JP2014014284A - 藻類含有組成物および藻類含有組成物製造システム - Google Patents

藻類含有組成物および藻類含有組成物製造システム Download PDF

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Abstract

【課題】微細藻類を有効に利用することができる藻類含有組成物および藻類含有組成物製造システムを提供する。
【解決手段】キトサンと、微細藻類と、を含み、前記微細藻類が、バイオ燃料に変換可能な油脂を抽出された後の抽出残渣であって、食品、飼料、または肥料の添加剤として用いられることを特徴とする藻類含有組成物により上記課題を解決する。
【選択図】図1

Description

本発明は、藻類含有組成物および藻類含有組成物製造システムに関する。
地球温暖化問題がクローズアップされる昨今において、温室効果ガスの一つである二酸化炭素ガスの排出量を抑制することや、二酸化炭素を固定することにより大気中の二酸化炭素濃度を低減することは、大きな課題となっている。
このような状況下、固定化された二酸化炭素を含有する化石燃料をエネルギーとして使用することは、固定化された二酸化炭素を再度大気中へ放出することにつながるため、環境問題となっている。また、化石燃料は有限な資源であるため、枯渇の問題もある。
上記のような問題を解決するために、化石燃料以外の燃料源が必要とされており、高等植物や藻類を原料としたバイオ燃料の開発に対する期待が高まっている。
バイオ燃料の原料の候補となる高等植物としては、大豆、トウモロコシ、パームなどが知られているが、可食性作物を原料とする場合、食糧不足を引き起こすという懸念が存在する。また、ジャトロファ、カメリナなどの非食性植物からの生産も進められているが、これらの非食性植物は、単位面積当りの燃料生産量が低いという問題がある。
一方、池や沼に広く生息する光合成微生物や原生動物といった藻類は、植物と同様の光合成能を持ち、水と二酸化炭素から炭水化物や脂質を生合成し、これらを細胞内に蓄積する。その生産量は高等植物に比べて高く、例えばパームと比較して、単位面積当たりで10倍以上の生産量が達成されることが知られている。
このような藻類をバイオ燃料の生産に好適に用いるための技術が数々提案されている。
例えば、特許文献1には、藻類に含まれる成分の全て、又は一部を含有する、微生物培養用の添加剤が提案されている。
また、特許文献2には、液体中に分散している藻類を凝集分離させる方法であって、藻類が分散しているpH2.0〜4.0の液体にアルカリ性無機凝集剤を添加し、次いでカチオン性高分子凝集剤を添加することを含む方法が提案されている。
また,非特許文献1には、微細藻類の溶液からの回収方法について、キトサンを凝集剤として使用した技術が提案されている。
特開2011−229439号公報 特開2011−212624号公報 Flocculation of algae using chitosan,Journal of Applied Phycology, Volume 14, Number 5, pp. 419−422
特許文献1に係る技術は、藻類を用いて微生物の発酵効率を向上させる技術であり、特許文献2に係る技術は、効率よく藻類を分離させる技術であり、いずれの技術も、バイオ燃料の生産時において藻類を有効に活用する技術である点で共通する。
しかしながら、藻類をバイオ燃料として用いる場合、藻類の油脂含有率は、種や培養環境により異なるが、20〜70%程度であることから、バイオ燃料のために油脂を抽出した後には、大量の藻類細胞が抽出残渣として発生してしまう。そして、この抽出残渣はタンパク質、色素、ビタミン類など、人や動植物に対して有用な成分を含んでいる。
したがって、特許文献1、特許文献2および非特許文献1に係る技術は、この抽出残渣を考慮した技術ではないことから、藻類の有効利用に関し、更なる向上の余地が存在していた。
本発明は、前記した従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、微細藻類を有効に利用することができる藻類含有組成物および藻類含有組成物製造システムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る藻類含有組成物は、キトサンと、微細藻類と、を含み、前記微細藻類が、バイオ燃料に変換可能な油脂を抽出された後の抽出残渣であって、食品、飼料、または肥料の添加剤として用いられることを特徴とする。
