JP2014004938A - 船外機の制御装置、船外機の制御方法およびプログラム - Google Patents

船外機の制御装置、船外機の制御方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】コストを上昇させることなくキャビテーションまたはベンチレーションによるプロペラの空転を検出してエンジン出力を制御することで、スムーズな運転を行うことを目的とする。
【解決手段】エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段を有する船外機の制御装置であって、前記エンジン回転数検出手段により検出されたエンジン回転数およびエンジン回転数変化率情報に基づいてキャビテーションまたはベンチレーションによるプロペラの空転を判定する空転判定手段と、前記空転判定手段によりキャビテーションまたはベンチレーションによるプロペラの空転を判定した場合にエンジンの出力を低減させる出力制御手段と、を有することを特徴とする。
【選択図】図6

Description

本発明は、船外機の制御装置、船外機の制御方法およびプログラムに関するものである。特に、キャビテーションやベンチレーションなどにより生じるプロペラの空転を検出する場合に用いられて好適である。
船外機を搭載した船舶では所定の運転状況によって、キャビテーションやベンチレーション(以下、キャビテーションなどという)が発生することがある。キャビテーションなどが発生すると、その程度に応じて船外機のプロペラが空転状態、いわゆるプロペラが水を捉えられない状態になる。この状態では、船外機の推力が低下し、船舶の速度が上昇しなかったり、逆に速度が低下したりしてしまう。
図10Aおよび図10Bは、それぞれ船舶が停止している状態から船外機を駆動させて加速させたときのエンジン回転数および船舶の速度の変化を示す図である。
図10Aはキャビテーションなどが発生しなかった場合の変化を示す図であり、船外機を急加速させた状態を示している。図10Aに示すように、エンジン回転数は約4000rpmまで急上昇した後、約6000rpmまで徐々に上昇している。また、速度は約70km/hまで徐々に上昇する。ここで、エンジン回転数が約4000rpmまで急上昇するのは、使用しているプロペラが約4000rpm域を超えてトルクバンドになるように設計されているためであり、約4000rpmまではプロペラが水を捉えることができない状態のためである。
一方、図10Bはキャビテーションなどが発生した場合の変化を示す図であり、船外機を加速させ船舶を旋回させた状態を示している。船舶を旋回させることで、キャビテーションなどが発生しやすい状態になる。エンジン回転数は、図10Aと同様にプロペラが水を捉えることができない約4000rpmまで急上昇する。その後、エンジン回転数は、徐々に上昇するが、キャビテーションなどによりプロペラの空転が発生したために約6000rpmまで急上昇している。また、速度は、キャビテーションなどが発生したときの約20km/hから上昇しない。
図10Bに示すようにキャビテーションなどによりプロペラの空転が発生した場合、通常、操船者はスロットルレバーを操作して、プロペラが空転しないエンジン出力まで戻す操作が必要となる。しかしながら、操船者は、このようなスロットルレバーの操作を煩わしいと感じたり、ステアリング操作に専念できなかったりするという問題がある。
一方、特許文献1には、キャビテーションなどを防止することができる航走制御装置が開示されている。特許文献1の航走制御装置は、船舶の速度、加速度、エンジン回転数、トリム角度、ピッチ角度、使用者の手動入力のうち少なくとも速度の情報と、ステアリング角度、ローリング角度のうち少なくとも一方からなる入力情報とに基づいて、キャビテーションなどを防止できるようにエンジン回転数を決定する。
特許第4157377号公報
上述した特許文献1の航走制御装置では、正確な船舶の速度や加速度などを測定することを前提としている。しかしながら、船舶の場合、潮流や波の影響があり、正確な船舶の速度、いわゆる対水速度を測定するのは容易ではない。また、GPSなどにより対地速度を測定することができるものの、例えば船舶が小さな半径で旋回する場合の速度を計測するのは困難である。更に、特許文献1の航走制御装置では、ステアリング角度やローリング角度を検出するための検出器を備えなければならず船外機のコストが上昇してしまうという問題が生じる。
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、船外機のコストを上昇させることなくキャビテーションまたはベンチレーションによるプロペラの空転を検出してエンジン出力を制御することで、操船者がスムーズな操船を行うことができるようにすることを目的とする。
