JP2014006356A - 位相差フィルム、及び液晶表示装置 - Google Patents

位相差フィルム、及び液晶表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014006356A
JP2014006356A JP2012141273A JP2012141273A JP2014006356A JP 2014006356 A JP2014006356 A JP 2014006356A JP 2012141273 A JP2012141273 A JP 2012141273A JP 2012141273 A JP2012141273 A JP 2012141273A JP 2014006356 A JP2014006356 A JP 2014006356A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pattern
retardation
cation
layer
alignment layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012141273A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Amamiya
裕之 雨宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2012141273A priority Critical patent/JP2014006356A/ja
Publication of JP2014006356A publication Critical patent/JP2014006356A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Polarising Elements (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

【課題】部分的な配向不良、光軸ずれ及びリターデーション変化がなく、配向性に優れた位相差フィルム、及び表示性能に優れた液晶表示装置を提供する。
【解決手段】透明基材の一面側に、配向層、及び位相差層がこの順に設けられた位相差フィルムであって、
前記配向層は、紫外線硬化性樹脂と、イオン液体とを含有する配向層用硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、
前記位相差層は、屈折率異方性を有する棒状化合物を含有することを特徴とする、位相差フィルムである。
【選択図】図1

Description

本発明は、位相差フィルム、及び液晶表示装置に関する。
従来より液晶表示装置においては、視角依存性の問題を改善するために、様々な技術が開発されており、その1つとして、複屈折性を示す位相差層を有する位相差フィルムが液晶セルと偏光板との間に配置された液晶表示装置が知られている(例えば、特許文献1〜2)。
上記位相差層を有する位相差フィルムとしては、樹脂基材上に、液晶性材料を一定方向に配列させる配向規制力を有する配向層と、当該配向層上に形成され、一定方向に配列された液晶性材料を含有する位相差層とを有するものが用いられている。
また、フラットパネルディスプレイとしては、従来、2次元表示のものが主流であったが、近年においては3次元表示可能なフラットパネルディスプレイが注目を集め始めている。そして、今後のフラットパネルディスプレイにおいては3次元表示可能であることが、その性能として当然に求められる傾向にあり、3次元表示可能なフラットパネルディスプレイの検討が幅広い分野において進められている。
フラットパネルディスプレイにおいて3次元表示をするには、通常、視聴者に対して何らかの方式で右目用の映像と、左目用の映像とを別個に表示することが必要とされる。右目用の映像と左目用の映像とを別個に表示する方法としては、例えば、パッシブ方式というものが知られている。このようなパッシブ方式の3次元表示方式について図を参照しながら説明する。図4はパッシブ方式の3次元表示の一例を示す概略図である。図4に示すようにこの方式では、まず、フラットパネルディスプレイを構成する画素を、右目用映像表示画素と左目用映像表示画素の2種類の画素に分類し、ディスプレイ表示領域に右目用の画素と左目用の画素が隣接し合うようなパターン状に配列する。一方のグループの画素では右目用の映像を表示させ、他方のグループの画素では左目用の映像を表示させる。また、直線偏光板と当該画素の配列パターンに対応したパターン状の位相差層が形成されたパターン位相差フィルム(以下、単にパターン位相差フィルムということがある。)とを用い、右目用の映像と、左目用の映像とをそれぞれ円偏光に変換する。さらに、視聴者には右目用レンズと左目用レンズを採用した円偏光メガネを装着させ、右目用の映像が右目用レンズのみを通過し、かつ左目用の映像が左目用のレンズのみを通過するようにする。このようにして右目用の映像が右目のみに届き、左目用の映像が左目のみに届くようにすることによって3次元表示を可能となる。
このようなパッシブ方式では、上記パターン位相差フィルムと、対応する円偏光メガネとを用いることにより容易に3次元表示が可能なものにできるという利点がある。
上記パターン位相差フィルムとして、例えば、特許文献3には、ガラス基板上に配向規制力がパターン状に制御された光配向層と、当該光配向層上に形成され、液晶性材料の配列が上記光配向層のパターンに対応するようにパターニングされた位相差層(液晶層)とを有するパターン位相差板が開示されている。
このように、上記位相差フィルム及び、上記パターン位相差フィルムは、いずれも液晶性材料が配向層によって一定方向に配列され、フィルム全体で、或いはフィルム中の各パターン内で、光軸が一定であることが求められる。
特開平3−67219号公報 特開平4−322223号公報 特開2005−49865号公報
位相差フィルムにおける位相差層は、通常、配向層上に、位相差層用組成物を塗工し、少なくとも乾燥工程を経て形成される。このような位相差層に、すじ状や放射状に部分的な配向不良が発生する問題が生じた。本発明者は、このような配向不良が、帯電した配向層が放電する際に発生するものであることを見出した。ここで配向不良とは、配向層の一部において配向規制力が低下し、或いは、所望の方向とは異なる方向に配向規制力が発生していることをいう。
帯電、放電が生じた配向層上に位相差層を形成した場合、その部分の位相差層用組成物の配向が乱れるため、光軸がずれたり、リターデーション変化が生じてしまう。その結果、例えば、黒輝度の濃淡ムラが生じて黒色再現性の低下の原因となる。また、パターン位相差フィルムの場合、右目に選択的に入射されるべき右目用の映像光が左目に漏れ込んだり、これと逆に左目に選択的に入射されるべき左目用の映像光が右目に漏れ込んだりするクロストークが局所的に発生し、著しく画質を劣化してしまう。
この問題に対して、本発明者は、紫外線硬化性樹脂と帯電防止剤とを含有する配向層用樹脂組成物を用いて配向層を形成することにより、配向不良が抑えられることを見出した。その一方で、本発明者は、紫外線硬化性樹脂と帯電防止剤とを含有する配向層用樹脂組成物の硬化物からなる配向層上に位相差層を形成した場合、形成された位相差層の配向性が悪化する場合があるとの知見を得た。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、部分的な配向不良、光軸ずれ及びリターデーション変化がなく、配向性に優れた位相差フィルム、及び表示性能に優れた液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明に係る位相差フィルムは、透明基材の一面側に、配向層、及び位相差層がこの順に設けられた位相差フィルムであって、
前記配向層は、紫外線硬化性樹脂と、イオン液体とを含有する配向層用硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、
前記位相差層は、屈折率異方性を有する棒状化合物を含有することを特徴とする。
本発明に係る位相差フィルムにおいては、前記配向層が、前記棒状化合物を配列させることができるように表面に微細凹凸形状が形成されている態様に対しても、製造工程時の光軸ずれの発生や配向性の乱れを効果的に抑制し、特に好適に用いられる。
本発明に係る位相差フィルムにおいては、前記イオン液体におけるアニオンが、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンであることが、特に、部分的な配向不良、光軸ずれ及びリターデーション変化の発生を効果的に抑制する点から好ましい。
本発明に係る位相差フィルムは、前記位相差層がパターン状に形成されているパターン位相差フィルムとすることができる。
本発明に係る液晶表示装置は、
第1偏光板と、
前記第1偏光板上に配置され、パターン状に画素部が形成されたカラーフィルタを備える液晶セルと、
前記液晶セル上に配置された第2偏光板と、
前記第2偏光板上に配置された上記本発明に係るパターン位相差フィルムと、
を有する液晶表示装置であって、
前記カラーフィルタにおいて前記画素部が形成されているパターンと、前記パターン位相差フィルムの前記位相差層が形成されているパターンとが、対応関係にあることを特徴とする。
本発明によれば、部分的な配向不良、光軸ずれ及びリターデーション変化がなく、配向性に優れた位相差フィルム、及び表示性能に優れた液晶表示装置を提供することができる。
本発明に係る位相差フィルムの一例を示す概略図である。 本発明に係るパターン位相差フィルムの一例を示す概略図である。 本発明に係る液晶表示装置の一例を示す概略図である。 パッシブ方式で3次元映像を表示可能な液晶表示装置の一例を示す概略図である。
以下、本発明の位相差フィルム、及び液晶表示装置を順に説明する。
本発明において光軸とは、遅相軸を意味する。
本発明において配向規制力とは、位相差層中の棒状化合物を特定方向に配列させる相互作用を意味する。
本発明において配向性に優れるとは、棒状化合物を特定方向に配列させるのに十分な配向規制力が発生していることをいう。
