JP2013542915A - 薬物−リガンドコンジュゲート、その合成およびその中間体 - Google Patents

薬物−リガンドコンジュゲート、その合成およびその中間体 Download PDF

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    • C07H15/26Acyclic or carbocyclic radicals, substituted by hetero rings

Abstract

本発明は、式Iの化合物またはその医薬的に許容される塩を合成する方法に関するものであり:式中、X、Alk、AlkおよびWのそれぞれは、本明細書で定義および記載されている通りである。
【選択図】図20

Description

国際出願第PCT/US2010/22268号は、コンジュゲート・ベース・システム、その調製方法およびこれらのコンジュゲートのたとえば治療薬としての使用について記載している。薬物−リガンドコンジュゲートの代わりの合成方法が所望される。
国際出願第PCT/US2010/22268号
本明細書に記載する場合、本発明は、インスリンなどの薬物の薬物動態(PK)および/または薬力学(PD)プロフィールを、グルコースなどの糖類の全身濃度に応答する方法で制御することができる薬物−リガンドコンジュゲートを調製する方法を提供する。このようなコンジュゲートは、式Iのコンジュゲート:
Figure 2013542915
またはその医薬的に許容される塩を包含し、式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
Wは薬物である。
本発明は、このようなコンジュゲートを調製するのに有用な合成中間体も提供する。ある実施形態において、薬物−リガンドコンジュゲートの調製に有用な例示的中間体は、式Aのコンジュゲートであり:
Figure 2013542915
式中、X、Alk、AlkおよびLGは、定義されている通りであり、本明細書の実施形態に記載されている。
本発明は、Wのような薬物の代わりに、検出可能な標識を包含するコンジュゲートを調製する方法も提供する。
定義
本明細書全体を通じて使用する具体的な官能基、化学用語および一般用語の定義を、以下でより詳細に記載する。本発明の目的のために、化学元素は、Periodic Table of the Elements,CAS version,Handbook of Chemistry and Physics,75th Ed.,内表紙に従って明示されるものであり、具体的な官能基は一般にその中に記載されているように定義されている。加えて、有機化学の一般原理ならびに具体的な官能部分および反応性は、Organic Chemistry,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito,1999;Smith and March March’s Advanced Organic Chemistry,5th Edition,John Wiley & Sons,Inc.,New York,2001;Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers,Inc.,New York,1989;Carruthers,Some Modern Methods of Organic Synthesis,3rd Edition,Cambridge University Press,Cambridge,1987に記載されている。
アシル−本明細書で使用する場合、「アシル」という用語は、一般式−C(=O)RXI、−C(=O)ORXI、−C(=O)−O−C(=O)RXI、−C(=O)SRXI、−C(=O)N(RXI、−C(=S)RXI、−C(=S)N(RXIおよび−C(=S)S(RXI)、−C(=NRXI)RXI、−C(=NRXI)ORXI、−C(=NRXI)SRXIならびに−C(=NRXI)N(RXI(式中、RXIは、水素;ハロゲン;置換もしくは非置換ヒドロキシル;置換もしくは非置換チオール;置換もしくは非置換アミノ;置換もしくは非置換アシル;環式もしくは非環式、置換もしくは非置換、分枝もしくは非分枝脂肪族;環式もしくは非環式、置換もしくは非置換,分枝もしくは非分枝ヘテロ脂肪族;環式もしくは非環式、置換もしくは非置換,分枝もしくは非分枝アルキル;環式もしくは非環式,置換もしくは非置換,分枝もしくは非分枝アルケニル;置換もしくは非置換アルキニル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、モノ−もしくはジ脂肪族アミノ、モノ−もしくはジヘテロ脂肪族アミノ、モノ−もしくはジアルキルアミノ、モノ−もしくはジヘテロアルキルアミノ、モノ−もしくはジアリールアミノ、またはモノ−もしくはジヘテロアリールアミノであるか;または2個のRXI基がひとまとめにされて、5から6員複素環式環を形成する。)を指す。例示的なアシル基としては、アルデヒド(−CHO)、カルボン酸(−COH)、ケトン、アシルハライド、エステル、アミド、イミン、カーボネート、カルバメートおよび尿素が挙げられる。アシル置換基としては、これに限定されるわけではないが、安定性部分の形成を生じる、本明細書に記載する置換基のいずれか(たとえば脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族,複素環式、アリール、ヘテロアリール、アシル、オキソ、イミノ、チオキソ、シアノ、イソシアノ、アミノ、アジド、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシなど、そのそれぞれはさらに置換されていても、または置換されていなくてもよい。)が挙げられる。
脂肪族−本明細書で使用する場合、「脂肪族」または「脂肪族基」という用語は、直鎖(すなわち非分枝)、分枝または環式(「炭素環式」)であり得る、および完全に飽和され得るまたは1単位以上の不飽和を含有し得るが、芳香族ではない、置換されていてもよい炭化水素部分を示す。別途規定しない限り、脂肪族基は1−12個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態において、脂肪族基は1−6個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態において、脂肪族基は1−4個の炭素原子を含有して、また他の実施形態において、脂肪族基は1−3個の炭素原子を含有する。好適な脂肪族基としては、これに限定されるわけではないが,直鎖または分枝アルキル、アルケニルおよびアルキニル基、ならびにたとえば(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキルまたは(シクロアルキル)アルケニルなどのそのハイブリッドが挙げられる。
アルケニル−本明細書で使用する場合、「アルケニル」という用語は、単一の水素原子の除去により少なくとも1個の炭素間二重結合を有する直鎖または分枝鎖脂肪族部分から誘導された置換されていてもよい1価基を示す。ある実施形態において、本発明で用いられるアルケニル基は2−6個の炭素原子を含有する。ある実施形態において、本発明で用いられるアルケニル基は2−5個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態において、本発明で用いられるアルケニル基は2−4個の炭素原子を含有する。別の実施形態において、用いられるアルケニル基は2−3個の炭素原子を含有する。アルケニル基としては、たとえばエテニル、プロペニル、ブテニル、1−メチル−2−ブテン−1−イルなどが挙げられる。
アルキル−本明細書で使用する場合、「アルキル」という用語は、単一の水素原子の除去により1から6個の間の炭素原子を含有する脂肪族部分から誘導された置換されていてもよい飽和、直鎖または分枝鎖炭化水素ラジカルを指す。いくつかの実施形態において、本発明で用いられるアルキル基は1−5個の炭素原子を含有する。別の実施形態において、用いられるアルキル基は1−4個の炭素原子を含有する。なお他の実施形態において、アルキル基は1−3個の炭素原子を含有する。また別の実施形態において、アルキル基は1−2個の炭素を含有する。アルキルラジカルの例としては、これに限定されるわけではないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、sec−ペンチル、イソ−ペンチル,tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n−ウンデシル、ドデシルなどが挙げられる。
アルキニル−本明細書で使用する場合、「アルキニル」という用語は、単一の水素原子の除去により少なくとも1個の炭素間三重結合を有する直鎖または分枝鎖脂肪族部分から誘導された置換されていてもよい1価基を指す。ある実施形態において、本発明で用いられるアルキニル基は2−6個の炭素原子を含有する。ある実施形態において、本発明で用いられるアルキニル基は2−5個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態において、本発明で用いられるアルキニル基は2−4個の炭素原子を含有する。別の実施形態において、用いられるアルキニル基は2−3個の炭素原子を含有する。代表的なアルキニル基としては、これに限定されるわけではないが、エチニル、2−プロピニル(プロパルギル)、1−プロピニルなどが挙げられる。
アリール−本明細書で使用する場合、「アリール」という用語は、単独でまたは「アラルキル」、「アラルコキシ」または「アリールオキシアルキル」におけるようにより大型の部分の一部として使用され、5から10環員を有する置換されていてもよい単環式または二環式環系であって、系の少なくとも1個の環が芳香族であり、系の各環が3から7個の環員を含有する単環式または二環式環系を指す。「アリール」という用語は、「アリール環」という用語と互換的に使用され得る。本発明のある実施形態において、「アリール」は、これに限定されるわけではないが、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラシルなどを包含し、1個以上の置換基を担持し得る芳香環系を指す。
アリールアルキル−本明細書で使用する場合、「アリールアルキル」という用語は、アリール基(たとえば芳香族またはヘテロ芳香族基)によって置換されたアルキル基を指す。
アルキレン鎖−本明細書で使用する場合、「アルキレン鎖」(単に「アルキレン」とも呼ばれる)という用語は、ポリメチレン基、すなわち−(CH−であり、式中、zは、1から30の、1から20の、1から12の、1から8の、1から6の、1から4の、1から3の、1から2の、2から30の、2から20の、2から10の、2から8の、2から6の、2から4の、または2から3の正の整数である。置換二価炭化水素鎖は、1つ以上のメチレン水素原子が置換基によって置き換えられているポリメチレン基である。置換脂肪族基のための好適な置換基は下記の置換基を包含する。メチレン単位−CH−も−O−、−S−、−NH−、−NHC(O)−、−C(O)NH−、−C(O)−、−S(O)−、−S(O)−などの他の二価基によって置き換えられていてもよい。
カルボニル−本明細書で使用する場合、「カルボニル」という用語は、炭素−酸素二重結合を含有する一価または二価部分を指す。カルボニル基の非制限的な例としては、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、エステル、アミド、エノン、アシルハライド、無水物、尿素、カルバメート、カーボネート、チオエステル、ラクトン、ラクタム、ヒドロキサメート、イソシアネートおよびクロロホルメートが挙げられる。
脂環式−本明細書で使用する場合、「脂環式」、「炭素環」、または「炭素環式」は、単独でまたより大型の部分の一部として使用され、3から10個の環員を有する、本明細書に記載されているような、置換されていてもよい飽和または部分不飽和の、環式脂肪族単環式または二環式環系を指す。脂環式基としては、制限なく、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、シクロオクチル、シクロオクテニルおよびシクロオクタジエニルが挙げられる。いくつかの実施形態において、シクロアルキルは3−6個の炭素を有する。
ハロゲン−本明細書で使用する場合、「ハロ」および「ハロゲン」という用語は、フッ素(フルオロ、−F)、塩素(クロロ、−Cl)、臭素(ブロモ、−Br)およびヨウ素(ヨード、−I)から選択される原子を指す。
ヘテロ脂肪族−本明細書で使用する場合、「ヘテロ脂肪族」または「ヘテロ脂肪族基」という用語は、直鎖(すなわち非分枝)、分枝または環式(「複素環式」)であり得る、および完全に飽和され得るまたは1単位以上の不飽和を含有し得るが、芳香族ではない、炭素原子に加えて1から5個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい炭化水素部分を示す。別途規定しない限り、ヘテロ脂肪族基は1−6個の炭素原子を含有し、1−3個の炭素原子は、酸素、窒素および硫黄から選択されるヘテロ原子によって独立して置き換えられていてもよい。いくつかの実施形態において、ヘテロ脂肪族基は1−4個の炭素原子を含有して、1−2個の炭素原子は、酸素、窒素および硫黄から選択されるヘテロ原子によって独立して置き換えられていてもよい。また他の実施形態において、ヘテロ脂肪族基は1−3個の炭素原子を含有して、1個の炭素原子は、酸素、窒素および硫黄から選択されるヘテロ原子によって独立して置き換えられていてもよい。好適なヘテロ脂肪族基としては、これに限定されるわけではないが、直鎖または分枝ヘテロアルキル、ヘテロアルケニルおよびヘテロアルキニル基が挙げられる。
ヘテロアラルキル−本明細書で使用する場合「ヘテロアラルキル」という用語は、ヘテロアリールによって置換され、アルキルおよびヘテロアリール部分が独立して置換されていてもよいアルキル基を指す。
ヘテロアリール−本明細書で使用する場合、単独でまたはより大型の部分の一部、たとえば「ヘテロアラルキル」もしくは「ヘテロアラルコキシ」として使用される「ヘテロアリール」という用語は、5から10個の環原子、好ましくは5、6または9個の環原子を有する;環式アレイ内で共有される6、10または14個のπ電子を有し;および炭素原子に加えて、1から5個のヘテロ原子を有する、置換されていてもよい基を指す。ヘテロアリール基としては、制限なく、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニル、プリニル、ナフチリジニルおよびプテリジニルが挙げられる。「ヘテロアリール」および「ヘテロアル−」という用語は、本明細書で使用する場合、ヘテロ芳香族環が1つ以上のアリール環、炭素環式環または複素環式環に縮合され、ラジカルまたは結合点がヘテロ芳香族環上にある基も包含する。非制限的な例としては、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンズチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H−キノリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニルおよびテトラヒドロイソキノリニルが挙げられる。ヘテロアリール基は単環式または二環式であり得る。「ヘテロアリール」という用語は、「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール基」または「ヘテロ芳香族」という用語と互換的に使用され得て、その用語のいずれも置換されていてもよい環を包含する。
ヘテロ原子−本明細書で使用する場合、「ヘテロ原子」という用語は、窒素、酸素または硫黄を指し、窒素または硫黄のいずれの酸化形および塩基性窒素のいずれの四級化形も包含する。「窒素」という用語は置換された窒素も包含する。
複素環式−本明細書で使用する場合、「複素環」、「ヘテロシクリル」、「複素環式ラジカル」および「複素環式環」という用語は、互換的に使用され、飽和または部分不飽和のどちらかであり、炭素原子に加えて1個以上の上で定義したようなヘテロ原子を有する、安定な、置換されていてもよい5から7員単環式または7から10員二環式複素環式部分を指す。複素環式環は、安定な構造を生じるいずれのヘテロ原子または炭素原子にてそのペンダント基に結合することができ、環原子のいずれも置換されていてもよい。このような飽和または部分不飽和複素環式ラジカルの例としては、制限なく、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルホリニルおよびキヌクリジニルが挙げられる。「複素環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリル環」、「複素環式基」、「複素環式部分」および「複素環式ラジカル」という用語は、本明細書で互換的に使用され、ヘテロシクリル環がインドリニル、3H−インドリル、クロマニル、フェナントリジニルまたはテトラヒドロキノリニルなどの1個以上のアリール環、ヘテロアリール環または炭素環式環に縮合され、ラジカルまたは結合点がヘテロシクリル環上にある基も包含する。ヘテロシクリル基は単環式または二環式であり得る。「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、アルキル基がヘテロシクリルによって置換されたアルキル基を指し、アルキル部分およびヘテロシクリル部分は独立して、置換されていてもよい。
不飽和−本明細書で使用する場合、「不飽和」という用語は、部分が1個以上の二重または三重結合を有することを意味する。
部分不飽和−本明細書で使用する場合、「部分不飽和」という用語は、少なくとも1つの二重または三重結合を含む環部分を指す。「部分不飽和」という用語は、複数の不飽和部位を有する環を含むことを意図するが、本明細書で定義するようなアリールまたはヘテロアリール部分を包含することは意図しない。
置換されていてもよい−本明細書に記載する場合、本発明の化合物は「置換されていてもよい」部分を含有し得る。概して、「置換された」という用語は、「されていてもよい」という用語に先行されていてもいなくても、指示された部分の1個以上の水素が好適な置換基によって置き換えられていることを意味する。別途指摘しない限り、「置換されていてもよい」基は、基の各置換可能な位置に好適な置換基を有し得て、所与の構造中の1を超える位置が規定された群より選択された1を超える置換基によって置換され得る場合、置換基は、各位置にて同じであり得るか、または異なり得るかのいずれかである。本発明により想定される置換基の組合せは、好ましくは安定な、または化学的に実現可能な化合物の形成を生じる組合せである。「安定な」という用語は、本明細書で使用する場合、本明細書に開示した目的の1つ以上のための、その生成、検出、ならびにある実施形態において、その回収、精製および使用を可能にする条件に供されたときに、実質的に改変されない化合物を指す。
「置換されていてもよい」基の置換可能な炭素原子上の好適な一価置換基は独立して、ハロゲン;−(CH0−4;−(CH0−4OR;−O−(CH0−4C(O)OR;−(CH0−4CH(OR;−(CH0−4SR;−(CH0−4Ph(Rによって置換され得る);−(CH0−4O(CH0−1Ph(Rによって置換され得る);−CH=CHPh(Rによって置換され得る);−NO;−CN;−N;−(CH0−4N(R;−(CH0−4N(R)C(O)R;−N(R)C(S)R;−(CH0−4N(R)C(O)NR ;−N(R)C(S)NR2;−(CH0−4N(R)C(O)OR;−N(R)N(R)C(O)R;−N(R)N(R)C(O)NR ;−N(R)N(R)C(O)OR;−(CH0−4C(O)R;−C(S)R;−(CH0−4C(O)OR;−(CH0−4C(O)SR;−(CH0−4C(O)OSiR ;−(CH0−4OC(O)R;−OC(O)(CH0−4SR−;SC(S)SR;−(CH0−4SC(O)R;−(CH0−4C(O)NR ;−C(S)NR ;−C(S)SR;−SC(S)SR、−(CH0−4OC(O)NR ;−C(O)N(OR)R;−C(O)C(O)R;−C(O)CHC(O)R;−C(NOR)R;−(CH0−4SSR;−(CH0−4S(O);−(CH0−4S(O)OR;−(CH0−4OS(O);−S(O)NR ;−(CH0−4S(O)R;−N(R)S(O)NR ;−N(R)S(O);−N(OR)R;−C(NH)NR ;−P(O);−P(O)R ;−OP(O)R ;−OP(O)(OR;SiR ;−(C1−4直鎖もしくは分枝アルキレン)O−N(R;または−(C1−4直鎖もしくは分枝アルキレン)C(O)O−N(Rであり、式中、各Rは、下で定義するように置換され得て、独立して水素、C1−6脂肪族、−CHPh、−O(CH0−1Ph、または窒素、酸素もしくは硫黄より独立して選択される0−4個のヘテロ原子を有する5−6員飽和、部分不飽和もしくはアリール環であるか、または上の定義にかかわらず、Rの2つの独立した出現は、その介在原子とひとまとめにされて、下で定義されるように置換され得る、窒素、酸素、または硫黄より独立して選択される0−4個のヘテロ原子を有する3−12員飽和、部分不飽和またはアリール単環式または二環式環を形成する。
(またはRの2つの独立した出現をその介在原子とひとまとめにすることによって形成された環)上の好適な一価置換基は、独立してハロゲン、−(CH0−2、−(ハロR)、−(CH0−2OH、−(CH0−2OR、−(CH0−2CH(OR;−O(ハロR)、−CN、−N、−(CH0−2C(O)R、−(CH0−2C(O)OH、−(CH0−2C(O)OR、−(CH0−2SR、−(CH0−2SH、−(CH0−2NH、−(CH0−2NHR、−(CH0−2NR ,−NO、−SiR 、−OSiR 、−C(O)SR、−(C1−4直鎖または分枝アルキレン)C(O)ORまたは−SSRであり、式中、各Rは非置換であるか、または「ハロ」に先行されている場合は1つ以上のハロゲンでのみ置換されており、C1−4脂肪族、−CHPh、−O(CH0−1Ph、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0−4個のヘテロ原子を有する5−6員飽和、部分不飽和もしくはアリール環から独立して選択される。Rの飽和炭素原子上の好適な二価置換基としては、=Oおよび=Sが挙げられる。
「置換されていてもよい」基の飽和炭素原子上の好適な二価置換基としては、以下の:=O、=S、−NNR 、=NNHC(O)R、=NNHC(O)OR、=NNHS(O)、=NR、=NOR、−O(C(R ))2−3O−または−S(C(R ))2−3S−が挙げられ、Rの各独立した出現は、水素、下で定義するように置換され得るC1−6脂肪族、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0−4個のヘテロ原子を有する非置換5−6員飽和、部分不飽和もしくはアリール環から独立して選択される。「置換されていてもよい」基の近接した置換可能な炭素に結合されている好適な二価置換基としては:−O(CR 2−3O−が挙げられ、Rの各独立した出現は、水素、下で定義するように置換され得るC1−6脂肪族、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0−4個のヘテロ原子を有する非置換5−6員飽和、部分不飽和もしくはアリール環から独立して選択される。
の脂肪族基上の好適な置換基としては、ハロゲン、−R、−(ハロR)、−OH、−OR、−O(ハロR)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR、−NH、−NHR、−NR 、または−NOが挙げられ、各Rは非置換であるか、または「ハロ」に先行されている場合は1つ以上のハロゲンでのみ置換されており、独立して、C1−4脂肪族、−CHPh、−O(CH0−1Ph、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0−4個のヘテロ原子を有する5−6員飽和、部分不飽和もしくはアリール環である。
「置換されていてもよい」基の置換可能な窒素上の好適な置換基としては、−R、−NR 、−C(O)R、−C(O)OR、−C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、−S(O)、−S(O)NR 、−C(S)NR 、−C(NH)NR 、または−N(R)S(O)が挙げられ;各Rは独立して、水素、下で定義するように置換され得るC1−6脂肪族、非置換−OPh、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0−4個のヘテロ原子を有する非置換5−6員飽和、部分不飽和、もしくはアリール環であり、または上の定義にかかわらず、Rの2つの独立した出現は、その介在原子とひとまとめにされて、窒素、酸素、または硫黄より独立して選択される0−4個のヘテロ原子を有する非置換3−12員飽和、部分不飽和またはアリール単環式または二環式環を形成する。
の脂肪族基上の好適な置換基は、独立して、ハロゲン、−R、−(ハロR)、−OH、−OR、−O(ハロR)、−CN、−C(O)OH、−C(O)OR、−NH、−NHR、−NR2、または−NOであり、各Rは非置換であるか、または「ハロ」に先行されている場合は1つ以上のハロゲンでのみ置換されており、独立して、C1−4脂肪族、−CHPh、−O(CH0−1Ph、または窒素、酸素もしくは硫黄から独立して選択される0−4個のヘテロ原子を有する5−6員飽和、部分不飽和もしくはアリール環である。
好適な保護基−本明細書で使用する場合、「好適な保護基」という用語は、化合物内の位置に応じてアミノ保護基またはカルボン酸保護基を指し、Protecting Groups in Organic Synthesis,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,3rd edition,John Wiley & Sons,1999に詳細に記載されている保護基を含む。
好適なアミノ保護基としては、メチルカルバメート、エチルカルバメート(carbamante)、9−フルオレニルメチルカルバメート(Fmoc)、9−(2−スルホ)フルオレニルメチルカルバメート、9−(2,7−ジブロモ)フルオロエニルメチルカルバメート、2,7−ジ−t−ブチル−[9−(10,10−ジオキソ−10,10,10,10−テトラヒドロチオキサンチル)]メチルカルバメート(DBD−Tmoc)、4−メトキシフェンアシルカルバメート(Phenoc)、2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(Troc)、2−トリメチルシリルエチルカルバメート(Teoc)、2−フェニルエチルカルバメート(hZ)、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルカルバメート(Adpoc)、1,1−ジメチル−2−ハロエチルカルバメート、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチルカルバメート(DB−t−BOC)、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルカルバメート(TCBOC)、1−メチル−1−(4−ビフェニルイル)エチルカルバメート(Bpoc)、1−(3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−1−メチルエチルカルバメート(t−Bumeoc)、2−(2’−および4’−ピリジル)エチルカルバメート(Pyoc)、2−(N,N−ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルカルバメート、t−ブチルカルバメート(BOC)、1−アダマンチルカルバメート(Adoc)、ビニルカルバメート(Voc)、アリルカルバメート(Alloc)、1−イソプロピルアリルカルバメート(Ipaoc)、シンナミルカルバメート(Coc)、4−ニトロシンナミルカルバメート(Noc)、8−キノリルカルバメート、N−ヒドロキシピペリジニルカルバメート、アルキルジチオカルバメート、ベンジルカルバメート(Cbz)、p−メトキシベンジルカルバメート(Moz)、p−ニトロベンジルカルバメート、p−ブロモベンジルカルバメート、p−クロロベンジルカルバメート、2,4−ジクロロベンジルカルバメート、4−メチルスルフィニルベンジルカルバメート(Msz)、9−アントリルメチルカルバメート、ジフェニルメチルカルバメート、2−メチルチオエチルカルバメート、2−メチルスルホニルエチルカルバメート、2−(p−トルエンスルホニル)エチルカルバメート、[2−(1,3−ジチアニル)]メチルカルバメート(Dmoc)、4−メチルチオフェニルカルバメート(Mtpc)、2,4−ジメチルチオフェニルカルバメート(Bmpc)、2−ホスホニオエチルカルバメート(Peoc)、2−トリフェニルホスホニオイソプロピルカルバメート(Ppoc)、1,1−ジメチル−2−シアノエチルカルバメート、m−クロロ−p−アシルオキシベンジルカルバメート、p−(ジヒドロキシボリル)ベンジルカルバメート、5−ベンゾイソオキサゾリルメチルカルバメート、2−(トリフルオロメチル)−6−クロモニルメチルカルバメート(Tcroc)、m−ニトロフェニルカルバメート、3,5−ジメトキシベンジルカルバメート、o−ニトロベンジルカルバメート、3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジルカルバメート、フェニル(o−ニトロフェニル)メチルカルバメート、フェノチアジニル−(10)−カルボニル誘導体、N’−p−トルエンスルホニルアミノカルボニル誘導体、N’−フェニルアミノチオカルボニル誘導体、t−アミルカルバメート、チオカルバミン酸S−ベンジル、p−シアノベンジルカルバメート、シクロブチルカルバメート、シクロヘキシルカルバメート、シクロペンチルカルバメート、シクロプロピルメチルカルバメート、p−デシルオキシベンジルカルバメート、2,2−ジメトキシカルボニルビニルカルバメート、o−(N,N−ジメチルカルボキサミド)ベンジルカルバメート、1,1−ジメチル−3−(N,N−ジメチルカルボキサミド)プロピルカルバメート、1,1−ジメチルプロピニルカルバメート、ジ(2−ピリジル)メチルカルバメート、2−フラニルメチルカルバメート、2−ヨードエチルカルバメート、イソボルニル(borynl)カルバメート、イソブチルカルバメート、イソニコチニルカルバメート、p−(p’−メトキシフェニルアゾ)ベンジルカルバメート、1−メチルシクロブチルカルバメート、1−メチルシクロヘキシルカルバメート、1−メチル−1−シクロプロピルメチルカルバメート、1−メチル−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−(p−フェニルアゾフェニル)エチルカルバメート、1−メチル−1−フェニルエチルカルバメート、1−メチル−1−(4−ピリジル)エチルカルバメート、フェニルカルバメート、p−(フェニルアゾ)ベンジルカルバメート、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニルカルバメート、4−(トリメチルアンモニウム)ベンジルカルバメート、2,4,6−トリメチルベンジルカルバメート、ホルムアミド、アセトアミド、クロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリフルオロアセトアミド、フェニルアセトアミド、3−フェニルプロパンアミド、ピコリンアミド、3−ピリジルカルボキサミド、N−ベンゾイルフェニルアラニル誘導体、ベンズアミド、p−フェニルベンズアミド、o−ニトロフェニルアセトアミド、o−ニトロフェノキシアセトアミド、アセトアセトアミド、(N’−ジチオベンジルオキシカルボニルアミノ)アセトアミド、3−(p−ヒドロキシフェニル)プロパンアミド、3−(o−ニトロフェニル)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−ニトロフェノキシ)プロパンアミド、2−メチル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロパンアミド、4−クロロブタンアミド、3−メチル−3−ニトロブタンアミド、o−ニトロシンナミド、N−アセチルメチオニン誘導体、o−ニトロベンズアミド、o−(ベンゾイルオキシメチル)ベンズアミド、4,5−ジフェニル−3−オキサゾリン−2−オン、N−フタルイミド、N−ジチアスクシンイミド(Dts)、N−2,3−ジフェニルマレイミド、N−2,5−ジメチルピロール、N−1,1,4,4−テトラメチルジシリルアザシクロペンタン付加物(STABASE)、5−置換1,3−ジメチル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、5−置換1,3−ジベンジル−1,3,5−トリアザシクロヘキサン−2−オン、1−置換3,5−ジニトロ−4−ピリドン、N−メチルアミン、N−アリルアミン、N−[2−(トリメチルシリル)エトキシ]メチルアミン(SEM)、N−3−アセトキシプロピルアミン、N−(1−イソプロピル−4−ニトロ−2−オキソ−3−ピロリン(pyroolin)−3−イル)アミン、第4級アンモニウム塩、N−ベンジルアミン、N−ジ(4−メトキシフェニル)メチルアミン、N−5−ジベンゾスベリルアミン、N−トリフェニルメチルアミン(Tr)、N−[(4−メトキシフェニル)ジフェニルメチル]アミン(MMTr)、N−9−フェニルフルオレニルアミン(PhF)、N−2,7−ジクロロ−9−フルオレニルメチレンアミン、N−フェロセニルメチルアミノ(Fcm)、N−2−ピコリルアミノN’−オキシド、N−1,1−ジメチルチオメチレンアミン、N−ベンジリデンアミン、N−p−メトキシベンジリデンアミン、N−ジフェニルメチレンアミン、N−[(2−ピリジル)メシチル]メチレンアミン、N−(N’,N’−ジメチルアミノメチレン)アミン、N,N’−イソプロピリデンジアミン、N−p−ニトロベンジリデンアミン、N−サリチリデンアミン、N−5−クロロサリチリデンアミン、N−(5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル)フェニルメチレンアミン、N−シクロヘキシリデンアミン、N−(5,5−ジメチル−3−オキソ−1−シクロヘキセニル)アミン、N−ボラン誘導体、N−ジフェニルボリン酸誘導体、N−[フェニル(ペンタカルボニルクロム−またはタングステン)カルボニル]アミン、N−銅キレート、N−亜鉛キレート、N−ニトロアミン、N−ニトロソアミン、アミンN−オキシド、ジフェニルホスフィンアミド(Dpp)、ジメチルチオホスフィンアミド(Mpt)、ジフェニルチオホスフィンアミド(Ppt)、ジアルキルホスホルアミデート、ジベンジルホスホルアミデート、ジフェニルホスホルアミデート、ベンゼンスルフェンアミド、o−ニトロベンゼンスルフェンアミド(Νps)、2,4−ジニトロベンゼンスルフェンアミド、ペンタクロロベンゼンスルフェンアミド、2−ニトロ−4−メトキシベンゼンスルフェンアミド、トリフェニルメチルスルフェンアミド、3−ニトロピリジンスルフェンアミド(Νpys)、p−トルエンスルホンアミド(Ts)、ベンゼンスルホンアミド、2,3,6,−トリメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mtr)、2,4,6−トリメトキシベンゼンスルホンアミド(Mtb)、2,6−ジメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Pme)、2,3,5,6−テトラメチル−4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mte)、4−メトキシベンゼンスルホンアミド(Mbs)、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホンアミド(Mts)、2,6−ジメトキシ−4−メチルベンゼンスルホンアミド(iMds)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホンアミド(Pmc)、メタンスルホンアミド(Ms)、β−トリメチルシリルエタンスルホンアミド(SES)、9−アントラセンスルホンアミド、4−(4’、8’−ジメトキシナフチルメチル)ベンゼンスルホンアミド(DΝMBS)、ベンジルスルホンアミド、トリフルオロメチルスルホンアミド、ならびにフェンアシルスルホンアミドが挙げられる。
好適なカルボン酸保護基としては、シリル−、アルキル−、アルケニル−、アリール−およびアリールアルキル−保護カルボン酸が挙げられる。好適なシリル基の例としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、トリイソプロピルシリルなどが挙げられる。好適なアルキル基の例としては、メチル、ベンジル、p−メトキシベンジル、3,4−ジメトキシベンジル、トリチル、t−ブチル、テトラヒドロフラン−2−イルが挙げられる。好適なアルケニル基の例としては、アリールが挙げられる。好適なアリール基の例としては、置換されていてもよいフェニル、ビフェニル、またはナフチルが挙げられる。好適なアリールアルキル基の例としては、置換されていてもよいベンジル(たとえばp−メトキシベンジル(MPM)、3,4−ジメトキシベンジル、O−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−ハロベンジル、2,6−ジクロロベンジル、p−シアノベンジル)、ならびに2−および4−ピコリルが挙げられる。
化学可変部(たとえばR基)が環の結合と交差している結合に結合して示されているいずれの場合においても、このことは1つ以上のこのような可変部が交差している結合を有する環に結合されていてもよいことを意味する。このような環上の各R基は、いずれの好適な位置にも結合することができ、このことは該基が、親環上の水素原子の代わりに結合されていることを意味すると一般に理解される。このことは2つのR基が同じ環原子に結合できる可能性を包含する。さらに、1つを超えるR基が環上に存在する場合、各R基は環に結合されている他のR基と同じであり得るか、または異なり得て、各基は、それらが同じ識別子名で表され得る場合でも、同じ分子上の別の箇所に結合され得る他の基とは独立して定義される。
生体分子−本明細書で使用する場合、「生体分子」という用語は、天然発生型であるか、または人工的に生成されたかにかかわらず(たとえば合成もしくは組換え方法)、細胞内および組織内に普通に見出される分子(たとえばポリペプチド、アミノ酸、ポリヌクレオチド、ヌクレオチド、多糖類、糖類、脂質、核タンパク質、糖タンパク質、リポタンパク質、ステロイド、代謝産物など)を指す。生体分子の具体的なクラスとしては、これに限定されるわけではないが、酵素、受容体、神経伝達物質、ホルモン、サイトカイン、成長因子および化学走化性因子などの細胞応答修飾因子、抗体、ワクチン、ハプテン、毒素、インターフェロン、リボザイム、アンチセンス剤、プラスミド、DNAおよびRNAが挙げられる。
薬物−本明細書で使用する場合、「薬物」という用語は、生物学的事象を改変する、阻害する、活性化する、またはそうでなければ影響を及ぼす小分子または生体分子を指す。たとえば薬物としては、これに限定されるわけではないが、抗AIDS物質、抗癌物質、抗生物質、抗糖尿物質、免疫抑制薬、抗ウイルス物質、酵素阻害薬、神経毒、オピオイド、催眠薬、抗ヒスタミン薬、潤滑薬、精神安定薬、抗痙攣薬、筋弛緩薬および抗パーキンソン病物質、チャネルブロッカー、縮瞳薬および抗コリン作用薬を含む鎮痙薬および筋収縮薬、抗緑内障化合物、抗寄生虫および/または抗原虫化合物、細胞増殖阻害薬および抗接着分子を含む細胞−細胞外マトリックス相互作用の調節薬、血管拡張剤、DNA、RNAまたはタンパク質の合成阻害薬、抗高血圧薬、鎮痛薬、解熱薬、ステロイド系および非ステロイド系抗炎症剤、抗血管形成因子、抗分泌因子、抗凝固薬および/または抗血栓剤、局所麻酔薬、眼科用薬、プロスタグランジン、抗鬱薬、抗精神病物質、制吐薬、ならびに造影剤が挙げられ得る。本発明における使用に適した例示的な薬物のより完全な列挙は、「Pharmaceutical Substances:Syntheses,Patents,Applications」Axel Kleemann and Jurgen Engel著、Thieme Medical Publishing,1999;the「Merck Index:An Encyclopedia of Chemicals,Drugs,and Biologicals」,Susan Budavari et al.編、CRC Press,1996、およびthe United States Pharmacopeia−25/National Formulary−20,the United States Pharmcopeial Convention,Inc.刊,Rockville MD,2001に見出され得る。
外因性の−本明細書で使用する場合、「外因性の」分子は、患者に投与されない限り、有意なレベルで患者に存在しない分子である。ある実施形態において、患者は哺乳動物、たとえばヒト、イヌ、ネコ、ラット、ミニブタなどである。本明細書で使用する場合、分子は、その種類の患者の正常血清が0.1mM未満の分子を包含する場合、分子は有意なレベルで患者に存在しない。ある実施形態において、患者の正常血清は、0.08mM未満、0.06mM未満、または0.04mM未満の分子を包含し得る。
正常血清−本明細書で使用する場合、「正常血清」は、5名以上の非糖尿病患者による凝固全血の液体部分をほぼ等しい量を貯留することにより得られる血清である。非糖尿病ヒト患者は、血液が採取されるときに糖尿病症状を呈していない、無作為に選択される18歳から30歳の患者である。
ポリマー−本明細書で使用する場合、「ポリマー」または「ポリマー構造」は、共有結合された一連のモノマーを包含する構造である。ポリマーは1種類のモノマーまたは1を超える種類のモノマーから作製することができる。「ポリマー」という用語はしたがって、異なる種類のモノマーがポリマー全体内で個別にグループ化されているブロックコポリマーを包含するコポリマーを含む。ポリマーは直鎖または分枝であることができる。
ポリヌクレオチド−本明細書で使用する場合、「ポリヌクレオチド」は、ヌクレオチドのポリマーである。「ポリヌクレオチド」、「核酸」および「オリゴヌクレオチド」という用語は、互換的に使用され得る。ポリマーとしては、天然ヌクレオシド(すなわちアデノシン、チミジン、グアノシン、シチジン、ウリジン、デオキシアデノシン、デオキシチミジン、デオキシグアノシンおよびデオキシシチジン)、ヌクレオシド類似体(たとえば2−アミノアデノシン、2−チオチミジン、イノシン、ピロロ−ピリミジン、3−メチルアデノシン、5−メチルシチジン、C5−ブロモウリジン、C5−フルオロウリジン、C5−ヨードウリジン、C5−プロピニル−ウリジン、C5−プロピニル−シチジン、C5−メチルシチジン、7−デアザアデノシン、7−デアザグアノシン、8−オキソアデノシン、8−オキソグアノシン、O(6)−メチルグアニン、4−アセチルシチジン、5−(カルボキシヒドロキシメチル)ウリジン、ジヒドロウリジン、メチルプソイドウリジン、1−メチルアデノシン、1−メチルグアノシン、N6−メチルアデノシンおよび2−チオシチジン)、化学修飾塩基、生物学的修飾塩基(たとえばメチル化塩基)、インターカレート塩基、修飾糖類(たとえば2’−フルオロリボース、リボース、2’−デオキシリボース、2’−O−メチルシチジン、アラビノースおよびヘキソース)、または修飾リン酸基(たとえばホスホロチオエートおよび5’−N−ホスホルアミダイト結合)が挙げられ得る。
