JP2014017376A - 炭化珪素半導体装置およびその製造方法 - Google Patents

炭化珪素半導体装置およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014017376A
JP2014017376A JP2012153783A JP2012153783A JP2014017376A JP 2014017376 A JP2014017376 A JP 2014017376A JP 2012153783 A JP2012153783 A JP 2012153783A JP 2012153783 A JP2012153783 A JP 2012153783A JP 2014017376 A JP2014017376 A JP 2014017376A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
region
silicon carbide
electric field
field relaxation
semiconductor device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2012153783A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5895750B2 (ja
Inventor
Tomokatsu Watanabe
友勝 渡辺
Narihisa Miura
成久 三浦
Shiro Hino
史郎 日野
Yuji Ebiike
勇史 海老池
Yukiyasu Nakao
之泰 中尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2012153783A priority Critical patent/JP5895750B2/ja
Publication of JP2014017376A publication Critical patent/JP2014017376A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5895750B2 publication Critical patent/JP5895750B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)

Abstract

【課題】オフ時に酸化膜に印加される電界を緩和できる炭化珪素MOSFETを提供する。
【解決手段】炭化珪素MOSFETにおいて、JFET領域のゲート酸化膜直下全面に電界緩和領域を備え、電界緩和領域はウェル領域より浅く形成し、電界緩和領域内の不純物濃度は、ウェル領域内で、電界緩和領域より浅い領域内の不純物濃度より高く設定する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、炭化珪素半導体装置とその製造方法に関するものである。
従来の炭化珪素であるSiC(Silicon Carbide)を用いたパワーMOSFET(Metal−Oxide−Semiconductor Field−Effect−Transistor)は、オフ時にウェル領域とドリフト層領域の間に空乏層が拡がることでオン電流が遮断されるが、従来構造ではドリフト層領域内の隣り合うウェル領域間であるJFET(Junction−Field−Effect−Transistor)領域の直上に位置するゲート絶縁膜に高電界が印加される。この状態が長時間続くと、ゲート絶縁膜が絶縁破壊する可能性があるため、ゲート絶縁膜信頼性を向上する必要がある。そこで、JFET領域のゲート絶縁膜下に電界緩和領域を設け、オフ時にゲート絶縁膜に印加される電界を緩和する手法が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開2011−060930号公報 特開2011−211020号公報
従来のパワーMOSFETは、JFET領域に設けられた電界緩和領域とウェル領域とが分離しており、ゲート絶縁膜直下にドリフト層が形成されている領域が存在するため、ゲート絶縁膜に局所的に高電界が印加され、絶縁破壊を引き起こす可能性がある。
この発明は、上述のような問題を解決するためになされたもので、素子の信頼性を向上できる炭化珪素半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
この発明に係る炭化珪素半導体装置においては、JFET領域のゲート絶縁膜直下全面に電界緩和領域を備えたものである。
電界緩和領域をJFET領域内のゲート絶縁膜直下全面に設けることにより、MOSFETのオフ時において、ゲート絶縁膜に印加される電界が緩和され、長期信頼性が向上する。
この発明の実施の形態1における炭化珪素半導体装置を示す断面図である。 この発明の実施の形態1における炭化珪素半導体装置の一部の上面図である。 この発明の実施の形態1における炭化珪素半導体装置の製造方法を説明するための炭化珪素半導体装置の断面図である。 この発明の実施の形態1における炭化珪素半導体装置の製造方法を説明するための炭化珪素半導体装置の断面図である。 この発明の実施の形態1における炭化珪素半導体装置の製造方法を説明するための炭化珪素半導体装置の断面図である。 この発明の実施の形態1における炭化珪素半導体装置の製造方法を説明するための炭化珪素半導体装置の断面図である。 この発明の実施の形態1における炭化珪素半導体装置の製造方法を説明するための炭化珪素半導体装置の断面図である。 この発明の実施の形態1における炭化珪素半導体装置の製造方法を説明するための炭化珪素半導体装置の断面図である。 この発明の実施の形態1における炭化珪素半導体装置の製造方法を説明するための炭化珪素半導体装置の断面図である。 この発明の実施の形態1における炭化珪素半導体装置の製造方法を説明するための炭化珪素半導体装置の断面図である。 この発明の実施の形態1における炭化珪素半導体装置の電界緩和領域とドリフト層のpn接合から電界緩和領域へ伸びる空乏層幅とp型不純物濃度の関係を示す図である。 この発明の実施の形態2における炭化珪素半導体装置のp型ウェル内の不純物濃度プロファイルを示す断面図である。 この発明の実施の形態3における炭化珪素半導体装置を示す断面図である。 この発明の実施の形態3における炭化珪素半導体装置の製造方法を説明するための炭化珪素半導体装置の断面図である。
実施の形態1.
