JP2014009509A - 防音スペース及び防音スペースの構築方法 - Google Patents

防音スペース及び防音スペースの構築方法 Download PDF

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Abstract

【課題】戸建住宅、マンション、アパート等の共同住宅内に、簡易迅速、且つ、低コストにて手軽に構築でき、二段ベッドの下側空間部のような狭小スペースに設置することも可能な防音スペース及びその構築方法を提供する。
【解決手段】板材2の一面全体に防音シート3を被装し、更に、防音シート3を各辺から延出させて耳部4を設けて成るパネルを用いて構築される防音スペースであって、所望の立体形状に形成される骨組みと、骨組みを囲むように防音シート3被装面を内側にして骨組みの正背面、左右側面及び上下面に張着されるパネルと、骨組み材間に装填される樹脂製吸音材12と、樹脂製吸音材12の内面側に張着してパネルとの間に樹脂製吸音材12を隠蔽する多孔板13とで構成され、パネルのうち正面に位置するパネルにドアが配設されて成る。
【選択図】図2

Description

本発明は、防音スペース及び防音スペースの構築方法に関するものであり、より詳細には、主にマンション、アパート、一般戸建て住宅等の室内に簡単に構築することができ、優れた防音機能を発揮し、近隣に迷惑をかけることなく楽器演奏等を行うことが可能な防音スペース及びその構築方法に関するものである。
我が国の住宅事情からして、室内から発せられるピアノ等の騒音をめぐる紛争が後を絶たない。楽器についてみると、近隣に迷惑を掛けないようにするために、音量を押さえたサイレントギターやサイレントチェロ、あるいは、音量調整が可能な電子ピアノ等があるが、トランペット等にはそのようなものがなく、一般家庭内において練習することは実質的に困難である。そこで、室内に防音室を設けることが考えられるが、部屋全体に特殊防音材を張らなければならないためにコスト高となりやすく、また、隙間から音漏れが生じやすいという問題もあって、一般化していない。
従来、室内の静寂性を高めることを目的とする遮音室構造は種々提案されているが、それらは主に就寝時の快適性を求めるといったレベルのもので、上記楽器騒音対策となり得るものではない。
特開2011−17180号公報 特開2010−189917号公報 特開平6−200642号公報 特公平2−42991号公報
上述したように、従来、戸建住宅はもとより、マンション、アパート等の共同住宅内に、簡易迅速、且つ、低コストにて防音室を設けることは困難であった。そこで本発明は、戸建住宅はもとより、マンション、アパート等の共同住宅内に、簡易迅速、且つ、低コストにて手軽に構築でき、しかも、部屋全体ではなく、その一部に、あるいは、二段ベッドの下側空間部のような狭小スペースに設置することも可能な防音スペース及びその構築方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための請求項1に係る発明は、板材の一面全体に防音シートを被装し、更に、前記防音シートを各辺から延出させて耳部を設けて成るパネルを用いた防音スペースの構築方法であって、骨組み材を組んで、正背面、左右側面及び上下面に板材を張着可能にした骨組みを設ける工程と、前記骨組みを囲むようにその正背面、左右側面及び上下面に前記パネルを、前記防音シート被装面を内側にして張着し、その正面にはドアを設けたパネルを配設する工程と、前記骨組み材間に樹脂製吸音材を装填する工程と、前記樹脂製吸音材に多孔板を張着して前記樹脂製吸音材を隠蔽する工程とから成る防音スペースの構築方法である。
一実施形態においては、前記パネル同士の接合部において、一方の前記パネルの前記耳部と他方の前記パネルの前記耳部とを重合して前記骨組み材間に挟持させ、また、前記樹脂製吸音材として、フラワーアレンジメント用の樹脂発泡体製ブロックを用いる。