また、前記課題を解決するため、本発明に係る藻類含有組成物製造システムは、微細藻類を培養液により培養させる培養手段と、キトサンを溶解液により溶解させる溶解手段と、前記培養手段で培養された微細藻類を含んだ培養液と前記溶解手段で溶解されたキトサンを含んだ溶解液とを、所定の速度勾配で攪拌させた後、前記所定の速度勾配未満の速度勾配で攪拌させることにより、微細藻類とキトサンとのフロックを形成させる攪拌手段と、前記攪拌手段により形成されたフロックを回収する回収手段と、前記回収手段により回収されなかった溶液を培養液として前記培養手段に返送する返送手段と、前記回収手段により回収されたフロックを構成する微細藻類から油脂を抽出するとともに、油脂を抽出された後の微細藻類の抽出残渣と、キトサンと、を含んだ藻類含有組成物を回収する油脂抽出手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、微細藻類を有効に利用することができる藻類含有組成物および藻類含有組成物製造システムを提供することができる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の本発明の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施形態に係る藻類含有組成物製造システムの構成を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る藻類含有組成物製造システムの動作を説明するフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
≪藻類含有組成物≫
本発明の実施形態に係る藻類含有組成物は、キトサンと、微細藻類と、を含んで構成されるとともに、この微細藻類が、バイオ燃料に変換可能な油脂を抽出された後の抽出残渣であることを特徴とする。また、藻類含有組成物は、食品、飼料、または肥料の添加剤として用いられる。
藻類含有組成物が、食品、飼料、または肥料の添加剤として用いられることにより、用途がバイオ燃料に限定されないことから、微細藻類の多段階利用が可能となるため、微細藻類の有効利用性を大幅に向上させることができる。
なお、本願における飼料とは、家畜、家禽、養魚などの飼育される動物に餌として与えられるものを示す。
<微細藻類>
微細藻類とは、微細な藻類であり、細胞内外に油脂および炭水化物を蓄積する藻類である。この微細藻類としては、ユーグレナを挙げることができる。ユーグレナは鞭毛虫の一群で、運動性のある藻類として有名なミドリムシを含む。大部分のユーグレナは、葉緑体を持っており、光合成を行って独立栄養生活を行うが、捕食性のものや吸収栄養性のものもある。
なお、ユーグレナ(Euglena)は、動物学と植物学の双方に分類される属である。
動物学では、原生動物門(Protozoa)の鞭毛虫綱(Mastigophorea)、植物鞭毛虫亜綱(Phytomastigophorea)に属する目の中にミドリムシ目(Euglenida)があり、これは三つの亜目、Euglenoidina、Peranemoidina、Petalomonadoidinaよりなる。
Euglenoidinaには、属としてEuglena、Trachelemonas、Strombonas、Phacus、Lepocinelis、Astasia、Colaciumが含まれる。
植物学では、ミドリムシ植物門(Euglenophyta)があり、その下にミドリムシ藻類網(Euglenophyceae)、ミドリムシ目(Euglenales)があって、この目に含まれる属としてはEuglenaの他、動物分類表と同様である。
微細藻類としては、これ以外にも、シアノバクテリア、緑藻およびトレボキシア、プラシノ藻(緑色藻類)、原始紅藻類、珪藻、円石藻、渦べん毛藻、真眼点藻、黄金色藻などを使用することができ、上記Euglena属を含めたもののうちから1種または2種以上を選択して用いることができる。
なお、シアノバクテリアとしては、例えば、Chroococcacae、Stigonematacae、MastigocladacaeおよびOscillatroriacaeを挙げることができる。また、その他にも、Synechococcus lividusおよびSynechococcus elongatusなどのSynechococcusや、Synechocystis minervaeなどのSynechocystisや、Mastigocladus laminosusなどのMastigocladusや、Phormidium laminosusなどのPhormidiumや、Symploca thermalisなどのSymplocaや、Aphanocapsa thermalisなどのAphanocapsaや、Fisherellaなどを挙げることができる。
さらに、シアノバクテリアとしては、アナベナ(Anabaena)属に属するアナベナ・バリアビリス(Anabanena variabilis)ATCC 29413、シアノテセ(Cyanothece)属のCyanothece sp.ATCC 51142、シネココッカス(Synechococcus)属に属するSynechococcus sp.PCC 7942およびアナシスティス(Anacystis)属に属するアナシスティス・ニデュランス(Anacystis nidulans)、好熱性シアノバクテリアなどを挙げることができる。
