以下、図1〜図22を参照し、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
なお、以下の説明においてパチンコ機の各部の左右方向は、そのパチンコ機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。
図1,図2に示すように、本実施形態に係るパチンコ機1は、遊技場の島設備に設置される縦長方形状の機枠2と、この機枠2の側部に軸着され、開閉自在に取り付けられた本体枠3と、当該本体枠3の内側に装着された遊技盤30と、本体枠3の前面に軸着されて開閉自在に取り付けられ、中央に大きく設けられたガラス窓4A及び当該ガラス窓4Aの下方に設けられた受皿6を有するパネル扉4と、本体枠3の下部に配設された図外の発射装置と、パネル扉4の下部に取り付けられたハンドル7と、パネル扉4の左右の上部にそれぞれ設けられたスピーカ8、及びパネル扉4の内部に配設された図外の複数の発光体10を備える。
受皿6の中央部には、操作部9が配設される。操作部9は、演出表示装置50に表示されるカーソル等を移動するためのダイアル部と、ダイアル部によって移動されるカーソルと対応する項目を選択する際や、演出表示装置50において展開される多様なボタン演出の際に押下されるボタン部とから構成される。
パチンコ機1の背面側には、図外の収容体や支持部材等を介して、図3に示す主制御装置100と、副制御装置を構成するサブ制御装置(演出制御装置)200と、払出制御装置300とが搭載されている。主制御装置100、サブ制御装置200、払出制御装置300は、何れもCPU(Central Processing Unit)と、遊技処理に必要なプログラム、及び、遊技処理に必要なデータを格納したROM(Read Only Memory)と、CPUがROMに格納されたコンピュータプログラムに従って処理を行うための一時記憶領域であるRAM(Random Access Memory)とを備えるマイクロコンピュータである。なお、主制御装置100、サブ制御装置200及び払出制御装置300の各制御装置は、図外の電源供給装置からの電力供給により駆動する。続いて、本実施形態に係るパチンコ機1の各部の構成を概説する。
図2に示すように遊技盤30は、その盤面に遊技球が流下する遊技領域31を備える。遊技領域31は、ガラス窓4Aから観察することができる。遊技領域31は、遊技球を滑走させるガイドレール27と遊技球規制レール28によって略円形状となるように区画形成されている。
受皿6に収容された遊技球は、図外の発射装置に1個ずつ供給されるようになっている。図3に示すように、払出制御装置300は、ハンドル7の回動操作量に対応して増減する発射ボリューム7Aからの入力に基づいて所定の強度で遊技球が発射されるように発射モータ7Bを駆動制御するようになっている。発射装置により発射されて遊技領域31に到達した遊技球は、遊技領域31内を流下することになる。また、払出制御装置300には、ハンドル7の円周上に設けられた発射停止スイッチ7Cやハンドル7の内部に配設されたタッチセンサ7Dが接続されている。
遊技盤30には、演出表示装置50と、当該演出表示装置50の右側部において、演出表示装置50の表示画面51を遮ることなく設けられた演出数報知手段としての演出ストック数表示装置60と、演出表示装置50の下部に配設されたステージ55と、ステージ55の上方において左右方向に沿って配設された複数の保留記憶表示器20A〜20Hと、第1特別図柄表示装置35Aと、第2特別図柄表示装置35Bと、普通図柄表示装置41と、第1始動入賞口(始動口)61と、第2始動入賞口(始動口)62と、開閉体63と、アタッカ装置65と、通過ゲート66と、複数の一般入賞口67と、アウト口68と、可動役物70、及び、図外の複数の遊技釘とが設けられている。以下、各部の詳細について説明する。
演出表示装置50は、遊技領域31の略中央部に配設される例えば液晶表示装置である。演出表示装置50は、その表示画面51上に、例えば1〜8までの数字、及び、特定のキャラクター等からなる演出図柄Sを変動表示可能である。また、演出表示装置50の表示画面51には、演出図柄Sの変動中に展開される後述のロング演出、多様な予告演出、リーチ演出を盛り上げるための特定の画像やアニメーション等の動画等が表示可能であり、これらの演出に係る制御は後述のサブ制御装置200によって実行される。
また、演出図柄Sの変動時間は、後述の第1特別図柄又は第2特別図柄の変動時間と略同期しており、一般に遊技者は、当該演出図柄Sの変動停止までに実行される多様な演出の行方を見守ることにより、大当り遊技への期待感を抱きながら遊技を進行する。
演出表示装置50の上部及び両側部の周囲を取り囲むように配設された中央装飾部材52には、可動役物70が上下方向にスライド移動、かつ、スライド方向に直交する回転軸を中心として回転可能に配設されており、当該可動役物70は、後述のサブ制御装置200によって制御される。
演出ストック数表示装置60は、複数のストック数表示灯60A〜60Dを備える。ストック数表示灯60A〜60Dは、演出表示装置50の右側部において、上下方向に配列されている。各ストック数表示灯60A〜60Dは、光透過性を有する樹脂等によって星形状に成型された発光基体と、当該発光基体内に収容された図外のLEDや白熱球等の発光体とを備える。
また、各ストック数表示灯60A〜60Dにおける遊技者と正対する発光基体の表面には、下方から上方に向かって1〜4までの数字情報が付されている。発光基体内に収容された発光体の点灯,点滅に係る制御は、後述のサブ制御装置200によって実行される。また、複数のストック数表示灯60A〜60Dを備えた演出ストック数表示装置60は、その点灯数によって後述するロング演出の実行回数を遊技者に対して示唆,報知する。
例えば、サブ制御装置200の制御に基づいて、例えば、「1」の数字情報が付されたストック数表示灯60Aのみが点灯した場合は、ロング演出の回数が少なくとも1回以上となることが示唆,報知される。また、サブ制御装置200の制御に基づいて、例えば、それぞれ「1」,「2」,「3」の数字情報が付されたストック数表示灯60A〜60Cが点灯している場合は、ロング演出の回数が少なくとも3回以上となることが示唆,報知される。このように、遊技者は、演出表示装置50とは別に設けられた演出ストック数表示装置60のストック数表示灯60A〜60Dの点灯数によってロング演出の回数を容易に把握することが可能となる。なお、ストック数表示灯60A〜60Dに付された数字情報は副次的な構成であり、数字情報を付すことなく、単に点灯数のみによってロング演出の回数を示唆,報知するようにしてもよい。
ステージ55は、演出表示装置50の下方に形成された前後左右方向に亘って延在する領域であって、当該ステージ55上に進入した遊技球は、左右方向に転動しながら下方に落下する。ステージ55の中央部には、球導入口が開設されており、当該球誘導入口に進入した遊技球は、下方に開設された球導出口より下方に落下する。
ステージ55の上部後方に配設された複数の保留記憶表示器20A〜20Hは、矩形状の発光基体と当該発光基体内に格納されたLEDとから構成される。保留記憶表示器20A〜20Hは、演出表示装置50の表示画面51よりも前方に位置しており、保留記憶表示器20A〜20Hは、表示画面51の下部とその一部が前後方向に重なり合う。保留記憶表示器20A〜20Hは、その発光数によって後述する遊技情報の記憶数(保留記憶数)を遊技者に対して報知する機能を有し、遊技情報の記憶数が増加する度に、換言すれば遊技球が後述の第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62に入賞する度に20Aから20Hの方向に向かって発光する。
例えば、遊技情報の保留記憶数が2個である場合は、保留記憶表示器20A;20Bが所定の色により発光状態となり、遊技情報の保留記憶数が最大である8個に達した場合、全ての保留記憶表示器20A〜20Hが発光状態となる。よって、遊技者は、保留記憶表示器20A〜20Hの発光数により、記憶された遊技情報の数(保留記憶数)を認識することができる。
次に遊技領域31内に配設された各種の入賞口について説明する。
第1始動入賞口61と、第2始動入賞口62は、遊技領域31の略中央部に配設された演出表示装置50の下方に配設された振分機構33の下流側出口34A;34Bの下方に配設されている。振分機構33は、外部より視認可能な透明な基板によって形成された流路であって、共通進入口33Aより進入した球は、二股に分かれる流路の上流側中央部に配設された振分体32によって下流側出口34A;34Bのいずれかに振り分けられる。本実施形態において振分体32は、外部の動力を用いずに機械的に動作するものであって、球の重みによって、共通入口33Aへ進入した球を下流側出口34A;34Bの方向に向けて規則的に交互に振り分ける。よって、共通進入口33Aより進入した球は、第1始動入賞口61及び第2始動入賞口62に向けて交互に誘導されて入賞することとなる。
振分機構33を経て第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62に遊技球が入賞すると、主制御装置100は、後述する複数の乱数からなる遊技情報を取得して記憶するとともに、始動条件の成立により当該取得した遊技情報に基づいて後述の特別図柄抽選(以下、特図抽選という)等の各種の遊技抽選処理を実行する。つまり、第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62への入賞は、遊技情報の記憶、及び、当該遊技情報に基づく遊技抽選処理の契機となるものである。
上記第2始動入賞口62は、開閉体63の開閉動作によって入賞の難易が変化するように構成された可変入賞装置の一部として構成されている。当該可変入賞装置は、第2始動入賞口62と、左右一対の開閉体63、及び、当該開閉体63を遊技盤30の前面に垂直な軸を中心に回動動作させる図外のソレノイドとを備え、ソレノイドへの通電により1対の開閉体63が互いに左右方向に離れる方向に回動し、第2始動入賞口62の入口を拡大する。
一対の開閉体63は、互いに直立した閉鎖状態において、共通進入口33A以外から進入した遊技球の第2始動入賞口62への入賞を困難とし、互いに左右方向に離れた開放状態において共通進入口33A以外から進入した遊技球の第2始動入賞口62への入賞を容易とする。なお、開閉体63の開放動作は、遊技球が通過ゲート66を通過したことに基づいて実行される普通図柄に係る電子抽選(普図抽選)の結果が普図当りとなった場合に、主制御装置100により実行される。なお、開閉体63の形態としては、如何なる形態であってもよく、遊技盤30の前方に回動して第2始動入賞口62を開放状態とする形態や、遊技盤30の前方に取り込み部材を突出させて第2始動入賞口62内に遊技球を取り込む形態等を採用することもできる。
アタッカ装置65は、遊技領域31の右側部に配設される可変入賞装置である。アタッカ装置65は、左右方向に長い矩形状に開設された大入賞口と、当該大入賞口と略同形に形成され大入賞口の前方を閉鎖する蓋部材と、当該蓋部材を駆動するソレノイドとを備える。蓋部材は、遊技盤30の前面と平行な軸を中心として前後方向にフラップ状に回動白在に設けられ、遊技盤30の前面と平行に直立した閉鎖状態において大入賞口への遊技球の進入を不可能とし、前方に傾動した開放状態において遊技球を大入賞口に取り込む。
アタッカ装置65は、後述する第1特図抽選又は第2特図抽選の結果が「当り」となった場合に実行される特別遊技中において主制御装置100によって開放駆動される。よって、遊技者は、特別遊技実行中において遊技球を遊技領域31の右側部方向に打ち出すことにより、遊技球を容易に大入賞口内に入賞させることができる。
複数の一般入賞口67は、遊技領域31の左側部に上下方向に分かれて配設される。上述した各入賞口のそれぞれには、遊技球の通過を検知する第1始動入賞口検知センサ91、第2始動入賞口検知センサ92、大入賞口検知センサ93、一般入賞口検知センサ94が内蔵されている。これらの検知センサ91〜94は、遊技球の通過に伴い遊技球検知信号を出力する磁気センサであり、その遊技球検知信号は主制御装置100に入力される。
