JP2014000155A - フィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】消臭、抗菌、抗ウイルス、防カビ作用を有する機能性化学物質を保持する高機能フィルタにおいて、その機能性化学物質による効果が十分に持続するようなフィルタを提供すること。
【解決手段】空気を通過させるフィルタであって、該フィルタはマイクロカプセルを濾材に保持させてなり、前記マイクロカプセルは、機能性化学物質を包含する多孔質微粒子が、前記機能性化学物質が透過可能な保護剤で被覆されてなるフィルタ。
【選択図】なし

Description

本発明は、空気を通過させて、例えば空気を浄化させる等の目的で使用されるフィルタに関する。
従来より、エアコン、空気清浄機、掃除機などには、消臭、抗菌、抗ウイルス、抗カビなど各種の機能を備えた機器が求められており、これらの要望に対応すべく、様々な検討がなされている。
そのなかでも、上記機能を各種の機器に付与する方法として、当該機器に用いられているフィルタに、各種の機能を果たすことが可能な物質を担持させたり、当該物質をマイクロカプセルと称される微粒子に封入し、当該マイクロカプセルをフィルタに担持させたりする方法が提案されている(特許文献1、2)。
例えば、特許文献1に記載の方法は、Ag−アパタイトを抗菌剤として用い、これをイオン交換水、酵素、バインダーと混合してディップ液を造り、この液をフィルタに含浸させるものである。このように、フィルタに所定の液を含浸させ、フィルタに抗菌剤を直接担持させることで、フィルタを通過する空気が抗菌剤と接触し、フィルタ通過前の空気を浄化することが可能となる。しかしながら、このように、抗菌剤をフィルタに直接担持させた場合、抗菌剤の機能は空気による酸化などにより低下し易いため、抗菌効果の持続性の面で、改善の余地がある。また、抗菌効果の持続性を保持するために、抗菌剤の担持量を増加させることはある程度可能ではあるが、抗菌剤をフィルタに多量に担持させた場合は、フィルタの目詰まりが発生する場合があり、却ってフィルタの役割を阻害する場合があるという問題点があった。
また、特許文献2には、抗菌性物質をマイクロカプセルに封入し、これを基材に担持したフィルタが提案されており、このフィルタによれば、マイクロカプセルの壁を壊さない限り、抗菌性物質が外部には殆ど放出されることはないとされている。また、当該フィルタを用いる空気清浄装置には、マイクロカプセルを人為的に破壊するための手段が必要となる。このように、特許文献2に記載の方法では、マイクロカプセルを用いること等により、フィルタの寿命を長くすることができるとされている。しかしながら、特許文献2に記載の方法では、空気清浄機にマイクロカプセルを人為的に破壊する手段が必要になる点で問題がある。また、特許文献2に記載のマイクロカプセルを用いても、実際のところ、封入されている抗菌性物質が外部に放出される場合があるとの指摘がある。
特許3970707号公報 特開平11−226326号公報
上記のような事情に鑑み、本発明の目的は、容易に、各種の機能を有する機能性化学物質の効果を持続させることが可能なフィルタを提供することにある。
発明者らは、かかる課題を解決すべく、鋭意検討を進めた。その結果、機能性化学物質を包含する多孔質微粒子を、当該機能性化学物質が透過可能な保護剤で被覆したマイクロカプセルを用いることで、機能性化学物質が多孔質微粒子より漏れ出すのが抑制され、機能性化学物質による機能が持続することを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は以下の通りである。
〔1〕空気を通過させるフィルタであって、該フィルタはマイクロカプセルを濾材に保持させてなり、前記マイクロカプセルは、機能性化学物質を包含する多孔質微粒子が、前記機能性化学物質が透過可能な保護剤で被覆されてなるフィルタ。
〔2〕前記多孔質微粒子は、濾材に挟持させることにより保持されてなる、前記〔1〕に記載のフィルタ、
〔3〕前記多孔質微粒子が、二酸化ケイ素、アルミナ、ゼオライト、多糖類及び発泡樹脂より選ばれる一種又は二種以上からなる、前記〔1〕又は〔2〕に記載のフィルタ、
〔4〕前記多孔質微粒子の外径が50〜500μmである、前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のフィルタ、