緑藻およびトレボキシアとしては、例えば、クロレラ(系統学的に分けられたパラクロレラを含む)、クラミドモナス、ドナリエラ、セネデスムス、ボトリオコッカス、スティココッカス、ナンノクロリス、デスモデスムスなどの気生藻を挙げることができる。具体的には、Chlorella vulgaris、Chlorella saccharophilaなどのクロレラ(Chlorella)、Dunaliella salina、Dunaliella tertiolectaなどのDunaliella、並びに光合成などの基本的な性質は同じであるが、分子系統解析によりトレボキシア藻網として分類されるParachlorella kessleri(Chlorella kessleri)を挙げることができる。また、クラミドモナス(Chlamydomonas)属に属するクラミドモナス・ラインハルディ(Chlamydomonas reinhardtii)、クラミドモナス・モエブシィ(Chlamydomonas moewusii)、クラミドモナス・ユーガメタス(Chlamydomonas eugametos)、クラミドモナス・セグニス(Chlamydomonas segnis)、セネデスムス(Senedesmus)属に属するセネデスムス・オブリクス(Senedesmus obliquus)、スティココッカス(Stichococcus)属に属するスティココッカス・アンプリフォルミス(Stichococcus ampliformis)、ナンノクロリス(Nannochloris)属に属するナンノクロリス・バシラリス(Nannochloris bacillaris)、デスモデスムス(Desmodesmus)属に属するデスモデスムス・スブスピカツス(Desmodesmus subspicatus)などを挙げることができる。
また、プラシノ藻(緑色藻類)としては、例えば、テトラセルミスなどを挙げることができ、原始紅藻類としては、例えば、シアニディオシゾン、シアニディウム、ガルディエリア、ポルフィリディウムなどを挙げることができる。
なお、本発明で用いることのできる微細藻類は、光合成により油脂および炭水化物を生成し、細胞内外に蓄積することができ、毒性物質を生産しないものであれば、前記したものに限定されるものではない。
<キトサン>
キトサンとは、多糖類の一種であり、グルコサミンの重合物である。そして、キトサンは、エビやカニなどの甲殻類の殻が原料であり、キトサンの製造工程において、原料生物のタンパク質が除去されていることが好ましい。また、キトサンは、分子量が100万以上の高分子キトサンであることが好ましい。100万以上の高分子キトサンを用いることにより、十分な凝集効果を確保することができる。
本発明の実施形態に係る藻類含有組成物は、前記した微細藻類およびキトサン以外にも、食品、飼料、肥料として使用可能な栄養素などが含有されていてもよい。
次に、本発明の実施形態に係る藻類含有組成物製造システムについて説明する。
≪藻類含有組成物製造システム≫
図1は、本発明の実施形態に係る藻類含有組成物製造システムの構成を示す説明図である。
藻類含有組成物製造システム1は、培養手段10と、溶解手段11と、攪拌手段12と、回収手段13と、返送手段14と、油脂抽出手段15と、を備える。
<培養手段>
培養手段10は、微細藻類を培養する手段であり、培養液(培地)と、当該培養液を保持する培養槽と、を含んで構成される。
なお、複数の培養処理(例えば、前培養と本培養)を行う必要のある場合、培養手段10は、各培養処理に適合する培養液と、培養槽と、をそれぞれ含んで構成される。
この培養手段10の培養液は、例えば、微細藻類としてユーグレナを用いる場合、窒素源、リン源、ミネラルなどの栄養塩類を添加した培養液を用いればよい。詳細には、培養液として、改変Cramer−Myers培地((NHHPO:1.0g/L、KHPO:1.0g/L、MgSO・7HO:0.2g/L、CaCl・2HO:0.02g/L、Fe(SO・7HO:3mg/L、MnCl・4HO:1.8mg/L、CoSO・7HO:1.5mg/L、ZnSO・7HO:0.4mg/L、NaMoO・2HO:0.2mg/L、CuSO・5HO:0.02g/L、チアミン塩酸塩(ビタミンB1):0.1mg/L、シアノコバラミン(ビタミンB12):0.0005mg/L、(pH3.5))を用いることができる。ここで、(NHHPOは、(NHSOやNHaqに変換することも可能である。
なお、培養手段10の培養液は、用いる微細藻類に適した培養液を用いればよく、これに限定されるものでないことは言うまでもない。