まず、この発明の実施の形態1における炭化珪素半導体装置の構成を説明する。図1は、この発明の実施の形態1における炭化珪素半導体装置を示す断面図である。図2は、前記半導体装置の一部を上から見た図である。ここでは、炭化珪素半導体装置の一例として、nチャネル炭化珪素MOSFETについて説明する。
図1および図2において、n型(第1導電型)で低抵抗の炭化珪素基板1の一方の面上に、n型(第1導電型)の炭化珪素からなるドリフト層2が形成されている。ドリフト層2の表面側には、間隔をあけて複数のp型(第2導電型)のウェル領域3が形成されており、隣り合うウェル領域3に隣接して(隣り合い、かつ接して)、後述のゲート絶縁膜6直下のJFET領域全面にp型(第2導電型)の電界緩和領域10が形成されている。さらに、ウェル領域3の表面側には、n型(第1導電型)のソース領域4が、ウェル領域3よりも浅く形成されている。そして、ソース領域4に隣接して、p型(第2導電型)のウェルコンタクト用領域5が形成されている。
また、ウェル領域3、ソース領域4およびウェルコンタクト用領域5を含むドリフト層2の表面には、ソース領域4の一部およびウェルコンタクト用領域5を除き、ゲート絶縁膜6が形成されている。さらに、ゲート絶縁膜6上で、電界緩和領域10と、ウェル領域3と、ソース領域4の端部領域と対向する部位には、ゲート電極7が形成されている。そして、ソース領域4の表面の一部からウェルコンタクト用領域5の表面にまたがるようにソース電極8が形成され、炭化珪素基板1の他方の面上にはドレイン電極9が形成されている。
なお、本実施の形態では図2のように格子状に並べられたウェル領域3を多数配置している場合を例に説明しているが(図2は格子状に並べられた多数のウェル領域3のうちの一部である4個のウェル領域3の部分だけを図示している)、そのウェル領域3の配置の仕方については、格子状に限定されるものではなく、例えばハニカム状等であってもよいし、千鳥配置等であってもよいし、並び方が異なっても同様の効果を奏するのは言うまでもない。
また、図2に示されるように隣り合うウェル領域3の間の、ゲート絶縁膜6直下のドリフト層2の表層部全面に、ウェル領域3に隣接して電界緩和領域10が設けられ、つまり、ゲート絶縁膜6直下のJFET領域全面に電界緩和領域10が形成されている。
次に、この発明の実施の形態1における炭化珪素半導体装置の製造方法について説明する。図3〜図10は、それぞれ、この発明の実施の形態1における炭化珪素半導体装置の製造方法を説明するための炭化珪素半導体装置の断面図である。
まず、一方の面の面方位が(0001)面であり、4Hのポリタイプを有するn型(第1導電型)で低抵抗の炭化珪素基板1を準備する。そして、図3に示すように、炭化珪素基板1の一方の面の(0001)面上に、CVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いたエピタキシャル成長により、1〜100μmの厚さのn型(第1導電型)の炭化珪素からなるドリフト層2を形成する。ドリフト層2のn型不純物濃度は、例えば、1×1015〜1×1018cm−3であればよい。
次に、ドリフト層2の表面にレジストによって注入マスク(図示せず)を形成し、ドリフト層2の表面側から、p型(第2導電型)の不純物をイオン注入する。これにより、n型のドリフト層2にp型(第2導電型)のウェル領域3が形成される。レジストを除去した後の断面図を図4に示す。
このとき、イオン注入するp型(第2導電型)の不純物は例えばアルミニウムやホウ素、ガリウムであって、イオン注入する不純物濃度は1×1015〜1×1019cm−3の範囲とする。また、p型(第2導電型)の不純物のイオン注入の深さは、ドリフト層2の厚さを超えない0.5〜3μm程度とする。
