JP2014000494A - コーティング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転ドラムを備えたコーティング装置において、回転ドラムを効果的に洗浄すること。
【解決手段】コーティング装置は、その傾斜した軸線回りに回転駆動される通気式の回転ドラムを備える。回転ドラムの洗浄は、洗浄液中で回転ドラムを回転させながら行なわれる。回転ドラムは、回転時に、洗浄液を回転方向前方に流動させるドラムリブ5bを底壁部に有する。ドラムリブ5bにおける回転方向前方側の側面5eは、外部側に移行するに従って、回転方向前方側に漸次変位する形状である。
【選択図】図6
【解決手段】コーティング装置は、その傾斜した軸線回りに回転駆動される通気式の回転ドラムを備える。回転ドラムの洗浄は、洗浄液中で回転ドラムを回転させながら行なわれる。回転ドラムは、回転時に、洗浄液を回転方向前方に流動させるドラムリブ5bを底壁部に有する。ドラムリブ5bにおける回転方向前方側の側面5eは、外部側に移行するに従って、回転方向前方側に漸次変位する形状である。
【選択図】図6
Description
本発明は、医薬品、食品、農薬等の粉粒体のコーティング、混合、乾燥等を行うコーティング装置に関し、特に、軸線回りに回転駆動される回転ドラムを備えたコーティング装置に関する。
医薬品、食品、農薬等の錠剤、ソフトカプセル、ペレット、顆粒、その他これらに類するもの(以下、これらを総称して粉粒体という。)にフィルムコーティングや糖衣コーティング等を施すために、回転ドラムを備えたコーティング装置が使用されている。
例えば、特許文献1に開示されたコーティング装置では、回転ドラムは、通気式で、その軸線回りに回転駆動され、回転ドラムの内部には、処理すべき粉粒体が収容される。そして、回転ドラムは、回転ドラムの内部と外部とを連通させる通気部を壁部に有する。
ところで、この種のコーティング装置の多くは、回転ドラムの外部側に配設され、洗浄液を貯留する洗浄槽を備え、洗浄槽に貯留された洗浄液中に回転ドラムの壁部を浸漬して通気部を介して内部に洗浄液を入れた状態で、回転ドラムを回転させながら洗浄を行う(いわゆる溜め洗い)。しかしながら、このように、単に回転ドラムを洗浄液中で回転させるだけでは、回転ドラムの内部や通気部等を十分に洗浄することは難しい。
本発明は、上記事情に鑑み、回転ドラムを備えたコーティング装置において、回転ドラムを効果的に洗浄することを課題とする。
前記課題を解決するための本発明のコーティング装置は、処理すべき粉粒体が内部に収容され、その軸線回りに回転駆動される通気式の回転ドラムと、該回転ドラムの外部側に配設され、洗浄液を貯留する洗浄槽とを備え、前記回転ドラムは、前記回転ドラムの内部と外部とを連通させる通気部を壁部に有し、前記洗浄槽に貯留された洗浄液中に前記壁部を浸漬して前記通気部を介して内部に洗浄液を入れた状態で、前記回転ドラムを回転させながら洗浄を行うコーティング装置において、前記回転ドラムは、回転時に前記洗浄槽の洗浄液を回転方向前方に流動させる流動部材を前記壁部に有し、該流動部材における回転方向前方側の側面が、外部側に移行するに従って、回転方向前方側に漸次変位することを特徴とする。
この構成であれば、洗浄のための回転時に、流動部材が、洗浄槽の洗浄液を回転方向前方に流動させる。この洗浄液の流動により、通気部を通過する洗浄液の流通速度が高められるため、特に洗浄しにくい通気部も効果的に洗浄することができる。
また、流動部材の回転方向への移動により、流動部材の回転方向前方では洗浄液に陽圧が生じ、回転方向後方では洗浄液に陰圧が生じる。このため、回転ドラムの回転中に、流動部材の回転方向前方では、回転ドラム内へ洗浄液を流れ込む(押し込む)効果が高まる一方、流動部材の回転方向後方では、回転ドラム内から洗浄液を吸引する効果が高まる。このため、通気部における洗浄液の流通速度が上昇する。この洗浄液の流通速度の上昇によって、通気部周辺の洗浄能力が向上する。また、流動部材の回転方向前方側の通気部から洗浄液が回転ドラムの内部に流れ込み、回転方向後方側の通気部から回転ドラムの外部に流れ出でるという、洗浄液の循環流/渦流が発生する。この洗浄液の循環流/渦流により、洗浄能力が向上する。