ポリペプチド−本明細書で使用する場合、「ポリペプチド」はアミノ酸のポリマーである。「ポリペプチド」、「タンパク質」、「オリゴペプチド」および「ペプチド」という用語は、互換的に使用され得る。ポリペプチドは、天然アミノ酸、非天然アミノ酸(すなわち天然には存在しないが、ポリペプチド鎖内に組み込むことができる化合物)および/または当分野で公知であるようなアミノ酸類似体を含有し得る。またポリペプチド中のアミノ酸残基の1つ以上が、たとえば炭水化物基、リン酸基、ファルネシル基、イソファルネシル基、脂肪酸基、コンジュゲーション、官能化または他の修飾のためのリンカーなどの化学的実体の付加によって修飾され得る。このような修飾としては、ペプチドの環化、D−アミノ酸の組み込みなどが挙げられ得る。
多糖−本明細書で使用する場合、「多糖」は糖類のポリマーである。「多糖」、「炭水化物」および「オリゴ糖」という用語は、互換的に使用され得る。ポリマーとしては、天然糖類(たとえばアラビノース、リキソース、リボース、キシロース、リブロース、キシルロース、アロース、アルトロース、ガラクトース、グルコース、グロース、イドース、マンノース、タロース、フルクトース、プシコース、ソルボース、タガトース、マンノヘプツロース、セドヘプツロース、オクツロース(octolose)およびシアロース(sialose)および/または修飾糖質(たとえば2’−フルオロリボース、2’−デオキシリボースおよびヘキソース)が挙げられ得る。例示的な二糖としては、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、ゲンチオビオース、イソマルトース、コージビオース、ラミナリビオース、マンノビオース、メリビオース、ニゲロース、ルチノースおよびキシロビオースが挙げられる。
小分子−本明細書で使用する場合、「小分子」という用語は、天然発生型であるか、または人工的に生成されたかにかかわらず(たとえば化学合成により)、比較的低い分子量を有する分子を指す。通例、小分子は単量体であり、約1500Da未満の分子量を有する。好ましい小分子は、動物、好ましくは哺乳動物、さらに好ましくはヒトにおいて局所または全身効果を産生するという点で生物学的に活性である。ある好ましい実施形態において、小分子は薬物である。好ましくは、必ずしもというわけではないが、薬物は、適切な政府機関または団体によって、使用が安全および有効であるとすでにみなされている薬物である。たとえばFDAにより21 C.F.R.§§330.5,331から361および440から460に挙げられたヒトに使用するための薬物;FDAにより21 C.F.R.§§500から589に挙げられた動物に使用するための薬物はすべて、本発明による使用に許容され得るとみなされる。
処置する−本明細書で使用する場合、「処置する」(または「処置すること」、「処置された」、「処置」など)という用語は、病気(たとえば糖尿病)、病気の1つもしくは複数の症状(たとえば高血糖)または病気への素因を軽減する、緩和する、改変する、回復させる、改善する、または影響を及ぼす目的で、処置を必要とする対象への本開示のコンジュゲートの投与を指す。
例示的なインスリン−コンジュゲートの構造。実施例に記載したように、これらのコンジュゲートはそれぞれ組換え野生型ヒトインスリンを用いて調製された(野生型ヒトインスリンの構造については下を参照)。したがって図1に示すような楕円形内の記号「インスリン」は、野生型ヒトインスリンを表すことを主に意図する。本明細書で議論するように、本開示は、野生型ヒトインスリン以外のインスリン分子を包含するこれらおよび他のコンジュゲートのタイプも特に含むことが理解されるべきである。 例示的なインスリン−コンジュゲートの構造。実施例に記載したように、これらのコンジュゲートはそれぞれ組換え野生型ヒトインスリンを用いて調製された(野生型ヒトインスリンの構造については下を参照)。したがって図1に示すような楕円形内の記号「インスリン」は、野生型ヒトインスリンを表すことを主に意図する。本明細書で議論するように、本開示は、野生型ヒトインスリン以外のインスリン分子を包含するこれらおよび他のコンジュゲートのタイプも特に含むことが理解されるべきである。 例示的なインスリン−コンジュゲートの構造。実施例に記載したように、これらのコンジュゲートはそれぞれ組換え野生型ヒトインスリンを用いて調製された(野生型ヒトインスリンの構造については下を参照)。したがって図1に示すような楕円形内の記号「インスリン」は、野生型ヒトインスリンを表すことを主に意図する。本明細書で議論するように、本開示は、野生型ヒトインスリン以外のインスリン分子を包含するこれらおよび他のコンジュゲートのタイプも特に含むことが理解されるべきである。 例示的なインスリン−コンジュゲートの構造。実施例に記載したように、これらのコンジュゲートはそれぞれ組換え野生型ヒトインスリンを用いて調製された(野生型ヒトインスリンの構造については下を参照)。したがって図1に示すような楕円形内の記号「インスリン」は、野生型ヒトインスリンを表すことを主に意図する。本明細書で議論するように、本開示は、野生型ヒトインスリン以外のインスリン分子を包含するこれらおよび他のコンジュゲートのタイプも特に含むことが理解されるべきである。 例示的なインスリン−コンジュゲートの構造。実施例に記載したように、これらのコンジュゲートはそれぞれ組換え野生型ヒトインスリンを用いて調製された(野生型ヒトインスリンの構造については下を参照)。したがって図1に示すような楕円形内の記号「インスリン」は、野生型ヒトインスリンを表すことを主に意図する。本明細書で議論するように、本開示は、野生型ヒトインスリン以外のインスリン分子を包含するこれらおよび他のコンジュゲートのタイプも特に含むことが理解されるべきである。 例示的なインスリン−コンジュゲートの構造。実施例に記載したように、これらのコンジュゲートはそれぞれ組換え野生型ヒトインスリンを用いて調製された(野生型ヒトインスリンの構造については下を参照)。したがって図1に示すような楕円形内の記号「インスリン」は、野生型ヒトインスリンを表すことを主に意図する。本明細書で議論するように、本開示は、野生型ヒトインスリン以外のインスリン分子を包含するこれらおよび他のコンジュゲートのタイプも特に含むことが理解されるべきである。 例示的なインスリン−コンジュゲートの構造。実施例に記載したように、これらのコンジュゲートはそれぞれ組換え野生型ヒトインスリンを用いて調製された(野生型ヒトインスリンの構造については下を参照)。したがって図1に示すような楕円形内の記号「インスリン」は、野生型ヒトインスリンを表すことを主に意図する。本明細書で議論するように、本開示は、野生型ヒトインスリン以外のインスリン分子を包含するこれらおよび他のコンジュゲートのタイプも特に含むことが理解されるべきである。 例示的なインスリン−コンジュゲートの構造。実施例に記載したように、これらのコンジュゲートはそれぞれ組換え野生型ヒトインスリンを用いて調製された(野生型ヒトインスリンの構造については下を参照)。したがって図1に示すような楕円形内の記号「インスリン」は、野生型ヒトインスリンを表すことを主に意図する。本明細書で議論するように、本開示は、野生型ヒトインスリン以外のインスリン分子を包含するこれらおよび他のコンジュゲートのタイプも特に含むことが理解されるべきである。 例示的なインスリン−コンジュゲートの構造。実施例に記載したように、これらのコンジュゲートはそれぞれ組換え野生型ヒトインスリンを用いて調製された(野生型ヒトインスリンの構造については下を参照)。したがって図1に示すような楕円形内の記号「インスリン」は、野生型ヒトインスリンを表すことを主に意図する。本明細書で議論するように、本開示は、野生型ヒトインスリン以外のインスリン分子を包含するこれらおよび他のコンジュゲートのタイプも特に含むことが理解されるべきである。 例示的なインスリン−コンジュゲートの構造。実施例に記載したように、これらのコンジュゲートはそれぞれ組換え野生型ヒトインスリンを用いて調製された(野生型ヒトインスリンの構造については下を参照)。したがって図1に示すような楕円形内の記号「インスリン」は、野生型ヒトインスリンを表すことを主に意図する。本明細書で議論するように、本開示は、野生型ヒトインスリン以外のインスリン分子を包含するこれらおよび他のコンジュゲートのタイプも特に含むことが理解されるべきである。 非糖尿病オスSDラット(n=3)へのTSAT−C6−AEM−2コンジュゲートII−1(3.5U/kg)の皮下注射(時間0における)後の、血清インスリン(左)および血中グルコース(右)レベルのプロット。 非糖尿病オスSDラット(n=3)へのTSAT−C6−AEBM−2II−3コンジュゲート(5U/kg)の皮下注射(時間0における)後の、血清インスリン(左)および血中グルコース(右)レベルのプロット。 非糖尿病オスSDラット(n=3)へのTSAT−C6−AEBM−1AETM−1コンジュゲートII−4(5U/kg)の皮下注射後(時間0における)の、血清インスリン(左)および血中グルコース(右)レベルのプロット。 非糖尿病オスSDラット(n=3)へのTSAT−C6−AETM−2コンジュゲートII−2(5U/kg)の皮下注射(時間0における)後の、血清インスリン(左)および血中グルコース(右)レベルのプロット。 非糖尿病オスSDラット(用量当りn=3)への合成コンジュゲートII−6の長期作用型プロタミン亜鉛(PZI)製剤の皮下注射(時間0における)、続いてのグルコース(4g/kg)のIP注射(240分における)の後の、血清インスリン(◆)および血中グルコース(O)レベルのプロット。図示されているように、高血糖は早期または後期時点として観察されていない。5U/kg(左)および15U/kg(右)用量での応答の比較は、劇的な用量依存性グルコース応答を示している。 非糖尿病(正常)および糖尿病(DM)オスSDラットへの合成コンジュゲートH−6の長期作用型PZI製剤の皮下注射(時間0における)後の血中グルコースレベルのプロット。コンジュゲートは5、10および20U/kgにて投与された。図示されているように、非糖尿病オスSDラットは高血糖を示さなかったが、糖尿病オスSDラットのグルコースレベルは、最大用量にて8時間にわたって続き、明らかな用量比例応答が示された。 非糖尿病(正常)および糖尿病(DM)オスSDラットへの合成コンジュゲートH−6の長期作用型PZI製剤の皮下注射(時間0における)後の血中グルコースレベルのプロット。コンジュゲートは5、10および20U/kgにて投与された。図示されているように、非糖尿病オスSDラットは高血糖を示さなかったが、糖尿病オスSDラットのグルコースレベルは、最大用量にて8時間にわたって続き、明らかな用量比例応答が示された。 合成コンジュゲートII−6または組換えヒトインスリン(RHI)(左)の注射後およびグルコースもしくはα−メチルマンノースを含むまたは含まない合成II−6の注射後(右)の、時間の関数としての血清インスリン濃度のプロット。 非糖尿病オスSDラット(n=3)へのRHI(3.5mU/分)または合成コンジュゲートII−6(15mU/分)の持続静脈内(i.v.)注入後の血清インスリン(◆)および血中グルコース(O)レベルのプロット。グルコースのIP注射(1、2または4g/kg)は、240分に投与された。 非糖尿病オスSDラット(n=3)へのRHI(3.5mU/分)または合成コンジュゲートII−6(15mU/分)の持続静脈内(i.v.)注入後の血清インスリン(◆)および血中グルコース(O)レベルのプロット。グルコースのIP注射(1、2または4g/kg)は、240分に投与された。 非糖尿病オスSDラット(n=3)へのRHI(3.5mU/分)または合成コンジュゲートII−6(15mU/分)の持続静脈内(i.v.)注入後の血清インスリン(◆)および血中グルコース(O)レベルのプロット。グルコースのIP注射(1、2または4g/kg)は、240分に投与された。 非糖尿病ミニブタ糖依存性排泄半減期試験で検査したインスリンコンジュゲートの組成。これらのコンジュゲートは組換え野生型ヒトインスリンを用いてそれぞれ調製された。したがって図10の概略図は、野生型ヒトインスリンを表すことを主に意図する。本明細書で議論するように、本開示は、野生型ヒトインスリン以外のインスリン分子を包含するこれらおよび他のコンジュゲートのタイプも特に含むことが理解されるべきである。 グルコース、α−メチルマンノースまたは食塩水注入の間の非糖尿病ミニブタにおけるβ相排泄半減期の結果。 デュアル血管アクセスポートを装備した非糖尿病オスユカタンミニブタ(試験当りn=3)への0.1Ukg静脈内(i.v.)注射後の組換えヒトインスリン(RHI)コンジュゲートII−11の血清濃度のプロット。各実験において、動物に(◆)i.v.アルファメチルマンノース(α−MM)溶液(25%重量/体積、80ml/時の一定速度にて注入)または(▲)溶液なしを注入した。データは、2コンパートメント双指数関数モデルから得た曲線に適合する平均値としてプロットされている。 デュアル血管アクセスポートを装備した非糖尿病オスユカタンミニブタ(試験当りn=3)への0.1Ukg静脈内(i.v.)注射後の2置換AETM−2インスリンコンジュゲートII−11の血清濃度のプロット。各実験において、動物に(◆)i.v.アルファメチルマンノース(α−MM)溶液(25%重量/体積、80ml/時の一定速度にて注入)または(▲)溶液なしを注入した。データは、2コンパートメント双指数関数モデルから得た曲線に適合する平均値としてプロットされている。 i.v.糖注入なしの条件下で0.1U/kgのコンジュゲートi.v.注射後の、デュアル血管アクセスポートを装備した非糖尿病オスユカタンミニブタ(試験当りn=3)の血中グルコース低下曲線。(■)RHI、(◆)II−6、(○)II−7および(●)II−11。 i.v.アルファメチルマンノース(α−MM)注入(25%重量/体積、80ml/時の一定速度にて注入)の条件下で0.1U/kgのコンジュゲートi.v.注射後の、デュアル血管アクセスポートを装備した非糖尿病オスユカタンミニブタ(試験当りn=3)の血中グルコース低下曲線。(■)RHI、(◆)II−6、(○)II−7および(●)II−11。 血中グルコースレベル(a、―、黒記号)アロキサン糖尿病ユカタンミニブタ(用量当りn=3)および(b、−−−、白記号)非糖尿病ユカタンミニブタ(用量当りn=3)における0.25、0.50および1.00U/kgの用量の溶解性2置換AETM−2インスリンコンジュゲートII−11の皮下注射(時間0における)後の絶食条件下でのデータは、平均値+1標準偏差としてプロットされている。 血中グルコースレベル(a、―、黒記号)アロキサン糖尿病ユカタンミニブタ(用量当りn=3)および(b、−−−、白記号)非糖尿病ユカタンミニブタ(用量当りn=3)における0.25、0.50および1.00U/kgの用量の溶解性2置換AETM−2インスリンコンジュゲートII−11の皮下注射(時間0における)後の絶食条件下でのデータは、平均値+1標準偏差としてプロットされている。注記:スケールはわかりやすくするために拡大されている。 血中グルコースレベル(a、―、黒記号)アロキサン糖尿病ユカタンミニブタ(用量当りn=3)および(b、−−−、白記号)非糖尿病ユカタンミニブタ(用量当りn=3)(▲、△)0.063および(■、□)0.125U/kgの用量の溶解性組換えヒトインスリン(RHI)の皮下注射(時間0における)後の絶食条件下でのデータは、平均値+1標準偏差としてプロットされている。 血中グルコースレベル(a、―、黒記号)アロキサン糖尿病ユカタンミニブタ(用量当りn=3)および(b、−−−、白記号)非糖尿病ユカタンミニブタ(用量当りn=3)(▲、△)0.063および(■、□)0.125U/kgの用量の溶解性組換えヒトインスリン(RHI)の皮下注射(時間0における)後の絶食条件下でのデータは、平均値+1標準偏差としてプロットされている。注記:スケールはわかりやすくするために拡大されている。 非糖尿病ミニブタ糖依存性排除半減期試験で使用するための追加のインスリンコンジュゲート。これらのコンジュゲートは組換え野生型ヒトインスリンを用いてそれぞれ調製された。したがって図16の概略図は、野生型ヒトインスリンを表すことを主に意図する。本明細書で議論するように、本開示は、野生型ヒトインスリン以外のインスリン分子を包含するこれらおよび他のコンジュゲートのタイプも特に含むことが理解されるべきである。 ラットおよびミニブタへのRHIまたはコンジュゲートII−6の投与後の、時間の関数としての血清インスリン濃度のプロット。 追加のインスリン−コンジュゲートのミニブタにおけるi.v.半減期の結果のまとめ。 糖尿病および正常ミニブタにおける0.25、0.5および1U/kgインスリンコンジュゲートII−11の単回皮下注射後の血清インスリンレベルのプロット。 N末端保護アミノ酸がインスリン分子中に操作されなかった例示的なコンジュゲーションスキーム。Lはプロインスリンリーダーペプチドである。Cは、BペプチドのC末端およびAペプチドのN末端を結合するCペプチドである。これらは第1のステップにおいてプロインスリンから、C末端リジンプロテアーゼまたはlys−C酵素(たとえばアクロモバクター・ライチカス(Achromobacter lyticus)プロテアーゼ、すなわちALP)を使用して切断される。生じた生物活性インスリン分子(ジスルフィド結合を介して結合されたAおよびBペプチドを持つ)は次にNHS−Rとコンジュゲートされ、Rは前官能化リガンドフレームワークに相当して、NHSはNHSエステル基に相当する。コンジュゲーションは、A1、B1およびLysB29位置にて非選択的に発生することが示されている。所望のLysB29コンジュゲートは次に、コンジュゲートの混合物から精製される。 N末端保護アミノ酸がインスリン分子のAペプチドおよびBペプチドの両方の中に操作された例示的なコンジュゲーションスキーム。N末端保護アミノ酸は、A0およびB0として示されている。リーダーペプチドおよびC−ペプチドを切断するためのC末端リジンプロテアーゼによる処置の後、インスリン分子はNHS−Rとコンジュゲートされる。コンジュゲーションは、LysB29位置にて優先的に発生することが示されているが、A0およびB0位置でも発生する。 N末端保護アミノ酸がインスリン分子のAペプチドおよびBペプチドの両方の中に操作された例示的なコンジュゲーションスキーム。N末端保護アミノ酸は、A0およびB0として示されている。リーダーペプチドおよびC−ペプチドを切断するためのC末端リジンプロテアーゼによる処置の後、インスリン分子はNHS−Rとコンジュゲートされる。コンジュゲーションは、LysB29位置にて優先的に発生することが示されているが、A0およびB0位置でも発生する。N末端保護アミノ酸は次に最終ステップにおいて、多様なインスリンコンジュゲート中間体を所望のLysB29コンジュゲート生成物まで崩壊させるためのArg残基のC末端での切断が可能であるトリプシンまたはトリプシン様プロテアーゼによって切断される。 N末端保護アミノ酸がインスリン分子のAペプチド中にのみ操作される例示的なコンジュゲーションスキーム。N末端保護アミノ酸は、A0として示されている。 N末端保護アミノ酸がインスリン分子のAペプチド中にのみ操作される例示的なコンジュゲーションスキーム。N末端保護アミノ酸は、A0として示されている。 N末端保護アミノ酸がインスリン分子のBペプチド中にのみ操作される例示的なコンジュゲーションスキーム。N末端保護アミノ酸は、B0として示されている。 N末端保護アミノ酸がインスリン分子のBペプチド中にのみ操作される例示的なコンジュゲーションスキーム。N末端保護アミノ酸は、B0として示されている。 緩衝(BMMY)および非緩衝(MMY)条件下で増殖させたGS115株クローンからの未精製培養上清収量。ELISA分析(イソ−インスリンELISA、メルコディア、ウプサラ、スウェーデン)を使用した、多様なクローンからのインスリン分子収量(mg/L)(「Clone#」は各種のジェネティシンプレート耐性レベルから得たクローンを指す)。 緩衝(BMMY)および非緩衝(MMY)条件下で増殖させたGS115株クローンからの未精製培養上清収量。産生されたインスリン分子の分子量を示すクローンのSDS−PAGE。組換えヒトインスリン標準(RHI標準)は、右上ゲルのレーン14および右下ゲルのレーン2に、収率を比較する目的で250mg/Lにて示されている。 緩衝条件下で増殖させたKM71株クローンからの未精製培養上清収量。多様なクローンからのインスリン分子収量(mg/L)。(「Clone#」はELISA分析(イソ−インスリンELISA、メルコディア、ウプサラ、スウェーデンを使用した、各種のジェネティシンプレート耐性レベルから得たクローンを指す)。 緩衝条件下で増殖させたKM71株クローンからの未精製培養上清収量。産生されたインスリン分子の分子量を示すクローンのSDS−PAGE。組換えヒトインスリン標準(RHI標準)は、右上ゲルのレーン15−18(60−500mg/L)および右下ゲルのレーン5−9(30−500mg/L)に、収率を比較する目的で示されている。 非緩衝条件下で増殖させたKM71株クローンからの未精製培養上清収量。ELISA分析(イソ−インスリンELISA、メルコディア、ウプサラ、スウェーデン)を使用した、多様なクローンからのインスリン分子収量(mg/L)(「Clone#」は各種のジェネティシンプレート耐性レベルから得たクローンを指す)。 非緩衝条件下で増殖させたKM71株クローンからの未精製培養上清収量。産生されたインスリン分子の分子量を示すクローンのSDS−PAGE。組換えヒトインスリン標準(RHI標準)は、右上ゲルのレーン8および9(250および100mg/L)および右下ゲルのレーン18(250mg/L)に、収率を比較する目的で示されている。 ALP消化前後のKM71 RHI−1 A−Eブロスのウェスタンブロット。「−」は酵素なしを示し、「+」は酵素消化があることを示す。レーン:1 タンパク質ラダー、2 ペプチドラダー、3 RHI−、4 RHI+、5 RHI−1A−、6 RHI−1A+、7 RHI−1B−、8 RHI−1B+、9 RHI−1C−、10 RHI−1C+、11 RHI−1D−、12 RHI−1D+、13 RHI−1E−、14 RHI−1E+。 ALP消化前後のGS115 RHI−1 A−Eブロスのウェスタンブロット。「−」は酵素なしを示し、「+」は酵素消化があることを示す。レーン:1 タンパク質ラダー、2 ペプチドラダー、3 RHI−、4 RHI+、5 RHI−1A−、6 RHI−1A+、7 RHI−1B−、8 RHI−1B+、9 RHI−1C−、10 RHI−1C+、11 RHI−1D−、12 RHI−1D+、13 RHI−1E−、14 RHI−1E+。
本発明の方法および中間体は、その全体が参照により本明細書に組み入れられている、2010年1月27日に出願された国際特許出願番号PCT/US10/22268号に記載されたコンジュゲートを調製するのに有用である。ある実施形態において、本コンジュゲートは一般に、下に示すスキームに従って調製される:
スキームI
Figure 2013542915
上のスキームIにおいて、PG、PG、LG、LG、Alk、Alk、XおよびWのそれぞれは、下で定義する通りであり、本明細書に記載するようなクラスおよびサブクラス内にある。
アミノ保護基(PG
式HおよびGのPG基は、好適なアミノ保護基である。保護アミンは、当分野で周知であり、Protecting Groups in Organic Synthesis,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,3rd edition,John Wiley & Sons,1999に詳細に記載されているものを包含する。好適なモノ保護アミンとしてはさらに、これに限定されるわけではないが、アラルキルアミン、カルバメート、アリルアミン、アミドなどが挙げられる。好適なモノ保護アミノ部分の例としては、t−ブチルオキシカルボニルアミノ(−NHBOC)、エチルオキシカルボニルアミノ、メチルオキシカルボニルアミノ、トリクロロエチルオキシカルボニルアミノ、アリルオキシカルボニルアミノ(−NHAlloc)、ベンジルオキソカルボニルアミノ(−NHCBZ)、アリールアミノ、ベンジルアミノ(−NHBn)、フルオレニルメチルカルボニル(−NHFmoc)、ホルムアミド、アセタミド、クロロアセタミド、ジクロロアセタミド、トリクロロアセタミド、フェニルアセタミド、トリフルオロアセタミド、ベンズアミド、t−ブチルジフェニルシリルなどが挙げられる。上の定義にかかわらず、式HおよびGの−NHPG部分はアジドであり得る。いくつかの実施形態において、PGはカルバメート保護基である。ある実施形態において、PGはt−ブチルカルバメート保護基である。
脱離基(LG
式HのLG基は好適な脱離基であり、式Hの−C(O)LGを、求核攻撃を受ける活性化エステルにする。求核攻撃を受ける好適な「脱離基」は、所望の入来求核化学成分によってただちに置き換えられる化学基である。好適な脱離基は当分野で周知であり、たとえばSmith and March,March’s Advanced Organic Chemistry,5th Edition,John Wiley & Sons,Inc.,New York,2001を参照。このような脱離基としては、これに限定されるわけではないが、ハロゲン、アルコキシ、−O−スクシンイミド(−OSu)、−O−ペンタフルオロフェニル、−O−ベンゾトリアゾール(−OBt)または−O−アザベンゾトリアゾール(−OAt)が挙げられる。活性化エステルは、対応するカルボン酸のカルボジイミド試薬(たとえばN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC))による処置によって生成されたO−アシルイソ尿素中間体でもあり得る。ある実施形態において、LGは−OSuである。
カルボン酸保護基(PG
式E、DおよびCのPG基は、好適なカルボン酸保護基である。保護された酸は当分野で周知であり、Greene(1999)に詳細に記載されているものを包含する。好適なカルボン酸保護基の例としては、メチル(Me)、エチル(Et)、t−ブチル(t−Bu)、アリル(All)、ベンジル(Bn)、トリチル(Trt)、2−クロロトリチル(2−Cl−Trt)、2,4−ジメトキシベンジル(Dmb),2−フェニルイソプロピル(2−PhiPr)、9−フルオレニルメチル(Fm)、4−(N−[1−(4,4−ジメチル−2,6−ジオキソシクロヘキシリジン)−3−メチルブチル]アミノ)ベンジル(Dmab)、カルバモイルメチル(Cam)、p−ニトロベンジル(pNB)、2−トリメチルシリルエチル(TMSE)、2−フェニル−(2−トリメチルシリル)エチル(PTMSE)、2−(トリメチルシリル)イソプロピル(TMSI)、2,2,2−トリクロロエチル(Tce)、p−ヒドロキシフェンアシル(pHP)、4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンジル(Dmnb)および1,1−ジメチルアリル(Dma)が挙げられる。ある実施形態において、PGはベンジルである。
脱離基(LG
式AのLG基は好適な脱離基であり、式Aの−C(O)LGを、求核攻撃を受ける活性化エステルにする。求核攻撃を受ける好適な「脱離基」は、所望の入来求核化学成分によってただちに置き換えられる化学基である。好適な脱離基は当分野で周知であり、たとえばSmith and March(2001)を参照。このような脱離基としては、これに限定されるわけではないが,ハロゲン、アルコキシ、−O−スクシンイミド(−OSu)、−O−ペンタフルオロフェニル、−O−ベンゾトリアゾール(−OBt)または−O−アザベンゾトリアゾール(−OAt)が挙げられる。活性化エステルは、対応するカルボン酸のカルボジイミド試薬(たとえばN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC))による処置によって生成されたO−アシルイソ尿素中間体でもあり得る。ある実施形態において、LGは−OSuである。
−C12アルキレン(Alk
式H、G、F、C、B、AおよびIのAlk基は、1つ以上のメチレン基が−O−または−S−によって置換され得るC−C12アルキレン鎖である。いくつかの実施形態において、Alkは1、2または3個の酸素を含有する。ある実施形態において、Alkは1個の酸素を含有する。ある実施形態において、AlkはC−Cアルキレン鎖である。いくつかの実施形態において、AlkはC、C、C、C、C、C、C、C、C10、C11またはC12アルキレン鎖である。ある実施形態において、AlkはCアルキレン鎖である。
−C20アルキレン(Alk
式H、G、F、C、B、AおよびIのAlk基は、1つ以上のメチレン基が−O−または−S−によって置換され得るC−C20アルキレン鎖である。ある実施形態において、Alkは1、2または3個の酸素を含有する。ある実施形態において、Alkは1個の酸素を含有する。いくつかの実施形態において、AlkはC−C12アルキレン鎖である。いくつかの実施形態において、AlkはC12−C20アルキレン鎖である。ある実施形態において、AlkはC−Cアルキレン鎖である。いくつかの実施形態において、AlkはC、C、C、C、C、C、C、C、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19またはC20アルキレン鎖である。ある実施形態において、AlkはCアルキレン鎖である。
リガンド(X)
式J、G、F、C、B、AおよびIのX基はリガンドである。式Jの化合物はアミノ末端リガンドである。ある実施形態において、式J、G、F、C、B、AおよびIのX基は糖類を包含するリガンドである。
ある実施形態において、リガンドは、内因性糖類結合分子(たとえば制限なく、界面活性タンパク質AおよびDまたはセレクチンファミリのメンバー)への結合について、糖類(たとえばグルコースまたはマンノース)と競合することができる。ある実施形態において、リガンドは、細胞表面糖受容体(たとえば制限なく、マクロファージマンノース受容体、グルコース輸送体リガンド、内皮細胞糖受容体または肝細胞糖受容体)への結合について、糖類(たとえばグルコースまたはマンノース)と競合することができる。ある実施形態において、リガンドは、内因性グルコース結合分子(たとえば制限なく、界面活性タンパク質AおよびDまたはセレクチンファミリのメンバー)への結合について、グルコースと競合することができる。ある実施形態において、リガンドは、非ヒトレクチン(たとえばCon A)への結合について、糖類と競合することができる。ある実施形態において、リガンドは、非ヒトレクチン(たとえばCon A)への結合について、グルコースまたはマンノースと競合することができる。例示的なグルコース結合レクチンとしては、カルネキシン、カルレチクリン、N−アセチルグルコサミン受容体、セレクチン、アシアロ糖タンパク質受容体、コレクチン(マンノース結合レクチン)、マンノース受容体、アグリカン、バーシカン、ピスム・サティヴム(pisum sativum)凝集素(PSA)、ビシア・ファバ(vicia faba)ソラマメレクチン、レンズ・クリナリス(Lens culinaris)レクチン、ダイズレクチン、ラッカセイレクチン、ラティルス・オキルス(ヒゲレンリソウ(lathyrus ochrus))レクチン、イガマメレクチン、ソホラ・ヤポニカ(sophora japonica)レクチン、ボーリンギア・ミルブラエディ(bowringia milbraedii)レクチン、コンカナバリンA(Con A)およびヤマゴボウマイトジェンが挙げられる。
ある実施形態において、リガンドは、式(IIIa)または(IIIb)のリガンドであり:
Figure 2013542915
式中:
各Rは独立して、水素、−OR、−N(R、−SR、−O−Y、−CHまたは−G−であり、Rの1つが−G−であり;
各Rは独立して、水素、−OR、−N(R、−SRまたは−O−Yであり;
各Rは独立して、−R、−SO、−S(O)R、−P(O)(OR、−C(O)R、−COまたはC(O)N(Rであり;
各Yは独立して、単糖、二糖または三糖であり;
各Gは独立して、共有結合または置換されていてもよいC1−9アルキレンであり、Gの1つ以上のメチレン単位は、−O−、−S−、−N(R)−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)−、−N(R)C(O)N(R)−、−SO−、−SON(R)−、−N(R)SO−またはN(R)SON(R)−によって置き換えられていてもよく;
各Zは独立して、ハロゲン、−N(R、−OR、−SR、−N、−C≡CR、−CO、−C(O)Rまたは−OSOであり;および
各Rは独立して、水素、またはC1−6脂肪族、フェニル、窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1−2個のヘテロ原子を有する4−7員複素環式環または窒素、酸素もしくは硫黄から選択される1−4個のヘテロ原子を有する5−6員単環式ヘテロアリール環から選択される置換されていてもよい基である。
ある実施形態において、式(IIIa)または(IIIb)のリガンドは単糖である。ある実施形態において、リガンドは二糖である。ある実施形態において、リガンドは三糖である。ある実施形態において、リガンドは四糖である。ある実施形態において、合計4を超えない単糖部分を含む。
一般に上で定義されているように、各Rは独立して、水素、−OR、−N(R、−SR、−O−Y、−CHまたは−G−であり、Rの1つは−G−である。ある実施形態において、Rは水素である。ある実施形態において、Rは−OHである。他の実施形態において、Rは−NHC(O)CHである。ある実施形態において、Rは−O−Yである。ある他の実施形態において、Rは−G−である。いくつかの実施形態において、Rは−CHOHである。他の実施形態において、Rは−CH−O−Yである。また他の実施形態において、Rは−NHである。当業者は、式(IIIa)または(IIIb)の各R置換基は(R)または(S)空間配置であり得ることが認識するであろう。
一般に上で定義されているように、各Rは独立して、水素、−OR、−N(R、−SRまたは−O−Yである。いくつかの実施形態において、Rは水素である。ある実施形態において、Rは−OHである。他の実施形態において、Rは−O−Yである。
一般に上で定義されているように、各Rは独立して、−R、−SO、−S(O)R、−P(O)(OR、−C(O)R、−COまたは−C(O)N(Rである。いくつかの実施形態において、Rは水素である。他の実施形態において、Rは−Rである。いくつかの実施形態において、Rは−C(O)Rである。ある実施形態において、Rはアセチルである。他の実施形態において、Rは、−SO、−S(O)R、−P(O)(OR、−COまたは−C(O)N(Rである。
一般に上で定義されているように、Yは単糖、二糖または三糖である。ある実施形態において、Yは単糖である。いくつかの実施形態において、Yは二糖である。他の実施形態において、Yは三糖である。いくつかの実施形態において、Yは、マンノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、ラムノースまたはキシロピラノースである。いくつかの実施形態において、Yは、スクロース、マルトース、ツラノース、トレハロース、セロビオースまたはラクトースである。ある実施形態において、Yはマンノースである。ある実施形態において、YはD−マンノースである。当業者は、糖類Yがアノマー炭素を介して−O−Yの酸素基に結合されて、グリコシド結合が形成されることを認識するであろう。グリコシド結合はアルファまたはベータ構造であり得る。
一般に上で定義されているように、各Gは独立して、共有結合または置換されていてもよいCアルキレン、Gの1つ以上のメチレン単位は、−O−、−S−、−N(R)−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−C(O)N(R)−、−N(R)C(O)−、−N(R)C(O)N(R)−、−SO−、−SON(R)−、−N(R)SO−または−N(R)SON(R)−によって置き換えられていてもよい。いくつかの実施形態において、Gは共有結合である。ある実施形態において、Gは−O−C1−8アルキレンである。ある実施形態において、Gは−OCHCH−である。
いくつかの実施形態において、式(IIIa)のC1炭素上のR置換基は−G−であり、式(IIIa−i)の化合物を与える:
Figure 2013542915
式中、RおよびGは、本明細書で定義および記載されている通りである。
いくつかの実施形態において、リガンドは式(IIIa−ii)であり:
Figure 2013542915
式中、R、RおよびGは、本明細書で定義および記載されている通りである。
ある実施形態において、リガンドはグルコースと同じ化学構造を有し得るか、またはグルコースの化学的に関連する種であり得る。多様な実施形態において、たとえばコンジュゲートのグルコース応答を微調整するために、リガンドがグルコースから各種の化学構造を有することが好都合であり得る。たとえばある実施形態において、グルコース、マンノース、L−フコースまたこれらの誘導体(たとえばアルファ−L−フコピラノシド、マンノサミン、ベータ結合N−アセチルマンノサミン、メチルグルコース、メチルマンノース、エチルグルコース、エチルマンノース、プロピルグルコース、プロピルマンノースなど)および/またはこれらの高次組合せ(たとえばビマンノース、直鎖および/または分枝トリマンノースなど)を包含するリガンドが使用され得る。
ある実施形態において、リガンドは単糖を包含する。ある実施形態において、リガンドは二糖を包含する。ある実施形態において、リガンドは三糖を包含する。いくつかの実施形態において、リガンド前駆体HN−X(J)は糖類および1つ以上のアミノ基を含む。ある実施形態において、糖類およびアミン基は、C−Cアルキル基、たとえばC−Cアルキル基によって分離されている。いくつかの実施形態において、Jはアミノエチルグルコース(AEG)である。いくつかの実施形態において、Jはアミノエチルマンノース(AEM)である。いくつかの実施形態において、Jはアミノエチルビマンノース(AEBM)である。いくつかの実施形態において、Jはアミノエチルトリマンノース(AETM)である。いくつかの実施形態において、Jはβ−アミノエチル−N−アセチルグルコサミン(AEGA)である。いくつかの実施形態において、Jはアミノエチルフコース(AEF)である。ある実施形態において、糖類リガンドは「D」配置である。他の実施形態において、糖類リガンドは「L」配置である。例示的なJ化合物の構造を以下に示す。他の例示的なリガンドは当業者によって認識されるであろう。
Figure 2013542915
上に示したJ化合物がステップS−1において反応して、アミド結合を形成することが当業者によって理解されるであろう。このため上に示した化合物のリガンド(X)部分は以下の通りである:
Figure 2013542915
薬物(W)
W−NHはアミン含有薬物である。コンジュゲートはいずれの薬物も含み得ることが理解されるべきである。コンジュゲートは、いずれの特定の薬物にも限定されず、小分子薬または生体分子薬を包含し得る。概して、使用される薬物は処置される疾患または障害によって変わる。本明細書で使用する場合、「薬物」という用語は、薬物の塩形および非塩形を含む。たとえば「インスリン分子」という用語は、インスリン分子のすべての塩形および非塩形を含む。塩形が薬物に応じてアニオン性またはカチオン性であり得ることが認識されるであろう。
たとえば制限なく、多様な実施形態において、Wは以下の薬物のいずれか1つから選択される:ジクロフェナク、ニフェジピン、リバスチグミン、メチルフェニデート、フルオキセチン(fluoroxetine)、ロシグリタゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、コデイン、エチルモルヒネ、
デキストロメトルファン、ノスカピン、ペントキシベリン(pentoxiverine)、アセチルシステイン、ブロムヘキシン、エピネフリン、イソプレナリン、オルシプレナリン、エフェドリン、フェノテロール、リミテロール、イプラトロピウム、コリンテオフィリネート、プロキシフィリン、ベクロメタゾン、ブデソニド、デスラノシド、ジゴキシン、ジギトキシン、ジソピラミド、プロスシラリジン、キニジン、プロカインアミド、メキシレチン、フレカイニド、アルプレノロール、プロプラノロール(proproanolol)、ナドロール、ピンドロール、オクスプレノロール、ラベタロール、チモロール、アテノロール、ペンタエリスリトールテトラニトラート、イソソルビドジニトラート、イソソルビドモノニトラート、ニフェジピン、フェニルアミン、ベラパミル、ジルチアゼム、シクランデラール(cyclandelar)、ニコチニルアルコール、イノシトールニコチネート、アルプロスタジル(alprostatdil)、エチレフリン、プレナルテロール、ドブタミン、ドパミン、ジヒドロエルゴタミン、グアネチジン、ベタニジン、メチルドパ、レセルピン、グアンファシン、トリメタファン、ヒドララジン、ジヒドララジン、プラゾシン、ジアゾキサイド、カプトプリル、ニフェジピン、エナラプリル、ニトロプルシド、ベンドロフルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、メチクロチアジド、ポリチアジド、クロルタリドン、シネタゾン、クロパミド、メフルシド、メトラゾン、ブメタニド、エタクリナシド、スピロノラクトン、アミロリド、クロフィブラート、ニコチン酸、ニセリトロール(nicheritrol)、ブロモフェニルアミン、シンナリジン、デキシクロルフェニラミン、クレマスチン、アンタゾリン、シプロヘプタジン、プロメタジン(proethazine)、シメチジン、ラニチジン、スクラルファート、パパベリン、モキサベリン、アトロピン、ブチルスコポラミン、エメプロン、グルコピロン、ヒヨスチアミン、メペンソラール、メチルスコポラミン、オキシフェンサイクリミン、プロバンテリン、テロジリン、センナグリコシド、サグラダエキストラクト、ダントロン、ビサコジル、ピコスルファートナトリウム、エツロース(etulos)、ジフェノキシレート、ロペラミド、サラゾスルファピリジン、ピルヴィン(pyrvin)、メベンダゾール、ジメチコン、フェロフマレート、フェロサクシネート、フェリテトラセミナトリウム、シアノコバラミン、葉酸ヘパリン、ヘパリン補因子、ジクルマロール、ワルファリン、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ、第VIII因子、第IX因子、ビタミンK、チオテパ、ブスルファン、クロラムブシル、シクロホスファミド、メルファラン、カルムスチン、メルカプトプリン、チオグアニン、アザチオプリン、シタラビン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、プロカルバジン、ダカルバジン、ロムスチン、エストラムスチン、テニポシド、エトポシド、シスプラチン、アムサクリン、アミノグルテチミド、ホスフェストロール、メドロキシプロゲステロン(medroxiprogresterone)、ヒドロキシプロゲステロン、メゲステロール、ノレチステロン、タモキシフェン、シクロスポリン、スルフィソミジン(sulfosomidine)、ベンシルペニシリン、フェノキシメチルペニシリン、ジクロキサシリン、クロキサシリン、フルクロキサシリン、アンピシリン、アモキシリン、ピバンピシリン、バカンピシリン、ピペラシリン、メズロシリン、メシリナム、ピブメシリナム、セファロチン、セファレキシン、セフラジン、セファドロキシル、セファクロル、セフロキシム、セフォタキシム、セフタジジム、セフォキシチン、アズトレオナム、イミペネム、シラスタチン、テトラサイクリン、リメサイクリン、デメクロサイクリン、メタサイクリン、オキシテトラサイクリン(oxitetracycline)、ドキシサイクリン、クロラムフェニコール、スピラマイシン、フシジン酸、リンコマイシン、クリンダマイシン、スペクチノマイシン、リファンピシン、アンフォテリシンB、グリセオフルビン、ニスタチン、バンコマイシン、メトロニダゾール、チニダゾール、トリメトプリム、ノルフロキサシン、サラゾスルファピリジン、アミノサリル、イソニアジド、エタンブトール(etambutol)、ニトロフラントイン、ナリジクス酸、メテナミン、クロロキン、ヒドロキシクロロキン、チニダゾール、ケトコナゾール、アシクロビル、インターフェロン イドクスウリジン、レチナール、チアミン(tiamin)、デクスパンテノール(dexpantenol)、ピリドキシン、葉酸、アスコルビン酸、トコフェロール(tokoferol)、フィトミナジオン、フェンフルナミン、コルチコトロピン、テトラコサクチド、チロトロピン、ソマトトロピン、ソマトレム、バソプレシン、リプレシン、デスモプレシン、オキシトシン、クロリオンゴナドトロピン、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、フルドロコルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、フルオキシメステロン、メステロロン、ナンドロロン、スタノゾロール、オキシメトロン、シプロテロン、レボチロキシン、リオチロニン、プロピルチオウラシル、カルビマゾール、チアマゾール、ジヒドロタキステロール、アルファカルシドール、カルシチロール、インスリン、トルブタミド、クロルプロパミド、トラズアミド、グリピジド、グリベンクラミド、フェノバルビタール、メチプリロン、ピリチルジオン、メプロバメート、クロルジアゼポキシド、ジアゼパム、ニトラゼパム、バクロフェン、オキサゼパム、ジカリウムクロラゼペート、ロラゼパム、フルニトラゼパム、アルプラゾラム、ミダゾラム、ヒドロキシジン、ダントロレン、クロメチアゾール、プロピオンマジン、アリメマジン、クロルプロマジン、レボメプロマジン、アセトフェナジン、フルフェナジン、ペルフェナジン、プロクロルペナジン、トリフルオペラジン、ジキシラジン、チオリダジン(thiodirazine)、ペリシアジン、クロルプロチキセン(chloprothixene)、チザニジン、ザレプロン、ズクロペンチゾール、フルペンチゾール、チオチキセン(thithixen)、ハロペリドール、トリミプラミン、オピプラモール、クロミプラミン(chlomipramin)、デシプラミン、ロフェプラミン、アミトリプチリン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、マプトロチリン、カフェイン、シンナリジン、サイクリジン、ジメンヒドリナート(dimenhydinate)、メクロジン、プロメタジン、チエチルペラジン、メトクロプラミド、スコポラミン、フェノバルビタール、フェニトイン、エトスクシミド、プリミドン、カルバマゼピン、クロナゼパム、オルフェナドリン、アトロピン、ベンサトロピン、ビペリデン、メチキセン、プロシリジン、レボドパ、ブロモクリプチン、アマンタジン、アンベノン、ピリドスチグミン、シンスチグミン、ジスルフィラム、モルヒネ、コデイン、ペンタゾシン、ブプレノルフィン、ペチジン、フェノペリジン、フェンタニル、メタドン、ピリトラミド、デキストロプロポキシフェン、ケトベミドン、アセチルサリチル酸、セレコキシブ、フェナゾン、フェニルブタゾン、アザプロパゾン、ピロキシカム、エルゴタミン、ジヒドロエルゴタミン、シプロヘプタジン、ピジチフェン、フルメドロキソン、アロプリノール、プロベネシド、ナトリウムアウロチオマレート(sodiummaurothiomalate)、オーラノフィン(auronofin)、ペニシラミン、エストラジオール、エストラジオールバレリアネート、エストリオール、エチニルエストラジオール、ジヒドロゲステロン、リネストレノール、メドロキシプロゲステロン(medroxiprogresterone)、ノルエチステロン、シクロフェニル(cyclophenile)、クロミフェン、レボノルゲストレル、メストラノール、オルニダゾール、チニダゾール、エコナゾール(ekonazol)、クロトリマゾール、ナタマイシン、ミコナゾール、スルベンチン、メチルエルゴタミン、ジノプロスト、ジノプロストン、ゲメプロスト、ブロモクリプチン、フェニルプロパノールアミン、ナトリウムクロモグリカート、アセタゾラミド、ジクロフェナミド、ベータカロテン、ナロキソン、カルシウムフォリナート、特にクロニジン、テオフィリン(thephylline)、ジピラダモール、ヒドロクロルチアジド、スコポラミン、インドメタシン(indomethacine)、フロセミド、塩化カリウム、モルヒネ、イブプロフェン、サルブタモール、テルブタリン、カルシトニン。この列挙は例示的であること意図され、いずれかの薬物が、公知であるか、後に発見されるかにかかわらず、本開示のコンジュゲートに使用され得ることが理解されるべきである。
