以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。図1は、本実施形態による固体撮像装置を適用した撮像装置の一例としてデジタルカメラの構成を示している。本発明の一態様に係る撮像装置は、撮像機能を有する電子機器であればよく、デジタルカメラのほか、デジタルビデオカメラ、内視鏡等であってもよい。図1に示すデジタルカメラ10は、レンズ部1、レンズ制御装置2、固体撮像装置3、駆動回路4、メモリ5、信号処理回路6、記録装置7、制御装置8、および表示装置9を備える。
レンズ部1はズームレンズやフォーカスレンズを備えており、被写体からの光を固体撮像装置3の受光面に被写体像として結像する。レンズ制御装置2は、レンズ部1のズーム、フォーカス、絞りなどを制御する。レンズ部1を介して取り込まれた光は固体撮像装置3の受光面で結像される。固体撮像装置3は、受光面に結像された被写体像を画像信号に変換して出力する。固体撮像装置3の受光面には、複数の画素が行方向および列方向に2次元的に配列されている。
駆動回路4は、固体撮像装置3を駆動し、その動作を制御する。メモリ5は、画像データを一時的に記憶する。信号処理回路6は、固体撮像装置3から出力された画像信号に対して、予め定められた処理を行う。信号処理回路6によって行われる処理には、画像信号の増幅、画像データの各種の補正、画像データの圧縮などがある。
記録装置7は、画像データの記録または読み出しを行うための半導体メモリなどによって構成されており、着脱可能な状態でデジタルカメラ10に内蔵される。表示装置9は、動画像(ライブビュー画像)の表示、静止画像の表示、記録装置7に記録された動画像や静止画像の表示、デジタルカメラ10の状態の表示などを行う。
制御装置8は、デジタルカメラ10全体の制御を行う。制御装置8の動作は、デジタルカメラ10が内蔵するROMに格納されているプログラムに規定されている。制御装置8は、このプログラムを読み出して、プログラムが規定する内容に従って、各種の制御を行う。
図2は固体撮像装置3の断面構造を示している。固体撮像装置3は、画素を構成する回路要素(光電変換素子や、トランジスタ、容量等)が配置された2枚の基板(第1基板20、第2基板21)が重なった構造を有する。画素を構成する回路要素は第1基板20と第2基板21に分配して配置されている。第1基板20と第2基板21は、画素の駆動時に2枚の基板間で電気信号を授受可能なように電気的に接続されている。
第1基板20の2つの主面(側面よりも相対的に表面積が大きい表面)のうち、光Lが照射される側の主面側に光電変換素子が形成されており、第1基板20に照射された光は光電変換素子に入射する。第1基板20の2つの主面のうち、光Lが照射される側の主面とは反対側の主面には、第2基板21と接続するための接続部250が形成されている。第1基板20に配置されている光電変換素子で発生した信号電荷に基づく信号は、接続部250を介して第2基板21へ出力される。図2に示す例では第1基板20と第2基板21の主面の面積が異なるが、第1基板20と第2基板21の主面の面積が同じであってもよい。
図3は、第1基板20における固体撮像装置3の構成を示している。図3に示すように、固体撮像装置3は、画素部200Aおよび垂直走査回路300Aを備えている。画素部200Aは、2次元の行列状に配列された画素100Aを有する。図3では4行4列に画素100Aが配置されているが、画素の配列はこれに限らず、行数および列数は2以上であればよい。画素100Aの配列は、赤色(R)、緑色(Gr,Gb)、青色(B)に対応した4画素を配列の単位とするベイヤー配列である。画素100Aの色は、画素100A上に配置されるカラーフィルタの色に対応している。例えば、画素100A上にRのカラーフィルタが配置される場合、画素100AはRに対応している。画素100A内の光電変換素子(後述する光電変換素子201,202,203,204)は、画素100A上に配置されたカラーフィルタの色に対応した信号電荷を蓄積する。
垂直走査回路300Aは行単位で画素部200Aの駆動制御を行う。この駆動制御を行うために、垂直走査回路300Aは、行数と同じ数の単位回路301A−1,301A−2,301A−3,301A−4で構成されている。各単位回路301A−i(i=1,2,3,4)は、1行分の画素100Aを制御するための制御信号を、行毎に設けられている信号線110Aへ出力する。信号線110Aは画素100Aに接続されており、単位回路301A−iから出力された制御信号を画素100Aに供給する。図3では、各行に対応する各信号線110Aが1本の線で表現されているが、各信号線110Aは複数の信号線を含む。
図4は、第2基板21における固体撮像装置3の構成を示している。図4に示すように、固体撮像装置3は、画素部200B、垂直走査回路300B、列処理回路350、水平走査回路400、および出力アンプ410を備えている。
画素部200Bは、2次元の行列状に配列された画素100Bと、列毎に設けられた電流源130とを有する。図4では4行4列に画素100Bが配置されているが、画素の配列はこれに限らず、行数および列数は2以上であればよい。画素100Bに対応する色の配列は、画素100Aに対応する色の配列と異なっている。具体的には、Bに対応する画素100Bが1列目に配置され、Grに対応する画素100Bが2列目に配置され、Rに対応する画素100Bが3列目に配置され、Grに対応する画素100Bが4列目に配置されている。これにより、画素部200Bの全体として、同一の色に対応した画素100Bが同一の列に配置されている。画素100Bの色は、画素100Bに蓄積される信号電荷を発生した画素100Aの色に対応している。例えば、Rに対応する画素100Aで発生した信号電荷を蓄積する画素100BはRに対応している。
画素100Bは、列毎に配置された垂直信号線120に接続されている。電流源130は垂直信号線120に接続されており、画素100B内の増幅トランジスタ(後述する第2増幅トランジスタ241,242,243,244)とソースフォロア回路を構成する。
