JP2014011369A - 半導体装置及びそれを用いた電力変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】製造工程のばらつきに起因した閾値変動や短絡耐量低下などの特性変動を抑制できる半導体装置を提供する。
【解決手段】一対の主表面を有する半導体基板と、該半導体基板内に形成される第1導電型の第1半導体層と、該第1半導体層内に形成される一対のトレンチゲートと、該一対のトレンチゲートの間に形成される凸型形状の半導体層と、該凸型形状の半導体層の段差部に形成される第1導電型の第2半導体層と、前記凸型形状の半導体層の突起部に形成される第2導電型の第3半導体層と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力用の半導体装置とそれを用いた電力変換装置に関する。
電力用半導体装置として、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)や縦型のパワーMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などの絶縁ゲート縦型半導体装置が、電力変換装置に主に用いられている。
IGBTは、制御できる電力が数十ワットから数十万ワット、スイッチング周波数も数十ヘルツから百キロヘルツ超と幅広い。この特徴を生かして、エアコンや電子レンジなどの家庭用の省電力機器から、電気自動車や鉄道、製鉄所用のインバータまで広く使われている。
特許文献1には、IGBTの閾値電圧の特性が安定化するIGBTの断面構造の技術が開示されている。
特許文献1に開示された技術では、図13に示すように、IGBTの製造工程において、半導体基板の表面にp型ベース層PBを形成し、半導体基板の表面からp型ベース層PBよりも深い複数のトレンチ溝TRを形成する。さらに、トレンチ溝TR内に酸化膜OXを介してトレンチゲートTGを形成し、複数のトレンチ溝TR間にp型コンタクト層PCとトレンチ溝TRに隣接してn型ソース層NSとを形成する。n型ソース層NSはトレンチゲートTGの上端部をマスクにしてセルフアラインにより制御される。この製造工程により閾値電圧の特性が安定する。
また、特許文献2には、IGBTをコンパクトに形成する製造工程の技術が開示されている。
特許文献2に開示された技術では、図14(a)〜(d)に示すように、IGBTの製造工程において、半導体基板にトレンチ溝TRを形成した後、トレンチ溝TR間の半導体層を凸型状に加工する。その後、トレンチゲートTG、n型ソース層NSを形成し、BPSGなどの誘電体膜DIを形成する。誘電体膜DIをエッチングし、n型ソース層NSを露出させた後、n型ソース層NSをエッチングにより除去する。n型ソース層NSの除去領域にp型コンタクト層PCを形成した後、エミッタ電極EMTを形成し、絶縁ゲート縦型半導体装置が完成する。この製造工程により、n型ソース層やp型コンタクト層を自己整合的に形成できるため、トレンチ間隔を狭くすることができる。
特開平11−103052号公報 米国特許6916745明細書
しかしながら、特許文献1に開示された技術では、IGBTの製造工程において、n型ソース層NSを形成するための不純物を斜めに打ち込まなければならない。このため、トレンチゲートTG近傍では不純物濃度が薄くなってしまうという問題がある。なお、この問題は、ゲート電極の入力容量を低減させるために、トレンチゲートTGを深く埋め込んだ場合に顕在化する。
また、n型ソース層NS、p型コンタクト層PCともにレジストマスクを用いて形成するため、両者のマスク合わせずれによりn型ソース層NSとp型コンタクト層PCの重なり部分がばらつき、閾値変動や短絡耐量低下などの特性変動が生ずるという問題がある。
また、特許文献2に開示された技術では、IGBTの製造工程において、半導体層をエッチングした領域にn型ソース層NS、p型コンタクト層PCをそれぞれ形成するため、エッチング深さのばらつきにより各層の高さがばらついてしまうという問題がある。
この各層の高さのばらつきにより、n型ソース層NSとp型コンタクト層PCとの重なり部分がばらつき、閾値変動や短絡耐量低下などの特性変動が生ずるという問題がある。
本発明は、前記した問題に鑑みて創案されたものであり、その目的は、製造工程のばらつきに起因した閾値変動や短絡耐量低下などの特性変動を抑制できる半導体装置を提供することである。
前記の課題を解決して、本発明の目的を達成するために、以下のように構成した。
即ち、本発明の半導体装置は、一対の主表面を有する半導体基板と、該半導体基板内に形成される第1導電型の第1半導体層と、該第1半導体層内に形成される一対のトレンチゲートと、該一対のトレンチゲートの間に形成される凸型形状の半導体層と、該凸型形状の半導体層の段差部に形成される第1導電型の第2半導体層と、前記凸型形状の半導体層の突起部に形成される第2導電型の第3半導体層と、を備えることを特徴とする。
また、その他の手段は、発明を実施するための形態のなかで説明する。
以上、本発明によれば、製造工程のばらつきに起因した閾値変動や短絡耐量低下などの特性変動を抑制できる半導体装置を提供できる。
本発明の第1実施形態の半導体装置の断面(図3中A−A’)構造を示す図である。 本発明の第1実施形態の半導体装置の平面構造を示す図である。 本発明の第1実施形態の半導体装置のアクティブ領域に形成されたセルの平面構造を拡大して模式的に示す図である。 本発明の第1実施形態の半導体装置の断面(図3中B−B’)構造を示す図である。 本発明の第1実施形態の半導体装置の製造方法のn型バッファ層とトレンチ溝を形成する工程を示す図である。 本発明の第1実施形態の半導体装置の製造方法のゲート絶縁膜とトレンチゲートとp型ベース層を形成する工程を示す図である。 本発明の第1実施形態の半導体装置の製造方法のゲート絶縁膜を選択的に除去する工程を示す図である。 本発明の第1実施形態の半導体装置の製造方法のトレンチゲート間の半導体層の加工と除去とを-する工程を示す図である。 本発明の第1実施形態の半導体装置の製造方法のn型ソース層を形成する工程を示す図である。 本発明の第1実施形態の半導体装置の製造方法の平坦化の工程を示す図である。 