JP2014003300A - 接着シート - Google Patents

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裕貴 柳田
Osamu Hatogai
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Abstract

【課題】ダイシング工程ではダイシングテープとして、半導体素子と半導体素子搭載用支持部材の接合工程では接続信頼性に優れる接着剤として使用することができ、また、半導体素子搭載用支持部材に半導体素子を実装する場合に必要な耐熱性、耐湿性を有し、かつ接続信頼性に優れる接着シートを提供する。
【解決手段】片面に粘着性を有する基材フィルム1の粘着性を有する面にウエハ形状の接着剤層2を積層してなる接着シート10であって、接着シートが、複数の工程を含む半導体装置の製造方法に用いられるダイシングシートの機能とダイボンドシートの機能を備える接着シートであり、基材フィルムの接着剤層に接する面の表面自由エネルギが25×10−3N/m〜55×10−3N/mであり、かつ基材フィルムの粘着性を有する面の25℃でのウエハ保持用リング3に対するピール強度が5〜100N/mである接着シート。
【選択図】図8

Description

本発明は、接着シートに関する。
従来、半導体素子と半導体素子搭載用支持部材の接合には銀ペーストが主に使用されていた。しかし、近年の半導体素子の小型化・高性能化に伴い、使用される支持部材にも小型化・細密化が要求されるようになってきている。こうした要求に対して、銀ペーストでは、はみ出しや半導体素子の傾きに起因するワイヤボンディング時における不具合の発生、接着剤層の膜厚の制御困難性及び接着剤層のボイド発生などにより前記要求に対処しきれなくなってきている。そのため、前記要求に対処するべく、近年、フィルム状の接着剤が使用されるようになってきた。
このフィルム状接着剤は、個片貼付け方式又はウエハ裏面貼付け方式において使用されている。前者の個片貼付け方式のフィルム状接着剤を用いて半導体装置を製造する場合、リール状のフィルム状接着剤をカッティング又はパンチングによって個片に切り出した後、その個片を支持部材に接着し前記フィルム状接着剤付き支持部材にダイシング工程によって個片化された半導体素子を接合して半導体素子付き支持部材を作製する。その後、必要に応じてワイヤボンド工程、封止工程等の工程を経ることによって半導体装置が得られることとなる。
しかし、前記個片貼付け方式のフィルム状接着剤を用いるためには、フィルム状接着剤を切り出して支持部材に接着する専用の組立装置が必要であることから、銀ペーストを使用する方法に比べて製造コストが高くなるという問題があった。
一方、後者のウエハ裏面貼付け方式のフィルム状接着剤を用いて半導体装置を製造する場合、まず半導体ウエハの裏面にフィルム状接着剤を貼付け、さらにフィルム状接着剤の他面にダイシングテープを貼り合わせる。次いで、前記ウエハからダイシングによって半導体素子を個片化し、個片化したフィルム状接着剤付き半導体素子をピックアップし、それを支持部材に接合する。その後、加熱、硬化、ワイヤボンド等の工程を経ることにより半導体装置が得られることとなる。
このウエハ裏面貼付け方式のフィルム状接着剤は、フィルム状接着剤付き半導体素子を支持部材に接合するためフィルム状接着剤を個片化する装置を必要とせず、従来の銀ペースト用の組立装置をそのまま又は熱盤を付加するなどの装置の一部を改良することにより使用できる。そのため、フィルム状接着剤を用いた組立方法の中で製造コストが比較的安く抑えられる方法として注目されている。
しかしながら、ウエハ裏面貼付け方式のフィルム状接着剤を用いる方法にあっては、前記ダイシング工程までに、フィルム状接着剤を塗布する工程とダイシングテープを貼付する工程といった2つの貼付工程が必要であったことから、作業工程の簡略化が求められていた。
また、フィルム状接着剤をダイシングシート上に付設し、これをウエハに貼り付ける方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。これらの方法では、ダイシングシートの樹脂がフィルム状接着剤に付着することや拡散、移行するために接着性が低下するなどの課題があるほか、構造が3層構成になるため、コストの上昇を招いていた。
そのため、半導体装置の製造工程の簡略化や製造コストの軽減が図られる接着シート、即ちダイシング工程ではダイシングシートとして作用し、半導体素子と支持部材との接着工程では接続信頼性に優れるダイボンドシートが求められていた。また、接着シートのさらなる信頼性の向上が求められていた。
特開2002−226796号公報 特開2002−158376号公報 特開平02−032187号公報
本発明は、ダイシング工程ではダイシングシートとして、半導体素子と支持部材の接着工程では接続信頼性に優れるダイボンドシートとして使用することができ、また、半導体素子搭載用支持部材に半導体素子を接着する場合に必要な耐熱性、耐湿性を有し、かつ接続信頼性に優れる接着シートを提供することを目的とするものである。
本発明は、(1)片面に粘着性を有する基材フィルムの粘着性を有する面に半導体ウエハ形状の接着剤層を積層してなる接着シートであって、前記接着シートは、以下の工程(a)〜(d)
(a)前記接着剤層が半導体ウエハに接し、前記粘着性を有する面がウエハ保持用リングに接するように接着シートをラミネートする工程、(b)半導体ウエハ及び接着シートの一部を切断し所望の大きさの半導体素子を得る工程、(c)接着剤層と基材フィルム間で剥離し、接着剤層付き半導体素子を得る工程及び(d)接着剤層付き半導体素子と半導体素子搭載用支持部材とを接着する工程を含む半導体装置の製造方法に用いられるダイシングシートの機能とダイボンドシートの機能を備える接着シートであり、前記基材フィルムの接着剤に接する面の表面自由エネルギが25×10−3N/m〜55×10−3N/mであり、かつ前記基材フィルムの粘着性を有する面の25℃でのウエハ保持用リングに対するピール強度が5N/m〜100N/mである接着シートに関する。