垂直走査回路300Bは行単位で画素部200Bの駆動制御を行う。この駆動制御を行うために、垂直走査回路300Bは、行数と同じ数の単位回路301B−1,301B−2,301B−3,301B−4で構成されている。各単位回路301B−i(i=1,2,3,4)は、1行分の画素100Bを制御するための制御信号を、行毎に設けられている信号線110Bへ出力する。信号線110Bは画素100Bに接続されており、単位回路301B−iから出力された制御信号を画素100Bに供給する。図4では、各行に対応する各信号線110Bが1本の線で表現されているが、各信号線110Bは複数の信号線を含む。制御信号により選択された行の画素100Bの画素信号は垂直信号線120へ出力されるようになっている。
列処理回路350は、垂直信号線120に出力された画素信号に対してノイズ抑圧などの信号処理を行う。各列に対応して設けられた列処理回路350には出力チャンネル430(水平信号線、出力信号線)が接続され、出力チャンネル430には出力アンプ410が接続されている。水平走査回路400は、垂直信号線120に出力されて列処理回路350によって処理された1行分の画素100Bの画素信号を水平方向の並びの順で時系列に出力アンプ410へ出力する。出力アンプ410は、入力された画素信号を増幅し、画像信号として固体撮像装置3の外部へ出力する。
本実施形態では列処理回路350、水平走査回路400、出力アンプ410が第2基板21に配置されているが、これらが第1基板20に配置されていてもよい。また、列処理回路350、水平走査回路400、出力アンプ410のそれぞれを構成する回路要素が第1基板20と第2基板21に分散して配置されていてもよい。
本実施形態では、固体撮像装置3が有する全画素からなる領域を画素信号の読み出し対象領域とするが、固体撮像装置3が有する全画素からなる領域の一部を読み出し対象領域としてもよい。読み出し対象領域は、少なくとも有効画素領域の全画素を含むことが望ましい。また、読み出し対象領域は、有効画素領域の外側に配置されているオプティカルブラック画素(常時遮光されている画素)を含んでもよい。オプティカルブラック画素から読み出した画素信号は、例えば暗電流成分の補正に使用される。
本実施形態では、複数の画素100Aが1つの接続部250を共有すると共に、複数の画素100Bが1つの接続部250を共有する。また、1つの接続部250を共有する複数の画素100Aが同一のグループを構成すると共に、1つの接続部250を共有する複数の画素100Bが同一のグループを構成する。図5は、画素100Aが構成するグループおよび画素100Bが構成するグループの例を示している。図5(a)は、画素100Aが構成するグループを示し、図5(b)は、画素100Bが構成するグループを示している。図5では画素部200A,200Bを構成する画素100A,100Bのうち一部の画素100A,100Bの配列を示しているが、残りの画素100A,100Bの配列も、図5に示す配列と同様である。
図5(a)に示すように第1基板20では、1行4列に配置された4つの画素100Aが1つの接続部250を共有する。具体的には、図5(a)の配列における1行目の1,3列目に配置されているBに対応する画素100A−1,100A−3と、1行目の2,4列目に配置されているGbに対応する画素100A−2,100A−4とが接続部250−1を共有する。これらの4つの画素100A−1,100A−2,100A−3,100A−4はグループG1を構成する。また、図5(a)の配列における2行目の1,3列目に配置されているGrに対応する2つの画素100Aと、2行目の2,4列目に配置されているRに対応する2つの画素100Aとが接続部250−2を共有する。これらの4つの画素100AはグループG2を構成する。
また、図5(a)の配列における3行目の1,3列目に配置されているBに対応する2つの画素100Aと、3行目の2,4列目に配置されているGbに対応する2つの画素100Aとが接続部250−3を共有する。これらの4つの画素100AはグループG3を構成する。また、図5(a)の配列における4行目の1,3列目に配置されているGrに対応する2つの画素100Aと、4行目の2,4列目に配置されているRに対応する2つの画素100Aとが接続部250−4を共有する。これらの4つの画素100AはグループG4を構成する。
図5(b)に示すように第2基板21では、2行2列に配置された4つの画素100Bが1つの接続部250を共有する。具体的には、図5(b)の配列における1,2行目の1列目に配置されているBに対応する画素100B−1,100B−3と、1,2行目の2列目に配置されているGbに対応する画素100B−2,100B−4とが接続部250−1を共有する。これらの4つの画素100B−1,100B−2,100B−3,100B−4はグループG1’を構成する。また、図5(b)の配列における1,2行目の3列目に配置されているRに対応する2つの画素100Bと、1,2行目の4列目に配置されているGrに対応する2つの画素100Bとが接続部250−2を共有する。これらの4つの画素100BはグループG2’を構成する。
また、図5(b)の配列における3,4行目の1列目に配置されているBに対応する2つの画素100Bと、3,4行目の2列目に配置されているGbに対応する2つの画素100Bとが接続部250−3を共有する。これらの4つの画素100BはグループG3’を構成する。また、図5(b)の配列における3,4行目の3列目に配置されているRに対応する2つの画素100Bと、3,4行目の4列目に配置されているGrに対応する2つの画素100Bとが接続部250−4を共有する。これらの4つの画素100BはグループG4’を構成する。
上記のように、第1基板20における4つのグループ内の合計16画素に対して、第2基板21における4つのグループ内の合計16画素がそれぞれ対応するように、接続部250およびグループの配置が決定される。
グループG1内のそれぞれの画素100AとグループG1’内のそれぞれの画素100Bとが対応している。つまり、グループG1内の画素100Aで発生した信号電荷は接続部250−1を介してグループG1’内の画素100Bに入力され蓄積される。また、グループG2内のそれぞれの画素100AとグループG2’内のそれぞれの画素100Bとが対応している。つまり、グループG2内の画素100Aで発生した信号電荷は接続部250−2を介してグループG2’内の画素100Bに入力され蓄積される。
