JP2004275466A - 薬液注入装置 - Google Patents

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JP2004275466A JP2003071107A JP2003071107A JP2004275466A JP 2004275466 A JP2004275466 A JP 2004275466A JP 2003071107 A JP2003071107 A JP 2003071107A JP 2003071107 A JP2003071107 A JP 2003071107A JP 2004275466 A JP2004275466 A JP 2004275466A
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Kazunari Iinuma
一成 飯沼
Atsushi Matsumoto
淳 松本
Hiromasa Kono
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Abstract

【課題】薬液容器と吸引型のポンプとが接続された薬液注入装置において、気泡が体内や吸引型ポンプに入ることを防ぎ、安全性や吸引ポンプの性能を確保することができる薬液注入装置を提供する。
【解決手段】エアトラップフィルタ2、薬液容器7、及び吸引ポンプ6(内部構造を省略)より構成され、薬液容器内に予め混入している気泡、及び吸引ポンプの減圧作用により薬液溶存空気が気化して発生する気泡を、エアトラップフィルタにより除去することができる薬液注入装置1。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬膜外、動静脈血管、皮下、筋肉、諸臓器などに薬液を注入するための薬液注入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インシュリンなどの少量の薬液を持続的に投与するため、薬液容器に送液ポンプが接続された薬液注入装置が検討されている。このような装置は、小型で携帯可能であることが重要であり、通常の輸液バッグなどから薬液を送液する医療用ポンプなどを使用することは望ましくないため、薬液容器と吸引型のポンプとが接続された薬液注入装置が検討されている(特願2001−383718)。
【0003】
しかしながら、このような装置で薬液容器内の気泡が体内に入らないような対策が必要であるが、小型であるため通常の輸液投与時に用いる気泡センサやポンプ下流に接続するチューブ付きエアベントフィルタを使用することは困難である。
【0004】
さらに、ポンプが陰圧を発生させる吸引型のポンプである場合には、ポンプ上流側の薬液容器内は陰圧となり、薬液溶存空気が気泡化し易い状況となり、吸引ポンプに遠心ポンプや一部種類の振動型ポンプ等のように空気を送ることができないタイプのものを使用する場合、気泡により送液が不可能となる可能性もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、薬液容器と吸引型のポンプとが接続された薬液注入装置において、気泡が体内に入ることを防ぎ、さらには薬液注入装置の性能を確保するため気泡が吸引型のポンプに入ることをも防ぐことができる薬液注入装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決しようとする手段】
上記課題は、以下な本発明によって解決することができる。
【0007】
(1)本発明は、薬液を収納する薬液容器と、前記薬液容器から薬液を患者に送液するため当該薬液容器内に陰圧を発生させるためのポンプとからなり、前記薬液容器から前記ポンプへの流路にエアトラップフィルタを配したことを特徴とする薬液注入装置置である。
【0008】
(2)本発明は、前記エアトラップフィルタが、液体が含浸すると気体が通過できなくなるものであることを特徴とする上記(1)に記載の薬液注入装置である。
【0009】
(3)本発明は、前記エアトラップフィルタが、送液方向と逆方向に向って延びる凸部を有し、さらに当該凸部の表面には送液方向と逆方向に向って開口する凹孔を有することを特徴とする上記(1)乃至(2)に記載の薬液注入装置である。
【0010】
(4)本発明は、前記薬液容器が、一端が前記エアトラップフィルタに接続された硬質の筒状体からなり、前記筒状体は、その内部を摺動可能なガスケットを有し、かつ前記一端と前記ガスケットとの間に前記薬液を収納するものであることを特徴とする上記(1)乃至(3)に記載の薬液注入装置である。