また、本発明は、(2)前記接着剤層が、(メタ)アクリル酸エステル共重合体と熱硬化性成分とを含有することを特徴とする前記(1)記載の接着シートに関する。
また、本発明は、(3)前記接着剤層は、未硬化又は半硬化状態の100℃での弾性率が、0.0001MPa〜2MPa、50℃での弾性率が7.5MPa〜50MPaであり、硬化後の50℃での弾性率が100MPa〜5000MPaであることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の接着シートに関する。
また、本発明は、(4)5mm角の大きさの前記接着剤付き半導体素子と半導体素子搭載用支持部材との積層硬化物の250℃での接着強度が、0.3kgf以上であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の接着シートに関する。
また、本発明は、(5)160℃でのフロー量が100μm〜10000μmであることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の接着シートに関する。
また、本発明は、(6)前記ウエハ保持用リングが、ステンレス製であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の接着シートに関する。
さらに、本発明は、(7)前記ウエハ保持用リングの少なくとも片面が粘着性を有し、該粘着性を有する面が基材フィルムの粘着性を有する面と接することを特徴とする前記(1)〜(6)記載の接着シートに関する。
本発明の接着シートは、ダイシング工程ではダイシングシートとして、半導体素子と半導体素子搭載用支持部材との接着工程では接続信頼性に優れるダイボンドシートとして使用することができる。そのため、生産工程の簡略化や生産コストの軽減を図ることができる。
また、本発明の接着シートは、半導体素子搭載用支持部材に熱膨張係数の差が大きい半導体素子を接着する場合に必要な耐熱性、耐湿性を有するものであるため、接着シートの信頼性の向上を図ることができる。
本発明に係る接着シートの基材フィルム層の一例の断面図である。 本発明に係る接着シートに半導体ウエハを設置する状態を示す図である。 本発明に係る接着シートに半導体ウエハを貼着した状態を示す図である。 本発明に係る接着シートにウエハ保持用リングを設置した状態を示す図である。 本発明に係る接着シートにウエハ保持用リング3で半導体ウエハAを保持した状態の上面図である。 本発明に係る接着シートを半導体ウエハのダイシング工程に用いた場合の説明図である。 図6に示す工程の後、半導体素子をピックアップする工程を示す図である。 ピックアップされた半導体素子と粘接着層を示す図である。 半導体素子を半導体素子搭載用支持部材に熱圧着した状態を示す図である。 はみ出し距離の測定方法を示す図である。
本発明の接着シートは、上記の特性を有する接着剤を備えたことを特徴とする接着シートであり、半導体装置を製造する際に用いた場合、ダイシング時には半導体素子が飛散しない粘着力を有し、その後のピックアップ時には各素子を傷つけることがないような粘着力を有するものである。
そのため、本発明になる接着シートを用いて半導体装置を製造すれば、ダイシング及びダイボンドの各工程を、一枚の接着シートで完了することができる。
また、本発明の接着シートは、半導体素子搭載用支持部材に熱膨張係数の差が大きい半導体素子を実装する場合に要求される耐熱性及び耐湿性を有するものである。
前記作用効果を有する本発明になる接着シートは以下の特性を有することが必要である。
<パラメータの説明>
本発明の接着シートは、基材フィルムの接着剤層に接する面の表面自由エネルギが25×10−3N/m〜55×10−3N/mである。基材フィルムと接着剤層とが適度な密着性を有する点で、前記表面自由エネルギは30×10−3N/m〜50×10−3N/mが好ましく、35×10−3N/m〜48×10−3N/mが特に好ましい。
前記表面自由エネルギが25×10−3N/m未満であると基材フィルムと接着剤層とが剥離し易く、ダイシング工程において半導体素子の剥離が生じてしまう。一方、前記表面自由エネルギが55×10−3N/m超であると、基材フィルムと接着剤層が剥離し難く、半導体素子のピックアップが困難になり接着剤層付き半導体素子が得られ難くなる。
表面エネルギは、CA−D型接触角計(協和界面科学社製)を用いて、測定表面に対する表面に対する水及びジヨードメタンの接触角を25℃で測定し、次式から算出することができる。
γs=γs+γs
36.4(1+cosθ)=(21.8γs1/2+(51.0γs1/2
25.4.(1+cosθ)=(48.5γs1/2+(2.3γs1/2
上記式中、γsは表面エネルギ、γsは表面自由エネルギの極性成分、γsは表面自由エネルギの分散成分、θは水の接触角、θはジヨードメタンの接触角を表す。
また、本発明の接着シートは、基材フィルムの粘着性を有する面の25℃でのウエハ保持用リングに対するピール強度が5N/m〜100N/mである。基材フィルムの粘着性を有する面がウエハ保持用リングに対してより密着性を有するという点で10N/m〜100N/mが好ましく、15N/m〜50N/mが特に好ましい。前記ピール強度が5N/m未満では、基材フィルムの粘着性を有する面と保持用リングとが剥離し易く、半導体ウエハを保持できなくなる。一方、前記ピール強度が100N/m超では、保持用リングを剥離させるのが困難である。
