JP2014007995A - 小型rna発現量の比較解析方法 - Google Patents

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【課題】マイクロアレイ等で測定した複数の小型RNAの発現量を適切に補正し、検体間での小型RNA発現量の比較解析を従来よりも正確に実施できるようにする手段を提供すること。
【解決手段】本発明では、比較すべき複数の検体について、小型RNAとmRNAの測定を同時に行ない、mRNA発現量の測定値から代表値を得る。検体のうちから任意に選択された1つの「基準検体」のmRNA代表値と、残りの「補正される検体」のmRNA代表値との差をそれぞれ求め、この差を各「補正される検体」のための補正係数として用いる。「補正される検体」の小型RNA発現量測定値に、その検体のための補正係数を加算ないしは減算することで、当該検体についての小型RNA発現量の補正が行なわれる。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の検体間で小型RNAを比較解析するための方法、装置、及びプログラムに関する。
non-coding RNA(ncRNA)とは、タンパク質をコードしないRNAの総称であり、ハウスキーピングRNAと調節系のRNAとに大別される。様々な長さのncRNAがあり、特に200塩基未満の分子は、小型RNA(small RNA)と呼ばれている。
ハウスキーピングRNAとしては、リボゾームRNA(rRNA)、運搬RNA(tRNA)、スプライシングに関与する核内低分子RNA(snRNA)、rRNAの修飾に関与する核小体低分子RNA(snoRNA)等が知られている。
調節系RNAについては、生体機能の解明に重要な機能を果たしている因子として、近年特に注目を集めているものであり、遺伝子発現やRNAの細胞内分布を調節し遺伝子発現抑制機構に重要な役割を担っていることが最近になって明らかにされつつある。この調節系RNAが機能する遺伝子発現抑制機構は、RNA干渉(RNAi)と呼ばれ、1988年に線虫を用いた実験で明らかにされ、その後、ショウジョウバエや哺乳類細胞でも同様の機構の存在が明らかとなった。この調節系RNAとしてのncRNAは、鎖長がおよそ20〜25塩基であり、その作用機序は、マイクロRNA(miRNA)による翻訳抑制と、small interference RNA(siRNA)による標的mRNAの切断及び標的DNA領域のヘテロクロマチン化を介した遺伝子サイレンシングとに大別される。
miRNAは、ゲノムDNAからからヘアピン様構造のRNA(前駆体)として転写されてくる。この前駆体は、特定の酵素RNase III切断活性を有するdsRNA切断酵素(Drosha、Dicer)により切断された後、二本鎖の形態へと変化し、その後一本鎖となる。そして、片方のアンチセンス鎖がRISCと称するタンパク質複合体に取り込まれ、mRNAの翻訳抑制に関与すると考えられている。このように、miRNAは、転写後、各段階においてその態様は異なるので、通常、miRNAをターゲット(検出対象)とする場合は、ヘアピン構造体、二本鎖構造体、一本鎖構造体等の各種形態を考慮する必要がある。miRNAは15〜25塩基のRNAからなり、様々な生物でその存在が確認されている。
一方、siRNAは、ウイルス、トランスポゾン、トランスジーン、内在性dsRNA等の長鎖dsRNAから、RNase III切断活性を有するdsRNA切断酵素(Dicer)により切り出される。その後、dsRNAの片方のアンチセンスRNAが、RISC、又はRITSと称するタンパク質複合体に取り込まれ、複合体としてmRNAの分解又は転写抑制に関与する。従って、siRNAの取り得る態様としては、dsRNAとしての二本鎖の状態、RISCとの複合体を形成している一本鎖の状態もあるので、通常、siRNAをターゲット(検出対象)とする場合は、長鎖dsRNA、切断後のsiRNA、又は一本鎖等の各種形態を考慮する必要がある。
DNAマイクロアレイを用いて遺伝子発現解析を行う場合には、検体や実験者、実験条件により、得られるデータに誤差が生じることはよく知られている。そのため、誤差を補正するためのデータ補正方法が考案されている。補正には、いかなる検体であっても、複数の遺伝子の発現データを一塊とし、遺伝子発現データ群としてとらえた場合には、発現量に差がないという原理を前提とした方法が用いられている。グローバルノーマライゼーション法、quantile法、lowess法、75 percentile法などである。
また、検体間で発現量が同一である特定の遺伝子(ベータアクチンやGAPDHなど)に着目し、その遺伝子の検出値が一定になるように、検体ごとにデータを補正する方法も行われている。
小型RNAをDNAマイクロアレイによって解析する場合にも、上記のような遺伝子発現解析で用いられるグローバルノーマライゼーション法、quantile法、lowess法、75 percentile法といった補正方法が使われている。特定の遺伝子の発現量が一定になるように補正する方法として、検体で発現している小型RNAのうち、ハウスキーピングRNA(U1snoRNA、U2snoRNA、U3snoRNA、U4snoRNA、U5snoRNA、U6snoRNA、5SrRNA、5.8SrRNA)を用いて補正する方法が提案されている(特許文献1,特許文献2)。
特許文献1、特許文献2では、小型RNAであるmiRNAを検出する際、同時に検出した5SrRNAの検出値が全ての検体で一定となるように、miRNAの検出結果を補正している。
特開2007−75095号公報 特開2007−97429号公報
小型RNAは、検体ごとに発現量が大きく異なるため、検体間での発現量に差がないことを前提とした方法を用いることができない。仮に適用したとしても、誤った補正をしてしまう懸念がある。また、U1snoRNA、U2snoRNA、U3snoRNA、U4snoRNA、U5snoRNA、U6snoRNA、5S rRNA、5.8S rRNAといったハウスキーピングRNAに含まれる小型RNAは、検体間で発現量が一定でないことが指摘されており、全ての検体について有効であるとはいえない。
上記のように、DNAマイクロアレイを用いた小型RNA解析においては、どのような検体においても有効な補正方法がなかった。
従って、本発明の目的は、マイクロアレイ等で測定した複数の小型RNAの発現量を適切に補正し、検体間での小型RNA発現量の比較解析を従来よりも正確に実施できるようにする手段を提供することにある。
本願発明者らは、鋭意研究の結果、mRNAと小型RNAとを含む検体から抽出した検体RNAにおいて、検体RNAに含まれるmRNAを小型RNAと同時に測定した上で、mRNA捕捉プローブから得られたシグナル値を用いて小型RNAのシグナル値の補正を行うことで、従来より正確に小型RNAのシグナル補正を行なえることを見出し、本願発明を完成した。
すなわち、本発明は、複数の検体間で小型RNAの発現量を比較解析する方法であって、
前記複数の検体のそれぞれについて、複数の小型RNAの発現量の測定と同時に複数のmRNAの発現量の測定を行なう、測定工程;
各検体について、mRNA発現量の測定値から、対数値で表された代表値を取得する、代表値取得工程;