【0011】
(5)本発明は、前記薬液容器が、軟質の袋状のものであることを特徴とする上記(1)乃至(3)に記載の薬液注入装置である。
【0012】
(6)本発明は、前記薬液容器が、同形状に形成された硬質の外側容器と軟質の内側容器とからなる二重構造を有するものであることを特徴とする上記(1)乃至(3)に記載の薬液注入装置である。
【0013】
(7)本発明は、前記エアトラップフィルタが、一端が閉塞され他端が開口した筒状体からなり、前記開口から前記ポンプへ連通していることを特徴とする上記(1)乃至(2)に記載の薬液注入装置である。
【0014】
(8)本発明は、前記エアトラップフィルタが、エアトラップフィルタAとエアトラップフィルタBとからなり、前記薬液はエアトラップフィルタAからエアトラップフィルタBへと送液されるものであって、それぞれのエアトラップフィルタの液体の流路抵抗が、エアトラップフィルタA > エアトラップフィルタB、となっていることを特徴とする上記(1)乃至(2)に記載の薬液注入装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の薬液注入装置について、添付図面に示すような好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0016】
<実施形態1>
図1は,本発明の薬液注入装置の概略断面図である。薬液注入装置1は、エアトラップフィルタ2、薬液容器7、及び吸引ポンプ6(図1及び2においては、内部構造を省略する)より構成される。エアトラップフィルタ2はフィルタハウジング5に接着あるいは融着され、ポートコネクタ3とフィルタハウジング5を接着あるいは融着することにより、流路を形成する。ポートコネクタ3には通液針9が接着されており、薬液容器7にポートコネクタ3を係合させることにより、薬液容器7の排出部ゴム部材10を貫通し、薬液11が通液する。そして、薬液11は、送液路12を介して、体内に送られる。
【0017】
なお、薬液注入装置1は、主として小型でインスリンなどの薬液を少量ずつ持続的に投与するものであり、具体的には薬液容器7の容量が0.5〜10ml程度大きさのものである。これをバッテリーなど備えた本体(図示せず)に収納し、人体に携帯しながら、薬液投与を行うものである。
【0018】
フィルタハウジング5の下流側には吸引ポンプ6が接続される。吸引ポンプ6を駆動することにより薬液容器7内が陰圧となり、ガスケット8と薬液容器7内面との摩擦抵抗より、ポンプの吸引力がさらに大きくなると、ガスケット8は図中右方向に摺動し、送液が開始される。
【0019】
送液が開始されると、最初にプライミング操作が行われる。すなわち、送液路12の末端が患者に接続されていない状態で、通液針9内部及び、ポートコネクタ3の流路4内の空気はエアトラップフィルタ2を通過し、下流に送られ、排出される。その後、薬液11がエアトラップフィルタ2に接液すると、薬液11はエアトラップフィルタ2を通過し、吸引ポンプ6を経て、送液路12へ送られる。
その後、送液路12の末端が患者に接続する。
【0020】
送液中、薬液容器7内は吸引ポンプ6により減圧される。温度が一定であれば、薬液中にとけ込むことのできる気体の量(溶解度)は、その気体の分圧に比例するため、薬液11の溶存空気が気化して気泡が発生し、薬液とともに通液針9を通じてポートコネクタ流路4に流れ込む。このとき、図2のように、気泡13はエアトラップフィルタ2を通過することができないため、エアトラップフィルタ2表面にトラップされる。従って、気泡13は吸引ポンプ6及び、その下流には流れることがない。
【0021】
エアトラップフィルタ2は、得に限定しないが、アルミナ、シリカを原料としたセラミック多孔体であることが望ましく、その細孔径は0.1nm〜10000nm程度に、用途に合わせて任意に制御可能である。本発明の目的であるエアトラップフィルタとして用いる場合には、その孔径は通過する薬液の種類や空気の通過抵抗を考慮して適宜設定されるが、通常0.1μm〜0.5μm程度であるのが好ましい。セラミック多孔体は、焼結生成されるため、金型の設計により任意の形状に作ることが可能であり、耐熱性、耐食性、耐圧性に優れるため、電子線あるいはオートクレーブ等により滅菌可能であるという利点がある。
【0022】
また、エアトラップフィルタは、薬液中に混入した細菌やちりが体内にはいることを防ぐエアトラップフィルタとしても機能するものであっても良い。
【0023】
