JP2014013689A - プレス装置、及びそれを用いた電極の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】塗工部と未塗工部との境界において、金属箔の長手方向に沿った歪みを抑制すること。
【解決手段】一方のプレス部40に第1塗工部121aをプレスする第1プレス面40aと、未塗工部12bの表面側から未塗工部12bをプレスする第2プレス面40bとを形成した。また、他方のプレス部50に第2塗工部122aをプレスする第1プレス面50aと、未塗工部12bの裏面側から未塗工部12bをプレスする第2プレス面50bとを形成した。そして、一方のプレス部40に、第1プレス面40a及び第2プレス面40bに超音波振動を付与するホーン41b,42b及び振動子41c,42cを設けた。
【選択図】図5
【解決手段】一方のプレス部40に第1塗工部121aをプレスする第1プレス面40aと、未塗工部12bの表面側から未塗工部12bをプレスする第2プレス面40bとを形成した。また、他方のプレス部50に第2塗工部122aをプレスする第1プレス面50aと、未塗工部12bの裏面側から未塗工部12bをプレスする第2プレス面50bとを形成した。そして、一方のプレス部40に、第1プレス面40a及び第2プレス面40bに超音波振動を付与するホーン41b,42b及び振動子41c,42cを設けた。
【選択図】図5
Description
本発明は、金属箔に活物質が塗布されることで形成される塗工部をプレスする際に用いられるプレス装置、及びそれを用いた電極の製造方法に関する。
蓄電装置の一種である二次電池は、電極である正極シートと負極シートとの間にシート状のセパレータを介在させて、正極シートと負極シートとの間をセパレータにより絶縁し、これらを交互に複数枚積層してなる積層型の電極組立体が、ケース内に電解液と共に収容されることで構成されている。
正極シート及び負極シートの製造方法としては、まず、帯状の金属箔の表面に金属箔の長手方向に沿う一端部を所定幅残した状態で活物質を塗布する。続いて、金属箔の表面に塗布された活物質を乾燥させる。続いて、金属箔の裏面に金属箔の長手方向に沿う一端部を所定幅残した状態で活物質を塗布する。続いて、金属箔の裏面に塗布された活物質を乾燥させる。これにより、金属箔の表裏両面に塗工部が形成された電極用の基材が形成される。続いて、表裏両面に塗工部が形成された基材を、その両面側から一対のローラで挟み込んでプレスする。このようにすることで、塗工部の厚さが一定の厚さに整えられ、活物質の密度が高められる。そして、一対のローラによりプレスされた基材を所定の寸法に切断することで正極シート及び負極シートが形成される(例えば特許文献1参照)。
ところで、図9に示すように、表裏両面に塗工部91が形成された基材90を一対のローラ92,93で挟み込んでプレスする場合、塗工部91及び金属箔90aにおける塗工部91と重なる部位は、一対のローラ92,93により挟み込まれて伸ばされる。一方、図10に示すように、金属箔90aにおける活物質が塗布されていない部位である未塗工部94は、塗工部91と未塗工部94との間に段差95があるため、一対のローラ92,93と未塗工部94との間に隙間96が生じており、一対のローラ92,93により挟み込まれることがない。よって、塗工部91及び金属箔90aにおける塗工部91と重なる部位のみが伸ばされてしまい、金属箔90aにおける塗工部91と未塗工部94との境界97において、金属箔90aの長手方向に沿って歪みが生じる。そして、この金属箔90aの長手方向に沿って生じる歪みが原因で、塗工部91と未塗工部94との境界97に沿って金属箔90aに割れが生じてしまう虞がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、塗工部と未塗工部との境界において、金属箔の長手方向に沿った歪みを抑制することができるプレス装置、及びそれを用いた電極の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、帯状の金属箔の表裏両面の少なくとも一方に対して活物質が塗布されることで塗工部が形成され、且つ前記金属箔の長手方向に沿う一部に活物質が塗布されていない部位である未塗工部が形成される電極用の基材を、両面側から挟んで前記塗工部をプレスする一対のプレス面を有するプレス装置であって、前記一対のプレス面のうちの前記塗工部と対向する側に位置するプレス面は、前記塗工部をプレスする第1プレス面と、前記未塗工部をプレスする第2プレス面と、を有し、前記一対のプレス面のうちの少なくとも一方に超音波振動を付与する振動付与手段を備えたことを要旨とする。
