JP2014000692A - インクジェット記録装置及びその予備吐出の方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】インクジェット記録装置の予備吐出に関する新規な技術を提供する。
【解決手段】複数のノズルが第1方向に沿って配された少なくとも1つのノズル列を有する記録ヘッド3を備え、第1方向と交差する第2方向に記録ヘッド3を走査させながら記録媒体Pに対してインクを吐出してマルチパス記録を行うインクジェット記録装置1であって、マルチパス記録の各パスは、各パスの記録の個々が互いに補完して記録すべき情報を形成するように、間引きを行った情報を記録することによって為され、マルチパス記録の各パスの記録の前又は後において記録ヘッド3が予備吐出動作を行うように記録ヘッド3を制御する制御手段をさらに備え、制御手段は、予備吐出動作において複数のノズルの其々から吐出されるインクの量の其々を、各パスの記録に適用される複数のノズルの其々の間引きの比率にしたがって、其々決定する。
【選択図】図1
【解決手段】複数のノズルが第1方向に沿って配された少なくとも1つのノズル列を有する記録ヘッド3を備え、第1方向と交差する第2方向に記録ヘッド3を走査させながら記録媒体Pに対してインクを吐出してマルチパス記録を行うインクジェット記録装置1であって、マルチパス記録の各パスは、各パスの記録の個々が互いに補完して記録すべき情報を形成するように、間引きを行った情報を記録することによって為され、マルチパス記録の各パスの記録の前又は後において記録ヘッド3が予備吐出動作を行うように記録ヘッド3を制御する制御手段をさらに備え、制御手段は、予備吐出動作において複数のノズルの其々から吐出されるインクの量の其々を、各パスの記録に適用される複数のノズルの其々の間引きの比率にしたがって、其々決定する。
【選択図】図1
Description
本発明は、インクジェット記録装置及びその予備吐出の方法に関する。
各ノズルの特性ばらつきによる記録画像の濃淡の斑や縞を防ぐため、例えば、記録ヘッドを記録媒体に対して複数回にわたって相対的に走査させ、走査ごとに異なるノズルを用いて記録を行うマルチパス記録による記録方式が用いられうる。各パスの記録の前又は後においては各ノズルの回復処理のために記録ヘッドの予備吐出動作が為される。これによって、例えば、各ノズルから吐出されるインクの偏向を防ぎ、記録の品質が維持される。この予備吐出動作において吐出されるインクの量(予備吐出量)を増加させると各ノズルの回復処理の効果は向上しうるが、インクの消費量が増大してしまう。
特許文献1には、記録(インクを吐出)した後からの経過時間を各ノズルについて計測し、新たに記録を行う際には、その経過時間に応じた予備吐出動作を各ノズルについて行うインクジェット記録装置が記載されている。この記録装置によると、無駄な予備吐出を防ぐことができ、インクの消費量が低減される。しかし、この方法を行うには上述の経過時間を計測するためのASICやメモリ等が必要であり、特に、ノズルの数が増大した場合にはそのコストは顕著なものになりうる。
ところで、ノズルがインクを吐出する頻度(使用頻度)と、インクの偏向の発生とは相関関係を有する。使用頻度が低いノズルは、高いノズルに対して、インクの偏向が生じやすく、一方、インクを全く吐出しないノズル(使用頻度が0のノズル)は、インクの偏向は生じない。各ノズルの使用頻度が予め分かっている場合は、それに従う記録ヘッドの予備吐出動作を行うことが可能である。
本発明は、発明者による上記課題の認識を契機として為されたものであり、インクジェット記録装置の予備吐出に関する新規な技術を提供することを目的とする。
本発明の一つの側面はインクジェット記録装置にかかり、前記インクジェット記録装置は、複数のノズルが第1方向に沿って配された少なくとも1つのノズル列を有する記録ヘッドを備え、前記第1方向と交差する第2方向に前記記録ヘッドを走査させながら記録媒体に対してインクを吐出してマルチパス記録を行うインクジェット記録装置であって、前記マルチパス記録の各パスの記録は、当該各パスの記録の個々が互いに補完して記録すべき情報を形成するように、間引きを行った情報を前記記録ヘッドが記録することによって為され、前記インクジェット記録装置は、前記マルチパス記録の各パスの記録の前又は後において前記記録ヘッドが予備吐出動作を行うように前記記録ヘッドを制御する制御手段をさらに備え、前記制御手段は、前記予備吐出動作において前記複数のノズルの其々から吐出されるインクの量の其々を、当該各パスの記録に適用される前記複数のノズルの其々についての前記間引きの比率にしたがって、其々決定する、ことを特徴とする。
