JP2014007349A - シリコンウエハの洗浄方法及び光電変換装置の製造方法 - Google Patents

シリコンウエハの洗浄方法及び光電変換装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014007349A
JP2014007349A JP2012143502A JP2012143502A JP2014007349A JP 2014007349 A JP2014007349 A JP 2014007349A JP 2012143502 A JP2012143502 A JP 2012143502A JP 2012143502 A JP2012143502 A JP 2012143502A JP 2014007349 A JP2014007349 A JP 2014007349A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon wafer
aqueous solution
hydrogen peroxide
mixed aqueous
cleaning
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012143502A
Other languages
English (en)
Inventor
Masao Fujii
政夫 藤井
Takeya Kimura
健也 木村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2012143502A priority Critical patent/JP2014007349A/ja
Publication of JP2014007349A publication Critical patent/JP2014007349A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Cleaning Or Drying Semiconductors (AREA)

Abstract

【課題】洗浄工程におけるシリコンウエハの浮き上がりを抑制することが可能なシリコンウエハの洗浄方法とその方法を用いた光電変換装置の製造方法を提供する。
【解決手段】塩化水素:過酸化水素(重量比)が1:0.03〜1:0.15の範囲内であり、塩化水素の濃度及び過酸化水素の濃度の合計が4重量%〜7重量%の範囲内である、塩化水素及び過酸化水素の混合水溶液を用いて、厚さが50μm〜300μmの範囲内のシリコンウエハの表面を洗浄する。
【選択図】図5

Description

本発明は、太陽電池等の光電変換装置の製造方法に関する。特に、シリコンウエハの洗浄方法と、その洗浄方法を用いる光電変換装置の製造方法に関する。
近年、地球温暖化だけではなく、環境への悪影響の少ないエネルギー源として、太陽光発電は多方面から注目されており、太陽電池の需要が継続的に拡大している。従来、多結晶シリコン太陽電池や単結晶シリコン太陽電池に代表される結晶系の太陽電池の主原料として、IC(集積回路)等に用いられる半導体と同様なシリコンウエハが使用されている。しかしながら、結晶系の太陽電池においては、一般的に不純物の濃度の影響を比較的受けないため、結晶系の太陽電池は、半導体の製造工程における不純物の濃度の基準とは異なる基準により製造されてきた。
しかし、近年では更なる発電効率の向上が求められており、製造工程の段階で太陽電池の基となるシリコンウエハの表面の不純物を除去し、不純物の影響を低減する試みが盛んに行われている。製造工程における不純物を除去するシリコンウエハの洗浄方法の一例として、高温の塩化水素及び過酸化水素の混合水溶液を用いてシリコンウエハの表面の洗浄を行う洗浄方法が知られている。
塩化水素及び過酸化水素の混合水溶液(以下、混合水溶液と略す。)は、金属や有機物等不純物を分解し、除去し、洗浄する効果を有している。この効果は、塩酸(塩化水素の水溶液)の金属に対する溶解作用、酸性下における過酸化水素水の酸化作用による金属や有機物に対する酸化作用、塩化水素と過酸化水素の反応によって生じる次亜塩素酸による酸化作用による金属や有機物に対する酸化作用、過酸化水素の分解により発生する酸素の洗浄作用等によるものである。また、この洗浄方法は、洗浄処理の段階において、過酸化水素の分解により発生する酸素等により気泡が発生する。
例えば、特許文献1には、塩化水素及び過酸化水素の混合水溶液により短時間で効率的に不純物を除去するシリコンウエハの洗浄方法が開示されている。