多様な実施形態において、Wは、ペプチド系または非ペプチド系であり得るホルモン薬、たとえばアドレナリン、ノルアドレナリン、アンギオテンシン、アトリオペプチン、アルドステロン、デヒドロエピアンドロステロン、アンドロステンジオン、テストステロン、ジヒドロテストステロン、カルシトニン、カルシトリオール、カルシジオール、コルチコトロピン、コルチゾール、ドパミン、エストラジオール、エストロン、エストリオール、エリスロポエチン、卵胞刺激ホルモン、ガストリン、グレリン、グルカゴン、性腺刺激ホルモン放出ホルモン、成長ホルモン、成長ホルモン放出ホルモン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、ヒスタミン、ヒト胎盤性ラクトゲン、インスリン、インスリン様増殖因子、インヒビン、レプチン、ロイコトリエン、リポトロピン、メラトニン、オレキシン、オキシトシン、副甲状腺ホルモン、プロゲステロン、プロラクチン、プロラクチン放出ホルモン、プロスタグランジン(prostglandin)、レニン、セロトニン、セクレチン、ソマトスタチン、トロンボポエチン、甲状腺刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(または甲状腺刺激ホルモン)、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン、チロキシン、トリヨードチロニン、バソプレシンなどである。
ある実施形態において、ホルモンはグルカゴン、インスリン、インスリン様増殖因子、レプチン、甲状腺刺激ホルモン、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(または甲状腺刺激ホルモン)、甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン、チロキシンおよびトリヨードチロニンから選択され得る。
ある実施形態において、Wはインスリン様増殖因子1(IGF−1)である。この列挙は例示的であること意図され、いずれかのホルモン薬が、公知であるか、後に発見されるかにかかわらず、本開示のコンジュゲートに使用され得ることが理解されるべきである。
多様な実施形態において、Wは甲状腺ホルモンである。
多様な実施形態において、Wは抗糖尿病薬(すなわち糖尿病に罹患している患者に有益な効果を有する薬物)である。
ステップS−7を行うために、薬物がアミノ基を含有しなければならないことが認識されるであろう。このため、ある実施形態において、本開示の薬物は1つ以上のアミノ基(たとえばインスリン分子)を含有する。他の実施形態において、薬物は、アミノ基を含有する誘導体を形成するように修飾される。
多様な実施形態において、Wはインスリン分子である。本明細書で使用する場合、「インスリン」または「インスリン分子」という用語は、インスリン分子のすべての塩形および非塩形を含む。塩形がインスリン分子に応じてアニオン性またはカチオン性であり得ることが認識されるであろう。「インスリン」または「インスリン分子」によって、我々は、インスリンが生理活性である(すなわちインビボで投与した場合に、検出可能なグルコースの低減を引き起こすことができる)限り、野生型インスリンおよび修飾インスリンの両方を含むことを意図する。野生型インスリンとしては、精製形、合成形または組換え形にかかわらず、いずれの種にも由来するインスリン(たとえばヒトインスリン、ブタインスリン、ウシインスリン、ウサギインスリン、ヒツジインスリンなど)が挙げられる。これらのいくつかはたとえばシグマ−アルドリッチ(セントルイス、ミズーリ州)より市販されている。
ヒトインスリンの野生型配列は、下に示すように、配列番号27のアミノ酸配列(Aペプチド)および配列番号28のアミノ酸配列(Bペプチド)および3個のジスルフィドブリッジを含む:
Figure 2013542915
当分野で周知であるように、ヒト膵島のβ細胞は、プロインスリンとして公知であるインスリンの単鎖前駆体を分泌する。ヒトにおいて、プロインスリンは配列:[Bペプチド]−[Cペプチド]−[Aペプチド]を有し、ここでCペプチドは、配列番号29の配列を持つ結合ペプチドである:Arg−Arg−Glu−Ala−Glu−Asp−Leu−Gln−Val−Gly−Gln−Val−Glu−Leu−Gly−Gly−Gly−Pro−Gly−Ala−Gly−Ser−Leu−Gln−Pro−Leu−Ala−Leu−Glu−Gly−Ser−Leu−Gln−Lys−Arg。
ヒトにおいて、膵島のβ細胞による生物活性インスリン分子の分泌前に、Cペプチドは2つの二塩基部位、Arg−ArgおよびLys−Argにおける切断により、プロインスリンから除去される。上で示したように、切断は生物活性インスリン分子を別個のAペプチドおよびBペプチドとして放出して、AペプチドおよびBペプチドは2つのジスルフィド結合によって結合され、一方のジスルフィド結合はAペプチド内にある。
すべての生物がヒトプロインスリン配列を認識して、正しく処理を行うわけではない。たとえば、ある実施形態において、酵母は代わりのプロインスリン配列を利用し得る:[リーダーペプチド]−[Bペプチド]−[Cペプチド]−[Aペプチド]。
酵母プロインスリン配列において、リーダーペプチドは酵母中のインスリン分子の適切な切断を促進すると考えられ、たとえば配列:Glu−Glu−Ala−Glu−Ala−Glu−Ala−Glu−Pro−Lys(配列番号30)またはAsp−Asp−Gly−Asp−Pro−Arg(配列番号22)を含み得る。いくつかの実施形態において、リーダーペプチドは、配列Xaa’−Pro−[Lys/Arg]の配列を有し、Xaa’は:
a.長さが少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも20もしくは少なくとも25アミノ酸である、または
b.長さが5以下、10以下、15以下、20以下、25以下、50以下のアミノ酸である;および
c.少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約5%、少なくとも約90%または少なくとも約95%のアミノ酸(たとえばAspおよび/またはGlu)
を含む。
いくつかの実施形態において、リーダーペプチドは、そのC末端にアミノ酸Pro−Lysを含有する。いくつかの実施形態において、リーダーペプチドは、そのC末端にアミノ酸Pro−Argを含有する。
加えて、ヒトプロインスリンに見出される長いCペプチド結合セグメントの代わりに、操作された酵母プロインスリン配列は、はるかに短いCペプチド配列、たとえばAla−Ala−Lys(配列番号16)、Asp−Glu−Arg(配列番号17)またはThr−Ala−Ala−Lys(配列番号31)を有し得る。いくつかの実施形態において、CペプチドはXaa”−[Lys/Arg]の配列を有し、Xaa”は:
a.欠損しているか、または長さが少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも6、少なくとも7、少なくとも8、少なくとも9、少なくとも10、少なくとも15もしくは少なくとも20アミノ酸である;
b.長さが2以下、3以下、4以下、5以下、6以下、7以下、8以下、9以下、10以下、15以下、20以下もしくは25以下のアミノ酸である;または
c.長さが正確に1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24もしくは25アミノ酸である。
いくつかの実施形態において、Cペプチドは、ヒトプロインスリンに見出されるのとは異なるアミノ酸配列を有する。概して、Cペプチドは、インスリンA鎖とB鎖との間に見出されるプロインスリン中のいずれのアミノ酸配列も指す。いくつかの実施形態において、Cペプチドは、インスリンA鎖とB鎖との間に見出され、酵素により切断されて生物活性インスリン分子を産生する、プロインスリン中のいずれのアミノ酸配列も指す。
いずれの特定の理論にも拘束されることを望むものではないが、これらのリーダー配列とCペプチド配列との組合せによって酵母からの機能性インスリンの産生が可能になることが考えられる。
本開示は、ヒトインスリン分子(すなわちヒトプロインスリンまたは生物活性ヒトインスリン分子)に限定されない。概して、本開示は、インスリン様生物活性を保持する(すなわち好適な種にインビボで適切な用量で投与された場合に、グルコースの検出可能な減少を引き起こすことができる)いずれのヒトまたは非ヒトインスリンも含む。たとえば下で議論するように、本開示は、修飾ブタインスリン、ウシインスリン、ウサギインスリン、ヒツジインスリンなども含む。
本開示のインスリン分子は野生型インスリンには存在しない化学修飾および/または突然変異を包含し得ることが理解されるべきである。多種多様の修飾インスリンが当分野で公知である(たとえばCrotty and Reynolds,Pediatr.Emerg.Care.23:903−905,2007およびGerich,Am.J.Med.113:308−16,2002ならびにそこで引用された参考文献を参照)。インスリンの修飾形は、化学的に修飾され得る(たとえば下に記載するようなPEG基または脂肪アシル鎖などの化学部分の付加により)および/または突然変異され得る(すなわちアミノ酸の付加、欠失もしくは置換により)。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、野生型インスリンとは1−10(たとえば1−9、1−8、1−7、1−6、1−5、1−4、1−3、1−2、2−9、2−8、2−7、2−6、2−5、2−4、2−3、3−9、3−8、3−7、3−6、3−5、3−4、4−9、4−8、4−7、4−6、4−5、5−9、5−8、5−7、5−6、6−9、6−8、6−7、7−9、7−8、8−9、9、8、7、6、5、4、3、2または1)のアミノ酸置換、付加および/または欠失で異なる。ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、野生型インスリンとはアミノ酸置換のみが異なる。ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、野生型インスリンとはアミノ酸付加のみが異なる。ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、野生型インスリンとはアミノ酸置換および付加の両方が異なる。ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、野生型インスリンとはアミノ酸置換および欠失の両方が異なる。
ある実施形態において、アミノ酸置換は、関与する残基の極性、電荷、溶解度、疎水性、親水性および/または両親媒性性質の類似性に基づいて行われ得る。ある実施形態において、置換は保存的であり得る、すなわち1つのアミノ酸は類似の形状および電荷の1つと置き換えられる。保存的置換は当分野で周知であり、通例、以下の基:グリシン、アラニン;バリン、イソロイシン、ロイシン;アスパラギン酸、グルタミン酸;アスパラギン、グルタミン;セリン、トレオニン;リジン、アルギニン;およびチロシン、フェニルアラニンの範囲内での置換を包含する。ある実施形態において、アミノ酸の疎水性インデックスは、好適な突然変異を選ぶ際に考慮され得る。ポリペプチドに相互作用的な生物機能を付与する際の疎水性アミノ酸インデックスの重要性は、当分野で一般に理解されている。または同様のアミノ酸の置換を、疎水性に基づいて効果的に行うことができる。ポリペプチドの相互作用的な生物機能を付与する際の親水性の重要性は、当分野で一般に理解されている。ポリペプチドを設計する際の疎水性インデックスまたは親水性の使用は、米国特許第5,691,198号明細書でさらに議論されている。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、配列番号1(A−ペプチド)のアミノ酸配列および配列番号2のアミノ酸配列(Bペプチド)および3つのジスルフィドブリッジを、式Xに示すように含む:
Figure 2013542915
式中、位置A0、A22、B0およびB31それぞれにおけるXaaは独立して、コード可能なアミノ酸、コード可能なアミノ酸の配列であるか、または欠損している;位置A8、A9、A10、A18およびA21それぞれにおけるXaaは独立して、コード可能なアミノ酸であり;位置B3、B28、B29およびB30それぞれにおけるXaaは独立して、コード可能なアミノ酸または欠損している。
本明細書で使用する場合、「コード可能なアミノ酸」は、標準遺伝暗号によるポリペプチド合成のために直接コードされている20のアミノ酸のいずれか1つである。
いくつかの実施形態において、位置A0、A22、B0およびB31それぞれにおけるXaaは独立して、コード可能なアミノ酸、2−50のコード可能なアミノ酸の配列であるか、または欠損している。
いくつかの実施形態において、位置A0、A22、B0およびB31それぞれにおけるXaaは独立して、コード可能なアミノ酸、2−25のコード可能なアミノ酸の配列であるか、または欠損している。
いくつかの実施形態において、位置A0、A22、B0およびB31それぞれにおけるXaaは独立して、コード可能なアミノ酸、2−10のコード可能なアミノ酸の配列であるか、または欠損している。
いくつかの実施形態において、位置A0、A22、B0およびB31それぞれにおけるXaaは独立して、コード可能なアミノ酸、2−9のコード可能なアミノ酸の配列であるか、または欠損している。
いくつかの実施形態において、位置A0、A22、B0およびB31それぞれにおけるXaaは独立して、コード可能なアミノ酸、2−8のコード可能なアミノ酸の配列であるか、または欠損している。
いくつかの実施形態において、位置A0、A22、B0およびB31それぞれにおけるXaaは独立して、コード可能なアミノ酸、2−7のコード可能なアミノ酸の配列であるか、または欠損している。
いくつかの実施形態において、位置A0、A22、B0およびB31それぞれにおけるXaaは独立して、コード可能なアミノ酸、2−6のコード可能なアミノ酸の配列であるか、または欠損している。
いくつかの実施形態において、位置A0、A22、B0およびB31それぞれにおけるXaaは独立して、コード可能なアミノ酸、2−5のコード可能なアミノ酸の配列であるか、または欠損している。
いくつかの実施形態において、位置A0、A22、B0およびB31それぞれにおけるXaaは独立して、コード可能なアミノ酸、2−4のコード可能なアミノ酸の配列であるか、または欠損している。
いくつかの実施形態において、位置A0、A22、B0およびB31それぞれにおけるXaaは独立して、コード可能なアミノ酸、2−3のコード可能なアミノ酸の配列であるか、または欠損している。
いくつかの実施形態において、位置A0、A22、B0およびB31それぞれにおけるXaaは独立して、コード可能なアミノ酸、2のコード可能なアミノ酸の配列であるか、または欠損している。
いくつかの実施形態において、位置A0、A22,B0およびB31それぞれにおけるXaaは欠損している。
いくつかの実施形態において、位置A0、A22およびB31それぞれにおけるXaaは欠損している。
いくつかの実施形態において、位置A22,B0およびB31それぞれにおけるXaaは欠損している。
いくつかの実施形態において、位置A22およびB31それぞれにおけるXaaは欠損している。
ある実施形態において、式XのAペプチドおよびBペプチドの1つ以上の位置におけるXaaは下の表1および2に示されている選択肢から選択される。
Figure 2013542915
Figure 2013542915
いくつかの実施形態において、式Xのインスリン分子は、下の表3に示す位置から選択される位置A8、A9、A10およびB30にアミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、式Xのインスリン分子は、(たとえばヒト配列またはA8のThr、A9のSer、A10のIleおよびB30のThrから)単一の種について下の表3に示す位置から選択される位置A8、A9、A10およびB30にアミノ酸を含む。
Figure 2013542915
多様な実施形態において、本開示のインスリン分子は、Bペプチド配列のB28位置および/またはB29位置にて突然変異する。たとえばインスリンリスプロ(HUMALOG(登録商標))は、BペプチドのC末端上の最後から2番目のリジン残基とプロリン残基が逆転している速効型インスリンミュータント(LysB28ProB29−ヒトインスリン)である。この修飾により、インスリン多量体の形成がブロックされる。インスリンアスパルト(NOVOLOG(登録商標))は、位置B28のプロリンがアスパラギン酸で置換された別の速効性インスリンミュータント(AspB28−ヒトインスリン)である。本ミュータントも多量体の形成を防止する。いくつかの実施形態において、位置B28および/またはB29における突然変異は、インスリン分子内の別の箇所に1つ以上の変異を伴う。たとえば、インスリングルリジン(APIDRA(登録商標))は、位置B3のアスパラギン酸がリジン残基で置き換えられ、位置B29のリジンがグルタミン酸残基で置き換えられた、また別の速効性インスリンミュータント(LysB3GluB29−ヒトインスリン)である。
多様な実施形態において、本開示のインスリン分子は、ヒトインスリンと比べて移動されている等電点を有する。いくつかの実施形態において、等電点の移動は、インスリンAペプチドのN末端および/またはインスリンBペプチドのC末端に1つ以上のアルギニン残基を付加することに達成される。このようなインスリン分子の例としては、ArgA0−ヒトインスリン、ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、GlyA21ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、ArgA0ArgB31ArgB32−ヒトインスリンおよびArgA0GlyA21ArgB31ArgB32−ヒトインスリンが挙げられる。さらなる例として、インスリングラルギン(LANTUS(登録商標))は、AspA21がグリシンで置き換えられ、2個のアルギニン残基がBペプチドのC末端に付加された例示的な長期作用型インスリンミュータントである。これらの変化の効果は、等電点を移動させて、pH4で完全に可溶性である溶液が産生されることである。このため、いくつかの実施形態において、本開示のインスリン分子は、A21がGlyであるAペプチド配列およびB31がArg−ArgであるBペプチド配列を含む。本開示が本明細書に記載されているこれらの突然変異およびその他の突然変異(たとえばGlyA21−ヒトインスリン、GlyA21ArgB31−ヒトインスリン、ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、ArgB31−ヒトインスリン)の単一および複数の組合せすべてを含むことが理解されるべきである。
多様な実施形態において、本開示のインスリン分子は1つ以上の欠失を包含し得る。たとえば,ある実施形態において、本開示のインスリン分子のBペプチド配列は、B1、B2、B3、B26、B27、B28および/またはB29が欠損している。
多様な実施形態において、本開示のインスリン分子は切断され得る。たとえばBペプチド配列は、欠損残基B(1−2)、B(1−3)、B30、B(29−30)もしくB(28−30)であり得る。いくつかの実施形態において、これらの欠失および/または切断は、(たとえば制限なく、des(B30)−インスリンリスプロ、des(B30)−インスリンアスパルト、des(B30)−インスリングルリジン、des(B30)−インスリングラルギンなどを産生するために)上述のいずれのインスリン分子にも適用される。
いくつかの実施形態において、インスリン分子は、AまたはBペプチド配列のNまたはC末端に追加のアミノ酸残基を含有する。いくつかの実施形態において、1つ以上のアミノ酸残基は、位置A0、A22、B0および/またはB31に位置する。いくつかの実施形態において、1つ以上のアミノ酸残基は、位置A0に位置する。いくつかの実施形態において、1つ以上のアミノ酸残基は、位置A22に位置する。いくつかの実施形態において、1つ以上のアミノ酸残基は、位置B0に位置する。いくつかの実施形態において、1つ以上のアミノ酸残基は、位置B31に位置する。ある実施形態において、インスリン分子は、位置A0、A22、B0またはB31にいずれの追加のアミノ酸残基も包含していない。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、1つ以上のアミド化アミノ酸が酸性形態で置き換えられている変異を有し得る。たとえばアスパラギンは、アスパラギン酸またはグルタミン酸で置き換えられ得る。同様に、グルタミンは、アスパラギン酸またはグルタミン酸で置き換えられ得る。特に、AsnA18、AsnA21もしくはAsnB3、またはこれらの残基のいずれの組合せも、アスパラギン酸またはグルタミン酸で置き換えられ得る。GlnA15もしくはGlnB4または両方が、アスパラギン酸またはグルタミン酸で置き換えられ得る。ある実施形態において、インスリン分子は、位置A21にアスパラギン酸を、もしくは位置B3にアスパラギン酸を、または両方を有する。
当業者は、生物活性を保持したまま、インスリン分子中のまた他のアミノ酸を変異させることが可能であることを認識するであろう。たとえば制限なく、以下の修飾:位置B10のヒスチジン残基のアスパラギン酸による置き換え(HisB10→AspB10);位置B1のフェニルアラニン残基のアスパラギン酸による置き換え(PheB1→AspB1);位置B30のトレオニン残基のアラニンによる置き換え(ThrB30→AlaB30);位置B26のチロシン残基のアラニンによる置き換え(TyrB26→AlaB26);および位置B9のセリン残基のアスパラギン酸によるの置き換え(SerB9→AspB9)も当分野で広く受け入れられている。
多様な実施形態において、本開示のインスリン分子は、持続性作用プロフィールを有する。このためある実施形態において、本開示のインスリン分子は、脂肪酸によってアシル化され得る。すなわち、インスリン分子上のアミノ基と脂肪酸のカルボン酸基との間にアミド結合が形成される。アミノ基は、インスリン分子のN末端アミノ酸のα−アミノ基であり得るか、またはインスリン分子のリジン残基のε−アミノ基であり得る。本開示のインスリン分子は、野生型インスリンに存在する3つのアミノ基の1つ以上にてアシル化され得るか、または野生型配列中に導入されたリジン残基上でアシル化され得る。ある実施形態において、インスリン分子は位置B1にてアシル化され得る。ある実施形態において、インスリン分子は位置B29にてアシル化され得る。ある実施形態において、脂肪酸は、ミリスチン酸(C14)、ペンタデシル酸(C15)、パルミチン酸(C16)、ヘプタデシル酸(C17)およびステアリン酸(C18)から選択される。たとえばインスリンデテミル(LEVEMIR(登録商標))は、ThrB30が欠失しており、C14脂肪酸鎖(ミリスチン酸)がLysB29に結合された長期作用型インスリンミュータントである。
いくつかの実施形態において、AペプチドのN末端、BペプチドのN末端、位置B29のLysのイプシロン−アミノ基または本開示のインスリン分子中のその他の利用可能なアミノ基が、一般式の脂肪酸部分に共有結合され:
Figure 2013542915
式中、Rは、水素またはC1−30アルキル基である。いくつかの実施形態において、Rは、C1−20アルキル基、C3−19アルキル基、C5−18アルキル基、C6−17アルキル基、C8−16アルキル基、C10−15アルキル基またはC12−14アルキル基である。ある実施形態において、インスリン分子は、部分にA1位置にてコンジュゲートされる。ある実施形態において、インスリン分子は、部分にB1位置にてコンジュゲートされる。ある実施形態において、インスリン分子は、部分に位置B29のLysのイプシロン−アミノ基にてコンジュゲートされる。ある実施形態において、インスリン分子の位置B28はLysであり、LysB28のイプシロン−アミノ基は脂肪酸部分にコンジュゲートされる。ある実施形態において、インスリン分子の位置B3はLysであり、LysB3のイプシロン−アミノ基は脂肪酸部分にコンジュゲートされる。いくつかの実施形態において、脂肪酸鎖は、8−20炭素長である。いくつかの実施形態において、脂肪酸は、オクタン酸(C8)、ノナン酸(C9)、デカン酸(C10)、ウンデカン酸(C11)、ドデカン酸(C12)またはトリデカン酸(C13)である。ある実施形態において、脂肪酸は、ミリスチン酸(C14)、ペンタデカン酸(C15)、パルミチン酸(C16)、ヘプタデカン酸(C17)、ステアリン酸(C18)、ノナデカン酸(C19)またはアラキジン酸(C20)である。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
LysB28ProB29−ヒトインスリン(インスリンリスプロ)、AspB28−ヒトインスリン(インスリンアスパルト)、LysB3GluB29−ヒトインスリン(インスリングルリジン)、ArgB31ArgB32−ヒトインスリン(インスリングラルギン)、NεB29−ミリストイル−des(B30)−ヒトインスリン(インスリンデテミル)、AlaB26−ヒトインスリン、AspB1−ヒトインスリン、ArgA0−ヒトインスリン、AspB1GluB13−ヒトインスリン、GlyA21−ヒトインスリン、GlyA21ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、ArgA0ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、ArgA0GlyA21ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、des(B30)−ヒトインスリン、des(B27)−ヒトインスリン、des(B28−B30)−ヒトインスリン、des(B1)−ヒトインスリン、des(B1−B3)−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:NεB29−パルミトイル−ヒトインスリン、NεB29−ミリストイル(myrisotyl)−ヒトインスリン、NεB28−パルミトイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ミリストイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB29−パルミトイル−des(B30)−ヒトインスリン、NεB30−ミリストイル−ThrB29LysB30−ヒトインスリン、NεB30−パルミトイル−ThrB29LysB30−ヒトインスリン、NεB29−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)−ヒトインスリン、NεB29−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)−ヒトインスリン、NεB29−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)−ヒトインスリン、NεB29−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB29−オクタノイル−ヒトインスリン、NεB29−ミリストイル−GlyA21ArgB31ArgB31−ヒトインスリン、NεB29−ミリストイル−GlyA21GlnB3ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−ミリストイル−−ArgA0GlyA21ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−ArgA0GlyA21GlnB3ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−ミリストイル−ArgA0GlyA21AspB3ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−ミリストイル−ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−ミリストイル−ArgA0ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−オクタノイル−GlyA21ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−オクタノイル−GlyA21GlnB3ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−オクタノイル−ArgA0GlyA21ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−オクタノイル−ArgA0GlyA21GlnB3ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−オクタノイル−
ArgB0GlyA21AspB3ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−オクタノイル−ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−オクタノイル−ArgA0ArgB31ArgB32−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB28−ミリストイル−GlyA21LysB28ProB29ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB28−ミリストイル−GlyA21GlnB3LysB28ProB30ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB28−ミリストイル−ArgA0GlyA21LysB28ProB29ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB28−ミリストイル−ArgA0GlyA21GlnB3LysB28ProB29ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB28−ミリストイル−ArgA0GlyA21AspB3LysB28ProB29ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB28−ミリストイル−LysB28ProB29ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB28−ミリストイル−argA0LysB28ProB29ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB28−オクタノイル−GlyA21LysB28ProB29ArgB31ArgB32−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB28−オクタノイル−GlyA21GlnB3LysB28ProB29ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB28−オクタノイル−ArgA0GlyA21LysB28ProB29ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB28−オクタノイル−ArgA0GlyA21GlnB3LysB28ProB29ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB28−オクタノイル−ArgA0GlyA21AspB3LysB28ProB29ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB28−オクタノイル−LysB28ProB29ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB28−オクタノイル−ArgA0LysB28ProB29ArgB31ArgB32−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB29−トリデカノイル−des(B30)−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−des(B30)−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−des(B30)−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−des(B30)−ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイル−GlyA21−des(B30)−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−GlyA21−des(B30)−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−GlyA21−des(B30)−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−GlyA21−des(B30)−ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイル−GlyA21GlnB3−des(B30)−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−GlyA21GlnB3−des(B30)−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−GlyA21−GlnB3−des(B30)−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−GlyA21−GlnB3−des(B30)−ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイル−AlaA21−des(B30)−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−AlaA21−des(B30)−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−AlaA21−des(B30)−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−AlaA21−des(B30)−ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイル−AlaA21−GlnB3−des(B30)−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−AlaA21GlnB3−des(B30)−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−AlaA21GlnB3−des(B30)−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−AlaA21GlnB3−des(B30)−ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイル−GlnB3−des(B30)−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−GlnB3−des(B30)−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−GlnB3−des(B30)−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−GlnB3−des(B30)−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB29−トリデカノイル−GlyA21−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−GlyA21−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−GlyA21−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−GlyA21−ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイル−AlaA21−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−AlaA21−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−AlaA21−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−AlaA21−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB29−トリデカノイル−GlyA21GlnB3−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−GlyA21GlnB3−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−GlyA21GlnB3−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−GlyA21GlnB3−ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイル−AlaA21GlnB3−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−AlaA21GlnB3−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−AlaA21GlnB3−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−AlaA21GlnB3−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB29−トリデカノイル−GlnB3−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−GlnB3−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−GlnB3−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−GlnB3−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB29−トリデカノイル−GluB30−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−GluB30−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−GluB30−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−GluB30−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB29−トリデカノイル−GlyA21GluB30−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−GlyA21GluB30−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−GlyA21GluB30−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−GlyA21GluB30−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB29−トリデカノイル−GlyA21GlnB3GluB30−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−GlyA21GlnB3GluB30−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−GlyA21GlnB3GluB30−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−GlyA21GlnB3GluB30−ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイル−AlaA21GluB30−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−AlaA21GluB30−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−AlaA21GluB30−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−AlaA21GluB30−ヒトインスリン、NεB29−トリデカノイル−AlaA21GlnB3GluB30−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−AlaA21GlnB3GluB30−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−AlaA21GlnB3GluB30−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−AlaA21GlnB3GluB30−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB29−トリデカノイル−GlnB3GluB30−ヒトインスリン、NεB29−テトラデカノイル−GlnB3GluB30−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−GlnB3GluB30−ヒトインスリン、NεB29−ドデカノイル−GlnB3GluB30−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB29−ホルミル−ヒトインスリン、NαB1−ホルミル−ヒトインスリン、NαA1−ホルミル−ヒトインスリン、NεB29−ホルミル−NαB1−ホルミル−ヒトインスリン、NεB29−ホルミル−NαA1−ホルミル−ヒトインスリン、NαA1−ホルミル−NαB1−ホルミル−ヒトインスリン、NεB29−ホルミル−NαA1−ホルミル−NαB1−ホルミル−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB29−アセチル−ヒトインスリン、NαB1−アセチル−ヒトインスリン、NαA1−アセチル−ヒトインスリン、NεB29−アセチル−NαB1−アセチル−ヒトインスリン、NεB29−アセチル−NαA1−アセチル−ヒトインスリン、NαA1−アセチル−NαB1−アセチル−ヒトインスリン、NεB29−アセチル−NαA1−アセチル−NαB1−アセチル−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB29−プロピオニル−ヒトインスリン、NαB1−プロピオニル−ヒトインスリン、NαA1−プロピオニル−ヒトインスリン、NεB29−アセチル−NαB1−プロピオニル−ヒトインスリン、NεB29−プロピオニル−NαA1−プロピオニル−ヒトインスリン、NαA1−プロピオニル−NαB1−プロピオニル−ヒトインスリン、NεB29−プロピオニル−NαA1−プロピオニル−NαB1−プロピオニル−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB29−ブチリル−ヒトインスリン、NαB1−ブチリル−ヒトインスリン、NαA1−ブチリル−ヒトインスリン、NεB29−ブチリル−NαB1−ブチリル−ヒトインスリン、NεB29−ブチリル−NαA1−ブチリル−ヒトインスリン、NαA1−ブチリル−NαB1−ブチリル−ヒトインスリン、NεB29−ブチリル−NαA1−ブチリル−NαB1−ブチリル−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB29−ペンタノイル−ヒトインスリン、NαB1−ペンタノイル−ヒトインスリン、NαA1−ペンタノイル−ヒトインスリン、NεB29−ペンタノイル−NαB1−ペンタノイル−ヒトインスリン、NεB29−ペンタノイル−NαA1−ペンタノイル−ヒトインスリン、NαA1−ペンタノイル−NαB1−ペンタノイル−ヒトインスリン、NεB29−ペンタノイル−NαA1−ペンタノイル−NαB1−ペンタノイル−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB29−ヘキサノイル−ヒトインスリン、NαB1−ヘキサノイル−ヒトインスリン、NαA1−ヘキサノイル−ヒトインスリン、NεB29−ヘキサノイル−NαB1−ヘキサノイル−ヒトインスリン、NεB29−ヘキサノイル−NαA1−ヘキサノイル−ヒトインスリン、NαA1−ヘキサノイル−NαB1−ヘキサノイル−ヒトインスリン、NεB29−ヘキサノイル−NαA1−ヘキサノイル−NαB1−ヘキサノイル−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB29−ヘプタノイル−ヒトインスリン、NαB1−ヘプタノイル−ヒトインスリン、NαA1−ヘプタノイル−ヒトインスリン、NεB29−ヘプタノイル−NαB1−ヘプタノイル−ヒトインスリン、NεB29−ヘプタノイル−NαA1−ヘプタノイル−ヒトインスリン、NαA1−ヘプタノイル−NαB1−ヘプタノイル−ヒトインスリン、NεB29−ヘプタノイル−NαA1−ヘプタノイル−NαB1−ヘプタノイル−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