また、上述した各入賞口に遊技球が取り込まれると、主制御装置100は、払出制御装置300に対して払出コマンドを送信し、これを受信した払出制御装置300が賞球払出装置301を駆動することにより、遊技者に対して予め設定された所定個数の賞球が払出される。賞球払出装置301から払出された賞球は、賞球払出装置301の遊技球流路内に配設された払出計数スイッチ302により計数され、払出制御装置300は払出計数スイッチ302からの入力に基づいて払出動作を停止させる。本実施形態において、第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62への入賞に対して予め設定された賞球個数は3個であり、アタッカ装置65の大入賞口に予め対応付けられた賞球個数は15個であり、一般入賞口67に予め対応付けられた賞球個数は5個である。また、第1始動入賞口61、第2始動入賞口62、アタッカ装置65の大入賞口、一般入賞口67の何れにも入賞しなかった遊技球は、遊技領域31の最下部に位置するアウト口68から回収される。
通過ゲート66は、アタッカ装置65の上方に配設されている。通過ゲート66は、遊技球が上方から下方に向けて通過可能な門型の構造をなしたものであり、当該通過ゲート66を通過した遊技球は内部に格納された通過ゲート検知センサ95によって検出される。通過ゲート検知センサ95は前述の各検知センサ91〜94と同様に主制御装置100に接続されており、その遊技球検知信号が主制御装置100に出力される。
第1特別図柄表示装置35Aは、第1始動入賞口61への遊技球の入賞を契機に、主制御装置100により行われる特図抽選(第1特図抽選)の結果を表示する表示器である。本実施形態における第1特別図柄表示装置35Aは、7セグメントディスプレイにより構成され、特図抽選の結果に基づいて特別図柄(1〜9までの数字や記号)を高速で点滅表示させた後に、特図抽選の結果を表示する態様で所定の特別図柄を導出表示する。ここで、特別図柄が点滅表示している時間は、特別図柄の変動時間であり、導出表示されている時間は特別図柄の停止時間である。また、例えば特図抽選の結果が「当り」である場合に導出表示される特別図柄は、1〜9までの何れかの数字又は記号の組み合わせであり、「外れ」である場合に停止表示される特別図柄は、数字以外のアルファベットや「−」等の記号である。当該第1特別図柄表示装置35Aの変動表示制御は、主制御装置100により制御される。
第2特別図柄表示装置35Bは、第2始動入賞口62への遊技球の入賞を契機に、主制御装置100により行われる特図抽選(第2特図抽選)の結果を表示する表示器である。第2特別図柄表示装置35Bは、第1特別図柄表示装置35Aと同様の7セグメントディスプレイにより構成され、主制御装置100により制御されることによって特別図柄を点滅表示させた後に、特図抽選の結果を表示する態様で所定の特別図柄を導出表示(停止表示)するものである。なお、特別図柄の変動時間、停止時間及びその導出態様については上記第1特別図柄表示装置35Aにおけるものと同様である。
なお、以下の説明においては第1始動入賞口61への入賞を契機として変動する特別図柄を第1特別図柄と言い、第2始動入賞口62への入賞を契機として変動する特別図柄を第2特別図柄と言う場合がある。
第1特別図柄表示装置35A及び第2特別図柄表示装置35Bは、演出表示装置50を見ている遊技者の視界に同時に入らないように遊技盤30の右下部分に演出表示装置50と離間して配置されている。また、第1特別図柄表示装置35A及び第2特別図柄表示装置35Bの形態は7セグメントに限られず、複数のランプを規則的又はランダムに配列した形態等のものを採用することも可能である。
普通図柄表示装置41は、上述の第1特別図柄表示装置35A及び第2特別図柄表示装置35Bの下方に配置され、遊技球の通過ゲート66の通過を契機に、主制御装置100により行われる普図抽選の結果を表示する表示器である。普通図柄表示装置41は並設された2つのLEDランプにより構成され、主制御装置100により制御されることによって普通図柄を交互に点滅表示させた後に、普図抽選の結果を表示する態様で所定の普通図柄を導出表示(停止表示)するものである。具体的には普図抽選の結果が「当り」の場合には2つのLEDランプのうちの一方のみが点灯し、「外れ」のときに他方のみが点灯するようになっている。2つのLEDランプが交互に点滅している状態は、普通図柄が変動している状態であり、その点滅が停止して点灯が維持された状態は、普通図柄の変動が停止した状態である。また、2つのLEDランプが交互に点滅している時間は、普通図柄の変動時間である。
以下、図3を参照し、上記構成からなる遊技盤30を備えたパチンコ機1のハードウェア上の構成について説明するとともに、パチンコ機1における主要な制御処理について概説する。同図に示すように、パチンコ機1は、主制御装置100、サブ制御装置200、及び、上述の払出制御装置300を主たる装置として備えている。以下、特に主制御装置100、サブ制御装置200について詳説する。
同図に示すように、主制御装置100は、遊技情報記憶手段110と、特別図柄当否抽選手段120と、特別図柄種類決定手段130と、変動時間決定手段140と、特別図柄変動表示制御手段150と、特別遊技制御手段160と、遊技情報先読み手段170と、普通図柄当否抽選手段180と、第2始動入賞口制御手段190及び遊技状態制御手段195を備える。
遊技情報記憶手段110は、第1始動入賞口61及び第2始動入賞口62にそれぞれ対応する第1始動入賞口検知センサ91及び第2始動入賞口検知センサ92から出力される遊技球検出信号の入力を契機として、複数の乱数からなる遊技情報を取得して記憶する。
図4(a)は、遊技情報記憶手段110の構成を示すブロック図である。同図に示すように、遊技情報記憶手段110は、特図当否抽選用乱数発生部111Aと、特図当否抽選用乱数取得部111Bと、特図種類決定用乱数発生部112Aと、特図種類決定用乱数取得部112Bと、前変動時間決定用乱数発生部113Aと、前変動時間決定用乱数取得部113B、後変動時間決定用乱数発生部114Aと、後変動時間決定用乱数取得部114B、及び、遊技情報保留記憶部115とから構成される。
特図当否抽選用乱数発生部111Aは、周期的に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜65535の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりハードウェア乱数である特図当否抽選用乱数を発生させるハードウェアカウンタである。特図当否抽選用乱数取得部111Bは、第1始動入賞口検知センサ91又は第2始動入賞口検知センサ92からの遊技球検知信号の入力に基づき、特図当否抽選用乱数発生部111Aにより発生した特図当否抽選用乱数を取得(ラッチ)する。
特図種類決定用乱数発生部112Aは、上記特図当否抽選用乱数発生部111Aと同様に周期的に入力される割り込み信号に基づいてループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜99の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりハードウェア乱数である特図種類決定用乱数を発生させるハードウェアカウンタである。特図種類決定用乱数取得部112Bは、第1始動入賞口検知センサ91又は第2始動入賞口検知センサ92からの遊技球検知信号の入力に基づき、特図種類決定用乱数発生部112Aにより発生した特図種類決定用乱数を取得(ラッチ)する。
前変動時間決定用乱数発生部113Aは、ループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜99の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である前変動時間決定用乱数を発生させるソフトウェアカウンタである。前変動時間決定用乱数取得部113Bは、第1始動入賞口検知センサ91又は第2始動入賞口検知センサ92からの遊技球検知信号の入力に基づき、前変動時間決定用乱数発生部113Aにより発生した前変動時間決定用乱数を取得(ラッチ)する。
後変動時間決定用乱数発生部114Aは、ループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜99の整数の範囲)で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である後変動時間決定用乱数を発生させるソフトウェアカウンタである。後変動時間決定用乱数取得部114Bは、第1始動入賞口検知センサ91又は第2始動入賞口検知センサ92からの遊技球検知信号の入力に基づき、後変動時間決定用乱数発生部114Aにより発生した後変動時間決定用乱数を取得(ラッチ)する。
以上のとおり、上述の各乱数は、第1始動入賞口検知センサ91又は第2始動入賞口検知センサ92からの入力に基づいて同時に取得されるものである。そして以下の説明においては、これら同時に取得される複数の乱数を総称して「遊技情報」という場合がある。
遊技情報保留記憶部115は、第1始動入賞口61及び第2始動入賞口62への入賞(第1始動入賞口検知センサ91又は第2始動入賞口検知センサ92からの入力)を契機として取得された遊技情報を記憶する複数の記憶領域を有するRAMにより構成される。
本実施形態においては、遊技情報保留記憶部115に記憶可能な遊技情報の上限は、第1始動入賞口61への入賞及び第2始動入賞口62への入賞にそれぞれについて4個(最大8個)とされており、遊技情報保留記憶部115は、第1始動入賞口61及び第2始動入賞口62への入賞を契機として取得された遊技情報を入賞口(遊技球検出信号)の種別に応じて、それぞれ独立して設けられた記憶領域(第1記憶領域,第2記憶領域)内に順に記憶する。
また、各記憶領域に記憶された遊技情報は、始動条件の成立によって読み出され、当該読み出された遊技情報に基づく所定の遊技抽選処理(特図抽選処理,特図種類決定処理,変動時間決定処理)が実行されたのちに削除される。
図4(b)は、遊技情報記憶手段110による遊技情報の取得,記憶処理の流れを示すフローチャートである。まず、S100において遊技情報記憶手段110は、第1始動入賞口61への入賞が検出されたかを判定し、判定がYESの場合S101に移行し、NOの場合S104に移行する。S101において遊技情報記憶手段110は、第1記憶領域内に記憶されている遊技情報が上限に達しているかを判定し、NOの場合S102に移行し、YESの場合、遊技情報を新たに取得することなく処理を終了する。S102において遊技情報記憶手段110は、上述の各乱数発生手段により発生した乱数を上述の各乱数取得手段により取得し、S103に移行する。
遊技情報記憶手段110は、S103において、S102で取得した複数の乱数を遊技情報として互いに対応付けて遊技情報保留記憶部115の第1記憶領域に記憶(保留)し、一回の処理を終了する。
遊技情報記憶手段110は、S104において第2始動入賞口62への入賞が検出されたかを判定し、判定がYESの場合S105に移行し、NOの場合一回の処理を終了する。遊技情報記憶手段110は、S105において第2記憶領域内に記憶されている遊技情報が上限に達しているかを判定し、NOの場合S106に移行し、YESの場合、遊技情報を新たに取得することなく処理を終了する。
S106において遊技情報記憶手段110は、上述の各乱数発生手段により発生した乱数を上述の各乱数取得手段により取得し、S107に移行する。遊技情報記憶手段110は、S107において、S106で取得した複数の乱数を遊技情報として互いに対応付けて遊技情報保留記憶部115の第2記憶領域に記憶(保留)し、一回の処理を終了する。