混合水溶液を用いた洗浄方法の具体例として、図6に示すような処理槽108を用いて洗浄処理する方法が挙げられる。この方法では、通常のIC等に用いられるシリコンウエハであれば、一般的に厚さが700μm程度あるため、混合水溶液106の化学反応により発生した気泡107がシリコンウエハに付着しても浮上する等の問題はないが、太陽電池に用いられるシリコンウエハ104の場合、一般的に厚さが200μm程度であり、自重が軽いため、気泡がシリコンウエハ104に付着すると、図7に示すように、シリコンウエハ104が浮力により浮上し、キャリア105(耐薬品性に優れた樹脂製の入れ物)から飛び出し、シリコンウエハ104がフタ110・111と接触し、シリコンウエハ104が破損してしまうという問題が生じ得る。
通常、太陽電池に用いられるシリコンウエハ104の場合、気泡107が付着しシリコンウエハ104が浮上してしまうという問題を防ぐため、図8に示すように、キャリア105に固定するためのリテーナ112を設置したり、図9に示すように、ウエハ押さえ機構113を設置している。
特開平5−166778号公報(1993年7月2日公開)
しかしながら、図8に示すようにリテーナ112を設置したり、図9に示すようにウエハ押さえ機構113を設置すると、設備の機構が複雑になるという問題があった。
例えば、リテーナ112を設置した場合、自動化された製造工程では、キャリア105へシリコンウエハ104を挿入完了後、リテーナ112は化学処理中に取れたりしないように、キャリア105にしっかりと固定されていなくてはならない。したがって、この要求を満たす機構を、キャリア105およびリテーナ112が備えていなければならないという問題があった。
また、化学処理を終了後、純水にてリンス処理をする必要があるが、リテーナ112とキャリア105の隙間等に化学処理に用いた薬剤成分が残留しないようにリンス処理を充分にする必要がある。
一方、ウエハ押さえ機構113を設置した場合、処理槽108に駆動機構を設ける必要があり、構造が複雑になるため、駆動機構においてトラブル等が発生する可能性が高くなるという問題があった。
したがって、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、洗浄工程における洗浄液の気泡の発生を抑制しつつ、洗浄するために複雑な機構を設ける必要もなく、シリコンウエハの浮き上がりを抑制することが可能なシリコンウエハの洗浄方法とその洗浄方法を用いた光電変換装置の製造方法とを提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明のシリコンウエハの洗浄方法は、塩化水素:過酸化水素(重量比)が1:0.03〜1:0.15の範囲内であり、塩化水素の濃度及び過酸化水素の濃度の合計が4重量%〜7重量%の範囲内である、塩化水素及び過酸化水素の混合水溶液を用いて、厚さが50μm〜300μmの範囲内のシリコンウエハの表面を洗浄することを特徴としている。
また、塩化水素:過酸化水素(重量比)は1:0.05〜1:0.1の範囲内であることがより好ましく、塩化水素の濃度及び過酸化水素の濃度の合計は4.5重量%〜5.5重量%の範囲内であることがより好ましく、上記シリコンウエハの厚さは75μm〜125μmの範囲内であることがより好ましい。
上記の構成によれば、洗浄時における気泡の発生を抑制することができる。したがって、シリコンウエハの表面に気泡が付着することによって生じるシリコンウエハの浮き上がりを防止できる上に、シリコンウエハの浮き上がりを防止するための複雑な機構を設ける必要がない洗浄方法を提供することができる。
本発明のシリコンウエハの洗浄方法は、処理槽内で上記シリコンウエハを上記水溶液に浸液することで上記シリコンウエハの表面を洗浄することが好ましい。上記の構成によれば、シリコンウエハの浮き上がりを防止することができる。
本発明の光電変換装置の製造方法は、上記シリコンウエハの洗浄方法により上記シリコンウエハを洗浄する工程を備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、シリコンウエハを効率的に洗浄することができるため、光電変換装置をより効率的に製造することができ、光電変換装置をより安価に提供することができる。
本発明のシリコンウエハの洗浄方法は、洗浄するための複雑な機構が不要であり、洗浄時における気泡の発生を抑制することができ、シリコンウエハの表面に付着した気泡による、シリコンウエハの浮き上がりを防止することができる。
