JP2014001654A - 内燃機関の冷却制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電磁開閉弁に対する電力の供給を遮断することができない場合であっても、電磁開閉弁の開度を増大させて冷却水を循環させることができる内燃機関の冷却制御装置を提供する。
【解決手段】内燃機関を冷却する冷却水が循環される冷却水回路に、ウォーターポンプと、冷却水の流量を増減する制御弁とが設けられる内燃機関の冷却制御装置において、制御弁は電圧が印加されて開度を減じ、電圧が遮断されて開度を増大するように構成された電磁開閉弁であり、電磁開閉弁に対する電圧を遮断できずにその開度を増大することができない場合に、電磁開閉弁に印加する電圧を増大させかつウォーターポンプの吐出量を増大させ、その後に電磁開閉弁に印加する電圧を低下させる開弁制御手段(ステップS2ないしステップS5、および、ステップS7ないしステップS9、ならびに、ステップS12)を備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、内燃機関を冷却するシステムを制御する装置に関し、特に冷却水の循環を制御する装置に関するものである。
内燃機関は燃料の燃焼によって発熱し、その温度が過度に高くなると異常燃焼などによって効率が悪化するので、冷却装置を備えている。冷却装置による内燃機関の冷却の形式として、冷媒として水を用いる水冷式や、水に替えてオイルを用いる油冷式、また、冷媒として空気を用いる空冷式などが知られている。いずれの形式であっても、冷却装置による内燃機関の冷却が十分でなければ、上述した異常燃焼が生じ、また反対に、冷却し過ぎると燃料の燃焼が妨げられる。以下の説明では、内燃機関をエンジンと記す。
例えば特許文献1には、内燃機関の内部を通過させるように冷却水を循環させる第1冷却水回路と、内燃機関を通過させずに排熱回収器を通過させるように冷却水を循環させる第2冷却水回路とを備えた車両の冷却装置が記載されている。また、閉弁することにより第1冷却水回路での冷却水の循環を禁止し、開弁することによりそれらの冷却水回路の冷却水同士を混合させるリリーフ弁と、各冷却水回路で冷却水を循環させるための電動ウォーターポンプとが設けられている。上記のリリーフ弁は、閉弁するように弁体に対して弾性力を生じるばねを有している。したがってばねの弾性力に抗するように、弁体に対してその上流側と下流側との冷却水の圧力差すなわち差圧が作用する。そのため、上記のリリーフ弁は電動ウォーターポンプの吐出量を予め定めた吐出量よりも増大させて上述した差圧がばねの弾性力よりも大きくなった場合に、その差圧により開弁されるように構成されている。
特開2011−99400号公報
特許文献1に記載されたリリーフ弁は、差圧により開弁されるため、差圧が小さければリリーフ弁の開度が小さくなり、差圧が大きければ開度が大きくなる。すなわち第1冷却水回路に十分な量の冷却水を循環させるためには電動ウォーターポンプの吐出量を十分に大きくする必要がある。そのため、内燃機関を十分に冷却しようとすると、電動ウォーターポンプで消費する電力が増大して燃費が悪化する可能性がある。そこで、このような課題を解消するために、特許文献1に記載されたリリーフ弁に替えて、例えば電力が供給されて閉弁し、電力の供給が遮断されて開弁する電磁開閉弁を使用することが考えられる。しかしながら、そのような構成では、上記の電磁開閉弁に電力を供給する電気回路がショートして電力の供給が遮断されない事態が生じた場合に、電磁開閉弁を開弁することができず、内燃機関を十分に冷却することができない可能性がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、電磁開閉弁に対する電力の供給を遮断することができない場合であっても、電磁開閉弁の開度を増大させて冷却水を循環させることができる内燃機関の冷却制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、内燃機関を冷却するための冷却水が循環される冷却水回路に、前記冷却水を循環させるためのウォーターポンプと、前記内燃機関に対して供給する前記冷却水の流量を増大もしくは減少させる制御弁とが設けられている内燃機関の冷却制御装置において、前記制御弁は、電圧が印加されることにより開度を減じ、前記電圧が遮断されることにより前記開度を増大するように構成された電磁開閉弁であり、前記電磁開閉弁に対する前記電圧を遮断できずに前記電磁開閉弁の開度を増大することができない場合に、前記電磁開閉弁に印加する前記電圧を増大させるとともに前記ウォーターポンプの吐出量を増大させ、その後に前記電磁開閉弁に印加する前記電圧を低下させる開弁制御手段を備えていることを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記開弁制御手段は、前記電磁開閉弁に印加する前記電圧を低下させた後であっても、前記ウォーターポンプの吐出量を増大させた状態を維持する手段を含むことを特徴とする内燃機関の冷却制御装置である。
さらに、請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記開弁制御手段は、前記電磁開閉弁に印加する前記電圧の増大および低下を繰り返すと共に、前記電磁開閉弁と電源を共通にする補機が稼働している場合における前記繰り返しのつどに、前記電圧を増大させた後における前記電圧の低下幅を大きくする手段を含むことを特徴とする内燃機関の冷却制御装置である。