本発明に係る船外機の制御装置は、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段を有する船外機の制御装置であって、前記エンジン回転数検出手段により検出されたエンジン回転数およびエンジン回転数変化率情報に基づいてキャビテーションまたはベンチレーションによるプロペラの空転を判定する空転判定手段と、前記空転判定手段によりキャビテーションまたはベンチレーションによるプロペラの空転を判定した場合にエンジンの出力を低減させる出力制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明に係る船外機の制御方法は、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段を有する船外機の制御方法であって、前記エンジン回転数検出手段により検出されたエンジン回転数およびエンジン回転数変化率情報に基づいてキャビテーションまたはベンチレーションによるプロペラの空転を判定する空転判定ステップと、前記空転判定ステップによりキャビテーションまたはベンチレーションによるプロペラの空転を判定した場合にエンジンの出力を低減させる出力制御ステップと、を有することを特徴とする。
本発明に係るプログラムは、エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段を有する船外機を制御するためのプログラムであって、前記エンジン回転数検出手段により検出されたエンジン回転数およびエンジン回転数変化率情報に基づいてキャビテーションまたはベンチレーションによるプロペラの空転を判定する空転判定ステップと、前記空転判定ステップによりキャビテーションまたはベンチレーションによるプロペラの空転を判定した場合にエンジンの出力を低減させる出力制御ステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
本発明によれば、船外機のコストを上昇させることなくキャビテーションまたはベンチレーションによるプロペラの空転を検出してエンジン出力を制御することで、操船者はスムーズな操船を行うことができる。
船舶を斜め後方から見た斜視図である。 船舶に取り付けられる船外機の左側面図である。 船外機の内部構成を示すブロック図である。 加速初期のプロペラの空転のみが発生しキャビテーションなどによるプロペラの空転が発生しなかった場合のエンジン回転数、エンジン回転数の変化率、スロットル開度および吸気圧力の変化を示す図である。 図4Aの拡大図である。 加速初期のプロペラの空転とキャビテーションなどによるプロペラの空転とが発生した場合のエンジン回転数、エンジン回転数の変化率、スロットル開度および吸気圧力の変化を示す図である。 図5Aの拡大図である。 制御装置のエンジンの出力制御の処理を示すフローチャートである。 エンジンの出力制御をしたときのエンジン回転数とスロットルバルブのスロットル開度の変化を示す図である。 加速初期のプロペラの空転のみ発生しキャビテーションなどによるプロペラの空転が発生しなかった場合のエンジン回転数変化率、エンジン回転数変化率の変化量およびスロットル開度を、エンジン回転数毎に換算して示す図である。 加速初期のプロペラの空転とキャビテーションなどによるプロペラの空転とが発生した場合のエンジン回転数変化率、エンジン回転数変化率の変化量およびスロットル開度をエンジン回転数毎に換算して示す図である。 キャビテーションなどが発生しなかった場合のエンジン回転数および船速の変化を示す図である。 キャビテーションなどが発生した場合のエンジン回転数および船速の変化を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
図1は、船舶を斜め後方から見た斜視図である。また、図2は、船体に取り付けられる船外機の左側面図である。図1および図2に示すように、船舶1の船体2後部に位置するトランサム2aに船外機10がブラケット装置3を介して装着される。
船体2の前側には操舵室4が形成されている。操舵室4には、前方にステアリングハンドル5が配置され、例えば側方にはリモートコントロールレバー6を備えたリモートコントロールボックス7が配置される。ここでは、リモートコントロールレバー6は、スロットルレバーとシフトレバーとを兼ねたレバーである。すなわち、本実施形態のリモートコントロールレバー6は、ニュートラル位置から前側の所定の角度領域α1が前進方向のシフト域であり、所定の角度領域α1から前側の所定の角度領域α2が前進方向のスロットル域である。また、ニュートラル位置から後側の所定の角度領域β1が後進方向のシフト域であり、所定の角度領域β1から後側の所定の角度領域β2がスロットル域である。
