JP2014002987A - 電子顕微鏡用試料ホルダ - Google Patents

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Abstract

【課題】イオン(原子)の電気化学的挙動が電子顕微鏡で観察可能な電子顕微鏡用試料ホルダ1を提供する。
【解決手段】電子線が透過可能で流体を封入可能な容器6と、容器6内に導入された2本の電極4、5と、容器6に設けられた誘電体膜9aにより構成され、電極4、5同士を接続するコンデンサC1〜C4とを有する。容器6は、電子線が透過可能な底膜7と、底膜7の上に設けられループ状の側壁9と、底膜7とで側壁9を挟むように底膜7に対向し電子線が透過可能な蓋膜8とを有し、電極4、5は、側壁9の切れ間9cから、容器6内に導入される。側壁9の表層には、誘電体膜9aが設けられ、側壁9の内部には、導電材9bが設けられ、誘電体膜9aは、切れ間9cにおいて、電極4、5に接している。導電材9bは、金属であり、誘電体膜9aは、その金属の酸化物である。
【選択図】図2

Description

本発明は、電子顕微鏡で試料を観察する際に用いる電子顕微鏡用試料ホルダに関する。
電子顕微鏡用試料ホルダとしては、生体細胞の観察のために提供されるものが提案されている(特許文献1等参照)。
特許第4344363号公報
自動車産業ではグリーン環境への対応として、脱化石燃料が急務の課題である。地球環境にやさしい電気自動車は、適切なモータ選択によって、大きな起動トルクが稼げ、高速回転領域までの電力変換効率がそれほど変化しないので変速機が不必要であること、走行時の二酸化炭素および窒素酸化物の排出がないことなどのメリットがあるため、実用化を目指した開発が日々進められている。その電源として最有力候補であるリチウム二次電池は、高容量化と長寿命化が技術課題であり、その技術課題の解決には、そのメカニズムを解明する必要、すなわち、リチウムの拡散による正極材および負極材の結晶構造の変化を把握する必要がある。このような電池の化学反応を原子レベルで精密に調査することは、材料開発にとって必須の課題となってきている。その課題を解決するためには、開発材料(正極材、負極材)を、電池のシステムに作り上げて、電池性能の評価の後に破壊し、その破壊したものを電子顕微鏡によって観察してきた。しかし、その手法では時間的に静止した状態を観察するのみであり、継続的な時間経過に影響を及ぼすリチウムイオンの拡散に起因する現象を動的に観察することはできない。電気化学的なイオンの動きをその場で観察する必要がある。具体的には、電子顕微鏡のホルダの中に、リチウムイオン(原子)が正極と負極の間を移動し、正極材又は負極材に到達後に拡散もしくは浸透してゆく電気化学的挙動を観察する手法が必要である。しかし、電子顕微鏡の真空チャンバ内で液体を保持するためには、サンプルホルダの液体接触部の膜に十分な強度が必要である。特に、正極および負極間に一定電流を流すと、突入電流によって前記膜が一気に破砕する現象が発生する。膜の厚さを厚くすれば強度は向上するが、電子線の吸収が大きくなるため、観察に不都合である。すなわち、前記膜が薄くても、前記破砕が抑制できれば、リチウム二次電池等の電池に限らず、生体細胞も含めた電解液中の正極材又は負極材におけるイオン(原子)の電気化学的挙動が電子顕微鏡で観察でき、有用であると考えられる。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、イオン(原子)の電気化学的挙動が電子顕微鏡で観察可能な電子顕微鏡用試料ホルダを提供することである。
前記課題を解決するために、本発明は、電子線が透過可能で流体を封入可能な容器と、前記容器内に導入された2本の電極と、前記容器に設けられた誘電体膜により構成され前記電極同士を接続するコンデンサとを有する電子顕微鏡用試料ホルダであることを特徴とする。
