JP2014006689A - 警報システム - Google Patents

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Abstract

【課題】掃除ロボット等の移動体に、火災につながる可能性のある温度異常を監視する機能を設けると共に、火災を検知して警報する警報器と連携して機能を拡張可能とする。
【解決手段】スマート掃除ロボット10は、住宅15の部屋を自立走行しながら掃除作業を行うと共に、物体からの熱放射をとらえて温度を測定する放射温度測定部24を備え、所定の閾値温度以上となる高温異常を検知した場合に、スマート掃除ロボット10から高温異常を報知すると共に、高温異常検知信号を外部ネットワークのサーバ18を経由して利用者の携帯電話22へ送信して高温異常を報知させる。またスマート掃除ロボット10からの高温異常検知信号は、中継アダプタ26を経由して住警器28−11〜28−22へ送信され、住警器28−11〜28−22からも高温異常を報知させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、掃除ロボット等の移動体による異常監視と警報器による異常監視を連携する警報システムに関する。
従来、住宅等における火災を検知して警報する警報器が普及している。このうち、住宅用火災警報器を住警器と言う。
例えば、このような住警器にあっては、電池電源で動作し、住警器内に火災を検知するセンサ部と火災を警報する警報部を一体に備え、センサ部の検出信号に基づき火災を検知すると警報部から所定パターンの火災警報音を出力するようにしており、所謂自動火災報知設備のように受信機等を必要とせず住警器単体で火災監視と警報報知ができることから、設置が簡単でコスト的にも安価であり、一般住宅での設置義務化に伴い広く普及している。
また、複数の住警器間で無線通信を行うようにし、任意の住警器で火災を検知して火災警報音が出力すると無線通信を行うことによって他の住警器でも連動して火災警報音を出力させる無線連動型の住警器も実用化され、普及している。
一方、住宅等における掃除を自立走行により行う掃除ロボットが実用化され、その普及が始まっている。このような掃除ロボットにあっては、自立走行による掃除機能に加え、カメラやマイク、スピーカ、温度センサといった入出力デバイスを備え、無線LAN通信機能により、各入出力デバイスを、無線LAN通信機能を介してインターネット等の外部ネットワーク上のサーバと連携可能とし、利用者の保有するスマートフォン等の携帯端末を利用し、掃除ロボットとの間で様々なコミュニケーションを行うことを可能とし、所謂スマート掃除ロボットを実現可能としている。例えば、利用者の携帯電話により、掃除ロボットのカメラで撮影した画像や温度センサで測定した温度を確認することができる。
特開2007−094719号公報 実用新案登録第3143139号公報 特開2009−140236号公報 特許第3387816号公報 特開2007−156884号公報
ところで、掃除ロボットは温度センサを備えていることから、温度センサにより測定している室内温度を所定の閾値温度と比較し、閾値温度以上となった場合に異常を検知して警報する火災監視機能を設けるようにすれば、掃除ロボットを導入した住戸での火災監視を行うことが可能である。
しかしながら、掃除ロボットに設けた温度センサは室内の環境温度を測定するものであり、火災による温度(熱)を検知するようにはなっていない。
火災が発生した場合、火災に伴う熱気流は、火災発生場所から天井へ向かい、天井面に当たって横に広がることから、火災による熱を検知して警報する住警器は、天井面又は壁面の天井面に近い位置に配置する必要がある。一方、掃除ロボットは床面に近い低い位置を移動しており、火災による熱気流を受けにくく、掃除ロボットに温度センサを設けていても、そのままでは火災監視に利用することはできないが、温度測定の方法を工夫すれば、監視領域を移動しながら、スポット的に火災を検知して警報することができる。
このため掃除ロボットにより移動しながら温度を測定する機能を火災監視に利用し、合せて、従来の火災を検知して警報する住警器を固定設置した警報システムと連携すれば、従来の火災警報システムにはない新たな機能を生み出す可能性がある。
本発明は、家事サービスを行う掃除ロボット等の移動体に、火災につながる可能性のある温度異常を監視する機能を設けると共に火災を検知して警報する警報器と連携して機能を拡張可能とする警報システムを提供することを目的とする。
(警報システム)
本発明は、警報システムに於いて、
監視領域の火災に伴う異常を検知して異常警報を出力すると共に、他の警報手段との間で所定の第1通信プロトコルに従った信号を送受信する警報手段と、
監視領域を含む所定の作業領域を自立走行しながら所定の作業を行うと共に、所定の第2通信プロトコルに従った信号を送受信することにより、外部ネットワークのサーバを経由して利用者端末との間で信号を送受信する移動体手段と、
警報手段から受信した第1通信プロトコルに従った信号を第2通信プロトコルに従った信号に変換して送信すると共に、移動体手段から受信した第2通信プロトコルに従った信号を第1通信プロトコルに従った信号に変換して送信する中継手段と、
を備え、
更に、移動体手段に、物体からの熱放射をとらえて温度を測定する放射温度測定手段を設け、移動体手段は放射温度測定手段の測定温度が所定の閾値温度以上となる高温異常を検知した場合に、移動体手段自身及び警報手段による高温異常の報知を含む所定の高温異常対処制御を行うことを特徴とする。
(警報手段及び利用者端末による高温異常報知)
移動体手段は、高温異常を検知した場合に、高温異常を報知すると共に、第2通信プロトコルに従った高温異常検知信号を送信することにより、外部ネットワークのサーバを経由して利用者端末へ送信して高温異常を報知させ、
中継手段は、移動体手段から受信した第2通信プロトコルに従った高温異常検知信号を第1通信プロトコルに従った高温異常検知信号に変換して警報手段に送信し、
警報手段は、中継手段から第1通信プロトコルに従った高温異常検知信号を受信した場合に、高温異常を報知させる。
(移動体手段及び利用者端末による異常報知)
警報手段は、監視領域の火災に伴う異常を検知した場合に第1通信プロトコルに従った異常連動信号を送信し、
中継手段は、警報手段から受信した第1通信プロトコルに従った異常連動信号を第2通信プロトコルに従った異常連動信号に変換して移動体手段に送信し、
移動体手段は、中継手段から第2通信プロトコルに従った異常連動信号を受信した場合に、当該異常連動信号を外部ネットワークのサーバを経由して利用者端末へ送信して異常を報知させる。
(巡回移動による高温異常監視制御)
移動体手段は、作業領域に予め設定した測定点を巡回移動し、各測定点に移動する毎に、放射温度測定手段により当該測定点を設定した領域の温度を測定して高温異常を検知する。
(所定局所の巡回移動による高温異常監視制御)
移動体手段は、作業領域に予め設定した所定局所の温度を測定する所定の測定点を巡回移動し、各測定点に移動する毎に、放射温度測定手段により所定局所の温度を測定して高温異常を検知する。
(放射温度測定手段の走査)
移動体手段は、測定点に移動した場合に、放射温度測定手段を当該測定点で2次元又は3次元に走査して温度を測定する。
(上下角固定で旋回走査)
移動体手段は、放射温度測定手段を移動体手段の本体に所定の垂直回りの指向角に固定し、測定点に移動した場合に、当該測定点を中心に旋回走行することにより放射温度測定手段を旋回走査して温度を測定する。
(上下角可変で旋回走査)
移動体手段は、放射温度測定手段を移動体手段に垂直回りの指向角を可変制御可能に設け、測定点に移動した場合に、当該垂直回りの指向角を所定の角度範囲で変化しながら当該測定点を中心に旋回走行することにより、放射温度測定手段を走査して温度を測定する。
(異常発生場所に移動して画像撮影)
更に、移動体手段は、撮像手段を備え、制御手段は高温異常を検知した場合に、撮像手段により作業領域の画像を撮像し、当該撮像した画像を、外部ネットワークのサーバを経由して利用者端末へ送信して表示させる。
(機器の動作停止)
移動体手段は、作業領域に配置した機器の高温異常を検知した場合に、当該機器の動作を停止させる制御を行う。
(火災の判定)
外部ネットワークサーバーは、放射温度測定手段により測定された温度と、撮像手段により撮影された画像とにより、制御手段が検知した高温異常について火災か否かの判定をおこなう。
