以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図16は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。このパチンコ機は、図1に示すように矩形状の外枠1と、この外枠1の前側にヒンジ(図示省略)により縦軸廻りに開閉自在に枢着された前枠2とを備えている。前枠2の前側にはガラス扉3と前面板4とが上下に配置され、前枠2に対して同じ側のヒンジ(図示省略)により縦軸廻りに開閉自在に枢着されている。
前面板4の前側には発射用の遊技球を貯留する球貯留皿5が配置され、その側方に遊技球を発射する発射手段(図示省略)の発射ハンドル6が設けられている。ガラス扉3の裏側には、このガラス扉3に対応するように前枠2に遊技盤7が着脱自在に装着されている。
遊技盤7の前面には、発射手段から発射された遊技球を案内するガイドレール8が円弧状に配置されると共に、そのガイドレール8の内側の遊技領域9に画像表示手段10、普通図柄始動手段11、特別図柄始動手段12、大入賞手段13、普通入賞手段14等の各種の遊技部品が配置されている。
画像表示手段10は、図1、図2に示すように遊技領域9の略中央に配置されており、遊技盤7の裏面に装着された支持枠15と、この支持枠15の略中央に取り付けられた液晶式、プラズマ式等の画像表示部16と、遊技盤7の前面に装着され且つ画像表示部16の外周側を前側から覆う前飾り枠17とを備えている。前飾り枠17は画像表示部16に対応する表示窓18を有する。画像表示手段10には画像表示部16の左右両側に配置された可動演出役物19が支持枠15に装着され、また普通図柄表示手段20と特別図柄表示手段21とが前飾り枠17の前面に配置されている。
普通図柄表示手段20は普通図柄を変動表示するためのもので、複数種類の普通図柄(例えば2種類の「○」「×」)に対応する複数個の発光素子により構成されており、普通図柄始動手段11が遊技球を検出することを条件に2つの発光素子が所定時間交互に点滅して、普通図柄始動手段11の遊技球の検出時に抽選した乱数値が予め定められた当たり判定値と一致した場合に当たり態様の「○」側の発光素子が点灯し、それ以外の場合に外れ態様の「×」側の発光素子が点灯して停止するようになっている。
特別図柄表示手段21は、1個又は複数個、例えば1個の特別図柄を変動表示可能な7セグメント式等の表示手段により構成されており、特別図柄始動手段12が遊技球を検出することを条件に特別図柄を所定時間変動表示して、特別図柄始動手段12の遊技球の検出時に抽選された乱数値が予め定められた特別遊技乱数値と一致した場合に所定の特別遊技態様で、それ以外の場合に外れ態様で停止するようになっている。
画像表示部16は矩形状、その他の形状であって、図3に示すように遊技中は演出図柄22a〜22cとその背景画像23とを発光表示し、また特定の遊技状態になったときには、図1に示すように可動演出役物19の演出動作と同期して予告演出画像37を発光表示する。
演出図柄22a〜22cは画像表示部16の適当な位置に複数個、例えば3個表示され、その各演出図柄22a〜22cは特別図柄表示手段21の特別図柄の変動に同期して変動を開始し、所定の変動パターンを経て所定時間変動した後、特別図柄の変動終了に同期して所定の順序で順次停止する。
そして、演出図柄22a〜22cの変動後の停止図柄は、特別図柄表示手段21の特別図柄が特別遊技態様で停止する場合には全てが揃う特別遊技演出態様となり、特別図柄が外れ態様で停止する場合には少なくとも一部が異なる外れ演出態様となる。例えば、特別図柄が特別遊技態様で停止する場合には、演出図柄22a〜22cは「7・7・7」等で停止し、特別図柄が外れ態様で停止する場合には演出図柄22a〜22cは「3・4・5」等で停止する。
特別図柄始動手段12は固定式入賞口12aと電動チューリップ等の可変式入賞口12bとを上下に備えている。固定式入賞口12aは一定幅で開口しており、また可変式入賞口12bは普通図柄表示手段20の変動後の普通図柄が当たり態様を停止表示したときに所定時間開放して、固定式入賞口12aよりも遊技球が入賞し易くなる。
可動演出役物19は、図1、図2、図4、図5に示すように、画像表示部16の前側に左右方向に配置された可動演出体24と、可動演出体24を上昇位置(退避位置)Aと下段落下位置Bとの間で昇降自在に案内する第1案内手段25と、可動演出体24を第1案内手段25に沿って下段落下位置B又は中段落下位置Cから上昇位置A又は中段上昇位置D,Eへと上昇させる上昇駆動手段26と、上昇駆動手段26を昇降自在に案内する第2案内手段27と、画像表示部16の上側に配置され且つ上昇駆動手段26により上昇した可動演出体24を上昇位置Aで係脱自在に係止して保持する上昇位置保持手段28と、可動演出体24を下段落下位置Bで停止させる下段落下位置停止手段29と、可動演出体24を上昇位置Aと下段落下位置Bとの間の中段落下位置Cで停止させる中段落下位置停止手段30と、可動演出体24が中段落下位置Cで停止するときに中段落下位置停止手段30に加わる衝撃を吸収する衝撃吸収手段31とを備えている。
なお、第1案内手段25、上昇駆動手段26、第2案内手段27、下段落下位置停止手段29、中段落下位置停止手段30、衝撃吸収手段31は、可動演出体24の左右両側部に対応して画像表示部16の左右両側に配置されている。
可動演出体24は、図1、図2、図4、図5に示すように、画像表示部16の前側に近接して左右方向に配置された前後に偏平状の可動枠32と、可動枠32の左右両端に連結された摺動案内部33と、可動枠32の前面に設けられた演出部34とを有する。この可動演出体24は、通常時には画像表示部16の上側に退避する上昇位置Aで上昇位置保持手段28により係脱自在に係止されており、特定の遊技状態のときに画像表示部16の前面下部の下段落下位置Bへと自由落下する等、その昇降による可動演出動作と画像表示部16に表示される予告演出画像37とを組み合わせて、その後の特別遊技状態の発生を予告演出するようになっている。
演出部34には画像表示部16に表示さる予告演出画像37と調和する絵柄、形状、構造等の演出用装飾部が設けられている。例えば、「猿」を主題とした演出を行いながらゲームが進行するパチンコ機の場合であれば、図1に示すように演出部34に「猿」の絵柄が付されており、画像表示部16に樹木の予告演出画像37が表示されたときに、その表示に同期して演出部34を昇降させることにより、樹木に沿って猿が滑り降りたり登ったりする様子を演出するようになっている。なお、演出部34は必要に応じて発光してもよいし、前後軸廻りに回転又は揺動するようにしてもよい。
