実施の形態1.
図1は、本発明による実施の形態1の画像形成ユニットを備えた画像形成装置の要部構成図である。
同図において、画像形成装置1は、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の4色を印刷可能なカラー用電子写真式プリンタとしての構成を備えている。画像形成装置1は、ロワーフレーム101とトップカバー109を有する。また画像形成装置1には、用紙搬送ローラ102a〜102dを有する概ねS字状の用紙搬送路103が形成されており、この用紙搬送路103の、上流側端部には記録用紙60を収納する給紙カセット107が配置され、下流側端部にはスタッカ104が設けられている。
用紙搬送路103には、給紙カセット107から記録用紙60を繰り出す用紙繰り出し部108、繰り出された記録用紙60を静電効果により転写ベルト105aに付着させて矢印方向に搬送する転写ベルトユニット105、及びトナー画像を記録用紙60に定着させる定着器106が設けられている。
転写ベルトユニット105とによって、転写ベルト105aに付着して搬送される記録用紙60を挟む位置に、記録用紙60の搬送方向上流側より順にブラック(K)のトナー画像を形成する画像形成ユニット121、イエロー(Y)のトナー画像を形成する画像形成ユニット122、マゼンタ(M)のトナー画像を形成する画像形成ユニット123、及びシアン(C)のトナー画像を形成する画像形成ユニット124が一列に、画像形成装置1本体に対して着脱自在に配列されている。尚、画像形成装置1の画像形成ユニット121〜123のように、構成要素の個々に対して、その構成要素を除いた部分を画像形成装置1本体と称す場合がある。
そして画像形成ユニット121の上部には、後述するトナー供給ユニット801(図2)が配設され、ユーザによって交換可能な現像剤カートリッジ131がこのトナー供給ユニット801に対して着脱自在に配置され、感光体ドラム51と対向する位置に露光装置141が配置される。同様に、画像形成ユニット122に対しては、現像剤カートリッジ132と露光装置142が、画像形成ユニット123に対しては、現像剤カートリッジ133と露光装置143が、そして画像形成ユニット124に対しては、現像剤カートリッジ134と露光装置144が同様に対向して配置される。
尚、図1中のX、Y、Zの各軸は、記録用紙60が画像形成ユニット121〜124を通過する際の搬送方向にX軸をとり、後述する感光体ドラム51の回転軸方向にY軸をとり、これら両軸と直交する方向にZ軸をとっている。また、後述する他の図においてX、Y、Zの各軸が示される場合、これらの軸方向は、共通する方向を示すものとする。即ち、各図のXYZ軸は、各図の描写部分が、図1に示す画像形成装置1を構成する際の配置方向を示している。またここでは、Z軸が略鉛直方向となるように配置されるものとする。
本実施の形態においては、これらの画像形成ユニット121〜124、現像剤カートリッジ131〜134、露光装置141〜144は、それぞれ同一構成であり、使用される現像剤としてのトナーの色のみが異なるため、ここではブラック(K)の画像形成ユニット121を例にとり、その内部構造を以下に説明する。
図2は、画像形成ユニット121と現像剤カートリッジ131の要部内部構成を示す概略構成図であり、図3は画像形成ユニット121の外観斜視図であり、図4は、画像形成ユニット121をドラムユニット200と現像ユニット300とに分離した状態を示す分解斜視図である。
これ等の図2〜図4に示すように、画像形成ユニット121は、像担持体としての感光体ドラム51を有する第1のユニットとしてのドラムユニット200と、現像剤担持体としての現像ローラ53を有する第2のユニットとしての現像ユニット300の2つのユニットからなり、ドラムユニット200のフレームに現像ユニット300が係合して一体化されている。
ドラムユニット200には、静電潜像を形成する感光体ドラム51、この感光体ドラム51を帯電させる帯電装置52、及び感光体ドラム51上の残留トナーを除去するクリーニング部57が備えられ、現像ユニット300には、感光体ドラム51に圧接される現像ローラ53、現像ローラ53に圧接した状態で配置され、現像ローラ53の表面に現像剤としてのトナー54の薄層を形成する現像ブレード55、現像ローラ53にトナー54を供給する供給ローラ56、及び後述するトナー供給ユニット801を介して現像剤カートリッジ131から供給されたトナー54を収容する現像剤収容室59が備えられ、画像形成ユニット121では、感光体ドラム51上の静電潜像に現像ローラ53によりトナー54を供給して静電潜像を現像し、トナー画像とする。
画像形成ユニット121の感光体ドラム51に対向する位置には、転写ローラ151が、記録用紙60を搬送する転写ベルト105aを介して圧接された状態で配設されている。この転写ローラ151は、感光体ドラム51上のトナー画像を転写ベルト105aによって搬送される記録用紙60に転写する。図1に示すように、同様にして転写ローラ152は画像形成ユニット122に対向して配置され、転写ローラ153は画像形成ユニット123に対向して配置され、転写ローラ154は画像形成ユニット124に対向して配置されている。
ここで、画像形成装置1の印刷動作の概略を説明する。
印刷が起動されると、画像形成装置1は、図1に示す用紙繰り出し部108によって、給紙カセット107から記録用紙60を繰り出し、この記録用紙60を用紙搬送路103に沿って下流側に搬送する。そしてこの搬送中の、転写ベルト105aによる搬送過程で、画像形成ユニット121〜124によって個々に形成したトナー画像を、転写ローラ151〜154により順次記録用紙60の記録面上に重ねて転写し、更に定着器106によって記録面上へのトナー画像の定着を行った後、印刷済みの記録用紙60をスタッカ104へ搬送する。
この印刷時、画像形成ユニット121では、後述するトナー供給ユニット801を介して現像剤カートリッジ131から供給されたブラックのトナー54を供給ローラ56により現像ローラ53に供給し、現像ローラ53に供給したトナー54を現像ブレード55により均一な厚さに均す。そして、露光装置141によって感光体ドラム51上に形成された静電潜像を均一化されたトナー54によって顕像化、即ち現像し、トナー画像を形成する。
このようにして感光体ドラム51上に形成されたトナー画像は、上記したように転写ローラ151によって記録用紙60に電気的に転写される。記録用紙60上に転写されず、感光体ドラム51の表面に残った残留トナーは、クリーニング部57によって除かれ、図示しないトナー収集部に蓄積される。他の画像形成ユニット122〜124においても、それぞれ対応する色のトナー画像が順次重ねて転写されるタイミングで、同様の動作が行われる。
次に図5〜図8、図12を参照しながら、現像ユニット300の構成について更に説明する。図5は現像ユニット300の外観斜視図、図6は現像ユニット300の一方の現像端部フレーム304を外し、その端部に配置された駆動部を示す外観斜視図、図7は、この駆動部を現像端部フレーム304で覆った状態を示す外観斜視図、図8は、現像ユニット300の他方の端部を現像端部フレーム305で覆った状態を示す外観斜視図、そして図12は、画像形成装置1本体側に設けられた駆動力伝達部を示す外観斜視図である。