そして、請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記開弁制御手段は、前記電磁開閉弁に印加する電圧を増大させもしくは低下させる速度を変更する手段を含むことを特徴とする内燃機関の冷却制御装置である。
また、請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記開閉制御手段によって前記電磁開閉弁の開度を増大させることができない場合に、前記内燃機関の出力を減少させる手段を含むことを特徴とする内燃機関の冷却制御装置である。
さらに、請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明において、前記開閉制御手段は、前記電磁開閉弁に印加する電圧を増大させる場合に前記電源の出力を増大させ、前記電磁開閉弁に印加する電圧を低下させる場合に前記電源の出力を低下させる手段を含むことを特徴とする内燃機関の冷却制御装置である。
請求項1の発明によれば、電磁開閉弁に対する電圧を遮断できずに電磁開閉弁の開度を増大することができない場合に、電磁開閉弁に印加する電圧が増大されると共にウォーターポンプの吐出量が増大され、その後に電磁開閉弁に印加する電圧が低下される。具体的に説明する。上記の電磁開閉弁は、電圧が印加されることにより開度を減じ、電圧が遮断されることにより開度を増大するように構成されている。そのため、電圧が低下されると、冷却水の圧力に抗して閉弁している状態を維持する力が低減する。この力を、以下の説明では閉弁保持圧と記す。上述したように電圧を低下させると、一時的であるとしても、その電圧に応じた閉弁保持圧に対して電磁開閉弁の上流側と下流側とに作用する冷却水の圧力差が大きくなる。その結果、その圧力差によって強制的に電磁開閉弁の開度を増大することができる。電磁開閉弁の開度が増大すると、内燃機関に対して冷却水が供給されるので、内燃機関の冷却不足を防止もしくは抑制することができる。また、ウォーターポンプの吐出量を増大させた場合には内燃機関に対して供給する冷却水の流量を増大することができるので、内燃機関の冷却効率を向上させることができる。
また、請求項2の発明によれば、請求項1の発明による効果と同様の効果に加えて、電磁開閉弁を開弁した後であっても、ウォーターポンプの吐出量が増大させられているので、ウォーターポンプから吐出される冷却水の圧力によって電磁開閉弁の開度を増大させた状態を維持することができる。
さらに、請求項3の発明によれば、請求項1または2の発明による効果と同様の効果に加えて、電磁開閉弁と電源を共通にしている補機が稼働している場合には、電圧差を繰り返し生じさせると共に、繰り返しのつどに前記電圧差が大きくされる。そのため、補機に供給される電力が急に変化することによる補機の不具合を防止もしくは抑制することができる。例えば、ヘッドライトを点灯してる状態で電磁開閉弁に印加する電圧を変化させたとしても、上記の繰り返し回数が少ない場合においては、電圧の変化幅が小さいため、ヘッドライトに供給する電力が急に変化することによる一時的なヘッドライトの減光や明滅を防止もしくは抑制することができる
そして、請求項4の発明によれば、請求項1ないし3のいずれかの発明による効果と同様の効果に加えて、電磁開閉弁に印加する電圧を増大もしくは減少させる速度を緩やかにした場合においては、上述したようなヘッドライトの減光や明滅を防止もしくは抑制することができる。
また、請求項5の発明によれば、請求項1ないし4のいずれかの発明による効果と同様の効果に加えて、開閉制御手段は、電磁開閉弁の開度を増大することができない場合に、内燃機関の出力そのものを抑制するため、内燃機関の冷却に不足を生じることを防止もしくは抑制することができる。
さらに、請求項6の発明によれば、請求項1ないし5のいずれかの発明による効果と同様の効果に加えて、開閉制御手段は、電源の出力そのものを変化させることにより、電磁開閉弁に印加する電圧を増大もしくは減少させるので、例えば電磁開閉弁に印加する電圧を確実に変化させることができる。
この発明に係る内燃機関の冷却制御装置による制御の一例を示すフローチャートである。 図1に示すこの発明に係る内燃機関の冷却制御装置による制御を行った場合における閉弁保持圧および前後差圧の変化を説明するためのタイムチャートである。 この発明に係る内燃機関の冷却制御装置による制御の他の例を示すフローチャートである。 図3に示すこの発明に係る内燃機関の冷却制御装置による制御を行った場合における閉弁保持圧および前後差圧の変化を説明するためのタイムチャートである。 この発明に係る内燃機関の冷却制御装置による制御の更に他の例を示すフローチャートである。 この発明に係る内燃機関の冷却制御装置の一例を模式的に示す図である。 この発明における電磁開閉弁の一例を模式的に示す図である。 補機バッテリから出力される電圧と、電磁開閉弁を閉弁している状態に維持することができる電磁力と、電磁開閉弁の入出力ポートに作用する冷却水の圧力差との相関を模式的に示す図である。
次に、この発明を具体的に説明する。図6に、この発明に係る内燃機関1の冷却制御装置の一例を模式的に示してある。内燃機関1は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンあるいは天然ガスエンジンなどの燃料を燃焼させて動力を出力する動力装置である。以下の説明では、内燃機関1をエンジン1と記す。詳細は図示しないが、エンジン1のシリンダーブロックやシリンダーヘッドなどにウォータジャケットが設けられている。そのウォータージャケットは、エンジン1で生じた熱を冷却水に熱伝達することによってエンジン1を冷却するようになっている。また、エンジン1は、回転数や出力トルクを電気的に制御することができるように構成されている。