本発明によれば、イオン(原子)の電気化学的挙動が電子顕微鏡で観察可能な電子顕微鏡用試料ホルダを提供できる。なお、前記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施形態に係る電子顕微鏡用試料ホルダの分解斜視図である。 本発明の実施形態に係る電子顕微鏡用試料ホルダの主要部の一部を透視した平面図である。 図2のIII−III方向の矢視断面図である。 図2のIVA−IVA方向の矢視断面図である。 図2のIVB−IVB方向の矢視断面図である。 本発明の実施形態に係る電子顕微鏡用試料ホルダを、既存の電子顕微鏡用試料ホルダに装着する様子を説明するための模式図である。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。また、本発明は、ここで取り上げた複数の実施形態の個々に限定されることはなく、適宜組み合わせてもよい。
図1に、本発明の実施形態に係る電子顕微鏡用試料ホルダ1の分解斜視図を示す。電子顕微鏡用試料ホルダ1には、電子線が透過可能で電解液(流体)16を封入可能な容器6が構成されている。容器6は、基本的には、電子線が透過可能な底膜7と蓋膜8と、底膜7と蓋膜8とで挟まれるループ状の側壁9とを有している。底膜7と蓋膜8とは、側壁9を挟んで対向している。容器6内の密閉空間は、上方を蓋膜8で覆い、下方を底膜7で覆い、側方を側壁9で覆うサンドイッチ状の構造体として実現されている。側壁9は、底膜7の上に設けられている。ループ状の側壁9には、切れ間9cが2箇所設けられている。また、容器6(側壁9)には、誘電体膜9aが設けられている。
容器6内には、2本の電極、正極引出電極4と、負極引出電極5とが導入されている。正極引出電極4と負極引出電極5は、側壁9の切れ間9cから容器6内に導入されている。正極引出電極4を導入するための切れ間9cと、負極引出電極5を導入するための切れ間9cとの間には、側壁9のブリッジ9dが形成されている。ブリッジ9dの一端は、正極引出電極4に接し、他端は、負極引出電極5に接している。
底膜7は、底基板11の全上面の上に設けられている。蓋膜8は、蓋基板12の全下面の下に設けられている。蓋基板12は、蓋貫通孔12aを有している。蓋膜8は、蓋基板12の下に蓋貫通孔12aを塞ぐように設けられている。底膜7と蓋膜8の間の側壁9の外側は、封止材13で封止されている。封止材13は、側壁9の外側を全周にわたって、底膜7と蓋膜8とを接着している。封止材13によれば、真空雰囲気に曝される電子顕微鏡用試料ホルダ1の内部(容器6)から電解液16が蒸発することを防止することができる。封止材13としては、例えば、エポキシ樹脂等を用いることができる。
側壁9の一方の外側において、底膜7は、蓋膜8(蓋基板12)に対向せずに露出している。蓋膜8(蓋基板12)には、切り込み(後退部)12bが入って、蓋膜8(蓋基板12)を後退させている。正極引出電極4は、この露出(後退)している底膜7上まで延在し、配線14に接続している。負極引出電極5は、この露出(後退)している底膜7上まで延在し、配線15に接続している。
正極引出電極4は、容器6内(側壁9の内側)において、正極材2に接している。負極引出電極5は、容器6内(側壁9の内側)において、負極材3に接している。正極材2と負極材3は、対向するように離れて配置されている。容器6(側壁9)内を電解液16で満たすことで、正極材2と負極材3の間の間隙に電解液16を満たすことができる。なお、側壁9は、電解液16を溜めるために、その高さは、周方向に一定になっている。その高さは、400nm以下であることが好ましい。また、側壁9は、電解液16を溜めるために、切れ間9cの幅は、切れ間9cにおける正極引出電極4と負極引出電極5の幅に略一致している。
図2に、本発明の実施形態に係る電子顕微鏡用試料ホルダ1の主要部の一部を透視した平面図を示す。側壁9の表層(容器6)には、誘電体膜9aが設けられている。側壁9の内部には、導電材9bが設けられている。誘電体膜9aは、側壁9の前記切れ間9cにおいて、正極引出電極4と負極引出電極5に接している。導電材9bには、金属、例えばクロムを用いることができ、誘電体膜9aには、その金属の酸化物、例えば酸化クロムを用いることができる。
正極引出電極4と側壁9のブリッジ9dの接触箇所では、正極引出電極4と側壁9の導電材9bとに挟まれた誘電体膜9aが存在し、誘電体膜9aは正極引出電極4と側壁9とが導通しないように絶縁している。このため、この接触箇所には、正極引出電極4とブリッジ9dの導電材9bの一対の電極で誘電体膜9aを挟んだコンデンサC1が形成されていると考えることができる。換言すると、正極引出電極4とブリッジ9dの導電材9bの間にはコンデンサC1が接続されていると考えることができる。
