまでの伝達特性を測定している。そして、測定装置で測定された伝達特性に基づいて、フィルタ生成装置がフィルタを生成している。
本実施の形態にかかるフィルタ生成装置で生成したフィルタを用いた音像定位処理の概要について説明する。ここでは、音像定位処理装置の一例である頭外定位処理について説明する。本実施形態にかかる頭外定位処理は、個人の空間音響伝達特性(空間音響伝達関数ともいう)と外耳道伝達特性(外耳道伝達関数ともいう)を用いて頭外定位処理を行うものである。本実施形態では、スピーカから聴取者の耳までの空間音響伝達特性、及びヘッドホンを装着した状態での外耳道伝達特性を用いて頭外定位処理を実現している。
本実施の形態では、ヘッドホン装着状態でのヘッドホンスピーカユニットから外耳道入口までの特性である外耳道伝達特性が利用されている。そして、外耳道伝達特性の逆特性(外耳道補正関数ともいう)を用いて畳み込み処理を行うことで、外耳道伝達特性をキャンセルすることができる。
本実施の形態にかかる頭外定位処理装置は、パーソナルコンピュータ、スマートホン、タブレットPCなどの情報処理装置であり、プロセッサ等の処理手段、メモリやハードディスクなどの記憶手段、液晶モニタ等の表示手段、タッチパネル、ボタン、キーボード、マウスなどの入力手段、ヘッドホン又はイヤホンを有する出力手段を備えている。
実施の形態1.
本実施の形態にかかる音場再生装置の一例である頭外定位処理装置100を図1に示す。図1は、頭外定位処理装置のブロック図である。頭外定位処理装置100は、ヘッドホン43を装着するユーザUに対して音場を再生する。そのため、頭外定位処理装置100は、LchとRchのステレオ入力信号XL、XRについて、音像定位処理を行う。LchとRchのステレオ入力信号XL、XRは、CD(Compact Disc)プレーヤなどから出力されるオーディオ再生信号である。なお、頭外定位処理装置100は、物理的に単一な装置に限られるものではなく、一部の処理が異なる装置で行われてもよい。例えば、一部の処理がパソコンなどにより行われ、残りの処理がヘッドホン43に内蔵されたDSP(Digital Signal Processor)などにより行われてもよい。
本実施の形態にかかる音場再生装置の一例である頭外定位処理装置100を図1に示す。図1は、頭外定位処理装置のブロック図である。頭外定位処理装置100は、ヘッドホン43を装着するユーザUに対して音場を再生する。そのため、頭外定位処理装置100は、LchとRchのステレオ入力信号XL、XRについて、音像定位処理を行う。LchとRchのステレオ入力信号XL、XRは、CD(Compact Disc)プレーヤなどから出力されるオーディオ再生信号である。なお、頭外定位処理装置100は、物理的に単一な装置に限られるものではなく、一部の処理が異なる装置で行われてもよい。例えば、一部の処理がパソコンなどにより行われ、残りの処理がヘッドホン43に内蔵されたDSP(Digital Signal Processor)などにより行われてもよい。
頭外定位処理装置100は、頭外定位処理部10と、フィルタ部41、フィルタ部42、及びヘッドホン43を備えている。
頭外定位処理部10は、畳み込み演算部11〜12、21〜22、及び加算器24、25を備えている。畳み込み演算部11〜12、21〜22は、空間音響伝達特性を用いた畳み込み処理を行う。頭外定位処理部10には、CDプレーヤなどからのステレオ入力信号XL、XRが入力される。頭外定位処理部10には、空間音響伝達特性が設定されている。頭外定位処理部10は、各chのステレオ入力信号XL、XRに対し、空間音響伝達特性を畳み込む。空間音響伝達特性はユーザU本人の頭部や耳介で測定した頭部伝達関数HRTFでもよいし、ダミーヘッドまたは第三者の頭部伝達関数であってもよい。これらの伝達特性は、その場で測定してもよいし、予め用意してもよい。
空間音響伝達特性は、4つの伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsを有している。4つの伝達特性は、後述するフィルタ生成装置を用いて求めることができる。
そして、畳み込み演算部11は、Lchのステレオ入力信号XLに対して伝達特性Hlsを畳み込む。畳み込み演算部11は、畳み込み演算データを加算器24に出力する。畳み込み演算部21は、Rchのステレオ入力信号XRに対して伝達特性Hroを畳み込む。畳み込み演算部21は、畳み込み演算データを加算器24に出力する。加算器24は2つの畳み込み演算データを加算して、フィルタ部41に出力する。
畳み込み演算部12は、Lchのステレオ入力信号XLに対して伝達特性Hloを畳み込む。畳み込み演算部12は、畳み込み演算データを、加算器25に出力する。畳み込み演算部22は、Rchのステレオ入力信号XRに対して伝達特性Hrsを畳み込む。畳み込み演算部22は、畳み込み演算データを、加算器25に出力する。加算器25は2つの畳み込み演算データを加算して、フィルタ部42に出力する。
フィルタ部41、42には外耳道伝達特性をキャンセルする逆フィルタが設定されている。そして、頭外定位処理部10での処理が施された再生信号に逆フィルタを畳み込む。フィルタ部41で加算器24からのLch信号に対して、逆フィルタを畳み込む。同様に、フィルタ部42は加算器25からのRch信号に対して逆フィルタを畳み込む。逆フィルタは、ヘッドホン43を装着した場合に、ヘッドホンユニットからマイクまでの特性をキャンセルする。すなわち、外耳道入口にマイクを配置したとき、ユーザ各人の外耳道入口とヘッドホンの再生ユニット間、あるいは鼓膜とヘッドホンの再生ユニット間の伝達特性をキャンセルする。逆フィルタは、ユーザU本人の耳介で外耳道伝達関数をその場で測定した結果から算出してもよいし、ダミーヘッド等の任意の外耳道伝達関数から算出したヘッドホン特性の逆フィルタを予め用意してもよい。
フィルタ部41は、補正されたLch信号をヘッドホン43の左ユニット43Lに出力する。フィルタ部42は、補正されたRch信号をヘッドホン43の右ユニット43Rに出力する。ユーザUは、ヘッドホン43を装着している。ヘッドホン43は、Lch信号とRch信号をユーザUに向けて出力する。これにより、ユーザUの頭外に定位された音像を再生することができる。
(フィルタ生成装置)
図2を用いて、空間音響伝達特性(以下、伝達特性とする)を測定して、フィルタを生成するフィルタ生成装置について説明する。図2は、フィルタ生成装置200の測定構成を模式的に示す図である。なお、フィルタ生成装置200は、図1に示す頭外定位処理装置100と共通の装置であってもよい。あるいは、フィルタ生成装置200の一部又は全部が頭外定位処理装置100と異なる装置となっていてもよい。なお、フィルタ生成装置200は、後述するように、伝達特性の測定装置、あるいは測定部としても機能する。
図2を用いて、空間音響伝達特性(以下、伝達特性とする)を測定して、フィルタを生成するフィルタ生成装置について説明する。図2は、フィルタ生成装置200の測定構成を模式的に示す図である。なお、フィルタ生成装置200は、図1に示す頭外定位処理装置100と共通の装置であってもよい。あるいは、フィルタ生成装置200の一部又は全部が頭外定位処理装置100と異なる装置となっていてもよい。なお、フィルタ生成装置200は、後述するように、伝達特性の測定装置、あるいは測定部としても機能する。
図2に示すように、フィルタ生成装置200は、ステレオスピーカ5とステレオマイク2を有している。ステレオスピーカ5が測定環境に設置されている。測定環境は、音響特性が考慮されていない環境(例えば部屋の形状が左右非対称等)や、ノイズとなる環境音が発生している環境となっている。より具体的には、測定環境は、ユーザUの自宅の部屋やオーディオシステムの販売店舗やショールーム等でもよい。また、測定環境が音響特性を考慮していないレイアウトとなっていることがある。自宅の部屋では、家具などが左右非対称に配置されていることもある。スピーカが部屋に対して左右対称に配置されていないこともある。さらに、窓、壁面、床面、天井面からの反射による不要な残響が発生することもある。本実施の形態では、理想的ではない測定環境であっても、適切な伝達特性を測定するための処理を行っている。
本実施の形態では、フィルタ生成装置200の処理装置(図2では不図示)が、適切な伝達特性を測定するための演算処理を行っている。処理装置は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレット端末、スマートホン等である。
ステレオスピーカ5は、左スピーカ5Lと右スピーカ5Rを備えている。例えば、受聴者1の前方に左スピーカ5Lと右スピーカ5Rが設置されている。左スピーカ5Lと右スピーカ5Rは、インパルス応答測定を行うためのインパルス音等を出力する。
