JP2014005553A - 高度難燃性繊維および繊維構造物 - Google Patents
高度難燃性繊維および繊維構造物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2014005553A JP2014005553A JP2012139981A JP2012139981A JP2014005553A JP 2014005553 A JP2014005553 A JP 2014005553A JP 2012139981 A JP2012139981 A JP 2012139981A JP 2012139981 A JP2012139981 A JP 2012139981A JP 2014005553 A JP2014005553 A JP 2014005553A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber
- carboxyl group
- flame
- salt
- type
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)
- Artificial Filaments (AREA)
- Woven Fabrics (AREA)
Abstract
本発明は、高度難燃性繊維および繊維構造物に関するものであり、燃焼時にハロゲン化水素ガスなどの有害ガスの発生がなく、焼却処理を含む廃棄時に埋め立てされても重金属化合物、リン系化合物の溶出がなく、さらに接炎時であっても有炎燃焼せず、その後の残じんもない加工性に優れた高度難燃性を有する繊維を提供する。
【解決手段】
架橋構造及び0.7mmol/g以上のカルボキシル基を有する有機高分子からなる繊維であって、かかるカルボキシル基の少なくとも一部がアルミニウム塩型であって、JIS L1091 A−4法(垂直法)で規定する燃焼性の測定において、該繊維100%不織布が有炎燃焼せず、かつ残じんがないことを特徴とする高度難燃性繊維。
【選択図】なし
Description
[1]架橋構造及び0.7mmol/g以上のカルボキシル基を有する有機高分子からなる繊維であって、かかるカルボキシル基の少なくとも一部がアルミニウム塩型であって、JIS L1091 A−4法(垂直法)で規定する燃焼性の測定において、該繊維100%不織布が有炎燃焼せず、かつ残じんがないことを特徴とする高度難燃性繊維。
[2]0.2mmol/g以上のアルミニウム塩型カルボキシル基を有することを特徴とする[1]に記載の高度難燃性繊維。
[3]アルミニウム塩型カルボキシル基の全カルボキシル基に対する割合が30mol%以下であり、かつアルミニウム塩型以外の塩型カルボキシル基より多いことを特徴とする[1]または[2]に記載の高度難燃性繊維。
[4]全カルボキシル基のうち、アルミニウム塩型以外の塩型カルボキシル基が0.1mmol/g以下であることを特徴とする[1]から[3]のいずれかに記載の高度難燃性繊維。
[5][1]から[4]のいずれかに記載の高度難燃性繊維を少なくとも一部に使用した繊維構造物。
ニウム等を挙げることができる。ただし、安全上、環境への影響の点から、グアニジン系およびメラミン系化合物、あるいは水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の有害化合物でないものが好ましい。
十分乾燥した供試繊維約1gを精秤し(X〔g〕)、これに200mLの1規定塩酸を加え30分間放置したのちガラスフィルターで濾過し水を加えて水洗する。この塩酸処理を3回繰り返したのち、濾液がpH5以上になるまで十分に水洗する。次にこの試料を200mlの水に入れ1規定塩酸を添加してpH2にした後、0.1規定水酸化ナトリウム水溶液で常法に従って滴定曲線を求めた。該滴定曲線からカルボキシル基に消費された苛水酸化ナトリウム水溶液消費量(Y〔cm3〕)を求め、次式によって全カルボキシル基量を算出した。
全カルボキシル基量〔mmol/g〕 =0.1Y/X
各金属塩型カルボキシル基量〔mmol/g〕、
アルミニウム塩型カルボキシル基割合〔mol%〕:
十分乾燥した供試繊維を精秤し、常法に従って濃硫酸と濃硝酸の混合溶液で酸分解したのち、カルボキシル基の塩の形で含有するアルミニウムを常法に従って原子吸光光度法により定量し、原子量で除することによりアルミニウム塩型カルボキシル基量として算出した。得られた「アルミニウム塩型カルボキシル基量」を、前記「全カルボキシル基量」で除し、モル分率で表すことによりアルミニウム塩型カルボキシル基割合を求めた。
上述と同様な方法で、ナトリウムおよびマグネシウムを原子吸光光度法により定量し、繊維重量あたりの各金属含有量、各金属塩型カルボキシル基量を求めた。
限界酸素指数(LOI):JIS K7201−2測定法に準拠して行なった。この値が大きいものほど難燃性が高いことを意味する。
