JP2014188227A - 携帯型空気清浄具 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構造で十分な抗菌作用等を有する空気清浄物質を担持でき、担持された空気清浄物質の定量化と揮散量と揮散速度が長期間にわたって安定しており、軽量であって、外圧にも強く、均質な製品の提供が可能で、安全に使用でき廃棄時の環境負荷も低い携帯型空気清浄具を提供すること。
【解決手段】揮散性を有する空気清浄物質を一部に通気孔を有する携帯型の容器に担持させた多数個の多孔質固形担体を収納させ、前記各多孔質固形担体から揮散する前記担持させた空気清浄物質を前記通気孔から放出させて容器周囲の空気を清浄にする携帯型空気清浄具において、前記各多孔質固形担体が、有機物を原料として人工的に生産された所定の径を有する粒状体であるとともに少なくとも表面に略均一径を有する微細な孔が所定の密度で形成された略均質体であり、前記空気清浄物質の単位時間当たりの揮散量を調節可能に前記各多孔質固形担体に担持させた。
【選択図】図1

Description

本発明は、抗菌作用、抗ウィルス作用および消臭作用等を有する揮散性の空気清浄物質を担持させた担体を、携行可能な容器に収納し、前記容器に形成した通気孔等を介して空気清浄物質を放出させて、携行者の周囲における空気中に存在している菌の殺菌や増殖を抑制するために用いられる携帯型空気清浄具に関する。
従来、身の周りの雰囲気についての抗菌対策等としては、例えば、液体のエタノールの消毒液を所持して必要に応じて殺菌を必要とする箇所に向けて噴霧等する方法が知られている。しかしながら、液体の消毒液は、使用量の調節が困難であるだけでなく、携行中に内溶液が漏れることや、常に手を使って噴霧する必要があり不便であった。
そこで、この不便さを解決する手段として、揮散性の空気清浄物質(抗菌性、抗ウィルス性または消臭性等を有する物質)を多孔質固形担体に担持させて携帯型の容器に収納させて携行者の周辺で放出することにより、その周囲の一定範囲において一定期間、上記作用をもたらすように設計された携帯型空気清浄具が知られている(特許文献1及び2)。
そして、従来、前記空気清浄物質を担持する多孔質固形担体としては、長期間にわたり空気清浄物質の作用を維持し、小スペースにできる限り多くの量を担持可能で、一定量の空気清浄物質を揮散する作用を有する多孔質で表面積が大きく、担持した空気清浄物質の揮散作用を有する担体が求められており、例えば、無機質の多孔質鉱物であるゼオライトやセピオライト等を細かく破砕したものが用いられている。
しかしながら、粒径が不揃いな天然のゼオライトは勿論のこと、比較的均一な人工のものであっても均一な粒状に揃えることが難しく、その結果、これらの多孔質固形担体を用いた携帯型空気清浄具は、空気清浄物質の揮散時間が一定にならないことがあり、空気清浄物質を一定時間、一定量を安定的に揮散するための担体としては採用し難いという問題がある。
また、ゼオライトのような無機質を原料とする多孔質固形担体は、一般に崩れ易く、携行時に加わる振動などの衝撃により内部に担持されていた空気清浄物質が一気に放出されることがあると、長期間の安定した空気清浄物質の放出が行われないだけでなく、一時的に高濃度の空気清浄物質が放出されることで携行者等の体に負担をかけるおそれがある。
さらに、ゼオライト等の無機質担体は、その担体表面に有する孔の孔径が数Å〜数千Åの範囲に渡る超微細であるため、使用される空気清浄物質によっては、ゼオライト等の無機質担体に吸着した状態でほとんど揮散されないような場合もあるため、使用される空気清浄物質の物理的特性や分子量によっては使用が制限される場合がある。
そこで、このようにゼオライト等の無機質担体を使用する場合には担体の性能の差を考慮しつつ、製品誤差が表れないようにするため、従来の携帯型空気清浄具は、前記担体から放出される空気清浄物質が大気中へ放出される前に一時的に溜まるように外袋と内袋の間に空間を設けたり、通気孔の位置と数にも注意をする必要があるためデザイン上の制限もあった。
加えて、環境汚染の観点から多孔質固形担体を収納する容器を可燃物により形成したとしても、ゼオライト等の無機質担体は廃棄する際に通常不燃物として処理されるため、使用後に分解して内部に収容されているゼオライトは不燃物として別に廃棄する必要があり使用者への負担が多い。