同様に、負極引出電極5と側壁9のブリッジ9dの接触箇所では、負極引出電極5と側壁9の導電材9bとに挟まれた誘電体膜9aが存在し、誘電体膜9aは負極引出電極5と側壁9とが導通しないように絶縁している。このため、この接触箇所には、負極引出電極5とブリッジ9dの導電材9bの一対の電極で誘電体膜9aを挟んだコンデンサC2が形成されていると考えることができる。換言すると、負極引出電極5とブリッジ9dの導電材9bの間にはコンデンサC2が接続されていると考えることができる。これらにより、正極引出電極4と負極引出電極5の間には、コンデンサC1と、ブリッジ9dの導電材9bと、コンデンサC2の直列接続が、接続されていると考えることができる。
同様に、正極引出電極4と側壁9のブリッジ9dの反対側の接触箇所には、正極引出電極4とブリッジ9dの反対側の導電材9bを電極とするコンデンサC3が形成されていると考えることができる。負極引出電極5と側壁9のブリッジ9dの反対側の接触箇所には、負極引出電極5とブリッジ9dの反対側の導電材9bを電極とするコンデンサC4が形成されていると考えることができる。これより、正極引出電極4と負極引出電極5の間には、コンデンサC3と、ブリッジ9dでない導電材9bと、コンデンサC4の直列接続が、接続されていると考えることができる。
これらから、誘電体膜9aは、正極引出電極4と負極引出電極5とを接続するコンデンサC1〜C4を構成していると考えることができる。コンデンサC1〜C4は、一定電流は流さないが、変動する電流は流すことができる。リチウム二次電池においては、電流は、正極材2(正極引出電極4)から負極材3(負極引出電極5)に向かって電解液16中を流れる。電極評価には、電流を定格電流(一定電流)に設定して電圧の時間変化を測定する。正極引出電極4と負極引出電極5の間に、一定電流を流そうとすると、一定電流が流れて安定する前の過渡状態として、突入電流が発生する。突入電流は、時間的に変動する電流であり、コンデンサC1〜C4(誘電体膜9a)を流れることができる。これにより、突入電流は、ブリッジ9d等の側壁9を流れ、正極材2と負極材3の間を流れず、一定電流は、ブリッジ9d等の側壁9を流れず、正極材2と負極材3の間を流すことができる。突入電流が、正極材2と負極材3の間を流れないので、底膜7と蓋膜8の破砕を防ぐことができる。
また、正極材2の負極材3側の端部には、電子線が透過可能な高さのステップ17が設けられている。負極材3の正極材2側の端部にも、電子線が透過可能な高さのステップ17が設けられている。正極材2においてステップ17の設けられる面は、負極材3においてステップ17の設けられる面と対向している。また、正極材2におけるステップ17と、負極材3におけるステップ17とは、図2の例では対向しているが、対向していなくてもよい。ステップ17では、その周囲の厚さに比べて薄くなっている。正極材2と負極材3の間を流れる電流の大きさは、正極材2と負極材3の体積に比例する。正極材2と負極材3の間に前記一定電流を流すためには、その電流値を電流計で計測(モニタ)し制御する必要がある。すなわち、電流計で計測可能な電流値が、下限電流となる。このため、電流計で計測可能な電流値(定格電流1nA)以上の一定電流が流せるように、正極材2と負極材3の体積が決定される。正極材2では、重量あたりの最大電流値が約150mA/gであり、密度が5g/cmであるため、電流値1nAを測定するのに必要な体積が決定される。この必要な体積から、正極材2(負極材3)の寸法が決定される。具体的に、正極材2(負極材3)を直方体としてその長さと幅を大きく設定し、それぞれ約100μmとしても、厚さを約400nm以上にする必要がある。しかし、厚さが約400nm以上あると、透過型の電子顕微鏡では、観察できない。そこで、正極材2と負極材3の一部分(ステップ17)の厚さを、その一部分(ステップ17)の周辺の厚さに比べ薄くし、観察可能にしている。具体的には、その一部分(ステップ17)の厚さを、70nm以下、望むらくは30nm以上50nm以下にしている。
