JP2013542977A - 結晶性の薬学上活性な成分 - Google Patents

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Abstract

本発明は、結晶型のロスバスタチン亜鉛(2:1)塩に係る。多形体は、高コレステロール血症、高脂血症、脂質異常症又はアテローム性動脈硬化症を含む脂質代謝の疾患の治療における薬学上活性な成分としての使用に適する。
【化1】

Description

本発明は、式(I)
Figure 2013542977
で表される結晶性の(+)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−(メタンスルホニル−メチルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸亜鉛塩に係る。
式(II)
Figure 2013542977
で表される化合物(+)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−(メタンスルホニル−メチルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸は、国際一般的名称ロスバスタチンとして知られており、脂質代謝の疾患の治療において、医薬品における薬学的に活性な成分として使用されている。ロスバスタチンは、肝臓に存在する2−ヒドロキシ−2−メチル−グルタリルコエンザイムAリダクターゼを阻害し、このようにして、肝臓におけるコレステロールの生合成の速度及び血液中のコレステロール濃度を低減することによって、その活性を発揮する。ロスバスタチン(主に、その塩の形で)は、高コレステロール血症、高脂血症及びアテローム性動脈硬化症の治療に使用される。
本発明の主題は、結晶型Vの式(I)で表される(+)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−(メタンスルホニル−メチルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸亜鉛(2:1)塩、その製法及び医薬品の製造におけるその使用である。本発明の他の主題は、結晶型IIIの式(I)で表される(+)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−(メタンスルホニル−メチルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸亜鉛(2:1)塩(結晶型Vのロスバスタチンの製造における原料物質として有利に使用される)である。本発明のさらに他の目的は、非晶質のロスバスタチン亜鉛(2:1)塩を製造する方法にある。
式(II)で表される(+)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−(メタンスルホニル−メチルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸(ロスバスタチン)は当該技術分野において知られている。ロスバスタチンは、最初に、ヨーロッパ特許第521471号において、遊離の酸及び式(III)
Figure 2013542977
で表されるカルシウム塩及びアンモニウム塩のような、いくつかの薬学上許容される塩として開示された。国際特許出願公開WO01/060804号には、ロスバスタチンの結晶性のリチウム塩、マグネシウム塩及び特定のアミンとの結晶性の塩が開示されている。
国際特許出願公開WO2005/023779号、WO2006/079611号及びWO2008/036286号には、いくつかの異なる結晶性水和物形の式(III)で表されるロスバスタチンカルシウム塩が開示されている。国際特許出願公開WO2005/051921号及びWO2008/038132号は、アミン又はジアミンとのロスバスタチンの他の塩に係る。国際特許出願公開WO2005/077917号は、非晶質のロスバスタチンマグネシウム塩を開示する。国際特許出願公開WO2007/086082号は、非晶質及び結晶性のカリウム塩及びその製造方法を開示する。
式(I)で表されるロスバスタチン亜鉛(2:1)塩は、最初に、ハンガリー国特許出願第P0600293号及び対応する国際特許出願公開WO2007/119085号に開示された。ハンガリー国特許出願第P070667号及び対応する国際特許出願公開WO2009/047577号は、さらに、式(I)で表されるロスバスタチン亜鉛塩を製造する方法を開示しており、該方法では、原料として、式(II)で表されるロスバスタチン、そのナトリウム塩、そのアルキルエステル、ロスバスタチンラクトン又はロスバスタチンケタールエステルが使用される。
国際特許出願公開WO2008/015563号には、式(I)で表されるロスバスタチン亜鉛塩の製法が開示されており、当該方法は、ロスバスタチン3級ブチルアミン塩をロスバスタチンナトリウム塩に転化し、前記ロスバスタチンナトリウム塩を亜鉛イオンと反応させることによって亜鉛塩を生成し、生成物を水性溶媒から濾過することを含んでなる。
ハンガリー国特許出願第P0900019号は、式(I)で表されるロスバスタチン亜鉛塩の他の製法に係り、該方法では、ロスバスタチン3級ブチルアミン塩を原料とし、前記生成物を有機溶媒から単離することによって、式(I)で表されるロスバスタチン亜鉛塩を直接生成している。
ハンガリー国特許出願第P0600293号、第P070667号及び第P0900019号の方法によって又は国際特許出願公開WO2008/015563号に開示された方法によって得られた式(I)で表されるロスバスタチン亜鉛塩は非晶質の形態である。国際特許出願PCT/HU2009/00064は、結晶型Iのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩に係る。