(警報手段による火災検知と消火)
移動体手段は、更に消火手段を備え、高温異常が火災と判定された場合、放射温度測定手段により検出した火災位置に向けて消火剤を散布する。
(基本的な効果)
本発明によれば、本警報システムは、所定の作業領域を自立走行しながら所定の作業を行う移動体手段に、物体からの熱放射をとらえて温度を測定する放射温度測定手段を設け、放射温度測定手段の測定温度が所定の閾値温度以上となる高温異常(温度異常)を検知した場合に、所定の高温異常対処制御、例えば移動体手段自身で高温異常を報知すると共に、高温異常検知信号を外部ネットワークのサーバを経由して利用者端末へ送信して高温異常を報知させ、更に、高温異常検知信号を、中継手段を経由して警報手段へ送信して高温異常警報を報知させるようにしたため、掃除ロボット等の移動体手段により放射温度測定手段(放射温度計)を移動しながら、作業領域で火災に至る可能性の高い高温となっている機器や場所を局所的(スポット的)に検知して高温異常を利用者に報知し、利用者は過熱して発火に至る前の段階で、機器の動作を停止するなどの適切な対処が可能となり、掃除ロボット等の移動体手段の導入に伴って警報手段を固定設置して火災を監視する警報システムの機能が拡張され、このような機能拡張によりロボットシステムとして提供できるサービスも充実し、サービス利用者の利便性を向上すると共に、サービス利用者の加入拡大効果が期待できる。
(全体監視と局所監視の組合せによる効果)
本発明によれば、本警報システムは、火災に伴う異常を検知して異常警報を報知する警報手段による監視領域の全体的な異常監視と、掃除ロボット等の移動体手段に設けた放射温度測定手段(放射温度計)による局所的な異常監視の組み合わせにより、監視領域で発生した火災等の異常を早い段階で確実に検知して警報することができる。
(局所的監視による効果)
また、警報手段による全体監視では異常検知に時間のかかる局所的な異常であっても、本警報システムは、移動体手段の放射温度測定手段により、例えば各種ストーブ、ガスコンロ等の火気や熱源の使用機器、その設置場所、喫煙などで火気を使用する場所、特に寝タバコをするベッドや寝室の所定場所、更にはくず入れ等、その他相対的に火源となる可能性の高い機器や場所或いはそれらの近傍等の所定局所を移動しながら、スポット的に高温異常を検知することで、局所的に発生した火災につながる可能性のある高温異常を迅速且つ確実に報知することによって、利用者に適切に対処させるができる。
(全体監視による効果)
また、移動体手段の放射温度測定手段による温度測定では見逃すような場所で火災等の異常が発生しても、監視領域を全体的に監視している警報手段により異常が迅速且つ確実に検知され、移動体手段の放射温度測定手段による高温異常の監視では逃してしまうような火災等の異常であっても、早期に異常またはその兆候を検知して報知することができる。
(巡回移動による高温異常監視制御の効果)
移動体手段の制御手段は、作業領域に予め設定した巡回経路の測定点を巡回移動しながら、放射温度測定手段による測定温度の高温異常を検知するようにしたため、放射温度測定手段は、部屋毎に設置されている住警器と比べ、床面近傍で発生する初期段階の火災熱或いは火災の原因となる高温異常を早期に検知することができ、さらに放射温度測定手段により作業領域に含まれる複数の部屋の高温異常を検知することができる。
(所定局所の巡回移動による高温異常監視制御の効果)
移動体手段の制御手段は、作業領域に予め設定した所定局所(火災につながる可能性のある場所や機器)の温度を測定する所定の測定点を巡回しながら、放射温度測定手段により所定局所の温度を測定して高温異常を検知するようにしたため、火災が発生する場所や機器の多くは各種ストーブ、ガスコンロ等の火気を使用している場所、喫煙などで火気を使用する場所、くず入れ等であることから、このような場所や機器を含む所定局所の温度を測定する測定点を予め設定しておき、これら火災につながる可能性の高い所定局所の温度を測定して高温異常の有無を検知することで、火災に至る可能性のある高温異常を早い段階で捕らえて利用者に報知し、機器の動作を停止するなどの適切な対処を可能とする。
(放射温度測定手段の走査)
移動体手段の制御手段は、測定点に移動した場合に、放射温度測定手段を当該測定点で2次元又は3次元に走査して温度を測定するため、移動体手段が例えば掃除ロボットのように、火災による熱気流を受けにくい床面近くを移動する場合であっても、放射温度測定手段の走査により、作業領域全体の高温異常を監視することができる。
(上下角固定で旋回走査する効果)
移動体手段の制御手段は、放射温度測定手段を移動体手段の本体に所定の垂直回りの指向角に固定し、測定点に移動した場合に、当該測定点を中心に旋回走行することにより放射温度測定手段を旋回走査(2次元走査)して温度を測定するようにしたため、移動体手段の自立走行機能による旋回走行を活用して放射温度測定手段の走査を簡単に行うことができる。
(上下角可変で旋回走査する効果)
移動体手段の制御手段は、放射温度測定手段を移動体手段に垂直回りの指向角を可変制御可能に設け、測定点に移動した場合に、当該垂直回りの指向角を所定の角度範囲で変化しながら当該測定点を中心に旋回走行することにより、放射温度測定手段を走査して温度を測定するようにしたため、放射温度測定手段に設けた垂直周りの指向角を可変制御する機能と、移動体手段が備えた一箇所に止まった上体で旋回走行する自立走行機能を活用して、放射温度測定手段の3次元的な走査を簡単に行うことができ、放射温度測定手段を床面に近い低い位置を移動する掃除ロボット等の移動体手段に設けていても、床面、壁面、及び天井面を含む作業領域全域の高温異常を監視することを可能とする。
(火災の判定)
掃除ロボット等の移動体手段は、放射温度測定手段が高温異常を検知した場合には、放射温度測定手段により測定された温度と、撮像手段により検知領域の画像を撮影し、当該撮影した画像を外部ネットワークのサーバへ送信し、外部ネットワークのサーバにおいて、検知領域の異常温度データと当該画像から、当該高温異常が火災であるか否かの判定を適切且つ確実に行うことができる。
(警報手段による火災検知と消火による効果)
移動体手段は、更に消火手段を備え、高温異常が火災と判定された場合、放射温度測定手段により検出した火災位置に向けて消火剤を散布するようにしたため、初期火災を確実に消火することを可能とする。
スマート掃除ロボットを利用した本発明による警報システムの設置例を示した説明図 スマート掃除ロボットの巡回移動による高温監視を示した住宅の見取り図 スマート掃除ロボットの機能構成の概略を示したブロック図 スマート掃除ロボットの巡回移動による所定局所の高温監視を示した住宅の見取り図 消火ユニットを備えたスマート掃除ロボットの機能構成の概略を示したブロック図 無線連動型の住警器における機能構成の概略を示した説明図 中継アダプタの機能構成の概略を示したブロック図
[警報システムの構成]
(システム構成の概略)
図1は本発明による警報システムの住宅に対する設置例であり、本発明の警報システムは、住警器28−11〜28−22、中継アダプタ26、放射温度測定部24を設けたスマート掃除ロボット10、無線ルータ12、ゲートウェイ14、インターネット16、サーバ18、携帯電話ネットワーク20及び携帯電話22で構成する。
ここで、無線連動型の住警器28−11〜28−22は火災警報システムを構成し、スマート掃除ロボット10、無線ルータ12、ゲートウェイ14、インターネット16、サーバ18、携帯電話ネットワーク20及び携帯電話22はスマートロボットシステムを構成している。
住警器28(28−11〜28−22)は、各部屋などの監視領域の火災に伴う異常を検知して異常警報を出力すると共に、他の警報手段との間で所定の第1通信プロトコルに従った信号を送受信する警報手段であり、スマート掃除ロボット10は、監視領域を含む所定の作業領域を自立走行しながら所定の作業を行うと共に、所定の第2通信プロトコルに従った信号を送受信することにより、インターネット16及び携帯電話ネットワーク22を含む外部ネットワークのサーバ18を経由して利用者端末としての携帯電話22との間で信号を送受信する移動体手段であり、更に、中継アダプタ26は、警報手段から受信した第1通信プロトコルに従った信号を第2通信プロトコルに従った信号に変換して送信すると共に、移動体手段から受信した第2通信プロトコルに従った信号を第1通信プロトコルに従った信号に変換して送信する中継手段である。
