JP2014004200A - 液体注入器及び液体注入方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 精度よく液体を注入することが可能な液体注入器を提供する。
【解決手段】 液体を貯留する液体貯留部と、前記液体貯留部に貯留された前記液体を生体に注入する注入管と、前記液体貯留部と前記注入管との間に設けられ、前記液体を通過させ、気体を通過させないフィルターと、を備える。
【選択図】 図3

Description

本発明は、液体注入器及び液体注入方法に関する。
体内に液体を持続的に注入する液体注入装置がある。例えば、インスリン等の薬液の持続皮下注入に用いられる液体注入装置として、カテーテルを皮下に留置して体内にインスリンを注入する液体注入部と、該液体注入部にインスリンを供給する液体供給部からなる皮下注入器が広く知られている。このような皮下注入器では、液体供給部から液体注入部へ液体を送る送液ラインが日常生活の邪魔になる場合がある。そのため、液体注入部と送液ラインとを着脱可能に構成し、薬液の注入時にのみ送液ラインを液体注入部に接続する方法が行なわれている。(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−51702号公報
このような構成の液体注入装置では、液体注入部と送液ラインとの着脱の際に気泡が発生したり、液体供給部から供給される液体に気泡が混入したりする場合がある。気泡がそのまま液体注入部に流入すると、液体の送液精度が悪化し、精密な皮下注入を行なうことが困難になる。特に、インスリン等の薬液注入時において液体供給装置として多用されるチューブポンプでは、チューブが蠕動運動を行う際に負圧によってキャビテーションが発生して気泡が生じやすくなる。そのため、液体の注入量を精度よくコントロールすることが難しい。
本発明は、精度よく液体を注入することが可能な液体注入器を提供することを課題としている。
上記目的を達成するための主たる発明は、液体を貯留する液体貯留部と、前記液体貯留部に貯留された前記液体を生体に注入する注入管と、前記液体貯留部と前記注入管との間に設けられ、前記液体を通過させ、気体を通過させないフィルターと、を備える液体注入器である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
液体注入装置1の全体構成を表す図である。 液体供給器20の概略断面図である。 液体注入器50の概略断面図である。 ケース512Aのフィルター保持面に設けられる溝部について説明する図である。 液体注入器50に液体供給器20が接続された状態を表す図である。 液体注入器50に穿刺器30が接続された状態を表す図である。 液体注入時における液体注入器50の状態を表す図である。 液体注入器50内の液体の流れについて説明する図である。 比較例1の液体注入装置で液体を注入する場合の、液体の流れについて説明する図である。
本明細書及び添付図面の記載により、少なくとも、以下の事項が明らかとなる。
液体を貯留する液体貯留部と、前記液体貯留部に貯留された前記液体を生体に注入する注入管と、前記液体貯留部と前記注入管との間に設けられ、前記液体を通過させ、気体を通過させないフィルターと、を備える液体注入器。
このような液体注入器によれば、精度よく液体を注入することが可能になる。
かかる液体注入器であって、前記フィルターによって前記注入管へ流入するのを遮断された気体が、前記液体貯留部の内部に残留することが望ましい。
このような液体注入器によれば、液体貯留部内に混入した気体が、注入管(カテーテル)へ流入するのを抑制することが可能となり、高精度な液体注入動作を実現することができる。
かかる液体注入器であって、前記液体貯留部を外気から隔離するセプタムを有し、前記セプタムを貫通する注射針を介して、前記液体貯留部の内部に前記液体が供給されることが望ましい。
このような液体注入器によれば、液体貯留部の内部に外部から気体が流入することを抑制しつつ、液体貯留部の内部に液体を供給することができる。
かかる液体注入器であって、前記注射針は、前記フィルターに対して垂直な方向から前記セプタムを貫通して前記液体貯留部の内部に挿入されることが望ましい。
このような液体注入器によれば、セプタムの配置や液体貯留部の形状に関する制約が少なくなり、装置やフィルターを小型化することができる。
かかる液体注入器であって、前記注射針を保持する液体供給器に設けられた段状部分と対応する形状を有する度当て部を有し、前記注射針を介して前記液体貯留部に液体が供給される際に、前記段状部分を前記液体供給器の度当て部と当接させることによって、前記注射針の先端部分が前記フィルターと接触しないように、前記注射針が前記液体貯留部の内部に挿入される量が調節されることが望ましい。