また、本発明において、(メタ)アクリレートとは、メタアクリレート及び/又はメタクリレートを表す。
[位相差フィルム]
本発明に係る位相差フィルムは、透明基材の一面側に、配向層、及び位相差層がこの順に設けられた位相差フィルムであって、
前記配向層は、紫外線硬化性樹脂と、イオン液体とを含有する配向層用硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、
前記位相差層は、屈折率異方性を有する棒状化合物を含有することを特徴とする。
上記本発明に係る位相差フィルム10は、図1に示されるように、透明基材1の一面側に、配向層2、及び位相差層3が順に設けられている。
本発明の位相差フィルムは、上記配向層2が、紫外線硬化性樹脂と、イオン液体とを含有する配向性用硬化性樹脂組成物を用いて形成された層であるため、得られた位相差フィルムは、配向不良による光軸ずれ及びリターデーション変化がなく、配向性に優れたものである。
上記特定の構成により、上記のような効果を発揮する作用としては、未解明の部分もあるが以下のように推定される。
屈折率異方性を有する棒状化合物を含有する位相差層は、通常、配向層上に、位相差層用組成物を塗工し、少なくとも乾燥工程を経て形成される。塗工された位相差層用組成物に含まれる前記棒状化合物は、前記配向層に付与された配向規制力によって、特定の方向に配列する。このような位相差層に、すじ状や放射状に光軸ずれやリターデーションが変化する配向不良が発生する問題があった。本発明者は、このような配向不良が、帯電した配向層が放電する際に発生するものであることを見出した。
本発明者は、配向規制力が付与された配向層が帯電した場合、その放電時に配向層の一部において配向規制力が低下し、或いは、所望の方向とは異なる方向に配向規制力が発生し、上記配向不良の原因となることを見出した。
この問題に対して、本発明者は、紫外線硬化性樹脂と帯電防止剤とを含有する配向層用樹脂組成物を用いて配向層を形成することにより、配向層における配向不良の発生が抑えられることを見出した。配向層が帯電防止剤を含有することにより、位相差フィルムの帯電が抑えられるため、放電が発生しないか、或いは放電量が小さいため、配向不良が生じにくくなるものと推定される。
しかし、本発明者は、配向層用樹脂組成物の帯電防止剤として、界面活性剤を用いた場合や、通常常温で固体の帯電防止剤を用いた場合には、得られた配向層上に形成された位相差層は、配向性が悪化することがあるとの知見を得た。
例えば、常温で固体の帯電防止剤は、配向層樹脂組成物中での相溶性が悪く、配向層表面にブリードアウトしやすいことが推定される。更に、常温で固体の帯電防止剤は、微細な結晶乃至凝集体として配向層表面上に析出することがあると推定される。配向規制力が付与された配向層表面において、帯電防止剤の結晶乃至凝集体が存在する場合には、当該結晶乃至凝集体が、配向層表面の微細凹凸形状に影響を与えたり、或いは、位相差層中の棒状化合物の配列を阻害することにより、配向性が悪化するものと推定される。
また、界面活性剤による帯電防止剤は、表面にブリードし水分を吸着することにより帯電防止効果を発現するが、表面にブリードした界面活性剤や当該界面活性剤に吸着した水分が配向を阻害することが推定される。
それに対して、本発明に係る位相差フィルムは、配向層が、紫外線硬化性樹脂とイオン液体とを含有する配向層用樹脂組成物の硬化物からなるものである。当該配向層はイオン液体を含有することにより、位相差フィルムの表面抵抗を小さくすることができ、帯電防止性能を有する。その結果、当該配向層は帯電しにくくなり、配向不良が生じないものと推定される。更に、イオン液体は常温で液状であるため、配向層表面にブリードアウトした場合であっても、配向層表面においてイオン液体の結晶乃至凝集体は生じにくいものと推定される。このため、常温で固体の帯電防止剤や界面活性剤を用いた場合と比較して、配向層が有する配向規制力に影響を及ぼすことが少なく、位相差層の配向性に優れるものと推定される。
本発明の位相差フィルムは、少なくとも透明基材と、配向層と、位相差層とを有するものであり、必要に応じて他の構成を有していてもよいものである。
以下、本発明のパターン位相差フィルムの各構成について順に説明する。
<透明基材>
本発明に用いられる透明基材は、配向層および位相差層を支持する機能を有するものである。
上記透明基材は、位相差フィルムに用いられる公知の透明基材を適宜選択して用いることができ、通常、所定の透明性を有透明樹脂基材が用いられる。透明樹脂基材としては、例えば、トリアセチルセルロース等のアセチルセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレンやポリメチルペンテン等のオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルサルホンやポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、アクロニトリル、メタクリロニトリル、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等の樹脂を用いて形成されたものを挙げることができる。
上記透明樹脂基材は、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。ここで、透明基材の透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
透明樹脂基材の中でも、リターデーションが低いものであることが好ましい。より具体的には、透明基材の面内リターデーション値(Re値)が、0nm〜10nmの範囲内であることが好ましく、0nm〜5nmの範囲内であることがより好ましく、0nm〜3nmの範囲内であることがさらに好ましい。リターデーション値が上記上限値以下であれば、所望の位相差を有する位相差フィルムを製造しやすい。
面内リターデーションをゼロに近付けやすい点からは、透明樹脂基材の中でも、アセチルセルロース系樹脂、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等の樹脂、アクリル系樹脂を用いて形成されたものが好ましい。
また、後述のようにロール状金型を用いた賦型法により配向層を形成する場合には、透明基材は、ロール状に巻き取ることができる可撓性を有するフレキシブル材であることが好ましい。
このようなフレキシブル材としては、セルロース誘導体、ノルボルネン系ポリマー、シクロオレフィン系ポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、アモルファスポリオレフィン、変性アクリル系ポリマー、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル類などを例示することができる。なかでも本発明においてはセルロース誘導体を用いることが好ましい。セルロース誘導体は特に光学的等方性に優れるため、光学的特性に優れたものとすることができるからである。
本発明においては、上記セルロース誘導体のなかでも、セルロースエステルを用いることが好ましく、さらに、セルロースエステル類のなかでも、セルロースアシレート類を用いることが好ましい。セルロースアシレート類は工業的に広く用いられていることから、入手容易性の点において有利だからである。
上記セルロースアシレート類としては、炭素数2〜4の低級脂肪酸エステルが好ましい。低級脂肪酸エステルとしては、例えばセルロースアセテートのように、単一の低級脂肪酸エステルのみを含むものでもよく、また、例えばセルロースアセテートブチレートやセルロースアセテートプロピオネートのような複数の脂肪酸エステルを含むものであってもよい。
本発明においては、上記低級脂肪酸エステルのなかでもセルロースアセテートを特に好適に用いることができる。セルロースアセテートとしては、平均酢化度が57.5%〜62.5%(置換度:2.6〜3.0)のトリアセチルセルロースを用いることが最も好ましい。ここで、酢化度とは、セルロース単位質量当りの結合酢酸量を意味する。酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験方法)におけるアセチル化度の測定および計算により求めることができる。なお、トリアセチルセルロースフィルムを構成するトリアセチルセルロースの酢化度は、フィルム中に含まれる可塑剤等の不純物を除去した後、上記の方法により求めることができる。
本発明に用いられる透明基材の厚みは、本発明の位相差フィルムの用途等に応じて、必要な自己支持性を付与できる範囲内であれば特に限定されないが、通常、25μm〜125μmの範囲内が好ましく、なかでも40μm〜100μmの範囲内が好ましく、特に60μm〜80μmの範囲内であることが好ましい。透明基材の厚みが上記の範囲よりも薄いと、十分な自己支持性を付与できない場合があるからである。また、厚みが上記の範囲よりも厚いと、例えば、長尺状の位相差フィルムを形成した後、裁断加工し、枚葉の位相差フィルムとする際に、加工屑が増加したり、裁断刃の磨耗が早くなってしまう場合があるからである。
本発明に用いられる透明基材の構成は、単一の層からなる構成に限られるものではなく、複数の層が積層された構成を有してもよい。複数の層が積層された構成を有する場合は、同一組成の層が積層されてもよく、また、異なった組成を有する複数の層が積層されてもよい。
例えば、本発明の配向層は紫外性硬化性樹脂を含有するものであるため、透明基材と当該紫外線硬化性樹脂の接着性を向上させるためのプライマー層を透明基材上に形成してもよい。このプライマー層は、透明基材および紫外線硬化性樹脂との双方に接着性を有し、可視光学的に透明であり、紫外線を通過させるものであればよく、例えば、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体系、ウレタン系のもの等を適宜選択して使用することができる。
<配向層>
配向層は、上記透明基材上に形成されるものであり、位相差層に含まれる屈折率異方性を有する棒状化合物を一定方向に配列させるための層である。本発明において配向層は、紫外線硬化性樹脂と、イオン液体とを含有する配向層用硬化性樹脂組成物の硬化物からなる。なお、本発明において、硬化性とは、化学反応を経て硬くなる性質をいう。