そして、上記の構成では、流動部材における回転方向前方側の側面が、外部側に移行するに従って、回転方向前方側に漸次変位するものである。これにより、洗浄のための回転時に、流動部材における回転方向前方側の側面が、洗浄液をすくい上げて、通気部を経由して回転ドラム内に洗浄液を流し込む作用が得られる。この作用によって、通気部における洗浄液の流通速度が更に上昇するため、通気部周辺の洗浄能力が更に向上する。
このように、本発明のコーティング装置では、通気部における洗浄能力が向上するので、回転ドラムを効果的に洗浄することができる。
上記の構成において、前記流動部材における回転方向後方側の側面が、外部側に移行するに従って、回転方向後方側に漸次変位してもよい。
この構成であれば、流動部材における回転方向後方側の側面周辺には、流動部材より外部側から洗浄液が接近し難くなり、上述した流動部材の回転方向後方に生じる洗浄液の陰圧が増大され、回転ドラム内から洗浄液を吸引する効果を強化することになる。従って、通気部周辺の洗浄能力が更に向上する。
上記の構成において、前記回転ドラムの軸線が水平線に対して傾斜しており、前記壁部が傾斜下方側の底壁部であってもよい。ここで、水平線に対する回転ドラムの軸線の傾斜角度は、0°を越えて90°以下である(以下、同じ)。
そして、この構成において、前記回転ドラムの内部を通気するための通気ダクトと、該通気ダクトが取り付けられ、前記回転ドラムの軸線方向に沿ってスライド駆動されて前記底壁部に対して当接及び離隔するディスクプレートとを備え、該ディスクプレートは、前記底壁部に対して当接した状態で前記通気部と前記通気ダクトを所定の位置で連通させる通気口を有し、前記通気ダクトは、該通気口から前記回転ドラムの回転方向前方側に延びていてもよい。
このように通気口や通気ダクトを構成することで、流動部材によって撹拌された洗浄液が、通気ダクトの通気口周辺と、通気部の流動部材周辺とを往復する波を形成する。この波によって流動部材周辺の洗浄を促進すると共に、通気ダクトの通気口周辺の洗浄を促進する効果が享受できる。
本発明によれば、回転ドラムを備えたコーティング装置において、回転ドラムを効果的に洗浄することができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面に基づき説明する。
本発明の実施形態に係るコーティング装置は、図1〜5に示す回転ドラム1と、回転ドラム1の外部側に配設されたハウジングH(図1参照)とを主要な構成要素として備える。
回転ドラム1は、通気式で、その軸線Oの回りに回転駆動される。回転ドラム1の軸線Oは、水平線に対して角度θで傾斜している。傾斜角度θは、0°を越え90°以下で、例えば、30〜45°である。回転ドラム1の内部には、処理すべき粉粒体(図示省略)が収容される。
回転ドラム1は、本実施形態では、軸線方向の一端が開口した壁部2で構成され、この壁部2は、回転方向に延在する周壁部3と、周壁部3における軸線方向の他端に形成された底壁部4とから成る。
周壁部3は、気密な構造を保有し、収容される粉粒体の攪拌混合効果を高めるため、例えば、10角形の横断面形状を有すると共にその径が最大となる大径部3aと、開口側端部となる小径部3bと、大径部3aから小径部3bに向かって漸次縮径する第1縮径部3cと、大径部3aから底壁部4に向かって漸次縮径する第2縮径部3dとで構成される。小径部3bの外周面は、ハウジングHの開口端Haに対して摺動自在に接触している。なお、大径部3aの形状は、本実施形態では、断面多角形の角筒形であるが、これに限定されず、円筒形でもよい。
