JP2014014808A - 二酸化炭素分離用複合体の製造方法、二酸化炭素分離用複合体、及び二酸化炭素分離用モジュール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】平均孔径1μm以下の細孔を有する多孔質支持体上に、自由体積孔が0.2nm以上10nm以下の無孔質層を形成する無孔質層形成工程、及び、該無孔質層上に、親水性ポリマーと二酸化炭素キャリアと多糖類又はゼラチンとを含有する二酸化炭素分離層を形成する分離層形成工程、を含む二酸化炭素分離用複合体の製造方法。
【選択図】なし
Description
特許文献1には、未架橋のビニルアルコール−アクリル酸塩共重合体水溶液を、任意の二酸化炭素透過性支持体上へ膜状に塗布した後、加熱し、架橋させて水不溶化し、この水不溶化物に二酸化炭素キャリアを含む水溶液を吸収させてゲル化することにより二酸化炭素分離ゲル膜を製造することが開示されている。
<1> 平均孔径1μm以下の細孔を有する多孔質支持体上に、自由体積孔が0.2nm以上10nm以下の無孔質層を形成する無孔質層形成工程、及び、無孔質層上に、親水性ポリマーと二酸化炭素キャリアと多糖類又はゼラチンとを含有する二酸化炭素分離層を形成する分離層形成工程、を含む二酸化炭素分離用複合体の製造方法。
<2> 無孔質層における二酸化炭素透過速度が、10GPU以上500GPU以下である<1>に記載の二酸化炭素分離用複合体の製造方法。
<3> 無孔質層における水透過速度が、4000GPU以下である<1>又は<2>に記載の二酸化炭素分離用複合体の製造方法。
<4> 無孔質層の膜厚が、0.01μm以上10μm以下である<1>〜<3>のいずれか1項に記載の二酸化炭素分離用複合体の製造方法
<5> 無孔質層が、シリコーン、ポリイミド、ポリメチルペンテン、及びポリトリメチルシリルプロピレンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含有する<1>〜<4>のいずれか1項に記載の二酸化炭素分離用複合体の製造方法。
<6> 無孔質層が、高分子化合物と平均一次粒径が0.01μm以上10μm以下の無機粒子とを含有し、該高分子化合物の全量に対する無機粒子の含有量が質量基準で2倍量以上である<1>〜<4>のいずれか1項に記載の二酸化炭素分離用複合体の製造方法。
<7> ポリマーが、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール−ポリアクリル酸共重合体、及びポリビニルピロリドンからなる群から選択される少なくとも1種の親水性高分子化合物である<8>に記載の二酸化炭素分離用複合体の製造方法。
<8> 無機粒子が、ZrO2、BaSO4、Al2O3、SiO2、マイカ、炭酸カルシウム、及びTiO2ら群から選択される少なくとも1種の無機粒子である<6>又は<7>に記載の二酸化炭素分離用複合体の製造方法。
<9> <1>〜<8>のいずれか1項に記載の製造方法により製造した二酸化炭素分離用複合体。
<10> <1>〜<8>のいずれか1項に記載の製造方法により製造した二酸化炭素分離用複合体を備えた二酸化炭素分離用モジュール。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本発明の二酸化炭素分離用複合体の製造方法(以下、適宜、「本発明の製造方法」と称する。)は、平均孔径1μm以下の細孔を有する多孔質支持体上に、自由体積孔が0.2nm以上10nm以下の無孔質層(以下、単に「無孔質層」とも称する。)を形成する無孔質層形成工程、及び、無孔質層上に、親水性ポリマーと二酸化炭素キャリアと多糖類又はゼラチンとを含有する二酸化炭素分離層(以下、単に「分離層」とも称する。)を形成する分離層形成工程、を含む。
以下、本発明の製造方法について、図面を適宜参照しながら具体的に説明する。
図1は、本発明の製造方法に用いる装置構成の一例を概略的に示している。この装置100は、無孔質層(不図示)が形成された帯状の多孔質支持体12を送り出す送り出しロール10と、多孔質支持体12上に分離層形成用組成物を塗布するコーター20と、塗布した分離層形成用組成物をゲル化させる冷却部30と、ゲル膜を乾燥させる乾燥部40、得られた二酸化炭素分離用複合体52を巻き取る巻取りロール50と、を備えている。また、各部20,30,40,50に多孔質支持体12を搬送するための搬送ロール62,64,66,68が配置されている。
無孔質層形成工程においては、平均孔径1μm以下の細孔を有する多孔質支持体(以下、単に「多孔質支持体」とも称する。)上に、自由体積孔が0.2nm以上10nm以下の無孔質層(以下、単に「無孔質層」とも称する。)を形成する。
一方の面に無孔質層を形成した多孔質支持体を、直径47mmの円形に切り取り、ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと略称する。)メンブレンフィルター(孔径0.10μm、ADVANTEC社製)で挟み、ガス透過試験サンプルを作製する。