任意に選択された第1の検体を基準検体とし、基準検体のmRNA代表値と残りの第2以降の検体のmRNA代表値との差を、当該第2以降の検体のための補正係数としてそれぞれ取得する、補正係数取得工程;
取得された第2以降の検体のための補正係数をそれぞれ用いて、第2以降の検体において測定された小型RNA発現量を補正する、補正工程;及び
基準検体における小型RNA発現量と、第2以降の検体における補正済みの小型RNA発現量とを対比する、対比工程
を含み、
前記補正係数取得工程において、基準検体のmRNA代表値から第2以降の検体のmRNA代表値を減算した値を補正係数として取得する場合、前記補正工程では、第2以降の検体における小型RNA発現量測定値の対数値に補正係数を加算することにより前記補正を行ない、
前記補正係数取得工程において、第2以降の検体のmRNA代表値から基準検体のmRNA代表値を減算した値を補正係数として取得する場合、前記補正工程では、第2以降の検体における小型RNA発現量測定値の対数値から補正係数を減算することにより前記補正を行なう、前記方法を提供する。
また、本発明は、複数の検体における小型RNAの発現量を比較解析する小型RNA発現解析装置であって、
複数の検体のそれぞれについて、同時に測定された複数の小型RNAの発現量及び複数のmRNAの発現量の測定値を記憶する記憶手段と、
各検体について、mRNA発現量の測定値から、対数値で表された代表値を取得する、代表値取得手段と、
任意に選択された第1の検体を基準検体とし、基準検体のmRNA代表値と残りの第2以降の検体のmRNA代表値との差を、当該第2以降の検体のための補正係数としてそれぞれ取得する、補正係数取得手段と、
前記補正係数取得手段によって取得された第2以降の検体のための補正係数をそれぞれ用いて、第2以降の検体において測定された小型RNA発現量を補正する、補正手段と、
基準検体の小型RNA発現量と、第2以降の検体における補正済みの小型RNA発現量との対比結果を出力する出力手段と
を含み、
前記補正係数取得手段が、基準検体のmRNA代表値から第2以降の検体のmRNA代表値を減算した値を補正係数として取得する場合、前記補正手段は、第2以降の検体における小型RNA発現量測定値の対数値に補正係数を加算することにより前記補正を行ない、
前記補正係数取得手段が、第2以降の検体のmRNA代表値から基準検体のmRNA代表値を減算した値を補正係数として取得する場合、前記補正手段は、第2以降の検体における小型RNA発現量測定値の対数値から補正係数を減算することにより前記補正を行なう、前記装置を提供する。
さらに、本発明は、複数の検体間で小型RNA発現量を比較解析するために、コンピューターを、
複数の検体のそれぞれについて、同時に測定された複数の小型RNAの発現量及び複数のmRNAの発現量の測定値を記憶する、記憶手段、
各検体について、mRNA発現量の測定値から、対数値で表された代表値を取得する、代表値取得手段、
複数の検体のうちで「基準検体」として指定する第1の検体を入力する、入力手段、
基準検体のmRNA代表値と残りの第2以降の検体のmRNA代表値との差を、当該第2以降の検体のための補正係数としてそれぞれ取得する、補正係数取得手段、
前記補正係数取得手段によって取得された第2以降の検体のための補正係数をそれぞれ用いて、第2以降の検体において測定された小型RNA発現量を補正する、補正手段、及び
基準検体の小型RNA発現量と、第2以降の検体における補正済みの小型RNA発現量との対比結果を出力する、出力手段
として機能させるためのプログラムであって、
前記補正係数取得手段が、基準検体のmRNA代表値から第2以降の検体のmRNA代表値を減算した値を補正係数として取得する場合、前記補正手段は、第2以降の検体における小型RNA発現量測定値の対数値に補正係数を加算することにより前記補正を行ない、
前記補正係数取得手段が、第2以降の検体のmRNA代表値から基準検体のmRNA代表値を減算した値を補正係数として取得する場合、前記補正手段は、第2以降の検体における小型RNA発現量測定値の対数値から補正係数を減算することにより前記補正を行なう、前記プログラムを提供する。
さらに、本発明は、上記本発明のプログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。さらに、本発明は、複数の小型RNA捕捉プローブ及び複数のmRNA捕捉プローブが固定化された支持体を含む、小型RNA発現解析用チップを提供する。
本発明によれば、マイクロアレイ等を用いて多数の小型RNAの発現量を測定し、検体間で小型RNA発現量を比較する際に、従来よりも正確に小型RNA発現量を補正することができる。これにより、検体間での小型RNAの比較解析がより正確に実施できるようになる。
本発明の方法の概念図である。 本発明の解析装置の構成の概略を示すブロック図である。 本発明による小型RNA発現量の補正処理のフローチャートの一例である。 実施例で測定されたDNAマイクロアレイ検出シグナル値のヒストグラムを示す。 実施例および比較例のそれぞれについて、Taqman PCR法との間で解析結果を比較した結果を示す。
まず、本発明で行なう小型RNAの補正方法の概念について、図1に基づいて説明する。図1では、検体RNAを標識し、複数種類の小型RNA捕捉プローブおよびmRNA捕捉プローブが固定されたマイクロアレイで検出した結果を、シグナル値のヒストグラムによって模式的に示している。
図1Aでは、検体Aおよび検体Bから抽出した検体RNAを、それぞれDNAマイクロアレイを用いて解析した結果を、ヒストグラムで示している。マイクロアレイに搭載されている複数の小型RNA捕捉プローブから得られたシグナル値、および複数のmRNA捕捉プローブから得られたシグナル値のヒストグラムをそれぞれ示している。検体Aと検体Bでは、小型RNAのヒストグラムが大きくずれている。このことから、検体間で小型RNAの発現量に大きな差があると解釈できる。一方、実験誤差により差が生じているとも解釈できる。どちらが正しいか判断することはできない。
ところで、遺伝子発現解析の補正方法で用いられている前提は、いかなる検体であっても、複数の遺伝子の発現データを一塊とし、遺伝子発現データ群としてとらえた場合には、発現量に差がないというものであった。この場合、シグナル値のヒストグラムは検体間で一致するはずである。mRNAの発現量に関しては、上記の前提が成立する。
図1Aで示した、mRNA捕捉プローブから得られたシグナル値のヒストグラムは、検体Aと検体Bでほぼ同じ分布を示している。すなわち、検体Aと検体Bは正しく実験に供せられ、実験誤差はないと判断することができる。この場合には、検体AB間で小型RNAの発現量に大きな差があるということになり、検体間での比較をするに当たって小型RNAのシグナル値の補正は不要である。
図1Bでは、DNAマイクロアレイを用いて検体Cおよび検体Dを解析した結果を模式的に示している。小型RNA捕捉プローブから得られたシグナル値、およびmRNA捕捉プローブから得られたシグナル値のヒストグラムをそれぞれ示している。
検体Cと検体Dでは、小型RNAのヒストグラムが同じような分布を示している。一方、mRNA捕捉プローブから得られたシグナル値のヒストグラムは、検体Cと検体Dでは大きくずれている。このことから検体Cと検体Dの検出結果には、何らかの原因によって実験誤差が生じていることが分かる。このような場合には、検体CD間での比較をするに当たり、小型RNAのシグナル値を適切に補正する必要がある。
