JP2013545463A - 核酸含有粒子の単離および該粒子からの核酸の抽出のための方法 - Google Patents

核酸含有粒子の単離および該粒子からの核酸の抽出のための方法 Download PDF

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Abstract

1回または複数回の遠心分離法によって生物試料から核酸含有粒子を単離する段階、高品質核酸抽出を妨害するかまたは妨害しうる有害な要因を軽減するための1つまたは複数の段階を実施する段階、および単離された該粒子から核酸を抽出する段階によって該生物試料から核酸を抽出するための方法を提供する。該遠心分離法は、約200,000 gを超えない速度で実施される。抽出された該核酸は、18S rRNAおよび28S rRNAの両方を含有する。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、その全内容が参照により本明細書に組み入れられる、2010年11月10日に提出された米国特許仮出願第61/412,369号に対する優先権を主張する。
発明の分野
本発明は、生物試料からの核酸抽出の全般的分野に関し、特に体液からの核酸含有粒子の単離および単離された粒子からの核酸の抽出に関する。
背景
細胞から排出される小さい微小胞はしばしば、「エクソソーム」として記載される(Thery et al., 2002)。エクソソームは、直径およそ30〜100 nmを有すると報告され、正常および病的な状態の両方において多くの異なる細胞タイプから排出される(Thery et al., 2002)。エクソソームは、典型的に、後期エンドソーム膜が内側に陥入してねじりとられることにより形成される。これによって、小さい脂質二重層小胞を含む多小胞体(MVB)が形成され、この脂質二重層小胞の各々が親細胞の細胞質の試料を含む(Stoorvogel et al., 2002)。MVBと細胞膜との融合により、これらのエクソソームが細胞から放出されて、血液、尿、脳脊髄液、または他の体液へと送達される。
細胞由来微小胞の別のカテゴリは、細胞の形質膜から直接出芽することによって形成され、これらは通常エクソソームよりサイズが大きく、エクソソームと同様に、親細胞の細胞質の試料を含有する(Cocucci et al., 2009)(Orozco and Lewis, 2010)。
最近の研究により、微小胞内の核酸が、バイオマーカーとしての役割を有することが明らかとなっている。たとえば、WO 2009/100029は、中でも、医学的診断、予後、および治療を評価するためにGBM患者の血清中の微小胞から抽出された核酸を用いることを記載している。WO 2009/100029はまた、同じ目的のためにヒト尿中の微小胞から抽出された核酸を用いることも記載している。微小胞から抽出された核酸を用いることにより、生検の必要がおそらくなくなると考えられ、微小胞生物学の診断上の大きい可能性が強調される(Skog et al., 2008)。
生物試料から微小胞を単離するいくつかの方法が、当技術分野において記載されている。たとえば、分画遠心分離法は、Raposo et al.(Raposo et al, 1996)の論文、Skog et al.(Skog et al., 2008)の論文、およびNilsson et al.(Nilsson et al., 2009)の論文に記載されている。陰イオン交換および/またはゲル透過クロマトグラフィー法は、米国特許第6,899,863号および同第6,812,023号に記載されている。蔗糖密度勾配またはオルガネラ電気泳動法は、米国特許第7,198,923号に記載されている。磁気活性化細胞ソーティング法(MACS)は、Taylor and Gercel-Taylor(Taylor and Gercel-Taylor, 2008)の論文に記載されている。ナノメンブレン限外濾過濃縮法は、Cheruvanky et al.(Cheruvanky et al., 2007)の論文に記載されている。パーコール勾配単離法は、Miranda et. al(Miranda et al., 2010)の刊行物において記載されている。さらに、微小胞は、マイクロ流体デバイスによって対象の体液から同定および単離されうる(Chen et al., 2010)。
核酸バイオマーカーの研究開発ならびに商業的適用において、生物試料から高品質の核酸を、一貫して確実にしかも実用的に抽出することが望ましい。それゆえ、本発明の目的は、体液などの生物試料から核酸含有粒子を迅速かつ容易に単離するための、および単離された粒子から高品質核酸を抽出するための方法を提供することである。本発明の方法は、研究室または臨床の状況で、または屋外で用いるための小型のデバイスまたは機器に適合させるのにおよび組み込むのに適していると考えられる。
概要
本発明は、低速遠心分離を用いて、生物試料から粒子をペレット化して、粒子から高品質の核酸を抽出することができるという本発明者らの発見に基づいている。1つの局面において、本発明は、約200,000 gを超えない速度での1回または複数回の遠心分離法によって生物試料から核酸含有粒子を単離する段階、高品質核酸抽出を妨害するかまたは妨害しうる有害な要因を軽減するための1つまたは複数の段階を実施する段階、および単離された粒子から核酸を抽出する段階によって核酸を抽出するための方法である。
いくつかの態様において、遠心分離法は、約2,000 g〜約200,000 gの速度で実施される。他の態様において、遠心分離法は、約50,000 gを超えない速度で実施される。なお他の態様において、遠心分離法は、約20,000 gを超えない速度で実施される。いくつかの態様において、方法は、微小胞、RNA-タンパク質複合体、DNA-タンパク質複合体、または、微小胞、RNA-タンパク質複合体およびDNA-タンパク質複合体の任意の組み合わせから核酸を抽出するために用いられる。
いくつかの態様において、生物試料は、体液、たとえば対象の血清または尿試料である。対象は、たとえばヒトまたは他の哺乳動物でありうる。抽出された核酸は、RNA、DNA、または、RNAおよびDNAの両方でありうる。いくつかのさらなる態様において、このように抽出された核酸は、EGFR、BRAF、KLK3、18S、GAPDH、HPRT1、GUSB、ACTB、B2M、RPLP0、HMBS、TBP、PGK1、UBC、PPIA、ALCAM、C5AR1、CD160、CD163、CD19、CD1A、CD1C、CD1D、CD2、CD209、CD22、CD24、CD244、CD247、CD28、CD37、CD38、CD3D、CD3G、CD4、CD40、CD40LG、CD5、CD6、CD63、CD69、CD7、CD70、CD72、CD74、CD79A、CD79B、CD80、CD83、CD86、CD8A、CD8B、CD96、CHST10、COL1A1、COL1A2、CR2、CSF1R、CTLA4、DPP4、ENG、FAS、FCER1A、FCER2、FCGR1A/FCGR1B/FCGR1C、HLA-A/HLA-A29.1、HLA-DRA、ICAM2、IL12RB1、IL1R2、IL2RA、ITGA1、ITGA2、ITGA3、KLRB1、KLRC1、KLRD1、KRT18、KRT5、KRT8/LOC728638、MS4A1、MYH10、MYH9、MYOCD、NCAM1、NOS3、NT5E、PECAM1、RETN、S100A8、SELP、ST6GAL1、EPCAM、TEK、TNFRSF4、TNFRSF8、TPSAB1/TPSB2、VCAM1、またはVWFに対応する核酸配列に対して90%超の相同性を有する1つまたは複数のポリヌクレオチドを含有する。
いくつかの態様において、18S rRNAおよび28S rRNAは、抽出された核酸中において検出可能である。いくつかの例において、抽出された核酸中において検出される28S rRNAの量に対する18S rRNAの量の比率は、約0.5〜約1.0である。他の例において、抽出された核酸中において検出される28S rRNAの量に対する18S rRNAの量の比率は、約0.5である。
いくつかの態様において、有害な要因を軽減するための1つまたは複数の段階を実施する段階は、生物試料および/または単離された粒子を、DNアーゼ、RNアーゼ阻害剤、またはDNアーゼとRNアーゼ阻害剤の両方で処理する段階によって、達成される。ある態様において、有害な要因を軽減するための1つまたは複数の段階を実施する段階は、粒子を単離する前に生物試料をRNアーゼで処理する段階によって、達成される。