ウォータージャケットに冷却水を供給する電動式のウォーターポンプ2が設けられている。詳細は図示しないが、ウォーターポンプ2は回転させられて冷却水を送液するインペラと、そのインペラを回転させるモータとを備え、モータの回転数を電気的に制御することによりウォーターポンプ2の吐出量や吐出圧を変更することができるようになっている。
このウォーターポンプ2の構成について簡単に説明する。詳細は図示しないが、ウォーターポンプ2はPWM(Pulse Width Modulation)回路を有している。PWM回路は後述する電子制御装置から出力される制御信号に応じてウォーターポンプ2のモータの回転数をデューティ制御するための回路である。例えばウォーターポンプ2のモータに出力する駆動デューティを大きくするとモータの回転数が増大され、駆動デューティを小さくするとモータの回転数が低下されるようになっている。そのウォーターポンプ2の吐出ポートと上記のウォータージャケットとが供給管路3によって接続されている。また、ウォーターポンプ2の吸入ポートとウォータージャケットとが戻り管路4によって接続されている。図6に示すように、供給管路3と戻り管路4とによって冷却水の循環回路が形成されている。
戻り管路4には、ウォータージャケットに供給する冷却水の流量を調整する開閉弁5が設けられている。開閉弁5は、一例として電圧が印加されて開度を減じ、電圧が遮断されて開度を増大するように構成されている。すなわち電気的に制御されることにより、ウォータージャケットに対して供給する冷却水の流量を増大もしくは減少させるように構成されている。この電磁開閉弁5としては単純に開閉する弁、開度を調整できる弁、流量を制御できる弁、オン・オフの割合を変更できるデューティ弁などを採用することができる。なお、電磁開閉弁5の構成については後述する。また、詳細は図示しないが、電磁開閉弁5は補機バッテリに電気的に接続されている。補機バッテリは車両に搭載されるヘッドライトやエアコンなどの補機を稼働させるための電源であって、DC−DCコンバータを介してメインバッテリに接続されている。
また戻り管路4はサーモスタット6に接続されている。サーモスタット6は、冷却水の温度が予め定めた温度以上の場合に、後述するラジエータを介した冷却水の循環を許容するようになっている。これに対して冷却水の温度が予め定めた温度よりも低い場合に、サーモスタット6は、ラジエータを介した冷却水の循環を規制するようになっている。サーモスタット6の構成は従来知られているものと同様である。なお、サーモスタット6は、上述した電磁切替弁5を通る戻り管路4における冷却水の流動を常時許容するようになっている。
戻り管路4から分岐した冷却管路7にラジエータ8が接続されている。ラジエータ8は冷却水と外気との間で熱交換を行うことにより、エンジン1の熱を奪って温度が上昇した冷却水を冷却するように構成されており、その構成は従来知られているものと同様である。ラジエータ8において冷却された冷却水はサーモスタット6を介してウォーターポンプ2の吸入ポートに供給される。
上述した電磁開閉弁5を電気的に制御するための電子制御装置9が設けられている。これを以下の説明ではECU9と記す。ECU9は、一例としてマイクロコンピュータを主体として構成されており、入力されたデータや予め記憶しているデータなどに基づいて演算を行ってその演算の結果としての制御信号を電磁開閉弁5に出力するように構成されている。このECU9には、例えば、冷却水の温度を検出する水温センサ、エンジン1の出力軸の回転速度を検出するエンジン回転数センサ、スロットルバルブの開度を検出するスロットルポジションセンサ、バッテリやキャパシタなどの蓄電装置の充電状態を検出するチャージセンサなどの各種のセンサからの検出信号が入力されるようになっている。また、ECU9は、上述したDC−DCコンバータを制御して補機バッテリの出力電圧そのものを変更することもできるようになっている。
図7に、この発明における電磁開閉弁5の一例を模式的に示してある。電磁開閉弁5はシリンダ部10を備えている。そのシリンダ部10にウォータージャケットを介してウォーターポンプ2の吐出ポートが連通される入力ポート11と、ウォーターポンプ2の吸入ポートに連通される出力ポート12とが形成されている。シリンダ部10の内部には弁体13を軸線方向に前後動可能に収容する収容室14が形成されている。収容室14の内径は入力ポート11や出力ポート12の内径より大きく形成されている。弁体13は、入力ポート11側の収容室14の内壁面に押し付けられて入力ポート11を閉じるように構成されており、ここに示す例では、シリンダ部10の内径より大きくかつ収容室14の内径より小さい直径の円板形状に形成されている。上記の入力ポート11側の収容室14の内壁面が弁体13が押し付けられる弁座シート部15になっている。
上記の弁体13を入力ポート11から離隔させて出力ポート12側に移動させるスプリング16が設けられている。スプリング16の一方の端部が弁体13に一体化され、他方の端部が収容室14における出力ポート12側の内壁面に一体化されている。弁体13をスプリング16の弾性力に抗して入力ポート11側に引き付ける電磁コイル部17が設けられている。電磁コイル部17は、図示しない電磁コイルに通電することにより、その電流値あるいは電圧値に応じた電磁力を発生するように構成されている。また、電磁コイル部17で生じる電磁力によって磁化されるコア18が設けられている。なお、コア18は上記の電磁コイル部17で生じる電磁力の作用する範囲を拡大するように機能する。