画像表示手段10の支持枠15の前面には、図2、図4、図5に示すように、画像表示部16の左右両側に配置された上下方向の取り付け台35が装着され、その取り付け台35の上端前部間に左右方向の支架材36が設けられている。取り付け台35は支持枠15から前側に突出しており、その前側には画像表示部16に近い側に第1案内手段25が、遠い側に第2案内手段27及び上昇駆動手段26が夫々設けられ、両案内手段25,27間に中段落下位置停止手段30及び衝撃吸収手段31が上下に設けられている。また支架材36と可動演出体24との間には、左右方向の略中央部に上昇位置保持手段28が設けられている。
第1案内手段25は可動演出体24を昇降自在に案内して、上昇位置保持手段28が上昇位置Aでの可動演出体24の保持を解除したときに可動演出体24の自重により自由落下させるためのものである。この第1案内手段25は、図6〜図8に示すように、取り付け台35から突出する上下一対の突出部38と、この突出部38の前端部間に上下方向に設けられ且つ可動演出体24の摺動案内部33に上下方向に相対摺動自在に挿通された案内棒39とを有し、画像表示部16の左右両側に上下方向に配置されている。
第1案内手段25の下端部の突出部38上には、弾性体40を有する下段落下位置停止手段29が設けられている。弾性体40は突出部38上に装着されたゴム等からなり、可動演出体24の摺動案内部33が下段落下位置Bで当接して停止するときの衝撃を吸収するようになっている。
上昇位置保持手段28は上昇駆動手段26により可動演出体24が上昇位置Aまで上昇したときに、その可動演出体24に係脱自在に係合して上昇位置Aに保持するためのものであり、可動演出体24の左右方向の略中央で可動演出体24と支架材36との間に設けられている。この上昇位置保持手段28は、図9、図10に示すように、可動演出体24に設けられた被係合部42と、支架材36に設けられ且つ裏側から被係合部42に係脱自在に係合する係合体43と、支架材36に設けられ且つ連動部材44を介して係合体43を係脱駆動する係脱駆動手段45と、係合体43を係合方向に付勢する付勢手段46とを有する。
被係合部42は可動枠32の上側に突出する突部47に前後方向の開口状に設けられている。係合体43は支架材36上の箱状の収容部48により前後方向に出退自在に収容され、収容部48内の付勢手段46を構成するバネ46aにより被係合部42に係合する突出方向に付勢されている。バネ46aは収容部48の突起49により位置決めされている。係合体43の前端には傾斜面状の案内部43aがあり、可動演出体24が上昇位置Aまで上昇するときに、この案内部43aが突部47と接触して係合体43をバネ46aに抗して後退させるようになっている。
係脱駆動手段45は支架材36の裏面に左右方向に配置されたソレノイド50により構成され、このソレノイド50の可動鉄心50aと係合体43との間に連動部材44が設けられている。連動部材44はベルクランク状であり、中間部が縦方向の枢軸51により支架材36に揺動自在に枢支されており、その一端が可動鉄心50aに、他端がピン状の連結部52を介して係合体43に夫々連結されている。連結部52は収容部48の上側の切り欠き部48aを経て係合体43の左右方向の長孔53に係合している。
第2案内手段27は上昇駆動手段26を昇降自在に案内するためのもので、図6、図7、図11に示すように、取り付け台35の前面に第1案内手段25の案内棒39と略平行に設けられた昇降案内部55を有し、その昇降案内部55に上下方向の案内孔55aが設けられている。
上昇駆動手段26は第2案内手段27の案内により昇降して、その上昇時に下段落下位置B又は中段落下位置Cで停止中の可動演出体24を第1案内手段25に沿って上昇位置A又は中段上昇位置D,Eへと駆動して上昇させる機能と、可動演出体24を上昇位置A、中段上昇位置D,E等から下方へと下降させて下降演出を行わせる機能とを有する。下降演出時の可動演出体24の下降速度を含む上昇駆動手段26の昇降速度は、後述の昇降駆動モータ60の回転速度によって決まる。
なお、下降演出時の可動演出体24の下降速度はその自由落下に比較してゆっくりとした遅い下降速度となるが、その可動演出体24の下降量が大のときには速くし、下降量が小のときには遅くする等、可動演出体24の下降量(動き量)の大小に応じて複数段階に変化させるようにしてもよい。勿論、複数段階の変化であれば、下降量が小のときに早くする等、逆でもよい。更に下降開始直後に比較して停止直前の下降速度を遅くする等、下降演出の1動作中に下降速度を変化させてもよい。上昇駆動手段26は可動演出体24を上昇させるだけに利用してもよい。
この上昇駆動手段26は、図6、図7、図11〜図13に示すように、取り付け台35の昇降案内部55に上下摺動自在に支持された昇降体57と、昇降案内部55に沿って取り付け台35の前面に装着された上下方向のラック58と、昇降体57に設けられ且つラック58と噛合するピニオン59と、昇降体57に設けられ且つピニオン59を正逆転方向に駆動するステッピングモータ等の昇降駆動モータ60と、昇降体57に設けられ且つ可動演出体24に係脱自在に係合する上昇用係合手段61とを有する。
昇降体57は画像表示部16から遠い外側が開口する箱状であって、昇降案内部55の前面に配置され、案内孔55aに裏側から挿入された押え体62との間で昇降案内部55を前後両側から挟むことにより、昇降案内部55によって上下摺動自在に支持されている。昇降駆動モータ60は昇降体57内でその側壁57aに固定され、その側壁57aを貫通してラック58側へと突出する回転軸60aを介してピニオン59を駆動するようになっている。
上昇用係合手段61は可動演出体24の摺動案内部33に係脱自在に係合して上昇駆動手段26により可動演出体24を上昇させたり、可動演出体24を中段上昇位置D,E及び中段落下位置Cで可動演出体24を停止状態に保持したりする一方、可動演出体24の摺動案内部33から離脱して可動演出体24を自由落下させるためのものである。なお、中段上昇位置D,Eには第1中段上昇位置Dと第2中段上昇位置Eとがあるが、これは1箇所でもよいし、2箇所以上の複数箇所でもよい。また中段上昇位置D,Eはその一部又は全てが中段落下位置Cの上側でもよいし、下側でもよい。第1中段上昇位置D又は第2中段上昇位置Eは中段落下位置Cと同じでもよい。