αB1−オクタノイル−ヒトインスリン、NαA1−オクタノイル−ヒトインスリン、NεB29−オクタノイル−NαB1−オクタノイル−ヒトインスリン、NεB29−オクタノイル−NαA1−オクタノイル−ヒトインスリン、NαA1−オクタノイル−NαB1−オクタノイル−ヒトインスリン、NεB29−オクタノイル−NαA1−オクタノイル−NαB1−オクタノイル−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB29−ノナノイル−ヒトインスリン、NαB1−ノナノイル−ヒトインスリン、NαA1−ノナノイル−ヒトインスリン、NεB29−ノナノイル−NαB1−ノナノイル−ヒトインスリン、NεB29−ノナノイル−NαA1−ノナノイル−ヒトインスリン、NαA1−ノナノイル−NαB1−ノナノイル−ヒトインスリン、NεB29−ノナノイル−NαA1−ノナノイル−NαB1−ノナノイル−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB29−デカノイル−ヒトインスリン、NαB1−デカノイル−ヒトインスリン、NαA1−デカノイル−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−NαB1−デカノイル−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−NαA1−デカノイル−ヒトインスリン、NαA1−デカノイル−NαB1−デカノイル−ヒトインスリン、NεB29−デカノイル−NαA1−デカノイル−NαB1−デカノイル−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB28−ホルミル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαB1−ホルミル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−ホルミル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ホルミル−NαB1−ホルミル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ホルミル−NαA1−ホルミル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−ホルミル−NαB1−ホルミル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ホルミル−NαA1−ホルミル−NαB1−ホルミル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB29−アセチル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαB1−アセチル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−アセチル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−アセチル−NαB1−アセチル−LysB28ProB29−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB28−アセチル−NαA1−アセチル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−アセチル−NαB1−アセチル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−アセチル−NαA1−アセチル−NαB1−アセチル−LysB28ProB29−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB28−プロピオニル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαB1−プロピオニル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−プロピオニル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−プロピオニル−NαB1−プロピオニル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−プロピオニル−NαA1−プロピオニル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−プロピオニル−NαB1−プロピオニル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−プロピオニル−NαA1−プロピオニル−NαB1−プロピオニル−LysB28ProB29−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB28−ブチリル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαB1−ブチリル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−ブチリル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ブチリル−NαB1−ブチリル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ブチリル−NαA1−ブチリル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−ブチリル−NαB1−ブチリル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ブチリル−NαA1−ブチリル−NαB1−ブチリル−LysB28ProB29−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB28−ペンタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαB1−ペンタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−ペンタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ペンタノイル−NαB1−ペンタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ペンタノイル−NαA1−ペンタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−ペンタノイル−NαB1−ペンタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ペンタノイル−NαA1−ペンタノイル−NαB1−ペンタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB28−ヘキサノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαB1−ヘキサノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−ヘキサノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ヘキサノイル−NαB1−ヘキサノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ヘキサノイル−NαA1−ヘキサノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−ヘキサノイル−NαB1−ヘキサノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ヘキサノイル−NαA1−ヘキサノイル−NαB1−ヘキサノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB28−ヘプタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαB1−ヘプタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−ヘプタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ヘプタノイル−NαB1−ヘプタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ヘプタノイル−NαA1−ヘプタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−ヘプタノイル−NαB1−ヘプタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ヘプタノイル−NαA1−ヘプタノイル−NαB1−ヘプタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB28−オクタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαB1−オクタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−オクタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−オクタノイル−NαB1−オクタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−オクタノイル−NαA1−オクタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−オクタノイル−NαB1−オクタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−オクタノイル−NαA1−オクタノイル−NαB1−オクタノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB28−ノナノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαB1−ノナノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−ノナノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ノナノイル−NαB1−ノナノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ノナノイル−NαA1−ノナノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−ノナノイル−NαB1−ノナノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−ノナノイル−NαA1−ノナノイル−NαB1−ノナノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB28−デカノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαB1−デカノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−デカノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−デカノイル−NαB1−デカノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−デカノイル−NαA1−デカノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NαA1−デカノイル−NαB1−デカノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン、NεB28−デカノイル−NαA1−デカノイル−NαB1−デカノイル−LysB28ProB29−ヒトインスリン。
ある実施形態において、本開示のインスリン分子は、以下のインスリン分子の1つの変異および/または化学修飾を含む:
εB29−ペンタノイル−GlyA21ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NαB1−ヘキサノイル−GlyA21ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NαA1−ヘプタノイル−GlyA21ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−オクタノイル−NαB1−オクタノイル−GlyA21ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−プロピオニル−NαA1−プロピオニル−GlyA21ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NαA1−アセチル−NαB1−アセチル−GlyA21ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−ホルミル−NαA1−ホルミル−NαB1−ホルミル−GlyA21ArgB31ArgB32−ヒトインスリン、NεB29−ホルミル−des(B26)−ヒトインスリン、NαB1−アセチル−AspB28−ヒトインスリン、NεB29−プロピオニル−NαA1−プロピオニル−NαB1−プロピオニル−AspB1AspB3AspB21−ヒトインスリン、NεB29−ペンタノイル−GlyA21−ヒトインスリン、NαB1−ヘキサノイル−GlyA21−ヒトインスリン、NαA1−ヘプタノイル−GlyA21−ヒトインスリン、NεB29−オクタノイル−NαB1−オクタノイル−GlyA21−ヒトインスリン、NεB29−プロピオニル−NαA1−プロピオニル−GlyA21−ヒトインスリン、NαA1−アセチル−NαB1−アセチル−GlyA21−ヒトインスリン、NεB29−ホルミル−NαA1−ホルミル−NαB1−ホルミル−GlyA21−ヒトインスリン、NεB29−ブチリル−des(B30)−ヒトインスリン、NαB1−ブチリル−des(B30)−ヒトインスリン、NαA1−ブチリル−des(B30)−ヒトインスリン、NεB29−ブチリル−NαB1−ブチリル−des(B30)−ヒトインスリン、NεB29−ブチリル−NαA1−ブチリル−des(B30)−ヒトインスリン、NαA1−ブチリル−NαB1−ブチリル−des(B30)−ヒトインスリン、NεB29−ブチリル−NαA1−ブチリル−NαB1−ブチリル−des(B30)−ヒトインスリン。
本開示は、上述の突然変異および/または化学修飾のいずれか1つを含む非ヒトインスリン(たとえばブタインスリン、ウシインスリン、ウサギインスリン、ヒツジインスリンなど)の修飾形も含む。
これらおよび他の修飾インスリン分子は、米国特許第6,906,028号明細書;同第6,551,992号明細書;同第6,465,426号明細書;同第6,444,641号明細書;同第6,335,316号明細書;同第6,268,335号明細書;同第6,051,551号;同第6,034,054号明細書;同第5,952,297号明細書;同第5,922,675号明細書;同第5,747,642号明細書;同第5,693,609号明細書;同第5,650,486号明細書;同第5,547,929号明細書;同第5,504,188号明細書;同第5,474,978号明細書;同第5,461,031明細書;および同第4,421,685号明細書;ならび米国特許同第7,387,996号明細書;同第6,869,930号明細書;同第6,174,856号明細書;同第6,011,007号明細書;同第5,866,538号明細書;および同第5,750,497号明細書に詳細に記載されている。
いくつかの実施形態において、インスリン分子は、インスリン受容体に対するその親和性を低下させるために修飾および/または突然変異される。特定の理論に拘束されることを望むものではないが、インスリン分子の受容体親和性を修飾(たとえばアシル化)または突然変異によって低下させることにより、インスリン分子が血清から排出される速度が低下し得ることが考えられる。いくつかの実施形態において、低下したインスリン受容体親和性はインビトロで、インスリンコンジュゲートに対する優れたインビボ活性に転換される。ある実施形態において、インスリン分子は、突然変異部位がコンジュゲーション点として使用されるように突然変異され、突然変異された部位におけるコンジュゲーションがインスリン受容体(たとえばLysA3)への結合を低下させる。ある他の実施形態において、既存の野生型アミノ酸または末端におけるコンジュゲーションは、インスリン受容体(たとえばGlyA1)への結合を低下させる。いくつかの実施形態において、インスリン分子は、位置A4、A5、A8、A9またはB30にてコンジュゲートされる。ある実施形態において、位置A4、A5、A8、A9またはB30におけるコンジュゲーションは、野生型アミノ酸側鎖(たとえばGluA4)にて起きる。ある他の実施形態において、インスリン分子は位置A4、A5、A8、A9またはB30にて突然変異されて、コンジュゲーションのための部位(たとえばLysA4、LysA5、LysA8、LysA9またはLysB30)を与える。
インスリン分子を包含する薬物をコンジュゲートする方法は、本明細書に記載されている。ある実施形態において、インスリン分子は、A1アミノ酸残基を介してコンジュゲートされる。ある実施形態において、A1アミノ酸残基はグリシンである。しかし、本開示はN末端コンジュゲーションに限定されないこと、およびある実施形態において、インスリン分子は、非末端A鎖アミノ酸残基を介してコンジュゲートされ得ることが理解されるべきである。特に本開示は、A鎖内のいずれかの位置に存在する(野生型または部位特異的変異誘発によって導入された)リジン残基のイプシロン−アミン基を介したコンジュゲーションを含む。A鎖上のコンジュゲーション位置が異なると、異なるインスリン活性の低下がもたらされ得ることが認識されるであろう。ある実施形態において、インスリン分子は、B1アミノ酸残基を介してコンジュゲートされる。ある実施形態において、B1アミノ酸残基はフェニルアラニンである。しかし、本開示はN末端コンジュゲーションに限定されないこと、およびある実施形態において、インスリン分子は、非末端B鎖アミノ酸残基を介してコンジュゲートされ得ることが理解されるべきである。特に本開示は、B鎖内のいずれかの位置に存在する(野生型または部位特異的変異誘発によって導入された)リジン残基のイプシロン−アミン基を介したコンジュゲーションを含む。たとえばある実施形態において、インスリン分子はB29リジン残基を介してコンジュゲートされ得る。インスリングルリジンの場合、少なくとも1つのリガンドへのB3リジン残基を介したコンジュゲーションが用いられ得る。B鎖上のコンジュゲーション位置が異なると、異なるインスリン活性の低下がもたらされ得ることが認識されるであろう。
ある実施形態において、リガンドは、インスリン分子などの薬物の1を超えるコンジュゲーション点にコンジュゲーションされている。たとえばインスリン分子は、A1 N末端およびB29リジンの両方にコンジュゲートすることができる。いくつかの実施形態において、炭酸塩緩衝液中でアミドコンジュゲーションが起こり、B29位置とA1位置にコンジュゲートされるが、B1位にはコンジュゲートされない。他の実施形態において、他の実施形態では、インスリン分子は、A1のN末端、B1のN末端およびB29リジンにコンジュゲートされ得る。また他の実施形態において、保護基は、コンジュゲーションがB1およびB29位置またはB1およびA1位置で起こるように使用される。インスリン分子上のコンジュゲーション点のいずれの組合せも用いられ得ることが認識されるであろう。いくつかの実施形態において、コンジュゲーション点の少なくとも1つは突然変異リジン残基、たとえばLysA3である。
多様な実施形態において、Wはインスリン増感剤(すなわちインスリンの作用を増強する薬物)である。インスリンの効果を増強する薬物としては、ビグアニド(たとえばメトホルミン)およびグリタゾンが挙げられる。最初のグリタゾン薬はトログリタゾンであったが、これは重篤な副作用を有することが判明した。第2世代のグリタゾンとしては、耐容性がより良好であるピオグリタゾンおよびロシグリタゾンが挙げられるが、ロシグリタゾンは、ある治験において有害な心血管事象と関連していた。
多様な実施形態において、Wは、インスリン分泌促進薬(すなわち膵臓のベータ細胞によるインスリンの分泌を刺激する薬物)である。たとえば多様な実施形態において、コンジュゲートはスルホニル尿素を包含し得る。スルホニル尿素は、膵臓のベータ細胞をグルコースの作用に感作させることによって、ベータ細胞によるインスリン分泌を刺激する。スルホニル尿素はさらに、グルカゴン分泌を阻害して、標的組織をインスリンの作用に感作させることができる。第1世代のスルホニル尿素としては、トルブタミド、クロルプロパミドおよびカルブタミドが挙げられる。より低い用量で活性である第2世代のスルホニル尿素としては、グリピジド、グリベンクラミド、グリクラジド、グリボルヌリドおよびグリメピリドが挙げられる。多様な実施形態において、コンジュゲートとしてはメグリチニドが挙げられ得る。好適なメグリチニドとしてはナテグリニド、ミチグリニドおよびレパグリニドが挙げられる。これらの血糖降下作用は、スルホニル尿素の作用より高速で短期である。他のインスリン分泌促進薬としては、グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)およびGLP−1類似体(すなわちGLP−1様生物活性を有し、GLP−1とは1−10のアミノ酸置換、付加もしくは欠失および/または化学修飾で異なるペプチド)が挙げられる。GLP−1は、中枢作用を通じて胃排出を抑制して満腹感を上昇させること、およびグルカゴンの放出を抑制することによって、食物摂取を減少させる。GLP−1は、膵島細胞の増殖を増大させることによって血漿グルコースレベルを低下させて、食物摂食後のインスリン産生を増加させる。GLP−1は、たとえばリラグルチドのように脂質コンジュゲーションによって化学修飾され得て、そのインビボ半減期が延長される。また他のインスリン分泌促進薬としては、エキセンジン−4およびエキセンジン−4類似体(すなわちエキセンジン−4とは1−10個のアミノ酸の置換、付加もしくは欠失および/または化学修飾で異なる、エキセンジン−4様生物活性を持つペプチド)が挙げられる。エキセンジン−4は、アメリカドクトカゲの毒中に見られ、GLP−1様生物活性を呈する。エキセンジン−4は、GLP−1よりもはるかに長い半減期を有し、GLP−1とは異なり、生物活性を失わずにN末端にて8アミノ酸残基を切断することができる。GLP−1およびエキセンジン−4のN末端領域はほぼ同一であり、重大な相違は2番目のアミノ酸残基、GLP−1におけるアラニン、エキセンジン−4におけるグリシンであり、グリシンによってエキセンジン−4にはインビボ消化に対する抵抗性が付与される。エキセンジン−4は、GLP−1と比べて、C末端に余分の9アミノ酸残基も有する。Mann et al.Biochem.Soc,Trans.35:713−716,2007およびRunge et al.,Biochemistry 46:5830−5840,2007は、本開示のコンジュゲートに使用され得る多種多様のGLP−1およびエキセンジン−4類似体を記載している。GLP−1の短い半減期は、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)による酵素的消化から生じる。ある実施形態において、内因性GLP−1の効果は、DPP−IV阻害薬(たとえばビルダグリプチン、シタグリプチン、サクサグリプチン、リナグリプチンまたはアログリプチン)の投与によって増強され得る。
多様な実施形態において、Wは、アミリンまたはアミリン類似体(すなわちアミリンとは1−10のアミノ酸の置換、付加もしくは欠失および/または化学修飾で異なる、アミリン様生物活性を持つペプチド)を含むものであり得る。アミリンは、グルコースの調節で重要な役割を果たす(たとえばEdelman and Weyer,Diabetes Technol.Ther.4:175−189,2002を参照)。アミリンは、食物摂取に応答して膵臓のベータ細胞によってインスリンとともに共分泌される神経内分泌ホルモンである。インスリンは血流からのグルコースの消失を調節するよう作用するのに対して、アミリンは、胃および肝臓からの血流中のグルコースの出現の調節を助けるように作用する。プラムリンチドアセテート(SYMLIN(登録商標))は例示的なアミリン類似体である。未変性ヒトアミリンはアミロイド形成性であるため、プラムリンチドを設計する戦略は、ある残基をアミロイド形成性でないラットアミリンからの残基で置換することを伴っていた。特に、プロリン残基は構造破壊性残基であることが公知であり、プロリン残基はラット配列からヒト配列中に直接グラフトされた。Glu−10もアスパラギンによって置換された。
スキームIのステップ
1つの態様において、本発明は、上のスキームIに示したステップに従って、前官能化リガンドフレームワーク(PLF)Aから式Iのコンジュゲートを調製する方法を提供する。
ステップS−1において、式Jの化合物は、式Hの化合物にアミド結合形成を介してカップリングされる。いくつかの実施形態において、アミド結合形成は塩基性条件下で行われる。いくつかの実施形態において、塩基は無機塩基である。いくつかの実施形態において、塩基は有機塩基である。ある実施形態において、塩基は第三級アミン(たとえばトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン)である。ある実施形態において、塩基はトリエチルアミンである。
いくつかの実施形態において、ステップS−1は極性非プロトン性溶媒中で行われる。極性非プロトン性溶媒としては、ジクロロメタン(DCM)、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、エチルアセテート、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)およびN−メチルピロリドン(NMP)が挙げられる。ある実施形態において、溶媒はDMFである。
いくつかの実施形態において、ステップS−1は室温より低い温度にて行われる。いくつかの実施形態において、ステップS−1は、室温より上の温度にて行われる。ある実施形態において、ステップS−1は室温にて行われる。ある実施形態において、ステップS−1は、室温より低い温度(たとえば約0から5℃)にて開始されて、室温まで加温される。
ステップS−2において、式Gの化合物におけるPG保護基の除去は、式Fの遊離アミン含有化合物を与える。好適なアミノ保護基の除去の手順は当分野で周知である;Green(1999)を参照。ある実施形態において、式Gの−NHPG部分がt−ブチルカルバメートである(すなわちPGがBocである。)場合、PGは、当分野で公知の酸を用いた処置または他の方法によって除去される。ある実施形態において、Boc基はTFAを用いて除去される。いくつかの実施形態において、この変換は極性非プロトン性溶媒中で行われる。いくつかの実施形態において、Boc脱保護は、追加の溶媒なしで行われる。ある実施形態において、この変換はDCMを溶媒として用いて行われる。ある実施形態において、反応は室温より低い温度にて行われる。ある実施形態において、反応は室温より上の温度にて行われる。ある実施形態において、反応はほぼ室温にて行われる。ある実施形態において、反応は約0から5℃にて行われる。
ステップS−3において、式Eの化合物は2−(2,6−ジオキソモルホリノ)酢酸にアミド結合形成を介してカップリングされ、式Eの化合物の窒素は環無水物を開環して、アミド結合を形成する。いくつかの実施形態において、アミド結合形成は塩基性条件下で行われる。ある実施形態において、塩基は無機塩基である。ある実施形態において、塩基は炭酸塩である。ある実施形態において、塩基は炭酸カリウムである。
いくつかの実施形態において、ステップS−3は極性非プロトン性溶媒中で行われる。極性非プロトン性溶媒としては、ジクロロメタン(DCM)、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、エチルアセテート、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド(DMSO)およびN−メチルピロリドン(NMP)が挙げられる。ある実施形態において、溶媒はDMFである。
いくつかの実施形態において、ステップS−3は室温より低い温度にて行われる。いくつかの実施形態において、ステップS−3は室温より上の温度にて行われる。いくつかの実施形態において、ステップS−3は室温にて行われる。ある実施形態において、ステップS−3は、室温より低い温度(たとえば約0から5℃)にて開始されて、室温まで加温される。
ステップS−4において、式Fの2つの化合物は、式Dの化合物にアミド結合形成を介してカップリングされる。いくつかの実施形態において、ステップS−4は、当分野で公知である標準ペプチドカップリング条件下で行われる;たとえば,Bailey,An Introduction to Peptide Chemistry,Wiley,Chichester(1990);Jones,The Chemical Synthesis of Peptides;,OUP,Oxford(1991);Bodansky,Peptide Chemistry:a Practical Textbook,Springer−Verlag,Berlin(1993);Bodansky,Principles of Peptide Synthesis,2nd ed.,Springer−Verlag,Berlin(1993);Bodansky et al.Practice of Peptide Synthesis,2nd ed.,Springer−Verlag,Berlin(1994);Albertson,Org.React.,12,157(1962);Carpino et al,Acc.Chem.Res.,29,268(1996)を参照。いくつかの実施形態において、ペプチドカップリング試薬が変換で使用される。例示的なペプチドカップリング試薬としては、これに限定されるわけではないが,1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、O−(6−クロロベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HCTU)、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボラート(TBTU)、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド(BOP−C1)、(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)、ブロモトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBrOP)およびクロロトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyClOP)が挙げられる。ある実施形態において、ウロニウムカップリング試薬(たとえばHBTUまたはHATU)がステップS−4で用いられる。ある実施形態において、HBTUが使用される。いくつかの実施形態において、添加剤が変換で使用される。例示的な添加剤としては、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)および4−(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP)が挙げられる。ある実施形態において、DMAPはステップS−4で用いられる。いくつかの実施形態において、塩基はステップS−4で用いられる。いくつかの実施形態において、塩基は有機塩基である。ある実施形態において、塩基は第三級アミン(たとえばジイソプロピルエチルアミンまたはトリエチルアミン)である。ある実施形態において、塩基はジイソプロピルエチルアミンである。
ステップS−5において、式Cの化合物におけるPG保護基の除去は、式Bの遊離酸含有化合物を与える。好適なアミノ保護基の除去の手順は当分野で周知である;Green(1999)を参照。ある実施形態において、式BのPG部分がベンジルである場合、PGは水素添加または当分野で公知の他の方法によって除去される。ある実施形態において、ベンジル基は触媒水素添加または移動水素添加を使用して除去される。ある実施形態において、ベンジル基は触媒水素添加を使用して除去される。ある実施形態において、水素添加はアルコール性溶媒中で行われる。ある実施形態において、水素添加はメタノール中で行われる。ある実施形態において、水素添加はパラジウム炭素の存在下で行われる。
ステップS−6において、式Bの化合物の遊離酸基は、これが求核置換を受ける好適な脱離基(LG)を含むように活性化される。好適なLG基は本明細書に記載されている。いくつかの実施形態において、LGは−OSuである。ある実施形態において、ステップS−6は、LGを組み込むためにウロニウム試薬を用いる。ある実施形態において、ステップS−6は、N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(N−スクシンイミジル)ウロニウムテトラフルオロボラート(TSTU)を用いる。ある実施形態において、ステップS−6は極性非プロトン性溶媒中で行われる。ある実施形態において、ステップS−6はDMF中で行われる。いくつかの実施形態において、活性化は塩基の存在下で行われる。ある実施形態において、塩基は有機塩基である。ある実施形態において、塩基は第三級アミン(たとえばトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン)である。ある実施形態において、塩基はジイソプロピルエチルアミンである。いくつかの実施形態において、ステップS−6は室温より低い温度にて行われる。ある実施形態において、反応は約0℃と室温との間の温度にて行われる。ある実施形態において、反応は約0℃にて行われる。
コンジュゲーションの方法
ステップS−7において、アミン含有薬物Wは、式Aの化合物と反応してアミド結合を形成する。多様な実施形態において、アミン担持薬物は、末端活性化エステル部分を含有する式Aの化合物にカップリングすることができる(たとえばHermanson in Bioconjugate Techniques,2nd edition,Academic Press,2008およびそこで引用されている参考文献を参照)。簡潔には、末端活性化エステル(たとえば−OSuなど)を有する式Aの化合物がDMSOまたはDMFなどの無水有機溶媒に溶解される。次に所望の当量数の薬物が添加され、数時間にわたって室温にて混合される。Baudys et al.,Bioconj.Chem.9:176−183,1998に記載されているように、薬物を式Bの遊離酸化合物にコンジュゲートして、安定なアミド結合を産生することもできる。本反応は、トリブチルアミン(TBA)およびイソブチルクロロホルメートを無水条件下で式Bの化合物および薬物のジメチルスルホキシド(DMSO)溶液に添加することによって達成することができる。
ある薬物は、1を超えるアミノ基を自然に所有し得る。いくつかの例において、構成成分をこれらの部位の1つのみにて選択的に反応させるために、化学反応の種類および条件を選ぶことが可能である。たとえばインスリン分子が反応性アミンを通じてコンジュゲートされる場合、ある実施形態において、インスリン分子のA1およびB29アミノ基は、実施例に記載されているようにBOC保護されているので、各インスリン分子は、Phe−B1α−アミノ基においてのみ反応することができる。いくつかの実施形態において、インスリン分子のB1およびB29アミノ基は、実施例に記載されているようにBOC保護されているので、各インスリン分子は、Gly−Al α−アミノ基においてのみ反応することができる。ある実施形態において、およそ1当量のBOC−インスリンをDMSO溶液として、過剰なトリエチルアミンを含有する、式Aの化合物のDMSO溶液に室温にて添加して、適切な長さの時間にわたって反応させる。ある実施形態において、反応はおよそ1時間行われる。いくつかの実施形態において、未反応BOC−インスリンから所望の生成物を精製するために、生じたコンジュゲートを逆相HPLC(C8、0.1%TFAを含有する、アセトニトリル/水移動相)によって精製する。ある実施形態において、所望の溶離ピークを収集、プールおよび回転蒸発させてアセトニトリルを除去して、続けて凍結乾燥させて、乾燥粉末を得る。最後に、凍結乾燥粉末を90%TFA/10%アニソールに1時間にわたって4℃にて溶解させて、0.150M NaClを含有するHEPES pH8.2緩衝液による10倍過希釈を続けて、BOC保護基を除去する。NaOH溶液を使用してpHを7.0と8.0との間に調整して、この後に物質をバイオゲルP2カラムに通過させて、アニソール、BOCおよびその他の汚染塩を除去する。次に脱保護、精製されたコンジュゲート水溶液を所望のレベルまで濃縮して、必要となるまで4℃にて貯蔵する。