以上のとおり、本実施形態に係る遊技情報記憶手段110は、第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62への入賞を契機として、複数の乱数から構成される遊技情報を上限に達するまで順次取得,記憶する機能を有する。また、上述したとおり、本実施形態に係るパチンコ機1は、遊技球を第1始動入賞口61及び第2始動入賞口62に交互に振り分ける構成であるため、遊技情報も必然的に第1記憶領域及び第2記憶領域に交互に記憶されることとなる。
次に、主制御装置100の特別図柄当否抽選手段120によって実行される特図抽選処理ついて説明する。なお、以下に詳説するが、特別図柄当否抽選手段120、特別図柄種類決定手段130、及び、変動時間決定手段140は、所定の始動条件が成立したことに応じて、前記遊技情報記憶手段110に記憶された遊技情報に含まれる各乱数をそれぞれ読み出し、読み出した乱数に対応する当否の結果、特別図柄の種類、及び、変動時間を決定する。
また、本明細書においては、上記遊技情報に基づいて実行される各処理を総称して「遊技抽選」という。
図5(a)は、特別図柄当否抽選手段120の構成を示すブロック図である。同図に示すように、特別図柄当否抽選手段120は、特図当否抽選用乱数読出し部121と、低確率用当否抽選テーブル122A及び高確率用当否抽選テーブル122Bを備えている。
図5(b)に示すように、これらのテーブルには、0〜65535までの範囲の特図当否抽選用乱数それぞれに対応する当否結果(「当り」,「外れ」)が規定されている。特別図柄当否抽選手段120の特図当否抽選用乱数読出し部121は、所定の始動条件が成立したことに基づいて、前述の遊技情報記憶手段110によって遊技情報として記憶された特図当否抽選用乱数を読み出すとともに、現在の遊技状態に応じて低確率用当否抽選テーブル122A及び高確率用当否抽選テーブル122Bのいずれかのテーブルを参照し、読み出した特図当否抽選用乱数に対応する当否結果(「当り」又は「外れ」)を抽出する。
本実施形態においては、低確率用当否抽選テーブル122Aが参照される場合よりも、高確率用当否抽選テーブル122Bが参照される場合の方が当否抽選の結果が「当り」となる確率が約10倍高く設定されている。いずれのテーブルが参照されるかは、後述する遊技状態制御手段195によって設定される遊技状態によって異なり、遊技状態が後述する「特図低確率」である場合は、低確率用当否抽選テーブル122Aが参照され、「特図高確率」である場合は、高確率用当否抽選テーブル122Bが参照される。
またここで、上記当否抽選が実行される契機となる始動条件とは、特別図柄が変動中でないこと、かつ、特別遊技実行中でないことであり、当該始動条件が成立したことに基づいて遊技情報記憶手段110によって記憶された特図当否抽選用乱数が順次読み出され、対応する当否結果が抽出される。また、特図当否抽選用乱数の読出し順は、入賞順(遊技情報記憶手段110に記憶された順序通り)であり、本実施形態においては、原則的に第1記憶領域及び第2記憶領域に記憶された特図当否抽選用乱数が交互に読み出される。
次に、主制御装置100の特別図柄種類決定手段130により実行される特図種類決定処理ついて説明する。図6(a)は、特別図柄種類決定手段130の構成を示すブロック図である。同図に示すように、特別図柄種類決定手段130は、特図種類決定用乱数読出し部131と、前述の当否抽選の結果が「当り」である場合に参照される特図種類決定テーブル132を備えている。
図6(b)に示すように、特図種類決定テーブル132は、それぞれ特1当り用特図種類決定テーブル132A,特2当り用特図種類決定テーブル132Bに細分化されている。これらのテーブルには、0〜99までの範囲の特図種類決定用乱数それぞれに対応する特図種類(特別図柄種類)が規定されている。
特別図柄種類決定手段130の特図種類決定用乱数読出し部131は、前述の当否抽選の結果が「当り」であることに基づいて、遊技情報記憶手段110によって遊技情報として記憶された特図種類決定用乱数を読み出し、特1当り用特図種類決定テーブル132A、及び、特2当り用特図種類決定テーブル132Bのいずれかのテーブルを参照して、読み出した特図種類決定用乱数に対応する特別図柄種類を抽出する。
なお、特1当り用特図種類決定テーブル132Aは、特図種類決定用乱数が第1始動入賞口61への入賞を契機に取得されたものである場合に参照されるテーブルであり、特2当り用特図種類決定テーブル132Bは、特図種類決定用乱数が第2始動入賞口62への入賞を契機に取得されたものである場合に参照されるテーブルである。換言すれば、特図種類決定用乱数が遊技情報保留記憶部115の第1領域から読み出されたものである場合は、特1当り用特図種類決定テーブル132Aが参照され、第2領域から読み出されたものである場合は、特2当り用特図種類決定テーブル132Bが参照される。
図6(b)に示すように、特1当り用特図種類決定テーブル132A、及び、特2当り用特図種類決定テーブル132Bには、特図種類決定用乱数に対して、特別図柄A〜Dの合計4種類のうちいずれかの特別図柄種類が規定されている。なお、図中の「選択率」の項目は説明の便宜上付したものであり、実際のテーブルに規定されるものではなく、以下の図においても同様である。
特1当り用特図種類決定テーブル132Aには、特別図柄A〜Dまでの特別図柄種類の選択率がそれぞれ20%、60%、10%、10%となるように規定されている。また、特2当り用特図種類決定テーブル132Bには、特別図柄A〜Cまでの特別図柄種類の選択率がそれぞれ70%、25%、5%となるように規定されている。
同図から明らかなとおり、特図種類決定用乱数が第1始動入賞口61への入賞を契機に取得されたものである場合に参照される特1当り用特図種類決定テーブル132Aと、特図種類決定用乱数が第2始動入賞口62への入賞を契機に取得されたものである場合に参照される特2当り用特図種類決定テーブル132Bとの間には、その選択率に顕著な差が設けられており、具体的には、特1当り用特図種類決定テーブル132Aが参照されるよりも、特2当り用特図種類決定テーブル132Bが参照された場合の方が、特別図柄Aが選択される確率が飛躍的に高くなっており、さらに特2当り用特図種類決定テーブル132Bが参照された場合、特別図柄Dが選択される可能性はない。これらのテーブルによって抽出される特図種類は、後述する特別遊技中の態様(ラウンド数)や、当該特別遊技後の遊技状態を決定する要素として用いられる。
また、これらの特図種類は、前述の第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35Bに導出される特別図柄の態様を決定する。本実施形態において、例えば特図種類が「特別図柄A」である場合、第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35B上に「7・7」又は「3・3」、「特別図柄B」の場合「1・1」又は「5・5」、「特別図柄C」の場合「8・8」又は「6・6」、「特別図柄D」の場合「2・2」又は「4・4」が当否抽選の結果を示す態様として停止表示される。なお、前述の当否抽選の結果が「外れ」である場合は、特図種類決定処理は実行されず、第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35Bに導出される特別図柄の態様は「−」とされる。
次に、主制御装置100の変動時間決定手段140により実行される変動時間決定処理ついて説明する。変動時間決定手段140は、前述の特別図柄、及び、当該特別図柄の変動時間と対応して変動する演出図柄Sの変動時間(演出時間)を決定する機能を有する。本実施形態において、変動時間は「前変動時間」と「後変動時間」とを含み、これらの変動時間の総和が、特別図柄、及び、演出図柄Sの変動時間(演出時間)として決定される。また、当該変動時間決定手段140によって決定される「前変動時間」は、後述のサブ制御装置200によって、演出図柄Sの変動表示中において発生するロング演出が表示される期間として割り当てられ、「後変動時間」は主にロング演出後に演出図柄Sが後述するリーチや非リーチの状態で停止し、3つの演出図柄Sが最終的に停止するまでの期間として割り当てられる。
図7(a)は、変動時間決定手段140の構成を示すブロック図である。同図に示すように、変動時間決定手段140は、前変動時間決定部140Aと後変動時間決定部140Bとを有する。前変動時間決定部140Aは、前変動時間決定用乱数読出し部141と、当り用前変動時間決定テーブル142、及び、外れ用後変動時間決定テーブル143とを備える。図7(b)に示すように、当り用前変動時間決定テーブル142は、前述の特図抽選の結果が「当り」である場合に参照されるテーブルであり、外れ用後変動時間決定テーブル143は、前述の特図抽選の結果が「外れ」である場合に参照されるテーブルである。これら各テーブルには、0〜99までの範囲の前変動時間決定用乱数それぞれに対応するA1〜E8までの前変動時間種別が規定されている。
図8(a)は、前変動時間種別A1〜E8の内訳を示す模式図である。同図に示すように前変動時間種別がA1である場合の前変動時間は、「0秒」として規定され、B1である場合の前変動時間は「7秒」として規定されている。
また、前変動時間種別がC1又はC2である場合の前変動時間は「14秒」として規定されている。また、前変動時間種別がD1〜D4である場合の前変動時間は、「21秒」として規定され、前変動時間種別がE1〜E8である場合の前変動時間は、最長の「28秒」として規定されている。同図から明らかなように、本実施形態における前変動時間は、「7秒」を最小の単位(ブロック)として構成されており、前変動時間が「14秒」以上である場合には、「7秒」を最小の単位とした時間ブロックの組み合わせが規定されている。これら複数の時間ブロックの組み合わせは、後述するサブ制御装置200によって参照され、ロング演出の発生時期、及び、発生回数を決定する要素とされる。
図8(b)は、前変動時間種別による時間ブロックの組み合わせの相違と、ロング演出の発生時期及び回数の相関を示すタイムチャートである。図8(b)の上段のタイムチャートは、前変動時間種別がD1(21秒)である場合の例を示し、下段のタイムチャートは、前変動時間種別がD2(21秒)である場合の例を示す。
上段のタイムチャートに示すとおり、前変動時間種別がD1である場合の前変動時間を構成する時間ブロックの組み合わせが、7秒+7秒+7秒であるため、当該前変動時間種別D1が抽出された場合、後述のサブ制御装置200によって、演出図柄Sの変動開始から7秒経過前(本実施形態においては変動開始から5秒目)に一回目のロング演出が実行され、演出図柄Sの変動開始から14秒経過前(本実施形態においては変動開始から12秒目)に二回目のロング演出が実行され、さらに演出図柄Sの変動開始から21秒経過前(本実施形態においては変動開始から19秒目)に三回目のロング演出が実行される。そして、当該合計21秒間の前変動時間経過後に後変動時間による所定の演出が実行される。
一方、下段のタイムチャートに示すとおり、前変動時間種別がD2である場合の前変動時間を構成する時間ブロックの組み合わせが、7秒+14秒であるため、当該前変動時間種別D2が抽出された場合、後述のサブ制御装置200によって、演出図柄Sの変動開始から7秒経過前(本実施形態においては変動開始から5秒目)に一回目のロング演出が実行され、演出図柄Sの変動開始から21秒経過前(本実施形態においては変動開始から19秒目)に二回目のロング演出が実行される。そして、当該合計21秒間の前変動時間経過後に後変動時間による所定の演出が実行される。以上のタイムチャートから分かるように、本実施形態においては、同じ前変動時間であっても時間ブロックの組み合わせによって、サブ制御装置200によって実行される後述のロング演出の発生時期及び回数が異なるように設定されている。