この発明によれば、振動付与手段によって一対のプレス面のうちの少なくとも一方に超音波振動が付与されるため、この超音波振動に伴って一対のプレス面のうちの少なくとも一方が金属箔側に向けて移動する際に、一対のプレス面によって、基材を両面側から挟み込むことができる。そして、第1プレス面によって塗工部及び金属箔における塗工部と重なる部位がプレスされるとともに、第2プレス面によって未塗工部がプレスされる。このとき、第1プレス面における塗工部及び金属箔における塗工部と重なる部位へのプレスと、第2プレス面における未塗工部へのプレスは、超音波振動によって行われる。このため、第1プレス面における塗工部及び金属箔における塗工部と重なる部位への面圧(プレス圧)と、第2プレス面における未塗工部への面圧(プレス圧)とを同じにし易くすることができる。その結果、塗工部及び金属箔における塗工部と重なる部位と、未塗工部とを同じように伸ばすことができ、金属箔における塗工部と未塗工部との境界において、金属箔の長手方向に沿った歪みを抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記振動付与手段は、前記一対のプレス面のうちの少なくとも一方に、前記超音波振動として単振動を付与することを要旨とする。
この発明によれば、金属箔の面に対して直交する方向に、金属箔の両面から挟むように押し付け力を付与することができ、塗工部の厚さを一定の厚さに整え易く、活物質の密度を高め易くすることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記基材を搬送可能な搬送機構をさらに備えたことを要旨とする。
この発明によれば、搬送機構によって基材を搬送しながら塗工部をプレスすることができ、塗工部のプレスを効率良く行うことができる。
この発明によれば、搬送機構によって基材を搬送しながら塗工部をプレスすることができ、塗工部のプレスを効率良く行うことができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記金属箔の表裏両面に前記塗工部を有する電極用の基材を前記一対のプレス面によってプレスすることを要旨とする。
この発明によれば、金属箔の表裏両面に塗工部が形成されていても、各塗工部を一対のプレス面によってプレスすることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記金属箔及び前記塗工部が前記一対のプレス面によってプレスされていくに従って変化する前記金属箔及び前記塗工部の厚みに追従して前記一対のプレス面のうちの少なくとも一方の位置を調整する位置調整手段をさらに備えたことを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記金属箔及び前記塗工部が前記一対のプレス面によってプレスされていくに従って変化する前記金属箔及び前記塗工部の厚みに追従して前記一対のプレス面のうちの少なくとも一方の位置を調整する位置調整手段をさらに備えたことを要旨とする。
この発明によれば、金属箔の表裏両面に活物質が塗布されており、金属箔の表裏両面側に塗工部と未塗工部との段差がそれぞれ存在していても、塗工部及び金属箔のプレス時に、未塗工部が段差を基点に折り曲がってしまうことなく塗工部及び金属箔をプレスしていくことができる。
請求項6に記載の発明は、帯状の金属箔の表裏両面の少なくとも一方に活物質が塗布されることで形成される塗工部をプレスするプレス工程を有する電極の製造方法において、前記プレス工程は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のプレス装置を用いて行われることを要旨とする。
この発明によれば、プレス工程の際に、塗工部と未塗工部との境界において、金属箔の長手方向に沿った歪みを抑制することができ、電極を効率良く製造することができる。
この発明によれば、塗工部と未塗工部との境界において、金属箔の長手方向に沿った歪みを抑制することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図7にしたがって説明する。
まず、蓄電装置としての二次電池10について説明する。
図1に示すように、二次電池10は、電極組立体11と、電極組立体11を収容するアルミニウム製のケース20とを備える。ケース20は、電極組立体11を挿入可能な開口部を有する有底矩形箱状のケース本体21と、ケース本体21の開口部を閉鎖する平板状の蓋28とを備える。蓋28は、外部に向けて突出する正極端子25及び負極端子26を備える。
まず、蓄電装置としての二次電池10について説明する。