この上昇用係合手段61は可動演出体24の摺動案内部33から外側に突出する突出部33aの下側に係脱自在に係合する上昇用係合体63と、この上昇用係合体63を係脱方向に出退駆動する係脱駆動手段64と、上昇用係合体63を係合方向(突出方向)に付勢する付勢手段65とを有する。上昇用係合体63は昇降体57の側壁57aに設けられた出退案内部57bにより左右方向に摺動自在に支持されており、下降時に可動演出体24の突出部33aにより操作されて付勢手段65に抗して後退するための傾斜状の案内部63aを先端に有する。係脱駆動手段64は昇降体57内に固定されたソレノイド66により構成され、その可動鉄心66aが側壁57aの開口を貫通して上昇用係合体63に連結されている。付勢手段65はソレノイド66の可動鉄心66aを付勢するバネを利用してもよいし、別に設けてもよい。
取り付け台35には、図6、図7に示すように、昇降案内部55の上下両側に昇降体57の上昇、下降を検出する上昇検出手段67、下降検出手段68が設けられており、その各検出手段67,68が昇降体57の上下の被検出部67a,68aを検出したときに昇降駆動モータ60を停止させるようになっている。各検出手段67,68はフォトセンサ、その他の非接触式の検出スイッチにより構成されている。
なお、上昇用係合体63は可動演出体24に対して左右方向の外側方から係脱するが、裏側から係脱するものでもよい。左右の上昇駆動手段26では、昇降体57に対してラック58及び上昇用係合体63の位置が上下逆になっているが、左右同じにしてもよい。その場合、ラック58と上昇用係合体63の何れを上にしてもよい。
中段落下位置停止手段30は落下する可動演出体24を上昇位置Aと下段落下位置Bとの間の中段落下位置Cで受止めて停止させ、また中段落下位置Cで停止する可動演出体24を下段落下位置Bへと落下させるためのものである。この中段落下位置停止手段30は、図5、図6、図8に示すように、第1案内手段25と上昇駆動手段26との間で取り付け台35の前面に上下動自在に配置された縦長状の摺動枠69と、この摺動枠69に可動演出体24に対して出退自在に設けられた停止用係合手段70と、この停止用係合手段70を可動演出体24に対して出退させるための係脱駆動手段71と、係脱駆動手段71の駆動により摺動枠69と停止用係合手段70との間に進退し且つ進出時に停止用係合手段70を可動演出体24に対して係合可能な位置に操作する操作体72とを備えている。
摺動枠69は縦長状であって、上下両側の長孔73に挿通する取り付け台35の突部74と、この突部74に摺動枠69の前側から固定され且つ取り付け台35との間で摺動枠69を挟む押え部75とにより、長孔73の範囲内で上下方向に摺動可能である。従って、中段落下位置停止手段30は長孔73の範囲内で上下方向に摺動可能である。
摺動枠69は折り曲げ形成された左右一対の側壁部69aを有し、その左右の側壁部69a間に可動演出体24を停止させる停止用係合手段70と、この停止用係合手段70を出退操作する操作体72と、この操作体72を駆動する係脱駆動手段71とが上下方向に配置されている。
停止用係合手段70は縦長状の揺動係合体77により構成されている。揺動係合体77は上部側が側壁部69a間に支架された枢軸78により枢支されると共に、下部側に可動演出体24用の係合部77aと傾斜部77bとが設けられ、また枢軸78と係合部77aとの間で且つ係合部77aと反対側にカム従動部77cが設けられており、係合部77aが可動演出体24の突出部33aに係合しない状態で枢軸78から下方に垂下されている。係合部77aは可動演出体24の摺動案内部33に対して裏側から係脱自在である。
係脱駆動手段71は側壁部69a間で摺動枠69に固定されたソレノイド79を備え、下向きに突出する可動鉄心79aの下端に操作体72が連結されている。操作体72は側壁部69a間で摺動枠69により上下摺動自在に案内され、摺動枠69と停止用係合手段70との間に進退自在である。
操作体72は停止用係合手段70のカム従動部77cに対応するカム部72aを有する。そして、停止用係合手段70は、操作体72が摺動枠69と停止用係合手段70との間に進出したときには、カム部72a、カム従動部77cを介して、図8に二点鎖線で示すように係合部77aが可動演出体24に係合可能な位置へと回動する。また停止用係合手段70は、可動演出体24が係合部77aに係合した状態において、操作体72が摺動枠69と停止用係合手段70との間から上側に後退したときには、図8に実線で示すように、可動演出体24の重量により枢軸78廻りに離脱方向(図8の時計方向)に回動する。なお、停止用係合手段70は通常はその自重により図8の実線位置に垂下した状態にあり、可動演出体24はこの停止用係合手段70と接触することなく上昇方向へと通過することが可能である。
このように係脱駆動手段71によりカム部72a、カム従動部77cを介して停止用係合手段70を図8の二点鎖線位置に操作することにより、上昇位置Aから自由落下する可動演出体24を停止用係合手段70によって中段停止位置Cに停止させることができる。このとき可動演出体24の衝撃が停止用係合手段70に加わっても、停止用係合手段70と係脱駆動手段71との間にカム部72a、カム従動部77cがあり、これらを介して摺動枠69、取り付け台35で受けるため、その衝撃がソレノイド79に加わって停止用係合手段70が可動演出体24から外れるような不測自体の発生を防止できる。
取り付け台35には、図6に示すように、上昇位置Aの可動演出体24を検出する第1検出手段81、下段落下位置Bの可動演出体24を検出する第2検出手段82、中段落下位置Cの可動演出体24を検出する第3検出手段83が設けられており、その各検出手段81〜83が昇降体57の被検出部84を検出したときに昇降駆動モータ60を停止させるようになっている。なお、各検出手段81〜83はフォトセンサ、その他の非接触式の検出スイッチにより構成されている。
衝撃吸収手段31は、図6、図8に示すように、摺動枠69の下端の折り曲げ部85と取り付け台35の受け部86との間に介在されたバネ87により構成され、摺動枠69を上側に付勢している。受け部86は摺動枠69の下側で取り付け台35にU字状に設けられている。この受け部86は底部から上向きに突出する突起86aを有し、その突起86aにバネ87が套嵌されている。
なお、第1案内手段25、下段落下位置停止手段29、中段落下位置停止手段30、衝撃吸収手段31は、取り付け台35の前面に装着されたカバー105により前側から覆われている。また第1案内手段25と中段落下位置停止手段30及び衝撃吸収手段31との間には、取り付け台35から前側に突出して第1案内手段25と中段落下位置停止手段30等とを左右に分離する隔壁106が第1案内手段25に沿って上下方向に設けられ、この隔壁106の前面近傍に可動演出体24の突出部33aの先端が上下動自在に設けられている。