グループG3内のそれぞれの画素100AとグループG1’内のそれぞれの画素100Bとが対応している。つまり、グループG3内の画素100Aで発生した信号電荷は接続部250−3を介してグループG1’内の画素100Bに入力され蓄積される。また、グループG4内のそれぞれの画素100AとグループG4’内のそれぞれの画素100Bとが対応している。つまり、グループG4内の画素100Aで発生した信号電荷は接続部250−4を介してグループG4’内の画素100Bに入力され蓄積される。
垂直走査回路300A,300Bは、グループG1内のそれぞれの画素100AとグループG1’内のそれぞれの画素100Bとを対応付け、グループG2内のそれぞれの画素100AとグループG2’内のそれぞれの画素100Bとを対応付け、グループG3内のそれぞれの画素100AとグループG3’内のそれぞれの画素100Bとを対応付け、グループG4内のそれぞれの画素100AとグループG4’内のそれぞれの画素100Bとを対応付け、画素100A,100Bを制御する制御信号を生成し、信号線110A,110Bを介して画素100A,100Bへ出力する。
次に、画素100A,100Bの構成を説明する。図6は、1つの接続部250を共有する4つの画素100Aと4つの画素100Bの回路構成を示している。第1基板20に配置された4つの画素100Aで構成されるグループは、光電変換素子201,202,203,204と、第1転送トランジスタ211,212,213,214と、電荷保持部230(フローティングディフュージョン)と、第1リセットトランジスタ220と、第1増幅トランジスタ240と、電流源280とを有する。第2基板21に配置された4つの画素100Bで構成されるグループは、クランプ容量260と、第2転送トランジスタ271,272,273,274と、第2リセットトランジスタ221,222,223,224と、アナログメモリ231,232,233,234と、第2増幅トランジスタ241,242,243,244と、選択トランジスタ291,292,293,294とを有する。図6に示す各回路要素の配置位置は実際の配置位置と必ずしも一致するわけではない。
図5(a)のグループG1内の画素100Aと図6の各回路要素との対応関係は以下の通りである。画素100A−1は、光電変換素子201と、第1転送トランジスタ211と、電荷保持部230と、第1リセットトランジスタ220と、第1増幅トランジスタ240と、電流源280とを有する。画素100A−2は、光電変換素子202と、第1転送トランジスタ212と、電荷保持部230と、第1リセットトランジスタ220と、第1増幅トランジスタ240と、電流源280とを有する。画素100A−3は、光電変換素子203と、第1転送トランジスタ213と、電荷保持部230と、第1リセットトランジスタ220と、第1増幅トランジスタ240と、電流源280とを有する。画素100A−4は、光電変換素子204と、第1転送トランジスタ214と、電荷保持部230と、第1リセットトランジスタ220と、第1増幅トランジスタ240と、電流源280とを有する。電荷保持部230と、第1リセットトランジスタ220と、第1増幅トランジスタ240と、電流源280とは、4つの画素100Aで共有されている。図5(a)のグループG2,G3,G4内の画素100Aと図6の各回路要素との対応関係も上記と同様である。
図5(b)のグループG1’内の画素100Bと図6の各回路要素との対応関係は以下の通りである。画素100B−1は、クランプ容量260と、第2転送トランジスタ271と、第2リセットトランジスタ221と、アナログメモリ231と、第2増幅トランジスタ241と、選択トランジスタ291とを有する。画素100B−2は、クランプ容量260と、第2転送トランジスタ272と、第2リセットトランジスタ222と、アナログメモリ232と、第2増幅トランジスタ242と、選択トランジスタ292とを有する。画素100B−2は、クランプ容量260と、第2転送トランジスタ273と、第2リセットトランジスタ223と、アナログメモリ233と、第2増幅トランジスタ243と、選択トランジスタ293とを有する。画素100B−6は、クランプ容量260と、第2転送トランジスタ274と、第2リセットトランジスタ224と、アナログメモリ234と、第2増幅トランジスタ244と、選択トランジスタ294とを有する。クランプ容量260は4つの画素100Bで共有されている。図5(b)のグループG2’,G3’,G4’内の画素100Bと図6の各回路要素との対応関係も上記と同様である。
光電変換素子201,202,203,204の一端は接地されている。第1転送トランジスタ211,212,213,214のドレイン端子は光電変換素子201,202,203,204の他端に接続されている。第1転送トランジスタ211,212,213,214のゲート端子は垂直走査回路300Aに接続されており、転送パルスΦTX1−1,ΦTX1−2,ΦTX1−3,ΦTX1−4が供給される。
電荷保持部230の一端は第1転送トランジスタ211,212,213,214のソース端子に接続されており、電荷保持部230の他端は接地されている。第1リセットトランジスタ220のドレイン端子は電源電圧VDDに接続されており、第1リセットトランジスタ220のソース端子は第1転送トランジスタ211,212,213,214のソース端子に接続されている。第1リセットトランジスタ220のゲート端子は垂直走査回路300Aに接続されており、リセットパルスΦRST1が供給される。
第1増幅トランジスタ240のドレイン端子は電源電圧VDDに接続されている。第1増幅トランジスタ240の入力部であるゲート端子は第1転送トランジスタ211,212,213,214のソース端子に接続されている。電流源280の一端は第1増幅トランジスタ240のソース端子に接続されており、電流源280の他端は接地されている。一例として、ドレイン端子が第1増幅トランジスタ240のソース端子に接続され、ソース端子が接地され、ゲート端子が垂直走査回路300Aに接続されたトランジスタで電流源280を構成してもよい。クランプ容量260の一端は、接続部250を介して第1増幅トランジスタ240のソース端子および電流源280の一端に接続されている。