現像ユニット300には、現像ローラ53、供給ローラ56(図2)の各外周面と所定の隙間を保って各ローラを被い、現像剤収容室59(図2)の空間を形成する現像主フレーム301と、この現像主フレーム301の両端部に、現像ローラ53及び供給ローラ56を回転可能に支持する現像側面フレーム302、303が配置され、その上面には現像剤収容室59につながるトナー供給口70が形成されている。
現像側面フレーム302の外側面には、現像ローラ53及び供給ローラ56を回転させる駆動ギヤ列が配置されている。ギヤ列は、現像ローラ53の回転軸53aの端部に固定された現像ローラギヤ311、供給ローラ56の回転軸56aの端部に固定された供給ローラギヤ312、及び現像側面フレーム302に形成された図示しない回転軸によって回転可能に保持され、現像ローラギヤ311及び供給ローラギヤ312とそれぞれ噛合する駆動入力部としての駆動受領ギヤ313とで構成されている。
駆動受領ギヤ313は、回転軸方向に突出する端部に結合部313aが形成されている。この結合部313aに形成された凹部313bには、後述するように、現像ユニット300とドラムユニット200とが一体化した画像形成ユニット121が画像形成装置1本体に装着されてトップカバー109が閉じる段階で、画像形成装置1本体に設けられた現像駆動出力部161の凸部161a(図12)が嵌入する。
尚、ここで画像形成ユニット121を画像形成装置1本体に装着する方法について説明する。図1に示す画像形成装置1のロワーフレーム101の手前側(Y軸プラス側)の左側壁101a(図12)には、現像駆動出力部161や後述するドラム駆動出力カップリング160が形成されており、一方図1に示す画像形成装置1のロワーフレーム101の奥側(Y軸マイナス側)の右側壁(図示ぜず)は、開閉自在に形成されている。
従って、画像形成ユニット121を画像形成装置1本体に装着するには、先ずロワーフレーム101の右側壁を開き、画像形成ユニット121をY軸のプラス方向にスライドさせながら、結合部313aに形成された凹部313bに現像駆動出力部161の凸部161a(図12)が嵌入可能な位置まで画像形成装置1本体内に押し込み、上記左側壁を閉じて装置内に位置決めするものである。
駆動受領ギヤ313の結合部313aの凹部313bと嵌合する凸部161aが形成された現像駆動出力部161は、図示しない一般的なオルダムカップリング機構を内部に備え、現像駆動出力部161と駆動受領ギヤ313の結合部313aとのわずかな中心ズレがあっても、調芯作用が働かない駆動伝達を行っている。
尚、現像駆動出力部161と、後述するドラム結合部210(図10)と結合するドラム駆動出力カップリング160とは、図示しないリンク機構によってトップカバー109の開閉動作と連動し、トップカバー109を開けた状態と閉めた状態とでは、感光体ドラム51の回転軸方向におけるドラム駆動出力カップリング160の位置、及び駆動受領ギヤ313の回転軸方向における現像駆動出力部161の位置がそれぞれ異なるように構成されている。
即ち、トップカバー109を開けた状態では、ドラム駆動出力カップリング160がドラム結合部210と、また現像駆動出力部161が駆動受領ギヤ313とそれぞれ離間して回転力が伝わらない位置に移動し、トップカバー109を閉めた状態では、ドラム駆動出力カップリング160がドラム結合部210と、また現像駆動出力部161が駆動受領ギヤ313とそれぞれ係合して回転力が伝わる位置に移動するように構成されている。
図7に示すように、現像側面フレーム302には、駆動受領ギヤ313の結合部313aのみが外側に貫通する開口部を有し、ギヤ列等の他の部分を被うように形成された現像端部フレーム304が回転軸方向の外側から被せされ且つ固定されている。また図8に示すように、現像側面フレーム303には、この現像側面フレーム303に形成された現像ローラ53及び供給ローラ56の各軸受け部を被うように、現像端部フレーム305が回転軸方向の外側から被せされ且つ固定されている。
現像端部フレーム304には、駆動受領ギヤ313の結合部313aの両側に、一体に形成された、第1の被係合部としての支持ポスト314及び第2の被係合部としての支持ポスト315が、例えば現像ローラ53の回転軸方向と平行に外側に突出するように形成されている。一対の支持ポスト314、315は、ここでは駆動受領ギヤ313の回転軸中心を通る、重力方向に対して略垂直な同一水平線上で、現像ユニット300の重心をまたぐ位置に配置されている。尚、ここでいう略垂直とは、80°〜100°である。
この場合、支持ポスト314、315の水平方向の位置は、駆動受領ギヤ313の回転中心から等距離でなくてもかまわない。また、支持ポスト314、315を、駆動受領ギヤ313の回転中心を通る同一直線上で、回転中心から等距離に配置する場合は、その同一直線が水平線に対して角度があってもかまわない。これらの理由については後で説明する。
そして、支持ポスト315の下方には後述する付勢部材250(図10)を引掛ける為の金属製の付勢部材支持ポスト316が配置されている。
一方図8に示すように、現像端部フレーム305に形成される支持ポスト317,318、及び付勢部材支持ポスト319は、ここでは現像ローラ53の回転軸と現像ユニット300の中央部で垂直に交わる仮想平面に対して、現像端部フレーム304に形成された支持ポスト314,315、及び付勢部材支持ポスト316と面対称に形成されているものとする。
本実施の形態では、支持ポスト314,315を現像端部フレーム304に一体に形成したが、これらを例えば金属製のポストとして現像端部フレーム304に取り付けるように構成してもよいし、現像側面フレーム302に形成することも可能である。支持ポスト317,318についても同様である。
次に図9〜図11、図12を参照しながら、ドラムユニット200の構成について更に説明する。図9は、ドラムユニット200の分解斜視図、図10は、図9に示すドラムフレーム201の一方の側壁部201aの部分を拡大した外観斜視図、図11は、ドラムフレーム201の他方の側壁部201bの部分を図10とは反対側から見た外観斜視図である。
ドラムユニット200には、帯電装置52及びクリーニング部57(図2)を備えるサブフレーム202と、サブフレーム202を装着し、感光体ドラム51を回転自在に保持するドラムフレーム201が備えられている。サブフレーム202は、帯電装置52及びクリーニング部57を被うように形成され、ドラムフレーム201の基部201cに装着される。ドラムフレーム201は、支持する感光体ドラム51の回転軸方向に延在する基部201cと、この基部201cを挟んで感光体ドラム51の回転軸方向の両端部において互いに対向して形成され、感光体ドラム51の回転軸の一端側及び他端側を回転自在に保持する側壁部201a及び側壁部201bとを有し、全体略コ字状に形成されている。これらの側壁部201a,201bは、それぞれ感光体ドラム51の回転軸と垂直に延在している。