また、培養手段10の培養液のpHは3.0〜6.0とするのが好ましく、3.0〜4.5とするのがより好ましい。このように、pHを酸性に調整することにより、微細藻類は他の微生物よりも優勢に生育することができるため、コンタミネーションを抑制することができる。その結果、回分培養法の他、連続培養法を適用することが可能となる。
なお、培養手段10の培養液のpHの調整は、粉末試薬や試薬水溶液を適宜用いて行うことができる。粉末試薬としては、重曹などを挙げることができ、試薬水溶液としては、硫酸、酢酸などの酸性液や水酸化ナトリウム水溶液などの塩基性溶液を挙げることができる。
また、培養に用いる培養液によっては、微細藻類による栄養源の吸収により、pHを3.0〜4.0の酸性に維持することも可能である。
<溶解手段>
溶解手段11は、キトサンを溶解する手段であり、キトサンを溶解する溶解液と、当該溶解液を保持する溶解槽と、を含んで構成される。
キトサンは、水・アルカリに不溶であるが、低濃度の塩酸・硝酸などの鉱酸、酢酸・ギ酸などの有機酸に溶解する。しがたって、キトサンを溶解させるために、溶解手段11の溶解液は、酸を用いるのが好ましく、0.5%酢酸溶液や0.1規定塩酸溶液が更に好ましい。
そして、溶解手段11の溶解液に、終濃度0.5重量%程度となるようにキトサンが加えられるとともに、緩やかに攪拌子等により攪拌されることで、キトサンが溶液の状態となる。
培養液(微細藻類)への溶解液(キトサン)の添加のタイミングは、後記する攪拌手段12による攪拌の前であれば問題ないが、培養手段10から攪拌手段12へ培養液を送液する流路21内で添加されるのが好ましい。
培養液へのキトサンの添加量は、培養液中の藻体濃度(乾燥重量基準)に対し0.10wt%以上であると藻体の沈降性を向上させることができる。より好ましくは、培養液中の藻体濃度(乾燥重量基準)に対し0.35wt%〜0.50wt%の添加濃度であると沈降性がさらに向上する。
なお、溶解液中のキトサン濃度の測定については、溶解手段11に濃度測定手段が備えられていてもよく、作業者がキトサン添加量からキトサン濃度を算出する構成であってもよい。そして、培養液(微細藻類)への溶解液(キトサン)の添加については、溶解液のキトサン濃度の結果に基づき、自動で添加量を決定し添加する添加手段が溶解手段11に備えられている構成であってもよく、作業者が添加量を決定し添加する構成であってもよい。
<攪拌手段>
攪拌手段12は、培養手段10から流路21を介して供給される微細藻類を含んだ培養液と、溶解手段11から流路22を介して供給されるキトサンを含んだ溶解液とを、所定の速度勾配で攪拌(以下、適宜、急速攪拌という)させた後、前記所定の速度勾配未満の速度勾配で攪拌(以下、適宜、緩速攪拌という)させることにより、微細藻類とキトサンとのフロックを形成させる手段である。
そして、攪拌手段12は、攪拌子と、当該攪拌子により攪拌される溶液を保持する攪拌槽(タンク)と、を含んで構成される。
(急速攪拌)
攪拌手段12の急速攪拌によると、培養液と溶解液とを急速に攪拌させることで、培養液に含まれる微細藻類と溶解液に含まれるキトサンとを均一に混合させることができる。そして、攪拌手段12の急速攪拌は、微細藻類とキトサンとが均一になるまで攪拌されることが好ましい。
なお、攪拌手段12の急速攪拌は、後記する緩速攪拌と比較し、速度勾配G値[1/s]が大きい。ここで、速度勾配G値は、以下の式(1)で算出することができる。
G[1/s]=((C×A×v)/(2×ν×Vol))1/2
ここで、C:撹拌翼の抵抗係数(≒1.5),A:撹拌翼断面積,v:撹拌翼端速度,ν:溶解液の動粘性係数,Vol:撹拌槽容積
攪拌手段12の急速攪拌は、攪拌強度GT値(=速度勾配G値[1/s]×滞留時間T値[s])が、10,000〜80,000程度であることが好ましい。GT値が10,000未満であると微細藻類とキトサンとが均一に混合され難く、80,000を超えると攪拌によって生じるせん断応力等により微細藻類の細胞が損傷を受ける可能性が発生するからである。ただし、使用する微細藻類や培養液中の細胞濃度により、細胞の強度等や混合性が異なるため、予備的に適切なGT値の検討をするのが好ましい。
なお、速度勾配G値を大きくすることができれば、滞留時間T値を短くすることができる。
なお、急速攪拌は微細藻類とキトサンとを均一に混合することを目的としているため、流路21のうち、キトサンを含んだ溶解液が注入された下流の流路21内で施されるインライン攪拌(流路21内に備えられたスクリュー等の攪拌子による攪拌)により急速攪拌が行われる構成であってもよい。この場合、攪拌手段12は、流路21内のスクリュー等の攪拌子と、流路21と、を示す。
(緩速攪拌)
攪拌手段12の緩速攪拌によると、培養液と溶解液とを緩やかに攪拌させることで、微細藻類とキトサンとの接触を促し、微細藻類とキトサンとのフロックを形成させ、フロックを粗大化させることができる。その結果、微細藻類が溶液中に分散した状態で存在することが困難となり、後記する回収手段13において微細藻類をフロックの状態で沈降させ易くすることができる。