底壁部4は、回転ドラム1の傾斜下方側に位置する。そして、底壁部4には、回転ドラム1の軸線Oを中心とする単一の円環形状に沿って通気部5が設けられている。また、底壁部4において、軸線O回りに回転ドラム1を回転させるための回転駆動軸Sが、その回転ドラム1外部側の中心部4aに連結される。回転駆動軸Sは、ハウジングHの支持部Hbによって回転自在に支持されている。
通気部5は、回転ドラム1の内部と外部とを連通する。後に詳述するように、回転ドラム1の洗浄時には、洗浄液が通気部5を介して回転ドラム1の内部と外部とを流通する。通気部5は、複数の貫通孔5aと、流動部材としてのドラムリブ5bと、通気板5cとから構成される。複数の貫通孔5aは回転方向に沿って配列される。ドラムリブ5bは、回転方向に沿って隣接すると共に貫通孔5aを仕切るものである。本実施形態では、ドラムリブ5bは、柱状で、軸線Oを中心として、放射状に設けられている。図4に示すように、通気板5cは、貫通孔5aとドラムリブ5bを覆うように配設される。通気板5cは、貫通孔からなる複数の通気孔5dを有し、例えばパンチングメタル等で成る多孔板で構成される。図4において、二点鎖線で囲まれた領域に通気孔5dは形成されている。
粉粒体の処理時には、通気部5(通気板5c)を介して回転ドラム1の内部と外部との間で処理気体が流通する。本実施形態では、例えば、回転ドラム1内のコーティング処理を施した粉粒体を、回転ドラム1を回転させて乾燥させる際に、この通気板5cを介して処理気体が流通する。すなわち、処理気体としての空気が、回転ドラム1の内部に開口部を介して給気され、この給気された回転ドラム1内部の空気が通気板5cを介して回転ドラム1の外部に排出される。
本実施形態では、貫通孔5aは16個、ドラムリブ5bが16本である。全ての貫通孔5aに対して、4枚の通気板5cが、ドラムリブ5bにおける回転ドラム1の内部側に配設され、1枚の通気板5cで、4個の貫通孔5aを覆う。1枚の通気板5cにおける回転ドラム1外部側の面5hについて、回転ドラム1回転方向の両端部が、それぞれ、ドラムリブ5bにおける回転ドラム1内部側の端面5fに対向する(図5参照)。
図5に示すように、ドラムリブ5bは、回転ドラム1の回転方向に相対向する2つの側面5e間の距離が、回転ドラム1外部側に向かって漸次増加する横断面形状(すそ広がり形状)を有する。本実施形態では、これらの側面5eは平面状で、軸線Oを含み回転ドラム1の径方向に沿った平面Pについて、相互に面対称となっている。また、ドラムリブ5bにおける軸線方向の両端面5f,5gは、相互に平行の平面となっており、ドラムリブ5bの横断面は台形状である。本実施形態では、ドラムリブ5bは中実としているが、中空としてもよい。なお、図示は省略するが、通気板5cおける回転ドラム1回転方向の中間部に対向するドラムリブ5bについても同様である。また、側面5eは、貫通孔5aの側面にもなっている。
本実施形態では、ドラムリブ5bにおける回転ドラム1内部側の端面5fと、通気板5cにおける回転ドラム1外部側の面5hとは、点溶接Wで接合されている。また、相互に隣接する通気板5cにおける回転ドラム1回転方向の端面5iは、回転ドラム1内部側が線溶接(図示省略)で接合されている。しかし、ドラムリブ5bと通気板5cに対する固定方法、あるいは通気板5c同士の固定方法は、これに限定されず、固定できればよく、ボルトによる締結でもよいし、また、軽圧入等でもよい。なお、図5において、通気板5cにおける点線は、図4の二点鎖線に対応するものである。従って、通気板5cにおける点線で挟まれた領域Rには、通気孔5dは形成されていない(図5では通気孔5dは図示省略)。すなわち、通気板5cの面5hで、ドラムリブ5bの端面5fに対向する部位には、通気孔5dは形成されていない。
