JP2014016599A - トリアリールメタン色素、およびその用途 - Google Patents

トリアリールメタン色素、およびその用途 Download PDF

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Abstract

【課題】溶剤溶解性、色特性(明度)、耐熱性、耐光性に優れたカラーフィルタ用トリアリールメタン色素およびそれを配合してなるカラーフィルタ用着色組成物、並びに、それを用いた塗膜異物が少なく、色特性(明度)が良く、耐熱性、耐光性に優れるカラーフィルタを提供する。
【解決手段】下記で表されるカラーフィルター用トリアリールメタン色素。
Figure 2014016599

【選択図】図1

Description

本発明は、特定の硫酸塩と造塩したトリアリールメタン色素、およびそれを配合してな
る着色組成物に関する。また本発明は、カラー液晶表示装置のカラーフィルタの青色フィ
ルタセグメント(画素)の形成に好適なカラーフィルタ用着色組成物、ならびにカラーフ
ィルタ用着色組成物を青色フィルタセグメント(画素)に用いるカラーフィルタに関する
カラー液晶表示装置は、2枚の偏光板に挟まれた液晶層が、1枚目の偏光板を通過した
光の偏光度合いを制御して、2枚目の偏光板を通過する光量をコントロールすることによ
り表示を行う表示装置であり、ツイストネマチック(TN)型液晶を用いるタイプが主流
となっている。液晶表示装置は、2枚の偏光板の間にカラーフィルタを設けることにより
カラー表示が可能となり、近年、テレビやパソコンモニタ等に用いられるようになったこ
とから、カラーフィルタに対して高コントラスト化、高明度化とともに、広い色再現領域
や高い信頼性の要求も高くなっている。
カラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(
ストライプ)状のフィルタセグメントを平行又は交差して配置したもの、あるいは微細な
フィルタセグメントを縦横一定の配列で配置したものからなっている。フィルタセグメン
トは、数ミクロン〜数100ミクロンと微細であり、しかも色相毎に所定の配列で整然と
配置されている。
カラーフィルタの製造方法には、着色剤として染料、造塩染料を使った染色法、染料分
散法や、着色剤として顔料を使った顔料分散法、印刷法、電着法などがある。このうち染
色法、あるいは染色分散法は着色剤が染料であることから、耐熱性や耐光性にやや劣る欠
点がある。よってカラーフィルタの着色剤としては耐熱性や耐光性に優れる顔料が用いら
れ、製造方法としては形成方法の精度や安定性から顔料分散法を用いる場合が多い。
顔料分散法は、透明樹脂中に着色剤である顔料粒子を分散させたものに感光剤や添加剤
などを混合・調合することによってカラーレジスト化し、このカラーレジストを基板上に
スピンコーターなどの塗布装置により塗膜形成し、アライナーやステッパー等によりマス
クを介して選択的に露光を行い、アルカリ現像、熱硬化処理をすることによりパターニン
グし、この操作を繰り返すことによってカラーフィルタを作製する方法である。
従来、青色フィルタセグメント(画素)の形成に用いられる着色剤としては、一般に耐
性および色調に優れたフタロシアニン顔料が用いられることが多い。フタロシアニン顔料
は、α型、β型、δ型、ε型等の異なる結晶型を持っており、それぞれが鮮明で着色力も
高いという優れた性質を持っていることから、カラーフィルタ用の着色剤として適したも
のである。このフタロシアニン顔料には、銅、亜鉛、ニッケル、コバルト、アルミニウム
等の種々の中心金属を持つものが知られている。中でも銅フタロシアニン顔料は、最も色
調が鮮明であることから広く用いられている。その他にもメタルフリーフタロシアニン顔
料や、亜鉛フタロシアニン顔料、アルミフタロシアニン顔料、コバルトフタロシアニン顔
料等の異種金属フタロシアニン顔料も実用化されている。
従来の冷陰極管タイプのバックライトを用いた液晶表示装置などの表示装置においては
、青色フィルタセグメントやシアン色フィルタセグメントに、銅フタロシアニン顔料とジ
オキサジン系顔料等を組み合わせることで、高い明度と広い色表示領域を達成することが
できていた。しかしながら前述のように、カラーフィルタに対して更なる高明度化や広い
色再現領域が要求されている。
上記の課題を解決するために、着色剤として顔料ではなく染料を樹脂等に溶解させる技
術が提案されている(例えば特許文献1参照)。また青色フィルタセグメントに用いる着
色剤として、トリアリールメタン系色素、特にトリアリールメタン系染料をカラーフィル
タ用着色剤として用いることも提案されている(例えば特許文献2参照)。しかしながら
、染料は顔料に比較して耐熱性、耐光性、耐溶剤性に劣るという問題があった。
耐熱性を向上させる方法として、ナフタレン環を有するトリアリールメタン系染料と芳
香族スルホン酸との造塩化合物をカラーフィルタ用着色剤として用いることも提案されて
いる(例えば特許文献3参照)しかしながら、この色素を用いてカラーフィルタを作成し
ても、耐熱性と耐光性の両者を同時に満たすことはできなかった。また、これらの色素は
溶剤溶解性が低いため、カラーフィルタの塗膜にした場合、塗膜異物が発生する問題もあ
った。
さらに、耐熱性を向上させる方法として、特許文献4ではトリアリールメタン系染料の
カウンターとしてフタロシアニンスルホン酸、またはアントラキノンスルホン酸と造塩さ
せることが提案されている。分子量が大きく耐熱性、耐光性のよいフタロシアニンスルホ
ン酸の塩で造塩すれば、一般的に耐熱性、耐光性が向上できると考えられる。しかしなが
ら、このような色素を用いてカラーフィルタを作成しても、耐熱性、耐光性ともに不十分
であり、塗膜への異物の発生も確認された。更にフタロシアニンスルホン酸などの顔料と
造塩することで本来トリアリールメタン系染料が有している高い明度が低下してしまうと
いう問題点があった。
特開平6−75375号公報 特開2001−81348号公報 特開2008−304766号公報 WO2009−107734号公報
本発明の目的は、溶剤溶解性、色特性(明度)、耐熱、耐光性に優れたカラーフィルタ
用トリアリールメタン色素、およびそれを配合してなるカラーフィルタ用着色組成物、並
びに塗膜異物が少なく色特性(明度)が良好で、耐熱性、耐光性に優れるカラーフィルタ
を提供することである。
本発明者らは前記諸問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、トリアリールメタン
系塩基性染料を特定の硫酸塩と造塩することで、トリアリールメタン色素の溶剤溶解性、
耐熱性、耐光性を著しく向上することが可能となることを見出し、この知見に基づいて本
発明をなしたものである。
すなわち本発明は、下記一般式(1)で表されることを特徴とするカラーフィルタ用ト
リアリールメタン色素に関する。
一般式(1)
Figure 2014016599
(式中、R1A〜R1Fは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル
基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または、置換もしくは無置換のアリール基を表
す。
R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、または、エチル基を表す。
Rは、置換もしくは無置換のn価の脂肪族炭化水素基を表す。
nは、1〜4の整数を表す。)
また本発明は、少なくとも着色剤と、バインダー樹脂および/または光重合性単量体と
からなる着色組成物において、該着色剤が、上記のトリアリールメタン色素を含むことを
特徴とするカラーフィルタ用着色組成物に関する。
また本発明は、さらに着色剤が顔料を含有することを特徴とする上記のカラーフィルタ
用着色組成物に関する。
また本発明は、少なくとも赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および
青色フィルタセグメントを備えるカラーフィルタにおいて、少なくとも1つのフィルタセ
グメントが、上記のカラーフィルタ用着色組成物により形成されてなるカラーフィルタに
関する。
トリアリールメタン系塩基性染料を特定の硫酸塩と造塩することで、溶剤溶解性、色特
性(明度)、耐熱、耐光性に優れたトリアリールメタン色素を得る事ができた。そのため
、本発明の色素を用いたカラーフィルタ用着色組成物でカラーフィルタを作成すると、塗
膜異物が少なく、色特性(明度)が向上した、耐熱性、耐光性に優れるカラーフィルタを
形成することが可能になる。
図1は実施例で使用したバックライトの発光スペクトルである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のカラーフィルタ用トリアリールメタン色素は、下記一般式(1)で表される。
一般式(1)
Figure 2014016599
(式中、R1A〜R1Fは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル
基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または、置換もしくは無置換のアリール基を表
す。