また、本発明の光電変換装置の製造方法は、シリコンウエハを効率的に洗浄することができるため、光電変換装置をより効率的に製造することができ、光電変換装置をより安価に提供することができる。
本発明の一実施の形態におけるシリコンウエハの断面を示す説明図である。 図1のAの領域を拡大したシリコンウエハの断面図である。 図2のシリコンウエハからさらにテクスチャ構造を形成したシリコンウエハの断面図である。 図3のシリコンウエハからさらに拡散層を形成したシリコンウエハの断面図である。 本発明の一実施の形態に係る洗浄工程における処理槽を示す説明図である。 従来の混合水溶液を用いた場合の洗浄工程における処理槽を示す説明図である。 図6において、シリコンウエハの厚さが50μm〜300μmである場合の、シリコンウエハが浮上し破損している様子を示す説明図である。 図6で示す処理槽にリテーナを導入した場合の説明図である。 図6で示す処理槽にウエハ押さえ機構を導入した場合の説明図である。
〔シリコンウエハの洗浄方法〕
本発明に係るシリコンウエハの洗浄方法は、シリコンウエハの表面上の不純物を除去するために、塩化水素及び過酸化水素の混合水溶液を用いて、シリコンウエハの表面を洗浄する方法である。
本発明に係る洗浄方法は、例えば、光電変換装置等に用いる厚さの薄いシリコンウエハが対象である。シリコンウエハの厚さは300μm以下であることが好ましく、125μm以下であることがより好ましい。また、シリコンウエハの厚さは50μm以上であることが好ましく、75μm以上であることがより好ましい。さらに、シリコンウエハの厚さは、150μm±15μmの範囲内であってもよい。
単位面積あたりに付着する気泡の量を抑制することが目的であるため、特に大きさについては限定しないが、シリコンウエハの外形は1辺100mm〜250mmの範囲内の擬似四角形の形状であることが好ましく、150mm〜160mmの範囲内であることがより好ましく、156.2mm〜156.95mmの範囲内であることがなお好ましい。
また、本発明では、仮にシリコンウエハの厚さが117μm±15μmである場合、シリコンウエハの質量は、6.54g±0.84gとなるシリコンウエハが用いられていてもよい。
本発明の洗浄方法において、混合水溶液中の塩化水素:過酸化水素(重量比)は、1:0.03〜1:0.15の範囲内であることが好ましく、1:0.05〜1:0.1の範囲内であることがより好ましく、1:0.07〜1:0.08の範囲内であることがさらに好ましい。混合水溶液中の塩化水素:過酸化水素(重量比)が、1:0.03より小さい場合は(上記の範囲より小さいほど)、シリコンウエハの表面の洗浄効果が低下してしまうという問題が発生する。一方、混合水溶液中の塩化水素:過酸化水素(重量比)が、1:0.15より大きい場合は(上記の範囲より大きいほど)、気泡が発生しシリコンウエハが浮いてしまうという問題が発生する。
また、混合水溶液中の塩化水素の濃度及び過酸化水素の濃度の合計が4重量%〜7重量%の範囲内であることが好ましく、4.5重量%〜5.5重量%の範囲内であることがより好ましく、4.9重量%〜5.1重量%の範囲内であることがさらに好ましい。
混合水溶液中における塩化水素の濃度や、過酸化水素の濃度が上記4重量%〜7重量%の範囲より低い場合、シリコンウエハの表面の洗浄効果が十分に得られないという問題がある。また、混合水溶液中における塩化水素の濃度や、過酸化水素の濃度が上記4重量%〜7重量%の範囲より高い場合、過酸化水素の分解によって発生した酸素等からなる気泡が大量に発生する。それにより、シリコンウエハの表面に気泡が付着し、溶液に浸漬し洗浄している際、シリコンウエハが浮上してしまうことによって、十分に洗浄できないという問題や、シリコンウエハの入れ物であるキャリアから飛び出し、シリコンウエアが破損してしまうという問題が生じる。すなわち、上記の範囲とすることで、シリコンウエハの洗浄において、十分な洗浄効果を維持しつつ、気泡の発生を抑えることができる。また、塩化水素の蒸発や過酸化水素の分解を抑えることができる。
本発明に係る洗浄方法は、ディップ方式(槽内浸液式)、すなわち、シリコンウエハを混合水溶液に浸液することにより、シリコンウエハを洗浄する方法である。処理槽8を用いて処理する具体的な例を、図5を用いて説明する。図5は、本発明の一実施の形態に係る洗浄工程における処理槽を示す説明図である。