第2転送トランジスタ271,272,273,274のドレイン端子はクランプ容量260の他端に接続されている。第2転送トランジスタ271,272,273,274のゲート端子は垂直走査回路300Bに接続されており、転送パルスΦTX2−1,ΦTX2−2,ΦTX2−3,ΦTX2−4が供給される。第2リセットトランジスタ221,222,223,224のドレイン端子は電源電圧VDDに接続されており、第2リセットトランジスタ221,222,223,224のソース端子は第2転送トランジスタ271,272,273,274のソース端子に接続されている。第2リセットトランジスタ221,222,223,224のゲート端子は垂直走査回路300Bに接続されており、リセットパルスΦRST2−1,ΦRST2−2,ΦRST2−3,ΦRST2−4が供給される。
アナログメモリ231,232,233,234の一端は第2転送トランジスタ271,272,273,274のソース端子に接続されており、アナログメモリ231,232,233,234の他端は接地されている。第2増幅トランジスタ241,242,243,244のドレイン端子は電源電圧VDDに接続されている。第2増幅トランジスタ241,242,243,244の入力部を構成するゲート端子は第2転送トランジスタ271,272,273,274のソース端子に接続されている。選択トランジスタ291,292,293,294のドレイン端子は第2増幅トランジスタ241,242,243,244のソース端子に接続されている。選択トランジスタ291,293のソース端子は奇数列の垂直信号線120に接続され、選択トランジスタ292,294のソース端子は偶数列の垂直信号線120に接続されている。選択トランジスタ291,292,293,294のゲート端子は垂直走査回路300Bに接続されており、選択パルスΦSEL1,ΦSEL2,ΦSEL3,ΦSEL4が供給される。上述した各トランジスタに関しては極性を逆にし、ソース端子とドレイン端子を上記と逆にしてもよい。
光電変換素子201,202,203,204は、例えばフォトダイオードであり、入射した光に基づく信号電荷を生成(発生)し、生成(発生)した信号電荷を保持・蓄積する。第1転送トランジスタ211,212,213,214は、光電変換素子201,202,203,204に蓄積された信号電荷を電荷保持部230に転送するトランジスタである。第1転送トランジスタ211,212,213,214のオン/オフは、垂直走査回路300Aからの転送パルスΦTX1−1,ΦTX1−2,ΦTX1−3,ΦTX1−4によって制御される。電荷保持部230は、光電変換素子201,202,203,204から転送された信号電荷を一時的に保持・蓄積する浮遊拡散容量である。
第1リセットトランジスタ220は、電荷保持部230をリセットするトランジスタである。第1リセットトランジスタ220のオン/オフは、垂直走査回路300AからのリセットパルスΦRST1によって制御される。第1リセットトランジスタ220と第1転送トランジスタ211,212,213,214を同時にオンにすることによって、光電変換素子201,202,203,204をリセットすることも可能である。電荷保持部230/光電変換素子201,202,203,204のリセットは、電荷保持部230/光電変換素子201,202,203,204に蓄積されている電荷量を制御して電荷保持部230/光電変換素子201,202,203,204の状態(電位)を基準状態(基準電位、リセットレベル)に設定することである。
第1増幅トランジスタ240は、ゲート端子に入力される、電荷保持部230に蓄積されている信号電荷に基づく信号を増幅した増幅信号をソース端子から出力するトランジスタである。電流源280は、第1増幅トランジスタ240の負荷として機能し、第1増幅トランジスタ240を駆動する電流を第1増幅トランジスタ240に供給する。第1増幅トランジスタ240と電流源280はソースフォロワ回路を構成する。
クランプ容量260は、第1増幅トランジスタ240から出力される増幅信号の電圧レベルをクランプ(固定)する容量である。第2転送トランジスタ271,272,273,274は、クランプ容量260の他端の電圧レベルをサンプルホールドし、アナログメモリ231,232,233,234に蓄積するトランジスタである。第2転送トランジスタ271,272,273,274のオン/オフは、垂直走査回路300Bからの転送パルスΦTX2−1,ΦTX2−2,ΦTX2−3,ΦTX2−4によって制御される。
第2リセットトランジスタ221,222,223,224は、アナログメモリ231,232,233,234をリセットするトランジスタである。第2リセットトランジスタ221,222,223,224のオン/オフは、垂直走査回路300BからのリセットパルスΦRST2−1,ΦRST2−2,ΦRST2−3,ΦRST2−4によって制御される。アナログメモリ231,232,233,234のリセットは、アナログメモリ231,232,233,234に蓄積されている電荷量を制御してアナログメモリ231,232,233,234の状態(電位)を基準状態(基準電位、リセットレベル)に設定することである。アナログメモリ231,232,233,234は、第2転送トランジスタ271,272,273,274によってサンプルホールドされたアナログ信号を保持・蓄積する。
アナログメモリ231,232,233,234の容量は、電荷保持部230の容量よりも大きな容量に設定される。アナログメモリ231,232,233,234には、単位面積当たりのリーク電流(暗電流)の少ない容量であるMIM(Metal Insulator Metal)容量やMOS(Metal Oxide Semiconductor)容量を使用することがより望ましい。これによって、ノイズに対する耐性が向上し、高品質な信号が得られる。
第2増幅トランジスタ241,242,243,244は、ゲート端子に入力される、アナログメモリ231,232,233,234に蓄積されている信号電荷に基づく信号を増幅した増幅信号をソース端子から出力するトランジスタである。第2増幅トランジスタ241,242,243,244と、垂直信号線120に接続された電流源130とはソースフォロワ回路を構成する。選択トランジスタ291,292,293,294は、画素100Bを選択し、第2増幅トランジスタ241,242,243,244の出力を垂直信号線120に伝えるトランジスタである。選択トランジスタ291,292,293,294のオン/オフは、垂直走査回路300Bからの選択パルスΦSEL1,ΦSEL2,ΦSEL3,ΦSEL4によって制御される。