図1に示すように、ハウジングHは、回転ドラム1における小径部3bの軸線方向中間部から底壁4までの全体と回転駆動軸Sの一部を覆うように配設される。そして、ハウジングHは、回転ドラム1の洗浄時には、例えば二点鎖線Lで示す量の洗浄液を貯留可能な洗浄槽として機能する。ハウジングHは、洗浄液の供給口Hcと洗浄液の排出口Hdを有する。
回転ドラム1の洗浄は、ハウジングHに貯留された洗浄液中に回転ドラム1の底壁部4を浸漬して通気部5を介して回転ドラム1の内部に洗浄液を入れた状態で、回転ドラム1を回転させることによって実施する。
回転ドラム1の洗浄を詳述すると、まず、回転ドラム1の底壁部4全体をハウジングH内に露出させた状態で、供給口Hcから洗浄液をハウジングH内に供給する。すると、ハウジング内に洗浄水が溜まっていき、これに伴って、洗浄液が、底壁部4の通気部5の通気板5cを介して回転ドラム1内に流入する。そして、回転ドラム1内に流入した洗浄液の液面が、図1に二点鎖線Lで示すように、小径部3bと第1縮径部3cとの境界付近となったら、供給口Hcからの洗浄液の供給を停止する。この状態で、回転駆動軸Sを回転させることによって回転ドラム1を回転させる。これにより、回転ドラム1の内部と外部が洗浄される。所定の時間あるいは所定回数回転ドラム1を回転させた後、回転ドラム1の回転を停止させ、排出口Hdから洗浄液を排出する。
本実施形態に係るコーティング装置における他の部分の構成は、上述した特許文献1に記載されたコーティング装置に準じるため、説明を省略する。
上記のように構成されたコーティング装置の回転ドラム1の効果を、図6を使用して以下に説明する。
図6は、通気部5における回転ドラム1回転方向に沿った断面を模式的に示した図である。なお、図6では通気孔5dの図示を省略している。上述したように、回転ドラム1を洗浄する際には、洗浄液中に回転ドラム1の底壁部4を浸漬して通気部5を介して内部に洗浄液を入れた状態で、回転ドラム1を回転させる。図6は、洗浄液内での状態を示し、そして、図6の白矢印の方向に、回転ドラム1が回転する。
この実施形態では、回転ドラム1の回転時、回転ドラム1の底壁部4のドラムリブ5bにより、ドラムリブ5b周辺の洗浄液が回転方向前方に流動せしめられる。従って、ドラムリブ5bにより、通気板5cを通過する洗浄液の流通速度が高められるため、特に洗浄しにくい底壁部4の通気板5cも効果的に洗浄することができる。
また、ドラムリブ5bの回転方向への移動により、ドラムリブ5bの回転方向前方では洗浄液に陽圧が生じ、回転方向後方では洗浄液に陰圧が生じる。このため、回転ドラム1の回転中に、ドラムリブ5bの回転方向前方では、回転ドラム内へ洗浄液を流れ込む(押し込む)効果が高まる一方、ドラムリブ5bの回転方向後方では、回転ドラム1内から洗浄液を吸引する効果が高まる。このため、通気板5c(通気孔5d)における洗浄液の流通速度が上昇する。この洗浄液の流通速度の上昇によって、通気板5c周辺の洗浄能力が向上する。また、ドラムリブ5bの回転方向前方側の通気板5c(通気孔5d)から洗浄液が回転ドラム1の内部に流れ込み、回転方向後方側の通気板5c(通気孔5d)から回転ドラム1の外部に流れ出でるという、洗浄液の循環流/渦流(図6の黒矢印参照)が発生する。この洗浄液の循環流/渦流により、洗浄能力が向上する。
そして、本実施形態では、ドラムリブ5bにおける回転方向前方側の側面5eが、外部側に移行するに従って、回転方向前方側に漸次変位する形状である。これにより、洗浄のための回転ドラム1の回転時に、ドラムリブ5bにおける回転方向前方側の側面5eが、洗浄液をすくい上げて、通気板5c(通気孔5d)を経由して回転ドラム1内に洗浄液を流し込む作用が得られる。この作用によって、通気板5c(通気孔5d)における洗浄液の流通速度が更に上昇するため、通気板5c周辺の洗浄能力が更に向上する。