ポンプ吸引による陰圧で発生する気泡は、上記エアトラップフィルタ表面にトラップされるが、気泡がフィルタ表面を覆い尽してしまうと、容器内の薬液を吸い出すことが不可能となる。従って、フィルタ表面積は、全体の形状に支障がない程度に大きくすることが好ましい。しかし、単にフィルタ表面積を大きくすると、ポートコネクタ流路4の体積も大きくなり、これがデッドスペースとなってしまう。そこで、図3(A)のようにフィルタに、薬液容器に向って延びる凸部を設けた形状にすることにより、外径サイズを変更せずに、フィルタ表面積を大きくとることができ、さらに図3(B)のように凸部の表面に薬液容器に向って開口する凹孔を設けることで、フィルタ表面積をより大きくとることができる。
【0024】
本発明に用いる吸引ポンプ6は、薬液を吸い出す方式のものであれば特に限定されないが、好適な態様例として、ダイアフラム式ポンプを挙げることができる。
ダイアフラム式ポンプの構成及び、作動原理を図4(A)〜(B)に示す。図4に示すダイアフラム式ポンプ200は、流路201とハウジング空間206との間に配置された振動板203と、流路201の振動板203両端部位置の上、下流に配置された一方向にだけ流体を流すことができるバルブ204、205とにより形成されたチャンバ202とから構成されている。流路201の上流側は薬液容器7側に、また下流側は送液路12に接続されている。
【0025】
振動板203は、通常、電圧または電流変化により振動する。例えば、振動板203に周期的な電圧または電流を印加すると、その周波数に同期して振動板203が振動し、その振動によりチャンバ202内に圧力変化が発生する。これにより上下流の各バルブ204,205が交互に開閉し、吸引ポンプ6の上流側に接続された薬液容器7内に陰圧が発生し、吸い出された薬液11が送液路12に流れる。上下流の各バルブ204、205は振動板203に同期して、自動的に開閉させてもよい。
【0026】
以上、バルブ(開閉弁)を有する構造のダイアフラム式ポンプの態様例について示したが、上記図は作動原理を説明するためのものであり、各構成部材の形状は上記に限定されるものではない。ダイアフラム式ポンプの原理そのものは公知であり、本発明では、接続した薬液容器7内から薬液を吸い出す方式のものであれば、どのような構成、形状のものでも使用することができる。種々のダイアフラムのうちから、投与しようとする薬液に適した流量などに応じたタイプ及び性能のものを選択すればよい。
【0027】
また、吸引ポンプ6の構造として、振動板タイプのものについて説明したが、本発明では薬液を吸い出す方式のものであれば、振動板を用いないタイプのものであってもよい。例えばローラーポンプ、シリンダーポンプ、軸流ポンプ、遠心ポンプなどを用いることができる。
【0028】
なお、吸引ポンプ6は、エアトラップフィルタ2とあらかじめ一体化されていても、後から接続してもよい。しかし、薬液流路のデッドスペース(死腔)をできるだけ小さくするためには、予め一体化されている方が好ましい。
【0029】
本発明に用いる薬液容器は、薬液容器に接続された吸引ポンプ6の作用により、容器内部に収容される薬液を排出することが可能であればよく、図1に示すような一端がエアトラップフィルタに接続され、その内部に摺動可能なガスケットを装着したた硬質の筒状体からなる容器、図5に示すような変形可能な軟質袋状薬液容器、あるいは図6に示すような変形可能な柔軟性材料からなる内容器と、内容器と同形状に形成された硬質性材料からなる外容器との二重構造を有する二層薬液容器が使用可能である。
【0030】
図1に示す筒状の薬液容器7は、薬液等が予め充填されているガラス製や硬質プラスチック製のシリンジのような形状をしたカートリッジタイプの容器が挙げられる。カートリッジ先端に吸引ポンプ6を接続し、ポンプによる吸引を行ったときに、ポンプによる陰圧でガラスカートリッジのガスケットが摺動可能なものであればよい。
【0031】
図5に示す変形可能な軟質袋状の薬液容器300は、硬質ポート部材301の一端部が軟質容器302の内部空間に挿入されることにより形成されている。軟質容器302は、吸引ポンプ6の作用により薬液が吸い出されると、容器内の容量の減少分に追従して変形しうる柔軟性(軟質)材料からなり、ガスバリア性、水蒸気バリア性を有し、更に耐薬品性の材料が選択される。具体的材料としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ポリ塩化ビニルなどの高分子材料を用いることができる。また、これらにスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマーなどのエラストマー系ポリマーを適宜添加して弾性及び、柔軟性を向上させることもできる。上記柔軟性材料は、通常、透明または半透明であり、厚みはその効果を損なわない範囲であれば特に規定されないが、通常50μm〜300μm程度である。