発煙性:ASTM E−662に準拠して、発煙性煙濃度を光透過率(Ds)として測定し、定量化した。この値が小さなものほど、発煙性が低いことを意味する。
繊維の引張伸度〔%〕、
繊維の結節強度〔cN/dtex〕:
以上の繊維物性に関しては、JIS L1015に準拠して評価を行なった。
被測定繊維2gをテドラーバッグに入れ密封し、濃度500ppmのアンモニアガス3Lを注入し、室温で120分放置後にテドラーバッグ内のアンモニア濃度(W1〔ppm〕)を北川式検知管により測定した。また、試料を入れないテドラーバッグにも同様に500ppmのアンモニアガス3Lを注入し、120分後に同様にアンモニア濃度(W2〔ppm〕)を測定し空試験とした。以上の結果から、次式に従って、アンモニアガス除去率を算出した。
アンモニアガス除去率〔%〕={(W2−W1)/W2}×100
アクリロニトリル90%及びアクリル酸メチル10%のアクリロニトリル系重合体を48%のロダンソーダ水溶液で溶解した紡糸原液を作成し、常法に従って紡糸、水洗、延伸、捲縮、熱処理をして、0.9dtex、57mmの原料繊維を得た。この原料繊維1kgに15%の水加ヒドラジン水溶液10kgを加え、100℃で3時間架橋処理した。該架橋繊維を水洗後、更に5%の水酸化ナトリウム水溶液10kgを加え、95℃で1時間加水分解した。次いで、1規定硝酸で処理して、カルボキシル基をカルボン酸基に変換し、水洗後、1規定水酸化ナトリウム水溶液でpH12に調整、水洗し、ナトリウム塩型カルボキシル基を有する繊維を得た。この後さらに27%硫酸アルミニウム水溶液10kgを添加し、60℃で3時間アルミニウム塩型への変換処理を行ない、十分水洗した後、脱水、油剤処理及び乾燥を行い本発明の高度難燃性繊維を得た。
加水分解までは実施例1と同様な方法により、ナトリウム塩型カルボキシル基を有した架橋繊維を得た。次に該加水分解処理後、繊維を水洗し、これに27%硫酸アルミニウム水溶液10kgを添加して、60℃で4時間アルミニウム塩型カルボキシル基への変換処理を行なった。十分水洗した後、脱水、油剤処理及び乾燥を行い本発明の高度難燃性繊維を得、かかる繊維のみで200g/m2の目付けの不織布(厚さ5mm)を作成した。得られた繊維、不織布の難燃性等の評価結果を表1に併記した。
アルミニウム塩型カルボキシル基への変換処理において、処理時間を3時間から2時間に短縮する以外は実施例1と同様な方法により本発明の高度難燃性繊維を得、かかる繊維のみで200g/m2の目付けの不織布(厚さ5mm)を作成した。得られた繊維、不織布の難燃性等の評価結果を表1に併記した。
アルミニウム塩型カルボキシル基への変換処理において、処理時間を3時間から1時間に短縮する以外は実施例1と同様な方法により繊維を得、かかる繊維のみで200g/m2の目付けの不織布(厚さ5mm)を作成した。得られた繊維、不織布の難燃性等の評価結果を表1に併記した。
実施例1の操作において、1規定水酸化ナトリウム水溶液でのpH調整以降の操作を省略することでカルボン酸基のみを有する繊維を得、かかる繊維のみで200g/m2の目付けの不織布(厚さ5mm)を作成した。得られた繊維、不織布の難燃性等の評価結果を表1に併記した。
実施例1と同様の方法により得た0.9dtex、57mmのアクリロニトリル系原料繊維1kgに15重量%の水加ヒドラジン10kgを加え、98℃で3時間架橋処理した。該架橋繊維を水洗後、更に3重量%の水酸化ナトリウム9kgを加え、92℃で5時間加水分解した。次いで、1規定硝酸で処理して、カルボキシル基をカルボン酸基に変換し、水洗後、1規定水酸化ナトリウム水溶液でpHを12に調整、水洗し、ナトリウム塩型カルボキシル基を有する繊維を得た。この後さらに10%硝酸マグネシウム水溶液8kgを添加し、60℃で2時間マグネシウム塩型への変換処理を行ない、十分水洗した後、脱水、油剤処理及び乾燥を行い、マグネシウム塩型カルボキシル基を有する繊維を得、かかる繊維のみで200g/m2の目付けの不織布(厚さ5mm)を作成した。得られた繊維、不織布の難燃性等の評価結果を表1に併記した。
Claims (5)
- 架橋構造及び0.7mmol/g以上のカルボキシル基を有する有機高分子からなる繊維であって、かかるカルボキシル基の少なくとも一部がアルミニウム塩型であって、かつJIS L1091 A−4法(垂直法)で規定する燃焼性の測定において、該繊維100%不織布が有炎燃焼せず、かつ残じんがないことを特徴とする高度難燃性繊維。
- 0.2mmol/g以上のアルミニウム塩型カルボキシル基を有することを特徴とする請求項1に記載の高度難燃性繊維。
- アルミニウム塩型カルボキシル基の全カルボキシル基に対する割合が30mol%以下であり、かつアルミニウム型以外の塩型カルボキシル基より多いことを特徴とする請求項1または2に記載の高度難燃性繊維。