また、一実施形態においては、前記ドアを設けるパネルには前記ドアが収まる開口部を形成し、前記開口部の縁部に第1及び第2の段差を設け、前記第1及び第2の段差にはその全周に亘ってシール材を定着し、前記ドアは、ドア本体と、その内面に定着される前記ドア本体より小寸の中間板と、該中間板に固設される前記中間板より小寸の吸音板とで構成し、閉扉時に前記ドア本体が前記第1の段差の前記シール材に密着すると共に、前記中間板が前記第2の段差の前記シール材に密着するようにし、また、前記吸音材が前記開口部に収まるようにする。
上記課題を解決するための請求項5に係る発明は、板材の一面全体に防音シートを被装し、更に、前記防音シートを各辺から延出させて耳部を設けて成るパネルを用いて構築される防音スペースであって、所望の立体形状に形成される骨組みと、前記骨組みを囲むように前記防音シート被装面を内側にして前記骨組みの正背面、左右側面及び上下面に張着される前記パネルと、前記骨組み材間に装填される樹脂製吸音材と、前記樹脂製吸音材の内面側に張着して前記パネルとの間に前記樹脂製吸音材を隠蔽する多孔板とで構成され、前記パネルのうち正面に位置するパネルにドアが配設されて成る防音スペースである。
一実施形態においては、当該防音スペースは、二段ベッドの下側のスペースに組み込まれる。
本発明に係る防音スペースは上記のとおりであって、内周面全体が、内側に吸音性のある樹脂製吸音材を配した多孔板(吸音板)で覆われ、また、樹脂製吸音材が防音シートに被覆された構造であり、更に、各パネル接合部には防音シートの耳が重なり合って充填されると共に、ドアの周囲の隙間が二重に配置されたシール材によってシールされるため、防音スペース内の音が外に漏れることはほとんどない。従って、戸建て住宅のみならず、マンション、アパート等に設置して、楽器練習や歌唱練習等、大きな音や音声を発する活動を行っても、近隣に迷惑をかけるおそれがないという効果がある。
また、本発明に係る防音スペースの構築方法は上記のとおりであるため、戸建住宅はもとより、マンション、アパート等の共同住宅内に、簡易迅速、且つ、低コストにて手軽に構築でき、しかも、部屋全体ではなく、その一部に、あるいは、二段ベッドの下側空間部のような狭小スペースに簡単に設置することができる効果がある。
本発明に係る防音スペースの構築方法に用いるパネルの構成例を示す斜視図である。 本発明に係る防音スペースの構築方法を示す横断面図である。 本発明に係る防音スペースにおけるドア部分の構成を示す斜視図である。 本発明に係る防音スペースを二段ベッドの下側空間部に設置した状態を示す斜視図である。
本発明を実施するための形態につき、添付図面に依拠して説明する。図1は、本発明に係る防音スペースの構築に用いるパネル1の構成例を示す斜視図であり、そこに示されるようにパネル1は、板材2の一面全体に防音シート3を被装し、且つ、防音シート3を各辺から延出させて耳部4を設けて成るものである。通例、パネル1は長方形又は正方形を呈するが、設置個所に応じて変形形状に形成されることもある。防音シート3としては、裏面に粘着剤が塗布され、その上に剥離紙が被装された市販の鉛シートを用いることが簡便であるが、他の同等の遮音性能を有する任意のシートを用いることができる。
本発明に係る防音スペースは、このパネル1を用いて構築されるもので、基本的には、骨組み材11を直方体形状に組んで形成される骨組みと、骨組みを囲むように張着されるパネル1と、各骨組み材11間に装填される樹脂製吸音材12と、樹脂製吸音材12の内側面に張着してパネル1との間に樹脂製吸音材12を隠蔽する多孔板13とで構成され、パネル1のうち正面に位置するパネル1にドア14が配設される(図3参照)。各パネル1は、防音シート3被装面を内側にして骨組みの正背面、左右側面及び上下面の各面に、ビス止め等の手段により骨組み材11に固定される。防音性能を高めるために、骨組み材11としては木材を避けて、H型鋼、コ字型鋼等を用いることが推奨される。
本発明に係る防音スペースの構築方法は、上記構成の防音スペースを構築するための方法であり、骨組み材11を組んで、正背面、左右側面及び上下面の各面にパネル1を張着可能にした骨組みを設ける工程と、該骨組みを囲むようにその正背面、左右側面及び上下面の各面にパネル1を、防音シート3被装面を内側にして張着し、その正面に、ドア14を設置したパネルを配置する工程と、骨組み材11間に樹脂製吸音材12を装填する工程と、樹脂製吸音材12の露出面に多孔板13を張着して樹脂製吸音材12を隠蔽する工程とから成る。