図5に示すように、シリコンウエハ4は、耐薬品性に優れた樹脂製の入れ物であるキャリア5に収められている。キャリア5は処理槽8の底面に設置されたスノコ9の上に設置されている。また、キャリア5の出し入れの場合以外は、フタ10・11が閉じられている。さらに、処理槽8には混合水溶液6が満たされており、シリコンウエハ4は完全に混合水溶液6の中に浸漬している。
混合水溶液6はヒーター等により加熱されていてもよい。混合水溶液6に溶解している過酸化水素の分解によって生じる酸素等からなる気泡7が僅かに発生する。混合水溶液6は、気泡や加熱等の作用によって処理槽8内を循環している。このように、混合水溶液6にシリコンウエハ4を浸漬することによって、シリコンウエハ4の表面を洗浄することができる。
また、混合水溶液6の循環は気泡7の発生によって生じ得るが、循環を促進させ、洗浄効果を向上させるため処理槽8に撹拌装置を備えていてもよい。
また、本発明の洗浄方法において、混合水溶液の温度は、70℃〜90℃の範囲内であることが好ましく、75℃〜85℃の範囲内であることがより好ましい。混合水溶液の温度が高い場合、気泡の発生が促進され、シリコンウエハに多量の気泡が付着してしまい、シリコンウエハが浮き上がってしまうという問題がある。また、混合水溶液の温度が低い場合は、十分な洗浄効果が得られないという問題がある。
また、シリコンウエハの混合水溶液への浸漬時間は、200秒〜600秒の範囲内であることが好ましく、250秒〜350秒であることがより好ましい。浸漬時間が短い場合、十分に洗浄効果を得ることができないという問題がある。また、浸漬時間が長い場合、洗浄効率が低下する上に、シリコンウエハにさまざまな悪影響が生じる。
本発明に係る洗浄方法において、混合水溶液には、塩化水素及び過酸化水素の作用に大きく影響しない範囲において、緩衝剤や洗浄剤等のその他薬剤を混合させてもよい。本発明に係る混合水溶液は、シリコンウエハの洗浄時に、処理槽において塩酸と、過酸化水素水と水とを一定の割合で混合することで供給してもよい。
水中にて塩化水素と過酸化水素が混合すると、発熱が起こり、過酸化水素が分解し始め、一定時間を経ると、過酸化水素の分解が収まり洗浄作用が弱まる。このため、処理槽8中の過酸化水素の濃度を適切な一定範囲内に維持するように、過酸化水素を定期的に補充することが好ましい。また、塩化水素の濃度と過酸化水素の濃度や重量比(混合比)を一定の範囲内に維持するために、一定の割合で塩酸と過酸化水素水を適宜供給してもよい。
また、混合する際の塩酸の濃度は25重量%〜35重量%であることが好ましい。塩酸の濃度が高すぎると、水と混合する際に希釈熱が発生し、過酸化水素の分解を促進するという問題がある。また、過酸化水素水の濃度は30重量%〜35重量%程度であればよい。
本発明の洗浄方法を用いることで、シリコンウエハの表面に付着した、粒子状や、粉状等の不純物を除去することができる。不純物としては、酸化作用によって分解されうる有機物や塩酸によって溶けうる金属等が挙げられるが特に限定はしない。
〔光電変換装置の製造方法〕
上記の洗浄方法は、公知の光電変換装置等の半導体の製造工程において用いることができる。上記の洗浄方法は、公知の光電変換装置等の製造工程において、洗浄する対象であるシリコンウエハを混合水溶液に浸漬しても問題がない、様々なタイミングで適用することができる。上記の方法を用いる光電変換装置の製造方法の一実施の形態について説明するが、これに限定されない。
図1は、本発明の一実施の形態におけるシリコンウエハの断面を示す説明図である。図2は、図1のAの領域を拡大したシリコンウエハの断面図である。図3は、図2のシリコンウエハからテクスチャ構造を形成したシリコンウエハの断面図である。図4は、図3のシリコンウエハにからさらに拡散層を形成したシリコンウエハの断面図である。
(シリコンウエハ工程)
図1及び2で示されるような、光電変換装置の基となるシリコンウエハ1は、例えば、高純度のシリコン原料や不純物の溶融液において結晶を成長させインゴットを形成し、インゴットを引き上げた後、ブロック加工やスライス加工の工程を経て得られるものである。インゴットの製造には、チョクラルスキー(CZ)法や、フローティングゾーン(FZ)法等を挙げることができる。