別の局面において、本発明は、上記の任意の方法によって生物試料から得られた核酸試料である。このようにして得られた核酸試料は様々な適用に用いることができる。いくつかの態様において、上記の方法および得られた核酸試料は、公知の疾患または他の医学的状態に関連する核酸試料内におけるバイオマーカーの有無を判定することによって対象の診断を助けるために用いられる。他の態様において、上記の方法および得られた核酸試料は、疾患もしくは他の医学的状態の公知の段階の進行もしくは再発または疾患もしくは他の医学的状態の再発に関連する試料内におけるバイオマーカーの有無を判定することによって、対象における疾患または他の医学的状態の進行または再発をモニターするために用いられる。なお他の態様において、上記の方法および得られた核酸試料は、疾患または他の医学的状態のための処置を受けているかまたは検討している対象に関する処置効果に関連する試料内におけるバイオマーカーの有無を判定することによって、疾患または他の医学的状態のための処置を受けているかまたは検討している対象に関する処置効果を評価するために用いられる。
いくつかのさらなる態様において、上記の適用において検出されるバイオマーカーは、EGFR、BRAF、KLK3、18S、GAPDH、HPRT1、GUSB、ACTB、B2M、RPLP0、HMBS、TBP、PGK1、UBC、PPIA、ALCAM、C5AR1、CD160、CD163、CD19、CD1A、CD1C、CD1D、CD2、CD209、CD22、CD24、CD244、CD247、CD28、CD37、CD38、CD3D、CD3G、CD4、CD40、CD40LG、CD5、CD6、CD63、CD69、CD7、CD70、CD72、CD74、CD79A、CD79B、CD80、CD83、CD86、CD8A、CD8B、CD96、CHST10、COL1A1、COL1A2、CR2、CSF1R、CTLA4、DPP4、ENG、FAS、FCER1A、FCER2、FCGR1A/FCGR1B/FCGR1C、HLA-A/HLA-A29.1、HLA-DRA、ICAM2、IL12RB1、IL1R2、IL2RA、ITGA1、ITGA2、ITGA3、KLRB1、KLRC1、KLRD1、KRT18、KRT5、KRT8/LOC728638、MS4A1、MYH10、MYH9、MYOCD、NCAM1、NOS3、NT5E、PECAM1、RETN、S100A8、SELP、ST6GAL1、EPCAM、TEK、TNFRSF4、TNFRSF8、TPSAB1/TPSB2、VCAM1、およびVWFからなる遺伝子のいずれか1つまたは複数に対応する核酸である。
本発明のなお別の局面は、上記の方法において用いるためのキットである。キットは、高品質核酸抽出を妨害するかまたは妨害しうる有害な要因を軽減するのに十分な量のRNアーゼ阻害剤、およびRNA精製試薬を含みうる。キットは任意で、溶解緩衝液、DNアーゼ、または単離された粒子からの核酸の抽出においてキットおよびその中に含まれる試薬を用いるための使用説明書を含みうる。
実施例1に記載される血清試料から単離された粒子から抽出された核酸の分析を示すBioanlayzerのプロットである。図1Aにおける擬似ゲルは、図1AのBioanlayzerプロットにおいて示された同じ核酸抽出の含有量を示す。プロットおよび擬似ゲルは、Agilent Bioanalyzerにおいて行ったRNAピコチップによって作製された。 実施例2に記載される血清試料から単離された粒子から抽出された核酸の分析を示すBioanlayzerのプロットである。プロットは、Agilent Bioanalyzerにおいて行ったRNAピコチップによって作製された。 実施例3に記載される血清試料から単離された粒子から抽出された核酸の分析を示すBioanlayzerのプロットである。プロットは、Agilent Bioanalyzerにおいて行ったRNAピコチップによって作製された。 以下の実施例5に記載される尿試料から単離された粒子から抽出した核酸の分析を示すBioanlayzerプロット、および同じ核酸抽出の含有量を示す擬似ゲルである。プロットおよび擬似ゲルは、Agilent Bioanalyzerによって作製された。 実施例4のグループA(遠心分離速度20,000 g)における血清試料から単離された粒子から抽出された核酸の分析を示すBioanalyserプロットである。 実施例5のグループB(遠心分離速度120,000 g)における血清試料から単離された粒子から抽出された核酸の分析を示すBioanalyserプロットである。 Taqman PCアレイによって分析した遺伝子に関する、実施例4のグループA(Y軸)とグループB(X軸)のCt値の比較を示すプロットである。
発明の詳細な説明
上記のとおり、細胞由来の小胞は、サイズが不均一であり、直径が約10 nm〜約5000 nmの範囲である。たとえば、「エクソソーム」は、直径およそ30〜100 nmを有するが、分泌膜小胞およびアポトーシス体はしばしばそれより大きいと記載される(Orozco and Lewis, 2010)。したがって、エクソソーム、分泌膜小胞、マイクロ粒子、ナノ小胞、アポトーシス体、ナノ粒子、および様々な技術を用いた膜小胞同時単離体を、それ以外であると明白に示されている場合を除き、本明細書全体を通して集合的に「微小胞」と呼ぶ。
他の核酸含有粒子、たとえばRNA-タンパク質複合体およびDNA-タンパク質複合体は、本明細書において記載される様々な方法および技術を用いて微小胞を同時に単離しうる。したがって、一般的な用語である「粒子」は、本明細書において、微小胞、RNA-タンパク質複合体、DNA-タンパク質複合体、および本明細書において記載される方法および技術に従って単離することができる任意の他の核酸含有粒子を指すために用いられる。本明細書において記載される方法および技術は、RNA-タンパク質複合体、DNA-タンパク質複合体、または他の核酸含有粒子、および全サイズの微小胞(小胞全体として、選択されたサブセットとして、または個々の種として)を単離するために同程度に適用可能である。
本発明は、核酸含有粒子を単離する際に、より低い遠心分離速度がより高い遠心分離速度と類似の結果を達成することができるという発見に一部基づいている。そのため、1つの局面において、本発明は、生物試料から粒子を単離し、かつ単離された粒子から核酸を抽出するための新規方法に指向される。本明細書において記載される方法によって得られた核酸抽出は、高品質核酸抽出が必要であるかまたは好ましい様々な適用に、有用でありうる。
本明細書において用いられる、核酸抽出に関連する「高品質」という用語は、18S rRNAおよび28S rRNAを、好ましくはおよそ1:1〜およそ1:2の比率で、およびより好ましくはおよそ1:2の比率で検出することができる抽出を意味する。理想的には、本明細書において記載される方法によって得られる高品質核酸抽出はまた、低タンパク質生物試料(たとえば、尿)に関してRNAインテグリティナンバー (RNA Integrity Number)が5超であるまたは5に等しいか、または高タンパク質生物試料(たとえば、血清)に関してRNAインテグリティナンバーが3超であるまたは3に等しいか、かつ核酸収量が、20 mlの低タンパク質生物試料20 mlまたは高タンパク質生物試料1 mlから50 pg/ml超または50 pg/mlであると考えられる。
RNAの分解は、遺伝子発現およびmRNA分析ならびに低分子RNAおよびマイクロRNAなどの非コードRNAの分析などにおいて、抽出されたRNAに関する下流の評価に有害な影響を及ぼしうることから、高品質のRNA抽出が望ましい。本明細書において記載される新規方法により、生物試料から単離された粒子から高品質核酸を抽出することが可能となり、それによって粒子内の核酸の正確な分析を行うことができる。
概して言えば、新規方法は、たとえば生物試料を得る段階;1つまたは複数の遠心分離段階によって生物試料から核酸含有粒子を単離する段階;試料からの核酸の高品質抽出を妨害する有害な要因を軽減または除去する段階;および単離された粒子から核酸を抽出する段階の後、任意で核酸の分析を行う段階を含む。遠心分離段階または複数の段階は、遠心分離によって生物試料から粒子を単離する従来の方法と比較して比較的低速で実施されうる。本明細書において記載される本発明の方法における遠心分離段階はいずれも約200,000 gを超えてはならない。
適した遠心分離速度は約200,000 gまでであり、たとえば約2,000 gから約200,000 g未満までである。約15,000 g超で約200,000 g未満の速度、または約15,000 g超で約100,000 g未満の速度、または約15,000 g超で約50,000 g未満の速度が好ましい。約18,000 gから約40,000 gまでまたは約30,000 gの速度、および約18,000 gから約25,000 gまでの速度が最も好ましい。特に好ましいのは約20,000 gの遠心分離速度である。