ステレオマイク2は、左のマイク2Lと右のマイク2Rを有している。左のマイク2Lは、受聴者1の左耳9Lに設置され、右のマイク2Rは、受聴者1の右耳9Rに設置されている。具体的には、左耳9L、右耳9Rの外耳道入口又は鼓膜位置にマイク2L、2Rを設置することが好ましい。マイク2L、2Rは、ステレオスピーカ5から出力された測定信号を収音して、収音信号を取得する。マイク2L、2Rは収音信号を後述するフィルタ生成装置200に出力する。受聴者1は、人でもよく、ダミーヘッドでもよい。すなわち、本実施形態において、受聴者1は人だけでなく、ダミーヘッドを含む概念である。
上記のように、左右のスピーカ5L、5Rで出力されたインパルス音をマイク2L、2Rで測定することでインパルス応答が測定される。フィルタ生成装置200は、インパルス応答測定に基づいて取得した収音信号をメモリなどに記憶する。これにより、左スピーカ5Lと左マイク2Lとの間の伝達特性Hls、左スピーカ5Lと右マイク2Rとの間の伝達特性Hlo、右スピーカ5Lと左マイク2Lとの間の伝達特性Hro、右スピーカ5Rと右マイク2Rとの間の伝達特性Hrsが測定される。すなわち、左スピーカ5Lから出力された測定信号を左マイク2Lが収音することで、伝達特性Hlsが取得される。左スピーカ5Lから出力された測定信号を右マイク2Rが収音することで、伝達特性Hloが取得される。右スピーカ5Rから出力された測定信号を左マイク2Lが収音することで、伝達特性Hroが取得される。右スピーカ5Rから出力された測定信号を右マイク2Rが収音することで、伝達特性Hrsが取得される。
そして、フィルタ生成装置200は、収音信号に基づいて、左右のスピーカ5L、5Rから左右のマイク2L、2Rまでの伝達特性Hls〜Hrsに応じたフィルタを生成する。具体的には、フィルタ生成装置200は、伝達特性Hls〜Hrsを所定のフィルタ長で切り出して、頭外定位処理部10の畳み込み演算に用いられるフィルタとして生成する。図1で示したように、頭外定位処理装置100が、左右のスピーカ5L、5Rと左右のマイク2L、2Rとの間の伝達特性Hls〜Hrsを用いて頭外定位処理を行う。すなわち、伝達特性をオーディオ再生信号に畳み込むことにより、頭外定位処理を行う。
ここで、様々な測定環境で伝達特性を測定した場合に生じる問題について説明する。まず、理想的な測定環境において、インパルス応答測定した場合の収音信号の信号波形を測定例1として、図3、図4に示す。なお、図3、図4、及び後述の図に示す信号波形において、横軸がサンプル数であり、縦軸が振幅となっている。なお、サンプル数は測定開始からの時間に対応するものであり、測定開始タイミングを0としている。振幅は、マイク2L、2Rで取得した収音信号の信号強度、あるいは音圧に対応するものであり、正または負の符号を有する。
測定例1では、反響がない無響室に耳介のない人頭とみなした剛球を配置して、測定を行っている。測定環境となる無響室において、剛球の前方には、左右対称に左右のスピーカ5L、5Rが配置されている。また、剛球に対して人頭の耳に相当する部分に左右対称にマイクを設置している。
このような理想的な測定環境でインパルス測定を行った場合、図3、図4に示すような伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsが測定される。図3は、測定例1の伝達特性Hls、Hlo、すなわち、左スピーカ5Lを駆動した時の測定結果を示している。図4は、測定例1の伝達特性Hro、Hrs、すなわち右スピーカ5Rを駆動した時の測定結果を示している。図3の伝達特性Hlsと、図4の伝達特性Hrsとは、略同じ波形となっている。すなわち、伝達特性Hlsと、伝達特性Hrsとでは、ほぼ同じタイミングにほぼ同じ大きさのピークが現われる。すなわち、左スピーカ5Lから左マイク2Lまでのインパルス音の到達時刻と、右スピーカ5Rから右マイク2Rまでのインパルス音の到達時刻が一致している。
実際の測定が行われる測定環境で測定した伝達特性を測定例2、3として、図5〜図8に示す。図5は、測定例2の伝達特性Hls、Hloを示し、図6は、測定例2の伝達特性のHro、Hrsを示している。図7は、測定例3の伝達特性Hls、Hloを示し、図8は、測定例3の伝達特性Hro、Hrsを示している。測定例2、3はそれぞれ異なる測定環境で行われた測定であり、受聴者周辺の物や、壁面、天井、床からの反響がある測定環境で行われている。
実際の測定環境が、受聴者1の自宅などの場合、パーソナルコンピュータやスマートホン等によって、ステレオスピーカ5からインパルス音を発生させる。すなわち、パーソナルコンピュータやスマートホン等の汎用の情報処理装置が音響デバイスとして用いられる。このような場合、音響デバイスの遅延量が測定毎に異なるおそれがある。例えば、音響デバイスのプロセッサでの処理や、インターフェースでの処理により信号遅延が生じる場合がある。
よって、ステレオスピーカ5の中央に剛球を設置したとしても、音響デバイスでの遅延により、左スピーカ5Lの駆動時と、右スピーカ5Rの駆動時で、応答位置(ピーク位置)が異なる。このような場合、測定例2、3に示すように、最大振幅(絶対値が最大となる振幅)が同じ時刻となるように、伝達特性を切り出している。例えば、測定例2では、伝達特性Hls、Hrsの最大振幅Aが30サンプル目となるように、伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsを切り出している。なお、測定例2で、最大振幅は、負のピークとなっている(図5、図6のA)。
しかしながら、受聴者1の左右の耳介形状が異なる場合がある。この場合、受聴者1が左右のスピーカ5L、5Rに対して左右対称な位置にいたとしても、左右の伝達特性が大きく異なってしまう。また、測定環境が左右非対称である場合も、左右の伝達特性が大きく異なってしまう。
さらに、実際の測定環境において測定を行う場合、図9、図10に示す測定例4のように、最大振幅を取るピークが2つに割れてしまうことがある。測定例4では、図10に示すように伝達特性Hrsの最大振幅Aが2つに割れている。
また、図11、図12の測定例5のように、左右の伝達特性Hls、Hrsで、最大振幅を取るピークの符号が異なる場合がある。測定例5では、伝達特性Hlsの最大振幅Aは正のピークとなり(図11)、伝達特性Hrsの最大振幅Aは負のピークとなっている(図12)。
このように、左右の伝達特性Hls、Hrsの信号波形が大きく異なると、左右のスピーカ5からの音の到達時間がずれてしまう。よって、頭外定位処理部10において畳み込み演算を行った場合、左右のバランスの良い音場を得ることができない場合がある。例えば、測定例4、測定例5の伝達特性Hls、Hrsが最大振幅を示すサンプル位置(または時刻)で揃えて切り出した伝達特性を図13、図14に示す。図13は、測定例4の伝達特性Hls、Hrsを示し、図14は、測定例5の伝達特性Hls、Hrsを示している。
図13、図14に示すように、左右の伝達特性Hls、Hrsの波形の形状が大きく異なる場合、左右のバランスの良い音場を得ることができなってしまうおそれがある。例えば、センターに定位すべきボーカル音像が左右に偏ってしまう。このように、異なるインパルス応答測定で得られた伝達特性から適切に切り出すことができない場合がある。すなわち、適切にフィルタを生成することができない場合がある。そこで、本実施の形態では、フィルタ生成装置200が以下の処理を行うことで適切な切り出しを行っている。
フィルタ生成装置200の処理装置210の構成について、図15を用いて、説明する。図15は、処理装置210の構成を示すブロック図である。処理装置210は、測定信号生成部211、収音信号取得部212、加算処理部213、直接音到達時刻探索部214、左右直接音判定部215、エラー訂正部216、及び波形切り出し部217を備えている。例えば、処理装置210は、パーソナルコンピュータ、スマートホン、タブレット端末などの情報処理装置であり、音声入力インターフェース(IF)と音声出力インターフェースを備えている。すなわち、処理装置210は、ステレオマイク2、及びステレオスピーカ5に接続される入出力端子を有する音響デバイスである。
測定信号生成部211は、D/A変換器やアンプなどを備えており、測定信号を生成する。測定信号生成部211は、生成した測定信号をステレオスピーカ5にそれぞれ出力する。左スピーカ5Lと右スピーカ5Rがそれぞれ伝達特性を測定するための測定信号を出力する。左スピーカ5Lによるインパルス応答測定と、右スピーカ5Rによるインパルス応答測定がそれぞれ行われる。
ステレオマイク2の左マイク2L、右マイク2Rがそれぞれ測定信号を収音し、収音信号を処理装置210に出力する。収音信号取得部212は、左マイク2L、右マイク2Rからの収音信号を取得する。なお、収音信号取得部212は、A/D変換器、及びアンプなどを有しており、左マイク2L、右マイク2Rからの収音信号をA/D変換、増幅などしてもよい。収音信号取得部212は、取得した収音信号を加算処理部213に出力する。