例えば、警報手段となる住警器28(28−11〜28−22)は、監視領域の火災に伴う異常を検知した場合に第1通信プロトコルに従った異常検知信号を送信し、中継手段となる中継アダプタ26は、警報手段から受信した第1通信プロトコルに従った異常検知信号を第2通信プロトコルに従った異常検知信号に変換して移動体手段に送信し、移動体手段となるスマート掃除ロボット10は、中継手段から第2通信プロトコルに従った異常検知信号を受信した場合に、当該異常検知信号を外部ネットワークのサーバ18を経由して利用者端末としての携帯電話22へ送信して異常を報知させる。
更に、本発明にあっては、移動体手段としてのスマート掃除ロボット10に、物体からの熱放射をとらえて温度を測定する放射温度測定手段としての放射温度測定部24を設け、スマート掃除ロボット10は放射温度測定部24の測定温度が所定の閾値温度以上となる高温異常を検知した場合に、スマート掃除ロボット10自身及び住警器28による高温異常の報知を含む所定の高温異常対処制御を行う。
(スマート掃除ロボットの導入環境)
図1において、住宅15の例えば1階にはスマート掃除ロボット10を導入しており、スマート掃除ロボット10は、予め記憶した所定の掃除経路情報に基づき、予め設定した所定の時間スケジュール又は利用者の操作(音声指示操作を含む)を受け付け、掃除経路情報に従った自立走行により、搭載した吸塵部の駆動で床面のダストを吸引除去する掃除作業を行う。また掃除作業を行わない場合は、1階の所定箇所に配置した充電ステーションに戻っており、充電ステーションで充電端子をステーション側に接続し、搭載した電池電源の充電を行っている。
図2はスマート掃除ロボット10を導入した住宅15の1階部分の部屋割りの一例を示した見取り図であり、例えば、部屋Aの片隅に、充電ステーション27を配置した場合、スマート掃除ロボット10は、そこに移動して充電しながら待機している。
スマート掃除ロボット10の自立走行による掃除作業は、充電ステーション27を起点とした掃除経路を部屋A〜D単位にメモリに予め記憶しておき、例えば掃除開始時刻を判別すると、スケジュールに従った部屋に移動し、部屋の隅から往復掃除経路に従って室内を隙間なく自立走行しながら塵埃を吸引し、もし掃除経路の途中に障害物があれば、超音波センサなどにより障害物を回避する経路を生成しながら自立走行による掃除を行う。掃除経路の自立走行が終了すると、次の部屋に移動し、所定の掃除経路に沿った自立走行により掃除作業を続ける。掃除作業の途中で電池電源の低下を検知した場合には、充電ステーション27に戻って充電を行い、充電完了後に、掃除を中断した位置に戻って自立走行による掃除作業を続ける。
スマート掃除ロボット10は、充電ステーション27から作業対象とする部屋へ移動する場合の経路、作業終了や充電のため充電ステーションに戻る経路は、壁際に沿って走行する壁際経路を記憶しており、この壁際経路に従った自立走行により充電ステーションと各部屋A〜Dの間を行き来する。
再び図1を参照するに、スマート掃除ロボット10は無線LAN通信機能を備えており、これに対応して住宅15にアクセスポイント(固定局)として機能する無線ルータ12を配置し、第2通信プロトコルとなる無線LAN通信プロトコルに従った通信経路11による無線LANの通信環境を構築している。無線ルータ12はゲートウェイ14に接続し、ゲートウェイ14から外部ネットワークとなるインターネット16を介して、スマート掃除ロボット16に関連した各種のサービスを提供するサーバ18との通信接続を可能とし、また携帯電話ネットワーク20を経由して利用者の保有するスマートフォン等の携帯電話22との通信接続を可能としている。
ここで、スマートフォン等を用いた携帯電話22に、アクセスポイント(固定局)として機能する無線LAN通信機能を備えている場合には、住宅15内では、無線ルータ12を経由せず、スマート掃除ロボット10と携帯電話22との間で無線LANによる通信接続を可能とする。
また、スマート掃除ロボット10は撮像手段としてカメラを搭載しており、カメラにより撮影した画像を、サーバ18を経由して携帯電話22へ送信して表示することができる。また携帯電話22にインストールしたロボット操作用のアプリケーションを使用し、携帯電話22の画面操作により、スマート掃除ロボット10の掃除作業の開始や停止操作、カメラによる撮像操作などを遠隔的に行うことを可能としている。
サーバ18には、住宅15に導入したスマート掃除ロボット10による掃除制御、カメラ制御等に対応した所定のサービス機能を設けている。サーバ18のサービス機能としては、例えばスマート掃除ロボット10と携帯電話22との間の通信交換サービス、スマート掃除ロボット10によるセンシングデータの解析と火災判定機能、携帯電話22からスマート掃除ロボット10への指示の伝達などがある。
また、スマート掃除ロボット10は、マイクとスピーカを備え、マイクにより検知した音声を認識する音声認識機能を備えている。スマート掃除ロボット10の音声認識機能は、マイクに入力した音を音声信号に変換し、増幅してAD変換して音声データとし入力し、所定の音声認識アルゴリズムに従って予め登録した音声とのマッチングを行い、所定閾値以上の認識率が得られた登録音声の入力と判断し、判断した音声に対応した制御として、例えば、音声命令による操作、簡単な日常会話を可能とする。
(住警器の配置)
図1において、住宅15の各部屋に分けて、無線連動型の住警器28−11〜24−22を設置している。なお、図2は図1の住宅15の1階部分であり、部屋A〜Dの各々に住警器28−11〜24−14を設置している。以下、住警器28−11〜24−22をそれぞれ区別しない場合は住警器28という。
住警器28−11を例にとると、住警器28−11は設置している部屋Aの温度又は煙濃度を観測し、観測結果が示す温度又は煙濃度に基づいて火災を検知した場合に連動元を示す火災警報音を出力する。
また住警器28−11〜24−22の間で連動グループを形成している。住警器28−11〜24−22の間は所定の第1通信プロトコルに従った通信経路13となり、所定の連動グループ符号を含めた信号を送信することで、連動グループ内での通信を可能とする。例えば住警器28−11が火災を検知して連動元を示す火災警報を出力した場合、他の住警器28−12〜24−22へ第1通信プロトコルに従った火災連動信号を送信して、これを受信した住警器28−12〜24−22に、連動先を示す火災警報を出力させる。
(中継アダプタの配置とスマート掃除ロボットとの連携)
図1の警報システムは、住警器28をスマート掃除ロボット10と連携するため、例えば住警器28−12と同じ部屋に中継アダプタ26を配置している。中継アダプタ26は、住警器28から受信した第1通信プロトコルに従った火災連動信号を、無線LAN通信プロトコルとなる第2通信プロトコルに従った火災連動信号に変換してアクセスポイントとなる無線ルータ12を経由してスマート掃除ロボット1へ送信し、所定の火災連携制御を行わせる。
例えば住警器28−11で火災を検知して連動元を示す火災警報を出力すると共に第1通信プロトコルに従った火災連動信号を送信した場合、当該火災連動信号を中継アダプタ26で第2通信プロトコル(無線LAN通信プロトコル)に従った火災連動信号に変換し、無線ルータ12を経由してスマート掃除ロボット10へ送信し、更に、スマート掃除ロボット10から無線ルータ12、ゲートウェイ14及びインターネット16を経由してサーバ18へ火災連動信号を送信する。
サーバ18には、住宅15に導入したスマート掃除ロボット10による掃除制御、カメラ制御等に対応した所定のサービス機能に加え、住警器28との連携に伴う所定の火災連携制御機能を設けている。
サーバ18は、住警器28から送信した火災連動信号を中継アダプタ26、無線ルータ12、スマート掃除ロボット10、無線ルータ12、ゲートウェイ14、及びインターネット16を経由して受信した場合、火災連携機能により処理して火災報知情報を含む火災連動信号を生成し、当該火災連動信号を、インターネット16及び携帯電話ネットワーク20を経由して利用者の携帯電話22に送信する。サーバ18からの火災連動信号を受信した携帯端末22は火災報知示画面の表示やスピーカからの発音出力等により火災警報を出力する。