特開2012−90743号 特開2006−212104号
そこで、本発明は、簡単な構造で十分な抗菌作用、抗ウィルス作用、消臭作用等を有する空気清浄物質を担持でき、担持された空気清浄物質の定量化と揮散量と揮散速度が長期間にわたって安定しており、軽量であって、外圧にも強く、均質な製品の提供が可能で、安全に使用でき廃棄時の環境負荷も低い携帯型空気清浄具を提供することを課題とする。
前記課題を解決するためになされた本発明は、一部に通気孔を有する携帯型の容器に揮散性を有する空気清浄物質を担持させた多数個の多孔質固形担体を収納させ、前記各多孔質固形担体から揮散する前記担持させた空気清浄物質を前記容器の通気孔から放出させて容器周囲の空気を清浄にする携帯型空気清浄具において、前記各多孔質固形担体が、有機物を原料として人工的に生産された所定の径を有する粒状体であるとともに少なくとも表面に略均一径を有する微細な孔が所定の密度で形成された略均質体であり、前記各多孔質固形担体に単位時間当たりの揮散量を調節可能に空気清浄物質を担持させたことを特徴とする。
そして、本発明は、前記各多孔質固形担体が、木材パルプ等から抽出されたセルロースを主成分とすると環境面からも好ましい。
また、本発明は、前記携帯型の容器が一部に通気孔を有する非通気性の材料で形成された扁平な外袋と通気性の材料で形成された前記多数個の多孔質固形担体を収納するとともに前記外袋に収納される扁平な内袋により構成されていることを特徴とする。
さらに、本発明は、前記内袋と前記内袋を収納する外袋の収納部の長辺又は短辺の少なくともいずれか一方が略同一の長さを有するとともに、前記内袋は収納した前記多数個の多孔質固形担体を所定の左右または上下の少なくとも一方向における所定位置に集合保持させたことを特徴とする。
加えて、本発明は、前記外袋の通気孔が前記集合保持させた前記多孔質固形担体の保持位置に合わせて形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、十分な抗菌、抗ウィルス作用および消臭作用等を保持しつつ、有機物により人工的に合成され微細な孔を表面に有する略球形の多孔質固形担体を用いたことにより担持された空気清浄物質のほぼ全量排出を可能とするとともに、各多孔質固形担体の空気清浄物質の担持量の定量化を可能とし、効力持続時間の調節が簡単で且つ、均質な製品の提供が可能で、軽量であって、外圧にも強く、使用中も安全で且つ、使用後の使用者への前記多孔質固形担体の廃棄上の負担も少ない携帯型空気清浄具を提供する。
本実施の形態における携帯型空気清浄具の正面図 本実施の形態における携帯型空気清浄具の断面図 本実施の形態における携帯型空気清浄具の通気性の材料を用いた内袋の正面図 本実施の形態における携帯型空気清浄具と従来の携帯型空気清浄具の二酸化塩素ガスの時間当たりの放出量の推移を比較したグラフである。
次に、本発明を好ましい実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明における実施の形態である携帯型空気清浄具1の正面図を示したものである。携帯用容器は非通気性の材料で成形された外袋2の中に図3に示すような例えば不織布のような通気性の材料により成形された内袋4が収容され、図2の断面図に示すように、内袋4を密閉された外袋2に収容した2層構造であって、前記内袋4の中に抗菌、抗ウィルス、消臭活性等を有する空気清浄物質が担持された多孔質固形担体3が収容されている。
前記外袋2としては、密閉性を保ち且つ化学変性しにくい素材が選択され、空気清浄物質の変質や安定性の面を考慮して例えばアルミニウムシートのような遮光性と気密性を有する素材により形成されていることが好ましい。本外袋2は、図1に示すように正面にいくつかの通気孔22が形成されているが、本携帯型空気清浄具1の使用前においては、シール24により前記通気孔22は塞がれ、密閉性を保持し、使用前に内部に収容した空気清浄物質が大気中に放出されることや空気と接触することによる化学反応が進行することを防いでいる。
なお、外袋2に設けられた通気孔22は、本実施の形態においては、外袋2の上側に8箇所の通気孔22を設けているが、この通気孔の形状、数または位置は、特に限定されず少なくとも一つ以上で均一に空気清浄物質を大気中へ放出でき、内袋4が外にこぼれ出さない形状および大きさであればよい。