本発明によれば、各ノズルの使用頻度に従う記録ヘッドの予備吐出動作を行うことができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。以下の説明においては、インクジェット記録方式を用いた記録装置を例に挙げて説明する。記録装置としては、例えば、記録機能のみを有するシングルファンクションプリンタであっても良いし、記録機能、FAX機能、スキャナ機能等の複数の機能を有するマルチファンクションプリンタであっても良い。また、例えば、カラーフィルタ、電子デバイス、光学デバイス、微小構造物等を所定の記録方式で製造するための製造装置であっても良い。
以下の説明においては、「記録」は、文字や図形等の情報を形成する場合を例示して述べるが、この形式には限定されず、有意無意を問わない。例えば、「記録」は、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン、構造物等を形成する場合や、媒体の加工を行なう場合をも含みうる。
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、樹脂、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表す。さらに、「インク」とは、上記「記録」の定義と同様広く解釈されるべきものである。よって、「インク」は、記録媒体に付されることにより、画像、模様、パターン等の形成もしくは記録媒体の加工に供されうる液体、又はインクの処理(例えば、記録媒体に付されるインク中の色剤の凝固又は不溶化)に供されうる液体をも含む。
図1は、本発明の一実施の形態に係わるインクジェット記録装置1(以下、「記録装置1」)の外観構成の一例を示す斜視図である。記録装置1は、インクジェット方式に従ってインクを吐出して記録を行なうインクジェット記録ヘッド3(以下、「記録ヘッド3」)をキャリッジ2に搭載し、キャリッジ2を矢印A方向に往復移動させて記録を行なう。記録装置1は、記録紙などの記録媒体Pを、給紙機構5を介して給紙し、記録位置まで搬送する。そして、その記録位置において記録ヘッド3から記録媒体Pにインクを吐出することで記録を行なう。
キャリッジ2には、記録ヘッド3の他、例えば、インクカートリッジ6が搭載される。インクカートリッジ6は、記録ヘッド3に供給するインクを貯留する。また、インクカートリッジ6は、キャリッジ2に対して着脱自在になっている。記録装置1は、カラー記録が可能である。そのため、キャリッジ2には、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロ(Y)、ブラック(K)のインクをそれぞれ収容する4つのインクカートリッジが搭載されている。これら4つのインクカートリッジは、それぞれ独立して着脱できる。
記録ヘッド3は、熱エネルギを利用してインクを吐出するインクジェット方式を採用している。そのため、記録ヘッド3は、電気熱変換体(ヒータ)を備えている。ヒータは、吐出口を有するノズルのそれぞれに対応して設けられ、記録信号に応じて対応する電気熱変換体にパルス電圧を印加する。これによって、ヒータが熱を発生して気泡が生じ、対応するノズルからインクが吐出される。ここでは、インクの吐出方式としてヒータを用いてインクを吐出する場合について説明するが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、ピエゾ素子を用いた方式、静電素子を用いた方式、MEMS素子を用いた方式等のインクジェット方式も用いられうる。
図2は、記録装置1の制御系の例を模式的に示している。ホストコンピュータ2500は、例えば、USB等のインターフェースによって、記録装置1に接続されている。プリンタドライバ2510は、ホストコンピュータ2500の内部にソフトウェアとして記憶されている。プリンタドライバ2510は、ユーザーからのプリント指令に応答して、文書や写真等の記録すべき情報からプリントデータを生成し、記録装置1に送信する。受信バッファ2010は、ホストコンピュータ2500からプリントデータを受信する。受信バッファ2010が受信したプリントデータは、CPU2020の管理の下、RAM2030に転送され、一次的に保持されうる。ROM2040は、記録装置1の各種制御に必要なプログラムや固定データ等を記憶する。不揮発性メモリNVRAM2050は、記録装置1の電源を切断した後においても保存すべき情報を記憶する。モータドライバ2060は、キャリッジモータや搬送モータ等を含む各種モータ2065を駆動する。ヘッドドライバ2070は、記録ヘッド3を駆動する。センサ/スイッチコントローラ2080は、センサ/スイッチ2085(位置センサ、温度センサ、電源スイッチ、プリントスイッチ、回復スイッチ等)をコントロールする。