医薬品において使用される薬学上活性な成分の品質は、保険機関によって定められた厳格な基準によって決定される。これらの基準のいくつかは、活性成分の化学的純度及び安定性に係るものである。これらの基準は、薬局方において設定され、公開されている。製造承認の発行に関する基本的な条件は、医薬品と同様に、薬学上活性な成分に関する品質条件に適合することである。
医薬品を製造のためにロスバスタチンを使用することについては、薬学上活性な成分を、高純度であり、化学的に安定であり、最終の剤形の製造において容易に取り扱うことができるような形状で得たいとの要求が存在する。
最近、医薬工業では、薬学上活性な成分を化学的に及び形態学的に純粋な形で得るための再現性のある製法を提供するために、明確な要求が生じている。薬学上活性な成分を均質な固体状態で得ることは、最終剤形の工業的製造の要件を満足するための必須要件である。異なった形態を有する同一の活性成分の固体形状が、溶解度、生物学的利用能及び化学的安定性の程度の点で重大な相違を生ずることは周知の事実である。工業化学及び製薬技術の観点から、活性成分の固体形状が異なると、技術の操作に関する特性、例えば、濾過又は乾燥の速度、溶解度、錠剤成形の際の挙動が明らかに相違することが重要である。上述の特性は、工業的製法の効率、経済性、再現性及び複雑性に直接影響を及ぼし、同時に、形態学的に均質な製品を製造することを可能にする。
結晶性の薬学上活性な成分は、非晶質形と比べて、改善された化学的安定性を有することが一般的に認められている。最終剤形の製造及び保存の間における異なった分解プロセスのため、この推定は一般的に重要である。従って、医薬品の製造者は、製剤開発の際には、結晶形の活性成分を好んで使用している。
スタチン系の活性成分は明らかに分解する傾向があるため(Ravi P. Shah,Vijay Kumar及びSaranjit Singh,アトルバスタチンの加水分解生成物の同定及び特徴付けに関するLC−MS/MSによる検討,質量分析法に関する12回ISMASシンポジウム及びセミナーの講演要旨集,March 25−30,2007,Cidade de Goa,Dona Paula,Goa)、増大された化学的安定性を発揮できる当該系統の活性成分の形状を提供するとの明確な要求がある。例えば、ロスバスタチンと同様の構造を有する非晶質形のアトルバスタチン(すなわち、両化合物は、3,5−ジヒドロキシ−アルカノン酸部分を共有する)又はヨーロッパ特許第409281号に開示された非晶質形及び結晶形の形態学的に不均質な混合物は、結晶形の同じ化合物よりも安定性に劣ることが知られている。このように、国際特許出願公開WO97/03959号に開示されているように、化学的又は製薬的操作の間の増大された特性(例えば、濾過の容易性)及び増大された安定性を示すアトルバスタチンの結晶型I、II及びIVの開発については、いくつかの製薬会社において開発研究が行われ、40種以上の結晶型のアトルバスタチンが開発された。
ロスバスタチンは、特に、光、酸素及び熱にさらされることによって分解する傾向にある。例えば、光に暴露される際、固状であっても、Astrarita及び共同研究者によって開示されている分解性生物が形成される(J.Photochem.Photobiol.A.Chem.2007,187,263−268)。
薬学上活性な成分の多形性はいくつかの方法で活用される。上述のように、好適な安定性及び不純物プロフィール(純度)を有する結晶型を最終剤形の製造に使用することは最も重要である。結晶性の活性成分が大規模製造及び工業的規模での製薬技術にとって好適な特性を有していなければならないことも重要である。しかし、多形体の異なった特性、例えば、溶解速度、粒径等も、異なった最終剤形のデザインにおいて活用される。低い溶解速度を有する多形体は、遅効性剤形の特性に貢献でき、一方、当業者は、即効性剤形の形成では、より高い溶解度又はより高い溶解速度を有する剤形を評価するであろう。
上記事項によれば、式(II)で表されるロスバスタチンの結晶性塩を提供することが強く望まれている。
発明者らの研究開発の目的は、医薬品の製造に適し、工業的環境下において、常に、高品質で製造されるロスバスタチン亜鉛(2:1)塩を提供することにある。
上記目的は本発明によって解決された。
驚くべきことには、発明者らは、ロスバスタチン亜鉛(2:1)塩が、好適は安定性、有利な不純物プロフィール及び物理的特性を有する1以上の形態学的に均質な結晶型で合成されることを見出し、該塩は、簡単なプロセスを使用して、工業的規模で、再現可能に製造される。
結晶形のロスバスタチンカルシウム塩(初めて1991年に開示された)は、非晶質形の発見から10年以上の後に入手可能となった。結晶形のロスバスタチンカルシウムが調製されたとの事実にもかかわらず、前記結晶形は、医薬品の製造には未だ使用されていない。この現象は、開発者の製品CRESTOR(登録商標)さえも、非晶質形のロスバスタチンカルシウムを含有するとの事実によるものである。
遷移金属の亜鉛は、水又は他の無機化合物及びイオンと錯体を形成すると同様に、有機リガンドと錯体を形成することが周知であるため、ロスバスタチンの亜鉛(2:1)塩が結晶形で製造されることは驚くべきことである。
さらに、当技術の現状では、非晶質形のみが知られている化学化合物又は塩についての結晶形成の可能性を予測するために使用される方法は存在せず、新規な結晶形の物理化学特性を推測するための方法も存在しない。
本発明の第1の態様によれば、結晶型Vの式(I)で表される(+)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−(メタンスルホニル−メチルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸亜鉛(2:1)塩が提供される。
本発明の第2の態様によれば、結晶型Vのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩の製法が提供される。
本発明の第3の態様によれば、医薬品の製造における、結晶型Vの式(I)で表されるロスバスタチン亜鉛(2:1)塩の使用方法が提供される。