またスマート掃除ロボット10は、住警器28−1から火災連動信号を中継アダプタ26によるプロトコル変換及び無線ルータ12を経由して受信した場合、火災を検知した部屋に移動し、そこの画像をカメラにより撮像すると共に、放射温度測定部24により当該部屋の放射温度を測定し、無線ルータ12、ゲートウェイ14、インターネット16、サーバ18、インターネット16及び携帯電話ネットワーク20を経由して利用者の携帯電話22へ送信して表示させることもできる。
また住警器28は火災を検知して火災警報を出力した後に、火災復旧を検知した場合は火災復旧連動信号を送信し、また警報停止操作を検知した場合は警報停止連動信号を送信することから、当該火災復旧連動信号又は警報停止連動信号についても、中継アダプタ26によるプロトコル変換及び無線ルータ12を経由してスマート掃除ロボット10へ送信し、当該火災復旧連動信号又は警報停止連動信号をスマート掃除ロボット10から無線ルータ12、ゲートウェイ14、インターネット16、サーバ18、インターネット16及び携帯電話ネットワーク20を経由して利用者の携帯電話22へ送信して火災警報出力を停止させる。
また、携帯電話22の火災報知画面を使用して利用者が警報停止操作を行った場合には、携帯電話ネットワーク20、インターネット16、サーバ18、インターネット16、ゲートウェイ14及び無線ルータ12を経由して警報停止信号がスマート掃除ロボット10へ送信され、スマート掃除ロボット10から中継アダプタ26のプロトコル変換を経由して住警器28へ送信され、住警器28の火災警報出力を停止させる。
なお、以下の説明では、無線ルータ12、ゲートウェイ14、インターネット16及び携帯電話ネットワーク20のネットワーク機器については、必要に応じてその説明を省略する場合がある。
また中継アダプタ26は、無線ルータ12を経由して受信したスマート掃除ロボット10が送信した無線LAN通信プロトコルとなる第2通信プロトコルに従った高温異常検知信号を、第1通信プロトコルに従った高温異常検知信号に変換して住警器へ送信し、高温異常警報を出力させる。
サーバ18には、スマート掃除ロボット10に放射温度測定部24を設けたことに伴う所定の連携制御機能を設けている。サーバ18は、スマート掃除ロボット10が放射温度測定部24による測定温度の高温異常を検知して高温異常検知信号を送信し、この高温異常検知信号を無線ルータ12、ゲートウェイ14、及びインターネット16を経由して受信した場合、高温異常報知情報を含む高温異常検知信号を生成し、当該高温異常検知信号を、インターネット16及び携帯電話ネットワーク20を経由して利用者の携帯電話22に送信する。サーバ18からの高温異常検知信号を受信した携帯端末22は高温異常報知示画面の表示やスピーカからの発音出力等により火災警報を出力する。
[スマートロボットと火災警報システムの連携]
(スマート掃除ロボットの構成)
図3はスマート掃除ロボットの機能構成の概略を示したブロック図である。図3において、スマート掃除ロボット10は、制御部30、アンテナ34を接続した無線LAN通信部32、カメラ部36、音声入出力部38、操作表示部40、自立走行センサ部42、走行駆動部44、充電部46、吸塵部48、放射温度計測部24及び走査駆動部50を備え、図示しない電池電源により動作する。
制御部30は、例えばプログラムの実行により実現される機能である。ハードウェアとしてはCPU、メモリ、USBポートを含む各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路又はワイヤードロジック回路等を使用する。
無線LAN通信部32は、無線ルータ12との間で所定の第2通信プロトコルとなる無線LAN通信プロトコルに従って信号を送受信する。この無線LAN通信プロトコルは例えばIEEE802.11b/gに準拠する。また無線LAN通信部32は、住宅15内に無線LAN通信のアクセスポイント機能を備える携帯電話22がある場合(無線LAN通信可能エリアに携帯電話22がある場合)、携帯電話22との間で、無線ルータ12を経由することなく、無線LAN通信プロトコルに従って信号を送受信できる。
音声入出力部38は、マイク、その増幅回路、スピーカ、その駆動回路を備え、制御部30の指示に基づき、利用者との間で予め定めたフレーズの音声を認識して音声会話や掃除制御を行うための音声入出力を行う。また制御部30の指示に基づき火災警報音の出力も可能である。
操作表示部40は、スマート掃除ロボット10の動作に必要な各種の設定操作、動作に伴う各種表示を行う。また操作表示部40はリモコン受信部を備え、遠隔操作を受け付ける。
自立走行センサ部42は、スマート掃除ロボット10の自立走行に必要な情報を検知するもので、例えば超音波センサ、接触センサ、光学センサなどを使用する。超音波センサは自立走行中の障害物を検知して回避する制御に使用する。接触センサは自立走行中の障害物との接触を検知して反対方向に折り返す制御等に使用する。光学センサは検知方向を床面に向けて配置し、例えば充電ステーションの床面側にLED等の発光部の配列した光ビーコンを検知してそれぞれの充電端子を位置合せして接続する制御に使用する。
走行駆動部44は、ロボット本体に設けた左右の駆動輪を個別に回転駆動するモータを備え、直進走行は左右の車輪を同一速度で回転駆動し、旋回走行は左右の車輪の一方の回転を早くし、他方の回転を遅くすることで行う。なお、ロボット本体には左右の駆動輪に加え、補助輪を設けている。
充電部46は充電ステーションに移動して充電端子を相互に接続した状態で、充電ステーションから充電電力を受け、図示しない電池電源を充電する。
吸塵部48は、ロボット本体の下面両側に配置したサイドブラシによりゴミを集め、下面中央に配置した回転ブラシによりサイドブラシで集めたゴミを取り込み、内蔵したファンの回転により吸引し、フィルタを通してダストを除去してロボット本体の上方へ排気すると共にフィルタで除去したダストをダストボックスに収納する。
放射温度測定部24は、物体からの熱放射をとらえて温度を測定するものであり、放射温度計に相当する機能を備える。即ち、放射温度測定部24は、物体から放射される赤外線や可視光線の強度を測定し、当該測定強度に基づき物体の温度を算出するものであり、熱伝導を利用する接触式の温度測定部に比べ、非接触且つ高速に温度を測定することができる。
放射温度測定部24は、熱放射をとらえる集光系と検出素子を備える。検出素子には、物体からの熱放射による光エネルギを受光して電気信号に変換する光電型検出素子と、物体からの熱放射による光エネルギを熱変化としてとらえて電気信号に変換する熱電型検出素子がある。光電型検出素子としてはPbSe検出素子やPbS検出素子などがあり、また熱電型検出素子としては焦電素子やサーモパイル(熱電堆)などがある。
本実施形態の温度測定範囲は室温以上であれば良いことから、比較的低温領域でも放射される赤外線をとらえる例えば焦電素子、サーモパイル、PbSe検出素子を用いる。
また放射温度測定部24の測定対象物(標的)の大きさと測定距離の関係は、距離係数により特定できる。距離係数は
(距離係数)=(測定距離)/(標的サイズ)
となる。本実施形態にあっては、距離係数が例えば20〜30の範囲にある放射温度測定部24を使用する。例えば距離係数が20の場合、10cmの大きさの標的を2メートルの距離で測定することになる。
なお、一般的に使用している放射温度計は、距離係数が例えば100〜300と大きく、距離係数が200の場合、1cmの大きさの標的を2メートルの距離で測定することになるが、このような温度測定ではピンポイント的な温度測定となることから、本実施形態では距離係数を小さくし、標的を大きくして、測定エリアを広げている。勿論、距離係数を既存の放射温度計並みとしたピンポイント測定としても良い。また集光系は、固定焦点でよいが、必要に応じて可変焦点とすることも可能である。
また放射温度測定部50は、スマート掃除ロボット10の本体外部に装着可能な構造とし、更に、走査駆動部54により、放射温度測定部50を例えば図1に示したように、水平方向の指向線25aから所定の垂直回りの走査角θとなる指向線25bの範囲で測定エリアSの走査可能としている。
また放射温度測定部50に対してはスマート掃除ロボット10の本体からの電源供給を受け、例えばロボット本体に設けたUSBポートに対するコネクタ接続で信号送受信して走査制御及び測定温度の伝送を可能とする。
制御部30は、CPUのプログラム実行などにより実現する機能であり、次の掃除制御カメラ制御、音声認識制御、火災連携制御、及び高温異常監視制御を行う。