なお、攪拌手段12の緩速攪拌は、前記した急速攪拌と比較し、速度勾配G値[1/s]が小さい。
攪拌手段12の緩速攪拌は、攪拌強度GT値(=速度勾配G値[1/s]×滞留時間T値[s])が、20,000〜100,000程度であることが好ましい。
そして、攪拌手段12の緩速攪拌は、攪拌により生じるせん断応力によりフロックが破壊されるのを防ぐため、速度勾配G値[1/s]は100[1/s]以下にするのが好ましい。緩やかな攪拌をおこない、滞留時間T値[s]を確保することで、沈降性のよいフロックを形成させることができる。
なお、攪拌手段12は、急速攪拌と緩速攪拌とを1つの装置で行う構成となっていてもよく、急速攪拌を行う装置および緩速攪拌を行う装置の2つの装置で行う構成となっていてもよい。
<回収手段>
回収手段13は、微細藻類とキトサンとのフロックを溶液から回収する手段であり、回収対象(フロック)と、回収対象外(溶液)と、に分離することができる。
そして、回収手段13は、低動力で濃縮することが可能な、自然沈降を利用した沈降分離手段であることが好ましく、少なくとも、溶液を保持する沈降槽を含んで構成される。ここで、自然沈降を利用した沈降分離を行う回収手段13としては、例えば、シックナー型沈降槽や超高速沈殿装置を用いることができる。
なお、回収手段13は、フロックを回収するに際して、微細藻類をフロック状として濃縮し、フロック中の含水率を低下させることから、濃縮手段とも示すことができる。
フロック中の含水率を低下させたい場合は、回収手段13として、遠心分離やろ布を用いたフィルタープレスのような装置を適用してもよい。
また、更にフロック中の含水率を低下させたい場合は、回収手段13として、乾燥機を適用することにより、水分を蒸発させてもよい。この場合、乾燥時の温度は、細胞内外の油脂の沸点以下で行うことが望ましい。なお、乾燥は、日干しや熱風乾燥、凍結乾燥などによって行うこともできるが、工場や焼却施設などから排出される排ガスや排蒸気が持つ廃熱を利用するとよい。迅速、確実かつ別途のエネルギーを必要とすることなく、好適に乾燥を行うことができるからである。
なお、回収手段13は、所望のフロックの含水率を考慮して、上記手段のうちから1つの装置(手段)を適用してもよいし、上記手段のうちから複数の装置(手段)を組み合わせて適用してもよい。
<返送手段>
返送手段14は、回収手段13で回収されなかった溶液(回収対象ではない溶液)、つまり、フロックをほとんど含有していない回収対象外の溶液を、培養液として培養手段10に返送する手段である。
そして、返送手段14は、回収手段13と培養手段10とに連通し、溶液を流通させる配管を含んで構成される。
回収手段13により、回収対象であるフロックと、回収対象外であるフロックをほとんど含有していない溶液とに分離されるが、この回収対象外である溶液には、フロックを形成できなかった微細藻類やキトサンが含まれる可能性がある。よって、この回収対象外である溶液に、培養に必要な栄養塩等を添加し、返送手段14により培養手段10に返送することで、当該溶液を培養液として循環利用することができる。
なお、培養手段10に返送された溶液中に微細藻類が含まれていた場合は、当該微細藻類に基づき培養が行われることとなる。また、キトサンが含まれていた場合は、当該キトサンは微生物の増殖を阻害する作用があるため、キトサンを含む培養液では他の微生物や菌類の増殖が抑制される、すなわちコンタミネーションを抑制する効果が得られる。特に、微細藻類としてユーグレナを用いる場合、ユーグレナには低分子キトサンによる増殖阻害作用は見られないことから、添加した高分子キトサンが何らかの要因により分解され低分子キトサンになったとしても、増殖が阻害されることなくユーグレナは増殖することができる。
<油脂抽出手段>
油脂抽出手段15は、微細藻類が細胞内外に蓄積した油脂を抽出する手段であり、油脂を抽出するとともに、油脂を抽出された後の微細藻類の抽出残渣と、キトサンと、を含んだ藻類含有組成物を回収する手段である。
そして、油脂抽出手段15は、溶媒抽出法により油脂を抽出する場合は、有機溶媒と、当該有機溶媒を保持する抽出槽と、を含んで構成される。
油脂抽出手段15の有機溶媒は、例えば、へキサンを挙げることができる。油脂を抽出した後のヘキサンは、蒸留することで再度溶媒抽出に使用することができるため環境およびコストの面でメリットが大きいからである。
油脂抽出手段15の有機溶媒に溶解する油脂は、バイオ燃料として回収され、油脂を抽出された後の有機溶媒に溶解しなかった微細藻類(抽出残渣)と、キトサンとは、藻類含有組成物として回収される。
なお、微細藻類から油脂を抽出しない場合は、油脂抽出手段15を設けなくてもよい。
≪藻類含有組成物製造システムの動作≫