本発明のさらに他の態様は、損なわれたコレステロール及び脂質代謝をもつ患者の治療のための、結晶型Vのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩の使用にある。
本発明のさらに他の態様によれば、結晶型Vのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩の製造において有利な原料である結晶型IIIの式(I)で表されるロスバスタチン亜鉛(2:1)塩及びその製法が提供される。
本発明の他の態様によれば、高純度を有する非晶質のロスバスタチン亜鉛(2:1)塩の改良された製法が提供される。
結晶型Vのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩の粉末X線ディフラクトグラムを示すチャートである。 結晶型IIIのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩の粉末X線ディフラクトグラムを示すチャートである。
ハンガリー国特許出願第P0600293号、第P070667号及び第P0900019号に開示された方法に従って調製された式(I)で表されるロスバスタチン亜鉛(2:1)塩は、シャープで、よく限定された融点(非晶質物質であることを表示する)を有していない。溶融は137℃で始まり、広い温度範囲にわたって生ずる。国際特許出願公開WO2008/015563号の方法によって得られたロスバスタチン亜鉛(2:1)塩は、粉末X線回折分析によって特徴付けられている。前記特許出願に開示された分析結果は、得られる生成物が非晶質の形態を有することを明確に示すものである。融点は開示されていない。
発明者らは、驚くべきことには、新規な結晶型の式(I)で表されるロスバスタチン亜鉛(2:1)塩が存在するとの知見を得て、本発明に至った。
本発明の第1の態様によれば、結晶型Vの式(I)で表される(+)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−(メタンスルホニル−メチルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸亜鉛(2:1)塩が提供される。結晶型Vのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩は新規である。
結晶型Vのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩は、図1に示す粉末X線回折パターン(CuKα放射線を使用して測定される)を示す。結晶型Vのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩特徴的なX線回折角及び対応する相対強度を下記の表1に示す。
Figure 2013542977
粉末X線回折分析の測定条件は下記のとおりである:
装置:Bruker D8 ADVANCE 粉末回折装置
放射線:CuKα1(λ=1.54060Å)、CuKα2(λ=1.54439Å)
電圧:40kV
アノード電流:40mA
付属品:ゲーベルミラー、ソーラスリット(2.5°)、試料採取器、透過位置
検出器:LynxEye
測定:連続θ/θ スキャン:4°〜35°2θ
取得率:1.2°/分
ステップ:0.02°
サンプル:前処理なし、Mylarシートの間に埋設、室温
サンプルの回転:1rpm
対象物質:Quarzprobe RA450(Bruker AXS)
再現性:±0.2°2θ
サンプルの前処理(例えば、粉砕)は、粉末X線ディフラクトグラムの相対強度に対して非常に重大な影響を有することは当分野においてよく知られている。従って、サンプルの前処理を行っていない。
当業者であれば、粉末X線ディフラクトグラムによって既知の物質の固体状態の形態を同定できることは知っているはずである。これは、いくつかの強力なX線回折シグナルの位置(回折角)を測定することによって簡単に行われる。このような同定は、固状の最終剤形の製造では、形態の変化が結晶性の活性成分の異なる結晶型への又は非晶質形への変形によって生じ得るため、固状剤形における活性成分の形態をテストするためには非常に重要である。
結晶型Vのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩の最も強い回折シグナルに属する回折角は4.764°2θである。このX線回折シグナルは、結晶型Iのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩の同定のために最も便利に使用される。
結晶型Vのロスバスタチン亜鉛(2:1)のディフラクトグラムにおいて、相対強度が50%を超える回折線の回折角は、4.764°及び15.371°2θである。
相対強度少なくとも20%を有する結晶型Vのロスバスタチン亜鉛(2:1)の回折シグナルに属する回折角は次のとおりである:4.764°、5.873°、10.960°、12.224°、13.118°、15.371°、17.995°、19.394°、24.235°2θ。
本発明の結晶型Vのロスバスタチン亜鉛(2:1)は、水和物の水の形、チャンネル水和物又は物理的に吸収された水として水1〜10当量、好ましくは1〜6当量を含有できる。
本発明の第2の態様によれば、結晶型Vの式(I)で表されるロスバスタチン亜鉛(2:1)塩の製法が提供される。
明細書を通して、記載「炭素原子1〜6個を含んでなるアルコール」は、炭素原子1〜6個を有する直鎖又は分枝状の飽和脂肪族アルコール、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等を意味する。