図1に示すように、二次電池10は、電極組立体11と、電極組立体11を収容するアルミニウム製のケース20とを備える。ケース20は、電極組立体11を挿入可能な開口部を有する有底矩形箱状のケース本体21と、ケース本体21の開口部を閉鎖する平板状の蓋28とを備える。蓋28は、外部に向けて突出する正極端子25及び負極端子26を備える。
図2に示すように、電極組立体11は、電極としての正極シート12と負極シート13との間にシート状のセパレータ14を介在させて正極シート12と負極シート13とを絶縁し、これらが一定方向に複数枚積層された積層型の電極組立体である。
正極シート12は、金属箔121の表面に第1活物質層121Aと、金属箔121の裏面に第2活物質層122Aと、活物質が塗布されず金属箔121が露出した金属箔露出部12Bとを有している。金属箔露出部12Bの端縁12eからは金属箔露出部12Bの一部であるタブ12cが突出している。
負極シート13は、金属箔131の表面に第1活物質層131Aと、金属箔131の裏面に第2活物質層132Aと、活物質が塗布されず金属箔121が露出した金属箔露出部13Bとを有している。金属箔露出部13Bの端縁13eからは金属箔露出部13Bの一部であるタブ13cが突出している。
各正極シート12は、各タブ12cが重なるようにして一定方向に積層されるとともに、各負極シート13は、各タブ13cが重なるようにして一定方向に積層される。正極シート12の金属箔121はアルミニウム箔であり、負極シート13の金属箔131は銅箔である。
次に、正極シート12の製造方法について説明する。なお、負極シート13に関する説明は、以下で説明される正極シート12に関する説明と基本的に同じであるため、その説明を省略する。
図3に示すように、まず、電極用の金属箔である帯状の金属箔121の表面に金属箔121の長手方向に沿う一端部を所定幅残した状態で活物質を塗布する第1塗布工程S1を行う。続いて、金属箔121の表面に塗布された活物質を乾燥させる第1乾燥工程S2を行う。これにより、金属箔121の表面に対して活物質が塗布されることで形成される塗工部としての第1塗工部121aが形成される。
続いて、金属箔121の裏面に金属箔121の長手方向に沿う一端部を所定幅残した状態で活物質を塗布する第2塗布工程S3を行う。続いて、金属箔121の裏面に塗布された活物質を乾燥させる第2乾燥工程S4を行う。これにより、金属箔121の裏面に対して活物質が塗布されることで形成される塗工部としての第2塗工部122aが形成される。そして、金属箔121の表裏両面に第1塗工部121a及び第2塗工部122aが形成され、且つ金属箔121の長手方向に沿う一端部(一部)に活物質が塗布されていない部位である未塗工部12bが形成される正極シート12用の基材15が形成される。
・ 続いて、第1塗工部121a及び第2塗工部122aをプレスするプレス工程S5を行う。このプレス工程S5によって、第1塗工部121a及び第2塗工部122aの厚さが一定の厚さに整えられ、活物質の密度が高められた第1活物質層121A及び第2活物質層122Aが形成される。続いて、基材15を、正極シート12の形状に打ち抜く打ち抜き工程S6を行う。この打ち抜き工程S6によって、活物質が塗布されず金属箔121が露出した金属箔露出部12Bの端縁12eから金属箔露出部12Bの一部であるタブ12cが突出した正極シート12が形成される。
・ 続いて、第1塗工部121a及び第2塗工部122aをプレスするプレス工程S5を行う。このプレス工程S5によって、第1塗工部121a及び第2塗工部122aの厚さが一定の厚さに整えられ、活物質の密度が高められた第1活物質層121A及び第2活物質層122Aが形成される。続いて、基材15を、正極シート12の形状に打ち抜く打ち抜き工程S6を行う。この打ち抜き工程S6によって、活物質が塗布されず金属箔121が露出した金属箔露出部12Bの端縁12eから金属箔露出部12Bの一部であるタブ12cが突出した正極シート12が形成される。
次に、プレス工程S5の際に用いられるプレス装置30について説明する。
図4に示すように、プレス装置30は、供給ローラ31及び巻取ローラ32を備えている。そして、供給ローラ31及び巻取ローラ32が回転することにより、基材15が搬送されるようになっている。よって、本実施形態では、供給ローラ31及び巻取ローラ32は、基材15を搬送可能な搬送機構を構成している。また、プレス装置30は、供給ローラ31と巻取ローラ32との間で、第1塗工部121a及び第2塗工部122aをプレスするプレス機構33を備えている。