具体的には、例えば、円柱状にくり抜いた石英るつぼに、多結晶原料シリコンを充填し、融解させシリコン融液を形成する。融解される多結晶原料シリコンは、一般に、シーメンス法によって製造される棒状や片状、又はそれらを砕いたような塊状の不規則な形状をした、不純物がほとんど含まれない高純度の多結晶シリコンである場合が多い。このような高純度のままでは抵抗率が制御されておらず、所望の抵抗率を有するシリコン結晶を得るためには一定のドーピングが必要である。この「ドーピング」については、適当なドープ材(例えばボロン等のP型不純物)を原料の多結晶シリコンに添加することをいう。シリコンウエハ1の導電性については、ボロン等のP型不純物を添加したP型であってもよい。また、N型不純物を添加したN型であってもよい。P型不純物としては、ボロンのほか、アルミニウム、ガリウム、インジウム等を用いることができる。
上記の方法で得られた円柱形状のシリコンインゴットを適当な寸法に切り出し、次いで、バンドソー等を用いて円柱断面を4面切断し、研削等により寸法を整え、擬似四角柱型のシリコンブロックを得る。そして、シリコンブロックをマルチワイヤソー等によりスライス加工を施すことで、太陽電池用の擬似四角形のシリコンウエハに加工する。このように得られたシリコンウエハ1の好ましいサイズについては、既に説明したとおりである。シリコンウエハ1は角部が丸みを帯びていてもよい。
(テクスチャエッチング工程)
次に、擬似四角形のシリコンウエハ1において、受光面側にピラミッド状に凹凸のテクスチャ構造2が形成される。テクスチャ構造2を形成するために、例えば、アルカリ性水溶液等による異方性エッチング処理を用いて形成することができる。具体的な例としては、テクスチャを形成しない側の面(受光面とは反対側の面)にマスクとなるパッシベーション膜を積層して保護した後、シリコンウエハ1を薄いアルカリ水溶液等に浸け、エッチングすることによって、表面に垂直な方向から見ると格子状に見える規則的な凹凸のテクスチャ構造2を形成することができ、図3で示されるような、シリコンウエハを得ることができる。
アルカリ性水溶液の種類、濃度、エッチング時間等はシリコンウエハ1の形態により適宜選択すればよく特に限定はしない。アルカリ性水溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液等を用いることができる。
テクスチャ構造とすることにより、受光面側において入射した光を多重反射させ光を閉じ込めることができ、より効率的に光電変換可能な光電変換装置を提供することができる。
(中和工程)
テクスチャエッチング工程で表面がアルカリ性となっているシリコンウエハ1を酸性水溶液により中和し、純水で洗浄する。酸性水溶液としては塩酸を用いることができ、さらに、硫酸水溶液又は酢酸水溶液等を用いてもよい。
(洗浄工程)
エッチングによって発生したシリコンウエハ1の表面上に残っている不純物を除去するために、上述したシリコンウエハの洗浄方法により、塩化水素及び過酸化水素の混合水溶液を用いて、シリコンウエハの表面を洗浄する。混合水溶液の調合については、既に説明したとおりである。洗浄工程後、薬液成分が残留しないように、純水を用いたリンス処理等によって薬剤を除去する。なお、シリコンウエハの表面に薬液成分が残存すると、次の接合工程における高温処理によって、薬液成分が不純物として作用し、シリコンウエハの特性に悪影響を及ぼすことになる。
(接合工程)
図4に示すように、塗布拡散法等により表面に拡散剤を塗布し、熱処理することにより、拡散層を形成する。例えば、P型のシリコンウエハの表面に、オキシ塩化リン等の適当なリン化合物を塗布拡散し、N層の拡散層3を形成する。N層の厚みは、例えば0.1μmである。
接合工程以降は、公知の方法を用いて、電極形成工程、モジュール工程等を経て光電変換装置等の太陽電池のモジュールを完成させることができる。
上述したシリコンウエハの洗浄方法の効果を簡易試験により証明した。以下に詳細を示す。
〔実施例1〕
35重量%の塩酸12Lと、31重量%の過酸化水素水1.2Lを、純水83Lと混合することで得られる混合水溶液を、シリコンウエハを洗浄するための混合水溶液Aとする。このとき、混合水溶液Aは塩化水素:過酸化水素(重量比(純分混合比))が1:0.085であり、塩化水素の濃度及び過酸化水素の濃度(純分濃度)の合計が5.457重量%である。
まず、図5で示される処理槽において上記の割合で塩酸及び過酸化水素水を供給し混合することで、処理槽を混合水溶液Aで満たした。混合水溶液Aの温度は、80℃とした。そして、厚さが100μm、一辺が156.5mmの擬似四角形の形状を有するシリコンウエハを浸漬し、浮上するかどうかの試験を行った。結果はシリコンウエハの浮上は見られなかった。