本発明に用いられる配向層は上記棒状化合物を配列させる機能を有するものであるが、このような機能は、例えば、配向層の表面に微細凹凸形状を形成したり、或いは、光配向したりすることよって付与することができる。本発明の配向層は、紫外線硬化性樹脂とイオン液体を含有する配向層用硬化性樹脂組成物を用いて形成するので、後述する棒状化合物を配列させることができるように表面に微細凹凸形状が形成されている態様に好適に用いられる。
なお、本発明に係る位相差フィルムを、パターン位相差フィルムとする場合には、所望のパターン状に後述する棒状化合物を配列させることができるように、パターンごとに異なる微細凹凸形状を形成したり、異なる光配向処理をすればよい。
(配向層用硬化性樹脂組成物)
配向層用硬化性樹脂組成物は、少なくとも紫外線硬化性樹脂と、イオン液体とを含有するものであり、必要に応じて更に他の成分を含有してもよいものである。以下、当該配向層用硬化性樹脂組成物の各成分について、順に説明する。
(1)紫外線硬化性樹脂
本発明において用いられる配向層用硬化性樹脂組成物は、紫外線硬化性樹脂を含有する。紫外線硬化性樹脂組成物を含有することにより、配向規制力を有する微細凹凸形状を賦型法などの転写法により容易に付与することができるため、配向層を容易に形成することが可能となる。
紫外線硬化性樹脂は、公知のものから適宜選択して使用することができる。例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、メラミンアクリレート等のアクリロイル基を有するモノマー又はオリゴマー;アクリル酸、アクリルアミド、アクリロニトリル、スチレン等のビニル基を有するモノマー又はオリゴマー等が挙げられ、必要に応じて増感剤等や光重合開始剤を含有してもよい。紫外性硬化性樹脂は、1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(2)イオン液体
本発明においてイオン液体とは、カチオンとアニオンからなる塩であって、融点が100℃以下の塩をいい、中でも、融点が40℃以下の塩であることが好ましい。本発明においては、前記紫外線硬化性樹脂とイオン液体とを組み合わせて用いることにより、配向性を低下することなく、部分的な配向不良、光軸ずれやリターデーション変化の発生を抑制することができる。
イオン液体は、公知のものから、要求される性能に応じて、イオン伝導性が高いもの、熱安定性が高いもの、粘性が適度なもの、蒸気圧が低いものなどを適宜選択して使用することができ、後述のカチオンとアニオンとを適宜組み合わせて用いればよい。
イオン液体のカチオンとしては、通常有機カチオンが用いられ、例えば、窒素原子又はリン原子を有するオニウムカチオンが挙げられる。中でも、配向性を低下することなく、光軸ずれやリターデーション変化の発生を抑制することができる点から、4級アンモニウム系カチオン、4級ホスホニウム系カチオン、イミダゾリウム系カチオン、ピリジニウム系カチオン及びピロリジニウム系カチオンよりなる群から選ばれる1種以上のカチオンであることが好ましい。
中でも、下記一般式(I)、下記一般式(II)及び、下記一般式(III)で表されるカチオンで配向性を低下することなく、光軸ずれやリターデーション変化の発生を抑制することができる点から、特に好ましい。
(一般式(I)中、R、R、R、及びRは、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R〜Rは互いに同一であっても異なっていてもよい。
一般式(II)中、R、R、R、及びRは、ヘテロ原子を有していてもよい炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R〜Rは互いに同一であっても異なっていてもよい。RとR及び/又はRとRは互いに結合して環構造を形成してもよい。
一般式(III)中、Rは、炭素数3〜15のヘテロ原子を有していてもよい炭化水素基を表し、R10は、炭素数1〜20の炭化水素基を表す。
式(I)で表されるオニウムカチオンとしては、テトラアルキルホスホニウムカチオン及び前記アルキル基の一部がアルケニル基に置換されたもの等が挙げられる。具体例としては、テトラメチルホスホニウムカチオン、テトラエチルホスホニウムカチオン、テトラプロピルホスホニウムカチオン、テトラブチルホスホニウムカチオン、テトラペンチルホスホニウムカチオン、テトラヘキシルホスホニウムカチオン、テトラヘプチルホスホニウムカチオン、テトラオクチルホスホニウムカチオン、テトラノニルホスホニウムカチオン、テトラデシルホスホニウムカチオン、テトラドデシルホスホニウムカチオン、トリブチルメチルホスホニウムカチオン、トリヘキシルテトラデシルホスホニウムカチオン、トリフェニルメチルホスホニウムカチオン、トリフェニルエチルホスホニウムカチオン、トリフェニルブチルホスホニウムカチオン、トリフェニルヘプチルホスホニウムカチオン、トリフェニルドデシルホスホニウムカチオン、トリフェニルヘキサデシルホスホニウムカチオン、トリフェニルベンジルホスホニウムカチオン、テトラフェニルホスホニウムカチオン等が挙げられる。
式(II)で表されるオニウムカチオンとしては、テトラアルキルアンモニウムカチオン、前記アルキル基の一部がアルケニル基に置換されたもの、ピペリジニウムカチオン、ピロリジニウムカチオン、モルホリニウムカチオン、ビピロリジニウムカチオン、ビピペリジニウムカチオン等が挙げられる。具体例としては、テトラメチルアンモニウムカチオン、テトラエチルアンモニウムカチオン、テトラプロピルアンモニウムカチオン、テトラブチルアンモニウムカチオン、テトラペンチルアンモニウムカチオン、テトラヘキシルアンモニウムカチオン、テトラヘプチルアンモニウムカチオン、テトラオクチルアンモニウムカチオン、テトラノニルアンモニウムカチオン、テトラデシルアンモニウムカチオン、テトラドデシルアンモニウムカチオン、テトラアリルアンモニウムカチオン、トリオクチルメチルアンモニウムカチオン、ジデシルジメチルアンモニウムカチオン、ジオレイルジメチルアンモニウムカチオン、トリメチルヘキサデシルアンモニウムカチオン、1,1−ジメチルピペリジニウムカチオン、1−エチル−1−メチルピペリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピペリジニウムカチオン、1−ブチル−1−メチルピペリジニウムカチオン、1,1−ジメチルピロリジニウムカチオン、1−エチル−1−メチルピロリジニウムカチオン、1−メチル−1−プロピルピロリジニウムカチオン、1−ブチル−1−メチルピロリジニウムカチオン、1,1’−スピロビピロリジニウムカチオン等が挙げられる。
式(III)で表されるオニウムカチオンとしては、ピリジニウムカチオン、イミダゾリウムカチオン等が挙げられる。具体例としては、1−メチルピリジニウムカチオン、1−エチルピリジニウムカチオン、1−プロピルピリジニウムカチオン、1−ブチルピリジニウムカチオン、1−ヘキシルピリジニウムカチオン、1−オクチルピリジニウムカチオン、1−デシルピリジニウムカチオン、1−ドデシルピリジニウムカチオン、1−ヘキサデシルピリジニウムカチオン、1−メチル−2−メチルピリジニウムカチオン、1−エチル−2−メチルピリジニウムカチオン、1−プロピル−2−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−2−メチルピリジニウムカチオン、1−ヘキシル−2−メチルピリジニウムカチオン、1−オクチル−2−メチルピリジニウムカチオン、1−デシル−2−メチルピリジニウムカチオン、1−ドデシル−2−メチルピリジニウムカチオン、1−ヘキサデシル−2−メチルピリジニウムカチオン、1−メチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−エチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−プロピル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ヘキシル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−オクチル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−デシル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ドデシル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−ヘキサデシル−3−メチルピリジニウムカチオン、1−メチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−エチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−プロピル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−ヘキシル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−オクチル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−デシル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−ドデシル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−ヘキサデシル−4−メチルピリジニウムカチオン、1−メチル−3,5−ジメチルピリジニウムカチオン、1−エチル−3,5−ジメチルピリジニウムカチオン、1−プロピル−3,5−ジメチルピリジニウムカチオン、1−ブチル−3,5−ジメチルピリジニウムカチオン、1−ヘキシル−3,5−ジメチルピリジニウムカチオン、1−オクチル−3,5−ジメチルピリジニウムカチオン、1−デシル−3,5−ジメチルピリジニウムカチオン、1−ドデシル−3,5−ジメチルピリジニウムカチオン、1−ヘキサデシル−3,5−ジメチルピリジニウムカチオン、1−メチル−3,5−ジエチルピリジニウムカチオン、1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3,4−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3,5−ジメチルイミダゾリウム、2−エチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、4−エチル−1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2−ジエチル−3−メチルイミダゾリウム等が挙げられる。