パネル1同士の接合部(中間部及び角部)には、骨組み材11を対をなして配置するようにし、その一方のパネル1の耳部4を一方の骨組み材11に纏装し(テープ止め等により仮止めする。)、これに接合される他方のパネル1の耳部4を、骨組み材11に纏装されている一方のパネル1の耳部4の上に重ね合わせた後、他方の骨組み材11を配して挟持させる(図2参照)。また、テープ止めする場合のテープとしては、鉛テープを用いることが好ましい。本発明においては、このように、音漏れしやすいパネル接合部の隙間に、防音シート3の耳部4が重合して充填されるため、防音効果が高い防音スペースを構築することが可能となる。
正面に配置されるパネル1にはドア14が収まる開口部15が形成され、開口部15の縁部に第1の段差16と第2の段差17が形成され、各段差16、17の全周に亘ってシール材18、19が定着される。ドア14はドア本体21と、その内面に定着されるドア本体21より小寸の中間板22と、中間板22に固設される中間板22より小寸の吸音板23とで構成され、閉扉時において、ドア本体21が第1の段差16のシール材18に密着すると共に中間板22が第2の段差17のシール材19に密着し、また、吸音板23が開口部15に収まるように構成される。ドア14には、適宜ドアノブ24が設置される。
シール材19としては、例えば、樹脂製チューブを用いることができる。このシール材19が二重に配置されることで、音漏れしやすいドア14周囲の通気部分が確実にシールされるため、その部分からの音漏れがなくなる。吸音板23は、枠内に吸音材を充填し、薄手の多孔板を張着した形態のものとされるが、単なる厚手の多孔板であってもよい。
骨組みの全面にパネル1を張着した後、各骨組み材11間に樹脂製吸音材12を装填する。一実施形態においては、樹脂製吸音材12として、フラワーアレンジメント用の樹脂発泡体製ブロックが用いられる。この樹脂発泡体製ブロックは、フェノール樹脂(特開2011−157444号公報、特開2006−87688号公報等参照)、脂肪族ポリエステル系樹脂(特開2010−207469号公報等参照)等の発泡体で、軽量且つ安価で入手が容易である。この樹脂製吸音材12を装填した後、その内側の露出面に多孔板13を張着して樹脂製吸音材12を隠蔽する。
本発明に係る防音スペースは、室内の隅部その他任意の場所に構築することができ、例えば、二段ベッド30の下側の空間部に組み込むこともできる(図4参照)。更に必要に応じ、内部に電気コンセントを設置したり、照明器具を配設したり、また、机等を配備したりする。
当該防音スペースは、内周面全体が、内側に吸音性のある樹脂製吸音材12を配した多孔板13(吸音板23)で覆われ、また、樹脂製吸音材12が防音シート3に被覆された構造であり、更に、各パネル接合部には防音シート3の耳4が重なり合って充填されると共に、ドア14の周囲の隙間が二重に配置されたシール材19によってシールされるため、防音スペース内の音が外に漏れることはほとんどない。従って、マンション等に設置して、楽器練習や歌唱練習等、大きな音や音声を発する活動を行っても、近隣に迷惑をかけるおそれがない。
なお、ドア14を閉めることにより密閉状態となるので、時折ドア14を開閉して空気を入れ替える必要がある。
この発明をある程度詳細にその最も好ましい実施形態について説明してきたが、この発明の精神と範囲に反することなしに広範に異なる実施形態を構成することができることは言うまでもない。従って、この発明は、添付請求の範囲において限定した以外は、その特定の実施形態に制約されるものではない。
1 パネル
2 板材
3 防音シート
4 耳
11 骨組み材
12 樹脂製吸音材
13 多孔板
14 ドア
15 開口部
16 第1の段差
17 第2の段差
18 シール材
19 シール材
21 ドア本体
22 中間板
23 吸音板
24 ドアノブ