上記のスプリング16の弾性力よりも弁体13に作用する電磁コイル部17およびコア18で生じる磁力が大きい場合には、弁体13はそれらの磁力によって入力ポート11側に移動させられる。またスプリング16の弾性力よりも磁力が十分に大きい場合には、弁体13が弁座シート部15に押し付けられて入力ポート11と出力ポート12との連通が断たれて閉弁する。これに対して、それらの磁力よりもスプリング16の弾性力が大きい場合には、弁体13はスプリング16の弾性力によって出力ポート12側に移動させられる。すなわち、入力ポート11と出力ポート12とが連通されて開弁する。
ところで、上述した構成の電磁開閉弁5において、弁体13を出力ポート12側に引き付けるスプリングの弾性力は、出力ポート12から弁体13までの距離が増大することに伴って増大する。例えば、電磁開閉弁5の開度を減じて閉弁するためには、スプリングの弾性力に打ち勝って弁体13を入力ポート11側に引き付ける電磁力を生じさせることになる。スプリングの弾性力に抗する電磁力が十分に大きければ、弁体13は入力ポート11側に引き付けられるので電磁開閉弁5の開度は減じられる。また反対に電磁力が小さければ、スプリングの弾性力に打ち勝つことができないので電磁開閉弁5の開度が増大される。すなわち、この電磁開閉弁5には、弁体13に作用する電磁コイル部17およびコア18で生じる磁力よりもスプリング16の弾性力が大きくなる領域が電磁コイル部17に印加される電圧または電流ごとに形成されている。その領域においては、スプリングの弾性力に対して電磁力が十分に小さいことにより電磁開閉弁5は開弁状態に維持される。その一例を、図7に示してある。弁体13が、図7に示す領域OPに配置されており、かつ、電磁コイル部17に通常使用される電圧を印加した場合には、電磁コイル部17およびコア18で生じる磁力よりもスプリング16の弾性力が十分に大きくなるため、電磁開閉弁5は開弁状態に維持される。この電磁開閉弁5を開弁状態に維持する領域OPがこの発明における開弁維持領域に相当している。
したがって、上述した構成の電磁開閉弁5は電磁コイル部17およびコア18で生じる磁力とスプリング16の弾性力とをバランスさせることによりウォータージャケットに供給する冷却水の流量を増大もしくは減少するように構成されている。さらに、この電磁開閉弁5は、予め定めた時間内において、閉弁している状態と、開弁している状態との割合を調整することにより、バルブの開度を制御できるように構成されている。すなわち、電磁開閉弁5のデューティ比を変更することによりバルブの開度を制御できるようになっている。
図8に、補機バッテリから出力される電圧と、電磁開閉弁5を閉弁している状態に維持することができる電磁コイル部17の電磁力と、電磁開閉弁5の各ポート11,12に作用する冷却水の圧力差との相関を模式的に示してある。電磁開閉弁5の電磁コイル部17は、上述したように、印加される電圧値あるいは電流値に応じた電磁力を生じる。そのため、例えば電磁コイル部17に印加する電圧が増大すると、スプリング16の弾性力に抗して弁体13を弁座シート部15側に移動させる電磁力も増大する。電磁コイル部17の電磁力が増大すると、その電磁力に抗して弁体13を出力ポート12側に移動させて電磁開閉弁5を開弁する冷却水の圧力つまりウォーターポンプ2の吐出圧も増大することになる。この圧力は言い換えれば電磁開閉弁5を閉弁状態に維持することができる冷却水の最大の圧力である。以下の説明では、これを電磁開閉弁5の閉弁保持圧Pと記す。図8に示すように、補機バッテリから高い電圧Vhighが出力されている場合における閉弁保持圧Phighは、補機バッテリから低い電圧Vlowが出力されている場合における閉弁保持圧Plowに比較して大きくなっている。
補機バッテリの出力電圧を増大させた場合、および、補機バッテリの出力電圧を増大させた状態でウォーターポンプ2の駆動デューティを増大させた場合には、ウォーターポンプ2のモータの回転数が増大してその吐出圧や吐出量が増大する。そのため、電磁開閉弁5の入力ポート11に作用する冷却水の圧力が、出力ポート12に作用する冷却水の圧力に比較して大きくなる。この電磁開閉弁5の入力ポート11に作用する冷却水の圧力あるいはこれらのポート11,12に作用する冷却水の圧力の圧力差を以下の説明では前後差圧ΔPと記す。図8に示すように、補機バッテリから電圧Vhighが出力されている場合における前後差圧ΔPhighは、補機バッテリから電圧Vlowが出力されている場合における前後差圧ΔPlowに比較して大きくなっている。なお、図8に示す電圧Vbaseは上述したECU9や各種の補機を稼働させるために最低限必要な電圧である。
この発明では、上述した構成の電磁開閉弁5の電磁コイル部17に印加する電圧を遮断できずにその開度を増大することができない場合に、以下の制御を実行するように構成されている。図1はその制御の一例を説明するためのフローチャートであって、ここに示すルーチンは予め定めた時間ごとに繰り返し実行される。先ず、電磁開閉弁5の電磁コイル部17に電力を供給するための電気回路がショートしているか否かが判断される(ステップS1)。これは、例えば、電磁開閉弁5に印加する電圧値を電圧センサにより、電流値を電流センサにより検出することによって行うことができる。例えば、電磁開閉弁5の開度を増大するために、電磁コイル部17に対する電圧や電流の供給を遮断する制御信号をECU9が上記の電気回路に出力しているにも拘わらず、電磁コイル部17に対して電圧や電流の供給が継続している場合には、電気回路の断線もしくは短絡が生じている可能性がある。そのため、電圧値や電流値を検出することによって電気回路のショートを判断することができる。電気回路がショートしていない場合には、このステップS1で否定的に判断され、このルーチンを一旦終了する。