前述したように、第2リセットトランジスタ221および選択トランジスタ291が配置されている画素100Bは図5(b)の画素100B−1に対応し、第2リセットトランジスタ222および選択トランジスタ292が配置されている画素100Bは図5(b)の画素100B−2に対応しており、画素100B−1と画素100B−2は同一行に配置されている。後述するように、信号の読み出しが行われる期間における第2リセットトランジスタ221,222の動作は同時に行われるので、第2リセットトランジスタ221,222の両方にリセットパルスΦRST2−1が供給されてもよい。また、後述するように、信号の読み出しが行われる期間における選択トランジスタ291,292の動作は同時に行われるので、選択トランジスタ291,292の両方に選択パルスΦSEL1が供給されてもよい。
第1基板20と第2基板21の間には、接続部250が配置されている。第1基板20の第1増幅トランジスタ240から出力された増幅信号は、接続部250を介して第2基板21へ出力される。
図6では、接続部250が第1増幅トランジスタ240のソース端子および電流源280の一端とクランプ容量260の一端との間の経路に配置されているが、これに限らない。接続部250は、第1転送トランジスタ211,212,213,214から第2転送トランジスタ271,272,273,274までの電気的に接続された経路上のどこに配置されていてもよい。
例えば、第1転送トランジスタ211,212,213,214のソース端子と、電荷保持部230の一端、第1リセットトランジスタ220のソース端子、および第1増幅トランジスタ240のゲート端子との間の経路に接続部250が配置されていてもよい。あるいは、クランプ容量260の他端と、第2転送トランジスタ271,272,273,274のドレイン端子との間の経路に接続部250が配置されていてもよい。
図7は、第2基板21に配置された画素100B間に配置される回路の構成のうち、図5のグループG1’,G3’内の画素100Bに関する回路の構成のみを示している。第2基板21には、画素100Bの複数のアナログメモリに蓄積されている信号電荷を平均化する平均化処理を行う平均化トランジスタ275,276が配置されている。
平均化トランジスタ275のソース端子およびドレイン端子の一方はグループG1’内の画素100Bのアナログメモリ231,233の一端に接続されている。平均化トランジスタ275のソース端子およびドレイン端子の他方はグループG3’内の画素100Bのアナログメモリ231,233の一端に接続されている。図示していないが、アナログメモリ231,233の一端は第2転送トランジスタ271,273のソース端子に接続されている。平均化トランジスタ275のゲート端子は垂直走査回路300Bに接続されており、平均化パルスΦMIXが供給される。
平均化トランジスタ276のソース端子およびドレイン端子の一方はグループG1’内の画素100Bのアナログメモリ232,234の一端に接続されている。平均化トランジスタ276のソース端子およびドレイン端子の他方はグループG3’内の画素100Bのアナログメモリ232,234の一端に接続されている。図示していないが、アナログメモリ232,234の一端は第2転送トランジスタ272,274のソース端子に接続されている。平均化トランジスタ276のゲート端子は垂直走査回路300Bに接続されており、平均化パルスΦMIXが供給される。
平均化トランジスタ275は、グループG1’内のアナログメモリ231,233およびグループG3’内のアナログメモリ231,233のそれぞれに蓄積されている信号電荷を平均化する。つまり、平均化トランジスタ275は、同一の列に配置されているBに対応する4つの画素100Bのアナログメモリに蓄積されている信号電荷を平均化する。平均化トランジスタ275のオン/オフは、垂直走査回路300Bからの選択パルスΦMIXによって制御される。
平均化トランジスタ276は、グループG1’内のアナログメモリ232,234およびグループG3’内のアナログメモリ232,234のそれぞれに蓄積されている信号電荷を平均化する。つまり、平均化トランジスタ276は、同一の列に配置されているGbに対応する4つの画素100Bのアナログメモリに蓄積されている信号電荷を平均化する。平均化トランジスタ276のオン/オフは、垂直走査回路300Bからの選択パルスΦMIXによって制御される。
同様に、グループG2’内のアナログメモリ231,233およびグループG4’内のアナログメモリ231,233のそれぞれに蓄積されている信号電荷を平均化する平均化トランジスタと、グループG2’内のアナログメモリ232,234およびグループG4’内のアナログメモリ232,234のそれぞれに蓄積されている信号電荷を平均化する平均化トランジスタも配置されている。
次に、図8を参照し、画素100Aおよび画素100Bの動作を説明する。図8は、垂直走査回路300A,300Bから行毎に画素100A,100Bに供給される制御信号を示している。ただし、転送パルスΦTX1−1,ΦTX1−2,ΦTX1−3,ΦTX1−4が供給される第1転送トランジスタ211,212,213,214のそれぞれが配置されている同一グループ内の4つの画素100Aは同一行の異なる列に配置されているので、垂直走査回路300Aから同一行について4種類の転送パルスΦTX1−1,ΦTX1−2,ΦTX1−3,ΦTX1−4が供給される。以下では、図6に示した4つの画素100Aで構成されるグループおよび4つの画素100Bで構成されるグループの単位で動作を説明する。
[期間T1の動作]
まず、リセットパルスΦRST1が“L”(Low)レベルから“H”(High)レベルに変化することで、第1リセットトランジスタ220がオンとなる。同時に、転送パルスΦTX1−1が“L”レベルから“H”レベルに変化することで、第1転送トランジスタ211がオンとなる。これによって、光電変換素子201がリセットされる。
続いて、リセットパルスΦRST1および転送パルスΦTX1−1が“H”レベルから“L”レベルに変化することで、第1リセットトランジスタ220および第1転送トランジスタ211がオフとなる。これによって、光電変換素子201のリセットが終了し、露光(信号電荷の蓄積)が開始される。上記と同様にして、光電変換素子202,203,204が順にリセットされ、露光が開始される。図7では、転送パルスΦTX1−1,ΦTX1−2,ΦTX1−3,ΦTX1−4が“H”レベルになるタイミングでリセットパルスΦRST1が“H”レベルになっているが、光電変換素子201,202,203,204をリセットする期間中、リセットパルスΦRST1が常に“H”レベルであってもよい。