このような表面エネルギとピール強度を有する接着シートを構成する基材フィルムとしては、例えば、ポリテトラフルオロエチレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリイミドフィルム、軟質塩化ビニルフィルムなどを使用することができる。これらのなかでも、ポリオレフィン系フィルムが好ましく、市販品としては日立化成工業株式会社製、商品名ヒタレックスML−2020、2040等が賞用される。なお、これら基材フィルムは表面自由エネルギが上記範囲内になるように必要に応じてプライマー塗布、UV処理、コロナ放電処理、研磨処理、エッチング処理等の表面処理を行っても良い。
本発明における接着剤層の弾性率は以下であることが好ましい。接着剤が未硬化又は半硬化状態の場合は、100℃以下でラミネートが可能であるという点で100℃での弾性率が0.0001MPa〜2MPaであることが好ましく、ダイシング工程が行いやすいという点で50℃での弾性率が7.5MPa〜50MPaであることが好ましく、流動性が高いという点で180℃での弾性率が100MPa以下であることが好ましい。また、接着剤が硬化後の場合は、耐熱性が良い点で、50℃での弾性率が100MPa〜5000MPaであることが好ましい。
また、5mm角の大きさの前記接着剤層付き半導体素子と半導体素子搭載用支持部材との積層硬化物の250℃での接着強度は、0.3kgf以上であることが好ましい。接着強度が0.3kgf未満では、耐リフロー性などの信頼性が低下する傾向にある。ここで接着強度とはダイシェア試験機を用いて半導体装置を支持部材から剥離させたときの最大応力を測定した値である。
また、未硬化又は半硬化状態の接着シートの160℃でのフロー量は、100μm〜10000μmであることが好ましい。なお、本発明におけるフロー量は、流動性の指標となるものであって、具体的には後の実施例の欄で詳しく説明する測定方法に基づいて測定され得る値である。フロー量が100μm未満の場合、半導体素子の圧着時に流動性及びぬれ性が不足し、接着性が低下する傾向がある。一方、フロー量が10000μmを超える場合、半導体素子の圧着時に接着剤を構成する樹脂が半導体素子の端部から過剰に流出するため半導体素子の支持部材の電極端子部を被覆してしまい、ワイヤボンディングなどの工程が難しくなる傾向があり、また接着シートの膜厚が低下するため接着性が低下する傾向がある。
前記フロー量は、半導体素子端部からの樹脂の流出がより小さい点で100μm〜6000μm以下の範囲が好ましい。また、半導体素子の支持部材として回路付きテープや回路付き基板を使用する場合には、回路充填性が高く、かつ端部からの樹脂の流出がより小さい点で、前記フロー量は1000μm〜4000μmの範囲にあることが好ましい。
ウエハ保持用リングは、リングの空洞部で半導体ウエハが接着シートの接着剤層上に設置するよう保持する部材である。かかるウエハ保持用リングは、樹脂製でも金属製でも用いることが出来るが、ステンレス製が好ましい。また、ウエハ保持用リングと基材フィルムとの密着性を向上させる目的で、ウエハ保持用リングの少なくとも片面は粘着性を有していることが好ましく、この場合該粘着性を有する面は基材フィルムの粘着性を有する面と接するように貼り付けることが好ましい。また、基材フィルムにリング状の粘着剤層を形成することにより、ウエハ保持用リングと基材フィルムとの密着性を向上させることも出来る。
接着剤層としては、各種樹脂組成物を用いることができる。ウエハに100℃以下の温度で積層できることが好ましく、積層温度での接着剤層のタック強度は30gf以上500gf以下が好ましい。タック強度は基材フィルムと適度な密着性を有する点で60〜300gfがより好ましく、100〜250gfが特に好ましい。タック強度が500gfを超える場合、基材フィルムと接着剤が剥離し難く、チップのピックアップが困難になる傾向がある。
上述のタック強度を有する樹脂組成物としては、例えば、後述する樹脂組成物等が挙げられるが、以下に説明するように組成、製造方法等を適宜変更してタック強度を増加又は低減することで上述のタック強度の範囲内に調整できるものであれば、後述する樹脂組成物に制限されることなくいかなる樹脂組成物をも使用することができる。
まず、タック強度を増加させる方法としては、液状成分(エポキシ樹脂など)の比率を増大すること、高分子量成分のTgを低減すること、粘着付与剤などを添加すること、フィルムの乾燥を低温、短時間で行うことなどが挙げられる。
一方、タック強度を低減させる方法としては、上述の方法と逆に、液状成分(エポキシ樹脂など)の比率を低減すること、高分子量成分のTgを増加すること、粘着付与剤などを添加しないか又は添加量を低減すること、フィルムの乾燥を高温、長時間で行うことなどが挙げられる。
また、接着シートをウエハに貼付した後に後加熱を行うことによりタック強度を低減することも可能である。この場合、初期のタック強度が一定値であるフィルムであっても、ある範囲でタック強度の調整を行うことが可能であり、またピックアップ性を調査し、再度調整することも可能である点で好ましい。
なお、上述のタック強度を有する樹脂組成物としては、後述する樹脂組成物において特に液状成分(エポキシ樹脂など)の比率、高分子量成分のTgを調整すること、フィルムの乾燥条件を調整することが好ましい。
また、接着シートをウエハに貼付した後に後加熱を行うことにより行うことも可能である。この場合、単一のフィルムであっても、ある範囲でタック強度の調整を行うことが可能であり、さらにピックアップ性を調査し、再度調整することも可能である点で好ましい。
本発明になる接着シートは、加熱硬化した段階で、貯蔵弾性率が25℃で10〜2000MPaであることが好ましく、20〜1900MPaがより好ましく、50〜1800MPaが特に好ましい。一方、260℃での貯蔵弾性率は3〜50MPaであることが好ましく、5〜50MPaがより好ましく、7〜50MPaが特に好ましい。
貯蔵弾性率がこの範囲にあると、半導体素子と支持部材との熱膨張係数の差によって発生する熱応力を緩和させる効果が保たれ、剥離やクラックの発生を抑制できるとともに、接着剤の取扱い性、接着剤層の厚み精度、リフロークラックの発生を抑制できる。なお、本発明における弾性率は接着シートの貯蔵弾性率を動的粘弾性測定装置を用いて昇温速度5℃/min、引張りモード、10Hzの条件で測定したものである。