本発明の第1実施形態の半導体装置の製造方法の半導体層の表面を露出させる工程を示す図である。 本発明の第1実施形態の半導体装置の製造方法のp型コンタクト層を形成する工程を示す図である。 本発明の第2実施形態の半導体装置の断面(図3中A−A’)構造を示す図である。 本発明の第2実施形態の半導体装置の断面(図3中B−B’)構造を示す図である。 本発明の第2実施形態の半導体装置の製造方法のn型バッファ層とトレンチ溝を形成する工程を示す図である。 本発明の第2実施形態の半導体装置の製造方法のマスクを縮小加工する工程を示す図である。 本発明の第2実施形態の半導体装置の製造方法の半導体層の加工と除去とをする工程を示す図である。 本発明の第2実施形態の半導体装置の製造方法のゲート絶縁膜とトレンチゲートを形成する工程を示す図である。 本発明の第2実施形態の半導体装置の製造方法のn型ソース層を形成する工程を示す図である。 本発明の第2実施形態の半導体装置の製造方法の平坦化させる工程を示す図である。 本発明の第2実施形態の半導体装置の製造方法の半導体層の表面を露出させる工程を示す図である。 本発明の第2実施形態の半導体装置の製造方法のp型コンタクト層を形成する工程を示す図である。 本発明の第3実施形態の半導体装置の断面(図3中A−A’)構造を示す図である。 本発明の第3実施形態の半導体装置の断面(図3中B−B’)構造を示す図である。 本発明の第3実施形態の半導体装置の製造方法のn型バッファ層と幅広のトレンチ溝を形成する工程を示す図である。 本発明の第3実施形態の半導体装置の製造方法のマスクを縮小加工する工程を示す図である。 本発明の第3実施形態の半導体装置の製造方法の半導体層の加工と除去とをする工程を示す図である。 本発明の第3実施形態の半導体装置の製造方法のゲート絶縁膜とサイドゲートとp型ベース層を形成する工程を示す図である。 本発明の第3実施形態の半導体装置の製造方法のn型ソース層を形成する工程を示す図である。 本発明の第3実施形態の半導体装置の製造方法の平坦化させる工程を示す図である。 本発明の第3実施形態の半導体装置の製造方法の半導体層の表面を露出させる工程を示す図である。 本発明の第3実施形態の半導体装置の製造方法のp型コンタクト層を形成する工程を示す図である。 本発明の第4実施形態の電力変換装置の回路構成の一例と直流電源と三相交流モータとの接続の関係を示す図である。 従来型半導体装置の要部構成を示す断面図である。 他の従来型半導体装置の製造方法を説明するための断面図である。
以下、本発明を実施する形態について、図面を参照して説明する。なお、各図および各実施形態において、同一または類似の構成要素には同じ符号を付し、適宜、説明を省略する。
<第1実施形態>
本発明に係る半導体装置の第1実施形態について図1〜図5Hを参照して説明する。
《断面構造・その1》
図1は、本発明の第1実施形態の半導体装置の断面(図3中A−A’)構造を示す図である。図1を簡単に説明する。詳細な説明は、別の断面(図3中B−B’)構造を示す図4とともに後記する。
図1において、半導体装置は一対の主表面を有する半導体基板を基に形成されている。この半導体基板の一対の主表面に相当する一方の表面が、図1の上方の面であり、他方の表面が、図1の下方の面である。ただし、半導体基板は第1実施形態の半導体装置を形成する過程において、様々に加工されるので、正確に一致するわけではない。一対の主表面を有する半導体基板との概略の関係を示したものであり、詳細は後記する。
図1の上面には、IGBTのエミッタ電極EMTが形成されており、下面には、IGBTのコレクタ電極COLが形成されている。
《平面構造》
次に、半導体装置の平面構造について説明する。
図2は、本発明の第1実施形態の半導体装置の上面から見た平面構造を示す図である。
ただし、半導体装置の上面には、図1に示したようにエミッタ電極EMTが配置されており、図2でエミッタ電極EMTを表記すると、半導体装置の中の構造を示すのが困難になるので、エミッタ電極EMTの表記は省略している。
図2において、IGBT構造からなる複数のトランジスタがアクティブ領域ACTに形成されている。
また、アクティブ領域ACTに形成されたトランジスタ構造の同一の繰り返しパターンの単位をセルCELLとしている。なお、セルCELLは必ずしもトランジスタ1個ではなく、図3に後記するように複数のトランジスタを組み合わせた同一パターンを単位としている
アクティブ領域ACTには、多数のセルCELLが配置されている。
また、アクティブ領域ACTに形成されたトランジスタ構造に半導体装置の外部から電気信号をIGBTのゲート電極(トレンチゲートTG)に接続する接続端子としてゲートパッドGPが備えられている。
なお、アクティブ領域ACTは、一例として3領域で表記されているが、アクティブ領域ACTとアクティブ領域ACTとの間の領域は、半導体装置としての配線領域としても用いられている。
図2において、図示されていないエミッタ電極EMTと同じ製造工程で、前記の配線領域の配線層が形成される。
また、コレクタ電極COLは、図1の下方の面に位置しているので、図2には示されていない。
したがって、IGBTとしてのエミッタ電極EMTとコレクタ電極COLは、図2では図示していない部分において、半導体装置の外部と接続される。
また、アクティブ領域ACTの周辺を取り囲むように、トランジスタを電気的に絶縁隔離し、半導体装置をデバイスとして有用なものとするためのターミネーション領域TERが配置されている。
《セルCELLの平面構造》
次に図3及び図2に示したセルCELLについて説明する。
図3は、本発明の第1実施形態の半導体装置のアクティブ領域ACTに形成されたセルCELL(図2)の平面構造を拡大して模式的に示す図である。
図3において、一対のトレンチゲートTGが規則的に形成されている。また、一対のトレンチゲートTGの間にH型形状の導電型がn型(第1導電型)であるn型ソース層NS(第2半導体層)が繰り返し形成されている。さらに一対のトレンチゲートTGと平行して導電型がp型(第2導電型)であるp型コンタクト層PC(第3半導体層)、およびコンタクトホールTHが形成されている。
