JP2014008750A - 杢目レリーフ板、およびその製造方法 - Google Patents

杢目レリーフ板、およびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014008750A
JP2014008750A JP2012148955A JP2012148955A JP2014008750A JP 2014008750 A JP2014008750 A JP 2014008750A JP 2012148955 A JP2012148955 A JP 2012148955A JP 2012148955 A JP2012148955 A JP 2012148955A JP 2014008750 A JP2014008750 A JP 2014008750A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
grid
relief
line
late
early
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012148955A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoji Togashi
樫 葉 士 富
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOGASHI MEIBOKU KK
Original Assignee
TOGASHI MEIBOKU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TOGASHI MEIBOKU KK filed Critical TOGASHI MEIBOKU KK
Priority to JP2012148955A priority Critical patent/JP2014008750A/ja
Publication of JP2014008750A publication Critical patent/JP2014008750A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 厳しい自然環境の下に300年以上の樹齢を重ね、その長い年月によって育まれた巨木にしか得ることのできない極めて密に並ぶ年輪の美しさをそのまま活かすことができると共に、経済的に生産可能なものとし、大型化せずにコンパクト且つ高品質な土産品とすることができる新たな木工製品加工技術を提供する。
【解決手段】 晩材杢目線4,4,……と早材杢目帯5,5,……とからなる年輪3,3,……が密に並ぶ柾目杢目板2の表面壁20に、研磨晩材杢目凸線40,40,……および各早材杢目凹溝帯50,50,……が交互に立体的縞模様となる陰影縞背景域6を設けると共に、複数の浮彫表示部8(80,80,……,81)を残し、該陰影縞背景域6内に、複数の浮彫表示部8(80,80,……,81)を凸面表示した表面三層彫刻構造の立体装飾画面22を設けてなる杢目レリーフ板1である。
【選択図】 図1

Description

この発明は、木工製品の加工技術に関連するものであり、特に、木材の表面壁に浮彫を施したレリーフを製造、提供する分野は勿論のこと、その輸送、保管、組み立ておよび設置に必要となる設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、木材、石材、各種繊維類、プラスチック、各種金属材料等を提供する分野、それらに組み込まれる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野などの外、現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
羽黒山の厳しい自然に育まれ、樹齢300年ないし700年となった巨大な杉は、杢目が密で硬く、色はやや黒っぽく、木製品に加工して年月を経ると、少しずつ脂が出て艶のある赤みがかってくるという特徴があり、本願出願人は、これまで出羽三山神社の許可を得て切り出した枯損木を住宅用に活用してきたが、近年は、家具や小物類などの素材としての利用を模索しており、年輪が極めて狭く貴重な巨大古木の美しい杢目を活かした新たな木工技術および木工製品の開発に積極的に取り組んできた。
(従来の技術)
美しい杢目を活かした木工製品の製造に有効な技術の提案は、これまでに散見されない訳ではない。
例えば、下記の特許文献1(1)に提案されているものに代表されるように、年輪を露出させるよう輪切りにした平板状の木材本体の一方面に凹部を設け、この凹部に乾燥させた花や葉等を配設した上、同凹部に透明な熱硬化性樹脂を充填、硬化させて観賞可能に密封し、乾燥や経年劣化などによって木材本体に亀裂が生じた場合にも、硬度の高い熱硬化性樹脂が花や葉の密封を維持し、花や葉の破断を防止可能としてなるものや、同特許文献1(2)および1(3)のように、輪切りにした木板の切断面に遮光板を載置し、同木版の中央にレーザー光線を照射し、またはブラスト彫刻して、同心円状の家紋を浮彫彫刻するようにしてなるもの、または、同特許文献1(4)に見られるような、杢目を活かした建築用装飾部品や家具用の装飾部品などの素材となる木材であって、その木材表面をバフ磨きによって研磨処理し、木材表面の不均質な耐摩耗性に従い、自然な凹凸のある外観を得るようにしてなるものなどが散見される。
