しかし、建設系廃棄物は、建設物を破砕したときの砕け方や変形によって、多様な形状・大きさを呈しているため、家電製品の細破砕材を対象としている特許文献1に開示の技術をそのまま建設系廃棄物に適用することは困難であり、しかも、建設系廃棄物は、屋外に積み上げられた状態で置かれていることが多いため、廃棄物同士が重なり合っており、撮影された画像に基づいて個々の廃棄物の輪郭形状を検出するのが難しく、工場内のベルトコンベア上に平らに均されて個々の廃棄物の輪郭形状を検出し易い状況で適用される特許文献1の技術では、精度のよい判別結果を得ることはできない。
また、屋外では、日照状況や、散水、降雨などの影響によって、対象物体の色彩は大きく変化し、しかも錆や中性化、付着した汚れなどによっても色彩は変化するため、特許文献2により開示された色相を利用した判別処理で適切な判別結果を得ることはできない。
なお、上述した問題は、主として建設系廃棄物を対象とした場合におけるものであるが、建設系廃棄物以外の産業廃棄物等一般的な廃棄物を対象とした場合であっても、材質の判別を一層精度よく行うことが望まれている。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであって、対象物の材質を精度よく判別することができる廃棄物の材質判別方法および廃棄物の材質判別装置を提供することを目的とする。
本発明に係る廃棄物の材質判別方法および材質判別装置は、廃棄物のカラー画像を含む画像情報のみに基づいて取得される形状情報、色情報および質感情報という3つの情報に基づいて廃棄物の材質を判別することで、従来よりも精度のよい材質判別を行うものである。
すなわち、本発明に係る廃棄物の材質判別方法は、入力された、廃棄物のカラー画像を含む画像情報のみに基づいて、前記廃棄物の形状に関する形状情報、前記廃棄物の色に関する色情報および前記廃棄物の表面のざらつき感に関する質感情報を取得し、取得された前記形状情報、前記色情報および前記質感情報に基づいて、前記廃棄物の材質を判別することを特徴とする。
ここで、上記廃棄物としては、建設系廃棄物すなわち建物やその他の構造物(橋梁等)を解体乃至破砕して排出された廃棄物(現実に廃棄するかリサイクルに活用するかの用途別に拘わらず排出された物体を意味する。)や、これら建設系廃棄物が合法的に若しくは不法に投棄された状態における廃棄物だけでなく、建設系廃棄以外の種々の産業廃棄物や、一般的な廃棄物も適用される。
また、無管理状態で放置され、または管理された状態で置かれた廃棄物だけでなく、リサイクル工場やゴミ工場等のベルトコンベヤ等に載せられて流れる廃棄物なども、上記本発明における廃棄物として適用することができる。
また、廃棄物の像を含む画像情報は、例えばその廃棄物を含んだ場面を撮影したカメラ(CCDやCMOS等の撮像素子を備えたデジタル方式のカメラであってもよいし、アナログ方式のカメラであってもよい。)から入力されてもよいし、そのようなカメラで撮影されたものを一時的に記憶した記憶媒体や各種の信号処理を施す信号処理装置から入力されてもよい。
そして、そのようなカメラ等からの画像情報の入力に際しては、カメラ等から有線により伝送されて入力されてもよいし、無線により送信されて入力されてもよい。
画像情報に基づく形状情報、色情報および質感情報は、画像情報に対して、それぞれ適応する信号処理(画像処理)を施すことにより取得すればよい。
例えば、形状情報を取得する信号処理としては、画像中のエッジを抽出する処理を適用することができ、これによって廃棄物の輪郭が抽出されるため、廃棄物の形状に関する形状情報を得ることができる。
なお、形状情報としては、形状の輪郭を表す情報だけでなく、特定の方向に長い細長形状であるとか、そのような長さの不均一がない形状であるとかの区別を表す情報であってもよい。
また、色情報とは、色彩や色相を表す情報であり、このことから、入力される画像情報は、少なくとも廃棄物の像に関してはカラー画像を表す画像情報であることを前提とする。
質感情報は、どのような材質かを感じさせる情報であり、廃棄物の表面のざらつき感を表す情報である。このざらつき感は、具体的には、物体表面の凹凸の状態により評価されるものである。
このように構成された本発明に係る廃棄物の材質判別方法によれば、入力された画像情報に基づいて取得された、形状情報、色情報および質感情報という3つの外観情報に基づいて、その画像情報が表す画像に含まれた廃棄物の材質を判別するため、従来のように、形状情報にのみ基づいた材質判別や色情報にのみ基づいた材質判別に比べて、判別精度を格段に高めることができる。
しかも、廃棄物の像を含む画像情報は、上述した形状情報にのみ基づいた材質判別や色情報にのみ基づいた材質判別など従来の材質判別処理においても入力されていた情報であるため、この画像情報を入力する工程は、本発明に係る廃棄物の材質判別方法において新たに加えられる工程ではないため、大幅なコストアップを招くこともない。
なお、本発明に係る廃棄物の材質判別方法および後述する本発明に係る廃棄物の材質判別装置において、「廃棄物の材質を判別する」の意味は、「廃棄物の材質名を、予め準備されている複数種類の材質名のうちから1つを選択する」という意味だけでなく、「廃棄物の材質名を、予め準備されている複数種類の材質に該当する確率とともに対応付ける」という意味も含む。
すなわち、そのように材質が判別された結果を、モニタに表示、紙等の媒体に印刷するなど出力する場合、判別結果として一つの材質名のみを出力するものであってもよいし、該当する確率の高い順序で、または材質名の五十音順若しくはアルファベット順などの順序で、該当する確率とともに、複数個の材質名を出力するものであってもよい。
上述した本発明に係る廃棄物の材質判別方法においては、形状情報に基づいて前記廃棄物の材質候補(材質の候補を意味する。以下、同じ。)を判別して第1の判別結果を得、前記色情報に基づいて前記廃棄物の材質候補を判別して第2の判別結果を得、前記質感情報に基づいて前記廃棄物の材質候補を判別して第3の判別結果を得、これら得られた前記第1の判別結果、前記第2の判別結果および第3の判別結果に対して所定の重み付けを行うことにより、前記廃棄物の材質を特定するのが好ましい。
ここで、重み付けを行うことにより材質を特定する、という処理は、第1の判別結果と第2の判別結果と第3の判別結果とのそれぞれの判別結果に対して、重視すべき度合いを加味して最終的にいずれか一つの材質を特定する、という処理であり、具体的には、各判別結果(第1の判別結果、第2の判別結果、第3の判別結果)をベイズ推定(Bayes理論に基づく推定)やデンプスター・シェイファー(Dempster&Shafer)理論に基づく統合などによって、一つの判別結果を導く処理である。
本発明の、このような好ましい構成に係る廃棄物の材質判別方法によれば、形状情報、色情報および質感情報という3つの外観情報に基づいて一つの材質を特定するに際して、これら3つの外観情報から直接一つの材質を特定するのではなく、形状情報に基づいて第1の判別結果(第1の材質特定結果)を得、色情報に基づいて第2の判別結果(第2の材質特定結果)を得、質感情報に基づいて第3の判別結果(第3の材質特定結果)を得る、という第一段階と、この第一段階で得られた3つの判別結果に対して、解体乃至破砕した建設物等種類などに応じて固定的に予め設定された、または天候や日照などの環境条件ごとに設定された重み付けを行う、という第二段階の判別を行うことで、状況ごとに適切な判別結果を重視した判別結果を得ることができ、材質判別の正答率を一層高めることができる。