前変動時間決定用乱数読出し部141は、前述の当否抽選の結果が抽出されたことに基づいて、遊技情報記憶手段110によって遊技情報として記憶された前変動時間決定用乱数を読み出すとともに、当否抽選の結果に応じて上記いずれかのテーブルを参照し、読み出した前変動時間決定用乱数に対応する前変動時間種別を抽出する。
また、同図から明らかなように、当り用前変動時間決定テーブル142、及び、外れ用後変動時間決定テーブル143間における前変動時間種別の選択率には大きな差が設けられており、特図抽選の結果が「当り」である場合の方が、長い前変動時間を有する前変動時間種別が抽出される傾向にある。なお、前変動時間が「0秒」である前変動時間種別A1が抽出された場合は、ロング演出が実行されることはない。
後変動時間決定部140Bは、後変動時間決定用乱数読出し部144と、低確率用後変動時間決定テーブル145と、高確率用後変動時間決定テーブル146を備えている。図9(a)に示すように、低確率用後変動時間決定テーブル145は、外れ用の低確率用後変動時間決定テーブル145A、及び、当り用の低確率用後変動時間決定テーブル145Bに細分化されている。また、図9(b)に示すように高確率用後変動時間決定テーブル146は、外れ用の高確率用後変動時間決定テーブル146A、及び、当り用の高確率用後変動時間決定テーブル146Bに細分化されている。
これらのテーブルには、0〜99までの範囲の後変動時間決定用乱数それぞれに対応する後変動時間(2秒,5秒,13秒,30秒,45秒,90秒のいずれか)が規定されている。変動時間決定手段140の後変動時間決定用乱数読出し部144は、前述の当否抽選の結果が抽出されたことに基づいて、遊技情報記憶手段110によって遊技情報として記憶された後変動時間決定用乱数を読み出すとともに、遊技状態に応じて上記いずれかのテーブルを参照し、読み出した後変動時間決定用乱数に対応する後変動時間を抽出する。
ここで、外れ用の低確率用後変動時間決定テーブル145Aは、前述の特図抽選の結果が「外れ」であり、かつ、遊技状態が後述する「普図低確率」である場合に参照されるテーブルである。また、当り用の低確率用後変動時間決定テーブル145Bは、前述の特図抽選の結果が「当り」であり、かつ、遊技状態が後述する「普図低確率」である場合に参照されるテーブルである。両者の選択率の比較からも明らかなように、当り用の低確率用後変動時間決定テーブル145Bが参照される場合の方が、外れ用の低確率用後変動時間決定テーブル145Aが参照される場合よりも長い後変動時間が抽出される傾向にある。
また、外れ用の高確率用後変動時間決定テーブル146Aは、前述の特図抽選の結果が「外れ」であり、かつ、遊技状態が後述する「普図高確率」である場合に参照されるテーブルである。また、当り用の高確率用後変動時間決定テーブル146Bは、前述の特図抽選の結果が「当り」であり、かつ、遊技状態が後述する「普図高確率」である場合に参照されるテーブルである。両者の選択率の比較からも明らかなように、外れ用の高確率用後変動時間決定テーブル146Aが参照された場合の変動時間は「2秒」又は「5秒」決定される。
また、当り用の高確率用後変動時間決定テーブル146Bが参照された場合の変動時間は、「30秒」,「45秒」又は「90秒」のいずれかに決定される。
なお、上述の各テーブルは例示に過ぎず、この他にも遊技情報の記憶(保留記憶数)に応じて異なる変動時間が規定されたテーブルを参照して後変動時間を決定する構成としてもよい。
以上のとおり、主制御装置100は、特別図柄当否抽選手段120、特別図柄種類決定手段130及び変動時間決定手段140を備えており、遊技情報記憶手段110に記憶された遊技情報を読み出し、読み出した遊技情報に対応する当否抽選の結果、特別図柄の種類、及び、変動時間を抽出して決定する。
そして、主制御装置100は、上記抽出,決定された当否抽選の結果、特別図柄の種類、及び変動時間(前変動時間種別,後変動時間)の情報を含む演出図柄変動コマンドをサブ制御装置200側に送信する。当該演出図柄変動コマンドを受信したサブ制御装置200側では、当否抽選の結果、特別図柄の種類、及び、変動時間に基づいて演出図柄の変動時間、及び、変動に際して表示される多様な演出内容を決定し、演出表示装置50で各種の演出を展開する処理を実行する。なお、当該処理については後述する。
演出図柄変動コマンドの送信に対応して、主制御装置100の特別図柄変動表示制御手段150は、第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35Bに対して変動開始信号を出力し、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示を、抽出された所定の変動時間実行するとともに、所定の変動時間経過後に変動停止信号を出力し、当否抽選の結果を示す態様で停止表示させる。これにより、第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62への入賞を契機として取得された遊技情報に対する一回の遊技処理が終了する。なお、前述のとおり、特別図柄の所定の変動時間とは、前変動時間と後変動時間との総和である。つまり、例えば前変動時間が「0秒」であり、後変動時間が「13秒」である場合の特別図柄の変動時間は「13秒」となり、前変動時間が「21秒」であり、後変動時間が「30秒」である場合の特別図柄の変動時間は、51秒となる。
図10は、上述した主制御装置100による一連の遊技抽選処理をまとめたフローである。同図に示すように、主制御装置100は、S200において、遊技情報記憶手段110に遊技情報が記憶されているかを判定し、YESの場合S201に移行し、NOの場合判定を繰り返す。主制御装置100は、S201において、現在の遊技状態が特別遊技中であるかを判定し、YESの場合処理を終了し、NOの場合S202に移行する。なお、特別遊技中であるか否かの判定は、特別遊技中においてRAMに設定される特別遊技中フラグの有無により行われる。
主制御装置100は、S202において、特別図柄が変動中であるかを判定し、YESの場合処理を終了し、NOの場合S203に移行する。なお、変動中であるか否かの判定は、変動中においてRAMに設定される特別図柄変動フラグの有無により行われる。
主制御装置100は、S203において、遊技情報を読み出し、S204に移行する。具体的には、主制御装置100の特別図柄当否抽選手段120、特別図柄種類決定手段130及び変動時間決定手段140が、それぞれ対応する特図当否抽選用乱数、特図種類決定用乱数、及び前変動時間決定用乱数及び後変動時間決定用乱数を読み出す。上記S201及びS202の判定処理から明らかなように、遊技情報に係る抽選処理は、始動条件として設定された現在の遊技状態が特別遊技中でないこと、かつ、特別図柄が変動中でないことを条件として実行される。
主制御装置100は、S204において、読み出した遊技情報に基づいて当否抽選の結果、特別図柄の種類、及び、変動時間を抽出してS205に移行する。主制御装置100は、S205において第1特別図柄表示装置35A又は第2特別図柄表示装置35Bの変動表示を開始させ、S206に移行する。主制御装置100は、S206において当否抽選の結果、特別図柄の種類、及び、変動時間(前変動時間種別,後変動時間)の情報を含む演出図柄変動コマンドをサブ制御装置200側に送信して処理を終了する。
次に、主制御装置100の特別遊技制御手段160について説明する。特別遊技制御手段160は、上述の当否抽選(第1特図抽選又は第2特図抽選)の結果が「当り」である場合、当該「当り」であることを示す態様で特別図柄及び演出図柄Sが停止表示された後に、遊技者に対して遊技者にとって有利な特別遊技(所謂「大当り遊技」)を実行する。ここで、特別遊技の具体的態様は、前述の特別図柄種類に応じて予め設定されている。
例えば、特別図柄の種類が、「特別図柄A」である場合、特別遊技制御手段160は、アタッカ装置65に制御信号を出力し、アタッカ装置65の大入賞口を16R(ラウンド)開放状態とする。例えば1R当りの開放時間は30秒又は遊技球が10個入賞するまでのいずれか早い時間が経過するまでとされている。また、各ラウンド間のインターバルは、3.5秒とされている。
よって、当該特別遊技が実行された場合に遊技者が獲得可能な理論上の賞球数(払出し数)は、約2400個(15×10×16)となる。
また、特別図柄の種類が、「特別図柄B」である場合、特別遊技制御手段160は、アタッカ装置65に制御信号を出力し、アタッカ装置65の大入賞口を4R(ラウンド)開放状態とする。なお、1R当りの開放時間及び各ラウンド間のインターバルは、前記と同様である。よって、当該特別遊技が実行された場合に遊技者が獲得可能な理論上の賞球数(払出し数)は、約600個(15×10×4)となる。
また、特別図柄の種類が、「特別図柄C」又は「特別図柄D」である場合、特別遊技制御手段160は、アタッカ装置65に制御信号を出力し、アタッカ装置65の大入賞口を2R(ラウンド)開放状態とする。特別図柄の種類が「特別図柄C」又は「特別図柄D」である場合の1R当りの開放時間は、0.2秒とされており、ラウンド間のインターバルは、0.1秒である。このように、特別図柄の種類が「特別図柄C」又は「特別図柄D」である場合に実行される特別遊技は、遊技球をアタッカ装置65の大入賞口に入賞させることが困難な開放時間とされており、実質的な賞球を得ることが困難な遊技である。
次に、主制御装置100の遊技情報先読み手段170について説明する。遊技情報先読み手段170は、前述の遊技情報記憶手段110に遊技情報が記憶されたことに基づいて、当該遊技情報の始動条件成立前、より具体的には特別図柄及び演出図柄Sの変動中に遊技情報記憶手段110に記憶された遊技情報を先行して読み出し、当該読み出した遊技情報に基づいて前述の遊技抽選処理とほぼ同様の処理を実行する。
具体的には、遊技情報先読み手段170は、特別図柄及び演出図柄Sの変動中において遊技情報記憶手段110に記憶された遊技情報を当該遊技情報の始動条件が成立する前に読み出し、当該読み出した遊技情報に基づいて前変動時間を抽出する。
以下、図11に示すフローを参照し、主制御装置100の遊技情報先読み手段170により実行される遊技情報先読み処理について説明する。
主制御装置100の遊技情報先読み手段170は、S250において、遊技球が第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62に入賞したこと、換言すれば遊技情報記憶手段110(遊技情報保留記憶部115)の第1記憶領域又は第2記憶領域に遊技情報が記憶されたかを判定し、YESの場合S251に移行し、NOの場合判定を繰り返す。主制御装置100の遊技情報先読み手段170は、S251において、特別図柄が変動中であるかを判定し、YESの場合S252に移行し、NOの場合処理を終了する。特別図柄が変動中であるかの判定は、特別図柄の変動開始と同時に特別図柄変動表示制御手段150によってRAM内に設定される特別図柄変動フラグの有無により判定される。
主制御装置100の遊技情報先読み手段170は、S252において、遊技情報記憶手段110に記憶された遊技情報を読出し、S253に移行する。
主制御装置100の遊技情報先読み手段170は、S253において、読み出した遊技情報について前述の遊技抽選処理を実行し、S254に移行する。具体的には、遊技情報に含まれる特図当否抽選用乱数と、特別図柄当否抽選手段120が有する低確率用当否抽選テーブル122A又は高確率用当否抽選テーブル122Bを参照し、特図当否抽選用乱数に対応する当否結果を抽出する。なお、いずれの当否抽選テーブルを参照するかは、後述の遊技状態フラグに基づいて決定される。また、以下、便宜上、当該始動条件の成立前に実行される特図当否抽選(処理)を「先読み当否抽選(処理)」という。