図3に、図2のIII−III方向の矢視断面図を示す。図3では、側壁9のブリッジ9dと正極引出電極4と負極引出電極5等を切断している。図4Aに、図2のIVA−IVA方向の矢視断面図を示す。図4Aでは、正極材2と負極材3と正極引出電極4と負極引出電極5等を切断している。図4Bに、図2のIVB−IVB方向の矢視断面図を示す。図4Bでも、正極材2と負極材3と正極引出電極4と負極引出電極5等を切断しているが、図4Bでは、特に、正極材2と負極材3のステップ17を切断している。これらの図を用いて、次に、電子顕微鏡用試料ホルダ1の製造方法について説明する。まず、図3に示すように、底基板11と蓋基板12として、単結晶のシリコン基板を用意する。蓋基板12には、切り込み(後退部)12b(図1参照)を、へき開等によって形成する。次に、底基板11の上面の全面に、底膜7となる窒化シリコン膜を形成する。また、蓋基板12の下面の全面に、蓋膜8となる窒化シリコン膜を形成する。窒化シリコン膜は、シリコン基板の表面を窒化すること等で形成することができる。底膜7と蓋膜8の窒化シリコン膜の厚さとしては、50nm以下が望ましく、さらに望むらくは、20nm以上30nm以下の範囲内であることがよい。次に、図4Aと図4Bに示すように、底基板11と蓋基板12の互いに対応する位置に、観察窓(底貫通孔)11aと観察窓(蓋貫通孔)12aを形成する。観察窓(底貫通孔)11aと観察窓(蓋貫通孔)12aは、底基板11と蓋基板12を貫通しているが、底膜7と蓋膜8で塞がれている。観察窓(底貫通孔)11aと観察窓(蓋貫通孔)12aは、これらの位置に存在する底基板11と蓋基板12を、底膜7と蓋膜8に対して選択的にエッチングすることで形成することができる。
次に、側壁9のパターンが抜かれた(ネガになっている)マスクを用いて、観察窓(底貫通孔)11a内の底膜7上に、側壁9(導電材9b)となる金属クロムを蒸着(成膜)する。この成膜の前には、マスク上の側壁9のループ状のパターンの中心が、観察窓(底貫通孔)11aの中心にずれずに重なるように位置合わせをする。また、マスク上の側壁9のループ状のパターンが、観察窓(底貫通孔)11aのエッジに沿い、互いに平行になるように位置合わせをする。また、この成膜により、図3に示すような側壁9の切れ間9cとブリッジ9dも形成される。なお、金属クロム(側壁9)の高さ(厚さ)が400nm以下、望むらくは略200nmになるように、金属クロムの重量換算で蒸着量を秤量している。次に、蒸着した側壁9(導電材9b)を酸素プラズマ雰囲気中で酸化する。これにより、側壁9(導電材9b)の周り(上面と側面)に、誘電体膜9aとなる酸化クロム膜を形成することができる。側壁9の表層に、誘電体膜9aが形成され、側壁9の内部には、導電材9bが設けられたことになる。なお、この酸素プラズマ雰囲気は、観察窓(底貫通孔)11a上の底膜7に付着したチリを除去(酸素アッシング)し、底膜7(窒化シリコン膜)の表面も酸化している。また、誘電体膜9aの成膜方法は、前記の例の、導電材9bの表面酸化に限られず、導電材9bはクロムに限られず、誘電体膜9aは酸化クロム膜に限られない。例えば、誘電体膜9aとしては、無機フィラーを含有した樹脂等を用いてもよく、塗布により誘電体膜9aを成膜してもよい。
次に、正極引出電極4と負極引出電極5のパターンが抜かれた(ネガになっている)マスクを用いて、底膜7上に、クロム電極層19を蒸着(成膜)し、クロム電極層19上に金電極層18を蒸着(成膜)する。これにより、図3に示すように、側壁9の切れ間9cに、クロム電極層19と金電極層18が埋め込まれる。このため、これらの成膜の前には、マスク上の正極引出電極4と負極引出電極5のパターンが、側壁9の切れ間9c上にずれずに重なるように位置合わせをする。クロム電極層19と金電極層18は、側壁9の側面において、誘電体膜9aに接する。なお、クロム電極層19の厚さが100nm以上200nm以下になるように、金属クロムの重量換算で蒸着量を秤量している。そして、クロム電極層19と金電極層18の厚さの和(正極引出電極4と負極引出電極5の厚さ)が、側壁9の高さに一致するように、金電極層18の厚さを調整している。具体的に、金電極層18の厚さは、200nm以下、望むらくは略100nmに設定されている。クロム電極層19と金電極層18を積層した正極引出電極4と負極引出電極5の厚さは、400nm以下、望むらくは略200nmになるように設定されている。