テストガスとしてCO2/H2:10/90(容積比)の混合ガスを相対湿度70%、流量100ml/分、温度130℃、全圧3atmで、サンプル(有効面積2.40cm2)に供給し、透過側にArガス(流量90ml/分)をフローさせる。
透過したガスをガスクロマトグラフで分析し、CO2透過速度、H2透過速度、分離係数α(CO2透過速度/H2透過速度)を算出する。CO2透過速度〔Q(CO2)〕を求める。
ここで、透過速度の単位(GPU)は、「1GPU=1×10−6cm3(STP)/(s・cm2・cmHg)」である。
一方の面に無孔質層を形成した多孔質支持体を直径47mmの円形に切り取り、PTFEメンブレンフィルター(孔径0.10μm、ADVANTEC社製)で挟み、ガス透過試験サンプルを作製した。テストガスとしてCO2/H2:10/90(容積比)の混合ガスを相対湿度70%、流量100ml/分、温度130℃、全圧3atmで、サンプル(有効面積2.40cm2)に供給し、透過側にArガス(流量90ml/分)をフローさせる。透過した水蒸気ガスをガスクロマトグラフで分析し、水蒸気(H2O)透過速度を算出する。これを水の透過速度〔Q(H2O)〕とする。
ここで、透過速度の単位(GPU)は、「1GPU=1×10−6cm3(STP)/(s・cm2・cmHg)」である。
無孔質層Aは、シリコーン、ポリイミド、ポリメチルペンテン、及びポリトリメチルシリルプロピレンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含有する無孔質層である。
前記ポリイミドとしては、例えば、ガス透過速度が400GPU以下の3次元架橋した6FDA系のポリイミド(富士フイルム(株)製:FFイミド)等好ましい。
前記ポリメチルペンテンとしては、例えば、ガス透過速度が300GPU以下のポリメチルペンテン(三井化学(株)製:TPX25um)が好ましい。
前記ポリトリメチルシリルプロピレンとしては、例えば、ガス透過速度が500GPU以下のポチトリメチルシリルプロピレン(VITO社製:TMPTS)であることが好ましい。
無孔質層Bは、高分子化合物と平均一次粒径が0.01μm以上10μm以下の無機粒子とを含有し、該無機粒子の該高分子化合物に対する含有比(無機粒子:高分子化合物)が、質量基準で2:1以上である無孔質層である。
多孔質支持体における細孔は、その少なくとも一部が多孔質支持体の一方の面から他方の面に連通した連通孔である必要があるが、連通孔ではない細孔が存在していてもよい。
これら中でも、ポリオレフィン及びそのフッ化物が、経時安定性の観点から特に好ましい。
これらの多孔膜は支持体として単独に用いてもよいが、補強用の支持体と多孔膜とを積層してなる複合膜も好適に使用できる。
上記の各工程を経て、多孔質支持体上に自由体積孔が0.2nm以上10nm以下の無孔質層が形成される。
無孔質層形成用準備工程では、無孔質層に含有される各成分又はその前駆体を含有する無孔質層形成用組成物を調製する。
無孔質層形成用組成物の形態としては、i)無孔質層に含有される各成分又はその前駆体を任意の塗布溶媒に溶解又は分散させてなる液状組成物、ii)ラミネート用の薄層フイルムとして適用しうるシート状の組成物など如何なる形態であってもよい。また、無孔質層形成用組成物は重合性組成物であってもよい。
塗布溶媒が用いられる場合、該塗布溶媒としては、トルエン、メチルエチルケトン、メチレンクロライド、ヘキサン、ヘプタン、ホルムアルデヒド、及びこれらの混合溶媒などが挙げられる。
無孔質層形成用組成物を準備した後、該組成物を多孔質支持体上に付与して、無孔質層が製膜される。
ましい。
分離層形成工程においては、無孔質層形成工程において形成された無孔質層上に、親水性ポリマーと二酸化炭素キャリアと多糖類又はゼラチンとを含有する二酸化炭素分離層を形成する。
分離層形成組成物準備工程では、親水性ポリマーと、二酸化炭素キャリアと、多糖類とを含有する二酸化炭素分離膜形成用組成物を準備する。本工程により、親水性ポリマーと、二酸化炭素キャリアと、良好なセット性(ゲル化性)を付与する多糖類又はゼラチンとが、それぞれ適量水に添加されることで分離層形成組成物が調製される。
親水性ポリマーはバインダーとして機能するものであり、本工程により形成される分離層において水分を保持して二酸化炭素キャリアによる二酸化炭素の分離機能を発揮させる。親水性ポリマーは、水に溶解又は分散して塗布液を形成することができ、且つ、分離層における高い吸水性(保湿性)の観点から、吸水性が高いものが好ましい。親水性ポリマーとしては、生理食塩液に対する吸水量が、0.5g/g以上であることが好ましく、1g/g以上であることがより好ましく、5g/g以上であることが更に好ましく、10g/g以上であることが特に好ましく、20g/g以上の吸水性を有することが最も好ましい。
市販されているポリビニルアルコール−ポリアクリル酸塩共重合体(ナトリウム塩)として、例えば、クラストマーAP20(クラレ社製)が挙げられる。