電気回路がショートしていることにより、ステップS1で肯定的に判断された場合には、補機バッテリから通常の出力電圧Vuよりも高い出力電圧Vhighが出力され、かつウォーターポンプ2に対して最大の駆動デューティが出力される(ステップS2)。具体的には、補機バッテリの出力電圧はDC−DCコンバータが制御されることにより変更され、その結果、補機バッテリから電圧Vhighが出力される。この電圧Vhighがウォーターポンプ2のインペラを回転させるモータに印加されると、通常の出力電圧Vuが印加されている場合に比較してモータの回転数が増大する。また、ウォーターポンプ2の駆動デューティを増大すると、更にモータの回転数が増大してその吐出量や吐出圧が増大する。そのため、このステップS2の制御を実行すると、電磁開閉弁5の前後差圧ΔPが増大させられる。上記の電圧Vhighは一例としてウォーターポンプ2のモータを最大の負荷で駆動させることができる電圧や、補機バッテリから出力可能な最大の電圧である。
電圧の変化に対して電磁開閉弁5の前後差圧ΔPの変化には不可避的な遅れがあるため、補機バッテリの出力電圧を電圧Vhighに設定した後、予め定めた時間が経過したか否かが判断される(ステップS3)。このステップS3では、補機バッテリの電圧Vhighに応じた前後差圧ΔPhを生じさせるための時間が確保される。この時間は、実験やシミュレーションなどにより求めることができる。このステップS3での判断は、図示しないタイマーなどによって行うことができる。また、圧力センサによって循環回路における電磁開閉弁5の前後の水圧を検出することによって行うこともできる。予め定めた時間が経過していないことにより、このステップS3で否定的に判断された場合には、このステップS3で肯定的に判断されるまで、このステップS3の制御が繰り返される。
上記のステップS3で肯定的に判断された場合には、補機バッテリから通常の出力電圧Vuよりも低い出力電圧Vlowが出力される(ステップS4)。この電圧Vlowは一例として、前後差圧ΔPよりも小さな閉弁保持圧Pを設定することが可能な電圧である。これは、例えば、図8に示すような電磁コイル部17に印加する電圧に応じた閉弁保持圧Pや前後差圧ΔPをマップとして予め用意しておき、そのマップから上記の電圧Vlowを求めればよい。電圧Vlowをウォーターポンプ2に印加した場合には、一時的であるとしても、前後差圧ΔPよりも閉弁保持圧Pが小さくなる。
ステップS4に続いて、補機バッテリの出力電圧を電圧Vlowに設定した後、予め定めた時間が経過したか否かが判断される(ステップS5)。上述したステップS3と同様に、電圧Vlowに応じた前後差圧ΔPを生じさせるための時間が確保される。予め定めた時間が経過したか否かの判断は、例えばタイマーなどによって行うことができる。予め定めた時間が経過していないことにより、このステップS5で否定的に判断された場合には、このステップS5で肯定的に判断されるまで、このステップS5の制御が繰り返される。このステップS5で肯定的に判断された場合には、補機バッテリの出力電圧が通常の電圧Vuに戻される(ステップS6)。その後、このルーチンを一旦終了する。
図2は、図1に示す制御を行った場合における電磁開閉弁5の前後差圧ΔPおよび閉弁保持圧Pなどの変化を説明するためのタイムチャートである。時刻tの時点において、例えば、電磁開閉弁5の電磁コイル部17に電圧を印加するための電気回路がショートしていると判断される。この時刻tの時点においては、補機バッテリの出力電圧は通常の出力電圧Vuに設定されている。また、前後差圧ΔPは閉弁保持圧Pより小さくなっている。時刻tの時点において、補機バッテリの出力電圧Vuが電圧Vhighに変更されかつ出力される。電磁コイル部17は電圧Vhighに応じた電磁力を発生するので閉弁保持圧Pは増大される。またウォーターポンプ2に対して最大の駆動デューティが出力され、ウォーターポンプ2のモータの回転数が増大される。その後、電磁開閉弁5の前後差圧ΔPが次第に上昇する。
補機バッテリの出力電圧が出力電圧Vhighに変更されてから予め定めた時間が経過した時刻tの時点において、補機バッテリの出力電圧Vhighが電圧Vlowに変更されかつ出力される。電磁コイル部17は電圧Vlowに応じた電磁力を発生する。また、ウォーターポンプ2のインペラを回転させるモータの回転数が低下される。電圧の変化に対して電磁開閉弁5の前後差圧ΔPの変化には不可避的な遅れがあるため、この時刻tの時点において、一時的であるとしても前後差圧ΔPが閉弁保持圧Pより大きくなる。この前後差圧ΔPによって電磁開閉弁5の弁体13が出力ポート12側に移動させられることによりその開度が増大する。なお、前後差圧ΔPによって弁体13が上述した開弁維持領域OPまで移動させられた場合には、電磁開閉弁5が開弁している状態が維持される。そして補機バッテリの出力電圧が電圧Vlowに変更されてから予め定めた時間が経過した時刻tの時点において、補機バッテリの出力電圧が通常の電圧Vuに戻されると、閉弁保持圧Pは電圧Vuに応じた圧力になる。なお、ウォーターポンプ2に対しては、時刻tの時点以後、最大の駆動デューティを出力し続ける。