図14はパチンコ機の制御系を示す。パチンコ機の制御系は主制御基板90と演出制御基板91とを備えている。主制御基板90はパチンコ機全体の遊技動作の制御を司るもので、普通図柄始動手段11が遊技球を検出したときに乱数値を抽選して当たりか否かを判定し、当たりの場合に普通図柄表示手段20の変動後の普通図柄が当たり態様で停止した後に特別図柄始動手段12の可変式入賞口12bを所定時間開放させる普通図柄系制御手段92の他に、乱数抽選手段93、判定手段94、特別図柄制御手段95、停止態様決定手段96、変動パターン決定手段97、コマンド送信手段98、特別遊技発生手段99を備えている。
乱数抽選手段93は特別図柄始動手段12が遊技球を検出したときに乱数値を抽選し、判定手段94は乱数抽選手段93で抽選された乱数値を特別遊技乱数値と照合して特別遊技か否かを判定するようになっている。特別図柄制御手段95は特別図柄始動手段12の遊技球の検出を契機に特別図柄表示手段21の特別図柄を所定時間変動させて、判定手段94の判定結果が特別遊技のときに特別遊技態様で、外れのときに外れ態様で夫々停止すべく特別図柄を制御するようになっている。
停止態様決定手段96は判定手段94の判定結果が特別遊技のときに演出図柄22a〜22cの停止態様を抽選し決定するためのものである。変動パターン決定手段97は判定手段94の判定結果が特別遊技のときの特別遊技変動パターンを、外れのときの外れ変動パターンを抽選し決定するためのもので、判定手段94の判定結果に応じて予め定められた複数種類の特別遊技変動パターン、外れ変動パターンの中から、そのときの演出図柄22a〜22cの変動に供する1つの変動パターンを選択し決定するようになっている。
特別遊技変動パターン、外れ変動パターンには変動時間の長短、演出図柄22a〜22cの変動中のリーチの有無等に応じて夫々複数の種類のものがある。例えば、特別遊技変動パターンには変動時間の違いによって特別遊技変動パターン1、特別遊技変動パターン2、特別遊技変動パターン3、・・・等のように多種類のパターンが準備されており、また外れ変動パターンには変動時間の違い、リーチの有無によってリーチあり外れ変動パターン1、リーチあり外れ変動パターン2、リーチなし外れ変動パターン1、リーチなし外れ変動パターン2、・・・等のように多種類のパターンが準備されている。
なお、一般的にリーチあり外れ変動パターンはリーチなし外れ変動パターンに比較して変動時間が長く、またリーチあり外れ変動パターンの一部である1種類又は複数種類は、特別遊技変動パターンの変動時間に近い変動時間を有するものがある。また変動時間の長い変動パターンの場合には、変動時間の短いリーチあり変動パターン、リーチなし変動パターンに比較して出現率は低いが、変動後に特別図柄が特別遊技態様となる信頼度が大になっている。
特別図柄制御手段95は特別図柄始動手段12の遊技球の検出を契機に特別図柄表示手段21の特別図柄を変動させて、変動パターン決定手段97で決定された変動パターンの変動時間に従って変動した後に、判定手段94の特別遊技、外れの判定結果に応じて特別図柄を特別遊技態様、外れ態様の何れかで停止させるようになっている。コマンド送信手段98は停止態様決定手段96で決定された停止態様コマンド、変動パターン決定手段97で決定された変動パターンコマンド、各変動パターン毎の変動停止コマンドを演出制御基板91側へと一方向通信により送信するようになっている。
特別遊技発生手段99は判定手段94が特別遊技と判定した場合に、特別図柄が特別遊技態様で停止した後に遊技者に有利な特別遊技を発生させるためのもので、例えば大入賞手段13を所定時間ずつ複数回開放させるようになっている。なお、特別遊技での大入賞手段13の開閉パターン等は適宜決定することが可能である。また特別遊技では大入賞手段13の開放に加えて、又は大入賞手段13の開放とは別に、特別図柄の特別遊技態様の種類を条件に特別遊技の抽選確率を変える確率変動、その他の遊技者に有利な要素を付加してもよい。
演出制御基板91は主制御基板90から送信される各コマンドを解析して画像表示手段10の画像表示部16に表示される演出図柄22a〜22c、背景画像23、予告演出画像37を制御し、また可動演出体24の上昇、下降を制御するためのもので、コマンド受信手段100、演出図柄制御手段101、予告演出決定手段102、演出画像制御手段103、可動演出制御手段104等を備えている。
コマンド受信手段100はコマンド送信手段98から演出制御基板91側に送信される各コマンドを受信して解析するためのものである。演出図柄制御手段101は主制御基板90からの変動パターンコマンドに従って特別図柄表示手段21の特別図柄の変動に同期して演出図柄22a〜22cを所定の変動パターンで所定時間変動させて、停止コマンドがあったときに演出図柄22a〜22cを特別遊技演出態様又は外れ演出態様で停止させるようになっている。なお、3個の演出図柄22a〜22cは、特別図柄が特別遊技態様で停止する場合には全てが揃うように停止態様コマンドで指定された停止態様で停止し、それ以外の場合にはリーチの有無に応じて演出図柄制御手段101側で選択された停止態様で停止する。
予告演出決定手段102は特別遊技変動パターンの一部又は全てと、特別遊技変動パターンの変動時間に近い変動時間を有するリーチあり外れ変動パターンの一部である1種類若しくは複数種類又は全ての変動パターンコマンドがあったときに、その変動パターンコマンドを条件に乱数値を抽選して予告演出を行うか否か、予告演出を行うとした場合にその変動パターンコマンドに対応する複数種類、例えば第1予告演出パターンから第6予告演出パターンまでの何れで予告演出を行うのかを決定するようになっている。
第1〜第6予告演出パターンには、例えば図15(a)〜(f)に示すよう予告演出画像37の表示時間が異なる第1〜第6予告演出画像表示パターンと、その予告演出画像37に同期して可動演出体24を可動演出動作させる第1〜第6可動演出パターンがある。6種類の各可動演出パターンは、予告演出画像37の表示に同期して可動演出体24が上昇、落下、停止等の可動演出動作を行うようになっている。
なお、各予告演出パターンでの予告演出画像37、可動演出体24による予告演出は、特別図柄の確定(演出図柄22a〜22cの停止)までに終了する。また特別遊技変動パターンの場合は外れ変動パターンよりも予告演出の抽選率が高くなるようにしてもよい。その場合、各変動パターン毎に抽選率を変えてもよい。