(掃除制御)
制御部30による掃除制御には、例えば自動モード、壁際モード、局所モードがある。自動モードはメモリに予め記憶した掃除経路に従って部屋の床を自動で掃除する。壁際モードは、メモリに予め記憶した壁際経路に従って部屋の壁際を集中的に掃除する。局所モードは、メモリに予め記憶した所定半径の床面を例えばスパイラル経路に従って集中的に掃除する。
また、制御部30は、操作表示部40のリモコン受信部で受信した利用者が操作したリモコンからの操作信号に基づき、自動モード、壁際モード又は局所モードに従った掃除制御を行う。
(カメラ制御)
また、制御部30は、無線LAN通信部32を介して、外出先或いは室内の利用者の携帯電話22の操作による撮影指示信号を受信した場合、カメラ部36に指示し、撮影動作により部屋の画像を取得し、利用者の携帯電話22へ送信して画像表示させる制御を行う。
また、制御部30は、無線LAN通信部32を介して、室内にいる利用者の携帯電話22の操作による撮影指示信号を受信した場合、カメラ部36により部屋の様子を撮影した画像を取得し、当該画像を利用者の携帯電話22へ送信して表示させる制御行う。この場合、携帯電話22の画面には、スマート掃除ロボット10の走行操作釦が表示され、携帯電話22からの指示に基づき、制御部30は走行駆動部44に指示し、スマート掃除ロボット10を直進、旋回又は後進させる制御を行い、例えばカメラ部36で撮影した部屋の画像を見ながら、物を捜したり、ペットを見つけたりするといった利用を可能とする。
(音声認識制御)
制御部30は、所定の音声認識アルゴリズムに従った音声認識制御を行う。制御部30による音声認識制御は、例えば孤立単語単位に認識を行うフレーズ認識方式に従って動作する音声認識エンジン(音声認識LSI)により音声を認識する制御を行う。フレーズ認識方式は、予めメモリに登録したフレーズの中から1つのフレーズを選んで利用者が音声入力すると、音声認識エンジンは、入力した音声のフレーズごとの音声特徴量を算出し、算出したフレーズごとの音声特徴量とメモリに登録している複数のフレーズの音声パターン系列情報とを比較して、フレーズごとの尤度値を算出し、所定の閾値を超える尤度値のフレーズを示す識別子(インデックス)を認識結果として出力する。
制御部30で音声認識するためにメモリに登録するフレーズとしては、掃除操作制御については例えば「スタート」や「ストップ」といったフレーズを事前に音声入力して登録し、また会話制御については「おはよう」、「こんにちは」といった簡単な挨拶のフレーズを事前に音声入力して登録している。
制御部30は、掃除制御を行っていない状態で、音声入出力部38のマイクを介して利用者からの例えば「スタート」といった音声入力を認識し、認識結果に基づき操作指示を判断して対応する制御を行う。また、制御部30は、音声入出力部38のマイクを介して利用者からの例えば「おはよう」といった音声入力を認識し、予め定めた所定の会話入力を判断し、対応する応答音声を音声入出力部38のスピーカから出力する制御を行う。
なお、音声認識制御は、フレーズ認識方式に限定されず、適宜の音声認識方式を含む。
(火災連携制御)
制御部30は、無線LAN通信部32を介して、図1に示した中継アダプタ26によるプロトコル変換及び無線ルータ12を経て、住警器28で火災を検知した場合に出力される火災連動信号を受信した場合、無線LAN通信部32に指示し、当該火災連動信号を無線ルータ12、ゲートウェイ14、インターネット16を経由してサーバ18へ送信し、当該火災連動信号を受信したサーバ18による火災連携制御機能により火災報知情報を含む火災連動信号を生成し、当該火災連動信号をインターネット16及び携帯電話ネットワーク20を経由して利用者の携帯電話22へ送信し、火災警報画面を表示すると共に火災警報音を出力させる制御を行う。
この場合、制御部30は、音声入出力部38に指示し、火災警報音として、例えば「ピー ピー ピー 火災警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージを出力する制御を行っても良い。ただし、住警器24は、90dB/m以上といった大音量で警報音を出力することから、スマート掃除ロボット10からの警報音の出力は必ずしも必要としない。
また、制御部30は、無線LAN通信部32を介して中継アダプタ26によるプロトコル変換及び無線ルータ12を経て住警器28が送信した火災連動信号を受信した場合に、当該火災連動信号に含まれる送信元符号などから火災を検知した住警器28を判別し、走行駆動部44に指示し、住警器28が火災を検知した監視領域となる部屋に移動すると共に、カメラ部36と放射温度計駆動部50に指示し、火災を検知した部屋の画像を撮像すると共に、放射温度測定部24により当該部屋の放射温度を測定し、サーバ18を経由して利用者の携帯電話22へ送信して表示させる制御を行う。
ここで、制御部30による火災を検知した部屋にスマート掃除ロボット10を移動する制御は、メモリに予め記憶した火災監視経路に基づいて行う。例えば図2の見取り図を例にとると、住警器28−11〜28−14を設置している部屋A〜Dごとに、部屋を撮影する監視ポイントP1〜P4を通る火災監視経路Lを予め設定する。ここで起点P0は充電ステーション28に接続する待機ポイントであり、原点となる。
火災監視経路Lの情報は、原点P0を起点に監視ポイントP1〜P4の至る点線で示す直線経路と変針点を設定し、これに基づき走行制御情報を生成してメモリに記憶する。また、原点P0から監視ポイントP1〜P4への火災監視経路Lの生成は、リモコンによりスマート掃除ロボット10を実際に移動させる操作を行い、このときの走行駆動部44の走行制御情報をメモリに記憶しても良い。
制御部30は、受信した火災連動信号に含まれる送信元符号から火災を検知した住警器28を特定することができるので、住警器28−11〜28−14の送信元符号と監視ポイントP0〜P4の対応関係を予めメモリに記憶し、受信した火災連動信号の送信元符号に基づき火災発生場所の監視ポイントを取得し、そこへ至る火災監視経路情報に基づきスマート掃除ロボット10を火災発生場所に移動させる制御を行う。
(放射温度測定に基づく高温異常監視制御)
制御部30は、放射温度測定部24の測定温度が所定の閾値温度Tth以上、例えば室温最高温度より高いTth=50℃以上となる高温異常を検知した場合に、所定の高温異常対処制御を行う。
制御部30は、作業領域に予め設定した巡回経路の測定点を巡回移動しながら、放射温度測定部24による測定温度の高温異常を検知する高温異常監視制御を行う。この高温異常監視制御には、各部屋に測定点を設定して巡回移動する第1高温異常監視制御と、各部屋の火災の発生につながる可能性のある場所や機器等の所定局所の温度を測定するための測定点を設定して巡回移動する第2高温異常監視制御がある。
なお、「測定点を設定する」とは、「測定点を設定してメモリに記憶する」ことを意味する。以下、測定点の設定以外も、同様に、設定とは、ある情報を設定してメモリに記憶することを意味する。
(第1高温異常監視制御)
制御部30は、例えば図2に示すように、住宅15におけるP0を起点に部屋A〜Dに設定した測定点P1〜P4を通る巡回経路Lを予め設定し、巡回経路Lの測定点P1〜P4を巡回移動しながら、放射温度測定部24により温度を測定して高温異常を検知する第1高温異常監視制御を行う。なお、本実施形態では、巡回経路L及び測定点P1〜P4は、住警器28から火災連動信号を受信した場合に移動してカメラ部36により撮像する火災監視経路L及び撮影ポイントP1〜P4と同じにしている。また測定点P1〜P4は、スマート掃除ロボット10の放射温度測定部24により部屋全体を走査可能な部屋A〜Dの略中央等の所定の位置に設定する。
制御部30は、所定の時間スケジュールに従って高温異常監視のための巡回移動を開始し、例えば図2に示すように、巡回経路Lに沿って最初の部屋Aの測定点P1へ移動すると、測定点P1に停止して放射温度測定部24により温度を測定して高温異常の有無を検知する。
放射温度測定部24による温度測定として、制御部30は、例えば図1に示すように、まず放射温度測定部26の指向方向を指向線25aのように水平方向に設定した状態で、走行駆動部44に指示し、測定点P1でスマート掃除ロボット10自身を少なくとも1回転、旋回走行する制御を行い、部屋Aの床面側の壁面を放射温度測定部24で走査し、温度を測定する。