図2は、本発明の実施形態に係る藻類含有組成物製造システムの動作のフローチャートを示す説明図である。
藻類含有組成物製造システムは、微細藻類培養工程S1、キトサン添加工程S2、急速攪拌工程S3、緩速攪拌工程S4、回収工程S5、をこの順番で行い、回収工程S5で回収されなかった溶液(回収対象外)に対し、返送工程S6を行うとともに、回収工程S5で回収されたフロック(回収対象)に対し、油脂抽出工程S7を行う。
なお、藻類含有組成物製造システムの動作は、作業者により制御されても、ECU(Electronic Control Unit、電子制御装置)により電子制御されてもよいが、以下の説明においては、ECUにより制御される場合を説明する。
作業者が微細藻類を培養手段10に添加し、起動スイッチ(図示せず)をONとすると、図2のフローチャートに示す処理がスタートする。具体的には、起動スイッチのON信号を検知したECU(図示せず)は、所定の流量で培養手段10に供給ポンプを介して培養液を供給しつつ、所定時間経過後に、同流量で攪拌手段12側に排出ポンプを介して培養液を排出するように培養手段10(詳細には、供給ポンプと排出ポンプ)を制御する。この処理により、培養手段10において微細藻類を培養することができる(微細藻類培養工程S1)。
なお、複数の培養処理(例えば、前培養と本培養)を行う必要のある場合は、配管等で連結された複数の培養手段10を、上記と同様に制御すればよい。
起動スイッチのON信号を検知したECUは、ON信号の検知から所定時間経過後、所定の流量で流路21に排出ポンプを介して溶解液を添加するように溶解手段11(詳細には、排出ポンプ)を制御する。この処理により、培養液に対して溶解液を添加する、つまり、微細藻類に対してキトサンを添加することができる(キトサン添加工程S2)。
なお、キトサンの溶解液への溶解は事前に行われていても、前記各工程と並行して行われてもよい。
培養手段10から培養液が、溶解手段11から溶解液が、流路21を介して攪拌手段12に流入する。ECUは、流入した培養液および溶解液に対し、急速攪拌を行うとともに(急速攪拌工程S3)、所定時間経過後、緩速攪拌を行うように攪拌手段12を制御する(緩速攪拌工程S4)。この処理により、培養液および溶解液(溶液)中に微細藻類とキトサンとのフロックが形成される。
攪拌手段12からフロックを含んだ溶液が、回収手段13に流入する。ECUは、下部に沈降したフロックについてフロック回収ポンプを介して回収し、上部の溶液について排出ポンプを介して排出するように回収手段13(詳細には、フロック回収ポンプおよび排出ポンプ)を制御する。上部からの溶液の排出は、高低差を利用し返送手段14へ送液することもできる。この場合、回収手段13の上部はオーバーフロー堰を具備する構造にすればよい。
回収手段13から排出ポンプで排出されたほとんどフロックを含有しない溶液(回収対象外)は、返送手段14により、培養手段10に返送される(返送工程S6)。ここでいう、ほとんどフロックを含有しない溶液とは、沈降性の高いフロックは含まないが、未反応のキトサン凝集剤や未反応の微細藻類細胞を含む溶液を示す。これらの微細藻類は培養手段10において、再度増殖することができるため、培養手段10において連続培養を実施することができる。なお、この処理中において、培養に必要な栄養塩等が添加される構成であってもよい。
回収手段13からフロック回収ポンプで回収されたフロック(回収対象)は、油脂抽出手段15に流入する。ECUは、有機溶媒層から油脂を抽出して回収し、有機溶媒以外の層から油脂を抽出された後の微細藻類(抽出残渣)と、キトサンとを含む藻類含有組成物を回収するように油脂抽出手段15を制御する(油脂抽出工程S7)。
本発明の実施形態に係る藻類含有組成物製造システムについては、前記各手段以外にも、悪影響を与えない範囲において、他の手段を備えてもよい。例えば、油脂抽出手段15で抽出された油脂を改質する改質手段を備えてもよい。
また、本発明の実施形態に係る藻類含有組成物製造システムについては、温度、pH、濃度等に対する各種測定装置を各手段に備え、当該測定装置の結果に基づき、ECUが判定し各手段に信号を送るという構成となっていてもよい。
なお、藻類含有組成物製造システムにおいて、明示していない条件および構成については、従来公知の条件および構成を用いればよく、前記各手段の処理によって得られる効果を奏する限りにおいて、その条件および構成を適宜変更できることは言うまでもない。
次に、本発明の実施形態に係る藻類含有組成物および藻類含有組成物製造システムの効果について説明する。
≪藻類含有組成物の効果≫
微細藻類のようなバイオマスについては、利用分野として5F、すなわち、Food(食べ物)、Fiber(繊維)、Feed(飼料)、Fertilizer(肥料)、そしてFuel(燃料)が存在し、この順番で価格が下がっていく。このことを考慮すると、微細藻類を用いたバイオ燃料生産の経済性を高めるとともに、微細藻類を有効利用するためには、燃料を抽出した後に発生する抽出残渣を上記分野に対して多段階利用する必要がある。