これらのカチオンにおける炭化水素基は、炭素鎖中に、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有していてもよい。例えば、炭化水素基が、ポリオキシアルキレン基を構成していてもよく、中でも、ポリオキシエチレン基であることが好ましい。また、炭化水素基の末端に、更に水酸基(−OH)などの置換基を有していてもよい。
イオン液体のアニオンとしては、例えば、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドイオン、パーフルオロアルカンスルホン酸イオン、パーフルオロアルカンカルボン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン及びヘキサフルオロリン酸イオン、無機酸イオン、アルカンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、アルカンカルボン酸イオン、アルキルベンゼンカルボン酸イオン、含シアノイオン又はハロゲンイオンで等が挙げられる。
ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドイオンとしては、例えば、下記一般式(IV)で表される化合物が挙げられる。
11−(SO)−N-−(SO)−R12 (IV)
(一般式(IV)中、R11及びR12は、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基を表し、R11とR12は同一であっても異なっていてもよい。)
11及びR12における、炭素数1から4のパーフルオロアルキル基としては、例えばトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられる。具体的には、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン、ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドイオン、ヘプタフルオロプロパンスルホニル)イミドイオン、ノナフルオロブタンスルホニル)イミドイオン、[(トリフルオロメタンスルホニル)(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドイオン等が挙げられる。中でも、配向性を低下することなく、光軸ずれやリターデーション変化の発生を抑制する点から、ビス(パーフルオロアルカンスルホニル)イミドイオンであることが好ましく、特に、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンであることが好ましい。
パーフルオロアルカンスルホン酸イオンとしては、炭素数1から8のパーフルオロアルカンスルホン酸イオンが挙げられ、具体的には、例えばトリフルオロメタンスルホン酸イオン、ペンタフルオロエタンスルホン酸イオン、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸イオン、ノナフルオロブタンスルホン酸イオン、ヘプタデカフルオロオクタンスルホン酸イオン等が挙げられる。
パーフルオロアルカンカルボン酸イオンとしては、炭素数1から8のパーフルオロアルカンカルボン酸イオンが挙げられる。具体的には、例えばトリフルオロ酢酸イオン、ペンタフルオロプロピオン酸イオン、ヘプタフルオロブタン酸イオン、ペンタデカフルオロオクタン酸イオン等が挙げられる。
イオン液体の具体例としては、以下に示すものが挙げられるが、これらの具体例に限定されるものではない。テトラブチルホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、テトラブチルホスホニウム=ビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、テトラエチルホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、テトラフェニルホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリフェニルエチルホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリフェニルブチルホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリフェニルヘプチルホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリフェニルベンジルホスホニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、テトラブチルホスホニウム=トリフルオロメタンスルホナート、テトラブチルホスホニウム=ペンタフルオロエタンスルホナート、テトラブチルホスホニウム=ノナフルオロブタンスルホナート、テトラブチルホスホニウム=ヘプタデカフルオロオクタンスルホナート、テトラエチルホスホニウム=トリフルオロメタンスルホナート、テトラフェニルホスホニウム=トリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルエチルホスホニウム=トリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルブチルホスホニウム=トリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルヘプチルホスホニウム=トリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルベンジルホスホニウム=トリフルオロメタンスルホナート、
テトラブチルホスホニウム=トリフルオロアセタート、テトラエチルホスホニウム=トリフルオロアセタート、テトラフェニルホスホニウム=トリフルオロアセタート、トリフェニルエチルホスホニウム=トリフルオロアセタート、トリフェニルブチルホスホニウム=トリフルオロアセタート、トリフェニルヘプチルホスホニウム=トリフルオロアセタート、トリフェニルベンジルホスホニウム=トリフルオロアセタート、テトラブチルホスホニウム=テトラフルオロボラート、テトラエチルホスホニウム=テトラフルオロボラート、テトラフェニルホスホニウム=テトラフルオロボラート、トリフェニルエチルホスホニウム=テトラフルオロボラート、トリフェニルブチルホスホニウム=テトラフルオロボラート、トリフェニルヘプチルホスホニウム=テトラフルオロボラート、トリフェニルベンジルホスホニウム=テトラフルオロボラート、テトラブチルホスホニウム=ヘキサフルオロホスファート、テトラエチルホスホニウム=ヘキサフルオロホスファート、テトラフェニルホスホニウム=ヘキサフルオロホスファート、トリフェニルエチルホスホニウム=ヘキサフルオロホスファート、トリフェニルブチルホスホニウム=ヘキサフルオロホスファート、トリフェニルヘプチルホスホニウム=ヘキサフルオロホスファート、トリフェニルベンジルホスホニウム=ヘキサフルオロホスファート、
テトラブチルアンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、テトラヘキシルアンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、テトラオクチルアンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、テトラデシルアンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、テトラドデシルアンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリメチルヘキサデシルアンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、テトラアリルアンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1,1’−スピロビピロリジニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリブチルベンジルアンモニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、4−ヘキシル−4−メチルモルホリニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、
テトラブチルアンモニウム=トリフルオロメタンスルホナート、テトラヘキシルアンモニウム=トリフルオロメタンスルホナート、テトラオクチルアンモニウム=トリフルオロメタンスルホナート、テトラデシルアンモニウム=トリフルオロメタンスルホナート、テトラドデシルアンモニウム=トリフルオロメタンスルホナート、トリオクチルメチルアンモニウム=トリフルオロメタンスルホナート、トリメチルヘキサデシルアンモニウム=トリフルオロメタンスルホナート、テトラアリルアンモニウム=トリフルオロメタンスルホナート、1,1’−スピロビピロリジニウム=トリフルオロメタンスルホナート、トリブチルベンジルアンモニウム=トリフルオロメタンスルホナート、4−ヘキシル−4−メチルモルホリニウム=トリフルオロメタンスルホナート、テトラブチルアンモニウム=ノナフルオロブタンスルホナート、トリオクチルメチルアンモニウム=ノナフルオロブタンスルホナート、