左スピーカ5Lの駆動により、左スピーカ5Lと左マイク2Lとの間の伝達特性Hlsに応じた第1の収音信号と、左スピーカ5Lと右マイク2Rとの間の伝達特性Hloに応じた第2の収音信号が同時に取得される。また、右スピーカ5Rの駆動により、右スピーカ5Rと左マイク2Lとの間の伝達特性Hroに応じた第3の収音信号と、右スピーカ5Rと右マイク2Rとの間の伝達特性Hrsに応じた第4の収音信号が同時に取得される。
加算処理部213は第1〜第4の収音信号のそれぞれに対して加算処理する。加算処理は、複数回のインパルス応答測定により取得された収音信号を切り出して、加算する処理である。加算処理を行うことで、突発的な騒音の影響を軽減することができる。例えば、加算回数は30回とすることができる。加算処理部213は収音信号を分割して、加算することで、伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsを取得する。
具体的には、左スピーカ5Lからインパルス音の複数回連続して出力した時の測定信号を左右のマイク2L、2Rが収音する。加算処理部213は、マイク2Lで収音した収音信号を切り出して加算し、加算回数で除算する。これにより、伝達特性Hlsが求められる。さらに、加算処理部213は、マイク2Rで収音した収音信号を切り出して加算し、加算回数で除算する。これにより、伝達特性Hloが求められる。
同様に、右スピーカ5Rからインパルス音の複数回連続して出力した時の収音信号を左右のマイク2L、2Rが収音する。そして、加算処理部213は、マイク2Lで収音した収音信号を切り出して加算し、加算回数で除算する。これにより、伝達特性Hroが求められる。さらに、加算処理部213は、マイク2Rで収音した収音信号を切り出して加算し、加算回数で除算する。これにより、伝達特性Hrsが求められる。
ここで、スピーカ5L、5Rから出力される測定信号は、時間間隔を空けて連続する複数の信号音を含んでいる。信号音は、例えば、インパルス音である。具体的には、受聴者1からの測定開始入力を受け付けると、左スピーカ5Lが30回のインパルス音を含む測定信号を出力する。マイク2L,2Rは、中断することなく、測定信号を収音する。すなわち、マイク2L、2Rは30回のインパルス音を含む測定信号を連続して収音する。測定信号は、インパルス音に限らず、例えばTSP(Time Stretched Pulse)音等の他の信号でもよい。
同様に受聴者1からの測定開始入力を受け付けると、右スピーカ5Rが30回のインパルス音を含む測定信号を出力する。マイク2L、2Rは、中断することなく、測定信号を収音する。すなわち、マイク2L、2Rは30回のインパルス音を含む測定信号を連続して収音する。
マイク2L、2Rは、30回のインパルス応答を含む収音信号を取得して、収音信号取得部212に出力する。収音信号取得部212は、収音信号に対してA/D変換等を施して、加算処理部213に出力する。よって、加算処理部213に入力される収音信号には、30回分のインパルス音を含んでいる。すなわち、収音信号では、30回のインパルス応答が時間間隔を空けて、連続して出現している。
なお、測定信号に含まれるインパルス音の回数は30回に限られるものでなく、2回以上であればよい。測定信号に含まれるインパルス音の回数に応じて、加算、及び除算を行えばよい。また、測定信号に含まれる信号音は、インパルス音に限られるものではない。測定信号におけるインパルス音の時間間隔は、測定環境に応じて設定しておけばよい。すなわち、次のインパルス音が出力される前に、残響等が一定レベル以下になるような時間間隔が予め設定されていればよい。
本実施の形態では、測定信号生成部211が、複数のインパルス音を含む測定信号を生成している。そして、スピーカ5は、30回のインパルス音を含む測定信号を、中断することなく出力する。すなわち、測定を開始すると、30回のインパルス音が時間間隔を空けて連続して出力される。そして、収音信号取得部212は、30回のインパルス応答を含む収音信号を加算処理部213に出力する。
そして、加算処理部213は、収音信号を切り出して、30個の切り出し信号を生成する。加算処理部213は、収音信号の一部のサンプルを切り出して、切り出し信号とする。各切り出し信号には、1回のインパルス応答が含まれている。加算処理部213は、切り出し信号のピーク位置を合わせて加算して、加算回数(30回)で除算する。このようにすることで、同期加算に相当する加算処理が行われるため、収音信号のS/N比を高くすることができる。よって、突発的なノイズの影響を軽減することができる。
以下、本実施の形態の特徴の一つである加算処理について説明する。まず、加算処理部213の構成について、図16を用いて説明する。図16は、加算処理部213の構成を示すブロック図である。加算処理部213は、ピーク検出部311と、符号決定部312と、ピーク群分割部313と、最大振幅検出部314と、信号切り出し部315と、信号加算部316とを備えている。
ピーク検出部311は収音信号に含まれる正負のピークを検出する。すなわち、ピーク検出部311は正のピークと、負のピークとを検出する。具体的には、ピーク検出部311は、収音信号から、全てのピークの振幅値と時刻を抽出する。ここで、ピークの時刻は、サンプル数iによって示されている。すなわち、マイク2の収音開始時刻をi=0として、サンプル数i(iは0以上の整数)で時刻を示すことができる。
符号決定部312は、収音信号に含まれるピークの振幅に基づいて、正または負の符号を決定する。具体的には、符号決定部312は、抽出された正のピークの最大振幅と、負のピークの最大振幅を求める。換言すると、符号決定部312は、収音信号の振幅の絶対値の最大値が、正のピークであるか、負のピークであるかを判別している。符号決定部312は、正のピークの最大振幅と負のピークの最大振幅の絶対値とを比較して、大きい方の符号を選択する。
正のピークの最大振幅が負のピークの最大振幅の絶対値よりも大きい場合、符号決定部312は、着目する符号を正とする。反対に、正のピークの最大振幅が負のピークの最大振幅の絶対値よりも小さい場合、符号決定部312は、着目する符号を負とする。もちろん、符号決定部312は、最大振幅の比較以外の方法によって、符号を決定してもよい。例えば、所定の振幅値以上のピークの数や、複数のピークの平均値等を用いて、着目する符号を決定してもよい。
そして、ピーク群分割部313は、決定された符号のピークから構成されるピーク配列を複数のピーク群に分割する。具体的には、ピーク群分割部313は、着目した符号のピークを抽出して、ピーク配列を求める。ピーク配列では、ピーク時間とピークの振幅の絶対値とが対応付けられている。さらに、ピーク群分割部313は、ピーク振幅の絶対値が、閾値未満のピークをピーク配列から除去して、ピーク配列Thdataを生成する。
そして、ピーク群分割部313は、ピークの振幅の絶対値が閾値以上のピークから、ピーク群の先頭ピークを求める。ピーク群分割部313は、ピーク配列Thdataにおいて、最も早い時刻のピーク、すなわち、最も小さいインデックスiのピークを先頭ピークとする。そして、先頭ピークから所定の時間に含まれるピークを1つのピーク群と設定する。これにより、1つ目のピーク群を求めることができる。
同様に、ピーク群分割部313は、1番目のピーク群の後において、最も早い時刻のピーク、すなわち、最も小さいインデックスiのピークを先頭ピークとする。そして、ピーク群分割部313は、先頭ピークから所定の時間に含まれるピークを1つのピーク群とする。これにより、1つ目のピーク群と2つ目のピーク群を求めることができる。ピーク群分割部313は、この処理を繰り返すことで30個のピーク群を求める。
最大振幅検出部314は、複数のピーク群毎の最大振幅を検出する。すなわち、最大振幅検出部314は、各ピーク群における最大振幅を検出する。なお、着目する符号が負の場合、最大振幅は、振幅の絶対値が最大となるピークに対応する。
信号切り出し部315は、最大振幅に基づいた切り出しタイミングで、収音信号を切り出して、複数の切り出し信号を生成する。ここでは、30個の切り出し信号が生成される。なお、複数の切り出し信号は、同じ数のサンプルから構成されている。例えば、切り出し信号は、最大振幅のサンプル数から100サンプル前を先頭として、所定数のサンプルを含む信号となる。
信号加算部316は、信号切り出し部315が切り出した切り出し信号を加算し、加算回数で割る。信号加算部316は、上記のように各切り出し信号の最大振幅が一致した状態で、切り出し信号を加算している。すなわち、切り出し信号のタイミングを揃えて、切り出し信号を加算している。これにより、30回分のインパルス応答測定を正確に平均化することができる。例えば、加算時に、正のピークと負のピークが打ち消し合うことを防ぐことができる。よって、適切に伝達特性を測定することができる。
なお、上記の加算処理は、伝達特性Hlo、Hls、Hro、Hrsのそれぞれに対して実行されてもよい。あるいは、伝達特性Hloの信号加算で求められた切り出したタイミングで、伝達特性Hlsの信号加算での切り出しタイミングを設定してもよい。同様に、伝達特性Hrsの信号加算で求められた切り出したタイミングで、伝達特性Hroの信号加算での切り出しタイミングを設定してもよい。