このような液体注入器によれば、液体貯留部の内部に注射針を挿入する際に、該注射針によってフィルターが破れたり破損したりすることを抑制し、より安全な液体注入を行なうことができる。
かかる液体注入器であって、複数の溝を有するフィルター保持面を有し、膜状の前記フィルターが、前記フィルター保持面によって保持されることが望ましい。
このような液体注入器によれば、液体と気体とを分離する際にフィルターに作用する負荷(圧力)が分散され、フィルターが破損しにくくなる。また、フィルターを通過した後の液体を溝に沿って流すことで、フィルター付近で液体が滞留するのを抑制し、効率的に液体を分離することができる。
また、液体貯留部に液体を貯留することと、前記液体を注入管から生体に注入することと、前記液体貯留部と前記注入管との間に設けられ、前記液体を通過させ、気体を通過させないフィルターを通して、前記液体貯留部に貯留された前記液体を前記注入管に移動させることと、を有する液体注入方法が明らかとなる。
===実施形態===
<液体注入装置について>
所定量の液体を連続的に生体等に注入する液体注入装置がある。例えば、インスリンの持続皮下注入に用いられるインスリン注入装置では、一定量のインスリンを持続的に生体内(皮下)に注入することができる。本実施形態では、精度よく液体を注入することが可能な液体注入装置1を用いた液体注入について説明する。
図1は、液体注入装置1の全体構成を表す図である。液体注入装置1は、液体供給器20、液体注入器50、及び、図1では図示しない穿刺器30を有する。穿刺器30は、液体注入器50を生体に取り付ける際に用いられる機器である。
また、液体注入時には、動力源である送液ポンプ10に液体注入装置1が接続される。
送液ポンプ10は、液体注入器50に液体を供給する動力源となる液体輸送装置であり、単位時間当たりの液体輸送量を正確に制御できることが望ましい。本実施形態の送液ポンプ10としては、例えば、複数のフィンガーで順次チューブを押圧することによって、チューブ内部に充填されている液体を輸送方向に輸送するチューブポンプが用いられる。
<液体供給器20の構成>
図2は、液体供給器20の概略断面図である。液体供給器20は、送液ポンプ10によって輸送される液体を液体注入器50の内部に供給するための機器であり、液体輸送路21と接続部22とを有する。液体供給器20は、液体注入時に液体注入器50と接続され、液体注入が行われない時は液体注入器50から取り外される。液体供給器20と液体注入器50との接続方法については後で説明する。
(液体輸送路21)
液体輸送路21は、送液ポンプ10によって送られる液体を接続部22の方向へ輸送する管状の部材である。本実施形態の液体輸送路21は、柔軟性のある樹脂等によって形成される。
(接続部22)
接続部22は、液体注入時に液体注入器50と接続して液体注入器50の内部に液体を供給する部分であり、当該接続部22によって液体供給器20は液体注入器50と着脱可能な構成となっている。接続部22は、接続用注射針221と胴体部222とを有する。
接続用注射針221は、液体供給器20と液体注入器50とが接続された際に、液体注入器50の内部(後述する液体貯留部)に液体を供給する。接続用注射針221は円管状の細長い針であり、液体輸送路21を通って輸送された液体は該接続用注射針221の内部を流れて先端部から流出する。
胴体部222は、接続部22(液体供給器20)の外装を構成する部材であり、注射針221を所定の位置に保持する。また、胴体部222の下部には、図2に示されるような段状部分が設けられている。
<液体注入器50の構成>
液体注入器50は、供給された液体を生体等に注入するための機器である。図3は、液体注入器50の概略断面図である。液体注入器50は、胴体部51と、液体注入部52と、フィルター53と、セプタム54とを有する。
(胴体部51)
胴体部51は、液体注入器50の外装を構成する部材であり、内部には液体注入部52、フィルター53、及びセプタム54が保持される。胴体部51は、ベース511と、ケース512Aと、ケース512Bとを有する。
ベース511は、樹脂等で形成される部材であり、後述する液体注入部52(注入管521及び連通路522)を内部に保持する(図3参照)。生体内に液体を注入する際には、ベース511が生体の表面に固定され、注入管521の一部が体内に留置される。つまり、ベース511は、液体注入対象となる物体(例えば生体)に液体注入器50を固定する際の取り付け台としての機能も有する。また、ベース511の底部で液体供給器20と接続する側(図3の左下部)は一部が突出した度当て部となっており、液体供給器20を接続する際に位置を固定することができる。