本発明に従い、小型RNAのシグナル値を補正した後のヒストグラムを図1Cに示した。補正の具体的な方法は後述の通りである。検体Cと検体DのmRNA捕捉プローブから得られたシグナル値のヒストグラムが一致するよう、検体Cのデータを補正した。この補正により、mRNA捕捉プローブから得られたシグナル値のヒストグラムは検体Cと検体Dで一致するようになり、同じ補正係数を用いて補正された小型RNA捕捉プローブのシグナル値のヒストグラムは、大きくずれてくる。つまり、検体CD間でも、小型RNAの発現量には大きな差があるということになる。
以下、本発明の比較解析方法、装置、及びプログラムについて詳述する。
本発明では、複数の検体間で小型RNAの発現量を比較解析する。検体数は2つでもよいし、3つ以上でもよい。
「小型RNA」とは、生体内で作られる鎖長200塩基未満のRNAを意味する。例えば、リボソームRNA(5S rRNA、5.8S rRNA)、トランスファーRNA(tRNA)、small nuclear ribonucleoprotein particle RNA(snoRNA)、small nuclear RNA(snRNA)、マイクロRNA(miRNA)などが例示できる。好ましい小型RNAの例としては、miRNAを挙げることができるが、これに限定されない。
本発明を適用できる検体は、生体から分離された検体であり、例えば、血液、血清、血漿、尿、便、髄液、唾液、ぬぐい液、各種組織液等の体液や、各種組織、パラフィン包埋検体(FFPE)およびその切片、各種飲食物並びにそれらの希釈物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。比較解析する複数の検体は、異なる組織に由来する複数の検体でもよいし、異なる生体から分離された同一の組織に由来する複数の検体でもよく、また、同一組織内の異なる部位(例えば、腫瘍等の病変部と非病変部)に由来する複数の検体でもよい。
これらの検体から、mRNAと小型RNAを分離せずにRNAを抽出し、このRNAを用いて小型RNAとmRNAの発現量を測定する。そのようなRNAの抽出方法は公知であり(例えば、Favaloroらの方法(Favaloro et.al., Methods Enzymol.65: 718 (1980))等)、そのためのキットも各種市販されている(例えば、キアゲン社のmiRNeasy等)。
<測定工程>
本発明の比較解析方法では、複数種類の小型RNAの発現量の測定と同時に、複数種類のmRNAの発現量の測定も行なう。mRNAの発現量は、後述する通り、小型RNAの発現量を補正するための補正係数の算出に使用される。複数のRNAの発現量の同時測定は、対象のRNAに特異的に結合するプローブを支持体上に固定化した、マイクロアレイ等のアレイチップを用いたハイブリダイゼーションアッセイにより行なうことができる。本発明においては、複数の小型RNA捕捉プローブと複数のmRNA捕捉プローブとが固定化された支持体を含むアレイチップを用いればよい。
「捕捉プローブ」とは、捕捉対象のRNAと直接的又は間接的に、好ましくは直接的に、かつ選択的に結合し得る物質を意味し、代表的な例として、核酸、タンパク質、糖類及び他の抗原性化合物を挙げることができる。本発明においては、核酸プローブを好ましく用いることができる。核酸は、DNAやRNAのほか、PNA(ペプチド核酸)やLNA(Locked Nucleic Acid)などの核酸誘導体を用いることができる。ここで誘導体とは、核酸の場合、蛍光団などによるラベル化誘導体、修飾ヌクレオチド(例えば、ハロゲン、メチルなどのアルキル、メトキシなどのアルコキシ、チオ、カルボキシメチルなどの基を含むヌクレオチド、及び塩基の再構成、二重結合の飽和、脱アミノ化、酸素分子の硫黄分子への置換などを受けたヌクレオチドなど)を含む誘導体などの化学修飾誘導体を意味する。
核酸プローブの鎖長は、ハイブリダイゼーションの安定性を確保する観点から、20塩基以上とすることが好ましい。通常、20〜100塩基程度の鎖長とすれば、プローブが対象とするRNAへの選択的結合性を十分に発揮することができる。そのような鎖長の短いオリゴ核酸プローブは、周知の化学合成法等により容易に調製することができる。
核酸プローブは、対象のRNAと完全に相補的な塩基配列とすることが好ましいが、一部に相違があっても、対象のRNAとストリンジェントな条件でハイブリダイズできる程度に相同性の高い塩基配列であれば、捕捉プローブとして使用可能である。
ハイブリダイゼーション時のストリンジェンシーは、温度、塩濃度、プローブの鎖長、プローブのヌクレオチド配列のGC含量及びハイブリダイゼーション緩衝液中のカオトロピック剤の濃度の関数であることが知られている。ストリンジェントな条件としては、例えば、Sambrook, J. et al. (1998) Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2nd ed.), Cold Spring Harbor Laboratory Press, New Yorkに記載された条件などを用いることができる。ストリンジェントな温度条件は、約30℃以上である。その他の条件としては、ハイブリダイゼーション時間、洗浄剤(例えば、SDS)の濃度、及びキャリアDNAの存否等であり、これらの条件を組み合わせることによって、様々なストリンジェンシーを設定することができる。当業者は、所望する検体RNAの検出のために用意した捕捉プローブとしての機能を得るための条件を適宜決定することができる。
小型RNAの配列情報は、GenBank(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/genbank/)等のデータベースから入手することができる。また、miRNAの配列情報は、例えばTrust Sanger Instituteのウェブサイト(http://www.sanger.ac.uk/Software/Rfam/mirna/index.shtml)から入手することができる。小型RNA捕捉核酸プローブは、これらのサイトから入手できる配列情報に基づいて設計することができる。
支持体上に固定化される小型RNA捕捉プローブの数は特に限定されない。例えば、配列が同定されている公知のmiRNAの全てを網羅する数の小型RNA捕捉プローブを支持体上に固定化したものを用いて、小型RNAの発現量を測定してもよい。
mRNA捕捉核酸プローブとしては、例えば、市販のDNAマイクロアレイで用いられているmRNA捕捉プローブと同じものを使用することができる。例えば、オペロン社のマイクロアレイでは、mRNAとプローブが1対1で対応している(すなわち、1種類のmRNAに対し1種類の捕捉プローブがアレイに搭載されている)。また、アフィメトリックス社のマイクロアレイでは、1種類のmRNAに対して複数の捕捉プローブが搭載されている。本発明の測定工程でアレイチップを用いて発現量の測定を行なう場合、支持体上に固定化されるmRNA捕捉核酸プローブの数は、ランダムに選択された数百種〜数万種程度のmRNAを対象とする数であればよい。測定対象とするmRNAの数は多ければ多いほど、それら発現データを一塊の遺伝子発現データ群としてとらえた時の検出値の分布データが充実し、本発明の方法による補正の正確さが高まるが、下記実施例で示される通り、1000種類程度のmRNAを対象としても、miRNAの発現量の補正は正確に行なうことができる。従って、アレイチップに搭載されるmRNA捕捉プローブが対象とするmRNAの数は数千種程度以下であってもよく、例えば300種〜3000種程度、400種〜2000種程度、又は500種〜1500種程度であり得る。