テトラブチルアンモニウム=トリフルオロアセタート、テトラオクチルアンモニウム=トリフルオロアセタート、トリオクチルメチルアンモニウム=トリフルオロアセタート、トリメチルヘキサデシルアンモニウム=トリフルオロアセタート、テトラブチルアンモニウム=テトラフルオロボラート、テトラオクチルアンモニウム=テトラフルオロボラート、トリオクチルメチルアンモニウム=テトラフルオロボラート、トリメチルヘキサデシルアンモニウム=テトラフルオロボラート、テトラブチルアンモニウム=ヘキサフルオロホスファート、テトラオクチルアンモニウム=ヘキサフルオロホスファート、トリオクチルメチルアンモニウム=ヘキサフルオロホスファート、トリメチルヘキサデシルアンモニウム=ヘキサフルオロホスファート、
1−メチルピリジニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチルピリジニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチルピリジニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ヘキシルピリジニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−オクチルピリジニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−デシルピリジニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ドデシルピリジニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ヘキシデシルピリジニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−メチル−4−メチルピリジニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−エチル−4−メチルピリジニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ブチル−4−メチルピリジニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ヘキシル−4−メチルピリジニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−オクチル−4−メチルピリジニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−デシル−4−メチルピリジニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ドデシル−4−メチルピリジニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ヘキシデシル−4−メチルピリジニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ヘキシル−2−メチルピリジニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−オクチル−2−メチルピリジニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ドデシル−2−メチルピリジニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ヘキシル−3−メチルピリジニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−オクチル−3−メチルピリジニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ドデシル−3−メチルピリジニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ヘキシル−3,5−ジメチルピリジニウム=ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、1−ヘキシル−4−メチルピリジニウム=トリフルオロメタンスルホナート、1−ヘキシル−4−メチルピリジニウム=トリフルオロアセタート、1−ヘキシル−4−メチルピリジニウム=テトラフルオロボラート、1−ヘキシル−4−メチルピリジニウム=ヘキサフルオロホスファート等が挙げられる。
配向層用樹脂組成物中のイオン液体の含有量は、光軸ずれやリターデーション変化の発生を抑制するのに必要な表面抵抗が得られるように適宜設定すればよい。配向層用樹脂組成物中の全固形分に対するイオン液体の含有量は、必要な表面抵抗が得られ、且つ基材や位相差層との密着性の点から、通常2〜10質量%であり、2〜5質量%であることが好ましい。
なお、本発明において固形分とは、樹脂組成物中に含まれる溶媒以外の全ての成分をいい、液状モノマーや、イオン液体等も含まれる。
(3)その他の成分
配向層用樹脂組成物は、通常、溶媒を含むものである。また、必要に応じて、重合開始剤や重合禁止剤の他、光配向性材料、酸素に対する変化を抑制するための酸化防止剤、光に対する変化を抑制するための光安定化剤、紫外性を吸収する紫外線吸収剤、粘度を調整するための粘度調節剤、屈折率を調整するための屈折率調整剤、賦型性を向上させるためのフッ素系またはシリコン系潤滑剤等を含むものであっても良い。これらは従来公知の材料を適宜選択して用いればよい。
(微細凹凸形状)
本発明の配向層は、後述する屈折率異方性を有する棒状化合物を配列させることができるように表面に微細凹凸形状が形成されている態様とすることができる。
表面に形成された微細凹凸形状は、前記棒状化合物を一定方向に配列させることができるものであれば特に限定されるものではない。ここで、前記棒状化合物はライン状凹凸構造が形成された表面においては、当該ライン状凹凸構造の長手方向に平行に配列する性質を有するため、上記微細凹凸形状は、ライン状凹凸構造からなるものであることが好ましい。このようなライン状凹凸構造によれば上記棒状化合物を配列される方向を予め決定することができるからである。
上記配向層の表面にライン状凹凸構造が形成される態様としては、微小なライン状凹凸構造が略一定方向にランダムに形成された態様であってもよく、あるいはライン状凹凸構造がストライプ状に形成された態様であってもよい。
ここで、微小なライン状凹凸構造が略一定方向にランダムに形成された態様とは、例えば、表面にラビング処理がなされた場合等に形成されるような微小な傷のようなライン状凹凸構造が、略一定方向に形成された態様を意味するものである。一方、ライン状凹凸構造がストライプ状に形成された態様とは、壁状に形成された凸部が一定の間隔でストライプ状に形成された態様を意味するものである。ライン状凹凸構造の大きさは前述のランダムの態様よりも比較的大きく、例えば表面にラビング処理がなされた場合に形成されるような微小な傷のような凹凸形状はこれに含まれないものである。
ストライプ状のライン状凹凸構造が形成される場合、ライン状凹凸構造の高さ、幅、および周期は棒状化合物を配列させることができる範囲内で適宜設定すればよい。中でも本発明においてはストライプ状のライン状凹凸構造の幅は、1nm〜10000nmの範囲内であることが好ましく、1nm〜1000nmの範囲内であることがより好ましい。また、ストライプ状のライン状凹凸構造の高さは、1nm〜1000nmの範囲内であることが好ましく、1nm〜100nmの範囲内であることがより好ましく、20nm〜50nmの範囲内であることがさらに好ましい。さらに、ストライプ状のライン状凹凸構造の周期は2nm〜20000nmの範囲内であることが好ましく、20nm〜2000nmの範囲内であることがより好ましく、200nm〜2000nmの範囲内であることがさらに好ましい。
本発明に係る位相差フィルムをパターン位相差フィルムとする場合には、配向層は、少なくとも第1配向領域と第2配向領域がパターン状に形成されたものが用いられる。当該第1配向領域、及び第2配向領域に付された微細凹凸構造の向きや、当該第1配向領域および第2配向領域上にそれぞれ形成された、第1位相差層、及び第2位相差層の厚さを適宜調整することによって、光軸やリターデーション値を所望のものに調整することができる。
立体表示用パターン位相差フィルムとする場合には、例えば、第1位相差領域又は第2位相差領域の、光軸が直交し、面内リターデーション値がλ/4であるものや、第1位相差領域と、第2位相差領域の、光軸が同じで、面内リターデーション値の差をλ/2であるもの等とすればよい。
本発明における配向層において第1配向領域および第2配向領域が形成されるパターンは、本発明のパターン位相差フィルムの用途等に応じて適宜決定することができる。例えば、帯状パターン、モザイク状パターン、千鳥配置状パターン等を挙げられる。中でも、液晶表示装置の製造の容易性から、第1配向領域と第2配向領域が互いに平行な帯状のパターンに形成されていることが好ましい。
上記第1配向領域と第2配向領域が帯状のパターンに形成されている場合、第1配向領域と第2配向領域の幅は同一であっても異なっていてもよい。液晶表示装置の製造容易性の点から、第1配向領域の幅と第2配向領域の幅は同一であることが好ましい。
また、当該帯状パターンの幅は、パターン位相差フィルムの用途に応じて適宜決定される。例えば、本発明のパターン位相差フィルムを、3次元表示可能な液晶表示装置に用いる場合には、当該液晶表示装置用いられるカラーフィルタの画素部の幅に対応するように設定すればよく、特に限定されないが、50μm〜1000μmの範囲内であることが好ましく、100μm〜600μmの範囲内であることがより好ましい。
また、本発明において上記第1配向領域および上記第2配向領域が上記帯状のパターンに形成されている場合、上記第1配向領域および上記第2配向領域の間に、光を吸収するブラックラインを設けてもよい。この場合、ブラックラインの幅は特に限定されるものではないが、通常、10μm〜30μmの範囲内であることが好ましい。