【0032】
図6に示す薬液容器400は、変形可能な柔軟性材料からなる内容器401と、内容器と同形状に形成された硬質性材料からなる外容器402との二重構造を有するものであり、内容器401は、吸引ポンプ6の作用により薬液が吸い出されると、容器内の容量の減少分に追従して外容器の内面から剥離するように変形するものであり、外容器402は、外容器内外を連通するエアベント(図示せず、通常の孔でよい)を有し、それ自体で全体形状を保持するものである。内容器の材料は、上述した図5の容器と同様な材料を用いることができる。また、外層においてもガスバリア性、水蒸気バリア性、及び耐薬品性を有する材料が選択され、具体的にはポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアクリロニトリル(PAN)、硬質のオレフィン系ポリマー、ポリカーボネート、アクリル樹脂などの高分子材料を挙げることができ、これら2種類以上を組み合わせて混合、あるいは積層したものであってもよい。内容器と外容器は共に、透明または半透明なものが好ましく、厚みはその効果を損なわない範囲であれば特に規定されないが、通常内容器401は10μm〜500μm程度、外容器402は0.1mm〜2mm程度である。
【0033】
薬液容器7内に充填される薬液11は特に限定されないが、膵臓ホルモン、性腺刺激ホルモン、性腺刺激ホルモン放出ホルモン等のホルモン剤、例えば、インスリン、インスリン様活性を持つインスリアナログや、その他ホルモン剤以外として、疼痛緩和目的でのモルヒネなどの麻薬、抗癌剤、抗生物質、ヘパリンなどを挙げることができる。
【0034】
<実施形態2>
図7は、本発明の薬液注入装置501の概略断面図である。薬液注入装置501は、エアトラップフィルタ502、ハウジング505(上記薬液注入装置1におけるポートコネクタ3とフィルタハウジング5を兼ねている)、吸引ポンプ507(内部構造を省略する)、及び軟質容器508より構成される。エアトラップフィル502は内腔503を有する筒状のもので、一端は閉塞し、他端は開口し、吸引ポンプ507の内部に連通する。
【0035】
ハウジング505には、その内部にエアトラップフィルタ502との間に、エアトラップフィルタ502の内腔503と平行して長尺空間504が設置されている。さらに、その上流側に、長尺空間504と軟質容器508内とを連通し、薬液を軟質容器の外へ排出する排出孔506が設けられ、最終的に薬液は送液路509を介して、体内に送られる。
【0036】
薬液注入装置501は、吸引ポンプ507を駆動することにより軟質容器508内が陰圧となり、軟質容器内の薬液は排出孔506を通過して長尺空間504に流れ込む。すると、内腔503にもエアトラップフィルタ502を通過して薬液が流れ込むが、エアトラップフィルタは流路抵抗が気体より液体のほうが大きいため、長尺空間504の気体が抜け薬液で満たれたのち、内腔503が薬液で満たされる。
【0037】
ハウジング505の一端には、長尺空間504とは隔離された空間を有し、かつ開口部が薬液注入用セプタム510で覆われたポート部511と、前記空間と軟質容器508内とを連通する連通孔512が設けらており、必要に応じて薬液を軟質容器内に充填することができる。
【0038】
<実施形態3>
図8は、本発明の薬液注入装置601の概略断面図である。薬液注入装置601は、エアトラップフィルタA602、エアトラップフィルタB603、吸引ポンプ607(内部構造を省略する)、及び薬液の吸引と共に移動するガスケット614を含む薬液容器608より構成される。
【0039】
エアトラップフィルタA602は、エアトラップフィルタB603より上流にあり、その中心部にエアトラップフィルタBの先端部604(フィルタ機能を有さない)が刺さるように挿入され、ハウジング606(上記薬液注入装置1におけるポートコネクタ3とフィルタハウジング5を兼ねている)内に収納されている。エアトラップフィルタB603は内腔605を有する筒状のもので、一端にフィルタ機能を有さない先端部604が設けられ、他端は吸引ポンプ607の内部に連通する。
【0040】