図4に示すように、プレス装置30は、供給ローラ31及び巻取ローラ32を備えている。そして、供給ローラ31及び巻取ローラ32が回転することにより、基材15が搬送されるようになっている。よって、本実施形態では、供給ローラ31及び巻取ローラ32は、基材15を搬送可能な搬送機構を構成している。また、プレス装置30は、供給ローラ31と巻取ローラ32との間で、第1塗工部121a及び第2塗工部122aをプレスするプレス機構33を備えている。
図5に示すように、プレス機構33は、基材15を、両面側から挟んでプレスする一対のプレス部40,50を有している。一方のプレス部40は、第1塗工部121aと対向する側(図5における上側)に配置されるとともに、他方のプレス部50は、第2塗工部122aと対向する側(図5における下側)に配置されている。一方のプレス部40は、第1塗工部121aをプレスする第1振動ユニット41と、未塗工部12bの表面側から未塗工部12bをプレスする第2振動ユニット42とから構成されている。
図6に示すように、第1振動ユニット41は、矩形板状の振動体41aを有するとともに、振動体41aにおける第1塗工部121aと対向する面は平坦面状であり、第1塗工部121aをプレスする第1プレス面40aを形成している。振動体41aにおける第1プレス面40aとは反対側の面の中央部にはホーン41bが締結されている。ホーン41bは偏平な直方体形状に形成されている。ホーン41bにおける振動体41aとは反対側には振動子41cが固定されている。振動子41cは、一対のリング状のピエゾ素子411c,412cと、各ピエゾ素子411c,412cの間に配置されたリング状の電極板413cと、各ピエゾ素子411c,412c及び電極板413cを挟み込むように配置された金属ブロック414c,415cと、を図示しないボルトによって締め付け固定することにより構成されている。両金属ブロック414c,415cはボルトを介して互いに導通された状態になっている。
なお、第2振動ユニット42の構成は、第1振動ユニット41の構成と基本的に同じである。第2振動ユニット42の説明は、上述した第1振動ユニット41の説明において、「振動体41a」を「振動体42a」に、「ホーン41b」を「ホーン42b」に、「振動子41c」を「振動子42c」にそれぞれ読み替えることで説明される。また、振動体42aにおける未塗工部12bの表面側と対向する面は平坦面状であり、未塗工部12bの表面側から未塗工部12bをプレスする第2プレス面40bを形成している。
図7に示すように、第1プレス面40aにおける金属箔121の幅方向に沿った長さH1は、第1塗工部121aにおける金属箔121の幅方向に沿った長さH2と同じ長さになっている。第2プレス面40bにおける金属箔121の幅方向に沿った長さH3は、未塗工部12bにおける金属箔121の幅方向に沿った長さH4と同じ長さになっている。
図5に示すように、第1振動ユニット41及び第2振動ユニット42は、制御部Sに電気的に接続されている。そして、制御部Sにより振動子41c,42cが所定の共振周波数で励振されるように制御されて、ホーン41b,42bを介して振動体41a,42aが励振されて超音波振動として単振動(上下振動)を行うようになっている。すなわち、第1プレス面40a及び第2プレス面40bに単振動が付与されている。よって、ホーン41b,42b及び振動子41c,42cは、第1プレス面40a及び第2プレス面40bに超音波振動を付与する振動付与手段を構成している。また、第1プレス面40a及び第2プレス面40bは一方のプレス部40のプレス面を構成している。なお、第1プレス面40aの位置は、第1塗工部121aの厚み分だけ第2プレス面40bの位置よりも金属箔121から離れた位置となるように、制御部Sにより位置調整されている。よって、第1プレス面40aと第2プレス面40bとの間には、第1塗工部121aの厚みに対応する段差40cが形成されている。
他方のプレス部50は矩形板状であるとともに、第2塗工部122aと対向配置されて第2塗工部122aをプレスする第1プレス面50aと、未塗工部12bの裏面側と対向配置されて未塗工部12bの裏面側から未塗工部12bをプレスする第2プレス面50bと、を有する。第1プレス面50aは平坦面状に形成されるとともに、第2プレス面50bは平坦面状に形成されている。
第1プレス面50aにおける金属箔121の幅方向に沿った長さH5は、第2塗工部122aにおける金属箔121の幅方向に沿った長さH6と同じ長さになっている。第2プレス面50bにおける金属箔121の幅方向に沿った長さH7は、未塗工部12bにおける金属箔121の幅方向に沿った長さH4と同じ長さになっている。第1プレス面50aと第2プレス面50bとの間には、第2塗工部122aの厚みに対応する段差50cが形成されている。