以下、加算処理部213における加算処理について、図17〜図24を用いて詳細に説明する。図17、図18は、加算処理部213での加算処理を示すフローチャートである。図19〜図24は、加算処理を説明するための信号波形図である。図19〜図24において、横軸がサンプル数(index)、縦軸が振幅(amp)となっている。図19〜図24では、1回目〜3回目のインパルス音による応答信号波形、又はそのピーク配列が示されている。
まず、左スピーカ5Lから測定信号が出力されたか否かをピーク検出部311が判定する(S401)。左スピーカ5Lから測定信号が出力されている場合(S401のYES)、ピーク検出部311は収音信号dataLに基づいて、正ピーク配列pdataと負ピーク配列mdataを生成する(S402)。なお、正ピーク配列pdataは、正の振幅のピークのみからなる配列である。負ピーク配列mdataは負の振幅のピークのみからなる配列である。
具体的には、ピーク検出部311が、全収音時間分の収音信号dataLにおいて、正振幅を有する正のピークと負振幅を有する負のピークとを全て求める。そして、ピーク検出部311は、収音信号dataLの全体に対して、正振幅では、振幅の値を残し、負振幅では、振幅の値を0に置き換える。このようにすることで、正ピーク配列pdataが求められる。図24に示すような収音信号dataLが取得された場合、図19に示すような正ピーク配列が得られる。
また、ピーク検出部311は、収音信号dataLの全ピークに対して、正振幅では、振幅の値を0に置き換え、負振幅は振幅の値を絶対値に置き換える。このようにすることで、負ピーク配列mdataが求められる。
左スピーカ5Lから測定信号が出力されていない場合(S401のNO)、ステップS402の処理と同様に、ピーク検出部311が、収音信号dataRに基づいて、収音信号dataRの正ピーク配列pdataと、負ピーク配列mdataとを求める。(S403)。なお、収音信号dataRは、右スピーカ5Lから測定信号を出力した場合に取得された収音信号である。すなわち、収音信号dataRについてもステップS402の処理と同様の処理を行うことで、正ピーク配列pdataと、負ピーク配列mdataが求められる。
そして、符号決定部312が、正ピーク配列pdataの最大値pmaxが、負ピーク配列mdataの最大値mmaxよりも大きいか否かを判定する(S404)。すなわち、符号決定部312は最大値pmaxと最大値mmaxとを比較する。符号決定部312は、最大値pmaxと最大値mmaxとの比較結果に応じて、着目する符号を決定する。
例えば、正ピーク配列pdataの最大値pmaxが、負ピーク配列mdataの最大値mmaxよりも大きい場合(S404のYES)、ピーク群分割部313が正ピーク配列pdataから、ピーク配列Thdataを生成する(S406)。すなわち、符号決定部312は、最大値pmaxが最大値mmaxよりも大きいため、正の符号を着目する符号として決定する。そして、正ピーク配列pdataに含まれる振幅を閾値と比較して、ピーク配列Thdataを生成する。具体的には、ピーク群分割部313は、正ピーク配列pdataに含まれるピークの振幅が閾値以上であれば、振幅の値を残し、振幅が閾値未満であれば振幅の値を0に置き換える。このようにして、ピーク配列Thdataが生成される。
なお、閾値は、pmaxに応じて設定することが好ましく、ここでは、閾値をpmax*0.8としている。図20は、正ピーク配列pdataに対する閾値をpmax*0.8とした場合を示している。そして、ピーク群分割部313が閾値(pmax*0.8)よりも小さいピークでの振幅の値を0に置き換えると図21のようになる。
正ピーク配列pdataの最大値pmaxが、負ピーク配列mdataの最大値mmax以下の場合、(S404のNO)、ピーク群分割部313は、ステップS405と同様に、負ピーク配列mdataから、ピーク配列Thdataを生成する(S406)。すなわち、符号決定部312は、最大値mmaxが最大値pmaxよりも大きいため、負の符号を着目する符号として決定する。そして、ピーク群分割部313が負ピーク配列mdataに含まれる振幅を閾値と比較し、ピーク配列Thdataを生成する。ピーク群分割部313は、負ピーク配列mdataに含まれるピークの振幅が閾値以上であれば、振幅の値を残し、振幅が閾値未満であれば振幅の値を0に置き換える。
このようにして、ピーク配列Thdataが生成される。なお、閾値は、mmaxに応じて設定することが好ましく、ここでは、閾値をmmax*0.8としている。このように、符号決定部312において決定された符号のピーク配列に基づいて、ピーク群分割部313がピーク配列Thdataを生成する。
ステップS405又はステップS406においてピーク配列Thdataを生成したら、ピーク群分割部313は、サンプル位置i=0,ピーク群の順序j=0とする(S407)。そして、ピーク群分割部313がピーク配列Thdataを複数のピーク群に分割して、最大振幅検出部314が各ピーク群の最大振幅を検出する(S408)。
具体的には、iをインクリメントしていき、Thdata[i]>0となったiをstartidxとし、endidx=startidx+HRTF_Lengthとし、startidx〜endidxの区間において、最大振幅のインデックスidxを、maxdata_idx[j]とする(図22参照)。なお、図22ではj=0となっている。そして、startidxからframesize*0.5までのThdataを0と置き換える。これにより、ピーク配列Thdataが図23のようになる。
framesizeは、伝達特性のフレームサイズに対応している。具体的には、framesizeは、後述する切り出し信号に含まれるサンプル数となる。framesizeは、2つのインパルス音の時間間隔に相当するサンプル数よりも少なくなっていてもよい。framesize*0.5は、HRTF_Length以上となっている。HRTF_Lengthは、例えば256サンプルである。
このように、ピーク群分割部313は、i=0からiを徐々に増加させていくことで、1番目のピーク群(以下、第1のピーク群)の先頭ピークを求める。ピーク群分割部313は、先頭ピークから所定の期間HRTF_Lengthに含まれる複数のピークを第1のピーク群とする。そして、最大振幅検出部314は、第1のピーク群の中で最も大きい振幅をmaxdata_idx[0]とする。すなわち、最大振幅検出部314は、1回目のインパルス音の応答に基づく、最大振幅maxdataを検出する。最大振幅検出部314が最大振幅を検出したら、ピーク群分割部313は、startidxからframesize*0.5までのThdataを0と置き換える。これにより、第1のピーク群に含まれていたピークがピーク配列Thdataから取り除かれる。なお、第1のピーク群は、j=0である。
次に、ピーク群分割部313はiがidx_lastよりも小さいか否かを判定する(S409)。idx_lastは、ピーク配列Thdataの最後のインデックス、すなわち、収音信号の収音終了時刻におけるインデックスである。よって、ピーク群分割部313はピーク配列Thdataの全体を加算回数分のピーク群に分割したか否かを判定する。iがidx_lastよりも小さい場合(S409のYES)。i=i+1、j=j+1として(S410)、ステップS408に戻る。
ステップS408に戻ると、ピーク群分割部313は、i=startidx+1からiを徐々に増加させていくことで、2番目のピーク群(以下、第2のピーク群)の先頭ピークを求める。そして、ピーク群分割部313は、先頭ピークから期間HRTF_Lengthに含まれる複数のピークを第2のピーク群とする。最大振幅検出部314は、第2のピーク群の中で最も大きい振幅をmaxdata_idx[1]とする(図23参照)。最大振幅検出部314は、2回目のインパルス音の応答に基づく、最大の振幅を検出する。なお、図23ではj=1となっている。
最大振幅検出部314が最大振幅を検出したら、ピーク群分割部313は、startidxからframesize*0.5までのThdataを0と置き換える。これにより、第2のピーク群に含まれていたピークがピーク配列Thdataから取り除かれる。framesize*0.5は、HRTF_Length以上となっているため、第1のピーク群に含まれるピークは第2のピーク群に含まれない。
そして、iがidx_lastに到達するまで、ピーク群分割部313、及び最大振幅検出部314が上記の処理を繰り返す。すなわち、ピーク群分割部313は、各ピーク群の先頭ピークを検出したら、先頭ピークから所定の期間HRTF_Lengthに含まれる複数のピークを1つのピーク群とする。