本明細書において記載される方法は、多様な市販の遠心分離機によって、様々な種の粒子を単離する目的のために用いられうる。当業者は、方法において用いるために選択される特定の遠心分離装置に関する遠心分離パラメータを最適にするために、周知のK-ファクターを用いることができる。たとえば、最高回転速度での遠心ローターの清澄化因子を意味するKファクターを用いて、公知の沈降計数(「S」)で画分をペレット化するために要する時間(「T」)を決定してもよい。Kファクターが低ければ、任意の所定の遠心分離装置によるペレット化の効率はより高くなる。Kファクターは、以下の式:
K=2.53*1011*In(rmax/rmin)]/RPM2
によって算出することができ、式中、rmaxは、遠心分離機の回転軸からの最大半径であり、rminは、回転軸からの最少半径である。rmaxおよびrminは通常、遠心分離機の製造元から入手できる。RPMは、1分間当たりの回転数で表す速度である。Kファクターは、以下の式:
T=K/S
によって沈降計数Sに関連し、式中、Tは、時間で表したある粒子をペレット化するために要する時間である。Sがある粒子に関して公知の定数である場合、この関係を用いて、以下の式:
T1/K1=T2/K2
を用いて異なるローター間で相互転換することができ、式中、T1は1つのローターでペレット化するための時間であり、K1はそのローターのKファクターであり、K2は他のローターのKファクターであり、かつT2は他のローターでペレット化するための時間である。K1、T1が公知であり、K2を算出することができる場合には、T2が決定されうる。このようにして、Kファクターを算出することができる限り、特定のプロトコールにおいて挙げられている遠心分離ローターそのものにアクセスする必要はない。ペレット化させる特定の物質の沈降定数(S)が、不明である場合、当業者は同じ物質のT1に関する経験的データ、および異なるローターに関するK2の算出に基づいてT2を決定してもよい。
一般的に、適したKファクターは、約300〜約1000の範囲、好ましくは約400〜約600の範囲、および最も好ましくは約520である。
一般的に、適した遠心分離時間は、約5分〜約2時間、たとえば約10分〜約1.5時間、またはより好ましくは約15分〜約1時間である。約0.5時間の分離時間が好ましい場合がある。
生物試料を約20,000 gで約0.5時間の遠心分離に供することが好ましい場合がある。しかし、上記の速度および時間を、任意の組み合わせで適切に用いることができる(たとえば、約18,000 g〜約25,000 g、または約30,000 g〜約40,000 gで約10分〜約1.5時間、または約15分〜約1時間、または約0.5時間等)。
遠心分離段階または複数の段階は、室温より低い温度で、たとえば約0〜10℃、好ましくは約1〜5℃、たとえば約3℃または約4℃で行われうる。
本明細書において用いられる「生物試料」という用語は、DNA、RNA、およびタンパク質などの生物材料を含有する試料を指す。いくつかの態様において、生物試料は、適切には対象からの体液を含みうる。体液は、血液、血漿、血清、尿、喀痰、脊髄液、脳脊髄液、胸水、乳頭吸引液、リンパ液、呼吸器、腸管および泌尿器管の液体、涙液、唾液、乳汁、リンパ系からの液体、精液、脳脊髄液、臓器系内液体、腹水、腫瘍嚢胞液、羊水、およびそれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定されるわけではない、対象の体における任意の場所、好ましくは末梢部位から単離された液体でありうる。いくつかの態様において、生物試料として用いるために好ましい体液は尿である。他の態様において、好ましい体液は血清である。なお他の態様において、好ましい体液は脳脊髄液である。
適切には、約0.1 ml〜約30 mlの試料容積が用いられうる。液体の容積は、いくつかの要因、たとえば用いられる液体のタイプに依存しうる。たとえば、血清試料の容積は約0.1 ml〜約2 ml、好ましくは約1 mlでありうる。尿試料の容積は約10 ml〜約30 ml、好ましくは約20 mlでありうる。
「対象」という用語は、核酸含有粒子を有することが示されているまたは核酸含有粒子を有することが期待される全ての動物を含むと意図される。特定の態様において、対象は哺乳動物、ヒトまたは非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、ウマ、ウシ、他の農場動物または齧歯類(たとえば、マウス、ラット、モルモット等)である。ヒト対象は、観察可能な異常、たとえば疾患を有しない正常なヒトでありうる。観察可能な異常は、ヒト自身または医療専門家によって観察されうる。「対象」、「患者」、および「個体」という用語は本明細書において互換的に用いられる。
核酸含有粒子を単離する前に、生物試料を前処理してもよい。いくつかの例において、前処理段階が好ましい。たとえば、尿中核酸含有粒子を得るために尿試料を前処理してもよい。前処理段階は、分画遠心分離または濾過などの当技術分野において公知の技術によって達成されうる。たとえば、試料中の大きい粒子および破片を取り除くために、尿試料に約300 gの第一の遠心分離段階を行ってもよい。次に、第一の遠心分離段階でペレット化しなかった望ましくない粒子を取り除くために、しかし最終分析において望ましい核酸含有試料をペレット化することなく、尿試料に、約5,000 g〜約20,000 g(遠心分離させる容積が大きければ、Kファクターは大きくなる)の第二の遠心分離段階を行ってもよい。第二の遠心分離段階の後、望ましくない材料を試料からさらに取り除くために、尿試料にさらに濾過段階、たとえば0.8μm、0.45μm、または0.22μmの濾過段階を行ってもよい。または、尿試料を、1回または複数回の遠心分離段階を最初に行わずに、濾過段階によって前処理してもよい。
したがって、一般的には、試料中の大きい望ましくない粒子および破片を除去するために、生物試料を、約100〜500 g、好ましくは約250〜300 gの低速で遠心分離することによって前処理してもよい。その代わりにまたはさらに、試料中の望ましくない粒子および物質を除去するために、生物試料を、約10,000〜20,000 gのより高速で、好ましくは15,000 g〜19,000 gで遠心分離することによって前処理してもよい。両方の遠心分離前段階を実施する場合、生物試料を最初により低速で遠心分離した後、より高速で遠心分離してもよい。望ましければ、さらに適した遠心分離前処理段階を行ってもよい。たとえば、試料をさらに前処理するために、遠心分離段階を繰り返してもよい。その代わりにまたは1回もしくは複数回の遠心分離前処理段階に加えて、生物試料を濾過してもよい。約0.1〜約1.0μmの範囲のサイズを有するフィルターを用いてもよく、好ましくは約0.5〜約1.0μm、たとえば、約0.7μm、または約0.8μmのフィルターを用いてもよい。
単離段階は、以下の理由により生物試料から高品質核酸を抽出するのに有利である:(1)粒子からの核酸の抽出は、疾患または腫瘍特異的核酸を選択的に分析する機会を提供するが、これは液体試料中の他の粒子から疾患または腫瘍特異的粒子を単離することによって得られうること;(2)微小胞などの核酸含有粒子は、最初に微小胞を単離せずに液体試料から直接核酸を抽出することによって得られた収量/完全性と比較して、より高い完全性で核酸種の有意により高い収率を生じること;(3)規模拡大可能であること、たとえば、低レベルで発現される核酸を検出するために、より大きい容積の血清からより多くの核酸含有粒子をペレット化することによって感度を増加させることができること;(4)タンパク質および脂質、死細胞の破片、ならびに他の可能性がある混入物およびPCR阻害剤が、核酸抽出段階前にペレットから除去されているという点においてより純粋な核酸こと;ならびに(5)ペレットの容積は開始血清よりはるかに小さいことから、核酸抽出法における選択肢はより多くなり、それによって低容積カラムフィルターを用いてこれらのペレットから核酸を抽出することが可能となること。
1つの態様において、体液から粒子を単離して、単離した粒子から核酸を抽出する方法は、低速遠心分離および/または0.8μmフィルターを通しての濾過のいずれかによって体液から細胞を除去する段階;試料容積約1 mlを用いて、上清/濾液を、約20,000 gで約4℃で約0.5時間遠心分離する段階;前溶解溶液、たとえば十分量の(以下に記載される)RNアーゼ阻害剤および/またはpH緩衝液および/またはプロテアーゼ酵素でペレットを処理する段階;ならびに核酸抽出のためにペレットを溶解する段階を含みうる。1つの態様において、粒子を単離して、高品質核酸を抽出するプロセスは90分以内に達成されうる。