<成分>
本発明になる接着シートの接着剤(層)は、上記特性を満足するものであれば特に制限はないが、適当なタック強度を有しシート状での取扱い性が良好であることから、熱硬化性成分及び(メタ)アクリル酸エステル共重合体を含有していることが好ましい。
熱硬化性成分としては、エポキシ樹脂、シアネート樹脂、フェノール樹脂及びその硬化剤等があるが、耐熱性が高い点で、エポキシ樹脂が好ましい。
エポキシ樹脂は、硬化して接着作用を有するものであれば特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシなどの二官能エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂などを使用することができる。また、多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、複素環含有エポキシ樹脂又は脂環式エポキシ樹脂など、一般に知られているものを適用することができる。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、油化シェルエポキシ株式会社製、商品名:エピコート807、815、825、827、828、834、1001、1004、1007、1009、ダウケミカル社製、商品名:DER−330、301、361、東都化成株式会社製、商品名:YD8125、YDF8170等が挙げられる。フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、油化シェルエポキシ株式会社製、商品名:エピコート152、154、日本化薬株式会社製、商品名:EPPN−201、ダウケミカル社製、商品名:DEN−438等が挙げられる。o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、日本化薬株式会社製、商品名:EOCN−102S、103S、104S、1012、1025、1027、東都化成株式会社製、商品名:YDCN702、703、704等が挙げられる。
多官能エポキシ樹脂としては、例えば、油化シェルエポキシ株式会社製、商品名:Epon1031S、チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名:アラルダイト0163、ナガセ化成株式会社製、商品名:デナコールEX−611、614、614B、622、512、521、421、411、321等が挙げられる。
グリシジルアミン型エポキシ樹脂としては、例えば、油化シェルエポキシ株式会社製、商品名:エピコート604、東都化成株式会社製、商品名;YH−434、三菱ガス化学株式会社製、商品名:TETRAD−X,TETRAD−C、住友化学株式会社製、商品名:ELM−120等が挙げられる。
複素環含有エポキシ樹脂としては、例えば、チバスペシャリティーケミカルズ社製、商品名:アラルダイトPT810、UCC社製、商品名:ERL4234、4299、4221、4206等が挙げられる。
これらのエポキシ樹脂の中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が好ましい。また、これらのエポキシ樹脂は、単独で又は2種類以上を組み合わせて、使用することができる。
樹脂硬化剤としては特に限定されず、通常用いられている公知の硬化剤を使用することができる。エポキシ樹脂硬化剤としては、例えば、アミン類、ポリアミド、酸無水物、ポリスルフィド、三フッ化ホウ素、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSのようなフェノール性水酸基を1分子中に2個以上有するビスフェノール類、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂又はクレゾールノボラック樹脂などのフェノール樹脂などが挙げられ、特に吸湿時の耐電食性に優れる点で、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂等のフェノール樹脂が好ましい。フェノール樹脂硬化剤としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製、商品名:フェノライトLF2882、フェノライトLF2822、フェノライトTD−2090、フェノライトTD−2149、フェノライトVH−4150、フェノライトVH4170等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体としては、(メタ)アクリル酸エステルと反応性を有するモノマーとを重合させてなるポリマーであり、官能性モノマーを共重合させた官能基含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体が好ましい。官能性モノマーとしては、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレートなどが挙げられ、これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。官能性モノマーを組み合わせて使用する場合の混合比率は、官能基含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体のガラス転移温度(以下「Tg」という)を考慮して決定する。官能基含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体のTgは−10℃以上であることが好ましい。Tgが−10℃以上であると、Bステージ状態での接着剤層のタック性が適当であり、取扱い性に問題を生じないからである。