上述した本発明に係る廃棄物の材質判別方法においては、色情報は、前記画像情報のうち前記廃棄物の像の色彩を表す色彩情報に基づいて取得し、前記質感情報は、前記画像情報のうち前記廃棄物の像の明度差のばらつきを表す明度差ばらつき情報に基づいて取得するのが好ましい。
ここで、像の色彩を表す色彩情報としては、例えば、CIE表色系L*a*b*(エルスター、エースター、ビースター;JIS Z 8729によって規定)におけるa*値、b*値によって表現された情報であってもよいいし、その他公知の、色を数値の組み合わせによって表現する種々の方法(色空間)で表現された情報を適用することができる。
また、明度差のばらつきを表す明度差ばらつき情報としては、例えば、CIE表色系L*a*b*におけるL*値のばらつきによって表現された情報であってもよいいし、その他公知の、明度差のばらつきを数値によって表現する種々の方法で表現された情報を適用することができる。
なお、明度差のばらつきとは、領域内における明度の分布状態を表現するものであり、略同一の明度が均一に分布している場合は、廃棄物の表面はざらつき感の少ない平滑な状態であるということができ、略同一の明度が均一に分布していない場合は、廃棄物の表面が凹凸によって陰影が多く生じているため、ざらつき感が多い状態であるということができる。
本発明の、このような好ましい構成に係る廃棄物の材質判別方法によれば、色情報は、画像情報のうち廃棄物の像の色彩を表す色彩情報に基づいて取得することができ、質感情報は、画像情報のうち廃棄物の像の明度差のばらつきを表す明度差ばらつき情報に基づいて取得することができるため、それぞれ簡単な信号処理によって色情報および質感情報を得ることができる。
上述した本発明に係る廃棄物の材質判別方法においては、色彩情報は、前記画像情報をCIE表色系L*a*b*で表したときのa*値およびb*値により規定され、明度は、前記画像情報をCIE表色系L*a*b*で表したときのL*値により規定され、明度差ばらつき情報は、前記L*値で規定された座標系に対してラプラシアンフィルタ処理を施し、前記ラプラシアンフィルタ処理後の座標系における標準偏差を算出することにより規定されるのが好ましい。
本発明の、このような好ましい構成に係る廃棄物の材質判別方法によれば、色彩情報を、画像情報をCIE表色系L*a*b*で表したときのa*値およびb*値により規定し、明度を、CIE表色系L*a*b*で表したときのL*値により規定し、明度差ばらつき情報を、L*値で規定された座標系に対してラプラシアンフィルタ処理を施し、ラプラシアンフィルタ処理後の座標系における標準偏差を算出することにより規定することで、色彩情報および明度差ばらつき情報という2つの情報を、共通のCIE表色系L*a*に基づいて得ることができるため、演算処理を省力化することができる。
上述した本発明に係る廃棄物の材質判別方法においては、前記形状情報は、前記画像情報に対してエッジ抽出処理を施して輪郭形状を検出することにより得るのが好ましい。
本発明の、このような好ましい構成に係る廃棄物の材質判別方法によれば、画像情報に対してエッジ抽出処理という簡単な信号処理によって輪郭形状という形状情報を得ることができる。
そして、この得られた形状情報を、各材質ごとに予め対応付けられた基準となる形状(基準形状)と比較して、近い基準形状のものを選択することで、その基準形状に近い廃棄物の材質を特定(第1の判別結果)することができる。
上述した本発明に係る廃棄物の材質判別方法においては、前記入力された画像情報が表す画像のうち、前記材質を判別しようとする対象の前記廃棄物の像を含む領域を予め特定し、特定された領域に対応する画像情報を特定領域画像情報として抽出し、前記抽出された前記特定領域画像情報に基づいて、前記形状情報、前記色情報および前記質感情報を取得して、前記廃棄物の材質を判別するのが好ましい。
本発明の、このような好ましい構成に係る廃棄物の材質判別方法によれば、画像情報が表す可視画像のうち、材質判別の対象となる廃棄物を予め特定して抽出しておくことにより、画像全体のうちから対象の廃棄物を抽出する処理の段階で誤った抽出を行うことが防止され、誤抽出された情報に基づく誤った材質判別結果が導出されるのを防止して、材質判別の精度を一層向上させることができる。
なお、画像情報が表す画像のうち、材質を判別しようとする対象の廃棄物の像を予め特定する方法としては、例えば、その画像(可視画像)が表示される画面にタッチパネルなどの領域特定入力操作部を設け、この入力操作部により、画面上における対象の廃棄物の表示領域を特定する操作を入力する方法を適用してもよいし、または、マウス等の入力操作部を用いて、マウスの動きに連動した画面上でのカーソル等で特定するようにしてもよい。
また、タッチパネルとタッチペンとからなる入力操作部を用いて、廃棄物の表示領域を特定するようにしてもよい。
上述した本発明に係る廃棄物の材質判別方法においては、前記廃棄物が建設系廃棄物であることが好ましい。
本発明の、このような好ましい構成に係る廃棄物の材質判別方法によれば、材質判別の対象となる廃棄物が建設系廃棄物に限定されるため、判別すべき材質の種類を絞ることができ、材質の判別精度を一層高めることができる。
建設系廃棄物は、例えば、アルミ、コンクリート、プラスチック、鉄、木材などが主要な材質であるため、材質判別の処理においては、これらの材質のいずれかであると判別すればよく、これら以外の材質の物体をも多種多様に含む一般的な廃棄物を対象とする構成よりも、材質の判別精度を高めることができる。
しかも、建設系廃棄物は、物体の材質が表面のざらつき感として特徴付けられるものが多いため、このざらつき感に関する質感情報を材質判別の要素とした本発明に係る廃棄物の材質判別方法による材質判別の精度を一層効果的に得ることができる。
また、建設系廃棄物は、屋外に積み上げられた状態で置かれていることが多いため、廃棄物同士が重なり合っており、撮影された画像に基づいて個々の廃棄物の形状を精度よく検出するのが難しく、さらに、屋外では、日照状況や、散水、降雨などの影響によって、対象物体の色彩も大きく変化し、錆や中性化、付着した汚れなどによっても色彩は変化するため色情報だけで精度のよい材質判別を行うのも難しいが、本発明の材質判別方法は、形状情報や色情報の他に質感情報も加味した3種類の外観情報で材質を判別するため、材質判別の対象として建設系廃棄物を適用した場合に、より効果的に精度のよい判別結果を得ることができる。
なお、建設系廃棄物は、一般には、建設物を解体乃至破砕して得られた廃棄物を意味するが、これらが合法的にまたは不法に投棄等された廃棄物であっても、建設系廃棄物に該当する。