捕捉プローブが固定化される支持体としては、公知のマイクロアレイやマクロアレイ等で使用されている支持体と同様のものを用いることができ、例えばスライドガラスや膜、ビーズなどを用いることができる。特許第4244788号等に記載されている、表面に複数の凸部を有する形状の支持体を用いることもできる。支持体の材質は、特に限定されないが、ガラス、セラミック、シリコンなどの無機材料;ポリエチレンテレフタレート、酢酸セルロース、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、シリコーンゴム等のポリマーなどを挙げることができる。
支持体に捕捉プローブを固定化する方法としては、支持体表面上でオリゴDNAを合成する方法と、あらかじめ合成しておいたオリゴDNAを支持体表面へ滴下し固定する方法が知られている。
前者の方法としては、Ronaldらの方法(米国特許第5705610号明細書)、Michelらの方法(米国特許第6142266号明細書)、Francescoらの方法(米国特許第7037659号明細書)が挙げられる。これらの方法ではDNA合成反応時に有機溶媒を用いるため、支持体は有機溶媒に耐性のある材質であることが望ましい。また、Francescoらの方法では、支持体の裏面から光を照射してDNA合成を制御するため、支持体は透光性を有する材質であることが好ましい。
後者の方法としては、廣田ら(特許第3922454号)の方法やスポッターを用いる方法を挙げることができる。スポットの方式としては、固相へのピン先端の機械的な接触によるピン方式、インクジェットプリンターの原理を利用したインクジェット方式、毛細管によるキャピラリー方式等が挙げられる。スポット処理した後は、必要に応じてUV照射によるクロスリンキング、表面のブロッキング等の後処理が行なわれる。表面処理した支持体表面に共有結合でオリゴDNAを固定化させるため、オリゴDNAの末端にはアミノ基やSH基等の官能基が導入される。支持体の表面修飾は、通常、アミノ基等を有するシランカップリング剤処理によって行なわれる。
支持体上に固定化された各プローブとのハイブリダイゼーションは、検体から抽出したRNAから、標識物質で標識された核酸試料(検体由来の核酸試料)を調製し、この標識核酸試料をプローブと接触させることにより実施する。「検体由来の核酸試料」には、検体から抽出したRNAのほか、該RNAから逆転写反応により調製されたcDNA及びcRNAが包含される。標識された検体由来の核酸試料は、検体RNAを直接的又は間接的に標識物質で標識したものでもよいし、また、検体RNAから調製されたcDNAやcRNAを直接的又は間接的に標識物質で標識したものでもよい。
検体由来の核酸試料に標識物質を結合させる方法としては、核酸試料の3’末端に標識物質を結合させる方法、5’末端に標識物質を結合させる方法、標識物質が結合したヌクレオチドを核酸に取り込ませる方法を挙げることができる。3’末端に標識物質を結合させる方法、5’末端に標識物質を結合させる方法では酵素反応を用いることができる。酵素反応には、T4 RNA LigaseやTerminal Deoxitidil Transferase、Poly A polymeraseなどを用いることができる。いずれの標識方法も「miRNA実験プロトコール(羊土社)」に記載されている方法を参考にすることができる。また、RNAの末端に直接又は間接的に標識物質を結合させるためのキットが各種市販されている。例えば、3’末端に直接又は間接的に標識物質を結合させるキットとしては、miRCURY miRNA HyPower labeling kit(エキシコン社)、NCode miRNA Labeling system(ライフテクノロジーズ社)、FlashTag Biotin RNA Labeling Kit(ジェニスフィア社)等を例示することができる。ライフテクノロジーズ社のNCode miRNA Labeling systemは、miRNAにポリAテイルを付加した後、架橋形成オリゴdTを用いてキャプチャー配列を3'末端にライゲーションし、これをアレイにハイブリダイズさせた後、キャプチャー配列にハイブリダイズする配列をもった標識物質を添加して、キャプチャー配列を介してmiRNAを標識するというものであり、miRNAに間接的に標識物質を結合させる手法である。これらの市販のキットでは、小型RNAにポリAテイルを付加し、このポリAテイルを用いて標識物質の結合を行なうが、検体RNA中に含まれるmRNAはもともとポリAテイルを有するので、小型RNAの標識と同時にmRNAの標識も可能である。
このほか、従来法と同様に、標識したデオキシリボヌクレオチド又は標識したリボヌクレオチドの存在下で検体RNAからcDNA又はcRNAを合成することにより、標識物質が取り込まれたcDNA又はcRNAを調製し、これをアレイ上のプローブとハイブリダイズさせる、という方法も可能である。
本発明では、複数の検体を用いるが、いずれにも同一の標識物質を用いてよい。
本発明において、使用できる標識物質としては、公知のマイクロアレイ解析においても使用されている各種の標識物質を挙げることができる。具体的には、蛍光色素、りん光色素、酵素、放射線同位体などが挙げられるが、これらに限定されない。好ましいのは、測定が簡便で、シグナルが検出しやすい蛍光色素である。具体的には、シアニン(シアニン2)、アミノメチルクマリン、フルオロセイン、インドカルボシアニン(シアニン3)、シアニン3.5、テトラメチルローダミン、ローダミンレッド、テキサスレッド、インドカルボシアニン(シアニン5)、シアニン5.5、シアニン7、オイスターなどの公知の蛍光色素が挙げられるが、これらに限定されない。
また、標識物質としては、発光性を有する半導体微粒子を用いてもよい。このような半導体微粒子としては、例えばカドミウムセレン(CdSe)、カドミウムテルル(CdTe)、インジウムガリウムリン(InGaP)、シルバーインジウム硫化亜鉛(AgInZnS)などが挙げられる。
上記のようにして標識された検体由来の核酸試料を支持体上のプローブと接触させ、核酸試料とプローブをハイブリダイズさせる。このハイブリダイゼーション工程は、従来と全く同様に行うことができる。反応温度及び時間は、ハイブリダイズさせる核酸の鎖長に応じて適宜選択されるが、核酸のハイブリダイゼーションの場合、通常、30℃〜70℃程度で1分間〜十数時間である。ハイブリダイゼーションを行ない、洗浄後、支持体上の個々のプローブ固定化領域における標識物質からのシグナル強度を検出する。シグナル強度の検出は、標識物質の種類に応じて適当なシグナル読取装置を用いて行なう。蛍光色素を標識物質として用いた場合には、蛍光顕微鏡や蛍光スキャナ等を用いればよい。
検出されたシグナル値は、周辺ノイズと比較される。具体的には、プローブ固定化領域から得られたシグナル値と、それ以外の位置から得られたシグナル値を比較し、前者の数値が上回っている場合を検出された(有効判定陽性)とする。