また、以上の一対のトレンチゲートTG、H型形状のn型ソース層NS、平行するp型コンタクト層PCおよびコンタクトホールTHによる列状のパターンが、図3においては、3列として示されている。
図2に示したアクティブ領域ACTには、CELLと表記した領域のみならず、前記した列状のパターンが繰り返し、規則的に多数形成されている。
また、図3において、「A、A’」、「B、B’」で示した部分は、それぞれ図1、図4の断面図の切断線を表記している。
なお、前記したように図3は、構造を見やすいように表記するために模式的に示した図である。以下の点において、図3は、図1、図2、図4と必ずしも正確には対応していない。
<1>エミッタ電極EMTの表記を省略している。
<2>セルCELLのなかのトランジスタ(IGBT)の個数と大きさは、必ずしも図2を反映しているものではない。
<3>図3において3列で示された列状のパターンの間の領域は、図1、図4に示すようにp型コンタクト層PCが存在するが、図3において、この列状のパターンの間の領域のp型コンタクト層PCの表記を省略している。
<4>図4において示すように、n型ソース層NSの上にコンタクトホールTHが形成されているので、図3においてもコンタクトホールTHとn型ソース層NSの交差する箇所においては、上部に位置するコンタクトホールTHが表記される筈であるが、n型ソース層NSを表記している。これは、n型ソース層NSが平面として見た場合に「H」型の形状であることを優先して表記したためである。
《断面構造・その2》
再び図1に戻り、本発明の第1実施形態の半導体装置の断面(図3中A−A’)構造について説明する。
また、図4は、本発明の第1実施形態の半導体装置の断面(図3中B−B’)構造を示す図である。
なお、第1実施形態の半導体装置の構造の説明の都合上、図1の断面図と図4の断面図をあわせて説明する。
図1のA−A’断面図と図4のB−B’断面図において、コレクタ電極COLに接してホールエミッタ層PEが形成されており、さらにn型バッファ層NBとn型ドリフト層NDが順次形成されている。
また、n型ドリフト層ND内に一対のトレンチゲートTGが形成されており、ゲート絶縁膜GOXを介してゲート電極が埋め込まれている。
図1のA−A’断面図における一対のトレンチゲートTGの間(第1領域)には凸型形状の半導体層が形成されている。
また、図4のB−B’断面図における一対のトレンチゲートTGの間(第2領域)には、前記の第1領域の凸型形状の段差部と同じ高さにn型ソース層NSが形成されている。
第1領域および第2領域のn型ソース層NSは、それぞれコンタクトホールTHを介してエミッタ電極EMTと接している。
なお、凸型形状の半導体層とは、図1における断面構造において、p型ベース層PBとp型コンタクト層PCとn型ソース層NSとを併せた形状部分として定義する。
図1においては、p型ベース層PBとp型コンタクト層PCとn型ソース層NSとに別々な半導体層となっているが、不純物原子と不純物濃度に相異はあっても、いずれも半導体層であり、後記する製造工程を示す図5Dにおけるp型ベース層PBの形成される部分に相当する。
また、図1において、前記の凸型形状の半導体層内には、p型ベース層PB及びp型コンタクト層PCが形成されており、段差部においてn型ソース層NSが形成されている。
以上の構造によって、トレンチゲートTG(ゲート電極)の電位を制御することにより、ゲート絶縁膜GOXを介してp型ベース層PB(ベース)の電位を制御し、エミッタ電極EMTとコンタクトホールTHを介して接続されたp型コンタクト層PC、p型ベース層PB、n型ドリフト層ND(第1半導体層)、n型バッファ層NB、ホールエミッタ層PE、コレクタ電極COLの経路、並びに、エミッタ電極EMTとコンタクトホールTHを介して接続されたn型ソース層NS、p型ベース層PBに形成された反転層(nチャネル)、n型ドリフト層ND(第1半導体層)、n型バッファ層NB、ホールエミッタ層PE、コレクタ電極COLの経路で電流が流れるIGBTが形成される。
なお、図1、図4において、第1絶縁膜OX1と第2絶縁膜OX2は、IGBTをデバイスとして構成するために必要な要素としての絶縁層である。
<第1実施形態の半導体装置の製造方法>
次に、本発明の第1実施形態の半導体装置の製造方法について説明する。
図5A〜5Hは、本発明の第1実施形態の半導体装置の製造方法の各工程を示す図である。以下において、順に各工程を説明する。
《n型バッファ層とトレンチ溝を形成する工程》
図5Aは、本発明の第1実施形態の半導体装置の製造方法のn型バッファ層NBとトレンチ溝TRを形成する工程を示す図である。
図5Aにおいて、まず始めに、一対の主表面(表面と裏面)を有する半導体基板(Si基板)を用意し、公知のイオン打ち込みにより、このSi基板(厚さ約350μm)の裏面の全領域にリンイオンを打ち込み深さ約20μmのn型バッファ層NBを形成する。
また、反対側であるSi基板の表面に公知のドライエッチング法により深さ約5μmのトレンチ溝TRを形成する。なお、このときにはマスクMSKを用いて、所望の領域を選択的にドライエッチングして、トレンチ溝TRを形成する。
《ゲート絶縁膜とトレンチゲートとp型ベース層を形成する工程》
図5Bは、本発明の第1実施形態の半導体装置の製造方法のゲート絶縁膜GOXとトレンチゲートTGとp型ベース層PBを形成する工程を示す図である。
図5Bにおいて、まず、マスクMSKを撤去する。
次に、公知の熱酸化法によりゲート絶縁膜GOX(膜厚約100nm)を全面的に形成する。このとき、トレンチ溝TRの内部の底や側面にも、ゲート絶縁膜GOXは、形成される。
次に、公知のCVD(Chemical Vapor Deposition)法によりポリシリコン膜を埋め込み、トレンチゲートTGを形成する。なお、トレンチ溝TRの内部以外のポリシリコン膜は除去される。
さらにボロンイオンを打ち込みp型ベース層PBを形成する。
なお、ボロンイオンの打ち込みは、全面的に行なわれる。ゲート絶縁膜GOXの膜厚は薄いのでボロンイオンはゲート絶縁膜GOXを透過する。なお、このときのボロンイオンの打ち込みの所定のエネルギーと時間により、所望のp型ベース層PBの深さとp型の濃度が選択できる。