本発明に係る廃棄物の材質判別装置は、入力された、廃棄物のカラー画像を含む画像情報のみに基づいて、前記廃棄物の形状に関する形状情報を取得する形状情報取得部と、前記画像情報に基づいて、前記廃棄物の色に関する色情報を取得する色情報取得部と、前記画像情報に基づいて、前記廃棄物の表面のざらつき感に関する質感情報を取得する質感情報取得部と、前記形状情報取得部により取得された形状情報と、前記色情報取得部により取得された色情報と、前記質感情報取得部により取得された質感情報とに基づいて、前記廃棄物の材質を判別する材質判別部と、を備えたことを特徴とする。
このように構成された本発明に係る廃棄物の材質判別装置によれば、形状情報取得部に入力された画像情報に基づいて取得された形状情報、色情報取得部に入力された画像情報に基づいて取得された色情報および質感情報取得部に入力された画像情報に基づいて取得された質感情報という3つの外観情報に基づいて、材質判別部が、その画像情報が表す画像に含まれた廃棄物の材質を判別するため、従来のように、形状情報にのみ基づいた材質判別や色情報にのみ基づいた材質判別に比べて、判別精度を格段に高めることができる。
上述した本発明に係る廃棄物の材質判別装置においては、前記材質判別部は、前記形状情報取得部により取得された形状情報に基づいて前記廃棄物の材質候補(材質の候補を意味する。以下、同じ。)を判別して第1の判別結果を得る第1判別部と、前記色情報取得部により取得された色情報に基づいて前記廃棄物の材質候補を判別して第2の判別結果を得る第2判別部と、前記質感情報取得部により取得された質感情報に基づいて前記廃棄物の材質候補を判別して第3の判別結果を得る第3判別部と、前記第1判別部により得られた前記第1の判別結果、前記第2判別部により得られた第2の判別結果および前記第3判別部により得られた第3の判別結果に対して、所定の重み付けを行うことにより、前記廃棄物の材質を特定する材質特定部と、を備えたものであることが好ましい。
本発明の、このような好ましい構成に係る廃棄物の材質判別装置によれば、材質判別部が、形状情報、色情報および質感情報という3つの外観情報に基づいて一つの材質を特定するに際して、これら3つの外観情報から直接一つの材質を特定するのではなく、材質判別部の第1判別部が形状情報に基づいて第1の判別結果(第1の材質候補)を得、材質判別部の第2判別部が色情報に基づいて第2の判別結果(第2の材質候補)を得、材質判別部の第3判別部が質感情報に基づいて第3の判別結果(第3の材質候補)を得、このようにして得られた3つの判別結果(第1の判別結果、第2の判別結果、第3の判別結果)に対して、材質特定部が所定の重み付けを行うことにより、廃棄物の材質を特定するため、状況ごとに適切な判別結果を重視した判別結果を得ることができ、材質判別の正答率を一層高めることができる。
上述した本発明に係る廃棄物の材質判別装置においては、前記色情報取得部は、前記色情報を、前記画像情報のうち前記廃棄物の像の色彩を表す色彩情報に基づいて取得するものであり、前記質感情報取得部は、前記質感情報を、前記画像情報のうち前記廃棄物の像の明度を表す明度情報に基づいて、前記明度差のばらつきを表す明度差ばらつき情報を取得し、前記質感情報を、前記明度差ばらつき情報に基づいて取得するものであることが好ましい。
本発明の、このような好ましい構成に係る廃棄物の材質判別装置によれば、色情報は、色情報取得部によって、画像情報のうち廃棄物の像の色彩を表す色彩情報に基づいて取得することができ、質感情報は、質感情報取得部によって、画像情報のうち廃棄物の像の明度差のばらつきを表す明度差ばらつき情報に基づいて取得することができるため、色情報取得部および質感情報取得部はそれぞれ簡単な信号処理によって色情報および質感情報を得ることができる。
上述した本発明に係る廃棄物の材質判別装置においては、前記色情報取得部は、前記色彩情報を、前記画像情報をCIE表色系L*a*b*で表したときのa*値およびb*値により規定するものであり、前記質感情報取得部は、前記画像情報をCIE表色系L*a*b*で表したときのL*値により前記明度を規定し、前記明度差ばらつき情報を、前記L*値で規定された座標系に対してラプラシアンフィルタ処理を施して、前記ラプラシアンフィルタ処理後の座標系における標準偏差を算出することにより規定するものであることが好ましい。
本発明の、このような好ましい構成に係る廃棄物の材質判別装置によれば、色情報取得部は、色彩情報を、画像情報をCIE表色系L*a*b*で表したときのa*値およびb*値により規定し、質感情報取得部は、明度を、CIE表色系L*a*b*で表したときのL*値により規定し、明度差ばらつき情報を、L*値で規定された座標系に対してラプラシアンフィルタ処理を施し、ラプラシアンフィルタ処理後の座標系における標準偏差を算出することにより規定するため、色彩情報および明度差ばらつき情報という2つの情報を、共通のCIE表色系L*a*b*に基づいて得ることができ、演算処理を省力化することができる。
上述した本発明に係る廃棄物の材質判別装置においては、前記形状情報取得部は、前記形状情報を、前記画像情報に対してエッジ抽出処理を施すことによって得るものであることが好ましい。
本発明の、このような好ましい構成に係る廃棄物の材質判別装置によれば、形状情報取得部が、画像情報に対してエッジ抽出処理という簡単な信号処理によって輪郭形状という形状情報を得ることができる。
そして、材質判別部が、この得られた形状情報を、各材質ごとに予め対応付けられた基準となる形状(基準形状)と比較して、近い基準形状のものを選択することで、その基準形状に近い廃棄物の材質を特定(第1の判別結果)することができる。
上述した本発明に係る廃棄物の材質判別装置においては、前記入力された画像情報が表す画像を表示する画像表示部と、前記画像表示部に表示された前記画像のうち、任意の領域を特定する操作が入力される領域特定入力操作部と、前記入力された画像情報のうち、前記領域特定入力操作部により特定された領域に対応する画像情報を特定領域画像情報として抽出する特定領域抽出部と、をさらに備え、前記特定領域抽出部により抽出された前記特定領域画像情報に基づいて、前記形状情報取得部は、前記特定領域画像情報に含まれる廃棄物の形状情報を取得し、前記色情報取得部は、前記特定領域画像情報に含まれる廃棄物の色情報を取得し、前記質感情報取得部は、前記特定領域画像情報に含まれる廃棄物の質感情報を取得し、前記材質判別部は、前記特定領域画像情報に含まれる廃棄物の材質を判別することが好ましい。
本発明の、このような好ましい構成に係る廃棄物の材質判別装置によれば、画像情報が表す可視画像のうち材質判別の対象となる廃棄物を、領域特定入力操作部によって予め特定し、特定領域抽出部が、画像情報全体のうちから、この特定された領域に対応する画像情報(特定領域画像情報)を抽出しておくことにより、対象の廃棄物を抽出する処理の段階で誤抽出することを防止することができ、誤抽出された情報に基づく誤った材質判別結果が導出されるのを防止して、材質判別の精度を一層向上させることができる。
なお、画像情報が表す画像のうち、領域特定入力操作部としては、例えば、その画像(可視画像)が表示される画像表示部の画面に重ねて設けられたタッチパネルなどを適用することができる。そして、このタッチパネルに対して、使用者が、画面上における対象の廃棄物の表示領域を特定する操作を入力するものであってもよいし、または、マウス等の領域特定入力操作手段を用いて、マウスの動きに連動した画面上でのカーソル等で特定するものであってもよい。