結晶型Vの式(I)で表されるロスバスタチン亜鉛(2:1)塩の製法は、結晶型IIIのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩を、不活性ガス雰囲気下、2〜100倍質量、好ましくは2〜50倍質量、最も好ましくは2.5〜25倍質量の水中、又は水と炭素原子1〜6個を含んでなるアルコールとの混合物中において、温度−10〜40℃、好ましくは10〜30℃で、1〜168時間、好ましくは4〜120時間撹拌することを含んでなる。生成物を単離し、必要であれば、不活性雰囲気下、温度0〜30℃において乾燥させる。好適な不活性ガスとしては、窒素及びアルゴンが含まれるが、これらに限定されない。
上述の結晶型Vのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩の製法における原料は、結晶型IIIのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩である。前記結晶型は、表2のX線回折データによって特徴付けられ、そのX線ディフラクトグラムを図2に示す。X線回折測定を、結晶型Vについて上述したものと同一の条件下で行った。結晶型IIIのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩は、非晶質のロスバスタチン亜鉛(2:1)塩を原料として調製される。
Figure 2013542977
結晶型IIIのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩は、18.961°2θにおけるその主(基本)反射によって、又は6.259°、13.414°及び18.961°2θにおける相対強度70%を越える特徴的な反射によって同定される。50%を越える相対強度を示す結晶型IIIのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩の特徴的な反射は、6.259°、10.982°、13.414°、16.401°、18.600°、18.961°、19.409°、20.462°及び22.302°2θにおいて観察される。結晶型IIIのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩は、さらに、6.259°、9.400°、10.982°、13.414°、15.480°、16.401°、16.623°、16.926°、18.338°、18.600°、18.961°、19.409°、20.462°、21.846°、22.302°、22.779°、23.232°、26.451°、27.178°、27.603°、31.311°及び31.861°2θに20%より大の相対強度を有する反射を示す。
本発明の他の目的は、結晶型IIIのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩の調製法にある。
結晶型IIIのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩を調製するための第1の方法は、非晶質のロスバスタチン亜鉛(2:1)塩を、5〜100倍質量、好ましくは20〜60倍質量の水中、又は水と炭素原子1〜6個を含んでなるアルコールとの混合物中において(任意に、式(I)のロスバスタチン亜鉛塩のモル量で算定して0.0001〜0.01、好ましくは0.005〜0.01モル当量の水酸化ナトリウムを含有する)、温度−10〜40℃、好ましくは0〜10℃で、1〜48時間、有利には2〜8時間、最も好ましくは4時間撹拌し、懸濁液を濾過し、任意に生成物を洗浄し、乾燥させることを含んでなる。
結晶型IIIのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩を調製するための第2の方法は、非晶質のロスバスタチン亜鉛(2:1)塩を、5〜100倍質量、好ましくは20〜60倍質量の水中、又は水と炭素原子1〜6個を含んでなるアルコールとの混合物中において、温度−10〜40℃、好ましくは0〜10℃で、1〜48時間、有利には2〜8時間、最も好ましくは4時間撹拌し、5〜100倍質量、好ましくは20〜60倍質量の水中、又は水と炭素原子1〜6個を含んでなるアルコールとの混合物中における温度−10〜40℃、好ましくは0〜10℃、1〜48時間、有利には2〜8時間、最も好ましくは4時間での撹拌を繰り返し、懸濁液を濾過し、任意に結晶型IIIのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩を洗浄し、乾燥させることを含んでなる。
本発明のさらに他の態様によれば、非晶質のロスバスタチン亜鉛(2:1)塩の調製法が提供され、該調製法は、ロスバスタチン3級ブチルアミン塩の水又は水及び炭素原子1〜6個を含んでなるアルコールの混合物溶液を、−10〜20℃、好ましくは0〜10℃の温度に冷却した2〜50倍容量、好ましくは4〜10倍容量の水又は水及び炭素原子1〜6個を含んでなるアルコールと混合及び迅速に混合及び撹拌することを含んでなる。
本発明の他の態様によれば、結晶型Vの式(I)で表されるロスバスタチン亜鉛(2:1)塩を含有する医薬品が提供される。このような医薬品は、1以上の既知のビヒクル又は補助剤も含有できる。
本発明の他の態様による医薬品は、多くの場合、式(I)で表される結晶型Vの薬学上活性な成分0.1〜95質量%を含有する。活性成分の割合は、有利には、5〜75質量%である。
本発明による医薬品は、経口(例えば、粉末、錠剤、コーティング又はフィルムコーティング錠、カプセル、マイクロカプセル、顆粒、ペレット、糖衣錠、溶液、懸濁液又はエマルジョン)、非経口(例えば、静脈内、筋肉内、皮下又は腹腔内注射の形又は点滴として)、直腸内(例えば、坐剤の形)又は局所的(例えば、クリーム、軟膏又は貼付剤として)投与される。当分野において公知の方法に従って、本発明による固状、半固状又は液状の医薬品を製造できる。