最大振幅検出部314がピーク群の最大振幅を求めたら、ピーク群分割部313は、先頭ピークからframesize*0.5にあるThdataを0に置き換える。このようにすることで、ピーク群分割部313がピーク配列Thdataを加算回数分のピーク群に分割するとともに、最大振幅検出部314が各ピーク群の最大振幅を求める。ここで、加算回数は、測定信号に含まれるインパルス音の数であり、例えば30である。ピーク群分割部313は、ピーク配列Thdataを30個のピーク群に分割する。それぞれのピーク群は、先頭ピークから期間HRTF_Lengthに含まれる複数のピークから構成されている。
各インパルス応答の後半では、振幅減衰によって、ピーク配列Thdataが0になりやすい。すなわち、各インパルス応答の後半では、振幅が減衰するため、正ピーク配列pdata、又は負ピーク配列mdataが閾値未満となりやすい。よって、閾値未満のピークを0としたピーク配列Thdataにおいて、一定程度0が連続する区間をピーク群の境界として設定する。すなわち、ピーク群分割部313は、ピークの振幅の絶対値が閾値以上のピークが一定期間以上存在しない箇所を、複数のピーク群の境界として設定する。このようにすることで、適切に各インパルス応答の境界を適切に設定することができる。
そして、iがidx_last以上となったら、(S409のNO)、信号切り出し部315がmaxdata_idx[j]にオフセットを与えて収音信号を切り出し、信号加算部316が加算回数分の切り出し信号を加算する。(S411)。オフセットが、例えば−100サンプルであるとすると、maxdata_idx[j]−100が切り出し開始時刻となる。そして、信号切り出し部315が、切り出し開始時刻からframesize分の振幅を切り出すことで、1つの切り出し信号が生成される。信号切り出し部315は、maxdata_idx[j]のそれぞれに対して、切り出し信号を生成する。
信号加算部316は、加算回数分の切り出し信号を加算する。具体的には、サンプル位置i=0、ピーク群の順序j=0を初期値として、iがframesize未満の範囲でiをインクリメントし、各i、jの値において、dataL[i]=dataL[i]+dataL[max_data_idx[j]+OFFSET+i]の処理を行う。そして、jが加算回数未満の範囲でjをインクリメントして同様の処理を行う。右の収音信号の場合も同様に、dataR[i]=dataR[i]+dataR[max_data_idx[j]+OFFSET+i]の処理を行う。
このように、最大振幅のインデックスmaxdata_idx[j]にオフセットを与えたインデックスが切り出し開始時刻となっている。このようにすることで、ピーク群の先頭ピークが最大振幅でない場合でも、適切な切り出しタイミングを設定することができる。
そして、信号切り出し部315は、切り出し開始時刻からframesize分のサンプルを切り出して、切り出し信号とする。これにより、図24に示すように、一定のframesizeで切り出された切り出し信号が生成される。図24では、1回目のインパルス音を収音した切り出し信号(第1の切り出し信号)と、2回目のインパルス音を収音した切り出し信号(第2の切り出し信号)が示されている。
上記したように信号加算部316は、加算回数分の切り出し信号を加算する。そして、信号加算部316は、加算回数分の切り出し信号が加算された加算信号を加算回数で割る(S412)。具体的には、サンプル位置i=0を初期として、iがframesize未満の範囲でiをインクリメントし、各iの値において、dataL[i]=dataL[i]/total_times、dataR[i]=dataR[i]/total_timesの処理を行う。ここで、total_timesは加算回数である。
そして、信号加算部316が、右スピーカ5Rでの収音信号に対して、加算処理が終了したか否かを判定する(S413)。右スピーカ5Rの収音信号に対して、加算処理が終了していない場合(S413のNO)、ステップS401に戻る。これにより、右スピーカ5Rの収音信号についても同様に加算処理が行われる。右スピーカ5Rの収音信号に対して、加算処理が終了した場合(S413のYES)、信号加算処理を終了する。
このように、加算処理部213は、収音信号に対して、同期加算に相当する加算処理を行う。本実施の形態では、正又は負の符号を決定して、決定された符号のピークに着目している。すなわち、正の符号に着目した場合、正のピークの最大振幅が一致するように、切り出し開始位置を揃えている。また、負の符号に着目した場合、負のピークの最大振幅が一致するように切り出し開始位置を揃えている。このようにすることで、適切なタイミングで揃えられた切り出し信号を加算することができる。よって、S/N比を向上させることができる。
本実施の形態にかかる測定装置、及び測定方法によれば、適切に伝達特性を測定することができる。また、マイク2とスピーカ5を同期させる必要がない。よって、安価なPCや入出力の付いている音響機器全般で伝達関数の測定ができる。このため、多くのユーザが本人特性を使った頭外定位ヘッドホンを利用できるようになる。
符号決定部312は、収音信号における正のピークの振幅の最大値と、負のピークの振幅の絶対値の最大値とを比較することで、前記符号を決定している。このようにすることで、適切に着目する符号を決定することができる。よって、適切に伝達特性を測定することができる。
ピーク群分割部313は、ピーク配列において、ピークの振幅の絶対値が閾値以上のピークから、前記ピーク群の先頭ピークを求め、先頭ピークから所定の期間に含まれるピークを1つのピーク群と設定している。こうすることで、ピーク群分割部313は、適切に収音信号を複数のピーク群に分割することができる。ピーク群分割部313は、ピーク配列において、ピークの振幅の絶対値が閾値以上のピークが一定期間以上存在しない箇所を、複数のピーク群の境界として設定している。こうすることで、ピーク群分割部313は、より適切に、収音信号を複数のピーク群に分割することができる。よって、適切に伝達特性を測定することができる。
次に、直接音到達時刻探索部214が、加算処理が施された伝達特性Hls、Hrsの直接音到達時刻を探索する。直接音とは、左のスピーカ5Lから左のマイク2Lに直接到達する音、及び、右のスピーカ5Rから右のマイク2Rに直接到達する音である。すなわち、直接音とは、壁、床、天井、外耳等の周囲の構造物で反射せずに、スピーカ5L、5Rからマイク2L、2Rに到達した音である。通常、直接音はマイク2L、2Rに最も早く到達する音である。直接音到達時刻は測定開始から直接音が到達するまでに経過した時間に相当する。なお、測定開始位置は、上記した切り出し開始位置に相当するインデックスであり、ここではi=0としている。
より具体的には、直接音到達時刻探索部214は、伝達特性Hls、Hrsの振幅が最大となる時刻に基づいて、直接音到達時刻を探索する。なお、直接音到達時刻探索部214における処理については後述する。直接音到達時刻探索部214は、探索した直接音到達時刻を左右直接音判定部215に出力する。
直接音到達時刻探索部214が探索した直接音到達時刻を用いて、左右直接音判定部215は、左右の直接音の振幅の符号が一致するか否かの判定を行う。例えば、左右直接音判定部215は、直接音到達時刻における伝達特性Hls、Hrsの振幅の符号が一致するか否かを判定する。さらに、左右直接音判定部215は、直接音到達時刻が一致するか否かを判定する。左右直接音判定部215は、判定結果をエラー訂正部216に出力する。
直接音到達時刻における伝達特性Hls、Hrsの振幅の符号が一致しない場合、エラー訂正部216は、切り出しタイミングを訂正する。そして、波形切り出し部217は、訂正された切り出しタイミングで伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsの波形を切り出す。所定のフィルタ長で切り出された伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsがフィルタとなる。すなわち、波形切り出し部217は、先頭位置をずらして伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsの波形を切り出す。直接音到達時刻における伝達特性Hls、Hrsの振幅の符号が一致する場合、波形切り出し部21は、切り出しタイミングを訂正せずに、そのままのタイミングで切り出す。
具体的には、伝達特性Hls、Hrsの振幅の符号が異なる場合、エラー訂正部216は、伝達特性Hls、Hrsの直接音到達時刻を揃えるように、切り出しタイミングを訂正する。伝達特性Hls、Hrsの直接音が同じサンプル数に位置するように、伝達特性Hls、Hlo、又は伝達特性Hro、Hrsのデータを移動する。すなわち、伝達特性Hls、Hloと、伝達特性Hro、Hrsとで、切り出しの先頭サンプル数を異ならせている。
