JP2014001413A - Ni基合金 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本実施の形態によるNi基合金は、質量%で、C:0.03%以下、Si:0.01〜0.5%、Mn:0.01〜1.0%、P:0.03%以下、S:0.003%以下、Cr:20%以上30%未満、Ni:40%よりも高く50%以下、Cu:2.5%よりも高く5.0%以下、Mo:5.0〜10%、W:3〜10%、Al:0.005〜0.5%、N:0.08%よりも高く0.3%以下、及び、希土類元素(REM):0.001〜0.20%を含有し、式(1)を満たし、残部はFe及び不純物からなる。
Cu+Cr+6Mo+3W+20N−20REM≧75 (1)
式(1)中の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
【選択図】図1
Description
特許文献8に提案されたNi基合金では、塩酸に対する耐食性について検討されておらず、還元性酸に対する耐食性が低い可能性がある。また、熱間加工性についても検討されておらず、熱間加工性が低い可能性がある。
Cu+Cr+6Mo+3W+20N−20REM≧75 (1)
式(1)中の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
Cu+Cr+6Mo+3W+20N−20REM≧75 (1)
式(1)中の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
Cu+Cr+6Mo+3W+20N−20REM≧75 (1)
式(1)中の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
本実施形態によるNi基合金は、以下の化学組成を有する。
炭素(C)は固溶強化により、合金の強度が高まる。しかしながら、C含有量が高すぎれば、結晶粒界近傍にCr欠乏層が形成され、合金の耐粒界腐食性が低下する。したがって、C含有量は0.03%以下である。C含有量の好ましい下限は0.005%であり、さらに好ましい下限は0.01%である。C含有量の好ましい上限は0.03%未満であり、さらに好ましくは0.025%であり、さらに好ましくは0.020%である。
シリコン(Si)は、合金を脱酸する。Siはさらに、合金の耐酸化性を高める。しかしながら、Si含有量が高すぎれば、Siが結晶粒界に偏析する。偏析したSiは、塩化物を含む燃焼スラグと反応しやすい。Siが燃焼スラグと反応すれば、粒界腐食が発生しやすくなる。Si含有量が高すぎればさらに、延性等の機械的性質が低下する。したがって、Si含有量は、0.01〜0.5%である。Si含有量の好ましい下限は、0.01%よりも高く、さらに好ましくは0.05%であり、さらに好ましくは、0.10%である。Si含有量の好ましい上限は、0.5%未満であり、さらに好ましくは、0.4%であり、さらに好ましくは0.3%である。
マンガン(Mn)は、鋼を脱酸する。Mnはさらに、オーステナイト形成元素であり、合金組織をオーステナイト化する。Mnはさらに、合金中の不純物元素であるSと結合してMnSを形成し、合金の熱間加工性を高める。しかしながら、Mn含有量が高すぎれば、合金の熱間加工性及び溶接性が低下する。したがって、Mn含有量は0.01〜1.0%である。Mn含有量の好ましい上限は1.0%未満であり、さらに好ましくは0.8%であり、さらに好ましくは0.6%である。
燐(P)は不純物である。Pは合金の溶接性及び熱間加工性を低下する。したがって、P含有量はなるべく低い方が好ましい。P含有量は0.03%以下である。好ましいP含有量は0.03%未満であり、さらに好ましくは、0.015%以下である。
硫黄(S)は不純物である。Sは合金の溶接性及び熱間加工性を低下する。したがって、S含有量はなるべく低い方が好ましい。S含有量は0.003%以下である。好ましいS含有量は0.003%未満であり、さらに好ましくは0.002%以下である。
クロム(Cr)はNi基合金の還元性酸に対する耐食性(耐硫酸腐食性及び耐塩酸腐食性)を高める。Crはさらに、強度を高める。しかしながら、Cr含有量が高すぎれば、合金の熱間加工性が低下し、溶接性も低下する。したがって、Cr含有量は20%以上30%未満である。Cr含有量の好ましい下限は、20%よりも高く、さらに好ましくは21%であり、さらに好ましくは22%である。Cr含有量の好ましい上限は29%であり、さらに好ましくは28%である。
ニッケル(Ni)は、合金内のオーステナイトを安定化し、合金の耐食性を高める。しかしながら、Ni含有量が高すぎれば、その効果は飽和する。したがって、Ni含有量は40%よりも高く50%以下である。Ni含有量の好ましい下限は41%であり、さらに好ましくは42%である。Ni含有量の好ましい上限は50%未満であり、さらに好ましくは49%であり、さらに好ましくは48%である。
銅(Cu)は、Crを含有するNi基合金の還元性酸に対する耐食性(耐硫酸腐食性及び耐塩酸腐食性)を高める。Cuはさらに、強度を高める。しかしながら、Cu含有量が高すぎれば、合金の熱間加工性が低下し、溶接性も低下する。したがって、Cu含有量は2.5%よりも高く5.0%以下である。Cu含有量の好ましい下限は、2.7%であり、さらに好ましくは2.9%である。Cu含有量の好ましい上限は5.0%未満であり、さらに好ましくは4.5%であり、さらに好ましくは4.0%である。
モリブデン(Mo)は、Crを含有するNi基合金の還元性酸に対する耐食性(耐硫酸腐食性及び耐塩酸腐食性)を高める。Moはさらに、強度を高める。しかしながら、Mo含有量が高すぎれば、シグマ相が生成し、合金の熱間加工性が低下し、溶接性も低下する。したがって、Mo含有量は5.0〜10%である。Mo含有量の好ましい下限は5.0%よりも高く、さらに好ましくは5.5%であり、さらに好ましくは5.8%である。Mo含有量の好ましい上限は10%未満であり、さらに好ましくは8%であり、さらに好ましくは7%である。