他方のプレス部50における第1プレス面50a及び第2プレス面50bとは反対側の面50dは平坦面状に形成されている。他方のプレス部50の面50dには、複数のばね部材51が配設されている。各ばね部材51は、他方のプレス部50を一方のプレス部40側に向けて付勢している。
次に、本実施形態の作用について説明する。
供給ローラ31及び巻取ローラ32が回転して、基材15が搬送されている状態において、制御部Sにより振動子41c,42cが所定の共振周波数で励振されるように制御される。すると、ホーン41b,42bを介して振動体41a,42aが励振されて単振動を行う。この単振動に伴って振動ユニット41,42が金属箔121に向けて移動する際に、振動ユニット41,42(一方のプレス部40)及び他方のプレス部50によって、基材15が両面側から挟み込まれる。
供給ローラ31及び巻取ローラ32が回転して、基材15が搬送されている状態において、制御部Sにより振動子41c,42cが所定の共振周波数で励振されるように制御される。すると、ホーン41b,42bを介して振動体41a,42aが励振されて単振動を行う。この単振動に伴って振動ユニット41,42が金属箔121に向けて移動する際に、振動ユニット41,42(一方のプレス部40)及び他方のプレス部50によって、基材15が両面側から挟み込まれる。
そして、第1プレス面40aから第1塗工部121aに対して直交する方向に、金属箔121の両面から挟むように押し付け力が付与されて、第1塗工部121a、第2塗工部122a及び金属箔121における各塗工部121a,122aと重なる部位が、第1プレス面40a,50aの間でプレスされる。また、第2プレス面40bから未塗工部12bに対して直交する方向に、金属箔121の両面から挟むように押し付け力が付与されて、未塗工部12bが第2プレス面40b,50bの間でプレスされる。
よって、第1プレス面40a,50aにおける第1塗工部121a、第2塗工部122a及び金属箔121における各塗工部121a,122aと重なる部位へのプレスと、第2プレス面40b,50bにおける未塗工部12bへのプレスは、超音波振動によって行われている。ここで、第1プレス面40a,50aにおける第1塗工部121a、第2塗工部122a及び金属箔121における各塗工部121a,122aと重なる部位への面圧(プレス圧)と、第2プレス面40b,50bにおける未塗工部12bへの面圧(プレス圧)とを同じにすることが可能となっている。よって、第1塗工部121a、第2塗工部122a及び金属箔121における各塗工部121a,122aと重なる部位と、未塗工部12bとが同じように伸ばされる。その結果、金属箔121における第1塗工部121a及び第2塗工部122aと未塗工部12bとの境界Kにおいて、金属箔121の長手方向に沿った歪みが抑制される。
また、単振動に伴って振動ユニット41,42が基材15から離間する際に、基材15が供給ローラ31側から巻取ローラ32側に向けて搬送されるようになっている。このように、振動ユニット41,42の単振動によって、振動ユニット41,42における基材15に対する接離が繰り返されることで、第1塗工部121a、第2塗工部122a及び未塗工部12bのプレスと、基材15における供給ローラ31側から巻取ローラ32側に向けての搬送とが行われる。
また、第1塗工部121a、第2塗工部122a及び金属箔121がプレスされるにつれて、第1塗工部121a、第2塗工部122a及び金属箔121の厚みが薄くなっていく。このとき、他方のプレス部50が、各ばね部材51の付勢力によって、第1塗工部121a、第2塗工部122a及び金属箔121の厚みが薄くなった分だけ一方のプレス部40側に向けて移動する。これにより、金属箔121の表裏両面に活物質が塗布されており、金属箔121の表裏両面側に塗工部121a,122aと未塗工部12bとの段差D1,D2がそれぞれ存在していても、未塗工部12bが段差D1,D2を基点に折り曲がってしまうことなく基材15をプレスしていくことが可能となっている。
よって、各ばね部材51は、第1塗工部121a,第2塗工部122a及び金属箔121が一対のプレス部40,50によってプレスされていくに従って変化する第1塗工部121a,第2塗工部122a及び金属箔121厚みに追従して他方のプレス部50の第1プレス面50a及び第2プレス面50bの位置を調整する位置調整手段として機能する。
このようにして、第1塗工部121a及び第2塗工部122aの厚さが一定の厚さに整えられることで、活物質の密度が高められた第1活物質層121A及び第2活物質層122Aが形成される。