また、本実施形態では、ドラムリブ5bにおける回転方向後方側の側面5eが、外部側に移行するに従って、回転方向後方側に漸次変位する形状である。このため、ドラムリブ5bにおける回転方向後方側の側面周辺には、ドラムリブ5bより外部側から洗浄液が接近し難くなり、上述したドラムリブ5bの回転方向後方に生じる洗浄液の陰圧が増大され、回転ドラム1内から洗浄液を吸引する効果を強化することになる。従って、通気板5c周辺の洗浄能力が更に向上する。
このように、本実施形態のコーティング装置では、通気板5c(通気孔5d)における洗浄能力が向上するので、回転ドラム1を効果的に洗浄することができる。
本発明は、以上の説明に限定されることなく、その技術的思想の範囲内であれば、様々な変形が可能である。例えば、図7に示すように、回転方向後方側の側面5eが、回転方向前方側の側面5eと同様に傾斜し、これらの側面5eが相互に平行で、ドラムリブ5bが平板状であってもよい。この場合には、回転方向後方側の側面5e周辺には、ドラムリブ5bより外部側から洗浄液が接近し易くなり、上述した回転ドラム1内から洗浄液を吸引する効果があまり強化されない。一方、回転方向前方側の側面5eによる回転ドラム1内に洗浄液を流し込む作用は、上記実施形態と同様に得られる。
また、図8(A)に示すように、本発明のコーティング装置は、回転ドラム1の内部を通気するための通気ダクト6と、通気ダクト6が取り付けられたディスクプレート7とを備えてもよい。図8(B)に示すように、ディスクプレート7は、回転ドラム1の背面側に、底壁部4と対向するように配設される。そして、ディスクプレート7における回転ドラム1とは反対側の面に通気ダクト6が取り付けられている。図8(B)の両矢印で示すように、ディスクプレート7は、回転ドラム1の軸線方向に沿ってスライド駆動されて底壁部4に対して当接及び離隔する。
ディスクプレート7は、底壁部4に当接した状態で回転ドラム1の底壁部4の通気部5と通気ダクト6を所定の位置で連通させるための通気口7aを有する。図8(A)に示すように、通気ダクト6は、通気口7aから回転ドラム1の白矢印で示す回転方向における前方側に延びている。
詳述すれば、通気口7aは、本実施形態では、ディスクプレート7の斜め下方に形成され、ディスクプレート7の外径側において、周方向に延在する。通気口7aは、ディスクプレート7と略同心円の円弧の径方向で対向する2つの側縁と、周方向で対向する直線状の2つの側縁とを有する。通気ダクト6は、通気口7aにオーバーラップする部位では、通気口7aに略沿って延在している。そして、通気ダクト6は、通気口7aにオーバーラップしない部位、すなわち、通気口7aにおける回転方向前方側の直線状側縁より回転方向前方側の部位では、この直線状側縁の近傍の周方向位置におけるディスクプレート7の接線の方向に沿って延在しており、本実施形態では上方に直線状に延在している。
例えば、粉粒体を、回転ドラム1を回転させて乾燥させる際には、ディスクプレート7を底壁部4に当接する。そして、この乾燥の際に通気板5cを介して排出された空気は、ディスクプレート7の通気口7aを介して通気ダクト6に排出される。そして、回転ドラム1を回転させて洗浄する際には、ディスクプレート7を回転ドラム1の底壁部4から離隔させ、底壁部4全体をハウジングH内に露出させる。
以上のように構成された通気ダクト6とディスクプレート7を備えていれば、洗浄時に図8(A)に白矢印で示すように回転ドラム1が回転すると、次のような洗浄液の流れが生じる。すなわち、図8(A),(B)に黒矢印で示すように、ドラムリブ5bによって回転ドラム1の回転方向前方に流動させられた洗浄液が、通気口7aから通気ダクト6の内部に流入する。また、図示は省略するが、この洗浄液の流入に伴い、既に通気ダクト6内に流入していた洗浄液が通気口7aから流出する。このようにして、ドラムリブ5bによって撹拌された洗浄液が、通気ダクト6の通気口7a周辺と、通気部5のドラムリブ5b周辺とを往復する波を形成する。この波によってドラムリブ5b周辺の洗浄を促進すると共に、通気ダクト6の通気口7a周辺の洗浄を促進する効果が享受できる。