ケース512A及びケース512Bは、液体注入時において液体供給器20から供給された液体を液体注入器50の内部に一時的に貯留するための液体貯留部を形成する。液体貯留部は、ケース512Aと、ケース512Bと、フィルター53と、後述する接続用セプタム541とによって囲まれる領域(図3で太線部分で表される領域)であり、外部(外気)から隔離された、気密性を有する領域である。
図3に示されるように、ケース512Aとケース512Bとの間には膜状のフィルター53が保持され、ケース512Aのフィルター53が保持される面(以下、フィルター保持面とも呼ぶ)には複数の溝(溝部)が設けられる。図4は、ケース512Aのフィルター保持面に設けられる溝部について説明する図である。ケース512Aのフィルター保持面は横方向に並ぶ複数の溝を有する。それぞれの溝は互いに接続されている。例えば、図4の場合、それぞれの溝が左側で接続されている。また、溝部のうち中央に位置する溝は他の溝よりも幅が太く形成され、該中央部の溝の底面には、液体注入部52に液体を移動させるための接続流路が設けられる(図3参照)。詳細は後述するが、液体貯留部に貯留された液体は、フィルター53を通過した後、ケース512Aに設けられた溝部に流れ込む。溝部に流れ込んだ液体はそれぞれの溝の接続箇所から中央部の太い溝に集まり、接続流路を通って液体注入部52へ移動する。このような溝状の保持面でフィルター53を保持することにより、フィルター53に作用する負荷(圧力)が分散され、フィルター53が破損しにくくなる。また、フィルター53を通過した後の液体を当該溝に沿って流すことで、フィルター53付近で液体が滞留するのを抑制することができる。
なお、図4ではケース512Aのフィルター保持面が円形に構成されているが、保持面は円形である必要はない。また、図4では複数の溝がそれぞれ横方向に設けられているが、縦方向の溝であってもよい。また、溝の太さ、深さ、数量等は被注入液体(例えばインスリン等の薬液)の性質に応じて変更される。
ケース512Bは接続用セプタム541を嵌め込むようにして保持する。
(液体注入部52)
液体注入部52は、注入管521と、連通部522とを有する。
注入管521は液体を注入するための管であり、本実施形態ではカテーテルが用いられる。注入管521の一部は胴体部51のベース511に保持され、一部はベース511の下側に露出している。液体注入器50を用いて液体の注入を行なう際には、注入管521の露出した部分が生体等の内部に留置され、持続的に液体を注入することができる。したがって、注入管521(カテーテル)は生体内に留置されることを考慮してフッ素樹脂等の柔らかい材料で形成されることが望ましい。
連通部522は、注入管521の内部に液体を導入するための導入部である。液体貯留部から接続流路を通って移動する液体(インスリン等の被注入液体)は、連通部522から注入管521の内部に導入され、生体内へと注入される。
(フィルター53)
フィルター53は胴体部51の内部に保持され、液体貯留部と液体注入部52(注入管521)との間に設けられる膜状の部材である。フィルター53は液体を通過させるが、気体は通過させない性質を有する親水性の材料で形成される。例えば、親水処理を施したPTFE(Polytetrafluoroethylene)メンブレン等が用いられる。本実施形態では、フィルター53によって、液体貯留部内に存在する気体が液体注入部52(注入管521)に流入するのが抑制される。また、フィルター53は固体も通過させない。すなわち、液体と個体とを分離する機能も有する。
(セプタム54)
セプタム54には、接続用セプタム541と、穿刺用セプタム542とがある。
接続用セプタム541は、胴体部51の内部に設けられる液体貯留部を外気から隔離する部材である。また、液体注入時において液体供給器20を液体注入器50に接続する際には、液体供給器20の接続用注射針221を貫通させる。したがって、接続用セプタム541は接続用注射針221を貫通させた場合であっても、該接続用注射針221を抜いた時に、貫通によって開いた孔が塞がるような材料(例えばシリコーン等)で形成される。これにより、接続用セプタム541に接続用注射針221を抜き差ししても、液体貯留部の内部に外部から気体が流入することが抑制される。
穿刺用セプタム542は、注入管521を外気から隔離する部材である。また、後述する穿刺時において注入管521を生体内に挿入する際には、穿刺器30の穿刺針31を貫通させる。したがって、穿刺用セプタム542は穿刺針31を貫通させた場合であっても、該穿刺針31を抜いた時に、貫通によって開いた孔が塞がるような材料(例えばシリコーン等)で形成される。