官能性モノマーの使用量は、共重合体中の官能基含有反復単位の量が、好ましくは0.5〜6.0重量%、より好ましくは0.5〜5.0重量%、特に好ましくは0.8〜5.0重量%の範囲になるよう設定される。前記官能基含有反復単位の量が0.5〜6.0重量%の範囲にあると、接着力を確保し易く、またゲル化を防止し易い。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体の重量平均分子量は、10万以上が好ましく、30万〜300万がより好ましく、50万〜200万が特に好ましい。重量平均分子量が10万以上であると、耐熱性が高く、シート状にしたときの強度、可とう性及びタック性が適当であり、またフロー性が適当であるため配線の回路充填性が確保でき易くなる。なお、本発明において、重量平均分子量とは、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーで測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値を示す。
本発明において賞用される(メタ)アクリル酸エステル共重合体としては、例えば、ナガセケムテックス株式会社製、商品名:HTR−860P−3、ブチルアクリレートとアクリロニトリル、エチルアクリレートとアクリロニトリル等の共重合体などが挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル共重合体の製造方法としては、特に制限はなく、例えば、パール重合、溶液重合などの重合方法を使用することができる。 また、接着剤(層)を構成する成分として、上記熱硬化性成分及び(メタ)アクリル酸エステル共重合体の他に硬化促進剤、触媒、添加剤、フィラー、カップリング剤、高分子量成分等を含んでも良い。
高分子量成分としては、ポリイミド、(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェノキシ樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂等が挙げられるが、これらに制限するものではない。
硬化促進剤としては、特に制限はなく、イミダゾール類、ジシアンジアミド誘導体、ジカルボン酸ジヒドラジド類、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾールテトラフェニルボレート、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7−テトラフェニルボレート等を用いることができる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。硬化促進剤の添加量は、硬化性と保存安定性の両立という点で、熱硬化性成分及び樹脂硬化剤100重量部に対して、0.1〜5重量部が好ましく、0.2〜3重量部がより好ましい。
また、本発明の接着シートの接着剤(層)には、その取扱い性向上、熱伝導性向上、導電性付与、溶融粘度の調整及びチキソトロピック性付与などを目的として、金属フィラー、無機フィラー、有機フィラーなどを添加することもできる。金属フィラーとしては、特に制限はなく、例えば金、銀、銅、アルミニウム、鉄、インジウム、錫等及びそれらの合金などが使用できる。無機フィラーとしては、特に制限はなく、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ほう酸アルミニウムウイスカ、窒化ほう素、結晶性シリカ、非晶性シリカ等が挙げられ、フィラーの形状についても特に制限はない。有機フィラーとしては、特に制限はなく、エポキシ樹脂粉、各種ポリマ粉、微細シリコーンゴム等のゴム粉などが挙げられる。これらのフィラーは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。これらフィラーのなかでも、熱伝導性向上のためには、銀、銅、アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化ほう素、結晶性シリカ、非晶性シリカ等が好ましい。また、溶融粘度の調整やチキソトロピック性の付与の目的には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、結晶性シリカ、非晶性シリカ等が好ましい。フィラーの使用量は、接着剤100重量部に対して1〜2000重量部が好ましい。1重量部未満であると添加効果が得られない傾向があり、2000重量部を超えると、接着剤層の貯蔵弾性率の上昇、接着性の低下、ボイド残存による電気特性の低下等の問題を起こす傾向がある。
また、本発明の接着シートの接着剤(層)には、異種材料間の界面結合を良くするために、各種カップリング剤を添加することもできる。カップリング剤としては、例えば、シラン系、チタン系、アルミニウム系等が挙げられ、これらのなかでも添加効果が高い点でシラン系カップリング剤が好ましい。
本発明では接着剤(層)を形成する組成物を溶剤に溶解又は分散してワニスとして用いる。フィラーを添加した際のワニスの製造には、フィラーの分散性を考慮して、らいかい機、3本ロール、ボールミル、ビーズミル等を使用するのが好ましく、これらを組み合わせて使用することもできる。また、フィラーと低分子量の原料をあらかじめ混合した後、高分子量の原料を配合することによって、混合する時間を短縮することもできる。さらに、ワニスとした後、真空脱気等によってワニス中の気泡を除去することもできる。