上記実施形態では、ドラムリブ5bの側面5eは平面であったが、側面5eは曲面であってもよい。更に、上記形態では、流動部材として、ドラムリブ5bを使用したが、ドラムリブ5bとは別部材の流動部材を通気部5に設けてもよい。
また、上記実施形態では、回転ドラム1の軸線Oが水平線に対して傾斜しており、回転ドラム1は、底壁部4に流動部材を有していたが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、回転ドラムの軸線が水平線と平行又は略平行で、その周壁部に通気部としての多孔板を有したものに本発明を適用してもよい。この場合には、回転ドラムは、流動部材を周壁部に有する。例えば、回転ドラムは、周壁部における例えば図1に示す大径部3aに相当する部位に、多孔板を有すると共に、その外周側に軸線方向に沿って延在する流動部材を有したものでもよい。また、この場合には、流動部材が、周壁部に固定される基部と、この基部に、周壁部の内外周方向への移動が許容された状態で装着された部材とで構成されてもよく、これにより、流動部材は内外周方向への伸縮が可能になる。また、この場合、回転ドラムの形状は、上記実施形態の形状に限定されず、例えば円錐形、多角円錐形であってもよい。
1 回転ドラム
2 壁部
3 周壁部
4 底壁部
5 通気部
5a 貫通孔
5b ドラムリブ(流動部材)
5c 通気板
5d 通気孔
5e 側面
6 通気ダクト
7 ディスクプレート
7a 通気口
H ハウジング(洗浄槽)
O 軸線
S 回転駆動軸
2 壁部
3 周壁部
4 底壁部
5 通気部
5a 貫通孔
5b ドラムリブ(流動部材)
5c 通気板
5d 通気孔
5e 側面
6 通気ダクト
7 ディスクプレート
7a 通気口
H ハウジング(洗浄槽)
O 軸線
S 回転駆動軸
Claims (4)
- 処理すべき粉粒体が内部に収容され、その軸線回りに回転駆動される通気式の回転ドラムと、該回転ドラムの外部側に配設され、洗浄液を貯留する洗浄槽とを備え、前記回転ドラムは、前記回転ドラムの内部と外部とを連通させる通気部を壁部に有し、前記洗浄槽に貯留された洗浄液中に前記壁部を浸漬して前記通気部を介して内部に洗浄液を入れた状態で、前記回転ドラムを回転させながら洗浄を行うコーティング装置において、
前記回転ドラムは、回転時に前記洗浄槽の洗浄液を回転方向前方に流動させる流動部材を前記壁部に有し、該流動部材における回転方向前方側の側面が、外部側に移行するに従って、回転方向前方側に漸次変位することを特徴とするコーティング装置。 - 前記流動部材における回転方向後方側の側面が、外部側に移行するに従って、回転方向後方側に漸次変位することを特徴とする請求項1に記載のコーティング装置。
- 前記回転ドラムの軸線が水平線に対して傾斜しており、前記壁部が傾斜下方側の底壁部であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコーティング装置。
- 前記回転ドラムの内部を通気するための通気ダクトと、該通気ダクトが取り付けられ、前記回転ドラムの軸線方向に沿ってスライド駆動されて前記底壁部に対して当接及び離隔するディスクプレートとを備え、該ディスクプレートは、前記底壁部に対して当接した状態で前記通気部と前記通気ダクトを所定の位置で連通させる通気口を有し、前記通気ダクトは、該通気口から前記回転ドラムの回転方向前方側に延びていることを特徴とする請求項3に記載のコーティング装置。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20151126 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20160331 |