また、このときのボロンイオンによって形成されるp型ベース層PBの不純物濃度は、トレンチゲートTGのポリシリコン膜の不純物濃度よりも桁違いに低い。この濃度の差異によって、前記したボロンイオンの打ち込みは、トレンチゲートTGに影響を殆ど与えないで行うことが可能である。
《ゲート絶縁膜を選択的に除去する工程》
図5Cは、本発明の第1実施形態の半導体装置の製造方法のゲート絶縁膜GOXを選択的に除去する工程を示す図である。
図5Cにおいて、公知のホトリソグラフィによりレジストマスクRESを形成する。このレジストマスクRESは、必要な箇所のゲート絶縁膜GOXは残し、不要な箇所のゲート絶縁膜GOXは除去するように、領域を選択するものである。
レジストマスクRESに覆われていない領域は、ゲート絶縁膜GOXが除去される。
なお、断面A−A’の部分はトランジスタが形成される箇所であり、断面B−B’の部分はトランジスタが形成されない箇所であるので、断面A−A’と断面B−B’においては、p型ベース層PB上のゲート絶縁膜GOXを残すか、あるいは除去するかの工程上の差異がある。
《トレンチゲート間の半導体層の加工と除去する工程》
図5Dは、本発明の第1実施形態の半導体装置の製造方法のトレンチゲート間の半導体層の加工と除去とをする工程を示す図である。
図5Dにおいて、公知のドライエッチングにより、レジストマスクRESによって選択的に半導体層(PB)をエッチングする。このエッチングは所定の深さまで行われるので、所定の深さの下の半導体層(PB)は残される。
したがって、断面A−A’ではトレンチゲートTG間の半導体層(PB)は、レジストマスクRESに覆われた箇所と覆われていない箇所があり、覆われていない箇所がエッチングされるので、凸型形状に加工される。
また、断面B−B’ではトレンチゲートTG間の半導体層(PB)は、レジストマスクRESに覆われていないので、上部が一律的に除去される形状となる。
このために図5Dの断面A−A’と断面B−B’に示すような形状に半導体層(PB)は加工、あるいは除去される。
なお、以上の工程を経た凸型形状の半導体層の段差部は、図3のように半導体基板を平面的に見た場合に、「H」型の形状(H型形状)となる。
《n型ソース層NSを形成する工程》
図5Eは、本発明の第1実施形態の半導体装置の製造方法のn型ソース層NSを形成する工程を示す図である。
図5Eにおいて、図5Dに示す工程で使用した同じレジストマスクRESを用いて、図5Eの工程において、リンイオンを打ち込み段差部にn型ソース層NSを形成する。
なお、このn型ソース層NSを形成するリンイオンの打ち込みの不純物(リン)濃度は、p型ベース層PBをn型に反転させる濃度である。しかし、打ち込みエネルギーは低く抑えて、p型ベース層PBの下部には到達しないエネルギーが選択される。
また、n型ソース層NSを形成するリンイオンの打ち込みの不純物(リン)濃度は、トレンチゲートTGを形成するポリシリコン膜の不純物濃度よりは低く設定されているので、トレンチゲートTGには事実上、影響を与えない。
なお、以上の工程を経たn型ソース層NSは、凸型形状の半導体層の段差部に相当する箇所に形成されるので、図3においてはH型形状となる。
《平坦化の工程》
図5Fは、本発明の第1実施形態の半導体装置の製造方法の平坦化の工程を示す図である。
図5Fにおいて、まず、レジストマスクRESを除去した後に、BPSG(Boron Phosphorus Silicon Glass)などの第1絶縁膜OX1を全面的に形成し、熱処理により平坦化させる。
この平坦化の工程により、図5A〜図5Eの各工程によって生じた表面の段差が解消される。
《半導体層の表面を露出させる工程》
図5Gは、本発明の第1実施形態の半導体装置の製造方法の半導体層の表面を露出させる工程を示す図である。
図5Gにおいて、第1絶縁膜OX1をエッチングし、半導体層の表面を露出させる。なお、表面を露出させる半導体層はp型ベース層PBであるが、断面B−B’におけるn型ソース層NS直下のp型ベース層PBは該当しない。
《p型コンタクト層PCを形成する工程》
図5Hは、本発明の第1実施形態の半導体装置の製造方法のp型コンタクト層PCを形成する工程を示す図である。
図5Hにおいて、次に、ボロンイオンを全面的に打ち込み、p型コンタクト層PCを形成する。これによって、p型ベース層PBの表面近くのp型不純物濃度を高め、エミッタ電極EMTを形成する金属とオーミックなコンタクトがとれるp型不純物濃度とする。
この時、n型ソース層NSは膜厚の厚い第1絶縁膜OX1で覆われているため、ボロンイオンは打ち込まれない。そのために、ボロンイオンの打ち込みのエネルギーは、n型ソース層NSを覆う第1絶縁膜OX1を通過できないエネルギーの範囲で選択される。
また、p型コンタクト層PCは、凸型形状の半導体層に注入されるので、凸型形状の半導体層の段差部に形成されているn型ソース層NSとずれることなく配置されることになる。
《ホールエミッタ層とエミッタ電極とコレクタ電極を形成する工程》
図示を省略しているが、図5Hの工程が済んだ後に、次の工程が行われる。
<5I1>公知のCVD法により第2絶縁膜OX2を形成する。
<5I2>公知のイオン打ち込みによりホールエミッタ層PEを形成する。
<5I3>第2絶縁膜OX2の所定の位置にコンタクトホールTHを開ける。
<5I4>エミッタ電極EMTを形成する。
<5I5>コレクタ電極COLを形成する。
以上の工程によって、図1及び図4に示した断面構造の半導体装置(IGBT)が得られる。
第1実施形態によれば、半導体層の段差を利用してn型ソース層NSとp型コンタクト層PCを形成するため、マスク合わせずれを防止できる。これはラッチアップの防止に効果がある。なお、従来技術の工程では、n型ソース層NSとp型コンタクト層PCの形成においては、それぞれ別のマスクによって、形成していたので、マスクずれによるn型ソース層NSとp型コンタクト層PCの配置がずれる可能性があった。
さらに、p型コンタクト層PCの拡散時間の制御によりn型ソース層NSとp型コンタクト層PCの重なり部分を制御できるため、閾値変動や短絡耐量低下などの特性変動を抑制できるという効果がある。
<第2実施形態>