図2に示すように、船外機10は全体がカバー11によって覆われることで、形状が整えられて構成されている。このカバー11の内部には、船外機の内燃機関としてのエンジン12が収容されている。また、船外機10の下方には、エンジン12を動力とし船体2を推進させるためのプロペラ13が配設されている。なお、本実施形態のエンジン12は、水冷4サイクルV型6気筒エンジンであり、図示しないクランクシャフトを略垂直に配置したバーティカル(縦)型のエンジンである。
次に、船外機10の主要な内部構成について図3に示すブロック図を参照して説明する。船外機10全体は、制御装置20によって制御されている。制御装置20は、CPU21、ROM22、RAM23、EEPROM24、入力回路25、出力回路26、点火装置27および電源回路28を含んで構成されている。
CPU21は、いわゆるコンピュータであって、ROM22に格納されたプログラムを実行して、各種検出器などから出力される信号に基づいて、インジェクタ40を介して燃料の噴射量、噴射タイミングを制御したり、スロットルバルブアクチュエータ41を介して供給する空気量を制御したりする。ROM22は、不揮発性メモリであって、CPU21が実行するプログラムやCPU21が各機器を制御するための閾値などを格納している。RAM23は、揮発性メモリであって、CPU21が各機器を制御するときに算出した情報などを一時的に記憶する。EEPROM24は、書き換え可能な記憶部としての不揮発性メモリであって、CPU21が各機器を制御する場合の情報などを記憶する。
入力回路25は、図3に示すように船外機10内外の各種検出器等から信号が入力される。具体的には、カム軸信号検出器30は、エンジン12の図示しないカムシャフトの信号(カム角信号)を出力する。クランク角信号検出器(回転数検出器)31は、エンジン回転数検出手段の一例であって、エンジン12の回転数信号を出力する。
スロットル開度検出器32は、スロットバルブのスロットル開度に応じた実際のスロットル開度の信号を出力する。
吸気圧力検出器33は、吸気管に配置され、吸気管内における吸気圧の信号を出力する。大気圧力検出器34は大気圧の信号を出力する。また、吸気温度検出器35、エンジン温度検出器36(冷却水温度検出器)および排気通路温度検出器37は、それぞれ吸気の温度、エンジン12の温度(冷却水温度)および排気通路の温度の信号を出力する。
レバーポジション検出器38は、レバーポジション検出手段の一例であって、リモートコントロールレバー6の位置の信号を出力する。なお、レバーポジション検出器38は、リモートコントロールレバー6の位置の信号を図示しない船体制御モジュール(BCM)を経由して制御装置20に出力してもよい。
イグニッションスイッチ39は、操船者によりオンとオフとが選択できるように構成され、オンされることにより各機器に電力が供給され、オフされることにより各機器への電力が遮断される。
出力回路26は、インジェクタ40、スロットルバルブアクチュエータ41およびイグニッションコイル42を制御するための信号を送信する。
制御装置20に入力された各機器からの信号はCPU21で適宜演算処理され、その演算結果が出力回路26を介して船外機10内外の各機器に出力される。具体的には、CPU21は、エンジン12の運転状態に応じて最適な燃料の噴射タイミングおよび噴射量になるようにインジェクタ40を制御する。また、CPU21は、エンジンの運転状態およびレバーポジション検出器38に応じて最適なスロットル開度になるようにスロットルバルブアクチュエータ41を制御する。更に、CPU21は、エンジン12の運転状態に応じて点火装置27を介してイグニッションコイル42の点火時期を制御する。
次に、本実施形態の制御装置20によるキャビテーションなどによるプロペラの空転の検出方法について説明する。上述した図10Bで説明したように、キャビテーションなどによるプロペラの空転が発生した場合にはエンジン回転数が急上昇する。したがって、エンジン回転数の急上昇の発生を判定することでキャビテーションなどによるプロペラの空転をある程度検出することができる。しかしながら、図10Aおよび図10Bで説明したように、プロペラが水を捉えることができない状態である加速初期でも、プロペラはある程度空転してエンジン回転数の急上昇が発生する。この加速初期によるプロペラの空転は、プロペラの特性によるものであり、キャビテーションなどによるプロペラの空転とは性質が異なる。具体的には、加速初期によるプロペラの空転はトルクバンド域に移行するまでに必然的に発生するものである。
したがって、例えば、エンジン回転数の急上昇を検出したときに一律にエンジンの出力制御をしてしまうと、キャビテーションなどによるプロペラの空転時では有効であるが、加速初期によるプロペラの空転時では加速力が低下してしまう。
そこで、本実施形態では、キャビテーションなどによるエンジン回転数の急上昇であるか、加速初期(キャビテーションなどによる要因以外)によるエンジン回転数の急上昇であるかを判定し、キャビテーションなどによるエンジン回転数の急上昇を検出した場合にエンジンの出力制御をすることで、操船者によるスムーズな操船を支援するものとする。
次に、キャビテーションなどによるプロペラの空転と、加速初期によるプロペラの空転とを判定する方法について、図4A、図4B、図5A、図5Bを参照して説明する。
図4Aおよび図5Aは、それぞれ船舶が停止している状態から船外機を駆動させて加速させたときのエンジン回転数、エンジン回転数変化率、スロットル開度および吸気圧力を時間毎に示した図である。
図4Aは加速初期のプロペラの空転のみが発生しキャビテーションなどによるプロペラの空転が発生しなかった場合の変化を示す図であり、船外機を急加速させた状態を示している。図4Bは、図4Aの拡大図であり、エンジン回転数変化率の変化量を追加して示している。図4Bに示すように、時間T1でプロペラの空転が発生しエンジン回転数変化率が大きくなっている。
図5Aは加速初期のプロペラの空転とキャビテーションなどによるプロペラの空転とが発生した場合の変化を示す図であり、船外機を加速させ船舶を旋回させた状態を示している。図5Bは、図5Aの拡大図であり、エンジン回転数変化率の変化量を追加して示している。図5Bに示すように、時間T2でプロペラの空転が発生しエンジン回転数変化率が大きくなり、時間T3でエンジン回転数変化率が大きくなり、時間T4に亘ってキャビテーションなどによるプロペラの空転が発生している。
ここで、図4Bおよび図5Bに示すように、加速初期によるプロペラの空転でのエンジン回転数変化率の上昇(時間T1、T2)は、エンジン回転数が所定のエンジン回転数(ここでは、約4000rpm)以下で発生している。また、図5Bに示すように、キャビテーションなどによるエンジン回転数変化率の上昇(略時間T3)は、所定のエンジン回転数(ここでは、約4000rpm)よりも大きいときに発生している。
したがって、本実施形態では、CPU21は、エンジン回転数が所定のエンジン回転数(約4000rpm)よりも大きいエンジン回転数においてエンジン回転数変化率情報が所定の閾値よりも大きい場合にキャビテーションなどによるプロペラの空転が発生していると判定する。ここで、エンジン回転数変化率情報とは、エンジン回転数変化率またはエンジン回転数変化率の変化量の何れかの情報をいうものとする。本実施形態では、エンジン回転数が所定のエンジン回転数よりも大きい場合において、エンジン回転数変化率情報としてエンジン回転数変化率の変化量を用いてエンジン回転数変化率の変化量が所定の閾値(ここでは、約1000rpm/秒/秒)よりも大きい場合(図5Bに示す時間t)に、キャビテーションなどによりプロペラの空転が発生していると判定する。ここで、エンジン回転数変化率情報としてエンジン回転数変化率の変化量を用いることで、より早期にキャビテーションなどによりプロペラの空転の発生を判定することができる。
このように、CPU21はエンジン回転数とエンジン回転数変化率情報(エンジン回転数変化率またはエンジン回転数変化率の変化量)に基づいて加速初期によるプロペラの空転であるかキャビテーションなどによるプロペラの空転であるかを判定することができる。したがって、船舶の速度や加速度を測定したり、ステアリング角度やローリング角度を検出するための検出器を備えたりする必要がなく、船外機のコストを上昇させることなく、キャビテーションなどによるプロペラの空転を判定することができる。
次に、制御装置20が上述した判定方法を用いてキャビテーションなどによるプロペラの空転を判定し、エンジン12の出力制御をする処理について図6に示すフローチャートを参照して説明する。図6に示すフローチャートは、CPU21がROM22に格納されたプログラムをRAM23に展開して実行することで実現される。
ステップS10では、CPU21は操船者によりイグニッションスイッチ39をオンにする操作に応じて各機器に電力を供給すると共にエンジン12を駆動することで、船外機10の運転が開始される。
ステップS11では、CPU21はクランク角信号検出器31からの信号の出力に基づいてエンジン回転数Nを取得する。CPU21はエンジン回転数Nが所定のエンジン回転数A(第1の閾値)よりも大きいか否かを判定する。上述した図5Bに示す例ではエンジン回転数Nが例えば4000rpmよりも大きいか否かを判定する。所定のエンジン回転数Aよりも大きい場合にはステップS12に進み、所定のエンジン回転数A以下の場合には所定のエンジン回転数Aよりも大きくなるまで待機する。
ステップS12では、CPU21は算出したエンジン回転数Nから更にエンジン回転数変化率ΔNを算出する。
ステップS13では、CPU21は算出したエンジン回転数変化率ΔNから更にエンジン回転数変化率の変化量ΔNTを算出する。
ステップS14では、CPU21は算出したエンジン回転数変化率の変化量ΔNTが所定の変化量B(第2の閾値)よりも大きいか否かを判定する。この処理は、空転判定手段により処理の一例に対応する。上述した図5Bに示す例ではエンジン回転数変化率の変化量ΔNTが例えば1000rpm/秒/秒よりも大きいか否かを判定する。変化量B以下の場合にはCPU21はキャビテーションなどによるプロペラの空転が発生していないと判定し、ステップS11に戻り、再び所定のエンジン回転数Aよりも大きいか否かを判定する。一方、変化量Bよりも大きい場合にはCPU21はキャビテーションなどによるプロペラの空転が発生していると判定し、ステップS15に進む。
ステップS15では、CPU21はエンジン12の出力を制御する。この処理は、出力制御手段による処理の一例に対応する。本実施形態では、CPU21はスロットルバルブアクチュエータ41を介してスロットルバルブのスロットル開度を閉じ方向に作動させることで、エンジン12の出力を低下させる。ここでは、CPU21は、スロットル開度をキャビテーションなどによるプロペラの空転が発生していると判定したときのスロットル開度をROM22に格納された所定の絞り率(例えば80%)になるように制御する。
図7は、エンジン回転数とスロットルバルブのスロットル開度の変化を示す図である。
図7に示すスロットル開度基本値a1に示す実線は、レバーポジション検出器38により検出されたリモートコントロールレバー6(スロットルレバー)の位置に対応する、スロットルバルブのスロットル開度である。換言すると、スロットル開度基本値a1とは操船者が所望するスロットルバルブのスロットル開度である。また、エンジン回転数b1に示す実線は、エンジン12の出力制御をしない場合において、スロットル開度基本値a1に応じたエンジン回転数である。
一方、図7に示すスロットル開度制御値a2に示す破線は、ステップS15によりスロットルバルブのスロットル開度を閉じ方向に作動させたときのスロットル開度、すなわち実際のスロットル開度である。また、エンジン回転数b2に示す破線は、エンジン12の出力制御をするためにスロットルバルブのスロット開度を閉じ方向へ作動させたときのエンジン回転数である。すなわち、エンジン回転数b2は、スロットル開度制御値a2に応じたエンジン回転数である。
図7では、CPU21が時間taでエンジン回転数変化率の変化量ΔNTが変化量Bよりも大きくなりキャビテーションなどによるプロペラの空転が発生していると判定し、スロットル開度制御値a2に示すように、実際のスロットルバルブのスロットル開度を閉じ方向に作動させている。したがって、図7に示すエンジン回転数b2の破線のように、エンジン回転数を低下させることができエンジン12の出力が低減する。このとき、操船者はスロットル開度基本値a1に示すようにスロットルレバーの操作をしていないために、スロットル開度基本値a1とスロットル開度制御値a2とが乖離している。すなわち、操船者はスロットルレバーを操作しなくともプロペラが空転しないようにエンジン出力が調整される。
ステップS16では、CPU21は、エンジン回転数Nが所定のエンジン回転数D(第3の閾値)になったか否かを判定する。ここで、所定のエンジン回転数Dは、図7に示す判定回転数であり、時間taによりキャビテーションなどによるプロペラの空転を判定したときのエンジン回転数(図7に示す検出時回転数)よりも既定値だけ小さいエンジン回転数である。すなわち、CPU21は、時間taでのエンジン回転数から既定値だけ減算したエンジン回転数を所定のエンジン回転数Dとして、RAM23に記憶するものとする。既定値は、予めROM22に格納されているものとする。
エンジン回転数Nが所定のエンジン回転数Dになった場合にはステップS17に進む。所定のエンジン回転数Dになっていない場合にはステップS15に戻り、更にスロットルバルブのスロットル開度を閉じ方向に作動させることで、エンジン12の出力を低減させる。
ステップS17では、CPU21は、実際のスロットル開度をレバーポジション検出器38により検出されたスロットル開度に一致させる。すなわち、CPU21は、スロットル開度制御値a2をスロットル開度基本値a1に一致させる。
図7では、時間tbでエンジン回転数b2が判定回転数(所定のエンジン回転数D)になってから、CPU21は徐々にスロットル開度制御値a2を上昇させてスロットル開度基本値a1に一致させている。
ステップS18では、CPU21は操船者によりイグニッションスイッチ39がオフにされたか否かを判定する。イグニッションスイッチ39がオフされた場合にはエンジン12の駆動を停止し、エンジンの出力制御の処理を終了する。一方、イグニッションスイッチ39がオフされていない場合にはステップS11に戻り、処理を継続する。
このように本実施形態によればエンジン回転数とエンジン回転変化率情報とに基づいてキャビテーションなどによるプロペラの空転を判定し、キャビテーションなどによるプロペラの空転を判定した場合にはエンジン12の出力を低減させる。したがって、操船者はプロペラが空転しないようにエンジン出力を調整するような煩わしい操作を行う必要がなく、旋回などのステアリング操作に専念することができ、熟練者でなくても容易にスムーズな旋回、加速を行うことができる。
なお、上述した所定のエンジン回転数Aおよび所定の変化量Bの値は、スロットル開度や吸気圧力毎にマップを用いて設定してもよい。すなわち、CPU21は、現在のスロットル開度および吸気圧力に基づいて、スロットル開度や吸気圧力毎のマップから所定のエンジン回転数Aおよび所定の変化量Bを取得する。CPU21は、取得した所定のエンジン回転数Aおよび所定の変化量Bに基づいて、キャビテーションなどによるプロペラの空転を判定してもよい。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。操船者に違和感を与えることなくエンジン出力を低減させる制御を行うには、CPU21はできるだけ早期にキャビテーションなどによるプロペラの空転を判定する必要がある。一方、上述したように加速初期のプロペラの空転とキャビテーションなどによるプロペラの空転とを判定しなければならない。
また、加速初期のプロペラの空転やキャビテーションなどによるプロペラの空転は、船舶の船底形状や重量、装着されるプロペラの形状やサイズ、旋回半径、速度等によってある程度変化する。したがって、第1の実施形態においてキャビテーションなどによるプロペラの空転を判定するためのエンジン回転数である、所定のエンジン回転数Aはある程度、余裕を持たせることが好ましい。
そこで、本実施形態では、第1の実施形態よりも低いエンジン回転数であってもキャビテーションなどによるプロペラの空転を判定することができる判定方法について説明する。
図8は、図4Aに示した、加速初期のプロペラの空転のみ発生しキャビテーションなどによるプロペラの空転が発生しなかった場合のエンジン回転数変化率、エンジン回転数変化率の変化量およびスロットル開度を、エンジン回転数毎に換算(プロット)して示した図である。
図9は、図5Aに示した、加速初期のプロペラの空転とキャビテーションなどによるプロペラの空転とが発生した場合のエンジン回転数変化率、エンジン回転数変化率の変化量およびスロットル開度をエンジン回転数毎に換算(プロット)して示した図である。
CPU21は、図8および図9に示すように、エンジン回転数毎にエンジン回転数変化率、エンジン回転数変化率の変化量を算出する。
ここで、加速初期のプロペラの空転によるエンジン回転数変化率は、図8では約2700rpm、図9では約2300rpmのエンジン回転数で減少するようになる。したがって、エンジン回転数変化率の変化量も、図8では約2700rpm、図9では2300rpmのエンジン回転数で負の値あるいは0になる。一方、図9に示すように、キャビテーションなどによるプロペラの空転によるエンジン回転数変化率は、約3300rpm以上のエンジン回転数であっても大きくなる。
したがって、CPU21は、例えばエンジン回転数が2900rpmよりも大きくかつエンジン回転数変化率の変化量が1000rpm/秒/秒よりも大きい場合(図9に示す時間t)に、プロペラの空転の発生を判定することができる。したがって、所定のエンジン回転数(約4000rpm)よりも大きいエンジン回転数でキャビテーションなどによるプロペラの空転の発生を判定する第1の実施形態よりも、早期にプロペラの空転を判定することができる。なお、このように早期にプロペラの空転を判定することができるのは、時間毎よりもエンジン回転数毎にしたほうが、エンジン回転数変化率の変化量を細かく捉えることができるためである。
以上、本発明を上述した実施形態により説明したが、本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲内で変更等が可能である。
例えば、上述した実施形態では、エンジン回転数とエンジン回転数変化率の変化量を用いてキャビテーションなどによるプロペラの空転を判定する場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、エンジン回転数とエンジン回転数変化率を用いてキャビテーションなどによるプロペラの空転を判定してもよい。