そして、波形切り出し部217は、切り出した伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsからフィルタを生成する。すなわち、波形切り出し部217は、伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsの振幅をフィルタ係数とすることで、フィルタを生成する。波形切り出し部217で生成された伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsがフィルタとして、図1に示す畳み込み演算部11、12、21、22に設定される。これにより、左右のバランスの良い音質で頭外定位されたオーディオをユーザUが受聴することができる。
次に、処理装置210によるフィルタ生成方法について、図25を用いて詳細に説明する。図25は、処理装置210におけるフィルタ生成方法を示すフローチャートである。
まず、加算処理部213が収音信号を加算処理する(S101)。すなわち、加算処理部213は、伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrs毎に収音信号を加算処理する。これにより、突発的なノイズの影響を低減することができる。ここでは、図16〜図24で示した処理により、加算処理が行われる。
次に、直接音到達時刻探索部214が伝達特性Hlsにおける直接音到達時刻Hls_First_idxと、伝達特性Hrsにおける直接音到達時刻Hrs_First_idxとを取得する(S102)。
ここで、直接音到達時刻探索部214における直接音到達時刻の探索処理について、図26を用いて詳細に説明する。図26は、直接音到達時刻の探索処理を示すフローチャートである。なお、図26は、伝達特性Hls、伝達特性Hrsのそれぞれに対して行われる処理を示している。すなわち、直接音到達時刻探索部214が、図26に示す処理を伝達特性Hls、Hrsのそれぞれに対して実行することで、直接音到達時刻Hls_first_idxと、直接音到達時刻Hls_first_idxとをそれぞれ取得することができる。
まず、直接音到達時刻探索部214が、伝達特性の振幅の絶対値が最大となる時刻max_idxを取得する(S201)。すなわち、直接音到達時刻探索部214は、図9〜図12に示したように最大振幅Aを取る時刻を時刻max_idxと設定する。時刻max_idxは、測定開始からの時間に対応するものである。また、時刻max_idx、及び後述する各種の時刻は測定開始からの絶対時間として表してもよいし、測定開始からのサンプル数として表してもよい。
次に、直接音到達時刻探索部214が時刻max_idxにおけるdata[max_idx]が0より大きいか否かを判定する(S202)。data[max_idx]は、max_idxにおける伝達特性の振幅の値である。すなわち、直接音到達時刻探索部214は、最大振幅が正のピークか負のピークであるかを判定する。data[max_idx]が負の場合(S202のNO)、直接音到達時刻探索部214は、zero_idx=max_idxと設定する(S203)。図12に示す振幅Hrsでは、最大振幅Aが負であるため、max_idx=zero_idxとなる。
ここで、zero_idxは直接音到達時刻の探索範囲の基準となる時刻である。具体的には、時刻zero_idxは、探索範囲の終端に対応する。直接音到達時刻探索部214は、0〜zero_idxの範囲内で、直接音到達時刻を探索する。
data[max_idx]が正の場合(S202のYES)、直接音到達時刻探索部214は、zero_idx<max_idx、かつ、振幅が最後に負となる時刻zero_idxを取得する(S204)。すなわち、直接音到達時刻探索部214は、時刻max_idxの直前で振幅が負となる時刻をzero_idxとして設定する。例えば、図9〜図11に示す伝達特性では、最大振幅Aが正であるため、時刻max_idxよりも前にzero_idxが存在する。時刻max_idxの直前で、振幅が負となる時刻を探索範囲の終端としているが、探索範囲の終端はこれに限られるものではない。
ステップS203、又はS204において、zero_idxが設定されると、直接音到達時刻探索部214は、0〜zero_idxまでの極大点を取得する(S205)。すなわち、直接音到達時刻探索部214は、探索範囲0〜zero_idxにおいて、振幅の正のピークを抽出する。
直接音到達時刻探索部214は、極大点の個数が0より大きいか否かを判定する(S206)。すなわち、直接音到達時刻探索部214は、探索範囲0〜zero_idxにおいて、極大点(正のピーク)が存在するか否かを判定する。
極大点の個数が0以下の場合(S206のNO)、すなわち、探索範囲0〜zero_idxに極大点が無い場合、直接音到達時刻探索部214は、first_idx=max_idxとする。first_idxは、直接音到達時刻である。例えば、図11、図12に示す伝達特性Hls、Hrsでは、0〜zero_idxの範囲に、極大点が存在しない。よって、直接音到達時刻探索部214は、直接音到達時刻first_idx=max_idxとする。
極大点の個数が0より大きい場合(S206のYES)、すなわち、探索範囲0〜zero_idxに極大点がある場合、直接音到達時刻探索部214は、極大点の振幅が(|data[max_idx]|/15)よりも大きくなる最初の時刻を直接音到達時刻first_idxとする(S208)。すなわち、探索範囲0〜zero_idxにおいて、最も早い時刻にある正のピークであって、閾値(ここでは、最大振幅の絶対値の15分の1)よりも高いピークを直接音とする。例えば、図9、図10に示す伝達特性では、0〜zero_idxの範囲に、極大点C、Dが存在する。そして、最初の極大点Cの振幅が、閾値よりも大きい。したがって、直接音到達時刻探索部214は、極大点Cの時刻を直接音到達時刻first_idxに設定する。
ここで、極大点の振幅が小さいと、ノイズ等によるものであるおそれがある。すなわち、極大点が、ノイズによるものか、スピーカからの直接音によるものであるかを判別する必要がある。したがって、本実施の形態では、(data[max_idx]の絶対値)/15を閾値として、閾値よりも大きい極大点を直接音としている。このように、直接音到達時刻探索部214は、最大振幅に応じて閾値を設定している。
そして、直接音到達時刻探索部214が、極大点の振幅と、閾値とを比較することで、極大点がノイズによるものか、直接音によるものかを判別している。すなわち、極大点の振幅が最大振幅の絶対値に対する所定の割合未満である場合、直接音到達時刻探索部214は、極大点をノイズと判別する。極大点の振幅が最大振幅の絶対値に対する所定の割合以上である場合、直接音到達時刻探索部214は、極大点を直接音と判別する。このようにすることで、ノイズの影響を除去できるため、直接音到達時刻を正確に探索することができる。
もちろん、ノイズを判別するための閾値は、上記の値に限られるものではなく、測定環境や測定信号に応じて適切な割合を設定することができる。また、最大振幅に関わらず、閾値を設定することも可能である。
このように、直接音到達時刻探索部214は、直接音到達時刻first_idxを求めている。具体的には、直接音到達時刻探索部214は、振幅の絶対値が最大となる時刻max_idxよりも前において、振幅が極大点を取る時刻を直接音到達時刻first_idxとする。すなわち、直接音到達時刻探索部214は、最大振幅よりも前において、最初にある正のピークを直接音と判定する。最大振幅よりも前に極大点が無い場合、最大振幅を直接音と判定する。直接音到達時刻探索部214は探索した直接音到達時刻first_idxを左右直接音判定部215に出力する。
図25の説明に戻る。上記のように、左右直接音判定部215が伝達特性Hls、Hrsの直接音到達時刻Hls_first_idx、Hrs_first_idxをそれぞれ取得する。そして、左右直接音判定部215は、伝達特性Hls、Hrsの直接音の振幅の積を求める(S103)。すなわち、左右直接音判定部215は、直接音到達時刻Hls_first_idxにおける伝達特性Hlsの振幅と、直接音到達時刻Hrs_first_idxにおける伝達特性Hroの振幅とを乗算し、HlsとHrsの最大振幅の正負の符号がそろっているか否かを判定する。
次に、左右直接音判定部215は、(伝達特性Hls、Hrsの直接音の振幅の積)>0であり、かつ、Hls_first_idx=Hrs_first_idxとなるか否かを判定する(S104)。すなわち、左右直接音判定部215は、伝達特性Hls、Hrsの直接音到達時刻における振幅の符号が一致するか否かを判定する。さらに、左右直接音判定部215は、直接音到達時刻Hls_first_idxが直接音到達時刻Hrs_first_idxと一致するか否かを判定する。