[期間T2の動作]
続いて、リセットパルスΦRST2−1が“L”レベルから“H”レベルに変化することで、第2リセットトランジスタ221がオンとなる。これによって、アナログメモリ231がリセットされる。同時に、転送パルスΦTX2−1が“L”レベルから“H”レベルに変化することで、第2転送トランジスタ271がオンとなる。これによって、クランプ容量260の他端の電位が電源電圧VDDにリセットされると共に、第2転送トランジスタ271がクランプ容量260の他端の電位のサンプルホールドを開始する。
続いて、リセットパルスΦRST1が“L”レベルから“H”レベルに変化することで、第1リセットトランジスタ220がオンとなる。これによって、電荷保持部230がリセットされる。続いて、リセットパルスΦRST1が“H”レベルから“L”レベルに変化することで、第1リセットトランジスタ220がオフとなる。これによって、電荷保持部230のリセットが終了する。電荷保持部230のリセットを行うタイミングは露光期間中であればよいが、露光期間の終了直前のタイミングで電荷保持部230のリセットを行うことによって、電荷保持部230のリーク電流によるノイズをより低減することができる。
続いて、リセットパルスΦRST2−1が“H”レベルから“L”レベルに変化することで、第2リセットトランジスタ221がオフとなる。これによって、アナログメモリ231のリセットが終了する。この時点でクランプ容量260は、第1増幅トランジスタ240から出力される増幅信号(電荷保持部230のリセット後の増幅信号)をクランプしている。
[期間T3の動作]
まず、転送パルスΦTX1−1が“L”レベルから“H”レベルに変化することで、第1転送トランジスタ211がオンとなる。これによって、光電変換素子201に蓄積されている信号電荷が、第1転送トランジスタ211を介して電荷保持部230に転送され、電荷保持部230に蓄積される。これによって、露光(信号電荷の蓄積)が終了する。期間T1における露光開始から期間T3における露光終了までの期間が露光期間(信号蓄積期間)である。続いて、転送パルスΦTX1−1が“H”レベルから“L”レベルに変化することで、第1転送トランジスタ211がオフとなる。
続いて、転送パルスΦTX2−1が“H”レベルから“L”レベルに変化することで、第2転送トランジスタ271がオフとなる。これによって、第2転送トランジスタ271がクランプ容量260の他端の電位のサンプルホールドを終了する。
[期間T4の動作]
上述した期間T2,T3の動作は、1つのグループを構成する4つの画素100Aのうち1つの画素100Aの動作である。期間T4では、残りの3つの画素100Aについて、期間T2,T3の動作と同様の動作が行われる。各画素の露光期間の長さを同一とすることがより望ましい。
以下では、アナログメモリ231の一端の電位の変化について説明する。アナログメモリ232,233,234の一端の電位の変化についても同様である。電荷保持部230のリセットが終了した後に光電変換素子201から電荷保持部230に信号電荷が転送されることによる電荷保持部230の一端の電位の変化をΔVfd、第1増幅トランジスタ240のゲインをα1とすると、光電変換素子201から電荷保持部230に信号電荷が転送されることによる第1増幅トランジスタ240のソース端子の電位の変化ΔVamp1はα1×ΔVfdとなる。
アナログメモリ231と第2転送トランジスタ271の合計のゲインをα2とすると、光電変換素子201から電荷保持部230に信号電荷が転送された後の第2転送トランジスタ271のサンプルホールドによるアナログメモリ231の一端の電位の変化ΔVmemはα2×ΔVamp1、すなわちα1×α2×ΔVfdとなる。アナログメモリ231のリセットが終了した時点のアナログメモリ231の一端の電位は電源電圧VDDであるため、光電変換素子201から電荷保持部230に信号電荷が転送された後、第2転送トランジスタ271によってサンプルホールドされたアナログメモリ231の一端の電位Vmemは以下の(1)式となる。(1)式において、ΔVmem<0、ΔVfd<0である。
Vmem=VDD+ΔVmem
=VDD+α1×α2×ΔVfd ・・・(1)
また、α2は以下の(2)式となる。(2)式において、CLはクランプ容量260の容量値であり、CSHはアナログメモリ231の容量値である。ゲインの低下をより小さくするため、クランプ容量260の容量CLはアナログメモリ231の容量CSHよりも大きいことがより望ましい。
[期間T5の動作]
まず、平均化パルスΦMIXが“L”レベルから“H”レベルに変化することで、平均化トランジスタ275,276がオンとなる。これによって、アナログメモリ231,233のそれぞれの一端の電位が同一となると共に、アナログメモリ232,234のそれぞれの一端の電位が同一となり、各アナログメモリに蓄積されている信号電荷が平均化される。この動作は、平均化パルスΦMIXが“H”レベルから“L”レベルに変化することで終了する。
[期間T6の動作]
期間T6では、同一行に配置された2つの画素100Bのアナログメモリ231,232に蓄積されている信号電荷に基づく信号が同時に読み出される。まず、選択パルスΦSEL1,ΦSEL2が“L”レベルから“H”レベルに変化することで、選択トランジスタ291,292がオンとなる。これによって、(1)式に示した電位Vmemに基づく信号が選択トランジスタ291,292を介して垂直信号線120へ出力される。
続いて、リセットパルスΦRST2−1,ΦRST2−2が“L”レベルから“H”レベルに変化することで、第2リセットトランジスタ221,222がオンとなる。これによって、アナログメモリ231,232がリセットされ、リセット時のアナログメモリ231,232の一端の電位に基づく信号が選択トランジスタ291,292を介して垂直信号線120へ出力される。
続いて、リセットパルスΦRST2−1,ΦRST2−2が“H”レベルから“L”レベルに変化することで、第2リセットトランジスタ221,222がオフとなる。続いて、選択パルスΦSEL1,ΦSEL2が“H”レベルから“L”レベルに変化することで、選択トランジスタ291,292がオフとなる。