単離後、核酸を、ペレット化した粒子から抽出してもよい。これを達成するために、いくつかの態様において、粒子を最初に溶解してもよい。ペレットにおける微小胞などの粒子の溶解および核酸の抽出は、当技術分野において公知の様々な方法によって達成されうる。1つの態様において、溶解および抽出段階は、市販のQiagen RNeasy Plusキットを用いて達成されうる。別の態様において、溶解および抽出段階は、市販のQiagen miRNeasyキットを用いて達成されうる。なお別の態様において、核酸抽出は、当技術分野において公知の標準的な手法および技術に従ってフェノール:クロロホルムを用いて達成されうる。
本発明に従って、新規核酸抽出法は、生物試料からの高品質核酸抽出を妨害する有害な要因を除去または軽減する段階を含む。そのような有害な要因は、異なる生物試料が様々な種の有害な要因を含みうるという点において不均一である。いくつかの生物試料において、過剰量のDNAなどの要因は、そのような試料からの核酸抽出の品質に影響を及ぼしうる。他の試料において、過剰な内因性RNアーゼなどの要因は、そのような試料からの核酸抽出の品質に影響を及ぼしうる。多くの物質および方法を用いてこれらの有害な要因を除去してもよい。これらの方法および物質を、本明細書において集合的に「抽出増強操作」と呼ぶ。
いくつかの例において、抽出増強操作は、生物試料に核酸抽出増強物質を添加する段階を含みうる。内因性のRNアーゼなどの有害な要因を除去するために、本明細書において定義されるそのような抽出増強物質は、Superase-In(Ambion Inc.から販売)、またはRNaseINplus(Promega Corp.から販売)、または同様に機能する他の物質;プロテアーゼ(RNアーゼ阻害剤として機能しうる);DNアーゼ;還元剤;合成RNAおよび/または担体RNAなどのデコイ基質;RNアーゼに結合することができる可溶性受容体;低分子干渉RNA(siRNA);抗RNA抗体、塩基性タンパク質またはシャペロンタンパク質などのRNA結合分子;高浸透圧溶液、洗浄剤、またはその組み合わせなどのRNアーゼ変性物質を含みうるが、これらに限定されるわけではない。これらの増強物質は、多様な方法で、たとえばRNアーゼ活性の阻害を通して(たとえば、RNアーゼ阻害剤)、タンパク質の遍在的分解を通して(たとえば、プロテアーゼ)、またはRNAに結合してこれを保護するシャペロンタンパク質(たとえば、RNA結合タンパク質)を通して、その機能を発揮しうる。全ての例において、そのような抽出増強物質は、生物試料中の有害な要因またはそうでなければ単離された粒子からの核酸の高品質抽出を妨害もしくは干渉する単離された粒子に関連する有害な要因のいくつかまたは全てを除去するかまたは少なくとも軽減する。
たとえば、抽出増強操作は、核酸を抽出する前に、生物試料および/または単離された粒子画分にRNアーゼ阻害剤を添加する段階を含みうる。好ましくは、RNアーゼ阻害剤は、容積が1μlに等しいもしくは1μl超の試料に関して0.027 AU(1倍)より高い濃度;または、1μlに等しいもしくは1μl超の試料に関して0.135 AU(5倍)より高いもしくはそれに等しい濃度;または、1μlに等しいもしくは1μl超の試料に関して0.27 AU(10倍)超のもしくは0.27 AU(10倍)に等しい濃度;または、1μlに等しいもしくは1μl超の試料に関して0.675 AU(25倍)超のもしくは0.675 AU(25倍)に等しい濃度;または、1μlに等しいもしくは1μl超の試料に関して1.35 AU(50倍)超のもしくは1.35 AU(50倍)に等しい濃度を有し、1倍濃度は、1μlまたは1μl超の体液から単離された粒子を処理するために、0.027 AUまたは0.027 AU超のRNアーゼ阻害剤を用いる酵素状態を指し、5倍濃度は、1μlまたは1μl超の体液から単離された粒子を処理するために、0.135 AUまたは0.135 AU超のRNアーゼ阻害剤を用いる酵素状態を指し、10倍プロテアーゼ濃度は、1μlまたは1μl超の体液から単離された粒子を処理するために、0.27 AUまたは0.27 AU超のRNアーゼ阻害剤を用いる酵素状態を指し、25倍濃度は、1μlまたは1μl超の体液から単離された粒子を処理するために、0.675 AUまたは0.675 AU超のRNアーゼ阻害剤を用いる酵素状態を指し、および50倍プロテアーゼ濃度は、1μlまたは1μl超の体液から単離された粒子を処理するために、1.35 AUまたは1.35 AU超のRNアーゼ阻害剤を用いる酵素状態を指す。好ましくは、RNアーゼ阻害剤はプロテアーゼであり、この場合、1 AUは、1分間に1μmolのチロシンに対応するフォリン陽性アミノ酸およびペプチドを放出するプロテアーゼ活性である。
本発明の新規方法を用いる高品質核酸抽出について意外にも1つ判明したことは、微小胞などの粒子からの核酸の抽出物中にリボソームRNA(rRNA)の有意な量の存在を検出できることである。粒子からの核酸抽出物中において18S rRNAおよび28S rRNAが検出されることを証明した研究はこれまで知られていない。逆に、これまでの研究は、微小胞からの核酸抽出物にrRNAが全くまたはほとんど存在しないことを示唆した(Skog et al., 2008; Taylor and Gercel-Taylor, 2008; Valadi et al., 2007)。同様に、ExoMir(商標)キット(Bioo Scientific Corp., Austin, TX)の製品説明書を参照されたい。
1つの態様において、抽出された核酸はRNAを含む。この例において、RNAは好ましくは、相補的DNA(cDNA)に逆転写された後さらに増幅される。そのような逆転写は、単独でまたは増幅段階と共に行ってもよい。逆転写と増幅段階とを組み合わせる方法の1つの例は、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)であり、これを定量的となるよう、たとえば本教示に関して参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第5,639,606号に記載される定量的RT-PCRへとさらに改変してもよい。方法の別の例は、2つの個別の段階を含み、すなわち第一段階は、RNAをcDNAへと変換する逆転写段階であり、および第二段階は、定量的PCRを用いてcDNAの量を定量する段階である。以下の実施例において証明されるとおり、本明細書において開示される方法を用いて核酸含有粒子から抽出されたRNAは、GAPDH、BRAF、KLK3、EGFR、およびリボソーム18S rRNAの転写物に対応する転写物が挙げられるがこれらに限定されるわけではない多くの種の転写物を含む。
核酸増幅法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(米国特許第5,219,727号)およびインサイチューポリメラーゼ連鎖反応(米国特許第5,538,871号)などのその変形、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(米国特許第5,219,727号)、ネステッドポリメラーゼ連鎖反応(米国特許第5,556,773号)、自家持続配列複製およびその変形(Guatelli et al., 1990)、転写増幅システムおよびその変形(Kwoh et al., 1989)、Qbレプリカーゼおよびその変形(Miele et al., 1983)、コールド-PCR(Li et al., 2008)、BEAMing(Li et al., 2006)または他の任意の核酸増幅法を含むがこれらに限定されるわけではなく、増幅された分子をその後当業者に周知の技術を用いて検出する。そのような分子が存在する量が非常に少ない場合、核酸分子を検出するために設計された検出スキームは特に有用である。前記の参照文献は、これらの方法に関するその教示により本明細書に組み入れられる。他の態様において、核酸増幅段階は実施されない。その代わりに、抽出核酸を、たとえば次世代シークエンシングによって直接分析する。
単離された粒子中に存在する核酸の分析は、定量的および/または定性的である。定量的分析の場合、単離された粒子内の関心対象の特異的核酸の相対量または絶対量のいずれかである量(発現レベル)を、当技術分野において公知の方法(以下に記載する)によって測定する。定量的分析に関して、単離された粒子中の関心対象の特異的核酸の種は、野生型であるか変種型であるかによらず、当技術分野において公知の方法によって同定される。