しかし、前者特許文献1(1)に示されている装飾体のように、木材本体に設けた凹部に熱硬化性樹脂を充填、硬化させてなるものは、熱硬化性樹脂によって密閉されている木材部分が保護されるという利点を得られるが、経時的に木材本体全体の色あいが均質に変化するのを妨げてしまい、羽黒山の御神木の特徴である密な年輪や経年による色・艶の変化を楽しむのには不向きであり、また、特許文献1(2)および1(3)のように、丸太木材を輪切りにし、切断面年輪の中央にレーザー加工やブラスト加工などによって家紋を浮彫してなるものは、貴重な巨木を輪切りにして使用すると勢い大型化して高価なものとなってしまい、例えば、気軽に購入できる土産品などとすることは殆ど不可能なものとなってしまうという難点があり、さらに、特許文献1(4)に代表する年輪を活かした柾目または木目の板材は、建築物や家具類などの壁面などの装飾用としては有効であるものの、単品の装飾品に利用するにはその装飾性などの点で劣るため、そのままでは工芸品や土産品としての販売ができないという致命的な欠点があった。
(1)特開2011−42076号公報 (2)実用新案登録第3001774号公報 (3)実用新案登録第3001775号公報 (4)実用新案登録第3113393号公報
(問題意識)
上述したとおり、従前までに提案のある各種丸太を輪切りにした板材の切断面に、各種の装飾を施して工芸品や装飾品などとする技術や、柾目や木目の板材表面に年輪の強度差による凹凸加工を施す技術などは、何れも、厳しい自然環境によって育まれ、樹齢300年を上回り、年輪が1cmの幅内に数十本密に並ぶ巨木からしか得られない貴重な素材を対象とするには相応しくなく、新しい加工技術によって御神木の密な年輪と硬質な性質とを活かした緻密な木製工芸品を実現化すると共に、より多くの人々が、出羽三山の御神木の良さを、気軽に、しかも永年に亘って楽しむことができるようにする上で、絶好の装飾品となり得るものの開発、商品化をなすべきものと考えた。
(発明の目的)
そこで、この発明は、厳しい自然環境の下に300年以上もの樹齢を重ね、その長い年月によって育まれた巨木にしか期待できない極めて密に並ぶ年輪の美しさをそのまま活かすことができると共に、経済的に生産可能なものとし、大型化せずにコンパクト且つ高品質な土産品とすることができるような新たな木工製品加工技術の開発はできないものかとの判断から、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構造の杢目レリーフ板、およびその新規な製造方法を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明の杢目レリーフ板は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、晩材杢目線と早材杢目帯とからなる複数の年輪が密に並ぶ、柾目かまたは木目かの何れか一方の杢目板の表面壁に、各晩材杢目線の一定表層を削除した各研磨晩材杢目凸線、および、各早材杢目帯を各研磨晩材杢目凸線よりも充分に深く削除した各早材杢目凹溝帯が、交互に立体的縞模様となる陰影縞背景域を設けると共に、杢目板未加工表面と面一状且つ複数の浮彫表示部を残し、各研磨晩材杢目凸線と各早材杢目凹溝帯とからなる該陰影縞背景域内に、複数の浮彫表示部を凸面表示した表面三層彫刻構造の立体装飾画面を設けてなるものとした構成を要旨とする杢目レリーフ板である。
この基本的な構成からなる杢目レリーフ板を、より具体的なものとして示すと、晩材杢目線と早材杢目帯とからなる年輪が、1cmの幅内に数十本密に並ぶ、柾目かまたは木目かの何れか一方の杢目板の表面壁に、各晩材杢目線の一定表層を削除した各研磨晩材杢目凸線、および、各早材杢目帯を各研磨晩材杢目凸線の一定表層削除深さよりもさらに深い所定の深さまで削除した各早材杢目凹溝帯が、交互に立体的縞模様となる陰影縞背景域を設けると共に、杢目板未加工表面と面一状且つ複数の浮彫表示部を残し、各研磨晩材杢目凸線と各早材杢目凹溝帯とからなる該陰影縞背景域内に、複数の浮彫表示部を凸面表示した表面三層彫刻構造の立体装飾画面を設けてなるものとした構成からなる杢目レリーフ板となる。
(関連する発明)
上記した杢目レリーフ板に関連し、この発明には、以下に示すとおりの構成を要旨とするその製造方法も包含している。
即ち、柾目かまたは木目かの何れか一方の杢目板表面に、浮彫パターンのマスキング層を固定状に重ね合わせ、ショット・ブラスト機を使用し、硬質な晩材杢目線と、それよりも軟質な早材杢目帯とからなる複数本の年輪の中、マスキング層によって保護していない杢目板表面壁露出範囲に、均質衝突力の浮彫加工を施し、硬質な各晩材杢目線の一定表層を削除し、研磨晩材杢目凸線にすると同時に、それよりも軟質な各早材杢目帯を、その強度差によって各研磨晩材杢目凸線よりも充分な深さまで削除して早材杢目凹溝帯とした上、各研磨晩材杢目凸線および各早材杢目凹溝帯が立体的縞模様となる陰影縞背景域内に、マスキング層にて保護した浮彫パターン相当範囲の複数の浮彫表示部を、杢目板未加工表面と面一状に残すようにした後、マスキング層を除去し、各研磨晩材杢目凸線と各早材杢目凹溝帯とからなる陰影縞背景域内に、各浮彫表示部を凸面表示した表面三層彫刻構造の立体装飾画面を設けてなるものとするようにした、この発明の基本をなす前記何れか記載の杢目レリーフ板の製造方法である。