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)一方のプレス部40に第1塗工部121aをプレスする第1プレス面40aと、未塗工部12bの表面側から未塗工部12bをプレスする第2プレス面40bとを形成した。また、他方のプレス部50に第2塗工部122aをプレスする第1プレス面50aと、未塗工部12bの裏面側から未塗工部12bをプレスする第2プレス面50bとを形成した。そして、一方のプレス部40に、第1プレス面40a及び第2プレス面40bに超音波振動を付与するホーン41b,42b及び振動子41c,42cを設けた。よって、第1プレス面40a,50aにおける第1塗工部121a、第2塗工部122a及び金属箔121における各塗工部121a,122aと重なる部位へのプレスと、第2プレス面40b,50bにおける未塗工部12bへのプレスとを、超音波振動によって行うことができる。このため、第1プレス面40a,50aにおける第1塗工部121a、第2塗工部122a及び金属箔121における各塗工部121a,122aと重なる部位への面圧(プレス圧)と、第2プレス面40b,50bにおける未塗工部12bへの面圧(プレス圧)とを同じにすることが可能となる。したがって、第1塗工部121a、第2塗工部122a及び金属箔121における各塗工部121a,122aと重なる部位と、未塗工部12bとを同じように伸ばすことができる。その結果、金属箔121における第1塗工部121a及び第2塗工部122aと未塗工部12bとの境界Kにおいて、金属箔121の長手方向に沿った歪みを抑制することができる。
(1)一方のプレス部40に第1塗工部121aをプレスする第1プレス面40aと、未塗工部12bの表面側から未塗工部12bをプレスする第2プレス面40bとを形成した。また、他方のプレス部50に第2塗工部122aをプレスする第1プレス面50aと、未塗工部12bの裏面側から未塗工部12bをプレスする第2プレス面50bとを形成した。そして、一方のプレス部40に、第1プレス面40a及び第2プレス面40bに超音波振動を付与するホーン41b,42b及び振動子41c,42cを設けた。よって、第1プレス面40a,50aにおける第1塗工部121a、第2塗工部122a及び金属箔121における各塗工部121a,122aと重なる部位へのプレスと、第2プレス面40b,50bにおける未塗工部12bへのプレスとを、超音波振動によって行うことができる。このため、第1プレス面40a,50aにおける第1塗工部121a、第2塗工部122a及び金属箔121における各塗工部121a,122aと重なる部位への面圧(プレス圧)と、第2プレス面40b,50bにおける未塗工部12bへの面圧(プレス圧)とを同じにすることが可能となる。したがって、第1塗工部121a、第2塗工部122a及び金属箔121における各塗工部121a,122aと重なる部位と、未塗工部12bとを同じように伸ばすことができる。その結果、金属箔121における第1塗工部121a及び第2塗工部122aと未塗工部12bとの境界Kにおいて、金属箔121の長手方向に沿った歪みを抑制することができる。
(2)第1プレス面40a及び第2プレス面40bに超音波振動である単振動を付与した。よって、第1プレス面40aから第1塗工部121aに対して直交する方向に、金属箔121の両面から挟むように押し付け力を付与することができる。その結果、第1プレス面40a,50aの間でプレスされる第1塗工部121a及び第2塗工部122aの厚さを一定の厚さに整え易くすることができ、第1塗工部121a及び第2塗工部122aの密度を高め易くすることができる。
(3)プレス装置30は、基材15を搬送可能な供給ローラ31及び巻取ローラ32を備えている。よって、供給ローラ31及び巻取ローラ32によって基材15を搬送しながら第1塗工部121a及び第2塗工部122aをプレスすることができ、第1塗工部121a及び第2塗工部122aを効率良くプレスすることができる。
(4)各プレス部40,50に第1プレス面40a,50a及び第2プレス面40b,50bをそれぞれ形成した。これによれば、金属箔121の表面に第1塗工部121aが形成されるとともに、金属箔121の裏面に第2塗工部122aが形成されていても、第1塗工部121a及び第2塗工部122aを一対のプレス部40,50によってプレスすることができる。
(5)他方のプレス部50の面50dに、第1塗工部121a,第2塗工部122a及び金属箔121が一対のプレス部40,50によってプレスされていくに従って変化する第1塗工部121a,第2塗工部122a及び金属箔121厚みに追従して他方のプレス部50の第1プレス面50a及び第2プレス面50bの位置を調整する複数のばね部材51を配設した。よって、金属箔121の表裏両面に活物質が塗布されており、金属箔121の表裏両面側に塗工部121a,122aと未塗工部12bとの段差D1,D2がそれぞれ存在していても、未塗工部12bが段差D1,D2を基点に折り曲がってしまうことなく基材15をプレスしていくことができる。