- 全カルボキシル基のうち、アルミニウム塩型以外の塩型カルボキシル基が0.1mmol/g以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の高度難燃性繊維。
- 請求項1から4のいずれかに記載の高度難燃性繊維を少なくとも一部に使用した難燃性繊維構造物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012139981A JP6024948B2 (ja) | 2012-06-21 | 2012-06-21 | 高度難燃性繊維および繊維構造物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012139981A JP6024948B2 (ja) | 2012-06-21 | 2012-06-21 | 高度難燃性繊維および繊維構造物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2014005553A true JP2014005553A (ja) | 2014-01-16 |
JP6024948B2 JP6024948B2 (ja) | 2016-11-16 |
Family
ID=50103529
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012139981A Active JP6024948B2 (ja) | 2012-06-21 | 2012-06-21 | 高度難燃性繊維および繊維構造物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6024948B2 (ja) |
Citations (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05132858A (ja) * | 1991-11-11 | 1993-05-28 | Toyobo Co Ltd | 高吸放湿性繊維及びその製造方法 |
JPH07216730A (ja) * | 1994-02-08 | 1995-08-15 | Japan Exlan Co Ltd | pH緩衝性繊維及びその製造方法 |
JPH08325938A (ja) * | 1995-06-05 | 1996-12-10 | Japan Exlan Co Ltd | pH緩衝性吸湿性アクリル系繊維及びその製造方法 |
JPH0959872A (ja) * | 1995-06-05 | 1997-03-04 | Japan Exlan Co Ltd | 吸湿性架橋アクリル系繊維及び該繊維を用いた繊維構造体 |
JPH09158040A (ja) * | 1995-11-29 | 1997-06-17 | Toyobo Co Ltd | 改善された高吸放湿性繊維及びその製造方法 |
JP2000303353A (ja) * | 1999-04-16 | 2000-10-31 | Japan Exlan Co Ltd | 高白度吸湿性繊維及び該繊維の製造方法 |
WO2006027911A1 (ja) * | 2004-09-07 | 2006-03-16 | Japan Exlan Company Limited | 高度難燃吸湿性繊維および繊維構造物 |
-
2012
- 2012-06-21 JP JP2012139981A patent/JP6024948B2/ja active Active
Patent Citations (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05132858A (ja) * | 1991-11-11 | 1993-05-28 | Toyobo Co Ltd | 高吸放湿性繊維及びその製造方法 |
JPH07216730A (ja) * | 1994-02-08 | 1995-08-15 | Japan Exlan Co Ltd | pH緩衝性繊維及びその製造方法 |
JPH08325938A (ja) * | 1995-06-05 | 1996-12-10 | Japan Exlan Co Ltd | pH緩衝性吸湿性アクリル系繊維及びその製造方法 |
JPH0959872A (ja) * | 1995-06-05 | 1997-03-04 | Japan Exlan Co Ltd | 吸湿性架橋アクリル系繊維及び該繊維を用いた繊維構造体 |
JPH09158040A (ja) * | 1995-11-29 | 1997-06-17 | Toyobo Co Ltd | 改善された高吸放湿性繊維及びその製造方法 |
US5853879A (en) * | 1995-11-29 | 1998-12-29 | Toyo Boseki Kabushiki Kaisha | High moisture-absorbing and releasing fibers and processes for their production |