〔5〕前記保護剤が、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケイ素化合物及びチタン化合物より選ばれる一種又は二種以上からなる前記〔1〕〜〔4〕の何れかに記載のフィルタ、
〔6〕前記濾材が、前記マイクロカプセルを収容する複数の区分けされた収容室を備える前記〔2〕〜〔5〕の何れかに記載のフィルタである。
本発明のフィルタによれば、機能性化学物質を包含する多孔質微粒子を、当該機能性化学物質が透過可能な保護剤で被覆することにより、従来の機能性化学物質を包含した多孔質微粒子を有するフィルタよりも長時間にわたって、機能性化学物質により奏される効果を持続させることが可能となる。
本発明は、空気を通過させるフィルタであって、該フィルタはマイクロカプセルを濾材に保持させてなり、前記マイクロカプセルは、機能性化学物質を包含する多孔質微粒子が、前記機能性化学物質が透過可能な保護剤で被覆されてなるフィルタである。
本発明における空気を通過させるフィルタは、空気が通り抜けることにより消臭、殺菌、抗ウイルス、防カビ、集塵、防塵作用等の何れか一又は二以上の作用を発揮するフィルタであって、例えば空気清浄機、エアコン、掃除機、冷蔵庫、送風機、加湿器、クリーンルーム、マスク等に取り付けられ、使用されるフィルタである。
マイクロカプセルは、保護剤で被覆された多孔質微粒子中に機能性化学物質を包含している。多孔質微粒子は、細孔構造を有する微粒子であって、細孔構造の中には機能性化学物質を包含することができる。ここで、機能性化学物質による効果を長期間持続させるために、機能性化学物質の保持量が多いものを選択するのが好ましい。
多孔質微粒子の材質としては機能性化学物質を変質させにくいものであることが好ましく、無機多孔質微粒子であっても、有機多孔質微粒子であってもよい。
無機多孔質微粒子の材質としては、例えば二酸化ケイ素、アルミナ又はゼオライトが挙げられる。
有機多孔質微粒子の材質としては、例えば多糖類又は樹脂を挙げることができる。より具体的には、多糖類としてはたとえば、アラビアゴム、ペクチン、キサンタンガム、グァーガム、カラギナン、ローストビーン等が挙げられるがこれらに限定されない。また、樹脂も特に限定はなく、たとえば、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチルエステル、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルトルエン、アクリルゴム等の各種重合体や、塩化ビニリデンやアクリロニトリル、メタクリル酸等のエチレン系単量体を主成分の単量体として得られる重合体を用いた硬化促進剤含有マイクロカプセルを含有するエポキシ樹脂組成物などの樹脂を使用した発泡樹脂などが挙げられる。
多孔質微粒子の大きさは、フィルタからの漏れ出しを防ぐという観点から、直径50〜500μmが好ましく、直径100μm以上がより好ましい。
多孔質微粒子の細孔の大きさは、薬剤を含浸させることが可能で、且つ薬剤の保持力も確保するという観点から、細孔径1〜100nmであればよく、10〜50nmがより好ましい。
多孔質微粒子を作製する方法としては、公知の方法でよく、例えば有機多孔質微粒子であれば相分離法、無機多孔質微粒子であれば粉床法が挙げられるが、特にこれらに限定されるわけではなく、無数の小孔を有し、機能性化学物質を包含できるものであればよい。
機能性化学物質は、消臭、抗菌、殺菌、抗ウイルス、防カビ作用を有する化学物質であり、それぞれの作用を発揮する物質であれば特に限定はないが、例えば、消臭剤としてはフラボノイド等の植物由来成分、殺菌剤としては塩化ベンザルコニウム、次亜塩素酸塩、抗ウイルス剤としては次亜塩素酸塩、抗カビ剤としては次亜塩素酸塩等が挙げられる。
多孔質微粒子が機能性化学物質を包含するとは、多孔質微粒子の内部及び表面の孔に機能性化学物質が含まれる場合をいう。多孔質微粒子に機能性化学物質を包含させるための方法は、マイクロカプセルの材質や作成方法にもよるが、例えば無機マイクロカプセルに機能性化学物質を包含させるためには、加圧状態にて機能性化学物質を多孔質微粒子に含浸させるとよい。ここで、機能性化学物質を多孔質微粒子に含浸させる際の圧力は0.1〜2.0MPaが好ましく、1.2〜1.5MPaがより好ましい。含浸させる時間については、機能性化学物質が多孔質微粒子に充分に含浸されれば特に限定はなく、また機能性化学物質及び多孔質微粒子の種類にもよるが、例えば10分〜2時間が好ましい。