尚、サブフレーム202がドラムフレーム201に装着されると、図3に示すように、帯電装置52及びクリーニング部57が感光体ドラム51と平行に延在し、それぞれ所定の接触圧で感光体ドラム51と接触する。
図10に示すように、感光体ドラム51の回転軸の一方の端部には、これを支持する側壁部201aの外側において、ドラム結合部210が固定されている。このドラム結合部210に形成された3つの凹部210aには、現像ユニット300とドラムユニット200とが一体とされて画像形成装置1本体に装着されてトップカバー109が閉じる段階で、画像形成装置1本体に設けられたドラム駆動出力カップリング160の3つの凸部160a(図12)がそれぞれ嵌入する。
ドラムフレーム201のドラム側壁201aには、現像ユニット300をドラムユニット200に取り付ける際に、現像ユニット300に配置されている駆動受領ギヤ313の結合部313aが貫通する貫通穴224が形成されている。この貫通穴224の内径は、貫通する結合部313aの外径よりやや大きく形成され、これらの間に所定の隙間が形成される。またこの貫通穴224の両脇には、現像ユニット300に配置された支持ポスト314(図7)が嵌入する第1の係合部としての位置規制穴221、及び現像ユニット300に配置された支持ポスト315(図7)が嵌入する第2の係合部としての位置規制穴222がそれぞれ形成されている。
位置規制穴221の上面221a及び下面221bは、互いに平行に形成され、後述するように画像形成ユニット121を画像形成装置1本体に装着した状態で、重力方向に対して略垂直(略水平)となるように形成され、更にその間隔が、嵌入する支持ポスト314の外径より微小量大きく設定されている。もう一方の位置規制穴222も同様に形成されている。即ち、上面222a及び下面222bは互いに平行に形成され、画像形成ユニット121を画像形成装置1本体に装着した状態で、重力方向に対して略垂直(略水平)となるように形成され、更にその間隔が、嵌入する支持ポスト315の外径より微小量大きく設定されている。これにより形成される両者間(位置規制穴221と支持ポスト314の間、及び位置規制穴222と支持ポスト315の間)の垂直方向の隙間が0.01mm〜0.05mm程度となるのが望ましい。
また、位置規制穴221の面221c、面221dは、位置規制穴221の上面221a或いは下面221bに沿って移動する支持ポスト314の移動を規制するように互いに対向して形成される。後述するように、付勢部材250の付勢によって現像ローラ53が感光ドラム51に付勢されるよう、面221cと面221dの間隔が支点ポスト314の外径よりも大きくなるように形成した。ここでは、面221cと面221dの間隔を、支点ポスト314の外径に対して1mm〜5mm大きくした。規制穴222における面222c、面222dの、形状及び支点ポスト315の関係も同様である。従って、ここでは、位置規制穴221,222は、重力方向に対して略垂直な水平方向に長手方向を有する長孔とした。
位置規制穴221の下部には付勢部材250を収容する溝225と付勢部材250の一端部を固定する付勢部材固定ポスト223が形成されている。
一方図11に示すように、側壁部201bに形成される位置規制穴226,227、溝228、及び付勢部材固定ポスト229は、ここでは感光体ドラム51の回転軸とドラムユニット200の中央部で垂直に交わる仮想平面に対して、側壁部201aに形成される位置規制穴221,222、溝225、及び付勢部材固定ポスト223と面対称に形成されているものとする。従って、位置規制穴226と支持ポスト317の間、及び位置規制穴227と支持ポスト318の間の、各垂直方向の隙間も0.01mm〜0.05mm程度となるのが望ましく、位置規制穴226、227は、それぞれ位置規制穴221,222と同様の、重力方向に対して略垂直な水平方向を長手方向とする長孔に形成されている。
図13は、画像形成ユニット121、即ちドラムユニット200に現像ユニット300を取り付けて両者が互いに係合した状態を示す状態説明図である。尚、図13の状態説明図は、その画像形成ユニット121が、画像形成装置1本体に装着された状態を示すものである。
このとき、現像ユニット300は、その支持ポスト314,315(317,318)が、それぞれドラムユニット200の位置規制穴221,222(226,227)に嵌入し、それぞれ対応する位置規制穴221,222(226,227)の鉛直方向の下面221b,222b(226b,227b)に当接し、その表面上をすべることで、水平方向(現像ローラ53と感光体ドラム51が離接する方向)に移動可能に支持される。そして付勢部材250(250)の、一方の端部がそれぞれドラムフレーム201の付勢部材固定ポスト223(229)に固定され、他方の端部がそれぞれ現像ユニット300の付勢部材支持ポスト316(319)に固定される。尚、この段落での()内の符号は、図13に示されない側壁部201bと現像端部フレーム305の関係を示している。
また、側壁部201bと現像端部フレーム305間の作用は、側壁部201aと現像端部フレーム304間と同様に作用するため、以後、側壁部201aと現像端部フレーム304間の作用のみを例にして説明する。
付勢部材250は、このとき略水平方向に伸張した状態で延在し、鉛直方向において、支持ポスト314,315の位置と、感光体ドラム51と現像ローラ53が接触する接触部の位置との間に位置するように構成されている。この位置で付勢することにより、現像ユニット300に新たな回転モーメントによる力を作用させることなく現像ユニット300を移動できる。この結果、現像ユニット300は、ドラムユニット200に対して、図中矢印A方向に付勢力を受けて水平方向に移動し、感光体ドラム51と現像ローラ53が所定の圧力で接触する。
尚、画像形成ユニット121が寿命まで使用される間に、現像ローラ53と供給ローラ56の外径は摩耗する。これにより、支持ポスト314、315は位置規制穴221、222の中で感光体ドラム51方向へ移動するが、この移動を許容するため、位置規制穴221、222の横幅は支持ポスト314、315の外径に対して摩耗に伴う支持ポスト移動量以上の隙間を設けることが必要である。
ここで、画像形成ユニット121が動作中に生じる力について説明する。このとき、現像ユニット300に働く力は大きく別けて3つある。即ち、駆動受領ギヤ313を中心に、現像ユニット300の負荷トルクによって発生する回転力、現像ユニット300の自重による重力、及び感光体ドラム51と現像ローラ53の接触部での接触による摩擦力である。各力による現像ローラ位置に作用する力の大きさは、回転力が1.5〜2.5Kgf程度、重力が1〜2Kgf程度、そして摩擦力が0.3Kgf程度であり、回転力と自重による重力が大きく、摩擦力は3つの中では非常に小さい。摩擦力のばらつきや変動はさらに小さい為、これによる感光体ドラム51と現像ローラ53の接触圧への影響は無視しても問題ない。従って、感光体ドラム51と現像ローラ53の接触圧へ影響を与える力は回転力と重力とすることができるため、これら力の影響を無くすことで、感光体ドラム51と現像ローラ53の接触圧の変動を無くすことができる。