演出画像制御手段103は変動パターンコマンドに従って複数種類の背景画像23の何れかを選択して、演出図柄22a〜22cの背景画像23を制御し、また予告演出決定手段102が予告演出を決定した場合には、演出図柄22a〜22cがリーチになった後の適宜タイミングにおいて、予告演出決定手段102により決定された何れかの予告演出パターンに対応する予告演出画像表示パターンに従って画像表示部16に所定の予告演出画像37を表示するようになっている。
可動演出制御手段104は可動演出役物19の可動演出体24の上昇、落下、停止による演出動作を制御するためのもので、予告演出決定手段102が予告演出を決定して演出図柄22a〜22cがリーチになる場合に、何れかの予告演出パターンに対応する可動演出パターンに従って可動演出体24の可動演出動作を制御するようになっている。
可動演出制御手段104による可動演出制御には、上昇位置保持手段28の係合体43を離脱方向に制御して可動演出体24を自由落下させる機能、中段落下位置停止手段30の停止用係合手段70を係合方向に制御して可動演出体24を中段落下位置Cで停止させる機能、中段落下位置停止手段30の停止用係合手段70を離脱方向に制御して可動演出体24を下段落下位置Bへと自由落下させる機能、上昇駆動手段26を昇降制御して下段落下位置Bの可動演出体24を上昇させる機能と、上昇駆動手段26を第1中段上昇位置D、第2中段上昇位置Eで停止させる機能、第1中段上昇位置D、第2中段上昇位置Eで上昇用係合体63を離脱して可動演出体24を自由落下させる機能等があり、各可動演出パターンではこれらの各制御機能を選択的に組み合わせて、画像表示部16に表示される予告演出画像37に同期して可動演出体24の自由落下から再上昇までの可動演出動作を制御するようになっている。
例えば、第1可動演出パターンでは図15(a)に示すように可動演出体24が上昇位置Aから下段落下位置Bまで自由落下し、その後に上昇駆動手段26の上昇速度で可動演出体24が上昇位置Aまで上昇する。この第1可動演出パターンでは演出部34の猿が画像表示部16に表示される予告演出画像37の樹木に沿って下まで一気に滑り降りた後、樹木に沿って登る様子を演出することができる。
第2可動演出パターンでは図15(b)に示すように可動演出体24が上昇位置Aから中段落下位置Cでの一旦停止を経て自由落下し、その後に可動演出体24が上昇位置Aまで上昇する。この第2可動演出パターンでは演出部34の猿が予告演出画像37の樹木に沿って途中で一旦停止しながら滑り降り、その後に樹木に沿って登る様子を演出することができる。
第3可動演出パターンでは図15(c)に示すように可動演出体24が上昇位置Aから中段落下位置Cまで自由落下し、その後に可動演出体24が中段落下位置Cから上昇位置Aまで上昇する。この第3可動演出パターンでは演出部34の猿が予告演出画像37の樹木に沿って途中まで降り、その後に途中から樹木に沿って上まで登る様子を演出することができる。
第4可動演出パターンでは図15(d)に示すように可動演出体24が上昇位置Aから下段落下位置Bまで自由落下し、その後に可動演出体24が第1中段上昇位置D,Eまで上昇した後、第1中段上昇位置D,Eから中段落下位置Cまで自由落下し、その後に中段落下位置Cから上昇位置Aまで上昇する。この第4可動演出パターンでは演出部34の猿が予告演出画像37の樹木に沿って下まで一気に滑り降りた後、中間までの上昇、中間からの下降を経て登る様子を演出することができる。
第5可動演出パターンでは図15(e)に示すように可動演出体24が上昇位置Aから下段落下位置Bまで自由落下し、その後に可動演出体24が第2中段上昇位置D,Eまで上昇した後、第2中段上昇位置D,Eから下段落下位置Bまで自由落下し、その後に下段落下位置Bから上昇位置Aまで上昇する。この第5可動演出パターンでは演出部34の猿が予告演出画像37の樹木に沿って下まで一気に滑り降りた後、中間までの上昇、下段落下位置Bまでの下降を経て上まで登る様子を演出することができる。
第6可動演出パターンでは図15(f)に示すように可動演出体24が上昇位置Aから下段落下位置Bまで自由落下し、その後に可動演出体24が下段落下位置Bから第1中段上昇位置D,Eまでの上昇、第1中段上昇位置D,Eから下段落下位置Bへの自由落下、下段落下位置Bから第2中段上昇位置D,Eまでの上昇、第2中段上昇位置D,Eから中段落下位置Cへの自由落下を繰り返した後、中段落下位置Cから上昇位置Aまで上昇する。この第6可動演出パターンでは、演出部34の猿が予告演出画像37の樹木に沿って下まで一気に滑り降りた後、上昇、落下を2回繰り返しながら登る様子を演出することができる。
可動演出制御手段104は昇降駆動モータ60の回転数等から上昇駆動手段26の昇降体57の昇降量を計測して、その可動演出体24を第1、第2中段上昇位置D,Eで停止させる際の位置を把握するようになっている。
可動演出パターンは可動演出体24の落下、上昇を適宜組み合わせた他のものでもよい。例えば可動演出体24の落下動作中の一旦停止と、上昇動作中の一旦停止とを組み合わせてもよい。また可動演出体24の上昇速度の違いを組み合わせてもよい。第1中段上昇位置D、第2中段上昇位置Eは上昇駆動手段26の昇降駆動モータ源の回転数等により判定すればよい。
このパチンコ機では、遊技中に次のような制御並びに演出を行う。即ち、特別図柄始動手段12が遊技球を検出すると、乱数抽選手段93が乱数値を抽選し、その乱数値が特別遊技乱数値と同じであるか否かにより判定手段94が特別遊技か否かの判定を行う。そして、判定結果が特別遊技であれば、停止態様決定手段96が演出図柄22a〜22cの停止態様を決定する。また判定結果が特別遊技であれば、変動パターン決定手段97が複数種類の特別遊技変動パターンの何れかを選択し、外れであれば、変動パターン決定手段97が複数種類の外れ変動パターンの何れかを選択する。
続いて特別図柄表示手段21の特別図柄が変動を開始し、変動パターン決定手段97で選択された変動パターンにより指定された変動時間だけ変動した後に、判定手段94での特別遊技、外れの判定結果に応じて特別遊技態様、外れ態様の何れかで停止する。そして、判定手段94が特別遊技と判定した場合には、特別図柄が特別遊技態様で停止した後に、特別遊技発生手段99による特別遊技が発生して大入賞手段13が複数回開放する等、遊技者は有利な状態で遊技を継続できる。
一方、停止態様決定手段96が演出図柄22a〜22cの停止態様を決定し、変動パターン決定手段97が演出図柄22a〜22cの変動パターンを決定すると、コマンド送信手段98が演出制御基板91側へと夫々のコマンドを送信する。演出制御基板91側では、変動パターンコマンドを受信すると、演出図柄制御手段101の制御により特別図柄の変動開始に同期して演出図柄22a〜22cが変動を開始し、その変動パターンに従って所定時間変動する。