また、分離層における親水性ポリマーは、2種以上を混合して使用してもかまわない。
二酸化炭素キャリアは、二酸化炭素と親和性を有し、かつ水溶性を示すものであればよく、公知のものを用いることができる。この場合の二酸化炭素キャリアは、二酸化炭素と親和性を有する物質であり、塩基性を示す各種の水溶性の無機及び有機物質が用いられる。例えば、アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属重炭酸塩及び/又はアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属重炭酸塩及び/又はアルカリ金属水酸化物を含む水溶液にアルカリ金属イオンと錯体を形成する多座配位子を添加した水溶液、アンモニア、アンモニウム塩、各種直鎖状、および環状のアミン、アミン塩、アンモニウム塩等が挙げられる。またこれら水溶性誘導体も好ましく用いることができる。
分離膜中に長期間保持できるキャリアが有用であるから、アミノ酸やベタインなどの蒸発しづらいアミン含有化合物が特に好ましい。
アルカリ金属重炭酸塩としては、例えば、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素ルビジウム、炭酸水素セシウムを挙げられる。
アルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化ルビジウムなどが挙げられる。
これらの中でもアルカリ金属炭酸塩が好ましく、溶解度の高いセシウム、ルビジウム、カリウムを含む化合物が好ましい。
アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン等の水溶性を有する各種のものを挙げることができる。二酸化炭素キャリアは、前記したものに限られるものではなく、二酸化炭素と親和性を有し、かつ水溶性を示すものであればよく、有機酸のアルカリ金属塩等各種のものを用いることができる。
なお、アミノ酸のLogP値は、計算化学的手法あるいは経験的方法により見積もられる。計算方法としては、Crippen’s fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21(1987).)、Viswanadhan’s fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,29,163(1989).)、Broto’s fragmentation法(Eur.J.Med.Chem.− Chim.Theor.,19,71(1984).)などがあるが、ある化合物のlogPの値が測定方法あるいは計算方法により異なる場合には、本発明では、Crippen’s fragmentation法により判断する。
アミノ酸の添加量は、多いほうが二酸化炭素の透過速度が上昇するため好ましいが、添加しすぎるとゲル膜が脆くなり二酸化炭素以外のガスの透過度も上昇する観点から、ゲル膜に対して3質量%以上90質量%以下であることが好ましく、より好ましくは5質量%以上60質量%以下、特に好ましくは10質量%以上50質量%以下である。
特にアルカリ金属炭酸塩とアミノ酸を併用することは二酸化炭素透過速度、分離係数の向上の点から好ましい。特に炭酸セシウム、炭酸ルビジウム、及び炭酸カリウムの1種以上に親水性のアミノ酸を添加することが好ましく、特にグリシン及び/又はセリンを用いることが好ましい。二酸化炭素キャリアとして、アルカリ金属炭酸塩のほかにアミノ酸が添加されることで、アミノ酸による二酸化炭素の吸収、放散の経路も形成され、二酸化炭素の透過が促進されると考えられる。
多糖類又はゼラチンとしては、親水性ポリマーと二酸化炭素キャリアと多糖類又はゼラチンを含む分離層形成用組成物(塗布液)を、支持体上に塗布して形成した塗布膜を冷却することにより、膜厚均一性が高いゲル膜(セット膜)を形成することができるものを使用する。
多糖類は単独で用いても複数を混合して用いてもよい。これらの多糖類の中には混合することでゲル化能の上がるものが知られており、ゲル化速度やゲル化能力、ゲル化温度の調整のために混合して用いることができる。
親水性ポリマーの架橋は熱架橋、紫外線架橋、電子線架橋、放射線架橋など従来公知の手法が実施することができる。分離層形成用組成物は、架橋剤を含むことが好ましい。特に、ポリビニルアルコール−ポリアクリル酸塩共重合体と反応し熱架橋し得る官能基を2以上有する架橋剤を含むことが好ましく、多価グリシジルエーテル、多価アルコール、多価イソシアネート、多価アジリジン、ハロエポキシ化合物、多価アルデヒド、多価アミン等が挙げられる。
また、上記多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、プロピレングリコール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロピル、オキシエチエンオキシプロピレンブロック共重合体、ペンタエリスリトール、ソビトール等が挙げられる。