本発明に係る半導体装置の第2実施形態について図2、図3、図6、図7を参照して説明する。
本発明第2の実施形態における半導体装置の平面図は、図2と同様であり、アクティブ領域ACTの拡大図は図3と同様である。
図6は、本発明の第2実施形態の半導体装置の断面(図3中A−A’)構造を示す図である。
図7は、本発明の第2実施形態の半導体装置の断面(図3中B−B’)構造を示す図である。
図6、図7がそれぞれ図1、図4と異なるのは、一対のトレンチゲートTGの内側の半導体層が凸型形状であるだけでなく、外側の半導体層も凸型形状である点である。
なお、「外側の半導体層も凸型形状」とは、図6において、中央付近に位置する凸型形状の半導体層(PB+NS+PC)が内側の凸型形状の半導体層として、その左右に位置する凸型形状の半導体層(PB+PC)を「外側の半導体層も凸型形状」として見立てたものである。なお、図6においては、凸型形状の外側の半導体層は左右方向において半分しか表記していない。
この半導体層の形状以外は、図6、図7はそれぞれ図1、図4と同じ構成であるので重複する説明は省略する。
<第2実施形態の半導体装置の製造方法>
次に、本発明の第2実施形態の半導体装置の製造方法について説明する。
図8A〜8Hは、本発明の第2実施形態の半導体装置の製造方法の各工程を示す図である。以下において、順に各工程を説明する。
《n型バッファ層とトレンチ溝を形成する工程》
図8Aは、本発明の第2実施形態の半導体装置の製造方法のn型バッファ層NBとトレンチ溝TRを形成する工程を示す図である。
図8Aにおいて、まず始めに、公知のイオン打ち込みによりSi基板(厚さ約350μm)の裏面にリンイオンを打ち込み、深さ約20μmのn型バッファ層NBを形成する。
次に、反対側であるSi基板の表面に公知のドライエッチング法によりSi基板の表面に深さ約5μmのトレンチ溝TRを形成する。なお、このときにはマスクMSKを用いて、所望の領域を選択的にドライエッチングして、トレンチ溝TRを形成する。
その後に、図8Aの断面B−B’を示す図において中央部分のトレンチ溝間のマスクMSKを除去する。
なお、図8Aは、既に断面B−B’の中央の部分のマスクMSKを除去してしまった状況を図示している。
《マスクを縮小加工する工程》
図8Bは、本発明の第2実施形態の半導体装置の製造方法のマスクMSKを縮小加工する工程を示す図である。
図8Bにおいて、次に、公知の等方性エッチングによりマスクMSKを縮小加工(エッチング量約0.5μm)する。
《半導体層の加工と除去する工程》
図8Cは、本発明の第2実施形態の半導体装置の製造方法の半導体層の加工と除去とをする工程を示す図である。
図8Cにおいて、次に、公知のドライエッチングにより図3の断面A−A’ではトレンチ溝TR間の半導体層を凸型形状に加工し、図3の断面B−B’ではトレンチ溝TR間の半導体層を除去する。
なお、縮小加工されたマスクMSKにしたがって、半導体層を所定の深さまで加工すれば、図8Cの断面A−A’と断面B−B’の加工は同一工程で同時に達成される。
また、図8Cの断面A−A’におけるトレンチ溝TRにおける半導体層の段差部の形状は、トレンチ溝TRに対して、対称に形成されている。これは第1実施形態の図5Dにおける半導体層の段差部の形状が左右対称となる保証がないこととは異なる。第1実施形態の図5DではレジストマスクRESのマスクずれによっては、トレンチ溝TRに対して半導体層の段差部の形状の対称性が損なわれる可能性がある。
これに対して、図8Cの断面A−A’においては、トレンチ溝TRに対して自己整合的に半導体層の段差部が形成されるので、トレンチ溝TRに対しての対称性が高まる。
《ゲート絶縁膜とトレンチゲートを形成する工程》
図8Dは、本発明の第2実施形態の半導体装置の製造方法のゲート絶縁膜GOXとトレンチゲートTGを形成する工程を示す図である。
図8Dにおいて、マスクMSKを除去した後に、公知の熱アニールによりゲート絶縁膜GOX(膜厚約100nm)を全面的に形成する。
そして、次に、公知のCVD法によりポリシリコン膜を埋め込み、トレンチゲートTGを形成する。なお、トレンチ溝TRの内部以外のポリシリコン膜は除去される。
さらにボロンイオンを所定のエネルギーで全面に打ち込み、p型ベース層PBを形成する。
《n型ソース層NSを形成する工程》
図8Eは、本発明の第2実施形態の半導体装置の製造方法のn型ソース層NSを形成する工程を示す図である。
図8Eにおいて、公知のホトリソグラフィによりレジストマスクを形成し、リンイオンを打ち込みn型ソース層NSを形成する。
なお、このとき、凸型形状の半導体層の段差部にn型ソース層NSが形成されるが、それのみならず、凸型形状の半導体層の頂上部にもn型不純物層NS2が形成される。
しかしながら、このn型不純物層NS2は後記するようにp型コンタクト層PCを打ち込む工程において、p型に反転して消えてしまう。
《平坦化させる工程》
図8Fは、本発明の第2実施形態の半導体装置の製造方法の平坦化させる工程を示す図である。
図8Fにおいて、BPSGなどの第1絶縁膜OX1を全面的に形成し、熱処理により平坦化させる。
この平坦化の工程により、図8A〜図8Eの各工程によって生じた表面の段差が解消される。
《半導体層の表面を露出させる工程》
図8Gは、本発明の第2実施形態の半導体装置の製造方法の半導体層の表面を露出させる工程を示す図である。
図8Gにおいて、第1絶縁膜OX1をエッチングし、半導体層(PB+NS2)の表面を露出させる。
《p型コンタクト層PCを形成する工程》
図8Hは、本発明の第2実施形態の半導体装置の製造方法のp型コンタクト層PCを形成する工程を示す図である。
図8Hにおいて、ボロンイオンを全面的に打ち込みp型コンタクト層PCを形成する。
この工程により、p型ベース層PBの表面近くのp型不純物濃度を高め、エミッタ電極EMTを形成する金属とオーミックなコンタクトがとれるp型不純物濃度とする。
また、このとき、半導体層表面のn型不純物層NS2は、ボロンイオンによりp型に反転する。しかし、その他のn型ソース層NSは、第1絶縁膜OX1で覆われているため、ボロンイオンは打ち込まれない。
そのために、ボロンイオンの打ち込みのエネルギーは、n型ソース層NSを覆う第1絶縁膜OX1を通過できないエネルギーの範囲で選択される。