〔実施例2〕
35重量%の塩酸12Lと、31重量%の過酸化水素水0.5Lを、純水87.5Lと混合して得られる水溶液を混合水溶液Bとする。このとき、混合水溶液Bは塩化水素:過酸化水素(重量比)が1:0.035であり、塩化水素の濃度及び過酸化水素の濃度の合計が5.019重量%である。混合水溶液Bを用いた点以外は実施例1と同様にして浮上するかどうかの試験を行った。結果はシリコンウエハの浮上は見られなかった。
〔実施例3〕
35重量%の塩酸12Lと、31重量%の過酸化水素水1.2Lを、純水86.8Lと混合して得られる水溶液を混合水溶液Cとする。このとき、混合水溶液Cは塩化水素:過酸化水素(重量比)が1:0.085であり、塩化水素の濃度及び過酸化水素の濃度の合計が5.255重量%である。混合水溶液Cを用いた点以外は実施例1と同様にして浮上するかどうかの試験を行った。結果はシリコンウエハの浮上は見られなかった。
〔実施例4〕
35重量%の塩酸12Lと、31重量%の過酸化水素水2Lを、純水86Lと混合して得られる水溶液を混合水溶液Dとする。このとき、混合水溶液Dは塩化水素:過酸化水素(重量比)が1:0.141であり、塩化水素の濃度及び過酸化水素の濃度の合計が5.523重量%である。混合水溶液Dを用いた点以外は実施例1と同様にして浮上するかどうかの試験を行った。結果はシリコンウエハの浮上は見られなかった。
〔実施例5〕
35重量%の塩酸10Lと、31重量%の過酸化水素水0.5Lを、純水60Lと混合して得られる水溶液を混合水溶液Eとする。このとき、混合水溶液Eは塩化水素:過酸化水素(重量比)が1:0.042であり、塩化水素の濃度及び過酸化水素の濃度の合計が5.949重量%である。混合水溶液Eを用いた点以外は実施例1と同様にして浮上するかどうかの試験を行った。結果はシリコンウエハの浮上は見られなかった。
〔実施例6〕
35重量%の塩酸10Lと、31重量%の過酸化水素水1Lを、純水60Lと混合して得られる水溶液を混合水溶液Fとする。このとき、混合水溶液Fは塩化水素:過酸化水素(重量比)が1:0.085であり、塩化水素の濃度及び過酸化水素の濃度の合計が6.143重量%である。混合水溶液Fを用いた点以外は実施例1と同様にして浮上するかどうかの試験を行った。結果はシリコンウエハの浮上は見られなかった。
〔実施例7〕
35重量%の塩酸10Lと、31重量%の過酸化水素水1.5Lを、純水60Lと混合して得られる水溶液を混合水溶液Gとする。このとき、混合水溶液Fは塩化水素:過酸化水素(重量比)が1:0.127であり、塩化水素の濃度及び過酸化水素の濃度の合計が6.334重量%である。混合水溶液Gを用いた点以外は実施例1と同様にして浮上するかどうかの試験を行った。結果はシリコンウエハの浮上は見られなかった。
〔実施例8〕
35重量%の塩酸12Lと、31重量%の過酸化水素水0.6Lを、純水87.4Lと混合して得られる水溶液を混合水溶液Hとする。このとき、混合水溶液Hは塩化水素:過酸化水素(重量比)が1:0.042であり、塩化水素の濃度及び過酸化水素の濃度の合計が5.053重量%である。混合水溶液Hを用いた点以外は実施例1と同様にして浮上するかどうかの試験を行った。結果はシリコンウエハの浮上は見られなかった。
〔実施例9〕
35重量%の塩酸12Lと、31重量%の過酸化水素水1.2Lを、純水86.8Lと混合して得られる水溶液を混合水溶液Iとする。このとき、混合水溶液Iは塩化水素:過酸化水素(重量比)が1:0.085であり、塩化水素の濃度及び過酸化水素の濃度の合計が5.255重量%である。混合水溶液Hを用いた点以外は実施例1と同様にして浮上するかどうかの試験を行った。結果はシリコンウエハの浮上は見られなかった。
〔実施例10〕
35重量%の塩酸12Lと、31重量%の過酸化水素水1.8Lを、純水86.2Lと混合して得られる水溶液を混合水溶液Jとする。このとき、混合水溶液Jは塩化水素:過酸化水素(重量比)が1:0.127であり、塩化水素の濃度及び過酸化水素の濃度の合計が5.456重量%である。混合水溶液Jを用いた点以外は実施例1と同様にして浮上するかどうかの試験を行った。結果はシリコンウエハの浮上は見られなかった。
〔比較例1〕
塩化水素:過酸化水素(重量比)が1:0.833であり、塩化水素の濃度及び過酸化水素の濃度の合計が33重量%である水溶液を混合水溶液Kとする。混合水溶液Kを用いた点以外は実施例1と同様にして浮上するかどうかの試験を行った。結果は気泡が大量に発生しシリコンウエハが浮上した。