また、タッチパネルとタッチペンとからなる領域特定入力操作部を適用することもでき、この領域特定入力操作部によって、廃棄物の表示領域を特定するようにしてもよい。
上述した本発明に係る廃棄物の材質判別装置においては、前記廃棄物を含む画像を撮像して前記廃棄物の像を含む画像情報を、前記形状情報取得部、前記色情報取得部および前記質感情報取得部に入力するカメラをさらに備えたものであることが好ましい。
本発明の、このような好ましい構成に係る廃棄物の材質判別装置によれば、カメラが、廃棄物を含む画像を撮像して、この廃棄物の像を含む画像情報を、形状情報取得部、色情報取得部および質感情報取得部に入力することができる。
なお、カメラとしては、CCDやCMOS等の撮像素子を備えたデジタル方式のカメラであってもよいし、アナログ方式のカメラであってもよい。
上述した本発明に係る廃棄物の材質判別装置においては、前記廃棄物が建設系廃棄物であることが好ましい。
本発明の、このような好ましい構成に係る廃棄物の材質判別装置によれば、材質判別の対象となる廃棄物が建設系廃棄物に限定されるため、判別すべき材質の種類を絞ることができ、材質の判別精度を一層高めることができる。
また、建設系廃棄物は、屋外に積み上げられた状態で置かれていることが多いため、廃棄物同士が重なり合っており、撮影された画像に基づいて個々の廃棄物の形状を精度よく検出するのが難しく、さらに、屋外では、日照状況や、散水、降雨などの影響によって、対象物体の色彩も大きく変化し、錆や中性化、付着した汚れなどによっても色彩は変化するため色情報だけで精度のよい材質判別を行うのも難しいが、本発明の材質判別装置は、形状情報や色情報の他に質感情報も加味した3種類の外観情報で材質を判別するため、材質判別の対象として建設系廃棄物を適用した場合に、より効果的に精度のよい判別結果を得ることができる。
なお、建設系廃棄物は、一般には、建設物を解体乃至破砕して得られた廃棄物を意味するが、これらが合法的にまたは不法に投棄等された廃棄物であっても、建設系廃棄物に該当する。
本発明に係る廃棄物の材質判別方法および廃棄物の材質判別装置によれば、従来のように、形状情報にのみ基づいた材質判別や色情報にのみ基づいた材質判別に比べて、判別精度を格段に高めることができ、対象物(廃棄物)の材質を精度よく判別することができる。
以下、本発明に係る廃棄物の材質判別方法および材質判別装置の最良の実施の形態について図面を参照して説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の一実施形態に係る廃棄物の材質判別装置100の基本的な構成を示すブロック図、図2は、図1に示した材質判別装置100によって材質判別の対象となる廃棄物の一例である建設系廃棄物200(以下、単に廃棄物200と略す。)を示す模式図であり、(a)はコンクリート片、(b)はアルミ棒材片、(c)はプラスチック管材片、(d)は鉄筋材片、(d)は木材片をそれぞれ示す。また、図3は、図1に示した材質判別装置100の作用を説明するフローチャートである。
図示の材質判別装置100は、材質判別装置100の構成ではない外部のカメラ110によって、これらいずれか一つの廃棄物200を含む画像Pが撮影され、カメラ110によって撮影された画像Pはこの画像Pを表す信号(データ)としての画像情報Sに変換されてカメラ110から出力され、出力された画像情報Sは材質判別装置100に入力される。
そして、材質判別装置100は、入力された画像情報Sに基づいて、形状情報、色情報および質感情報という3つの外観情報を求め、得られたこれら3つの外観情報に基づいて、画像情報Sが表す画像Pに含まれた廃棄物200の材質を判別するものである。
ここで、カメラ110は、本実施形態における説明においては材質判別装置100の構成要素ではないものとして扱っているが、本実施形態の材質判別装置100の構成要素として取り扱うものであってもよい。
材質判別装置100は、わずかに異なる位置に設けられて視差を異にする2つのカメラ110のうち少なくとも一方のカメラ110から入力された、廃棄物200の像を含む画像情報Sに基づいて廃棄物200の形状に関する形状情報M1を取得する形状情報取得部10と、画像情報Sに基づいて廃棄物200の色に関する色情報M2を取得する色情報取得部20と、画像情報Sに基づいて廃棄物200の表面のざらつき感に関する質感情報M3を取得する質感情報取得部30と、形状情報取得部10により取得された形状情報M1と色情報取得部20により取得された色情報M2と質感情報取得部30により取得された質感情報M3とに基づいて廃棄物200の材質を判別する材質判別部40と、を備えた構成である。
なお、図1において、符号190は、カメラ110から入力された画像情報Sに基づいて、その撮影された廃棄物200の存在位置を検出する位置検出装置であり、符号180は、位置検出装置190によって検出された位置に関する情報Lおよび材質判別部40によって判別された材質に関する情報Kが入力され、これら入力された位置に関する情報Lおよび材質に関する情報Kに基づいて、撮影された廃棄物200に対して何らかの操作を行う操作処理装置である。
これらカメラ110、位置検出装置190および操作処理装置180は、本実施形態の材質判別装置100とともに、廃棄物200に対する操作処理システムの一例として、例えば廃棄物200を把持して、その材質の種類別に分別処理する重機などとして構成するようにしてもよい。
なお、カメラ110から材質判別装置100への画像情報Sの入力に際しては、カメラ110から有線により伝送されて入力されてもよいし、無線により送信されて入力されてもよい。
材質判別装置100の材質判別部40は、詳しくは、形状情報取得部10により取得された形状情報M1に基づいて廃棄物200の材質候補を判別して第1の判別結果K1を得る第1判別部50と、色情報取得部20により取得された色情報M2に基づいて廃棄物200の材質候補を判別して第2の判別結果K2を得る第2判別部60と、質感情報取得部30により取得された質感情報M3に基づいて廃棄物200の材質候補を判別して第3の判別結果K3を得る第3判別部70と、第1判別部50により得られた第1の判別結果K1、第2判別部60により得られた第2の判別結果K2および第3判別部70により得られた第3の判別結果K3に対して、所定の重み付けを行うことにより、廃棄物200の材質を一つに特定し、その特定された単一の材質Kに関する情報を出力する材質特定部80と、を備えた構成である。
なお、材質特定部80は詳しくは、例えば、第1の判別結果K1、第2の判別結果K2および第3の判別結果K3に対して所定の重み付けを行うことにより、複数種類の材質についてそれぞれ、材質判別の対象となっている廃棄物200の材質として該当する可能性を表す確率を対応付け、この確率が最も高い材質を一つ、廃棄物200の材質として特定する。
ただし、二つ以上の材質についての確率が近似していて、そのうちの一つが最も高い確率を示す場合、それら互いに確率が近似しているいくつかの材質については、いずれの材質が正しい材質であるかの判定を、単純に確率の大小だけで決めると、誤った材質が特定される虞も高くなるため、このような場合は、それら確率値が近似した複数種類の材質を一つに特定せずに、その複数の材質名を確率値とともに提示したり、あるいは「近似した複数の材質候補が存在する。」とか、「重み付けの条件等を変更したうえで、再度判別処理を行って下さい。」等のコメントを提示するものとしてもよい。