エアトラップフィルタB603の内腔605は、エアトラップフィルタA602、エアトラップフィルタB603、及びハウジング606により形成される長尺空間612と平行して設置される。エアトラップフィルタA602及びエアトラップフィルタB603は、液体が含浸すると気体が通過できなくなるものであり、液体の流路抵抗は、エアトラップフィルタA > エアトラップフィルタB、となっている。
【0041】
ハウジング606には、基端がフィルタ方向に開口した通液針609が接着されており、薬液容器608の排出部ゴム部材610を貫通し、薬液が通液する。そして、薬液は、最終的に送液路611を介して、体内に送られる。
【0042】
薬液注入装置601は、吸引ポンプ607を駆動することにより薬液容器608内が陰圧となり、薬液613はエアトラップフィルタA602を通過して長尺空間612に流れ込む。すると、内腔605にもエアトラップフィルタB603を通過して薬液613が流れ込むが、長尺空間612と内腔605が平行に設置されているため、内腔605の上流側から流れ込む(図9)。さらに、各エアトラップフィルタは流路抵抗が気体より液体のほうが大きいため、長尺空間612の気体が抜け薬液で満たれたのち、内腔605が薬液で満たされる。つまり、薬液の流路内の気体を効率良く除くことができる。
【0043】
吸引ポンプ607の陰圧により、薬液を吸引している状態では、長尺空間612は、エアトラップフィルタAの流路抵抗のため薬剤容器608より陰圧になり、これによって薬液中の溶存空気は気化し気泡となるが、エアトラップフィルタA及びエアトラップフィルタBでトラップされ、吸引ポンプ及びその下流に流れることはない。
【0044】
さらに、液体の流路抵抗は、エアトラップフィルタA602 > エアトラップフィルタB603、となっているため、内腔605内の圧力は、長尺空間612と比較して、一旦脱気された長尺空間612内の薬液からさらに大きな気泡を生じるほどの減圧を生じなくすることができ、効果的に下流に気泡が流れないようにすることができる。また、エアトラップフィルタは、薬液中に混入した細菌やちりが体内にはいることを防ぐエアトラップフィルタとしても機能するものであっても良い。
【0045】
<実施形態4>
図10は、本発明の薬液注入装置701の概略断面の部分拡大図である。本実施形態は、上述した実施形態2を改良したものであり、実施形態2と構成が異なるハウジング708と吸引ポンプ709との接合部分の部分拡大図で説明する。ここに示す構成以外の部分は基本的に実施形態2における薬液注入装置501と同一のものである。
【0046】
薬液注入装置701は、ハウジング708内に親水性エアトラップフィルタ702と疎水性フィルタ705が長尺空間704を挟んで接着層707で固定された状態で設けられている。また疎水性フィルタ705の外面にはゴムなどからなる弾性管体706が配置されており、通常ハウジング内が陰圧の場合に外部の気体が疎水性フィルタ705を通して内部に入らない構造になっている。さらに弾性管体706の周囲にはハウジング708との間に空間710が広がり、ハウジング708に設けられた排気孔711に連通している。
【0047】
薬液注入装置701は、吸引ポンプを駆動することにより薬液容器が陰圧となり、薬液は長尺空間704に流れ込み、親水性エアトラップフィルタ702を通って内腔703に流れ込む。この状態で時間が経過すると長尺空間704が親水性エアトラップフィルタ702でトラップされた気泡で満たされ、薬液の送液が困難となる。
【0048】
しかし、このとき、薬液容器内を加圧(容器形態が実施形態1の薬液注入装置1のような場合はガスケット8を押す、その他の軟質容器の場合は容器全体を潰す、握るなどの方法により)すると、気泡が気体となって疎水性フィルタ705から、その圧力により、弾性管体706と、疎水性フィルタ705及びハウジング708(ハウジングの通常は疎水性フィルタ705とともに弾性管体706で覆われている部分)との間に隙間が生じさせながら、空間710を通り排気孔から外部へ排出される(気体の経路を→に示す)。
【0049】
なお、長尺空間704が気泡で満たされたか否かは、ハウジング708などを透明な材料で構成し目視で確認する方法や、センサなどにより薬液の圧力や流速を測定しアラームなどで知らせる手段を設けることで確認できる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の薬液注入装置によれば、予め容器内に混入している気泡や、吸引ポンプによる陰圧により容器内の溶存空気が気化して発生する気泡を下流に流すことなく、エアトラップフィルタにてトラップすることが可能となる。また、エアトラップフィルタは金型の設計により、大きさ、形状も自由に変えることができるため、流路に組み込みやすく、装置全体として携帯性に優れ小型軽量で、かつ低価格な薬液注入装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薬液注入装置1の概要断面図である。