各演出図柄22a〜22cは左、右、中等の順序で停止状態に近い揺れ変動に移行し、変動開始から所定時間が経過したときに停止指令に従って特別遊技演出態様、外れ演出態様の何れかで最終的に停止する。また演出画像制御手段103の制御により、図3に示すように演出図柄22a〜22cの背景画像23が表示される。
例えば、判定手段94の特別遊技の判定により変動パターン決定手段97が特別遊技変動パターンの何れかを選択した場合、又は特別遊技変動パターンの変動時間に近い特定のリーチあり外れ変動パターンの何れかを選択した場合には、予告演出決定手段102が予告演出を行うか否か、また予告演出を行うとした場合にどの予告演出パターンにするのかを決定する。
そして、予告演出決定手段102が予告演出を決定し、また何れかの予告演出パターンを決定すれば、例えば一つの演出図柄22bを除く他の演出図柄22a,22cが同じとなるリーチになったときに、その決定された予告演出パターンに従って図3に示すように画像表示部16に所定の予告演出画像37が表示されると共に、この予告演出画像37の表示に同期して可動演出体24が上昇位置Aから下段落下位置Bへと自由落下して、変動中の演出図柄22a〜22cを一時的に隠蔽し、その後に可動演出体24が下段落下位置Bから上昇位置Aへと上昇して演出図面22a〜22cを視認可能にする等、予告演出画像37と可動演出体24との組み合わせにより予告演出を行う。
可動演出体24は通常、図5に示すように上昇位置Aで上昇位置保持手段28により固定された状態にある。即ち、可動演出体24が上昇位置Aの手前まで達すると、図10に二点鎖線で示すように可動演出体24の突部47が係合体43の案内部43aに接触し、可動演出体24の上昇に従って係合体43がバネ46aに抗しながら後退する。そして、可動演出体24が上昇位置Aに達したときに、図10に実線で示すように係合体43がバネ46aにより押し戻されて演出体24の被係合部42に係合して可動演出体24を上昇位置Aに保持する。
このため可動演出体24が上昇位置Aまで上昇した後は、予告演出パターンの決定から可動演出体24の自由落下までの適時に、図15に示すように、その予告演出パターンの種類に応じて中段落下位置C又は下段落下位置Bの下側まで下降させて待機させることができる。
例えば第1予告演出パターンによる予告を決定した場合には、2個の演出図柄22a,22cが揃ってリーチとなる前の時点に、可動演出制御手段104の制御により上昇駆動手段26の昇降駆動モータ60が下降方向に起動する。これによって昇降駆動モータ60が下降方向に回転し、ピニオン59、ラック58を介して昇降体57を下降させる。そして、昇降体57が下降位置まで下降すると、下降検出手段68が昇降体57を検出し、可動演出制御手段104が昇降駆動モータ60を停止させるため、昇降体57が下降位置で停止し待機状態となる。
その後、演出図柄22a,22cのリーチに同期して、演出画像制御手段103の制御により画像表示部16に予告演出画像37(図1参照)が表示されると、その表示と同期して図15(a)に示すように可動演出制御手段104からの落下指令により、上昇位置保持手段28の係脱駆動手段45が連動部材44を枢軸51廻りに図9の矢示方向に回動させて係合体43をバネ46aに抗して離脱方向に駆動し、上昇位置保持手段28による可動演出体24の上昇位置Aでの保持を解除する。
これによって十分な自重を有する可動演出体24は、その自重により第1案内手段25の案内棒39に沿って上昇位置Aから下段落下位置Bへと急激に自由落下する。可動演出体24が下段落下位置Bまで落下すると、可動演出体24の摺動案内部33が下段落下位置停止手段29の弾性体40上に衝突し、その弾性体40により可動演出体24の衝撃を吸収しながら可動演出体24を停止させる。なお、可動演出体24は下段落下位置Bではその演出部34により演出図柄22a,22cを前側から覆って隠蔽する。
可動演出体24が下段落下位置Bまで落下した後、図15(a)に示すように、可動演出制御手段104からの上昇指令により、上昇駆動手段26の昇降駆動モータ60が上昇方向に起動する。これによってにピニオン59、ラック58を介して昇降体57が昇降駆動モータ60の回転速度に応じた上昇速度で下降位置から上昇位置Aへと上昇し、上昇用係合手段61を介して可動演出体24を下段落下位置Bから上昇させて行く。
可動演出体24が上昇位置Aの手前まで達すると、図10に二点鎖線で示すように係合体43の案内部43aが可動演出体24の突部47に接触して係合体43がバネ46aに抗しながら後退する。そして、可動演出体24が上昇位置Aに達したときに、図10に実線で示すように、その係合体43が可動演出体24の被係合部42に係合して可動演出体24を上昇位置Aに保持する。従って、可動演出体24が上昇位置Aまで上昇した後は、次の可動演出体24の自由落下後の上昇に備えて、上昇駆動手段26を適時に下降位置へと下降させることができる。
予告演出決定手段102が第2予告演出パターンでの予告演出を決定した場合には、演出画像制御手段103の制御により画像表示部16に第2予告演出画像パターンで予告演出画像37が表示される。一方、可動演出制御手段104が落下指令、中段落下位置停止指令を略同時又は相前後して出力し、図15(b)に示すように可動演出体24が中段落下位置Cに達するまでに中段落下位置停止手段30の停止用係合手段70を突出させておき、自由落下する可動演出体24を中段落下位置Cで一旦停止させて、その後の落下指令により中段落下位置Cから下段落下位置Bへと再度自由落下させる。
即ち、中段落下位置停止手段30の停止用係合手段70は、通常、図16(a)に示すように後退位置にある。そこで、中段落下位置Cで可動演出体24を停止させる場合には、図16(a)に示すように係脱駆動手段64が操作体72を下方へと摺動させる。そのため操作体72が摺動枠69と停止用係合手段70との間に進出して、そのカム部72a、カム従動部77cを介して停止用係合手段70を枢軸78廻りに係合方向に揺動させる。これによって図16(a)に二点鎖線で示すように、停止用係合手段70の係合部77aが可動演出体24の落下空間内に突出した状態で待機する。