また、本外袋2の大きさとしては、携帯性にすぐれ且つ効果の発揮する量の抗菌物質を保持することができる大きさが必要とされる。そこで本実施の形態においては、カードホルダー程度の大きさで、首から掛けられるように、ストラップ孔21を設けた形状とし、図2の断面図に示すように、本外袋2は内部の密閉性を保つため、外周部は一定幅の接着面23を設けて接着し袋体とした。
内袋4は前記多孔質固形担体3から揮散する空気清浄物質を透過するため通気性の材料が選択される。本実施の形態における内袋4は通気性にすぐれて、空気清浄物質による変性も起こしにくく、一定の物理的強度を有する不織布を使用することが好ましい。そして、所定の大きさの不織布を二つ折りにして2辺を接着して袋状体とした後、その内部に所定量の空気清浄物質を担持させた多孔質固形担体3を収容し、その開口部を接着した(図3)。
そして、図2に示すように本実施の形態における内袋4は、外袋2の内壁に密着させるように、内袋4の長辺の長さと外袋2の内側の袋体部分の長辺の長さを略同一の方形として隙間無く配置した(なお、製造上内袋4と外袋2の間にいくらかの隙間が生ずることがあるが、この隙間が前記空気清浄物質の拡散や、通気孔との関係においてに影響を与えることはない)。そして、この構成とすることにより、内袋4を外袋2に収容した場合に、内袋4がしっかりと固定され、外袋2の内部で不要にゆれたり、偏ったりすることにより不要な振動が多孔質固形担体3に伝わることが無いだけでなく、多孔質固形担体3から揮散された空気清浄物質を均一に袋外へ放出することができる。
さらに、図2に示すように前記多孔質担体3は自然状態においては、内袋4の底部に広がるように配置されている。しかし、図3の点線で示すように内袋4の正面部の一部に追加接着部441を設けることで、多孔質固形担体3が内袋4の略中央部に集中して配置されるため、多孔質固形担体3から揮散された空気清浄物質をより均一に袋外へ放出させることができる。なお、前記追加接着部441の接着位置や方向について特に制限はないが、外袋2に設けられた通気孔22との位置関係や加工のし易さ等を考慮すると、例えば、図3に破線で示すように正面から見て略U字型に追加接着部441を設けると好ましい。
次に、前記多孔質固形担体3としては、有機質の多孔質固形担体を用い、より好ましくはセルロースを主成分とする人工の多孔質固形担体が好ましい。前記人工の多孔質固形担体は、従来のゼオライトを破砕したものとは異なりほぼ均一粒径を有し、その表面に均一の孔を有しているだけでなく、球形で角が少なく、軽量で軟らかい素材であるため、内袋4内で前記多孔質固形担体3同士の衝突が起きた場合にも破砕されにくく、使用中に砂状に破砕された担体が漏れ出すようなことがない。なお、各担体の粒径や孔の大きさについては担持される空気清浄物質により適宜選択される。
そして、前記空気清浄物質としては、抗菌作用、抗ウィルス作用および消臭作用を有している物質として次亜塩素酸や二酸化塩素を主成分とするものが知られているところ、具体的には、安全性の面から二酸化塩素を主成分とするものが好ましい。なお、二酸化塩素は常温ではガス状(気体)で存在しているため、空気清浄物質として前記多孔質固形担体へ担持する場合には、例えば特開昭61−181532号公報に記載されているような方法により調整した二酸化塩素溶液を用いることが好ましい。
ここで、空気清浄物質の多孔質固形担体3への担持方法としては、選択される空気清浄物質や、使用される有機質の多孔質固形担体の粒径や表面の孔の大きさによっても異なるが、担持させる空気清浄物質の溶液に所定時間、前記多孔質固形担体を漬けることにより、目的の空気清浄物質を前記多孔質固形担体へ含浸することができる。
また、本実施の形態における多孔質固形担体3は人工的に合成しているため、製造時における商品ごとの抗菌物質含浸量の差が少なく均質な製品の提供が可能なだけでなく、各多孔質固形担体の表面に十分な大きさの孔が均一に配置されているため、図4のBのグラフに示したような急激な二酸化塩素ガスの揮散が起こることがなく安全である。
そして、使用時においては、密閉された外袋2に付されたシール24を剥がすと通気孔22が開放されて、多孔性固形担体3が空気と接触することで化学反応により空気清浄物質の揮散が始まり、携行者が保持している携帯型空気清浄具1を中心として所定の範囲において一定の期間の抗菌作用、抗ウィルス作用、消臭作用等が生ずる。