本発明はまた、(i)対象の診断を助けるために、(ii)対象における疾患もしくは他の医学的状態の進行もしくは再発をモニターするために、または(iii)疾患もしくは他の医学的状態のための処置を受けているかまたは検討している対象に関する処置効果の評価を助けるために、生物試料から核酸を抽出する新規方法の様々な用途を含み、該方法から得られた核酸抽出物中における1つまたは複数のバイオマーカーの有無が判定され、1つまたは複数のバイオマーカーがそれぞれ、疾患または他の医学的状態の診断、進行、または再発、または処置効果に関連する。
1つまたは複数のバイオマーカーは、本明細書において核酸含有粒子内の核酸の量ならびに核酸変種を指すために用いられる遺伝子異常の1つまたはコレクションでありうる。具体的に、遺伝子異常は、遺伝子(たとえば、腫瘍遺伝子)または遺伝子のパネルの過剰発現、遺伝子(たとえば、p53もしくはRBなどの腫瘍抑制遺伝子)または遺伝子のパネルの過少発現、遺伝子または遺伝子のパネルのスプライス変種の選択的産生、遺伝子または遺伝子のパネルの遺伝子コピー数変種(CNV)(たとえば、二重微小染色体DNA)(Hahn, 1993)、核酸修飾(たとえば、メチル化、アセチル化、およびリン酸化)、一塩基多型(SNP)、染色体再配列(たとえば、逆位、欠失、および重複)、および変異(挿入、欠失、重複、ミスセンス、ナンセンス、同義もしくは他の任意のヌクレオチド変化)を含むがこれらに限定されるわけではなく、多くの場合において、変異は、最終的に遺伝子産物の活性および機能に影響を及ぼして、選択的転写スプライス変種および/または遺伝子発現レベルの変化、または前記のいずれかの組み合わせに至る。
そのような遺伝子異常の判定は、当業者に公知の多様な技術によって実施することができる。たとえば、核酸の発現レベル、選択的スプライス変種、染色体再配列、および遺伝子コピー数は、マイクロアレイ分析(たとえば、米国特許第6,913,879号、同第7,364,848号、同第7,378,245号、同第6,893,837号、および同第6,004,755号を参照されたい)、および定量的PCRによって決定することができる。特に、コピー数変化は、Illumina Infinium II全ゲノム遺伝子タイピングアッセイ法またはAgilent Human Genome CGHマイクロアレイ(Steemers et al., 2006)によって検出されうる。核酸修飾は、たとえば米国特許第7,186,512号および特許公報WO/2003/023065に記載される方法によってアッセイすることができる。特に、メチル化プロファイルは、Illumina DNAメチル化OMA003癌パネルによって決定されうる。 SNPおよび変異は、対立遺伝子特異的プローブとのハイブリダイゼーション、酵素的変異検出、ミスマッチヘテロ二本鎖の化学的切断(Cotton et al., 1988)、ミスマッチ塩基のリボヌクレアーゼ切断(Myers et al., 1985)、質量分析(米国特許第6,994,960号、同第7,074,563号、および同第7,198,893号)、核酸シークエンシング、一本鎖高次構造多型(SSCP)(Orita et al., 1989)、変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)(Fischer and Lerman, 1979a; Fischer and Lerman, 1979b)、温度勾配ゲル電気泳動(TGGE)(Fischer and Lerman, 1979a; Fischer and Lerman, 1979b)、制限断片長多型(RFLP)(Kan and Dozy, 1978a; Kan and Dozy, 1978b)、オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ法(OLA)、対立遺伝子特異的PCR(ASPCR)(米国特許第5,639,611号)、ライゲーション連鎖反応(LCR)およびその変形(Abravaya et al., 1995; Landegren et al., 1988; Nakazawa et al., 1994)、フローサイトメトリーヘテロ二本鎖分析(WO/2006/113590)およびその組み合わせ/改変版によって検出されうる。特に、遺伝子発現レベルは、遺伝子発現連鎖解析(SAGE)技術(Velculescu et al., 1995)によって測定されうる。一般的に、遺伝子異常を分析するための方法は、多数の刊行物に報告されており、本明細書において引用した方法に限定されず、当業者に利用可能である。適切な分析法は、分析の特異的目標に、患者の状態/病歴に、および、検出されるか、モニターされるかまたは処置される特異的癌、疾患または他の医学的状態に依存すると考えられる。前記の参照文献は、これらの方法の教示により本明細書に組み入れられる。
多くのバイオマーカーは、対象における疾患または他の医学的状態の有無に関連する可能性がある。したがって、本明細書において開示される方法に従って、単離された粒子からの核酸抽出物中におけるそのようなバイオマーカーの有無を検出することは、対象における疾患または他の医学的状態の診断を助ける可能性がある。たとえば、WO 2009/100029に記載されているとおり、患者の血清試料から単離した微小胞から抽出した核酸中におけるEGFRvIII変異の有無を検出することは、患者における神経膠芽腫の診断および/またはモニタリングを助ける可能性がある。この理由は、EGFRvIII変異の発現が、いくつかの腫瘍に対して特異的であり、膠腫の臨床的に明白なサブタイプを定義することによる(Pelloski et al., 2007)。別の例として、WO 2009/100029に記載されるとおり、患者の尿試料から単離された微小胞から抽出された核酸中におけるTMPRSS2-ERG融合遺伝子および/またはPCA-3の有無を検出することは、患者における前立腺癌の診断を助ける可能性がある。
さらに、多くのバイオマーカーが対象における疾患または医学的状態のモニタリングを助ける可能性がある。したがって、本明細書において開示される方法に従って単離された粒子からの核酸抽出物中におけるそのようなバイオマーカーの有無を検出することは、対象における疾患または他の医学的状態の進行または再発のモニタリングを助ける可能性がある。たとえば、WO 2009/100029に記載されるとおり、臓器移植患者から単離された微小胞から抽出された核酸中においてマトリクスメタロプロテナーゼ(MMP)レベルを測定することは、腎移植後のMMP-2の発現レベルの有意な増加が移植後合併症の発生および/または悪化を示しうることから、移植後の状態をモニターするために役立ちうる。同様に、肺移植後のMMP-9レベルの有意な上昇は、閉塞性細気管支炎症候群の発症および/または悪化を示唆する。
多くのバイオマーカーが、特定の患者における処置の有効性に影響を及ぼすことが見いだされている。したがって、本明細書において開示される方法に従って単離された粒子からの核酸抽出物におけるそのようなバイオマーカーの有無を検出することは、所定の患者における所定の処置の効果の評価を助ける可能性がある。たとえば、Furnari et. al.(Furnari et al., 2007)による刊行物の表1に開示されているとおりに、バイオマーカー、たとえば多様な遺伝子の変異は、脳腫瘍を処置するための化学療法において用いられる特異的薬剤の有効性に影響を及ぼす。患者の生物試料から単離された粒子から抽出された核酸におけるこれらのバイオマーカーの同定は、患者のための処置の選択の手引きとなる可能性がある。
本発明の1つの局面は、本明細書において開示される新規方法において用いるためのキットにさらに指向される。キットは、以下の成分を含む:高品質核酸抽出を妨害するかまたは妨害しうる有害な要因を軽減するのに十分な量のRNアーゼ阻害剤;RNA精製試薬;任意で、溶解緩衝液;任意で、DNアーゼ;および任意で、単離された粒子からの核酸の該抽出において該試薬を用いるための使用説明書。RNA精製試薬は、放出された核酸を精製するために役立つ。溶解緩衝液は、その核酸内容物が放出されるように、微小胞を切断して開くために役立つ。DNアーゼの使用は、抽出された核酸の品質を増強するために役立ちうる。第二の実施例において「血清試料からの粒子の単離および核酸抽出」という章で記載したとおり、DNアーゼ消化が核酸精製カラムにおいて行われうる場合があることから、DNアーゼを含めることは任意である。キットはまた、単離された粒子から核酸の抽出に関連してキット成分を用いるために適切な段階を詳述する使用説明書を含みうる。