R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、または、エチル基を表す。
Rは、置換もしくは無置換のn価の脂肪族炭化水素基を表す。
nは、1〜4の整数を表す。)
Rにおける置換もしくは無置換のn価の脂肪族炭化水素基とは、n=1の場合は置換も
しくは無置換のアルキル基、または、置換もしくは無置換のアルケニル基であり、n=2
〜4の場合は前記置換もしくは無置換のアルキル基、および、置換もしくは無置換のアル
ケニル基からn−1個の水素を取り除いた基である。
R1A〜R1F、Rにおけるアルキル基としては、炭素数1から30の直鎖状、分岐鎖
状、単環状または縮合多環状アルキル基、または炭素数2から30であり1個以上のエス
テル結合(−COO−)および/またはエーテル結合(−O−)を含む直鎖状、分岐鎖状
、単環状または縮合多環状アルキル基が挙げられる。炭素数1から30の直鎖状、分岐鎖
状、単環状または縮合多環状アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル
基、ドデシル基、オクタデシル基、トリフルオロメチル基、イソプロピル基、イソブチル
基、イソペンチル基、2−エチルヘキシル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、
sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基、ネオペンチル基、
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチ
ル基、ノルボルニル基、ボロニル基、4−デシルシクロヘキシル基等を挙げることができ
るが、これらに限定されるものではない。
炭素数2から30であり1個以上のエステル結合を含む直鎖状、分岐鎖状アルキル基の
具体例としては、−CH2−CH2−CH2−COO−CH2−CH3、−CH2−CH(−C
3)−CH2−COO−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH2−OCO−CH2−CH3
、−CH2−CH2−CH2−CH2−COO−CH2−CH(CH2−CH3)−CH2−CH
2−CH2−CH3、−(CH2)5−COO−(CH211−CH3、−CH2−CH2−CH2
CH−(COO−CH2−CH3) 2等を挙げることができるが、これらに限定されるもので
はない。
また、炭素数2から30であり1個以上のエーテル結合を含む直鎖状、分岐鎖状アルキ
ル基の具体例としては、−CH2−O−CH3、−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−C
2−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−(CH2−CH2−O)n−CH3(ここでnは
1から8である)、−(CH2−CH2−CH2−O)m−CH3(ここでmは1から5であ
る)、−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH3−、−CH2−CH−(OCH32
を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
炭素数2から30であり場合により1個以上のエーテル結合を含む単環状または縮合多
環状アルキル基の具体例としては、以下のようなものを挙げることができるが、これらに
限定されるものではない。
Figure 2014016599
さらに、炭素数3から30であり1個以上のエステル結合(−COO−)およびエーテ
ル結合(−O−)を含む直鎖状、分岐鎖状、アルキル基の具体例としては、−CH2−C
2−COO−CH2−CH2−O−CH2−CH(CH2−CH3)−CH2−CH2−CH2
−CH3、−CH2−CH2−COO−CH2−CH2−O−CH2−CH2−O−CH2−CH
(CH2−CH3)−CH2−CH2−CH2−CH3を挙げることができるが、これらに限定
されるものではない。
R1A〜R1F、Rにおけるアルケニル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐
鎖状、単環状または縮合多環状アルケニル基が挙げられる。それらは構造中に複数の炭素
−炭素二重結合を有していてもよい。具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、ア
リル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、1−ペ
ンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル
基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、シク
ロペンテニル基、シクロヘキセニル基、1,3−ブタジエニル基、シクロヘキサジエニル
基、シクロペンタジエニル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではな
い。
R1A〜R1Fにおけるアリール基としては、炭素数6〜18を有する単環または縮合
多環芳香族基であり、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、p−ビフ
ェニル基、m−ビフェニル基、2−アントリル基、9−アントリル基、2−フェナントリ
ル基、3−フェナントリル基、9−フェナントリル基、2−フルオレニル基、3−フルオ
レニル基、9−フルオレニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、3−ペリレニル基等
を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
これらR1A〜R1F、Rにおけるアルキル基、アルケニル基、および、R1A〜R1
Fにおけるアリール基は、置換基を有しても良い。そのような置換基としては、アルキル
基、アルケニル基、アリール基が挙げられ、これらは前述したものと同義である。
nは1〜4の整数を表すが、溶剤溶解性からは1または2が好ましく、1が特に好まし
い。
トリアリールメタン色素のカチオンの位置は、安定な共鳴構造が取れる位置であればど
こでも良く、アミン部分のいずれかの窒素部分でも、トリアリールメタンの中心炭素部分
でも良い。
例えば一般式(2)で示されるトリアリールメタン色素は対応するトリアリールメタン
塩基性染料と特定の硫酸ナトリウム塩やカリウム塩、アンモニウム塩等とを塩交換するこ
とで得ることができる。
一般式(2)
Figure 2014016599
Figure 2014016599
本発明のトリアリールメタン色素の具体例としては、以下の色素が挙げられるが、これ
らに限定されない。
表1
Figure 2014016599
Figure 2014016599
Figure 2014016599
本発明の着色組成物は、少なくとも本発明のトリアリールメタン色素を含む着色剤とバ
インダー樹脂および/または光重合性単量体とからなる。
次に本発明のカラーフィルタ用着色組成物について詳述する。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、色度調整やさらに耐熱性を向上させるため等
に、本発明の効果を損なわない範囲で顔料、染料を含有していてもよい。
本発明のトリアリールメタン色素は、2種類以上併用して使用してもよい。
本発明のトリアリールメタン色素に添加する場合は、青色、紫色等各種の色の顔料、染
料を使用することができる。又、顔料としては、例えばフタロシアニン系、キナクリドン
系、ベンズイミダゾロン系、ジオキサジン系、インダンスレン系、ペリレン系、ローダミ
ンレーキ系、アゾ系、アミノケトン系等の有機顔料が挙げられる。この他に種々の無機顔
料等も利用可能である。染料としては、トリアリールメタン系、キサンテン系、ローダミ
ン系等の染料が挙げられる。以下、使用できる顔料、染料の具体例を示す。以下に挙げる
「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
青色顔料としては、C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1
、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、2
9、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、6
7、68、71、72、73、74、75、76、78、79等を挙げることができる。
これらの中で、好ましくはC.I.ピグメントブルー1、15、15:1、15:2、1
5:3、15:4、15:6であり、更に好ましくはC.I.ピグメントブルー15:6
である。
紫色顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3
:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、
32、37、39、42、44、47、49、50等を挙げることができる。これらの中
で、好ましくはC.I.ピグメントバイオレット19、23であり、更に好ましくはC.