この製造方法を、より具体的なものとして示すと、晩材杢目線と早材杢目帯とからなる年輪が、1cmの幅内に数十本密に並ぶ、樹齢数百年以上の杉から切り出した柾目かまたは木目かの何れか一方の、含水率15%以下に乾燥した杢目板の表面に、浮彫パターンのマスキング層を固定状に重ね合わせ、ショット・ブラスト機を使用し、硬質な晩材杢目線と、それよりも軟質な早材杢目帯とからなる複数本の年輪の中、マスキング層によって保護していない杢目板表面壁露出範囲に、均質衝突力の浮彫加工を施し、硬質な各晩材杢目線の一定表層を削除し、研磨晩材杢目凸線とすると同時に、それよりも軟質な各早材杢目帯を、その強度差によって各研磨晩材杢目凸線よりも充分な深さまで削除して早材杢目凹溝帯とした上、各研磨晩材杢目凸線および各早材杢目凹溝帯が立体的縞模様となる陰影縞背景域内に、マスキング層にて保護した浮彫パターン相当範囲の複数の浮彫表示部を、杢目板未加工表面と面一状に残すようにした後、マスキング層を除去し、各研磨晩材杢目凸線と各早材杢目凹溝帯とからなる陰影縞背景域内に、複数の浮彫表示部を凸面表示した表面三層彫刻構造の立体装飾画面を設けてなるものとするようにした、この発明の基本をなす前記何れか記載の杢目レリーフ板の製造方法ということができる。
以上のとおり、この発明の杢目レリーフ板によれば、従前までのものとは違い、上記したとおりの固有の特徴ある構成から、本体をなす杢目板表面壁の、年輪の各晩材杢目線と各早材杢目帯との硬度差を利用し、杢目板未加工表面よりも一定表層分低い各研磨晩材杢目凸線、および各研磨晩材杢目凸線よりも充分に深い各早材杢目凹溝帯からなる立体的縞模様である陰影縞背景域内に、複数の浮彫表示部を凸面表示状となし、表面三層彫刻構造の立体装飾画面を設けてなるものとしてあることから、照明角度の変化に応じて陰影が多様に変化し、従前までの背景が平面の浮彫とは全く異なる趣があって、複雑な表情を呈するようにして各浮彫表示部を際立たせるものとなり、素材樹木の生育環境によって異なる年輪各部の強度や間隔幅などの違いを充分に活かし得ていて、外的美感とそれによる付加価値とを格段に高めたものとすることができる上、各浮彫表示部に表示する文字や絵、柄なども自由に選択可能であり、幅広く商品展開できるものになるという秀れた特徴が得られるものである。
加えて、1cmの幅内に年輪が数十本密に並ぶ、柾目かまたは木目かの何れか一方の杢目板を採用してなるものにあっては、細かな文字や記号、絵柄などを複数、浮彫加工するに際しても、例えば、浮彫表示部の1文字毎が、数本以上の年輪に跨り配置状とすることができるから、年輪の、特に晩材杢目線が、彫刻文字を補強するものとなり、文字の欠けや剥がれなどの破損を極力防止可能にするものとなり、しかも各文字毎に、各研磨晩材杢目凸線と各早材杢目凹溝帯とからなる複数本の陰影縞が、文字の背景を格段に緻密なものとなし、文字などの浮彫表示部を一層際立たせ、より一層情緒豊かな表情を醸し出すものとなるという利点がある。
立体装飾画面の浮彫表示部の一部が、杢目板表面壁の中央に設けた陰影縞背景域の周囲を囲む額縁表現域となるようにしたものは、該額縁表現域の彫刻加工していない複数の年輪の各晩材杢目線および各早材杢目帯と、彫刻加工済みである陰影縞背景域内の各研磨晩材杢目凸線および早材杢目凹溝帯とが、互いに大きく異なるコントラストの違いを呈するものとなって、額縁表現域が、陰影縞背景域の周囲を強調して、杢目板表面の立体装飾画面全体を引き締め、展示商品や展示作品としての美感を格段に高めたものにするという特徴を発揮する。
そして、厳しい自然環境の羽黒山、月山または湯殿山の何れかの樹齢300ないし700年の枯損木から切り出し、晩材杢目線と早材杢目帯とからなる年輪が、1cmの幅内に数十本も密に並ぶ柾目素材からなる杢目板を採用してなるものでは、その素材の貴重さから、他の木材を使用したものに比較して希少価値が高く、しかも出羽三山の過酷な自然環境に育まれた巨木の息吹を感じることができる秀れた質感を呈し、その木肌の色は、囲う直後ではやや黒っぽいものの、年月を経ると少しずつ脂が出てきてつやつやと赤みがかってくるという固有の特徴があり、例えば、般若心経などの多数の文字が並ぶような複数の浮彫表示部を設けたものであっても、緻密で硬い年輪(晩材杢目線、早材杢目帯)が、それら各文字を補強し、文字の欠けや剥がれなどをよく防止するものとなって、永年に亘り、出羽三山神社の御威光を実感し、愛着をもって展示できる充分な品質と耐久性とを有するものになるという大きな効果を奏するものとなる。
そして、この発明の杢目レリーフ板の製造方法によれば、杢目板表面に、浮彫パターンのマスキング層を固定状に重ね合わせ、ショット・ブラスト機を使用して均質な彫刻加工を施すようにするだけで、前述したような、各研磨晩材杢目凸線と各早材杢目凹溝帯とからなる陰影縞背景域内に、複数の浮彫表示部を凸面表示した表面三層彫刻構造の立体装飾画面を設けてなるものとすることが可能になり、長年に亘る熟練した高度な彫刻技術を要さずとも、ショット・ブラスト機を操作して杢目板表面に均質な彫刻加工を施すという効率的な作業により、秀れた芸術家や彫刻家などが長期間を費やし、複雑な技法を駆使して彫刻したのと同等か、または、それよりも緻密な加工を施したものと見紛うような、精密で美感に秀れた木製レリーフを、極めて短時間の中に製造可能とする上、その浮彫表示部も創作意図に従って自由に変更可能とするものであり、多種多様な木製レリーフを効率的に生産することができるという、これまでには得られることのないような際立った効果を発揮するものである。