また、上記多価イソシアネートとしては、例えば、2,4−トルイレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。また、上記多価アジリジンとしては、例えば、2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス〔3−(1−アシリジニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンジエチレンウレア、ジフェニルメタン−ビス−4,4’−N,N’−ジエチレンウレア等が挙げられる。
また、上記ハロエポキシ化合物としては、例えば、エピクロルヒドリン、α−メチルクロルヒドリン等が挙げられる。
また、上記多価アルデヒドとしては、例えば、グルタルアルデヒド、グリオキサール等が挙げられる。
また、上記多価アミンとしては、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレンイミン等が挙げられる。
上記架橋剤のうち、ポリビニルアルコール−ポリアクリル酸塩共重合体の熱架橋剤としてはグルタルアルデヒドが特に好ましい。
分離層形成用組成物は、製膜性(塗布性、セット性)やガス分離特性に悪影響しない範囲で、親水性ポリマー、二酸化炭素キャリア、及び、多糖類又はゼラチン以外の、1以上の他の成分(添加剤)を含むことができる。
他の成分の例としては、前記架橋剤のほか、例えば、界面活性剤、触媒、保湿(吸水)剤、補助溶剤、膜強度調整剤、欠陥検出剤が挙げられる。
分離層形成用組成物を準備した後、送り出しロール10から、無孔質層が形成された帯状の多孔質支持体12を送り出して、塗布部20に搬送し、該組成物(塗布液)を多孔質支持体12上に塗布して塗布膜を設ける。
これらの観点から、冷却工程で得られるゲル膜の厚さが10μm以上、より好ましくは50μm以上、特に好ましくは100μm以上であり、架橋工程で得られる二酸化炭素分離層の厚さが1μm以上、より好ましくは3μm以上、特に好ましくは5μm以上になるように塗布量を調整することが好ましい。なお、二酸化炭素の透過性が低下することを避ける観点から、二酸化炭素分離層の膜厚は1000μm以下とすることが好ましい。
塗布工程において多孔質支持体12上に得られた塗布膜を冷却してゲル膜を得る。塗布膜が形成された支持体が冷却部30に搬送されて直ちに冷却されることで、多糖類の凝固作用によって塗布膜がゲル化(固定化)し、安定したゲル膜(セット膜)が得られる。
また冷却工程における通過時間は生産性の向上などの観点から、1秒〜200秒が好ましく、さらには20秒〜150秒がより好ましく、さらには30秒〜100秒が特に好ましい。
冷却工程後、ゲル膜を乾燥させて乾燥膜とする。
加熱部40に搬送された多孔質支持体12上のゲル膜に温風を当てて乾燥させる。冷却工程後の膜はゲル状に固定化されているため、乾燥用の風が当たっても崩れずに乾燥する。
風速は、ゲル膜を迅速に乾燥させることができるともにゲル膜が崩れない速度、例えば1m/分〜80m/分が好ましく、さらには2m/分〜70m/分がより好ましく、さらには3m/分〜40m/分が特に好ましい。
風の温度は、支持体の変形などが生じず、かつ、ゲル膜を迅速に乾燥させることができるように膜面温度1〜80℃が好ましく、さらには2〜70℃がより好ましく、さらには3〜60℃が特に好ましい。
架橋工程は乾燥工程と同時に行ってもよいし、別々に行ってもよい。また、架橋手法は公知の架橋手法を用いることができる。例えば、ゲル膜に温風を当てて乾燥させた後、赤外線ヒータなどの加熱手段によって架橋させてもよいし、温風によって乾燥とともに架橋させてもよい。熱架橋は例えば100〜150℃程度に加熱することによって行うことができる。塗布後ゲル膜にUVあるいは電子線架橋を施し、その後乾燥させてもかまわない。なお、乾燥工程により得られた乾燥膜を巻取りロール50に巻き取った後、架橋させて二酸化炭素分離膜を得てもよい。
二酸化炭素分離用複合体における分離層は、親水性ポリマーと、二酸化炭素キャリアと、多糖類とを含む。分離層における各成分の組成比は、塗布液の配合比が反映される。
乾燥状態での二酸化炭素分離層中の各成分の含有量は以下の範囲であることが好ましい。吸水性ポリマーは、5〜90質量%が好ましく、10〜85質量%がより好ましく、15〜80質量%がさらに好ましい。二酸化炭素キャリアは、5〜90質量%が好ましく、10〜85質量%がより好ましく、20〜80質量%がさらに好ましい。多糖類は、1〜30質量%が好ましく、2〜25質量%がより好ましく、3〜20質量%がさらに好ましい。
例えば二酸化炭素キャリアとしてセシウムを含む化合物を用いる場合は、二酸化炭素の分離特性を向上させる観点から、乾燥状態での二酸化炭素分離層中の含有量は50質量%以上であることが好ましく、55質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが特に好ましい。また、二酸化炭素キャリアとして、例えばカリウムを含む化合物を用いる場合は、乾燥状態での二酸化炭素分離層中の含有量は10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上で用いることがより好ましく、20質量%以上であることが特に好ましい。