<参考例>
以下、本願発明を説明するに先立って、インクジェット記録装置1D(記録装置1D)のマルチパス記録について、参考例を述べる。記録装置1Dは、ノズル列を有する記録ヘッドを備え、ノズル列は、複数のノズルが、例えば、第1方向に沿って配されて構成されうる。
記録装置1Dは、該第1方向と交差する第2方向に記録ヘッドを走査させながら記録媒体に対してインクを吐出してマルチパス記録を行う。第2方向は、図1に示された矢印A方向に対応しうる。マルチパス記録の各パスの記録は、各パスの記録の個々が互いに補完して記録すべき情報を形成するように、間引きを行った情報を記録ヘッドが記録することによって為される。各パスの記録が順次なされることによって、最終的に形成すべき画像等が形成される。
以下、本願発明を説明するに先立って、インクジェット記録装置1D(記録装置1D)のマルチパス記録について、参考例を述べる。記録装置1Dは、ノズル列を有する記録ヘッドを備え、ノズル列は、複数のノズルが、例えば、第1方向に沿って配されて構成されうる。
記録装置1Dは、該第1方向と交差する第2方向に記録ヘッドを走査させながら記録媒体に対してインクを吐出してマルチパス記録を行う。第2方向は、図1に示された矢印A方向に対応しうる。マルチパス記録の各パスの記録は、各パスの記録の個々が互いに補完して記録すべき情報を形成するように、間引きを行った情報を記録ヘッドが記録することによって為される。各パスの記録が順次なされることによって、最終的に形成すべき画像等が形成される。
上記間引きの比率(以下、「間引き率」)は、各パスの記録において用いられるマスクパターンによって定められ、例えば、各パスのつなぎ部分に発生することがあるスジ等を防ぐため、第1方向において不均一な分布を有しうる。ここで、該不均一な分布は、例えば、ノズル列の両端の領域の間引き率が中央の領域の間引き率よりも大きくなるように定められうる。本参考例では、パス数を8パス(マスクパターンの平均間引き率を87.5%)とし、ノズル列の両端の領域における間引き率を95%とし、記録画像サイズをA3サイズとし、記録画像デューティーを10%とし、記録画像数を500とした。平均間引き率は、全てのノズルについての間引き率の平均値をいう。一走査の間、即ち、1回のパスの記録において各ノズルから吐出されるインク滴によるドットが、例えば、1200dpi間隔の各点の全てに形成された場合は、間引き率0%という。記録媒体の上におけるドットを形成することが可能な格子点の全てに対してドットが形成された場合は、記録画像デューティー100%という。
この本参考例において顔料インクを用いて記録を行ったところ、使用頻度が低いノズルは、使用頻度が高いノズルに対して偏向が生じやすく、一方、全く使用されないノズルは偏向がみられなかった。ノズルを顕微鏡で観察したところ、偏向が生じたノズルのインク吐出口には顔料分散体と考えられる異物が不均一に付着しており、偏向が生じなかったノズルのインク吐出口には付着していなかった。ここで、使用頻度が低いノズルにおいては、インクを吐出した後、インクに含まれる揮発成分の蒸発によって粘性が変化し、異物として吐出口に付着しうる。一方、使用頻度が高いノズルにおいては、上述の蒸発の前に新たなインクが吐出されることからこのような現象が見られず、よって、一般的な回復処理(ワイピング等)によってノズルの性能は適切に回復しうる。また、全く使用されないノズルについてはそもそもインクを吐出していないため吐出口にインクが残存せず、よって、上述の異物が付着しない。この偏向が実際に記録された画像にもたらす影響は、パス数が少ない場合(例えば、4パス以下の場合)の記録において顕著になりうる。しかし、パス数を必要以上に多くすることは記録に長い時間を要することになる。また、記録の間に為される予備吐出動作において其々吐出されるインクの量(予備吐出量)を増やすと各ノズルの回復処理の効果は向上しうるが、大量のインクを消費することになる。
<第1実施形態>
図3乃至6を参照しながら、第1実施形態のマルチパス記録について述べる。図3は、記録装置1の記録ヘッド3及び記録ヘッド3を駆動する機構の断面を模式的に示している。記録ヘッド3は、例えば、1280個のノズルNがY方向に沿って、間隔が1200dpiとなるように配されたノズル列を有しうる。また、記録ヘッド3はキャリッジ2に搭載されている。キャリッジ2は、ガイドシャフト1110に沿ってキャリッジモータ(不図示)の回転によってX方向に往復して走査される。プラテン1200は、搬送モータ(不図示)が間欠的に回転することによりプリント用紙等の記録媒体(不図示)を搬送し、記録媒体の停止中に各走査が為され、画像等の記録が為されうる。