次に、正極材2と負極材3となる大きな部材から、FIB加工(マイクロサンプリング(登録商標))を用いて、図4Aに示す前記直方体のような正極材2と負極材3を切り出す。さらに、図4Bに示すように、切り出した正極材2と負極材3に、FIB加工(マイクロサンプリング(登録商標))を用いて、ステップ17を形成する。次に、正極材2を正極引出電極4の金電極層18に接合し、負極材3を負極引出電極5の金電極層18に接合する。これらの接合方法としては、まず、ステップ17の形成された正極材2と負極材3を、FIB加工(マイクロサンプリング(登録商標))を用いて、金電極層18に並べて配置する。次に、正極材2と負極材3を金電極層18に接触させたまま、タングステンカルボニル(W(CO)6)ガスを導入しながら、ガリウム(Ga)イオンビームをその接触箇所に照射する。これにより、W(CO)6ガスは分解反応を起こし、その接触箇所にタングステン(W)が堆積する。タングステンは、正極材2又は負極材3と、金電極層18との、互いの対向面の間を埋めるように、また、互いの上面同士を橋渡しするように、堆積し、正極材2又は負極材3と、金電極層18とは接合される。図4Bに示すように、正極材2のステップ17が形成された面と、負極材3のステップ17が形成された面とは、互いに対向するように配置される。
次に、側壁9の外側の底膜7の上に、封止材13が塗布される。また、側壁9の内側に、電解液16が充填される。このままの状態で、底膜7に蓋膜8を、封止材13を接着剤として接着させる。接着の際には、観察窓(底貫通孔)11aの上方に、観察窓(蓋貫通孔)12aが配置されるように位置合わせをする。側壁9の上面は、蓋膜8に接する。これにより、下方が底膜7で、上方が蓋膜8で、側方が側壁9で囲まれ、密閉された容器6が完成するとともに、電子顕微鏡用試料ホルダ1が完成する。この容器6内には電解液16が封入されたことになる。電子顕微鏡用試料ホルダ1が、電子顕微鏡内の真空の雰囲気内に置かれても、電解液16は容器6内に封入されているので、真空の雰囲気内へ蒸発することはない。電子顕微鏡内において電子顕微鏡用試料ホルダ1に照射された電子線21は、容器6を透過することができる。電子線21は、蓋膜8、電解液16、正極材2又は負極材3のステップ17、底膜7を、この順番、又は、この逆の順番に、透過することができる。透過した電子線17は、電子顕微鏡の検出器に達し検出される。
図5に、本発明の実施形態に係る電子顕微鏡用試料ホルダ1を、既存の電子顕微鏡用試料ホルダ23に装着する様子を示している。電子顕微鏡には、既存の電子顕微鏡用試料ホルダ23が備えられている。既存の電子顕微鏡用試料ホルダ23には、固体の観察用の試料が固定されるケーシング(試料台)22が、固定できるようになっている。既存の電子顕微鏡用試料ホルダ23は、開口部(観察領域)23bを有するホルダ底部23aと、ホルダ底部23aの周囲には、固定された側壁23cと、可動式の側壁23dを有している。ケーシング22は、ホルダ底部23aに置かれると、バネ23eによって可動式の側壁23dに圧接させる。ケーシング22は、固定された側壁23cと可動式の側壁23dに挟まれて固定することができる。ケーシング22のケーシング底部22aには、開口部22bが設けられているが、この固定時には、開口部22bが、既存の電子顕微鏡用試料ホルダ23の開口部(観察領域)23bに重なるようになっている。
そして、電子顕微鏡用試料ホルダ1は、固体の観察用の試料に替えて、ケーシング22のケーシング底部22aに固定することができる。すなわち、電子顕微鏡用試料ホルダ1は、ケーシング底部22aより小さく作られている。この固定には、エポキシ樹脂等の接着剤を用いることができる。この固定の際には、電子顕微鏡用試料ホルダ1の観察窓(蓋貫通孔)12aが、ケーシング22の開口部22bの上方に来るように固定される。これにより、電子線21は、電子顕微鏡用試料ホルダ1の観察窓(蓋貫通孔)12aから、既存の電子顕微鏡用試料ホルダ23の裏側へ透過することができる。