次に、ドリフト層2の表面にレジストによって注入マスクを形成し、ドリフト層2の表面側から、n型(第1導電型)の不純物をイオン注入する。これにより、ウェル領域3の表面側に、n型(第1導電型)のソース領域4がウェル領域3よりも浅く形成される。その後、レジストを除去する。
このとき、イオン注入するn型(第1導電型)の不純物は例えば窒素やリン、ヒ素であって、イオン注入する不純物濃度は1×1018〜1×1020cm−3の範囲とする。
また、n型(第1導電型)の不純物のイオン注入の深さは、0.1〜2μm程度で、ウェル領域3の厚さより浅いものとする。
次に、ドリフト層2の表面にレジストによって注入マスクを形成し、ドリフト層2の表面側から、p型(第2導電型)の不純物をイオン注入する。これにより、ウェル領域3の表面側に、ソース領域4に隣接して、p型(第2導電型)のウェルコンタクト用領域5が形成される。レジストを除去した後の断面図を図5に示す。
このとき、イオン注入するp型(第2導電型)の不純物は例えばアルミニウムやホウ素、ガリウムであって、イオン注入する不純物濃度は1×1019〜1×1021cm−3の範囲とする。また、p型(第2導電型)の不純物のイオン注入の深さは、0.1〜2μm程度で、ウェル領域3の厚さより浅いものとする。
次に、ドリフト層2の表面にレジストによって注入マスクを形成し、ドリフト層2の表面側から、p型(第2導電型)の不純物をイオン注入する。これにより、隣り合うウェル領域3に隣接して、p型(第2導電型)の電界緩和領域10が形成される。レジストを除去した後の断面図を図6に示す。また、このとき上から見た図が図2で示され、図2の一点鎖線(I−I)における断面図が図6に相当する。実際のMOSFET素子は、図2のようにウェル領域3が複数形成された構造を有する。図2中において上面からみた電界緩和領域10で示される領域がJFET領域であり、本実施の発明ではJFET領域全面に電界緩和領域10が形成されている。
電界緩和領域10を形成するためにイオン注入するp型(第2導電型)の不純物は例えばアルミニウムやホウ素、ガリウムであって、イオン注入する不純物濃度は1×1016〜1×1020cm−3の範囲とし、電界緩和領域10の不純物濃度が、電界緩和領域10の深さより浅い領域にあるウェル領域3の不純物濃度よりも高くなるようにイオン注入する。すなわち、電界緩和領域10の不純物濃度は、図6中のウェル領域3において点線で示す電界緩和領域10より浅い領域3a内の不純物濃度より高くする。また、電界緩和領域10のp型(第2導電型)の不純物のイオン注入の深さは、0.01〜2μm程度で、ウェル領域3の厚さより浅いものとする。
次に、ドリフト層2、ウェル領域3、ソース領域4、ウェルコンタクト用領域5および電界緩和領域10が形成された炭化珪素基板1を、熱処理装置によって、例えばアルゴンなどの不活性ガス雰囲気中で、1300〜2100℃の範囲で高温アニールを行う。この高温アニールにより、イオン注入されたアルミニウムや窒素などが電気的に活性化される。
次に、700〜1400℃の範囲の温度での熱酸化、もしくはCVD法による積層プロセスにより、ウェル領域3、ソース領域4、ウェルコンタクト用領域5および電界緩和領域10を含むドリフト層2の表面に、図7に示すようにゲート絶縁膜6を形成する。ゲート絶縁膜6の膜厚は10〜200nmとする。
次に、ゲート絶縁膜6上に、多結晶珪素膜をCVD法によって形成し、フォトリソグラフィおよびエッチング技術によってパターニングすることによりゲート電極7を形成する。図8に示すように、ゲート電極7は、断面視において一対のソース領域4がそれぞれ両端部に位置するような形状にパターニングされる。