キャップ1010は、吐出口からのインクの蒸発を防ぐために配されており、周知の手段によって、キャッピングポジションと離間ポジションとの間をZ方向に往復移動する。ワイパーブレード1020は、ノズルNの吐出口が配された面(A面)をワイピングするために配されており、周知の手段によって、ワイピングポジションと退避ポジションとの間をZ方向に往復移動する。ワイピングを行っていない時には、ワイパーブレード1020は退避ポジションに位置している。ワイピングを行う時にはワイパーブレード1020はワイピングポジションにまで移動し、その後、キャリッジ2がX方向に移動することによって、該吐出口の異物が除去されうる。第1予備吐出受け部1030及び第2予備吐出受け部1040は、予備吐出動作においてノズルの内部の増粘インクを吐出し、廃インク処理するために配されている。
図3乃至6を参照しながら、第1実施形態のマルチパス記録について述べる。図3は、記録装置1の記録ヘッド3及び記録ヘッド3を駆動する機構の断面を模式的に示している。記録ヘッド3は、例えば、1280個のノズルNがY方向に沿って、間隔が1200dpiとなるように配されたノズル列を有しうる。また、記録ヘッド3はキャリッジ2に搭載されている。キャリッジ2は、ガイドシャフト1110に沿ってキャリッジモータ(不図示)の回転によってX方向に往復して走査される。プラテン1200は、搬送モータ(不図示)が間欠的に回転することによりプリント用紙等の記録媒体(不図示)を搬送し、記録媒体の停止中に各走査が為され、画像等の記録が為されうる。キャップ1010は、吐出口からのインクの蒸発を防ぐために配されており、周知の手段によって、キャッピングポジションと離間ポジションとの間をZ方向に往復移動する。ワイパーブレード1020は、ノズルNの吐出口が配された面(A面)をワイピングするために配されており、周知の手段によって、ワイピングポジションと退避ポジションとの間をZ方向に往復移動する。ワイピングを行っていない時には、ワイパーブレード1020は退避ポジションに位置している。ワイピングを行う時にはワイパーブレード1020はワイピングポジションにまで移動し、その後、キャリッジ2がX方向に移動することによって、該吐出口の異物が除去されうる。第1予備吐出受け部1030及び第2予備吐出受け部1040は、予備吐出動作においてノズルの内部の増粘インクを吐出し、廃インク処理するために配されている。
記録装置1に、ホストコンピュータ2500からプリント指令が送信されてくると、記録装置1は、記録(記録する動作そのもの)を行う前に回復処理を行いうる。この回復処理は、例えば、放置時間等に応じてノズルNの内部のインクを吸引(若しくは加圧)して排出するクリーニング動作、放置時間等に応じた予備吐出動作等を含みうる。該回復処理の終了後、記録を開始するための所定位置まで記録媒体を搬送しうる。その後、記録装置1は、記録媒体を間欠的にY方向に搬送しつつ、キャリッジ2をX方向に走査させながら記録ヘッドの各ノズルNからインクを吐出し、各パスの記録を順次行う。ここで、各パスの記録は、一走査によって為されうるが、キャリッジ2の往復(X方向における正及び負方向の移動)の少なくともいずれか一方で為されればよく、両方で為されてもよい。一走査を開始する前又は後において予備吐出動作が為されうるところ、本実施形態では、キャリッジ2の往復の両方において各パスの記録が為されるとして、第1予備吐出受け部1030と第2予備吐出受け部1040とを示した。
図4は、記録装置1のマスクパターンの間引き率の分布を例示している。横軸は、1280個のノズルNの其々のノズル番号を配列の順に示している。縦軸は、当該ノズル番号に対応するノズルNから吐出されるインクによって記録媒体の上に形成されるドットの間引き率を示している。ここで、該間引き率の分布は、例えば、パス数が8パスの高画質モードの場合を示しており、平均間引き率は87.5%である。記録装置1の該高画質モードのマスクパターンを用いて8パス記録を行った場合は、記録画像デューティー100%までの画像を記録することができる。ここでは、上述のように設定されたモードを高画質モードとして示したが、本実施形態はこれに限られないしパス数もこれに限られない。例えば、パス数が8パス、4パス、2パス及び1パスの場合が、それぞれ高画質、標準、高速及び超高速モードのように設定されうる。
図5は、ノズルNの其々が一走査において記録媒体に対して吐出することが可能なインクの最大滴数の分布を示している。これは、上述のマスクパターンの間引き率の分布から其々決定されうる。横軸は、図4と同様にノズル番号を示している。縦軸は、該インクの最大滴数を全ノズルにおける平均値が1になるように規格化した値を示している。