<液体注入動作について>
液体注入器50を用いた液体注入動作について、液体注入対象が生体である場合の例を示して説明する。
液体の注入を行なう際には、液体注入器50に液体供給器20が接続される。図5は、液体注入器50に液体供給器20が接続された状態を表す図である。本実施形態で、液体供給器20は液体注入器50の側部に接続可能である。両者を接続する際には、液体注入器50に対して図5の左側から右側に液体供給器20をスライド移動させる。そして、液体供給器20に設けられた接続用注射針221が液体注入器50の接続用セプタム541を貫通して液体注入器50の液体貯留部内に挿入される。つまり、フィルター53に対して(フィルター保持面に対して)垂直な方向から接続用注射針221が挿入される。
ここで、フィルター53に対して接続用注射針221が平行に挿入される構成であると、接続用セプタム541の配置や液体貯留部の形状に制約が生じやすくなる。また、液体注入器50の高さが高くなったり装置全体が大型化したりするため、生体に取り付けたときに日常生活の妨げとなるおそれがある。これに対して、本実施形態のようにフィルター53に対して垂直な方向から接続用注射針221を挿入することより、液体注入器50の構成が図5に示されるようなコンパクトな形状となり、フィルター53自体を小型化することもできる。
液体注入器50(ベース511)の度当て部は、液体供給器20(胴体部222)の底面部に設けられた段状部分と対応する形状であり、図5のように、度当て部と段状部分とを当接させることによって、液体注入器50に対する液体供給器20の接続位置が固定される。これにより、接続状態において接続用注射針221が液体注入器50の液体貯留部の内部に挿入される量が調節される。具体的には、接続用注射針221の先端部分が液体貯留部内に保持されたフィルター53と接触しないように、接続用注射針221の差し込み量が調節される。接続用注射針221とフィルター53とを接触させないように調整することで、フィルター53が破れたり破損したりすることを抑制し、より安全な液体注入を行なうことができる。
次に、液体注入器50に穿刺器30を接続する。該穿刺器30を用いて液体注入器50を生体に固定して注入管521(カテーテル)の一部を生体内に留置する。上述のように注入管521(カテーテル)はフッ素樹脂等の柔らかい材料で形成されるため、注入管521を単独で体内に挿入することは難しい。そこで、液体注入器50を生体に取り付ける際には、穿刺器30が用いられる。
図6は、液体注入器50に穿刺器30が接続された状態を表す図である。
穿刺器30は、穿刺針31を有する。穿刺針31は中空の細い針状の部材であり、その外径は注入管521の内径よりも小さい。穿刺器30は液体注入器50の上部に接続可能であり、両者を接続する際には、図6に示されるように、穿刺針31が液体注入器50の穿刺用セプタム542を貫通して注入管521の内部に差し込まれる。なお、穿刺器30を液体注入器50に接続したときに、穿刺針31の先端部が注入管521の下端部から突出するように穿刺針31の長さが調整されている。
なお、液体注入器50と液体供給器20とが接続される前に、穿刺器30と液体注入器50とが接続されていてもよい。
本実施形態では、液体注入器50を生体に取り付ける前に、図6に示されるように注入管521(穿刺針31)の先端部分から被注入液体(例えばインスリン等)が流出する状態にする。すなわち、液体供給器20の液体輸送路21や接続用注射針221の内部、及び、液体注入器50の液体貯留部や注入管521の内部が被注入液体で満たされた状態にする(この動作をプライミングと言う)。液体の流路をあらかじめ該液体で満たしておくことで、流路内部に残留している気体が放出されるので、液体注入器50の内部に気体を流入させにくくすることができる。なお、注入管521の内部に差し込まれた穿刺針31は中空で、側部には孔が開いている。したがって、注入管521の内部に穿刺針31が差し込まれた状態で、該穿刺針31の内部を通って液体が流出する状態となる。
この状態で、液体注入器50(及び穿刺器30、液体供給器20)を生体の表面と垂直な方向から生体に取り付けると、穿刺針31の先端部が生体表面に刺さり、徐々に生体内に挿入されていく。同時に、注入管521(カテーテル)が穿刺針31にガイドされるようにして一体的に生体内に挿入される。挿入時の抵抗が小さくなるように、注入管521(カテーテル)の先端部にはテーパーが設けられていることが望ましい。そして、液体注入器50の底面部を生体表面と密着させることにより、液体注入器50が生体に取り付けられる。なお、液体注入器50の底面部には粘着テープ等の粘着性物質が付着しており、該底面部が生体表面と密着することにより、液体注入器50の位置が固定される。