《ホールエミッタ層とエミッタ電極とコレクタ電極を形成する工程》
図示を省略しているが、図8Hの工程が済んだ後に、次の工程が行われる。
<8I1>公知のCVD法により第2絶縁膜OX2を形成する。
<8I2>公知のイオン打ち込みによりホールエミッタ層PEを形成する。
<8I3>第2絶縁膜OX2の所定の位置にコンタクトホールTHを開ける。
<8I4>エミッタ電極EMTを形成する。
<8I5>コレクタ電極COLを形成する。
以上の工程によって、図6及び図7に示した断面構造の半導体装置(IGBT)が得られる。
第2実施形態によれば、前記したように半導体層の段差部を自己整合的に形成できるため、マスク合わせずれの問題は発生せず、n型ソース層NSとp型コンタクト層PCの重なり部分を精度良く制御できる。
したがって、閾値変動や短絡耐量低下などの特性変動をより効果的に抑制できる。
さらに、マスク合わせずれの問題が生じないためトレンチゲートTGの間隔を狭くすることができ、半導体装置をコンパクト化するとともに、損失を低減できる。
なお、以上の製造工程を経た結果、図6、図7の断面図に示された一対のトレンチゲートTGの内側の半導体層が凸型形状であるだけでなく、外側の半導体層も凸型形状である構造の半導体装置ができたのであって、外側の半導体層も凸型形状にすることが目的であったわけではない。
第2実施形態の製造工程によって、n型ソース層NSとp型コンタクト層PCの重なり部分を精度良く制御できることやトレンチゲートTGの間隔を狭くできることが大きな効果である。
<第3実施形態>
次に、本発明に係る半導体装置の第3実施形態について図2、図3、図9、図10を参照して説明する。
本発明の第3の実施形態における半導体装置の平面図は、図2と同様であり、アクティブ領域ACTの拡大図は図3と同様である。
図9は、本発明の第3実施形態の半導体装置の断面(図3中A−A’)構造を示す図である。
図10は、本発明の第3実施形態の半導体装置の断面(図3中B−B’)構造を示す図である。
図9、図10がそれぞれ図1、図4と異なるのは、一対のトレンチゲートTGの代わりに、一対のゲート電極がサイドゲートSGになっている点と、一対のサイドゲートSGの外側の半導体層がエッチングされてなくなり、その部分が代わりに第1絶縁膜OX1となっている点である。
この半導体層の形状以外は、図9、図10はそれぞれ図1、図4と同じ構成であるので重複する説明は省略する。
<第3実施形態の半導体装置の製造方法>
次に、本発明の第3実施形態の半導体装置の製造方法について説明する。
図11A〜11Hは、本発明の第3実施形態の半導体装置の製造方法の各工程を示す図である。以下において、順に各工程を説明する。
《n型バッファ層と幅広のトレンチ溝を形成する工程》
図11Aは、本発明の第3実施形態の半導体装置の製造方法のn型バッファ層NBと幅広のトレンチ溝WTRを形成する工程を示す図である。
図11Aにおいて、まず始めの工程として、公知のイオン打ち込みによりSi基板(厚さ約350μm)の裏面にリンイオンを打ち込み、深さ約20μmのn型バッファ層NBを形成する。
次に、マスクMSKをSi基板の表面に選択的な形状で形成する。
次に、マスクMSKで選択された領域において、公知のドライエッチング法によりSi基板の表面に深さ約5μmの幅広のトレンチ溝WTRを形成する。
その後、図3の断面A-A’においては、マスクMSKを残し、断面B−B’においてマスクMSKが無くなるように、マスクMSKを選択的に除去する。
図11Aは、以上の工程がすべて行われた状態を表記している。
《マスクを縮小加工する工程》
図11Bは、本発明の第3実施形態の半導体装置の製造方法のマスクMSKを縮小加工する工程を示す図である。
図11Bにおいて、その後、公知の等方性エッチングによりマスクMSKを縮小加工(エッチング量約0.5μm)する。
《半導体層の加工と除去する工程》
図11Cは、本発明の第3実施形態の半導体装置の製造方法の半導体層の加工と除去とをする工程を示す図である。
図11Cにおいて、マスクMSKに基づき公知のドライエッチングにより半導体層をエッチングする。すると、図3の断面A−A’では幅広のトレンチ溝WTR間の半導体層は、マスクMSKがある部分の下においてはエッチングされず、マスクMSKがない箇所においては、所定の深さまで半導体層はエッチングされる。
したがって、図11Cの断面A−A’のマスクMSKがある部分の近傍において半導体層NDは、凸型形状に加工される。
一方、図3の断面B−B’の幅広のトレンチ溝WTR間の半導体層の上には、マスクMSKがないので、前記のドライエッチングの工程において、半導体層(ND)は一律に所定の深さ(高さ)までエッチングされる。そのため、断面A−A’の凸型形状とは異なり、断面B−B’においては所定の高さの半導体層の上面が平坦な形状となる。
《ゲート絶縁膜とサイドゲートとp型ベース層を形成する工程》
図11Dは、本発明の第3実施形態の半導体装置の製造方法のゲート絶縁膜とサイドゲートとp型ベース層PBとを形成する工程を示す図である。
図11Dにおいて、マスクMSKを除去した後に、公知の熱アニールによりゲート絶縁膜(膜厚約100nm)を全面的に形成する。
また、公知のCVD法によりポリシリコン膜を選択的に形成し、サイドゲートSGを形成する。
さらに、公知のホトリソグラフィによりレジストマスクを形成し、ボロンイオンを選択的に打ち込みp型ベース層PBを形成する。
《n型ソース層を形成する工程》
図11Eは、本発明の第3実施形態の半導体装置の製造方法のn型ソース層NSを形成する工程を示す図である。
図11Eにおいて、前記のレジストマスクを用いて、リンイオンを打ち込みn型ソース層NSを形成する。
このとき、併せて、凸型形状の半導体層(PB)の頂上部にもn型不純物層NS2が形成される。しかしながら、このn型不純物層NS2は、後記するようにp型コンタクト層PCを形成するためにボロンイオンを打ち込む工程において、p型に反転して消えてしまう。
なお、n型ソース層NSを形成するリンイオンの打ち込みのエネルギーは、図11Dで説明したp型ベース層PBを形成するボロンイオンの打ち込みのエネルギーよりも低く設定して、p型ベース層PBが残るようにする。