ここで、画像形成ユニット121の動作中に生じるこれらの力が、画像形成ユニット121に及ぼす影響について、図14を参照しながら説明する。
画像形成ユニット121が画像形成装置1本体に装着され、トップカバー109が閉じられると、前記したように、画像形成装置1本体側に設けられた駆動力伝達部(図12)のドラム駆動出力カップリング160と画像形成ユニット121のドラム結合部210が、また本体側の現像駆動出力部161と画像形成ユニット121の駆動受領ギヤ313の結合部313aがそれぞれ機械的に結合し、画像形成装置1の印刷動作に応じて画像形成装置1本体から駆動力を受けて、感光体ドラム51は矢印B方向に、駆動受領ギヤ313は矢印C方向にそれぞれ所定の回転速度で回転する。
図6に示すように、駆動受領ギヤ313と噛合する現像ローラギヤ311を備えた現像ローラ53は、駆動受領ギヤ313の矢印C方向の回転により駆動が伝達され、矢印D方向に回転して印刷動作を開始する。このとき、現像ユニット300は、自身の負荷トルクにより生ずる、駆動受領ギヤ313を中心に矢印E方向に回転しようとする回転モーメントによる力と、自身の自重による重力を受ける。
図15は、現像ユニット300の、駆動受領ギヤ313の回転中心に対する支持ポスト314,315の配設位置によって変化する、感光体ドラム51と現像ローラ53の接触圧に及ぼす変動要因を説明するための模式図である。
以下、図15を参照しながら、感光体ドラム51と現像ローラ53の接触圧に、上記した回転モーメントによる力や重力による変動要因の影響を軽減するための方法について説明する。尚、側壁部201b(図9)と現像端部フレーム305(図8)間の作用は、側壁部201a(図9)と現像端部フレーム304(図7)間と同様に作用するため、ここでも、側壁部201aと現像端部フレーム304間の作用のみを例にして説明する。
本実施の形態では、画像形成ユニット121は、画像形成装置1本体に対して着脱自在に設けられ、現像ローラ53を回転自在に保持する現像ユニット300は、ドラムユニット200にスライド移動可能に取り付けられてドラムユニット200と共に画像形成ユニット121を構成する。従って、図14に示す駆動受領ギヤ313が矢印C方向に回転するとき、現像ローラ53の回転負荷トルクによって、現像ユニット300には、図14に示す矢印E方向の回転モーメントによる力が働き、この力は、支持ポスト314,315、これを嵌入する位置規制穴221,222を介してドラムユニット200に伝わる。
従って、配慮すべき第1の条件は、回転モーメントによる力によって、位置規制穴221に嵌入する支持ポスト314及び位置規制穴222に嵌入する支持ポスト315にスライド方向の力が発生し、それらの合力がスライド方向(ここでは水平方向)に生じないように考慮する点である。もし合力がスライド方向に生じると、この合力は前記回転負荷トルクの変動に追従して変動するため、感光体ドラム51と現像ローラ53の接触圧に影響を及ぼし、これを変動してしまう。
また、配慮すべき第2の条件は、現像ユニット300の自重による重力によって、位置規制穴221に嵌入する支持ポスト314及び位置規制穴222に嵌入する支持ポスト315にスライド方向の力が発生し、それらの合力がスライド方向(ここでは水平方向)に生じないように考慮する点である。もし合力がスライド方向に生じると、この合力は、トナー消費、補給に伴う現像ユニットの重力の変動に追従して変動するため、同様に感光体ドラム51と現像ローラ53の接触圧が変動してしまう。
先ず、図14に示すように、第1の係合部としての位置規制穴221と第1の被係合部としての支持ポスト314との係合部と、第2の係合部としての位置規制穴222と第2の被係合部としての支持ポスト315との係合部との間に、駆動入力部としての駆動受領ギヤ313を配置する。これによって駆動受領ギヤ313が回転したときに、駆動受領ギヤ313自体に生ずる位置変位しようとする力が軽減されるため、これに起因する感光体ドラム51と現像ローラ53との間の接触圧の変動を低減することができる。
更に本実施の形態では、図15(a)に配置例Bとして示すように、駆動受領ギヤ313の中心と支持ポスト314,315が水平方向に同一直線上に位置するように配置し、且つ駆動受領ギヤ313の中心と支持ポスト314及び315の中心とを通る半径方向と平行に形成された位置規制穴221の上面221a及び位置規制穴222の下面222bによって、支持ポスト314、315からの回転モーメントによる力を受けている。これにより各係合部では上下方向にのみ力が発生するため、前記した考慮すべき第1の条件を満たし、感光体ドラム51に対する現像ローラ53の押し付け力或いは引き離し力が発生して感光体ドラム51と現像ローラ53の接触圧が変動するのを低減している。
尚、位置規制穴221,222の回転モーメントによる力を受ける面が上記したように形成されていれば、例えば図15(a)に配置例Aとして示すように、同一直線上に配置された駆動受領ギヤ313の中心と支持ポスト314,315とが、水平方向に対して傾斜して配置されていても、各係合部ではスライド方向に力が生じることがないため、前記した考慮すべき第1の条件を満たす。ここでは、各支持ポスト314,315から駆動受領ギヤ313の中心までの距離が等しい例を示しているが、等しくなくてもかまわない。
次に、図15(b)に示す各配置例A,B,Cでは、現像ユニットの重心Pを、水平方向において支持ポスト314と支持ポスト315の間に配置し、位置規制穴221の水平に形成された下面221b及び位置規制穴222の水平に形成された下面222bによって対向する支持ポスト314及び支持ポスト315からの画像形成ユニット121の重力を受けている。これにより前記した考慮すべき第2の条件を満たし、感光体ドラム51に対する現像ローラ53の押し付け力或いは引き離し力が発生して感光体ドラム51と現像ローラ53の接触圧が変動するのを低減している。
次に、上記した第1の条件と第2の条件とを同時に満たす配置について考察する。
先ず第2の条件を満たすには、図15(b)に示すように、位置規制穴221の下面221b及び位置規制穴222の下面222bを水平面とする必要があり、このため現像ユニット300を水平方向にスライドできるように位置規制穴221,222を形成する。これを踏まえ、更に第1の条件を満たすには、図16(a)に示すように配置する。この配置は図15の配置例Bと同じであるため説明は省略するが、このように配置することにより、第1の条件も満たすことができる。この場合、同図に示すように、駆動受領ギヤ313の中心と支持ポスト314又は支持ポスト315と距離が等しくなくてもよい。
図16(a)中のa1,a2は、各係合部で規制面に対して垂直に働く重力を示し、図16(a)中のb1,b2は、同じく各係合部で規制面に対して垂直に働く回転モーメントによる力を示す。