次に、ゲート電極7が形成された部位およびその周囲を残して、ソース領域4の表面の一部からウェルコンタクト用領域5の表面にまたがる部位に形成されているゲート絶縁膜6を除去する。そして、ゲート絶縁膜6を除去することによって表面に露出した、ソース領域4の表面の一部からウェルコンタクト用領域5の表面の一部にまたがる部位に、図9に示すようにソース電極8を形成する。
次に、図10に示すように、炭化珪素基板1の他方の面上にドレイン電極9を形成する。
これにより、図1に示す炭化珪素半導体装置の形状と同様となる。ソース電極8およびドレイン電極9としては、例えばニッケル、チタン、アルミニウム、モリブデン、クロム、白金、タングステン、タンタル、ニオブ、珪素、炭化チタン、これらの窒化物あるいはこれらの合金が用いられる。
最後に、ソース電極8およびドレイン電極9を、接触している炭化珪素と合金化させるために、温度:950〜1000℃、処理時間:20〜60秒、昇温速度:10〜25℃/秒で熱処理を行う。以上で、図1に示すこの発明の実施の形態1における炭化珪素半導体装置であるnチャネルMOSFETが完成する。
この発明の実施の形態1における炭化珪素半導体装置のドレイン電極9に正電圧を印加して実際に動作させた場合について説明する。チャネルをオフさせた状態では、ソース電極8とドレイン電極9との間は、素子の全領域に渡ってpn接合の逆バイアスによって拡がった空乏層により電気的に絶縁される。その際、空乏層には逆バイアスに相当する高電界が印加されている。また、この時、ゲート電極7とドレイン電極9との間にも逆バイアスとほぼ同じ電圧が印加されていることになる。従来のMOSFET構造では、ドリフト層2はゲート絶縁膜6に接するためゲート絶縁膜6にも高電界が印加されることになる。しかし、本実施の形態では、ゲート絶縁膜直下のJFET領域(ウェル領域3に挟まれたドリフト層2の領域)にp型の電界緩和領域10を設けているため、ゲート絶縁膜6への空乏層の拡がり方をp型の電界緩和領域10とドリフト層2のpn接合によって抑制し、ゲート絶縁膜6に高電界が印加されないようにすることができる。
ただし、電界緩和領域10の厚さには注意が必要である。なぜなら、チャネルをオンさせて、キャリア電子がソースからチャネルを伝導してJFET領域に流れ込む際に、p型の電界緩和領域10が厚いと、キャリア電子がp型領域を通過することになる。その場合、キャリア電子は高いエネルギー障壁を超えることになり、更にp型領域中でのキャリアの再結合も起こり得るため、電気伝導が抑制されてオン抵抗が増大してしまう可能性がある。よって、電界緩和領域10の厚さはウェル領域3よりも薄い必要がある。
電界緩和領域10の厚さは薄いほどオン抵抗増加を抑制できるため、ソース領域4より薄くしてもよい。
電界緩和領域10の厚さは薄いほど、オン抵抗増大は抑制できるが、厚さを薄くすると電界緩和効果が小さくなるため、電界緩和領域10の不純物濃度は、電界緩和領域10より浅いウェル領域3aよりも高く設定する。
図11は、この発明の実施の形態1における炭化珪素半導体装置の電界緩和領域10とドリフト層2のpn接合から電界緩和領域10に伸びる空乏層幅wとp型不純物濃度との関係を示す図である。図11を用いて、電界緩和領域10の厚さ及び不純物濃度の設定法の一例を説明する。ドレイン・ソース間(ドレイン電極9とソース電極8との間)に電圧VDSを印加した際の、p側に伸びる空乏層幅wは式(1)で表わされる。
Figure 2014017376
ここで、εは半導体の誘電率、εは真空誘電率、qは電荷、Nはドリフト層2のn型不純物濃度、Nは電界緩和領域10のp型不純物濃度を表わす。
上記の式(1)を用いて、MOSFETのオフ時に電圧VDSとして1200V印加した時に、ドリフト層2のn型不純物濃度Nを5×1015cm−3(図11中の(a))、1×1016cm−3(図11中の(b))、2×1016cm−3(図11中の(c))とした場合のp型電界緩和領域10に伸びる空乏層幅wと電界緩和領域におけるp型不純物濃度Nの関係を図11に示す。