制御部30は、1回転の旋回走行が済んだら、走行駆動部44に指示し、放射温度測定部24の指向方向を所定角度だけ上向きに回転走査し、この状態で再び旋回走行する制御を行って温度を測定し、上向き角度が設定角度θに達するまで同様に繰り返す制御を行う。
制御部30は、旋回走行に伴い放射温度測定部24から出力される測定温度をAD変換により読み込み、所定の閾値温度Tth以上となる高温異常を検知した場合、旋回走行をその位置で停止し、高温異常を検知した対象物の温度を連続して測定し、例えば所定時間継続して高温異常を検知した場合、高温異常を確定し、高温異常対処制御を行う。
制御部30による高温異常対処制御は、音声入出力部38に指示し、高温異常を示す警報音として、例えば「ピー ピー ピー 高温異常を検知しました 確認してください」といった音声メッセージをスピーカから繰り返し出力すると共にLEDを例えば点灯して行い、人が在宅している場合には、音声メッセージを聞いた利用者が、高温となっている原因を調べ、例えば電気機器の加熱であれば、電源を切るといった対処を行うことを可能とする。
また制御部30は、高温異常を検知した場合、サーバ18を宛先とする高温異常検知信号を生成し、無線LAN通信部32に指示し、当該高温異常検知信号と測定温度データを無線ルータ12、ゲートウェイ14、インターネット16を経由してサーバ18へ送信し、当該高温異常検知信号を受信したサーバ18の機能により高温異常報知情報を含む高温異常検知信号を生成し、当該高温異常検知信号をインターネット16及び携帯電話ネットワーク20を経由して利用者の携帯電話22へ送信し、高温異常の警報画面を表示すると共に警報音を出力させる制御を行う。
また制御部30は、高温異常を検知した場合、中継アダプタ26を宛先とする高温異常検知信号を生成し、無線LAN通信部32に指示し、当該高温異常検知信号を無線ルータ12、中継アダプタ26を経由して住警器28へ送信し、住警器24から高温異常を示す警報音を出力させる制御を行う。この場合の高温異常警報音は、例えば「ピー ピー ピー 掃除ロボットで高温異常を検知しました 確認してください」といった音声メッセージをスピーカから繰り返し出力すると共にLEDを例えば点灯して行う。
また、制御部30は、高温異常を検知した場合、カメラ部36に指示し、高温異常を検知した場所の画像を撮像し、サーバ18を経由して利用者の携帯電話22へ送信して表示させる制御を行う。
また、サーバ18においては、スマート掃除ロボット10より送信された測定温度データとカメラ部36により撮影された画像の解析を行い、高温異常が火災であるか否かの判定を行う。
これにより利用者が外出中であっても、外出先で高温異常を知り、また高温異常となっている場所の画像を見ることで、その原因を判断することを可能とし、適切な対処行動を可能とする。
また、制御部30は、高温異常を検知した場合に、高温異常を起こしている機器の動作を停止させる制御を行うことも可能である。例えば、火災に繋がる可能性の高い電気ストーブなどの機器については、無線LAN通信により電源をオンオフ制御可能なコンセント装置を準備し、制御部30は、高温異常を検知した場合、電源オフ信号を生成し、無線LAN通信部32に指示し、当該電源オフ信号を、無線ルータ12を経由してコンセント装置へ送信して電源をオフする制御を行う。
また、制御部30は、スマート掃除ロボット10に消火ユニットを内蔵又は別ユニットとして搭載した場合には、高温異常を検知した後に、放射温度測定部24により測定している温度が、火災と判断する所定の閾値温度、例えば75℃以上となることを検知した場合、消火ユニットを作動して消火剤をノズルから散布する制御を行うことも可能である。なお、消火ユニットの作動は、高温異常を検知して利用者の携帯電話22にカメラ部36で撮像した画像を送っていることから、この画像を見ている利用者の消火指示を待って消火ユニットを作動させる制御を行っても良い。
また、制御部30は、高温異常を検知した後に、放射温度測定部24による測定温度が閾値温度Tthを下回る状態が例えば所定時間継続した場合或いは例えば所定回数連続した場合、高温異常の復旧を検知し、高温異常復旧信号を生成し、無線LAN通信部32に指示し、当該高温異常復旧信号をサーバ18を経由して利用者の携帯電話22へ送信させると共に、中継アダプタ26を経由して住警器28へ送信させる制御を行い、これを受信した携帯電話22及び住警器28に、高温異常の警報出力を停止させる。
(第2高温異常監視制御)
制御部30は、例えば図4に示すように、住宅15における部屋A〜Dに配置している火災の発生につながる高温異常を起こす可能性のある場所や機器等の所定局所を監視対象として予め設定し、これらの監視対象の温度を観測する測定点P1〜P7を通る巡回経路Lを予め設定し、巡回経路Lの測定点P1〜P7を巡回移動しながら、放射温度測定部24により各監視対象の温度を測定して高温異常を検知する第2高温異常監視制御を行う。
図4にあっては、高温異常を起こす可能性のある場所や機器等の監視対象として、例えばストーブ等の暖房機器54、くず入れ56、ガスレンジ58を設定しており、制御部30は、各監視対象をスマート掃除ロボット10の放射温度測定部24により測定可能な位置として測定点P1〜P7を設定し、原点P0から測定点P1〜P7を順番に通過する巡回経路Lを設定している。
また制御部30は、各測定点P1〜P7に対応して放射温度測定部24の指向方向の関係を設定しており、各測定点P1〜P7に移動して停止する毎に、記憶した指向方向となるように、走行駆動部44及び走査駆動部50に指示し、監視対象物に放射温度測定部24を向ける制御を行う。それ以外の制御は、第1高温異常監視制御の場合と同様であることから、説明は省略する。
このように火災の発生につながる高温異常を起こす可能性のある場所や機器等の所定局所を監視対象として予め設定し、スマート掃除ロボット10の巡回移動により、放射温度測定部24で温度を測定して高温異常を検知することで、火災の発生につながる可能性のある場所や機器等の所定局所を重点的に監視し、火災の兆候を事前に捕らえて、火災の発生を未然に防止する対処を行うことを可能とする。
なお、制御部30は、第1高温異常監視制御と第2高温異常監視制御を別々に行う以外に、両方を組み合わせた制御を行うようにしても良い。
[消火ユニットを備えた掃除ロボット]
図5は掃除ロボットの他の実施形態を示したブロック図であり、この実施形態にあっては、図3の実施形態に、更に消火ユニット52を設けたことを特徴とする。それ以外の構成及び機能は、図3の場合と同様であることから、同じ符号を付して、その説明は省略する。
消火ユニット52は、掃除ロボット10に内蔵又は別ユニットとして搭載しており、制御部30の指示を受け、消火剤をノズルから散布するようにしている。例えば消火ユニット52は、消火用水をタンクに入れ、掃除ロボット10の吸塵用のファンにより排出される空気を、ベンチュリー管を用いたノズルに導入し、ベンチュリー作用によりタンクの水を吸い出して排出空気に混合することで噴霧化して散布する。また消火ユニット30は、消火ガスまたは消火粉末剤を加圧充填したボンベに開閉弁を介してノズルを設け、開閉弁を開いて消火ガス又は消火粉末剤を散布するようにしても良い。
消火ユニット52を設けた場合の制御部30による消火制御は、次の遠隔消火制御と自動消火制御がある。
(遠隔消火制御)
制御部30は、巡回中に放射温度測定部24の測定温度から高温異常を検知した場合、
または、住警器28が送信した火災連動信号を受信して火災を検知した監視領域となる部屋に移動した場合、カメラ部36に指示し、高温異常又は火災を検知した部屋の画像を撮像し、サーバ18を経由して利用者の携帯電話22へ送信し、画像を画面表示させる制御を行う。
この携帯電話22に表示する画面には、スマート掃除ロボット10の走行操作と消火開始操作用の操作釦の表示があり、利用者は表示画面から火災の兆候又は火災による煙や炎を見た場合、操作釦にタッチするなどして消火開始操作を行うと、当該消火開始操作の指示信号がサーバ18を経由して掃除ロボット10へ送信され、制御部30は消火開始操作の指示信号の受信を検知して消火ユニット52を作動させ、火災位置へ向けて消火剤を散布する制御を行う。