図6は、ノズルNの其々の予備吐出量の分布を示している。横軸は、図4と同様にノズル番号を示している。縦軸は、予備吐出量としてインクの滴数を示している。ここで、使用頻度が低いノズルは、使用頻度が高いノズルに対して偏向が生じやすいという前述の結果に照らし、この予備吐出量の分布は、インクの最大滴数の分布(図5参照)に基づいて定めることができる。即ち、本実施形態では、インクの最大滴数が少ないノズル(ノズル番号1乃至160および1121乃至1280)については、その他のノズル(ノズル番号161乃至1120)よりも予備吐出の滴数を多くしている。具体的には、予備吐出動作における滴数を、上記インクの最大滴数が少ないノズルについては36滴とし、上記その他のノズルについては4滴としている。これらの予備吐出動作における滴数は、前述の偏向を防ぐために十分かつ適切な値を設定すればよい。
本実施形態によると、A3サイズについて500画像を記録したところ、いずれのノズルにおいても偏向が確認されなかった。一方、比較例として、全てのノズルについて予備吐出の滴数を一律に4滴にして同条件下で記録を行ったところ、ノズル列の両端の領域における使用頻度が低いノズルでは偏向が確認された。本実施形態では、全てのノズルから予備吐出を行うように設定しているが、全く使用されないノズルは偏向が生じないという前述の結果に照らし、該使用されないノズルについては予備吐出を行わないように制御することも可能である。また、記録を行う前及び後に為される回復処理において予備吐出を行う場合には、該予備吐出についても上述にしたがって為されてもよい。以上、本実施形態によると、使用率の低いノズルの偏向を抑え、適切な予備吐出動作を行うことが可能となるためコストの低減に有利である。
<第2実施形態>
図7乃至9を参照しながら、第2実施形態として、マルチパス記録のパス数が12パスの高画質モードである場合について述べる。図7は、図4と同様にして、本実施形態におけるマスクパターンの間引き率の分布を示している。パス数が12パスの場合は、記録ヘッド3が有するノズル列のうちノズル番号1乃至1272のノズルが駆動されうる。よって、図7に例示されるように、ノズル番号1273乃至1280のノズルについては間引き率が100%となる。ノズル番号1〜1272のノズルについての平均間引き率は、約91.7%である。該マスクパターンを用いて12パス記録を行った場合は、記録画像デューティー100%までの画像を記録することができる。
図7乃至9を参照しながら、第2実施形態として、マルチパス記録のパス数が12パスの高画質モードである場合について述べる。図7は、図4と同様にして、本実施形態におけるマスクパターンの間引き率の分布を示している。パス数が12パスの場合は、記録ヘッド3が有するノズル列のうちノズル番号1乃至1272のノズルが駆動されうる。よって、図7に例示されるように、ノズル番号1273乃至1280のノズルについては間引き率が100%となる。ノズル番号1〜1272のノズルについての平均間引き率は、約91.7%である。該マスクパターンを用いて12パス記録を行った場合は、記録画像デューティー100%までの画像を記録することができる。
図8は、図5と同様にして、ノズルNの其々が一走査において記録媒体に対して吐出することが可能なインクの最大滴数の分布を示している。これは、上述のマスクパターンの間引き率の分布から其々決定されうる。ここで、ノズル番号1273乃至1280のノズルについては、間引き率が100%であるため、インクの最大滴数は0である。
図9は、図6と同様にして、本実施形態における予備吐出量の分布を示している。ここで、第1実施形態と、全く使用されないノズルは偏向が生じないという前述の結果とに照らし、この予備吐出量の分布は、インクの最大滴数の分布(図8参照)に基づいて定めることができる。具体的には、予備吐出動作における滴数を、次のように設定した。ノズル番号1乃至106および1167乃至1172については71滴とした。ノズル番号107乃至212および1061乃至1166については48滴とした。ノズル番号213乃至318および955乃至1060については11滴とした。ノズル番号319乃至954については4滴とした。本実施形態において使用されないノズル番号1273乃至1280については0滴とした。このようにして、インクの最大滴数が少ないノズルについては、その他のノズルよりも予備吐出の滴数を多くしている。これらの予備吐出動作における滴数は、前述の偏向を防ぐために十分かつ適切な値を設定すればよい。