別の態様において、反応がB29イプシロン−アミノ基にて、未保護インスリン分子を使用して炭酸塩緩衝液中で行われ得るのは、このような条件下では、B29アミノ基が野生型インスリンに存在する3個のアミノ基のうちで最も反応性であるためである。例示的な合成において、式Aの化合物を無水DMSOに溶解させて、トリエチルアミン(TEA)の添加を続ける。溶液を室温にて所望の長さの時間にわたって迅速に撹拌する。次に未保護インスリン分子(17.2mM)を炭酸ナトリウム緩衝液(0.1M、pH11)中に個別に溶解させて、続いて1.0N水酸化ナトリウムによってpHを10.8まで調整する。溶解したら、A/DMSO/TEA溶液を薬物/炭酸塩緩衝溶液に滴加する。添加中に、必要ならば希HClまたはNaOHを使用して、生じた混合物のpHを定期的に10.8まで調整する。滴加の後に溶液を所望の長さの時間にわたって撹拌して、完全に反応させる。
ある実施形態において、生じたコンジュゲートを、分取逆相HPLCを使用して精製する。溶液を収集したら、回転蒸発させてアセトニトリルを除去して、凍結乾燥させて純粋なコンジュゲートを得る。
さらに炭酸塩緩衝液条件下で、A1アミノ基は野生型インスリンの2番目に反応性のアミノ基である。このため、ある実施形態において、A1,B29−2置換インスリン−コンジュゲートは、上記の条件を使用して、B29−1置換インスリン−コンジュゲート合成と比べて、インスリン分子当りおよそ10倍の量の前官能化リガンドフレームワークを用いて合成される。
これらの例示的な手順を使用して、異なるリガンドおよび薬物との他のコンジュゲートが産生され得ることが認識されるであろう。
N末端保護アミノ酸配列を使用するコンジュゲーション
いくつかの実施形態において、上記のコンジュゲーション工程は、N末端保護アミノ酸配列を包含する組換えインスリン分子を使用して行われる。図21は、AおよびBペプチドの両方にN末端保護アミノ酸配列を包含する組換えインスリン分子に関連する、本工程の1つの実施形態を示す(N末端保護アミノ酸配列はそれぞれA0およびB0として示されている)。下でさらに詳細に記載するように、N末端保護アミノ酸配列A0およびB0は、これらのアミノ酸配列がArg残基をそのC末端に包含する限り、1つ以上のアミノ酸残基を包含し得る。図21Aに示し、実施例28に記載するように、これらのN末端保護アミノ酸配列を含むプロインスリン分子は、酵母中で最初に組換え産生される。精製後、N末端リーダーペプチド(図21のL)およびプロインスリン分子の内部Cペプチド(図21のC)は、C末端リジンプロテアーゼ(たとえばアクロモバクター・ライチカス(Achromobacter lyticus)プロテアーゼ、すなわちALP)を使用して切断される。N末端リーダーペプチドが切断されるのは、これがC末端Lys残基を包含するためである。内部Cペプチドが切断されるのは、これに2つのLys残基(B29におけるLys残基およびCペプチド配列のC末端におけるLys残基)が隣接しているためである。次にコンジュゲーションが行われ、この間にN末端保護アミノ酸配列はインスリン分子上に存在して、コンジュゲートインスリン中間体の混合物を産生する(コンジュゲーションは一般に、より反応性であるLysB29にて優先的に発生するが、AOおよび/またはBOのN末端でも発生し得る)。図21Aにおいて、インスリン分子はNHS−Rとコンジュゲートされ、Rは前官能化リガンドフレームワークに相当して、NHSはNHSエステル基に相当する。これらの図のNHSエステル基は例示的であること、および本開示のこの箇所および他のいずれの箇所でも、NHSエステル基は別の好適な活性化エステル基で置き換えられることが理解されるべきである。上記のように、ある実施形態において、本コンジュゲーションステップは、NHS−RをDMSOまたはDMFなどの無水有機溶媒に溶解させること、および次に所望の当量数のインスリン分子を添加すること、続いて室温にて数時間撹拌することによって行われ得る。コンジュゲートインスリン中間体は次に、Arg残基のC末端上で切断することができるトリプシンまたはトリプシン様プロテアーゼによって処置される。図21Bに示すように、本酵素処理ステップは、コンジュゲートインスリン中間体すべてを、LysB29のみがコンジュゲートされる所望のインスリン−コンジュゲートに崩壊させる。
図20は、AおよびBペプチドのN末端保護アミノ酸配列の非存在下で、同じ工程が進行する方法を示す。図示されているように、工程はコンジュゲートされた生成物の混合物を生じ、所望の生成物(たとえばLysB29のみがコンジュゲートされる場合はインスリン−コンジュゲート)は、混合物から(たとえば分取逆相HPLCを使用して)精製する必要がある。
図22は、AペプチドのみにN末端保護アミノ酸配列を包含する組換えインスリン分子に関連する、本工程の別の実施形態を示す(N末端保護アミノ酸配列はA0として示されている)。図22に示すように、反応は、コンジュゲーションを利用可能なすべての位置(すなわちA0、B1およびB29)にて促進する条件下で行われる。たとえばこれは、過剰なNHS−Rを反応物に添加することによって達成できる。または、B1およびB29位置にてコンジュゲーションを促進する条件を使用することができる。コンジュゲートインスリン中間体は次に、トリプシンによって処置されて、B1およびLysB29がコンジュゲートされる所望のインスリン−コンジュゲートが産生される。いくつかの実施形態において、B29位置またはA0およびB29位置の両方においてコンジュゲーションを促進する条件を使用することができる(たとえば所望の生成物が、LysB29のみがコンジュゲートされるインスリン−コンジュゲートである場合)。本開示は、コンジュゲーション反応がコンジュゲートインスリン中間体のより複雑な混合物(たとえばB29、A0/B29、B1/B29およびA0/B1/B29コンジュゲートインスリン中間体)を産生する実施形態も含む。このような実施形態において、トリプシンを用いた処置により、生成物の混合物(たとえばB29コンジュゲートインスリン分子およびB1/B29コンジュゲートインスリン分子)が産生されるであろう。次に所望の生成物は、本明細書で開示されている技法によって(たとえば分取逆相HPLCを使用して)本混合物から精製される。
図23は、BペプチドのみにN末端保護アミノ酸配列を包含する組換えインスリン分子に関連する、本工程のまた別の実施形態を示す(N末端保護アミノ酸配列はA0として示されている)。図23に示すように、反応は、コンジュゲーションを利用可能なすべての位置(すなわちA1、B0およびB29)にて促進する条件下で行われる。たとえばこれは、過剰なNHS−Rを反応物に添加することによって達成できる。または、A1およびB29位置においてコンジュゲーションを促進する条件を使用することができる(たとえば炭酸ナトリウム緩衝液(0.1M、pH11)中で、A1位置は、B29の次に反応性である位置である。)。コンジュゲートされたインスリン中間体は次に、トリプシンによって処置されて、A1およびLysB29がコンジュゲートされる所望のインスリン−コンジュゲートが産生される。本開示は、コンジュゲーション反応がコンジュゲートされたインスリン中間体のより複雑な混合物(たとえばB29、A1/B29、B0/B29およびA1/B0/B29のコンジュゲートされたインスリン中間体)を産生する実施形態も含む。このような実施形態において、トリプシンを用いた処置によって、生成物の混合物(たとえばB29コンジュゲートインスリン分子およびA1/B29コンジュゲートインスリン分子)が産生されるであろう。次に所望の生成物は、本明細書で開示されている技法によって(たとえば分取逆相HPLCを使用して)本混合物から精製される。
ある実施形態において、1つ以上のN末端保護アミノ酸配列を包含する組換えインスリン分子は、配列番号1のアミノ酸配列(Aペプチド)および配列番号2のアミノ酸配列(Bペプチド)および3つのジスルフィドブリッジを、式Xに示すように含む。
Figure 2013542915
式中、位置A0におけるXaaは、N末端保護アミノ酸配列を包含するか、または欠損している:および位置B0におけるXaaは、N末端保護アミノ酸配列を包含するか、または欠損している、ただしA0またはB0の少なくとも1つがN末端保護アミノ酸配列を含むという条件である。
式Xの位置A8、A9、A10、A18、A21、A22、B3、B28、B29、B30およびB31におけるXaaは、本明細書に記載されている式Xのインスリン分子のいずれかに従って定義され得ることが理解されるべきである(表1−3に示すものを含む)。ある実施形態において、A8、A9、A10およびB30は、表3に示すものから選択される。ある実施形態において、A18は、Asn、AspまたはGluである。ある実施形態において、A21は、Asn、Asp、Glu、GlyまたはAlaである。ある実施形態において、A22、B30およびB31は欠損している。ある実施形態において、B3は、Asn、Lys、AspまたはGluである。ある実施形態において、B28は、Pro、Ala、Lys、Leu、ValまたはAspである。ある実施形態において、B29は、Lys、ProまたはGluである。ある実施形態において、B29はLysである。
ある実施形態において、A8、A9、A10およびB30は、表3に示すものから選択される;A18は、Asn、AspまたはGluである;A21は、Asn、Asp、Glu、GlyまたはAlaである;A22、B30およびB31は欠損している;B3は、Asn、Lys、AspまたはGluである;B28は、Pro、Ala、Lys、Leu、ValまたはAspである;ならびにB29はLysである。
ある実施形態において、A22、B30およびB31は欠損していて、A8、A9、A10、A18、A21、B3、B28およびB29は、野生型ヒトインスリンの場合と同じである。
ある実施形態において、位置A0におけるXaaはN末端保護アミノ酸配列を包含して、位置B0におけるXaaはN末端保護アミノ酸配列を包含する。ある実施形態において、位置A0におけるXaaはN末端保護アミノ酸配列を包含して、位置B0におけるXaaは欠損している。ある実施形態において、位置A0におけるXaaは欠損していて、位置B0におけるXaaはN末端保護アミノ酸配列を包含する。
ある実施形態において、N末端保護アミノ酸配列はモチーフ[Asp/Glu]−Xaa’’’−ArgをC末端に含み、Xaa’’’は欠損しているか、または1−10のコード可能なアミノ酸配列であり、ただしXaa’’’はArgを包含しないという条件である。
ある実施形態において、Xaa’’’はCysまたはLysを包含しない。
ある実施形態において、Xaa’’’は、Aspの1−10回の出現を包含する。ある実施形態において、Xaa’’’は、Gluの1−10回の出現を包含する。ある実施形態において、Xaa’’’は、Aspの1−5回の出現およびGluの1−5の出現を包含する。
ある実施形態において、Xaa’’’はProである。ある実施形態において、Xaa’’’は、C末端にProを包含する。ある実施形態において、Xaa’’’は、C末端のProおよびAspの1−10回の出現を包含する。ある実施形態において、Xaa’’’は、C末端のProおよびGluの1−10回の出現を包含する。ある実施形態において、Xaa’’’は、C末端のPro、Aspの1−10回の出現およびGluの1−5回の出現を包含する。
ある実施形態において、Xaa’’’はGlyである。ある実施形態において、Xaa’’’はC末端にGlyを包含する。ある実施形態において、Xaa’’’はC末端のGlyおよびAspの1−10回の出現を包含する。ある実施形態において、Xaa’’’はC末端のGlyおよびGluの1−10回の出現を包含する。ある実施形態において、Xaa’’’は、C末端のGly、Aspの1−5回の出現およびGluの1−5回の出現を包含する。
ある実施形態において、N末端保護アミノ酸配列は、C末端にモチーフ[Asp/Glu]−[Asp/Glu]−Argを含む。
ある実施形態において、N末端保護アミノ酸配列は、C末端にモチーフ[Asp/Glu]−Asp−Argを含む。
ある実施形態において、N末端保護アミノ酸配列は、C末端にモチーフ[Asp/Glu]−Glu−Argを含む。
ある実施形態において、N末端保護アミノ酸配列は、C末端にモチーフAsp−[Asp/Glu]−Argを含む。
ある実施形態において、N末端保護アミノ酸配列は、C末端にモチーフGlu−[Asp/Glu]−Argを含む。
ある実施形態において、N末端保護アミノ酸配列は、C末端にモチーフ[Asp/Glu]−[Asp/Glu]−[Asp/Glu]−[Asp/Glu]−Pro−Arg(配列番号20)を含む。
ある実施形態において、N末端保護アミノ酸配列は、C末端にモチーフ[Asp/Glu]−[Asp/Glu]−Gly−[Asp/Glu]−Xaa’’’−Argを含み、Xaa’’’はいずれかのコード可能なアミノ酸である(配列番号21)。ある実施形態において、Xaa’’’はGlyである。ある実施形態において、Xaa’’’はProである。
ある実施形態において、N末端保護アミノ酸配列は、C末端にモチーフAsp−Asp−Gly−Asp−Pro−Arg(配列番号22)を含む。
ある実施形態において、N末端保護アミノ酸配列は、C末端にモチーフGlu−Glu−Gly−Glu−Pro−Arg(配列番号23)を含む。
ある実施形態において、N末端保護アミノ酸配列は、C末端にモチーフAsp−Asp−Gly−Asp−Gly−Arg(配列番号24)を含む。
ある実施形態において、N末端保護アミノ酸配列は、C末端にモチーフGlu−Glu−Gly−Glu−Gly−Arg(配列番号25)を含む。
ある実施形態において、N末端保護アミノ酸配列は、C末端にモチーフAsp−Glu−Arg(配列番号26)を含む。
ある実施形態において、N末端保護アミノ酸配列は、上述のモチーフの1つより成る。ある実施形態において、位置A0および/またはB0におけるXaaは、上述のモチーフの1つより成る。
ある実施形態において、本開示は:(a)末端活性化エステルを包含する前官能化リガンドフレームワークと1つ以上のN末端保護アミノ酸配列を包含するN末端インスリン分子との間でアミドコンジュゲーションを行って、1つ以上のコンジュゲートインスリン中間体を産生するステップおよび(b)1つ以上のN末端保護アミノ酸配列を1つ以上のコンジュゲートインスリン中間体からArgのC末端側で切断するプロテアーゼを用いて切断するステップを含む方法を提供する。いくつかの実施形態において、プロテアーゼはトリプシンである。いくつかの実施形態において、プロテアーゼはトリプシン様プロテアーゼである。いくつかの実施形態において、所望の生成物は、ステップ(b)で産生されたコンジュゲートインスリン分子の混合物から(たとえば分取逆相HPLCを使用して)精製される。
ある実施形態において、インスリン分子は式Xで示す通りであり、式中、位置A0におけるXaaはN末端保護アミノ酸配列を包含して、位置B0におけるXaaはN末端保護アミノ酸配列を包含する。これらのいくつかの実施形態において、位置B29におけるXaaはLysであり、方法は式X1のインスリン分子を産生し、式中、A0およびB0は欠損していて、前官能化リガンドフレームワークはLysB29にてコンジュゲートされる。
ある実施形態において、インスリン分子は式Xで示す通りであり、式中、位置A0におけるXaaはN末端保護アミノ酸配列を包含して、位置B0におけるXaaは欠損している。これらのいくつかの実施形態において、位置B29におけるXaaはLysであり、方法は式Xのインスリン分子を産生し、式中、A0およびB0は欠損していて、前官能化リガンドフレームワークは位置B1およびLysB29にてコンジュゲートされる。これらのいくつかの実施形態において、位置B29におけるXaaはLysであり、方法は式Xのインスリン分子を産生し、式中、A0およびB0は欠損していて、前官能化リガンドフレームワークはLysB29にてコンジュゲートされる。ある実施形態において、位置B1およびLysB29にてコンジュゲートされるインスリン分子は、位置B1およびLysB29にてコンジュゲートされるインスリン分子ならびにLysB29にてコンジュゲートされるインスリン分子を包含する混合物から(たとえば分取逆相HPLCを使用して)精製される。ある実施形態において、LysB29にてコンジュゲートされるインスリン分子は、位置B1およびLysB29にてコンジュゲートされるインスリン分子ならびにおよびLysB29にてコンジュゲートされるインスリン分子を包含する混合物から(たとえば分取逆相HPLCを使用して)精製される。
ある実施形態において、インスリン分子は式Xで示す通りであり、式中、位置A0におけるXaaは欠損していて、位置B0におけるXaaはN末端保護アミノ酸配列を包含する。これらのいくつかの実施形態において、位置B29におけるXaaはLysであり、方法は式Xのインスリン分子を産生し、式中、A0およびB0は欠損していて、前官能化リガンドフレームワークは位置A1およびLysB29にてコンジュゲートされる。これらのいくつかの実施形態において、位置B29におけるXaaはLysであり、方法は式Xのインスリン分子を産生し、式中、A0およびB0は欠損していて、前官能化リガンドフレームワークはLysB29にてコンジュゲートされる。ある実施形態において、位置A1およびLysB29にてコンジュゲートされるインスリン分子は、位置A1およびLysB29にてコンジュゲートされるインスリン分子ならびにLysB29にてコンジュゲートされるインスリン分子を包含する混合物から(たとえば分取逆相HPLCを使用して)精製される。ある実施形態において、LysB29にてコンジュゲートされるインスリン分子は、位置A1およびLysB29にてコンジュゲートされるインスリン分子ならびにおよびLysB29にてコンジュゲートされるインスリン分子を包含する混合物から(たとえば分取逆相HPLCを使用して)精製される。
コンジュゲーションの複数部位(スキームII)
式Aの化合物が1を超えるアミノ基を有する薬物と複数回反応し得ることが理解されるであろう。このため、ある実施形態において、本発明は、下のスキームIIに示すように、適切な当量数の式Aの化合物から式I−aのコンジュゲートを調製する方法を提供し:
Figure 2013542915
式中、X、Alk、Alk、LGおよびWは上で定義した通りであり、本明細書に記載するクラスおよびサブクラス内にあり、ならびにjは2または3である。概して、単一のコンジュゲーション点を示す、本明細書で開示するいずれのスキームも、2つ以上の式Aの化合物が薬物Wにコンジュゲートされる実施形態を含むことが理解されるべきである。
スキームIII
いくつかの実施形態において、Wはインスリン分子であり、本発明は、下のスキームIIIに示すように、式Aの化合物から式IIのコンジュゲートを調製する方法を提供し:
Figure 2013542915
式中、X、Alk、AlkおよびLGは上で定義した通りであり、本明細書に記載するクラスおよびサブクラス内にある。
本明細書に記載する場合、インスリン分子は多様なアミン位置にてコンジュゲートされ得る。ある実施形態において、インスリンコンジュゲートは図1に示されている。ある実施形態において、インスリン分子はB1、A1またはLysB29位置にてコンジュゲートされる。スキームIIIの式IIは、簡略化するために1つのコンジュゲーション点のみを示しているが、式Aの化合物は、スキームIIおよび式I−aに示すように、インスリン分子の2つ以上の位置にてコンジュゲートされ得ることが理解されるべきである。ある実施形態において、インスリン分子は、A1およびLysB29位置にてコンジュゲートされる。ある実施形態において、インスリン分子はA1およびB1位置にてコンジュゲートされる。ある実施形態において、インスリン分子はB1およびLysB29位置にてコンジュゲートされる。ある実施形態において、インスリン分子はA1、B1およびLysB29位置にてコンジュゲートされる。ある実施形態において、インスリン分子は、ヒトインスリンの野生型配列中に存在し得るまたは存在し得ない非末端リジン残基の側鎖を介して(たとえば位置B3、B28またはB29にて)コンジュゲートされる。
スキームIV
いくつかの実施形態において、Wはインスリン分子であり、LGは−OSuであり、本発明は、下のスキームIVに示すように、式A−iの化合物から式IIのコンジュゲートを調製する方法を提供し:
Figure 2013542915
式中、X、AlkおよびAlkは上で定義した通りであり、本明細書に記載するクラスおよびサブクラス内にある。スキームIVの式IIは、簡略化するために1つのコンジュゲーション点のみを示しているが、式A−iの化合物は、スキームIIおよび式I−aに示すように、インスリン分子の2つ以上の位置にてコンジュゲートされ得ることが理解されるべきである。
ステップS−10において、式A−iの化合物の−OSu基は、上記のインスリンアミノ基で置き換えられる。
化合物AからのコンジュゲートIの合成
別の態様により、本発明は、式Iのコンジュゲート:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
Wは薬物である。)
を調製する方法であって:
(a)式Aの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
LGは好適な脱離基である。)を提供するステップ;
および
(b)前記式Aの化合物をアミン含有薬物と反応させて、式Iのコンジュゲートを形成するステップ;
を含む方法を提供する。
上の式Iは、簡略化するために1つのコンジュゲーション点のみを示しているが、スキームIIおよび式I−aに示すように、式Aの化合物は、薬物Wの2つ以上の位置にてコンジュゲートされ得ることが理解されるべきである。
化合物AからのコンジュゲートIIの合成
ある実施形態において、本発明は、式IIのコンジュゲート:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよい。)
を調製する方法であって:
(a)式Aの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
LGは好適な脱離基である。)
を提供するステップ;
および
(b)前記式Aの化合物をインスリン分子と反応させて、式IIの化合物を形成するステップ;
を含む方法を提供する。
上で定義したように、式IIおよびAの化合物において、Xの各出現は独立してリガンドである。ある実施形態において、Xの各出現は同じリガンドである。上で定義したように、式Aの化合物において、LGは好適な脱離基である。ある実施形態において、LGは−OSuである。
上の式IIは、簡略化するために1つのコンジュゲーション点のみを示しているが、スキームIIおよび式I−aに示すように、式Aの化合物は、インスリン分子の2つ以上の位置にてコンジュゲートされ得ることが理解されるべきである。
ある実施形態において、式IIのコンジュゲートは、図1に示すものから選択される。
化合物Bからの化合物Aの合成
別の実施形態により、本発明は、式Aの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;
LGは好適な脱離基である。)
を調製する方法であって:
(a)式Bの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよい。)
を提供するステップ;
および
(b)式Bの前記化合物のカルボン酸を活性化して、式Aの化合物を形成するステップ;
を含む方法を提供する。
化合物Cからの化合物Bの合成
別の実施形態により、本発明は、式Bの化合物
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよい。)
を調製する方法であって:
(a)式Cの化合物
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
PGはカルボン酸保護基である。)
を提供するステップ;
および
(b)式Cの化合物を脱保護して、式Bの化合物を形成するステップ;
を含む方法を提供する。
化合物DおよびFからの化合物Cの合成
本発明のまた別の態様は、式Cの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
PGはカルボン酸保護基である。)
を調製する方法であって:
(a)式Dの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
PGはカルボン酸保護基であり;および
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
を提供するステップ;
および
(b)式Dの化合物を式Fの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xはリガンドであり;および
AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
と反応させて式Cの化合物を形成するステップ;
を含む方法を提供する。
化合物Eからの化合物Dの合成
別の実施形態により、本発明は、式Dの化合物
Figure 2013542915
(式中:
PGはカルボン酸保護基であり;および
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
を調製する方法であって:
(a)式Eの化合物
Figure 2013542915
(式中:
PGはカルボン酸保護基であり;および
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
を提供するステップ;
および
(b)式Eの化合物を2−(2,6−ジオキソモルホリノ)酢酸と反応させて、式Dの化合物を得るステップ;
を含む方法を提供する。
化合物Gからの化合物Fの合成
ある実施形態において、本発明は、式Fの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xはリガンドであり;および
AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
を調製する方法であって:
(a)式Gの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xはリガンドであり;
AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
PGはアミノ保護基である。)
を提供するステップ;
および
(b)式Gの化合物を脱保護して、式Fの化合物を与えるステップ;
を含む方法を提供する。
化合物Hからの化合物Gの合成
別の実施形態により、本発明は、式Gの化合物
Figure 2013542915
(式中:
Xはリガンドであり;
AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
PGはアミノ保護基である。)
を調製する方法であって:
(a)式Hの化合物
Figure 2013542915
(式中:
PGはアミノ保護基である;
AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
LGは好適な脱離基である。)
を提供するステップ
および
(b)式Hの化合物をアミン含有リガンドHN−X(J)と反応させて、式Gの化合物を形成するステップ;
を含む方法を提供する。
化合物Aの合成(ステップS−1、S−2、S−4、S−5およびS−6)
別の実施形態により、本発明は、式Aの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよく;
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
LGは好適な脱離基である。)
を調製する方法であって:
(a)式Hの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
PGはアミノ保護基である;
AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
LGは好適な脱離基である。)
を提供するステップ;
(b)式Hの化合物をアミン含有リガンドHN−X(J)と反応させて、式Gの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xはリガンドであり;
AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
PGはアミノ保護基である。)
を形成するステップ;
(c)式Gの化合物を脱保護して、式Fの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xはリガンドであり;および
AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
を与えるステップ;
(d)式Fの化合物を式Dの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
PGはカルボン酸保護基であり;および
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
と反応させて、式Cの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
PGはカルボン酸保護基である。)
を形成するステップ;
(e)式Cの化合物を脱保護して、式Bの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
を形成するステップ;
および
(f)前記式Bの化合物のカルボン酸を活性化して、式Aの化合物を形成するステップ;
を含む方法を提供する。
化合物Aの合成(ステップS−3からS−6)
別の実施形態により、本発明は、式Aの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は−O−または−S−によって置換されていてもよく;
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
LGは好適な脱離基である。)
を調製する方法であって:
(a)式Eの化合物
Figure 2013542915
(式中:
PGはカルボン酸保護基であり;および
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
を提供するステップ;
(b)式Eの化合物を2−(2,6−ジオキソモルホリノ)酢酸と反応させて、式Dの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
PGはカルボン酸保護基であり;および
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
を与えるステップ;
(c)式Dの化合物を式Fの化合物:
Figure 2013542915
と反応させて、式Cの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよく;
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
PGはカルボン酸保護基である。)
を形成するステップ;
(d)式Cの化合物を脱保護して、式Bの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい)
を形成するステップ;
および
(e)前記式Bの化合物のカルボン酸を活性化して、式Aの化合物を形成するステップ;
を含む方法を提供する。
コンジュゲートIの合成(ステップS−1、S−2、S−4、S−5、S−6およびS−7)
別の実施形態により、本発明は、式Iのコンジュゲート:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよく;
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
Wは薬物である。)
を調製する方法であって:
(a)式Hの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
PGはアミノ保護基であり;
AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
LGは好適な脱離基である。)
を提供するステップ;
(b)式Hの化合物をアミン含有リガンドHN−X(J)と反応させて、式Gの化合物:
Figure 2013542915
(式中:Xはリガンドであり;
AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−0−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
PGはアミノ保護基である。)
を形成するステップ;
(c)式Gの化合物を脱保護して、式Fの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xはリガンドであり;および
AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
を与えるステップ;
(d)式Fの化合物を式Dの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
PGはカルボン酸保護基であり;および
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。);
と反応させて、式Cの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよく;
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
PGはカルボン酸保護基である。)
を形成するステップ;
(e)式Cの化合物を脱保護して、式Bの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい)
を形成するステップ;
および
(f)式Bの前記化合物のカルボン酸を活性化して、式Aの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよく;
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
LGは好適な脱離基である。)
を形成するステップ;
および
(g)式Aの化合物をアミン含有薬物と反応させて、式Iのコンジュゲートを形成するステップ;
を含む方法を提供する。
上の式Iは、簡略化するために1つのコンジュゲーション点のみを示しているが、スキームIIおよび式I−aに示すように、式Aの化合物は、薬物Wの2つ以上の位置にてコンジュゲートされ得ることが理解されるべきである。
コンジュゲートIの合成(ステップS−3からS−7)
別の実施形態により、本発明は、式Iのコンジュゲート:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
Wは薬物である。)
を調製する方法であって:
(a)式Eの化合物
Figure 2013542915
(式中:
PGはカルボン酸保護基であり;および
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
を提供するステップ;
(b)式Eの化合物を2−(2,6−ジオキソモルホリノ)酢酸と反応させて、式Dの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
PGはカルボン酸保護基であり;および
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
を与えるステップ;
(c)式Dの化合物を式Fの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xはリガンドであり;および
AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
と反応させて、式Cの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよく;
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
PGはカルボン酸保護基である。)
を形成するステップ;
(d)式Cの化合物を脱保護して、式Bの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
を形成するステップ;
(e)式Bの前記化合物のカルボン酸を活性化して、式Aの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよく;
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
LGは好適な脱離基である。)
を形成するステップ;
および
(f)式Aの化合物をアミン含有薬物と反応させて、式Iのコンジュゲートを形成するステップ;
を含む方法を提供する。
上の式Iは、簡略化するために1つのコンジュゲーション点のみを示しているが、スキームIIおよび式I−aに示すように、式Aの化合物は、薬物Wの2つ以上の位置にてコンジュゲートされ得ることが理解されるべきである。
コンジュゲートIIの合成(ステップS−1、S−2、S−4、S−5、S−6およびS−9)
別の実施形態により、本発明は、式IIのコンジュゲート:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
を調製する方法であって:
(a)式Hの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
PGはアミノ保護基であり;
AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
LGは好適な脱離基である。)
を提供するステップ;
(b)式Hの化合物をアミン含有リガンドHN−X(J)と反応させて、式Gの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xはリガンドであり;
AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
PGはアミノ保護基である。)
を形成するステップ;
(c)式Gの化合物を脱保護して、式Fの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xはリガンドであり;および
AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
を与えるステップ;
(d)式Fの化合物を式Dの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
PGはカルボン酸保護基であり;および
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
と反応させて、式Cの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよく;
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
PGはカルボン酸保護基である。)
を形成するステップ;
(e)式Cの化合物を脱保護して、式Bの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
を形成するステップ;
(f)式Bの前記化合物のカルボン酸を活性化して、式Aの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよく;
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、0−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
LGは好適な脱離基である。)
を形成するステップ;
および
(g)式Aの化合物をインスリン分子と反応させて、式IIのコンジュゲートを形成するステップ;
を含む方法を提供する。
上の式IIは、簡略化するために1つのコンジュゲーション点のみを示しているが、スキームIIおよび式I−aに示すように、式Aの化合物は、インスリン分子の2つ以上の位置にてコンジュゲートされ得ることが理解されるべきである。
コンジュゲートIIの合成(ステップS−3、S−4、S−5、S−6およびS−8)
別の実施形態により、本発明は、式IIのコンジュゲート:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
を調製する方法であって:
(a)式Eの化合物
Figure 2013542915
(式中:
PGはカルボン酸保護基であり;および
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
を提供するステップ;
(b)式Eの化合物を2−(2,6−ジオキソモルホリノ)酢酸と反応させて、式Dの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
PGはカルボン酸保護基であり;および
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
を得るステップ;
(c)式Dの化合物を式Fの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xはリガンドであり;および
AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
と反応させて、式Cの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
PGはカルボン酸保護基である。)
を形成するステップ;
(d)式Cの化合物を脱保護して、式Bの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
を形成するステップ;
(e)式Bの前記化合物のカルボン酸を活性化して、式Aの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよく;
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
LGは好適な脱離基である。)
を形成するステップ;
および
(f)式Aの化合物をインスリン分子と反応させて、式IIのコンジュゲートを形成するステップ;
を含む方法を提供する。
上の式IIは、簡略化するために1つのコンジュゲーション点のみを示しているが、スキームIIおよび式I−aに示すように、式Aの化合物は、インスリン分子の2つ以上の位置にてコンジュゲートされ得ることが理解されるべきである。
コンジュゲートIの合成(ステップS−4からS−7)
別の実施形態により、本発明は、式Iのコンジュゲート:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよく;
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
Wは薬物である。)
を調製する方法であって:
(a)式Dの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
PGはカルボン酸保護基であり;および
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
を得るステップ;
(b)式Dの化合物を式Fの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xはリガンドであり;および
AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、0−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
と反応させて、式Cの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
PGはカルボン酸保護基である。)
を形成するステップ;