列処理回路350は、(1)式に示した電位Vmemに基づく信号と、アナログメモリ231,232をリセットしたときのアナログメモリ231,232の一端の電位に基づく信号との差分をとった差分信号を生成する。この差分信号は、(1)式に示した電位Vmemと電源電圧VDDとの差分に基づく信号であり、光電変換素子201,202に蓄積された信号電荷が電荷保持部230に転送された直後の電荷保持部230の一端の電位と、電荷保持部230の一端がリセットされた直後の電荷保持部230の電位との差分ΔVfdに基づく信号である。したがって、アナログメモリ231,232をリセットすることによるノイズ成分と、電荷保持部230をリセットすることによるノイズ成分とを抑圧した、光電変換素子201,202に蓄積された信号電荷に基づく信号成分を得ることができる。
列処理回路350から出力された信号は、水平走査回路400によって、出力チャンネル430,440を介して出力アンプ410,420へ出力される。出力アンプ410,420は、入力された信号を処理し、画像信号として出力する。以上で、1つのグループを構成する4つの画素100Bのうち同一行に配置された2つの画素100Bからの信号の読み出しが終了する。
上記の動作により、図5(b)の1列目に配置されたBに対応する画素100Bのうち1行目の画素100BからBに対応する画素信号が出力され、図5(b)の2列目に配置されたGbに対応する画素100Bのうち1行目の画素100BからGbに対応する画素信号が出力され、図5(b)の3列目に配置されたRに対応する画素100Bのうち1行目の画素100BからRに対応する画素信号が出力され、図5(b)の1列目に配置されたGrに対応する画素100Bのうち1行目の画素100BからGrに対応する画素信号が出力される。それぞれの画素信号は、列方向に隣接する4つの画素100Bの平均化処理により得られる画素信号である。したがって、画素100Bを列方向に間引いた一部の画素100Bから、平均化された画素信号が出力される。
上記の動作では、列方向に隣接する4つの画素100Bで平均化処理が行われ、4行当たり1行の割合で画素100Bから信号が読み出される。このため、第2基板21において列方向に隣接する2つのグループの両方の画素100Bで平均化処理が行われ、2つのグループのうち一方のグループの2つの画素100Bのみから信号が読み出される。例えば、図5(b)ではグループG1’とグループG3’が列方向に隣接しており、これらのグループ内の画素100Bで平均化処理が行われた後、グループG1’の画素100B−1,100B−2から信号が読み出されるが、グループG1’,G3’内の他の画素100Bからは信号が読み出されない。
したがって、グループG1’内の画素100Bでは図8の期間T5,T6の動作が行われるが、グループG3’内の画素100Bでは図8の期間T5の動作が行われ、期間T6の動作は行われない。グループG2’,G4’についても同様であり、グループG2’内の画素100Bでは図8の期間T5,T6の動作が行われるが、グループG4’内の画素100Bでは図8の期間T5の動作が行われ、期間T6の動作は行われない。
上記の動作では、光電変換素子201,202,203,204から電荷保持部230に転送された信号電荷を電荷保持部230が各画素100Aの読み出しタイミングまで保持していなければならない。電荷保持部230が信号電荷を保持している期間中にノイズが発生すると、電荷保持部230が保持している信号電荷にノイズが重畳され、信号品質(S/N)が劣化する。
電荷保持部230が信号電荷を保持している期間(以下、保持期間と記載)中に発生するノイズの主な要因は、電荷保持部230のリーク電流による電荷(以下、リーク電荷と記載)と、光電変換素子201,202,203,204以外の部分に入射する光に起因する電荷(以下、光電荷と記載)である。単位時間に発生するリーク電荷と光電荷をそれぞれqid、qpnとし、保持期間の長さをtcとすると、保持期間中に発生するノイズ電荷Qnは(qid+qpn)tcとなる。
電荷保持部230の容量をCfd、アナログメモリ231,232,233,234の容量をCmemとし、CfdとCmemの比(Cmem/Cfd)をAとする。また、前述したように、第1増幅トランジスタ240のゲインをα1、アナログメモリ231,232,233,234と第2転送トランジスタ271,272,273,274の合計のゲインをα2とする。露光期間中に光電変換素子201,202,203,204で発生した信号電荷をQphとすると、露光期間の終了後にアナログメモリ231,232,233,234に保持される信号電荷はA×α1×α2×Qphとなる。
光電変換素子201,202,203,204から電荷保持部230に転送された信号電荷に基づく信号は第2転送トランジスタ271,272,273,274によってサンプルホールドされ、アナログメモリ231,232,233,234に格納される。したがって、電荷保持部230に信号電荷が転送されてからアナログメモリ231,232,233,234に信号電荷が格納されるまでの時間は短く、電荷保持部230で発生したノイズは無視することができる。アナログメモリ231,232,233,234が信号電荷を保持している期間に発生するノイズを上記と同じQnと仮定すると、S/NはA×α1×α2×Qph/Qnとなる。
一方、容量蓄積部に保持された信号電荷を、増幅トランジスタを介して画素から読み出す場合のS/NはQph/Qnとなる。したがって、本実施形態のS/Nは従来技術のS/NのA×α1×α2倍となる。A×α1×α2が1よりも大きくなるようにアナログメモリ231,232,233,234の容量値を設定する(例えば、アナログメモリ231,232,233,234の容量値を電荷保持部230の容量値よりも十分大きくする)ことによって、信号品質の劣化を低減することができる。
本実施形態では、画素100Aで構成されるグループに関しては、垂直方向の位置(以下、垂直位置と記載)によらず各グループの動作のタイミングは同一である。また、画素100Bで構成されるグループに関しては、垂直位置が異なる各グループの動作のタイミングは、動作の期間毎に応じたタイミングとなる。図9は、画素100A,100Bがn行に配置されている場合のグループ単位の動作のタイミングを模式的に示している。図9の垂直方向の位置が画素100A,100Bの配列における垂直位置すなわち行位置を示し、水平方向の位置が時間位置を示している。図9は、画素100A,100Bの配列がより一般的なn行×n列である場合に対応している。