加えて、杢目板の表面の1cmの幅内に年輪が数十本も密に並ぶような樹齢数百年以上の杉から切り出した柾目かまたは木目かの何れか一方の、含水率15%以下に乾燥した杢目板の表面に、浮彫パターンのマスキング層を固定状に重ね合わせ、ショット・ブラスト機を使用して彫刻加工を施すようにした製造方法によるものの場合には、より細かな文字や記号などを複数の浮彫表示部として設定可能となり、例えば、般若心経などの教典や表彰状の文面など、細かな多数の文字を浮彫にて表示することができ、厳しい環境に育まれた巨木の緻密な年輪が醸し出す風格が格段に高い付加価値となり、その他の素材では得難い高品質の杢目レリーフ板を提供可能にするという大きな特徴が得られることになる。
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
杢目板は、この発明の杢目レリーフ板の本体となる機能を担い、各晩材杢目線と各早材杢目帯とからなる複数の年輪が密に並ぶ、柾目かまたは木目かの何れか一方の木材からなるものを対象としており、四角形、長方形、菱形、星形、円形、楕円形、ハート形、その他の様々な形状の平板とすることが可能であり、適所に創作的な貫通孔や溝などを穿設してなるものは勿論、天然の割れや節穴、朽ちく穴などを活用してなるものや、ブロックやボールなど様々な形状の立体などとすることが可能であり、より具体的には、その表面壁に少なくとも陰影縞背景域と浮彫表示部とを有する立体装飾画面を彫刻可能なものであって、年輪が1cmの幅内に数十本も密に並ぶ柾目かまたは木目かの何れか一方のものとするのが望ましく、後述する実施例に示すように、羽黒山、月山または湯殿山の何れかの樹齢300ないし700年の枯損木から切り出し、晩材杢目線と早材杢目帯とからなる年輪が、1cmの幅内に数十本密に並んでいる柾目素材からなるものとするのが、より望ましいと言える。
立体装飾画面は、杢目板の表面壁に、表面三層彫刻構造をなして立体的に彫刻表示する機能を担い、陰影縞背景域と浮彫表示部とを有するものとしなければならず、陰影縞背景域は、晩材杢目線と早材杢目帯とからなる複数の年輪が、各晩材杢目線の一定表層を削除した各研磨晩材杢目凸線、および、各早材杢目帯を各研磨晩材杢目凸線よりも充分に深く削除した各早材杢目凹溝帯が、交互に立体的縞模様となるようにしたものとしなければならず、浮彫表示部は、該陰影縞背景域内に、複数の浮彫表示部を凸面表示したものであって、各浮彫表示部が、少なくとも3本の年輪晩材杢目線に跨る寸法の文字の組合せからなる文章表示部とし、また、浮彫表示部の一部は、杢目板表面壁の中央に設けた陰影縞背景域の周囲を囲む額縁表現域となるものとすることが可能である。
研磨晩材杢目凸線は、各早材杢目凹溝帯に交互に配置して陰影縞背景域の一部となるという機能を担い、立体装飾画面の陰影縞背景域における年輪の晩材杢目線の一定表層を杢目板未加工表面よりも僅かに深く、且つ早材杢目凹溝帯よりも充分に杢目板未加工表面に近い位置付近に配するよう研磨・削除してなるものとしなければならず、晩材杢目線が早材杢目帯よりも硬質な性質を利用し、一定の研磨力にて均質に加工するようにして、同じ研磨量によって深く加工可能な早材杢目凹溝帯よりも多く残存し、凸線浮彫縞状のものとすることができ、早材杢目凹溝帯は、各研磨晩材杢目凸線に交互に配し、陰影縞背景域の他部になるという機能を担い、各研磨晩材杢目凸線よりも充分に深く削除してなるものとしなければならず、早材杢目帯が晩材杢目線よりも軟質な性質を利用し、一定の研磨力にて均質に加工するようにして、同じ研磨量によって殆ど削除できない各研磨晩材杢目凸線よりも深く凹溝帯彫刻縞状のものとすべきであり、各早材杢目帯同士が互いに同等の深さとなるようにしたものとするのが望ましい。
この発明の杢目レリーフ板の製造方法は、杢目板表面壁の硬質な晩材杢目線と、それよりも軟質な早材杢目帯とからなる複数本の年輪の中、マスキング層によって保護していない杢目板表面壁露出範囲に、均質衝突力の浮彫加工を施した後、マスキング層を除去し、各研磨晩材杢目凸線と各早材杢目凹溝帯とからなる陰影縞背景域内に、各浮彫表示部を凸面表示した表面三層彫刻構造の立体装飾画面を設けてなるものとするように加工するものとしなければならず、杢目板表面に所望のマスキング層を配して浮彫加工を施した後、マスキング層をそのままとするか、または除去した上、再度、別パターのマスキング層を配して二次的浮彫加工を施した後、全てのマスキング層を除去するようにし、さらに、表面三層を超え、より複雑な彫刻構造の立体装飾画面を設けてなるものとするようにすることが可能である。