さらに、本発明において上記第1配向領域および上記第2配向領域が上記帯状のパターンに形成されている場合、帯状のパターンが形成される方向は特に限定されない。例えば、パターン位相差フィルムが長尺状に形成される場合、上記帯状のパターンは帯状の長手方向がパターン位相差フィルムの長尺方向と平行方向であってもよく、直交方向であってもよく、斜めに交差する方向であってもよい。中でも、上記帯状のパターンは帯状の長手方向がパターン位相差フィルムの長尺方向と平行方向であることが好ましい。
配向層の厚さは、後述する位相差層における棒状化合物を一定方向に配列できればよく、適宜設定すればよい。賦型法により配向層を形成する場合、配向層の厚さは、通常、1〜10μmであり、2〜5μmであることが好ましい。
また、得られた配向層の表面抵抗値は、光軸ずれやリターデーション変化の発生を抑制する点から、1×1013Ω/□以下であることが好ましい。
(位相差層)
本発明における位相差層は、屈折率異方性を有する棒状化合物を含有するものであり、前記配向層上に形成される。位相差層が配向層上に形成されることにより、位相差層中の屈折率異方性を有する棒状化合物が規則的に配列し、位相差フィルムに位相差性が付与される。本発明においては、位相差層が前記特定の配向層上に形成されることにより、位相差フィルムの配向性が低下せず、光軸ずれやリターデーション変化を生じにくい。
本発明に用いられる棒状化合物は屈折率異方性を有するものである。本発明における位相差層中に含有される棒状化合物は、配向層により規則的に配列することができるものの中から適宜選択して用いることができる。中でも、本発明に用いられる棒状化合物は、液晶性を示す液晶性材料であることが好ましい。液晶性材料は屈折率異方性が大きいため、本発明の位相差フィルムに所望の位相差性を付与することが容易になるからである。
上記液晶性材料としては、例えば、ネマチック相、スメクチック相等の液晶相を示す材料を挙げることができる。本発明においては、これらのいずれの液晶相を示す材料であっても好適に用いることができるが、なかでもネマチック相を示す液晶性材料を用いることが好ましい。ネマチック相を示す液晶性材料は、他の液晶相を示す液晶性材料と比較して規則的に配列させることが容易であるからである。
また、本発明においては上記ネマチック相を示す液晶性材料として、メソゲン両端にスペーサを有する材料を用いることが好ましい。メソゲン両端にスペーサを有する液晶性材料は柔軟性に優れるため、このような液晶性材料を用いることにより、本発明の位相差フィルムを透明性に優れたものにできるからである。
さらに、本発明に用いられる棒状化合物は、分子内に重合性官能基を有するものが好適に用いられる。上記棒状化合物が重合性官能基を有することにより、上記棒状化合物を重合して固定することが可能になるため、配列安定性に優れ、位相差性の経時変化が生じにくい位相差層を得ることができるからである。なお、重合性官能基を有する棒状化合物を用いた場合、本発明における位相差層には、重合性官能基によって架橋された棒状化合物が含有されることになる。
上記重合性官能基としては、例えば、紫外線、電子線等の電離放射線、或いは熱の作用によって重合する重合性官能基を挙げることができる。これら重合性官能基の代表例としては、ラジカル重合性官能基、或いはカチオン重合性官能基等が挙げられる。さらにラジカル重合性官能基の代表例としては、少なくとも一つの付加重合可能なエチレン性不飽和二重結合を持つ官能基が挙げられ、具体例としては、置換基を有するもしくは有さないビニル基、アクリレート基(アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基を包含する総称)等が挙げられる。また、上記カチオン重合性官能基の具体例としては、エポキシ基等が挙げられる。その他、重合性官能基としては、例えば、イソシアネート基、不飽和3重結合等が挙げられる。これらの中でもプロセス上の点から、エチレン性不飽和二重結合を持つ官能基が好適に用いられる。
さらにまた、本発明における棒状化合物は液晶性を示す液晶性材料であって、末端に上記重合性官能基を有するものが特に好ましい。このような液晶性材料を用いることにより、液晶性材料同士が互いに結合して、網目(ネットワーク)構造の状態にすることができるため、配列安定性を備え、経時変化の生じにくい位相差層を得ることができる。
なお、本発明においては片末端に重合性官能基を有する液晶性材料を用いた場合であっても、他のモノマーと架橋して配列安定化することができる。
本発明に用いられる棒状化合物の具体例としては、下記式(1)〜(17)で表される化合物を例示することができる。
なお、本発明において上記棒状化合物は、1種類のみを用いてもよく、または、2種以上を混合して用いてもよい。例えば、上記棒状化合物として、両末端に重合性官能基を1つ以上有する液晶性材料と、片末端に重合性官能基を1つ以上有する液晶性材料とを混合して用いると、両者の配合比の調整により重合密度(架橋密度)及び光学特性を任意に調整できる点から好ましい。また、信頼性確保の観点からは、両末端に重合性官能基を1つ以上有する液晶性材料が好ましいが、液晶配向の観点からは両末端の重合性官能基が1つであることが好ましい。
位相差層の厚さは、所望の面内リターデーション値が得られるように、前記棒状化合物の種類等に応じて適宜決定すればよいものであるが、通常、0.5μm〜4μmの範囲内であることが好ましく、1μm〜3μmの範囲内であることがより好ましく、1μm〜2μmの範囲内であることがさらに好ましい。
<位相差フィルムの製造方法>
本発明の位相差フィルムを製造する方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、透明基材上に、配向層用硬化性樹脂組成物を塗布し、硬化させることによって配向層を形成した後、当該配向層上に、前記棒状化合物を含有する位相差層形成用組成物を塗工し、必要に応じて硬化処理を行って位相差層を形成すること方法が挙げられる。また、透明基材上に予め別個に形成した配向層を転写する方法も挙げることができる。
上記透明フィルム基材上に配向層を形成する方法としては、例えば、透明フィルム基材上に上述した構成材料を含有する配向層形成用塗工液を塗布し、乾燥することによって配向層用硬化性樹脂組成物からなる塗膜を形成し、賦型工程を経て、当該塗膜の表面に微細凹凸形状を形成する方法等を挙げることができる。
配向層形成用塗工液を塗布方法は、所望の厚みの配向層を精度良く塗布できる方法であればよく、適宜選択すればよい。例えば、グラビアコート法、リバースコート法、ナイフコート法、ディップコート法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、スピンコート法、ロールコート法、プリント法、浸漬引き上げ法、カーテンコート法、ダイコート法、キャスティング法、バーコート法、エクストルージョンコート法、E型塗布方法などが挙げられる。
上記賦型工程は、所望の微細凹凸形状が形成された金型上に、配向層用硬化性樹脂組成物からなる塗膜を接触させた後、加圧し、当該塗膜に金型表面の微細凹凸形状を賦型する工程である。
賦型する方法としては、上記配向層用硬化性樹脂組成物に上記金型の表面形状を精度よく賦型できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、(1)金型上に上記配向層用硬化性樹脂組成物を塗工し、上記配向層用硬化性樹脂組成物を形成する充填処理と、上記配向層形成用層上に透明基材を配置する配置処理と、を行った後に、加圧し、紫外線を照射して硬化する方法、(2)透明基材上に上記配向層用硬化性樹脂組成物を塗工し塗膜を形成した後、当該塗膜を、前記金型上に接触させる接触処理とを行った後に加圧し、紫外線を照射して硬化する方法、(3)前記金型上に上記配向層用硬化性樹脂組成物を塗工し塗膜を形成した後、加圧し、紫外線を照射して硬化することにより、配向層を形成した後、透明基材に貼り合せる方法などが挙げられる。これらの方法であれば、上記配向層を精度よく安定的に形成することができる。
本発明の位相差フィルムをパターン位相差フィルムとする場合には、微細凹凸形状が所望のパターン状に付された金型を用いて上記と同様の方法により、配向層を形成すればよい。
次いで、上記の方法により得られた配向層上に、前記棒状化合物を含有する位相差層形成用組成物を塗工し、必要に応じて硬化処理を行って位相差層を形成する。
位相差層形成用組成物は、少なくとも前記棒状化合物を含有するものであるが、通常、溶媒を含むものである。また、必要に応じて他の成分を含有するものであってもよい。
位相差層形成用組成物において用いられる溶媒は、上記棒状化合物を均一に溶解または分散できるものの中から、適宜選択すればよい。具体的には、上記配向層用硬化性樹脂組成物に用いられる溶媒と同様のものが挙げられる。
また、他の成分は、前記棒状化合物の配列秩序を害さない範囲で、適宜用いることができる。他の成分としては、例えば、カイラル剤、重合開始剤、重合禁止剤、可塑剤、界面活性剤、シランカップリング剤、レベリング剤等を挙げることができる。
上記棒状化合物として重合性を有する化合物を用いる場合は、重合開始剤、及び重合禁止剤を用いることが好ましい。
位相差層形成用組成物における重合開始剤及び重合禁止剤としては、前記配向層用硬化性組成物に用いられるものと同様のものが挙げられる。
位相差層形成用組成物中の前記棒状化合物の含有量としては、配向層上に塗布する塗布方法に応じて、位相差層形成用組成物の粘度を所望の値にできるものであれば特に限定されない。中でも、上記位相差層形成用組成物全体に対する棒状化合物の含有割合が、5質量%〜40質量%の範囲内であることが好ましく、10質量%〜30質量%の範囲内であることがより好ましい。
位相差層形成用組成物の塗布方法は、所望の厚みの位相差層を精度良く塗布できる方法であればよく、前記配向層用硬化性組成物の塗布方法と同様のものとすることができる。
[液晶表示装置]
本発明に係る液晶表示装置は、第1偏光板と、
前記第1偏光板上に配置され、パターン状に画素部が形成されたカラーフィルタを備える液晶セルと、
前記液晶セル上に配置された第2偏光板と、
前記第2偏光板上に配置された前記本発明に係るパターン位相差フィルムと、
を有する液晶表示装置であって、
前記カラーフィルタにおいて前記画素部が形成されているパターンと、前記パターン位相差フィルムの前記位相差層が形成されているパターンとが、対応関係にあることを特徴とする。