ここで、駆動受領ギヤ313の回転中心は、第1の被係合部としての支持ポスト314と第2の被係合部としての支持ポスト315の中心を結んだ直線Lの近傍に設けられるのが好ましい。ここでの近傍とは、支持ポスト314と支持ポスト315との距離をD1としたときに駆動受領ギヤ313の回転中心から直線Lまでの距離D2がD1の20%以下であり、この場合に、本実施の形態のように支持ポスト314、315と、駆動受領ギヤ313の回転中心とを同一直線上に配置した場合と略同様の効果が得られることが実験により確認されている。
更に、図16(b)に示すように、第2の条件を満たすべく現像ユニット300を水平方向にスライドできるように位置規制穴221,222を形成し、同一直線上に配置された駆動受領ギヤ313の中心と支持ポスト314,315とを、水平方向に対して傾斜して配置しても、各支持ポストと駆動受領ギヤ313の中心との距離が等しい場合には、同時に第1の条件を満たすことができる。この場合、規制面が水平の為、回転モーメントによる力b3,b4の水平成分b3−h,b4−hを発生するが、これらの水平成分は、互いに方向が逆で、大きさが等しいため、これらの合力によって、スライド方向に力が生じることがないため、前記した考慮すべき第1の条件も満たすことができる。
以上のように、駆動受領ギヤ313は、第1の被係合部としての支持ポスト314と第2の被係合部としての支持ポスト315との略中央に設けられるのが好ましい。ここでの略中央とは、支持ポスト314と支持ポスト315との距離をD1としたときに駆動受領ギヤ313の回転中心から支持ポスト314までの距離D3がD1の40%〜60%の範囲であり、この場合に、距離D3がD1の50%(図16(b)の配置)の場合と同様の効果が得られることが実験により確認されている。
従って、現像ユニット300の支持ポスト314,315,317,318は、それぞれが回転モーメントと画像ユニット300自身の重力の各4分の1程度の成分を受け、それらの成分の合力によって、位置規制穴221,222,226,227の下面或いは上面に作用するものの鉛直上下方向の移動は規制される。このとき、水平方向への分力は、もともと生じないか、生じても互いに打ち消すように生じるため、印刷時に、現像ユニット300を水平方向に作用する力は、付勢部材250による付勢力のみとなる。
尚、本実施の形態では、ドラムユニット200に位置規制穴221,222,226,227を設け、現像ユニット300に支持ポスト314,315,317,318を設けたが、これに限定されるものではなく、ドラムユニット200に支持ポストを設け、現像ユニット300に位置規制穴を設け、同様の作用効果が生じるように構成することも可能である。
以上のように、本実施の形態の画像形成ユニットによれば、印刷動作時に現像ローラの回転負荷トルクによって生ずる回転モーメントによる力と、現像ユニットの自重による力によって、水平方向にスライド可能に保持された現像ユニットを水平方向に移動させる力が生じないように構成されているため、付勢部材によって設定される感光体ドラム51と現像ローラ53の接触圧が、回転負荷トルクの変動や、トナー消費、補給に伴う現像ユニットの重力の変動に影響されにくく、安定化するため、かぶり、白抜け印刷、グレイネスの悪化、現像剤フィルミング等の印刷品質低下を低減することが可能となる。
実施の形態2.
図17は、本発明による実施の形態2の画像形成装置に採用されるドラムユニット400、現像ユニット500の外観斜視図、図18は、これらドラムユニット400、現像ユニット500を別の方向からみた外観斜視図、図19は、実施の形態2の画像形成装置2本体を、トップカバー109を開けた状態で斜め上方からみた外観斜視図である。
実施の形態2の画像形成装置2が前記した実施の形態1の画像形成装置1と主に異なる点は、ドラムユニット400と現像ユニット500とが、実施の形態1のように画像形成ユニット121(図3参照)のように結合した状態で画像形成装置1に装着されるのではなく、それぞれ個別に画像形成装置2本体に装着される点である。従って、本実施の形態の画像形成装置が、前記した実施の形態1の画像形成装置と共通する部分には同符号を付して、或いは図面を省いて説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。
図17、図18を参照しながら、ドラムユニット400及び現像ユニット500の構成について説明する。
ドラムユニット400の両側面には、ドラムフレーム401に係止されたドラム側面フレーム402、404が配置され、これらドラム側面フレーム402,404には、感光体ドラム51の回転中心軸と同軸で、回転軸方向の外側に突出する円筒状のドラムユニット支持部402a,404aが一体的に形成されている。ドラムユニット支持部402a,404aには、感光体ドラム51の回転軸を回転自在に支持する軸穴が形成され、ドラムユニット支持部402a側では、感光体ドラム51の回転軸に固定されたドラム結合部210が軸方向において外部に突出している。また、ドラムフレーム401の両側面の上部には、感光体ドラム51の回転軸方向と平行に外側に突出した円柱形状のドラムユニット支持ポスト403,405が一体で形成されている。
尚、これらのドラムユニット支持ポスト403,405は、互いに対向する位置に配置され、ドラムユニット支持部402a,404aは、外径が等しく形成されている。
一方、現像ユニット500の両側面には、現像側面フレーム302,303に係止された現像端部フレーム504,505が配設され、これらの現像端部フレーム504、505には、前記した実施の形態1で説明した支持ポスト314、315、317、318と同位置で直径が細い金属製の支持ポスト514、515、517、518が固定配置されている。また駆動受領ギヤ313の結合部313aは、現像端部フレーム504に形成された開口部を貫通して外側に突出している。現像ユニット500において、この駆動受領ギヤ313と噛合して回転が伝達される構成については前記した実施の形態1の現像ユニット300と同じなのでここでの説明は省略する。
また現像端部フレーム504には、前記した実施の形態1で説明した現像ユニット300の付勢部材支持ポスト316(図7参照)に対応する位置に、感光体ドラム51とは反対側に面して垂直に形成された付勢受け面506aを有する付勢受け部506が形成され、同じく現像端部フレーム505には、前記した実施の形態1で説明した現像ユニット300の付勢部材支持ポスト319(図8参照)に対応する位置に、感光体ドラム51とは反対側に面して垂直に形成された付勢受け面507aを有する付勢受け部507が形成されている。
尚、現像端部フレーム504に形成される支持ポスト514,515及び付勢受け部506と、現像端部フレーム505に形成される支持ポスト517,518及び付勢受け部507とは、ここでは現像ローラ53の回転軸と現像ユニット500の中央部で垂直に交わる仮想平面に対して、面対称に形成されているものとする。
次にこれらのドラムユニット400と現像ユニット500を装着する画像形成装置2本体側の構成について図19〜図21を参照しながら説明する。