このように、この発明に係る内燃機関の冷却制御装置によれば、電気回路のショートなどにより電磁開閉弁5の電磁コイル部17に対する電圧を遮断することができずに、電磁開閉弁5の開度を増大することができない場合であっても、閉弁保持圧Pに対して前後差圧ΔPを十分に大きくすることによって電磁開閉弁5の開度を増大することができる。また、前後差圧ΔPによってその開度を増大した後であっても、ウォーターポンプ2に対して最大の駆動デューティが出力され続けているため、その吐出圧によって弁体13を出力ポート12側に押圧することができる。しかも、電磁開閉弁5には開弁維持領域OPが形成されているため、電磁コイル部17に対する通電が継続されていたとしても、電磁開閉弁5の開度が増大している状態を維持することができる。それらの結果、電気回路のショートなどにより電磁開閉弁5の電磁コイル部17に対する電圧を遮断できない場合であっても、電磁開閉弁5の開度を増大してウォータージャケットに冷却水を供給することができる。
ところで、電磁開閉弁5と電源を共通にしているヘッドライトやエアコンなどの補機が稼働している場合に、それらの電源である補機バッテリの出力を急に変化させると、一時的であるとしてもヘッドライドの減光や明滅が生じたり、エアコンの風量が変化する可能性がある。そのような事態を生じさせないための制御の一例を図3のフローチャートに示してある。なお、この図3に示すフローチャートにおいて、図1のフローチャートと同じ処理については、図1と同じステップ番号を付してある。
この図3のフローチャートにおいて、上述したステップS1で肯定的に判断された場合には、ステップS7に進む。このステップS7では、通常の出力電圧Vuよりも高い出力電圧Vhighと、通常の出力電圧Vuよりも低い出力電圧Vlowと、補機バッテリの出力電圧をそれらの電圧に変化させる速度が算出される。上記の速度は、具体的には、現時点で、補機に対して補機バッテリから出力している電圧Vuを電圧Vhighまで増大させるための時間や、電圧Vhighを出力電圧Vlowまで低下させるための時間である。この時間を以下の説明では変化時間ΔTと記す。この変化時間ΔTは、補機バッテリの出力電圧を直線的に変化させたとしても上述したような補機での不具合を生じさせない時間であって、例えば実験やシミュレーションなどによって予め求めることができる。その後、ステップS8に進む。
ステップS8では、補機バッテリから出力電圧Vhighが出力され、ウォーターポンプ2に対して最大の駆動デューティが出力される。具体的には、補機バッテリの出力電圧を変更する制御を開始してから上述した変化時間ΔTが経過した時点において電圧Vhighになるように直線的に、補機バッテリの出力電圧そのものを変化させる。その後、ステップS3に進む。
ステップS3で肯定的に判断された場合には、ステップS9に進む。このステップS9では、補機バッテリから出力電圧Vlowが出力される。具体的には、補機バッテリの出力電圧を変更する制御を開始してから変化時間ΔTが経過した時点において電圧Vlowになるように直線的に、補機バッテリの出力電圧そのものを変化させる。その後、ステップS5に進む。
また、図3のフローチャートにおいて、上述したステップS5で肯定的に判断された場合には、電磁開閉弁5が開弁されたか否かが判断される(ステップS10)。これは、例えば、弁体13の位置すなわち弁体13のリフト量を図示しないリフトセンサによって直接的に検出することによって行うことができる。また、電磁開閉弁5の開度が増大され、すなわち開弁されている場合には、上述した循環回路におけるウォータージャケットに向けて冷却水が流動する。その冷却水の温度が予め定めた温度以上の場合には、サーモスタット6が作動するので、冷却水はラジエータ8に供給されかつ冷却される。結局、エンジン1の運転中に電磁開閉弁5の開度が増大されている場合には、冷却水は予め定めた温度範囲に維持される。これに対して、電磁開閉弁5の開度が減じられている場合には、冷却水は予め定めた温度を超えても上昇する可能性がある。そのため、このステップS10での判断は、水温センサによって検出した冷却水の温度によって行うこともできる。
電磁開閉弁5が開弁していることにより、ステップS10で肯定的に判断された場合には、ステップS11に進み、補機バッテリから通常の出力電圧Vuが出力される。具体的には、補機バッテリの出力電圧を変更する制御を開始してから上述した変化時間ΔTが経過した時点において電圧Vuになるように直線的に、補機バッテリの出力電圧そのものを変化させる。その後、このルーチンを一旦終了する。
電磁開閉弁5が開弁していないことにより、上記のステップS10で否定的に判断された場合には、今回のトリップで設定した変化時間ΔT(n)よりも短い変化時間ΔT(n+1)が算出され、かつ、今回のトリップの電圧差ΔT(n)よりも大きな電圧差ΔV(n+1)が算出される(ステップS12)。上記の電圧差ΔTとは、出力電圧Vlowと出力電圧Vhighとの差である。このステップS12では、具体的には、次回のトリップで使用する出力電圧Vhigh(n+1)と出力電圧Vlow(n+1)とが算出される。出力電圧Vhigh(n+1)は、今回のトリップで使用した出力電圧Vhigh(n)よりも大きな電圧である。出力電圧Vlow(n+1)は、今回のトリップで使用した出力電圧Vlow(n)よりも小さな電圧である。次いでステップS8に進み、上述した各ステップでの制御が実行される。