マスキング層は、その被覆範囲に相当する杢目板表面を、浮彫加工の均質衝突力から保護可能なものとしなければならず、充分に硬質なものとしたり、充分な肉厚を有するものとしたりすることにより、杢目板表面を保護可能なものとすべきであり、強度や厚みなどの異なるマスキング層を複数形成し、均質衝突力の浮彫加工を施した場合に、それら強度や厚みなどの違いに応じて、浮彫加工の加わる時間を調節するようにし、例えば、強度の弱い部分や厚みの薄い部分は、浮彫加工によって早期にマスキング層が消失し、マスキング層によって保護していない杢目板表面壁露出範囲よりも短い時間分、浅い浮彫加工を受けるようにし、深い浮彫加工部分(深い研磨晩材杢目凸線、深い各早材杢目凹溝帯)と、浅い浮彫加工(浅い研磨晩材杢目凸線、浅い各早材杢目凹溝帯)と、未加工表面とからなる表面三層を超える、より複雑な彫刻構造の立体装飾画面を設けることができるようなものにしてもよい。
さらにまた、マスキング層は、該杢目レリーフ板とする柾目かまたは木目かの何れか一方の杢目板の表面に、所望の浮彫パターンとしたマスキング層を積層するとき、マスキング層を杢目板表面に固定状に重ね合わせなければならず、例えば、後述する実施例に示すように、一面全面に粘着剤層を設けたマスキングシールとすることができ、後述する実施例に示すように、一面全面に粘着剤層を設け、その粘着剤層に剥離紙を貼着してなる保護シールの、杢目板表面壁露出範囲に相当する範囲に、レーザー加工やその他の打ち抜き加工などを施して露出窓を開口してなるものとし、剥離紙を剥がして露出させた粘着剤層を、杢目板の表面適所に貼着固定するようにしてなるものとし、浮彫加工を終えた後に、該保護シールを杢目板表面から剥がし取り、除去することが可能となるようなものとすることができる。
さらには、杢目板表面壁露出範囲に相当するマスキングパターンの隠蔽プレートなどを杢目板の表面適所に重ね合わせ状に配し、合成樹脂を吹き付け塗装や塗布するなどして合成樹脂製のマスキング層を設けた後、隠蔽プレートなどを除去して杢目板表面壁露出範囲のみ露出状とするようにし、浮彫加工を終えた後、該合成樹脂製のマスキング層を剥がして除去するようにして設けたものとすることができる外、杢目板表面壁露出範囲に相当する範囲に貫通孔を穿設してなる、例えば金属板などの硬質マスキングプレートや合成樹脂製のマスキングプレートなどを重ね合わせ、杢目板表面適所に位置決め固定状として浮彫加工を終えた後、該マスキングプレートを外し去るようにしてなるものなどとすることも可能である。
浮彫加工は、加工対象である杢目板の表面壁に、均質は衝突力によって彫刻可能とするものとしなければならず、小径の砂やビーズ、金属粒、粉などを圧縮エアにて吹き付けて均質に切削可能なショット・ブラスト機を用いて行う、いわゆるサンドブラスト加工によるものとすべきであり、同様の加工を行うものとして所定の水圧や液圧にて液体の噴射力を利用することも考えられるが、加工中の杢目板の含水率や、完成した杢目レリーフ板の品質に悪影響を及ぼし、品質を低下させてしまうことが懸念されるものの、こうした課題を克服可能であれば、液圧を利用した彫刻加工を採用することも可能であることは言うまでもない。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
図面は、この発明の杢目レリーフ板、およびその製造方法の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
杢目レリーフ板を示す正面図である。 表面にマスキング層を配した杢目板を断面化して示す側面図である。 浮彫加工中の杢目板を断面化して示す側面図である。 浮彫加工を終えた杢目板を断面化して示す側面図である。 マスキング層を除去して完成した杢目レリーフ板を断面化して示す側面図である。 杢目レリーフ板を断面化して示す側面図である。 杢目レリーフ板を示す側面図である。 杢目レリーフ板を示す平面図である。 脚部と組み合わせた杢目レリーフ板を示す側面図である。 脚部と組み合わせた杢目レリーフ板を示す正面図である。 脚部と組み合わせた杢目レリーフ板を示す平面図である。 脚部と組み合わせた杢目レリーフ板を示す背面図である。 木目の杢目板を示す正面図である。
図1ないし図12に示す事例は、晩材杢目線4,4,……と早材杢目帯5,5,……とからなる年輪3,3,……が密に並ぶ柾目杢目板2の表面壁20に、研磨晩材杢目凸線40,40,……および各早材杢目凹溝帯50,50,……が交互に立体的縞模様となる陰影縞背景域6を設けると共に、複数の浮彫表示部8(80,80,……,81)を残し、該陰影縞背景域6内に、複数の浮彫表示部8(80,80,……,81)を凸面表示した表面三層彫刻構造の立体装飾画面22を設けてなるものとした、この発明の杢目レリーフ板における代表的な一実施例を示すものである。
以下では、この発明の杢目レリーフ板の製造方法の一例に従い、この実施例の杢目レリーフ板1の構造につき、順次、説示して行くこととする。
この発明の杢目レリーフ板1は、羽黒山、月山および湯殿山からなる出羽三山の山中から、出羽三山神社の許可を得て樹齢300ないし700年の枯損木から切り出した、晩材杢目線4,4,……と早材杢目帯5,5,……とからなる年輪3,3,……が、1cmの幅内に数十本も密に並ぶ柾目かまたは木目かの何れか一方の杢目板2を原材料とするものであり、例えば、羽黒山の厳しい自然に育まれた貴重な杉の巨木の中、古損木から切り出した柾目の杢目板2を素材とするものである。