I.ピグメントバイオレット23である。
トリアリールメタン系染料としては、C.I.ベーシック バイオレット1、3、14等
を挙げることができる。
キサンテン系染料としては、C.I.アシッド レッド52、87、92、289、3
88等を挙げることができる。
ローダミン系染料としては、C.I.ベーシック レッド1、3、8、C.I.ベーシッ
ク バイオレット10等を挙げることができる。
カラーフィルタ用の着色成分として十分な明度を保つ上では本発明のトリアリールメタ
ン色素100質量部に対して、顔料成分は500質量部以下の範囲であることが好ましい
。着色成分全体として、顔料の割合の方が多くなったとしても、本発明のトリアリールメ
タン色素を添加する効果が、明度を上げる目的で得られるものである。
色度調整のため染料を添加する場合は、本発明のトリアリールメタン色素100質量部
に対して、染料成分は100質量部未満の範囲であることが好ましい。
(顔料の微細化)
本発明のカラーフィルタ用着色組成物に併用して含むことが可能な顔料は、ソルトミリ
ング処理等を行い微細化することができる。顔料の一次粒子径は、着色剤担体中への分散
が良好なことから、20nm以上であることが好ましい。また、コントラスト比が高いフ
ィルタセグメントを形成できることから、100nm以下であることが好ましい。特に好
ましい範囲は、25〜85nmの範囲である。なお、顔料の一次粒子径は、顔料のTEM
(透過型電子顕微鏡)による電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で
行った。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料
粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積を求
めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径としている。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダ
ー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練
機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶
剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリ
ング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理す
る際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅が
せまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウ
ム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好まし
い。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料の全重量を基準(100重量
%)として、50〜2000重量%用いることが好ましく、300〜1000重量%用い
ることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解
(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。た
だし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点
から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2
−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ
)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノー
ル、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピ
レングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料の全重量を基準(100重量%
)として、5〜1000重量%用いることが好ましく、50〜500重量%用いることが
最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられ
る樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性さ
れた合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性
であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂
の使用量は、顔料の全重量を基準(100重量%)として、5〜200重量%の範囲であ
ることが好ましい。
顔料をソルトミリング処理(微細化)する際に、同時に本発明のトリアリールメタン色
素を添加することも好ましいものである。顔料を微細化する際に、共に添加することで良
好な着色剤とすることができる。
<バインダー樹脂>
バインダー樹脂は、顔料や色素などの着色剤、特に本発明のトリアリールメタン色素を
分散するもの、もしくは本発明のトリアリールメタン色素を染色、浸透させるものであっ
て、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。
バインダー樹脂としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光
透過率が高い方が好ましく、特にカラーフィルタ用には80%以上、より好ましくは95
%以上の樹脂であることが好ましい。また、アルカリ現像型着色レジスト材の形態で用い
る場合には、酸性基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹
脂を用いることが好ましい。また、さらに光感度を向上と耐溶剤の改善を目的に、エチレ
ン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。
特に側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂をカラーフ
ィルタ用アルカリ現像型レジストに用いることで、着色剤を塗布した後の塗膜異物が発生
せず、レジスト材中の着色剤の安定性が改善され好ましい。側鎖にエチレン性不飽和二重
結合を有さない直鎖状の樹脂を用いた場合は、樹脂と着色剤の混在する液中で着色剤が樹
脂にトラップされにくく自由度を持っていることで着色剤成分が凝集・析出しやすいが、
側鎖にエチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂を用いることで、
樹脂と着色剤の混在する液中で着色剤が樹脂にトラップされ易いため、耐溶剤性試験にお
いて、色素が溶出しにくく、着色剤成分が凝集・析出しにくく、また、さらに活性エネル
ギー線で露光し膜を形成する際に樹脂が3次元架橋されることで着色剤分子が固定され、
その後の現像工程で溶剤が除去されても着色剤成分が凝集・析出しにくくなると推定され
る。
バインダー樹脂の重量平均分子量(Mw)は、着色剤を好ましく分散させるためには、
10,000〜100,000の範囲が好ましく、より好ましくは10,000〜80,
000の範囲である。また数平均分子量(Mn)は5,000〜50,000の範囲が好
ましく、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。
バインダー樹脂をカラーフィルタ用感光性着色組成物として使用する場合には、顔料及
び本発明のトリアリールメタン色素の分散性、浸透性、現像性、及び耐熱性の観点から、
着色剤吸着基及び現像時のアルカリ可溶基として働くカルボキシル基、着色剤担体及び溶
剤に対する親和性基として働く脂肪族基及び芳香族基のバランスが、顔料及び本発明のト
リアリールメタン色素の分散性、浸透性、現像性、さらには耐久性にとって重要であり、
酸価20〜300mgKOH/gの樹脂を用いることが好ましい。酸価が、20mgKO
H/g未満では、現像液に対する溶解性が悪く、微細パターン形成するのが困難である。
300mgKOH/gを超えると、微細パターンが残らなくなる。
バインダー樹脂は、成膜性および諸耐性が良好なことから、着色剤の全重量100重量
部に対し、30重量部以上の量で用いることが好ましく、着色剤濃度が高く、良好な色特
性を発現できることから、500重量部以下の量で用いることが好ましい。
(熱可塑性樹脂)
バインダー樹脂に用いる熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹
脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ
塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、
ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂
、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタ
ジエン、およびポリイミド樹脂等が挙げられる。中でもアクリル樹脂を用いることが好ま
しい。
酸性基含有エチレン性不飽和モノマーを共重合したビニル系アルカリ可溶性樹脂として
は、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。アルカ
リ可溶性樹脂として具体的には、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水
)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)ア
クリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。中
でも、酸性基を有するアクリル樹脂、およびスチレン/スチレンスルホン酸共重合体から
選ばれる少なくとも1種の樹脂、特に酸性基を有するアクリル樹脂は、耐熱性、透明性が
高いため、好適に用いられる。
エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂としては、たとえば以
下に示す(a)や(b)の方法により不飽和エチレン性二重結合を導入した樹脂が挙げられる。
[方法(a)]
方法(a)としては、例えば、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体と、他の1種
類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、不飽
和エチレン性二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、
生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、不飽和エチレン性二重結合およびカルボ
キシル基を導入する方法がある。
エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)ア
クリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)
アクリレート、3,4エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4エポキシシクロ
ヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併
用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)
アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル
安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、
シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上
を併用してもかまわない。
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無
水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2
種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリ
メリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテ
トラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解すること等もできる。また
、多塩基酸無水物として、不飽和エチレン性二重結合を有する、エトラヒドロ無水フタル
酸、又は無水マレイン酸を用いると、更に不飽和エチレン性二重結合を増やすことができ
る。
方法(a)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有する不飽和エチレン性単量
体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カル
ボキシル基の一部に、エポキシ基を有する不飽和エチレン性単量体を付加反応させ、不飽
和エチレン性二重結合およびカルボキシル基を導入する方法がある。
[方法(b)]
方法(b)としては、水酸基を有する不飽和エチレン性単量体を使用し、他のカルボキシ
ル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られ
た共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有する不飽和エチレン性単量体のイソシ
アネート基を反応させる方法がある。
水酸基を有する不飽和エチレン性単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3
−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレ
ート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用し
てもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキ
シド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテ
ルモノ(メタ)アクリレートや、(ポリ)γ−バレロラクトン、(ポリ)ε−カプロラク
トン、及び/又は(ポリ)12−ヒドロキシステアリン酸等を付加した(ポリ)エステル
モノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、又はグリセロール(メタ)アクリレートが好ましい。
イソシアネート基を有する不飽和エチレン性単量体としては、2−(メタ)アクリロイ
ルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシ〕エチ
ルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用するこ
ともできる。
(熱硬化性樹脂)
バインダー樹脂に用いる熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ベンゾグアナ
ミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹
脂、カルド樹脂、およびフェノール樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ化合物、ベンゾグアナミン化合物、ロジン変
性マレイン酸化合物、ロジン変性フマル酸化合物、メラミン化合物、尿素化合物、カルド
化合物、およびフェノール化合物といった、低分子化合物でもよく、本発明はこれに限定
されるものではない。このような熱硬化性樹脂を含むことで、フィルタセグメントの焼成
時に樹脂が反応し、塗膜の架橋密度を高め、耐熱性が向上し、フィルタセグメント焼成時
の顔料凝集が抑えられるという効果が得られる。
これらの中でも、エポキシ樹脂、カルド樹脂、またはメラミン樹脂が好ましい。
<有機溶剤>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、着色剤を充分に着色剤担体中に分散、浸透
させ、ガラス基板等の基板上に乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタ
セグメントを形成することを容易にするために溶剤を含有させることができる。
有機溶剤としては、例えば乳酸エチル、ベンジルアルコール、1,2,3−トリクロロ
プロパン、1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、1,3−ブチレング
リコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プ
ロパンジオール、3,5,5−トリメチル−2−シクロヘキセン−1−オン、3,3,5
−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3
−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メ
チルブチルアセテート、3−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−
ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジ
メチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチ
ルベンゼン、n−プロピルアセテート、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチ
ルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、p−クロロトルエン、p−ジエチルベンゼン、se
c−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ−ブチロラクトン、イソブチルアル
コール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチ
ルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエ
チルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコール
モノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレング
リコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エ
チレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコ
ールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコール
モノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテ
ート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノ
ールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロ
ピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピル
エーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリ
アセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモ
ノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニル
エーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチル
エーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール
モノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネ
ート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸
n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基
酸エステル等が挙げられる。
中でも、本発明のトリアリールメタン色素、顔料の分散、溶解が良好なことから、乳酸
エチル等のアルキルラクテート類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチル
エーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコール
アセテート類、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール類やシクロヘキサノン等のケト
ン類を用いることが好ましい。
これらの有機溶剤は、1種を単独で、若しくは2種以上を混合して用いることができる
。2種以上の混合溶剤とする場合、上記の好ましい有機溶剤が、全体の有機溶剤100重
量部中65〜95重量%含有されていることが好ましい。特にプロピレングリコールモノ
メチルエーテルアセテートが、主成分であることが好ましく、全有機溶剤中65〜100
重量%含有されていることが好ましいものである。
また、有機溶剤は、着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚のフィル
タセグメントを形成できることから、着色剤の全重量100重量部に対し、800〜40
00重量部の量で用いることが好ましい。
<着色組成物の製造方法>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、本発明のトリアリールメタン色素を含む着色
剤を、前記樹脂と、必要に応じて溶剤とからなる着色剤担体中に、好ましくは色素誘導体
などの分散助剤と一緒に、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、又
はアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。
また、本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、顔料、本発明のトリアリールメタン色
素、その他の着色剤等を別々に着色剤担体に分散したものを混合して製造することもでき
る。
(分散助剤)
着色剤を着色剤担体中に分散する際には、適宜、色素誘導体、樹脂型分散剤、界面活性
剤等の分散助剤を用いることができる。分散助剤は、着色剤の分散に優れ、分散後の着色