主制御装置100の遊技情報先読み手段170は、S254において、読み出した遊技情報について前述の変動時間決定処理を実行し、S255に移行する。具体的には、遊技情報に含まれる前変動時間決定用乱数と、変動時間決定手段140の前変動時間決定部140Aが備える当り用前変動時間決定用テーブル142又は外れ用前変動時間決定用テーブル143を参照し、前変動時間決定用乱数に対応する前変動時間種別を抽出する。なお、いずれのテーブルを参照するかは、前述の先読み当否抽選の結果に基づいて決定される。また、以下、便宜上、当該始動条件の成立前に実行される前変動時間決定処理を「先読み前変動時間決定処理」という。
主制御装置100の遊技情報先読み手段170は、S255において、サブ制御装置200に対して、先読みコマンドを送信し、処理を終了する。当該先読みコマンドには、前述の先読み当否抽選、及び、先読み前変動時間決定処理によって抽出された前変動時間種別(A1〜E8)に係る情報が含まれており、当該先読みコマンドを受信したサブ制御装置200は、前変動時間種別に係る情報に基づいて後述のロング演出が実行されること、及び、その回数を遊技者に対して事前(先読みコマンド送信の契機となった遊技情報の始動条件が成立する以前)に示唆するストック演出を演出表示装置50上において実行する。
主制御装置100の普通図柄当否抽選手段180は、通過ゲート66を遊技球が通過したことを契機に、普通図柄に係る「当り」又は「外れ」を電子抽選(普図抽選)により決定するものである。具体的には、普通図柄当否抽選手段180は、前述の特別図柄当否抽選手段120と略同様に構成され、ループカウンタの値を所定の範囲で1ずつ更新させることによりソフトウェア乱数である普図抽選用乱数を発生させる普図抽選用乱数発生手段から、通過ゲート66を遊技球が通過したことを契機に、言い換えると、通過ゲート検知センサ95からの遊技球検知信号が主制御装置100に入力されたことに基づき、普図抽選用乱数を取得(ラッチ)し、取得した普図抽選用乱数が「当り」であるか「外れ」であるかを低確率用抽選テーブル、又は、高確率用抽選テーブルを参照して判定する。
図示は省略するが、低確率用抽選テーブル及び高確率用抽選テーブルには、普図当否抽選用乱数と当否結果(「当り」又は「外れ」)との対応関係が規定されており、例えば低確率用抽選テーブルを参照した場合の「当り」の確率は1/120に設定され、高確率用抽選を参照した場合の「当り」の確率は1/1.1に設定されている。つまり、高確率用抽選テーブルの方が、低確率用抽選テーブルに比べて格段に「当り」に当選する確率が高くなるように設定されているとともに、殆どの場合に「当り」に当選するようになっている。
また、本実施形態において、低確率用抽選テーブルが参照される遊技状態は「普図低確率」の状態であり、高確率用抽選テーブルが参照される遊技状態は「普図高確率」の状態である。
第2始動入賞口制御手段190は、前述の普通図柄当否抽選手段180による普図抽選によって「当り」に当選した場合に、ソレノイドへの通電を行い、開閉体63を開放させる。第2始動入賞口制御手段190は、普図高確率において1回の「当り」に対し開閉体63を例えば開放時間2.9秒で2回開放させ、普図低確率において1回の「当り」に対し開閉体63を開放時間0.2秒で1回開放させるようになっている。
つまり、遊技状態が「普図高確率」である場合、普通図柄当否抽選手段180による電子抽選が殆ど「当り」に当選し、その当選に基づき開閉体63が2.9秒で2回開放されるため、第2始動入賞口62に遊技球を容易に入賞させることができ、普図高確率においては、遊技球を殆ど減らすことなく遊技を行うことができる。
次に、主制御装置100の遊技状態制御手段195について説明する。遊技状態制御手段195は、上述の特図抽選の結果が「当り」である場合に、その特図種類に応じて、特別遊技後の遊技状態を切り替える。例えば、本実施形態においては、特図種類が「特別図柄A」又は「特別図柄B」である場合、特別遊技後の遊技状態を「特図高確率」かつ「普図高確率」の遊技状態に切り替える。また、特図種類が「特別図柄C」である場合、特別遊技後の遊技状態を「特図高確率」かつ「普図低確率」の遊技状態に切り替える。
なお、当該特別遊技の「特図高確率」及び「普図高確率」の状態は、特別遊技終了後、図8(a)に示す一連の処理、即ち、特別図柄及び演出図柄Sが76回変動表示されるまで継続し、その後「特図低確率」及び「普図低確率」の状態に移行する。また、特図種類が「特別図柄D」である場合、特別遊技前後の遊技状態が変化することはなく、特別遊技前の遊技状態が特別遊技後に引き継がれる。これらの遊技状態は、RAMの記憶領域に設けられた遊技状態フラグによって管理され、特別図柄抽選手段120等の各手段は当該フラグに基づいて対応するテーブル等を参照する。
次に、サブ制御装置200の構成及び処理について説明する。
サブ制御装置200は、主として主制御装置100から送信される演出図柄変動コマンドや、演出図柄Sの変動表示中に主制御装置100から送信される先読みコマンドに基づいて、演出表示装置50や演出ストック数表示装置60を制御して、主制御装置100により設定された所定の変動時間、演出図柄Sを変動表示させるともに変動表示に対応して多様な演出表示(ロング演出,ストック演出,予告演出,リーチ演出等)を展開させる演出表示制御手段210と、主としてスピーカ8から発せられる各種の楽曲や音声を制御する音声制御手段230と、主として遊技盤30に搭載された発光体や可動役物70を多様な動作態様により駆動制御する役物制御手段240とを備える。以下、各手段について説明する。
図12(a)は、演出表示制御手段210の構成を示すブロック図である。演出表示制御手段210は、演出表示装置50との間に接続される図外の演出表示制御基板に対して各種の演出コマンドを送信する。各種の演出コマンドは、演出表示制御手段210を構成する各制御部によって生成され、演出表示制御基板側に送信される。演出表示制御基板には、演算手段としてのCPU,演出表示に必要な画像,動画データが格納された記憶手段としてのROM,RAM及びVDP等の回路構成要素が組み込まれており、演出表示制御手段210の各制御部により生成,送信される演出コマンドに基づいて演出表示装置50に多様な演出表示を表示させる。
同図に示すように演出表示制御手段210は、ロング演出表示制御部210Aと、演出パターン表示制御部210Bと、ストック演出表示制御部210C、及びストック発動演出表示制御部210Dを備える。ロング演出表示制御部210Aは、主として主制御装置100から送信される演出図柄変動コマンドを解析し、当該演出図柄変動コマンドに含まれる前変動時間種別に基づいてロング演出の有無や、ロング演出の回数を決定する。演出パターン表示制御部210Bは、主として主制御装置100から送信される演出図柄変動コマンドを解析し、当該演出図柄変動コマンドに含まれる当否抽選の結果、及び、前変動時間種別及び後変動時間に基づいて演出図柄Sを所定の時間変動表示させるとともに、当該変動表示時間(後変動時間)に対応した演出(予告演出やリーチ演出或いは可動役物演出等)の態様を決定する。
ストック演出表示制御部210Cは、主として主制御装置100から送信される先読みコマンドを解析し、当該先読みコマンドに含まれる前変動時間種別に基づいて、ロング演出のストック数(保留数)を遊技者に対して示唆するストック演出を事前に実行する。
ストック発動演出表示制御部210Dは、主として、ストック演出表示制御部210Cによって示唆されるロング演出のストック数(保留数)に応じた特定のストック発動演出を以下に説明するロング演出の発生前に表示させる。
以下、図13を参照してロング演出表示制御部210Aによって決定されるロング演出の具体例について説明する。前述のとおり、主制御装置100から送信される演出図柄変動コマンドには、A1からE8までの前変動時間種別が含まれており、ロング演出表示制御部210Aは、これらの前変動時間種別と対応する前変動時間、及び、時間ブロックの組み合わせに従って演出表示制御基板に対して演出コマンドを送信し、前変動時間の所定の時期に所定の回数分のロング演出を実行させる。なお、前変動時間種別がA1である場合は、ロング演出が行われることはない。
図13は、前変動時間種別がD1である場合におけるロング演出のタイムチャートと、演出表示装置50の表示画面51上に表示されるロング演出の具体例である。同図に示すように、前変動時間が21秒であって、時間ブロックの組み合わせが7秒+7秒+7秒として規定された前変動時間種別D1が演出図柄変動コマンドに含まれる場合、表示画面51には、時間ブロックの個数と対応する合計3回分のロング演出が繰り返し表示される。
同図に示すように、ロング演出は、各時間ブロックの終期(図示の例では7秒)の2秒前に発生するように設定されており、1回目(1セット目)のロング演出は、演出図柄Sの変動開始から5秒後に表示され、2秒間継続する。当該2秒間継続するロング演出の表示は、それ以前の5秒間変動していた演出図柄Sの表示領域が暗転(ブラックアウト)し、暗転した表示画面51上に表示されたガラス窓が弾丸によって砕かれ、さらにこの砕かれたガラス窓の奥から図外のキャラクターが手前側に突破してくるような演出である。
また、2回目(2セット目)のロング演出は、演出図柄Sの変動開始から12秒後に表示され、1回目のロング演出と同様に2秒間継続する。また、3回目(3セット目)のロング演出は、演出図柄Sの変動開始から19秒後に表示され、同じく2秒間継続する。
図示の例からも分かるように、これら1回目から3回目のロング演出の態様は、全て同様の態様であり、遊技者はこのような同様の演出表示が繰り返して表示されることにより、遊技結果に対する期待感を増大させて有することとなる。また、ロング演出時には、その表示画面上に現在のロング演出の継続回数(繰り返し回数)が「1st」,「2nd」,「3rd」,「4th」等の表示によって報知される。
図14は、前変動時間種別がD2である場合におけるタイムチャートと、演出表示装置50の表示画面51で表示されるロング演出の具体例である。同図に示すように、前変動時間が21秒であって、時間ブロックの組み合わせが7秒+14秒として規定された前変動時間種別D2が演出図柄変動コマンドに含まれる場合、表示画面51には、時間ブロックの個数と対応する合計2回分のロング演出が繰り返し実行される。同図に示すように、ロング演出は、前記同様に各時間ブロックの終期(図示の例では7秒又は14秒)の2秒前に発生するように設定されており、1回目(1セット目)のロング演出は、演出図柄Sの変動開始から5秒後に表示され、2秒間継続する。また、2回目(2セット目)のロング演出は、演出図柄Sの変動開始から19秒後に表示され、1回目のロング演出と同様に2秒間継続する。また、この2回目のロング演出時には、その表示画面51上に「3rd」の表示がなされる。
このように、本実施形態においては同尺の前変動時間(図示の例では「21秒」)であっても、時間ブロックの組み合わせに応じて、ロング演出の発生時期及び発生回数を異なるように設定しているため、前変動時間中において多様なバリエーションによるロング演出を遊技者に見せることが可能となる。
即ち、例えば前変動時間種別がD1である場合には、ロング演出に係る特定の表示が均等な時間間隔で立て続けに3回発生することから、後変動時間中における演出図柄Sの変動に期待を持つことができる。即ち、図7(b)に示す当り用前変動時間決定用テーブル142と、外れ用前変動時間決定用テーブル143における選択率の関係により、ロング演出の回数が多い方が、相対的に特図抽選の結果が「当り」である可能性が高いことから、後変動時間経過後における演出図柄Sの停止態様が「当り」(大当り)を示す態様となるかも知れないという期待感を得ることができる。
一方、前変動時間種別がD2である場合には、1回目のロング演出が終了した後に、ロング演出が直ちに発生しないため、遊技者は直感的に後変動時間中における演出図柄Sの変動に期待を持つことができないと感じるが、演出図柄Sの変動が止まらず、1回目のロング演出の終了から12秒後に再びロング演出が発生し、かつ、「3rd」の表示がなされることから、ロング演出が3回実行されたときと同等の期待感を再び有することができる。