また、二酸化炭素キャリアとして、例えばセシウム又はカリウムを含む化合物とアミノ酸を用いる場合は、アミノ酸は、乾燥状態での膜に対して10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上で用いることがより好ましく、20質量%以上であることが特に好ましい。
なお、二酸化炭素分離層14を形成した後、必要に応じて、二酸化炭素キャリアの溶出を防ぐために二酸化炭素分離層14上にキャリア溶出防止層を設けてもよい。キャリア溶出防止層は二酸化炭素、水蒸気などの気体は透過するが水などは透過しない性質を持つことが好ましく、疎水性の多孔質膜であることが好ましい。
この様な性質の膜は、膜面上に塗布してもよいし、別に作製した膜をラミネートしてもよい。
本発明の二酸化炭素分離用複合体は、本発明の製造方法により得られるものであり、本発明の二酸化炭素分離用モジュールは、該二酸化炭素分離用複合体を備えるモジュールである。
本発明の二酸化炭素分離用モジュールは、二酸化炭素分離用複合体を平膜として設置したものであってもよいし、逆浸透膜モジュールとして知られるスパイラル型やプリーツ型などに加工して利用することもできる。
<無孔質層付き支持体(1)の作製>
25℃での粘度が300mPa・sのUV硬化型ポリジメチルシロキサン(モメンティブジャパン社製、商品名:UV9300)、重合開始剤(モメンティブジャパン社製、商品名:UV9380c)、ヘプタン(和光純薬社製)を含む無孔質層形成用塗布液(1)を調製した。
多孔質であるPTFE支持体(GEエナジー社製、商品名:QL217EXPG、孔径0.05μm)上に、無孔質層形成用塗布液(1)をバーコーターを用いて塗布して塗布層を形成し、得られた塗布層にUV露光機によりUV光を照射して光重合させて、厚さ1μmの無孔質層を製膜した。
なお、以下において、ポリジメチルシロキサンをPDMSと略称する場合がある。
以上により、無孔質層付き支持体(1)を作製した。
炭酸セシウム(和光純薬社製)6質量%と、ポリビニルアルコール−ポリアクリル酸共重合体((株)クラレ製、商品名:クラストマーAP)と、寒天(伊那寒天工業(株)製、商品名:UP−37)を含む分離層形成用塗布液Aを調製した。
無孔質層付支持体2上に、分離層形成用塗布液Aを、液温50℃で塗布し、10℃以下に5分間冷却し、40℃以上で20分間乾燥させて、多孔質支持体上に厚みが1μmの無孔質層と30μmの分離層とを有する二酸化炭素分離用複合体(1)を作製した。
<ポリトリメチルシリルプロピレンの合成>
トルエン200gに重合触媒TaCl5を1g溶解した溶液を調製した。得られた溶液に、1−トリメチルシリル−1−プロピン20gを添加し、80℃の温度で5時間重合を行い、重合体含有溶液を得た。得られた重合体溶液を過剰のメタノール中に注ぎ、重合体を沈殿させ、平均分子量が80万のポリトリメチルシリルプロピレンを精製した。
なお、以下において、ポリトリメチルシリルプロピレンをPTMSPと略称する場合がある。
上記にて合成したポリトリメチルシリルプロピレン10gを、トルエン90gに溶解して、無孔質層形成用塗布液(2)を調製した。
多孔質であるPTFE支持体(GEエナジー社、商品名:QL217EXPG)上に、無孔質層形成用塗布液(2)を塗布し、50℃で乾燥させて、厚さ1μmの無孔質層を製膜することにより、無孔質層付き支持体(2)を作製した。
実施例1と同様にして分離層形成用塗布液Aを調製した。
無孔質層付支持体2上に、分離層形成用塗布液Aを、液温50℃で塗布し、10℃以下に5分間冷却し、40℃以上で20分間乾燥させて、二酸化炭素分離用複合体(2)を作製した。
実施例1において、無孔質層の形成に用いた無孔質層形成用塗布液(1)に代えて、ポリメチルペンテン(三井化学(株)製、商品名:TPX)を含む無孔質層形成用塗布液(3)を調製し、この無孔質層形成用塗布液(3)を、PTFE支持体(GEエナジー社製、商品名:QL217EXPG)上に、塗布し、加熱乾燥をすることにより、厚さ1μmの無孔質層を製膜することで無孔質層付き支持体(3)を得た以外は、実施例1と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(3)を作製した。
実施例1において、無孔質層の厚さを1μmから10μmに変更した以外は、実施例1と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(4)を作製した。
実施例1において、無孔質層の厚さを1μmから100μmに変更した以外は、実施例1と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(5)を作製した。