保護剤は、機能性化学物質を内包した多孔質微粒子を被覆する物質であり、機能性化学物質が漏れ出すのを防止する。
保護剤が多孔質微粒子を被覆するとは、多孔質微粒子の外側表面の略全体にわたって、多孔質微粒子外表面に保護剤が付着した状態をいうが、必ずしも外表面全体に隙間なく付着している必要はなく、勿論外表面全体に隙間なく付着していても良い。
保護剤としては、多孔質微粒子の表面に被覆した際に、表面に微細な穴が形成されるような性質が好ましい。また、多孔質微粒子を被覆する保護剤の層が厚すぎると、機能性化学物質が保護剤の層を透過することができない。以上を鑑みて、マイクロカプセルに対する、保護剤自体の重量比率は、3〜40%であればよく、5〜20%がより好ましい。
多孔質微粒子が保護剤を透過するとは、多孔質微粒子を保護剤で被覆した際、表面に微細な穴が形成されるような場合には、機能性化学物質がその微細な穴を通り抜けたり保護剤の層自体を通り抜けたりして外に出ることをいう。また、保護剤の材質によって、多孔質微粒子が保護剤により微細な穴を形成することなく被覆されるような場合には、その保護剤の層自体を通り抜けて外に出ることをいう。
保護剤の材質は、有機系素材、無機系素材のいずれであってもよいが、機能性化学物質自体と反応し、機能性化学物質の性質に影響を与えるような物質は避けるのが望ましい。
保護剤の有機系素材としては、具体的にはアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂のいずれか1種又は2種以上からなる複合物を挙げることができる。保護剤の無機系素材としては、ケイ素化合物、チタン化合物のいずれか1種又は2種以上からなる複合物を挙げることができる。
保護剤により、マイクロカプセル表面を被覆する方法としては、保護剤の材質として有機系素材を使用する場合には、マイクロカプセルを樹脂に含浸させるとよい。
無機系素材による保護剤としては、ケイ素化合物やチタン化合物が好適である。多孔質微粒子を被覆する方法としては特に限定はないが、例えば水ガラスや正ケイ酸エチルにマイクロカプセルを含浸させ、加水分解反応を起こすことにより、それぞれケイ酸や二酸化ケイ素を形成し、多孔質微粒子を被覆することができる。
保護剤によるマイクロカプセル外表面の被覆を早めるために、反応促進剤を使用してもよい。反応促進剤としては、例えばアミン化合物などを使用すればよいが、機能性化学物質への影響のないものであればよく、これに限定されない。
フィルタの濾材は、空気を通過させることのできる部材である必要があり、例えば繊維状構造物が好ましい。より具体的には、不織布であって、材質はポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン又はこれらの混紡品が挙げられる。不織布の目付は40g/m2以上であればよく、100g/m2以上がより好ましい。
マイクロカプセルをフィルタに保持させる方法としては、フィルタをどのように傾けても、マイクロカプセルがフィルタ全体に偏りなく保持されるような方法が望ましい。
マイクロカプセルをフィルタ全体に偏りなく保持させるような方法としては特に限定はないが、例えば、2枚のフィルタ濾材によりマイクロカプセルを一定の圧力がかかるように挟み込み、挟持する方法が挙げられる。この際には、フィルタをどのように傾けてもマイクロカプセルがフィルタの一部に偏らないようにするために、片方のフィルタの略全面にわたって、もう一方のフィルタ方向にマイクロカプセルを押さえつけるための圧力がかかっていることが望ましいが、マイクロカプセルがフィルタの一部に偏らないようになっていればよく、これに限定されない。
一方、フィルタの濾材の種類によっては、例えば濾材が薄すぎたり、濾材の可撓性が高すぎたりするといった理由により、ただ一定の圧力をかけてマイクロカプセルを挟むだけではマイクロカプセルを十分に保持できない場合もある。
そこで、より確実にマイクロカプセルを保持するために、フィルタ濾材中にマイクロカプセルの収容室を格子状に設けてもよい。収容室のサイズについては、1〜25cm2が好ましい。収容室は、2枚のフィルタにマイクロカプセルを挟んだ後、水平に保ちながら格子状に縫合したり、融着したりするなど、そのフィルタの素材等に応じて適宜選択した方法により作製するとよい。