また、上述した廃棄物200の材質判別装置100においては、形状情報取得部10は、画像情報Sに対してエッジ抽出処理を施すことによって形状情報M1を得るものであり、色情報取得部20は、画像情報Sのうち廃棄物200の像の色彩を表す色彩情報に基づいて色情報M2を取得するものであり、質感情報取得部30は、画像情報Sのうち廃棄物200の像の明度を表す明度情報に基づいて、明度差のばらつきを表す明度差ばらつき情報を取得し、この明度差ばらつき情報に基づいて質感情報を取得するものである。
ここで、形状情報取得部10による形状情報M1の取得処理は、画像情報Sに対してエッジ抽出処理を施して輪郭形状を得る処理の他に、例えば、明度などについて適切に設定された閾値を用いた二値化処理や、予め記憶・登録された基準形状と比較する「パターンマッチング」の処理、予め記憶・登録された波形や数値などのデータと比較する「ラベリング」の処理、ノイズ成分を消して必要な形状情報を浮かび上がらせる「平滑化」の処理など、様々な処理を必要に応じて複数合わせて、形状情報M1を得るようにしてもよい。
さらに具体的には、色情報取得部20は、画像情報SをCIE表色系L*a*b*(JIS Z 8729)で表したときのa*値およびb*値によって上記色彩情報を規定するものであり、質感情報取得部30は、画像情報SをCIE表色系L*a*b*で表したときのL*値により明度を規定し、L*値で規定された座標系(画像情報Sを構成する多数の画素をそれぞれ対応するL*値で表したもの)に対してラプラシアンフィルタ処理を施して、このラプラシアンフィルタ処理後の座標系における標準偏差を算出することにより、明度差ばらつき情報(明度差ばらつきの標準偏差)を規定する。
次に、本実施形態に係る廃棄物200の材質判別装置100の作用(本発明に係る廃棄物の材質判別方法の実施形態)について、図3のフローチャートを参照して説明する。
まず、図2(a)〜(e)のうちいずれかの廃棄物200を含んだ画像Pがカメラ110によって撮影され、カメラ110は、撮影した画像Pを信号である画像情報Sに変換した後に、その画像情報Sを材質判別装置100と位置検出装置190に出力する。
ここで、位置検出装置190が、画像情報Sに基づいて、撮影された廃棄物200の存在位置を検出する手法としては、例えばわずかに異なる位置に設けられた2つのカメラ110によって同一の対象物(廃棄物200)を撮影することで、視差を異にした、わずかに異なる2つの画像情報S1,S2を得、両カメラ110,110の設置位置間隔(既知)と両画像情報S1,S2の対応関係とに基づいた三角測量の原理により、カメラ110,110からの距離すなわち廃棄物200の存在位置を検出する手法などを適用することができる。
なお、この位置検出装置190は、材質を判別しようとする対象の廃棄物200に対する操作処理装置180による操作を、その廃棄物200の存在位置に応じたものとする応用例(廃棄物に対する操作処理システム)として説明する場合に必要なものであるに過ぎず、本実施形態の材質判別装置100の構成として必須のものでないことはいうまでもない。
カメラ110から材質判別装置100に入力された画像情報S(図3においてステップ10(#10))は、形状情報取得部10、色情報取得部20および質感情報取得部30にそれぞれ入力される。
画像情報Sが入力された形状情報取得部10は、画像情報Sに対してエッジ抽出処理を施し(#21)、このエッジ抽出処理(#21)後に、画像情報Sに含まれた廃棄物200の像の輪郭形状を認識し(#22)、その認識された輪郭形状(特定の方向に長い細長形状であるとか、そのような長さの不均一がないブロック状の形状であるとかの区別を表す性状であり、通常は、アルミ棒材片やプラスチック管材片、鉄筋材片などは細長い形状であり、コンクリート片や木材片はブロック状の形状を呈する。)を形状情報M1として材質判別部40に出力する(これら形状情報M1の取得・出力の一連の処理をステップ20(#20)として表記する。)。
また、画像情報Sが入力された色情報取得部20は、画像情報Sに基づいて画像情報Sを構成する各画素ごとのRGBデータを取得し(#31)、得られた各画素のRGBデータをCIE表色系L*a*b*にそれぞれ変換し(#32)、このCIE表色系L*a*b*のうち色差(色彩情報)a*値とb*値とを取得し(#33)、得られた各画素ごとのa*値とb*値とを色情報M2として材質判別部40に出力する(これら色情報M2の取得・出力の一連の処理をステップ30(#30)として表記する。)。
さらにまた、画像情報Sが入力された質感情報取得部30は、画像情報Sに基づいて画像情報Sを構成する各画素ごとのRGBデータを取得し(#41)、得られたRGBデータをCIE表色系L*a*b*に変換し(#42)、このCIE表色系L*a*b*のうち明度L*値を取得し(#43)、各画素について周囲8画素のL*値を用いたラプラシアンフィルタ処理を施し(L*値で表現された座標系に対してラプラシアンフィルタ処理を施し)、このラプラシアンフィルタ処理後の座標系における標準偏差値σを算出し(#44)、この得られた明度差のばらつきの標準偏差値σを質感情報M3として材質判別部40に出力する(これら質感情報M3の取得・出力の一連の処理をステップ40(#40)として表記する。)。
ここで、ステップ43(#43)において各画素がL*値で表現された座標系にラプラシアンフィルタ処理を施し、さらに、ステップ44(#44)においてこのラプラシアンフィルタ処理後の座標系における標準偏差値σを算出する処理について詳細に説明する。
図4は、図2に示した複数種類の材質の廃棄物200が一つの画像Pに含まれている状態を示す模式図であり、図1に示した実施形態の材質判別装置100に用いられる画像(一つの廃棄物200のみが含まれた画像)ではなく、後述する他の実施形態の材質判別装置に用いられる画像であるが、上述したL*値で表現された座標系にラプラシアンフィルタ処理を施す処理および標準偏差値σを求める処理については、本実施形態も後述する実施形態も同じであるため、この図4を用いて説明する。
図4(a)に表された画像Pのうち、プラスチック管材片Cの一部P′を抽出して拡大した同図(b)は、本実施形態の材質判別装置100に用いられる画像Pと等価、すなわち単一の廃棄物200を含む画像と見なすことができる。
そこで、この画像の一部P′について、各画素ごとのRGBデータを取得し(#41)、得られたRGBデータをCIE表色系L*a*b*に変換し(#42)、このCIE表色系L*a*b*のうち明度L*値を取得し(#43)、各画素r(i,j)がL*値で表現された座標系を図5(a)に示す。
図4(b)に示したように、プラスチック管材片Cは、その表面が比較的滑らかであるため、L*値の分布は、図5(a)に示すように滑らかな分布を示す。
そして、特定の注目画素r(i,j)のL*値(L*(r(i,j)))について、周囲8画素(r(i−1,j−1),r(i,j−1),r(i+1,j−1),r(i−1,j),r(i+1,j),r(i−1,j+1),r(i,j+1),r(i+1,j+1))の各L*値を用いたラプラシアンフィルタ処理を行うと、処理後の各注目画素r(i,j)のL*′値(L*′(r(i,j)))は、