上記のワニス化するための溶剤としては、特に制限はないが、作製時の揮発性などを考慮すると、例えば、メタノール、エタノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン等の比較的低沸点の溶剤を使用するのが好ましい。また、塗膜性を向上させるなどの目的で、例えば、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、シクロヘキサノン等の比較的高沸点の溶剤を使用することもできる。これらの溶剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の接着シートは、片面に粘着性を有する基材フィルムの粘着性を有する面にウエハ形状の接着剤層を積層してなるものである。
ここで、本発明の接着シートに用いる基材フィルムとしては、パラメータの説明の項目で説明したようなフィルムを用いることができる。
基材フィルム上に接着剤層を積層する方法としては特に制限はないが、基材フィルム上にウエハ形状に直接ワニスを塗工する方法、予め別のフィルム上にワニスを塗工、乾燥しフィルム状接着剤を形成し、これをウエハ形状に打ち抜き加工した後、ウエハ形状のフィルム状接着剤を基材フィルムに転写する方法等が挙げられる。
塗工の方法としては、特に限定されず、例えば、接着剤(層)を形成する組成物を溶剤に溶解又は分散してワニスとし、片面に粘着性を有する基材フィルムの粘着性を有する面にウエハ形状にワニスを塗布し、加熱して溶剤を除去する方法が挙げられる。基材フィルムへのワニスの塗布方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、ナイフコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、カーテンコート法等が挙げられる。
接着シートの厚みは、特に制限はないが、接着剤層、基材フィルムともに5〜250μmの範囲が好ましい。5μm未満であると応力緩和効果が乏しくなる傾向があり、250μmを超えると経済的でなくなる上に、半導体装置の小型化の要求に応えられない傾向がある。
接着剤層をウエハ形状にし、ウエハ保持用リングと基材フィルムの粘着性を有する面が接するようにすることにより、基材フィルムとウエハ保持用リングとの間の密着性を向上することができる。保護フィルムをはく離する際に中心部に対して端部の接着シートの厚さが薄いため剥離性シートを剥離するきっかけがつくりやすく、作業性が向上する。
なお、接着シートの周辺部には、ロール状に巻きやすいように接着剤層や基材フィルムが部分的に残っていても良い。
本発明の接着シートは、基材フィルムと接着剤層とからなる2層構成であるが、基材フィルムと接着剤層とはそれぞれが、内部に多層構造や傾斜構造を有していてもよく、また予め、半導体ウエハに接着剤層やコーティング層を形成したものを用いることで、結果的に接着剤層が多層になっても良い。本発明の接着シートは、2層構成で用いたときに特に効果的に製造コストを抑えると共に接着剤層表面の汚染の減少を通じて信頼性を高めることができるが、所望のシート厚を得るために、さらに1又は2以上の接着剤層を半導体ウエハと接着剤層との間に挟むように設けてもよい。
<使用方法>
続いて、本発明に係る接着シートの使用方法について図1〜図9を参照しながら説明するが、本発明の使用方法が以下の方法に制限されないことはいうまでもない。なお、図中同一の機能を有するものについては同一の符号を付してその説明を省略する。
図1には基材フィルム1と接着剤層2とを備える接着シート10が開示されている。
接着シート10をダイシングテープとして使用する場合、まず接着シート10の接着剤層2と半導体ウエハ表面が密着するようにして所定の作業台上に載置する。本発明に係る接着シートの上面に剥離性シートが設けられている場合には、剥離性シートを剥離除去した後に、接着シートの接着剤層2を上向きにして所定の作業台上に載置する。
次に、図3に示すようにして、この接着剤層2の上面にダイシング加工すべき半導体ウエハAを設置し、図4に示すように基材フィルム1上にウエハ保持用リング3を設置して貼着する。この際のラミネート温度は通常20℃〜200℃の間で行われるが、半導体ウエハのそりが少ない点で、20℃〜130℃が好ましく、基材フィルムの伸びが小さい点で、20℃〜80℃がさらに好ましい。図5は、ウエハ保持用リング3で半導体ウエハAを保持した状態の上面図である。
続いて、この貼着状態で半導体ウエハAにダイシング、洗浄、乾燥の工程が加えられる。この際、接着剤層2により半導体ウエハAは接着シートに充分に粘着保持され、さらにウエハ保持用リング3により保持されているので、上記各工程の間に半導体ウエハAが脱落することはない。
なお、図6にはダイシングカッター6を用いてウエハAをダイシングすることで太線で示される切込みが設けられ、そして半導体素子A1、A2、A3、A4が得られることが示されている。
そして、図7に示されるようにしてピックアップすべき半導体素子A1、A2、A3、A4を例えば吸引コレット4によりピックアップする。この際、吸引コレット4に換えて又は吸引コレット4と併用するようにして、ピックアップすべき半導体素子A1、A2、A3、A4を基材フィルム1の下面から、例えば針扞等により突き上げることもできる。
半導体素子A2と接着剤層2との間の粘着力は、接着剤層2と基材フィルム1との間の粘着力よりも大きいため、半導体素子A2のピックアップを行うと、接着剤層2は半導体素子A2の下面に付着した状態で剥離する(図8参照)。
次いで、半導体素子A1、A2、A3、A4を接着剤層2を介して半導体素子搭載用支持部材5に載置し加熱する。加熱により接着剤層2は接着力が発現し、半導体素子A1、A2、A3、A4と半導体素子搭載用支持部材5との接着が完了する(図9参照)。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。なお、本発明はこれら実施例に制限するものではない。
(実施例1)