また、制御部30は、放射温度測定部24の測定温度から高温異常を検知した場合には、当該測定温度が所定の火災を判断する火災閾値温度、例えば75℃以上となることを監視しており、火災閾値温度以上となった場合に火災を検知し、火災検知信号をサーバ18を経由して利用者の携帯電話22へ送信し、火災警報を報知させる制御を行う。このため利用者は携帯電話22の画像から火災の兆候を判断することなく、火災警報の報知に基づき、操作釦にタッチするなどして消火開始操作を行うことで、消火ユニット52を作動させ、火災位置へ向けて消火剤を散布することを可能とする。
この場合、制御部30による火災位置特定手段は、放射温度測定部24 を、高温異常を検知する位置に指向して停止させる走行駆動部50を制御する機能となる。
(自動消火制御)
制御部30は、携帯電話22からの利用者の消火指示を待って消火ユニット50を作動させる制御を行うことを基本とするが、サーバ18により高温異常が火災によるものと判定されてから所定時間を経過しても携帯電話22からの消火開始操作の指示信号を受信しなかった場合、制御部30の指示で消火ユニット52を作動させる自動消火制御を行う。
[住警器28の構成]
図6は無線連動型の住警器28−11の機能構成の概略を示したブロック図であり、他の住警器28−12〜28−22も同様となる。
図6において、住警器28−11は、警報制御部60、センサ部62、アンテナ65を接続した連動通信部64、報知部66、操作部68を備え、図示しない電池電源により動作する。
警報制御部60は、例えばプログラムの実行により実現される機能である。ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路又はワイヤードロジック回路等を使用する。
センサ部62は温度検出部または検煙部である。センサ部62として温度検出部を設けた場合、温度検出素子として例えばサーミスタを使用し、この場合、温度による抵抗値の変化に対応した電圧検出信号を警報制御部60へ出力する。またセンサ部62として検煙部を設けた場合、公知の散乱光式検煙構造をもち、警報制御部60の指示により、所定周期で赤外LEDを用いた発光部を間欠的に発光駆動し、フォトダイオードなどの受光部で受光した散乱光の受光信号を増幅し、煙濃度検出信号を警報制御部60へ出力する。
連動通信部64は、他の住警器24−12〜24−22との間で所定の第1通信プロトコルに従って火災連動信号を送受信する。この第1通信プロトコルは、日本国内の場合には、例えば400MHz帯の特定小電力無線局の標準規格として知られたSTD−30(小電力セキュリティシステム無線局の無線設備標準規格)又はSTD−T67(特定小電力無線局テレメータ用、テレコントロール用及びデータ伝送用無線設備の標準規格)に準拠する。この火災連動信号は、送信元を示す送信元符号、グループ符号、事象符号、制御コマンド等を含む形式とする。
報知部66は、スピーカ、LED及びそれぞれの駆動回路を備え、必要に応じ警報制御部60の指示によりスピーカから警報音を出力すると共にLEDにより警報表示を行う。操作部68は警報音及び又は警報表示を停止するための操作を受け付ける警報停止スイッチなどの各種スイッチを備える。
警報制御部60は、CPUのプログラム実行などにより実現する機能であり、次の火災警報制御、火災復旧制御、警報停止制御、及び高温異常警報制御等を行う。
(火災警報制御)
警報制御部60は、センサ部62から出力した温度又は煙濃度の検知信号をAD変換により読み込み、所定の閾値以上の場合に火災を検知し、報知部66から連動元を示す火災警報を出力させる制御を行う。この場合の火災警報として例えば「ピー ピー ピー 火事です 火事です」といった音声メッセージをスピーカから繰り返し出力すると共にLEDを例えば点灯して行う。
また、警報制御部60は、報知部66から火災警報を出力させた場合、第1通信プロトコルに従った火災連動信号を生成し、連動通信部64に指示し、他の住警器24−12〜24−22へ火災連動信号を送信させる制御を行い、当該火災連動信号を受信した他の住警器28−12〜28−22で連動先を示す火災警報を出力させる。
この場合の連動先を示す火災警報としては例えば「ピー ピー ピー 別の警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージをスピーカから繰り返し出力すると共にLEDを例えば点灯して行う。
また、警報制御部60は、連動通信部64を介して他の住警器28−12〜28−22の何れかが送信した第1通信プロトコルに従った火災連動信号の有効受信を検知した場合、報知部66からの連動先を示す火災警報を出力させる制御を行う。この場合の連動先を示す火災警報も例えば「ピー ピー ピー 別の警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージをスピーカから繰り返し出力すると共にLEDを例えば点灯して行う。
(火災復旧制御)
警報制御部60は、センサ部62の検出信号に基づき温度又は煙濃度が閾値を下回る状態が例えば所定時間継続した場合或いは例えば所定回数連続した場合、火災の復旧(火災検知状態が解消したこと)を検知し、報知部66からの連動先を示す火災警報出力を停止させると共に、第1通信プロトコルに従った火災復旧連動信号を生成し、連動通信部64に指示し、当該火災復旧連動信号を他の住警器28−12〜28−22へ送信させる制御を行い、これを受信した他の住警器に、連動先を示す火災警報出力を停止させる。
また警報制御部60は、連動通信部64を介して他の住警器28−12〜28−22の何れかが送信した第1通信プロトコルに従った火災復旧連動信号の有効受信を検知した場合に、報知部66からの連動先を示す火災警報出力を停止させる制御を行う。
(警報停止制御)
警報制御部60は、連動元として火災警報の出力中に操作部68の警報停止スイッチで受け付けた警報停止操作を検知した場合、報知部66からの連動元を示す火災警報出力を停止させると共に、第1通信プロトコルに従った警報停止連動信号を生成し、連動通信部64に指示し、当該警報停止連動信号を他の住警器28−12〜28−22へ送信させる制御を行い、これを受信した他の住警器28−22〜28−22に、連動先を示す火災警報出力を停止させる。
また警報制御部60は、連動通信部64を介して他の住警器28−12〜28−22の何れかが送信した警報停止連動信号の有効受信を検知した場合に、報知部66からの連動先を示す火災警報出力を停止させる制御を行う。
(高温異常警報制御)
警報制御部60は、連動通信部64を介し、中継アダプタ26を経由してスマート掃除ロボットからの第1通信プロトコルに従った高温異常検知信号の受信を検知した場合、報知部66からの高温異常を示す高温異常警報を出力させる制御を行う。この場合の高温異常警報は例えば「ピー ピー ピー 掃除ロボットで高温異常を検知しました 確認してください」といった音声メッセージをスピーカから繰り返し出力すると共にLEDを例えば点灯して行う。
なお、警報制御部60は、スマート掃除ロボット10から第1通信プロトコルに従った高温異常検知信号の受信を検知した場合は、報知部66から高温異常を示す高温異常警報を出力させる制御を行う代わりに、連動先を示す火災警報を出力させる制御を行っても良い。この場合の高温異常警報は例えば「ピー ピー ピー 別の警報器が作動しました 確認してください」といった音声メッセージをスピーカから繰り返し出力すると共にLEDを例えば点灯して行う。
[中継アダプタの構成]
図7は中継アダプタ26の機能構成の概略を示したブロック図である。図7において、中継アダプタ26は、アンテナ72を接続した連動通信部70、中継制御部74及びアンテナ78を接続した無線LAN通信部76を備え、図示しない電池電源により動作する。中継制御部74は、例えばプログラムの実行により実現される機能である。ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路又はワイヤードロジック回路等を使用する。
連動通信部70は、図6の住警器28−11に設けた連動通信部64の場合と同様であり、第1通信プロトコルに従った信号を送受信する。無線LAN通信部76は、図3のスマート掃除ロボット10に設けた無線LAN通信部32の場合と同様であり、第2通信プロトコルである無線LAN通信プロトコルに従い、アクセスポイントとなる無線ルータ12を経由してスマート掃除ロボット10との間で信号を送信する。