液体注入器50が生体表面に固定されると、生体内への液体注入が可能になる。図7は、液体注入時における液体注入器50の状態を表す図である。
液体注入器50が生体に取り付けられた後、穿刺器30を液体注入器50から離脱させる。穿刺器30を生体に対して垂直上方側に引き抜くように移動させると、生体内に挿入されていた穿刺針31が抜けて、注入管521(カテーテル)の一部が生体内に残される。このようにすることで、図7に示されるように、注入管521(カテーテル)を生体内に留置させた状態で、液体注入器50を用いて液体注入を行なうことができる。なお、穿刺針31が引き抜かれた後は、穿刺用セプタム542に開いた貫通孔が塞がれるため、注入管521は外気から遮断される。したがって、液体注入動作時に穿刺用セプタム542を通して注入管521の内部に外気が混入することはない。また、注入管521から外部に液体が漏れることもない。
送液ポンプ10から液体供給器20の液体輸送路21を通って輸送された液体は、接続用注射針221を介して液体注入器50内部の液体貯留部に供給される。そして、フィルター53を通過して溝部へ移動し、連通部522から注入管521の内部に導かれて生体内へ注入される。
<液体注入器50内の液体の流れについて>
液体注入時における液体注入器50の内部における液体の流れについて具体的に説明する。図8は、液体注入器50内の液体の流れについて説明する図である。
送液ポンプ10から接続用注射針221を介して液体貯留部内に液体が供給される。本実施形態で、接続用注射針221は、気密性の高い接続用セプタム541を貫通して液体貯留部内挿入されている。そのため、液体貯留部の内部に外部から気体が流入することを抑制しつつ、液体貯留部の内部に正確に液体を供給することができる。
しかし、送液ポンプ10から液体注入器50まで液体が輸送される間に、輸送中の液体に細かい気泡が混入して、そのまま液体貯留部内に気泡が供給される場合がある。特に、本実施形態のように送液ポンプ10としてチューブポンプが用いられる場合、フィンガーによって圧縮されていたチューブが開放される際に、チューブ内に負圧が発生してキャビテーションを生じ、気泡が発生しやすくなる。このようにして発生した気泡は被注入液体と共に液体輸送路21を輸送され、液体貯留部の内部に溜まっていく。
液体貯留部の内部は接続用注射針221を介して供給される液体と気体(気泡)とによって徐々に満たされ、図8のように液体貯留部内の上方に気体が溜まり、それ以外の部分に液体が貯留された状態となる。接続用注射針221からさらに液体が供給されると、液体貯留部内の圧力が上昇し、液体の一部がフィルター53を通過して、ケース512Aの溝部に移動する。このとき、フィルター53は気体を通過させないため、液体貯留部内の気体がケース512Aの溝部に移動することは無い。つまり、フィルター53によって注入管521へ流入するのを遮断された気体は、液体貯留部の内部に残留する。また、気体以外の異物が液体貯留部内に混入したとしても、そのような異物もフィルター53によって分離され、液体貯留部から溝部に移動することは無い。
ケース512Aの溝部に移動した液体は、中央の接続流路を通って液体注入部52へ移動し、連通部522から注入管521(カテーテル)の内部に導入されて生体内へ注入される。溝部に沿って液体が流れやすい構造になっているため、液体がフィルター53を通過しやすく、液体注入時において気体や他の異物を効率よく分離することができる。
<比較例>
比較例として、フィルターを有さない従来型の液体注入装置について説明する。図9に、比較例1の液体注入装置で液体を注入する場合の、液体の流れについて説明する図を示す。
比較例1の液体注入装置では、実施形態の液体注入装置1と液体注入器50の構成が異なる。比較例1では、液体注入器50の内部にフィルター53や該フィルター53を保持する溝部(フィルター保持面)が設けられていない。つまり、比較例1では液体注入装置1の液体貯留部に相当する領域と液体注入部52(注入管521)との間が隔てられていない。
図9の場合、液体注入時に送液ポンプ10から接続用注射針221を介して液体注入器50に供給された液体は、そのまま液体注入部52(注入管521)へ移動する。したがって、供給された液体中に気体等の異物が混入していた場合でも、当該気体等の異物はそのまま注入管521へと導かれ、生体内に注入される。このように、液体中に気体が混入したまま該液体が注入されると、混入した気体の分だけ液体の注入量が少なくなり、液体注入量の精度が悪くなる。