YDCN−703(東都化成株式会社製、商品名:o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量210)42.3重量部、フェノライトLF2882(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名:ビスフェノールAノボラック樹脂)23.9重量部、HTR−860P−3(ナガセケムテックス株式会社製、商品名:エポキシ基含有アクリルゴム、分子量80万、Tg−7℃)140重量部、キュアゾール2PZ−CN(四国化成工業株式会社製、商品名:1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール)0.4重量部及びNUCA−187(日本ユニカー株式会社製、商品名:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)0.7重量部からなる組成物に、メチルエチルケトンを加えて攪拌混合し、真空脱気して接着剤ワニスを得た。
この接着剤ワニスを厚さ50μmの離型処理ポリエチレンテレフタレート(帝人株式会社製、商品名:ピューレックスS−31)上に塗布し、100℃で10分間、140℃で5分間加熱乾燥し、厚さ50μmのフィルム状接着剤を得た。このフィルム状接着剤を直径20.5cmのウエハ形状に打ち抜き加工した。
このウエハ形状のフィルム状接着剤を厚さ80μmの基材フィルム(日立化成工業株式会社製、商品名:ヒタレックスML−2040を用いた。基材フィルムの粘着性を有する面の25℃でのステンレス製ウエハ保持リングに対するピール強度15N/m、基材フィルムの接着剤層に接する面の表面自由エネルギ45×10−3N/m)の粘着面に接するように40℃で転写することで、接着シートAを作製した。
なお、表面自由エネルギの測定は下記の方法で行った。
協和界面科学社製、CA−D型接触角計を用いて、測定表面に対する水及びジヨードメタンの接触角を25℃で測定した。表面自由エネルギは水及びジヨードメタンの接触角から次式で算出した。
γs=γs+γs
36.4(1+cosθ)=(21.8γs1/2+(51.0γs1/2
25.4.(1+cosθ)=(48.5γs1/2+(2.3γs1/2
上記式中、γsは表面エネルギ、γsは表面自由エネルギの極性成分、γsは表面自由エネルギの分散成分、θは水の接触角、θはジヨードメタンの接触角を表す。
また、ピール強度の測定は下記の方法で行った。
(実施例2)
YD8125(東都化成株式会社製、商品名:BPA型エポキシ樹脂、エポキシ当量173)36.5重量部、プライオーフェンLF2882(大日本インキ化学工業株式会社製、商品名:ビスフェノールAノボラック樹脂)23.9重量部、HTR−860P−3(ナガセケムテックス株式会社製、商品名:エポキシ基含有アクリルゴム、分子量80万、Tg−7℃)140重量部、キュアゾール2PZ−CN(四国化成工業株式会社製、商品名:1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール)0.4重量部及びNUCA−187(日本ユニカー株式会社製、商品名:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)0.7重量部からなる組成物に、メチルエチルケトンを加えて攪拌混合し、真空脱気して接着剤ワニスを得た。
この接着剤ワニスを厚さ50μmの離型処理ポリエチレンテレフタレート(帝人株式会社製、商品名:ピューレックスS−31)上に塗布し、100℃で10分間、140℃で5分間加熱乾燥し、厚さ50μmのフィルム状接着剤を得た。このフィルム状接着剤を直径20.5cmのウエハ形状に打ち抜き加工した。このウエハ形状のフィルム状接着剤を基材フィルムの粘着性を有する面に接するように60℃で転写することで、接着シートBを作製した他は実施例1と同様である。
(実施例3)
基材フィルムが厚さ80μmのポリエチレンフィルム(日立化成工業株式会社製、商品名:ヒタレックスML−2020、基材フィルムの粘着性を有する面の25℃での表面に弱粘着材を塗布したステンレス製ウエハ保持リングとのピール強度15N/m、基材フィルムの接着剤層に接する面の表面自由エネルギ44×10−3N/m)の粘着面に接するように40℃で転写した他は実施例1と同様の材料を使用し、実施例1と同様の工程を経て接着シートCを作製した。
(実施例4)
ラミネート温度が80℃である他は実施例1と同様の材料を使用し、実施例1と同様の工程を経て接着シートDを作製した。
(比較例1)
基材フィルムが厚さ75μmの帝人株式会社製、商品名:ピューレックスS31(基材フィルムの粘着性を有する面の25℃でのステンレス製ウエハ保持リングとのピール強度5N/m、基材フィルムの接着剤層と接する面の表面自由エネルギ13×10−3N/m)である他は実施例1と同様の材料を使用し、実施例1と同様の工程を経て接着シートEを作製した。
(比較例2)
基材フィルムが厚さ50μmのポリエチレンフィルム(基材フィルムの接着剤層と接する面の表面自由エネルギ58×10−3N/m)である他は実施例1と同様の材料を使用し、実施例1と同様の工程を経て接着シートFを作製した
上記、各実施例で得られた接着シートA〜D及び比較例で得られた接着シートE〜Fについての評価は下記の方法で行った。
(1)弾性率(貯蔵弾性率)
接着シートの貯蔵弾性率を動的粘弾性測定装置(レオロジ社製、DVE−V4)を用いて測定した(サンプルサイズ:長さ20mm、幅4mm、膜厚80μm、昇温速度5℃/min、引張りモード、10Hz、自動静荷重)。
(2)フロー量の測定
接着剤層と基材フィルム(PETフィルム(株式会社帝人製テイジンテトロンフィルムG2−50))とを備える厚さ(基材層を除いた接着シートの厚さ)50μmの接着シートから1cm×2cmの短冊片を打ち抜くことにより、寸法1cm×2cmの短冊状サンプルSを調製した。そして、熱圧着試験装置(テスター産業株式会社製)において、前記短冊状サンプルSを160℃に加熱したステージ上に置き、2MPaの圧力を18秒間付与した。