JP2000303353A (ja) * | 1999-04-16 | 2000-10-31 | Japan Exlan Co Ltd | 高白度吸湿性繊維及び該繊維の製造方法 |
WO2006027911A1 (ja) * | 2004-09-07 | 2006-03-16 | Japan Exlan Company Limited | 高度難燃吸湿性繊維および繊維構造物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6024948B2 (ja) | 2016-11-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6484554B2 (ja) | 難燃性布帛、その製造方法、及びそれを含む防火服 | |
Gaan et al. | Flame retardant functional textiles | |
Yang et al. | A novel halogen‐free and formaldehyde‐free flame retardant for cotton fabrics | |
Taherkhani et al. | Durable flame retardant finishing of cotton fabrics with poly (amidoamine) dendrimer using citric acid | |
CN100545343C (zh) | 轻薄天然纤维材料的阻燃处理方法 | |
CN102560747B (zh) | 耐久性低烟无卤阻燃聚丙烯腈纤维的制备方法 | |
WO2007023777A1 (ja) | 防炎性レーヨン繊維及びその製造方法 | |
JP4529146B2 (ja) | 高度難燃吸湿性繊維および繊維構造物 | |
CN114990876A (zh) | 一种可用于防护服的新型阻燃织物及其制备方法 | |
Mazumder et al. | Flame retardant finish for textile fibers | |
JP6024948B2 (ja) | 高度難燃性繊維および繊維構造物 | |
Yang | Flame resistant cotton | |
JP5051544B2 (ja) | アミノ基含有繊維およびその製造方法ならびに該繊維を含む繊維構造物 | |
JP2013501150A (ja) | 再生されたセルロース繊維の使用 | |
JPH04185764A (ja) | 消臭性繊維及びその製造方法 | |
JP2007291570A (ja) | 難燃性合成繊維、難燃繊維複合体およびそれを用いた炎遮断性バリア用不織布 | |
CN107973281B (zh) | 一种无水管状金属次磷酸盐及其制备方法 | |
JP5792980B2 (ja) | 難燃性繊維シート | |
Bhat | Flame resistant nonwoven fabrics | |
JP2005232599A (ja) | 耐炎布帛およびその製造方法 | |
JP2007291571A (ja) | 難燃性合成繊維、難燃繊維複合体およびそれを用いた難燃性マットレス | |
JP2005179876A (ja) | 高難燃性アクリル系繊維及び高難燃性複合体 | |
JPH0770817A (ja) | 難燃性アクリル繊維、及びそれを用いて得られる難燃繊維複合体 | |
JP2007177369A (ja) | 難燃性繊維、難燃繊維複合体およびそれからなる製品 | |
Rudi et al. | REVIEW OF RECENT PHOSPHORUS-BASED FLAME RETARDANTS FOR TEXTILES |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150226 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160226 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160325 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160516 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160915 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160928 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6024948 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |