JP2014004925A - 発電制御装置及びハイブリッド車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】充電器の充電量を枯渇させることなく、さらに、省CO性能を悪化させることなく走行する。
【解決手段】マネジメントECU119(発電制御装置)は、供給される電力によって駆動する電動機と、CAT(排気浄化触媒)を有する内燃機関及び内燃機関の運転によって発電する発電機を有し、発電した電力を電動機又は電動機に電力を供給する充電可能な蓄電器に供給する発電部と、を備えるHLV(ハイブリッド車両)における発電を制御する。マネジメントECU119は、内燃機関のCATの温度に応じて内燃機関の出力を規制し、平均消費電力(Pave)に応じて内燃機関の空気流入量を可変する。
【選択図】図2

Description

本発明は、発電制御装置及びハイブリッド車両に関する。
発電制御装置は、内燃機関を発電機として使用するシリーズ方式のハイブリット車における発電を制御する。
一般に内燃機関は、排気ガスを浄化させる排気浄化触媒(CAT(catalyzer))を備えており、内燃機関の出力を高めると、CATの温度が上昇する。例えば、内燃機関の出力を高めた状態としては、急勾配の登坂を高速で走行する状態などがある。このような急勾配の登坂を高速で走行した状態が長く継続すると、CATは、温度が上昇することによる性能劣化を招く恐れがある。
従来のガソリンなどの化石燃料を内燃機関において燃焼させて得られる駆動力により走行する車両(例えば、ガソリン車)においては、内燃機関からの出力を直接駆動力として使用している。それゆえ、ガソリン車は、例えCATの温度が上昇するような場合が生じたとしても、内燃機関の出力を変更することができない。そこで、ガソリン車においては、内燃機関の燃焼状態を燃料の混合比を高める(Rich化する)ことにより、排気ガスに含まれる燃焼しなかった燃料(例えば、ガソリン)の気化潜熱を利用して、ドライバが要求する内燃機関の出力を維持したままCATの温度を低下させている。
一方、内燃機関を発電機として使用するシリーズ方式のハイブリット車では、トラクションモータ(電動機)を車両の駆動源としているので、内燃機関からの出力を直接駆動軸へ出力しなくてもよい場合がある。それゆえ、内燃機関の運転点を変更することにより内燃機関の出力が変化したとしても、駆動軸に供給する駆動力に影響を与えることがなくCATの温度を低下させることができる(例えば、特許文献1を参照)。
特許文献1によれば、ハイブリッド車の構成において、CATの温度を低下させるために、内燃機関の運転点を等出力線に沿って運転点を変更する制御方法が開示されている。
特許3454101号公報
特許文献1による運転点を変更する制御方法においては、内燃機関の運転点を等出力線に沿って運転点を変更することにより、発電量を維持したままCATの温度を低下させることができる。しかしながら、同制御方法によれば、エネルギー維持(発電量を維持すること)の観点では有効であるが、発電効率が低下することにより省CO性能が悪化するという問題がある。
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、従来の技術に対し、充電器の充電量を枯渇させることなく、さらに、省CO性能を悪化させることなく走行することが可能な発電制御装置及びハイブリッド車両を提供することにある。
上記問題を解決するために、請求項1に記載した発明は、供給される電力によって駆動する電動機(例えば、本実施形態における電動機107)と、内燃機関(例えば、本実施形態における内燃機関109)及び前記内燃機関の運転によって発電する発電機(例えば、本実施形態における発電機111)を有し、発電した電力を前記電動機又は前記電動機に電力を供給する充電可能な蓄電器に供給する発電部(例えば、本実施形態におけるAPU121)と、を備えたハイブリッド車両(例えば、本実施形態におけるHEV)における発電制御装置であって、内燃機関の排気浄化触媒の温度に応じて内燃機関の出力を規制(F/C:フューエルカット)し、平均消費電力(Pave)に応じて空気流入量を可変(内燃機関回転数・TH開度)する出力調整部(例えば、本実施形態におけるマネジメントECU119)を備えることを特徴とする発電制御装置である。
請求項1に記載の発明によれば、排気浄化触媒温度を低下させることができる。
請求項2に記載した発明は、上記発電制御装置において、前記出力調整部は、前記内燃機関の排気浄化触媒温度が、第1温度(TCATMTRH)より高くなった場合に前記内燃機関の出力を規制し、前記内燃機関の排気浄化触媒温度が前記第1温度より低い第2温度(TCATMTRL)より低くなったときに前記内燃機関の出力を許可することを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、蓄電器の充電量の低下を最小限に抑えることができる。
請求項3に記載した発明は、上記発電制御装置において、前記出力調整部は、前記平均消費電力に応じて、前記第1温度及び前記第2温度を可変することを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、蓄電器の充電量の枯渇を抑制できる。
請求項4に記載した発明は、上記発電制御装置において、前記出力調整部は、前記平均消費電力が大きくなるにつれて、前記第1温度及び前記第2温度を低くすることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、蓄電器の充電量の枯渇を抑制できる。
請求項5に記載した発明は、上記発電制御装置において、前記出力調整部は、前記平均消費電力が大きくなるにつれて、前記内燃機関への流入空気量を多くすることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、蓄電器の充電量が高くなるにつれて内燃機関の出力を小さくするように補正し、蓄電器の充電量が低くなるにつれて内燃機関の出力を大きくするように補正するので、蓄電器の充電量の低下を最小限に抑えることができる。
請求項6に記載した発明は、上記発電制御装置において、前記出力調整部は、前記内燃機関の内燃機関回転数及び/又はスロットル開度(TH開度)を大きくすることで前記流入空気量を多くすることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、排気浄化触媒温度を比較的短時間のうちに低下させることができる。
請求項7に記載した発明は、上記発電制御装置において、前記出力調整部は、車速(VP)が速くなるほど前記内燃機関回転数及び/又は前記スロットル開度を大きく(して、前記内燃機関回転数が低・中回転数時に低燃費性を確保)する商品性マップに基づいて、前記車速(VP)に応じて前記流入空気量を多くすることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、スロットル開度を大きくする領域が低・中トルク領域(市街地・郊外走行)以外にあるため、内燃機関回転数が低・中回転数時に低燃費性を確保できるような商品性を重視する商品性マップに基づいて制御しても、蓄電器の充電量が枯渇しない。
請求項8に記載した発明は、上記発電制御装置において、前記出力調整部は、車速(VP)が遅くなるほど前記内燃機関回転数及び/又は前記スロットル開度を大きく(して出力性能を確保)する性能性マップに基づいて、前記車速(VP)に応じて前記流入空気量を多くすることを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、スロットル開度を大きくする領域が高トルク領域(高速走行)であるため、出力性能を確保するように性能を重視しつつ、CATを保護する。
請求項9に記載した発明は、上記発電制御装置において、前記出力調整部は、負荷領域(PZONE)に応じて前記商品性マップ又は前記性能性マップを選択することを特徴とする。
請求項9に記載の発明によれば、所定期間の総消費電力量が所定発電量より小さい場合に内燃機関の出力を可変させる、すなわち、消費電力量が小さな走行状態のときに内燃機関の出力制御を行うので、充蓄器の充電量が枯渇するようなエネルギマネジメントの破綻を抑制することができる。
請求項10に記載した発明は、供給される電力によって駆動する電動機(例えば、本実施形態における電動機107)と、排気浄化触媒(CAT)を有する内燃機関及び前記内燃機関の運転によって発電する発電機を有し、発電した電力を前記電動機又は前記電動機に電力を供給する充電可能な蓄電器に供給する発電部と、内燃機関の排気浄化触媒の温度に応じて、前記内燃機関の出力を可変させる出力調整部を備えることを特徴とするハイブリッド車両である。
請求項10に記載の発明によれば、排気浄化触媒の温度を低下させることができる。
請求項1から10のいずれか一項に記載した発明によれば、充電器の充電量を枯渇させることなく、さらに、省CO性能を悪化させることなく走行することが可能な発電制御装置及びハイブリッド車両を提供する。
シリーズ方式のHEVの内部構成を示すブロック図である。 第1の実施形態のマネジメントECU119の内部構成を示すブロック図である。 第1の実施形態のマネジメントECU119の動作を示すフローチャートである。 フィルタリング処理される前の消費電力(点線)及びフィルタリング処理された消費電力(実線)の一例を示すグラフである。 ステップS100の動作を詳細に示すフローチャートである。 消費電力とPゾーンの関係を示す図である。 第1の実施形態のステップS200の動作を詳細に示すフローチャートである。 ステップS300の動作を詳細に示すフローチャートである。 平均消費電力(Pave)に対するPゾーン3時の目標SOCを示すテーブルである。 ステップS400の動作を詳細に示すフローチャートである。 ステップS500の動作を詳細に示すフローチャートである。 Pゾーン毎の発電電力上限値及び各発電電力上限値とBSFCの関係を示すテーブルである。 ステップS600の動作を詳細に示すフローチャートである。 本実施形態における発電制御処理の概要を示す図である。 ステップS800の動作を詳細に示すフローチャートである。 モータリング制御を実行するCAT温度の範囲の定め方を説明する図である。 ステップS900の動作を詳細に示すフローチャートである。 モータリング制御を実行する際の内燃機関の回転数NEの目標回転数の定め方を説明する図である。 モータリング制御を実行する際の内燃機関のスロットル開度の目標値の定め方を説明する図である。 マネジメントECU119が動作したときの平均消費電力(Pave)、車速VP、第3継続タイマーの計測残時間、継続フラグ、並びに、蓄電器101のSOC及び目標SOCの時間変化の一例を示すグラフである。 シリーズ/パラレル方式のHEVの内部構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
HEV(Hybrid Electrical Vehicle:ハイブリッド電気自動車)は、電動機及び内燃機関を備え、車両の走行状態に応じて電動機及び/又は内燃機関の駆動力によって走行する。HEVには、大きく分けてシリーズ方式とパラレル方式の2種類がある。シリーズ方式のHEVは、電動機の動力によって走行する。内燃機関は発電のためだけに用いられ、内燃機関の動力によって発電機で発電された電力は蓄電器に充電されるか、電動機に供給される。
なお、シリーズ方式のHEVは、「EV走行」又は「シリーズ走行」を行う。EV走行モードでは、HEVは、蓄電器からの電源供給によって駆動する電動機の駆動力によって走行する。このとき内燃機関は駆動されない。また、シリーズ走行モードでは、HEVは、蓄電器及び発電機の双方からの電力の供給や蓄電器のみあるいは発電機のみからの電力の供給等によって駆動する電動機の駆動力によって走行する。このとき、内燃機関は発電機における発電のために駆動される。
パラレル方式のHEVは、電動機及び内燃機関のいずれか一方又は双方の動力によって走行する。上記両方式を複合したシリーズ/パラレル方式のHEVも知られている。当該方式では、車両の走行状態に応じてクラッチを切断又は締結する(断接する)ことによって、駆動力の伝達系統をシリーズ方式及びパラレル方式のいずれかの構成に切り替える。特に低速走行時にはクラッチを切断してシリーズ方式の構成とし、特に中高速走行時にはクラッチを締結してパラレル方式の構成とする。
(第1の実施形態)
図1は、シリーズ方式のHEVの内部構成を示すブロック図である。図1に示すように、シリーズ方式のHEV1(以下、単に「車両」という)は、蓄電器(BATT)101と、コンバータ(CONV)103と、第1インバータ(第1INV)105と、電動機(MOT)107と、内燃機関(ENG)109と、発電機(GEN)111と、第2インバータ(第2INV)113と、ギアボックス(以下、単に「ギア」という。)115と、車速センサ117と、マネジメントECU(MG ECU)119(発電制御装置)とを備える。なお、図1中の点線の矢印は値データを示し、実線は指示内容を含む制御信号を示す。以下の説明では、内燃機関109、発電機111及び第2インバータ113をまとめて「補助動力部(APU:Auxiliary Power Unit)121」と呼ぶ。
蓄電器101は、直列に接続された複数の蓄電セルを有し、例えば100〜200Vの高電圧を供給する。蓄電セルは、例えば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池である。コンバータ103は、蓄電器101の直流出力電圧を直流のまま昇圧又は降圧する。第1インバータ105は、直流電圧を交流電圧に変換して3相電流を電動機107に供給する。また、第1インバータ105は、電動機107の回生動作時に入力される交流電圧を直流電圧に変換して蓄電器101に充電する。
電動機107は、車両が走行するための動力を発生する。電動機107で発生したトルクは、ギア115を介して駆動軸116に伝達される。なお、電動機107の回転子はギア115に直結されている。また、電動機107は、回生ブレーキ時には発電機として動作し、電動機107で発電された電力は蓄電器101に充電される。内燃機関109は、車両がシリーズ走行する際に発電機111を駆動するために用いられる。内燃機関109は、発電機111の回転子に直結されている。また、内燃機関109は、その排気系統に排気浄化触媒(CAT(catalyzer))123を備えており、排気ガスをCAT123によって浄化させて排出する。
発電機111は、内燃機関109の動力によって駆動され、電力を発生する。発電機111が発電した電力は、蓄電器101に充電されるか、電動機107に供給される。第2インバータ113は、発電機111が発生した交流電圧を直流電圧に変換する。第2インバータ113によって変換された電力は、蓄電器101に充電されるか、第1インバータ105を介して電動機107に供給される。
ギア115は、例えば5速相当の1段の固定ギアである。したがって、ギア115は、電動機107からの駆動力を、特定の変速比での回転数及びトルクに変換して、駆動軸116に伝達する。車速センサ117は、車両の走行速度(車速VP)を検出する。車速センサ117によって検出された車速VPを示す信号は、マネジメントECU119に送られる。
マネジメントECU119は、蓄電器101の状態を示す残容量(SOC:State of Charge)及びAPU121の状態の取得、車両の運転者のアクセル操作に応じたアクセルペダル開度(AP開度)及び車速VPに基づく要求出力の算出、並びに、電動機107及びAPU121の各制御等を行う。マネジメントECU119の詳細については後述する。
図2は、第1の実施形態のマネジメントECU119の内部構成を示すブロック図である。
図2に示すように、マネジメントECU119は、消費電力フィルタリング部151と、Pゾーン判断部153と、継続フラグ設定部155と、APUモード決定部157と、APU作動判断部159と、発電電力上限値設定部161と、CAT温度推定処理部165と、発電実行判定部167と、モータリング制御判定部169と、発電制御部171とを有する。なお、Pゾーン判断部153は、後述する継続タイマー163を有する。
図3は、第1の実施形態のマネジメントECU119の動作を示すフローチャートである。
図3に示すように、マネジメントECU119の消費電力フィルタリング部151は、車両で消費される電力(以下、単に「消費電力」という)の時間変位のデータに対して、高周波成分を除去するためのフィルタリング処理を行う(ステップS100)。図4は、フィルタリング処理される前の消費電力(点線)及びフィルタリング処理された消費電力(実線)の一例を示すグラフある。図4に示すように、点線で示される消費電力をフィルタリング処理することによって実線で示される消費電力が得られる。
図5は、上記説明したステップS100の動作を詳細に示すフローチャートである。
図5に示すように、消費電力フィルタリング部151は、マネジメントECU119から得られる電動機107で消費される電力(Power_Mot)、補機等によって消費される電力(Power_Dev)及びエネルギー伝達の際に損失される電力(Power_Loss)を合計して、総消費電力(Power_Total)を算出する(ステップS101)。なお、マネジメントECU119は、AP開度及び車速VPに基づいて、車両の駆動源である電動機107に要求される出力(要求出力)を算出し、当該要求出力を出力する際に電動機107で消費される電力(Power_Mot)を算出する。また、マネジメントECU119は、補機等の動作状況を示す情報から補機等によって消費される電力(Power_Dev)を導出する。さらに、マネジメントECU119は、車両の走行モード及びAPU121が発電する電力等に基づいて、エネルギー伝達の際に損失される電力(Power_Loss)を導出する。
次に、消費電力フィルタリング部151は、上記説明したフィルタリング処理として、所定期間の総消費電力(Power_Total)の合計を当該所定期間で除算することによって、平均消費電力(Pave)を算出する(ステップS103)。なお、所定期間は、電動機107に要求される出力(要求出力)に応じて、その長短が変更される。すなわち、要求出力が大きいときは所定期間を短く設定し、要求出力が小さいときは所定期間を長く設定する。また、要求出力の大きさだけでなく、車両が走行する道の種別(山岳路や高速道路等)、走行モード又はユーザからの指示に応じて所定期間の長短を変更しても良い。なお、フィルタリング処理した消費電力は、所定期間の総消費電力(Power_Total)の合計を積算した値であっても良い。
図3に示すように、ステップS100の後、マネジメントECU119のPゾーン判断部153は、フィルタリング処理された消費電力、すなわち、平均消費電力(Pave)がどのPゾーンに属するかを判断する(ステップS200)。Pゾーンは、車両が瞬間的に消費し得る電力を複数の領域に分けることによって設定される。図6は、消費電力とPゾーンの関係を示す図である。図6に示すように、本実施形態では、消費電力が小さい方から大きくなるに連れてPゾーン0、Pゾーン1、Pゾーン2、Pゾーン3といった4つのPゾーンが設定されている。Pゾーン1、Pゾーン2及びPゾーン3にはそれぞれ最低消費電力が設定されている。
車両にあっては、主に電動機107によって電力が消費される。したがって、登坂時や急加速時には電動機107にかかる負荷が高いため消費電力は大きく、停止時や低速走行時には電動機107にかかる負荷が低いため消費電力は小さい。したがって、Pゾーン3は高負荷領域、Pゾーン2は中負荷領域、Pゾーン1は低負荷領域、Pゾーン0は燃費を優先する燃費負荷領域といえる。なお、Pゾーン3は、平均消費電力(Pave)がAPU121の最大出力電力よりも大きな領域である。したがって、Pゾーン判断部153がPゾーン3と判断したとき、電動機107には、APU121からの最大出力電力に加えて、蓄電器101からの電力も供給される。
Pゾーン判断部153が有する継続タイマー163は、平均消費電力(Pave)がPゾーン1の最低消費電力(PZONEL)未満となった時点から所定時間(TMPZL)をデクリメントする第1継続タイマーと、平均消費電力(Pave)がPゾーン2の最低消費電力(PZONEM)未満となった時点から所定時間(TMPZM)をデクリメントする第2継続タイマーと、平均消費電力(Pave)がPゾーン3の最低消費電力(PZONEH)未満となった時点から所定時間(TMPZH)をデクリメントする第3継続タイマーとを含む。
図7は、上記説明したステップS200の動作を詳細に示すフローチャートである。図7に示すように、Pゾーン判断部153は、第1継続タイマーの計測残時間(TM_PZL)、第2継続タイマーの計測残時間(TM_PZM)及び第3継続タイマーの計測残時間(TM_PZH)をデクリメントする(ステップS201)。次に、Pゾーン判断部153は、平均消費電力(Pave)がPゾーン1の最低消費電力(PZONEL)より大きいかを判断し(ステップS203)、Pave>PZONEL であればステップS205に進み、Pave≦PZONEL であればステップS207に進む。ステップS205では、Pゾーン判断部153は、第1継続タイマーの計測残時間(TM_PZL)に所定時間(TMPZL)を設定する。
ステップS207では、Pゾーン判断部153は、平均消費電力(Pave)がPゾーン2の最低消費電力(PZONEM)より大きいかを判断し、Pave>PZONEM であればステップS209に進み、Pave≦PZONEM であればステップS211に進む。ステップS209では、Pゾーン判断部153は、第2継続タイマーの計測残時間(TM_PZM)に所定時間(TMPZM)を設定する。ステップS211では、Pゾーン判断部153は、平均消費電力(Pave)がPゾーン3の最低消費電力(PZONEH)より大きいかを判断し、Pave>PZONEH であればステップS213に進み、Pave≦PZONEH であればステップS215に進む。ステップS213では、Pゾーン判断部153は、第3継続タイマーの計測残時間(TM_PZH)に所定時間(TMPZH)を設定する。
ステップS215では、Pゾーン判断部153は、第3継続タイマーの計測残時間(TM_PZH)が0より大きいかを判断し、TM_PZH>0 であればステップS217に進み、TM_PZH=0 であればステップS219に進む。ステップS217では、Pゾーン判断部153は、平均消費電力(Pave)がPゾーン3に属すると判断する。ステップS219では、Pゾーン判断部153は、後述するPゾーン3継続フラグ(F_PZHC)が立っている(F_PZHC=1)かを判断し、Pゾーン3継続フラグが立っている(F_PZHC=1)場合はステップS217に進み、Pゾーン3継続フラグが降りている(F_PZHC=0)場合はステップS221に進む。
ステップS221では、Pゾーン判断部153は、第2継続タイマーの計測残時間(TM_PZM)が0より大きいかを判断し、TM_PZM>0 であればステップS223に進み、TM_PZM=0 であればステップS225に進む。ステップS223では、Pゾーン判断部153は、平均消費電力(Pave)がPゾーン2に属すると判断する。
ステップS225では、Pゾーン判断部153は、第1継続タイマーの計測残時間(TM_PZL)が0より大きいかを判断し、TM_PZL>0 であればステップS227に進み、TM_PZL=0 であればステップS229に進む。ステップS227では、Pゾーン判断部153は、平均消費電力(Pave)がPゾーン1に属すると判断する。また、ステップS229では、Pゾーン判断部153は、平均消費電力(Pave)がPゾーン0に属すると判断する。
図3に示すように、ステップS200の後、マネジメントECU119の継続フラグ設定部155は、Pゾーン3に属すると判断されているとき、第3継続タイマーによる計測残時間又は蓄電器101のSOCと目標SOCの大小関係に応じて、Pゾーン3継続フラグ(以下、単に「継続フラグ」という)を設定する(ステップS300)。蓄電器101の目標SOCに関しては後述する。
継続フラグは、第3継続タイマーが所定時間(TMPZH)を計測し終わってもPゾーン判断部によるPゾーン3に属するとの判断を継続するか否かを示すフラグである。Pゾーン判断部153は、継続フラグが立っているとき、すなわち、継続フラグが1のときには、Pゾーン3に属するとの判断を継続すると判断する。一方、Pゾーン判断部153は、継続フラグが立っていないとき、すなわち、継続フラグが0のときには、Pゾーン3から別のPゾーンに移行したと判断する。
図8は、上記説明したステップS300の動作を詳細に示すフローチャートである。図8に示すように、継続フラグ設定部155は、ステップS200で判断されたPゾーンがPゾーン3であるかを判断し(ステップS301)、Pゾーン3であればステップS303に進み、Pゾーン3以外のPゾーン(Pゾーン0〜2)であればステップS305に進む。ステップS303では、継続フラグ設定部155は、第3継続タイマーの計測残時間(TM_PZH)が0であるか否かを判断し、TM_PZH=0 であればステップS307に進み、TM_PZH>0 であればステップS309に進む。
ステップS305では、継続フラグ設定部155は、継続フラグ(F_PZHC)を0に設定する。一方、ステップS309では、継続フラグ設定部155は、継続フラグ(F_PZHC)を1に設定する。また、ステップS307では、継続フラグ設定部155は、蓄電器101のSOCが目標SOC以下かを判断し、SOC≦目標SOCであればステップS309に進み、SOC>目標SOCであればステップS305に進む。
図3に示すように、ステップS300の後、マネジメントECU119のAPUモード決定部157は、Pゾーンに応じた蓄電器101の目標SOCを設定し、かつ、属するPゾーン及び蓄電器101のSOCと目標SOCの関係に応じて、APU121(内燃機関109、発電機111及び第2インバータ113から構成される補助動力部)の動作モードを決定する(ステップS400)。本実施形態では、APU121の動作モード(以下「APUモード」という)として3つのモードが用意されている。「APUモード0」は、APU121を全く作動しないモードである。このとき、車両はEV走行を行う。「APUモード1」は、燃料消費率が最も良い運転点を結んだ線(BSFC(Brake Specific Fuel Consumption)ボトムライン)上で内燃機関109を出力追従運転することによって蓄電器101のSOCを維持するモードである。このとき、車両はシリーズ走行を行う。「APUモード2」は、BSFCボトムライン上の出力が最大となる運転点で内燃機関109を運転することによって蓄電器101のSOCの低下を抑制するモードである。このときも、車両はシリーズ走行を行う。マネジメントECU119は、APUモード決定部157が決定したAPUモードに応じてAPU121を制御する。
蓄電器101の目標SOCはPゾーン毎に異なり、Pゾーン3に対応する目標SOCが最も高く、Pゾーン2、Pゾーン1、Pゾーン0の順で段階的に低い目標SOCが対応付けられている。但し、Pゾーン3に対応する目標SOCとしては、上述した平均消費電力(Pave)に応じて異なる値が設定される。図9は、平均消費電力(Pave)に対するPゾーン3時の目標SOCを示すテーブルである。図9に示すように、Pゾーン3に対応する目標SOCは、平均消費電力(Pave)が大きいほど高く設定されている。
APUモード決定部157は、Pゾーン3に属するとき、図9に示したテーブルを参照して、図5に示したステップS103で算出された平均消費電力(Pave)に対応する目標SOCを導出する。但し、Pゾーン3に属すると判断されている間の目標SOCは、前回値を上回っても良いが、前回値を下回らないよう設定される。なお、APUモード決定部157は、図9のテーブルに示された関係を示す計算式を用いて、平均消費電力(Pave)に対応する目標SOCを算出しても良い。また、平均消費電力(Pave)に対応する目標SOCは、一定の値である規定値であっても良い。このとき、APUモード決定部157による細かな制御を抑制できるので、処理が早くなる。
図10は、上記説明したステップS400の動作を詳細に示すフローチャートである。
図10に示すように、APUモード決定部157は、蓄電器101の目標SOCの履歴情報(目標SOCの前回値)を更新する(ステップS401)。次に、APUモード決定部157は、ステップS200で判断されたPゾーンがPゾーン0であるかを判断し(ステップS403)、Pゾーン0であればステップS405に進み、Pゾーン0でなければステップS407に進む。ステップS405では、APUモード決定部157は、Pゾーン0に対応付けられた目標SOC(SOCT_N)を設定する。
ステップS407では、APUモード決定部157は、ステップS200で判断されたPゾーンがPゾーン1であるかを判断し、Pゾーン1であればステップS409に進み、Pゾーン1でなければステップS411に進む。ステップS409では、APUモード決定部157は、Pゾーン1に対応付けられた目標SOC(SOCT_L)を設定する。
ステップS411では、APUモード決定部157は、ステップS200で判断されたPゾーンがPゾーン2であるかを判断し、Pゾーン2であればステップS413に進み、Pゾーン2でなければステップS421に進む。ステップS413では、APUモード決定部157は、Pゾーン2に対応付けられた目標SOC(SOCT_M)を設定する。
ステップS405、ステップS409又はステップS413の後、APUモード決定部157は、蓄電器101のSOCが目標SOCより大きいかを判断し(ステップS415)、SOC>目標SOCであればステップS417に進み、SOC≦目標SOCであればステップS419に進む。ステップS417では、APUモード決定部157は、APU121の動作モードをAPUモード0に決定する。一方、ステップS419では、APUモード決定部157は、APU121の動作モードをAPUモード1に決定する。
ステップS411でPゾーン2でないと判断された際に行われるステップS421では、APUモード決定部157は、図9に示したテーブルを参照して、図5に示したステップS103で算出された平均消費電力(Pave)に対応する目標SOCを導出する。次に、APUモード決定部157は、ステップS421で導出した目標SOCの値を目標SOCの前回値と比較して、値が大きい方の目標SOCをPゾーン3の目標SOCとして設定する(ステップS423)。
次に、APUモード決定部157は、蓄電器101のSOCが目標SOCより大きいかを判断し(ステップS425)、SOC>目標SOCであればステップS427に進み、SOC≦目標SOCであればステップS429に進む。ステップS427では、APUモード決定部157は、APU121の動作モードをAPUモード1に決定する。一方、ステップS429では、APUモード決定部157は、APU121の動作モードをAPUモード2に決定する。
なお、ステップS415及びステップS425で行われる蓄電器101のSOCと目標SOCの比較における判断では、ヒステリシスを設けても良い。すなわち、蓄電器101のSOCが目標SOC以下の状態からステップS417若しくはステップS427に進む際の条件を「SOC−α>目標SOC」とし、蓄電器101のSOCが目標SOCより大きい状態からステップS419若しくはステップS429に進む際の条件を「SOC+α≦目標SOC」としても良い。
図3に示すように、ステップS400の後、マネジメントECU119のAPU作動判断部159は、APUモード及び蓄電器101のSOCと目標SOCの関係又は平均消費電力(Pave)に応じて、ステップS400で決定されたAPUモードでAPU121を作動するか否かを判断する(ステップS500)。当該判断結果に応じてAPU作動判断部159が判断するAPU121の作動の可否は、マネジメントECU119によるAPU121の制御に用いられる。
図11は、上記説明したステップS500の動作を詳細に示すフローチャートである。
図11に示すように、APU作動判断部159は、ステップS400でAPUモード0と決定されたかを判断し(ステップS501)、APUモード0と決定された場合はステップS503に進み、APUモード0以外に決定された場合はステップS505に進む。ステップS503では、APU作動判断部159は、APU121の作動の可否を示すAPU作動可否設定(F_APUON)を0に設定して、APU121の作動を禁止する。
ステップS505では、APU作動判断部159は、ステップS400でAPUモード1と決定されたかを判断し、APUモード1と決定された場合はステップS507に進み、APUモード2と決定された場合はステップS513に進む。ステップS507では、APU作動判断部159は、蓄電器101のSOCが目標SOCよりも大きいかを判断し、SOC>目標SOCであればステップS509に進み、SOC≦目標SOCであればステップS511に進む。ステップS509では、APU作動判断部159は、APU作動可否設定(F_APUON)を0に設定して、APU121の作動を禁止する。一方、ステップS511では、APU作動判断部159は、APU作動可否設定(F_APUON)を1に設定して、APU121の作動を許可する。
なお、ステップS507で行われる蓄電器101のSOCと目標SOCの比較における判断では、ヒステリシスを設けても良い。すなわち、蓄電器101のSOCが目標SOC以下の状態からステップS509に進む際の条件を「SOC−α>目標SOC」とし、蓄電器101のSOCが目標SOCより大きい状態からステップS511に進む際の条件を「SOC+α≦目標SOC」としても良い。
ステップS505でAPUモード2と決定された際に進むステップS513では、APU作動判断部159は、図5のステップS103で算出された平均消費電力(Pave)が、APUモード2時において設定されるAPU121の発電電力上限値(APUPMM)よりも大きいかを判断する。その判断の結果、平均消費電力(Pave)が、APUモード2時におけるAPU121の発電電力上限値(APUPMM)よりも大きい(Pave>APUPMM)ときはステップS515に進み、APUモード2時において設定されるAPU121の発電電力上限値(APUPMM)以下(Pave≦APUPMM)のときはステップS517に進む。ステップS515では、APU作動判断部159は、APU作動可否設定(F_APUON)を1に設定して、APU121の作動を許可する。一方、ステップS517では、APU作動判断部159は、APU作動可否設定(F_APUON)を0に設定して、APU121の作動を禁止する。
なお、ステップS513で行われる比較、即ち、平均消費電力(Pave)と、APUモード2時におけるAPU121の発電電力上限値(APUPMM)との比較では、ヒステリシスを設けても良い。すなわち、平均消費電力(Pave)が、APUモード2時におけるAPU121の発電電力上限値(APUPMM)以下の状態からステップS515に進む際の条件を「Pave−α>APUPMM」とし、平均消費電力(Pave)が、APUモード2時におけるAPU121の発電電力上限値(APUPMM)より大きい状態からステップS517に進む際の条件を「Pave+α≦APUPMM」としても良い。
図3に示すように、ステップS500の後、マネジメントECU119の発電電力上限値設定部161は、ステップS200で判断されたPゾーンに応じて、APU121による発電電力の上限値(以下「発電電力上限値」という)を設定する(ステップS600)。発電電力上限値設定部161が設定した発電電力上限値に基づいて、マネジメントECU119はAPU121を制御することができる。
図12は、Pゾーン毎の発電電力上限値及び各発電電力上限値とBSFCの関係を示すテーブルである。図12に示すように、Pゾーン3では、BSFCライン上でのAPU121の最高出力が発電電力上限値に設定される。また、Pゾーン0では、BSFCが最も低い運転点でのAPU121の出力が発電電力上限値に設定される。また、Pゾーン1、Pゾーン2では、Pゾーン3で設定される発電電力上限値とPゾーン0で設定される発電電力上限値の間の値がそれぞれ設定される。但し、Pゾーン2の発電電力上限値の方がPゾーン1の発電電力上限値よりも高く設定される。
なお、APU121による発電は、内燃機関109を運転することによって行われる。内燃機関109の回転数の上昇に応じてその運転音は大きくなるが、運転音の増大は静粛性(NV性能)を低下させる。また、図12に示すように、発電電力上限値のBSFCは、Pゾーンが低いほど良い。一方、発電電力上限値が高く設定された方が、エネルギマネジメント性能が向上する。
図13は、上記説明したステップS600の動作を詳細に示すフローチャートである。
図13に示すように、発電電力上限値設定部161は、ステップS200で判断されたPゾーンがPゾーン0であるかを判断し(ステップS601)、Pゾーン0であればステップS603に進み、Pゾーン0以外のPゾーン(Pゾーン1〜3)であればステップS605に進む。ステップS603では、発電電力上限値設定部161は、APU121の発電電力上限値(APUP_MAX)をPゾーン0に対応する発電電力上限値(APUPME)に設定する。
ステップS605では、発電電力上限値設定部161は、ステップS200で判断されたPゾーンがPゾーン1であるかを判断し、Pゾーン1であればステップS607に進み、Pゾーン0以外のPゾーン(Pゾーン2又は3)であればステップS609に進む。ステップS607では、発電電力上限値設定部161は、APU121の発電電力上限値(APUP_MAX)をPゾーン1に対応する発電電力上限値(APUPML)に設定する。
ステップS609では、発電電力上限値設定部161は、ステップS200で判断されたPゾーンがPゾーン2であるかを判断し、Pゾーン2であればステップS611に進み、Pゾーン3であればステップS613に進む。ステップS611では、発電電力上限値設定部161は、APU121の発電電力上限値(APUP_MAX)をPゾーン2に対応する発電電力上限値(APUPMM)に設定する。一方、ステップS613では、発電電力上限値設定部161は、APU121の発電電力上限値(APUP_MAX)をPゾーン3に対応する発電電力上限値(APUPMH)に設定する。
以上に示したように、図3におけるステップS600までの処理により、APU121の基本動作を行う条件が整う。
続いて、上述のAPU121の基本動作を前提にして、本実施形態における内燃機関109の排気浄化触媒の温度(CAT温度)に基づいたAPU121の発電量制御(内燃機関の出力量制御)について、図3に示すステップS700からステップS900を参照して説明する。
図3に示すように、ステップS600の後、CAT温度推定処理部165は、CAT123の触媒温度(CAT温度、排気浄化触媒温度)を推定する。CAT温度は直接検出する代わりに推定演算により得ることができる。CAT温度の推定方法は、一般的な手法を用いることができ、例えば、CAT温度推定処理部165は、検出された積算吸入空気量に基づいて、CAT123の触媒温度(CAT温度(TCAT_EST))を推定してもよい。また、具体的な詳細な推定方法は、例えば特許3361252号公報などを参照する(ステップS700)。
ステップS700の後、発電実行判定部167は、蓄電器のSOC、運転状態、環境要因などに基づいて、発電実行/発電停止の判断を実施して、発電を実行するか/発電を停止するかを示す発電要求フラグ(F_ENGONREQ)を設定する発電実行停止判定処理を行う(ステップS750)。
ステップS750の後、モータリング制御判定部169は、ステップS100において算出された平均消費電力(Pave)と、ステップS700において推定されたCAT温度(TCAT_EST)と、ステップS750において設定された発電要求フラグ(F_ENGONREQ)とにより、発電停止時においてモータリング処理を行うか否かを示すモータリング制御フラグ(F_TCATMTR)を設定するモータリング制御判定処理を行う(ステップS800)。
ステップS800の後、発電制御部171は、ステップS100において算出された平均消費電力(Pave)と、車速PVと、ステップS200において負荷電力の大きさを基に分類された領域(PZONE)と、ステップS750において設定された発電要求フラグ(F_ENGONREQ)と、ステップS800において設定されたモータリング制御フラグ(F_TCATMTR)により、発電制御とモータリング制御の何れを行うかを制御する発電制御処理を行う(ステップS900)。
そして、マネジメントECU119は、ステップS400でAPUモード決定部157が決定したAPUモード、ステップS500でAPU作動判断部159の判断結果に基づくAPU作動可否情報、及びステップS600で発電電力上限値設定部161が設定した発電電力上限値(APUP_MAX)基づいてAPU121の動作を制御する。
図14を参照し、本実施形態における発電制御停止判定処理と発電制御処理の概要について説明する。
図14は、本実施形態における発電制御処理の概要を示す図である。この図14には、時間の経過に応じたCAT温度の変化を示す。
図14(a)には、本発明の実施形態を適用しない場合のCAT温度の代表的な変化を示す。要するに、時刻t0以降において、発電要求フラグ(F_ENGONREQ、「発電要求」)が1に設定されている期間は、燃料遮断フラグ(F_FC)が0に設定され、内燃機関109に燃料が供給される状態が保持されている。内燃機関109の回転数NE(内燃機関回転数)は所望の値N0に保持されることから、時刻t0以降運転開始とともにCAT温度が徐々に上昇する。時刻t1において、発電要求フラグ(F_ENGONREQ)が0に変更されるとともに、燃料遮断フラグ(F_FC)が1に設定され、内燃機関109に対して供給されていた燃料の供給が停止する。このように、燃料の供給が停止した場合には、CATに余剰に供給される燃料がなくなることから、気化熱による冷却効果も停止することにより、CAT温度が高温のまま維持されてしまう。従来の発電制御処理の方法によると、CATを劣化させてしまう虞があった。
そこで、本実施形態においては、図14(b)に示すように、発電要求フラグ(F_ENGONREQ)が0に変更されても、内燃機関109には燃料の供給を継続するように制御する。
要するに、時刻t0から時刻t1までは、図14(a)と同じように制御され、モータリング制御フラグ(F_TCATMTR)が、0となっている。
ここで、時刻t1において、発電制御停止判定処理の結果により発電要求フラグ(F_ENGONREQ)が0に変更される。その発電要求フラグ(F_ENGONREQ)の状態の変更とともに、燃料遮断フラグ(F_FC)が1に設定され、内燃機関109に対して供給されていた燃料の供給が停止する。この段階で発電状態が解除されるが、これまで発電機として機能させていた発電機111に電力を送り、電動機として機能させるように発電機111を制御する。なお、このような制御の状態を、本実施形態においては「モータリング」という。
さらに、モータリング制御フラグ(F_TCATMTR)を1に切り替えることにより、発電機111が、モータリングの状態になることにより、内燃機関109が吸入する空気量が発生する。内燃機関109が吸入した空気をCAT123に対して内燃機関109から排気ガスとして送られるので、CAT123を通過する空気量が増加することによりCAT温度が低下する。
CAT温度が、時刻t1時の判定閾値温度(第1温度)から所望の温度(第2温度)まで低下することにより、発電機111のモータリングを停止する。このように、燃料の供給が停止した場合には内燃機関109の駆動力によってCAT123を冷却することができなくなるが、CAT温度に応じて発電機111をモータリングさせることにより、効率よくCAT温度を低減することができる。これにより、CAT123の熱による性能劣化を防ぐことができるようになる。
本実施形態に示すように、内燃機関109に対して燃料の供給が停止された場合においても、CAT温度が高温のまま維持されてしまうことを防ぎ、CAT123の温度上昇による劣化の進行を遅らせることができる。なお、第1温度及び第2温度は、排気浄化触媒が活性化する温度に基づいて設定される。例えば、第1温度は性能が落ちる高温側の温度から設定され、第2温度は低温側の温度から設定される。また、第1温度は、排気浄化触媒の耐熱温度に基づいて設定してもよい。
図15を参照して、上記説明したステップS800の動作の詳細を説明する。
図15は、上記説明したステップS800の動作を詳細に示すフローチャートである。
この図15に示すように、モータリング制御判定部169は、前回の制御サイクルにおいて設定されているモータリング制御フラグ(F_TCATMTR)が1であるか否かを判断し(ステップS801)、モータリング制御フラグ(F_TCATMTR)が1の状態にあればステップS803に進み、モータリング制御フラグ(F_TCATMTR)が1以外(即ち0)の状態にあればステップS811に進む。
ステップS803では、モータリング制御判定部169は、ステップS700において推定されたCAT温度(TCAT_EST)が、予め定められる閾値温度(TCATMTRL)未満であるか否かを判断し(ステップS803)、CAT温度(TCAT_EST)が閾値温度(TCATMTRL)未満の状態にあればステップS805に進み、CAT温度(TCAT_EST)が閾値温度(TCATMTRL)以上の状態にあれば、モータリング制御フラグ(F_TCATMTR)を1に保持したまま、モータリング制御の判定処理を終了する。
ステップS805では、モータリング制御判定部169は、モータリング制御フラグ(F_TCATMTR)を0に設定(F_TCATMTR←0)し、即ち、モータリング制御の実行を停止させる設定にして、モータリング制御の判定処理を終了する。
一方、ステップS801における判断の結果に従い、ステップS811では、モータリング制御判定部169は、発電要求フラグ(F_ENGONREQ)の状態変化を検出する。この発電要求フラグ(F_ENGONREQ)の状態変化の検出において、例えば、モータリング制御判定部169は、前回の制御細工において設定されている発電要求フラグの前回値(F_ENGONREQZ)が1であり、かつ、ステップS750において設定された発電要求フラグ(F_ENGONREQ)が0であるか否か、即ち、発電要求フラグ(F_ENGONREQ)が1から0に変化したか否かを判断し(ステップS811)、発電要求フラグ(F_ENGONREQ)が1から0に変化していない場合であればステップS813に進み、発電要求フラグ(F_ENGONREQ)が1から0に変化した場合であればステップS815に進む。
ステップS813では、モータリング制御判定部169は、モータリング制御フラグ(F_TCATMTR)を0に設定(F_TCATMTR←0)することにより、モータリング制御の実行を停止させる設定にして、モータリング制御の判定処理を終了する。
一方、モータリング制御を実行するにあたり、総消費電力(Power_Total)の所定期間移動平均値(Pave)により、モータリング制御を実行するCAT温度の範囲を動的に設定する。例えば、モータリング制御を実行するCAT温度の範囲を定める際に参照するテーブル(モータリング制御実行判断用のCAT温度(TCATMTRH)算出テーブル(TCTMTRHTBH)と、モータリング制御停止判断用のCAT温度(TCATMTRL)算出テーブル(TCTMTRLTBL))を予め定義して、記憶領域に記憶させておく。モータリング制御を実行するCAT温度の範囲を定める際に参照するテーブルの詳細については後述とする。
ステップS815では、モータリング制御判定部169は、総消費電力(Power_Total)の所定期間移動平均値(Pave)により、モータリング制御実行判断用のCAT温度(TCATMTRH)算出テーブル(TCTMTRHTBH)を検索し、得られた値をモータリング制御実行判断に用いられるCAT温度の判定閾値(TCATMTRH)として設定する。
ステップS817では、モータリング制御判定部169は、総消費電力(Power_Total)の所定期間移動平均値(Pave)により、モータリング制御停止判断用のCAT温度(TCATMTRL)算出テーブル(TCTMTRLTBL)を検索し、得られた値をモータリング制御停止判断に用いられるCAT温度の判定閾値(TCATMTRL)として設定する。
ステップS819では、モータリング制御判定部169は、ステップS700において推定されたCAT温度(TCAT_EST)が、予め定められる閾値温度(TCATMTRH)を越えるか否かを判断し(ステップS819)、CAT温度(TCAT_EST)が閾値温度(TCATMTRH)を越える状態にあればステップS821に進み、CAT温度(TCAT_EST)が閾値温度(TCATMTRH)を越えない状態にあれば、前述のステップS813に進む。
ステップS821では、モータリング制御判定部169は、モータリング制御フラグ(F_TCATMTR)を1に設定(F_TCATMTR←1)し、モータリング制御の実行を実行させる設定にして、モータリング制御の判定処理を終了する。
図16を参照し、モータリング制御を実行するCAT温度の範囲の定め方について説明する。図16は、モータリング制御を実行するCAT温度の範囲の定め方を説明する図である。
この図16において、総消費電力(Power_Total)の所定期間移動平均値(Pave)(横軸)に対する、モータリング制御実行判断用のCAT温度の判定閾値(TCATMTRH)及びモータリング制御停止判断用のCAT温度の判定閾値(TCATMTRL)(縦軸)の関係を2次元のグラフにして示す。
総消費電力(Power_Total)の所定期間移動平均値(Pave)の全領域において、モータリング制御実行判断用のCAT温度の判定閾値(TCATMTRH)は、モータリング制御停止判断用のCAT温度の判定閾値(TCATMTRL)よりも高く設定されている。要するに、それぞれの総消費電力(Power_Total)の所定期間移動平均値(Pave)において、モータリング制御が行われるCAT温度の範囲は、判定閾値(TCATMTRL)から判定閾値(TCATMTRH)までの間の温度範囲とする。
また、総消費電力(Power_Total)の所定期間移動平均値(Pave)の全領域において、モータリング制御実行判断用のCAT温度の判定閾値(TCATMTRH)及びモータリング制御停止判断用のCAT温度の判定閾値(TCATMTRL)は、総消費電力(Power_Total)の所定期間移動平均値(Pave)が大きくなるにしたがって、それぞれ単調に低下するように設定されている。
図17を参照して、上記説明したステップS900の動作の詳細を説明する。
図17は、上記説明したステップS900の動作を詳細に示すフローチャートである。
この図17に示すように、発電制御部171は、ステップS750において設定された発電要求フラグ(F_ENGONREQ)が1であるか否かを判断し(ステップS901)、発電要求フラグ(F_ENGONREQ)が1の状態にあればステップS903に進み、発電制御の処理を行い、発電制御処理を終える。
一方、発電要求フラグ(F_ENGONREQ)が1以外(即ち0)の状態にあればステップS911に進む。
ステップS911では、発電制御部171は、ステップS800において設定されたモータリング制御フラグ(F_TCATMTR)が1であるか否かを判断し(ステップS901)、モータリング制御フラグ(F_TCATMTR)が1の状態にあればステップS915に進み、モータリング制御フラグ(F_TCATMTR)が1以外(即ち0)の状態にあればステップS913に進む。
ステップS913では、発電制御部171は、発電を停止させ、発電制御の処理を終了する。
一方、ステップS915では、発電制御部171は、ステップS200において負荷電力の大きさを基に分類された領域(PZONE)を確認する。
次に、発電機111においてモータリング制御を実行するにあたり、総消費電力(Power_Total)の所定期間移動平均値(Pave)と車速PVとにより、内燃機関109の回転数NEの目標値(ENG回転数目標値)と、内燃機関109のスロットル開度の目標値(TH開度目標値)を設定する。
例えば、内燃機関109の回転数NEの目標値(ENG回転数目標値)を定める際に参照するマップ(モータリング制御時目標ENG回転数算出MAP(TCTMRNEMAP))と、内燃機関109のスロットル開度の目標値(TH開度目標値)を定める際に参照するマップ(モータリング制御時目標TH開度算出MAP(TCTMRTHMAP))とを予め定義して、記憶領域に記憶させておく。内燃機関109の回転数NEの目標値(ENG回転数目標値)を定める際に参照するマップの詳細については後述とする。
ステップS917では、発電制御部171は、総消費電力(Power_Total)の所定期間移動平均値(Pave)と車速PVとに基づいて、モータリング制御時目標ENG回転数算出MAP(TCTMRNEMAP)を参照し、得られた値を内燃機関109の回転数NEの目標値(ENG回転数目標値)として設定する。
ステップS919では、発電制御部171は、総消費電力(Power_Total)の所定期間移動平均値(Pave)と車速PVとに基づいて、モータリング制御時目標TH開度算出MAP(TCTMRTHMAP))を参照し、得られた値を内燃機関109のスロットル開度の目標値(TH開度目標値)として設定する。
ステップS921では、発電制御部171は、発電機111を電動機として機能させることにより、発電機111を駆動源として内燃機関109を駆動させる。発電機111によって内燃機関109を駆動させる際の内燃機関109の回転数NEは、ステップS917において設定されたENG回転数目標値になるように、発電制御部171は、発電機111を制御する。その際、発電制御部171は、内燃機関109のスロットルをTH開度目標値に従って開くことにより吸入抵抗を低減させる。以上に示すモータリング制御を行い、この発電制御の処理を終了する。
図18を参照し、モータリング制御を実行する際の内燃機関の回転数NEの目標回転数の定め方について説明する。図18は、モータリング制御を実行する際の内燃機関の回転数NEの目標回転数の定め方を説明する図である。
この図18において、総消費電力(Power_Total)の所定期間移動平均値(Pave)(横軸)に対する、モータリング制御を実行する際の内燃機関109の回転数NEの目標回転数(縦軸)の関係を2次元のグラフにして示す。
総消費電力(Power_Total)の所定期間移動平均値(Pave)の全領域において、内燃機関109の回転数NEの目標回転数は、総消費電力(Power_Total)の所定期間移動平均値(Pave)が大きくなるにしたがって単調に増加するように設定されている。
また、モータリング制御を実行する際の内燃機関109の回転数NEの目標回転数は、総消費電力(Power_Total)の所定期間移動平均値(Pave)と車速VPとを変数とする関数として定義してもよい。総消費電力(Power_Total)の所定期間移動平均値(Pave)が同じ場合には、車速VPが高まるほど内燃機関109の回転数NEの目標回転数が高くなるように設定されている。
なお、内燃機関109の回転数NEの目標回転数は、商品性を重視する場合には車速VPが高いほど高めに設定され、性能(性能性)を重視する場合には車速VPが低いほど高めに設定する。
図19を参照し、モータリング制御を実行する際の内燃機関のスロットル開度の目標値の定め方について説明する。図19は、モータリング制御を実行する際の内燃機関のスロットル開度の目標値の定め方を説明する図である。
この図19において、総消費電力(Power_Total)の所定期間移動平均値(Pave)(横軸)に対する、モータリング制御を実行する際の内燃機関109のスロットル開度の目標値(TH開度)(縦軸)の関係を2次元のグラフにして示す。
総消費電力(Power_Total)の所定期間移動平均値(Pave)の全領域において、内燃機関109のスロットル開度の目標値は、総消費電力(Power_Total)の所定期間移動平均値(Pave)が大きくなるにしたがって単調に増加するように設定されている。
また、モータリング制御を実行する際の内燃機関109のスロットル開度の目標値は、総消費電力(Power_Total)の所定期間移動平均値(Pave)と車速VPとを変数とする関数として定義してもよい。総消費電力(Power_Total)の所定期間移動平均値(Pave)が同じ場合には、車速VPが高まるほどの内燃機関109のスロットル開度の目標値が高くなるように設定されている。
なお、の内燃機関109のスロットル開度の目標値は、商品性を重視する場合には車速VPが高いほど高めに設定され、性能(性能性)を重視する場合には車速VPが低いほど高めに設定する。
また、本実施形態においては、発電機111を駆動源として内燃機関109を駆動(モータリング)させることで、内燃機関109内を通過する空気量を増加させて、積極的にCATを冷却してCATの温度を低下させるように制御(CAT温度制御)している。
CAT温度を低下させる場合にも、実際の車両の運転状態に応じた設定が必要であり、例えば、商品性や性能性の観点から内燃機関109の回転数NEやスロットル開度を変更する。商品性と性能性を同時に高めるように内燃機関109の回転数NEやスロットル開度を変更することが困難であるため、走行条件に応じて商品性と性能性のいずれを重視すべきかを選択する。商品性と性能性との選択は、車両が瞬間的に消費し得る電力を複数の領域として分類したPゾーン(PZONE)に応じて定めることができる。
Pゾーン0の場合(PZONE=0)には、商品性を選択する。
Pゾーン0として分類される領域は、主に低トルクで運転する領域であって、燃費を優先する燃費負荷領域でもあり、例えば市街地を走行する場合に相当する。このような運転条件であれば、商品性を重視しても蓄電器の充電量が枯渇する虞がない。
Pゾーン1の場合(PZONE=1)には、商品性を選択する。
Pゾーン1として分類される領域は、主に中トルクで運転する領域(低負荷領域)であり、例えば郊外を走行する場合に相当する。このような運転条件であれば、商品性を重視しても蓄電器の充電量が枯渇する虞がない。
Pゾーン2の場合(PZONE=2)には、性能性を選択する。
Pゾーン2として分類される領域は、主に高トルクで運転する領域(中負荷領域)であり、例えば高速走行を行う場合に相当する。このような運転条件であれば、性能を重視するとともに、CAT温度を制御してCATを保護することが望ましい。
Pゾーン3の場合(PZONE=3)には、CAT温度の制御は行わない。
Pゾーン3として分類される領域は、主に高出力状態が要求される領域(高負荷領域)であるため、CAT温度の制御は実施しない。
なお、発電制御部171は、車速VPが速くなるほど内燃機関109の回転数NE及び/又はスロットル開度を大きくして、前記内燃機関109の回転数NEが低・中回転数時に低燃費性を確保する商品性マップに基づいて、車速VPに応じて流入空気量を多くする。これにより、スロットル開度を大きくする領域が低・中トルク領域(市街地・郊外走行)以外にあるため、内燃機関109の回転数NEが低・中回転数時に低燃費性を確保できるような商品性を重視する商品性マップに基づいて制御しても、蓄電器の充電量が枯渇しない。
また、発電制御部171は、車速VPが遅くなるほど内燃機関109の回転数NE及び/又はスロットル開度を大きくして出力性能を確保する性能性マップに基づいて、車速VPに応じて流入空気量を多くする。これにより、スロットル開度を大きくする領域が高トルク領域(高速走行)であるため、出力性能を確保するように性能を重視しつつ、CATを保護することができる。
また、モータリング制御判定部169は、負荷領域(PZONE)に応じて商品性マップ又は性能性マップを選択してもよい。これにより、発電制御部171は、所定期間の総消費電力量が所定発電量より小さい場合に内燃機関の出力を可変させる、すなわち、消費電力量が小さな走行状態のときに内燃機関の出力制御を行うので、充蓄器の充電量が枯渇するようなエネルギマネジメントの破綻を抑制することができる。
図20を参照し、本実施形態における発電制御の処理について説明する。
上記のステップS903に示すように、ステップS100からステップS600までの処理により、マネジメントECU119は、ステップS400でAPUモード決定部157が決定したAPUモード、ステップS500でAPU作動判断部159の判断結果に基づくAPU作動可否情報、及びステップS600で発電電力上限値設定部161が設定した発電電力上限値に基づいて、APU121の基本動作を制御する発電制御の処理を実施することができる。
図20は、図3に示したフローチャートに示すステップS100からステップS600までの処理に従ってマネジメントECU119が動作したときの平均消費電力(Pave)、車速VP、第3継続タイマーの計測残時間、継続フラグ、並びに、蓄電器101のSOC及び目標SOCの時間変化の一例を示すグラフである。図20に示す例では、時間t1で平均消費電力(Pave)がPゾーン3に属すると判断されるため、第3継続タイマーが計測を開始し、継続フラグが1に設定され、Pゾーン3時の目標SOCが設定される。
時間t1〜t2の間では、平均消費電力(Pave)がPゾーン3の最低消費電力(PZONEH)を下回るときもあるが、第3継続タイマーの計測残時間(TM_PZH)が0ではないため、継続フラグ(F_PZHC)は1に維持され、目標SOCもそのまま時間t1後の最大値に維持される。その後、時間t2〜t3の間は、平均消費電力(Pave)が略0であり、かつ、第3継続タイマーの計測残時間(TM_PZH)も0であるが、蓄電器101のSOCが時間t2の時点で設定されている目標SOCに到達していないため、継続フラグ(F_PZHC)は1に維持される。このとき、APU121は継続して駆動されるため蓄電器101の充電も継続されるが、蓄電器101のSOCが当該目標SOCに到達する時間t3で継続フラグ(F_PZHC)が0に設定され、APU121の動作が停止される。
以上説明したように、本実施形態によれば、Pゾーン3に属すると判断されている状態から、平均消費電力(Pave)がPゾーン3の最低消費電力(PZONEH)を下回り、第3継続タイマーの計測残時間(TM_PZH)が0の状態になっても、Pゾーン3に対応する目標SOCが維持され、蓄電器101のSOCが当該目標SOCに到達するまではAPU121の駆動が継続される。したがって、再度、電動機107に高出力が要求されても、蓄電器101のSOCは十分に高いため、電動機107は当該要求に応じることができる。言い換えると、蓄電器101のSOCが低いために電動機107が当該要求に応じることができないといった事態を避けることができる。
一方、Pゾーン3に属するとの判断がなくPゾーン0〜2に属する状態が続くのであれば、蓄電器101の目標SOCは、そのとき属するPゾーンに対応して設定される。この場合、Pゾーン0〜2に対応する目標SOCはPゾーン3に対応する目標SOCよりも低いため、Pゾーン3時に比べてAPU121の発電に伴うCO2排出量は抑えられる。
このように、蓄電器101は、Pゾーン3に属すると判断された際には、その後の再度の高出力要求に応じることができるよう蓄電器101を高レベルのSOCまで充電する一方、Pゾーン3に属さない状態が続くのであれば、CO2排出量の抑制を優先して蓄電器101の目標SOCは適正なレベルに設定される。したがって、車両で消費される電力がPゾーン0〜3のいずれに属しても、蓄電器101は適正な充電状態に維持される。
また、図11のステップS513〜S515で説明したように、マネジメントECU119が有するAPU作動判断部159は、APUモード2でAPU121を駆動するとき、平均消費電力(Pave)がAPUモード2時におけるAPU121の発電電力上限値(APUPMM)よりも大きければ、蓄電器101のSOCが目標SOCに到達する前からAPU121の作動を許可する。したがって、SOCの低下が予測される状況では、蓄電器101のSOCの低下を最大限に抑制できる。
それに対し、ステップS513における処理、即ち、平均消費電力(Pave)とAPUモード2時におけるAPU121の発電電力上限値(APUPMM)の比較結果に応じた判断を行わない場合を想定する。ステップS513の処理を行わないことにより、蓄電器101のSOCと目標SOCを比較した結果に従い、SOC≦目標SOCの場合はステップS515に進み、SOC>目標SOCの場合はステップS517に進む処理を行うことになる。このような処理を行う場合には、蓄電器101のSOCが目標SOCまで低下しなければAPU121の作動が許可されない。一方、このような処理を行う場合と比較して、本実施形態では、ステップS513における判定処理を行うことにより、SOCの低下が予測されるAPUモード2の場合に、APU121を作動させるタイミングを早めることができる。
以上に示した本実施形態においては、マネジメントECU119は、内燃機関109のCAT123の温度(CAT温度)に応じて、内燃機関109の出力を可変させることができる。また、マネジメントECU119は、充電器101の充電量を枯渇させることなく、さらに、省CO性能を悪化させることなく走行することを可能とする。
なお、本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記実施形態では、シリーズ方式のHEV1を例について説明したが、図21に示すシリーズ/パラレル方式のHEV1Aにも適用可能である。
また、上記の実施形態においては、CATを冷却するために内燃機関109の燃料供給を遮断して発電機111によりモータリングさせる場合を例示したが、内燃機関109の燃料供給を遮断せずに、内燃機関109を低速で駆動させる燃焼状態を継続させてもよい。また、発電機111によりモータリング状態と、内燃機関109を低速で駆動させる燃焼状態のいずれかを選択するようにしてもよい。
1、1A HEV(ハイブリッド車両)
101 蓄電器(BATT)
103 コンバータ(CONV)
105 第1インバータ(第1INV)
107 電動機(MOT)
109 内燃機関(ENG)
111 発電機(GEN)
113 第2インバータ(第2INV)
115 ギアボックス
116 駆動軸
117 車速センサ
119 マネジメントECU(MG ECU、出力調整部、発電制御装置)
121 APU(発電部)
123 排気浄化触媒(CAT)
125 クラッチ
151 消費電力フィルタリング部
153 Pゾーン判断部
155 継続フラグ設定部
157 APUモード決定部
159 APU作動判断部
161 発電電力上限値設定部
163 継続タイマー
165 CAT温度推定処理部
167 発電実行判定部
169 モータリング制御判定部
171 発電制御部(出力調整部)

Claims (10)

  1. 供給される電力によって駆動する電動機と、
    排気浄化触媒を有する内燃機関及び前記内燃機関の運転によって発電する発電機を有し、発電した電力を前記電動機又は前記電動機に電力を供給する充電可能な蓄電器に供給する発電部と、
    を備えたハイブリッド車両における発電制御装置であって、
    内燃機関の排気浄化触媒の温度に応じて内燃機関の出力を規制し、平均消費電力に応じて空気流入量を可変する出力調整部
    を備えることを特徴とする発電制御装置。
  2. 前記出力調整部は、
    前記内燃機関の排気浄化触媒温度が、第1温度より高くなった場合に前記内燃機関の出力を規制し、前記内燃機関の排気浄化触媒温度が前記第1温度より低い第2温度より低くなったときに前記内燃機関の出力を許可する
    ことを特徴とする請求項1に記載の発電制御装置。
  3. 前記出力調整部は、
    前記平均消費電力に応じて、前記第1温度及び前記第2温度を可変する
    ことを特徴とする請求項2に記載の発電制御装置。
  4. 前記出力調整部は、
    前記平均消費電力が大きくなるにつれて、前記第1温度及び前記第2温度を低くする
    ことを特徴とする請求項3に記載の発電制御装置。
  5. 前記出力調整部は、
    前記平均消費電力が大きくなるにつれて、前記内燃機関への流入空気量を多くする
    ことを特徴とする請求項3に記載の発電制御装置。
  6. 前記出力調整部は、
    前記内燃機関の内燃機関回転数及び/又はスロットル開度を大きくすることで前記流入空気量を多くする
    ことを特徴とする請求項5に記載の発電制御装置。
  7. 前記出力調整部は、
    車速が速くなるほど前記内燃機関回転数及び/又は前記スロットル開度を大きくする商品性マップに基づいて、前記車速に応じて前記流入空気量を多くする
    ことを特徴とする請求項6に記載の発電制御装置。
  8. 前記出力調整部は、
    車速が遅くなるほど前記内燃機関回転数及び/又は前記スロットル開度を大きくする性能性マップに基づいて、前記車速に応じて前記流入空気量を多くする
    ことを特徴とする請求項6に記載の発電制御装置。
  9. 前記出力調整部は、
    負荷領域に応じて前記商品性マップ又は前記性能性マップを選択する
    ことを特徴とする請求項7又は8に記載の発電制御装置。
  10. 供給される電力によって駆動する電動機と、
    排気浄化触媒を有する内燃機関及び前記内燃機関の運転によって発電する発電機を有し、発電した電力を前記電動機又は前記電動機に電力を供給する充電可能な蓄電器に供給する発電部と、
    内燃機関の排気浄化触媒の温度に応じて内燃機関の出力を規制し、平均消費電力に応じて空気流入量を可変する発電制御装置と
    を備えることを特徴とするハイブリッド車両。
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