以上にして、フィルタに保持させるマイクロカプセルの重量は、フィルタの単位面積当たり100〜1000g/m2が好ましく、300〜1000g/m2がより好ましい。
本発明の詳細を実施例に基づいて説明するが、本発明の趣旨はこれに限定されるものではない。また、以下のすべての評価試験において使用する不織布は、日本バイリーン社製、目付が150g/m2のものを使用した。
(製造例1)消臭剤マイクロカプセルの調製
二酸化ケイ素粒子(東ソー・シリカ製:ニップシルKQ)50重量部に対して液状消臭剤(高砂香料製:DEOATAK)30重量部を、1.5MPaで1時間、加圧して含浸させた。その後正ケイ酸エチル(昭和化学製)50重量部を添加し、該正ケイ酸エチルを加水分解してケイ酸ガラスを生成させて二酸化ケイ素粒子を被覆させた。
(製造例2)殺菌剤マイクロカプセルの調製
二酸化ケイ素粒子(東ソー・シリカ製:ニップシルKQ)50重量部に対し液状殺菌剤(丸石製薬製:塩化ベンザルコニウム)30重量部を、1.5MPaで30分間、加圧して含浸させた。その後正ケイ酸エチル(昭和化学製)50重量部を添加し、該正ケイ酸エチルを加水分解してケイ酸ガラスを生成させて二酸化ケイ素粒子を被覆させた。
(製造例3)抗カビ剤マイクロカプセルの調製
二酸化ケイ素粒子(東ソー・シリカ製:ニップシルKQ)50重量部に対し液状防カビ剤(昌栄化学製:レバナックスAM−100)30重量部を、1.5MPaで2時間、加圧して含浸させた。その後正ケイ酸エチル(昭和化学製)50重量部を添加し、該正ケイ酸エチルを加水分解してケイ酸ガラスを生成させて二酸化ケイ素粒子を被覆させた。
(実施例1)
製造例1にて製造した消臭剤マイクロカプセルを2枚の不織布に挟み、水平に保った状態で3×3cmの格子状に縫合して収容室を作製し、1kg/m2となるように消臭性フィルタを作製した。
(実施例2)
製造例1にて製造した消臭剤マイクロカプセルを2枚の不織布に挟み、水平に保った状態で3×3cmの格子状に縫合して収容室を作製し、0.2kg/m2となるように消臭性フィルタを作製した。
(比較例1)
消臭剤(高砂香料工業製:DEOATAK)を不織布に0.4kg/m2となるように含浸させ、消臭性フィルタ作製を試みた。しかし、消臭剤を含浸させる際、不織布自体の保水性能が十分でないことから、目的量の消臭剤を付着させることができず、フィルタ取得に至らなかった。尚、消臭剤を不織布に0.4kg/m2となるように含浸させた場合、実施例1のフィルタに保持させた消臭剤と同等量に相当する。
(比較例2)
消臭剤(高砂香料工業製:DEOATAK)を不織布に0.08kg/m2となるように含浸させ、消臭性フィルタを作製した。尚、消臭剤を不織布に0.08kg/m2となるように含浸させた場合、実施例2のフィルタに保持させた消臭剤と同等量に相当する。
(消臭性評価試験)
実施例1、2、比較例2及び消臭剤を付与しない未処置の不織布フィルタについて消臭性評価試験を行った。まず、密閉可能な容器(以下、エアパックという)を4つ用意し、実施例1、2、比較例2及び消臭剤を付与しない未処置の不織布フィルタを、フィルタ別に入れた後、エアパック内に硫化水素とアンモニアの混合ガス(以下、臭気ガスという)を100ppmの濃度となるように導入した。臭気ガス導入から1時間後にエアパック内の臭気ガス濃度の測定を行うことにより、各フィルタが臭気ガスを消去したか否か判定した。この際、エアパック内の臭気ガスの濃度の測定値が1ppm以下であった場合、臭気ガスは消去されたと判定した。その後、フィルタはエアパック内に残したまま、再度エアパック内に臭気ガスを濃度100ppmとなるように導入し、1時間後にエアパック内の臭気ガス濃度の測定を行った。以上の工程を、各フィルタにつき、臭気ガス濃度が減少しなくなるまで繰り返し、各フィルタが臭気ガスを吸着した回数を集計した。
(消臭性評価試験結果)
Figure 2014000155
表1に示したように、未処置の不織布フィルタにおいては、1回の吸着しか見られなかったのに対し、実施例1及び2のフィルタでは顕著な吸着回数の増加が見られた。以上から、本発明のフィルタは、消臭性能の持続性に優れることが確認された。また、同等量の消臭剤を保持する実施例2及び比較例2の比較により、本発明に係るフィルタは同等の消臭剤を保持させた従来品に比べ、効果持続力に優れていることが確認された。更には、比較例1のフィルタは、不織布の保水能力の限界から作製できなかった一方で、実施例1のフィルタにおいては比較例1で作製を試みたのと同等量の消臭剤をフィルタに保持させることが可能であったことから、フィルタに消臭剤を保持させる能力にも優れることが確認された。以上から、本発明に係るフィルタは、従来品に比べて消臭剤の保持能力と効果持続力の双方において優れた効果を示すことが確認された。