検出されたシグナル値に、バックグラウンドノイズが含まれている場合には、バックグラウンドノイズを減算してもよい。周辺ノイズをバックグラウンドノイズとして、検出したシグナル値から減算することもできる。その他、「マイクロアレイデータ統計解析プロトコール(羊土社)」に記載されている方法を用いても良い。
上記の方法によると、小型RNA及びmRNAの発現量の測定値が、シグナル強度の測定値として得られる。
<代表値取得工程>
本発明の解析方法では、次いで、各検体について、mRNA発現量の測定値から、対数値で表された代表値を取得する(代表値取得工程)。本発明における「対数値」とは、底が2の対数に変換された値を意味する。代表値の典型例としては、平均値及び中央値を挙げることができる。代表値が平均値の場合、「対数値で表された平均値」とは、複数のmRNAの発現量の測定値(例えば、マイクロアレイを用いて得られたシグナル強度の測定値)を底が2の対数に変換した対数値で求めた平均値を意味する。代表値が中央値の場合、「対数値で表された中央値」とは、複数のmRNAの発現量の測定値(例えば、マイクロアレイを用いて得られたシグナル強度の測定値)を底が2の対数に変換した対数値の中央値、又はmRNA発現量測定値の中央値を底が2の対数に変換した対数値を意味する。中央値の場合は、測定値の対数変換を先に行なっても後に行なっても同じ値が得られる。
平均値及び中央値は、測定対象とした複数のmRNAの全ての測定値を用いて求めたものであってもよいし、該複数のmRNAのうちから抽出された一部の測定値を用いて求めたものであってもよい。例えば、マイクロアレイに搭載されているmRNA捕捉プローブで得られた全てのmRNA測定値を用いて求めてもよいし、全mRNA捕捉プローブのうちの一部(例えば、マイクロアレイに搭載されているmRNA捕捉プローブが1000種であったとすると、そのうちの500種)を抽出して求めてもよい。例えば、比較解析すべき全ての検体に共通して有効判定陽性であったmRNA捕捉プローブ固定化領域のみを抽出して、mRNA代表値を取得することができる。
あるいは、本発明では、上記の代表値として、上記複数の検体間で発現量が一定であることが既知の遺伝子のmRNA発現量測定値の対数値を採用することができる。
<補正係数取得工程>
次いで、代表値取得工程で得られた各検体のmRNA代表値を用いて、小型RNAの発現量の補正に用いる補正係数を取得する(補正係数取得工程)。この際、複数の検体の中から任意に1検体(第1の検体)を選択し、これを「基準検体」とする。残りの第2以降の検体が、「補正される検体」となる。
なお、本明細書において、「第2以降の検体」という語には、第2の検体も包含される。例えば、比較すべき複数の検体が2つであれば、補正される検体は第2の検体のみであり、比較すべき複数の検体が3つであれば、補正される検体は第2の検体及び第3の検体の2つである。
本発明の方法では、基準検体のmRNA代表値と、第2以降の検体(補正される検体)のmRNA代表値との差を、当該第2以降の検体のための補正係数として用いる。補正係数は、補正される検体の数だけ取得されることになる。
具体的には、補正係数は、
c=(基準検体のmRNA代表値)−(補正される検体のmRNA代表値) 式1
又は
c'=(補正される検体のmRNA代表値)−(基準検体のmRNA代表値) 式1’
で求められる。第2の検体のための補正係数であれば、
c2=(基準検体のmRNA代表値)−(第2の検体のmRNA代表値)
又は
c2'=(第2の検体のmRNA代表値)−(基準検体のmRNA代表値)
で求められる。
例えば、マイクロアレイを用いて発現量の測定を実施し、mRNA代表値として平均値を用いる場合、第2の検体のための補正係数は、下記のいずれかの式で求めることができる。
Figure 2014007995
Figure 2014007995
(式中、
nは、支持体上のmRNA捕捉プローブ固定化領域の総数、
Xjは、基準検体における、j番目(1≦j≦n)のmRNA捕捉プローブ固定化領域からのシグナル測定値、
Yjは、第2の検体における、j番目(1≦j≦n)のmRNA捕捉プローブ固定化領域からのシグナル測定値
である。)
プローブがmRNAと1対1対応である場合、nは、支持体上のmRNA捕捉プローブがターゲットとするmRNAの数に等しい。
式1−1及び式1−1’においては、nに代えて、比較すべき全ての検体で共通して有効判定陽性であったmRNA捕捉プローブ固定化領域の総数n'を用いることもできる。
また、例えば、複数の検体間で発現量が一定であることが既知である特定の遺伝子(ここでは便宜的に遺伝子Gと呼ぶ)のmRNA発現量測定値の対数値をmRNA代表値として用いる場合、第2の検体のための補正係数は、下記のいずれかの式で求めることができる。
Figure 2014007995
Figure 2014007995
(式中、
Gaは基準検体における遺伝子Gの発現量測定値、
Gbは第2の検体における遺伝子Gの発現量測定値
である。)
<補正工程>
第2以降の検体における小型RNA発現量の補正は、第2以降の検体のための補正係数をそれぞれ用いて実施する。つまり、第2の検体について小型RNA発現量を補正する場合には、第2の検体のための補正係数(c2又はc2')を使用し、第3の検体について小型RNA発現量を補正する場合には、第3の検体のための補正係数(c3又はc3')を使用する。
補正係数として、基準検体のmRNA代表値から第2以降の検体のmRNA代表値を減算した値を用いる場合、すなわち上記式1の場合には、第2以降の検体における各小型RNA発現量測定値の対数値に補正係数を加算することにより、第2以降の各検体についての小型RNA発現量の補正が実施される。この場合の補正を式で表すと、ある「補正される検体」におけるi番目の小型RNAの補正済み発現量Eiは、下記式2によって求めることができる。
Figure 2014007995
(Ziは、i番目の小型RNA捕捉プローブ固定化領域からのシグナル測定値である。)
これとは逆に、補正係数として、第2以降の検体のmRNA代表値から基準検体のmRNA代表値を減算した値を用いる場合、すなわち上記式1’の場合には、第2以降の検体における各小型RNA発現量測定値の対数値から補正係数を減算することにより、第2以降の各検体についての小型RNA発現量の補正が実施される。この場合の補正を式で表すと、ある「補正される検体」におけるi番目の小型RNAの補正済み発現量Eiは、下記式2’によって求めることができる。
Figure 2014007995
(Ziの定義は上記式2に同じ)
第2の検体において測定された小型RNA発現量を補正するのであれば、当該第2の検体における各小型RNA発現量測定値の対数値にc2を加算するか、又はc2'を減算すればよい。第3以降の検体についても同様である。式1及び式2の手順でも、式1’及び式2’の手順でも、最終的に得られる補正済み小型RNA発現量Eiの値は同じである。
<対比工程>
基準検体における小型RNA発現量と、第2以降の検体における補正済みの小型RNA発現量とを対比する。この対比工程自体は、従来法と同様に行なうことができ、例えばスキャッタープロットと呼ばれる発現量データの散布図を作成すればよい。比較すべき検体が3つ以上である場合、基準検体と第2の検体を対比したスキャッタープロットと、基準検体と第3の検体を対比したスキャッタープロットを作成すればよく、必要に応じて第2の検体と第3の検体を対比したスキャッタープロットを作成してよい。4つ以上の検体の対比も同様に行なうことができる。なお、3検体の対比であれば、3次元的にスキャッタープロットを作成することもできる。