なお、本実施の形態では、携帯型の容器として、扁平な内袋と外袋とからなるカード型の容器としたが、本発明における容器は空気清浄物質を担持させた前記多孔質固形担体を携帯可能に収納できるとともに空気清浄物質を揮散させる通気孔を有していればよく、例えばペンダント、ネックレスなど他の携帯型の容器であっても同様にして実施できるものである。
特に本発明の多孔性固形担体は、従来のゼオライトのように衝撃により微粒子状に破砕されてこぼれたりすることもなく、形状を保持できるので優れている。
粒径が約3mm、表面の孔径約100μmの均一の独立孔を有している木材を原料として人工的に均質に製造されたセルロースビーズからなる多孔質固形担体(レンゴー株式会社製の商品名ビスコパール(登録商標))を10重量%二酸化塩素溶液に所定の時間含浸させて空気清浄物質を担持させた多孔質固形担体を作成した。
前記実施例(破線A)と従来のゼオライトを多孔質固形担体として用いて同一条件で作成した比較例(実線B)についての揮散される二酸化塩素(二酸化塩素ガス)濃度の経時的変化を図4に示す。
図4に示すように、Aに示す本実施の形態に用いられる多孔質固形担体3は、抗菌活性等が有効であると認められる濃度ラインより少し上方の0.001mg/g〜0.002mg/gの範囲で31日間において二酸化塩素ガスを安定的に揮散しているのに対して、Bに示す従来の実施の形態の場合においては、開封から15日間の間に多量の二酸化塩素ガスを揮散し、15日目以降においては、そのガス揮散量は活性に必要とされる量以下の値まで急落していることが示された。
したがって、本実施の形態に用いた多孔質固形担体3は、従来の鉱物由来の担体と比較して二酸化塩素ガスをより安定的に揮散することができるため、長期間(本実施例においては31日間)の安定的な抗菌活性を求められる携帯型空気清浄具に用いられる担体として、本実施例の多孔質固形担体3(セルロースビーズ)は非常に有効であることが判明した。
1 携帯型空気清浄具、2 外袋、21 ストラップ孔、22 通気孔、23 接着面、24 シール、3 多孔質固形担体、4 内袋、41 接着面、411 追加接着部

Claims (5)

  1. 揮散性を有する空気清浄物質を一部に通気孔を有する携帯型の容器に担持させた多数個の多孔質固形担体を収納させ、前記各多孔質固形担体から揮散する前記担持させた空気清浄物質を前記通気孔から放出させて容器周囲の空気を清浄にする携帯型空気清浄具において、
    前記各多孔質固形担体が、有機物を原料として人工的に生産された所定の径を有する粒状体であるとともに少なくとも表面に略均一径を有する微細な孔が所定の密度で形成された略均質体であり、前記空気清浄物質の単位時間当たりの揮散量を調節可能に前記各多孔質固形担体に担持させたことを特徴とする携帯型空気清浄具。
  2. 前記各多孔質固形担体がセルロースを主成分とすることを特徴とする請求項1に記載の携帯型空気清浄具。
  3. 前記携帯型の容器が一部に通気孔を有する非通気性の材料で形成された扁平な外袋と、通気性の材料で形成された前記多数個の多孔質固形担体を収納して前記外袋に収納される扁平な内袋により構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯型空気清浄具。
  4. 前記内袋と前記内袋を収納する外袋の収納部の長辺又は短辺の少なくともいずれか一方が略同一であるとともに、前記内袋は収納した前記多数の多孔質固形担体を所定の左右または上下の少なくとも一方向における所定位置に集合保持させたことを特徴とする請求項3に記載の携帯型空気清浄具。
  5. 前記外袋の通気孔が前記集合保持させた前記多孔質固形担体の保持位置に合わせて形成されていることを特徴とする請求項4に記載の携帯型空気清浄具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR102081414B1 (ko) * 2019-08-28 2020-02-25 박은지 카트리지 공급 방식의 실내 및 차량용 방향제 장치

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