L*′(r(i,j))
=L*(r(i−1,j−1))+L*(r(i,j−1))
+L*(r(i+1,j−1))+L*(r(i−1,j))
+L*(r(i+1,j))+L*(r(i−1,j+1))
+L*(r(i,j+1))+L*(r(i+1,j+1))
−8×L*(r(i,j))
となる。
そして、注目画素を順次ずらして全ての画素についてラプラシアンフィルタ処理を行った後のL*′値の分布は、図5(b)に示すものとなり、この図5(b)から解されるように、プラスチック管材片Cのような表面が滑らかな質感を呈する材質(アルミ材、プラスチック材、錆付いていない鉄など)の廃棄物200では、図5(a)に示す分布よりもさらに滑らかな分布となる。
このラプラシアンフィルタ処理後の明度L*′値の分布の状態の標準偏差値σを算出する(#44)ことにより、画像P′における明度のばらつきを定量的に規定することができ、その表面が滑らかな質感を呈する材質の廃棄物200では、この標準偏差値σは比較的小さい値となる。
一方、プラスチック管材片ではない他の材質の一種であるコンクリート片の場合は、例えば図6(a)に表された画像Pのうちコンクリート片Bの一部P′を抽出して拡大した同図(b)から解されるように、その表面に凹凸があるため、ざらついた質感を呈しており、L*値の分布は、図7(a)に示した分布となる。
そして、図5(b)と同様のラプラシアンフィルタ処理を行った後のL*′値の分布は、図7(b)に示すものとなり、この図7(b)に示した明度L*′値の分布の状態の標準偏差値σ(#44)は、その表面が滑らかな質感を呈する材質(アルミ材、プラスチック材、錆付いていない鉄など)の廃棄物200の標準偏差値σよりも大きな値となる。
すなわち、その表面がざらついた質感を呈する材質(コンクリート材、木材、錆付いた鉄材など)の廃棄物200では、この標準偏差値σは、その表面が滑らかな質感を呈する材質の廃棄物200の標準偏差値σよりも大きい値となる。
なお、色情報取得部20によるステップ31(#31)の処理は、質感情報取得部30によるステップ41(#41)の処理と同じであり、色情報取得部20によるステップ32(#32)の処理は、質感情報取得部30によるステップ42(#42)の処理と同じであるため、これら共通する処理を重複して行う無駄を低減するのが好ましい。
そこで、図1における色情報取得部20と質感情報取得部30とを統合して、質感情報取得部30によるステップ41(#41)およびステップ42(#42)を省略するとともに、色情報取得部20によるステップ31(#31)およびステップ32(#32)をステップ41(#41)およびステップ42(#42)の代替え処理として利用すればよい。
次に、形状情報取得部10によって得られた廃棄物200の形状情報M1は、材質判別部40の第1判別部50に入力されるが、この第1判別部50には、図示を略した記憶部を備えており、この記憶部には廃棄物200の材質ごとに対応した、基準となるモデル形状(細長い形状であるとか、ブロック状の形状など。以下、基準形状という。)が予め記憶されており、各材質とそれに対応する基準形状とが対応付けられている。
すなわち例えば、コンクリートや木材はブロック状の基準形状として対応付けられており、アルミ材、プラスチック材、鉄筋材などは細長い基準形状として対応付けられている。
そして、第1判別部50は、入力された形状情報M1が表す輪郭形状を、記憶部に記憶されている基準形状と比較して、最も近い基準形状を選択し(図8においてステップ51a(#51a))、この選択された基準形状に対応付けられた材質を候補K1として、材質特定部80に出力する(ステップ51b(#51b))。
なお、これら形状の比較処理(#51a)および材質候補K1の出力処理(#51b)の一連の処理を、図3においてステップ51(#51)と表記している。
また、色情報取得部20によって得られた廃棄物200の各画素ごとの色情報M2(a*値とb*値との組合せ)は、材質判別部40の第2判別部60に入力されるが、この第2判別部60には、図示を略した記憶部を備えており、この記憶部には、図9に示すa*値を横軸とb*値を縦軸とした直交座標系(以下、a*b*座標系という。)における、廃棄物200の材質ごとに対応した基準位置が予め記憶されている。
なお、図9に示した材質ごとのa*b*座標系における基準位置(a*値とb*値との組合せ)は、代表的な建設系廃棄物の材質ごとに予め実験的に求められた位置であり、錆付いた鉄や木材では、材質の色が赤色や橙色であるためa*値、b*値ともにプラス側に相対的に大きい値を示し、乾燥しているコンクリート材では、材質の色が黄色や灰色であるためb*値は相対的に大きい値を示す一方、a*値は相対的に小さい値を示している。
また、水分が付着して変色しているコンクリート材(散水時)やアルミ材、プラスチック材では、材質の色が主に灰色であるためa*値、b*値ともに相対的に小さい値を示し、錆付いていない鉄や、コンクリート粉の埃が付着したアルミ材(埃あり)では、材質の色が、プラスチック材などよりもさらに灰色で青色に近い値を示し、b*値がさらに小さい。
そして、第2判別部60は、入力された各画素ごとの色情報(a*値,b*値)で特定される座標位置M2と、記憶部に記憶されている各材質の基準位置との距離G(木材までの距離G1、錆付いた鉄までの距離G2、コンクリート材(乾燥状態)までの距離G3、コンクリート材(散水時)までの距離G4、アルミ材までの距離G5、プラスチック材までの距離G6、錆付いていない鉄までの距離G7、アルミ材(埃あり)までの距離G8)をそれぞれ計測(算出)し(図10においてステップ52a(#52a))、全ての画素について、各材質までの距離の総和ΣG1,ΣG2,ΣG3,ΣG4,ΣG5,ΣG6,ΣG7,ΣG8を求める。
ここで、これら材質ごとの距離の総和ΣG1,ΣG2,ΣG3,ΣG4,ΣG5,ΣG6,ΣG7,ΣG8が最も短い基準位置の材質が、色情報M2の観点から最も近い材質の候補K2ということになるため、各距離の総和ΣGiに基づいて、各材質に該当する確率を、予め設定されている演算式等にしたがってそれぞれ算出し、得られた確率が最も高い材質、すなわち最も距離の総和ΣGiが短い基準位置の材質を、候補K2として選択して材質特定部80に出力する(ステップ52b(#52b))。
なお、この材質特定部80への候補K2の出力の際には、上述の演算式にしたがった各材質に該当する確率も併せて材質特定部80に出力する。
なお、これら距離の計測処理(#52a)および材質候補K2の出力処理(#52b)の一連の処理を、図3においてステップ52(#52)と表記している。
また、質感情報取得部30によって得られた廃棄物200の質感情報M3は、材質判別部40の第3判別部70に入力されるが、この第3判別部70には、図示を略した記憶部を備えており、この記憶部には、図11に示す廃棄物200の材質ごとに対応した標準偏差値σの基準値(基準標準偏差値)が予め記憶されている。
なお、図11に示した材質ごとの基準標準偏差値σおよびL*値の単純な平均値Aveは、予め実験的、経験的に求められた値である。