直接音到達時刻における振幅が同じ符号であり、かつHls_first_idxが直接音到達時刻Hrs_first_idxと一致する場合(S104のYES)、エラー訂正部216は、直接音が同じ時刻となるように一方のデータを移動する(S106)。なお、伝達特性の移動が不要の場合は、データの移動量は0となる。例えば、ステップS104でYESと判定された場合、データの移動量が0となる。この場合、ステップS106を省略して、ステップS107に移行してもよい。そして、波形切り出し部217が、同じ時刻から伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsをフィルタ長で切り出す(S107)。
伝達特性Hls、Hrsの直接音の振幅の積が負である場合、又は、Hls_first_idx=Hrs_first_idxとならない場合(S104のNO)、エラー訂正部216が伝達特性Hls、Hrsの相互相関係数corrを算出する(S105)。すなわち、左右の直接音到達時刻が揃っていないため、エラー訂正部216が切り出しタイミングを訂正する。そのため、エラー訂正部216が伝達特性Hls、Hrsの相互相関係数corrを算出する。
そして、エラー訂正部216は、相互相関係数corrに基づいて、直接音が同じ時刻となるよう、一方のデータを移動する(S106)。具体的には、直接音到達時刻Hls_first_idxが直接音到達時刻Hrs_first_idxと一致するように、伝達特性Hrs、Hroのデータを移動する。ここで、伝達特性Hrs、Hroのデータの移動量は、相関が最も高くなるオフセット量に応じて決定される。このように、エラー訂正部216は、伝達特性Hls、Hrsの相関に基づいて、切り出しタイミングを訂正する。波形切り出し部217は、伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsをフィルタ長で切り出す(S107)
ここで、ステップS104〜ステップS107の処理の一例について、図27を用いて説明する。図27は、ステップS104〜ステップS107の処理の一例を示すフローチャートである。
まず、左右直接音判定部215が、ステップS104と同様に、左右音の判定を行う。すなわち、左右直接音判定部215が、伝達特性Hls、Hrsの直接音の振幅の積>0であり、かつ、Hls_first_idx=Hrs_first_idxとなるか否かを判定する(S301)。
伝達特性Hls、Hrsの直接音の振幅の積>0であり、かつ、Hls_first_idx=Hrs_first_idxとなっている場合(S301のYES)、Hls_first_idx=Hrs_first_idxが同じ時刻となるよう、エラー訂正部216が伝達特性Hrs、Hroのデータを移動する(S305)。なお、伝達特性の移動が不要の場合は、データの移動量は0となる。例えば、ステップS301でYESと判定された場合、データの移動量が0となる。この場合、ステップS305を省略して、ステップS306に移行してもよい。そして、波形切り出し部217が、同じ時刻からフィルタ長で伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsをフィルタ長で切り出す(S306)。すなわち、エラー訂正部216が、直接音到達時刻を揃えるように、伝達特性Hro、Hrsの切り出しタイミングを訂正する。そして、エラー訂正部216で訂正された切り出しタイミングで波形切り出し部217が伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsを切り出す。
伝達特性Hls、Hrsの直接音の振幅の積<0の場合、又は、Hls_first_idx=Hrs_first_idxとならない場合(S301のNO)、エラー訂正部216は、伝達特性Hlsのstart=(first_idx−20)をオフセットとし、+30サンプルのデータを取得し、平均値、分散を算出する(S302)。すなわち、エラー訂正部216は、直接音到達時刻first_idxの20サンプル前を開始点startとして連続する30サンプル分のデータを抽出する。そして、エラー訂正部216は、抽出した30サンプルの平均値、及び分散を算出する。平均値及び分散は、相互相関係数を標準化するために用いられるため、標準化が不要の場合は算出しなくてもよい。なお、抽出するサンプル数は30サンプルに限られるものではなく、エラー訂正部216は、任意のサンプル数を抽出することができる。
そして、エラー訂正部216は、伝達特性Hrsの(start−10)から(start+10)までオフセットを1ずつずらし、伝達特性Hlsとの相互相関係数corr[0]〜corr[19]を取得する(S303)。なお、エラー訂正部216は、伝達特性Hrsの平均値、及び分散を求め、伝達特性Hls、Hrsの平均値及び分散を用いて、相互相関係数corrの標準化を行うことが好ましい。
図28を用いて、相互相関係数の求め方について説明する。図28(b)には、伝達特性Hls、並びに、伝達特性Hlsから抽出された30サンプルが太枠Gで示されている。また、図28(a)には、伝達特性Hrs、並びに、(start−10)をオフセットとした場合の30サンプルが太枠Fで示されている。first_idx−20=startであるため、図28(a)では、first_idx−30を先頭とする30サンプルが太枠Fに含まれている。
また、図28(c)には、伝達特性Hrs、並びに、(start+10)をオフセットとした場合の30サンプルが太枠Hで示されている。first_idx−20=startであるため、図28(a)では、first_idx−10を先頭とする30サンプルが太枠Fに含まれている。太枠Fに含まれる30サンプルと太枠Gに含まれる30サンプルとの相互相関を算出することで、相互相関係数corr[0]が求められる。同様に、太枠Gと太枠Hとの相互相関を算出することで、相互相関係数corr[19]が求められる。相互相関係数corrが高いほど、伝達特性Hls、Hrsの相関が高くなる。
エラー訂正部216は、相互相関係数が最大値を取るcorr[cmax_idx]を取得する(S304)。ここで、cmax_idxは、相互相関係数が最大値を取るオフセット量を相当する。すなわち、cmax_idxは、伝達特性Hlsと伝達特性Hrsの相関が最も大きい時のオフセット量を示す。
そして、エラー訂正部216は、cmax_idxに応じて、Hls_first_idxとHrs_first_idxが同じ時刻となるよう伝達特性Hrs、Hroのデータを移動する(S305)。エラー訂正部216は、オフセット量だけ、伝達特性Hrs、Hroのデータを移動する。これにより、伝達特性Hls、Hrsの直接音到達時刻が揃う。なお、ステップS305は、図25のステップS106に相当する。また、エラー訂正部216は、伝達特性Hrs、Hroを移動するのではなく、伝達特性Hls、Hloを移動してもよい。
そして、波形切り出し部217は、同じ時刻からフィルタ長で伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsを切り出す。このようにすることで、直接音到達時刻が揃ったフィルタを生成することができる。よって、左右のバランスの良好な音場を生成することができる。これにより、ボーカル音像をセンターに定位させることができる。
次に、図29を用いて直接音到達時刻を揃える意義について説明する。図29(a)は、直接音到達時刻を揃える前の伝達特性Hls、Hloを示す図である。図29(b)は、伝達特性Hrs、Hroを示す図である。図29(c)は、直接音到達時刻を揃えた後の伝達特性Hls、Hloを示す図である。図29において、横軸がサンプル数であり、縦軸が振幅となっている。サンプル数は測定開始からの時間に対応し、測定開始時刻をサンプル数0としている。
例えば、左スピーカ5Lからのインパルス応答測定と右スピーカ5Rからのインパルス応答測定で、音響デバイスでの遅延量が異なる場合がある。この場合、図29(b)に示す伝達特性Hrs、Hroに比べて、図29(a)に示す伝達特性Hls、Hloの直接音到達時刻が遅れてしまう。このような場合、直接音到達時刻のタイミングを揃えずに、伝達特性Hls、Hlo、Hro、Hrsを切り出すと、左右のバランスが悪い音場が生成されてしまう。そこで、図29(c)のように、処理装置210が、相関に基づいて、伝達特性Hls、Hloを移動している。これにより、伝達特性Hls、Hrsの直接音到達時刻を揃えることができる。
そして、処理装置210は、直接音到達時刻を揃えて伝達特性を切り出すことで、フィルタを生成している。すなわち、波形切り出し部217が、直接音到達時刻が一致するように揃えられた伝達特性を切り出することで、フィルタを生成している。よって、左右のバランスが良好な音場を再生することができる。