電界緩和領域10の不純物濃度が図11で示される不純物濃度Nよりも大きければ、VDSに1200V印加してもpn接合から伸びる空乏層はゲート絶縁膜6に到達しないため、ゲート絶縁膜6に電界が印加されない。
例えば、ドリフト層2のn型不純物濃度が1×1016cm−3の場合、図11から明らかなように、電界緩和領域10の厚さを0.3μmとすると、p型不純物濃度を4×1017cm−3以上にすればよい。
また、例えば、ドリフト層2のn型不純物濃度が1×1016cm−3の場合、電界緩和領域10のp型不純物濃度を4×1017cm−3にすると、厚さはウェル領域3の厚さを超えない範囲で0.3μm以上とすればよい。
本実施の形態1では、以上のような構成としたことにより、MOSFETのオフ時にゲート絶縁膜6に印加される電界強度を低減し、ゲート絶縁膜6の信頼性を向上するという効果がある。
また、本実施の形態1では、以上のような構成としたことにより、MOSFETをオンにしたい時に、ゲート電圧が低い時はJFET領域への電流が流れにくいため、閾値電圧を高くする効果もある。
また、本実施の形態では上記(1)式により、電界緩和領域10の厚さ及び不純物濃度を設定したが、MOSFET製品を実用化する際には、オフ時に印加される電圧VDSの仕様に対するドリフト層2の不純物濃度は、高温動作や安全性なども考慮した上で設定されていることや、動作時にウェル領域3からJFET領域へ伸びる空乏層なども絶縁膜印加電界を緩和する効果があることも考慮する余地がある。また、ゲート絶縁膜6に酸化膜を用いる場合、酸化膜の絶縁破壊電界は約10MV/cmと比較的高い値を有しているため、絶縁膜に印加される電界はある程度認容される。このため、本実施の形態における図11で示した空乏層幅wと不純物濃度Nの関係は、電界緩和効果を十分に得るために最も望ましい範囲ではあるが、上述の理由から、電界緩和領域10がウェル領域3より浅く形成され、電界緩和領域10の不純物濃度が、電界緩和領域10より浅いウェル領域3内の不純物濃度より高く設定されていれば、図11で示した最適な範囲以外でも電界緩和効果が得られることがあるため、その範囲であってもよい。
また、本実施の形態で領域3aの不純物濃度が一定でない場合、電界緩和領域10の不純物濃度は、少なくとも領域3aの再表面の不純物濃度より高ければよい。
あるいは、領域3aの平均的な不純物濃度より高ければさらによい。
もしくは、領域3aの最も高い不純物濃度より高ければさらに一層よい。この場合、電界緩和効果は最も高くなる。
尚、本実施の形態におけるJFET領域の電界緩和領域10より深い部分に、ドリフト層2のn型(第1導電型)の不純物濃度より高い、n型(第1導電型)不純物濃度を有する領域を設け、オン時に流れる電流を拡散してもよい。こうすることによって、ゲート絶縁膜6の電界を電界緩和領域10によって低減しながら、MOSFETがオンの時のオン抵抗の増加を抑制することができる。
本実施の形態では、炭化珪素基板1の面方位を(0001)としたが、(000−1)や(11−20)としてもよい。
また、炭化珪素基板1はオフ角を有していてもよいし、有していなくてもよい。
尚、本実施の形態ではnチャネルMOSFETを用いた場合について説明したが、第1導電型をp型とし第2導電型をn型とするpチャネルMOSFETとしてもよいし、低抵抗の炭化珪素基板1としてn型(第1導電型)に代えてp型(第2導電型)としたIGBTとしてもよい。
また、本実施の形態ではnチャネルMOSFETを作製するためのイオン注入をする際、レジストを注入マスクとして用いたが、酸化膜を注入マスクとして用いてもよい。
実施の形態2.