剤の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて着色剤を着色剤担体中に分散
してなる着色組成物を用いた場合には、分光透過率の高いカラーフィルタが得られる。
本発明において、本発明のトリアリールメタン色素は、併用する顔料の分散助剤としての
役割を果たすこともできる。
色素誘導体としては、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩
基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入
した化合物があげられ、例えば、特開昭63−305173号公報、特公昭57−156
20号公報、特公昭59−40172号公報、特公昭63−17102号公報、特公平5
−9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独または2種類以上を
混合して用いることができる。
色素誘導体の配合量は、分散性向上の点から、着色剤100重量部に対し、好ましくは
0.5重量部以上、さらに好ましくは1重量部以上、最も好ましくは3重量部以上である
。また、耐熱性、耐光性の観点から、着色剤100重量部に対し、好ましくは40重量部
以下、最も好ましくは35重量部以下である。
樹脂型分散剤は、着色剤に吸着する性質を有する顔料親和性部位と、着色剤担体と相溶
性のある部位とを有し、着色剤に吸着して着色剤担体への分散を安定化する働きをするも
のである。樹脂型分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカ
ルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン
塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン
、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変
性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの
反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共
重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイ
ン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高
分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレ
ンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が用いられ、これらは単独または2種以上
を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk−1
01、103、107、108、110、111、116、130、140、154、1
61、162、163、164、165、166、167、168、170、171、1
74、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001
、2009、2010、2020、2025、2050、2070、2095、2150
、2155、2163、2164またはAnti−Terra−U、203、204、ま
たはBYK−P104、P104S、220S、6919、21116、21324また
はLactimon、Lactimon−WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾ
ール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、136
50、13940、16000、17000、18000、20000、21000、2
4000、26000、27000、28000、31845、32000、32500
、32550、33500、32600、34750、35100、36600、385
00、41000、41090、53095、55000、56000、76500等、
チバ・ジャパン社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、40
10、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、44
00、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、43
20、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、
4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、
120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジ
スパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアル
カリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキル
ジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウ
リル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノー
ルアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレン
アルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイ
ルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面
活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン
性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイ
ミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用
いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
樹脂型分散剤、界面活性剤を添加する場合には、着色剤100重量部に対し、好ましく
は0.1〜55重量部、さらに好ましくは0.1〜45重量部である。樹脂型分散剤、界
面活性剤の配合量が、0.1重量部未満の場合には、添加した効果が得られ難く、配合量
が55重量部より多いと、過剰な分散剤により分散に影響を及ぼすことがある。
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、さらに光重合性単量体および/または光重合
開始剤を添加し、カラーフィルタ用感光性着色組成物として使用することが出来る。
<光重合性単量体>
本発明に用いることのできる光重合性単量体には、紫外線や熱などにより硬化して透明
樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独で、または2種以上
混合して用いることができる。モノマーの配合量は、着色剤100重量部に対し、5〜4
00重量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜300重量部
であることがより好ましい。
紫外線や熱などにより硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーとしては、例
えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,
6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA
ジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエ
ーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アク
リレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル
、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルお
よびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエ
チルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリ
ビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限
定されるものではない。
<光重合開始剤>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化させ、フ
ォトリソグラフ法によりフィルタセグメントを形成する場合は、光重合開始剤等を加えて
溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材の形態で調整することができる。光重
合開始剤を使用する際の配合量は、着色剤の全量100重量部に対し、5〜200重量部
であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜150重量部であること
がより好ましい。
光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジ
クロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)
−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパ
ン−1−オン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[
4−(4−モルフォリニル)フェニル]−1−ブタノン、または2−ベンジル−2−ジメ
チルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン
系化合物;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾ
インイソプロピルエーテル、またはベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;
ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾ
フェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4
’−メチルジフェニルサルファイド、または3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパ
ーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサントン、2
−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2
,4−ジイソプロピルチオキサントン、または2,4−ジエチルチオキサントン等のチオ
キサントン系化合物;2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6
−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6
−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(ト
リクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル
)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル−s−トリアジ
ン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、
2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−ト
リアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、または2,4
−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化
合物;1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイル
オキシム)〕、またはO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’
−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物
;ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、または2
,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合
物;9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキ
ノン系化合物; ボレート系化合物; カルバゾール系化合物;イミダゾール系化合物;
あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。
これらの光重合開始剤は1種または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いる
ことができる。これらの光重合開始剤は、カラーフィルタ用着色組成物中の着色剤の全量
を基準(100重量%)として、5〜200重量%であることが好ましく、光硬化性及び現
像性の観点から10〜150重量%であることがより好ましい。
<増感剤>
さらに、本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、増感剤を含有させることができる
。増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類
、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導
体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体
、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、
ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポ
リメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、
インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポル
フィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テト
ラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘
導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナ
フタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム
誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジ
ン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、またはミ
ヒラーケトン誘導体、ビイミダゾール誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフ
ィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレ
ンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4'−ジエチルイソフタロフ
ェノン、3,3'または4,4'−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェ
ノン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大
河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及
び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれら
に限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収
を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤は、必要に応じて任意の比率で2種以上用いても構わない。増感剤を使用する際
の配合量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤の全重量100重量部に対し、3〜6
0重量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50重量部であること
がより好ましい。
<多官能チオール>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオー
ルを含有することができる。
多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサ
ンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1
,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート
、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリ
コレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパン
トリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレー
ト、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸
トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼ
ン、2、4、6−トリメルカプト−s−トリアジン、2−(N,N−ジブチルアミノ)−
4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。
これらの多官能チオールは、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上
混合して用いることができる。
多官能チオールの含有量は、カラーフィルタ用着色組成物の全固形分の重量を基準(1
00重量%)として好ましくは0.1〜30重量%であり、より好ましくは1〜20重量
%である。多官能チオールの含有量が0.1重量%未満では多官能チオールの添加効果が
不充分であり、30重量%を越えると感度が高すぎて逆に解像度が低下する。
<酸化防止剤>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、酸化防止剤を含有することができる。酸化防
止剤は、カラーフィルタ用着色組成物に含まれる光重合開始剤や熱硬化性化合物が、熱硬
化やITOアニール時の熱工程によって酸化し黄変することを防ぐため、塗膜の透過率を
高くすることができる。そのため、酸化防止剤を含むことで、加熱工程時の酸化による黄
変を防止し、高い塗膜の透過率を得る事ができる。
本発明における「酸化防止剤」とは、紫外線吸収機能、ラジカル補足機能、または、過
酸化物分解機能を有する化合物であればよく、具体的には、酸化防止剤としてヒンダード
フェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾ
フェノン系、ヒドロキシルアミン系、サルチル酸エステル系、およびトリアジン系の化合
物があげられ、公知の紫外線吸収剤、酸化防止剤等が使用できる。
これらの酸化防止剤の中でも、塗膜の透過率と感度の両立の観点から、好ましいものと
しては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸
化防止剤またはイオウ系酸化防止剤が挙げられる。また、より好ましくは、ヒンダードフ
ェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、またはリン系酸化防止剤である
これらの酸化防止剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合
して用いることができる。
酸化防止剤の含有量は、カラーフィルタ用着色組成物の固形分重量を基準(100重量
%)として、0.5〜5.0重量%の場合、明度、感度が良好であるためより好ましい。
<アミン系化合物>
また、本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、溶存している酸素を還元する働きの
あるアミン系化合物を含有させることができる。
このようなアミン系化合物としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミ
ン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルア
ミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルア
ミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、及びN,N−ジメチルパ
ラトルイジン等が挙げられる。
<レベリング剤>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、透明基板上での組成物のレベリング性を良
くするため、レベリング剤を添加することができる。レベリング剤としては、主鎖にポリ
エーテル構造またはポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポ
リエーテル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、東レ・ダウコーニング社
製FZ−2122、ビックケミー社製BYK−333などが挙げられる。主鎖にポリエス
テル構造を有するジメチルシロキサンの具体例としては、ビックケミー社製BYK−31
0、BYK−370などが挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキ
サンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用することもでき
る。レベリング剤の含有量は通常、着色組成物の合計100重量%中、0.003〜0.