リセット期間は図7の期間T1に相当し、信号転送期間は図7の期間T2,T3,T4に相当し、平均化処理期間は図7の期間T5に相当し、読み出し期間は図7の期間T6に相当する。画素100Aで構成されるグループに関しては、垂直位置によらず各グループのリセット期間および信号転送期間は同一である。一方、画素100Bで構成されるグループに関しては、垂直位置が異なる各グループの信号転送期間は同一であるが平均化処理期間および読み出し期間は異なる。上述した動作では、同一のグループ内の画素毎に露光のタイミングが異なるが、複数のグループの全体では露光の同時性を実現することができる。
上記では、列方向に隣接する4つの画素100Bで平均化処理が行われるが、平均化処理の対象となる画素100Bの数は4つでなくてもよい。例えば、列方向に隣接する2つの画素100Bで平均化処理を行う、あるいは列方向に隣接する8つの画素100Bで平均化処理を行うようにしてもよい。
上述したように、本実施形態によれば、複数の画素100Bのそれぞれに含まれる信号蓄積回路(アナログメモリ)に蓄積された各信号(信号電荷)を平均化することによって、画素から出力された各信号が構成する画像においてモアレの発生を抑制することができる。また、平均化を行うことによって、信号に含まれるランダムノイズ成分を低減することができる。したがって、本実施形態によれば、画質の低下を低減することができる。
本実施形態では、同一色に対応した4つの画素100Bが垂直方向(列方向)に隣接しており、これらの4つの画素100Bのアナログメモリに蓄積されている信号電荷が平均化される。このように垂直方向に隣接した画素100Bの信号電荷を平均化することによって、平均化トランジスタ275,276のレイアウトを簡素化することができる。また、垂直方向に隣接する、同一色に対応した2つの画素100B間でクロストークが発生したとしても、異なる色に対応した2つの画素100B間でクロストークが発生する場合と比較して、クロストークによる画質の低下を低減することができる。
本実施形態では、垂直方向に並んだ4つの画素100Bのうち1つの画素100Bのみから平均化された信号が出力される。これによって、信号の読み出しを行う垂直方向の行数が画素配列の行数の4分の1となるので、全ての行の信号の読み出しを行う場合と比較して、高速に信号を読み出すことができ、消費電力を低減することができる。また、第2基板21における垂直位置が同一である複数のグループにおいて、同一の行にある画素100Bから信号が読み出されるため、平均化された信号を読み出す制御を行毎に行うことができ、信号の読み出しに係る制御が容易になる。
また、複数の画素間で一部の回路要素を共有しているため、複数の画素間で回路要素を共有しない場合と比較して、チップ面積を低減することができる。さらに、複数の画素間で第1増幅トランジスタ240および電流源280を共有しているため、同時に動作する電流源の数を抑えることができる。このため、多数の電流源が同時に動作することによる電源電圧の電圧降下やGND(グランド)電圧の上昇等の発生を低減することができる。
また、画素の全ての回路要素を1枚の基板に配置する場合と比較して、第1基板20の光電変換素子の面積を大きくすることが可能となるため、感度が向上する。さらに、アナログメモリを用いることによって、第2基板21に設ける信号蓄積用の領域の面積を小さくすることができる。
また、アナログメモリ231,232,233,234を設けたことによって、信号品質の劣化を低減することができる。特に、アナログメモリの容量値を電荷保持部の容量値よりも大きくする(例えば、アナログメモリの容量値を電荷保持部の容量値の5倍以上にする)ことによって、アナログメモリが保持する信号電荷が、電荷保持部が保持する信号電荷よりも大きくなる。このため、アナログメモリのリーク電流による信号劣化の影響を小さくすることができる。
また、クランプ容量260および第2転送トランジスタ271,272,273,274を設けることによって、第1基板20で発生するノイズの影響を低減することができる。第1基板20で発生するノイズには、第1増幅トランジスタ240に接続される回路(例えば第1リセットトランジスタ220)の動作に由来して第1増幅トランジスタ240の入力部で発生するノイズ(例えばリセットノイズ)や、第1増幅トランジスタ240の動作特性に由来するノイズ(例えば第1増幅トランジスタ240の回路閾値のばらつきによるノイズ)等がある。
また、アナログメモリ231,232,233,234をリセットしたときの信号と、光電変換素子201,202,203,204から電荷保持部230へ信号電荷を転送することによって発生する第1増幅トランジスタ240の出力の変動に応じた信号とを時分割で画素100Bから出力し、画素100Bの外部で各信号の差分処理を行うことによって、第2基板21で発生するノイズの影響を低減することができる。第2基板21で発生するノイズには、第2増幅トランジスタ241,242,243,244に接続される回路(例えば第2リセットトランジスタ221,222,223,224)の動作に由来して第2増幅トランジスタ241,242,243,244の入力部で発生するノイズ(例えばリセットノイズ)等がある。
本発明に係る第1の画素は例えば画素100Aに対応する。本発明に係る第2の画素は例えば画素100Bに対応する。本発明に係る信号蓄積回路は例えばアナログメモリ231,232,233,234に対応する。本発明に係る平均化回路は例えば平均化トランジスタ275,276に対応する。本発明に係る出力回路は例えば選択トランジスタ291,292,293,294に対応する。
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。上記では、2枚の基板が接続部で接続されている固体撮像装置の構成を示したが、3枚以上の基板が接続部で接続されていてもよい。3枚以上の基板が接続部で接続される固体撮像装置の場合、3枚以上の基板のうち2枚の基板が第1の基板と第2の基板に相当する。