その後の落下指令により上昇位置保持手段28が可動演出体24から離脱すると、可動演出体24が案内棒39に沿って中段落下位置Cまで自由落下し、図16(b)に示すように中段落下位置Cで停止用係合手段70の係合部77a上に係合して可動演出体24が停止する。このとき停止用係合手段70の係合部77aを介して中段落下位置停止手段30に衝撃が加わるが、衝撃吸収手段31のバネ87が弾性変形してその衝撃を吸収する。このため可動演出体24を中段落下位置Cで円滑に停止させることができる。
中段落下位置Cでの可動演出体24の停止後、図16(c)に示すように可動演出制御手段104の落下指令により中段落下位置停止手段30の係脱駆動手段64の駆動により操作体72が上昇し、そのカム部72aが停止用係合手段70のカム従動部77cから上方に離れて行く。そして、停止用係合手段70が可動演出体24の重量により枢軸78廻りに離脱方向に回動して、その係合部77aが可動演出体24から後方に離脱するため、中段落下位置Cから下段落下位置Bへと再度自由落下する。
予告演出決定手段102が第5予告演出パターンでの予告演出を決定した場合には、演出画像制御手段103の制御により画像表示部16に予告演出画像37が表示される。一方、可動演出制御手段104の自由落下指令により上昇位置保持手段28が可動演出体24から離脱して、可動演出体24が上昇位置Aから下段落下位置Bまで自由落下する。その後、可動演出制御手段104の第2中段上昇位置Eまでの上昇指令により、上昇駆動手段26が上昇用係合手段61を介して可動演出体24を上昇させる。そして、可動演出体24が途中の第2中段上昇位置Eまで上昇して停止した後、可動演出制御手段104の落下指令により上昇用係合手段61が可動演出体24から離脱して可動演出体24が下段落下位置Bまで再度落下し、続いて可動演出制御手段104の上昇指令により上昇駆動手段26が上昇用係合手段61を介して可動演出体24を下段落下位置Bから上昇位置Aまで再度上昇させる。
このとき可動演出制御手段104では昇降駆動モータ60の回転数の計数等により可動演出体24の上昇量を把握しており、可動演出体24が途中の第2中段上昇位置Eまで上昇すれば、可動演出制御手段104の停止指令により第2中段上昇位置Eで昇降駆動モータ60の回転が止まり可動演出体24が停止する。そして、その後に可動演出制御手段104の落下指令により上昇駆動手段26の上昇用係合手段61が離脱して、可動演出体24が再度下段落下位置Bまで落下する。可動演出体24の上昇中、中段上昇位置Eでは上昇用係合手段61の上昇用係合体63が可動演出体24に係合しているが、落下指令により係脱駆動手段64を離脱方向に駆動することにより、上昇用係合体63が後退して可動演出体24が自由落下する。
その後、上昇用係合手段61の上昇用係合体63が付勢手段65により戻った後、下降指令により上昇駆動手段26が下降位置まで下降する。そして上昇駆動手段26が下段落下位置Bで停止中の可動演出体24まで達すると、上昇用係合体63の案内部63aが可動演出体24の摺動案内部33と接触して、上昇用係合体63が付勢手段65に抗して後退するため、上昇駆動手段26が可動演出体24の下側へと通過し、その上昇用係合手段61の上昇用係合体63が可動演出体24の摺動案内部33の下側に係合可能な状態となる。上昇駆動手段26が可動演出体24の下側に達すると、可動演出制御手段104の上昇指令により上昇駆動手段26が上昇を開始し、その上昇用係合手段61を介して可動演出体24を上昇位置Aまで所定の速度で上昇させる。
このように可動演出体24を途中の中段落下位置Cで停止させる中段落下位置停止手段30を設けることにより、可動演出体24を上昇位置Aから自由落下させる際に、中段落下位置Cで可動演出体24を一旦停止させて、その後に中段落下位置Cから下段落下位置Bへと落下させたり、可動演出体24を上昇位置A又は中間の適当な位置から自由落下させる際に、可動演出体24を中段落下位置Cまで落下させて、その中段落下位置Cから上昇位置Aへと上昇させる演出が可能となり、上昇位置Aから下段落下位置Bまで一気に落下させるだけの従来に比較して、可動演出体24の自由落下による可動演出に変化を持たせることができる。従って、可動演出体24の自由落下による可動演出の自由度が向上し、変化に富んだ種々の可動演出を行うことができる。
また可動演出体24を上昇させる上昇駆動手段26に、可動演出体24に対して係脱自在に係合する上昇用係合手段61を設けて、可動演出体24を下段落下位置B、中段落下位置Cから上昇させる際に、可動演出体24が第1中段上昇位置D又は第2中段上昇位置Eまで上昇したときの上昇駆動手段26の停止、その中段上昇位置D,Eでの上昇用係合手段61の可動演出体24の離脱を組み合わせることにより、上昇途中での落下を経て可動演出体24を上昇させたり、上昇、落下を繰り返しながら上昇させたりすることができる。従って、可動演出体24の上昇による可動演出に際しても自由度が向上し、変化に富んだ種々の可動演出を行うことができる。
また可動演出体24の昇降時に、左右両側の第1案内手段25の案内棒39により左右の摺動案内部33を介して左右両側から可動演出体24を案内するため、可動演出体24の傾き等を防止しながら円滑に昇降させることができる。上昇駆動手段26用の第2案内手段27に、取り付け台35自体の前面を利用することにより、上昇駆動手段26の前側への突出を極力小さくでき、全体を小型化することができる。更に上昇駆動手段26では昇降駆動モータ60の回転時に第2案内手段27に反力が加わるが、取り付け台35の一部を第2案内手段27に利用することにより、第2案内手段27によりその反力に十分に対抗することができ、昇降体57を円滑に昇降させることができる。
図17は本発明の第2の実施形態を例示する。この実施形態では、第1の実施形態の中段落下位置停止手段30を省き、上昇駆動手段26を可動演出体24の中段落下位置Cでの停止用として兼用するようにしている。
即ち、上昇位置Aの可動演出体24を保持する上昇位置保持手段28がある場合、可動演出体24が上昇位置Aまで達して上昇位置保持手段28により保持された後は、上昇駆動手段26を上昇位置A又はその近傍に位置させておく必要はない。そこで、この実施形態では、可動演出体24を中段落下位置Cで停止させる可動演出パターンの場合には、この上昇駆動手段26を中段落下位置Cまで移動させておき、可動演出体24が中段落下位置Cまで落下したときに、上昇用係合手段61により摺動案内部33を受け止めて可動演出体24を停止させるようにしている。
このように上昇用係合手段61を有する上昇駆動手段26を利用して、上昇駆動手段26を図17に示すように中段落下位置Cで停止させておけば、上昇位置Aから自由落下する可動演出体24を中段落下位置Cで一旦停止させ、その後に上昇用係合手段61の係合体63を可動演出体24から離脱させることにより下段落下位置Bまで自由落下させることができる。