【図2】図1の部分拡大図である。
【図3】薬液注入装置1に組み込まれるエアトラップフィルタの斜視図である。
【図4】薬液注入装置1に使用されるダイアフラムポンプの構造および、作動原理の概略を示す断面図である。
【図5】本発明の薬液注入装置に使用される軟質の薬液容器の斜視図である。
【図6】本発明の薬液注入装置に使用される二層構造の容器の斜視図である。
【図7】本発明の薬液注入装置501の概要断面図である。
【図8】本発明の薬液注入装置601の概要断面図である。
【図9】本発明の薬液注入装置601の使用状態を示す部分断面図である。
【図10】本発明の薬液注入装置701の概要の部分断面図である。
【符号の説明】
1 薬液注入装置
2 エアトラップフィルタ
3 ポートコネクタ
4 ポートコネクタ流路
5 フィルタハウジング
6 吸引ポンプ
7 薬液容器
8 ガスケット
9 通液針
10 排出部ゴム部材
11 薬液
12 送液路
13 気泡
200 ダイアフラム式ポンプ
201 流路
202 チャンバ
203 振動板
204 流入バルブ
205 流出バルブ
206 ハウジング空間
300 軟質袋状薬液容器
301 硬質ポート部材
302 軟質容器部
400 二層薬液容器
401 内容器
402 外容器
501 薬液注入装置
502 エアトラップフィルタ
503 内腔
504 長尺空間
505 ハウジング
506 排出孔
507 吸引ポンプ
508 軟質容器
509 送液路
510 薬液注入用セプタム
511 ポート部
512 連通孔
601 薬液注入装置
602 エアトラップフィルタA
603 エアトラップフィルタB
604 エアトラップフィルタBの先端部
605 内腔
606 ハウジング
607 吸引ポンプ
608 薬液容器
609 通液針
610 排出部ゴム部材
611 送液路
612 長尺空間
613 薬液
614 ガスケット
701 薬液注入装置
702 親水性エアトラップフィルタ
703 内腔
704 長尺空間
705 疎水性フィルタ
706 弾性管体
707 接着層
708 ハウジング
709 吸引ポンプ
710 空間
711 排気孔

Claims (8)

  1. 薬液を収納する薬液容器と、前記薬液容器から薬液を患者に送液するため当該薬液容器内に陰圧を発生させるためのポンプとからなり、前記薬液容器から前記ポンプへの前記薬液が送液される流路にエアトラップフィルタを配したことを特徴とする薬液注入装置。
  2. 前記エアトラップフィルタが、液体が含浸すると気体が通過できなくなるものであることを特徴とする請求項1に記載の薬液注入装置。
  3. 前記エアトラップフィルタが、送液方向と逆方向に向って延びる凸部を有し、さらに当該凸部の表面には送液方向と逆方向に向って開口する凹孔を有することを特徴とする請求項1乃至2に記載の薬液注入装置。
  4. 前記エアトラップフィルタが、一端が閉塞され他端が開口した筒状体からなり、前記開口から前記ポンプへ連通していることを特徴とする請求項1乃至2に記載の薬液注入装置。
  5. 前記エアトラップフィルタが、エアトラップフィルタAとエアトラップフィルタBとからなり、前記薬液はエアトラップフィルタAからエアトラップフィルタBへと送液されるものであって、それぞれのエアトラップフィルタの液体の流路抵抗が、エアトラップフィルタA > エアトラップフィルタB、となっていることを特徴とする請求項1乃至2に記載の薬液注入装置。
  6. 前記薬液容器が、一端が前記エアトラップフィルタに接続された硬質の筒状体からなり、前記筒状体は、その内部を摺動可能なガスケットを有し、かつ前記一端と前記ガスケットとの間に前記薬液を収納するものであることを特徴とする請求項1乃至5に記載の薬液注入装置。
  7. 前記薬液容器が、軟質の袋状のものであることを特徴とする請求項1乃至5に記載の薬液注入装置。
  8. 前記薬液容器が、同形状に形成された硬質の外側容器と軟質の内側容器とからなる二重構造を有するものであることを特徴とする請求項1乃至5に記載の薬液注入装置。
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