5重量%用いることが好ましい。
レベリング剤として特に好ましいものとしては、分子内に疎水基と親水基を有するいわ
ゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、着色組成物
に添加した場合、その表面張力低下能が低いという特徴を有し、さらに表面張力低下能が
低いにも拘らずガラス板への濡れ性が良好なものが有用であり、泡立ちによる塗膜の欠陥
が出現しない添加量において十分に帯電性を抑止できるものが好ましく使用できる。この
ような好ましい特性を有するレベリング剤として、ポリアルキレンオキサイド単位を有す
るジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位として
は、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリ
シロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有
していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリ
アルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダ
ント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサン
と交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリ
アルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング株
式会社から市販されており、例えば、FZ−2110、FZ−2122、FZ−2130
、FZ−2166、FZ−2191、FZ−2203、FZ−2207が挙げられるが、
これらに限定されるものではない。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を
補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸
共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニル
エーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸ト
リエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、
ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のモ
ノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどが挙げら
れる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤としては、アルキル4級アンモニ
ウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加え
るノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエ
チレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート
、ポリエチレングリコールモノラウレートなどの;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン
などのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤、また、フッ素系
やシリコーン系の界面活性剤が挙げられる。
<硬化剤、硬化促進剤>
また本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、
必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。硬化剤としては、フェノー
ル系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸
系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反
応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分
子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げら
れる。前記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベ
ンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4
−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジル
アミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロ
リド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール
誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾー
ル、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミ
ダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、
1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例
えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン
、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−
ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジ
アミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌ
ル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イ
ソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく
、2種以上を併用してもよい。前記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂100重
量部に対し、0.01〜15重量部が好ましい。
<その他の添加剤成分>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯
蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカ
ップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシア
ミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸およびそのメチル
エーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォス
フィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤の全量
100重量部に対し、0.1〜10重量部の量で用いることができる。
密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシ
シラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメ
トキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β
−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ
シラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(ア
ミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミ
ノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等の
チオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色組成物中の着
色剤の全量100重量部に対し、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜5重量部
の量で用いることができる。
<粗大粒子の除去>
本発明のカラーフィルタ用着色組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィル
タ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ま
しくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このよ
うに着色組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましい。より好ま
しくは0.3μm以下であることが好ましい。
<カラーフィルタ>
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。本発明のカラーフィルタは、少なく
とも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメント、および
少なくとも1つの青色フィルタセグメントを備えるカラーフィルタであって、少なくとも
1つの青色フィルタセグメントが、本発明カラーフィルタ用着色組成物を用いて形成され
てなるものである。
また、本発明のカラーフィルタは、少なくとも1つのマゼンタ色フィルタセグメント、
少なくとも1つのシアン色フィルタセグメントおよび少なくとも1つのイエロー色フィル
タセグメントを備えるカラーフィルタであって、少なくとも1つのシアン色フィルタセグ
メントが、本発明のカラーフィルタ用着色組成物により形成されてなるものである。
赤色フィルタセグメントは、赤色顔料と顔料担体を含む通常の赤色着色組成物を用いて
形成することができる。赤色着色組成物には、例えばC.I.ピグメント レッド 7、
14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、8
1:2、81:3、81:4、122、146、168、169、177、178、18
4、185、187、200、202、208、210、242、246、254、25
5、264、270、272、273、274,276、277、278、279、28
0、281、282、283、284、285、286、又は287等の赤色顔料が用い
られる。また赤色を呈する塩基性染料、酸性染料の造塩化合物を使用することもできる。
また赤色着色組成物には、C.I.ピグメント オレンジ 43、71、又は73等の
橙色顔料及び/またはC.I.ピグメント イエロー 1、2、3、4、5、6、10、
12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1
、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62
、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100
、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116
、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138
、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161
、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173
、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187