実施例1において、無孔質層の厚さを1μmから0.01μmに変更した以外は、実施例1と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(6)を作製した。
実施例1において形成した無孔質層に変えて、ポリビニルアルコール(以下、PVAと略称する。)((株)クラレ製、商品名:ポバール117)と粒径0.1μmのZrO2(和光純薬:酸化ジルコニア)とを質量比2:98で含有する厚さ5μmの無孔質層を以下の方法により形成したこと以外は、実施例1と同様にして二酸化炭素分離用複合体(7)を作製した。
10質量%となるように水に溶解させたPVA((株)クラレ製、商品名:ポバール117)2.5gと、粒径0.1μmのZrO2(和光純薬社製、酸化ジルコニア)12.75gとを、水33g及びイソプロピルアルコール3gの混合液中に分散させて、塗布液Mを作製した。得られた塗布液Mを多孔質であるPTFE支持体(GEエナジー社製、商品名:QL217EXPG、孔径0.05μm)上へ塗布し、40℃で1時間乾燥させて無孔質層を成した。
実施例7において形成した無孔質層に変えて、PVA((株)クラレ製、商品名:ポバール117)と粒径0.3μmのAl2O3(住友化学(株)製、商品名:AA−03)とを質量比2:98で含有する厚さ5μmの無孔質層を形成した以外は、実施例7と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(8)を作製した。
実施例7おいて形成した無孔質層に変えて、PVA((株)クラレ製、商品名:ポバール117)と粒径0.1μmのBaSO4(堺化学工業(株)製、商品名:B−30)とを質量比2:98で含有する厚さ5μmの無孔質層を形成した以外は、実施例7と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(9)を作製した。
実施例7において形成した無孔質層に変えて、PVA((株)クラレ製、商品名:ポバール117)と粒径0.1μmのSiO2(日産化学工業(株)製、商品名:ST−ZL)を質量比2:98で含有する厚さ5μmの無孔質層を形成した以外は、実施例7と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(10)を作製した。
実施例7において形成した無孔質層に変えて、PVA((株)クラレ製、商品名:ポバール117)と粒径0.08μmのCaCO3(竹原化学工業株)製、商品名:NEOLIGHT SP−T)を質量比2:98で含有する厚さ5μmの無孔質層を形成した以外は、実施例7と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(11)を作製した。
実施例7において形成した無孔質層に変えて、PVA((株)クラレ製、商品名:ポバール117)と粒径0.26μmのTiO2(堺化学工業(株)製、商品名:GTR−100)を質量比2:98の無孔質層で含有する厚さ5μmの無孔質層を形成した以外は、実施例7全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(12)を作製した。
実施例8において形成した無孔質層におけるPVAとAl2O3との含有比を、質量比20:80に変更した以外は、実施例8と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(13)を作製した。
実施例8において形成した無孔質層におけるPVAとAl2O3との含有比を、質量比70:30に変更した以外は、実施例8と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(14)を作製した。
実施例8において無孔質層の形成に用いた粒径0.3μmのAl2O3(住友化学(株)製、商品名:AA−03)を粒径1.5μmのAl2O3(住友化学(株)製、商品名:アドバンストアルミナAA1.5)に変更した以外は、実施例8と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(15)を作製した。
実施例8において無孔質層の形成に用いた粒径0.3μmのAl2O3(住友化学(株)製、商品名:AA−03)を粒径18μmのAl2O3(住友化学(株)製、商品名:アドバンストアルミナAA18)に変更した以外は、実施例8と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(16)を作製した。
実施例8において形成した無孔質層の厚さを、5μmから1μmに変更した以外は、実施例8と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(17)を作製した。
実施例8において形成した無孔質層の厚さを、5μmから10μmに変更した以外は、実施例8と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(18)を作製した。