図1ないし図12の各図からも明確に把握できるとおり、杢目板2は、縦140mm、横220mm、厚さ15mm(形状や寸法は任意に製作可能である。)の矩形状のものとし、含水率15%以下に乾燥させた後、図2に示すように、該杢目板2の表面20の所定位置にマスキングフィルム70を正確に貼着、固定し、該マスキングフィルム70は、合成樹脂フィルム70の裏面(一面)に剥離紙にて隠蔽した粘着剤層(何れも図示せず)を有し、同合成樹脂フィルム70の表面(他の一面)がわよりレーザー切断加工を施し、当該杢目板2表面20に貼着した場合に、同杢目板2表面20の周囲に幅10mmの額縁表現域81、および、該額縁表現域81に囲まれた中央の、後述する立体装飾画面22内に、均質に配するよう般若心経の教典(文字)の文章表示部80となる範囲に相当する浮彫パターン7を切り出し、杢目板2の表面20を保護可能となるマスキング層70となるものとしてある。
図2および図3に示すように、当該マスキングフィルム(マスキング層)70の裏面の剥離紙を剥がし、同裏面の粘着剤層を露出させ、該杢目板2表面20に正確に位置決め、貼着(固定)した上、文章表示部80と、その周囲の額縁表現域81とを除く、後の立体装飾画面22陰影縞背景域6となる範囲に相当するマスキングフィルム(マスキング層)70を剥がし去り、同杢目板2表面壁20の露出範囲9(後に立体装飾画面22陰影縞背景域6となる範囲)だけを露出状としてから、図示しない木工用ショット・ブラスト機を使用し、図3中の破線矢印に示すように、圧縮空気と共に細かい砂やビーズなどを均質に吹き付ける作業を25回程度繰り返すと共に、彫刻の深さを一定にするよう確認しながら、2ないし3時間を掛けて丁寧な手作業によりサンドブラスト加工を施す。
図4および図5に示すように、サンドブラスト加工により、マスキングフィルム(マスキング層)70によって保護された部分以外の杢目板2表面壁20露出範囲9は、硬質な晩材杢目線4,4,……と、それよりも軟質な早材杢目帯5,5,……とからなる複数本の年輪3,3,……の中、硬質な各晩材杢目線4,4,……の一定表層Tを削除し、研磨晩材杢目凸線40,40,……とすると同時に、それよりも軟質な各早材杢目帯5,5,……を、その強度差によって各研磨晩材杢目凸線40,40,……よりも充分な深さDまで削除して早材杢目凹溝帯50,50,……とした上、各研磨晩材杢目凸線40,40,……および各早材杢目凹溝帯50,50,……が立体的縞模様となる陰影縞背景域6内に、マスキングフィルム(マスキング層)70にて保護した浮彫パターン7相当範囲の複数の浮彫表示部8を、杢目板2未加工表面21と面一状に残すようにした後、図5に示すように、全てのマスキングフィルム(マスキング層)70を剥がし去り、同杢目板2表面壁20の周縁に沿って浮彫表示部8額縁表現域81、および、該額縁表現域81内の各研磨晩材杢目凸線40,40,……と各早材杢目凹溝帯50,50,……とからなる陰影縞背景域6内に、複数の浮彫表示部8・般若心経の教典(文字)となる文章表示部80を凸面表示状とした表面三層彫刻構造の立体装飾画面22を設けてなるものとする。
図6ないし図8に示すように、以上のように彫刻加工を施してなるこの発明の杢目レリーフ板1は、図9ないし図12に示すように、下端縁の左右均衡する適所に、左右一対の脚部10,10を嵌合・装着し、上端後傾となる適宜角度の傾斜姿勢に自立させて展示可能なものとすることができ、さらにまた、図13に示すように、当該杢目レリーフ板1の素材となる杢目板2には、前述のような柾目のものに換えて木目の板材を採用してなるものとすることができる。
(実施例1の作用・効果)
以上のとおりの構成からなるこの発明の杢目レリーフ板1は、図1ないし図12中に示すように、その表面壁20立体装飾画面22の周囲に、額縁表現域81を未加工表面21として残すと共に、該額縁表現域81内であって各研磨晩材杢目凸線40,40,……および各早材杢目凹溝帯50,50,……からなり、立体的縞模様となる陰影縞背景域6内に、般若心経の教典(文字)である文章表示部80を同じく未加工表面21として残すようにしてなることから、それら額縁表現域81および文章表示部80に、緻密な各晩材杢目線4,4,……および各早材杢目帯5,5,……の年輪3が露出し、さらに、図5に示すように、該陰影縞背景域6は、一定の浅い深さTの各研磨晩材杢目凸線40,40,……および充分に深い一定深さDの各早材杢目凹溝帯50,50,……が、立体的縞模様となり、表面三層彫刻構造をなして特有の美感を呈するものとなる。
加えて、杢目レリーフ板1に、左右一対の脚部10,10を嵌合状に組合せ可能としてなることから、簡便に任意の平坦な家具上などに自立姿勢に展示したり、飾ったりすることができるものとなる上、脚部10,10を装着せずに、そのままか、または、額装するなどして壁に掛けることが可能であり、一段と自由度の高い利用を実現化することができる。