これに対して、本実施形態では、送液ポンプ10で気泡が発生したとしても、液体貯留部から液体注入部52(注入管521)に液体が移動する際に当該気泡が分離され(図8参照)、その分の液体が注入管521に移動する。すなわち、液体に混入した分の気泡を液体に置換して注入管に送ることができる。したがって、比較例の場合よりも液体注入量の精度を向上させることができる。
また、薬液等の液体を生体に注入する際に、気体やその他の異物を除去してから液体を注入することができるため、より安全な液体注入を行なうことができる。例えば、生体に薬液を注入する際に、アレルギー物質等が体内に侵入することを抑制することができる。
===その他の実施形態===
一実施形態としての液体注入装置について説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは言うまでもない。特に、以下に述べる実施形態であっても、本発明に含まれるものである。
<送液ポンプ10について>
前述の実施形態では、送液ポンプ10の構成としてフィンガーの圧縮によってチューブに蠕動運動を生じさせることで液体の輸送を行なうチューブポンプを用いた例について説明されていたが、送液ポンプ10の構成はこの例には限られない。例えば、ローラーの回転によってチューブを押圧するローラーポンプや、ピストンを移動させることによって液体の輸送を行なうシリンジポンプ等を用いることもできる。
<液体注入器50について>
前述の実施形態では、液体注入器50を用いて生体に液体を注入する例について説明されていたが、この例には限られない。液体注入器50は生体以外の注入対象物に対しても精度よく液体を注入することが可能である。
1 液体注入装置、
10 送液ポンプ、
20 液体供給器、21 液体輸送路、22 接続部、
221 接続用注射針、222 胴体部、
30 穿刺器、31 穿刺針、
50 液体注入器、
51 胴体部、511 ベース、512A・512B ケース、
52 液体注入部、521 注入管、522 連通部、
53 フィルター、
54 セプタム、541 接続用セプタム、542 穿刺用セプタム

Claims (7)

  1. 液体を貯留する液体貯留部と、
    前記液体貯留部に貯留された前記液体を生体に注入する注入管と、
    前記液体貯留部と前記注入管との間に設けられ、前記液体を通過させ、気体を通過させないフィルターと、
    を備える液体注入器。
  2. 請求項1に記載の液体注入器であって、
    前記フィルターによって前記注入管へ流入するのを遮断された気体が、前記液体貯留部の内部に残留する、ことを特徴とする液体注入器。
  3. 請求項1または2に記載の液体注入器であって、
    前記液体貯留部を外気から隔離するセプタムを有し、
    前記セプタムを貫通する注射針を介して、前記液体貯留部の内部に前記液体が供給される、ことを特徴とする液体注入器。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の液体注入器であって、
    前記注射針は、前記フィルターに対して垂直な方向から前記セプタムを貫通して前記液体貯留部の内部に挿入される、ことを特徴とする液体注入器。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の液体注入器であって、
    前記注射針を保持する液体供給器に設けられた段状部分と対応する形状を有する度当て部を有し、
    前記注射針を介して前記液体貯留部に液体が供給される際に、前記段状部分を前記液体供給器の度当て部と当接させることによって、
    前記注射針の先端部分が前記フィルターと接触しないように、前記注射針が前記液体貯留部の内部に挿入される量が調節される、ことを特徴とする液体注入器。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の液体注入器であって、
    複数の溝を有するフィルター保持面を有し、
    膜状の前記フィルターが、前記フィルター保持面によって保持される、ことを特徴とする液体注入器。
  7. 液体貯留部に液体を貯留することと、
    前記液体を注入管から生体に注入することと、
    前記液体貯留部と前記注入管との間に設けられ、前記液体を通過させ、気体を通過させないフィルターを通して、前記液体貯留部に貯留された前記液体を前記注入管に移動させることと、
    を有する液体注入方法。
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