結晶型Vの式(I)で表されるロスバスタチン亜鉛(2:1)塩を含有する経口投与に適する医薬品は固体として具現化され、活性成分以外に、1以上のビヒクル又は賦形剤(例えば、乳糖、グルコース、デンプン、リン酸カルシウム、微結晶性セルロース)、結合剤(例えば、ゼラチン、ソルビトール、ポリビニルピロリドン)、崩壊剤(例えば、クロスカルメロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クロスポビドン)、打錠補助剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ又は二酸化ケイ素)又は界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)を含有できる。
本発明による結晶型Vのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩を含有する経口投与のための液体の医薬品は、溶液、懸濁液又はエマルジョンとして具現化され、活性成分と混合して、懸濁剤(例えば、ゼラチン、カルボキシメチルセル)、乳化剤(例えば、ソルビタンモノオレエート)、溶媒又は液体ビヒクル(例えば、水、油、グリセロール、プロピレングリコール、エタノール)、pH調節剤(例えば、酢酸塩、リン酸塩、クエン酸塩緩衝剤)又は安定剤(例えば、メチル−4−ヒドロキシ安息香酸エステル)を含有できる。
結晶型Vの式(I)で表される化合物を含有する非経口投与のための医薬品は、通常、殺菌した等張水溶液又は懸濁液であり、補助剤としてpH調節剤及び保存料を含有できる。
結晶型Vの式(I)で表される化合物を含有する半固状製剤として具現化される医薬品、例えば坐剤は、半固状基剤(例えば、ポリエチレングリコール、カカオ脂)に均一に分散された活性成分を含有する。
本発明による結晶型Vのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩を含有する医薬品は、放出調節製剤、放出制御製剤又は持続放出製剤として具現化される。この様式では、長期持続性効果が達成され、又は医薬品の投与間隔が増大される。放出調節製剤、放出制御製剤又は持続放出製剤は、当分野において公知の方法に従って製造される。
本発明の他の態様によれば、結晶型Vの式(I)で表されるロスバスタチン亜鉛(2:1)塩を含有する医薬品の製法が提供され、該製法は、任意に、結晶型Vのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩を薬学上許容されるビヒクル及び補助剤と混合し、このようにして得られた生成物を、当分野において公知の方法を使用して、医薬剤形に転化することを含んでなる。製剤法とともに、好適な薬学上許容されるビヒクル及び補助剤は先行文献に開示されている(Remington‘s Pharmaceutical Science,18版,Mack Publishing Co.,イーストン,米国,1990)。
結晶型Vの式(I)で表される化合物を含有する医薬品は、好ましくは、単位剤形内に活性成分を含有する。
本発明の他の態様によれば、高コレステロール血症、高脂血症及びアテローム性動脈硬化症を含む脂質代謝の疾患又は障害の治療における、結晶型Vの式(I)で表されるロスバスタチン亜鉛(2:1)塩の使用が提供される。
本発明の他の態様によれば、高コレステロール血症、高脂血症及びアテローム性動脈硬化症を含む脂質代謝の疾患又は障害を治療する方法が提供され、該方法は、このような治療を必要とする患者に、結晶型Vの式(I)で表されるロスバスタチン亜鉛(2:1)塩を投与することを含んでなる。
結晶型Vのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩と同様に、結晶型IIIの塩が、医薬製剤における活性成分として使用される。
本発明の他の態様は下記の実施例によって示されるが、本発明は、これら実施例に限定されない。
非晶質の7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−(メタンスルホニル−メチルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸亜鉛(2:1)塩
7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−(メタンスルホニル−メチルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸3級ブチルアミン塩50.0g(0.09モル)を、酢酸エチル500cm及び蒸留水153cmの混合物中に、25℃において撹拌しながら溶解させた。このようにして得られた2層混合物に、2.23M硫酸亜鉛溶液55cm(ZnSO0.122モル+HOに相当)を、温度25℃において15分間で1滴ずつ添加した。1時間激しく撹拌した後、層を分離し、有機層を2.23M硫酸亜鉛溶液100cmずつで2回洗浄し、最後に水100cmで洗浄した(最後の水による洗浄工程では、層の分離を容易なものとするためにエタノール12cmを添加した)。
下記の手順に従い、温度50℃、圧力50〜70ミリバール(約5.0〜7.0kPa)における真空共沸蒸留によって有機層の乾燥を行った。
第1工程において、溶媒のほぼ全量を留去する。このようにして得られた残渣は102.0gであり、極微量の固体を含有するオイル状である。残渣を約30℃において酢酸エチル500cmに溶解し、固状の結晶相を含有する濃い懸濁液が得られるまで、溶媒を繰り返し留去した。質量154gの残渣を酢酸エチル300cmに溶解し、均質になるまで混合物を撹拌し、濃い懸濁液が形成されるまで溶媒を留去した。質量182gの懸濁液を酢酸エチル200cmと混合し、徹底して撹拌した。混合物を濾過し、濾液を吸引によって完全に除去し、フィルター上で、酢酸エチル90cmずつで3回懸濁化させた。
光から保護した真空乾燥キャビネット内に、生成物を注意して広げ、25℃において、圧力5ミリバール(約0.5kPa)で24時間乾燥させた。生成物を粉末化し、温度50℃及び圧力5ミリバール(約0.5kPa)で6時間繰り返し乾燥させた。このようにして、生成物41.74g(90%)が得られた。
IR(KBr):3425(幅広い)、2969、1605、1547、1510、1381、1230、1197、1156、965、901、844、811、776、576、567、520cm−1