そして、第3判別部70は、入力された質感情報M3が表す標準偏差値σと、記憶部に記憶されている各材質の基準標準偏差値とを比較し(図12においてステップ53a(#53a))、最も差分の小さい基準標準偏差値に対応した材質を候補K3として選択し、材質特定部80に出力する(ステップ53b(#53b))。
なお、これら基準標準偏差値との比較処理(#53a)および材質候補K3の出力処理(#53b)の一連の処理を、図3においてステップ53(#53)と表記している。
以上のように、第1判別部50から第1の判別結果(材質候補)K1、第2判別部60から第2の判別結果(材質候補)K2、第3判別部70から第3の判別結果(材質候補)K3がそれぞれ入力された材質特定部80は、第1の判別結果K1、第2の判別結果K2および第3の判別結果K3に対して、所定の重み付けを行うことにより、これら判別結果K1,K2,K3を統合して廃棄物200の材質を最終的に一つに特定し、その特定された単一の材質Kに関する情報を判別結果として出力する(#54)。
これら3つの判別結果K1,K2,K3を統合して最終的に一つの判別結果を特定する処理の具体的な方法としては、ベイズ推定(Bayes理論に基づく推定)やデンプスター・シェイファー(Dempster&Shafer)理論に基づく統合などを適用することができる。
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係る廃棄物200の材質判別装置100およびその作用である材質判別方法によれば、形状情報取得部10に入力された画像情報Sに基づいて取得された形状情報M1、色情報取得部20に入力された画像情報Sに基づいて取得された色情報M2および質感情報取得部30に入力された画像情報Sに基づいて取得された質感情報M3という3つの外観情報に基づいて、材質判別部40が、その画像情報Sが表す画像Pに含まれた廃棄物200の材質を判別するため、従来のように、形状情報M1にのみ基づいた材質判別や色情報M2にのみ基づいた材質判別に比べて、判別精度を格段に高めることができる。
図13は、この効果を実証した例を示すグラフであり、アルミ、コンクリート、プラスチック、鉄(錆付きあり)、木材、鉄(錆付きなし)の各材質の廃棄物200について、本実施形態の材質判別装置100および材質判別方法により、その材質の判別結果の正解率を表したものである。
図示において、a*b*色差による材質判別は、色情報(本実施形態における色情報M2に対応する。)のみに依存した従来の材質判別処理を表し、ベイズ推定(Bayes理論に基づく推定)およびデンプスター・シェイファー(Dempster&Shafer)理論に基づく統合による材質判定は、本実施形態の材質判別装置100および材質判別方法における、材質特定部80の処理(#54)において、ベイズ推定、デンプスター・シェイファー理論をそれぞれ適用した材質判別処理を表している。
このグラフから解されるように、全ての材質について、ベイズ推定を用いた本実施形態の材質判別処理またはデンプスター・シェイファー理論を用いた本実施形態の材質判別処理は、従来の材質判別処理よりも正解率が高いことが実証された。
なお、ベイズ推定を用いた材質判別処理も、デンプスター・シェイファー理論を用いた材質判別処理も、材質によっては、従来の材質判別処理の正解率を下回る場合があるため、ベイズ推定を用いた材質判別処理とデンプスター・シェイファー理論を用いた材質判別処理とをそれぞれ行って、両者のうち、より確度の高い方の材質を選択するようにしてもよい。
このようにして本実施形態の材質判別装置100から出力された材質Kに関する情報は、材質判別装置100外の操作処理装置180に入力され、操作処理装置180は、位置検出装置190から入力された廃棄物200の位置に関する情報Lおよび材質判別装置100から入力された材質Kに応じて、その廃棄物200を、例えば、その材質Kに適した把持力(材質ごとの脆性や重量に適合した把持力)で把持し、その材質Kの種類別に分別された場所まで搬送する。
このとき、本実施形態の材質判別装置100は、廃棄物200の材質Kを従来よりも精度よく判別することができるため、廃棄物200を把持する際の把持力を従来よりも適切に設定することができる。
また、廃棄物200を把持したままで旋回することで廃棄物200に遠心力が作用し、あるいは動き始めの加速や停止の際の減速で廃棄物200に慣性力が作用する場合、廃棄物200の質量の影響を受けるが、この廃棄物200の質量は材質を精度よく判別することで、適切に推定することが可能となり、廃棄物200を把持している把持力との関係で旋回速度や加減速度を適切に設定することも可能となる。
さらに、本実施形態に係る廃棄物200の材質判別装置100および材質判別方法によれば、材質判別部40が、形状情報M1、色情報M2および質感情報M3という3つの外観情報に基づいて一つの材質Kを特定するに際して、これら3つの外観情報から直接一つの材質を特定するのではなく、材質判別部40の第1判別部50が形状情報M1に基づいて第1の判別結果(第1の材質候補)K1を得、材質判別部40の第2判別部60が色情報M2に基づいて第2の判別結果(第2の材質候補)K2を得、材質判別部40の第3判別部70が質感情報M3に基づいて第3の判別結果(第3の材質候補)K3を得、このようにして得られた3つの判別結果(第1の判別結果K1、第2の判別結果K2、第3の判別結果K3)に対して、材質特定部80が所定の重み付けを行うことにより、廃棄物200の材質Kを特定するため、周囲の環境など状況ごとに適切な判別結果(K1,K2,K3のいずれか)を重視した判別結果Kを得ることができ、材質判別の正答率を一層高めることができる。
また、本実施形態に係る材質判別装置100によれば、色情報M2は、色情報取得部20によって、画像情報Sのうち廃棄物200の像の色彩を表す色彩情報(a*値およびb*値の組合せ等)に基づいて取得することができ、質感情報M3は、質感情報取得部30によって、画像情報Sのうち廃棄物200の像の明度差のばらつきを表す明度差ばらつき情報(標準偏差値σ)に基づいて取得することができるため、色情報取得部20および質感情報取得部30はそれぞれ簡単な信号処理によって色情報M2および質感情報M3を得ることができる。
さらにまた、本実施形態に係る材質判別装置100によれば、色情報取得部20は、色情報M2を、画像情報SをCIE表色系L*a*b*で表したときのa*値およびb*値により規定し、質感情報取得部30は、明度を、CIE表色系L*a*b*で表したときのL*値により規定し、明度差ばらつき情報を、L*値で規定された座標系に対してラプラシアンフィルタ処理を施し、ラプラシアンフィルタ処理後の座標系における標準偏差値σを算出することにより規定するため、色彩情報および明度差ばらつき情報という2つの情報を、共通のCIE表色系L*a*b*に基づいて得ることができ、演算処理を省力化することができる。
また、本実施形態に係る材質判別装置100によれば、形状情報取得部10が、画像情報Sに対してエッジ抽出処理という簡単な信号処理によって輪郭形状という形状情報M1を得ることができる。