本発明の実施形態に係る藻類含有組成物は、微細藻類として、バイオ燃料に変換可能な油脂を抽出された後の抽出残渣を用いていることから、まず、微細藻類の油脂をバイオ燃料に使用することができるとともに、従来、使用されていなかった抽出残渣を価値の高い食品・飼料・肥料の添加剤として使用できる。つまり、本発明の実施形態に係る藻類含有組成物によると、微細藻類の多段階的な利用が可能となるとともに、バイオ燃料の副産物である微細藻類の残渣に高付加価値を付与することができることから、微細藻類の経済性・有効利用性を大きく向上させることができる。
また、本発明の実施形態に係る藻類含有組成物は、キトサンが微細藻類を凝集する凝集効果を発揮することから、微細藻類の回収装置または回収設備の縮小化、回収時間の短縮化(製造時間の短縮化)が可能となり、微細藻類の回収に要するコストを大きく低減することができる。その結果、本発明の実施形態に係る藻類含有組成物は、藻類含有組成物自体のコストを低減させることができると同時に、微細藻類の油脂からなるバイオ燃料自体のコストも低減させることができる。
さらに、本発明の実施形態に係る藻類含有組成物は、簡易に入手可能であるとともに、大量に培養可能な微細藻類である、Euglena属に属する藻類を使用していることから、藻類含有組成物自体のコストを低減させることができるとともに、大量生産等の工業性にも優れるという効果を発揮する。
≪藻類含有組成物製造システムの効果≫
本発明の実施形態に係る藻類含有組成物製造システムは、油脂抽出手段により、微細藻類から油脂を抽出することができるとともに、油脂を抽出された後の微細藻類の抽出残渣と、キトサンと、を含んだ藻類含有組成物を回収することができるため、微細藻類の油脂をバイオ燃料に使用することができるとともに、従来、使用されていなかった抽出残渣を価値の高い食品・飼料・肥料の添加剤として使用できる。つまり、本発明の実施形態に係る藻類含有組成物製造システムによると、微細藻類の多段階的な利用が可能となるとともに、バイオ燃料の副産物である微細藻類の残渣に高付加価値を付与することができることから、微細藻類の経済性・有効利用性を大きく向上させることができる。
また、本発明の実施形態に係る藻類含有組成物製造システムは、攪拌手段により、培養液と溶解液とを所定の速度勾配で攪拌(急速攪拌)させた後、所定の速度勾配未満の速度勾配で攪拌(緩速攪拌)させることにより、微細藻類とキトサンとのフロックを適切に形成させることができる。したがって、微細藻類の回収装置または回収設備の縮小化、回収時間の短縮化(製造時間の短縮化)が可能となり、微細藻類の回収に要するコストを大きく低減することができる。その結果、藻類含有組成物製造システムにより製造される藻類含有組成物のコストを低減させることができると同時に、微細藻類の油脂からなるバイオ燃料自体のコストも低減させることができる。
さらに、本発明の実施形態に係る藻類含有組成物製造システムは、返送手段により、回収手段により回収されなかった溶液を培養液として培養手段に返送することにより、培養液およびフロックを形成できなかった微細藻類の循環的な利用が可能となる。その結果、藻類含有組成物製造システム全体のコストを低減させることができる。
加えて、本発明の実施形態に係る藻類含有組成物製造システムは、簡易に入手可能であるとともに、大量に培養可能な微細藻類である、Euglena属に属する藻類を使用していることから、藻類含有組成物自体のコストを低減させることができるとともに、大量生産等の工業性にも優れるという効果を発揮する。
以下、実施例を挙げて本発明に係る藻類含有組成物および藻類含有組成物製造システムをより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に含まれる。
微細藻類としては、ユーグレナEuglena gracilisを使用した。そして、培地としては、脱イオン水を用いて、表1に示す組成のAY培地を作製し、希硫酸を用いてpH3.5に調整してからオートクレーブ滅菌を行ったものを使用した。
なお、AY培地とは、ユーグレナの従属栄養培地として一般的に使用されるKoren−Hutner培地からグルコース、リンゴ酸、アミノ酸等の従属栄養成分を除いた独立栄養培地である。
Figure 2014014284
滅菌したAY培地は、縦10cm、横10cm、高さ27cmのアクリル製培養容器に水深20cmとなるように約2L入れ、これにEuglena gracilis Z株を植菌した。
培養容器はマグネチックスターラーSRSB10LA(ADVANTEC)の上に置いた恒温水槽内に設置し、6cmの攪拌子を用いて300rpmの強度で攪拌した。