《平坦化させる工程》
図11Fは、本発明の第3実施形態の半導体装置の製造方法の平坦化させる工程を示す図である。
図11Fにおいて、次に、BPSGなどの第1絶縁膜OX1を形成し、熱処理により平坦化させる。
この平坦化の工程により、図11A〜図11Eの各工程によって生じた表面の段差が解消される。
《半導体層の表面を露出させる工程》
図11Gは、本発明の第3実施形態の半導体装置の製造方法の半導体層の表面を露出させる工程を示す図である。
図11Gにおいて、第1絶縁膜OX1をエッチングし、半導体層(PB+NS2)の表面を露出させる。
《p型コンタクト層PCを形成する工程》
図11Hは、本発明の第3実施形態の半導体装置の製造方法のp型コンタクト層PCを形成する工程を示す図である。
図11Hにおいて、ボロンイオンを全面的に打ち込み、p型コンタクト層PCを形成する。
なお、このとき、半導体層表面のn型不純物層NS2は、ボロンイオンによりp型に反転するが、第1絶縁膜OX1で覆われたn型ソース層NSは、ボロンイオンが打ち込まれない。つまり、ボロンイオンの打ち込みエネルギーは、第1絶縁膜OX1で覆われたn型ソース層NSに到達しないエネルギーに設定される。
《ホールエミッタ層とエミッタ電極とコレクタ電極を形成する工程》
図示を省略しているが、図11Hの工程が済んだ後に、次の工程が行われる。
<11I1>公知のCVD法により第2絶縁膜OX2を形成する。
<11I2>公知のイオン打ち込みによりホールエミッタ層PEを形成する。
<11I3>第2絶縁膜OX2の所定の位置にコンタクトホールTHを開ける。
<11I4>エミッタ電極EMTを形成する。
<11I5>コレクタ電極COLを形成する。
以上の工程によって、図9及び図10に示した断面構造の半導体装置(IGBT)が得られる。
第3実施形態によれば、ゲート電極がサイドゲート構造であるため、ゲート電極と半導体層との重なり面積が小さく負荷容量を低減できる。
これによって、スイッチングが高速になり半導体装置の損失を低減できる。
<第4実施形態>
本発明の半導体装置を電力変換装置に適用した第4実施形態について説明する。
図12は、本発明の第4実施形態の電力変換装置10の回路構成の一例と直流電源Vccと三相交流モータ300(交流負荷)との接続の関係を示す図である。
図12において、第4実施形態である電力変換装置10は、一対の直流端子であるP端子200、N端子201と、交流出力の相数と同数の交流端子であるU端子210、V端子211、W端子212とを備えている。
また、一対の電力スイッチング素子101および102の直列接続からなり、その直列接続点に接続されるU端子210を出力とするスイッチングレッグを備える。
また、それと同じ構成の電力スイッチング素子103および104の直列接続からなり、その直列接続点に接続されるV端子211を出力とするスイッチングレッグを備える。
また、それと同じ構成の電力スイッチング素子105および106の直列接続からなり、その直列接続点に接続されるW端子212を出力とするスイッチングレッグを備える。
前記の電力スイッチング素子101〜106からなる3相分のスイッチングレッグは、P端子200、N端子201の直流端子間に接続されて、直流電源Vccから直流電力が供給される。
また、電力変換装置10の3相の交流端子であるU端子210、V端子211、W端子212は三相交流モータ300に三相交流電源として接続されている。
また、電力スイッチング素子101〜106には、それぞれ逆並列にダイオード111〜116が接続されている。
また、IGBTからなる電力スイッチング素子101〜106のそれぞれのゲートの入力端子には、ゲート回路121〜126によって制御される。なお、ゲート回路121〜126は統括制御回路(不図示)によって統括的に制御されている。
ゲート回路121〜126によって、それぞれ電力スイッチング素子101〜106を統括的に適切に制御して、直流電源Vccの直流電力は、三相交流電力に変換され、U端子210、V端子211、W端子212から出力される。
本発明の第4実施形態の電力変換装置10では、前記した第1〜第3実施形態のIGBTを電力スイッチング素子101〜106として用いている。
第1〜第3実施形態のIGBTは、前記したように、特性ばらつき、および損失の低減により、信頼性が高く、消費電力が小さい。そのため、第1〜第3実施形態のIGBTを用いている電力変換装置も同様の特性を有する。したがって、信頼性が高く、消費電力が小さい電力変換装置を提供することができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、本発明はこれら実施形態およびその変形に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の工程、製造、設計変更等があってもよく、以下にその例をあげる。
《塗布型絶縁膜》
第1〜第3実施形態において、第1絶縁膜OX1の形成方法はBPSGなどの反応ガスを流して絶縁膜を堆積させる方法を例として示したが、これらには限定されない。SOG(Spin On Glass)などの塗布型絶縁膜で形成してもよい。
塗布型絶縁膜を用いた場合には、平坦性が向上し製造歩留まりが向上する効果がある。
《Si基板の厚さ、トレンチ溝、幅広のトレンチ溝、n型バッファ層の深さ》
第1〜第3実施形態において、Si基板の厚さは約350μmとしたがこれに限るものではなく、電力容量に応じて任意の厚さを選ぶことができる。
また、トレンチ溝TR、幅広のトレンチ溝WTRの深さも約5μmとしたがこれに限るものではなく任意の深さを選ぶことができる。
また、n型バッファ層NBは20μmより深くしてもよいし、浅くしてもよい。
n型バッファ層NBを20μmより深くした場合、ターンオフ時により多くのホールがコレクタ側に残存するため発振を抑制できる。
また、n型バッファ層NBを20μmより浅くした場合、n型ドリフト層NDを厚くできるため耐圧が向上する。
《ゲート絶縁膜の膜厚》
第1〜第3実施形態において、ゲート絶縁膜GOXの膜厚は約100nmとしたがこれに限るものではない。