そして、材質判別部40が、この得られた形状情報M1を、各材質ごとに予め対応付けられた基準となる形状(基準形状)と比較して、近い基準形状のものを選択することで、その基準形状に近い廃棄物200の材質を特定(第1の判別結果)することができる。
また、本実施形態に係る材質判別装置100によれば、材質判別の対象となる廃棄物が、建設物を解体乃至破砕して得られた建設系廃棄物200であるため、廃棄物200の材質を、コンクリート、プラスチック、アルミ、木材、鉄などの数種類に予め限定することができ、材質の判別精度を一層高めることができる。
さらにまた、建設系廃棄物200は、屋外に積み上げられた状態で置かれていることが多いため、日照状況や、散水、降雨などの影響によって、その色彩も大きく変化し、錆や中性化、付着した汚れなどによっても色彩は変化するため色情報M2だけで精度のよい材質判別を行うのは難しいが、本実施形態の材質判別装置および材質判別方法は、形状情報M1や色情報M2の他に質感情報M3も加味した3種類の外観情報で材質を判別するため、材質判別の対象として建設系廃棄物200を適用した場合に、より効果的に精度のよい判別結果を得ることができる。
なお、本実施形態に係る廃棄物200の材質判別装置100およびその作用である材質判別方法においては、形状情報M1に基づいて第1の判別結果K1を求め、色情報M2に基づいて第2の判別結果K2を求め、質感情報M3に基づいて第3の判別結果K3を求めるという第一段階のステップ(#51,#52,#53)と、その後の、第1の判別結果K1、第2の判別結果K2および第3の判別結果K3を統合して一つの判別結果Kを得るという第二段階のステップ(#54)とが、別のステップとされていたが、本発明に係る廃棄物の材質判別装置および材質判別方法は、この形態に限定されるものではなく、形状情報M1、色情報M2および質感情報M3という3つの外観情報に基づいて単一の材質を特定するものであればよく、材質判別部40を、第1判別部50、第2判別部60、第3判別部70および材質特定部80という別個の構成とする形態に限定されるものでもない。
(実施形態2)
以上説明した実施形態1では、入力される画像情報Sが表す画像Pは、一つの廃棄物200の像のみ(図2において、(a)〜(e)のうちいずれか一つのみ)が含まれるものであるが、本発明に係る廃棄物の材質判別装置は、この形態に限定されるものではない。
すなわち、図14は、例えば図4(a)または図6(a)に示すような複数の廃棄物200が含まれる画像Pを対象とし、この画像Pに含まれるいずれか一つの廃棄物200の材質を判別対象とする、本発明の一実施形態に係る廃棄物の材質判別装置100の構成を示すブロック図である。
図示の材質判別装置100は、図1に示した実施形態1の材質判別装置100と、基本的な構成は同一であるため、この同一の構成についての説明は省略する。
図14に示した実施形態2の材質判別装置100は、図1に示した材質判別装置100に対して、入力された画像情報Sが表す画像Pを可視画像として表示するモニタ92(画像表示部)と、モニタ92に表示された画像Pのうち、任意の領域を特定する操作が入力されるタッチパネル93(領域特定入力操作部)と、入力された画像情報Sのうち、タッチパネル93により特定された例えば領域P′(図4(a)、図6(a)参照)に対応する画像情報を特定領域画像情報S′として抽出する抽出部94(特定領域抽出部)と、モニタ92および抽出部94への画像情報Sの送出を制御する表示制御部91とをさらに備えた構成である。
また、実施形態1の材質判別装置100は、カメラ110から入力された画像P全体を表す画像情報Sに基づいて、形状情報M1、色情報M2および質感情報M3を取得する構成であるが、実施形態2の材質判別装置100は、抽出部94により抽出された特定領域画像情報S′に基づいて、形状情報取得部10は、特定領域画像情報S′に含まれる廃棄物200の形状情報M1を取得し、色情報取得部20は、特定領域画像情報S′に含まれる廃棄物200の色情報M2を取得し、質感情報取得部30は、特定領域画像情報S′に含まれる廃棄物200の質感情報M3を取得し、材質判別部40は、特定領域画像情報S′に含まれる廃棄物200の材質を判別する。
すなわち、実施形態2の材質判別装置100は、多数の廃棄物200が含まれた画像Pのうち、一つの廃棄物200のみが含まれた画像P′が材質判別処理の対象となるように、対象画像情報Sを処理する構成が追加されている点を除いて、実施形態1の材質判別装置100と基本的に同一の構成である。
このように構成された実施形態2の材質判別装置100によれば、図15のフローチャートに示すように、カメラ110から表示制御部91に、全体画像Pを表す画像情報Sが入力され(#10)、表示制御部91はモニタ92に全体画像Pを表示する(#11)とともに、モニタ92に表示された全体画像Pのうち、使用者が材質判別の対象としようとする一つの廃棄物200を含む領域P′が、モニタ92に重ね合わされたタッチパネル93に入力されるのを待つ(#12)。
そして、材質判別の対象となる廃棄物200を含む領域がタッチパネル93によって特定されると、その特定された領域P′が、抽出部94に入力され、抽出部94は、表示制御部91から入力された全体画像Pを表す画像情報Sのうちから、特定された領域P′に対応する画像情報(特定領域画像情報)S′を抽出し(#13)、形状情報取得部10は、特定領域画像情報S′に含まれる廃棄物200の形状情報M1を取得し(#20)、色情報取得部20は、特定領域画像情報S′に含まれる廃棄物200の色情報M2を取得し(#30)、質感情報取得部30は、特定領域画像情報S′に含まれる廃棄物200の質感情報M3を取得し(#40)、材質判別部40は、これらの形状情報M1、色情報M2および質感情報M3に基づいて、特定領域画像情報S′に含まれる廃棄物200の材質を最終的に判別する(#50)。
以上、説明したように、実施形態2の材質判別装置100およびその作用である材質判別方法によれば、形状情報取得部10に入力された特定領域画像情報S′に基づいて取得された形状情報M1、色情報取得部20に入力された特定領域画像情報S′に基づいて取得された色情報M2および質感情報取得部30に入力された特定領域画像情報S′に基づいて取得された質感情報M3という3つの外観情報に基づいて、材質判別部40が、その特定領域画像情報S′が表す画像P′に含まれた廃棄物200の材質を判別するため、従来のように、形状情報M1にのみ基づいた材質判別や色情報M2にのみ基づいた材質判別に比べて、判別精度を格段に高めることができる。
また、本実施形態2の材質判別装置100は、実施形態1の材質判別装置100による他の効果も同様に発揮することができる。
さらに、本実施形態2の材質判別装置100は、一つの廃棄物200のみが含まれている画像Pを表す画像情報Sのみを対象とする実施形態1の材質判別装置100とは異なり、複数の廃棄物200が含まれている画像Pを表す画像情報Sをも対象とすることができ、実施形態1の材質判別装置100よりも、高い汎用性を実現することができる。
上述した各実施形態1,2の材質判別装置100は、建設系廃棄物200を材質判別の対象とすることに限定されるものではなく、建設系廃棄物以外の産業廃棄物や、一般的な家庭から排出される廃棄物、またはリサイクル用途目的で排出された廃棄物なども対象にすることができることはいうまでもない。