図12は、本発明の実施の形態2におけるウェル領域3の深さ方向の不純物濃度プロファイルの一例を示す図である。本発明の実施の形態2では図1におけるウェル領域3の不純物濃度を表面から深い領域では高く、浅い領域では低くしたことを特徴とする。それ以外については、実施の形態1と同様である。
図12に示すとおり、ウェル領域3の表面から0.6μmの深さのp型(第2導電型)不純物濃度は約2×1018cm−3であり、表面から0.2μmの深さのp型(第2導電型)不純物濃度は約6×1016cm−3である。
本実施の形態では、ゲート絶縁膜6と接する領域でウェル領域3の不純物濃度が低いため、MOSFETオン時のチャネルは表面からより深い位置に形成され、ほとんどのキャリア電子が電界緩和領域10を通らずにn型のソース領域4からn型のドリフト層2の領域へ流れる。すなわち、JFET領域に挿入されたキャリア電子のほとんどはp型の電界緩和領域10よりも下部(深い領域)を通過するので、キャリア電子が高いエネルギー障壁を超える必要がなく、また、p型領域中でのキャリアの再結合が生じないので、電気伝導が抑制されず、オン時の電気伝導を損なわずにオフ時の電界を緩和できるという効果がある。
さらに、ウェル領域3の浅い領域に形成されるチャネルの不純物濃度を低くできるので、不純物散乱による移動度の低下が抑制されるため、チャネル移動度が大きくなり、オン抵抗が低減されるという効果もある。
また、ウェル領域3の深い領域の不純物濃度を高くしておくことによって、パンチスルーによる絶縁破壊を防止し、高耐圧特性を保持できる効果がある。
尚、本発明の実施の形態2では本発明の実施の形態1と相違する部分について説明し、同一または対応する部分についての説明は省略した。
実施の形態3.
図13は、本発明の実施の形態3における炭化珪素半導体装置を示す断面図である。本実施の形態は、ウェル領域3の表面にn型チャネル領域11を設け、蓄積型MOSFETとしたことを特徴とする。それ以外については、実施の形態1及び2と同様である。
本実施の形態では、蓄積型MOSFETを用いているためにチャネルが反転する必要がなく、オン時のチャネル移動度が大幅に大きくなり、オン抵抗がより低減できるという効果がある。
さらに、通常の蓄積型MOSFETではチャネルが反転する必要がないため、ゲートに電圧を印加しなくても電流が流れてしまうノーマリ・オン型のMOSFETとなるが、本実施の形態におけるMOSFETでは、n型チャネル領域11とJFET領域のn型のドリフト層2の間に電界緩和領域10が挿入されている。そのため、ゲート電圧が低いところでは電流が流れず、ゲート電圧が高くなって電流が流れ始めるノーマリ・オフ特性が得られるという効果がある。
つまり、オフ時はゲート絶縁膜6の電界を緩和し、オン時のオン抵抗をより低減した、ノーマリ・オフ型のMOSFETが得られるという効果を奏する。
尚、本発明の実施の形態3では本発明の実施の形態1及び2と相違する部分について説明し、同一または対応する部分についての説明は省略した。
実施の形態4.