本明細書において記載される特定の方法論、プロトコール、および試薬は変化しうることから、本発明はそれらに限定されないと理解すべきである。本明細書において用いられる用語は、特定の態様を記載する目的に限られ、特許請求の範囲のみによって定義される本発明の範囲を制限すると意図されない。
開示される内容の例を以下に記載する。開示の内容の他の特色、目的、および利点は、詳細な説明、図面、実施例、および特許請求の範囲から明らかとなるであろう。本明細書において記載される方法および材料と実質的に類似または同等の方法および材料を、本明細書において開示される内容の実践または試験において用いることができる。例示的な方法および材料を以下に記載する。
実施例1
本発明者らは、正常な、健康なヒトボランティアから凍結血清試料1 mlを得た。血清試料を0.8μmのフィルター(Millipore)を通して濾過して、次に濾液を-80℃で24時間保存した。試料を融解後、SuperaseIn 8μlを添加した。次に試料を20,000 g(Hettich微量遠心器)でアングルヘッド(angle head)ローターにおいて4℃で0.5時間遠心分離した。上清を除去して廃棄した。ペレットをPBS 1.5 mlに再懸濁させて、20,000 gでさらに0.5時間再度遠心分離した。上清を除去して廃棄した。ペレットをSuperaseIn(20単位/μl)8μlによって1分間処置した後、10μl/mlβメルカプトエタノールを含むRLT緩衝液中に再懸濁させて、DNA除去カラムを特色とするQiagen RNeasy Plusキットを用いて処理した。核酸をヌクレアーゼフリーの水16μl中に溶出した。
本発明者らは、Agilent BioanalyzerのRNA ピコチップを用いて、抽出された核酸の品質を調べた。図1Aに示されるとおり、本発明者らは、抽出物中に18S rRNAおよび28S rRNAの存在を検出した。Bioanalyzerのソフトウェアによって算出したRNAインティグリティナンバー(RIN)は、8.5であった。さらに、抽出された核酸において、本発明者らは、GAPDH、BRAF、および18S RNA遺伝子に対応するRNAの存在を検出した。本発明者らは、抽出したRNA 12μlを用いて、Sensiscriptキット(Qiagen)を用いてRNAをcDNAに逆転写した。本発明者らは次に、得られたcDNA産物2μlを鋳型として用いてリアルタイムPCRを行った。RT-PCRのために用いたプライマーは、Applied Biosystemsから購入し、以下のとおりであった:ヒトGAPDH(パーツ番号4326317E);BRAF(パーツ番号Hs00269944_ ml);18S rRNA(パーツ番号Hs99999901_sl)。各試料をPCRプレートにおいて3通り実験した。RT-PCR試験のCt値を平均値±SDとして表記する。GAPDH、BRAF、および18S rRNAのCt値はそれぞれ、30.84±0.08、36.76±0.22、および15.09±0.21である。
したがって、新規方法を用いて、本発明者らは、血清試料から核酸含有粒子を単離することができた。ペレット化した粒子から抽出した核酸は、18S rRNAおよび28S rRNAを含有した。核酸の品質はRIN 8.5であった。さらに、抽出した核酸は、少なくともGAPDH、BRAF、および18S rRNA遺伝子に対応するRNAを含有し、血清粒子から抽出した核酸が他の多くの遺伝子に対応するRNAを含みうることを示唆している。
実施例2
本発明者らは、実施例1と同じ正常な健康なヒトボランティアから凍結血清試料1 mlを得て、0.8μmのフィルター(Millipore)を通して血清を濾過し、濾液を-80℃で24時間保存した。凍結した試料を氷中で融解して、SuperaseIn(Ambion Inc.)8μlを含む1.5 ml Eppendorfチューブに移した。20,000 gで0.5時間の遠心分離段階の後、以下の実施例3に詳述するとおりに今後の抽出のために上清をとっておいた。ペレットを、改変miRNeasy RNA抽出プロトコールを用いる核酸抽出のために用いた。この改変プロトコールは、実施例1において用いられるRNeasy Plusキットに含まれる製造元のプロトコールより、低分子RNA(たとえば、200ヌクレオチド未満)を捕捉するためにより効率的であった。
この改変プロトコールにおいて、本発明者らは、ペレットを処理するためにDNアーゼ/SuperaseInの混合物(TURBO DNA-free(商標)キット、Ambion)を用いた。DNアーゼを、任意で、miRNeasyプロトコールに従ってカラムでのDNアーゼ段階に置き換えることができる。この処理により、単離された粒子の内部におそらく由来するDNAを含むほとんどのDNAが除去された。これらのDNAは、抽出されたRNAの量が非常に少ない場合、RNAの完全性に影響を及ぼしうる。カラムでのDNアーゼ処理を選択する場合、ペレットをPBS 42μl中でSuperaseIn 8μLによって処理する。この特定の試料中でのDNアーゼとSuperaseIn RNアーゼ阻害剤の混合物は、以下のスキームに従って作製した。DNアーゼ1およびDNアーゼ緩衝液は、Ambion社のTURBO DNA-free(商標)キットから得られる。SuperaseInは、20単位/μLの濃度であった。
1試料あたり
Figure 2013545463
ペレットを上記のとおりにDNアーゼ/SuperaseIn混合物50μLと混合して、遠心管において室温で20分間インキュベートした。次に、Qiazol溶解緩衝液(Qiagen)700μlを遠心管中の各試料に添加して、ペレットを溶解/再懸濁させるために15回上下にピペッティングすることによって混合した。懸濁させたペレット混合物を、Eppendorfチューブに直ちに移した。さらなる核酸抽出をPCRフード内で行った。ペレット混合物の入ったチューブを短時間ボルテックスミキサーで撹拌して、室温で2〜4分間インキュベートした後、混合物を含むチューブにクロロホルム140μlを添加した。次にチューブにキャップをして、20秒間激しく振とうして、室温で2〜3分間インキュベートした後、12,000 gで4℃において15分間遠心分離した。上部の水相を新しい収集管に移して、その中に100%エタノールの1.5倍容量(通常600μl)を添加して、数回上下にピペッティングすることによって十分に混合した。
形成されうる任意の沈殿物を含むエタノール混合物700μlまでをRNeasy Microスピンカラム(+4℃で保存したMinEluteカラム、カラムはRNeasy Microキットに付属)に移して、これを製造元によって供給された2 ml収集管に挿入して、1000 gで室温において15秒間遠心分離した。素通り画分を廃棄した。残りの全ての混合物を添加するまで、遠心分離段階を繰り返した。再度、素通り画分を廃棄した。カラム上の核酸を以下のとおりに3回洗浄した。(1)緩衝液RWT 700μLをRNeasy MinEluteスピンカラムに添加して、8500 gで15秒間遠心分離してカラムを洗浄し、素通り画分を廃棄した。(2)緩衝液RPE 500μLをRNeasy MinEluteスピンカラムに添加して、8500 gで15秒間遠心分離してカラムを洗浄し、素通り画分を廃棄した。(3)RNeasy Miniスピンカラムメンブレンを乾燥させるためにカラムを8500 gで2分間遠心分離したことを除き、緩衝液RPE洗浄段階を繰り返した。
洗浄段階の後、RNeasy MiniEluteスピンカラムを新しい2 ml収集管に挿入して、カラムメンブレンをさらに乾燥させるために14000 gで5分間遠心分離した。乾燥したカラムを別の新しい1.5 ml収集管に挿入して、乾燥したカラムメンブレンにRNアーゼフリーの水16μLを添加して、室温で1分間インキュベートした。核酸を8500 gで1分間遠心分離することによって溶出した。溶出した核酸の容積は約14μlであった。
本発明者らは、抽出した核酸のプロファイルを分析した。図1Bに示されるとおり、本発明者らは、18S rRNAおよび28S rRNAに対応するピークならびにサイズが25〜200ヌクレオチドの低分子RNAに対応するピークを検出した。さらに、抽出した核酸において、本発明者らは、GAPDH、BRAF、18S RNA、およびEFGR遺伝子に対応するRNAが存在することを検出した。本発明者らは、抽出したRNA 12μlを用いて、VILO(商標)キット(Invitrogen)を用いてRNAをcDNAに逆転写した。逆転写反応混合物は以下のスキームに従って作製した(表1)。
(表1)逆転写反応混合物スキーム
Figure 2013545463