(c)式Cの化合物を脱保護して、式Bの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
を提供するステップ;
(d)式Bの前記化合物のカルボン酸を活性化して、式Aの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよく;
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
LGは好適な脱離基である。)
を形成するステップ;
および
(e)式Aの化合物をアミン含有薬物と反応させて、式Iのコンジュゲートを形成するステップ;
を含む方法を提供する。
上の式Iは、簡略化するために1つのコンジュゲーション点のみを示しているが、スキームIIおよび式I−aに示すように、式Aの化合物は、薬物Wの2つ以上の位置にてコンジュゲートされ得ることが理解されるべきである。
コンジュゲートIIの合成(ステップS−4、S−5、S−6およびS−8)
別の実施形態により、本発明は、式IIのコンジュゲート:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
を調製する方法であって:
(a)式Dの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
PGはカルボン酸保護基であり;および
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
を提供するステップ;
(b)式Dの化合物を式Fの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xはリガンドであり;および
AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
と反応させて、式Cの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
PGはカルボン酸保護基である。)
を形成するステップ;
(c)式Cの化合物を脱保護して、式Bの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
を形成するステップ;
(d)式Bの前記化合物のカルボン酸を活性化して、式Aの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよく;
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
LGは好適な脱離基である。)
を形成するステップ;
および
(e)式Aの化合物をインスリン分子と反応させて、式IIのコンジュゲートを形成するステップ;
を含む方法を提供する。
上の式IIは、簡略化するために1つのコンジュゲーション点のみを示しているが、スキームIIおよび式I−aに示すように、式Aの化合物は、インスリン分子の2つ以上の位置にてコンジュゲートされ得ることが理解されるべきである。
中間体化合物G
本発明の別の態様は、式Gの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xはリガンドであり;
AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン基は、
−O−または−S−によって置換され得て;および
PGはアミノ保護基である。)
を提供する。
式Gの化合物では、X、AlkおよびPGはそれぞれ本明細書で実施形態に記載されている通りである。いくつかの実施形態において、AlkはCアルキレン鎖である。ある実施形態において、Xは、本明細書に記載されているように、EG、EM、EBM、ETM、EGAまたはEFである。本発明の1つの態様により、式Gの化合物は
Figure 2013542915
である。
中間体化合物F
本発明のまた別の態様は、式Fの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン基は、−O−または−S−によって置換され得て;および
Xはリガンドである。)
を提供する。
式Fの化合物では、XおよびAlkはそれぞれ本明細書で実施形態に記載されている通りである。いくつかの実施形態において、AlkはC6アルキレン鎖である。ある実施形態において、Xは、本明細書に記載されているように、EG、EM、EBM、ETM、EGAまたはEFである。本発明の1つの態様により、式Fの化合物は
Figure 2013542915
である。
中間体化合物D
本発明のまた別の態様は、式Dの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン基は、−O−または−S−によって置換され得て;および
PGはカルボン酸保護基である。)
を提供する。
式Dの化合物では、AlkおよびPGはそれぞれ本明細書で実施形態に記載されている通りである。いくつかの実施形態において、AlkはCアルキレン鎖である。本発明の1つの態様により、式Dの化合物は
Figure 2013542915
である。
中間体化合物C
本発明のまた別の態様は、式Cの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン基は、−O−または−S−によって置換され得て;
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン基は、−O−または−S−によって置換され得て;および
PGはカルボン酸保護基である。)
を提供する。
式Cの化合物では、X、Alk、AlkおよびPGはそれぞれ本明細書で実施形態に記載されている通りである。いくつかの実施形態において、AlkはCアルキレン鎖である。ある実施形態において、Xは、本明細書に記載されているように、EG、EM、EBM、ETM、EGAまたはEFである。いくつかの実施形態において、AlkはCアルキレン鎖である。本発明の1つの態様により、式Cの化合物は
Figure 2013542915
である。
中間体化合物B
本発明のまた別の態様は、式Bの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン基は、−O−または−S−によって置換され得て;および
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン基は、−O−または−S−によって置換され得る。)
を提供する。
式Bの化合物では、X、AlkおよびAlkはそれぞれ本明細書で実施形態に記載されている通りである。いくつかの実施形態において、AlkはCアルキレン鎖である。いくつかの実施形態において、AlkはCアルキレン鎖である。ある実施形態において、Xは、本明細書に記載されているように、EG、EM、EBM、ETM、EGAまたはEFである。本発明の1つの態様により、
式Bの化合物は
Figure 2013542915
である。
中間体化合物A
本発明の別の態様は、式Aの化合物:
Figure 2013542915
(式中:
Xの各出現は独立してリガンドであり;
Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン基は、−O−または−S−によって置換され得て;
AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン基は、−O−または−S−によって置換され得て;および
LGは好適な脱離基である。)
を提供する。
式Aの化合物では、X、Alk、AlkおよびLGはそれぞれ本明細書で実施形態に記載されている通りである。いくつかの実施形態において、AlkはCアルキレン鎖である。ある実施形態において、Xは、本明細書に記載されているように、EG、EM、EBM、ETM、EGAまたはEFである。ある実施形態において、AlkはCアルキレン鎖である。本発明の1つの態様により、
式Aの化合物は
Figure 2013542915
である。
上述の実施形態のいずれかにおいて、Wがインスリン分子であるとき、以下が適用され得る:
ある実施形態において、Xは、ETM、EM、EBM、EG、EGAおよびEFのいずれか1つであり、ならびに中間体化合物Aはインスリン分子のB1アミノ基と反応する。
ある実施形態において、Xは、ETM、EM、EBM、EG、EGAおよびEFのいずれか1つであり、ならびに中間体化合物Aはインスリン分子のA1アミノ基と反応する。
ある実施形態において、Xは、ETM、EM、EBM、EG、EGAおよびEFのいずれか1つであり、ならびに中間体化合物Aはインスリン分子のLysB29アミノ基と反応する。
ある実施形態において、Xは、ETM、EM、EBM、EG、EGAおよびEFのいずれか1つであり、ならびに中間体化合物Aはインスリン分子のA1およびB1アミノ基と反応する。
ある実施形態において、Xは、ETM、EM、EBM、EG、EGAおよびEFのいずれか1つであり、ならびに中間体化合物Aはインスリン分子のB1およびLysB29アミノ基と反応する。
ある実施形態において、Xは、ETM、EM、EBM、EG、EGAおよびEFのいずれか1つであり、ならびに中間体化合物Aはインスリン分子のA1およびLysB29アミノ基と反応する。
ある実施形態において、Xは、ETM、EM、EBM、EG、EGAおよびEFのいずれか1つであり、ならびに中間体化合物Aはインスリン分子のA1、B1およびLysB29アミノ基と反応する。
上述の実施形態のいずれかにおいて、Wがインスリン分子であるとき、以下が適用され得る:
ある実施形態において、XはETMであり、ならびに中間体化合物Aは、インスリン分子のB1アミノ基、インスリン分子のA1アミノ基、インスリン分子のLysB29アミノ基、インスリン分子のA1およびB1アミノ基、インスリン分子のB1およびLysB29アミノ基、インスリン分子のA1およびLysB29アミノ基、またはインスリン分子のA1、B1およびLysB29アミノ基と反応する。
ある実施形態において、XはEMであり、ならびに中間体化合物Aは、インスリン分子のB1アミノ基、インスリン分子のA1アミノ基、インスリン分子のLysB29アミノ基、インスリン分子のA1およびB1アミノ基、インスリン分子のB1およびLysB29アミノ基、インスリン分子のA1およびLysB29アミノ基、またはインスリン分子のA1、B1およびLysB29アミノ基と反応する。
ある実施形態において、XはEBMであり、ならびに中間体化合物Aは、インスリン分子のB1アミノ基、インスリン分子のA1アミノ基、インスリン分子のLysB29アミノ基、インスリン分子のA1およびB1アミノ基、インスリン分子のB1およびLysB29アミノ基、インスリン分子のA1およびLysB29アミノ基、またはインスリン分子のA1、B1およびLysB29アミノ基と反応する。
ある実施形態において、XはEGであり、ならびに中間体化合物Aは、インスリン分子のB1アミノ基、インスリン分子のA1アミノ基、インスリン分子のLysB29アミノ基、インスリン分子のA1およびB1アミノ基、インスリン分子のB1およびLysB29アミノ基、インスリン分子のA1およびLysB29アミノ基、またはインスリン分子のA1、B1およびLysB29アミノ基と反応する。
ある実施形態において、XはEGAであり、ならびに中間体化合物Aは、インスリン分子のB1アミノ基、インスリン分子のA1アミノ基、インスリン分子のLysB29アミノ基、インスリン分子のA1およびB1アミノ基、インスリン分子のB1およびLysB29アミノ基、インスリン分子のA1およびLysB29アミノ基、またはインスリン分子のA1、B1およびLysB29アミノ基と反応する。
ある実施形態において、XはEFであり、ならびに中間体化合物Aは、インスリン分子のB1アミノ基、インスリン分子のA1アミノ基、インスリン分子のLysB29アミノ基、インスリン分子のA1およびB1アミノ基、インスリン分子のB1およびLysB29アミノ基、インスリン分子のA1およびLysB29アミノ基、またはインスリン分子のA1、B1およびLysB29アミノ基と反応する。
他の実施形態
上記のように、多様な実施形態において、コンジュゲートは、検出可能な標識を薬物の代わりにWとして含み得る。たとえば検出可能な標識は、コンジュゲートがセンサ中で使用される場合などに、生物、組織または細胞内でのコンジュゲートの位置を検出するために包含され得る。コンジュゲートが当分野で公知のいずれの検出可能な標識も含むことができることが理解されるべきである。コンジュゲートは、同じ標識の1を超えるコピーを含むことができる、および/または1を超える種類の標識を含むことができる。概して、使用される標識は、最終用途および検出に使用される方法によって代わる。
検出可能な標識は、直接検出可能であり得るか、またはシグナル生成系の1つ以上の追加のメンバーとの複合作用を通じて、間接的に検出可能であり得る。直接検出可能な標識の例としては、放射性、常磁性、蛍光、光散乱、吸収性および比色標識が挙げられる。フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、フィコエリトリン フィコシアニン、アロフィコシアニン、γ−フタルアルデヒド、フルオレサミンなどはすべて例示的な蛍光標識である。化学発光標識、すなわち二次基質を発色生成物に変換することができる標識は、間接的に検出可能な標識の例である。たとえばホースラディッシュペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、グルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ、マレートデヒドロゲナーゼ、ブドウ球菌ヌクレアーゼ、デルタ−V−ステロイドイソメラーゼ、酵母アルコールデヒドロゲナーゼ(dehydrogenate)、α−グリセロホスフェートデヒドロゲナーゼ、トリオースホスフェートイソメラーゼ、アスパラギナーゼ、グルコースオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、グルコアミラーゼ、アセチルコリンエステラーゼ、ルシフェリン、ルシフェラーゼ、イクオリンなどは、すべて例示的なタンパク質ベース化学発光標識である。ルミノール、イソルミノール、セロマティック(theromatic)アクリジニウムエステル、イミダゾール、アクリジニウム塩、オキサレートエステルなどは、例示的な非タンパク質ベース化学発光標識である。間接的に検出可能な標識の別の非制限的なおよび一般に使用される例は、親和性リガンド、すなわちそれ自体が直接または間接的に検出されることができる二次結合パートナー(たとえば抗体またはアパタマー)に対して強い親和性を持つ標識である。
概して、検出可能な標識は多種多様の方法で、特定の検出可能な標識に基づいて選ばれる特定の検出方式により描出または検出され得て、代表的な検出手段としては、たとえばシンチレーションカウンティング、オートラジオグラフィー、常磁性の測定、蛍光測定、光吸収測定、光散乱の測定などが挙げられる。
概して、検出可能な標識はアミン基を含有する。具体的な例としては、アルファ−末端アミンおよび/またはイプシロン−アミンリジン基を担持するペプチド標識が挙げられ、これらの反応性部分のいずれも、すでに存在しなければ公知の標識に人工的に付加され得ることが認識されるであろう。たとえばペプチド標識の場合、好適なアミノ酸(たとえばリジン)は、アミノ酸配列中に付加または置換され得る。加えて、本明細書でより詳細に議論するように、コンジュゲーション工程は、コンジュゲーションの前に反応性部分を選択的にブロックすることにより制御され得ることが認識されるであろう。
(実施例1)
アジドエチルグルコース(AzEG)の合成
a.ブロモエチル(bromoethyle)グルコースの合成
ダウエックス50Wx4樹脂(アルファエイサー、ワードヒル、マサチューセッツ州)を脱イオン水で洗浄して色を除去した。D−グルコース225グラム(1.25mol;1当量、アルファエイサー)およびダウエックス50Wx4 140グラムの混合物を2−ブロモエタノール2.2L(30.5mol、25当量;124.97グラム/mol;1.762グラム/mL;BP=150℃;アルファエイサー)で処置して、撹拌混合物を80℃まで4時間加熱した。反応をTLC(20%メタノール/ジクロロメタン(DCM))によって監視した。約4時間後に反応が完了して、これを放冷して室温とした。溶液を濾過して樹脂を除去し、樹脂をエチルアセテートおよびDCMで洗浄した。生じた濾液を回転蒸発器でストリッピング(蒸発除去)して琥珀色油とした。ストリッピング後には合計400グラムであった。
琥珀色油を以下の方式でシリカゲル(DCM中で充填されたシリカ4kg)によって精製した。粗製物をDCMに溶解させて、カラムに注入し、次に10%メタノール/DCM 2×4L;15%メタノール/DCM 2×4L;および20%メタノール/DCM 3×4Lによって溶離させた。(TLCに基づいて)画分を含有する生成物をプールして、ストリッピングにより乾固させて、1−α−ブロモエチル−グルコース152グラム(42%)を得た。
b.ブロモエチルグルコースのアジドエチルグルコース(AzEM)への変換
加熱マントル、オーバーヘッドスターラーおよび温度計を装備した5L丸底3口フラスコにブロモエチルグルコース150グラム(525mmol)を注入した。該油を水2Lに溶解させて、アジ化ナトリウム68.3グラム(1.05mol、2当量;65グラム/mol;アルファエイサー)、続いてヨウ化ナトリウム7.9グラム(52.5mmol、0.08当量;149.89グラム/mol;アルファエイサー)で処理して、溶液50℃まで加温して、一晩撹拌した。溶液を室温まで冷却して、回転蒸発器で濃縮乾固させた。固体残渣を5:1体積のCHCl:MeOH 3×500mLによって40℃にて消化した。合せた有機部を濾過して、蒸発乾固させて、アジドエチルグルコース(86グラム)をオフホワイト色固体として得た。TLC(20%MeOH/DCM;HSOによる炭化):シングルスポット、開始物質と区別不能。
c.アジドエチルグルコースの再精製
アジドエチルグルコース32グラムを水100mL中に取った。混濁溶液をガラス・マイクロファイバ・フィルタ(ワットマンGF/B)で濾過した。金色の濾液を回転蒸発器で蒸発固化させた。固体をメタノール(100mL)中に取り、混濁溶液をガラス・マイクロファイバ・フィルタで再度濾過した。生じた薄黄色濾液を真空下でストリッピングし固体化した。
固体を最小量のメタノール(50mL)に取り、エチルアセテート(150mL)を撹拌しながらゆっくり添加した。重スラリを冷却および濾過した。固体を空気乾燥させて(吸湿性)、60℃の乾燥器に一晩入れた。TLCはごくわずかな最初の物質を有する。収量15.4グラム。母液を真空下で蒸発させて黄色粘性物質とした。この時点でこの物質をさらに精製する試みは行われなかった。
(実施例2)
アジドエチルマンノース(AzEM)の合成
a.ブロモエチルマンノースの合成
ダウエックス50Wx4樹脂(アルファエイサー、ワードヒル、マサチューセッツ州)を脱イオン水で洗浄して色を除去する。D−マンノース225グラム(1.25mol;1当量、アルファエイサー)およびダウエックス50Wx4 140グラムの混合物を2−ブロモエタノール2.2L(30.5mol、25当量;124.97グラム/mol;1.762グラム/mL;BP=150℃;アルファエイサー)で処理して、撹拌混合物を80℃まで4時間加熱する。反応をTLC(20%メタノール/ジクロロメタン(DCM))によって監視する。約4時間後に反応が完了して、次に放冷して室温とする。溶液を濾過して樹脂を除去し、樹脂をエチルアセテートおよびDCMで洗浄する。生じた濾液を回転蒸発器でストリッピング(蒸発除去)して琥珀色油とした。
琥珀色油を以下の方式でシリカゲル(DCM中で充填されたシリカ4kg)によって精製する。粗製物をDCMに溶解させて、カラムに注入し、次に10%メタノール/DCM 2×4L;15%メタノール/DCM 2×4L;および20%メタノール/DCM 3×4Lによって溶離させる。(TLCに基づいて)画分を含有する生成物をプールして、ストリッピングにより乾固させて、1−α−ブロモエチル−マンノース152グラム(42%)を得る。
b.ブロモエチルマンノースのアジドエチルマンノース(AzEM)への変換
加熱マントル、オーバーヘッドスターラーおよび温度計を装備した5L丸底3口フラスコにブロモエチルマンノース150gm(525mmol)を注入する。油を水2Lに溶解させて、アジ化ナトリウム68.3グラム(1.05mol、2当量;65グラム/mol;アルファエイサー)、続いてヨウ化ナトリウム7.9グラム(52.5mmol、0.08当量;149.89グラム/mol;アルファエイサー)で処理して、溶液50℃まで加温して、一晩撹拌する。溶液を室温まで冷却して、回転蒸発器で濃縮乾固させる。固体残渣を5:1体積のCHCl:MeOH 3×500mLによって40℃にて消化する。合せた有機部を濾過して、蒸発乾固させて、アジドエチルマンノースをオフホワイト色固体として得る。
c.アジドエチルマンノースの再精製
アジドエチルマンノース32グラムを水100mL中に取る。混濁溶液をガラス・マイクロファイバ・フィルタ(ワットマンGF/B)で濾過する。金色の濾液を回転蒸発器で蒸発固化させる。固体をメタノール(100mL)中に取り、混濁溶液をガラス・マイクロファイバ・フィルタで再度濾過する。生じた薄黄色濾液を真空下でストリッピングし固体化する。
固体を最小量のメタノール(50mL)に取り、エチルアセテート(150mL)を撹拌しながらゆっくり添加する。重スラリを冷却および濾過する。固体を空気乾燥させて(吸湿性)、60℃の乾燥器に一晩入れる。母液を真空下で蒸発させて黄色粘性物質とする。
(実施例3)
アジドエチルマンノビオース(AzEBM)の合成
実施例2からのAzEM化合物を、ベンゼンジメチルエーテルを使用して選択的に保護して、カラムクロマトグラフィーによって精製し、続いてベンジルブロミドと反応させて、1−α−(2−アジドエチル)−4,6−ベンズアルデヒドジアセタール−3−ベンジル−マンノピラノシドを得る。続いて生成物を厳密な無水条件下で1−α−ブロモ−2,3,4,6−テトラベンゾイルマンノピラノシドによって銀トリフラート化学作用を使用してグリコシル化して、保護アジドエチルマンノビオース生成物を得る。次に中間体生成物を脱保護してベンゾイル基を除去して、AzEBMを得る。
(実施例4)
アジドエチルマンノトリオース(AzETM)の合成
a.1−α−ブロモ−2,3,4,6−テトラベンゾイル−マンノース
撹拌棒および窒素入口を含有する500mL 3口フラスコにペンタベンゾイルマンノース40グラム(60.9mmol)および塩化メチレン80mLを添加した。生じた溶液を冷浴で5℃未満に冷却して、添加漏斗を介して33%HBr−酢酸溶液80mLを10℃未満の反応温度を維持するような速度で添加した。添加完了時に(約30分)、冷浴を外して、撹拌を3時間継続した。
反応溶液を等体積(160mL)のDCMで希釈して、水(2×500mL)、飽和重炭酸塩(2×50mL)および塩水(1×50mL)で続けて抽出し、硫酸マグネシウムで脱水して、溶媒を蒸発させて、固体発泡体41グラム(理論収量40.1グラム)を得て、冷凍庫にてN下で貯蔵する。この物質をそれ以上精製せずに使用した。反応をTLCによって監視した:シリカゲル(ヘキサン/エチルアセテート、7/3)、開始物質R 0.65、生成物R 0.8、UV描出。H NMR(CDCl)δ8.11(d,2H),8.01(m,4H),7.84(d,2H),7.58(m,4H),7.41(m,6H),7.28(t,2H),6.58(s,1H),6.28(m,2H),5.8(m,1H),4.75(dd,1H)4.68(dd,1H)4.5(dd,1H)。
b.1−アジドエチル−2,4−ジベンゾイルマンノース
撹拌棒、窒素入口および無水アセトニトリル300mLを含有する1.0L 3口フラスコに、1−アジドエチルマンノース25グラム(100.4mmol)およびトリエチルオルトベンゾアート50mL(220mmol、2.2当量)を添加した。生じたスラリを室温にて撹拌して、トリフルオロ酢酸(TFA)0.8mL(10mmol)を希釈せずに添加した。溶液は10分以内に清澄となり、撹拌をさらに2時間継続して、次に10%TFA水溶液25mLを添加し、撹拌をさらに2時間継続して、中間体を加水分解してエステル異性体とする。溶媒を真空下で蒸発させて粘性油とし、これをDCM 50mLによって粉砕して、再度蒸発させて粘性油とした。
トルエン(70mL)を残渣に添加して、粘性溶液に2,4−ジベンゾイルアジドエチルマンノースを種結晶とした。微細沈殿物が15分以内に形成され、撹拌を室温にて一晩継続した。生じた重懸濁物を冷凍庫で2−4時間を固化させて、次に濾過して、固体を氷冷トルエン(2×10mL)で洗浄した。固体を恒量まで空気乾燥させて、約95%異性体純度の21グラム(50%異性体純度にてTY 22.85グラム)を得た。生成物をトルエン40mL中に取り、1時間撹拌して、次に冷凍庫でさらに2時間固化させた。固体を濾過して、氷冷トルエンで洗浄し(2×10mL)、恒量まで空気乾燥させて、単一の異性体生成物2,4−ジベンゾイルアジドエチルマンノース18.5グラムを収率83%で得た。母液は望ましくない異性体および少量の所望の異性体を含有していた。反応をTLCによって監視した:SG(ヘキサン/エチルアセテート 7/3)、開始物質R 0.0、オルトエステル中間体R 0.9。(ヘキサン/エチルアセテート:8/2)SM R 0.8、所望の異性体R 0.4、望ましくない異性体R 0.2
H NMR 300MHz(CDCl)δ8.12(t,4H),7.66(t,2H),7.5(m,4H),5.56(t,IH),5.48(m,1H),5.14(m,1H),4.5(dd,1H),4.0(m,2H),3.8(m,3H),3.56(m,1H),3.44(m,1H)。
c.過ベンゾイル化−マン(α−1,3)−マン(α−1.6)−α−1−アジドエチルマンノピラノシド
撹拌棒、窒素入口を備えた1.0L 3口フラスコに、DCM 185mL中の粗1−ブロモ−テトラベンゾイルマンノース41グラム(60.9mmol、約2.5当量)を添加した。これに2,4−ジベンゾイルアジドエチルマンノース11.2グラム(24.5mmol)、続いて4Aシーブ11.2グラムを添加した。スラリを室温にて10分撹拌して、メタノール/氷浴で−15℃まで冷却した。
別の暗色容器にトルエン190mL、続いて銀トリフルオロメタンスルホナート(AgOTf)15.1グラム(58.8mmol、2.4当量)を添加して、暗所で撹拌して溶解させた。この溶液を大型添加漏斗に移し、反応物を光から保護しながら撹拌懸濁物に滴加した。AgOTf添加速度を調整することによって、反応温度を−10℃未満に維持した。反応完了時に(約30分)、冷浴を取外し、単一生成物がTLC(SG、ヘキサン/エチルアセテート:7/3、ブロモR 0.9、アジドR 0.4、トリオス生成物R 0.5、uv描出)によって残存するまで反応物をさらに2時間撹拌した。
トリエチルアミン(7mL、5.0当量)、続いてDCM 200mLを添加した。生じたスラリをシリカゲルおよびセライトのパッドで濾過して、DCM 2×75mLで洗浄した。溶媒を真空下で蒸発させて、残渣をエチルアセテート中に取り、水(2×100mL)、重曹(2×50mL)、塩水(1×75mL)で順に洗浄して、硫酸マグネシウムで脱水した。溶媒を真空下で蒸発させて、固体発泡体39グラム(TY 39.5グラム)を得た。H NMR 300MHz(CDCl)δ8.3(d,2H),8.2(m,8H),7.85(d,4H),7.75(dd,4H),7.3−7.65(m,30H),7.2(t,2H),6.05(m,4H),5.9(t,2H),5.63(m,2H),5.38(s,2H),5.18(d,1H),4.65(m,4H),4.5(m,2H),4.35(m,4H),3,8(m,2H),3.54(m,2H)。
d.マン(α−1,3)−マン(α−1.6)−α−1−アジドエチルマンノピラノシド
過ベンゾイル化マン(α−1,3)−マン(α−1.6)−α−1−アジドエチルマンノースピラノシド3.0グラム1.86mmol)のメタノール40mLによる撹拌懸濁物に、メタノール中の4.28Mナトリウムメトキシド0.2mLを添加した。生じた懸濁物を室温にて20時間撹拌して、透明溶液を得た。反応完了をTLCによって監視した(SG、ヘキサン/エチルアセテート:8/2 SM R 0.4、生成物R 0.0)。
メタノールを真空下で蒸発させて、油性半固体を得た。残渣をエチルアセテート(50mL)中に取り、3時間撹拌した。固体を濾過して、新たなエチルアセテート(2×20mL)で洗浄して、恒量まで空気乾燥させて、生成物1.09グラム(TY 1.07グラム)を得た。母液は残留メチルベンゾアート、脱保護副生成物を含有していた。
(実施例5)
アジドエチル糖類(AzEG、AzEM、AzEBM、AzETM)からのアミノエチル糖類(AEG、AEM、AEBM、AETM)の合成
実施例1から4によるアジド終端化合物を、パラジウム/炭素触媒、少量の酢酸および溶媒としてのエタノールを使用して室温にてただちに水素添加して、対応するアミン終端化合物を得た。AEG、AEM、AEBMおよびAETMの化学構造は本明細書に記載されている。工程は、当業者が試薬、溶媒などの量を水素添加される糖類−リガンドのモル数に合せて変倍するべきことを理解することを除き、以下のAETMについて記載されている工程と同一である。
a.マン(α−1,3)−マン(α−1.6)−α−1−アミノエチルマンノピラノシド(「アミノエチルマンノース」、AETM)
マン(α−1,3)−マン(α−1.6)−α−1−アジドエチルマンノースピラノシド5.3グラム(9.25mmol)の水100mLおよびエタノール50mLによる溶液に、5%Pd/C 0.8gグラムを添加した。激しく撹拌されている懸濁物を30−40psiにて48時間にわたって、または開始物質がTLC(SG、メタノール、SM R 0.75、Pdt R 0.0、PMA描出)によって見えなくなるまで水素添加した。懸濁物をセライトで濾過して、これをエタノール(2×50mL)ですすぎ、濾液を真空下で濃縮した。この物質のHPLC(C18、3%アセトニトリル/97% 0.1%HPO、220nm、2ml/分)により、ベンゾアートエステルを示す、注入カラム空隙物質のUV吸着、R 2.5分を得た。
濾液を水70mLおよび1N NaOH 12mLで希釈して、溶液を室温にて一晩撹拌した(HPLC:カラム空隙R 2.5分にてUV物質なし、R 10.5分、安息香酸による同時溶離にてUV物質、)。脱色炭2グラムを添加して、撹拌混合物を80℃まで加熱し、室温まで冷却して、セライトで濾過した。濾液pHを2N HClによって8.0まで調整して、無色溶液を真空下で約50%の体積まで濃縮した。
溶液を樹脂カラム(ダウエックス50W、50グラム)上に添加して、溶離画分が中性からpHになるまで水で洗浄して(6×75mL)、いずれの残留酸副生成物も除去した。アミン生成物をカラムから0.25N水酸化アンモニウム(6×75mL)によって洗い流し、アミン生成物−ニンヒドリン検出を含有する画分を合せて、真空下で25−30mLまで濃縮した。この濃縮溶液を撹拌エタノール300mLに滴加して、撹拌をさらに2時間継続した。生成物を濾過して、新たなエタノール(2x50mL)で洗浄し、恒量まで空気乾燥させた。生じた白色非晶質固体をさらに真空乾燥器で80℃にて5時間乾燥させて、白色粒状固体4.1グラム(TY 5.1グラム)を得た。NMRには芳香族プロトンがなかった。H NMR 300MHz(DO)δ5.08(s,1H),4.87(s,1H),4.81(s,1H),4.8−3.6(m,18H),2.9(m,2H)。
Figure 2013542915
HATU:N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート;DIPEA:N,N’−ジイソプロピルエチルアミン;DMAP:4−(ジメチルアミノ)ピリジン;AETM:2−アミノエチルマン1−(1−3)−[マン−(1−6)]マンノピラノシド;TSTU:2−スクシンイミド−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム(uromium)テトラフルオロボラート;PMA:ホスホモリブデン酸
(実施例6)
(2,2’−[(2−{[6−(ベンジルオキシ)−6−オキソヘキシル]アミノ}−2−オキソエチル)イミノ]酸(3)の合成
Figure 2013542915
500ml 3口丸底フラスコ(RBF)内の化合物1(17.30g、67.14mmol)の無水DMF(67ml)による溶液に、KCO 9.7g(70.5mmol)を0℃にて窒素雰囲気下で一度に添加した。生じた混合物を、化合物1−HCl塩が化合物1の遊離塩基形に完全に変換するまで、0℃にて窒素下で2時間撹拌した。化合物1の遊離アミン:TLC R0.1(CHCl/MeOH/HO、5:4:1;ニンヒドリンによるダークスポット)。次いで、上清を次に綿フィルタ・ヘッダ・カニューレを介して50分の期間にわたって、1000ml 2口RBF内の化合物2 14.5g(83.9mmol)の無水DMF(252ml)による撹拌溶液に0℃にて窒素下で滴加した。500ml 3口RBFに無水DMF 20mlを添加してフラスコをすすぎ、生じた溶液を1000ml 2口RBFに移した。生じた混合物を0℃にて30分、次に室温(r.t.)にて1時間撹拌した(TLC:化合物3、R=0.8;化合物1の遊離アミン、R=0.1;CHCl/MeOH/HOの溶液=5:4:1)。
反応混合物を0℃まで冷却した。DI水(200ml)を撹拌冷混合物に0.5時間の期間にわたって滴加した。生じた混合物を1000ml 1口RBF内で40℃にて回転蒸発により濃縮した。残渣(約60g)にDI水(250ml以上)を0C°にて添加して、5℃にて一晩撹拌した。白色沈殿を3.5インチブフナー漏斗で濾過して、DI水(2×60ml)で洗浄した。湿潤ケーキを真空中で一晩乾燥させた。得られた白色固体(約25g)をMeOH(200ml)と共に室温にて1時間撹拌して、次に3.5インチブフナー漏斗で濾過した。漏斗に残った白色固体をMeOH(100ml以上)と共に3時間撹拌して、再度濾過した。合せた濾液を濃縮して、残渣を真空中で乾燥させて、化合物3約20g(白色固体、収率83%)を得た。必要な場合、化合物3が純度99%に達するまで、粗化合物3をカラムクロマトグラフィーによりシリカゲルで精製した。化合物3:TLC R 0.8(CHCl/MeOH/HO、5:4:1;PMAによるダークスポット);H NMR(300MHz,DMSO−d)δ:12.61(br s,2H,COO),8.06(s,1H,Ph),7.39(s,4H,Ph),5.12(s,2H,C Ph),3.47(s,4H,[CO N),3.32(s,2H,[COCHNC CON),3.10(m,2H,CONHC ),2.38(m,2H, CCOOBn),1.63−1.30(m,6H,C )。C1926[M+H]のMS計算値395.4、実測値395.3。
(実施例7)
(6−アミノ−N−(2−{[(α−D−マンノピラノシル)−(1→3)−[(α−D−マンノピラノシル)−(1→6)]−(α−D−マンノピラノシル)]オキシ}エチル)ヘキサンアミド)(6)の合成
Figure 2013542915
1000ml 2口RBF内でAETM 32.6g(80%、60.6mmol)を無水DMF(420ml)に室温にて窒素下で溶解させて、溶液を0℃まで冷却する。溶液に化合物4 24.4g(73.2mmol)を数回に分けて15分の期間にわたって添加して、次にTEA 12.7ml(91.5mmol)を30分の期間にわたって滴加した。生じた混合物を室温にて窒素下で一晩撹拌した(TLC:AETM,R=0.5;化合物5,R=0.9;/MeOH/HO/NHOHの溶液=5:4.5:0.5;PMAによるダークスポット)。
反応混合物を40℃にて回転蒸発によって濃縮した。残渣(約110g)をカラムクロマトグラフィーによってシリカゲルで精製した(直径×高さ:9.0×27cm、シリカゲル:1500ml、DCM/MeOH:6:1−1:1)。収集した画分を濃縮して、残渣を真空中で乾燥させて、化合物5 20.6g(白色固体、収率57%)を得た。
化合物5 21.8g(28.7mmol)を1000ml 1口RBF内の無水DCM(300ml)中で0℃にて0.5時間撹拌した。トリフルオロ酢酸(TFA)100mlを化合物5の撹拌懸濁溶液に注射器で滴加した。生じた混合物を0℃にて4時間撹拌した(TLC:化合物5、R=0.4;化合物6の遊離アミン、R=0.1;CHCl/MeOH/HOの溶液=3:2:0.2)。
混合物を40℃にて濃縮した。残渣(約15ml)をDI水(約66g)で希釈して、DI水(4000ml)、1N HCl(700ml)およびDI水(6000ml)}で前処置したカチオンイオン交換カラム{(直径×高さ:7.2×15cm、床体積(Vb)=600ml、ダウエックス、50WX2−200(H)、450G)上に添加した。試料添加カラムをDI水(2000ml)、NH4OH(0.2N、1000ml;0.4N、1500ml;1.0N、1000ml;1.25N、3000mlおよび2.0N、500ml)で溶離させる。収集した画分(NH4OH、1.0N、1000mlおよび1.25N、3000ml)を40℃にて回転蒸発により濃縮した。約160ml以上の残渣を一晩凍結乾燥させて、化合物6 18.3g(オフホワイト色固体、収率97%)を得た。フラスコを窒素で満たし、今後使用するまで冷凍庫(−20℃)に貯蔵した。化合物6:R 0.1(CHCl/MeOH/HO、3:2:0.2;PMAによるダークスポット);H NMR(300MHz,DMSO−d/DO)δ:4.81(s,1H,H−1マンノース),4.60(s,1H,H−1マンノース),4.45(s,1H,H−1マンノース),3.89−2.44(m,24H),2.04(m,2H,),1.46−1.17(m,6H)。C264817[M+H]のMS計算値661.7、実測値661.5。
(実施例8)
(ベンジル6−{[(ビス{2−[(6−[2−[(α−D−マンノピラノシル)−(1→3)−[(α−D−マンノピラノシル)−(1→6)]−(α−D−マンノピラノシル)]エチル]アミノ−6−オキソヘキシル)アミノ]−2−オキソエチル(xoethyl)}アミノ)アセチル]アミノ}ヘキサノアート)(7)の合成
Figure 2013542915
1000ml 2口RBF内の二酸3 4.75g(12.06mmol)の無水DMF(500ml)による溶液に0℃にて窒素下でHATU 13.8g(36.2mmol)、アミン6 17.5g(26.5mmol)、DIPEA 9.8ml(55.5mmol)およびDMAP 0.29g(2.4mmol)を添加した。生じた混合物を0−5C°にて窒素で一晩撹拌した(TLC:化合物6、R=0.1;化合物7、R=0.3;CHCl/MeOH/NHOHの溶液=5:5:2)。
混合物を水50mlによって反応停止させて、1口RBF内で35℃にて濃縮した。残渣(約65g)をカラムクロマトグラフィーによってシリカゲルを使用して精製した(直径×高さ:7.2×17cm、シリカゲル:700ml、DCM MeOH/HO:5:4:1)。収集した画分を濃縮して、残渣(約36.5g)をDI水(35ml)に溶解させ、凍結乾燥させて粗生成物7 13g(白色固体)を得た。粗生成物をMeOH(60ml、HPLCグレード)によって0℃にて溶解させて、次にC18逆相カラムクロマトグラフィー(バイオタージ、スナップ120g)によって精製して、4つのプログラムされた分離(試料4×15ml、UV=210、HO/MeOH=10%−60%)を行った。収集した画分を35℃にて200gまで濃縮して、残渣を一晩凍結乾燥させて、化合物7 12g(白色固体、収率64%、純度:>HPLCの97%)を得た。TLC R 0.4(CHCl/MeOH/HO、5:4:1;PMAによるダークスポット);H NMR(300MHz,DMSO−d/DO)δ:7.39(m,5H,PhH.),5.11(s,2H,PhC ),4.87(s,2H,H−1マンノース),4.66(s,2H,H−1マンノース),4.62(s,2H,H−1マンノース),3.88−3.09(m,56H),2.40(m,2H),2.09(m,4H,2[ CCONH−AETM]),1.57−1.26(m,18H,3[CONHCH CHCO])。C7111839[M+H]のMS計算値1680.7、実測値1681.0。
(実施例9)
(6−{[(ビス{2−[(6−[2−[(α−D−マンノピラノシル)−(1→3)−[(α−D−マンノピラノシル)−(1→6)]−(α−D−マンノピラノシル)]エチル]アミノ−6−オキソヘキシル)アミノ]−2−オキソエチル}アミノ)アセチル]アミノ)ヘキサン酸)(8)の合成
Figure 2013542915
1000ml 1口RBF内のベンジルヘキサノアート7 13.01g(7.75mmol)の無水MeOH 360mlによる溶液に0℃にてPd/C 3.3g(10重量%)を添加した。生じた混合物を水素雰囲気下で室温にて1.5時間撹拌した(TLC:化合物7、R=0.8;化合物8、R=0.7;CHCl/MeOH/HOの溶液=5:10:2)。
生じた黒色懸濁物をセライトパッド(深さ1.0cm)で濾過して、パッドをMeOH(3×50ml)ですすいだ。合せた濾液を105gまで濃縮した。濃縮した濾液を1000ml 1口RBF内の撹拌無水ジエチルエーテル650mlに滴加した。濁った溶液を低温室に一晩貯蔵した。上清を窒素下で多孔ヘッドカニューレによって除去した。無水ジエチルエーテル250mlを1000ml 1口RBFに添加して、0.5時間撹拌した。フラスコ内の上清を再度、多孔ヘッドカニューレによって除去して、エーテル洗浄手順をもう1回反復した。濾過後にフラスコ内に残存する固体を真空中で乾燥させて、酸化合物8 11.9g(白色固体、収率:96%、純度:HPLCの>98%)を得た。TLC R 0.7(CHCl/MeOH/HO、5:10:2;PMAによるダークスポット);H NMR(300MHz,DMSO−d/DO)δ:4.80(s,2H,H−1マンノース),4.59(s,2H,H−1マンノース),4.54(s,2H,H−1マンノース),3.85−3.01(m,56H),2.14(m,2H),2.10(m,4H,2[ CCONH−AETM]),1.43−1.15(m,18H,3[CONHCH CHCO])。C6411239[M+H]のMS計算値1590.6、実測値1590.3。
(実施例10)
(N−{6−{[(ビス{2−[(6−[2−[(α−D−マンノピラノシル)−(1→3)−[(α−D−マンノピラノシル)−(1→6)]−(α−D−マンノピラノシル)]エチル]アミノ−6−オキソヘキシル)アミノ]−2−オキソエチル}アミノ)アセチル]アミノ}ヘキサノイルオキシ}スクシンイミド)(9)の合成
Figure 2013542915
1000ml 1口RBF内の酸化合物8 11.01g(6.92mmol)の無水DMF 380mlによる溶液に、TSTU(2.52g、8.31mmol)の無水DMF(5ml)およびDIPEA(1.60ml、0.457mmol)による溶液を0℃にて窒素下で滴加した。生じた混合物を0℃にて1時間撹拌した。
混合物を35℃にて回転蒸発により濃縮して、残渣(約77g)を1000ml 1口RBF内の撹拌されている無水アセトニトリル700mlに窒素下で室温にて滴加した。懸濁溶液を0.5時間撹拌した。上清を多孔ヘッドカニューレによって除去した。
残渣を1000ml 1口RBF内の無水DMF(70ml)によって窒素下で0C°にて溶解させて、1000ml 1口RBF中の無水撹拌ACN 700mlに窒素環境下でカニューレによって室温にて滴加した。懸濁物を0.5時間撹拌した。上清を多孔ヘッドカニューレによって除去した。この沈殿をさらに2回反復した。