本発明の小型RNA発現解析装置は、上記本発明の比較解析法を実施する装置である。該装置には、複数の検体のそれぞれについて、同時に測定された複数の小型RNAの発現量及び複数のmRNAの発現量の測定値を記憶する記憶手段と;各検体について、mRNA発現量の測定値から、対数値で表された代表値を取得する、代表値取得手段と;任意に選択された第1の検体を基準検体とし、基準検体のmRNA代表値と残りの第2以降の検体のmRNA代表値との差を、当該第2以降の検体のための補正係数としてそれぞれ取得する、補正係数取得手段と;補正係数取得手段によって取得された第2以降の検体のための補正係数をそれぞれ用いて、第2以降の検体において測定された小型RNA発現量を補正する、補正手段と;基準検体の小型RNA発現量と、第2以降の検体における補正済みの小型RNA発現量との対比結果を出力する出力手段とが含まれる。
当該解析装置の構成の概略を示すブロック図を図2に示す。解析装置10は、入力部110、表示部120、出力部130、記憶部140、制御部150、変換部160、解析部170を具備する。また、図3には、本発明による小型RNA発現量の補正処理のフローチャートの一例を示す。
入力部110は、解析装置10の動作に関わる情報を入力する手段である。キーボード等の従来公知の入力手段を好ましく用いることができる。マイクロアレイを用いたハイブリダイゼーションアッセイにより得られる発現量データは、例えば、本発明の装置とは別のスキャナー等の読取手段で読み取られ、数値データに変換された後、入力部110から当該数値データを解析装置10に入力される。あるいは、スキャナー等の読取手段が、本発明の解析装置10に含まれていてもよい(図示せず)。
入力部110から入力された発現量データ、又は解析装置10に組み込まれた読取手段によって読み取られ数値化された発現量データは、記憶部140に記憶される。この時、記憶部140は、複数の検体のそれぞれについて、同時に測定された複数の小型RNAの発現量及び複数のmRNAの発現量の測定値を記憶する記憶手段として働く。
記憶部140に格納された各検体の小型RNA及びmRNAの発現量測定値データは、変換部160により、底が2の対数に変換される。次いで、解析部170により、各検体について、対数変換されたmRNA発現量測定値の代表値が取得される。代表値は、比較解析法についての説明で述べた通り、平均値、中央値、又は検体間で発現量が一定である特定の遺伝子のmRNA測定値であり得る。
代表値が取得された後、解析部170により、基準検体のmRNA代表値と第2以降の検体のmRNA代表値との差が算出され、当該第2以降の検体のための補正係数がそれぞれ取得される。補正係数の取得の詳細は、比較解析法の<補正係数取得工程>で述べた通りである。
装置10において、基準検体の選出は、装置10を操作する者が入力部110から任意の1検体を指定することにより行なわれてよい。あるいは、装置10が自動的に基準検体となる1検体を選出してもよい。例えば、入力部110からデータが入力され、記憶部140に最初にデータが記憶された検体が、装置10によって基準検体として選出され得る。この基準検体の選出又は入力のステップは、図3では便宜的に代表値取得工程(S-3)の後に位置されているが、これに限定されず、より早いステップで、例えばデータの格納時に実行されてもよい。
次いで、解析部170は、第2以降の検体のための補正係数をそれぞれ用いて、第2以降の検体で測定された小型RNA発現量データを補正する。補正操作の詳細は、比較解析法の<補正工程>で述べた通りである。
次いで、解析部170により、基準検体の小型RNA発現量と、第2以降の検体の補正済み小型RNA発現量との対比が行なわれる。対比の結果は、出力部130によって、表示部120に出力され、表示される。さらに、プリンター等の出力装置や記録媒体等に対比結果が出力され得る。さらにまた、出力部130は、ネットワークを介して装置外部に存在するデータベース等の外部記憶装置に対比解析結果を出力するように構成することもできる。
記憶部140は、複数の小型RNAの発現量及び複数のmRNAの発現量の測定値を記憶するほか、上記の各工程で生じる中間の解析結果も適宜記憶する。
装置10の上記した各種動作は、制御部150によって制御される。具体的には、図2の破線矢印で示されるように、入力部110、表示部120、出力部130、記憶部140、制御部150、変換部160、解析部170の各手段に対して、制御部150から制御情報が出力され、この制御情報に基づいて各手段が連携して動作し、装置10全体が動作する。
また、本発明は、コンピュータを上記した解析装置として機能させ、マイクロアレイ等により小型RNA発現量と同時に測定されたmRNA発現量データを用いて小型RNA発現量の補正をコンピュータに実行させるプログラム、及び当該プログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
「記録媒体」は、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD等の任意の「可搬用の物理媒体」、あるいは、LAN、WAN、インターネットに代表されるネットワークを介してプログラムを送信する場合の通信回線や搬送波のように、短期にプログラムを保持する「通信媒体」を含むものとする。
「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OS(Operating System)に代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
本発明において好ましく使用され得る、複数の小型RNA捕捉プローブと複数のmRNA捕捉プローブが固定化された支持体を含むアレイチップは、小型RNA発現解析用チップとして提供することができる。当該チップについての好ましい条件は、本発明の比較解析方法において説明した通りである。
以下、本発明を、2種類のRNA検体を用いた実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
市販されているヒト組織由来のRNA検体を用いた研究は、数多く行われており、論文として公開されている。Satoらの報告(Sato et.al., Plos One 4(5):e5540(2009))では、ヒト前立腺由来RNA検体およびヒト肝臓由来RNA検体を用いて、含まれるmiRNAの発現データを、ゴールデンスタンダードと言われているtaqman PCR法によって取得したデータと比較分析している。本実施例では、ヒト前立腺由来のRNA検体、およびヒト肝臓由来のRNA検体を用いて本発明の補正方法を適用した。
(捕捉プローブの設計)
小型RNA捕捉プローブは、miRBaseリリース12から入手した939種のヒトmiRNA配列の、相補鎖を用いた(http://www.sanger.ac.uk/Software/Rfam/mirna/index.shtml)。
mRNA捕捉プローブは、オペロン社で公開されているプローブからランダムに選出した1054種の配列を用いた。オペロン社のプローブ配列は、mRNAと同じプラス鎖の配列で設計されているため、オペロン社のプローブ配列の相補鎖をmRNA捕捉プローブとして用いた。