実施例8において形成した無孔質層の厚さを、5μmから100μmに変更した以外は、実施例8と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(19)を作製した。
実施例8において形成した無孔質層の厚さを、5μmから0.01μmに変更した以外は、実施例8と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(20)を作製した。
実施例1で用いたPTFE支持体(GEエナジー社製、商品名:QL217EXPG、孔径:0.05μm)を、PTFE支持体(ゴアテックス社製、商品名:SMO−0.1μm、孔径:0.1μm)に変更した以外は、実施例1と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(21)を作製した。
実施例1で用いたPTFE支持体(GEエナジー社製、商品名:QL217EXPG、孔径:0.05μm)を、PTFE支持体(ゴアテックス社製、商品名:SMO−1μm、孔径:1μm)に変更した以外は、実施例1と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(22)を作製した。
実施例8において、無孔質層の形成にて用いたAl2O3(住友化学(株)製、商品名:AA−03)を用いなかったこと以外は、実施例8と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(23)を作製した。
実施例1において無孔質層を形成しなかった以外は、実施例1全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(24)を作製した。
実施例1で用いたPTFE支持体(GEエナジー社製、商品名:QL217EXPG、孔径:0.05μm)を、PTFE支持体(ゴアテックス社製、商品名:SMO−1.5μm、孔径:1.5μm)に変更した以外は、実施例1と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(25)を作製した。
実施例1で用いたPTFE支持体(GEエナジー社製、商品名:QL217EXPG、孔径:0.05μm)を、PTFE支持体(ゴアテックス社製、商品名:SMO−5μm、孔径:5μm)に変更した以外は、実施例1と全く同じ方法により、二酸化炭素分離用複合体(26)を作製した。
なお、表1に記載される無多孔質層の自由体積孔(nm)は、各実施例及び比較例において無孔質層を形成した際に、既述の測定方法により測定して得られた値である。
以上により作製された二酸化炭素分離用複合体(1)〜(26)を用いて、各複合体における泡故障頻度、Q(CO2)、500時間経過後のQ(CO2)、Q(H2O)の各項目について、以下の評価方法により評価し、得られた結果に基づいて総合評価を行った。
結果を下記表2に示す。
実施例及び比較例の各二酸化炭素分離用複合体を、直径47mmの円形に切り取り、PTFEメンブレンフィルター(孔径0.10μm、ADVANTEC社製)で挟み、ガス透過試験サンプルを作製した。
テストガスとしてCO2/H2:10/90(容積比)の混合ガスを相対湿度70%、流量100ml/分、温度130℃、全圧3atmで、サンプル(有効面積2.40cm2)に供給し、透過側にArガス(流量90ml/分)をフローさせた。
透過したガスをガスクロマトグラフで分析し、CO2透過速度、H2透過速度、分離係数α(CO2透過速度/H2透過速度)を算出した。二酸化炭素の透過速度〔Q(CO2)〕を求め、下記3段階の基準で評価した。
ここで、透過速度の単位(GPU)は、「1GPU=1×10−6cm3(STP)/(s・cm2・cmHg)」である。
〜評価基準〜
A:Q(CO2)の測定で、Q(CO2)が100GPU以上である。
B:Q(CO2)の測定で、Q(CO2)が30GPU以上100GPU未満である。
C:Q(CO2)の測定で、Q(CO2)が30GPU未満である。
実施例及び比較例の各二酸化炭素分離用複合体から、Q(CO2)評価と同様にして、ガス透過試験サンプル(大きさ:直径47mmの円形)を作製した。得られた各サンプルの面内の5箇所について、Q(CO2)評価にて示した測定方法と同様にして、Q(CO2)の測定及びQ(H2)の測定を行い、CO2とH2との選択性を求めることにより、泡故障頻度を下記の3段階の基準で評価した。
泡故障が起こった場合、Q(H2)が非常に大きい値となるため、CO2とH2の選択性が低下することになる。泡故障が起こらなかった場合、Q(H2)は小さい値を取るため、選択性は大きい値を取ることになる。
〜評価基準〜
A:面内でQ(CO2)の測定及びQ(H2)の測定を行い、5/5でCO2とH2との選択性が100を超えた。
B:面内でQ(CO2)の測定及びQ(H2)の測定を行い、4/5でCO2とH2との選択性が100を超えた。
C:面内でQ(CO2)の測定及びQ(H2)の測定を行い、3/5以下でCO2とH2との選択性が100を超えた。