(実施例3)
製造例2にて製造した殺菌剤マイクロカプセルを2枚の不織布に挟み、水平に保った状態で3×3cmの格子状に縫合して収容室を作製し、1kg/m2となるように殺菌性フィルタを作製した。
(実施例4)
製造例2にて製造した殺菌剤マイクロカプセルを2枚の不織布に挟み、水平に保った状態で3×3cmの格子状に縫合して収容室を作製し、0.2kg/m2となるように殺菌性フィルタを作製した。
(殺菌性評価試験)
実施例3、4及び殺菌剤を付与しない未処置の不織布フィルタについて殺菌性評価試験を試みた。まず、大腸菌O−81を1.0×106個/mL含む水100mLを3つ用意し、実施例3、4のフィルタおよび殺菌剤を付与しない未処置の不織布をそれぞれ10cm2別々に浸漬して33℃の条件下で静置した。試験開始時、試験開始1日後、2日後における水中の大腸菌数をATPアナライザー(東亞ディーケーケー社製:AF−100)により測定した。
(殺菌性評価試験結果)
以下に、殺菌性評価試験結果を示す。尚、各データの単位は(個/mL)である。
Figure 2014000155
表2に示したように、未処置の不織布フィルタを入れた水においては経日的に大腸菌数の増加が見られたが、本発明に係るフィルタを入れた水においては経日的に大腸菌数の減少が見られた。よって、本発明に係るフィルタの殺菌性能が確認された。
(実施例5)
製造例3にて製造した防カビ剤マイクロカプセルを2枚の不織布に挟み、水平に保った状態で3×3cmの格子状に縫合して収容室を作製し、10kg/m2となるように防カビフィルタを作製した。
(実施例6)
製造例3にて製造した防カビ剤マイクロカプセルを2枚の不織布に挟み、水平に保った状態で3×3cmの格子状に縫合して収容室を作製し、1kg/m2となるように防カビフィルタを作製した。
(防カビ性評価試験)
実施例5、6及び防カビ剤を付与しない未処置の不織布フィルタについて防カビ性評価試験を試みた。カビ胞子及びカビの栄養源としての寒天水溶液をそれぞれのフィルタに噴霧し、試験開始時、試験開始7日後、試験開始14日後におけるカビの発生度合いを観察した。
(防カビ性評価試験結果)
以下に、防カビ性試験の結果を示す。表中の×は、カビの菌糸が確認されなかったことを示す。
Figure 2014000155
表3に示したように、防カビ剤を付与していない未処置の不織布フィルタにおいては、試験開始7日後にカビの菌糸が確認され、14日後にはさらに成長している様子が確認された。一方で、実施例5及び6の不織布においては、7日後及び14日後の双方においてカビの菌糸は確認されなかった。以上より、本発明におけるフィルタの防カビ性能が確認された。


Claims (6)

  1. 空気を通過させるフィルタであって、該フィルタはマイクロカプセルを濾材に保持させてなり、前記マイクロカプセルは、機能性化学物質を包含する多孔質微粒子が、前記機能性化学物質が透過可能な保護剤で被覆されてなるフィルタ。
  2. 前記多孔質微粒子は、濾材に挟持させることにより保持されてなる、請求項1に記載のフィルタ。
  3. 前記多孔質微粒子が、二酸化ケイ素、アルミナ、ゼオライト、多糖類及び発泡樹脂より選ばれる一種又は二種以上からなる、請求項1又は2に記載のフィルタ。
  4. 前記多孔質微粒子の外径が50〜500μmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィルタ。
  5. 前記保護剤が、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ケイ素化合物及びチタン化合物より選ばれる一種又は二種以上からなる請求項1〜4の何れか1項に記載のフィルタ。
  6. 前記濾材が、前記マイクロカプセルを収容する複数の区分けされた収容室を備える請求項2〜5の何れか1項に記載のフィルタ。




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