図14は、本発明の実施の形態3における炭化珪素半導体装置の製造方法を説明するための炭化珪素半導体装置の断面図である。本実施の形態は、ウェル領域3と電界緩和領域10を同時に形成する製造方法を用いたことを特徴とする。それ以外については、実施の形態1、2及び3と同様である。
nチャネル型MOSFETにおいてp型ウェル領域3をイオン注入により形成する際、電界緩和領域10の上部の注入マスク12を薄く形成し、ウェル領域3の注入と同時に電界緩和領域10も注入マスク12を介してのスルー注入により形成する。
この時、電界緩和領域10の深さは、注入エネルギーに対して注入マスク12の厚さを制御することによって、所望の深さに形成することができる。
また、ウェル領域3の表面から浅い領域の不純物濃度を低く、表面から深い領域の不純物濃度を高く設定すれば、電界緩和領域10の不純物濃度は、ウェル領域3の表面から深い領域の不純物濃度と同じになるので、ウェル領域3の電界緩和領域10より浅い領域の不純物濃度より高くすることができる。
本実施の形態による製造方法を用いれば、ウェル領域3と電界緩和領域10のイオン注入を同時に行うことができるほか、電界緩和領域10の注入マスクの形成や位置合わせも省略できるためプロセスが簡略化、容易化でき、また注入回数の削減によるコスト低下にもつながる。
尚、本発明の実施の形態4では本発明の実施の形態1、2及び3と相違する部分について説明し、同一または対応する部分についての説明は省略した。
1 炭化珪素基板
2 ドリフト層
3 ウェル領域
3a 領域
4 ソース領域
5 ウェルコンタクト用領域
6 ゲート絶縁膜
7 ゲート電極
8 ソース電極
9 ドレイン電極
10 電界緩和領域
11 n型チャネル領域
12 注入マスク

Claims (8)

  1. 炭化珪素基板上に設けられた第1の導電型の炭化珪素ドリフト層の表層部に、互いに間隔をあけて形成された第2の導電型の複数のウェル領域と、
    前記ウェル領域内に形成された第1の導電型のソース領域と、
    前記ドリフト層および前記ウェル領域の表面に形成されるゲート絶縁膜と、
    隣り合う前記ウェル領域の間の、前記ゲート絶縁膜直下の前記ドリフト層の表層部全面に形成された、前記隣り合う前記ウェル領域に隣接する第2の導電型の電界緩和領域と、
    前記ソース領域の表面の一部に形成されたソース電極と、
    前記ゲート絶縁膜の表面に、前記電界緩和領域と、前記ウェル領域と、前記ソース領域の端部と、対向するように形成されたゲート電極と、
    を備え、
    前記電界緩和領域の深さが前記ウェル領域よりも浅く、かつ、前記電界緩和領域の不純物濃度が、前記電界緩和領域の深さより浅い領域にある前記ウェル領域の不純物濃度より高い、
    炭化珪素半導体装置。
  2. 前記ウェル領域の不純物濃度が、表面から浅い領域では、表面から深い領域の不純物濃度より低いこと、
    を特徴とする請求項1に記載の炭化珪素半導体装置。
  3. 前記ウェル領域の不純物濃度が、1×1015〜1×1019cm−3の範囲であること、
    を特徴とする請求項1または2に記載の炭化珪素半導体装置。
  4. 前記電界緩和領域の不純物濃度が1×1016〜1×1020cm−3の範囲であること、
    を特徴とする請求項1または2に記載の炭化珪素半導体装置。
  5. 前記電界緩和領域の深さが0.01〜2μmの範囲であること、
    を特徴とする請求項1または2に記載の炭化珪素半導体装置。
  6. 前記ウェル領域の表層部に第1の導電型の蓄積型チャネル領域を設け、蓄積型MOSFETとしたこと、
    を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置。
  7. 前記ウェル領域内に形成され、前記ソース領域と隣接する第2の導電型のウェルコンタクト領域を備え、
    前記ソース電極は、前記ウェルコンタクト領域の表面にも形成された、
    nチャネル炭化珪素MOSFETであること、
    を特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の炭化珪素半導体装置。
  8. 炭化珪素基板上に、炭化珪素からなる第1の導電型のドリフト層を成長させる第1の工程と、
    前記ドリフト層の表面に注入マスクを形成する第2の工程と、
    前記ドリフト層に第2の導電型である不純物イオンを注入する第3の工程と、
    を備え、
    前記第3の工程は、表面に前記注入マスクが形成されていない前記ドリフト層の領域に注入して複数のウェル領域を形成すると同時に、表面に前記注入マスクが形成されている前記ドリフト層の領域に前記注入マスクを介してスルー注入することによって電界緩和領域を形成すること、
    を特徴とする請求項2に記載の炭化珪素半導体装置の製造方法。
JP2012153783A 2012-07-09 2012-07-09 炭化珪素半導体装置およびその製造方法 Active JP5895750B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012153783A JP5895750B2 (ja) 2012-07-09 2012-07-09 炭化珪素半導体装置およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012153783A JP5895750B2 (ja) 2012-07-09 2012-07-09 炭化珪素半導体装置およびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014017376A true JP2014017376A (ja) 2014-01-30
JP5895750B2 JP5895750B2 (ja) 2016-03-30

Family

ID=50111816