このような本発明の液晶表示装置について図を参照しながら説明する。図3は本発明の液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。図3に例示するように、液晶表示装置40は、第1偏光板41と、上記第1偏光板41上に配置され、パターン状に画素部42aが形成されたカラーフィルタを備える液晶セル42と、上記液晶セル42上に配置された第2偏光板43と、上記第2偏光板43上に配置された上記本発明に係る積層型パターン位相差板30とを有するものである。このような例において、上記カラーフィルタにおいて上記画素部42aが形成されているパターンと、上記積層型パターン位相差板30の上記位相差層31において、上記第1位相差領域31Aが配置されているパターンと、が対応関係にあることを特徴とするものである。
通常、液晶表示装置40は、上記第2偏光板43の偏光軸方向と、上記積層型パターン位相差板30における上記第1位相差領域31Aの遅相軸方向とがなす角度が45°に設定される。
本発明によれば、製造工程でコートムラが発生することによる光軸ずれがなく、配向性にも優れた前記本発明に係る位相差フィルムをパターン位相差フィルムとして用いることにより、3次元映像を表示することが可能で、表示性能の高い液晶表示装置を得ることができる。
本発明の液晶表示装置は、少なくとも第1偏光板、液晶セル、第2偏光板、および本発明に係るパターン位相差フィルムを有するものであり、必要に応じて他の構成を有してもよいものである。
以下、本態様に用いられる各構成について説明するが、パターン位相差フィルムについては上述した通りであるので、ここでの説明は省略する。
<液晶セル>
液晶セルは、パターン状に形成された画素部を有するカラーフィルタを備えるものである。本態様に用いられる液晶セルとしては、特に限定されるものではなく、一般的に液晶表示装置用の液晶セルとして公知のものを用いることができる。
<第1偏光板及び第2偏光板>
本態様に用いられる第1偏光板および第2偏光板としては、透過光を直線偏光とすることができるものであれば特に限定されるものではなく、一般的に液晶表示装置に用いられる偏光板を用いることができる。
本発明の液晶表示装置においては液晶セルを挟持するように第1偏光板および第2偏光板が配置されるが、第1偏光板はバックライト側に配置されるものであり、第2偏光板は表示側に配置されるものである。また、第1偏光板および第2偏光板は偏光軸が互いに直交する方向で配置される。
本態様の液晶表示装置は、上記第2偏光板の偏光軸方向と、上記積層型パターン位相差板における上記第1位相差領域の進相軸または遅相軸方向とがなす角度が45°であり、かつ上記カラーフィルタにおいて上記画素部が形成されているパターンと、上記積層型パターン位相差板の上記位相差層において、上記第1位相差領域が配置されているパターンと、が対応関係にあることを特徴とするものである。本態様において、上記画素部が形成されているパターンと、上記第1配向領域が形成されているパターンとの対応関係をどのような態様にするかは、上記カラーフィルタにおいて画素部が配置されている態様等に応じて適宜決定することができる。このような対応関係としては、例えば、液晶表示装置に用いられているカラーフィルタの左右方向の1ライン毎にパターン位相差フィルムの上記第1位相差領域の各ラインが対応する状態にする等を挙げることができる。尚、位置合わせのずれを防止する目的で、必要に応じて隣り合ったライン間に光を吸収する黒いラインを設けても良い。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。
[実施例1:パターン位相差フィルム1の製造]
下記のようにロールツーロールの連続生産方式により、長尺状のパターン位相差フィルムを製造した。
まず、ロール状の銅板を準備し、当該銅板の表面をラビング処理することにより、当該銅板の軸方向に幅500μmの帯状パターンを有する賦型用銅板を作製した。当該帯状パターンは、銅板の円周方向からみて45°方向と135°方向に微細凹凸形状が交互に形成されている。
また、ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂及び、脂肪族4級アンモニウムカチオンであるテトラブチルアンモニウムと、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンからなるイオン液体1(全固形分に対して5質量%)を、メチルエチルケトン(MEK)で固形分45質量%に希釈し、配向層用硬化性樹脂組成物1とした。
長尺状の透明基材(富士フィルム株式会社製、フジタック)上に、グラビア法により上記配向層用硬化性樹脂組成物1を塗布し、80℃で熱風乾燥後、膜厚が1μmの配向層形成用の塗膜とした。次いで、当該配向層形成用の塗膜に前記賦型用銅版を加圧しながら押し当て、更に前記透明基材側から紫外線照射をすることにより、前記賦型用銅版の微細凹凸形状が賦型された配向層を形成し、配向層積層体1を得た。
次いで、シクロヘキサノンに固形分20%で溶解した下記化学式で表される液晶性材料溶液に光重合開始剤(BASF株式会社製イルガキュア184)を5質量%を加えた溶液を、上記配向層上にダイコーターで乾燥硬化時の膜厚が2μmになるように塗布、80℃で熱風乾燥し、紫外線を照射して硬化させ、パターン位相差フィルム1を得た。
上記パターン位相差フィルムを図3の構成になるように3次元表示可能な液晶ディスプレイのカラーフィルタの左右方向のラインに対応して貼合し、左右円偏光メガネをかけて見たところ、3次元画像が見えた。
[実施例2:パターン位相差フィルム2の製造]
実施例1において、イオン液体1の代わりに、別の脂肪族4級アンモニウムカチオンであるトリメチルヘキサデシルアンモニウムと、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンからなるイオン液体2を含有する配向層用硬化性樹脂組成物2を用いた以外は、実施例1と同様にして、配向層積層体2、及びパターン位相差フィルム2を得た。
[実施例3:パターン位相差フィルム3の製造]
実施例1において、イオン液体1の代わりに、別の脂肪族4級アンモニウムカチオンであるテトラアリルアンモニウムと、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンからなるイオン液体3を含有する配向層用硬化性樹脂組成物3を用いた以外は、実施例1と同様にして、配向層積層体3、及びパターン位相差フィルム3を得た。
[実施例4:パターン位相差フィルム4の製造]
実施例1において、イオン液体1の代わりに、ホスホニウム系カチオンであるテトラブチルホスホニウムと、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンからなるイオン液体4を含有する配向層用硬化性樹脂組成物4を用いた以外は、実施例1と同様にして、配向層積層体4、及びパターン位相差フィルム4を得た。
[実施例5:パターン位相差フィルム5の製造]
実施例1において、イオン液体1の代わりに、ピリジニウム系カチオンである1−へキシル−4−メチルピリジニウムと、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンからなるイオン液体5を含有する配向層用硬化性樹脂組成物5を用いた以外は、実施例1と同様にして、配向層積層体5、及びパターン位相差フィルム5を得た。
[実施例6:パターン位相差フィルム6の製造]
実施例1において、イオン液体1の代わりに、水酸基を1個有する4級アンモニウムカチオンであるN−(2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル)−N,N−ジメチルアミンと、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンからなるイオン液体6を含有する配向層用硬化性樹脂組成6を用いた以外は、実施例1と同様にして、配向層積層体6、及びパターン位相差フィルム6を得た。
[実施例7:パターン位相差フィルム7の製造]
実施例1において、イオン液体1の代わりに、水酸基を1個有するピリジウム系カチオンであるN−(2−ヒドロキシエチル)ピリジニウムと、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンからなるイオン液体7を含有する配向層用硬化性樹脂組成物7を用いた以外は、実施例1と同様にして、配向層積層体7、及びパターン位相差フィルム7を得た。
[実施例8:パターン位相差フィルム8の製造]
実施例1において、イオン液体1の代わりに、水酸基を2個有する4級アンモニウムカチオンであるN−オレイル−N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルアンモニウムと、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンからなるイオン液体8を含有する配向層用硬化性樹脂組成物8を用いた以外は、実施例1と同様にして、配向層積層体8、及びパターン位相差フィルム8を得た。
[実施例9:パターン位相差フィルム9の製造]
実施例1において、イオン液体1の代わりに、ポリオキシエチレン鎖を有し、水酸基を2個有する4級アンモニウムカチオンである[C1225(−CH){−(CHCHO)H}{−(CHCHO)H}](m+n=15)と、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンからなるイオン液体9を含有する配向層用硬化性樹脂組成物9を用いた以外は、実施例1と同様にして、配向層積層体9、及びパターン位相差フィルム9を得た。
[実施例10:パターン位相差フィルム10の製造]
実施例1において、イオン液体1の代わりに、水酸基を2個有する4級アンモニウムカチオンであるN−オレイル−N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−N−エチルアンモニウムと、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンからなるイオン液体10を含有する配向層用硬化性樹脂組成物10を用いた以外は、実施例1と同様にして、配向層積層体10、及びパターン位相差フィルム10を得た。