、188、193、194、198、199、213、又は214等の黄色顔料を併用す
ることができる。また橙色及び/または黄色を呈する塩基性染料、酸性染料を併用するこ
ともできる。
緑色フィルタセグメントは、緑色顔料と顔料担体を含む通常の緑色着色組成物を用いて
形成することができる。緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメント グリーン2、7
、10、36、37、58等が用いられる。
また緑色着色組成物には、黄色顔料を併用することができる。併用可能な黄色顔料とし
ては、C.I.ピグメント イエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14
、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1
、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、7
3、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104
、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118
、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147
、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164
、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175
、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193
、194、198、199、213、214、218、219、220、221等を挙げ
ることができる。また黄色を呈する塩基性染料、酸性染料を併用することもできる。
マゼンタ色フィルタセグメントは、マゼンタ色顔料と顔料担体を含む通常のマゼンタ色
着色組成物を用いて形成することができる。マゼンタ色着色組成物は、例えばC.I.ピ
グメント レッド 81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、192、
202、207、209、C.I.ピグメント バイオレット 19等の顔料が用いられ
る。またマゼンタ色を呈する塩基性染料、酸性染料を使用することもできる。
イエロー色フィルタセグメントは、黄色顔料と顔料担体を含む通常の黄色着色組成物を
用いて形成することができる。黄色顔料としては、赤色顔料や緑色顔料と併用可能な黄色
顔料として例示した顔料を用いることができる。また黄色を呈する塩基性染料、酸性染料
を使用することもできる。
カラーフィルタを構成する透明基板としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガ
ラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタ
クリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。また、ガラス
板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などか
らなる透明電極が形成されていてもよい。
<カラーフィルタの製造方法>
本発明のカラーフィルタは、印刷法またはフォトリソグラフィー法により、製造するこ
とができる。
印刷法によるフィルタセグメントの形成は、印刷インキとして調製した着色組成物の印
刷と乾燥を繰り返すだけでパターン化ができるため、カラーフィルタの製造法としては、
低コストであり、かつ量産性に優れている。さらに、印刷技術の発展により高い寸法精度
および平滑度を有する微細パターンの印刷を行うことができる。印刷を行うためには、印
刷の版上にて、あるいはブランケット上にてインキが乾燥、固化しないような組成とする
ことが好ましい。また、印刷機上でのインキの流動性制御も重要であり、分散剤や体質顔
料によってインキ粘度の調整も行うことができる。
フォトリソグラフィー法によりフィルタセグメントを形成する場合は、上記溶剤現像型
あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した着色組成物を、透明基板上に、ス
プレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥
膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接
触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を
行う。その後、溶剤またはアルカリ現像液に浸漬するかもしくはスプレーなどにより現像
液を噴霧して未硬化部を除去して所望のパターンを形成したのち、同様の操作を他色につ
いて繰り返してカラーフィルタを製造することができる。さらに、着色レジスト材の重合
を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれ
ば、上記印刷法より精度の高いカラーフィルタが製造できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム等の水溶液
が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いる
こともできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。なお、
紫外線露光感度を上げるために、上記着色レジスト材を塗布乾燥後、水溶性あるいはアル
カリ水溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し酸素
による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
本発明のカラーフィルタは、上記方法の他に電着法、転写法、インクジェット法などに
より製造することができるが、本発明のカラーフィルタ用着色組成物はいずれの方法にも
用いることができる。なお、電着法は、基板上に形成した透明導電膜を利用して、コロイ
ド粒子の電気泳動により各色フィルタセグメントを透明導電膜の上に電着形成することで
カラーフィルタを製造する方法である。また、転写法は剥離性の転写ベースシートの表面
に、あらかじめフィルタセグメントを形成しておき、このフィルタセグメントを所望の基
板に転写させる方法である。
透明基板あるいは反射基板上に各色フィルタセグメントを形成する前に、あらかじめブ
ラックマトリクスを形成することができる。ブラックマトリクスとしては、クロムやクロ
ム/酸化クロムの多層膜、窒化チタニウムなどの無機膜や、遮光剤を分散した樹脂膜が用
いられるが、これらに限定されない。また、前記の透明基板あるいは反射基板上に薄膜ト
ランジスター(TFT)をあらかじめ形成しておき、その後に各色フィルタセグメントを
形成することもできる。また本発明のカラーフィルタ上には、必要に応じてオーバーコー
ト膜や透明導電膜などが形成される。
カラーフィルタは、シール剤を用いて対向基板と張り合わせ、シール部に設けられた注
入口から液晶を注入したのち注入口を封止し、必要に応じて偏光膜や位相差膜を基板の外
側に張り合わせることにより、液晶表示パネルが製造される。
かかる液晶表示パネルは、ツイステッド・ネマティック(TN)、スーパー・ツイステ
ッド・ネマティック(STN)、イン・プレーン・スイッチング(IPS)、ヴァーティ
カリー・アライメント(VA)、オプティカリー・コンベンセンド・ベンド(OCB)等
のカラーフィルタを使用してカラー化を行う液晶表示モードに使用することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるもの
ではない。なお、特にことわりがない限り、「部」とは「重量部」を意味する。
<トリアリールメタン色素の製造方法>
実施例1
Figure 2014016599
C.I.ベーシック ブルー 7(東京化成品)12部とドデシル硫酸ナトリウム(東京
化成品)7.4部、ジクロロメタン130部、水200部を混合し、室温で2時間攪拌した
。その後、有機層を抽出、水で洗浄を行ない、有機層を減圧濃縮した。そして、60℃の
減圧乾燥機で乾燥し、14.7部の色素を得た。収率は、84.8%であった。得られた
トリアリールメタン色素について、NMR(日本電子社製 400MHz)による構造確
認を行い、目的物の生成を確認した。
実施例2
Figure 2014016599
C.I.ベーシック ブルー 7(東京化成品)12部とヘキサデシル硫酸ナトリウム(
40%ステアリル硫酸ナトリウムを含む、東京化成品)9.65部、ジクロロメタン13
0部、水200部を混合し、室温で2時間攪拌した。その後、有機層を抽出、水で洗浄を
行ない、有機層を減圧濃縮した。そして、60℃の減圧乾燥機で乾燥し、15.5部の色
素を得た。収率は、82.1%であった。得られたトリアリールメタン色素について、N
MR(日本電子社製 400MHz)による構造確認を行い、目的物の生成を確認した。
実施例3
Figure 2014016599
C.I.ベーシック ブルー 7(東京化成品)12部とエチル硫酸ナトリウム(東京化
成品)3.80部、ジクロロメタン130部、水200部を混合し、室温で2時間攪拌し
た。その後、有機層を抽出、水で洗浄を行ない、有機層を減圧濃縮した。そして、60℃
の減圧乾燥機で乾燥し、11.4部の色素を得た。収率は、81.2%であった。得られ
たトリアリールメタン色素について、NMR(日本電子社製 400MHz)による構造
確認を行い、目的物の生成を確認した。
実施例4
Figure 2014016599
C.I.ベーシック ブルー 26(東京化成品)12部とドデシル硫酸ナトリウム(東
京化成品)6.77部、ジクロロメタン130部、水200部を混合し、室温で2時間攪
拌した。その後、有機層を抽出、水で洗浄を行ない、有機層を減圧濃縮した。そして、6
0℃の減圧乾燥機で乾燥し、14.8部の色素を得た。収率は、87.6%であった。得
られたトリアリールメタン色素について、NMR(日本電子社製 400MHz)による
構造確認を行い、目的物の生成を確認した。
Figure 2014016599
(化合物1の合成)
4−ジエチルアミノ安息香酸(東京化成品)25部とトルエン90部の混合物に塩化チオ
ニル23部を加え80℃で1時間攪拌後、減圧濃縮し、酸クロリドを得た。別容器に無水
塩化アルミニウム20.4部と1,2−ジクロロエタン130部を加え、氷浴で冷却後、
酸クロリドを1,2−ジクロロエタン60部に溶解させた溶液を滴下した。滴下後、15
分攪拌し、N,N−ジエチル−m−トルイジン(東京化成品)21部を滴下し、室温に戻し
て、2時間攪拌した。その後、氷水に注ぎ、4N水酸化ナトリウムでpH11以上とし、
クロロホルムで抽出した。このものを水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減
圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で精
製し、精製したものをさらにTHFに溶解し、ヘキサンで再沈殿を行った。60℃で減圧
乾燥後、化合物1を15.4部得た。収率は、35.0%であった。
(化合物2の合成)
化合物1 10部とN−エチル−1−ナフチルアミン(東京化成品)5.0部をトルエン
40部に溶解させ、オキシ塩化リン6.8部を添加して、3時間還流させた。その後、室
温に戻し、1N塩酸を添加し、クロロホルムで抽出した。このものを飽和食塩水で洗浄し
、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルクロマトグラフ
ィー(クロロホルム/メタノール=4/1)で精製した。60℃で減圧乾燥後、化合物2を1
3.8部得た。収率は、88.8%であった。
実施例5
Figure 2014016599
上記化合物2 12部とドデシル硫酸ナトリウム(東京化成品)7.21部、ジクロロメ
タン130部、水200部を混合し、室温で2時間攪拌した。その後、有機層を抽出、水
で洗浄を行ない、有機層を減圧濃縮した。そして、60℃の減圧乾燥機で乾燥し、13.