なお、上昇駆動手段26の本来の可動演出体24を上昇させる機能と、上昇駆動手段26の中段落下位置Cで可動演出体24を停止させる機能とを組み合わせることにより、可動演出体24を種々の可動演出パターンで動作させることが可能である。また上昇用係合手段61の上昇用係合体63に衝撃吸収機能を持たせるようにしてもよい。
図18、図19は本発明の第3の実施形態を例示する。この実施形態の停止用係合手段70は、枢軸78の外周に巻装されたつる巻きバネ等のバネ107により離脱方向に付勢されており、操作体72が摺動枠69と停止用係合手段70との間から離脱したときに、そのバネ107の付勢により枢軸78廻りに回動して可動演出体24の摺動案内部33から離脱するようになっている。なお、停止用係合手段70はバネ107の付勢により退避状態で押え部75等のストッパー108に当接することが望ましい。
このように停止用係合手段70は、バネ107の付勢により枢軸78廻りに離脱方向に回動するようにしておけば、可動演出体24の重量が比較的軽い場合でも、中段落下位置Cでの停止を解除して可動演出体24を速やかに落下させることができる。
図20は本発明の第4の実施形態を例示する。この実施形態の中段落下位置停止手段30では、停止用係合手段70は可動演出体24に対して係脱方向に直線的に出退する係合体112を有し、その係合体102を係脱駆動手段71により出退駆動するようになっている。
係合体112は先端に可動演出体24用の係合部112aを有し、摺動枠69に設けられた保持部材113により略水平方向に出退自在に保持されている。係脱駆動手段71は支軸114に連結されたソレノイド79を有し、その可動鉄心79aが連動手段115を介して係合体112に連動連結されている。連動手段115は枢軸116により摺動枠69に枢支されたベルクランク等の連動アーム117を有し、連動アーム117の一端が連結ピン118を介して可動鉄心79aに、他端が係合部119を介して係合体112の係合突部112bに夫々連結されている。
この実施形態では、ソレノイド79により連動アーム117を介して係合体112を突出位置と後退位置との間で出退駆動する。そして、係合体112が突出位置のときに可動演出24が自由落下してくれば、係合体112により可動演出24が停止する。従って、停止用係合手段70は、各実施形態に例示の揺動係合体77式に限定されるものではなく、直線的に出退する係合体112を採用する等、係合位置と後退位置との間で出退するものであればよい。
以上、本発明の各実施形態について詳述したが、本発明はこの各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば可動演出体24は可動演出に供し得るものであれば何でもよい。また実施形態では上昇位置A(退避位置)を退避位置とし、画像表示部16の前側の下段落下位置(演出位置)Bを演出位置としているが、画像表示部16の前面の上昇位置Aを演出位置とし、画像表示部16の下側の下段落下位置Bを退避位置としてもよい。この場合には、可動演出体24は画像表示部16の下側の下段落下位置Bから画像表示部16の前面の上昇位置Aへと上昇した後、その上昇位置Aから下段落下位置Bへと自由落下することになる。
また実施形態では、上昇位置保持手段26により可動演出体24を上昇位置Aに保持して置き、この上昇位置保持手段26が上昇位置Aでの可動演出体24の保持を解除することにより、可動演出体24を上昇位置Aから下段落下位置B又は中段落下位置Cへと落下させるようにしているが、上昇用係合手段61によって可動演出体24を中段上昇位置D,Eに保持しておき、その上昇用係合手段61による可動演出体24の保持を解除することによって、可動演出体24を中段上昇位置D,Eから下方に自由落下させるようにしてもよい。
更に可動演出体24を上昇位置Aに保持する上昇位置保持手段26を上下方向に位置変更可能な可動式とし、必要に応じて上昇位置Aから中段上昇位置D,Eへと移動させる等、上昇位置保持手段26を上下方向に移動させて、上昇位置A、中段上昇位置D,Eを含む各上昇位置で上昇位置保持手段26により可動演出体24を保持しておき、この上昇位置保持手段26を解除することによって可動演出体24を自由落下させるようにしてもよい。
中段落下位置Cは上昇位置Aと下段落下位置Bとの中間位置であればよい。中段落下位置Cは1箇所でもよいし、上下方向の複数箇所でもよい。また中段上昇位置D,Eも上昇位置Aと下段落下位置Bとの中間位置であればよい。また実施形態では、可動演出体24を中段落下位置Cで停止させる機能と、可動演出体24を中段上昇位置D,Eで停止させる機能とを併用しているが、その何れか一方のみの機能を有するものでもよい。
更に可動演出体24は上昇位置Aから下段落下位置Bへと鉛直方向に直線的に落下させてもよいし、前後方向又は左右方向の傾斜案内手段に沿って自由落下させたり、枢軸110廻りに回転しながら落下させたりしてもよい。また可動演出体24が自由落下する範囲であれば、左右の傾斜方向に落下させてもよい。また各実施形態では、演出位置では可動演出体24が画像表示部16の前面に位置する場合を例示しているが、画像表示部16の前面以外の箇所に可動演出体24を配置してもよい。
可動演出体24を第1案内手段25により案内し、昇降体57を第2案内手段27により案内するようにしているが、案内手段の一部又は全部を両者に共用することも可能である。可動演出役物19は予告演出以外の演出に利用してもよい。停止用係合手段70は係脱駆動手段71によりカム機構を介さずに揺動係合体77を出退駆動するようにしてもよい。
上昇駆動手段26は、取り付け台35側にラック58を備え、第2案内手段27に沿って昇降する昇降体57側に、ラック58に噛合するピニオン59と、このピニオン59を駆動する昇降駆動モータ60とを備えて、昇降駆動モータ60の駆動により昇降体57が昇降するようにしている。しかし、この上昇駆動手段26は上下両側の案内輪間に巻き掛けたベルトを昇降体57に連結し、その一方の案内輪を昇降駆動モータ60により回転させて昇降体57を昇降させるようにしてもよい。
可動演出体24が自由落下して演出図柄22a〜22cを隠蔽した後に上昇する場合には、その上昇に伴って演出図柄22a〜22cが上昇するようにしてもよい。また本発明はアレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機、更にはスロットマシン等の各種の遊技機においても同様に実施可能であることは云うまでもない。