その後、前記サンプルSを熱圧着試験装置から取出した後、図10に示されるように前記サンプルSの長片(2cm辺)の端部からはみだした樹脂のうち、1番目と2番目に長いはみ出し距離(長手方向距離a)を光学顕微鏡で測定した。このような操作を4つのサンプルについて行いそれらのはみ出し距離の平均値、即ち合計8点の距離の平均値を求めフロー量とした。
(3)タック強度
レスカ株式会社製タッキング試験機を用いて、JISZ0237−1991に記載の方法(プローブ径5.1mmφ、引き剥がし速度10mm/s、接触荷重100gf/cm、接触時間1s)により測定した。
(4)対金めっきピール強度(接着強度)
120℃のホットプレート上で接着シートに半導体素子(5mm角)及び金めっき基板〔銅箔付フレキ基板電解金めっき(Ni:5μm、Au:0.3μm)〕を積層し、130℃30分+170℃1時間キュアした。この試料の250℃におけるピール強度を測定した。
(5)耐リフロークラック性と耐温度サイクル性
接着シートを用いて得た接着剤層付き半導体素子と、厚み25μmのポリイミドフィルムを基材に用いた配線基板とを貼り合せた半導体装置サンプル(片面にはんだボールを形成)を作製し、耐熱性及び耐湿性を調べた。耐熱性の評価方法には、耐リフロークラック性と耐温度サイクル試験を適用した。
耐リフロークラック性の評価は、サンプル表面の最高温度が240℃でこの温度を20秒間保持するように温度設定したIRリフロー炉にサンプルを通し、室温で放置することにより冷却する処理を2回繰り返したサンプル中のクラックを目視と超音波顕微鏡で視察した。
耐温度サイクル性の評価は、サンプルを−55℃雰囲気に30分間放置し、その後125℃の雰囲気に30分間放置する工程を1サイクルとして、1000サイクル後において超音波顕微鏡を用いて剥離やクラック等の破壊が発生していないものを○とした。
(6)耐湿性評価
上記(5)で作製したサンプルを温度121℃、湿度100%、2.03×10Paの雰囲気(プレッシャークッカ−テスト:PCT処理)で72時間処理後に剥離を観察することにより行った。剥離の認められなかったものを○とした。
(7)ピックアップ性
接着シートを厚さ150μmのシリコンウェハ上に貼付け、接着シート付きシリコンウェハをダイシング装置上に載置した。次いで、半導体ウエハをダイシング装置上にウエハ保持用リングにより保持固定して、100mm/secの速度で5mm×5mmにダイシングした後、ピックアップ装置にてダイシングした半導体素子をピックアップし、ダイシング時の半導体素子の飛び及びピックアップ性を評価した。ピックアップダイボンダ−により、ダイシング後の半導体素子をピックアップし、接着剤層付き半導体素子としてピックアップできた確率(%/100半導体素子)を示した。
これらの評価結果をまとめて表1に示す。
Figure 2014003300
表1に示されるように、本発明の実施例になる接着シートは、耐熱性及び耐湿性に優れ、ダイシング時の半導体素子飛びもなく、ピックアップ性も良好であることが明らかである。
比較例1は接着剤層と基材フィルムが剥離しやすく、半導体素子がダイシング時に剥離、飛散してしまった。比較例2では接着剤層と基材フィルムが剥離できず、接着剤層付き半導体素子をピックアップすることができなかった。
1 基材フィルム
2 接着剤層
3 ウエハ保持用リング
4 吸引コレット
5 半導体素子搭載用支持部材
6 ダイシングカッター
10 接着シート
A 半導体ウエハ
A1、A2、A3、A4 半導体素子

Claims (6)

  1. 半導体装置の製造方法であって、
    (a)片面を表面処理した基材フィルムと、前記基材フィルムの前記表面処理面に積層してなる半導体ウエハ形状の接着剤層とを有する接着シートを、前記接着シートの接着剤層面が半導体ウエハに接し、及び前記表面処理面がウエハ保持用リングに接するように、ラミネートする工程、
    (b)前記半導体ウエハ及び前記接着シートの一部を切断し、所望の大きさの半導体素子を得る工程、
    (c)前記接着シートを前記接着剤層と前記基材フィルムとの間で剥離し、接着剤層付き半導体素子を得る工程、及び
    (d)前記接着剤層付き半導体素子と半導体素子搭載用支持部材とを接着する工程
    を含み、
    前記接着シートにおける前記基材フィルムの前記表面処理面が、25×10−3N/m〜55×10−3N/mの表面自由エネルギを有し、かつ前記基材フィルムの前記表面処理面が、前記ウエハ保持用リングに対し、25℃で5N/m〜100N/mのピール強度を有することを特徴とする、製造方法。
  2. 前記接着シートにおける前記接着剤層が、(メタ)アクリル酸エステル共重合体と熱硬化性成分とを含有することを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記接着シートにおける前記接着剤層が、未硬化又は半硬化状態において、100℃で0.0001MPa〜2MPaの弾性率を有し、及び50℃で7.5MPa〜50MPaの弾性率を有し、並びに硬化後に、50℃で100MPa〜5000MPaの弾性率を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記工程(d)後に得られる、前記接着剤層付き半導体素子と半導体素子搭載用支持部材との積層硬化物が、前記接着剤層付き半導体素子が5mm角の大きさである時、250℃で0.3kgf以上の接着強度を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記接着シートの160℃でのフロー量が100μm〜10000μmであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記ウエハ保持用リングが、ステンレス製であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
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