本実施形態によると、A3サイズについて500画像を記録したところ、いずれのノズルにおいても偏向が確認されなかった。一方、比較例として、全てのノズルについて予備吐出の滴数を一律に4滴にして同条件下で記録を行ったところ、第1実施形態よりも広いノズル列の両端の領域において偏向が確認された。以上、本実施形態によると、使用率の低いノズルの偏向を抑え、適切な予備吐出動作を行うことが可能となるためコストの低減に有利である。
以上の2つの実施形態を述べたが、本発明はこれらに限られるものではなく、目的、状態、用途、機能、およびその他の仕様の変更が適宜可能であり、他の実施形態によっても実施されうることは言うまでもない。例えば、予備吐出が為されたときのインク滴の数量は、間引きの比率にしたがって適宜定められればよく、上述の各実施形態の数量に限られるものではない。また、例えば、上述の各実施形態では、1種類のインクを用いた場合について説明したが、2種類以上のインクが用いられる場合においても適用可能である。この場合は、ノズルの偏向のインクごとの発生率に応じて上述の各実施形態を適用してもよい。
Claims (6)
- 複数のノズルが第1方向に沿って配された少なくとも1つのノズル列を有する記録ヘッドを備え、前記第1方向と交差する第2方向に前記記録ヘッドを走査させながら記録媒体に対してインクを吐出してマルチパス記録を行うインクジェット記録装置であって、
前記マルチパス記録の各パスの記録は、当該各パスの記録の個々が互いに補完して記録すべき情報を形成するように、間引きを行った情報を前記記録ヘッドが記録することによって為され、
前記インクジェット記録装置は、前記マルチパス記録の各パスの記録の前又は後において前記記録ヘッドが予備吐出動作を行うように前記記録ヘッドを制御する制御手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記予備吐出動作において前記複数のノズルの其々から吐出されるインクの量の其々を、当該各パスの記録に適用される前記複数のノズルの其々についての前記間引きの比率にしたがって、其々決定する、
ことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記各パスの記録に適用される前記複数のノズルの其々についての前記間引きの比率は、当該各パスの記録において用いられるマスクパターンによって定められ、当該間引きの比率は前記第1方向において不均一な分布を有している、
ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。 - 前記ノズル列の前記複数のノズルのうち、1回のパスの記録に適用される前記複数のノズルの其々についての前記間引きの比率が100%より小さく且つ最大のものに対応するノズルは、当該パスの記録に対応する前記予備吐出動作において吐出するインクの量が最も多い、
ことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。 - 前記ノズル列の前記複数のノズルのうち、1回のパスの記録に適用される前記複数のノズルの其々についての前記間引きの比率が100%のものに対応するノズルは、当該パスの記録に対応する前記予備吐出動作においてインクを吐出しない、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のインクジェット記録装置。 - 前記ノズル列の前記複数のノズルのうち1回のパスの記録で使用されるノズルの其々は、当該パスの記録に適用される前記複数のノズルの其々についての前記間引きの比率が、前記ノズル列のうち両端の領域の方が中央の領域に対して大きい、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。 - 複数のノズルが第1方向に沿って配された少なくとも1つのノズル列を有する記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置の予備吐出の方法であって、
前記インクジェット記録装置は、前記第1方向と交差する第2方向に前記記録ヘッドを走査させながら記録媒体に対してインクを吐出してマルチパス記録を行い、
前記マルチパス記録の各パスの記録は、当該各パスの記録の個々が互いに補完して記録すべき情報を形成するように、間引きを行った情報を前記記録ヘッドが記録することによって為され、
前記予備吐出の方法は、
前記マルチパス記録の各パスの記録に適用される前記複数のノズルの其々についての前記間引きの比率にしたがって、それに対応する予備吐出動作において前記各ノズルから吐出するべきインクの量を決定する工程と、
前記対応する予備吐出動作において、前記決定された量のインクを前記各ノズルから其々吐出する工程と、を含む、
ことを特徴とする予備吐出の方法。
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