本実施の形態では、左右直接音判定部215が直接音の符号が一致しているか否かを判定する。左右直接音判定部215の判定結果に応じて、エラー訂正部216がエラー訂正を行っている。具体的には、直接音の符号が一致していない場合、又は、直接音到達時刻が一致していない場合に、エラー訂正部216が相互相関係数に基づいて、エラー訂正を行っている。直接音の符号が一致しており、かつ、直接音到達時刻が一致している場合は、エラー訂正部216が相互相関係数に基づくエラー訂正を実行しない。エラー訂正部216がエラー訂正を行う頻度は少ないため、不要な計算処理を省略することができる。すなわち、直接音の符号が一致しており、かつ、直接音到達時刻が一致している場合は、エラー訂正部216が相互相関係数を算出する必要がなくなる。よって、計算処理時間を短縮することができる。
通常、エラー訂正部216によるエラー訂正を行わなくてよい。しかしながら、左右のスピーカ5L、5Rの特性が異なっていたり、周囲の反射の状況が左右で大きく異なっていたりする場合がある。あるいは、左耳9L、右耳9Rでマイク2L、2Rの位置がずれていることもある。また、音響デバイスの遅延量が異なることもある。このような場合、測定信号を適切に収音することができず、左右でタイミングがずれることがある。本実施の形態では、エラー訂正部216がエラー訂正を行うことで、適切にフィルタを生成することができる。よって、左右のバランスのよい音場を再生することができうる。
また、直接音到達時刻探索部214が直接音到達時刻を探索している。具体的には、直接音到達時刻探索部214は、最大振幅となる時刻よりも前において、振幅が極大点を取る時刻を直接音到達時刻としている。さらに、直接音到達時刻探索部214は、最大振幅となる時刻よりも前において、極大点が無い場合に、最大振幅となる時刻を直接音到達時刻としている。このようにすることで、適切に直接音到達時刻を探索することができる。そして、直接音到達時刻に基づいて伝達特性を切り出すことで、より適切にフィルタを生成することができる。
左右直接音判定部215が、直接音到達時刻における伝達特性Hls、Hrsの振幅の符号が一致しているか否かを判定している。そして、符号が異なっている場合、エラー訂正部216が切り出しタイミングを訂正している。このようにすることで、適切に切り出しタイミングを調整することができる。さらに、左右直接音判定部215が、伝達特性Hls、Hrsの直接音到達時刻が一致しているか否かを判定している。そして、伝達特性Hls、Hrsの直接音到達時刻が一致していない場合に、エラー訂正部216が切り出しタイミングを訂正している。このようにすることで、適切に切り出しタイミングを調整することができる。
直接音到達時刻における伝達特性Hls、Hrsの振幅の符号が一致し、かつ、伝達特性Hls、Hrsの直接音到達時刻が一致している場合は、伝達特性の移動量は0となる。この場合、エラー訂正部216は切り出しタイミングを訂正する処理を省略してもよい。具体的には、ステップS104がYESの場合、ステップS106を省略することができる。あるいは、ステップS301がYESの場合、ステップS305を省略することができる。このようにすることで、不要な処理を省き、計算時間を短縮することができる。
エラー訂正部216は、伝達特性Hls、Hrsの相関に基づいて、切り出しタイミングを訂正することが好ましい。このようにすることで、直接音到達時刻を適切に揃えることが可能となる。よって、左右のバランスの良好な音場を再生することができる。
なお、上記の実施形態では、音像定位処理装置として、ヘッドホンを用いて頭外に音像を定位する頭外定位処理装置について説明したが、本実施の形態は頭外定位処理装置に限られるものではない。例えば、スピーカ5L、5Rからステレオ信号を再生することで、音像を定位させる音像定位処理装置に用いてもよい。すなわち、本実施の形態は、伝達特性を再生信号に畳み込む音像定位処理装置にて適用することが可能になる。例えば、バーチャルスピーカ、ニアスピーカサラウンド等における音像定位用フィルタを生成することも可能である。
また、同期加算に相当する処理を行う加算処理部213は、スピーカやマイクの伝達特性を測定する測定装置として機能することができる。スピーカやマイクの設置位置は、特に限定されるものではなく、例えば、イヤホンなどに搭載されたスピーカやマイクを用いて、測定を行うことができる。
上記信号処理のうちの一部又は全部は、コンピュータプログラムによって実行されてもよい。上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non−transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
U ユーザ
1 受聴者
2L 左マイク
2R 右マイク
5L 左スピーカ
5R 右スピーカ
9L 左耳
9R 右耳
10 頭外定位処理部
11 畳み込み演算部
12 畳み込み演算部
21 畳み込み演算部
22 畳み込み演算部
24 加算器
25 加算器
30 測定部
41 フィルタ部
42 フィルタ部
43 ヘッドホン
100 頭外定位処理装置
200 フィルタ生成装置
210 処理装置
211 測定信号生成部
212 収音信号取得部
213 加算処理部
214 直接音到達時刻探索部
215 左右直接音判定部
216 エラー訂正部
217 波形切り出し部
311 ピーク検出部
312 符号決定部
313 ピーク群分割部
314 最大振幅検出部
315 信号切り出し部
316 信号加算部
1 受聴者
2L 左マイク
2R 右マイク
5L 左スピーカ
5R 右スピーカ
9L 左耳
9R 右耳
10 頭外定位処理部
11 畳み込み演算部
12 畳み込み演算部
21 畳み込み演算部
22 畳み込み演算部
24 加算器
25 加算器
30 測定部
41 フィルタ部
42 フィルタ部
43 ヘッドホン
100 頭外定位処理装置
200 フィルタ生成装置
210 処理装置
211 測定信号生成部
212 収音信号取得部
213 加算処理部
214 直接音到達時刻探索部
215 左右直接音判定部
216 エラー訂正部
217 波形切り出し部
311 ピーク検出部
312 符号決定部
313 ピーク群分割部
314 最大振幅検出部
315 信号切り出し部
316 信号加算部
Claims (7)
- 時間間隔を空けて連続する複数の信号音を含む測定信号を出力するスピーカと、
前記スピーカから出力された前記測定信号を収音して、収音信号を取得するマイクと、
前記収音信号に基づいて、伝達特性を測定する測定部と、を備え、
前記測定部は、
収音信号に含まれる正負のピークを検出するピーク検出部と、
ピーク検出部で検出された前記正負のピークでの振幅に基づいて、正又は負の符号を決定する符号決定部と、
決定された符号の前記ピークから構成されるピーク配列を複数のピーク群に分割する分割部と、
前記複数のピーク群毎の最大振幅を検出する最大振幅検出部と、
前記最大振幅に基づいた切り出しタイミングで、前記収音信号を切り出して、複数の切り出し信号を生成する切り出し部と、
前記複数の切り出し信号を加算する信号加算部を備えた測定装置。 - 前記符号決定部は、前記収音信号における正のピークの振幅の最大値と、前記負のピークの振幅の絶対値の最大値とを比較することで、前記符号を決定する請求項1に記載の測定装置。
- 前記分割部は、
前記ピーク配列において、前記ピークの振幅の絶対値が閾値以上のピークから、前記ピーク群の先頭ピークを求め、
前記先頭ピークから所定の期間に含まれるピークを1つのピーク群と設定する請求項1、又は2に記載の測定装置。 - 前記分割部は、前記ピーク配列において、前記ピークの振幅の絶対値が閾値以上のピークが一定期間以上存在しない箇所を、前記複数のピーク群の境界として設定する請求項3に記載の測定装置。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の測定装置を備え
前記測定装置によって測定された伝達特性に基づいて、フィルタを生成するフィルタ生成装置。 - スピーカから出力された測定信号をマイクで収音することで伝達特性を測定する測定方法であって、
前記スピーカから時間間隔を空けて連続する複数の信号音を含む測定信号を出力するステップと、
前記スピーカから出力された前記測定信号をマイクで収音して、収音信号を取得するステップと、
前記収音信号に含まれる正負のピークを検出するピーク検出ステップと、
ピーク検出部で検出された前記正負のピークでの振幅に基づいて、正又は負の符号を決定する符号決定ステップと、
決定された符号の前記ピークから構成されるピーク配列を複数のピーク群に分割する分割ステップと、
前記複数のピーク群毎の最大振幅を検出する最大振幅検出ステップと、
前記最大振幅に基づいた切り出しタイミングで、前記収音信号を切り出して、複数の切り出し信号を生成する切り出しステップと、
前記複数の切り出し信号を加算する信号加算ステップと、
を含む測定方法。 - 請求項6に記載の測定方法で測定した伝達特性を用いてフィルタを生成するステップを含むフィルタ生成方法。
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