図4は、図3に示す制御を行った場合における電磁開閉弁5の前後差圧ΔPおよび閉弁保持圧Pなどの変化を説明するためのタイムチャートである。時刻tの時点において、例えば、電磁開閉弁5の電磁コイル部17に電圧を印加するための電気回路がショートしていると判断される。その後、補機バッテリの出力電圧を電圧Vhighまで増大させるための変化時間ΔTが設定される。時刻tの時点において、補機バッテリの出力電圧を増大させる制御が開始される。また、ウォーターポンプ2に対して最大の駆動デューティが出力される。電磁コイル部17に印加される電圧が増大すると閉弁保持圧Pが増大する。また、ウォーターポンプ2のモータの回転数が増大してその吐出圧も増大する。電圧の変化に対して前後差圧ΔPの変化には不可避的な遅れがあるため、前後差圧ΔPは図4に示すように、閉弁保持圧Pの変化に対して若干遅れて変化する。そして、変化時間ΔTが経過した時刻tの時点において、補機バッテリの出力電圧が電圧Vhighに達する。
補機バッテリの出力電圧が電圧Vhighに変更されてから予め定めた時間が経過した時刻tの時点において、補機バッテリの出力電圧を電圧Vlowまで低下させる制御が開始される。この電圧を低下させる制御も変化時間ΔTかけて行われる。電圧の変化に対して電磁開閉弁5の前後差圧ΔPの変化には不可避的な遅れがあるため、時刻tの時点において、閉弁保持圧Pと前後差圧ΔPとが同じになる。その後、閉弁保持圧Pに対して前後差圧ΔPが十分に大きくなった場合に、前後差圧ΔPによって弁体13が出力ポート12側に移動させられる。すなわち電磁開閉弁5の開度が増大される。電磁開閉弁5の開度が増大されると、前後差圧ΔPは低下する。なお、前後差圧ΔPによって弁体13が上述した開弁維持領域OPまで移動させられた場合には、電磁開閉弁5の開弁状態が維持される。
変化時間ΔTが経過した時刻t10の時点において、電圧を低下させる制御が終了される。その後、電磁開閉弁5が開弁しているか否かが判断され、開弁していないと判断された場合には、図3のフローチャートで説明したように、次回のトリップで設定する電圧差ΔV(n+1)と、変化時間ΔT(n+1)とが算出される。上述したように、電圧差ΔV(n+1)は今回のトリップの電圧差ΔV(n)より大きい電圧差であり、変化時間ΔT(n+1)は今回のトリップの変化時間ΔT(n)より短い変化時間である。図3に示す制御例は電磁開閉弁5の開度が増大されるまで繰り返される。電磁開閉弁5が開弁していると判断された場合には、時刻t11の時点において、補機バッテリの出力電圧を通常の電圧Vuに変更する制御が開始される。この補機バッテリの出力電圧を通常の電圧Vuに戻す制御も変化時間ΔTかけて行われる。変化時間ΔTが経過した時刻t12の時点において、補機バッテリの出力電圧を通常の電圧Vuに戻す制御が終了される。
このように、図3に示す制御例においては、補機バッテリの出力電圧を変化時間ΔTをかけて徐々に変化させるため、電圧が急に変化することによるヘッドライトの減光や明滅およびエアコンの風量が低下するなどをの不具合を防止もしくは抑制することができる。また、今回のトリップ(n)において電磁開閉弁5の開度を増大することができなかった場合には、その後のトリップ(n+1)において、今回のトリップの電圧差ΔV(n)よりも大きな電圧差ΔV((n+1)が設定されかつ今回のトリップの変化時間ΔT(n)よりも速い変化時間ΔT(n+1)が設定される。そしてこれは、電磁開閉弁5の開度が増大するまでそれらの制御が繰り返される。しかも、その繰り返しのつどに電圧差が大きくされ、変化時間が速められる。そのため上述したヘッドライトの減光や明滅やエアコンの風量低下などを防止もしくは抑制しながら、電磁開閉弁5を確実に開弁することができる。
図3に示す制御例にように、電磁開閉弁5の開度を増大するための制御を繰り返したとしても、電磁開閉弁5の開度を増大することができない場合における制御の一例を図5のフローチャートに示してある。なお、この図5に示すフローチャートにおいて、図1および図3のフローチャートと同じ処理については、図1および図3と同じステップ番号を付してある。
図5のフローチャートにおいて、電磁開閉弁5が開弁されていないことによりステップS10で否定的に判断された場合には、ステップS13に進む。このステップS13では、現在のトリップで生じさせた電圧差ΔV(n)が予め定めた電圧差ΔVtよりも大きく、かつ、現在のトリップでの電圧の変化速度すなわち変化時間ΔT(n)が予め定めた変化時間ΔTtよりも短いか否かが判断される。上記の判断の基準となる電圧差ΔVtおよび変化時間ΔTtは、上述した制御を実行することにより電磁開閉弁5の開度を増大することが可能な値である。これらの値は実験やシミュレーションなどにより予め定め求めることができる。
現在のトリップで生じさせた電圧差ΔV(n)が電圧差ΔVtよりも大きく、かつ、現在のトリップでの電圧の変化時間ΔT(n)が変化時間ΔTtよりも短い場合に、ステップS13で肯定的に判断される。その後、ステップS14に進む。ステップS14では電磁切替弁5の開度を増大するために、上述した制御を繰り返した回数Nが、予め定めた繰り返し回数Ntよりも多いか否かが判断される。これは図示しないカウンタで計測した繰り返し回数と、予め定めた繰り返し回数Ntとを比較することにより行うことができる。なお、予め定めた繰り返し回数Ntは、電磁開閉弁5の開度を増大するための制御を十分に繰り返したか否かを判断するための回数であって、実験やシミュレーションなどにより予め求めることができる。上記の繰り返し回数Nが予め定めた繰り返し回数Ntよりも多い場合に、ステップS14で肯定的に判断される。その後、ステップS15に進み、電磁開閉弁5が固着していると判断され、かつ、エンジン1の出力が制限される。すなわち、電磁開閉弁5の開度を増大するための制御を十分に行ったにも拘わらず、その開度を増大することができない場合に、電磁開閉弁5が固着していると判断される。上記のエンジン1の出力制限は、例えば、エンジン1を予め定めた回転数以下で駆動させることにより行うことができる。