つまり、本実施形態においては、ロング演出の発生回数のみに依存して期待感を煽る従来のパチンコ機と比べ、その発生時期(演出図柄Sの変動開始からの期間)も重要な要素となるため、演出図柄Sが変動を開始してからいずれの時期においても常に期待感を持って遊技を行うことが可能となる。
なお、本実施形態におけるロング演出は、従来のパチンコ機にみられる演出図柄Sの仮停止と再変動を含まないものであるが、当該演出図柄Sの仮停止と再変動とを含む演出としてもよい。例えば演出図柄Sを特定の組み合わせ(所謂「チャンス目」)により仮停止させた後に表示画面を暗転させてロング演出を表示し、当該ロング演出の表示後に仮停止していた演出図柄Sの変動を再び開始させるような設定としてもよい。
また、具体的な図示は省略するが、例えば前変動時間種別がC2である場合、演出図柄Sの変動開始から12秒後に「2nd」の表示とともにロング演出が表示される。また、前変動時間種別がD4である場合、演出図柄Sの変動開始から19秒後に「3rd」の表示とともにロング演出が表示される。また、前変動時間種別がE5である場合、演出図柄Sの変動開始から5秒後に「1st」の表示とともにロング演出が表示され、さらに演出図柄Sの変動開始から26秒後に「4th」の表示とともにロング演出が表示される。つまり、ロング演出とともに表示される「1st」,「2nd」,「3rd」,「4th」の数字は、最小ブロックである7秒の前変動時間ごとにロング演出が発生した場合を基準として表示されるものである。
なお、遊技者の期待感を向上させるため、最小ブロックである7秒の前変動時間に関わらず、例えば演出図柄Sの変動開始から12秒後に「3rd」の表示とともにロング演出を実行する構成としてもよい。
次に、演出パターン表示制御部210Bについて説明する。演出パターン表示制御部210Bは、演出パターン決定用乱数取得手段212と、演出パターン決定用テーブル213とを備え、演出パターン決定用乱数取得手段212によって取得された演出パターン決定用乱数に対応する演出パターンを演出パターン決定用テーブル213から抽出する。
ここで、演出パターン決定用乱数は、ループカウンタの値を所定の範囲(本実施形態では0〜9の整数の範囲)で1ずつ更新させることにより生成されるソフトウェア乱数であって、主制御装置100から送信される演出図柄変動コマンドの受信と同時に演出パターン決定用乱数取得手段212によって取得される。
図12(b)に示すように、演出パターン決定用テーブル213は、前述した後変動時間(2秒,5秒,13秒,30秒,45秒,90秒)に対応した演出時間を有する演出パターン決定用テーブル213A〜213Fに細分化されており、取得された演出パターン決定用乱数に対応する演出パターンが規定されている。ここで、「リーチ」とは、3つの演出図柄のうち、2つの演出図柄Sが同一の数字又はキャラクターで先行して仮停止した状態であって、残余の1つの演出図柄Sが、先行して仮停止した状態の演出図柄S(リーチ図柄)と同一の数字又はキャラクターで停止すれば特別遊技(大当り)となり得る状態をいう。
逆に「非リーチ」とは上記状態以外の状態をいう。また、「スーパーリーチ」とは、上記のリーチ成立後に残余の演出図柄Sが停止するまでの間、所定の画像や動画による演出表示が実行される演出パターンであり、付された番号の相違により異なる演出が実行される。
以上のとおり、演出パターン表示制御部210Bは、演出パターンテーブル213の中から主制御装置100によって決定された後変動時間と対応する演出時間を有する演出パターンを抽出する。なお、図示は省略するが、各演出パターンには、予告演出の種類や可動役物演出種類或いはこれらの演出の時期や期間の詳細が規定されている。
演出パターン表示制御部210Bは、演出図柄変動コマンドに含まれる当否抽選の結果から演出図柄Sの最終的な停止態様を決定するとともに、当該停止態様情報と、抽出した前述の演出パターン情報、及び、演出時間(前変動時間及び後変動時間)とを含む内部コマンドとしての変動開始コマンドを図外の演出表示制御基板に送信する。
変動開始コマンドを受信した演出表示制御基板は、変動開始コマンドに含まれる情報に基づいて演出に必要な画像データや動画データをROMから読み出すとともに、当該データを演出表示装置50側に出力し、演出パターンに対応した多様な演出表示を展開させ、演出時間経過(後変動時間の終期)に応じて演出図柄Sを当否抽選の結果を示す態様で停止表示させる。
なお、当否抽選の結果を示す態様とは、当否抽選の結果が「当り」である場合は、3つの演出図柄Sが全て同一の数字又はキャラクターで停止表示される態様であり、当否抽選の結果が「外れ」である場合は、上記以外の組み合わせで停止表示される態様である。
次に、演出表示制御手段210のストック演出表示制御部210Cについて説明する。ストック演出表示制御部210Cは、前述の遊技情報先読み処理において、特別図柄及び演出図柄Sの変動中に送信される先読みコマンドを受信(S255)したことに基づいて、演出ストック数表示装置60のストック数表示灯60A〜60Dを点灯させるとともに、演出表示装置50の表示画面51上に所定のアイコンST2(図18等参照)を表示するストック演出を実行し、現在変動中の特別図柄及び演出図柄Sの変動よりも後の変動において、前述のロング演出が実行されること、及び、その表示回数(最低表示回数)を遊技者に示唆する。
なお、ストック演出表示制御部210Cと各ストック数表示灯60A〜60Dとの間には、ストック数表示灯60A〜60Dを構成する発光体を制御するための図外の発光制御基板が設けられており、ストック演出表示制御部210Cは、発光制御基板に対して点灯信号又は消灯信号を出力することにより、ストック数表示灯60A〜60Dの点灯数を制御する。
以下、図15のフローを参照し、ストック演出表示制御部210Cによるストック演出表示制御処理について説明する。ストック演出表示制御部210Cは、S300において、先読みコマンドを受信したかを判定し、YESの場合S301に移行し、NOの場合、当該判定を繰り返す。1回の処理を終了する。ストック演出表示制御部210Cは、S301において、先読みコマンドに含まれる前変動時間種別がA1(前変動時間「0秒」)であるかを判定し、YESの場合1回の処理を終了し、NOの場合S302に移行する。
つまり、当該判定は、後の変動(現在の変動よりも後の変動)において前変動時間を含む演出図柄Sの変動がなされること、換言すれば、後の変動においてロング演出がなされるかを判定するものである。
ストック演出表示制御部210Cは、S302において、B1〜E8までの前変動時間種別に応じてアイコンの表示数、及び、ストック数表示灯60A〜60Dの点灯数を決定し、S303に移行する。なお、以下、これらアイコンの表示数及びストック数表示灯60A〜60Dの点灯数を総称して単に「演出ストック数」という。
具体的には、ストック演出表示制御部210Cは、図15(b)に示すストック数決定用テーブル220A〜220Dを参照し、ストック数決定用乱数に対応する演出ストック数を決定する。ストック数決定用乱数は、先読みコマンドの受信と同時に、図外の0〜9までの乱数を取り得るソフトウェア上のループカウンタから取得される。
同図に示すように、ストック数決定用テーブル220A〜220Dは、前変動時間種別に応じて設定されたロング演出回数(時間ブロック数)に対応して、1回用から4回用に細分化されている。各ストック数決定用テーブル220A〜220Dには、「0」からそのテーブルごとの上限(「4」)までのいずれかの演出ストック数がストック数決定用乱数に対応して規定されている。
ストック演出表示制御部210Cは、前変動時間種別に応じて設定された1回から4回までのロング演出回数に応じて、いずれかのストック数決定用テーブル220A〜220Dを参照し、ストック数決定用乱数に対応する演出ストック数を抽出する。
ここで、例えば前変動時間種別がE3である場合には、ロング演出回数が4回であることから、上限回数が4個として規定されたストック数決定用テーブル220Dを参照し、0個〜4個までのいずれかの演出ストック数を抽出する。また、例えば前変動時間種別がE6である場合には、ロング演出回数が3回であることから、上限が3個として規定されたストック数決定用テーブル220Cを参照し、0個〜3個までのいずれかの演出ストック数を抽出する。
つまり、前変動時間種別ごとに設定されたロング演出回数と、いずれかのストック数決定用テーブル220A〜220Dを参照することによって抽出される演出ストック数とは必ずしも一致するものではなく、演出ストック数≦ロング演出回数の関係となる。
図15に戻り、ストック演出表示制御部210Cは、S303において、S302で抽出された演出ストック数が1個以上であるかを判定し、YESの場合S304に移行し、NOの場合1回の処理を終了する。即ち、ストック数決定用テーブル220A〜220Dから「0個」が抽出された場合には、ストック演出が実行されることはない。
ストック演出表示制御部210CはS304において、前述の判定により演出ストック数が1個以上あることに基づいて、ストック演出時期決定処理に移行する。ストック演出表示制御部210Cは、S305において、現在変動中の演出図柄Sの変動時間が前変動時間を含むものであるか、換言すればロング演出が実行される変動であるかを判定し、YESの場合1回の処理を終了し、NOの場合S306に移行する。当該判定処理が実行されることによって、例えば前述のロング演出中に、後述するストック演出が重複して行われることがなくなる。
ストック演出表示制御部210Cは、S306において、現在変動中の演出図柄Sの演出時間(後変動時間)及び演出パターンに基づいて、ストック演出を実行するのに適した時間範囲であるかを判定し、判定がYESの場合S307においてストック演出を実行し、NOの場合、S308に移行する。
図16は、演出図柄Sの演出時間及び演出パターンと、ストック演出の実行可能な時間範囲との関係を示す模式図である。同図に示すように、現在変動中の演出図柄Sの演出パターンが「リーチ」を含むものである場合(リーチ1〜4,スーパーリーチ1〜15)は、演出図柄Sの変動開始から10.5秒が経過するまでであれば、判定がYESとなる。なお、10.5秒としたのは、いずれの演出パターンにおいても、演出図柄Sの変動開始から12秒後に前述の「リーチ」の停止態様をとるためであり、時間範囲を上記範囲とすることにより、「リーチ」の成立とストック演出とが重複して実行され、遊技者が困惑するのを避けることができる。
また、現在変動中の演出図柄Sの演出パターンが2秒の「非リーチ」である場合は、演出図柄Sの変動開始から0.5秒が経過するまでであれば、判定がYESとなる。また、現在変動中の演出図柄Sの演出パターンが5秒の「非リーチ」である場合は、演出図柄Sの変動開始から3.5秒が経過するまでであれば、判定がYESとなる。また、現在変動中の演出図柄Sの演出パターンが13秒の「非リーチ」である場合は、演出図柄Sの変動開始から11.5秒が経過するまでであれば、判定がYESとなる。このように、演出パターンが「非リーチ」である場合における演出適正時期を演出時間(後変動時間)よりも前に設定した理由は、全ての演出図柄Sの変動停止とストック演出とが重複して実行されることにより、遊技者が困惑するのを避けるためである。
このように、S306においてストック演出の実行可否に関する判定が、演出図柄Sの変動時間及び変動パターンに基づいて実行されることにより、遊技情報の記憶時期(第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62への入賞タイミング)によって主制御装置100からランダムに送信される先読みコマンドの受信により、無条件にストック演出が実行されることがなくなり、遊技者が関心を抱く「リーチ」の成立や、演出図柄Sの停止時に先読み演出が実行されることがなくなるとともに、これ以外の時期に実行されるストック演出をより引き立てることが可能となる。