Claims (11)

  1. 板材の一面全体に防音シートを被装し、更に、前記防音シートを各辺から延出させて耳部を設けて成るパネルを用いた防音スペースの構築方法であって、
    骨組み材を組んで、正背面、左右側面及び上下面に板材を張着可能にした骨組みを設ける工程と、
    前記骨組みを囲むようにその正背面、左右側面及び上下面に前記パネルを、前記防音シート被装面を内側にして張着し、その正面にはドアを設けたパネルを配設する工程と、
    前記骨組み材間に樹脂製吸音材を装填する工程と、
    前記樹脂製吸音材に多孔板を張着して前記樹脂製吸音材を隠蔽する工程とから成る防音スペースの構築方法。
  2. 前記パネル同士の接合部において、一方の前記パネルの前記耳部と他方の前記パネルの前記耳部とを重合して前記骨組み材間に挟持させる、請求項1に記載の防音スペースの構築方法。
  3. 前記ドアを設けるパネルには前記ドアが収まる開口部を形成し、前記開口部の縁部に第1及び第2の段差を設け、前記第1及び第2の段差にはその全周に亘ってシール材を定着し、前記ドアは、ドア本体と、その内面に定着される前記ドア本体より小寸の中間板と、該中間板に固設される前記中間板より小寸の吸音板とで構成し、閉扉時に前記ドア本体が前記第1の段差の前記シール材に密着すると共に、前記中間板が前記第2の段差の前記シール材に密着するようにし、また、前記吸音材が前記開口部に収まるようにする、請求項1又は2に記載の防音スペースの構築方法。
  4. 前記樹脂製吸音材として、フラワーアレンジメント用の樹脂発泡体製ブロックを用いる、請求項1乃至3のいずれかに記載の防音スペースの構築方法。
  5. 板材の一面全体に防音シートを被装し、更に、前記防音シートを各辺から延出させて耳部を設けて成るパネルを用いて構築される防音スペースであって、
    所望の立体形状に形成される骨組みと、前記骨組みを囲むように前記防音シート被装面を内側にして前記骨組みの正背面、左右側面及び上下面に張着される前記パネルと、前記骨組み材間に装填される樹脂製吸音材と、前記樹脂製吸音材の内面側に張着して前記パネルとの間に前記樹脂製吸音材を隠蔽する多孔板とで構成され、前記パネルのうち正面に位置するパネルにドアが配設されて成る防音スペース。
  6. 前記パネル同士の接合部において、一方の前記パネルの前記耳部と他方の前記パネルの前記耳部とが重なり合って前記骨組み材間に挟持されている、請求項5に記載の防音スペース。
  7. 前記ドアが配設されるパネルには前記ドアが収まる開口部が形成され、前記開口部の縁部に第1及び第2の段差が形成され、前記第1及び第2の段差にはその全周に亘ってシール材が定着され、前記ドアは、ドア本体と、その内面に定着される前記ドア本体より小寸の中間板と、該中間板に固設される前記中間板より小寸の吸音板とから成り、閉扉時において、前記ドア本体が前記第1の段差の前記シール材に密着すると共に前記中間板が前記第2の段差の前記シール材に密着し、また、前記吸音材が前記開口部に収まるように形成された、請求項5又は6に記載の防音スペース。
  8. 前記樹脂製吸音材として、フラワーアレンジメント用の樹脂発泡体製ブロックが用いられる、請求項5乃至7のいずれかに記載の防音スペース。
  9. 二段ベッドの下側のスペースに組み込まれた、請求項5乃至8のいずれかに記載の防音スペース。
  10. 板材の一面全体に防音シートを被装し、更に、前記防音シートを各辺から延出させて耳部を設けたことを特徴とする防音スペース構築用パネル。
  11. 前記防音シートは鉛シートである、請求項10に記載の防音スペース構築用パネル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020162962A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 大建工業株式会社 高床式ベッド、それを備えたユニットルーム及び高床式ベッドの施工方法

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