図19は、ドラムユニット400と現像ユニット500を装着する画像形成装置2本体側の内部構成を示す外観斜視図である。図19に示すように、画像形成装置2本体には、ロワーフレーム171の内側において、左側壁171aに4つの左保持フレーム172,173,174,175がX軸方向に一列に備えられ、右側壁171bに、右保持フレーム182が左保持フレーム172に対向して、右保持フレーム183が左保持フレーム173に対向して、右保持フレーム184が左保持フレーム174に対向して、そして右保持フレーム185が左保持フレーム175に対向してX軸方向に一列に備えられている。後述するように、これら対向する4対の保持フレームには、それぞれ一対のドラムユニット400及び現像ユニット500が装着される。
図20は、ロワーフレーム171の左側壁171aに配設された隣接する2つの左保持フレーム172,173を斜め上方から見た外観斜視図であり、図21は、ロワーフレーム171の右側壁171bに配設された隣接する2つの右保持フレーム182,183を斜め上方から見た外観斜視図である。尚、4つの左保持フレーム172〜175は、同形状に形成されているため、ここでは代表して左保持フレーム172の構成について説明し、同じく、4つの右保持フレーム182〜185は、同形状に形成されているため、ここでは代表して右保持フレーム182の構成について説明する。
図20に示すように、左保持フレーム172は、ドラム駆動出力カップリング160が貫通して内側に臨む開口部172a及び現像駆動出力部161が貫通して内側に臨む開口部172bを備え、開口部172aの下部には、V字形状に形成された傾斜平面601a,601bを有するドラムユニット保持部601が形成されている。この傾斜平面601a,601bには、後述するように、対応して装着されるドラムユニット400のドラムユニット支持部402a(図17)の外周面が各傾斜平面と線接触し、これによりドラムユニット400の一方の側の装着位置が決まる。
開口部172aの斜め上方には、溝602が形成されている。この溝602は、ドラムユニット400の装着時にそのドラムユニット支持ポスト403(図17)が上方から嵌入できるように鉛直上方が開放され、ドラムユニット支持ポスト403の径より僅かに広い溝幅を有し、ドラムユニット400が装着した状態で、鉛直下方の下面とドラムユニット支持ポスト403との間に所定の隙間が出来るように形成されている。
一方、図21に示すように、左保持フレーム172に対向して配置される右保持フレーム182に形成されたドラムユニット保持部701及び溝702は、ここではY軸とロワーフレーム171の中央部で垂直に交わる仮想平面に対して、左保持フレーム172に形成されたドラムユニット保持部601及び溝602と面対称に形成されている。従って、上記したように左保持フレーム172がドラム側面フレーム402(図17)と係合したのと同様に、右保持フレーム182のドラムユニット保持部701及び溝702が、ドラム側面フレーム404(図18)のドラムユニット支持部404a及びドラムユニット支持ポスト405と係合し、これによりドラムユニット400の他方の側の装着位置が決まる。
図20に示すように、現像駆動出力部161が貫通する、左保持フレーム172の開口部172aの両脇には規制溝603と規制溝604が形成されている。規制溝603は、鉛直方向に形成されて上方が開放された導入溝部603bとこの導入溝部603bの下端から水平方向のドラムユニット保持部601側に連続して延在する位置規制部603aからなる。規制溝604も、鉛直方向に形成されて上方が開放された導入溝部604bとこの導入溝部604bの下端から水平方向のドラムユニット保持部601側に連続して延在する位置規制部604aからなる。
導入溝部603b及び導入溝部604bは、対応する現像ユニット500の装着時にその現像端部フレーム504(図17)に配設された支持ポスト514及び支持ポスト515が嵌入できるように鉛直上方が開放され、支持ポスト514,515の径より僅かに広い溝幅を有し、位置規制部603a及び位置規制部604aは、現像ユニット500を装着した状態で、支持ポスト514及び支持ポスト515を水平方向にガイドする。
一方、図21に示すように、左保持フレーム172に対向して配置される右保持フレーム182に形成された規制溝703及び規制溝704は、ここではY軸とロワーフレーム171の中央部で垂直に交わる仮想平面に対して、左保持フレーム172に形成された規制溝603及び規制溝604と面対称に形成されている。従って、上記したように左保持フレーム172が現像端部フレーム504(図17)と係合したのと同様に、右保持フレーム182の規制溝703及び規制溝704が、現像端部フレーム505(図18)の支持ポスト517及び支持ポスト518と係合するものである。
支持ポスト514,515,517,518に対する位置規制部603a,604a,703a,704aの位置及び形状の関係は、前記した実施の形態1で説明した支持ポスト314,315,317,318に対する位置規制穴221,222,226,227の位置及び形状の関係と同条件で形成されるものである。従って、ドラムユニット400及び現像ユニット500が共に画像形成装置2本体に装着された段階で、現像ユニット500は、水平方向(現像ローラ53と感光体ドラム51が離接する方向)に移動可能に支持される。
また図20に示すように、規制溝604の下方には、装着された現像ユニット500の付勢受け部506(図17)が矢印方向(水平方向)に移動可能に収まる切欠き部172cが形成されている。また隣接配置された左保持フレーム173に形成された凹部173d(左保持フレーム172の凹部172dに相当)には、ロワーフレーム171の左側壁171aに配設された支持部に一端が支持されて、他端部にコマ605を保持する付勢部材606が収まっている。
同様に、図21に示すように、規制溝704の下方には、装着された現像ユニット500の付勢受け部507が矢印方向(水平方向)に移動可能に収まる切欠き部182cが形成されている。また隣接配置された右保持フレーム183に形成された凹部183d(右保持フレーム182の凹部182dに相当)には、ロワーフレーム171の右側壁171bに配設されたリンク機構に一端が支持されて、他端部にコマ705を保持する付勢部材706が収まっている。
従って、ドラムユニット400及び現像ユニット500が共に画像形成装置2本体に装着され、付勢部材606で付勢されたコマ605が付勢受け部506の付勢受け面506aに圧接し、付勢部材706で付勢されたコマ705が付勢受け部507の付勢受け面507aに圧接することにより、感光体ドラム51と現像ローラ53とが所定の接触圧となるように現像ローラ53を付勢する。