次に、S306の判定がNOである場合の処理について説明する。S306の判定がNOである場合、ストック演出表示制御部210Cは、S308において、現在変動中の演出図柄Sの後に続く演出図柄Sの変動があるか、換言すれば、前述の遊技情報記憶手段110に遊技情報が記憶(保留記憶)されているかを判定する。当該判定は、当該遊技情報記憶時の先読みコマンドの受信有無によって実行され、判定がYESの場合S309に移行し、NOの場合一回の処理を終了する。
ストック演出表示制御部210Cは、S309において、次変動(現在変動中の演出図柄Sの次の変動)の演出図柄Sの演出時間(後変動時間)及び演出パターンに基づいて、ストック演出を実行するのに適した時間が経過したかを判定し、判定がYESの場合S310においてストック演出を実行し、NOの場合、当該判定を繰り返し実行する。
図17は、次変動の演出図柄Sの演出時間及び演出パターンと、ストック演出の実行可能な時間範囲との関係を示す模式図である。同図に示すように、次変動の演出図柄Sの演出パターンが「リーチ」を含むものである場合、ストック演出は実行されない。一方、次変動の演出図柄Sの演出パターンが「非リーチ」(2秒,5秒,13秒)である場合、各変動停止時間の1.5秒前にストック演出が実行される。
以上のとおり、ストック演出表示制御部210Cは、S302において決定された演出ストック数が1個以上ある場合に、ストック演出実行の時期を現在変動中の演出図柄Sが表示されている表示画面51上で直ちに実行するか、或いは、現在変動中の演出図柄Sの変動停止後に開始される後の演出図柄Sの変動中に実行するかを決定し、上記何れかの時期において以下に示すストック演出を実行する。
図18(a)〜(c)は、ストック演出が実行される場合の演出表示装置50の表示画面51、及び、複数のストック数表示灯60A〜60Dの変化を示す図である。図18(a)に示すように、ストック演出が実行された場合、演出図柄Sが変動表示される表示画面51上に、「LONGSTOCK」との表示と、演出ストック数を示すストック数表示ST1が表示(カットイン)される(図示の例では「2」)。
また、当該演出の表示と同時に表示画面51の右側に所定の形状を有するアイコンST2(ロングストックアイコン)が演出ストック数と対応した個数表示される。アイコンST2の配列方向は、表示画面51の上下方向に対応し、演出ストック数に応じて最大4つのアイコンST2が上下方向に並んで表示される。
また、図18(b)に示すように、各アイコンST2は、例えば矢印に示すような軌跡を辿って表示画面51の中央方向に移動した後、表示画面51の右側部に配設されたストック数表示灯60A;60Bの方向に向かって再び移動し、当該アイコンST2の移動に伴って、図18(c)に示すように、アイコンST2の数に対応するストック数表示灯60A;60Bが所定の色彩によって点灯状態となり、一連のストック演出が終了する。
これら一連のストック演出は、例えば1秒間の間で行われ、演出図柄Sの変動中にカットインされるストック演出を視認した遊技者は、表示画面51上に残存して表示されるアイコンST2の数、及び、ストック数表示灯60A〜60Dの点灯数によって、後の演出図柄Sの変動中に前述のロング演出が実行されること、及び、ロング演出の回数(最低表示回数)を事前に明確に察知することができる。よって、遊技者はストック演出が表示された変動から、当該ストック演出により表示された演出ストック数と同数以上のロング演出が展開される変動が開始するまでの間、大当りに対する期待感を持続的に有したまま遊技を行うことができる。
なお、上述の実施形態においては、演出図柄Sの一回の変動中において実行される一回のストック演出により、抽出された演出ストック数に対応する数のアイコンST2の表示、及び、ストック数表示灯60A〜60Dの点灯を実行するようにしたが、抽出された演出ストック数が複数(「2個」以上)である場合には、演出図柄Sの複数回の変動に亘ってそれぞれストック演出を実行し、当該複数回実行されるストック演出により、抽出された演出ストック数を分割してアイコンST2の表示、及び、ストック数表示灯60A〜60Dの点灯を実行してもよい。例えば、演出ストック数が3個である場合において、1回目のストック演出によりアイコンST2を1つ表示するとともに、ストック数表示灯60Aのみを点灯させる。そして、続く2回目のストック演出において、残りの演出ストック数(2個)と対応するようにアイコンST2をさらに2つ表示するとともに、ストック数表示灯60B;60Cを点灯させる。
次に、演出表示制御手段210のストック発動演出表示制御部210Dについて説明する。ストック発動演出表示制御部210Dは、ロング演出表示制御部210Aによるロング演出が実行されることに基づいて、換言すれば、主制御装置100から送信される演出図柄変動コマンドに前変動時間種別が含まれることに基づいて、ロング演出の実行前に演出表示制御基板に対して演出コマンドを送信し、前述のストック演出によって表示された演出ストック数分、ロング演出が実行されることを示唆するロング発動演出を実行する。以下、図19に示すフローを参照して、ロング発動演出処理について説明する。
ストック発動演出表示制御部210Dは、S400において、図柄変動コマンドに含まれる前変動時間種別に基づいてロング演出の有無を判定し、ロング演出が実行される場合(前変動時間種別B1〜E8)、S401に移行し、ロング演出が実行されない場合1回の処理を終了する。ストック発動演出表示制御部210Dは、S401において、S400においてロング演出が実行されると判定された変動が、先読み処理の結果前述のストック演出の対象となった変動であるかを判定し、YESの場合S402に移行し、NOの場合一回の処理を終了する。
ここで、ストック演出の対象となった変動であるかの判定は、S307又はS310においてストック演出が実行された際に、ストック演出表示制御部210Cにより設定される演出図柄Sの変動順と対応付けられたストック演出フラグの有無により実行され、演出図柄変動コマンドの送信順と、ストック演出フラグの記憶領域順が一致した場合にYESと判定される。
ストック発動演出表示制御部210Dは、S402において、ストック演出表示制御部210Cによって、演出ストック数が1個以上とされたかを判定し、YESの場合、S403に移行し、NOの場合一回の処理を終了する。
つまり、ストック発動演出表示制御部210Dは、図柄変動コマンドを解析した結果、ロング演出を含む変動であると判定した場合であっても、当該変動の前に、前述のストック演出が実行されていない場合(「演出ストック数=(0個)」)にはロング発動演出を実行することなく処理を終了する。また、演出ストック数に係る判定は、S307又はS310においてストック演出が実行された際に、ストック演出表示制御部210Cにより設定される図外の演出ストック数記憶部に記憶された数に基づいて実行される。
ストック発動演出表示制御部210Dは、S403において、ロング演出表示制御部210Aによって決定されたロング演出の回数と、ストック演出表示制御部210Cによって決定された演出ストックの個数とが等しい数であるかを判定し、YESの場合S404に移行し、NOの場合S405に移行する。
ストック発動演出表示制御部210DはS404において、各ロング演出開始の1秒前に、演出ストック数分のストック発動演出を繰り返し実行し、1回の処理を終了する。また、ストック発動演出表示制御部210Dは、1回のストック発動演出が表示されるに伴ってアイコンST2の数、及び、ストック数表示灯60A〜60Dの点灯数を減少させ、遊技者に対して残存するストック発動演出の回数を報知する。なお、アイコンST2の数、及び、ストック数表示灯60A〜60Dの点灯数の減少タイミングは、ストック発動演出の表示よりも僅かに前、又は同時、或いは僅かに後のタイミングであればよく、遊技者に対してストック発動演出が表示されたことにより、「演出ストックが消費された」との感覚を付与できるタイミングであればよい。
一方、ストック発動演出表示制御部210Dは、S405において、S403の判定がNOであること、換言すれば演出ストック数がロング演出の回数よりも少ないことに基づいて、ストック発動演出の時期を内部抽選により決定し、S406に移行する。当該内部抽選は、演出図柄変動コマンドの受信に基づいて取得される特定の乱数と、演出時期が所定の選択率で設定された図外のテーブルにより実行される。このような抽選が実行されることにより、例えばロング演出の回数が3回であり、演出ストック数が2個である場合において、1回目のロング演出の1秒前に1回目のストック発動演出が実行され、2回目のロング演出の1秒前に2回目のストック発動演出が実行されるパターンや、1回目のロング演出の1秒前に1回目のストック発動演出が実行され、2回目のロング演出の前にストック発動演出が実行されず、3回目のロング演出の1秒前に2回目のストック発動演出が実行されるパターン等、ストック発動演出の発生タイミングをランダムなものとすることができ、ストック発動演出のタイミングによって遊技者の期待を効果的に煽ることが可能となる。
なお、アイコンST2の数、及び、ストック数表示灯60A〜60Dの点灯数の減少については上記同様である。ストック発動演出表示制御部210Dは、S406において、S405で決定したストック発動演出の時期に以下に説明するストック発動演出を実行し、1回の処理を終了する。
次に、図20,図21を参照して、ストック発動演出表示制御部210Dにより実行されるストック発動演出について、それぞれ場合を分けて説明する。
図20(a)に示すタイムチャートは、計3回のロング演出が実行される前変動時間種別がE4である場合のロング演出とストック発動演出との関係を示す。また、図20(b)〜(d)は、各演出の流れを具体的に示す模式図である。
なお、本例においては、当該変動よりも前の変動中に実行されたストック演出によって演出ストック数が2個(ストック数表示灯60A;60Bが点灯)とされ、かつ、ストック発動演出の時期が1回目のロング演出と2回目のロング演出と対応して設定されたものとする。
図20(a)に示すように、前変動時間種別がE4である場合の1回目のロング演出は、演出図柄Sの変動開始から5秒後に実行され、当該1回目のロング演出の1秒前にストック発動演出表示制御部210Dによる1回目のストック発動演出が1秒間実行される。
図20(b)に示すように当該ストック発動演出は、演出図柄Sが変動表示された表示画面51上に特定のキャラクターがカットインし、当該キャラクターが拳銃を発砲する様子を示す動画や画像であり、後の1回目のロング演出と関連するような演出とされる。そして、当該ストック発動演出は、1秒間継続し、後の1回目のロング演出と連続するように表示される。
また、当該1回目のストック発動演出の発生に伴って、それまで2個表示されていたアイコンST2の数が1個に減少するとともに、ストック数表示灯60Bが消灯され、合計の点灯数が1つに減少する。つまり、遊技者に対して演出ストック数が減少したことが報知される。
図20(a)に示すように、前変動時間種別がE4である場合の2回目のロング演出は、演出図柄Sの変動開始から19秒後に実行され、当該2回目のロング演出の1秒前にストック発動演出表示制御部210Dによる2回目のストック発動演出が1秒間実行される。
当該2回目のストック発動演出は、前述の1回目のストック発動演出と同様の態様である。また、当該2回目のストック発動演出の発生に伴って、それまで表示されていた1個のアイコンST2が消去されるとともに、ストック数表示灯60Aが消灯され、合計の点灯数が0となる。つまり、つまり、遊技者に対して演出ストック数が全て消費されたこと(0となったこと)が報知される。
図20(a)に示すように、前変動時間種別がE4である場合の3回目のロング演出は、演出図柄Sの変動開始から26秒後に実行されるが、図20(d)に示すように3回目のロング演出の前にストック発動演出が実行されることはない。
即ち、2個の演出ストックが1回目及び2回目のロング演出に先立つストック発動演出によって消費されているため、3回目のロング演出の前にはストック発動演出が実行されることはない。
次に、図21を参照して、ストック発動演出表示制御部210Dにより実行されるストック発動演出の他のパターンについて説明する。