融点:137℃から溶融開始
水:0.85%
非晶質の7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−(メタンスルホニル−メチルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸亜鉛(2:1)塩
ロスバスタチン3級ブチルアミン塩12.4gを、2−プロパノール40cm及び水5cmの混合物中に懸濁化させた。この懸濁液に、ZnSO4.4g及び水15mlの溶液を添加したところ、透明な溶液が形成された。この溶液を、4〜6℃において、5分間で水320cmに添加した。4〜6℃において0.5時間撹拌した後、濾過し、ついで、フィルターケーキを、不活性雰囲気下、真空中、25℃で乾燥させた。
非晶質の7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−(メタンスルホニル−メチルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸亜鉛(2:1)塩
非晶質又は結晶型Iのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩10.0gを、2−プロパノール35cm及び水15cmの混合物中に溶解させた。この溶液を、4〜6℃において、5分間で水320cmに添加した。4〜6℃において0.5時間撹拌した後、濾過し、ついで、フィルターケーキを、不活性雰囲気下、真空中、25℃で乾燥させた。
非晶質の7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−(メタンスルホニル−メチルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸亜鉛(2:1)塩
ロスバスタチン3級ブチルアミン塩10.0gを水600cmに溶解させた。この溶液を0〜5℃に冷却した。ついで、冷却した溶液に、ZnSO3.6g及び水15mlの溶液を添加した。懸濁液を4〜6℃において0.5時間撹拌し、ついで、濾過し、フィルターケーキを、不活性雰囲気下、真空中、25℃で乾燥させた。
非晶質の7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−(メタンスルホニル−メチルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸亜鉛(2:1)塩
ロスバスタチン3級ブチルアミン塩10.0gを、2−プロパノール36cm及び水340cmの混合物中に溶解させた。溶液を0〜5℃に冷却し、ついで、冷却した溶液に、ZnSO3.6g及び水15mlの溶液を添加した。この懸濁液を、4〜6℃において0.5時間撹拌し、ついで、濾過し、フィルターケーキを、不活性雰囲気下、真空中、25℃で乾燥させた。
結晶型IIIの7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−(メタンスルホニル−メチルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸亜鉛(2:1)塩
実施例1に従って調製した非晶質のロスバスタチン亜鉛(2:1)塩1.0g(0.97ミリモル)を、水酸化ナトリウム0.2mg(0.005ミリモル)の蒸留水40cm溶液に添加した。混合物を、アルゴン雰囲気下、温度40℃において4時間撹拌し、濾過し、懸濁化剤と同じ組成を有する溶液にて洗浄した。このようにして得られた湿潤フィルターケーキを、第1の期間と同じ条件下で4時間繰り返し撹拌した。懸濁液を濾過し、懸濁化溶液と同じ組成を有する溶液にて洗浄し、真空乾燥キャビネットにおいて、温度25〜27℃において、圧力5ミリバール(約0.5kPa)で24時間乾燥させた。このようにして、図2に示すX線回折パターンを有する生成物0.75g(75%)が得られた。
融点:110〜120℃
純度(HPLCによる):99.71%
亜鉛含量:6.25%(理論値の98.4%)
結晶型IIIの7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−(メタンスルホニル−メチルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸亜鉛(2:1)塩
実施例1に従って調製した非晶質のロスバスタチン亜鉛(2:1)塩10.0gを、水600cm中、4〜6℃において、24時間懸濁化させた。ついで、濾過し、フィルターケーキを、不活性雰囲気下、真空中、25℃において乾燥させた。
結晶型IIIの7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−(メタンスルホニル−メチルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸亜鉛(2:1)塩
実施例1に従って調製した非晶質のロスバスタチン亜鉛(2:1)塩10.0gを、2−プロパノール36cm及び水350cmの混合物中、4〜6℃において、24時間懸濁化させた。ついで、濾過し、フィルターケーキを、不活性雰囲気下、真空中、25℃において乾燥させた。
結晶型Vの7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−(メタンスルホニル−メチルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸亜鉛(2:1)塩
ロスバスタチン亜鉛(2:1)塩の結晶型IIIの多形体2.0gを、25℃において、水に溶解させ、混合物を、アルゴン雰囲気下、24時間撹拌した。その後、混合物を3℃に冷却し、さらに96時間撹拌を続けた。固体生成物を濾過し、アルゴン雰囲気下、25℃において乾燥させた。
結晶型Vの7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−(メタンスルホニル−メチルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸亜鉛(2:1)塩