最終残渣を無水アセトニトリルで洗浄して、漏斗(CG−1402−23、フィルタ漏斗、ブフナー、ミディアムフリット、350ml)を通じて懸濁物を濾過して、アセトニトリル(3×500ml)で洗い流した。洗浄操作の間に、漏斗内の白色残留物質をステンレス鋼スパチュラにより手動で撹拌して、無水アセトニトリルにより窒素下で洗浄した。洗浄した白色固体を真空中で48時間、室温にて乾燥させて、次に窒素下で気密バイアル内に貯蔵した。バイアル内での乾燥をさらに60時間継続して、化合物9 11.3g(白色固体、収率:98%、純度:HPLCの>96%)を得た。TLC R 0.2(CHCl/MeOH/HO、5:4:1;PMAによるダークスポット);H NMR(300MHz,DMSO−d/DO)δ:4.87(s,2H,H−1マンノース),4.65(s,2H,H−1マンノース),4.61(s,2H,H−1マンノース),3.84−3.23(m,50H),3.10−3.08(m,6H,[ CNHCOCHN),2.83(s,4H,NHS),2.65(t,2H, CC CO−NHS),2.08(m,4H,2[ CCONH−AETM]),1.64(m,2H, CCHCO−NHS),1.48−1.39(m,12H,3[CONHCH CHCHCO]),1.22(m,4H,2[ CCHCONH−AETM]。C6811541[M+H]のMS計算値1687.7、実測値1688.3。
実施例11および12は、本開示のPLFをアミン担持薬物と有機溶媒または水性溶媒中でそれぞれコンジュゲートする一般的な方法について記載し、実施例13は、コンジュゲーション後の精製の一般的な方法について記載する。
(実施例11)
有機溶媒中での前官能化リガンドフレームワークとのアミン官能化薬物コンジュゲーション
前官能化リガンドフレームワーク(PLF)を無水DMSO 11.1mL中に60mMで溶解して、室温にて10分撹拌する。次にアミン担持薬物を、70mM無水トリエチルアミンを含有する無水DMSO 27.6mL中に9.2mMの濃度で別に溶解させる。溶解させたら、PLF溶液をアミン担持薬物/DMSO/TEA溶液に数回に分けて添加して、続いて室温で約1時間混合する。この時点で、反応を分析HPLCによって分析して反応の程度を評価し、この後に必要な場合はさらにPLF溶液を添加して、所望の程度のコンジュゲーションを達成する。PLFのアミン担持薬物に対する所望の程度のコンジュゲーションが達成された場合、エタノールアミンをPLF/アミン担持薬物/DMSO/TEA溶液に添加して、エタノールアミンの最終濃度を195mMとする。反応溶液をRTにてさらに0.5時間撹拌する。
生じた溶液を次に水で20×に過希釈して、続いて1N HCl(および必要な場合には0.1N NaOH)によりpH調整して、最終pHを2.0とする。生じた水溶液を限外濾過(ミリポアペリコンミニTFFシステム、1KDa MWCO膜)によりおよそ200mLまで濃縮して、続いて水10−15ダイア容量(DV)を使用してダイアフィルトレーション(ミリポアペリコンミニTFFシステム、1KDa MWCO膜)を続ける。所望の場合、溶液をアミコン−15(3kDa MWCO)の使用によりさらに濃縮して、およそ10mg/mLとする。水溶液を4℃にて一晩貯蔵する。
(実施例12)
水性溶媒中での前官能化リガンドフレームワークとのアミン官能化薬物コンジュゲーション
前官能化リガンドフレームワーク(PLF)を無水DMSO 11.1mL中に60mMで溶解して、室温にて10分撹拌する。アミン担持薬物を次に0.1M、pH11.0炭酸ナトリウム緩衝液14.3mL中に17.2mMにて別に溶解させて、続いてpHを1.0N水酸化ナトリウムによって10.8に調整する。
溶解させたら、PLF/DMSO溶液をアミン担持薬物/炭酸塩溶液に数回に分けて添加して、続いて室温にて混合する。添加中に、必要ならば希HClまたはNaOHを使用して、生じた混合物のpHを5分ごとに調整して、pHを10.8に維持する。反応を完了させるために、滴加後に溶液をさらに15分撹拌する。この時点で、反応を分析HPLCによって分析して反応の程度を評価し、この後に必要な場合は追加のPLF溶液を添加して、所望の程度のコンジュゲーションを達成する。
生じた溶液を次に水で20×に過希釈して、続いて1N HCl(および必要な場合には0.1N NaOH)によりpH調整して、最終pHを2.0とする。生じた水溶液を限外濾過(ミリポアペリコンミニTFFシステム、1KDa MWCO膜)によりおよそ200mLまで濃縮して、続いて水10−15ダイア容量(DV)を使用してダイアフィルトレーション(ミリポアペリコンミニTFFシステム、1KDa MWCO膜)を続ける。所望の場合、溶液をアミコン−15(3kDa MWCO)の使用によりさらに濃縮して、およそ10mg/mLとした。水溶液を4℃にて一晩貯蔵する。
(実施例13)
アミン官能化薬物−PLFコンジュゲートのHPLCによる精製
ウォーターズC4、7um、50×250mmカラムによる分取逆相HPLCを使用してアミン担持薬物−PLFコンジュゲート溶液をさらに精製して、所望の生成物を得る。緩衝液Aは0.1%TFAを含有する脱イオン水であり、緩衝液Bは0.1%TFAを含有するアセトニトリルであった。精製前に、ウォーターズデルトラプレップ600 HPLCシステムを使用して、カラムを15ml/分で80%A/20%B移動相により平衡にした。粗溶液およそ16mlを流速50ml/分で2分の間にわたってカラム上に注入して、この後に80%A/20%Bから75%A/25%B(薬物コンジュゲートの特性に応じて、またはそれ以上)までの直線勾配を次の5分にわたって、続いて75%A/25%Bから70%A/30%B(薬物コンジュゲートの特性に応じて、またはそれ以上)までのより低速の多段階勾配を次の70分にわたって用いる。所望のピークの保持時間は、使用した薬物、フレームワークおよびリガンドに応じて変化する。興味のあるピークの溶離の間、画分収集装置およびLC−MS(アクイティHPLC、ウォーターズCorp.、ミルフォード、マサチューセッツ州)を用いてピーク画分の純度をさらに評価して、所望のレベルの薬物コンジュゲート純度を得るために組合せるべき所望のピークの画分を決定する。
溶媒除去
溶液を収集したら、回転蒸発させて(ブッチモデルR−215、ニューキャッスル、デラウェア州)、アセトニトリルを除去し、凍結乾燥させて、純粋なコンジュゲートを得て、この特性をHPLC−MS(HTラボラトリーズ、サンディエゴ、カリフォルニア州)によって検証する。
他の溶媒除去
所望の画分を収集したら、画分を大型ガラス容器内に1つの溶液として合せ、限外濾過(ミリポアペリコンミニTFFシステム、1KDa MWCO膜)によっておよそ200mLまで濃縮する。生じた溶液を高度純水およそ15−20ダイア容量でダイアフィルトレーションする(ミリポアペリコンミニTFFシステム、1KDa MWCO膜)。所望の場合、溶液をアミコン−15(3kDa MWCO)の使用によりさらに濃縮して、およそ10mg/mLとする。水溶液を4℃にて一晩貯蔵する。
(実施例14)
B1置換インスリンコンジュゲートを得るためのインスリンコンジュゲーション
NH−B1−BOC(A1,B29)−インスリンの合成
代表的な合成では、粉末インスリン4g(シグマアルドリッチ、セントルイス、ミズーリ州)を無水DMSO 100mlに室温にて溶解させて、続いてトリエチルアミン(TEA)4mlを添加する。溶液を室温にて30分撹拌する。次に、ジ−tert−ブチル−ジカーボネート/THF溶液(シグマアルドリッチ、セントルイス、ミズーリ州))1.79ml(2.6当量)をインスリン−TEA溶液にゆっくり添加して、およそ1時間混合する。DMSO 5ml中にエタノールアミン250ulを含有するストック溶液4mlの添加により反応を停止させて、続いて5分混合する。反応停止後、溶液全体をアセトン1600mlに注入して、スパチュラで短時間混合する。次に、18.9%HCl:水溶液の一定分量8×400μlを混合物表面上に滴加して、反応したインスリンを沈殿させる。沈殿した物質を次に遠心分離にかけて、上清を第2のビーカーにデカンテーションして、一方で沈殿ケーキは確保しておく。上清溶液に、18.9%HCl:水溶液のさらなる一定分量8×400μlを混合物表面上に滴加して、反応したインスリンの第2の沈殿を得る。この第2の沈殿を遠心分離にかけて、上清を廃棄する。2回の沈殿ステップによる混合させた遠心分離ケーキをアセトンで1回洗浄して、続いて真空下室温にて乾燥させて、60%の所望のBOC2生成物および40%のBOC3物質を通例含有する粗粉末を得る。
分取逆相HPLC法を使用して、純BOC2−インスリンを粗粉末から単離する。緩衝液Aは0.1%TFAを含有する脱イオン水であり、緩衝液Bは0.1%TFAを含有するアセトニトリルである。カラムへの注入前に、粗粉末を70%A/30%B混合物に25mg/mlで溶解させて、シリンジ濾過した。精製前にウォーターズデルトラプレップ600システムを使用して、カラム(ウォーターズシンメトリープレップC18、7um、19×150mm)を15ml/分で70%A/30%B移動相により平衡させる。粗粉末溶液およそ5mlをカラム上に流速15ml/分で5分の間にわたって注入して、この後に70%/A30%Bから62%A/38%Bの直線勾配を次の3.5分の間にわたって用いて、そこでさらに2.5分維持した。この方法を使用して、所望のBOC2ピークはおよそ10.6分にて溶離して、すぐにBOC3ピークが続く。溶液を収集したら、回転蒸発させてアセトニトリルを除去して、凍結乾燥させて純粋なBOCインスリン粉末を得る。特性をLC−MS(HTラボラトリーズ、サンディエゴ、カリフォルニア州)によって検証して、コンジュゲーション部位をN末端シーケンシング(ウェスタンアナリティカル、セントルイス、ミズーリ州)によって決定する。
コンジュゲーション
NH−B1−BOC2(A1,B29)−インスリンを実施例11に従ってPLFにコンジュゲートする。生じたコンジュゲートは次に、実施例13に従って精製され得る。
(実施例15)
A1置換インスリンコンジュゲートを与えるためのインスリンコンジュゲーション
NH−A1,B1−BOC(B29)−インスリンの合成
インスリンを100mM炭酸ナトリウム緩衝液(pH11)およびアセトニトリルの66:37体積:体積混合物に14.7mMの濃度で溶解させる。単官能性保護基活性化エステル(たとえばBOC−NHS)を別に、アセトニトリル中に467mMにて溶解させる。インスリンが溶解したら、単官能性保護基活性化エステル(たとえばBOC−NHS)の少量の一定分量をインスリン溶液に添加する。pHを工程の間監視して、0.1M水酸化ナトリウムの添加により10.2−11.0に維持する。反応を逆相HPLCによって監視する。未修飾インスリンすべてが反応されることおよび反応混合物の実質的な部分がB29保護インスリンに変換されたことがHPLCクロマトグラムによって示されるまで、単官能性保護基活性化エステルの一定分量を添加する。通例、保護基は本質的により疎水性となり、インスリン上で反応すると、未修飾インスリンよりも長いHPLC保持時間にて溶離する。
コンジュゲーション
NH−A1,B1−BOC(B29)−インスリンは、実施例11に従ってPLFにコンジュゲートする。生じたコンジュゲートは次に、実施例13に従って精製され得る。
(実施例16)
A1,B29置換インスリンコンジュゲートを与えるためのインスリンコンジュゲーション
A1,B29インスリンコンジュゲートは、実施例11に従ってPLFを未保護インスリンにコンジュゲートすることによって得られる。生じたコンジュゲートは次に、実施例13に従って精製され得る。この反応は、化合物A−1および組換えヒトインスリン(RHI)を使用して行われた。
(実施例17)
A1,B1置換インスリンコンジュゲートを与えるためのインスリンコンジュゲーション
NH−A1,B1−BOC(B29)−インスリンは、実施例14に記載されているように合成される。A1,B1置換インスリンコンジュゲートは、実施例11に従って、ならびに適切な当量のPLFおよび薬物を使用して合成される。生じたコンジュゲートは次に、実施例13に従って精製され得る。
(実施例18)
B1,B29置換インスリンコンジュゲートを与えるためのインスリンコンジュゲーション
NH−B1,B29−BOC(A1)−インスリンの合成
NH−B1,B29−BOC(A1)−インスリンは、実施例14の手順を使用して、しかしA1,B29−ジBOC−インスリン、A1−BOC−インスリンおよびB29−BOC−インスリン生成物の分布を生じるために、より少ない当量のBOC試薬と反応して調製することができる。NH−B1,B29−BOC(A1)−インスリンは、RP−HPLCによって単離されて、N末端シーケンシングにより確認することができる。
コンジュゲーション
NH−B1,B29−BOC(A1)−インスリンを実施例11に従ってPLFにコンジュゲートする。生じたコンジュゲートは次に、実施例13に従って精製され得る。
(実施例19)
B29置換インスリンコンジュゲートを与えるためのインスリンコンジュゲーション
B29インスリンコンジュゲートは、実施例12に従ってPLFを未保護インスリンにコンジュゲートすることによって得られる。生じたコンジュゲートは次に、実施例13に従って精製され得る。
(実施例20)
インビボ試験に備えたインスリンコンジュゲートの製剤
組換えヒトインスリン1.5gを実施例16に従ってコンジュゲートおよび精製した後、生じたインスリン−コンジュゲートは精製水中でおよそ760マイクロモルの濃度であり、溶液の総体積はおよそ140mLであった。この溶液に、グリセリン1.78mL、m−クレゾール0.22g、フェノール0.09gおよびリン酸ナトリウム0.53gを含むpH7.4製剤緩衝液濃縮物14mLを添加した。生じた溶液の最終体積は154mLであった。
当業者は、この手順が実施例11−20のコンジュゲートのいずれをも製剤するために使用され得ることを理解するであろう。
(実施例21)
リガンドの生物活性に対する効果
本実施例は、一連の皮下投与された例示的なコンジュゲートについて得られた血中グルコースプロフィールを比較する。リガンド組成物は、コンジュゲートによって変わり、ある範囲の親和性を含む:AEM−2、AEBM−2、AETM−1−AEBM−1およびAETM−2(最低の親和性から最高の親和性)。インスリンコンジュゲートは、図1のII−1、II−2、II−3およびII−4として示されている。それぞれの場合において、コンジュゲートを絶食正常非糖尿病ラット(オスのスプラーグ−ドーリー、400−500グラム、n=6)の頸部の後ろに5U/kg(AEM−2では3.5U/kg)で注射した。血液試料を0分ならびに注射後30、60、90、120、150、180、210、240および300分に尾静脈採血により収集した。血中グルコース値は、市販の試験ストリップ(プレシジョンエキストラ、アボットラボラトリーズ、アボットパーク、イリノイ州)を使用して測定した。加えて、各時点の血液を4℃にて遠心分離にかけて血清を収集した。続いて血清インスリン濃度を市販のELISAキット(ヒトインスリンELISA、メルコディア、ウプサラ、スウェーデン)で測定した。
図2−5は、試験した4つのコンジュゲートそれぞれについて、血中グルコースレベルを血清インスリンレベルと共に示す。これらの結果は、より高い親和性のリガンドとのコンジュゲートのグルコース応答の低下が、コンジュゲートのPKプロフィールの低下に起因することをかなり明らかに示している(AEM−2についての図2をAETM−2についての図5と比較)。
(実施例22)
長期作用型インスリンコンジュゲート−用量応答効果
長期作用型コンジュゲートを生成するために、PZI(プロタミン亜鉛インスリン)製剤を合成インスリン−コンジュゲートII−6の溶液から調製した(コンジュゲートの構造については図1を参照)。製剤で使用した賦形剤は、プロタミン、亜鉛、m−クレゾールおよび塩を包含し、このすべてをシグマ−アルドリッチ(セントルイス、ミズーリ州)から購入した。
Figure 2013542915
表4に記載した順序での構成成分の添加後に製剤を調製して、これらをインビボ試験の前に静かに30分混合した。
持続放出プロフィールならびにグルコース応答性PKプロフィールを試験するために、以下の実験を実施した。製剤を製剤5または15U/kg(体重(グラム)/1.87=注射体積のマイクロリットル)にて、絶食正常非糖尿病ラット(オスのスプラーグ−ドーリー、400−500グラム、n=3)の頸部の後ろに注射した。240分の遅延の後、グルコース用量(4g/kg)を腹腔内注射した。血液試料を0分ならびに初期コンジュゲート注射後30、60、90、120、150、180、210、240および300分に尾静脈採血により収集した。血中グルコース値は、市販の試験ストリップ(プレシジョンエキストラ、アボットラボラトリーズ、アボットパーク、イリノイ州)を使用して測定した。加えて、各時点の血液を4℃にて遠心分離にかけて血清を収集した。続いて血清インスリン濃度を市販のELISAキット(イソインスリンELISA、メルコディア、ウプサラ、スウェーデン)で測定した。
図6に示すように、グルコースが注射されるまで、合成インスリン−コンジュゲートは平坦なPKプロフィールを呈した。グルコース応答は飛躍的であり、用量依存性であった(合成インスリン−コンジュゲートの5U/kg(左)および15U/kg(右)用量によって得たデータを比較)。高血糖は早期または後期時点に観察されなかった。
(実施例23)
糖尿病および非糖尿病における長期作用型コンジュゲート
長期作用型合成インスリン−コンジュゲート製剤のインビボ有用性を確認するために、我々はこれ(5、10および20U/kg)を正常およびSTZ誘発糖尿病ラット(オスのスプラーグ−ドーリー、400−500グラム、n=6)に投与した。製剤を表5の手順を使用して調製した。
Figure 2013542915
コンジュゲートの生物活性を誘起するために、グルコースの外部腹腔内注射は使用しなかった。代わりに我々は、ラットのグルコースの内因性レベルに依存して、コンジュゲート製剤のPKおよびPDプロフィールを制御した。血液試料を尾静脈採血により、初期コンジュゲート注射後の多様な時点で収集した。血中グルコース値は、市販の試験ストリップ(プレシジョンエキストラ、アボットラボラトリーズ、アボットパーク、イリノイ州)を使用して測定した。図7に示すように、高血糖は正常または糖尿病ラットで早期または後期時点に観察されなかった。糖尿病ラットによって観察されたグルコースプロフィールは飛躍的であり、コンジュゲートはより高いグルコース濃度によって活性化され、そのグルコース降下効果を用量比例方式で長期間にわたって発揮する(最大用量で8時間超)ことを示した。
(実施例24)
インビボ半減期/排出速度の比較
コンジュゲートII−6がグルコースまたはアルファ−メチルマンノース(α−MM)などの阻害糖の存在下または非存在下においてインビボで血清から除去される速度を決定するために、以下の実験を実施した。各場合において、コンジュゲートII−6(または対照としてのRHI)を0.4mg コンジュゲート/kg体重にて、両頸静脈にカニューレ挿入されたオスのスプラーグ−ドーリーラット(タコニック、JV/JV、350−400g、n=3)に投薬した。
上昇したグルコースレベルの存在下で排出速度を決定するために、実験開始の1時間前に、1本のラットカニューレを滅菌50%重量/体積グルコース溶液を含有するシリンジ注入ポンプに接続した。動物の血中グルコースレベルが実験中に常時300mg/dLを超えたままとなるように、実験者がポンプ注入速度を調整した。血中グルコースは、市販の試験ストリップ(プレシジョンエキストラ、アボットラボラトリーズ、アボットパーク、イリノイ州)を使用して測定した。代表的な実験において、動物を300mg/dL超に維持するために必要とされる注入ポンプ速度は通例、85μL/インチ超であることが見出された。血液試料をt=0分に採取して、その後、第2のラットカニューレを介して滅菌コンジュゲート溶液または対照インスリンを静脈内注射して、続いてすぐにヘパリン−食塩水の追加液を注射し、すべてのコンジュゲート用量が動物に投与されるようにした。カニューレラインにヘパリン−食塩水をさらに流した後、第2のカニューレを使用して、投薬後t=1、2、4、8、15、30、60、90、120および180分に血液試料を収集した。
α−MMの存在下で排出速度を決定するために、実験開始の1時間前に、1本のラットカニューレを滅菌25%重量/体積α−MM溶液を含有するシリンジ注入ポンプに接続した。ポンプ注入速度は実験者が調整したが、通例、85μl/分に設定された。血液試料をt=0分に採取して、その後、第2のラットカニューレを介して滅菌コンジュゲート溶液または対照インスリンを静脈内注射して、続いてすぐにヘパリン−食塩水の追加液を注射して、すべてのコンジュゲート用量が動物に投与されるようにした。カニューレラインにヘパリン−食塩水をさらに流した後、第2のカニューレを使用して、投薬後t=1、2、4、8、15、30、60、90、120および180分に血液試料を収集した。
実験の間、血中グルコースは、市販の試験ストリップ(プレシジョンエキストラ、アボットラボラトリーズ、アボットパーク、イリノイ州)を使用して測定した。各時点の血液を4℃にて遠心分離にかけて血清を収集し、続いて血清インスリンまたは血清コンジュゲート濃度を市販のELISAキット(イソインスリンELISA、メルコディア、ウプサラ、スウェーデン)によって測定した。インスリンまたはコンジュゲート血清濃度対時間データは、2コンパートメントモデルによる2つの独立した減衰指数関数の和に最も良く適合していた(C(t)=a exp(−kt)+b exp(−kt))(式中、t1/2(a)=(ln2)/kおよびt1/2(b)=(ln2)/k)。結果を図8に示す。左パネルは、α−MMまたはグルコースの非存在下での、RHIに対するコンジュゲートII−6の著しく高い(>5×)排出速度を示す。右パネルは、排出速度がグルコース(G400注入)の存在下では多少(約50%)およびα−MMの存在下では(α−MM注入)かなり実質的に(約400%)低下することを示す。
(実施例25)
コンジュゲートI−6静脈内(i.v.)注入でのグルコース応答性PK
本実施例において、実施例24に記載したi.v.排出速度実験は、0.4mgコンジュゲート/kg体重の単一i.v.ボーラスから連続i.v.注入に変更された。実験の目的は、4時間時点に投与されたグルコースの腹腔内(i.p.)注射と共に、コンジュゲート(または対照としてのRHI)の一定入力速度を6時間維持して、血清コンジュゲート(またはRHI)濃度に対して生じた効果を判定することである。両頸静脈にカニューレ挿入されたオスのスプラーグ−ドーリーラット(タコニック、JV/JV、350−400g、n=3)を各実験で使用して、一方の頸静脈ラインをコンジュゲートまたはRHI注入に、他方を血液収集に使用した。
RHIでは、50mU/ml溶液を0.2μm濾過膜によって滅菌濾過して、0.07ml/分で注入し、全体で6時間の実験にわたって3.5mU/分の一定入力速度を与えた。血液試料をt=0分に採取して、その後、一定i.v.注入を開始した。第2のカニューレを使用して、t=30、60、120、180および240分に血液試料を採取した。t=240分に4g/kg用量のグルコースをi.p.注射によって投与して、続いてt=255、270、300、330および360分に血液を収集した。
コンジュゲートII−6では、150mU/ml溶液を0.2μm濾過膜で滅菌濾過して、0.10ml/分で注入し、全体で6時間の実験にわたって15mU/分の一定入力速度を与えた。血液試料をt=0分に採取して、その後、一定i.v.注入を開始した。第2のカニューレを使用して、t=30、60、120、180および240分に血液試料を採取した。t=240分に1、2または4g/kg用量のグルコースをi.p.注射によって投与して、続いてt=255、270、300、330および360分に血液を収集した。
実験の間、血中グルコースは、市販の試験ストリップ(プレシジョンエキストラ、アボットラボラトリーズ、アボットパーク、イリノイ州)を使用して測定した。各時点の血液を4℃にて遠心分離にかけて血清を収集し、続いて血清インスリンまたは血清コンジュゲート濃度を市販のELISAキット(イソインスリンELISA、メルコディア、ウプサラ、スウェーデン)によって測定した。
図9の最初の2つのパネルは、3.5mU/分のRH1注入および15mU/分のコンジュゲートII−6注入の血中グルコースおよび血清インスリン/コンジュゲート濃度プロフィールを、4g/kg i.p.グルコース注射の前後で比較している。RHI注入は、II−6注入と比べて、グルコース注射前に著しい高血糖を引き起こす。i.p.グルコース注射の後に、コンジュゲートII−6n血清濃度は、血中グルコース濃度が上昇するときに、ただちに上昇して300%を超え、続いてグルコース濃度が低下するときに、急速にベースラインレベルに戻る。他方、血清RHI濃度は、i.p.グルコース注射後に著しい変化はない。図9の次の3つのパネルは、血清コンジュゲート濃度がi.p.グルコース注射の間に上昇する程度は、登用されたグルコースの用量および生じた血中グルコースレベルに直接関連していることを示す。たとえば血清コンジュゲート濃度のわずか50%ピークからベースラインまでの変化は、1g/kgグルコース注射で観察されるのに対して、300%ピークからベースラインまでの変化は4g/kg用量で観察される。
(実施例26)
ミニブタにおける機構検証およびグルコース応答性性能
本実施例は、本明細書では「ミニブタ」とも呼ばれるヒト代理、非糖尿病オスミニチュアブタ(ユカタン系)における、ある例示的なコンジュゲートの糖依存性インビボ排出速度について調べる。図1にまとめたインスリン−コンジュゲートのサブセットを試験して、糖依存性排出速度に対する糖親和性および多価性の効果を最初に決定した。コンジュゲートを図1にII−6、II−7およびII−11として示す。
各実験において、インスリン−コンジュゲートを0.1U/kgにて非糖尿病のデュアル血管アクセスポート付きミニブタにi.v.投薬して、血液を注射後に頻繁な間隔で収集した。グルコースの存在下での血清排出速度を決定するために、滅菌50%重量/体積グルコース溶液を、シリンジポンプを使用して1つのポート中へインスリン−コンジュゲート投与の1時間前にi.v.注入して、実験全体にわたって速度を調整して動物の血中グルコースレベルが400mg/dl(通例、80−150ml/時)またはその付近に保持されるようにした。α−MMの存在下での血清排出速度を決定するために、グルコース溶液を滅菌25%重量/体積α−MM溶液で置き換えて、ポンプ注入速度を実験中80ml/時にて一定に維持した。各場合において、生じたインスリン−コンジュゲート濃度対時間データは、2コンパートメントモデルによる2つの独立した減衰指数関数の和に最も良く適合していた(C(t)=αexp(−kαt)+βexp(−kβt))。
400mg/dlにおいて、高レベルの内因性グルコース誘起ブタインスリンは、我々のインスリン−コンジュゲートイムノアッセイと交差反応した。したがって、グルコース注入実験によるPK結果は、特に「ノイズの多い」データセットをもたらすブタインスリンのみのアッセイから得た値を引くことが必要であった。α−MMは内因性ブタインスリン分泌を誘起しないため、α−MM注入試験によるデータを、インスリン−コンジュゲート半減期の糖反応性変化の我々の1次指標として使用した。興味深いことに、ブタにおいてAETM−2インスリン−コンジュゲート(II−6)は、ラットでの4.0倍の上昇と比較して、α−MMの存在下でt1/2の1.7倍の中程度の上昇のみを示した(図17)。しかしブタにおいて、A1,B29−2置換AETM−2インスリン−コンジュゲート(II−11)は、α−MMの存在下でt1/2のほぼ10倍の上昇を示した(図11および12)。他のコンジュゲートの結果の表を図18に示す。
α−MMの存在下での2置換AETM−2インスリン−コンジュゲート(II−11)のi.v.投薬のグルコース降下曲線上の面積は、糖の非存在下よりもおよそ2.6倍大きかった(図13)。
コンジュゲートII−11を可溶性溶液として0.25、0.50および1.00U/kgの用量で非糖尿病、正常血糖およびアロキサン糖尿病の高血糖ミニブタの両方に皮下注射して、非糖尿病動物で低血糖を引き起こすことなく、糖尿病のグルコースを低下させるその能力を決定した。インスリン−コンジュゲートは、非糖尿病における低血糖またはグルコース降下の徴候を全く伴わずに、糖尿病で血中グルコースレベルの著しい用量依存性低下を示した(図14)。比較すると、0.063および0.125U/kgにて注射されたRHIは、非糖尿病動物における顕著な低血糖および著しいグルコース降下および低血糖と共に、糖尿病動物において著しいグルコース降下を引き起こした(図15)。これらの予備的結果に基づいて、およそ0.5U/kgの可溶性インスリン−コンジュゲートII−11の単回注射は、糖尿病ミニブタにおいて6−8時間にわたって低血糖を伴わないグルコース制御を与える。皮下注射されたII−11の血清排出速度を糖尿病および正常ミニブタで決定した(図19)。同様のPKプロフィールが糖尿病および正常の間ですべての用量で観察された。
まとめると、これらの結果は、糖親和性および多価性の選択を通じて利用することができる内因性レクチンベース機構がミニブタに存在することを示している。高い親和性および多価性を持つインスリン−コンジュゲートが、ラットと比較してミニブタにおける低血糖を伴わない血糖制御の改善を提供すると思われる。
(実施例27)
ミニチュアブタにおける最適化試験
図1のII−11対他のコンジュゲートの性能の明確な相違に基づいて、インスリンコンジュゲーション部位(A1対B29)の効果を糖親和性および価数の効果から分離して定量化することが所望である。したがって我々は、図16に示すインスリン−コンジュゲート(図1にII−8、II−9およびII−10として示されている)を試験した。
概して、これらのインスリン−コンジュゲートそれぞれの糖応答性半減期およびグルコース降下効果を次のように決定した。上記のように、各インスリン−コンジュゲートを0.1U/kgにて非糖尿病デュアル血管アクセスポート付きミニブタにi.v.投薬して、血液を注射後に頻繁な間隔で収集した。α−MMの存在下での血清排出速度を決定するために、滅菌25%重量/体積α−MM溶液をインスリン−コンジュゲート投与の1時間前にシリンジポンプ(80ml/h)を使用して1つのポートにi.v.注入して、実験全体にわたって速度を一定に維持した。各場合において、生じたインスリン−コンジュゲート濃度対時間データは、2コンパートメントモデルによる2つの独立した減衰指数関数の和に最も良く適合していた(C(t)=αexp(−kαt)+βexp(−kβt))。α−MM注入を伴うまたは伴わないβ相排出速度の比較を使用して、好適なコンジュゲートを同定した。
コンジュゲートII−8(AETM−2によるA1置換)は、グルコースの降下にコンジュゲートII−6(AETM−2によるB29置換)よりもわずかに有効であった。コンジュゲートC3を与えるためのコンジュゲートII−6のA1位置でのポリエチレンオキシドによる置換により、全体の生物活性は低下したが、α−MM誘起生物活性は上昇しなかった(データ示さず)。コンジュゲートII−11を与えるためのコンジュゲートII−6のA1位置での別のTSAT−C6−AETM−2骨格による置換により、全体の生物活性は低下したが、α−MM誘起生物活性は上昇しなかった。
(実施例28)
組換えインスリン分子:酵母における産生、タンパク質精製およびインビトロ酵素処理
本実施例は、小規模および大規模の両方での2つの異なる酵母株(KM71およびGS115)における複数の例示的なインスリン分子の組換え産生を示す。これらのインスリン分子のいくつかは、N末端保護アミノ酸配列を包含するように操作された。組換え産生インスリン分子は予想された分子量を有し、抗インスリン抗体によって認識された。本実施例に記載する実験は、酵母において製造されたインスリン分子が商業規模の収量を生成したことを示す。本実施例は、組換え産生されたインスリン分子のインビトロ酵素処理および前官能化リガンドフレームワークとのコンジュゲーションに使用された手順も記載する。
物質および方法
エレクトロコンピテントP.パストリス(P.pastoris)株の調製
KM71(インビトロジェン、カールスバッド、カリフォルニア州)を30℃にてYPDブロス(1リットルに付き:酵母抽出物10g、ペプトン20gおよびグルコース20g、pH6.5)中で培養した。株の復元が成功した後、エレクトロコンピテントKM71をWuおよびLetchworth(Biotechniques 36:152−4)によって記載されたように調製した。エレクトロコンピテントKM71を−80℃の冷凍庫に貯蔵した。エレクトロコンピテントP.パストリス(P.pastoris)GS115(インビトロジェン、カールスバッド、カリフォルニア州)を同じ手順によって調製した。
遺伝子構築物を発現するインスリン分子の調製
インスリン分子構築物の遺伝子合成をジーンアート(レーゲンスブルク、ドイツ)にて行った。簡潔には、インスリン分子の発現をコードする対象の遺伝子を表6に挙げる。遺伝子はジーンアートにて合成され、次にBamI(5’部位)およびEcoRI(3’部位)酵素によって切断して、次にpPIC3.5Kベクター(インビトロジェン、カールスバッド、カリフォルニア州)の同じ部位に挿入した。生じたプラスミドを次に培養フラスコ内の大腸菌中で増幅して、次に抽出、精製し、プラスミドDNAのTE緩衝液による約1mg/mL溶液を得た。
Figure 2013542915
Figure 2013542915
P.パストリス(P.pastoris)形質転換のためのDNA調製
GS115およびKM71を形質転換するために、4つの遺伝子構築物を最初に使用した。電子穿孔による形質転換の前に、各構築物をSalIによって直線化した。各構築物の直線化の完了は、アガロースゲル電気泳動によって確認した。次にキアクイックPCR精製スピンカラム(キアジェン)を使用して、SalIおよび塩を直線化プラスミドから除去した。直線化プラスミドをスピンカラムから、オートクレーブ処理した脱イオン水を使用して溶離させた。
DNAが酵母株に形質転換されたら、生じた遺伝子構築物は、表7に示すアミノ酸配列をコードした。プロ−リーダーペプチド配列は、培地中へのタンパク質分泌の前に、酵母内でKex−2エンドプロテアーゼによって切断されるように設計されている(Kjeldsen et al,1999,Biotechnol Appl Biochem,29:79−86)。このため、培地中に分泌された生じたインスリン分子は、[Bペプチド]−[Cペプチド]−[Aペプチド]配列に結合されたリーダーペプチド配列のみを包含する。
Figure 2013542915
P.パストリス(P.pastoris)形質転換
直線化プラスミドは、WuおよびLetchworthによって報告された手順(Biotechniques 36:152−4)に従って、エレクトロコンピテントP.パストリス(P.pastoris)GS115およびKM71に個別に形質転換された(どちらもHis−株)。電子穿孔した細胞を氷冷1Mソルビトール1mLに再懸濁させて、最少デキストロース−ソルビトール寒天(アンモニウムおよびアミノ酸を含まない、1.34%酵母窒素ベース、4×10−5%ビオチン、2%デキストロース、1Mソルビトールおよび2%寒天)プレートに播種した。寒天プレートを30℃にて4−7日インキュベートした。GS115およびKM71ゲノムに組み込まれた発現プラスミドは、His表現型を形質転換体にして、形質転換体をヒスチジン添加なしの最少デキストロース−ソルビトール寒天上で増殖させる。
P.パストリス(P.pastoris)形質転換体の、高コピー数の発現カセットを持つクローンについてのスクリーニング
上のステップにおける4つの発現プラスミドを持つP.パストリス(P.pastoris)の2つの株に由来するクローンを、高コピー数の遺伝子構築物の組み込みについて個別にスクリーニングした。すべての形質転換体をヒスチジン添加なしの最少デキストロース−ソルビトール寒天上で選択した。各形質転換は、500超のHis形質転換体を生成した。P.パストリス(P.pastoris)では複数の組み込みイベントが自然に起こるため、これらの形質転換体のいくつかは複数のコピーの発現プラスミドを含有することが予想された。これらの高コピー数形質転換体は、より高いレベルのインスリン分子を産生することができるであろう。したがって、発現プラスミドのすべてがpPIC3.5K誘導体であり、ジェネティシン耐性マーカーを含有する(すなわちより高いコピーのクローンはジェネティシン耐性のより高い組み込みをもたらすはずである。)ため、最高のコピー数を持つ形質転換体を選択するために、すべての形質転換体をジェネティシンに対するその耐性に基づいてスクリーニングした。
以下の手順により、His形質転換体を最少デキストロース−ソルビトール寒天上で培養して、ともにプールしてジェネティシンを含有するYPD寒天(1%酵母抽出物、2%ペプトン、2%デキストロースおよび2%寒天)に播種した:
・滅菌水1から2mlを、各最少デキストロース−ソルビトールプレート上のHis形質転換体(各発現プラスミド−株の組合せからの)の上にピペットで移した。
・滅菌スプレッダを使用して、スプレッダを寒天上面で移動することによって、His形質転換体を水中に再懸濁させる。
・細胞懸濁物を滅菌された50mlコニカル遠心管に移動・プールして、短時間ボルテックス処理する。
・細胞懸濁物の細胞密度を分光光度計によって決定した(1OD600単位≒5×10細胞/ml)。
・10細胞を0.25、0.5、1.0、1.5、2.0、3.0および4.0mg/mlの最終濃度でジェネティシンを含有するYPDプレート上に播種した。
・プレートを30℃にてインキュベートして、毎日チェックした。ジェネティシン耐性コロニーが出現するまで3から5日かかった。
YPD−ジェネティシンプレート上で増殖したコロニーを同じ濃度のジェネティシンを含有するYPD寒天上で純度について画線培養して、単離されたコロニーが高濃度のジェネティシンに耐性であることを確認した。次に多様なジェネティシン濃度レベルの複数のクローンを、振とうフラスコでのインスリン分子発現試験のために選択した。
振とうフラスコ試験
40のジェネティシン耐性クローン(4つの発現プラスミド×2株×5つの形質転換体)に対して2つの緩衝液条件(緩衝対非緩衝培地)にて、合計80個の振とう培養フラスコについて振とうフラスコ試験を行った。
形質転換体の半分はKM71誘導体であり、これはMut表現型を有している。上で調製した画線されたプレートから単離したKM71形質転換体コロニーを使用して、100mL非緩衝MGYブロス(1%酵母抽出物、2%ペプトン、1.34%酵母窒素ベース、4×10−5%ビオチンおよび1%グリセロール)またはBMGYブロス100mL(MGYと同じであるが、100mMリン酸カリウムを含む、pH6)に植菌した。これらの種培養物を30℃にて、250rpmでオービタル振とうしながら、16時間またはOD600値が2−6に達するまでインキュベートした。次に、わずかな一定分量の各MGY培養物を使用してグリセロールストックを調製した。残りのMGY培養物を次に4000×gにて5分の遠心分離によって集菌した。培養物上清を廃棄して、各細胞ペレットをMMYブロス20mL(グリセロールが0.5%メタノールで置き換えられていることを除いて、MGYと同じ)で再懸濁させた。同様に、BMGY種培養物を4000×gにて5分の遠心分離によって集菌した。培養物上清を廃棄して、各細胞ペレットをBMMYブロス20mL(グリセロールが0.5%メタノールで置き換えられていることを除いて、BMGYと同じ)で再懸濁させた。
MMYおよびBMMYブロス中のメタノールは、タンパク質発現を誘起する。MMYおよびBMMY培養物を30℃にて250rpmでオービタル振とうしながら96時間インキュベートした。24時間ごとに、メタノールを各培養物に0.5%の最終濃度まで添加した。0.5mLの一定分量の培養物も各振とうフラスコから、誘起開始後に24時間ごとに除去した。これらの試料では、細胞を培養物上清から微量遠心分離によって分離して、両方の画分を−80℃にて貯蔵した。
形質転換体のもう1つの半分はGS115誘導体であり、これはMutであることが予想された。先に記載したように調製した画線されたプレートから単離したGS115形質転換体コロニーを使用して、MGYブロス25mLおよびBMGYブロス25mLを植菌した。これらの種培養物を30℃にて、250rpmでオービタル振とうしながら、16時間またはOD600値が2−6に達するまでインキュベートした。次に、わずかな一定分量の各MGY培養物を使用してグリセロールストックを調製した。開始OD600値が約1であるように、残りの細胞の別の一定分量を、MMYブロス20mLに植菌するために遠心分離によって集菌した。同様に、開始OD600値が約1であるように、BMGY種培養物を使用してBMMYブロス20mLに植菌した。MMYおよびBMMY培養物を30℃にて250rpmでオービタル振とうしながら96時間インキュベートした。24時間ごとに、メタノールを各培養物に0.5%の最終濃度まで添加した。0.5mLの一定分量の培養物を各振とうフラスコから、誘起開始後に24時間ごとに除去した。細胞を培養物上清から微量遠心分離によって分離して、両方の画分を−80℃にて貯蔵した。
96時間の誘起後、すべての培養物を遠心分離によって集菌した。細胞ペレットを廃棄した。最終培養物上清および誘起の間に多様な時点にて収集した培養物上清をインスリン分子発現収率について、変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE、バイオラッド、ハーキュリーズ、カリフォルニア州;標準ラダー:シーブルー@プラス2前染色標準(1X);染色:シンプリーブルー・セーフステイン;プレキャストゲル:基準プレキャストゲル16.5%トリス−トリシン/ペプチド;ランニング緩衝液:1Xトリス/トリシン/SDS緩衝液;ローディング緩衝液:トリシン試料緩衝液)または酵素結合免疫吸着測定法(ELISA、メルコディアイソ−インスリンELISA、ウプサラ、スウェーデン)によって分析した。
酵母における大規模インスリン分子発現のための培地
BM_Y=BM_Yベース培地(テクノバ、カタログ番号B8001)
BMGY=BM_Y+0.1%グリセロール(体積/体積)
BMMY=BM_Y+メタノール
酵母における大規模インスリン分子発現のためのMDS寒天プレートの調製
ソルビトール319gおよび寒天35gをジHO 1.4Lに溶解させた。混合物をオートクレーブで30分処理した。開始する前に温度を60℃まで降下させた。次に、脱イオン水中に硫酸アンモニウムを含有する滅菌13.4%(重量/体積)酵母窒素ベース(YNB)175mLを添加した。この混合物に、滅菌20%グルコースの脱イオン水溶液175mLおよび滅菌0.02%ビオチンの脱イオン水溶液3.5mLの一部を添加した。溶液を均一になるまで混合して、次にプレート中に注いだ。
酵母におけるインスリン分子の大規模発現および培養
滅菌ループを使用して、凍結細胞の一定分量をMDSプレートに移し、単一コロニーを得るために画線培養した。プレートを30℃にて2−4日インキュベートして、酵母コロニーを明らかにした。1個のコロニーを滅菌ループによって無作為に選び、BMGY培地25mL(BM_Y 24.17mL+30%グリセロール0.83mL)に植菌するために使用した。この培地をインキュベータ/振とう器(約150rpm)で30℃にて24時間インキュベートした。
この時間の後、BMGY 75mL(BM_Y 72.5mLおよび30%グリセロール2.5mL)を培養物に添加して、約100mLの最終体積を得た。インキュベーションを同じ条件下でさらに24時間続けた。翌日、光学密度(OD)を評価して、1000OD一定分量を得るために前培養物がどれだけ必要かを決定した(たとえばOD=15ならば、次に1000OD/150DmL−1→1000ODを得るために、前培養物66.7mLが必要であった)。
次に、計算した体積の前培養物を遠心分離して(4000rpm、4℃で10分)、上清をデカンテーションした。ペレットをBM_Y培地990mL中に再懸濁させた。ODを再チェックして(ODはおよそ1.0であるべきである。)、培養物の体積を必要ならばそれに従って調整した。生化学グレードメタノール10mL(シグマ−アルドリッチ、セントルイス、ミズーリ州#494437)を次にフラスコ添加して、フラスコをインキュベータ/振とう器で約150rpm、30℃にて24時間インキュベートした。メタノールを所望のタンパク質発現レベルに応じて、2−6日にわたって24時間ごとに添加した。
所望の酵母増殖レベルが達成された後、培養物を遠心分離した(10,000rpm,4℃にて30分)。上清をデカンテーションして、清浄な容器に保管して、必要となるまで、−80℃に凍結させた。