[比較例1:比較パターン位相差フィルム1の製造]
実施例1において、イオン液体1を用いず、紫外線硬化性樹脂のみを含有する比較配向層用硬化性樹脂組成物1を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較配向層積層体1、及び比較パターン位相差フィルム1を得た。
[比較例2:比較パターン位相差フィルム2の製造]
実施例1において、イオン液体1の代わりに、融点が100℃より高いリチウムイオン系帯電防止剤を含有する比較配向層用硬化性樹脂組成物2を用いた以外は、実施例1と同様にして、比較配向層積層体2、及び比較パターン位相差フィルム2を得た。
<表面抵抗の評価>
位相差層を形成する前の上記配向層積層体1〜10及び比較配向層積層体1〜2について、それぞれハイレスタUP(三菱化学アナリテック製)を用いて表面抵抗(Ω/□)を測定した。表面抵抗が低ければ、位相差フィルム製造工程において、配向不良の原因となる帯電が抑制でき、得られる位相差フィルムは光軸ずれやリターデーション変化の発生が少ないといえる。結果を表1に示す。
(表面抵抗の評価基準)
良 :表面抵抗値が1×1013Ω/□以下であった。
不良:表面抵抗値が1×1013Ω/□を超えていた。
<配向不良(配向ムラ)評価>
2枚の偏光板をクロスニコルに配置し、上記パターン位相差フィルム1〜10、及び比較パターン位相差フィルム1〜2をそれぞれ、2枚の偏光板の間に入れて回転させ、黒輝度の濃淡ムラを目視で観察した。黒輝度に濃淡ムラがなければ、光軸ずれやリターデーションの変化がなく、配向層に部分的な配向不良が生じていないものと評価される。結果を表1に示す。
<配向性の評価>
2枚の偏光板をクロスニコルに配置し、上記パターン位相差フィルム1〜10、及び比較パターン位相差フィルム1〜2をそれぞれ、2枚の偏光板の間に入れて回転させ、輝度計((株)トプコンテクノハウス製:BM-5)を用いて消光位の輝度を測定した。結果を表1に示す。
(配向性の評価基準)
良 :クロスニコルの消光位の黒輝度が10cd/m以下であった。
不良:クロスニコルの消光位の黒輝度が10cd/mを超えていた。
[結果のまとめ]
紫外線硬化性樹脂と、イオン液体とを含有する配向層用硬化性樹脂組成物の硬化物からなる配向層を有する実施例1〜10のパターン位相差フィルムは、表面抵抗が小さくなり、帯電防止性能に優れているため、配向不良が生じなかった。また、配向性にも優れていることがわかった。
イオン液体を使用していない比較例1のパターン位相差フィルムは、配向性は良好であったが、一部に帯電による配向不良が生じた。表面抵抗が大きく、放電により配向不良が生じたものと推測される。
イオン液体の代わりに融点が100℃より高いリチウムイオン系帯電防止剤を用いた比較例2のパターン位相差フィルムは、表面抵抗が小さくなり、配向不良は生じなかった。一方、配向性は悪くなった。これは、配向層表面に固体の帯電防止剤が存在し、配向規制力に悪影響を与えたためと推測される。
1 透明基材
2 配向層
3 位相差層
10A 位相差フィルム
10B パターン位相差フィルム
11 透明基材
12 配向層
13 パターン位相差層
13A 第1位相差領域
13B 第2位相差領域
14 反射防止層またはアンチグレア層
30 パターン位相差フィルム
31 パターン位相差層
31A 第1位相差領域
32 配向層が積層した透明基材
40 液晶表示装置
41 第1偏光板
42 液晶セル
42a 画素部
43 第2偏光板

Claims (5)

  1. 透明基材の一面側に、配向層、及び位相差層がこの順に設けられた位相差フィルムであって、
    前記配向層は、紫外線硬化性樹脂と、イオン液体とを含有する配向層用硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、
    前記位相差層は、屈折率異方性を有する棒状化合物を含有することを特徴とする、位相差フィルム。
  2. 前記配向層が、前記棒状化合物を配列させることができるように表面に微細凹凸形状が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の位相差フィルム。
  3. 前記イオン液体におけるアニオンが、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオンであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の位相差フィルム。
  4. 前記位相差層がパターン状に形成されているパターン位相差フィルムである、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の位相差フィルム。
  5. 第1偏光板と、
    前記第1偏光板上に配置され、パターン状に画素部が形成されたカラーフィルタを備える液晶セルと、
    前記液晶セル上に配置された第2偏光板と、
    前記第2偏光板上に配置された請求項4に記載のパターン位相差フィルムと、
    を有する液晶表示装置であって、
    前記カラーフィルタにおいて前記画素部が形成されているパターンと、前記パターン位相差フィルムの前記位相差層が形成されているパターンとが、対応関係にあることを特徴とする、液晶表示装置。
JP2012141273A 2012-06-22 2012-06-22 位相差フィルム、及び液晶表示装置 Pending JP2014006356A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012141273A JP2014006356A (ja) 2012-06-22 2012-06-22 位相差フィルム、及び液晶表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012141273A JP2014006356A (ja) 2012-06-22 2012-06-22 位相差フィルム、及び液晶表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014006356A true JP2014006356A (ja) 2014-01-16

Family

ID=50104136

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012141273A Pending JP2014006356A (ja) 2012-06-22 2012-06-22 位相差フィルム、及び液晶表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014006356A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022030481A1 (ja) * 2020-08-07 2022-02-10 Agc株式会社 光学素子

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022030481A1 (ja) * 2020-08-07 2022-02-10 Agc株式会社 光学素子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6138267B2 (ja) 液晶組成物
JP6089348B2 (ja) 光学フィルム
US8355203B2 (en) Optical functional film, retardation film, composition for forming optical functional layer and producing method of optical functional film
JP2012073515A (ja) 位相差フィルム、偏光子付き位相差フィルム、および液晶表示装置
JP5621477B2 (ja) 位相差フィルム、偏光子付き位相差フィルム、および液晶表示装置
KR20140097557A (ko) 입체 화상 표시 장치, 그 제조 방법 및 경계 불균일의 저감 방법, 입체 화상 표시 시스템 그리고 패턴 위상차판
EP3407127B1 (en) Method for manufacturing multilayer liquid crystal film
JP2016105127A (ja) 配向膜、積層体、光学フィルム、光学フィルムの製造方法、偏光板、液晶表示装置および配向膜形成用組成物
CN115524776A (zh) 光学层叠体、视角控制系统及图像显示装置
JP5545262B2 (ja) 発光型表示装置
JP4548036B2 (ja) 光学積層体、偏光板、および液晶表示装置
CN114051586A (zh) 长条膜
JP2014006356A (ja) 位相差フィルム、及び液晶表示装置
JP6393335B2 (ja) 光学積層体の製造方法、光学積層体、偏光板および有機el表示装置
JP2015068949A (ja) 位相差フィルム及びその製造方法、偏光板、並びに、画像表示装置
KR20170073918A (ko) 편광판 및 이의 제조방법 및 이를 포함하는 표시 장치
JP2013003345A (ja) 位相差フィルム、偏光子付き位相差フィルム、および液晶表示装置
JP5740892B2 (ja) 位相差フィルム、偏光子付き位相差フィルム、積層型パターン位相差板、および液晶表示装置
WO2020054720A1 (ja) 液晶フィルム、偏光板、円偏光板および画像表示装置
JP2015067690A (ja) 位相差フィルム用ハードコートフィルム及び位相差フィルム
JP2016080880A (ja) 偏光子付き位相差フィルムの製造方法、及び位相差フィルムの評価方法
JP2015197459A (ja) 位相差フィルム、位相差フィルムの製造方法、偏光板及び画像表示装置
JP7434573B2 (ja) 光学異方性層
JP2015068951A (ja) 位相差フィルム及びその製造方法、偏光板、並びに、画像表示装置
JP2016191874A (ja) 光学フィルム