逆転写は、以下の条件下でverity PCR機器において行った:25℃で10分間、42℃で70分間、85℃で5分間、および4℃で維持した後、-20℃で反応物を保存した。
次に、本発明者らは、得られたcDNA産物1μlを、リアルタイムPCRを実施するための鋳型として用いた。RT-PCRのために用いたプライマーは、Applied Biosystemsから販売されており、以下のとおりである:ヒトGAPDH(パーツ番号4326317E);BRAF(パーツ番号Hs00269944_ml);18S rRNA(パーツ番号Hs99999901_sl);EGFR(パーツ番号HS01076088_ml)。本発明者らは、各遺伝子に関するリアルタイムPCR実験を2回繰り返した。Ct値を表2に示す。
したがって、本発明において開示される新規方法を用いて、本発明者らは、血清試料からの核酸含有粒子を単離することができた。単離された粒子から抽出された核酸は、18S rRNAおよび28S rRNAならびに低分子RNAを含有した。さらに、抽出された核酸は、少なくともGAPDH、BRAF、および18S rRNA遺伝子のRNAを含有し、血清粒子から抽出された核酸が他の多くの遺伝子に対応するRNAを含みうることを示唆している。
(表2)4つの遺伝子GAPDH、BRAF、18S rRNA、およびEGFRに関するCt値
Figure 2013545463
実施例3
本発明者らは、血清試料1 mlを20,000 gで0.5時間遠心分離後、実施例2において得られた上清によって実験を開始した。上清を120,000 gで4〜8℃でさらに80分間超遠心分離した(Beckman社のOptima Max-XP Benchtop超遠心分離機)。減速は7に設定した。次に、DNアーゼおよびSuperaseIn混合物による処理により実験を開始して実施例2において先に詳述した同じプロトコールに従って、核酸をペレットから抽出した。本発明者らは、抽出した核酸のプロファイルを分析して、実施例2と同じ4つの遺伝子の逆転写およびリアルタイムPCR分析を行った。
図1Cに示されるとおり、より多くの低分子RNAが、抽出された核酸において見いだされた。25〜200ヌクレオチドのピークは、図1Bのピークより高かった。さらに、ピークは、25〜200ヌクレオチドの区間で左にシフトして、より低分子のRNAの百分率が実施例2からの抽出物において見いだされる百分率より高かったことを示唆している。
実施例2と同様に、本発明者らはまた、4つの遺伝子GAPDH、BRAF、18S rRNA、およびEGFRに対応するRNAを検出した。Ct値を表3に示す。
(表3)4つの遺伝子GAPDH、BRAF、18S rRNA、およびEGFRに関するCt値
Figure 2013545463
したがって、本発明者らは、20,000 gで0.5時間での血清の遠心分離後、実施例2において得られた上清から核酸含有粒子を単離することができた。上清からペレット化した粒子から抽出された核酸は、実施例2において最初にペレット化した粒子から抽出した核酸より多くの低分子RNAを含有した。さらに、抽出した核酸は、少なくともGAPDH、BRAF、および18S rRNA遺伝子のRNAを含有し、上清から抽出された核酸が、他の多くの遺伝子に対応するRNAを含みうることを示唆した。
実施例4
本発明者らは、正常な健康なボランティアの血清試料24 mlにより実験を開始した。0.8μmのフィルター(Millipore)を通して血清試料を濾過した後、濾液を-80℃で24時間保存した。血清試料24 mlを融解して、24本の管に各管1 mlずつ移した。各管にSuperaseIn 8μlを添加して、血清試料と混合した。
本発明者らは、各々が管12本からなる2つのグループ、すなわちグループAとグループBとに管24本を分けた。グループAに関して、血清試料を20,000 gで0.5時間遠心分離した後、ペレットを、実施例2に記載された改変miRNeasy RNA抽出プロトコールを用いる核酸抽出のために用いた。グループBに関して、血清試料を120,000 gで80分間遠心分離して、ペレットを、実施例2に記載された改変miRNeasy RNA抽出プロトコールを用いる核酸抽出のために用いた。
本発明者らは、グループAとグループBの両方において抽出された核酸のプロファイルを分析した。図3(グループA)および図4(グループB)に示されるとおり、本発明者らは、18S rRNAおよび28S rRNAに対応するピークならびに両方のグループにおいて25〜300ヌクレオチドのサイズの低分子RNAに対応するピークを検出した。18S rRNAと比較した28S rRNAの比率は、グループAおよびグループBに関してそれぞれ0.9および1.2であった。
本発明者らはさらに、両方のグループから抽出されたRNAにおいて多くの遺伝子の発現を検出した。血清試料の各々からペレット化した粒子から抽出されたRNAを、実施例2に記載したとおりInvitrogen社のVILO(商標)キットを用いてcDNAに逆転写した後、Applied Biosystems社のTaqman(登録商標)アレイ96ウェルヒト細胞表面マーカーPCRプレートを用いて、製造元のプロトコールに従って分析した。
96ウェルヒト細胞表面マーカーTaqman(登録商標)PCRアレイにおけるApplied Biosystems社のアッセイIDを表4に示す。
(表4)96ウェルヒト細胞表面マーカーTaqman(登録商標)PCRアレイにおけるApplied Biosystems社のアッセイID
Figure 2013545463
96ウェルヒト細胞表面マーカーTaqman(登録商標)PCRアレイにおける遺伝子の記号を表5に示す。
(表5)96ウェルヒト細胞表面マーカーTaqman(登録商標)PCRアレイに対応する遺伝子の記号
Figure 2013545463
図6に示されるとおり、本発明者らは、アレイ上の遺伝子のほとんどの発現を検出した。発現レベルをCt値で表記する。
(表6)各血清試料由来の粒子における遺伝子発現レベル
Figure 2013545463
Figure 2013545463
Figure 2013545463
本発明者らは、調べた遺伝子の各々に関して2つのグループのCt値を比較して、2つのグループのmRNA含有量が非常に類似であることを見いだした。したがって、本発明者らは、20,000 gで0.5時間または120,000 gで80分のいずれかでの遠心分離によって血清試料から核酸含有粒子を単離することができた。単離された粒子から抽出された核酸は18S rRNAおよび28S rRNAの両方を含有した。さらに、20,000 gの遠心分離速度で得られたmRNA含有量は、120,000 gの遠心分離速度で得られたmRNA含有量と類似であった。さらに、ペレットの各々からの抽出された核酸は、Taqmanアレイを用いて試験した遺伝子のほとんどに対応するmRNAを含有した。
実施例5:尿試料からの粒子の単離および核酸抽出
本発明者らは、正常で健康なヒトボランティアからスポット尿試料10 mlを用いて開始した。試料は4℃で1週間保存されていた。尿試料を0.8μmのフィルター(Nalgene)を通して濾過した。次に、濾液をアングルヘッドローターにおいて20,000 gで4℃において1時間遠心分離した。上清を除去して廃棄した。ペレットを、10μl/mlβメルカプトエタノールを含むRLT緩衝液中で溶解して、Qiagen RNeasy Plusキットを用いて処理した。核酸をヌクレアーゼフリーの水16μl中に溶出した。
本発明者らは、Agilent Bioanalyzerを用いて、抽出された核酸の品質を調べた。図2に示されるとおり、本発明者らは、抽出物中に18S rRNAおよび28S rRNAの存在を検出した。Bioanalyzer社のソフトウェアによって算出されたRNAインテグリティナンバー(RIN)は9.1であった。さらに、抽出した核酸において、本発明者らはGAPDH、KLK3、および18S rRNA遺伝子に対応するRNAが存在することを検出した。本発明者らは、Sensiscriptキット(Qiagen)を用いて、抽出したRNA 12μlをcDNAに逆転写した。次に、本発明者らは、得られたcDNA産物2μlを、リアルタイムPCRを実施するための鋳型として用いた。RT-PCRのために用いたプライマーは、Applied Biosystems社から販売されており、以下のとおりであった:ヒトGAPDH(パーツ番号4326317E);KLK3(パーツ番号Hs03063374_m1);18S rRNA(パーツ番号Hs99999901_s1)。各試料をPCRプレートにおいて3通り行った。RT-PCR試験由来のCt値を平均値±SDとして表記する。GAPDH、KLK3、および18S rRNAのCt値はそれぞれ、26.96±0.02、30.18±0.01、および12.22±0.15である。