7部の色素を得た。収率は、79.7%であった。得られたトリアリールメタン色素につ
いて、NMR(日本電子社製 400MHz)による構造確認を行い、目的物の生成を確
認した。
実施例6
C.I.ベーシック ブルー 7(東京化成品)12部と重合性不飽和基とポリオキシア
ルキレン基を有する硫酸塩である「アクアロンKH−10」(商標;第一工業製薬株式会
社製)21.8部、ジクロロメタン130部、水200部を混合し、室温で2時間攪拌し
た。その後、有機層を抽出、水で洗浄を行ない、有機層を減圧濃縮した。そして、60℃
の減圧乾燥機で乾燥し、20.6部の色素を得た。得られたトリアリールメタン色素につ
いて、NMR(日本電子社製 400MHz)による構造確認を行い、目的物の生成を確
認した。
実施例7
C.I.ベーシック ブルー 7(東京化成品)12部と重合性不飽和基とポリオキシア
ルキレン基を有する硫酸塩である「エレミノールRS−3000」(商標;三洋化成工業
株式会社製)22.0部、ジクロロメタン130部、水200部を混合し、室温で2時間
攪拌した。その後、有機層を抽出、水で洗浄を行ない、有機層を減圧濃縮した。そして、
60℃の減圧乾燥機で乾燥し、19.8部の色素を得た。得られたトリアリールメタン色
素について、NMR(日本電子社製 400MHz)による構造確認を行い、目的物の生
成を確認した。
比較例1
Figure 2014016599
C.I.ベーシック ブルー 7(東京化成品)を用いた。
比較例2
Figure 2014016599
C.I.ベーシック ブルー 7(東京化成品)12部とドデカンスルホン酸ナトリウム
(東京化成品)7.0部、ジクロロメタン130部、水200部を混合し、室温で2時間攪
拌した。その後、有機層を抽出、水で洗浄を行ない、有機層を減圧濃縮した。そして、6
0℃の減圧乾燥機で乾燥し、14.0部の色素を得た。収率は、80.6%であった。
比較例3
Figure 2014016599
C.I.ベーシック ブルー 7(東京化成品)12部とトビアス酸ナトリウム6.29
部、ジクロロメタン130部、水200部を混合し、室温で2時間攪拌した。その後、有
機層を抽出、水で洗浄を行ない、有機層を減圧濃縮した。そして、60℃の減圧乾燥機で
乾燥し、14.9部の色素を得た。収率は、91.2%であった。
比較例4
Figure 2014016599
C.I.ベーシック ブルー 7(東京化成品)12部をジクロロメタン130部に溶解
させ、これに、水200部にNaOH 1.0部、フタロシアニンスルホン酸16.8部
を溶解させたものを混合し、室温で2時間攪拌した。その後、有機層を抽出、水で洗浄を
行ない、有機層を減圧濃縮した。そして、60℃の減圧乾燥機で乾燥し、22.4部の色
素を得た。収率は、84.8%であった。
各色素の溶解性を確認するため、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
(PGMAC)での溶解性試験を行った。
評価の基準は下記の通りである。
○:5Wt%以上
△:1Wt%以上、5Wt%未満
×:1Wt%未満
以下、表2にその結果を示す。
表2
Figure 2014016599
比較例1、3、4色素は、溶解性が1Wt%未満と溶剤溶解性が全く無いのに対して、
実施例1〜7色素は溶剤溶解性が大きく向上したのを確認した。溶剤溶解性において、ト
リアリールメタン系塩基性染料を特定の硫酸塩と造塩した効果が明らかに確認された。ス
ルホン酸塩である比較例2色素は、硫酸塩である実施例1色素とアルキル鎖は同じであり
溶解性の向上を確認したが、後述する耐熱性試験結果が劣っているため、溶解性と耐熱性
の両者を満たす結果ではなく、実用性に問題がある。
(アクリル樹脂溶液の調製)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反
応容器にシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換
した後、滴下管よりn−ブチルメタクリレート13.3部、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変
性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2'−
アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更
に3時間反応を継続し、重量平均分子量26000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温ま
で冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発
分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20重量%になるようにメトキシプロピ
ルアセテートを添加してアクリル樹脂溶液を調製した。
ここで、アクリル樹脂の重合平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)
を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開
溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
<顔料の製造方法>
(紫色顔料の作製)
ジオキサジン系紫色顔料C.I.ピグメント バイオレット 23(トーヨーカラー株
式会社製「LIONOGEN VIOLET RL」)200部、塩化ナトリウム140
0部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作
所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し
、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナ
トリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の紫
色顔料1を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は28nmであった。
(青色顔料の作製)
フタロシアニン系青色顔料C.I.ピグメント ブルー 15:6(トーヨーカラー株
式会社製「LIONOL BLUE ES」)200部、塩化ナトリウム1400部、お
よびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に
仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃
に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム
およびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の青色顔料1
を得た。得られた顔料の平均一次粒子径は79nmであった。
(赤色顔料の作製)
ジケトピロロピロール系赤色顔料C.I.ピグメント レッド 254(チバ・ジャパ
ン社製「イルガフォアレッド B−CF」)200部、塩化ナトリウム1400部、およ
びジエチレングリコール320部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕
込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に
加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムお
よびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の赤色顔料1を
得た。得られた顔料の平均一次粒子径は56nmであった。
(黄色顔料1の作製)
イソインドリン系黄色顔料C.I.ピグメント イエロー 139(チバ・ジャパン社
製「イルガフォアイエロー 2R−CF」)500部、塩化ナトリウム500部、および
ジエチレングリコール250部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込
み、120℃で8時間混練した。次に、この混練物を5リットルの温水に投入し、80℃
に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム
及びジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、490部の黄色顔料1を
得た。得られた顔料の平均一次粒子径は92nmであった。
(黄色顔料2の作製)
キノフタロン系黄色顔料C.I.ピグメント イエロー 138「BASF社製「パリ
オトールイエローK0961HD」)270部、塩化ナトリウム1350部、およびジエ
チレングリコール500部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、
120℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱
しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよび
ジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、250部の黄色顔料3を得た
。得られた顔料の平均一次粒子径は36nmであった。
(緑色顔料)
フタロシアニン系緑色顔料C.I.ピグメント グリーン 58(DIC社製「FAS
TGEN GREEN A110」)を市販品のまま用いた。緑色顔料1の平均一次粒子径
は22nmであった。
(着色組成物T−1の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズ
を用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)
で1時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し着色組成物T−1を作製した。
実施例1色素 :11.0部
先に調整したアクリル樹脂溶液 :40.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC):48.0部
樹脂型分散剤(EFKA4300) :1.0部
(着色組成物T2〜T11の作製)
以下、トリアリールメタン色素1を表3に示すトリアリールメタン色素に置き換えた以
外は、着色組成物T−1と同様にして、着色組成物T2〜T11を作製した。
表3
Figure 2014016599
(着色組成物DP−1の作製)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズ
を用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)
で5時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し着色組成物(DP−1)を作製した

紫色顔料1 (C.I.ピグメント バイオレット 23) :11.0部
先に調整したアクリル樹脂溶液 :40.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) :48.0部
樹脂型分散剤 (チバ・ジャパン社製「EFKA4300」) :1.0部
(着色組成物DP−2〜6の作製)
以下、紫色顔料1を表4に示す顔料に置き換えた以外は、着色組成物DP−1と同様に
して、着色組成物DP−2〜6を作製した。
表4
Figure 2014016599
実施例8〜14、比較例5〜8
<着色組成物T−1〜11の塗膜異物試験>
評価は試験基板を作製し粒子の数をカウントして行った。透明基板上に乾燥塗膜が約2
.0μmとなるように着色組成物を塗布し、オーブンで110℃20分加熱し試験基板を
得た。評価はオリンパスシステム社製金属顕微鏡「BX60」)を用いて表面観察を行っ
た。倍率は500倍とし、透過にて任意の5視野で観測可能な粒子の数をカウントする。
下記の評価結果において、○は良好であり、△は異物が多いものの使用上問題ないレベル
であり、×は異物による塗工ムラ(斑)が発生する。
○:20個未満
△:20個以上、100個未満
×:100個以上
以下、表5にその結果を示す。
表5
Figure 2014016599
実施例6〜10は、塗膜異物が少なく良好な結果となった。塗膜異物において、トリア
リールメタン系塩基染料を特定の硫酸塩と造塩した効果が明らかに確認された。比較例6
の塗膜異物試験は、使用上問題ないレベルであったが、後述する耐熱性試験結果が劣って
いるため、溶解性と耐熱性の両者を満たす結果ではなく、実用性に問題がある。
(青色レジスト材B−1の調整)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、
アルカリ現像型レジスト材B−1を得た。
着色組成物 T−1 :50.0部
着色組成物 DP−1 :10.0部
先に調製したアクリル樹脂溶液 :11.0部
トリメチロールプロパントリアクリレート :4.2部
(新中村化学社製「NKエステルATMPT」)
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「イルガキュアー907」 :1.2部
増感剤(保土ヶ谷化学社製「EAB−F」) :0.4部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC):23.2部
(青色レジスト材B−2〜12、赤色レジスト材R−1、緑色レジスト材G−1の調整)
以下、着色組成物の種類および配合量を表6に示す着色組成物に置き換えた以外は、レ
ジスト材B−1と同様にしてアルカリ現像型レジスト材B−2〜12、R−1、G−1を
得た。
表6
Figure 2014016599
実施例15〜21、比較例9〜13
<レジスト材の評価>
得られたレジスト材B−1〜12の塗膜の色特性(Y:明度)、塗膜異物、耐熱性、耐
光性の各試験を下記の方法で行った。試験の結果を表7に示す。
<色特性(Y:明度)>
ガラス基板上にC光源において、レジスト材B−1〜12をx=0.150、y=0.