しかも、当該杢目レリーフ板1の杢目板2に、山形県の庄内地方に広がる羽黒山中より切り出した貴重な杉の巨木の中の古損木を用いたものとしてあり、我が国において悠久の古来より連綿と続く山岳信仰の永い歴史の中、羽黒山・月山・湯殿山および出羽三山神社が、羽黒古修験道として全国に知られ、人々の厚い信仰を集め、山伏の入峰修行が現在も厳修されている霊場にあって、その御神域の厳しい自然に育まれた貴重な杉の巨木の古損木は、多くの人々にとって非常に希少価値が高く、霊験あらたかな美術工芸品や記念品または土産品などとして多方面にて珍重されるものとなり、加えて、緻密な年輪を活かした立体感の有る背景6に精細な浮彫による般若心経の教典(文字)80が際立ち、さらに、高い美感と付加価値とを付与してなるという他所では得難いものとなっている。
(結 び)
叙述の如く、この発明の杢目レリーフ板、およびその製造方法は、その新規な構成によって所期の目的を遍く達成可能とするものであり、しかも製造も容易で、従前からの熟練者や芸術家などによる手彫りの彫刻よりも遙かに短時間の中に加工することができ、レーザー加工機などを用いた彫刻加工に比較して格段に経済的に製造可能である上、不良率を大幅に低減して生産効率を高めることができ、ショット・ブラスト機を利用した平易な加工により、木材の年輪を活かした立体的且つ美感に秀れた精細な浮彫加工を実現化することができるから、従前までであれば、山谷管理の過程にて回収し得たこのような品質に秀れた木材の用途を、専ら一般市場において需要の高い建築用資材や建具類、家具類などに留め置かざるを得なかったものが、より多くの人々の身近に古木由来の製品を提供し、その良さを分かち合いたいと考えるこの種材木業界および木工業界は固よりのこと、豊かな自然に育まれた巨木を素材とした商品を、もっと身近において気軽に観賞したいと願う一般市民や、それらを扱う各種販売業界においても高く評価されることとなり、広範に渡って利用、普及していくものになると予想される。
1 杢目レリーフ板
10 同 脚部
2 杢目板
20 同 表面(表面壁)
21 同 未加工表面
22 同 立体装飾画面
3 年輪
4 晩材杢目線
40 同 研磨晩材杢目凸線
T 研磨晩材杢目凸線の一定(表層)深さ
5 早材杢目帯
50 同 早材杢目凹溝帯
D 早材杢目凹溝帯の一定(充分に深い)深さ
6 陰影縞背景域(立体的縞模様)
7 浮彫パターン
70 同 マスキング層
8 浮彫表示部
80 同 文章表示部(般若心経の教典文字)
81 同 額縁表現域
9 杢目板表面壁露出範囲

Claims (7)

  1. 晩材杢目線と早材杢目帯とからなる複数の年輪が密に並ぶ、柾目かまたは木目かの何れか一方の杢目板の表面壁に、各晩材杢目線の一定表層を削除した各研磨晩材杢目凸線、および、各早材杢目帯を各研磨晩材杢目凸線よりも充分に深く削除した各早材杢目凹溝帯が、交互に立体的縞模様となる陰影縞背景域を設けると共に、杢目板未加工表面と面一状且つ複数の浮彫表示部を残し、各研磨晩材杢目凸線と各早材杢目凹溝帯とからなる該陰影縞背景域内に、複数の浮彫表示部を凸面表示した表面三層彫刻構造の立体装飾画面を設けてなるものとしたことを特徴とする杢目レリーフ板。
  2. 晩材杢目線と早材杢目帯とからなる年輪が、1cmの幅内に数十本も密に並ぶ、柾目かまたは木目かの何れか一方の杢目板の表面壁に、各晩材杢目線の一定表層を削除した各研磨晩材杢目凸線、および、各早材杢目帯を各研磨晩材杢目凸線の一定表層削除深さよりもさらに深い所定の深さまで削除した各早材杢目凹溝帯が、交互に立体的縞模様となる陰影縞背景域を設けると共に、杢目板未加工表面と面一状且つ複数の浮彫表示部を残し、各研磨晩材杢目凸線と各早材杢目凹溝帯とからなる該陰影縞背景域内に、複数の浮彫表示部を凸面表示した表面三層彫刻構造の立体装飾画面を設けてなるものとしたことを特徴とする杢目レリーフ板。
  3. 立体装飾画面の各浮彫表示部が、少なくとも3本の年輪晩材杢目線に跨る寸法の文字の組合せからなる文章表示部である、請求項1または2何れか一方記載の杢目レリーフ板。
  4. 立体装飾画面の浮彫表示部は、その一部が、杢目板表面壁の中央に設けた陰影縞背景域の周囲を囲む額縁表現域となるものとした、請求項1ないし3何れか一項記載の杢目レリーフ板。
  5. 杢目板が、羽黒山、月山または湯殿山の何れかの樹齢300ないし700年の枯損木から切り出し、晩材杢目線と早材杢目帯とからなる年輪が、1cmの幅内に数十本も密に並ぶ柾目素材からなるものとした、請求項1ないし4何れか一項記載の杢目レリーフ板。
  6. 柾目かまたは木目かの何れか一方の杢目板表面に、浮彫パターンのマスキング層を固定状に重ね合わせ、ショット・ブラスト機を使用し、硬質な晩材杢目線と、それよりも軟質な早材杢目帯とからなる複数本の年輪の中、マスキング層によって保護していない杢目板表面壁露出範囲に、均質衝突力の浮彫加工を施し、硬質な各晩材杢目線の一定表層を削除し、研磨晩材杢目凸線にすると同時に、それよりも軟質な各早材杢目帯を、その強度差によって各研磨晩材杢目凸線よりも充分な深さまで削除して早材杢目凹溝帯とした上、各研磨晩材杢目凸線および各早材杢目凹溝帯が立体的縞模様となる陰影縞背景域内に、マスキング層にて保護した浮彫パターン相当範囲の複数の浮彫表示部を、杢目板未加工表面と面一状に残すようにした後、マスキング層を除去し、各研磨晩材杢目凸線と各早材杢目凹溝帯とからなる陰影縞背景域内に、各浮彫表示部を凸面表示した表面三層彫刻構造の立体装飾画面を設けてなるものとするようにした、請求項1ないし5何れか一項記載の杢目レリーフ板の製造方法。