したがって、本発明において開示される新規方法を用いて、本発明者らは尿試料から核酸含有粒子を単離することができた。ペレット化した粒子から抽出された核酸は、18Sおよび28S rRNAを含有した。核酸の品質はRIN 9.1であった。さらに、抽出された核酸は、少なくともGAPDH、KLK3、および18S rRNA遺伝子のRNAを含有し、尿粒子から抽出された核酸が、他の多くの遺伝子に対応するRNAを含みうることを示唆している。
本発明は、ある態様に関連して開示してきたが、記載の態様に対して多数の改変、変更、および変化が可能であり、これらも、添付の明細書および特許請求の範囲において記載される本発明の完全な範囲に含まれる。
参照文献
Figure 2013545463
Figure 2013545463
Figure 2013545463

Claims (24)

  1. (a) 1回または複数回の遠心分離法によって生物試料から核酸含有粒子を単離する段階であって、該遠心分離法のいずれも、約200,000 gを超える速度で実施されない、段階;
    (b) 高品質核酸抽出を妨害するかまたは妨害しうる有害な要因を軽減するための1つまたは複数の段階を実施する段階;および
    (c) 単離された該粒子から核酸を抽出する段階
    を含む、該生物試料から核酸を抽出するための方法。
  2. 前記核酸含有粒子が、微小胞、RNA-タンパク質複合体、DNA-タンパク質複合体、または、微小胞、RNA-タンパク質複合体およびDNA-タンパク質複合体の任意の組み合わせである、請求項1記載の方法。
  3. 前記核酸含有粒子が微小胞である、請求項1記載の方法。
  4. 前記核酸含有粒子がRNA-タンパク質複合体である、請求項1記載の方法。
  5. 前記核酸含有粒子がDNA-タンパク質複合体である、請求項1記載の方法。
  6. 前記遠心分離法の全てが約2,000 g〜約200,000 gの速度で実施される、請求項1記載の方法。
  7. 前記遠心分離法のいずれも、約50,000 gを超える速度で実施されない、請求項1記載の方法。
  8. 前記遠心分離法のいずれも、約20,000 gを超える速度で実施されない、請求項1記載の方法。
  9. 前記生物試料が体液である、請求項1記載の方法。
  10. 前記体液が、対象由来の血清試料、尿試料または脊髄液試料である、請求項9記載の方法。
  11. 前記対象がヒトまたは他の哺乳動物である、請求項10記載の方法。
  12. 抽出された前記核酸が、RNA、DNA、または、RNAおよびDNAの両方を含む、請求項1記載の方法。
  13. 抽出された前記核酸が、EGFR、BRAF、KLK3、18S、GAPDH、HPRT1、GUSB、ACTB、B2M、RPLP0、HMBS、TBP、PGK1、UBC、PPIA、ALCAM、C5AR1、CD160、CD163、CD19、CD1A、CD1C、CD1D、CD2、CD209、CD22、CD24、CD244、CD247、CD28、CD37、CD38、CD3D、CD3G、CD4、CD40、CD40LG、CD5、CD6、CD63、CD69、CD7、CD70、CD72、CD74、CD79A、CD79B、CD80、CD83、CD86、CD8A、CD8B、CD96、CHST10、COL1A1、COL1A2、CR2、CSF1R、CTLA4、DPP4、ENG、FAS、FCER1A、FCER2、FCGR1A/FCGR1B/FCGR1C、HLA-A/HLA-A29.1、HLA-DRA、ICAM2、IL12RB1、IL1R2、IL2RA、ITGA1、ITGA2、ITGA3、KLRB1、KLRC1、KLRD1、KRT18、KRT5、KRT8/LOC728638、MS4A1、MYH10、MYH9、MYOCD、NCAM1、NOS3、NT5E、PECAM1、RETN、S100A8、SELP、ST6GAL1、EPCAM、TEK、TNFRSF4、TNFRSF8、TPSAB1/TPSB2、VCAM1、およびVWFからなる遺伝子のいずれかに対応する核酸配列に対して90%超の相同性を有する配列を有する1つまたは複数の核酸を含む、請求項1記載の方法。
  14. 18S rRNAおよび28S rRNAが、抽出された前記核酸中において検出可能である、請求項1記載の方法。
  15. 抽出された前記核酸中において検出される28S rRNAの量に対する18S rRNAの量の比率が、約0.5〜約1.0である、請求項13記載の方法。
  16. 抽出された前記核酸中において検出される28S rRNAの量に対する18S rRNAの量の比率が、約0.5である、請求項13記載の方法。
  17. 段階(b)が、前記生物試料および/または単離された前記粒子を、DNアーゼ、RNアーゼ阻害剤、または、DNアーゼおよびRNアーゼ阻害剤で処理することによって達成される、請求項1記載の方法。
  18. 段階(b)が、前記粒子を単離する前に前記生物試料をRNアーゼ阻害剤で処理する段階を含む、請求項1記載の方法。
  19. 請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法によって得られる、核酸試料。
  20. 抽出された前記核酸内におけるバイオマーカーの有無が判定され、かつ、該バイオマーカーが対象における疾患または他の医学的状態に関連する、該対象の診断を助けるための請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法の使用。
  21. 抽出された前記核酸内におけるバイオマーカーの有無が判定され、かつ、該バイオマーカーが、対象における疾患または他の医学的状態の進行または再発に関連する、該対象における疾患または他の医学的状態の進行または再発をモニターするための請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法の使用。
  22. 抽出された前記核酸内におけるバイオマーカーの有無が判定され、かつ、該バイオマーカーが、疾患または他の医学的状態のための処置を受けているかまたは検討している対象に関する処置効果に関連する、疾患または他の医学的状態のための処置を受けているかまたは検討している該対象に関する処置効果の評価を助けるための請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法の使用。
  23. 前記バイオマーカーが、EGFR、BRAF、KLK3、18S、GAPDH、HPRT1、GUSB、ACTB、B2M、RPLP0、HMBS、TBP、PGK1、UBC、PPIA、ALCAM、C5AR1、CD160、CD163、CD19、CD1A、CD1C、CD1D、CD2、CD209、CD22、CD24、CD244、CD247、CD28、CD37、CD38、CD3D、CD3G、CD4、CD40、CD40LG、CD5、CD6、CD63、CD69、CD7、CD70、CD72、CD74、CD79A、CD79B、CD80、CD83、CD86、CD8A、CD8B、CD96、CHST10、COL1A1、COL1A2、CR2、CSF1R、CTLA4、DPP4、ENG、FAS、FCER1A、FCER2、FCGR1A/FCGR1B/FCGR1C、HLA-A/HLA-A29.1、HLA-DRA、ICAM2、IL12RB1、IL1R2、IL2RA、ITGA1、ITGA2、ITGA3、KLRB1、KLRC1、KLRD1、KRT18、KRT5、KRT8/LOC728638、MS4A1、MYH10、MYH9、MYOCD、NCAM1、NOS3、NT5E、PECAM1、RETN、S100A8、SELP、ST6GAL1、EPCAM、TEK、TNFRSF4、TNFRSF8、TPSAB1/TPSB2、VCAM1、およびVWFからなる遺伝子のいずれか1つまたは複数に対応する核酸である、請求項20〜22のいずれか一項に記載の使用。
  24. 以下の構成要素:
    (a)高品質核酸抽出を妨害するかまたは妨害しうる有害な要因を軽減するのに十分な量のRNアーゼ阻害剤;
    (b)RNA精製試薬;
    (c)任意で、溶解緩衝液;
    (d)任意で、DNアーゼ;および
    (e)任意で、単離された粒子からの核酸の該抽出において該試薬を用いるための使用説明書
    を含む、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法において用いるためのキット。
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