060になるような膜厚にレジスト材を塗布し、この基板を200℃で20分加熱した。
その後、得られた基板の明度(Y)を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−S
P200」)で測定した。
以下、表7にその結果を示す。
<塗膜異物試験>
評価は試験基板を作製し粒子の数をカウントして行った。透明基板上に乾燥塗膜が約2
.0μmとなるように着色組成物を塗布し、オーブンで110℃20分加熱し試験基板を
得た。評価はオリンパスシステム社製金属顕微鏡「BX60」)を用いて表面観察を行っ
た。倍率は500倍とし、透過にて任意の5視野で観測可能な粒子の数をカウントする。
下記の評価結果において、○は良好であり、△は異物が多いものの使用上問題ないレベル
であり、×は異物による塗工ムラ(斑)が発生する。
○:20個未満
△:20個以上、100個未満
×:100個以上
以下、表7にその結果を示す。
<塗膜耐熱性試験>
透明基板上に乾燥塗膜が約2.5μmとなるようにレジスト材を塗布し、所定のパター
ンを有するマスクを通して紫外線露光を行った後、スプレーによりアルカリ現像液を噴霧
して未硬化部を除去して所望のパターンを形成した。その後、オーブンで200℃20分
加熱、放冷後、得られた塗膜のC光源での色度1(L*(1),a*(1),b*(1))を顕
微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP200」)を用いて測定した。さらに
その後、耐熱試験としてオーブンで200℃40分加熱し、C光源での色度2(L*(2)
,a*(2),b*(2))を測定した。
測定した色差値を用いて、下記計算式により、色差ΔEab*を算出し、塗膜の耐熱性を
下記の4段階で評価した。また、評価でΔEab*が5.0未満であれば実用上問題ない
レベルである。
ΔEab* = √((L*(2)- L*(1))2+ (a*(2)- a*(1)) 2+( b*(2)- b*(1)) 2)
○:ΔEab*が5.0未満
×:ΔEab*が5.0以上
以下、表7にその結果を示す。
<塗膜耐光性試験>
塗膜耐熱性試験と同じ手順で試験用基板を作製し、基板にUVカットフィルムを貼った
。C光源での色度1(L*(1),a*(1),b*(1))を顕微分光光度計(オリンパス光
学社製「OSP−SP200」)を用いて測定した。その後、基板を耐光性試験機(TO
YOSEIKI社製「SUNTESTCPS+」)に入れ、100時間放置した。基板を
取り出した後、C光源での色度2(L*(2),a*(2),b*(2))を測定し、塗膜耐熱
性試験と同様にして色差ΔEab*を算出し、塗膜耐熱性試験と同様の基準により塗膜の
耐光性を評価した。また、評価でΔEab*が5.0未満であれば実用上問題ないレベル
である。
以下、表7にその結果を示す。
表7
Figure 2014016599
まず、実施例15〜21、比較例9〜12のトリアリールメタン色素を用いることで、
比較例13の従来好適に用いられてきた銅フタロシアニン顔料とジオキサジン顔料を含有
するレジストに比べ、高いY(明度)が得られることが可能となった。しかしながら、比較
例9〜12は耐熱性と耐光性の両者を満足することができていない。一方、実施例15〜
21は耐熱性と耐光性の両者を満足することが可能となった。また、実施例15〜21は
塗膜異物も少なく良好な結果であり、特定の硫酸塩と造塩させた効果を確認した。
<カラーフィルタ(CF−1)の作製>
ガラス基板上にブラックマトリクスをパターン加工し、該基板上にスピンコーターで赤
色レジスト材(R―1)をC光源、x=0.640、y=0.330になるような膜厚に
塗布し着色被膜を形成した。該被膜にフォトマスクを介して、超高圧水銀ランプを用いて
300mJ/cm2の紫外線を照射した。次いで0.2重量%の炭酸ナトリウム水溶液から
なるアルカリ現像液によりスプレー現像して未露光部分を取り除いた後、イオン交換水で
洗浄し、この基板を200℃で20分加熱して、赤色フィルタセグメントを形成した。同
様の方法により、緑色レジスト材(G―1)をx=0.264、y=0.600になるよ
うな膜厚に、青色レジスト材(B―1)を用いてx=0.150、y=0.060になる
ような膜厚にそれぞれ塗布し、緑色フィルタセグメント、青色フィルタセグメントを形成
して、カラーフィルタ(CF−1)を得た。
<液晶表示装置の作製>
得られたRGBのカラーフィルタ上に、透明ITO電極層を形成し、その上にポリイミ
ド配向層を形成した。このガラス基板の他方の表面に偏光板の3波長CCFL光源と組み
合わせてカラー表示装置を作製した。を形成した。他方、別の(第2の)ガラス基板の一
方の表面にTFTアレイ及び画素電極を形成し、他方の表面に偏光板を形成した。このよ
うにして準備された2つのガラス基板を電極層同士が対面するよう対向させて配置し、ス
ペーサビーズを用いて両基板の間隔を一定に保ちながら位置合わせし、液晶組成物注入用
開口部を残すように周囲を封止剤で封止した。開口部から液晶組成物を注入した後、開口
部を封止した。このようにして作製した液晶表示装置をバックライトユニットの3波長C
CFL光源と組み合わせてカラー表示装置を作製した。
(カラーフィルタ(CF−2、3)の作製)
以下、カラーフィルタ(CF−1)の作製と同様の方法により、表8に示すレジスト材
と3波長CCFL光源の組み合わせでカラーフィルタ(CF−2、3)とカラー表示装置
を作製した。また使用したバックライトの発光スペクトルを図1に示した。
実施例22、比較例14、15
得られたカラーフィルタCF−1〜3の色特性(Y:明度)試験を下記の方法で行った
<色特性(Y:明度)>
得られたカラー表示装置において、光源を発光させカラー画像を表示し、各色フィルタ
セグメント部分の明度(Y)を顕微分光光度計(オリンパス光学社製「OSP−SP20
0」)で測定した。
結果を表8に示す。
表8
Figure 2014016599
実施例22と比較例15を比較すると、青色フィルタセグメントに従来好適に用いられ
ていた銅フタロシアニン顔料とジオキサジン系顔料を含有するレジスト材を用いたカラー
フィルタに比べ、トリアリールメタンを特定の硫酸塩と造塩させたレジスト材を用いたカ
ラーフィルタにおいて高い明度が得られた。また、実施例22と比較例14を比較しても
同様のトリアリールメタン骨格を有していながら、トリアリールメタンを特定の硫酸塩と
造塩させたレジスト材を用いたカラーフィルタにおいて高い明度が得られた。比較例14
のカラーフィルタは着色剤にトリアリールメタン系色素を用いたレジスト材を用いている
ため比較例15のカラーフィルタより高い明度が得られているが、前述した様にこのレジ
スト材は耐性が劣っていた。
トリアリールメタン系塩基性染料を特定の硫酸塩と造塩することで、溶剤溶解性、色特
性(明度)、耐熱、耐光性に優れた本発明のカラーフィルタ用トリアリールメタン色素を
得る事ができる。そのため、本発明の色素を用いたカラーフィルタ用着色組成物でカラー
フィルタを作成すると塗膜異物が少なく、色特性(明度)が良好で、耐熱性、耐光性に優
れるカラーフィルタを形成することが可能になる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)で表されることを特徴とするカラーフィルター用トリアリールメタン色
    素。
    一般式(1)
    Figure 2014016599


    (式中、R1A〜R1Fは、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換のアルキル
    基、置換もしくは無置換のアルケニル基、または、置換もしくは無置換のアリール基を表
    す。
    R2およびR3は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、または、エチル基を表す。
    Rは、置換もしくは無置換のn価の脂肪族炭化水素基を表す。
    nは、1〜4の整数を表す。)
  2. 少なくとも着色剤と、バインダー樹脂および/または光重合性単量体とからなる着色組成
    物において、該着色剤が、請求項1記載のトリアリールメタン色素を含むことを特徴とす
    るカラーフィルタ用着色組成物。
  3. さらに着色剤が顔料を含有することを特徴とする請求項2に記載のカラーフィルタ用着色
    組成物。
  4. 少なくとも赤色フィルタセグメント、緑色フィルタセグメント、および青色フィルタセグ
    メントを備えるカラーフィルタにおいて、少なくとも1つのフィルタセグメントが、請求
    項2または3に記載のカラーフィルタ用着色組成物により形成されてなるカラーフィルタ
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