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012153783A Active JP5895750B2 (ja) 2012-07-09 2012-07-09 炭化珪素半導体装置およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5895750B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020080387A (ja) * 2018-11-14 2020-05-28 株式会社 日立パワーデバイス 半導体装置及びそれを用いた電力変換装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0590592A (ja) * 1991-09-27 1993-04-09 Sanyo Electric Co Ltd 絶縁ゲートバイポーラトランジスタ
JP2011211020A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Rohm Co Ltd 半導体装置
JP2012104648A (ja) * 2010-11-10 2012-05-31 Mitsubishi Electric Corp 半導体装置およびその製造方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0590592A (ja) * 1991-09-27 1993-04-09 Sanyo Electric Co Ltd 絶縁ゲートバイポーラトランジスタ
JP2011211020A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Rohm Co Ltd 半導体装置
JP2012104648A (ja) * 2010-11-10 2012-05-31 Mitsubishi Electric Corp 半導体装置およびその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020080387A (ja) * 2018-11-14 2020-05-28 株式会社 日立パワーデバイス 半導体装置及びそれを用いた電力変換装置
JP7122229B2 (ja) 2018-11-14 2022-08-19 株式会社 日立パワーデバイス 半導体装置及びそれを用いた電力変換装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5895750B2 (ja) 2016-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6759563B2 (ja) 半導体装置および半導体装置の製造方法
JP6572423B2 (ja) 半導体装置および半導体装置の製造方法
JP7190144B2 (ja) 超接合炭化珪素半導体装置および超接合炭化珪素半導体装置の製造方法
WO2014112204A1 (ja) 炭化珪素半導体装置
JP5182359B2 (ja) 炭化珪素半導体装置
US9362121B2 (en) Method of manufacturing a silicon carbide semiconductor device
WO2013001677A1 (ja) 半導体装置とその製造方法
JP6438933B2 (ja) 埋め込みウェル領域およびエピタキシャル層を有する電界効果型トランジスタデバイス
JP2008503894A (ja) 炭化ケイ素デバイスおよびその作製方法
JP2011060930A (ja) 半導体装置および半導体装置の製造方法
JP2012243966A (ja) 半導体装置
JP6853977B2 (ja) 半導体装置および半導体装置の製造方法
JP6505263B2 (ja) 炭化珪素半導体装置およびその製造方法
US9786741B2 (en) Silicon carbide semiconductor device and method for manufacturing the same
JPWO2015015808A1 (ja) 炭化珪素半導体装置およびその製造方法
CN109219889B (zh) 半导体装置和半导体装置的制造方法
JP5676923B2 (ja) 半導体装置の製造方法および半導体装置
US20190363161A1 (en) Semiconductor device and method of manufacturing the same
WO2017051616A1 (ja) 炭化珪素半導体装置およびその製造方法
US9806167B2 (en) Method for manufacturing silicon carbide semiconductor device
JP2010027833A (ja) 炭化珪素半導体装置およびその製造方法
JP2015056644A (ja) 炭化珪素半導体装置および炭化珪素半導体装置の製造方法
JP5059989B1 (ja) 半導体装置とその製造方法
JP5895750B2 (ja) 炭化珪素半導体装置およびその製造方法
JP2005353877A (ja) 半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20140326

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20141024

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160215

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5895750

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250