ロスバスタチン亜鉛(2:1)塩の結晶型IIIの多形体2.0gを、25℃において、2−プロパノール7cm及び水70cm中に懸濁化させ、混合物を、アルゴン雰囲気下、24時間撹拌した。固体生成物を濾過し、アルゴン雰囲気下、25℃において乾燥させた。
結晶型Vの7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−(メタンスルホニル−メチルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸亜鉛(2:1)塩
ロスバスタチン亜鉛(2:1)塩の結晶型IIIの多形体2.0gを、25℃において、水20cm中に懸濁化させ、混合物を、アルゴン雰囲気下、24時間撹拌した。その後、混合物を3℃に冷却し、さらに96時間、撹拌を続けた。固体生成物を濾過し、不活性雰囲気下、真空中、25℃において乾燥させた。

Claims (24)

  1. 放射線CuKαを使用することによって次の回折角2θ(±0.2°2θ):4.746°において測定されたX線回折ラインによって特徴づけられる、結晶型Vの式(I)
    Figure 2013542977

    で表されるロスバスタチン亜鉛(2:1)塩((+)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−(メタンスルホニル−メチルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸ヘミ亜鉛塩)。
  2. 放射線CuKαを使用することによって次の回折角2θ(±0.2°2θ):4.746°及び15.371°において測定されたX線回折線によって特徴づけられる結晶型Vの式(I)で表されるロスバスタチン亜鉛(2:1)塩((+)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−(メタンスルホニル−メチルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸ヘミ亜鉛塩)。
  3. 図1の粉末X線ディフラクトグラム及び放射線CuKαによって測定された下記X線回折ライン
    Figure 2013542977
    を有する請求項1又は2記載の結晶型Vのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩。
  4. 放射線CuKαを使用することによって測定された図1のX線ディフラクトグラムを有することによって特徴づけられる結晶型Vのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩。
  5. 水1〜10モル、好ましくは1〜6モルを含有する請求項1〜3のいずれかに記載のロスバスタチン亜鉛(2:1)塩。
  6. 非晶質のロスバスタチン亜鉛(2:1)塩との請求項1〜4のいずれかに記載の結晶性ロスバスタチン亜鉛(2:1)塩の混合物。
  7. 結晶型Vのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩を製造する方法であって、非晶質のロスバスタチン亜鉛(2:1)塩を結晶型IIIのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩に転化させ、このようにして得られた生成物を、2〜100倍質量、有利には2〜50倍質量、最も好ましくは2.5〜25倍質量の水中又は水と炭素原子1〜6個を含んでなるアルコールとの混合物中、温度−10〜40℃、好ましくは10〜30℃において、1〜168時間、好ましくは4〜120時間撹拌し、単離し、及び任意に生成物を乾燥させることを含んでなる結晶型Vのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩の製法。
  8. 結晶型Vのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩を製造する方法であって、結晶型IIIのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩を、2〜100倍質量、有利には2〜50倍質量、最も好ましくは2.5〜25倍質量の水中又は水と炭素原子1〜6個を含んでなるアルコールとの混合物中、温度−10〜40℃、好ましくは10〜30℃において、1〜168時間、好ましくは4〜120時間撹拌し、単離し、及び任意に生成物を乾燥させることを含んでなる結晶型Vのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩の製法。
  9. 撹拌、単離及び任意の乾燥を不活性雰囲気下で行う請求項7又は8記載の製法。
  10. 乾燥を温度0〜30℃で行う請求項7又は8記載の製法。
  11. 任意に薬学上許容されるビヒクルの混合物として、請求項1〜4のいずれかに記載の結晶型Vのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩を治療上有効な量で含有する医薬品。
  12. 請求項11記載の医薬品を製造する方法であって、任意に、請求項1〜4のいずれかに記載の結晶型Vのロスバスタチン亜鉛塩を薬学上許容されるビヒクルと混合し、及び医薬剤形に転化することを含んでなる医薬品の製法。
  13. 治療における使用のための請求項1〜4のいずれかに記載の結晶型Vのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩。
  14. 高コレステロール血症、高脂血症、脂質異常症及びアテローム性動脈硬化症を含む脂質代謝の治療における請求項1〜4のいずれかに記載の結晶型Vのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩の使用。