ここでコマ605,705は、図示しないリンク機構によってトップカバー109の開閉動作と連動して第1の状態と第2の状態に切り替わる。即ち、トップカバー109を開けた状態で、コマ605は、付勢受け面506aから離間して隣接する左保持フレーム173の凹部173d内に収まる位置まで水平移動されて位置規制され、同じくコマ705は、付勢受け面507aから離間して隣接する右保持フレーム183の凹部183d内に収まる位置まで水平移動されて位置規制される。そしてトップカバー109を閉じた状態では、コマ605,705に対する位置規制が解除され、コマ605及びコマ705は、上記したようにそれぞれ付勢受け部506の付勢受け面506a及び付勢受け部507の付勢受け面507aに圧接する。
前記した実施の形態1で説明したように、現像駆動出力部161とドラム駆動出力カップリング160(図20)とは、図示しないリンク機構によってトップカバー109(図19)の開閉動作と連動し、トップカバー109を開けた状態と閉めた状態とでは、感光体ドラム51の回転軸方向におけるドラム駆動出力カップリング160の位置、及び駆動受領ギヤ313の回転軸方向における現像駆動出力部161の位置がそれぞれ異なるように構成されている。
即ち、トップカバー109を開けた状態では、ドラム駆動出力カップリング160がドラム結合部210と、また現像駆動出力部161が駆動受領ギヤ313の結合部313aとそれぞれ離間して回転力が伝わらない退避位置に移動し、トップカバー109を閉めた状態では、ドラム駆動出力カップリング160がドラム結合部210と、また現像駆動出力部161が駆動受領ギヤ313の結合部313aとそれぞれ係合して回転力が伝わる作動位置に移動する。また、退避位置で、ドラム駆動出力カップリング160及び現像駆動出力部161は、それぞれドラムユニット400及び現像ユニット500の着脱時の移動を妨げない位置まで退避している。
更に、本実施の形態では、トップカバー109の開閉動作と連動して、ドラムユニット支持部402a,404aを加圧する図示しないリンク機構及び加圧部材が装備されている。即ち、この加圧部材は、トップカバー109を開けた状態では、感光体ドラム51の回転軸方向の外側に退避し、トップカバー109を閉めた状態では、ドラムユニット400のドラムユニット支持部402,404aを鉛直方向上方から加圧する。
以上の構成において、画像形成装置2本体に対するドラムユニット400及び現像ユニット500の着脱動作について説明する。尚、右保持フレーム182及びコマ705とドラム側面フレーム404及び現像端部フレーム505(図18)の係合関係は、左保持フレーム172及びコマ605とドラム側面フレーム402及び現像端部フレーム504(図17)と同じであるため、ここでは、左保持フレーム172及びコマ605とドラム側面フレーム402及び現像端部フレーム504の関係のみを例にして説明する。
図22は、画像形成装置2本体に対するドラムユニット400の着脱動作を説明するための動作説明図であり、同図(a)は、画像形成装置2本体に対してドラムユニット400が離間した状態を示し、同図(b)は、画像形成装置2本体に対してドラムユニット400が装着された状態を示している。図23は、画像形成装置2本体に対する現像ユニット500の着脱動作を説明するための動作説明図であり、同図(a)は、画像形成装置2本体に対して現像ユニット500が離間した状態を示し、同図(b)は、画像形成装置2本体に対して現像ユニット500が装着されるも、現像ユニット500に対してコマ605,705が離間した状態を示し、同図(c)は、現像ユニット500をコマ605,705が付勢する状態を示している。
図22において、画像形成装置2のトップカバー109が開いた状態で、ドラムユニット400を、装着位置の上方から鉛直方向下方に移動させていくと(図22(a)の状態)、やがてドラムユニット400のドラムユニット支持部402aが、画像形成装置2本体に配設された左保持フレーム172のドラムユニット保持部601の傾斜平面601a,601bにそれぞれ線接触する。同時に、ドラムユニット400のドラムユニット支持ポスト403が溝602に入り込み、水平方向の移動が規制されて装着動作が完了する(図22(b)の状態)。
図23において、同じく画像形成装置2のトップカバー109が開いた状態で、現像ユニット500を鉛直方向下方に移動させていくと、やがて現像ユニット500の支持ポスト514が左保持フレーム172の規制溝603の導入溝部603bに入り、同じく支持ポスト515が左保持フレーム172の規制溝604の導入溝部604bに入り始める(図23(a)の状態)。鉛直方向の移動が進み、やがて支持ポスト514及び支持ポスト515が、それぞれ導入溝部603b及び導入溝部604bの最下部に至り、装着動作が完了する(図23(b)の状態)。
この状態でトップカバー109を閉じると、ドラム駆動出力カップリング160がドラム結合部210と、また現像駆動出力部161が駆動受領ギヤ313の結合部313aとそれぞれ結合して回転力が伝わる位置に移動する。同時にドラムユニット支持部402aが鉛直方向上方から加圧部材により加圧されてドラムユニット400が固定され、更にコマ605が位置規制を解除されて付勢受け部506の付勢受け部507aに圧接し、感光体ドラム51と現像ローラ53とが所定の接触圧となるように、現像ローラ53を付勢する(図23(c)の状態)。
尚、本実施の形態では、画像形成装置2本体に対して、ドラムユニット400及び現像ユニット500を上方から出し入れする構成であるため、これらの着脱動作時に、画像形成装置2本体に固定されるトナー供給ユニット801(図1)が邪魔となるが、ここでは、トナー供給ユニット801も画像形成装置2本体に着脱自在に構成されているものとし、ドラムユニット400及び現像ユニット500の出し入れは、このトナー供給ユニット801を外した状態で行なうものとする。
図示せぬ指令部より印刷指令が画像形成装置に入力されると、画像形成装置は印刷動作を開始する。この印刷動作時に、現像ユニット500に作用する力、及び支持ポスト514、515、517、518と位置規制部603a、604a、703a、704a(図20、図21)での相互作用は、実施の形態1と同様なので、ここでの説明は省略する。従って、現像ユニット500は、印刷動作時に、回転負荷トルクによって生ずる回転モーメントによる水平方向の力と、自重による水平方向の力を受けることなく、付勢部材606、706の付勢力のみで水平方向の力受けて、感光体ドラム51と所定の接触圧を維持しながら感光体ドラム51に接触する。
以上のように、本実施の形態の画像形成ユニットによれば、印刷動作時に現像ローラの回転負荷トルクによって生ずる回転モーメントによる力と、現像ユニットの自重による力によって、水平方向にスライド可能に保持された現像ユニットを水平方向に移動させる力が生じないように構成されているため、付勢部材によって設定される感光体ドラム51と現像ローラ53の接触圧が、回転負荷トルクの変動や、トナー消費、補給に伴う現像ユニットの重力の変動に影響されにくく安定化するため、かぶり、白抜け印刷、グレイネスの悪化、現像剤フィルミング等の印刷品質低下を低減することが可能となる。
更に、ドラムユニット、現像ユニットを独立させて、画像形成装置本体に着脱可能に配置した為、ユニット毎の寿命でユニットを交換できるため、むだなくより効率的に、高品質な印刷の持続が可能となる。
実施の形態3.