上述した電磁開閉弁5の開度を増大するための制御を十分に行っていないことによりステップS14で否定的に判断された場合には、ステップS16に進み、現在のトリップでの制御がカウントされる。つまりステップS16では、カウンタの回数が1回増やされる。その後、ステップS8に戻り、上述した電磁開閉弁5の開度を増大するための制御が再度実行される。なお、電磁開閉弁5の開度を増大するための制御を再度行う場合において、電圧差ΔVをより大きくし、かつ、変化時間ΔTをより短くしてもよい。
上述したステップS13において、現在のトリップで生じさせた電圧差ΔV(n)が電圧差ΔVtよりも小さかったり、現在のトリップでの電圧の変化時間ΔT(n)が変化時間ΔTtよりも長かった場合には、ステップS13で否定的に判断される。その後、ステップS17に進む。ステップS17では、次回のトリップ(n+1)で使用するための変化時間ΔT(n+1)と、電圧差ΔV(n+1)とが算出される。変化時間ΔT(n+1)は変化時間ΔTtよりも短い変化時間であって、電圧差ΔV(n+1)は電圧差ΔVtよりも大きな電圧差である。また電圧差ΔV(n+1)を生じさせるための出力電圧Vhigh(n+1)と出力電圧Vlow(n+1)とが算出される。出力電圧Vhigh(n+1)は、一例として今回のトリップで使用した出力電圧Vhigh(n)よりも大きな電圧であり、出力電圧Vlow(n+1)は、今回のトリップで使用した出力電圧Vlow(n)よりも小さな電圧である。その後、ステップS8に進み、ステップS17で算出した変化時間ΔT(n+1)と、電圧差ΔV(n+1)とを使用した制御が実行される。
このように、図5に示す制御例においては、弁体13が固着していることにより電磁開閉弁5の開度を増大することができない場合には、エンジン1の出力が制限される。そのため、ウォータージャケットに供給する冷却水の流量が少ないとしても、エンジン1の冷却不足を抑制することが可能になる。
ここで、上述した具体例とこの発明との関係を簡単に説明すると、ステップS2ないしステップS5、および、ステップS7ないしステップS9、ならびに、ステップS12の制御を実行する機能的手段が、この発明における「開弁制御手段」に相当する。
1…エンジン、 2…ウォーターポンプ、 5…電磁開閉弁。

Claims (6)

  1. 内燃機関を冷却するための冷却水が循環される冷却水回路に、前記冷却水を循環させるためのウォーターポンプと、前記内燃機関に対して供給する前記冷却水の流量を増大もしくは減少させる制御弁とが設けられている内燃機関の冷却制御装置において、
    前記制御弁は、電圧が印加されることにより開度を減じ、前記電圧が遮断されることにより前記開度を増大するように構成された電磁開閉弁であり、
    前記電磁開閉弁に対する前記電圧を遮断できずに前記電磁開閉弁の開度を増大することができない場合に、前記電磁開閉弁に印加する前記電圧を増大させるとともに前記ウォーターポンプの吐出量を増大させ、その後に前記電磁開閉弁に印加する前記電圧を低下させる開弁制御手段を備えていることを特徴とする内燃機関の冷却制御装置。
  2. 前記開弁制御手段は、前記電磁開閉弁に印加する前記電圧を低下させた後であっても、前記ウォーターポンプの吐出量を増大させた状態を維持する手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の冷却制御装置。
  3. 前記開弁制御手段は、前記電磁開閉弁に印加する前記電圧の増大および低下を繰り返すと共に、前記電磁開閉弁と電源を共通にする補機が稼働している場合における前記繰り返しのつどに、前記電圧を増大させた後における前記電圧の低下幅を大きくする手段を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の冷却制御装置。
  4. 前記開弁制御手段は、前記電磁開閉弁に印加する電圧を増大させもしくは低下させる速度を変更する手段を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の内燃機関の冷却制御装置。
  5. 前記開閉制御手段によって前記電磁開閉弁の開度を増大させることができない場合に、前記内燃機関の出力を減少させる手段を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の内燃機関の冷却制御装置。
  6. 前記開閉制御手段は、前記電磁開閉弁に印加する電圧を増大させる場合に前記電源の出力を増大させ、前記電磁開閉弁に印加する電圧を低下させる場合に前記電源の出力を低下させる手段を含むことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の内燃機関の冷却制御装置。
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