〔比較例2〕
塩化水素:過酸化水素(重量比)が1:0.417であり、塩化水素の濃度及び過酸化水素の濃度の合計が34重量%である水溶液を混合水溶液Lとする。混合水溶液Lを用いた点以外は実施例1と同様にして浮上するかどうかの試験を行った。結果は気泡が大量に発生しシリコンウエハが浮上した。
〔比較例3〕
塩化水素:過酸化水素(重量比)が1:0.278であり、塩化水素の濃度及び過酸化水素の濃度の合計が34.5重量%である水溶液を混合水溶液Mとする。混合水溶液Mを用いた点以外は実施例1と同様にして浮上するかどうかの試験を行った。結果は気泡が大量に発生しシリコンウエハが浮上した。
〔比較例4〕
塩化水素:過酸化水素(重量比)が1:0.083であり、塩化水素の濃度及び過酸化水素の濃度の合計が35重量%である水溶液を混合水溶液Nとする。混合水溶液Nを用いた点以外は実施例1と同様にして浮上するかどうかの試験を行った。結果は気泡が大量に発生しシリコンウエハが浮上した。
〔比較例5〕
塩化水素:過酸化水素(重量比)が1:0.093であり、塩化水素の濃度及び過酸化水素の濃度の合計が35.4重量%である水溶液を混合水溶液Oとする。混合水溶液Oを用いた点以外は実施例1と同様にして浮上するかどうかの試験を行った。結果は気泡が大量に発生しシリコンウエハが浮上した。
実施例1〜10及び比較例1〜5で得られた結果を表1にまとめた。なお、表1におけるシリコンウエハの浮上の有無を表す項目において、「○」はシリコンウエハが浮上しなかったことを表し、「×」はシリコンウエハが浮上したことを表している。
Figure 2014007349
表1からわかるように、塩化水素及び過酸化水素の混合水溶液を本発明で規定する条件とすることで、これまでの先行技術で用いられてきた条件と比較して、気泡の発生を抑制することができ、それによって図5で示される処理槽によってシリコンウエハの浮き上がりを防止しつつ、ウエハの洗浄が可能である。
本発明のシリコンウエハの洗浄方法は、気泡が発生することで不都合が生じる、様々なシリコンウエハの洗浄を必要とする半導体産業等に利用することができる。また、本発明の光電変換装置の製造方法は、よりコストを抑え、シリコンウエハを洗浄することができ、不純物を効率的に取り除くことができる方法を取り入れているため、本発明の光電変換装置の製造方法を用いることにより、今後需要が増していくであろう太陽発電システムをより高品質に且つより安価に提供することができる。
1・4 シリコンウエハ
6 混合水溶液(塩化水素及び過酸化水素の混合水溶液)

Claims (6)

  1. 塩化水素:過酸化水素(重量比)が1:0.03〜1:0.15の範囲内であり、塩化水素の濃度及び過酸化水素の濃度の合計が4重量%〜7重量%の範囲内である、塩化水素及び過酸化水素の混合水溶液を用いて、厚さが50μm〜300μmの範囲内のシリコンウエハの表面を洗浄することを特徴とするシリコンウエハの洗浄方法。
  2. 塩化水素:過酸化水素(重量比)が1:0.05〜1:0.1の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のシリコンウエハの洗浄方法。
  3. 塩化水素の濃度及び過酸化水素の濃度の合計が4.5重量%〜5.5重量%の範囲内であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリコンウエハの洗浄方法。
  4. 上記シリコンウエハの厚さが75μm〜125μmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜3のうち何れか1項に記載のシリコンウエハの洗浄方法。
  5. 処理槽内で上記シリコンウエハを上記水溶液に浸液することで上記シリコンウエハの表面を洗浄することを特徴とする請求項1に記載のシリコンウエハの洗浄方法。
  6. 請求項1に記載のシリコンウエハの洗浄方法により上記シリコンウエハを洗浄する工程を備えることを特徴とする光電変換装置の製造方法。