電子顕微鏡用試料ホルダ1には、配線14、15を介して、外部から通電したり、内部で発電した電流を引き出したりできる。このとき、電子顕微鏡用試料ホルダ1内の正極材2又は負極材3では、化学反応がおこっている。同時に、正極材2又は負極材3のステップ17に電子線21を照射し、走査透過型電子顕微鏡観察や、電子エネルギー損失スペクトル分析やエネルギー分散型X線スペクトル分析による元素分析等を行うことで、イオン(原子)の電気化学的挙動を解明することができる。そして、配線14、15に電流を流しても、前記したように正極引出電極4と負極引出電極5の間にはコンデンサC1〜C4(図2参照)が接続されているので、突入電流が正極材2又は負極材3に流れ込まず、底膜7又は蓋膜8の破砕を抑制することができる。
なお、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、前記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
1 電子顕微鏡用試料ホルダ
2 正極材
3 負極材
4 正極引出電極(電極)
5 負極引出電極(電極)
6 容器
7 底膜
8 蓋膜
9 側壁
9a 誘電体膜
9b 側壁内部の導電材
9c 側壁の切れ間
9d ブリッジ
11 底基板
11a 観察窓(底貫通孔)
12 蓋基板
12a 観察窓(蓋貫通孔)
12b 切り込み(後退部)
13 封止材
14、15 配線
16 電解液
17 階段状ステップ(ステップ)
18 金(Au)電極層
19 クロム(Cr)電極層
21 電子線
22 ケーシング
22a ケーシング底部
22b 開口部
23 既存の電子顕微鏡用試料ホルダ
23a ホルダ底部
23b 開口部(観察領域)
C1〜C4 コンデンサ

Claims (8)

  1. 電子線が透過可能で流体を封入可能な容器と、
    前記容器内に導入された2本の電極と、
    前記容器に設けられた誘電体膜により構成され、前記電極同士を接続するコンデンサとを有することを特徴とする電子顕微鏡用試料ホルダ。
  2. 前記容器は、
    前記電子線が透過可能な底膜と、
    前記底膜の上に設けられループ状の側壁と、
    前記底膜とで前記側壁を挟むように前記底膜に対向し前記電子線が透過可能な蓋膜とを有し、
    前記電極は、前記側壁の切れ間から、前記容器内に導入されることを特徴とする請求項1に記載の電子顕微鏡用試料ホルダ。
  3. 前記側壁の表層には、前記誘電体膜が設けられ、
    前記側壁の内部には、導電材が設けられ、
    前記誘電体膜は、前記切れ間において、前記電極に接していることを特徴とする請求項2に記載の電子顕微鏡用試料ホルダ。
  4. 前記導電材は、金属であり、
    前記誘電体膜は、前記金属の酸化物であることを特徴とする請求項3に記載の電子顕微鏡用試料ホルダ。
  5. 前記導電材は、クロムであり、
    前記誘電体膜は、酸化クロムであることを特徴とする請求項4に記載の電子顕微鏡用試料ホルダ。
  6. 前記底膜は、底貫通孔を有する底基板の上に前記底貫通孔を塞ぐように設けられ、
    前記蓋膜は、蓋貫通孔を有する蓋基板の下に前記蓋貫通孔を塞ぐように設けられ、
    前記底貫通孔と、前記蓋貫通孔とは、前記容器を挟んで対向し、
    前記底膜と前記蓋膜の間の前記側壁の外側は、封止材で封止されていることを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の電子顕微鏡用試料ホルダ。
  7. 前記側壁の外側において、前記底膜は前記蓋膜に対向せずに露出し、
    前記電極は、露出している前記底膜の上まで延在していることを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の電子顕微鏡用試料ホルダ。
  8. 前記容器内において前記電極の一方に接する正極材と、
    前記容器内において前記電極の他方に接し、前記正極材に対向する負極材とを有し、
    前記負極材側の前記正極材の端部、又は、前記正極材側の前記負極材の端部には、前記電子線が透過可能な高さのステップが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子顕微鏡用試料ホルダ。
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