  7. 晩材杢目線と早材杢目帯とからなる年輪が、1cmの幅内に数十本密に並ぶ、樹齢数百年以上の杉から切り出した柾目かまたは木目かの何れか一方の、含水率15%以下に乾燥した杢目板の表面に、浮彫パターンのマスキング層を固定状に重ね合わせ、ショット・ブラスト機を使用し、硬質な晩材杢目線と、それよりも軟質な早材杢目帯とからなる複数本の年輪の中、マスキング層によって保護していない杢目板表面壁露出範囲に、均質衝突力の浮彫加工を施し、硬質な各晩材杢目線の一定表層を削除し、研磨晩材杢目凸線とすると同時に、それよりも軟質な各早材杢目帯を、その強度差によって各研磨晩材杢目凸線よりも充分な深さまで削除して早材杢目凹溝帯とした上、各研磨晩材杢目凸線および各早材杢目凹溝帯が立体的縞模様となる陰影縞背景域内に、マスキング層にて保護した浮彫パターン相当範囲の複数の浮彫表示部を、杢目板未加工表面と面一状に残すようにした後、マスキング層を除去し、各研磨晩材杢目凸線と各早材杢目凹溝帯とからなる陰影縞背景域内に、複数の浮彫表示部を凸面表示した表面三層彫刻構造の立体装飾画面を設けてなるものとするようにした、請求項1ないし5何れか一項記載の杢目レリーフ板の製造方法。
JP2012148955A 2012-07-02 2012-07-02 杢目レリーフ板、およびその製造方法 Pending JP2014008750A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012148955A JP2014008750A (ja) 2012-07-02 2012-07-02 杢目レリーフ板、およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012148955A JP2014008750A (ja) 2012-07-02 2012-07-02 杢目レリーフ板、およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014008750A true JP2014008750A (ja) 2014-01-20

Family

ID=50105835

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012148955A Pending JP2014008750A (ja) 2012-07-02 2012-07-02 杢目レリーフ板、およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014008750A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108705891A (zh) * 2018-05-29 2018-10-26 太仓丽盛制版有限公司 装饰木纹类家具设计凹版印刷辊斯堪的纳维亚效果的处理方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108705891A (zh) * 2018-05-29 2018-10-26 太仓丽盛制版有限公司 装饰木纹类家具设计凹版印刷辊斯堪的纳维亚效果的处理方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2402427C2 (ru) Панель пола и способ ее изготовления
CN104736350A (zh) 在冲压带和冲压板上的表面结构化
JP2014008750A (ja) 杢目レリーフ板、およびその製造方法
CN101633186B (zh) 一种重组木艺术装饰板板材及其成型方法
CN201031483Y (zh) 一种艺术仿古地板
CN201626012U (zh) 轻度碳化立体实木饰面板
CN104002607A (zh) 一种将竹木制品覆盖填充成水晶琥珀纹理的加工方法
KR101089689B1 (ko) 상감 장식품 및 그 제조방법
CN201059054Y (zh) 狂放型实木复合地板
JP2020051151A (ja) 化粧材
CN1322990C (zh) 火山浮石雕刻、粘贴画的制作方法
KR20150053037A (ko) 가구용 목재 장식판 제조방법 및 그에 의해 제조된 목재 장식판
JP3113393U (ja) 年輪凹凸板材
CN109822693B (zh) 一种可拉丝的重组装饰木制造方法
JP3235842U (ja) 微細掘り込み様相を呈している木製装飾板材。
CN214329722U (zh) 一种混色浮雕花纹导静电塑木复合地板
US20180201056A1 (en) Method for working wood paste
CN110539578B (zh) 一种错层式数控雕刻与树脂镶嵌晕染工艺
JP3343235B2 (ja) 立体装飾材の製造方法
KR100572231B1 (ko) 폴리우레탄을 이용한 칠공예품 제조방법 및 그러한 방법에의한 칠공예품
CN201021056Y (zh) 铝塑板工艺品
KR20170011325A (ko) 휘어지는 판자개
KR100490588B1 (ko) 장신구 가공용 목재의 제조방법 및 그 목재
KR101670834B1 (ko) 가구용 장식바 및 이의 제조방법
CN201195467Y (zh) 一种砂岩石雕画