  15. 高コレステロール血症、高脂血症、脂質異常症及びアテローム性動脈硬化症を含む脂質代謝の疾患の治療における請求項1〜4のいずれかに記載の結晶型Vのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩の使用。
  16. 高コレステロール血症、高脂血症、脂質異常症及びアテローム性動脈硬化症を含む脂質代謝の疾患を治療する方法であって、このような治療を必要とする患者に、請求項1〜4のいずれかに記載の結晶型Vのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩を治療上有効な量で含有する医薬品を投与することを含んでなる脂質代謝の疾患の治療法。
  17. 放射線CuKαを使用することによって次の回折角2θ(±0.2°2θ):18.961°において測定されたX線回折線によって特徴づけられる結晶型IIIのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩((+)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−(メタンスルホニル−メチルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸ヘミ亜鉛塩)。
  18. 放射線CuKαを使用することによって次の回折角2θ(±0.2°2θ):6.259°、13.414°及び18.961°において測定されたX線回折線によって特徴づけられる結晶型IIIのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩((+)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−(メタンスルホニル−メチルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸ヘミ亜鉛塩)。
  19. 放射線CuKαを使用することによって次の回折角2θ(±0.2°2θ):6.259°、10.982°、13.414°、16.401°、18.600°、18.961°、19.409°、20.462°及び22.302°において測定されたX線回折線によって特徴づけられる結晶型IIIのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩((+)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−(メタンスルホニル−メチルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸ヘミ亜鉛塩)。
  20. 放射線CuKαを使用することによって次の回折角2θ(±0.2°2θ):6.259°、9.400°、10.982°、13.414°、15.480°、16.401°、16.623°、16.926°、18.338°、18.600°、18.961°、19.409°、20.462°、21.846°、22.302°、22.779°、23.232°、26.451°、27.178°、27.603°、31.311°及び31.861°において測定されたX線回折線によって特徴づけられる結晶型IIIのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩((+)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−(メタンスルホニル−メチルアミノ)−ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸ヘミ亜鉛塩)。
  21. 放射線CuKαによって測定された図2の粉末X線ディフラクトグラムを有することによって特徴づけられる結晶型IIIのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩。
  22. 下記の表
    Figure 2013542977

    に従い放射線CuKαを使用することによって測定された粉末X線ディフラクトグラムにおいて特徴的な反射を有する結晶型IIIのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩。
  23. 結晶型IIIのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩を製造する方法であって、非晶質のロスバスタチン亜鉛(2:1)塩を、5〜100倍質量、好ましくは20〜60倍質量の、好ましくは式(I)で表されるロスバスタチン亜鉛(2:1)塩のモル量について算定して水酸化ナトリウム0.0001〜0.01モル当量、好ましくは0.005〜0.01モル当量を含有する水中又は水と炭素原子1〜6個を含んでなるアルコールとの混合物中において、温度−10〜40℃、好ましくは0〜10℃で、1〜48時間、有利には2〜8時間、最も好ましくは4時間撹拌し、懸濁液を濾過し、任意に、5〜100倍質量、好ましくは20〜60倍質量の水中又は水と炭素原子1〜6個を含んでなるアルコールとの混合物中における温度−10〜40℃、好ましくは0〜10℃、1〜48時間、有利には2〜8時間、最も好ましくは4時間の撹拌を繰り返し、及び任意に洗浄し及び乾燥させることを含んでなる結晶型IIIのロスバスタチン亜鉛(2:1)塩の製法。
  24. 非晶質のロスバスタチン亜鉛(2:1)塩を製造する方法であって、ロスバスタチン3級ブチルアミンの水又は水と炭素原子1〜6個を含んでなるアルコールとの混合物中における溶液を提供し、前記溶液に、亜鉛塩、好ましくは硫酸亜鉛の水溶液を室温において添加し、前記溶液を、温度−10〜20℃、好ましくは0〜10℃に冷却した2〜50倍容量、好ましくは4〜10倍容量の水と混合及び撹拌することを含んでなる非晶質のロスバスタチン亜鉛(2:1)塩の製法。
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