小型RNA捕捉プローブおよびmRNA捕捉プローブは、3'末端にアミノ基修飾をいれた合成DNAをオペロン社にて合成した。
(DNAマイクロアレイの作製)
3'末端に導入したアミノ基を利用して、上記の小型RNA捕捉プローブおよびmRNA捕捉プローブを東レ株式会社製の3D-Gene(登録商標)基板(3000柱基板)の凸部に固定化し、DNAマイクロアレイを作製した。このDNAマイクロアレイを用いて以下の実験を行なった。
(検体RNAの調製)
検体RNAとしてヒト前立腺由来RNA(アンビオン社)、ヒト肝臓由来RNA(アンビオン社)を用いた。検体RNA 1μgにRNaseIIIを添加し、37℃で90分間反応させ、RNAを断片化した。断片化した検体RNAは、miRNeasy mini kit(キアゲン社)を用いて精製した。得られた検体RNAを、miRCURY LNA HyPower labeling kit(エキシコン社)を用いて標識した。標識した検体RNAは、3D-Gene(登録商標)miRNA chip(東レ社)の標準プロトコールに従い、ハイブリダイゼーションと洗浄を行った。反応済みのDNAマイクロアレイは、マイクロアレイスキャナ(東レ社)を用いて蛍光シグナルを検出した。スキャナの設定は、レーザー出力100%、フォトマルチプライヤーの電圧設定を70%にした。
(小型RNAシグナル値の補正)
DNAマイクロアレイから得られたシグナル値を、底が2の対数に変換し、ヒストグラムにしたものを図4に示す。図4Aは小型RNA捕捉プローブにハイブリダイズしたRNAのシグナル値、図4BはmRNA捕捉プローブにハイブリダイズしたRNAのシグナル値のヒストグラムをそれぞれ示している。
それぞれのシグナル値の平均値および平均値の差を表1に示した。前立腺由来RNAを「基準とする検体RNA」、肝臓由来RNAを「比較する検体RNA」とした。前立腺由来RNA(基準とする検体RNA)のmRNA補足プローブのシグナル平均値から、肝臓由来RNA(比較する検体RNA)のmRNA補足プローブのシグナル平均値を減算し、数値0.25を得た(本発明で用いる補正係数)。
Figure 2014007995
次に、肝臓由来RNA(比較する検体RNA)を反応させたDNAマイクロアレイから得られたシグナル値のうち、小型RNA捕捉プローブにハイブリダイズしたRNAから得られたシグナル値を、それぞれ底が2の対数に変換し、補正係数0.25を加えた。以上の操作により、補正が実施された。
(Taqman PCRでのデータ取得)
比較対象とするため、Taqman PCR(アプライドバイオシステムズ社)によりmiRNAの発現データを取得した。データ取得は、メーカーの推奨プロトコールに従い行った。検出対象として、任意に選定した34種のmiRNAを用いた(表2)。データの解析方法はSatoらの報告(Sato et.al., Pros One 4(5):e5540(2009))に従った。
(データの比較)
Taqman PCRで対象とした34種のmiRNAの、DNAマイクロアレイ解析で得られたシグナル値(対数値)を表3に示す。DNAマイクロアレイのシグナル値とtaqman PCRの検出結果を直接比較することはできないため、変動比に換算して比較した。変動比は、ある小型RNAにおける肝臓由来RNAシグナル値を前立腺由来RNAシグナル値で除算した値の対数値である。
Figure 2014007995
Figure 2014007995
補正した小型RNA捕捉プローブのシグナル値を、taqman PCRのデータと比較した結果を図5に示す。横軸にtaqman PCRで得られた変動比、縦軸にマイクロアレイで得られた変動比をとった散布図を図5Aに示した。両者の結果が似通っていれば、回帰直線はy=xの直線上に重なるはずである。回帰直線を計算すると、傾きが0.93、切片が0.073とy=xの直線にほぼ重なる結果が得られた。
比較例
比較例として、従来技術による補正方法である、小型RNAのシグナル値の分布を同一にするグローバルノーマライゼーション法による補正を行った。小型RNAのシグナル値の平均値は、前立腺由来RNAが5.34、肝臓由来RNAが4.39となる(表1)。このときの平均値の差1.05を補正係数として用いた。
肝臓由来RNAを反応させたDNAマイクロアレイから得られたシグナル値のうち、小型RNA捕捉プローブのシグナル値を、それぞれ底が2の対数に変換し、補正係数1.05を加えた。以上の操作により、補正が実施された。実施例と同様に、変動比を用いてtaqman PCRと比較した(図5B)。回帰直線は傾きが0.93、切片が0.823となり、y=xの直線からは大きく外れてしまった。
以上のように、本発明の補正方法を用いることで、ゴールデンスタンダードと言われているtaqman PCRとよく一致する結果を得ることができた。

Claims (21)

  1. 複数の検体間で小型RNAの発現量を比較解析する方法であって、
    前記複数の検体のそれぞれについて、複数の小型RNAの発現量の測定と同時に複数のmRNAの発現量の測定を行なう、測定工程;
    各検体について、mRNA発現量の測定値から、対数値で表された代表値を取得する、代表値取得工程;
    任意に選択された第1の検体を基準検体とし、基準検体のmRNA代表値と残りの第2以降の検体のmRNA代表値との差を、当該第2以降の検体のための補正係数としてそれぞれ取得する、補正係数取得工程;
    取得された第2以降の検体のための補正係数をそれぞれ用いて、第2以降の検体において測定された小型RNA発現量を補正する、補正工程;及び
    基準検体における小型RNA発現量と、第2以降の検体における補正済みの小型RNA発現量とを対比する、対比工程
    を含み、
    前記補正係数取得工程において、基準検体のmRNA代表値から第2以降の検体のmRNA代表値を減算した値を補正係数として取得する場合、前記補正工程では、第2以降の検体における小型RNA発現量測定値の対数値に補正係数を加算することにより前記補正を行ない、
    前記補正係数取得工程において、第2以降の検体のmRNA代表値から基準検体のmRNA代表値を減算した値を補正係数として取得する場合、前記補正工程では、第2以降の検体における小型RNA発現量測定値の対数値から補正係数を減算することにより前記補正を行なう、前記方法。
  2. 2つの検体間で小型RNAの発現量を比較解析する請求項1記載の方法。
  3. 前記測定工程が、支持体上に固定化された複数の小型RNA捕捉プローブ及び複数のmRNA捕捉プローブと、標識物質で標識された検体由来の核酸試料とを接触させてハイブリダイゼーションを行ない、洗浄後、支持体上の個々のプローブ固定化領域における標識物質からのシグナルを測定することにより、各小型RNA及び各mRNAの発現量をシグナル強度測定値としてそれぞれ測定することを含む、請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記プローブが核酸プローブであり、前記標識物質が蛍光色素である請求項3記載の方法。
  5. 前記代表値が、mRNA発現量測定値の対数値で算出された平均値である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 小型RNAがmiRNAである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 複数の検体における小型RNAの発現量を比較解析する小型RNA発現解析装置であって、