図21(a)に示すタイムチャートは、図20の例と同様に計3回のロング演出が実行される前変動時間種別がE4である場合のロング演出とストック発動演出の関係を示す。また、本例においては、当該変動よりも前の変動中に実行されたストック演出によって演出ストック数が2個とされた点で同様であるが、ストック発動演出の時期が1回目のロング演出と3回目のロング演出と対応して設定された点で異なる。
図21(a)に示すように、前変動時間種別がE4である場合の1回目のロング演出は、上記同様に、演出図柄Sの変動開始から5秒後に実行され、当該1回目のロング演出の1秒前にストック発動演出表示制御部210Dによる前記同様の1回目のストック発動演出が1秒間実行される。なお、アイコンST2及びストック数表示灯60A〜60Dの点灯数の減少(2個→1個)については前記同様である。
次に、図21(a)に示すように、前変動時間種別がE4である場合の2回目のロング演出は、演出図柄Sの変動開始から19秒後に実行されるが、ストック発動演出の時期が1回目と3回目のロング演出と対応して設定されているため、当該2回目のロング演出の前にストック発動演出が実行されることはない。
次に、図21(a)に示すように、前変動時間種別がE4である場合の3回目のロング演出は、演出図柄Sの変動開始から26秒後に実行され、当該3回目のロング演出の1秒前にストック発動演出表示制御部210Dによる前記同様の2回目のストック発動演出が1秒間実行される。なお、アイコンST2及びストック数表示灯60A〜60Dの点灯数の減少(1個→0個)については前記同様である。
以上の説明から明らかなように、ストック発動演出実行時に表示される特定の表示(本例においては、キャラクターが拳銃を発砲する様子を示す表示)は、図20(b),(c)に示すロング演出における特定の表示(本例においては、ガラス窓が弾丸によって砕かれた様子を示す表示)が表示される僅か前に先行して表示され、ロング演出における特定の表示がなされることを事前に示唆する特定表示示唆表示として機能する。そして、このような特定表示示唆表示は、ロング演出を含む変動に先立つ演出図柄Sの変動中において実行されたストック演出によって貯留された演出ストックの個数に対応した回数分だけ表示され、ロング演出に対応して、各ロング演出の僅か前に表示されることにより、その直後にロング演出に係る特定の表示が表示されることを示唆する演出である。
以下、図22を参照し、遊技の進行と上述した各演出の流れについて説明する。
図示の例は、現在、特別図柄及び演出図柄Sが変動中であり、さらに、最大8つの遊技情報を記憶可能な遊技情報記憶手段110に、1つの遊技情報(P1)が記憶(保留)されている状態を示す。
そしてこの場合において、遊技球が第1始動入賞口61又は第2始動入賞口62に入賞し、遊技情報記憶手段110に破線で示す新たな遊技情報(P2)が記憶された場合には、主制御装置100の遊技情報先読み手段170によって図11に示す一連の遊技情報先読み処理が実行され、サブ制御装置200側に先読みコマンドが送信される。
上記先読みコマンドを受信したサブ制御装置200側では、先読みコマンドに含まれるA1〜E8までの前変動時間種別に基づいて、ストック演出表示制御部210Cによる図15に示す一連のストック演出制御処理及びストック演出時期決定処理が実行される。
例えば、破線で示す新たに記憶された遊技情報P2に基づく遊技情報先読み処理の結果が、ロング演出が4回となる前変動時間種別E3であった場合、S301の判定がNOとなり、S302において図15(b)に示すストック数決定用テーブル220Dを参照し、4個以下の演出ストック数が決定される。
そして、演出ストック数が1以上である場合には、S305以降のストック演出時期決定処理に移行し、S306の判定により、図22(b)に示す現在変動中の演出図柄Sの変動中、又は、図22(e)に示す遊技情報P1に対応する現在変動中の演出図柄Sの変動停止後に変動を開始する演出図柄Sの変動中(次変動(P1))の所定のタイミングにストック演出を実行する。なお、同図においては、ストック演出によって表示される演出ストック数を2個としている。
図22(b)に示すように、現在変動中の演出図柄Sの表示中にストック演出が実行された場合、図22(c)に示すように、その後の変動(遊技情報P1に対応する変動)中においては、ストック演出が実行されることはなく、演出図柄Sは所定の演出パターンに従って停止する。さらに、図22(d)に示すように、その後の変動中(遊技情報P2に対応する変動)において、ロング演出表示制御部210Aによるロング演出が4回分繰り返して実行されるとともに、当該繰り返し実行されるロング演出のいずれかに対応して、ストック発動演出表示制御部210Dによるストック発動演出が2回分実行される。
一方、現在変動中の演出図柄Sの表示中にストック演出が実行されなかった場合、図22(e)に示すように、その後の変動(遊技情報P1に対応する変動)中において、演出図柄S停止の数秒前にストック演出が実行される。さらに、図22(f)に示すように、その後の変動(遊技情報P2に対応する変動)中(前変動時間中)において、ロング演出表示制御部210Aによるロング演出が4回分繰り返して実行されるとともに、当該繰り返し実行されるロング演出のいずれかに対応して、ストック発動演出表示制御部210Dによるストック発動演出が2回分実行される。
そして、図22(d),(f)に示すとおり、遊技情報先読み処理の結果が、ロング演出が4回となる前変動時間種別E3である遊技情報P2に対応する演出図柄Sの変動が開始された場合、その前変動時間中に、所定回数のロング演出と、当該ロング演出が実行されることを事前に示唆する所定回数のロング発動演出とが繰り返されることから、遊技者はこれら演出の組み合わせによって、後変動時間の終期において演出図柄Sが当りを示す態様で停止するのではないかという期待感を持続して持ちつつその結果の行方を見守ることが可能となる。
以上説明したとおり、本実施形態に係るパチンコ機1においては、特別図柄及び演出図柄Sの変動中に遊技情報記憶手段110に遊技情報が記憶されたことに基づいて、遊技情報先読み手段170による遊技情報先読み処理を実行して、サブ制御装置200側に先読みコマンドを送信する。
そして、サブ制御装置200のストック演出表示制御部210Cでは、先読みコマンドが所定のコマンド(前変動時間を含むコマンド)であることに基づいて、現在変動中の特別図柄及び演出図柄Sの変動よりも後の変動においてロング演出が実行されること、及び、そのロング演出の回数を示唆するストック演出実行の有無を決定する。そして、当該ストック演出表示制御処理の結果、演出ストック数が表示画面51や、ストック数表示灯60A〜60Dの点灯数によって示唆,報知された場合、遊技者は後の変動においてロング演出が実行されること、及び、その回数(最低表示回数)を事前に把握することが可能となるため、当該ロング演出を含む変動が開始されるまでの間、大当りへの期待感を持続的に有することができる。
さらに、本実施形態においては、S405の処理によって、演出ストック数がロング演出の回数よりも少ない場合に、ロング演出に付随して(僅か前に)実行されるストック発動演出のタイミングをランダムなものとしているため、ストック発動演出のタイミングによって、遊技者に対して大当りへの期待感をより増大させることが可能となる。
即ち、図20及び図21のタイムチャートから明らかなように、本実施形態においては、ストック発動演出の実行後に、必ずロング演出が発生するという形態であるため、例えば、例えば2回目のロング演出時にストック数表示灯60Aのみが点灯して演出ストックが1個残存していることが認識可能である場合に、ストック発動演出が実行されることなくロング演出が発生した場合、その時点で3回目のロング演出が実行されることが確定し(図21参照)、遊技者の大当りへの期待感がより増大することとなる。
以下、図3に戻り、サブ制御装置200の他の構成について説明する。
音声制御手段230は、演出表示制御手段210の各制御部によって生成される各種のコマンドの内容を含む内部コマンドを受信し、当該内部コマンドに基づいて、図外のROMから演出図柄Sの変動、ロング演出、ストック演出、ストック発動演出、大当り遊技等を盛り上げる楽曲データや音声データ、或いは効果音データをスピーカ8を駆動させる図外のドライバ回路側に出力し、スピーカ8から遊技の進行状況に対応した音を生じさせる。役物制御手段240は、上記同様の内部コマンドに基づいて、例えば可動役物70の駆動態様、駆動時期及び可動期間を決定し、当該決定した態様により可動役物70の駆動源として設けられた図外のステップモータを駆動し、遊技者に対して前述の演出のパターンに対応した可動役物70の動作を視認させることにより遊技を盛り上げる演出を実行する。また、役物制御手段240は、当該内部コマンドに基づいて、遊技盤30やパネル扉4の内部に配設された図外の発光体の点灯態様、点灯時期及び点灯期間を決定し、当該決定した態様により発光体が搭載された回路基板に対して信号を出力し、各演出に対応した発光体の点灯動作を視認させることにより遊技を盛り上げる演出を実行する。
次に、上述の実施形態と異なる他の実施形態について概説する。上述の実施形態においては、前変動時間に含まれる時間ブロックの組み合わせに基づいてロング演出を所定のタイミングで所定回数実行するとともに、先読みの結果に基づいて当該ロング演出の回数を事前に報知,示唆する構成としたが、当該ロング演出を後変動時間中に実行する構成としてもよい。
この場合、例えば、図12(b)に示す演出パターンの中にロング演出を含む演出パターンを設定すれば、後変動時間中にロング演出を実行することが可能となる。当該後変動時間中に実行されるロング演出は、例えばリーチ成立の直前や直後、或いは、リーチ成立後スーパーリーチの発展前に表示され、遊技者に対して大当り遊技への期待度を示唆する演出として用いられることとなる。また、後変動時間中に実行されるロング演出の最大実行回数は例えば最大2回として設定される。このような構成とすれば、演出図柄Sの一回の変動に伴って実行されるロング演出の最大実行回数が6回(前変動時間4回+後変動時間2回)となり、より多くのロング演出によって遊技者の期待感を向上させることが可能となる。
また、当該異なる実施形態におけるストック演出表示制御部210Cは、図15(a)に示す処理と略同様の処理によって、先読みコマンドに含まれる前変動時間種別及び後変動時間種別に基づいてロング演出の総計(前変動時間中のロング演出+後変動時間中のロング演出)を算出するとともに、ロング演出以下の演出ストック数(最大4個)を決定し、ストック演出の時期を決定する。
このような構成とすれば、例えばストック数表示灯60A〜60D及びアイコンSTの数によって示唆される演出ストック数が4個であり、ロング演出が合計6回実行される変動が開始した場合において、前変動時間中における3回目及び4回目のロング演出の前にそれぞれストック発動演出表示制御部210Dによるストック発動演出が繰り返し実行された場合(演出ストック数4→2)、遊技者は後変動時間中においてさらに2回のロング演出が実行されることを事前に察知することができるため、後変動時間中において展開されるリーチやスーパーリーチに、より高い期待感を持って遊技を進行することが可能となる。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に何ら限定されることはなく、実施形態を組み合わせて多様な変更、改良を行い得ることが当業者において明らかである。また、そのような多様な変更、改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが特許請求の範囲の記載から明らかである。
例えば、上述の各実施形態においては、ロング演出の回数を、ストック演出の実行によるストック数表示灯60A〜60Dの点灯数によって示唆,報知する構成としたが、従来のような、当該演出図柄の変動中に実行される所謂疑似連の回数をストック数表示灯60A〜60Dの点灯数によって示唆,報知するような構成としてもよい。