また、例えば、上述した第1の実施形態および第2の実施形態では、予め定められた所定のエンジン回転数よりも大きいときに、プロペラの空転を判定する処理を行う場合について説明した。しかしながら、この場合に限られず、CPU21は加速初期時のエンジン回転数を学習して、例えばEEPROM24に記憶してもよい。そして、CPU21は、EEPROM24に記憶したエンジン回転数よりも大きいときに、プロペラの空転を判定する処理を行うことができる。この場合、CPU21は船外機が装着された船体などを考慮した所定のエンジン回転数を用いて、キャビテーションなどによるプロペラの空転を判定でき、より早期にプロペラの空転を判定することができる。
また、上述した第1の実施形態および第2の実施形態では、エンジンの出力を低減させるために実際のスロットルバルブのスロットル開度を閉じる方向に作動させる場合について説明した。しかしながら、この場合に限られず、CPU21は、燃料噴射量を制御したり、エンジン12の点火時期を遅角したりすることでも、エンジンの出力を低減させることができる。
1:船舶 2:船体 6:リモートコントロールレバー(スロットルレバー) 10:船外機 13:スクリュー 20:制御装置 21:CPU 22:ROM 23:RAM 24:EEPROM 25:入力回路 26:出力回路 31:クランク角信号検出器 32:スロットル開度検出器 38:レバーポジション検出器 41:スロットルバルブアクチュエータ

Claims (8)

  1. エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段を有する船外機の制御装置であって、
    前記エンジン回転数検出手段により検出されたエンジン回転数およびエンジン回転数変化率情報に基づいてキャビテーションまたはベンチレーションによるプロペラの空転を判定する空転判定手段と、
    前記空転判定手段によりキャビテーションまたはベンチレーションによるプロペラの空転を判定した場合にエンジンの出力を低減させる出力制御手段と、を有することを特徴とする船外機の制御装置。
  2. 前記空転判定手段は、エンジン回転数が第1の閾値よりも大きく、かつエンジン回転数変化率情報が第2の閾値よりも大きい場合に、キャビテーションまたはベンチレーションによるプロペラの空転が発生していると判定することを特徴とする請求項1に記載の船外機の制御装置。
  3. 前記出力制御手段は、スロットルバルブのスロットル開度を閉じる方向に作動させることでエンジンの出力を低減させることを特徴とする請求項1または2に記載の船外機の制御装置。
  4. 前記船外機は、操船者により操作されるスロットルレバーの位置を検出するレバーポジション検出手段を備え、
    前記出力制御手段は、エンジンの出力の低減によりエンジン回転数が第3の閾値になった場合に、実際のスロットル開度を前記レバーポジション検出手段により検出されたスロットルレバーの位置に対応するスロットル開度に一致させることを特徴とする請求項3に記載の船外機の制御装置。
  5. 前記エンジン回転数変化率情報は、エンジン回転数変化率に基づいて算出されるエンジン回転数変化率の変化量であり、
    前記空転判定手段は、前記エンジン回転数検出手段により検出されたエンジン回転数およびエンジン回転数変化率の変化量に基づいてキャビテーションまたはベンチレーションによるプロペラの空転を判定することを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の船外機の制御装置。
  6. 前記エンジン回転数変化率の変化量は、エンジン回転数毎に応じて算出された値であることを特徴とする請求項5に記載の船外機の制御装置。
  7. エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段を有する船外機の制御方法であって、
    前記エンジン回転数検出手段により検出されたエンジン回転数およびエンジン回転数変化率情報に基づいてキャビテーションまたはベンチレーションによるプロペラの空転を判定する空転判定ステップと、
    前記空転判定ステップによりキャビテーションまたはベンチレーションによるプロペラの空転を判定した場合にエンジンの出力を低減させる出力制御ステップと、を有することを特徴とする船外機の制御方法。
  8. エンジン回転数を検出するエンジン回転数検出手段を有する船外機を制御するためのプログラムであって、
    前記エンジン回転数検出手段により検出されたエンジン回転数およびエンジン回転数変化率情報に基づいてキャビテーションまたはベンチレーションによるプロペラの空転を判定する空転判定ステップと、
    前記空転判定ステップによりキャビテーションまたはベンチレーションによるプロペラの空転を判定した場合にエンジンの出力を低減させる出力制御ステップと、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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