ゲート絶縁膜GOXの膜厚を薄くすれば、トランジスタの電流が増加しオン電圧を低減できる。また膜厚を厚くすれば、ゲート酸化膜の耐圧が向上し、半導体装置の信頼性が向上する。
これらオン電圧の低減と信頼性の向上はトレードオフの関係にあり、低オン電圧と高信頼性を両立させるためには、ゲート酸化膜の膜厚は50nm以上150nm以下であることが望ましい。
《半導体層のp、n》
第1〜第3実施形態において、第1導電型の第1半導体層であるNDと第1導電型の第2半導体層であるn型ソース層NSとを、n型の半導体層とし、第2導電型の第3半導体層であるp型コンタクト層をp型の半導体層とした例で説明したが、第1導電型と第2導電型のn型とp型の関係を全く逆の関係にして形成しても本発明の半導体装置は構成できる。用途に応じた様々の半導体装置を提供できる可能性がある。
《縦型MOSトランジスタ》
第1〜第3実施形態において、Si基板の裏面にホールエミッタ層PEを形成した縦型バイポーラトランジスタ(IGBT)の例を示したが、本発明は裏面のホールエミッタ層PEを形成しない縦型MOSトランジスタにも適用可能である。
ACT アクティブ領域
CELL セル
COL コレクタ電極
DI 誘電体膜
EMT エミッタ電極
GP ゲートパッド
GOX ゲート絶縁膜
MSK マスク
ND n型ドリフト層、半導体層(第1半導体層)
NB n型バッファ層
NS n型ソース層(第2半導体層)
NS2 n型不純物層
OX1 第1絶縁膜
OX2 第2絶縁膜
PB p型ベース層
PC p型コンタクト層(第3半導体層)
PE ホールエミッタ層
RES レジストマスク
SG サイドゲート
TER ターミネーション領域
TH コンタクトホール
TG トレンチゲート
TR トレンチ溝
Vcc 直流電源
WTR 幅広のトレンチ溝
10 電力変換装置
101〜106 電力スイッチング素子、IGBT
111〜116 ダイオード
121〜126 ゲート回路
200 P端子
201 N端子
210 U端子
211 V端子
212 W端子
300 モータ

Claims (11)

  1. 一対の主表面を有する半導体基板と、
    該半導体基板内に形成される第1導電型の第1半導体層と、
    該第1半導体層内に形成される一対のトレンチゲートと、
    該一対のトレンチゲートの間に形成される凸型形状の半導体層と、
    該凸型形状の半導体層の段差部に形成される第1導電型の第2半導体層と、
    前記凸型形状の半導体層の突起部に形成される第2導電型の第3半導体層と、
    を備えることを特徴とする半導体装置。
  2. 前記半導体基板の平面視において、
    前記凸型形状の半導体層の段差部はH型形状であることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記一対のトレンチゲートの間に形成される半導体層の形態の異なる領域からなり、互いに隣接する第1領域と第2領域とを有し、
    前記第1領域または前記第2領域のどちらか一方の領域に前記凸型形状の半導体層を備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  4. 前記一対のトレンチゲートの間に形成される半導体層の形態の異なる領域からなり、互いに隣接する第1領域と第2領域とを有し、
    前記第1領域と前記第2領域の両方の領域に前記凸型形状の半導体層を備えることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  5. 一対の主表面を有する半導体基板と、
    該半導体基板内に形成される第1導電型の第1半導体層と、
    該第1半導体層内に形成される一対のサイドゲートと、
    該一対のサイドゲートの間に形成される凸型形状の半導体層と、
    該凸型形状の半導体層の段差部に形成される第1導電型の第2半導体層と、
    前記凸型形状の半導体層の突起部に形成される第2導電型の第3半導体層と、
    を備えることを特徴とする半導体装置。
  6. 前記半導体基板を平面的に見た場合において、
    前記凸型形状の半導体層の段差部はH型形状であることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
  7. 前記一対のサイドゲートの間に形成される半導体層の形態の異なる領域からなり互いに隣接する第1領域と第2領域とを有し、
    前記第1領域または前記第2領域のどちらか一方の領域に前記凸型形状の半導体層を備え、他方の領域では半導体層がエッチングされていることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置。
  8. 一対の主表面を有する半導体基板と、
    該半導体基板内に形成される第1導電型の第1半導体層と、
    前記第1半導体層内に形成される一対のゲート電極と、
    中央部を残し両端がエッチングされる凸型形状の領域と前記凸型形状の段差部と同じ高さに全面がエッチングされる領域とが繰り返し形成される前記一対のゲート電極間の半導体層と、
    該半導体層の前記凸型形状の段差部および前記全面がエッチングされる領域に形成される第1導電型の第2半導体層と、
    前記半導体層の前記凸型形状の領域の突起部において第2導電型の第3半導体層と、
    を備えることを特徴とする半導体装置。
  9. 前記ゲート電極は、トレンチゲート型であることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
  10. 前記ゲート電極は、サイドゲート型であることを特徴とする請求項8に記載の半導体装置。
  11. 一対の半導体装置をスイッチング素子として直列に接続したスイッチングレッグを複数備え、前記一対の半導体装置の接続点を交流端子とし、前記一対の半導体装置の両端を直流端子とし、
    前記半導体装置は請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載された半導体装置であることを特徴とする電力変換装置。
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