    複数の検体のそれぞれについて、同時に測定された複数の小型RNAの発現量及び複数のmRNAの発現量の測定値を記憶する記憶手段と、
    各検体について、mRNA発現量の測定値から、対数値で表された代表値を取得する、代表値取得手段と、
    任意に選択された第1の検体を基準検体とし、基準検体のmRNA代表値と残りの第2以降の検体のmRNA代表値との差を、当該第2以降の検体のための補正係数としてそれぞれ取得する、補正係数取得手段と、
    前記補正係数取得手段によって取得された第2以降の検体のための補正係数をそれぞれ用いて、第2以降の検体において測定された小型RNA発現量を補正する、補正手段と、
    基準検体の小型RNA発現量と、第2以降の検体における補正済みの小型RNA発現量との対比結果を出力する出力手段と
    を含み、
    前記補正係数取得手段が、基準検体のmRNA代表値から第2以降の検体のmRNA代表値を減算した値を補正係数として取得する場合、前記補正手段は、第2以降の検体における小型RNA発現量測定値の対数値に補正係数を加算することにより前記補正を行ない、
    前記補正係数取得手段が、第2以降の検体のmRNA代表値から基準検体のmRNA代表値を減算した値を補正係数として取得する場合、前記補正手段は、第2以降の検体における小型RNA発現量測定値の対数値から補正係数を減算することにより前記補正を行なう、前記装置。
  8. 2つの検体間で小型RNAの発現量を比較解析する請求項7記載の装置。
  9. 前記記憶手段に記憶される、複数の小型RNAの発現量及び複数のmRNAの発現量の測定値は、支持体上に固定化された複数の小型RNA捕捉プローブ及び複数のmRNA捕捉プローブと、標識物質で標識された検体由来の核酸試料とを接触させてハイブリダイゼーションを行ない、洗浄後、支持体上の個々のプローブ固定化領域における標識物質からのシグナルを測定することにより、各小型RNA及び各mRNAの発現量をシグナル強度測定値としてそれぞれ測定された値である、請求項7又は8記載の装置。
  10. 前記プローブがDNAプローブであり、前記標識物質が蛍光色素である請求項9記載の装置。
  11. 前記代表値が、mRNA発現量測定値の対数値で算出された平均値である請求項7ないし10のいずれか1項に記載の装置。
  12. 小型RNAがmiRNAである請求項7ないし11のいずれか1項に記載の装置。
  13. 複数の検体間で小型RNA発現量を比較解析するために、コンピューターを、
    複数の検体のそれぞれについて、同時に測定された複数の小型RNAの発現量及び複数のmRNAの発現量の測定値を記憶する、記憶手段、
    各検体について、mRNA発現量の測定値から、対数値で表された代表値を取得する、代表値取得手段、
    複数の検体のうちで「基準検体」として指定する第1の検体を入力する、入力手段、
    基準検体のmRNA代表値と残りの第2以降の検体のmRNA代表値との差を、当該第2以降の検体のための補正係数としてそれぞれ取得する、補正係数取得手段、
    前記補正係数取得手段によって取得された第2以降の検体のための補正係数をそれぞれ用いて、第2以降の検体において測定された小型RNA発現量を補正する、補正手段、及び
    基準検体の小型RNA発現量と、第2以降の検体における補正済みの小型RNA発現量との対比結果を出力する、出力手段
    として機能させるためのプログラムであって、
    前記補正係数取得手段が、基準検体のmRNA代表値から第2以降の検体のmRNA代表値を減算した値を補正係数として取得する場合、前記補正手段は、第2以降の検体における小型RNA発現量測定値の対数値に補正係数を加算することにより前記補正を行ない、
    前記補正係数取得手段が、第2以降の検体のmRNA代表値から基準検体のmRNA代表値を減算した値を補正係数として取得する場合、前記補正手段は、第2以降の検体における小型RNA発現量測定値の対数値から補正係数を減算することにより前記補正を行なう、前記プログラム。
  14. 複数の検体間で小型RNA発現量を比較解析するために、コンピューターを、
    複数の検体のそれぞれについて、同時に測定された複数の小型RNAの発現量及び複数のmRNAの発現量の測定値を記憶する、記憶手段、
    各検体について、mRNA発現量の測定値から、対数値で表された代表値を取得する、代表値取得手段、
    複数の検体から「基準検体」とする第1の検体を選出する、基準検体選出手段、
    基準検体のmRNA代表値と残りの第2以降の検体のmRNA代表値との差を、当該第2以降の検体のための補正係数としてそれぞれ取得する、補正係数取得手段、
    前記補正係数取得手段によって取得された第2以降の検体のための補正係数をそれぞれ用いて、第2以降の検体において測定された小型RNA発現量を補正する、補正手段、及び
    基準検体の小型RNA発現量と、第2以降の検体における補正済みの小型RNA発現量との対比結果を出力する、出力手段
    として機能させるためのプログラムであって、
    前記補正係数取得手段が、基準検体のmRNA代表値から第2以降の検体のmRNA代表値を減算した値を補正係数として取得する場合、前記補正手段は、第2以降の検体における小型RNA発現量測定値の対数値に補正係数を加算することにより前記補正を行ない、
    前記補正係数取得手段が、第2以降の検体のmRNA代表値から基準検体のmRNA代表値を減算した値を補正係数として取得する場合、前記補正手段は、第2以降の検体における小型RNA発現量測定値の対数値から補正係数を減算することにより前記補正を行なう、
    前記プログラム。
  15. 2つの検体間で小型RNAの発現量を比較解析する請求項13又は14記載のプログラム。
  16. 前記記憶手段に記憶される、複数の小型RNAの発現量及び複数のmRNAの発現量の測定値は、支持体上に固定化された複数の小型RNA捕捉プローブ及び複数のmRNA捕捉プローブと、標識物質で標識された検体由来の核酸試料とを接触させてハイブリダイゼーションを行ない、洗浄後、支持体上の個々のプローブ固定化領域における標識物質からのシグナルを測定することにより、各小型RNA及び各mRNAの発現量をシグナル強度測定値としてそれぞれ測定された値である、請求項13ないし15のいずれか1項に記載のプログラム。
  17. 前記プローブがDNAプローブであり、前記標識物質が蛍光色素である請求項16記載のプログラム。
  18. 前記代表値が、mRNA発現量測定値の対数値で算出された平均値である請求項13ないし17のいずれか1項に記載のプログラム。
  19. 小型RNAがmiRNAである請求項13ないし18のいずれか1項に記載のプログラム。
  20. 請求項13ないし19のいずれか1項に記載のプログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  21. 複数の小型RNA捕捉プローブ及び複数のmRNA捕捉プローブが固定化された支持体を含む、小型RNA発現解析用チップ。
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