図24は、本発明による画像形成装置1に採用されるトナー供給ユニット801を斜め下方からみた外観斜視図である。
このトナー供給ユニット801は、図2に示すように、画像形成ユニット121と現像剤カートリッジ131の間に介在して画像形成装置1本体に固定され、現像剤カートリッジ131は、このトナー供給ユニット801に着脱自在に装着され、トナー供給ユニット801に形成された長方形状のトナー排出口802を介して画像形成ユニット121にトナーを供給する構成となっている。
図24に示すトナー供給ユニット801において、そのトナー排出口802は、上面に装着される現像剤カートリッジ131の排出口131a(図2)と空間的につながり、下面における排出口131aの周囲にはトナーシール部材803が配設されている。
図25は、画像形成ユニット121の現像ユニット300に形成されたトナー供給口70とトナー供給ユニット801のトナー排出口802とを対向させて、仮想的に配置した要部構成図であり、図26は、トナー供給ユニット801に対して画像形成ユニット121が正規の位置に装着されたときの配置図である。
画像形成ユニット121の現像ユニット300に設けられたトナー供給口70は、画像形成装置1本体に固定して設けられたトナー供給ユニット801のトナー排出口802と鉛直方向で一致する。鉛直方向での上下関係は、トナー供給ユニット801のトナー排出口802が上、現像ユニット300のトナー供給口70が下である。
図26に示すように、トナー供給口70とトナー排出口802とが空間的に結合された状態では、その周囲にトナーが漏れ出さないように、トナー供給口70の周囲に配設されたトナーシール部材71と、トナー排出口802の周囲に配設されたトナーシール部材803とが、お互いに圧縮した状態で圧接している。この圧接によって鉛直下方に接触圧Iが発生し、この接触圧Iは、現像ユニット300に作用する。
トナー供給口70のトナーシール部材71及びトナー排出口802のトナーシール部材803の材質として、ここでは、ウレタンなどからなる弾性的に圧縮する発泡体であるスポンジを採用している。尚、どちらか一方にこのスポンジが採用された場合、他方に樹脂や金属などからなる剛体を採用してもよい。トナー供給口70とトナー排出口802とが空間的に結合された状態における接触圧Iの大きさは、トナーが漏れない程度に設定されるトナーシール部材71、803の圧縮量による。
トナーシール部材71、803が、共に同材質のウレタンスポンジの場合、図25に示すように、圧縮していない自然状態での、トナー排出口802のトナーシール材803の厚みをg1とし、同じくトナー供給口70のトナーシール部材71の厚みをh1としたとき、トナー供給口70とトナー排出口802とが空間的に結合された状態における圧縮時の厚みg2、h2は、それぞれ、
g2=(2/3)×g1、
h2=(2/3)×h1
程度となる。この程度に圧縮することにより、トナーシール部材71とトナーシール材803とが密着し、良好なトナーシール性能を保つことができる。
図27は、現像ユニット300のトナー供給口70と、現像ユニット300の両側に配設された支持ポスト314,315及び317,318との位置関係を説明するための要部構成図である。尚、駆動受領ギヤ313と支持ポスト314,315の位置関係は、前記した実施の形態1で説明した通りであるので、ここでの説明は省略する。また支持ポスト314,315と支持ポスト317,318は、実施の形態1で説明したように面対称に形成されているため、ここでは、支持ポスト314,315を例にして説明する。
図27に示すように、X軸方向において、トナー供給口70及びトナーシール部材71とトナーシール部材803の圧接部は、支持ポスト314と支持ポスト315の間に形成されており、このため、このトナー供給口70の周囲に配設されたトナーシール部材71によって生じ現像ユニット300に加わる接触圧Iの方向は、支持ポスト314と支持ポスト315の各中心を通る中心線(水平方向)に対して垂直となる。
従って、接触圧Iは、水平を保つ位置規制穴221の下面221bに当接する支持ポスト314、同じく水平を保つ位置規制穴222の下面222bに当接する支持ポスト315によって打ち消され、接触圧Iによって現像ユニット300を水平方向に押圧する力は生じない。従って、この接触圧Iが、感光体ドラム51と現像ローラ53との接触圧に影響を与えることはない。
以上のように、本実施の形態の画像形成ユニットによれば、トナー漏れを防ぐためのトナーシール部材によって生じる接触圧Iが、水平方向にスライド可能に保持された現像ユニットを水平方向に移動させる力が生じないように構成されているため、付勢部材によって設定される感光体ドラム51と現像ローラ53の接触圧が、この接触圧Iの変化に影響されにくく、安定化するため、かぶり、白抜け印刷、グレイネスの悪化、現像剤フィルミング等の印刷品質低下を低減することが可能となる。
実施の形態4.
図28は、本発明による画像形成装置に採用される実施の形態4のトナー供給ユニット901のトナー排出口902の近傍を斜め下方からみた外観斜視図である。前記した実施の形態3では、図24に示すようにトナー排出口802の周囲にトナーシール部材803が直接配設されていたのに対し、ここでは、トナーシール部材803が付勢バネ904によって付勢された保持プレート905に配設されている。
本実施の形態では、トナー排出口902が、トナー供給ユニット901の本体から鉛直下方に延在する中空の枠状部910の先端開口部に相当する。この枠状部910の延在方向の中間部外側には水平方向に広がる基部911が形成され、この基部911より下方には、貫通する枠状部910によって鉛直方向にガイドされ、基部911に一端が保持された一対の付勢バネ904によって同方向にスライド可能に保持された保持プレート905が配設されている。この保持プレート905の下面に、トナーシール部材803が配設されている。
図29は、トナー供給ユニット901に対して画像形成ユニット121が正規の位置に装着されたときの配置図である。同図に示すように、このとき現像ユニット300のトナー供給口70に枠状部910の先端部分が嵌入し、保持プレート905に配設されたトナーシール部材803とトナー供給口70の周囲に配設されたトナーシール部材71とが、お互いに圧縮した状態で圧接している。この時のトナーシール部材803の厚みg2とトナーシール部材71の厚みh2とは、付勢バネ904による付勢力Jによって決まる。
トナー供給ユニット901に対して画像形成ユニット121が正規の位置に装着されたとき、各ユニットの鉛直方向における構造上のばらつきにより、各ユニットの同方向における相対的な位置関係が変化するが、この変化は付勢バネ904によって吸収されその付勢力Jにはほとんど影響を及ぼさない。従って、各ユニットの鉛直方向における相対的な位置関係が変化しても、厚みg2、h2は殆ど変化しない。
尚、実施の形態3の構成では、各ユニットの鉛直方向における相対的な位置関係が変化すると、厚みh2と厚みg2の合計がそのまま変化し、接触圧Iも変化してしまう。この場合、トナーシール部材803とトナーシール部材71の圧縮量が弾性領域を超えて干渉状態になると接触圧Iが増大し、これによって、図27に示す支持ポスト314と下面221bの間、及び支持ポスト315と下面222bの間に無視できない摩擦が生じ、生じた摩擦力が感光体ドラム51と現像ローラ53との接触圧に影響を及ぼすことになる。
以上のように、本実施の形態の画像形成ユニットによれば、各ユニットの鉛直方向における相対的な位置関係が、構造上のばらつきの範囲で変化しても付勢バネ904によって吸収され、トナーシール部材803の厚みg2とトナーシール部材71の厚みh2が殆ど変化しない。従って、上記ばらつきが発生しても、トナーシール部材71とトナーシール部材803とが適度に密着して良好なトナーシール性能を保つことができ、更に付勢部材によって設定される感光体ドラム51と現像ローラ53の接触圧に影響を及ぼすことがない。