中継制御部74は、連動通信部70を介して受信した住警器28からの第1通信プロトコルに従った信号を、第2通信プロトコルである無線LAN通信プロトコルに従った信号に変換し、無線LAN通信部76に指示し、無線ルータ12を経由してスマート掃除ロボット10へ送信させる制御を行う。この場合に、第1通信プロトコルから第2通信プロトコルに変換して送信する信号には、火災連動信号、火災復旧連動信号及び警報停止連動信号がある。
また、中継制御部74は、無線LAN通信部76を介して受信したスマート掃除ロボット10から無線ルータ12を経由した第2通信プロトコルに従った信号を、第1通信プロトコルに従った信号に変換し、連携通信部70に指示し、住警器24へ送信させる制御を行う。この場合に、第2通信プロトコルから第1通信プロトコルに変換して送信する信号には、高温異常検知信号、高温異常復旧信号などがある。
[本発明の変形例]
上記の実施形態は火災を検知して警報する住警器を例にとるものであったが、ガス漏れ警報器、CO警報器を配置した警報システムやそれらの警報器を混在させて配置した警報システムについても同様に適用できる。
また、上記の実施形態は、スマート掃除ロボットに設けた放射温度測定部を垂直回りに走査する場合を例にとっているが、放射温度測定部の測定距離における標的サイズを大きくし、スマート掃除ロボットに指向方向を固定して放射温度測定部を設け、測定点に移動した場合には、スマート掃除ロボットの旋回走行による回転走査のみで対象領域の温度を測定して高温異常を検知するようにしても良い。このように放射温度測定部を固定配置することで、構造を簡単にし、コストを低減できる。
また、上記の実施形態にあっては、測定温度が所定の閾値温度以上の場合に高温異常を検知して報知しているが、更に、監視対象の過熱や発火の危険性をそれぞれに対応した閾値温度の設定により検知し、過熱を検知した場合は火災の予兆と判断して火災予報警報を報知し、発火の危険性を検知した場合には火災警報を報知するようにしても良い。
また、上記の実施形態にあっては、放射温度測定部をスマート掃除ロボットに外付けするようにしているが、ロボット本体に内蔵するようにしても良い。
また、上記の実施形態は掃除ロボットを例にとるものであったが、自立走行機能と外部ネットワークを経由した通信機能を備えるものであれば、これに限定されず、適宜の移動体につき、本発明の警報システムを同様にして適用することができる。
また、上記の実施形態は住宅に掃除ロボットを導入した場合を例にとるが、これに限らずビルやオフィス用など各種施設に掃除ロボットを導入した場合にも適用できる。
また本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
10:スマート掃除ロボット
12:無線ルータ
14:ゲートウェイ
16:インターネット
18:サーバ
20:携帯電話ネットワーク
22:携帯電話
24:放射温度測定部
26:中継アダプタ
27:充電ステーション
28−11〜28−22:住警器
30:制御部
32,76:無線LAN通信部
36:カメラ部
38:音声入出力部
40:操作表示部
42:自立走行センサ部
44:走行駆動部
46:充電部
48:吸塵部
50:走査駆動部
50:火災センサ部
52:消火ユニット
60:警報制御部
62:センサ部
64:連動通信部
66:報知部
68:操作部
70:連動通信部
74:中継制御部

Claims (12)

  1. 監視領域の火災に伴う異常を検知して異常警報を出力すると共に、他の警報手段との間で所定の第1通信プロトコルに従った信号を送受信する警報手段と、
    前記監視領域を含む所定の作業領域を自立走行しながら所定の作業を行うと共に、所定の第2通信プロトコルに従った信号を送受信することにより、外部ネットワークのサーバを経由して利用者端末との間で信号を送受信する移動体手段と、
    前記警報手段から受信した第1通信プロトコルに従った信号を前記第2通信プロトコルに従った信号に変換して送信すると共に、前記移動体手段から受信した第2通信プロトコルに従った信号を前記第1通信プロトコルに従った信号に変換して送信する中継手段と、
    を備え、
    更に、前記移動体手段に、物体からの熱放射をとらえて温度を測定する放射温度測定手段を設け、前記移動体手段は前記放射温度測定手段の測定温度が所定の閾値温度以上となる高温異常を検知した場合に、移動体手段自身及び前記警報手段による高温異常の報知を含む所定の高温異常対処制御を行うことを特徴とする警報システム。
  2. 請求項1記載の警報システムに於いて、
    前記移動体手段は、前記高温異常を検知した場合に、高温異常を報知すると共に、前記第2通信プロトコルに従った高温異常検知信号を送信することにより、外部ネットワークのサーバを経由して利用者端末へ送信して前記高温異常を報知させ、
    前記中継手段は、前記移動体手段から受信した第2通信プロトコルに従った高温異常検知信号を前記第1通信プロトコルに従った高温異常検知信号に変換して前記警報手段に送信し、
    前記移動体手段は、前記中継手段から第1通信プロトコルに従った高温異常検知信号を受信した場合に、前記高温異常を報知させることを特徴とする警報システム。
  3. 請求項1記載の警報システムに於いて、
    前記警報手段は、監視領域の火災に伴う異常を検知した場合に前記第1通信プロトコルに従った異常連動信号を送信し、
    前記中継手段は、前記警報手段から受信した第1通信プロトコルに従った異常連動信号を前記第2通信プロトコルに従った異常連動信号に変換して前記移動体手段に送信し、
    前記移動体手段は、前記中継手段から第2通信プロトコルに従った異常連動信号を受信した場合に、前記当該異常連動知信号を前記外部ネットワークのサーバを経由して利用者端末へ送信して前記異常を報知させることを特徴とする警報システム。
  4. 請求項1記載の警報システムに於いて、前記移動体手段は、前記作業領域に予め設定した測定点を巡回移動し、各測定点に移動する毎に、前記放射温度測定手段により当該測定点を設定した領域の温度を測定して高温異常を検知することを特徴とする警報システム。
  5. 請求項1記載の警報システムに於いて、前記移動体手段は、前記制御手段は、前記作業領域に予め設定した所定局所の温度を測定する所定の測定点を巡回移動し、各測定点に移動する毎に、前記放射温度測定手段により前記所定局所の温度を測定して高温異常を検知することを特徴とする警報システム。
  6. 請求項4又は5記載の警報システムに於いて、前記移動体手段は、前記測定点に移動した場合に、前記放射温度測定手段を当該測定点で2次元又は3次元に走査して温度を測定することを特徴とする警報システム。
  7. 請求項6記載の警報システムに於いて、前記移動体手段は、前記放射温度測定手段を移動体手段の本体に所定の垂直回りの指向角に固定し、前記測定点に移動した場合に、当該測定点を中心に旋回走行することにより前記放射温度測定手段を旋回走査して温度を測定することを特徴とする警報システム。
  8. 請求項6記載の警報システムに於いて、前記移動体手段は、前記放射温度測定手段を移動体手段の本体に垂直回りの指向角を可変制御可能に設け、前記測定点に移動した場合に、当該垂直回りの指向角を所定の角度範囲で段階的に変化しながら当該測定点を中心に旋回走行することにより、前記放射温度測定手段を走査して温度を測定することを特徴とする警報システム。
  9. 請求項1記載の警報システムに於いて、前記移動体手段は、更に、撮像手段を備え、前記高温異常を検知した場合に、前記撮像手段により前記作業領域の画像を撮像し、当該撮像した画像を、前記外部ネットワークのサーバを経由して前記利用者端末へ送信して表示させることを特徴とする警報システム。
  10. 請求項1記載の警報システムに於いて、前記移動体手段は、前記作業領域に配置した機器の高温異常を検知した場合に、前記機器の動作を停止させることを特徴とする警報システム。
  11. 請求項3又は請求項9記載の警報システムに於いて、前記外部ネットワークのサーバは、前記放射温度測定手段により測定された温度と、前記撮像手段により撮影された画像とにより、前記制御手段が検知した高温異常について火災か否かの判定をおこなうことを特徴とする警報システム。
  12. 請求項1記載の警報システムに於いて、前記移動体手段は、更に消火手段を備え、前記放射温度測定手段の測定温度から火災を検知した場合、前記放射温度測定手段により検出した火災位置に向けて消火剤を散布することを特徴とする警報システム。
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