(6)本実施形態のプレス装置30を用いて第1塗工部121a及び第2塗工部122aをプレスするプレス工程を行うことにより、プレス工程の際に、金属箔121における第1塗工部121a及び第2塗工部122aと未塗工部12bとの境界Kにおいて、金属箔121の長手方向に沿った歪みを抑制することができる。その結果、正極シート12を効率良く製造することができる。
(7)第1プレス面40a,50a及び第2プレス面40b,50bは平坦面状に形成されている。よって、例えば、第1プレス面40a,50a及び第2プレス面40b,50bが弧状に湾曲するように形成されている場合に比べると、第1塗工部121a、第2塗工部122a及び未塗工部12bと接触する面積を増やすことができ、第1塗工部121a、第2塗工部122a及び未塗工部12bを安定してプレスすることができる。
(8)本実施形態によれば、金属箔121における第1塗工部121a及び第2塗工部122aと未塗工部12bとの境界Kにおいて、金属箔121の長手方向に沿った歪みを吸収するための孔を境界Kに形成したりする必要が無い。よって、金属箔121を加工することなく、金属箔121における第1塗工部121a及び第2塗工部122aと未塗工部12bとの境界Kにおいて、金属箔121の長手方向に沿った歪みを抑制することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 図8に示すように、半円柱状の振動体81aを用いるとともに、振動体81aにおける弧状に湾曲した面をプレス面81bとしてもよい。すなわち、振動体の形状は、第1塗工部121a及び未塗工部12bとの接触が点接触とならずに、幅方向全体に亘って接触可能な形状であれば特に限定されるものではない。
○ 図8に示すように、半円柱状の振動体81aを用いるとともに、振動体81aにおける弧状に湾曲した面をプレス面81bとしてもよい。すなわち、振動体の形状は、第1塗工部121a及び未塗工部12bとの接触が点接触とならずに、幅方向全体に亘って接触可能な形状であれば特に限定されるものではない。
○ 実施形態において、振動体41a,42aが楕円振動である超音波振動を行うように、振動子41c,42cを制御部Sにより制御してもよい。これによれば、振動体41a,42aの楕円振動により、基材15を搬送することが可能となる。よって、この場合、振動体41a,42a、ホーン41b,42b、振動子41c,42c及び制御部Sは、搬送機構を構成する。
○ 実施形態において、ばね部材51の数は特に限定されるものではない。
○ 実施形態において、振動体41a,42aに、ホーン41b,42b及び振動子41c,42cを複数設けてもよい。
○ 実施形態において、振動体41a,42aに、ホーン41b,42b及び振動子41c,42cを複数設けてもよい。
○ 実施形態において、例えば、他方のプレス部50を、金属箔121の面に直交する方向に移動可能な駆動部を設けて、当該駆動部を制御部Sにより制御することで、他方のプレス部50の第1プレス面50a及び第2プレス面50bの位置を調整するようにしてもよい。この場合、駆動部及び制御部Sが位置調整手段を構成する。
○ 実施形態において、例えば、金属箔121の裏面に第2塗工部122aが形成されていなくてもよい。この場合、他方のプレス部50における金属箔121と対向する面を平坦面状に形成する。また、この場合、複数のばね部材51を削除してもよい。
○ 実施形態において、第1振動ユニット41と第2振動ユニット42とが一体であってもよい。すなわち、第1プレス面40aと第2プレス面40bとが連続して形成されていてもよい。
○ 実施形態において、他方のプレス部50にもホーン41b,42b及び振動子41c,42cを設けて、第1プレス面50a及び第2プレス面50bに超音波振動が付与されるようにしてもよい。
○ 実施形態において、他方のプレス部50を二つの部材から構成し、一方の部材に第1プレス面50aを形成するとともに、他方の部材に第2プレス面50bを形成してもよい。
○ 実施形態では、正極シート12と負極シート13との間にセパレータ14を介在させて、これらを一定方向に複数積層して構成された積層型の電極組立体11であったが、これに限らない。例えば、帯状の正極シートと負極シートとの間に帯状のセパレータを介在させて、これらを捲回軸周りに渦捲き状に捲回して構成された捲回型の電極組立体であってもよい。ここで、捲回型の電極組立体とは、正極シート、負極シート及びセパレータそれぞれが連続したものを層状に捲回してなる電極組立体のことである。