タングステン(W)は、合金の還元性酸に対する耐食性(耐硫酸腐食性及び耐塩酸腐食性)を高める。Wはさらに、強度を高める。同様の作用効果を有するMoは、シグマ相の生成を促進しやすいのに対して、Wはシグマ相を生成させにくい。そのため、WはMoよりも合金の熱間加工性の低下を抑制することができる。しかしながら、W含有量が高すぎれば、合金の熱間加工性及び溶接性が低下する。したがって、W含有量は3〜10%である。W含有量の好ましい下限は、3%よりも高く、さらに好ましくは3.5%であり、さらに好ましくは3.8%である。W含有量の好ましい上限は10%未満であり、さらに好ましくは6.0%であり、さらに好ましくは5.0%である。
アルミニウム(Al)は、合金中の酸素を固定し熱間加工性を高める。Alはさらに、希土類元素(REM)の酸化を抑制する。しかしながら、Al含有量が高すぎれば、合金の熱間加工性が低下する。したがって、Al含有量は0.005〜0.5%である。Al含有量の好ましい下限は0.005%よりも高く、さらに好ましくは0.010%であり、さらに好ましくは0.015%である。Al含有量の好ましい上限は0.5%未満であり、さらに好ましくは0.4%であり、さらに好ましくは0.3%である。
窒素(N)は、合金中のオーステナイトを安定化する。Nはさらに、強度を高める。Nはさらに、合金の還元性酸に対する耐食性(耐塩酸腐食性及び耐硫酸腐食性)を高める。しかしながら、N含有量が高すぎれば、合金の熱間加工性が低下する。したがって、N含有量は0.08%よりも高く0.3%以下である。N含有量の好ましい下限は0.09%であり、さらに好ましくは0.10%である。N含有量の好ましい上限は0.3%未満であり、さらに好ましくは0.2%であり、さらに好ましくは0.15%である。
希土類元素(REM)は、合金の熱間加工性を高める。しかしながら、REM含有量が高すぎれば、還元性酸に対する耐食性(耐塩酸腐食性及び耐硫酸腐食性)が低下する。したがって、REM含有量は0.001〜0.20%である。本実施形態において、REMとは、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)及びランタノイドの合計17元素の総称である。本実施形態において、REM含有量とは、上述の17元素の1種又は2種以上の総含有量を意味する。REM含有量の好ましい下限は、0.001%よりも高く、さらに好ましくは、0.005%であり、さらに好ましくは0.01%である。REM含有量の好ましい上限は、0.20%未満であり、さらに好ましくは0.18%であり、さらに好ましくは0.15%である。工業的には、ミッシュメタルとして添加されてもよい。
本実施形態のNi基合金の化学組成はさらに、式(1)を満たす。
Cu+Cr+6Mo+3W+20N−20REM≧75 (1)
式(1)中の各元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
本実施形態のNi基合金は、種々の製造方法で製造される。以下、製造方法の一例として、Ni基合金管の製造方法について説明する。
表1に示す化学組成を有する試験番号1〜21のNi基合金を高周波加熱真空炉で溶解してインゴットを製造した。
第1棒状試験片を使って、サーモレスタ試験機により、900℃で引張試験を実施した。引張試験後の第1棒状試験片の破断面の断面積を測定した。測定された破断面の断面積S1(mm2)と、引張試験前の第1棒状試験片の断面積S0(mm2)とを用いて、以下の式(2)に基づいて、絞りRA(%)を算出した。
RA=(S0−S1)/S1×100 (2)
第2棒状試験片を用いて、ASTM E8に基づく常温での引張試験を実施した。引張試験により得られた0.2%耐力(MPa)を降伏強度と定義した。降伏強度が320MPaを超える場合、高強度を有すると評価した。
板状試験片を60℃の塩酸に6時間浸漬した。塩酸は3質量%の塩化水素を含有した。
腐食速度(mm/year)=腐食減量(g)/試験片表面積(cm2)/浸漬時間(h)/密度(g/cm3)×10(mm/cm)×8760h/year
板状試験片を80℃の硫酸水溶液に24時間浸漬した。硫酸水溶液は、20質量%の硫酸を含有した。耐塩酸腐食性評価試験と同様に、試験前後の板状試験片の質量差(腐食減量)から腐食速度を求めた。求めた腐食速度が0.1mm/year未満である場合、耐硫酸腐食性に優れると評価した。
表2に各評価試験の結果を示す。
Claims (1)
- 質量%で、
C:0.03%以下、
Si:0.01〜0.5%、
Mn:0.01〜1.0%、
P:0.03%以下、
S:0.003%以下、
Cr:20%以上30%未満、
Ni:40%よりも高く50%以下、
Cu:2.5%よりも高く5.0%以下、
Mo:5.0〜10%、
W:3〜10%、
Al:0.005〜0.5%、
N:0.08%よりも高く0.3%以下、及び、
希土類元素(REM):0.001〜0.20%を含有し、
式(1)を満たし、
残部はFe及び不純物からなる、Ni基合金。
Cu+Cr+6Mo+3W+20N−20REM≧75 (1)
式(1)中の元素記号には、対応する元素の含有量(質量%)が代入される。
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CN113684395B (zh) * | 2020-05-19 | 2022-10-21 | 宝武特种冶金有限公司 | 一种耐高温熔盐腐蚀、易加工的镍基合金 |
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