Q(CO2)評価と同様にしてガス透過試験サンプルを作製した。各サンプルに対してQ(CO2)評価にて行なったテストガスのフローを500時間連続して実施した後に、Q(CO2)評価と同様にして二酸化炭素の透過速度〔Q(CO2)〕を求め、下記3段階の基準で評価した。
〜評価基準〜
A:500時間後のQ(CO2)の変化率が10%未満。
B:500時間後のQ(CO2)の変化率が10%以上20%未満
C:500時間後のQ(CO2)の変化が率20%以上。
Q(CO2)評価と同様にしてガス透過試験サンプルを作製した。
テストガスとしてCO2/H2:10/90(容積比)の混合ガスを相対湿度70%、流量100ml/分、温度130℃、全圧3atmで、サンプル(有効面積2.40cm2)に供給し、透過側にArガス(流量90ml/分)をフローさせた。
透過した水蒸気ガスをガスクロマトグラフで分析し、水蒸気(H2O)透過速度を算出する。これを水の透過速度〔Q(H2O)〕とし、下記3段階の基準で評価した。
ここで、透過速度の単位(GPU)は、「1GPU=1×10−6cm3(STP)/(s・cm2・cmHg)」である。
〜評価基準〜
A:Q(H2O)の測定で、Q(H2O)が2000GPU以下である。
B:Q(H2O)の測定で、Q(H2O)が2000GPUを超え3000GPU未満である。
C:Q(H2O)が3000GPU以上である。
泡故障頻度、Q(CO2)、500時間経過後のQ(CO2)、及びQ(H2O)の各評価で、全ての評価項目がAの場合をA、1項目でもBが含まれるときはB、1項目でもCが含まれる場合はCと総合評価した。A及びBは実用可能レベルである。
[モジュール化]
実施例1で作製した二酸化炭素分離用複合体(1)を用いて、特開平5−168869を参考に、スパイラル型モジュールを作製した。作製した二酸化炭素分離用モジュールが、搭載する二酸化炭素分離複合体の性能のとおり、二酸化端祖の分離性能に優れていることを確認した。
12 多孔質支持体
14 二酸化炭素分離層
16 無孔質層
20 塗布部
30 冷却部
40 加熱部
50 巻取りロール
52 二酸化炭素分離用複合体
62,64,66,68 搬送ロール
72 氷水
74 B型粘度計
76 分離層形成用組成物(塗布液)
78 氷
100 製造装置
Claims (10)
- 平均孔径1μm以下の細孔を有する多孔質支持体上に、自由体積孔が0.2nm以上10nm以下の無孔質層を形成する無孔質層形成工程、及び、該無孔質層上に、親水性ポリマーと二酸化炭素キャリアと多糖類又はゼラチンとを含有する二酸化炭素分離層を形成する分離層形成工程、を含む二酸化炭素分離用複合体の製造方法。
- 前記無孔質層における二酸化炭素透過速度が、10GPU以上500GPU以下である請求項1に記載の二酸化炭素分離用複合体の製造方法。
- 前記無孔質層における水透過速度が、4000GPU以下である請求項1又は請求項2に記載の二酸化炭素分離用複合体の製造方法。
- 前記無孔質層の膜厚が、0.01μm以上10μm以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の二酸化炭素分離用複合体の製造方法
- 前記無孔質層が、シリコーン、ポリイミド、ポリメチルペンテン、及びポリトリメチルシリルプロピレンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含有する請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の二酸化炭素分離用複合体の製造方法。
- 前記無孔質層が、高分子化合物と平均一次粒径が0.01μm以上10μm以下の無機粒子とを含有し、該高分子化合物の全量に対する無機粒子の含有量が質量基準で2倍量以上である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の二酸化炭素分離用複合体の製造方法。
- 前記高分子化合物が、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール−ポリアクリル酸共重合体、及びポリビニルピロリドンからなる群から選択される少なくとも1種の親水性高分子化合物である請求項6に記載の二酸化炭素分離用複合体の製造方法。
- 前記無機粒子が、ZrO2、BaSO4、Al2O3、SiO2、マイカ、炭酸カルシウム、及びTiO2ら群から選択される少なくとも1種の無機粒子である請求項6又は請求項7に記載の二酸化炭素分離用複合体の製造方法。
- 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の製造方法により製造した二酸化炭素分離用複合体。
- 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の製造方法により製造した二酸化炭素分離用複合体を備えた二酸化炭素分離用モジュール。
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