○ 実施形態では、蓄電装置として二次電池10を適用したが、これに限らず、例えば、電気二重層コンデンサ等の蓄電装置であってもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記第1プレス面及び前記第2プレス面は平坦面状に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のプレス装置。
12…電極としての正極シート、12b…未塗工部、13…電極としての負極シート、15…基材、30…プレス装置、31…搬送機構を構成する供給ローラ、32…搬送機構を構成する巻取ローラ、40a,50a…プレス面を構成する第1プレス面、40b,50b…プレス面を構成する第2プレス面、41b,42b…振動付与手段を構成するホーン、41c,42c…振動付与手段を構成する振動子、51…位置調整手段としてのばね部材、81b…プレス面、121,131…金属箔、121a…塗工部としての第1塗工部、122a…塗工部としての第2塗工部。
Claims (6)
- 帯状の金属箔の表裏両面の少なくとも一方に対して活物質が塗布されることで塗工部が形成され、且つ前記金属箔の長手方向に沿う一部に活物質が塗布されていない部位である未塗工部が形成される電極用の基材を、両面側から挟んで前記塗工部をプレスする一対のプレス面を有するプレス装置であって、
前記一対のプレス面のうちの前記塗工部と対向する側に位置するプレス面は、前記塗工部をプレスする第1プレス面と、前記未塗工部をプレスする第2プレス面と、を有し、
前記一対のプレス面のうちの少なくとも一方に超音波振動を付与する振動付与手段を備えたことを特徴とするプレス装置。 - 前記振動付与手段は、前記一対のプレス面のうちの少なくとも一方に、前記超音波振動として単振動を付与することを特徴とする請求項1に記載のプレス装置。
- 前記基材を搬送可能な搬送機構をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載のプレス装置。
- 前記金属箔の表裏両面に前記塗工部を有する電極用の基材を前記一対のプレス面によってプレスすることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のプレス装置。
- 前記金属箔及び前記塗工部が前記一対のプレス面によってプレスされていくに従って変化する前記金属箔及び前記塗工部の厚みに追従して前記一対のプレス面のうちの少なくとも一方の位置を調整する位置調整手段をさらに備えたことを特徴とする請求項4に記載のプレス装置。
- 帯状の金属箔の表裏両面の少なくとも一方に活物質が塗布されることで形成される塗工部をプレスするプレス工程を有する電極の製造方法において、
前記プレス工程は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のプレス装置を用いて行われることを特徴とする電極の製造方法。
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JP2012150494A JP2014013689A (ja) | 2012-07-04 | 2012-07-04 | プレス装置、及びそれを用いた電極の製造方法 |
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CN108390020A (zh) * | 2018-03-28 | 2018-08-10 | 天能电池集团有限公司 | 一种铅蓄电池极板压制装置 |
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2012
- 2012-07-04 JP JP2012150494A patent/JP2014013689A/ja active Pending
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CN108390020A (zh) * | 2018-03-28 | 2018-08-10 | 天能电池集团有限公司 | 一种铅蓄电池极板压制装置 |
CN108390020B (zh) * | 2018-03-28 | 2023-10-13 | 天能电池集团股份有限公司 | 一种铅蓄电池极板压制装置 |
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