JP2012143502A 2012-06-26 2012-06-26 シリコンウエハの洗浄方法及び光電変換装置の製造方法 Pending JP2014007349A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012143502A JP2014007349A (ja) 2012-06-26 2012-06-26 シリコンウエハの洗浄方法及び光電変換装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012143502A JP2014007349A (ja) 2012-06-26 2012-06-26 シリコンウエハの洗浄方法及び光電変換装置の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014007349A true JP2014007349A (ja) 2014-01-16

Family

ID=50104808

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012143502A Pending JP2014007349A (ja) 2012-06-26 2012-06-26 シリコンウエハの洗浄方法及び光電変換装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014007349A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI494416B (zh) 用於蝕紋單晶及多晶矽基板表面之酸性蝕刻溶液及方法
EP2182556B1 (en) Process for manufacturing solar cell
WO2012150627A1 (ja) シリコン基板の洗浄方法および太陽電池の製造方法
US8329046B2 (en) Methods for damage etch and texturing of silicon single crystal substrates
JP6513788B2 (ja) 結晶シリコン系太陽電池の製造方法および結晶シリコン系太陽電池モジュールの製造方法
US9876128B2 (en) Texturing monocrystalline silicon substrates
TW201209157A (en) Aqueous alkaline etching and cleaning composition and method for treating the surface of silicon substrates
JP6062712B2 (ja) 太陽電池の製造方法およびこれに用いられる太陽電池製造装置
JP2014096459A (ja) 太陽電池用半導体基板の表面処理方法、太陽電池用半導体基板の製造方法、太陽電池の製造方法及び太陽電池製造装置
CN102227375A (zh) 硅污泥的洗涤方法
JP2011146432A (ja) 太陽電池用シリコン基板の製造方法
US20120129344A1 (en) Process and apparatus for removal of contaminating material from substrates
US20080268652A1 (en) Solution used in the fabrication of a porous semiconductor material, and a method of fabricating said material
JP2014007349A (ja) シリコンウエハの洗浄方法及び光電変換装置の製造方法
WO2009125187A1 (en) A method of etching silicon wafers
JP5721606B2 (ja) エッチング液の前処理方法、シリコン基板のエッチング方法、シリコン基板エッチング装置
Fano et al. Alkaline Texturing
TWI544653B (zh) A solar cell and a manufacturing method thereof, and a manufacturing apparatus for a solar cell
JP2015153951A (ja) 半導体装置の製造方法および製造装置
JP2016181629A (ja) 太陽電池用シリコン基板の製造装置および製造方法
JP2019134131A (ja) 被処理基板の表面処理装置、及び太陽電池の製造方法
Zawal The importance of minority carrier lifetime in silicon semiconductor devices
WO2013069385A1 (ja) 半導体基板のエッチング方法
JP2008300510A (ja) 光電変換装置ならびに光電変換装置の製造方法