インスリン分子の大規模精製
培養フラスコからの細胞を4000×g、4℃にて10分の遠心分離により沈降させた。生じた上清を清浄なフラスコ中にデカンテーションした。1N HC1または1N NaOHを使用して上清のpHを約3.3に調整して、続いて上清を等量の脱イオン水(ミリQ、ミリポア、ビレリカ、マサチューセッツ州)によって希釈した。
生じた培養物上清を0.2ミクロン低結合フィルタユニット(ミリポア、ビレリカ、マサチューセッツ州)を通じた濾過により浄化した。別にイオン交換カラム(1.42cm×1.42cm×5.0cm)を、25mMクエン酸塩緩衝液pH3.3(ウォッシュバッファ)中で調製したSPセファロース・ファストフロー担体(GEヘルスケア)を用いて調製した。カラムに適切に充填したら、カラムを蠕動ポンプに連結して、培養物上清をイオン交換カラム上に添加した(約10ml/分)。すべての培養物上清をカラムに添加したら、蠕動ポンプを使用して、ウォッシュバッファおよそ10カラム容量(CV)をカラムに通過させた。これを行った後に、溶離緩衝液(50mM、pH7.6および200mM NaCl)およそ2−5CVを使用して、精製インスリン分子をカラムから溶離させた。
生じた精製インスリン分子溶液をマスタフレックスモデル7523−80ポンプ(コールパーマー、ヴァーノンヒルズ、イリノイ州)に連結されたダイアフィルトレーション装置(88cmおよび0.11mカセットホルダ、5kDa MWCOペリコン3 0.11mカセットフィルタ、ミリポア、ビレリカ、マサチューセッツ州)を使用して濃縮および脱塩した。溶液を最初に濃縮して、またはおよそ250mLの体積に希釈して、次におよそ8−10ダイア容量のミリ−Q脱イオン水でダイアフィルトレーションした。
脱塩した精製インスリン分子溶液を次に、凍結乾燥するか、または続いての酵素処理ステップで直接使用した。
インビトロ酵素処理
アクロモバクター・リティカス(Achromobacter lyticus)プロテアーゼ(ALP)は、酵素2UをMilli−Q HO 1mLに溶解させることによって調製した。酵素ストック溶液1:9をミリQ H2Oで0.2U/mLの濃度にさらに希釈することによって作用溶液を調製した。
すべての10 RHI−1ミュータントからのブロスを使用した(GS115 RHI−1 A−EおよびKM71 RHI−1 A−E)。各ブロス試料の200μL一定分量を2つ調製して、2Mトリス40μLの添加によってpH約10に調整した。対照として用いるために、同じ方法で約540μg/mLヒトRHIの一定分量を2つ調製した。作用酵素溶液2.4μLを一定分量各対の一方に添加した。ミリ−Q HO 2.4μLを他方に添加して対照として用いた。試料をロッカー上で室温にて4.5時間インキュベートして、次に−80℃にて分析まで凍結させた。
SDS−PAGEおよびウェスタンブロッティング用の試料は、トリシン試料緩衝液(バイオラッド)20μLを調製ブロス10μLに添加して、5分沸騰させることによって調製した。試料は、ペプチドおよびタンパク質ラダーと共に、125Vで運転されている16.5%トリス−トリシンゲル上で室温にて1.75時間分解させた。次にタンパク質を、iブロット・ドライ・トランスファーシステム(インビトロジェン)、プログラムP3を5.5分使用して、ニトロセルロース膜に移した。膜をPBS中0.25%グルタルアルデヒド(gluteraldehyde)によって15分固定させて、次にTBSによって3×5分洗浄した。ブロッキングをPBS+0.05%ツイン−20(PBST)中の5%粉乳中でロッカー上にて室温で1時間行った。次にブロットをPBST中の1%粉乳で1:1000に希釈されたマウス抗ヒトプロ−インスリン/インスリン抗体(アブカム)で振とう器上で4℃にて一晩インキュベートした。ブロットをPBSTによって2×10分洗浄して、PBST中1%乳中で1:3000に希釈したHRPコンジュゲートヤギ抗マウスIgG中で室温にて2時間インキュベートした。ブロットをPBST中で2×10分洗浄して、続いてdHO中で2分洗浄した。TMB基質(ピアス)中で室温にて2時間インキュベートすることによってバンドを展開させて、続いてdHOによって徹底的に洗浄した。
前官能化リガンドフレームワークとのコンジュゲーション
(A0/B0上に、A0のみの上に、またはB0のみの上に)N末端保護アミノ酸を持つインスリン分子がALPによって処置されると、インスリン分子は末端活性化エステル(たとえば−OSuなど)を包含する前官能化リガンドフレームワークとコンジュゲートされる。反応は、前官能化リガンドフレームワークをDMSOまたはDMFなどの無水有機溶媒に溶解させること、次に所望の当量数のALP消化インスリン分子を添加すること、続いて室温にて数時間混合することによって行われる。
前官能化リガンドフレームワークとALP消化インスリン分子との間のコンジュゲーション反応は、炭酸塩緩衝液中でも起こり得て、B29−コンジュゲートインスリン分子を与える。例示的な合成において、前官能化リガンドフレームワーク(PLF)が無水DMSOに溶解されて、続いてトリエチルアミン(TEA)が添加される。溶液を室温にて所望の長さの時間にわたって迅速に撹拌する。次にALP消化インスリン分子を17.2mM炭酸ナトリウム緩衝液(0.1M、pH11)中に個別に溶解させて、続いて1.0N水酸化ナトリウムによってpHを10.8まで調整する。溶解したら、PLF/DMSO/TEA溶液を薬物/炭酸塩緩衝液溶液に滴加する。添加中に、必要ならば希HClまたはNaOHを使用して、生じた混合物のpHを定期的に10.8まで調整する。滴加の後に溶液を所望の長さの時間にわたって撹拌して、完全に反応させる。
さらに、炭酸塩緩衝液条件下で、インスリン分子がB0のみにて保護されているある実施形態において、A1,B29−2置換インスリン−コンジュゲートは、上記の条件を使用して、B29−1置換インスリン−コンジュゲート合成と比較して、インスリン分子当りの前官能化リガンドフレームワークの量のおよそ10倍を用いて合成される。
N末端アミノ酸保護アミノ酸配列のインビトロ酵素切断
コンジュゲートインスリン中間体を次にトリプシンで処置して、表8に下線を付けて示されているN末端保護アミノ酸配列を切断する。簡潔には、0.5%(重量/重量)トリプシン(たとえばブタトリプシン)をコンジュゲートインスリン中間体に添加する。トリプシンは、反応混合物の体積の10%体積/体積から30%体積/体積(たとえば約20%体積/体積)に達する体積で水溶物として提供され得る。室温にて約1時間後、反応を終了させる。反応はpHを調整することによって、たとえばpHを酸性pHに(たとえば約1、約2、約3、約4、約5または約6のpHに)に調整することによって終了され得る。所望の生成物は、(たとえば分取逆相HPLCを使用して)精製されていてもよい。
結果
酵母におけるインスリン分子の産生
本実施例は、酵母におけるインスリン分子の産生を示す。とりわけ本実施例は、2つの異なる酵母株におけるインスリン分子(特にRHI−1、RHI−2、RHI−3およびRAT−1の産生)産生を示す。本開示は、これらの手順が他のいずれの組換えインスリン分子を発現および精製するためにも有用であり得るという認識を含む。
図24は、緩衝(BMMY)および未緩衝(MMY)条件下で培養されたGS115株クローンからの未精製培養物上清の収量を示す。図24の左パネルは、ELISA分析(イソ−インスリンELISA、メルコディア、ウプサラ、スウェーデン)を使用した、多様なクローン(「Clone#」は、各種のジェネティシンプレート耐性レベルから得たクローンを指す)からのインスリン分子収量(mg/L)を示す。図24の右パネルは、クローンのSDS−PAGEを示し、産生されたインスリン分子の分子量を示している。組換えヒトインスリン標準(RHI標準)を収量比較する目的で、右上ゲルのレーン14および右下ゲルのレーン2に250mg/Lに示す。予想した通り、インスリン分子は、リーダーペプチドおよび結合ペプチド(「Cペプチド」)のために、RHI標準の分子量よりも高いMWを有する。
図25は、緩衝条件下で培養されたKM71株クローンからの未精製培養物上清収量を示す。図25の左パネルは、ELISA分析(イソ−インスリンELISA、メルコディア、ウプサラ、スウェーデン)を使用した、多様なクローン(「Clone#」は、各種のジェネティシンプレート耐性レベルから得たクローンを指す)からのインスリン分子収量(mg/L)を示す。図25の右パネルは、クローンのSDS−PAGEを示し、産生されたインスリン分子の分子量を示している。組換えヒトインスリン標準(RHI標準)は、右上ゲルのレーン15−18(60−500mg/L)および右下ゲルのレーン5−9(30−500mg/L)に、収率を比較する目的で示されている。予想した通り、インスリン分子は、リーダーペプチドおよび結合ペプチド(「Cペプチド」)のために、RHI標準の分子量よりも高いMWを有する。
図26は、非緩衝条件下で培養されたKM71株クローンからの未精製培養物上清収量を示す。図26の左パネルは、ELISA分析(イソ−インスリンELISA、メルコディア、ウプサラ、スウェーデン)を使用した、多様なクローン(「Clone#」は、各種のジェネティシンプレート耐性レベルから得たクローンを指す)からのインスリン分子収量(mg/L)を示す。図26の右パネルは、クローンのSDS−PAGEを示し、産生されたインスリン分子の分子量を示している。組換えヒトインスリン標準(RHI標準)は、右上ゲルのレーン8および9(250および100mg/L)および右下ゲルのレーン18(250mg/L)に、収率を比較する目的で示されている。予想した通り、インスリン分子は、リーダーペプチドおよび結合ペプチド(「Cペプチド」)のために、RHI標準の分子量よりも高いMWを有する。
図24−26に示した結果は、多様なプラスミド構築物によって産生されたインスリン分子が正しいMWの分子であることを示す。加えて、これらのデータは、ヒトインスリンに特異的である抗体を使用する市販のインスリンELISAキットによって測定可能および検出可能であったため、インスリン分子がインスリン様であることを示す。これらのデータは、インスリン分子が酵母において商業的に有用なレベル(たとえば>25mg/L)で発現され得ることをさらに示す。最後に、これらのデータは、ELISA測定収量と粗培養物上清からのSDS−PAGE測定収量との間に良好な相関を示した。言い換えれば、SDS−PAGEバンド強度が上昇すると、ELISA測定値も上昇する傾向があった。この相関は、SDS−PAGEゲルで適切な分子量の対象とするバンドが実際にインスリン分子であったことをさらに示す。
精製インスリン分子のインビトロ酵素処理
本実施例は、(Cペプチドおよびリーダーペプチドを除去するための)組換え産生インスリン分子のインビトロ酵素処理に使用された手順も記載する。本開示は、これらの手順がたとえば粗細胞培養物ブロスからの、浄化された上清からの、精製インスリン分子生成物などからの産生工程のいずれのステップにおいてもインスリン分子の精製に利用できるという認識を含んでいる。
遺伝子RHI−1を含有するメタノール誘起ミュータントからのブロスをアクロモバクター・リティカス(Achromobacter lyticus)プロテアーゼ(ALP)によって消化した。ALPはC末端リジンプロテアーゼであり、したがってインスリン分子のAペプチドとBペプチドとの間のペプチドリンカ(C末端LysがないCペプチドを包含するRHI−2およびRHI−3構築物を除く)ならびにBペプチドのN末端に結合されているリーダーペプチド配列を切断することが予想された。乾燥膜をスキャンして、図27に示す。2つのバンドがブロスを含有する大半のレーンに存在し、両方のバンドが、酵素消化後には対照と比較してより低い分子量に移動した。各消化対のより低いMWのバンドは、RHI対照とほぼ同じ位置にある。RHI対照は、消化後にMWを変更しなかった。これらの結果は、適切なサイズのインスリン分子が酵素処理後に生成されたことを示す。インスリン分子RHI−1、RHI−4およびRAT−1のALPによる消化は、表8に示す生成物を産生することが予測されるであろう(生成物中のAおよびBペプチドは、式Xに示すように、3つのジスルフィドブリッジを介して結合されている)。RHI−2およびRHI−3のCペプチドはC末端Lysを包含しないため、CペプチドがArgのC末端側で切断する酵素(たとえばトリプシンまたは下で議論するようなトリプシン様プロテアーゼ)によってさらに処理されるまで、これらはAペプチドのN末端に結合されたままであることが予想されるであろう。
RHI−2、RHI−3およびRHI−4はそれぞれ、1つ以上のN末端保護アミノ酸配列(表8の配列で下線が付けられている)を包含するように設計された。図示されているように、RHI−2はN末端保護アミノ酸配列を位置A0およびB0に包含する(上述のように、RHI−2のCペプチドはALPによって切断されず、したがってAペプチドのN末端になお結合されている)。RHI−3は、N末端保護アミノ酸配列を位置A0のみに包含する(上述のように、RHI−3のCペプチドはALPによって切断されず、したがってAペプチドのN末端になお結合されている)。RHI−4は、N末端保護アミノ酸配列を位置B0にのみ包含する。
Figure 2013542915
前官能化リガンドフレームワークとのコンジュゲーション
RHI−2、RHI−3およびRHI−4がALPによって処置されると、これらは末端活性化エステル(たとえば−OSuなど)を包含する前官能化リガンドフレームワークとコンジュゲートされる。反応は、前官能化リガンドフレームワークをDMSOまたはDMFなどの無水有機溶媒に溶解させること、次に所望の当量数のALP消化インスリン分子を添加すること、続いて室温にて数時間混合することによって行われる。
または反応は、炭酸塩緩衝液中で所望の当量数の前官能化リガンドフレームワーク(PLF)を無水DMSOに溶解させること、続いてのトリエチルアミン(TEA)の添加によって行われる。溶液を室温にて所望の長さの時間にわたって迅速に撹拌する。次にALP消化インスリン分子を17.2mM炭酸ナトリウム緩衝液(0.1M、pH11)中に個別に溶解させて、続いて1.0N水酸化ナトリウムによってpHを10.8まで調整する。溶解したら、PLF/DMSO/TEA溶液を薬物/炭酸塩緩衝液溶液に滴加する。添加中に、必要ならば希HClまたはNaOHを使用して、生じた混合物のpHを定期的に10.8まで調整する。滴加の後に溶液を所望の長さの時間にわたって撹拌して、完全に反応させる。
N末端アミノ酸保護アミノ酸配列のインビトロ酵素切断
コンジュゲートインスリン中間体を次にトリプシンで処置して、表8に下線を付けて示されているN末端保護アミノ酸配列を切断する。簡潔には、0.5%(重量/重量)トリプシン(たとえばブタトリプシン)をコンジュゲートインスリン中間体に添加する。トリプシンは、反応混合物の体積の10%体積/体積から30%体積/体積(たとえば約20%体積/体積)に達する体積で水溶物として提供され得る。室温にて約1時間後、反応を終了させる。反応はpHを調整することによって、たとえばpHを酸性pHに(たとえば約1、約2、約3、約4、約5または約6のpHに)に調整することによって終了され得る。所望の生成物は、(たとえば分取逆相HPLCを使用して)精製されていてもよい。

Claims (31)

  1. 式Iの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立して、C−C12アルキレン鎖,1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    Wは薬物である。)
    を調製する方法であって:
    (a)式Aの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立して、C−C12アルキレン鎖,1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    LGは好適な脱離基である。)
    を提供するステップ;
    および
    (b)前記式Aの化合物をアミン含有薬物と反応させて、式Iの化合物を形成するステップ;
    を含む方法。
  2. 式IIの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
    を調製する方法であって:
    (a)式Aの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよく;
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    LGは好適な脱離基である。)
    を提供するステップ;
    (b)前記式Aの化合物をインスリン分子と反応させて、式IIの化合物を形成するステップ;
    を含む方法。
  3. Xの各出現が同じリガンドである、請求項2に記載の方法。
  4. LGが−OSuである、請求項2に記載の方法。
  5. 式IIの化合物が図1に示すものから選択される、請求項2に記載の方法。
  6. 式Aの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよく;
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    LGは好適な脱離基である。)
    を調製する方法であって:
    (a)式Bの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
    を得るステップ;
    および
    (b)式Bの前記化合物のカルボン酸を活性化して、式Aの化合物を形成するステップ;
    を含む方法。
  7. 式Bの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
    を調製する方法であって:
    (a)式Cの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよく;
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    PGはカルボン酸保護基である。)
    を提供するステップ;
    および
    (b)式Cの化合物を脱保護して、式Bの化合物を形成するステップ;
    を含む方法。
  8. 式Cの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよく;
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    PGはカルボン酸保護基である。)
    を調製する方法であって:
    (a)式Dの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    PGはカルボン酸保護基であり;および
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
    を提供するステップ;
    および
    (b)式Dの化合物を式Fの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xはリガンドであり;および
    AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。);
    と反応させて、式Cの化合物を形成するステップ;
    を含む方法。
  9. 式Dの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    PGはカルボン酸保護基であり;および
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
    を調製する方法であって:
    (a)式Eの化合物
    Figure 2013542915
    (式中:
    PGはカルボン酸保護基であり;および
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
    を提供するステップ;
    および
    (b)式Eの化合物を2−(2,6−ジオキソモルホリノ)酢酸と反応させて、式Dの化合物を得るステップ;
    を含む方法。
  10. 式Fの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xはリガンドであり;および
    AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。);
    を調製する方法であって:
    (a)式Gの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xはリガンドであり;
    AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    PGはアミノ保護基である。)
    を提供するステップ;
    および
    (b)式Gの化合物を脱保護して、式Fの化合物を与えるステップ;
    を含む方法。
  11. 式Gの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xはリガンドであり;
    AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    PGはアミノ保護基である。)
    を調製する方法であって:
    (a)式Hの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    PGはアミノ保護基であり;
    AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    LGは好適な脱離基である。)
    を提供するステップ;
    および
    (b)式Hの化合物をアミン含有リガンドHN−X(J)と反応させて、式Gの化合物を形成するステップ;
    を含む方法。
  12. 式Aの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよく;
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    LGは好適な脱離基である。)
    を調製する方法であって:
    (a)式Hの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    PGはアミノ保護基であり;
    AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    LGは好適な脱離基である。)
    を提供するステップ;
    (b)式Hの化合物をアミン含有リガンドHN−X(J)と反応させて、式Gの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xはリガンドであり;
    AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    PGはアミノ保護基である。)
    を形成するステップ;
    (c)式Gの化合物を脱保護して、式Fの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xはリガンドであり;および
    AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
    を与えるステップ;
    (d)式Fの化合物を式Dの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    PGはカルボン酸保護基であり;および
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
    と反応させて、式Cの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    PGはカルボン酸保護基である。)
    を形成するステップ;
    (e)式Cの化合物を脱保護して、式Bの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
    および
    (f)前記式Bの化合物のカルボン酸を活性化して、式Aの化合物を形成するステップ;
    を含む方法。
  13. 式Aの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよく;
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    LGは好適な脱離基である。);
    を調製する方法であって:
    (a)式Eの化合物
    Figure 2013542915
    (式中:
    PGはカルボン酸保護基であり;および
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
    を提供するステップ;
    (b)式Eの化合物を2−(2,6−ジオキソモルホリノ)酢酸と反応させて、式Dの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    PGはカルボン酸保護基であり;および
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
    を与えるステップ;
    (c)式Dの化合物を式Fの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xはリガンドであり;および
    AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
    と反応させて、式Cの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    PGはカルボン酸保護基である。)
    を形成するステップ;
    (d)式Cの化合物を脱保護して、式Bの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
    を形成するステップ;
    および
    (e)前記式Bの化合物のカルボン酸を活性化して、式Aの化合物を形成するステップ;
    を含む方法。
  14. 式Iの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよく;
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    Wは薬物である。)
    を調製する方法であって:
    (a)式Hの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    PGはアミノ保護基であり;
    AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    LGは好適な脱離基である。)
    を提供するステップ;
    (b)式Hの化合物をアミン含有リガンドHN−X(J)と反応させて、式Gの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xはリガンドであり;
    AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    PGはアミノ保護基である。)
    を形成するステップ;
    (c)式Gの化合物を脱保護して、式Fの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xはリガンドであり;
    AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;
    (d)式Fの化合物を式Dの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    PGはカルボン酸保護基であり;および
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
    と反応させて、式Cの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよく;
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    PGはカルボン酸保護基である。)
    を形成するステップ;
    (e)式Cの化合物を脱保護して、式Bの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
    を形成するステップ;
    および
    (f)式Bの前記化合物のカルボン酸を活性化して、式Aの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよく;
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    LGは好適な脱離基である。)
    を形成するステップ;
    および
    (g)式Aの化合物をアミン含有薬物と反応させて、式Iの化合物を形成するステップ;
    を含む方法。
  15. 式Iの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    Wは薬物である。)
    を調製する方法であって:
    (a)式Eの化合物
    Figure 2013542915
    (式中:
    PGはカルボン酸保護基であり;および
    AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
    を提供するステップ;
    (b)式Eの化合物を2−(2,6−ジオキソモルホリノ)酢酸と反応させて、式Dの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    PGはカルボン酸保護基であり;および
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい)
    を与えるステップ;
    (c)式Dの化合物を式Fの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xはリガンドであり;および
    AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
    と反応させて、式Cの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよく;
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    PGはカルボン酸保護基である。)
    を形成するステップ;
    (d)式Cの化合物を脱保護して、式Bの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
    を形成するステップ;
    (e)式Bの前記化合物のカルボン酸を活性化して、式Aの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよく;
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    LGは好適な脱離基である。)
    を形成するステップ;
    および
    (f)式Aの化合物をアミン含有薬物と反応させて、式Iの化合物を形成するステップ;
    を含む方法。
  16. 式IIの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。);
    を調製する方法であって:
    (a)式Hの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    PGはアミノ保護基であり;
    AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    LGは好適な脱離基である。)
    を提供するステップ;
    (b)式Hの化合物をアミン含有リガンドHN−X(J)と反応させて、式Gの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xはリガンドであり;
    AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    PGはアミノ保護基である。)
    を形成するステップ;
    (c)式Gの化合物を脱保護して、式Fの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xはリガンドであり;および
    AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
    を与えるステップ;
    (d)式Fの化合物を式Dの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    PGはカルボン酸保護基であり;および
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい)
    と反応させて、式Cの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよく;
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    PGはカルボン酸保護基である。)
    を形成するステップ;
    (e)式Cの化合物を脱保護して、式Bの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
    を形成するステップ;
    (f)式Bの前記化合物のカルボン酸を活性化して、式Aの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよく;
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    LGは好適な脱離基である。)
    を形成するステップ;
    および
    (g)式Aの化合物をインスリン分子と反応させて、式IIの化合物を形成するステップ;
    を含む方法。
  17. 式IIの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
    を調製する方法であって:
    (a)式Eの化合物
    Figure 2013542915
    (式中:
    PGはカルボン酸保護基であり;および
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
    を提供するステップ;
    (b)式Eの化合物を2−(2,6−ジオキソモルホリノ)酢酸と反応させて、式Dの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    PGはカルボン酸保護基であり;および
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
    を得るステップ;
    (c)式Dの化合物を式Fの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xはリガンドであり;および
    AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
    と反応させて、式Cの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよく;
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    PGはカルボン酸保護基である。)
    を形成するステップ;
    (d)式Cの化合物を脱保護して、式Bの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
    を形成するステップ;
    (e)式Bの前記化合物のカルボン酸を活性化して、式Aの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    LGは好適な脱離基である。)
    を形成するステップ;
    および
    (f)式Aの化合物をインスリン分子と反応させて、式IIの化合物を形成するステップ;
    を含む方法。
  18. 式Iの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    Wは薬物である。)
    を調製する方法であって:
    (a)式Dの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    PGはカルボン酸保護基であり;および
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
    を提供するステップ;
    (b)式Dの化合物を式Fの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xはリガンドであり;および
    AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
    と反応させて、式Cの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    PGはカルボン酸保護基である。)
    を形成するステップ;
    (c)式Cの化合物を脱保護して、式Bの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−0−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
    を形成するステップ;
    (d)式Bの前記化合物のカルボン酸を活性化して、式Aの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよく;
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    LGは好適な脱離基である。)
    を形成するステップ;
    および
    (e)式Aの化合物をアミン含有薬物Wと反応させて、式Iの化合物を形成するステップ;
    を含む方法。
  19. 式IIの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
    を調製する方法であって:
    (a)式Dの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    PGはカルボン酸保護基であり;および
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい)
    を提供するステップ;
    (b)式Dの化合物を式Fの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xはリガンドであり;および
    AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい。)
    と反応させて、式Cの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置換されていてもよく;
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    PGはカルボン酸保護基である。)
    を形成するステップ;
    (c)式Cの化合物を脱保護して、式Bの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよい)
    を形成するステップ;
    (d)式Bの前記化合物のカルボン酸を活性化して、式Aの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン単位は、−O−または−S−によって置き換えられていてもよく;および
    LGは好適な脱離基である。)
    を形成するステップ;
    および
    (e)式Aの化合物をインスリン分子と反応させて、式IIの化合物を形成するステップ;
    を含む方法。
  20. 式Gの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xはリガンドであり;
    AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン基は、−O−または−S−によって置換され得て;および
    PGはアミノ保護基である。)。
  21. 式Gの化合物が
    Figure 2013542915
    である、請求項20に記載の化合物。
  22. 式Fの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン基は、−O−または−S−によって置換され得て;および
    Xはリガンドである。)。
  23. 式Fの化合物が
    Figure 2013542915
    である、請求項22に記載の化合物。
  24. 式Dの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン基は、−O−または−S−によって置換され得て;および
    PGはカルボン酸保護基である。)。
  25. 式Dの化合物が
    Figure 2013542915
    である、請求項24に記載の化合物。
  26. 式Cの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    AlkはC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン基は、−O−または−S−によって置換され得て;
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン基は、−O−または−S−によって置換され得て;および
    PGはカルボン酸保護基である。)。
  27. 式Cの化合物が
    Figure 2013542915
    である、請求項26に記載の化合物。
  28. 式Bの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン基は、−O−または−S−によって置換され得て;および
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン基は、−O−または−S−によって置換され得る。)。
  29. 式Bの化合物が
    Figure 2013542915
    である、請求項28に記載の化合物。
  30. 式Aの化合物:
    Figure 2013542915
    (式中:
    Xの各出現は独立してリガンドであり;
    Alkの各出現は独立してC−C12アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン基は、−O−または−S−によって置換され得て;
    AlkはC−C20アルキレン鎖であり、1つ以上のメチレン基は、−O−または−S−によって置換され得て;および
    LGは好適な脱離基である。)。
  31. 式Aの化合物が
    Figure 2013542915
    である、請求項30に記載の化合物。
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