光源としてメタルハライドランプ・アイクリーンエースBT型(岩崎電気製)を培養液水面の真上に設置し、培養液水面に注ぐ光が約900μmo1/(m・s)の強度となるように高さを調節した。
光照射は、屋外の昼夜条件に近づけるため、12時間点灯後に12時間消灯する明暗サイクルとした。また、炭素源として0.1vvm(200ml/min)の流量で15%濃度のCOを通気した。
AY培地による前培養を行った後、2Lの培養液からユーグレナ細胞を遠心分離(2,500rpm、5分間、室温)した。その後、脱イオン水で1回洗浄し、AY培地より窒素源を除いた窒素欠乏AY培地に交換した。
なお、窒素欠乏AY培地は表2に示す組成の培地であり、希硫酸を用いてpH3.5に調整してからオートクレーブ滅菌を行った。
Figure 2014014284
滅菌した窒素欠乏AY培地は、縦15cm、横15cm、高さ27cmのアクリル製培養容器に、水深20cmとなるように約4.5L入れ、AY培地で前培養した種藻体を植菌した。初期濃度は、約0.3g/Lとし、明暗サイクル以外の光照射、攪拌、通気等の培養条件は、前記のAY培地での培養条件と同じ方法で実施した。
なお、光照射は、暗期の開始を培養開始0時間とし、12時間後にメタルハライドランプが点灯、24時間後に消灯、36時間後に再度点灯という明暗サイクルとした。
キトサンとしては、分子量100万以上の高分子キトサンであるフローナックN(日本水産株式会社製)を用いた。このフローナックNを0.5g秤量後、0.5%酢酸溶液100mLに添加し、マグネチックスターラー(ASONE製)の上で1晩300rpmの強度で攪拌した。
窒素欠乏AY培地で72時間培養した培養液の藻体濃度が0.3g/Lとなるよう、窒素欠乏AY培地で希釈した。そして、藻体の乾燥重量を基準にキトサンの重量が0.2wt%になるようキトサン溶液を添加し、ジャーテスターを用いて急速攪拌をGT値18,000で行い、続いて、緩速攪拌をGT値77,000で行った。その後、アクリル製沈殿槽で自然沈降による沈殿を行った。
沈殿した微細藻類(フロック)を回収し、遠心分離機(コクサン製)を用いて、2,500rpm、5分間、室温の運転条件で藻体をさらに濃縮した。濃縮した藻体に窒素ガスを通気し、酸素を除去し2日間29度で保管した。本操作によりユーグレナは細胞内に蓄積した貯蔵多糖パラミロンを油脂であるワックスエステルに変換する。凍結乾燥により水分を除去し、ヘキサンを用いて油脂の抽出を行い、脱脂藻体を得た。
以上より、本発明の実施例に係る藻類含有組成物製造システムによれば、油脂を抽出した微細藻類(脱脂藻体、抽出残渣)と、キトサンとを含む藻類含有組成物を得ることができることがわかった。
特に、ユーグレナは、健康食品等にも使用されている通り、簡易に手に入る微生物であるとともに、大量に培養することが可能である。したがって、本発明の実施例に係る藻類含有組成物製造システムによれば、ユーグレナから良質なワックスエステルを大量に回収することができる。さらに、本発明の実施例に係る藻類含有組成物製造システムによれば、油脂を抽出した微細藻類を食品等にも適用することができることから、クリーンなエネルギーを安定的に供給できるとともに、ユーグレナを多段階的に有効利用できることがわかった。
1 藻類含有組成物製造システム
10 培養手段
11 溶解手段
12 攪拌手段
13 回収手段
14 返送手段
15 油脂抽出手段

Claims (4)

  1. キトサンと、微細藻類と、を含み、
    前記微細藻類が、バイオ燃料に変換可能な油脂を抽出された後の抽出残渣であって、
    食品、飼料、または肥料の添加剤として用いられることを特徴とする藻類含有組成物。
  2. 前記微細藻類が、Euglena属に属する藻類であることを特徴とする請求項1に記載の藻類含有組成物。
  3. 微細藻類を培養液により培養させる培養手段と、
    キトサンを溶解液により溶解させる溶解手段と、
    前記培養手段で培養された微細藻類を含んだ培養液と前記溶解手段で溶解されたキトサンを含んだ溶解液とを、所定の速度勾配で攪拌させた後、前記所定の速度勾配未満の速度勾配で攪拌させることにより、微細藻類とキトサンとのフロックを形成させる攪拌手段と、
    前記攪拌手段により形成されたフロックを回収する回収手段と、
    前記回収手段により回収されなかった溶液を培養液として前記培養手段に返送する返送手段と、
    前記回収手段により回収されたフロックを構成する微細藻類から油脂を抽出するとともに、油脂を抽出された後の微細藻類の抽出残渣と、キトサンと、を含んだ藻類含有組成物を回収する油脂抽出手段と、
    を備えることを特徴とする藻類含有組成物製造システム。
  4. 前記微細藻類が、Euglena属に属する藻類であることを特徴とする請求項3に記載の藻類含有組成物製造システム。
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